JP2004167070A - 車両用シート装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】制御ユニット22は、各センサの計測値から腰椎上部〜腰椎下部の圧力減少及び肩甲骨付近の圧力増加を伴う姿勢変化を検出した場合に、乗員の腰椎中上部〜胸椎中部の疲労感が増大していると判定する。この場合、腰椎上部〜胸椎下部付近に配置されたエアパック(第4支持力可変部材14C)への供給空気量を減少させ、腰椎下部(仙骨〜第4−5腰椎)付近に配置されたエアーパック(第3支持力可変部材13C)への供給空気量を増大するように支持力を制御する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、乗員の着座状態に応じて当該乗員に対する支持力を調節する車両用シート装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の車両用シート装置として、特開平5−146342号公報には、シートに着座した乗員の体圧を検出し、乗員の姿勢変化に応じて当該乗員の体圧を維持するようにシートバックの硬さを変更するものがある(特開平5−146342号公報参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平5−146342号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来例はシートに着座した乗員の腰椎付近のシートの硬さを変化させることにより疲労を軽減しようとするものであり、シートに着座した乗員の疲労箇所を乗員の身体の部位ごとに特定して疲労感を低減する手法ではない。
【0005】
一方で、図7及び図8を参照すると、シートに着座した乗員の身体の部位ごとの疲労感は時間とともに増大し、また各部位の疲労感の増大とともに乗員の姿勢変動回数も増加していることがわかる。
【0006】
従って、乗員の着座姿勢の変動位置を検出し、この変動位置から疲労箇所や疲労態様が特定できれば、その特定の疲労箇所や疲労態様から生じる着座乗員の疲労感を効果的に低減できると考えられる。
【0007】
本発明は、上述の課題に鑑みてなされ、その目的は、着座乗員の特定の疲労箇所や疲労態様から生じる疲労感を効果的に低減することができる車両用シート装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決し、目的を達成するために、本発明の車両用シート装置は、乗員の着座状態に応じて当該乗員に対する支持力を調節する車両用シート装置であって、前記着座した乗員の胸部から腰部の伸展を検出する検出手段と、前記伸展検出時に前記着座した乗員の腰椎下部への支持力を増大させ、且つ腰椎上部から胸椎下部付近への支持力を減少させる支持力調節手段とを具備する。
【0009】
また、好ましくは、前記検出手段は、更にシートに対する着座乗員の頭部から腰椎中部の圧力を検出し、前記着座乗員の頭部から腰椎中部の圧力が減少したことを検出した時に、前記支持力調節手段は前記着座乗員の胸椎上部から頚椎への支持力を減少させる。
【0010】
また、好ましくは、前記検出手段は、更にシートに対する着座乗員の腰椎中部から胸椎下部の圧力を検出し、前記着座乗員の腰椎中部から胸椎下部の圧力が増加したことを検出した時に、前記支持力調節手段は前記着座乗員の胸椎中部から胸椎下部への支持力を増大させ、及び/又は胸椎への支持力を肩甲骨付近に移行させる。
【0011】
また、好ましくは、前記検出手段は、更にシートに対する着座乗員の頭部から腰椎中部又は腰椎下部の圧力を検出し、前記着座乗員の頭部から腰椎中部又は腰椎下部の圧力が減少したことを検出した時に、前記支持力調節手段は前記着座乗員の腰椎中部から腰椎下部への支持力を増大させる。
【0012】
また、好ましくは、前記検出手段は、更にシートに対する着座乗員の腰椎下部と肩甲骨から頭部の圧力と、腰椎中部から胸椎中部の圧力とを検出し、前記着座乗員の腰椎下部と肩甲骨から頭部の圧力が増加し、腰椎中部から胸椎中部の圧力が減少したことを検出した時に、前記支持力調節手段は前記着座乗員の腰椎下部と肩甲骨への支持力を増大させる。
【0013】
また、好ましくは、車両の前後方向、左右方向及び上下方向の少なくともいずれかの方向の加速度、減速度、ステアリングの操舵速度、操舵量のいずれかを検出する走行状態検出手段を更に備え、前記車両の前後方向、左右方向及び上下方向の少なくともいずれかの方向の加速度、減速度、ステアリングの操舵速度、操舵量のいずれかが所定値を超えた時には、前記支持力調節手段による前記着座乗員に対する支持力の調節が禁止される。
【0014】
【発明の効果】
以上のように、請求項1の発明によれば、着座乗員の胸部から腰部の伸展を検出した時に着座した乗員の腰椎下部への支持力を増大させ、且つ腰椎上部から胸椎下部付近への支持力を減少させることで、腰部〜胸椎の疲労感を低減させることができる。また、上記制御により乗員の視点分散を抑制し(視点位置を略一定に保持し)、視線位置を要因とする疲労感を低減できる。
【0015】
請求項2の発明によれば、更にシートに対する着座乗員の頭部から腰椎中部の圧力減少を検出した時に、着座乗員の胸椎上部から頚椎への支持力を減少させることで、腰椎中上部及び胸椎上部から頚椎付近の疲労感を減少させることができる。
【0016】
請求項3の発明によれば、更にシートに対する着座乗員の腰椎中部から胸椎下部の圧力増加を検出した時に、着座乗員の胸椎中部から胸椎下部への支持力を増大させ、及び/又は胸椎への支持力を肩甲骨付近に移行させることで、胸椎付近の疲労感を軽減させることができる。
【0017】
請求項4の発明によれば、更にシートに対する着座乗員の頭部から腰椎中部又は腰椎下部の圧力減少を検出した時に、着座乗員の腰椎中部から腰椎下部への支持力を増大させることで、腰椎中部から下部付近の疲労感を減少させることができる。
【0018】
請求項5の発明によれば、更にシートに対する着座乗員の腰椎下部と肩甲骨から頭部の圧力増加と、腰椎中部から胸椎中部の圧力減少とを検出した時に、着座乗員の腰椎下部と肩甲骨への支持力を増大させることで、腰椎下部付近の疲労感を減少させることができる。
【0019】
請求項6の発明によれば、車両の前後方向、左右方向及び上下方向の少なくともいずれかの方向の加速度、減速度、ステアリングの操舵速度、操舵量のいずれかが所定値を超えた時には、着座乗員に対する支持力の調節が禁止されることでノイズや誤検出の影響を抑えることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
【0021】
尚、以下に説明する実施の形態は、本発明の実現手段としての一例であり、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で下記実施形態を修正又は変形したものに適用可能である。
【0022】
また、本発明においては「疲労感」という用語の意味を、精神的疲労感と肉体的疲労感の大きく分けて2つに分類し、精神的疲労感は一般的に定義される無意識的精神負担や、意識的精神負担に伴う疲労感や、乗り物酔い(疲労することにより酔いやすくなるから)などの意味として定義し、肉体的疲労感は身体運動や視線変化に伴う疲労感、姿勢維持に伴う疲労感、居住環境による疲労感という意味として定義している。
【0023】
[車両用シート装置]
図1は、本発明に係る実施形態の車両用シート装置を例示する正面図である。図2は、図1に示す車両用シート装置に搭載される疲労感を低減するための各機能ブロックにより構成されるシステムブロック図である。
【0024】
図1に示すように、本実施形態の車両用シート装置は、車体前後方向にスライドし任意の位置に固定可能なシートクッション部1と、このシートクッション部1の後端部で支持され車体前後方向に揺動可能なリクライニング機構を有するシートバック部2と、このシートバック部2の上端部に支持され着座乗員の後頭部付近に配置されるヘッドレスト3とを備え、主に運転席に適用される。
【0025】
シートクッション部1の着座面には、シートクッション部1の幅方向の中心に対して対称に配置された一対の第1センサ部11と第2センサ部12が設けられている。第1センサ部11は第1左センサ11Aと第1右センサ11Bとで構成され、第1支持力可変部材11Cを介して(若しくは別体で)シートクッション部1に配置されている。同様に、第2センサ部12は第2左センサ12Aと第2右センサ12Bとで構成され、第2支持力可変部材12Cを介して(若しくは別体で)シートクッション部1に配置されている。
【0026】
第1センサ部11と第2センサ部12とは互いにシートクッション部1の前後方向に並んで所定距離だけ離間して配置され、着座乗員の大腿部から膝部(図6に示す股関節から膝関節までの範囲)がシートクッション部1に付与する圧力(体圧やその反力)を検知する。これら各センサ部11,12により検知された圧力は乗員の着座状態(姿勢や動作)の変化を検出するために用いられる。
【0027】
また、第1及び第2支持力可変部材11C,12Cは支持力調節手段として上記着座状態に応じて当該シートクッション部1から着座乗員への支持力を調節するために圧力を付与すべく設けられている。
【0028】
同様に、シートバック部2の背もたれ面にも、シートバック部2の幅方向の中心に対して対称に配置された一対の第3センサ部13、第4センサ部14及び第5センサ部15が設けられている。第3センサ部13は第3左センサ13Aと第3右センサ13Bとで構成され、第3支持力可変部材13Cを介して(若しくは別体で)シートバック部2に配置されている。同様に、第4センサ部14は第4左センサ14Aと第4右センサ14Bとで構成され、第4支持力可変部材14Cを介して(若しくは別体で)シートバック部2に配置されている。更に、第5センサ部15は第5左センサ15Aと第5右センサ15Bとで構成され、第5支持力可変部材15Cを介して(若しくは別体で)シートバック部2に配置されている。
【0029】
第3センサ部13はシートバック部2の下部に配置され、着座乗員の腰部から下部の尻部までの範囲(図5(a)に示す第1〜第5腰椎、仙骨、骨盤までの範囲)がシートバック部2に付与する圧力(体圧)を検知する。
【0030】
第4センサ部14はシートバック部2の中央部に配置され、着座乗員の胸部(図5(a)に示す第1〜第12胸椎までの範囲)がシートバック部2に付与する圧力(体圧)を検知する。
【0031】
第5センサ部15はシートバック部2の上部に配置され、着座乗員の頚部から上の範囲(図6に示す第1〜第7頚椎、肩甲骨までの範囲)がシートバック部2に付与する圧力(体圧)を検知する。
【0032】
また、第3乃至第5支持力可変部材13C〜15Cは支持力調節手段として上記着座状態に応じて当該シートバック部2から着座乗員への支持力を調節するために圧力を付与すべく設けられている。
【0033】
尚、上記センサや支持力可変部材をヘッドレスト3に設けて頭部の圧力を検知し、及び頭部に対して支持力を付与する構成としてもよい。
【0034】
図2(a)にも示すように、上記各センサ部11〜15により検知された圧力は、圧力計測ユニット21により検出されて計測データとして制御ユニット22に転送される。制御ユニット22は制御コントローラ22Aとメモリ22Bとを有し、圧力計測ユニット21から転送された計測データから乗員の着座状態(姿勢や動作の変化)を検出する。また、制御ユニット22は乗員の着座状態とそれに対する疲労感低減制御パターンとを関連付けてメモリ22Bに記憶しており、上記検出した着座状態から乗員の疲労感の要因となる疲労箇所を判断(推定)すると共に、制御コントローラ22Aはこの疲労感が低減するためにレギュレータ23を介して上記第1支持力可変部材11Cから第5支持力可変部材15Cの少なくとも1つの支持力を調節する。
【0035】
上記乗員の着座状態は、例えば、疲労しやすい市街地などの渋滞走行時や高速道路走行時の乗員の動作形態(着座姿勢の変化)を測定し、過去数日間の運転時間や一日の運転時間から疲労していると判定できる動作をデータとして蓄積することにより作成される。
【0036】
尚、上記各センサは左右一対の構成を例示したが左右いずれかだけ設けた構成でもよい。また、センサとしては、着座乗員の体圧を感知する圧力センサの他、ひずみゲージなどの重量センサ、赤外線センサや超音波センサなどの距離センサが適用できる。
【0037】
そして、超音波センサや赤外線センサを用いる場合には、超音波や赤外線を発することによりセンサ部から乗員背部までの距離を測定し、初期値(運転開始時など)に対する移動量や荷重中心の移動方向を計測することになる。
【0038】
また、上記支持力可変部材としては、例えば、空気圧により膨張や収縮するエアパック等のように、エアポンプ25などの空気供給源から供給されるエア量をレギュレータ23などにより増減制御できる装置が適用できる。
【0039】
また、上記エアパック式のほか、支持力可変部材を偏心回転する円筒形状とし、シートクッション部に設けた第1及び第2支持力可変部材11C,12Cについては上下方向に偏心させ、シートバック部に設けた第3〜第5支持力可変部材13C〜15Cについては前後方向に偏心させて移動或いは回転させることで支持力を調節可能な構成にできる。
【0040】
また、シートバック部内に設けられた乗員背部を支持するS字状のスプリングの代りにランバーサポート部を前後方向に移動可能として支持力を調節する構成でもよい。更に、シート部材とは異なる硬度の部材をシートクッション部に上下動可能に内蔵したり、シートバック部に前後方向に移動可能に内蔵して構成することもできる。
【0041】
また、上記支持力可変部材の左右の支持力を個別に制御可能としたり、また、シートクッション部1の着座面の長さを前後方向に変更できるように構成したり、シートクッション部1の着座面の先端部角度を変更できるように構成してもよい(特に、下記疲労態様10,11に対応)。
【0042】
また、上記乗員の着座状態とそれに対する疲労感低減制御パターンとを関連付けたデータはフレキシブルディスクなどの記録メディアから供給される形態であってもよい。
【0043】
[疲労感低減制御]
図3は、図2の各機能ブロックによる疲労感低減制御を示すフローチャートである。
【0044】
図3に示すように、ステップS1で車両走行中(乗員が着座した状態)であるならば(ステップS1でYES)、ステップS2、S3では各センサが着座した乗員の圧力を検出し、制御ユニットは圧力計測ユニットから各センサにより検出された圧力の計測値を入力する。車両走行中であるか否かは、例えば車速センサなどにより車速が所定値以上か否かに基づいて判定する。また、車両走行中を条件とするのは、エンジンが作動されていても車両走行中でなければ、例えば、シートを倒して休憩している場合もあるからである。
【0045】
その後、ステップS4で乗員が運転操作しているならば(ステップS4でNO)、ステップS5で制御ユニットは疲労感低減制御介入条件が成立しているか判断する。尚、この疲労感低減制御介入条件の詳細については後述する。
【0046】
ステップS5で疲労感低減制御介入条件が成立しているならば(ステップS5でYES)、ステップS6で、制御ユニットは上記各センサの計測値から乗員の着座姿勢の変化を判定する。この着座姿勢の変化は、例えば、初期値(運転開始時など)に対する現在の圧力差が所定値以上となった場合に増大、所定値以下となった場合に減少と判定される。
【0047】
ステップS6で乗員に姿勢変化があったならば(ステップS6でYES)、センサによる誤検出を除き、単なる運転動作などを姿勢変化と判定することを防止するためステップS7で所定時間(例えば、0.5秒)経過後(ステップS7でYES)、ステップS8で後述する疲労態様に応じた姿勢制御を実行する。
【0048】
ステップS9では、制御ユニットは上記ステップS8での姿勢制御の結果、乗員の着座姿勢が変更できたか否か判定する。
【0049】
ステップS9で乗員の着座姿勢が変更できたと判定したならば(ステップS9でYES)、ステップS10,S11で制御ユニットは乗員の着座姿勢の変化を判定し、姿勢変化量が所定値以内に抑制できたと判定されたならば(ステップS11でYES)、本制御を終了する。
【0050】
また、ステップS9で乗員の着座姿勢が変更できなかったと判定したならば(ステップS9でNO)、ステップS13で姿勢制御が乗員にとって苦痛となることもあるので制御を終了する。
【0051】
一方、ステップS11で、姿勢変化量が所定値以内に抑制できないと判定されたならば(ステップS11でNO)、ステップS12で乗員の着座姿勢の変化を再度判定した後、ステップS8にリターンして姿勢制御を実行する。
【0052】
[ステップS8での姿勢制御]
図4は、図3のステップS8での姿勢制御を示すフローチャートである。
【0053】
図4に示すように、乗員の着座姿勢に変化があったならば(図3のステップS6でYES)、ステップS21,S22において制御ユニットはメモリに記憶した乗員の着座状態とそれに対する疲労感低減制御パターンとを関連付けたデータを読み出して検出された着座姿勢と照合する。
【0054】
ステップS22での照合の結果、上記検出した着座姿勢の変化が疲労感を要因としたものであり、上記乗員の疲労感の要因となる疲労箇所を判断できたならば、ステップS23で上記疲労感を低減させる方向に各支持力可変部材の支持力を制御するための最適な制御圧指令値を算出する。
【0055】
ステップS24,S25では、制御ユニットは、上記制御圧指令値に応じて所定の支持力可変部材に圧力を付与又は所定の支持力可変部材の圧力を除去するようにレギュレータを調整し、このレギュレータを介して所定の支持力可変部材に圧力を付与又は所定の支持力可変部材の圧力を除去することにより上記疲労感が低減する方向に支持力を発生させる。
【0056】
[疲労感低減制御介入条件の具体例]
図3の疲労感低減制御介入条件は、制御を開始するタイミングの前提条件として走行動力源(エンジン)が起動状態で且つ、シートバック部のリクライニング角度が15deg±10degに設定(動力源起動状態時休憩中のシートバック部を倒した状態での制御を防止するため)されている状態において下記内容を制御開始タイミングとする。
【0057】
また、本実施形態の車両には、走行状態検出手段として車両の前後方向、左右方向及び上下方向の少なくともいずれかの方向の加速度、減速度、ステアリングの操舵速度、操舵量などを検出するセンサが搭載され、制御ユニットはこれらのセンサ値から現在の車両の走行シーンを判定する。
【0058】
<制御開始タイミング>
下記1及び2の条件が成立したならば制御介入する。
1.圧力変化が所定時間内に複数回連続して検出された場合
2.所定の圧力変化が0.5秒間検出された場合
<制御停止タイミング>
下記1〜4のいずれかの条件が成立したならば制御を停止する。
1.圧力変化を示し且つ元の圧力状態に近づきつつある(姿勢変化を抑制できた)と判断できる場合
2.圧力の変化量増減が改善されない場合
3.他の所定圧力変化状態と判定された場合
4.座り直し動作(一時的な荷重抜け)が検出された場合
<各走行シーン>
猫背(前傾)姿勢の場合(下記疲労態様2,4)
1.ステアリング操舵量が任意値以上である場合
2.スイッチ操作等が検出された場合
3.シフトレバーなどのレバー操作が検出された場合
4.車両が停止又は微低速(ブレーキ操作後)である場合
以上の場合は上記いずれかの条件が解除されるまで制御介入しないものとする。
【0059】
反り返り(後傾)姿勢の場合(下記疲労態様1,5)
1.急激な加速操作をした場合
以上の場合は上記条件が解除されるまで制御介入しないものとする。
【0060】
尚、全ての着座姿勢に共通する条件として所定値以上の急激な加速動作若しくは減速動作、或いはステアリング操作における所定値以上の操舵速度若しくは操舵量が検出された場合、エアバック作動時なども制御介入しないものとする。
【0061】
上記のように、疲労感低減制御介入条件を設定することでノイズや誤検出の影響を抑えることができる。
【0062】
[疲労感低減制御の具体的態様]
図5は通常時の乗員の着座姿勢を示し、以下の表1〜15の状態図では関節を曲げる動作を屈曲、関節を伸ばす動作を伸展と呼び、動作方向を矢印で示している。
【0063】
<疲労態様1>
下記表1は本発明に係る実施形態の疲労態様1を説明する図表である。
【0064】
【表1】
【0065】
制御ユニット22は、各センサの計測値から上半身の動きとして第1腰椎〜第12胸椎の伸展、腰椎上部〜腰椎下部の圧力減少及び肩甲骨付近の圧力増加を伴う姿勢変化を検出した場合に、乗員の腰椎中上部〜胸椎中部の疲労感が増大していると判定する。
【0066】
この場合、腰椎上部〜胸椎下部付近に配置されたエアーパック(第4支持力可変部材14C)への供給空気量を減少させ、腰椎下部(仙骨〜第4−5腰椎)付近に配置されたエアーパック(第3支持力可変部材13C)への供給空気量を増大するように支持力を制御する。
【0067】
具体的には、腰椎上部〜胸椎下部付近に配置されたエアパックへの供給空気量を減少させ、腰椎下部(仙骨〜第4−5腰椎)付近に配置されたエアパックへの供給空気量を増大するように、2つのエアパック(第3支持力可変部材13C及び第4支持力可変部材14C)を用いてそれらの圧力を互いに相反する方向に制御する。即ち、図2(b)に示すように、一方のエアパック(第4支持力可変部材14C)と他方のエアパック(第3支持力可変部材13C)とを三方電磁弁26及び逆止弁27を介して内部連通するように接続し、一方のエアパックから他方のエアパックへ連通するように三方電磁弁26を切り替えることにより、一方のエアパック(第4支持力可変部材14C)から他方の第3支持力可変部材13Cへ逆止弁27を介して空気が供給され、腰椎上部〜胸椎下部の圧力が減少し、腰椎下部の圧力は増大する。更に、他方のエアパック(第3支持力可変部材13C)に必要量分の空気をエアポンプ25から供給することで支持力を増大させる。
【0068】
尚、上記支持力可変部材を偏心回転するように軸支した円筒形状とした場合には、第3支持力可変部材13Cを前方に所定角度回転させて突出させることで、腰椎下部(仙骨〜第4−5腰椎)の支持力を増大方向に制御できる。
【0069】
更に、上記支持力可変部材がランバーサポート部を前後方向に移動可能とした構成の場合には、腰椎上部〜胸椎下部付近に配置されたランバーサポート部(第4支持力可変部材14C)を後方に変位させ、腰椎下部(仙骨〜第4−5腰椎)付近に配置されたランバーサポート部(第3支持力可変部材13C)を前方に変位させるように制御すればよい。
【0070】
上記疲労態様1では、第3支持力可変部材13Cの支持力を増大させる(腰椎下部(仙骨〜第4−5腰椎の支持力を増大させる)ことで腰部の疲労感を低減させることができる。また、第4支持力可変部材14Cの支持力を増大させる(腰椎上部〜胸椎下部付近の支持力を減少させる)ことで胸椎下部の疲労感を低減させることができる。
【0071】
また、上記制御により乗員の視点分散を抑制し(視点位置を略一定に保持し)、視線位置を要因とする疲労感を低減できる。
【0072】
尚、以下に説明する疲労態様2〜15においても同様に所定の支持力可変部材の供給空気量が増減制御されるが、支持力可変部材としてはエアパックの他、上記偏心円筒形状やランバーサポート部を用いて支持力を増減制御する構成を適用できることは言うまでもない。
【0073】
<疲労態様2>
下記表2は本発明に係る実施形態の疲労態様2を説明する図表である。
【0074】
【表2】
【0075】
制御ユニット22は、上記疲労態様1において(又は上記疲労態様1にかかわりなく)、更に各センサの計測値から上半身の動きとして第1腰椎〜第12胸椎の屈曲、腰椎下部〜胸椎中部の圧力増加を伴う姿勢変化を検出した場合に、乗員の胸椎付近の疲労感が増大していると判定する。
【0076】
この疲労態様2では、第4支持力可変部材14Cの支持力を減少させる(胸椎中下部付近の支持力を減少させることで胸椎付近の疲労感を低減させることができる。また、第5支持力可変部材15Cの支持力を増大させて胸椎支持位置を肩甲骨付近に移行させることで胸椎付近の疲労感を低減させることができる。
【0077】
<疲労態様3>
下記表3は本発明に係る実施形態の疲労態様3を説明する図表である。
【0078】
【表3】
【0079】
制御ユニット22は、上記疲労態様1において(又は上記疲労態様1にかかわりなく)、更に各センサの計測値から上半身の動きとして腰椎の屈曲、頭部〜腰椎中部の圧力減少を伴う姿勢変化を検出した場合に、乗員の腰椎中上部付近及び胸椎上部〜頚部付近の疲労感が増大していると判定する。
【0080】
この疲労態様3では、第4支持力可変部材14Cの支持力を減少させ(腰椎中上部付近の支持力を減少させ)、第3持プレート13Cの支持力を増大させ(腰椎下部の支持力を増大させる)ことで腰椎中上部付近の疲労感を低減させることができる。
【0081】
また、第5支持力可変部材15Cの支持力を減少させる(胸椎上部〜頚椎の支持力を減少させる)ことで胸椎上部〜頚椎の疲労感を低減させることができる。
【0082】
<疲労態様4>
下記表4は本発明に係る実施形態の疲労態様4を説明する図表である。
【0083】
【表4】
【0084】
制御ユニット22は、上記疲労態様2において(又は上記疲労態様2にかかわりなく)、更に各センサの計測値から上半身全体の動きとして猫背(前傾)姿勢や、頭部〜腰椎中下部の圧力減少を伴う姿勢変化を検出した場合に、乗員の腰部付近の疲労感が増大していると判定する。
【0085】
この疲労態様4では、第3支持力可変部材13Cの支持力を増大させ(腰椎中部〜下部(第5腰椎)付近の支持力を増大させ)ることで腰椎中部から下部付近の疲労感を低減させることができる。
【0086】
<疲労態様5>
下記表5は本発明に係る実施形態の疲労態様5を説明する図表である。
【0087】
【表5】
【0088】
制御ユニット22は、上記疲労態様1において(又は上記疲労態様1にかかわりなく)、更に各センサの計測値から上半身全体の動きとして反り返り(後傾)姿勢や、腰椎下部及び肩甲骨〜頭部の圧力増加、並びに腰椎中部〜胸椎中部付近の圧力減少を伴う姿勢変化を検出した場合に、乗員の腰部付近の疲労感が増大していると判定する。
【0089】
この疲労態様5では、第3支持力可変部材13Cの支持力を増大させ(腰椎下部付近の支持力を減少させ)ることで腰椎下部付近の疲労感を低減させることができる。同時に、第5支持力可変部材15Cの支持力を増大させて肩甲骨付近の支持力を増大させることで腰部付近の疲労感を低減させることができる。
【0090】
[その他の疲労態様(変形例など)]
<疲労態様6>
下記表6は本発明に係る他の実施形態である疲労態様6を説明する図表である。
【0091】
【表6】
【0092】
制御ユニット22は、各センサの計測値から上半身全体の動きとして腰部をひねる動作や、腰椎下部〜肩甲骨付近の左右の圧力差が所定値以上となる姿勢変化を検出した場合に、乗員の腰椎上部〜腰椎中部付近の疲労感が増大していると判定する。
【0093】
この疲労態様6では、第3支持力可変部材13Cの支持力を増大させ(腰椎下部(仙骨〜第4−第5腰椎)付近の支持力を増大させ)、同時に第4支持力可変部材14Cの支持力を減少させる(腰椎上部付近の支持力を減少させる)ことで腰椎中上部の疲労感を低減させることができる。
【0094】
<疲労態様7>
下記表7は本発明に係る他の実施形態である疲労態様7を説明する図表である。
【0095】
【表7】
【0096】
制御ユニット22は、各センサの計測値から上半身全体の動きとして腰部を左右に曲げる動作や、腰椎中下部〜肩甲骨付近の左右の圧力差が所定値以上となる姿勢変化、或いは腰椎中下部〜肩甲骨付近の上下左右の圧力作用位置が変化する姿勢変化を検出した場合に、乗員の腰椎中部〜腰椎中部付近の疲労感が増大していると判定する。
【0097】
この疲労態様7では、第3支持力可変部材13Cの支持力を増大させ(腰椎下部(仙骨〜第4−5腰椎)付近の支持力を増大させ)、第5支持力可変部材15Cの支持力を増大させ(肩甲骨付近の支持力を増大させ)、同時に第4支持力可変部材14Cの支持力を減少させる(腰椎上部〜胸椎中下部付近の支持力を減少させる)ことで腰椎中部〜胸椎中部の疲労感を低減させることができる。
【0098】
<疲労態様8>
下記表8は本発明に係る他の実施形態である疲労態様8を説明する図表である。
【0099】
【表8】
【0100】
制御ユニット22は、各センサの計測値から下半身の動きとして股関節の屈曲、膝裏部〜大腿中部の圧力減少、尻下部の圧力減少、腰椎下部の圧力増加を伴う姿勢変化を検出した場合に、乗員の膝裏部、大腿下部、ふくらはぎ部付近の疲労感が増大していると判定する。
【0101】
この疲労態様8では、第1及び第2支持力可変部材11C,12Cの支持力を減少させる(尻下部、膝裏部、大腿部の支持力を減少させる)ことで腰椎中上部の疲労感を低減させることができる。
【0102】
また、シートクッション部1の着座面の前後方向長さを短くすることで大腿下部の疲労感を低減させることができる。
【0103】
更に、シートクッション部1の着座面の先端部角度を水平方向に移動させることでふくらはぎ部の疲労感を低減させることができる。
【0104】
<疲労態様9>
下記表9は本発明に係る他の実施形態である疲労態様9を説明する図表である。
【0105】
【表9】
【0106】
制御ユニット22は、各センサの計測値から下半身の動きとして股関節の伸展、膝裏部〜大腿部の圧力増加、尻下部の圧力増加、腰椎下部の圧力減少を伴う姿勢変化を検出した場合に、乗員の大腿上部、ふくらはぎ部付近の疲労感が増大していると判定する。
【0107】
この疲労態様9では、第1支持力可変部材11Cによる支持力の付与位置(膝裏部)を下げることでふくらはぎ部の疲労感を低減させることができる。
【0108】
また、シートクッション部1の着座面の前後方向長さを長くすると同時に着座面の先端部角度を水平方向に移動させることで大腿上部の疲労感を低減させることができる。
【0109】
<疲労態様10>
下記表10は本発明に係る他の実施形態である疲労態様10を説明する図表である。
【0110】
【表10】
【0111】
制御ユニット22は、各センサの計測値から下半身の動きとして左足を立てる動作、左膝裏部〜左大腿中部の圧力減少、尻下部の圧力減少、腰椎下部の圧力増加を伴う姿勢変化や、シート着座面の左右の圧力差が所定値以上となる姿勢変化を検出した場合に、乗員の左膝裏部、左大腿下部、左ふくらはぎ部付近の疲労感が増大していると判定する。
【0112】
この疲労態様10では、第1及び第2支持力可変部材11C,12Cのいずれも左側プレートのみの支持力を減少させる(左尻下部、左膝裏部、左大腿部の支持力を減少させる)ことで左膝裏部の疲労感を低減させることができる。
【0113】
また、シートクッション部1の着座面の前後方向長さを短くすることで左大腿下部の疲労感を低減させることができる。
【0114】
更に、シートクッション部1の着座面の先端部角度を水平方向に移動させることで左ふくらはぎ部の疲労感を低減させることができる。
【0115】
尚、この場合のこの着座姿勢の変化は、初期値(運転開始時など)に対する現在の左右の圧力差が所定値以上となった場合に増大、所定値以下となった場合に減少と判定される。
【0116】
<疲労態様11>
下記表11は本発明に係る他の実施形態である疲労態様11を説明する図表である。
【0117】
【表11】
【0118】
制御ユニット22は、各センサの計測値から下半身の動きとして右足を立てる動作、右膝裏部〜右大腿中部の圧力減少、尻下部の圧力減少、腰椎下部の圧力増加を伴う姿勢変化や、シート着座面の左右の圧力差が所定値以上となる姿勢変化を検出した場合に、乗員の右膝裏部、右大腿下部、右ふくらはぎ部付近の疲労感が増大していると判定する。
【0119】
この疲労態様11では、第1及び第2支持力可変部材11C,12Cのいずれも右側プレートのみの支持力を減少させる(右尻下部、右膝裏部、右大腿部の支持力を減少させる)ことで右膝裏部の疲労感を低減させることができる。
【0120】
また、シートクッション部1の着座面の前後方向長さを短くすることで右大腿下部の疲労感を低減させることができる。
【0121】
更に、シートクッション部1の着座面の先端部角度を水平方向に移動させることで右ふくらはぎ部の疲労感を低減させることができる。
【0122】
尚、この場合のこの着座姿勢の変化は、初期値(運転開始時など)に対する現在の左右の圧力差が所定値以上となった場合に増大、所定値以下となった場合に減少と判定される。
【0123】
<疲労態様12>
下記表12は本発明に係る他の実施形態である疲労態様12を説明する図表である。
【0124】
【表12】
【0125】
制御ユニット22は、各センサの計測値から上半身の動きとして肩関節の伸展、肩甲骨の圧力増加を伴う姿勢変化を検出した場合に、乗員の上半身全体、上腕部付近の疲労感が増大していると判定する。
【0126】
この疲労態様12では、肩関節伸展を屈曲させることで上腕部の疲労感を低減させることができる。
【0127】
また、第3支持力可変部材13Cの支持力を増大させる(腰椎下部付近の支持力を増大させる)ことで腰部の疲労感を低減させることができる。
【0128】
また、第4支持力可変部材14Cの支持力を減少させる(胸椎付近の支持力を減少させる)ことで肩〜胸椎腰部の疲労感を低減させることができる。
【0129】
更に、上記内容を組み合わせることで上半身全体の疲労感を低減させることができる。
【0130】
<疲労態様13>
下記表13は本発明に係る他の実施形態である疲労態様13を説明する図表である。
【0131】
【表13】
【0132】
制御ユニット22は、各センサの計測値から腕の動きとして肩関節の屈曲、肩甲骨の圧力減少を伴う姿勢変化を検出した場合に、乗員の上半身全体、上腕部付近の疲労感が増大していると判定する。
【0133】
この疲労態様13では、肩関節屈曲を伸展させることで上腕部の疲労感を低減させることができる。
【0134】
また、第3支持力可変部材13Cの支持力を増大させる(腰椎下部付近の支持力を増大させる)ことで腰部の疲労感を低減させることができる。
【0135】
また、第4支持力可変部材14Cの支持力を減少させる(胸椎付近の支持力を減少させる)ことで肩〜胸椎腰部の疲労感を低減させることができる。
【0136】
更に、上記内容を組み合わせることで上半身全体の疲労感を低減させることができる。
【0137】
<疲労態様14>
下記表14は本発明に係る他の実施形態である疲労態様14を説明する図表である。
【0138】
【表14】
【0139】
制御ユニット22は、各センサの計測値から腕の動きとして腕部の突っ張り動作や、腰椎中部〜頭部の圧力増加、尻下部の圧力増加を伴う姿勢変化を検出した場合に、乗員の姿勢保持により腰部や腕部付近の疲労感が増大していると判定する。
【0140】
この疲労態様14では、第2支持力可変部材12Cの支持力を増大させる(仙骨付近の支持力を減少させる)ことで主に姿勢保持による腰部の疲労感を低減させることができる。
【0141】
また、第5支持力可変部材15Cの支持力を増大させて肩甲骨付近の支持力を増大させることで腕部付近の疲労感を低減させることができる。
【0142】
<疲労態様15>
下記表15は本発明に係る他の実施形態である疲労態様15を説明する図表である。
【0143】
【表15】
【0144】
制御ユニット22は、各センサの計測値から腕の動きとして腕部の縮み動作や、腰椎下部〜頭部の圧力減少、尻下部の圧力増加を伴う姿勢変化や、尻下部の圧力作用位置が前方に移動する姿勢変化を検出した場合に、乗員の姿勢保持により腰部や腕部付近の疲労感が増大していると判定する。
【0145】
この疲労態様15では、第3支持力可変部材13Cの支持力を増大させる(腰椎中部から仙骨付近の支持力を増大させる)ことで腰部付近及び腕部付近の疲労感を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施形態の車両用シート装置を例示する正面図である。
【図2】図1に示す車両用シート装置に搭載される疲労感を低減するための各機能ブロックにより構成されるシステムブロック図である。
【図3】図2の各機能ブロックによる疲労感低減制御を示すフローチャートである。
【図4】図3のステップS8での姿勢制御を示すフローチャートである。
【図5】乗員の各部位を示す側面図である。
【図6】乗員の着座姿勢における各部位を示す側面図である。
【図7】乗員の体全体の疲労感と姿勢変化回数の測定結果を示す図である。
【図8】乗員の体全体及び各部位ごとの疲労感の測定結果を示す図である。
【符号の説明】
1 シートクッション部
2 シートバック部
3 ヘッドレスト
11〜15 第1〜第5センサ部
11A〜15A 第1〜第5左センサ
11B〜15B 第1〜第5右センサ
11C〜15C 第3〜第5支持力可変部材
21 圧力計測ユニット
22 制御ユニット
23 レギュレータ
25 エアポンプ
Claims (6)
- 乗員の着座状態に応じて当該乗員に対する支持力を調節する車両用シート装置であって、
前記着座した乗員の胸部から腰部の伸展を検出する検出手段と、
前記伸展検出時に前記着座した乗員の腰椎下部への支持力を増大させ、且つ腰椎上部から胸椎下部付近への支持力を減少させる支持力調節手段とを具備することを特徴とする車両用シート装置。 - 前記検出手段は、更にシートに対する着座乗員の頭部から腰椎中部の圧力を検出し、前記着座乗員の頭部から腰椎中部の圧力が減少したことを検出した時に、前記支持力調節手段は前記着座乗員の胸椎上部から頚椎への支持力を減少させることを特徴とする請求項1に記載の車両用シート装置。
- 前記検出手段は、更にシートに対する着座乗員の腰椎中部から胸椎下部の圧力を検出し、前記着座乗員の腰椎中部から胸椎下部の圧力が増加したことを検出した時に、前記支持力調節手段は前記着座乗員の胸椎中部から胸椎下部への支持力を増大させ、及び/又は胸椎への支持力を肩甲骨付近に移行させることを特徴とする請求項1に記載の車両用シート装置。
- 前記検出手段は、更にシートに対する着座乗員の頭部から腰椎中部又は腰椎下部の圧力を検出し、前記着座乗員の頭部から腰椎中部又は腰椎下部の圧力が減少したことを検出した時に、前記支持力調節手段は前記着座乗員の腰椎中部から腰椎下部への支持力を増大させることを特徴とする請求項3に記載の車両用シート装置。
- 前記検出手段は、更にシートに対する着座乗員の腰椎下部と肩甲骨から頭部の圧力と、腰椎中部から胸椎中部の圧力とを検出し、前記着座乗員の腰椎下部と肩甲骨から頭部の圧力が増加し、腰椎中部から胸椎中部の圧力が減少したことを検出した時に、前記支持力調節手段は前記着座乗員の腰椎下部と肩甲骨への支持力を増大させることを特徴とする請求項1に記載の車両用シート装置。
- 車両の前後方向、左右方向及び上下方向の少なくともいずれかの方向の加速度、減速度、ステアリングの操舵速度、操舵量のいずれかを検出する走行状態検出手段を更に備え、前記車両の前後方向、左右方向及び上下方向の少なくともいずれかの方向の加速度、減速度、ステアリングの操舵速度、操舵量のいずれかが所定値を超えた時には、前記支持力調節手段による前記着座乗員に対する支持力の調節が禁止されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の車両用シート装置。
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