JP2014073712A - 運動量測定装置および運動量測定方法 - Google Patents

運動量測定装置および運動量測定方法 Download PDF

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悟 広瀬
Seiichi Kobayashi
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Abstract

【課題】乗員の受動運動による運動量を適切に測定することが可能な運動量測定装置を提供する。
【解決手段】乗員が着座するシート装置100に設置され、車両走行中における乗員の受動運動による運動量が変化するように、乗員の姿勢を変化させるための受動運動機構21,22,11,12,13と、シート装置に着座する乗員の姿勢を検出する姿勢検出手段と、姿勢検出手段により検出された乗員の姿勢に基づいて、受動運動機構による乗員の受動運動の運動量を算出する運動量測定手段300と、を備えることを特徴とする運動量測定装置。
【選択図】図2

Description

本発明は、運動量測定装置および運動量測定方法に関するものである。
従来、移動体の乗り心地を向上するために、乗員の姿勢を検出し、乗員の姿勢に応じて、シートクッションやシートバックを制御することで、乗員の姿勢をサポートするシート装置が知られている(特許文献1)。
特開2006−8098号公報
従来技術は、乗員の姿勢をサポートすることで、車両の走行により乗員に加わる運動負荷(車両の走行時に乗員が姿勢を保つために必要な筋肉負荷)を軽減させるものであるため、車両走行中に、乗員が健康の維持・向上ために必要な運動量を得ることは困難となり、よって健康の維持・向上のために必要な運動量を測定することができなかった。
本発明が解決しようとする課題は、乗員の受動運動による運動量を測定することが可能な運動量測定装置を提供することである。
本発明は、車両走行中における乗員の受動運動による運動量が変化するように、乗員の姿勢を変化させるための受動運動機構を有し、シート装置に着座する乗員の姿勢を検出し、検出した乗員の姿勢に基づいて、受動運動機構による乗員の受動運動による運動量を算出することで、上記課題を解決する。
本発明によれば、乗員の姿勢に基づいて乗員の受動運動による運動量を算出することで、乗員の受動運動による運動量を適切に測定することができる。
本実施形態に係る運動量測定システムを示すブロック図である。 第1実施形態に係るシート装置を示す構成図である。 胸椎部エアバックの乗員側への突出量と、胸椎部エアバック内に供給される空気供給量との関係の一例を示すグラフである。 本実施形態に係るシート装置の側面を示す概略図である。 乗員の実際の姿勢と筋負荷に応じた姿勢との対応関係を示すテーブルである。 筋負荷に応じた姿勢と筋負荷の大きさとの対応関係を示すテーブルである。 ディスプレイに表示される画面の一例を示す図である。 本実施形態に係る運動量測定処理を示すフローチャートである。 第2実施形態に係るシート装置を示す構成図である。
≪第1実施形態≫
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
本実施形態においては、車両に搭載される運動量測定システムを例示して説明する。ここで、図1は、本実施形態に係る運動量測定システムを備えた車両1(以下、自車両1ともいう)の構成を示すブロック図である。図1に示すように、車両1は、シート装置100と、姿勢検出装置200と、制御装置300と、ディスプレイ400とを有する。これらの装置は、CAN(Controller Area Network)その他の車載LANによって接続され、相互に情報の授受を行う。
図2は、本実施形態に係るシート装置100を示す図である。本実施形態に係るシート装置100は、車両1に搭載され、車両1に乗車した乗員が着座可能となっている。また、以下に説明するシート装置100は、運転者が着座する運転席のシート装置に適用してもよいし、あるいは、運転者以外の同乗者が着座する席のシート装置に適用してもよい。
図2に示すように、シート装置100は、乗員がシート装置100に着座した際に、乗員の下半身を支持するシートクッション10と、乗員の上体を支持するシートバック20と、乗員の頭部を支持するヘッドレスト30とから構成される。
シートバック20には、図2に示すように、胸椎部エアバック21および腰椎部エアバック22が設けられている。具体的には、胸椎部エアバック21は、乗員がシートバック20に寄りかかった際に、乗員の胸椎に対応する位置に設けられており、腰椎部エアバック22は、乗員がシートバック20に寄りかかった際に、乗員の腰椎に対応する位置に設けられている。
また、胸椎部エアバック21は、ホース41を介してエアポンプ40と接続している。そして、エアポンプ40により、胸椎部エアバック21内に空気を送り込み、あるいは、胸椎部エアバック21内から空気を排出することで、胸椎部エアバック21の形状が可変となっている。同様に、腰部部エアバック22は、ホース42を介してエアポンプ40と接続されており、エアポンプ40により腰椎部エアバック22内に空気を送り込み、あるいは腰椎部エアバック22内から空気を排出することで、腰椎部エアバック22の形状が可変となっている。
たとえば、エアポンプ40により胸椎部エアバック21内に空気が供給されると、胸椎部エアバック21は膨らみ、乗員方向(X軸方向)に突出する。ここで、図3は、乗員がシート装置100に着座している際における、エアポンプ40により供給される空気供給量と、胸椎部エアバック21の突出量との関係の一例を示す図である。また、図3においては、エアポンプ40により供給される空気供給量と、胸椎部エアバック21内の空気圧との関係の一例も示している。たとえば、図3に示す例では、エアポンプ40から胸椎部エアバック21に対して空気の供給が開始されると、胸椎部エアバック21が乗員方向(X軸方向)に突出し始める。これにより、突出した胸椎部エアバック21が乗員の身体の一部をX軸方向に押すこととなり、その結果、車両走行中における乗員の受動運動による運動量が増大するように乗員の姿勢を変化させることができる。なお、図3に示す例では、エアポンプ40による空気供給量が所定量Qpを超えると、乗員の身体によって胸椎部エアバック21が押し返されることで、胸椎部エアバック21の突出が抑制され、胸椎部エアバック21内の空気圧が高くなる。すなわち、エアポンプ40からの空気供給量に対して、胸椎部エアバック21が乗員方向(X軸方向)に突出する割合が小さくなり、胸椎部エアバック21内の空気圧が増加する割合が大きくなる。
同様に、エアポンプ40により腰椎部エアバック22内に空気が供給されると、腰椎部エアバック22は膨らみ、乗員方向(X軸方向)に突出し始める。これにより、突出した腰椎部エアバック22が乗員の身体の一部をX軸方向に押すこととなり、その結果、車両走行中における乗員の受動運動による運動量が増大するように乗員の姿勢を変化させることができる。
すなわち、胸椎部エアバック21や腰椎部エアバック22を乗員方向(X軸方向)に突出させることで、乗員の上体とシートバック20との接触面積は小さくなる。そのため、胸椎部エアバック21や腰椎部エアバック22を乗員方向(X軸方向)に突出させた状態で、車両1が車線変更やカーブ走行を行った場合、その遠心力により、乗員の上体が横方向(略Y軸方向)に動き易くなり、乗員が姿勢を維持するために必要な運動負荷(筋肉負荷)を増加させることができる。また、本実施形態においては、後述する制御装置300の制御により、胸椎部エアバック21や腰椎部エアバック22の突出量を自由に調整することができ、胸椎部エアバック21や腰椎部エアバック22の突出量に応じて、乗員の受動運動における運動量を調整することができる。
なお、本実施形態に係るシート装置100においては、胸椎部エアバック21と腰椎部エアバック22とを同時に突出させることも、あるいは、胸椎部エアバック21および腰椎部エアバック22のうちいずれか一方のみを突出させることも可能である。たとえば、胸椎部エアバック21および腰椎部エアバック22を同時に突出させた場合には、胸椎部エアバック21および腰椎部エアバック22のうちいずれか一方のみを突出させた場合と比べて、乗員とシート面の接触面積がより小さくなることから、乗員の受動運動による運動量をより増大させることができる。
また、胸椎部エアバック21や腰椎部エアバック22が乗員側(X軸方向)に突出している場合に、エアポンプ40によって胸椎部エアバック21や腰椎部エアバック22内から空気を排出することで、胸椎部エアバック21や腰椎部エアバック22の突出量を小さくすることができる。たとえば、胸椎部エアバック21や腰椎部エアバック22の突出量をゼロにした場合、乗員の上体とシートバック20との接触面積は大きくなり、乗員の上体をシートバック20全体でサポートすることができるため、車両が走行している際に乗員の上体が横方向(Y軸方向)に動き難くなり、乗員が姿勢を維持するために必要な運動負荷(筋肉負荷)を減少させることができる。
また、図2に示すように、シートクッション10には、座面後方部エアバック11が設けられている。具体的には、座面後方部エアバック11は、シートクッション10の中央またはシートクッション10の中央よりも後方側(X軸負方向側)であって、乗員がシートクッション10に着座した際に乗員の臀部に対応する位置に設けられている。
座面後方部エアバック11は、ホース43を介してエアポンプ40と接続されており、エアポンプ40により座面後方部エアバック11内に空気を送り込み、あるいは座面後方部エアバック11内から空気を排出することで、座面後方部エアバック11の形状は可変となっている。
たとえば、エアポンプ40により座面後方部エアバック11内に空気が供給されると、座面後方部エアバック11は膨らみ、乗員方向(Z軸方向)に突出する。そして、このように座面後方部エアバック11を乗員方向(Z軸方向)に突出させることで、乗員の下半身とシートクッション10との接触面積が小さくなり、これにより、車両が車線変更やカーブ走行を行った際の遠心力や、車両が加速または減速した際の慣性力により、乗員の身体が前後左右(X軸方向、Y軸方向)に動き易くなり、車両走行中において、乗員が姿勢を維持するために必要な運動負荷(筋肉負荷)を増加させることができる。このように、本実施形態に係るシート装置100は、座面後方部エアバック11を乗員方向(Z軸方向)に突出させることで、車両の運動エネルギーを利用した乗員の受動運動における運動量を増大させることができる。
一方、座面後方部エアバック11が乗員側に突出している場合に、エアポンプ40により座面後方部エアバック11内から空気を排出することで、座面後方部エアバック11の突出量を小さくすることができる。たとえば、座面後方部エアバック11の突出量をゼロにした場合、乗員の下半身とシートクッション10との接触面積は大きくなり、シートクッション10において乗員の下半身の体圧分布が等しくなるように、乗員の下半身をシートクッション10全体でサポートすることができる。そのため、自車両1が走行している際に、乗員の身体が前後左右(X軸方向、Y軸方向)に動き難くなり(サポートされ)、乗員が姿勢を維持するために必要な運動負荷(筋肉負荷)を減少させることができる。なお、本実施形態においては、後述する制御装置300の制御により、座面後方部エアバック11の突出量を自由に調整することができ、座面後方部エアバック11の突出量に応じて、乗員の受動運動による運動量を調整することができる。
加えて、シートクッション10には、図2に示すように、一対の座面前方部エアバック12,13が設けられている。具体的には、一対の座面前方部エアバック12,13は、シートクッション10の中央よりも前方(X軸正方向側)であって、乗員がシートクッション10に着座した際に乗員の左右大腿部にそれぞれ対応する位置に設けられている。
座面前方部エアバック12,13は、ホース44,45を介してエアポンプ40と接続している。そして、エアポンプ40により座面前方部エアバック12,13内に空気を送り込み、あるいは座面前方部エアバック12,13内から空気を排出することで、座面前方部エアバック12,13の形状が可変となっている。
ここで、図4は、第1実施形態に係るシート装置100の側面を示す(Y軸方向から見たシート装置100を示す)概要図であり、図4(A)は、座面前方部エアバック12,13に十分な量の空気が供給されている場面のシート装置100を示しており、図4(B)は、座面前方部エアバック12,13内から十分な量の空気を排出した場面のシート装置100を示している。
たとえば、図4(A)に示すように、座面前方部エアバック12,13内に十分な量の空気が供給されている場合、座面前方部エアバック12,13は膨らみ、乗員方向(略Z軸方向)に突出する。このように、座面前方部エアバック12,13内に十分な量の空気が供給されている場合には、座面前方部エアバック12,13が乗員方向(略Z軸方向)に突出することで、シートクッション10の座面を略水平とすることができる。これにより、車両走行時における乗員の運動負荷(筋肉負荷)が軽減し、乗員が運転を適切に行うことができる。
これに対して、図4(B)に示すように、座面前方部エアバック12,13内から十分な量の空気を排出させた場合、座面前方部エアバック12,13の乗員方向(略Z軸方向)への突出量はゼロとなる。そのため、図4(B)に示すように、シートクッション10の座面は全体的に前方(X軸方向)に傾くことなる。このように、シートクッション10の座面が前方に傾いている場合、このシートクッション10に着座する乗員の姿勢も前方(X軸方向)に傾くため、たとえば、車両が加速または減速した際の慣性力により、乗員の身体が前後方向(X軸方向)に動き易くなり、乗員が姿勢を維持するために必要な運動負荷(筋肉負荷)を増加させることができる。特に、乗員がシートバック20に寄りかからないように、乗員の姿勢を前方に傾けることで、乗員が姿勢を維持するために必要な運動負荷(筋肉負荷)をより増加させることができる。このように、本実施形態に係るシート装置100は、座面前方部エアバック12,13内から空気を排出させて、シートクッション10の座面を前方に傾けることで、車両の運動エネルギーを利用した乗員の受動運動における運動量を増大させることができる。
エアポンプ40は、ホース41〜45にそれぞれ接続しており、これらホース41〜45を介して、胸椎部エアバック21、腰椎部エアバック22、座面後方部エアバック11、および一対の座面前方部エアバック12,13内に空気を送り込み、あるいは、胸椎部エアバック21、腰椎部エアバック22、座面後方部エアバック11、および一対の座面前方部エアバック12,13内から空気を排出することができる。なお、エアポンプ40は、各エアバック21,22,11,12,13内の空気量を調整するために専用のエアポンプであってもよいし、あるいは、車内空調装置と兼用のエアポンプであってもよい。
また、図2に示すように、各ホース41〜45には空気弁51〜55がそれぞれ設けられており、後述する制御装置300により、空気弁51〜55の開閉を制御することで、各エアバック21,22,11,12,13ごとに空気量の調整を行うことができる。
図1に戻り、姿勢検出装置200は、シート装置100に着座する乗員の姿勢を検出する。本実施形態において、姿勢検出装置200は、シートクッション10の座面やシートバック20に埋設された複数の圧力センサを有し、シート装置100に着座した乗員の身体がシート装置100に加える圧力の分布を検出することで、乗員の姿勢を検出する。
ここで、逆動力学により、乗員の動作や姿勢から、乗員の筋肉や腱などにかかる負荷(筋肉負荷)を算出することが可能であり、乗員の姿勢に応じた乗員の筋肉負荷を特定することができる。本実施形態において、姿勢検出装置200は、前傾姿勢や左傾姿勢などの乗員の実際の姿勢を、「姿勢A」や「姿勢B」などの筋負荷に応じた姿勢で検出する。すなわち、本実施形態では、筋負荷が最も高い姿勢を「姿勢A」とし、筋負荷が高い順に、「姿勢B」、「姿勢C」、「姿勢D」、「姿勢E」・・・として筋負荷に応じた姿勢を規定している。姿勢検出装置200は、図5に示すように、乗員の実際の姿勢と筋負荷に応じた姿勢との対応関係を示すテーブルを有しており、たとえば、圧力センサの出力から前傾姿勢などの乗員の実際の姿勢を検出した場合に、図5に示すテーブルを用いて、「姿勢B」などの筋負荷に応じた姿勢を検出する。また同様に、姿勢検出装置200は、乗員の姿勢が背無姿勢(乗員がシート装置200のシートバック20に寄りかかっていない姿勢)である場合には、乗員の姿勢を、筋負荷が最も大きい「姿勢A」として検出する。そして、このように姿勢検出装置200により検出された乗員の姿勢を示す姿勢情報は、制御装置300に送信される。なお、図5は、姿勢検出装置200により検出される乗員の姿勢の一例を示す図であり、図5中においては、説明の便宜のため、筋負荷に応じた姿勢に対応する筋負荷の大きさを示している。
なお、姿勢検出装置200は、複数の圧力センサからなる構成に限定されず、たとえば、複数の圧力センサに加えて、または、複数の圧力センサに代えて、乗員を撮像するカメラ(ステレオカメラを含む)を有する構成としてもよい。この場合、姿勢検出装置200は、乗員を撮像した撮像画像に基づいて、乗員の姿勢を検出することができる。さらに、姿勢検出装置200として、レーザーレーダーや、磁気変化を検出する磁気位置検出装置を用いて、乗員の姿勢を検出する構成としてもよい。あるいは、カメラと深度センサ等を組み合わせた装置(たとえば、マイクロソフトKinect(登録商標)コントローラ)やモーションセンサを用いて、乗員の姿勢を検出する構成としてもよい。
制御装置300は、シート装置100を制御するためのプログラムが格納されたROM(Read Only Memory)と、このROMに格納されたプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)と、アクセス可能な記憶装置として機能するRAM(Random Access Memory)とを備える。なお、動作回路としては、CPU(Central Processing Unit)に代えて又はこれとともに、MPU(Micro Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などを用いることができる。
制御装置300は、ROMに格納されたプログラムをCPUにより実行することにより、各エアバック21,22,11,12,13を制御して乗員の姿勢を変化させる運動制御機能と、姿勢検出装置200から乗員の姿勢情報を取得する姿勢情報取得機能と、乗員の姿勢情報に基づいて、乗員の受動運動による運動量を算出する運動量測定機能とを実現する。以下に、制御装置300が備える各機能について説明する。
制御装置300の運動制御機能は、胸椎部エアバック21、腰椎部エアバック22、および、座面後方部エアバック11の駆動を制御することで、乗員が受動運動を適切に行えるように、乗員の姿勢を変化させる。たとえば、運動制御機能は、車両が高速道路を走行している場合など、運転者の運転負荷が低い場合には、運転者が着座するシート装置100において、空気弁51,52,53を開き、胸椎部エアバック21、腰椎部エアバック22、座面後方部エアバック11内に空気を供給するように、エアポンプ40を動作させることで、胸椎部エアバック21、腰椎部エアバック22、座面後方部エアバック11の突出量を大きくする。これにより、運転者の運転負荷が低い場合には、運転者が姿勢を維持するために必要な運動負荷(筋肉負荷)が増加するように、運転者の姿勢を変化させることができる。同様に、運転者の運転負荷が低い場合には、運動制御機能は、空気弁54,55を開き、一対の座面前方部エアバック12,13内から空気を排出させるように、エアポンプ40を動作させことで、シートクッション10を前方に傾けて、運転者が姿勢を維持するために必要な運動負荷(筋肉負荷)が増加するように、運転者の姿勢を変化させることができる。
一方、運動制御機能は、たとえば、車両が細街路を走行している場合など、運転者の運転負荷が高い場合には、運転者が着座するシート装置100において、空気弁51,52,53を開き、胸椎部エアバック21、腰椎部エアバック22、座面後方部エアバック11内から空気を排出するように、エアポンプ40を動作させることで、胸椎部エアバック21、腰椎部エアバック22、座面後方部エアバック11の突出量を小さくする。これにより、シートクッション10全体、シートバック20全体で運転者の身体をサポートし、運転者が姿勢を維持するために必要な運動負荷(筋肉負荷)が軽減するように、運転者の姿勢を変化させることができる。また同様に、運動制御機能は、運転者の運転負荷が高い場合には、空気弁54,55を開き、座面前方部エアバック12,13内に十分な空気を供給するように、エアポンプ40を動作させることで、シートクッション10の座面の傾きを略水平にし、運転者が姿勢を維持するために必要な運動負荷(筋肉負荷)を軽減するように、運転者の姿勢を変化させることができる。
制御装置300の姿勢情報取得機能は、姿勢検出装置200から乗員の姿勢情報を取得する。なお、本実施形態において、姿勢情報取得機能は、図5に示すように、「姿勢A」、「姿勢B」、「姿勢C」・・・などの筋負荷の大きさに応じた乗員の姿勢を姿勢情報として取得する。
制御装置300の運動量測定機能は、姿勢情報取得機能により取得された乗員の姿勢情報に基づいて、乗員の受動運動による運動量を算出する。本実施形態において、運動量測定機能は、図6に示すように、筋負荷に応じた乗員の姿勢と、筋負荷の大きさとの関係を示すテーブルを有しており、このテーブルを参照することで、姿勢情報取得機能により取得された乗員の姿勢に基づいて、乗員の現在の筋負荷(運動負荷)を算出することができる。たとえば、図6に示す例において、姿勢情報取得機能により取得された乗員の姿勢が「姿勢B」である場合、運動量測定機能は、乗員の現在の筋負荷を「85」と算出する。なお、図6に示す例では乗員の筋負荷を算出しているが、たとえば「3METs」などと乗員の運動強度を算出する構成としてもよい。なお、運動強度を示す単位である「METs」とは、単位時間当たりの酸素摂取量に基づくものであり、数値が高いほど、受動運動の運動量は大きくなる。さらに「エクササイズ」(METs・時)という運動単位を用いてもよい。これは、METsを時間積算した運動量を示す単位であり、毎週23エクササイズの運動量の運動を行うことが、2006年に日本国厚生労働省の策定した運動指針の目標値となっている。
さらに、運動量測定機能は、算出した乗員の筋負荷(または運動強度)と、その姿勢での経過時間とを乗じることで、乗員の受動運動による運動量を測定する。たとえば、運動量測定機能は、乗員の運動強度(METs)に時間(sec)を乗じることで、乗員の受動運動による運動量を算出することができる。また、この場合、乗員の体重により運動量を補正することで、乗員の運動量をより高い精度で測定することができる。そして、運動量測定機能は、乗員の現在の筋負荷(または運動強度)と、乗員の受動運動による運動量とを含む情報を、ディスプレイ400に送信する。
なお、筋負荷に応じた乗員の姿勢と筋負荷の大きさとの対応関係を示すテーブルは、図5に示すものに限定されず、たとえば、乗員の年齢、車室温度、乗員の体型、乗員の性別ごとに、異なるテーブルを備える構成としてもよい。なお、乗員の年齢、体型、性別などは、カメラにより撮像した乗員の画像から判定する構成としてもよいし、乗員が図示しない入力装置を介して入力する構成としてもよい。また、運動量測定機能は、乗員が受動運動による運動量を把握し易いように、乗員の受動運動による運動量(たとえばMETs・sec)に基づいて、消費カロリー(Kcal/min)を算出し、算出した消費カロリー(Kcal/min)をディスプレイ400に送信する構成としてもよい。
ディスプレイ400は、制御装置300により測定された乗員の受動運動による運動量をディスプレイ400に備える画面に表示することで、乗員の受動運動による運動を乗員に提示する。ここで、図7は、ディスプレイ400により表示される画面の一例である。たとえば、図7に示す例では、ディスプレイ400は、縦軸に消費カロリー(Kcal/min)、横軸に時間を示したグラフを、ディスプレイ400の画面に表示することで、乗員の受動運動による運動量を乗員に提示する。たとえば、図7に示す例では、時系列に沿って、乗員の姿勢とその姿勢における消費カロリーが表示されるため、乗員は、乗員の姿勢が「姿勢E」→「姿勢A」→「姿勢B」の順で変化したことで、乗員の消費カロリーがどのように変動したかを一目で把握することができるとともに、乗員の現在の消費カロリーを一目で把握することができる。
なお、図7に示す画面例は、ディスプレイ400により表示される画面の一例であり、これに限定されず、たとえば、乗員の現在の消費カロリーのみを表示する構成としてもよい。また、図7に示す例では、乗員の姿勢を「姿勢E」などとテキストで表示しているが、乗員の姿勢をイラストで表示する構成としてもよい。さらに、図7に示す例では、1分間当たりの消費カロリー(Kcal/min)を表示しているが、時間当たりの消費カロリー(Kcal/h)を表示する構成としてもよい。また、ディスプレイ400により乗員の受動運動による運動量を表示する構成に代えて、たとえば、スピーカなどにより乗員の受動運動による運動量を音声で乗員に提示する構成としてもよい。
次に、本実施形態に係る運動量測定処理について説明する。図8は、本実施形態に係る運動量計測処理を示すフローチャートである。
まず、ステップS101では、制御装置300の運動制御機能により、各エアバック21,22,11,12,13の制御が行われる。たとえば、運動制御機能は、自車両1が高速道路を走行しており、運転者の運転負荷が低いと判断した場合には、運転者が着座するシート装置100において、胸椎部エアバック21、腰椎部エアバック22、座面後方部エアバック11の突出量を大きくし、あるいは、シートクッション10の座面を傾けることで、運転者の受動運動による運動量が大きくなるように、運転者の姿勢を変化させる。また、運動制御機能は、たとえば自車両1が細街路を走行しており、運転者の運転負荷が高いと判断した場合には、運転者が着座するシート装置100において、胸椎部エアバック21、腰椎部エアバック22、座面後方部エアバック11の突出量を小さくし、あるいは、シートクッション10の座面の傾きを略水平にすることで、運転者の受動運動による運動量が小さくなるように、運転者の姿勢を変化させる。
ステップS102では、姿勢検出装置200により、ステップS101で駆動された各エアバック21,22,11,12,13により変化した乗員の姿勢の検出が行われる。本実施形態では、姿勢検出装置200は、たとえば図5に示すように、乗員の姿勢を、乗員の筋負荷(または運動強度)に応じた姿勢で検出することができ、たとえば、乗員が前傾姿勢である場合には、乗員の姿勢を「姿勢B」として検出する。
ステップS103では、制御装置300の姿勢情報取得機能により、ステップS102で検出された乗員の姿勢を示す姿勢情報が、姿勢検出装置200から取得される。そして、ステップS104では、制御装置300の運動量測定機能により、ステップS103で取得した乗員の姿勢情報に基づいて、乗員の受動運動による運動量の測定が行われる。たとえば、乗員の姿勢が「姿勢B」として検出された場合、運動量測定機能は、図6に示すように、筋負荷に応じた姿勢と筋負荷との対応関係を示すテーブルを用いて、乗員の筋負荷を「85」と算出することができる。さらに、運動量測定機能は、たとえば、乗員の筋負荷(または運動強度)に運動時間を乗じて、乗員の受動運動による運動量を算出する。また、本実施形態では、運動量測定機能は、算出した乗員の受動運動による運動量(たとえばMETs・sec)から、乗員の現在の消費カロリー(Kcal/min)を算出する。
ステップS105では、ディスプレイ400により、ステップS104で測定された乗員の受動運度による運動量が、乗員に提示される。たとえば、ディスプレイ400は、図7に示すように、乗員の受動運動による運動量として、乗員の現在の消費カロリーを含む一定時間前までの乗員の消費カロリーの変動を、ディスプレイ400に備える画面に表示することで、乗員の受動運動による運動量を乗員に表示する。
以上のように、本実施形態では、シート装置100に着座した乗員の姿勢を検出し、検出した乗員の姿勢から乗員の筋負荷(または運動強度)を算出することで、各エアバック21,22,11,12,13による乗員の受動運動の運動量を測定することができる。また、本実施形態では、測定した乗員の受動運動による運動量を乗員に提示することで、乗員は受動運動による効果を把握することができ、これにより、乗員のモチベーションを高め、乗員に、受動運動の継続や運動量の増大を促すことができる。また、図7に示すように、時系列に沿って、検出された乗員の姿勢と、その姿勢での消費カロリーとを乗員に提示することで、姿勢ごとに得られる受動運動の運動量(消費カロリー)を乗員に把握させることができる。
さらに、本実施形態に係る姿勢検出装置200は、シートクッション10の座面およびシートバック20に複数の圧力センサを有し、該圧力センサにより乗員の身体がシート装置100に加える圧力を検出することで、乗員の姿勢を高い精度で検出することができる。また、本実施形態に係る姿勢検出装置200は、乗員を撮像するカメラを備える構成としてもよく、この場合、乗員の画像に基づいて、乗員の姿勢を高い精度で検出することができる。
≪第2実施形態≫
続いて、本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態においては、シート装置100aが、以下に説明する点において第1実施形態に係るシート装置100と異なること以外は、第1実施形態と同様の構成を有し、第1実施形態と同様に動作する。
図9は、第2実施形態に係るシート装置100aの構成図である。第2実施形態に係るシート装置100aは、第1実施形態に係るシート装置100の構成に加えて、乗員の姿勢が一定量以上変化しないように、ランバーサポート部23,24、サイドサポート部25,26、ニーサポート部61,62、ヒールサポート部71、アームサポート部81,82(図示省略)、および、エルボーサポート部83,84(図示省略)、および、ネックサポート部31を備える。
ランバーサポート部23,24は、図9に示すように、シート装置100aに着座する乗員の腰部近傍に対応する、胸椎部エアバック21および腰椎部エアバック22の左右側部の領域にそれぞれ設けられている。ランバーサポート部23,24は、図示しないアクチュエータが連結されており、このアクチュエータを駆動することにより、ランバーサポート部23,24が前方内側(乗員側)へと屈曲することで、乗員の腰部の横方向への動きを抑制し、乗員の姿勢が一定量以上変化することを防止する。なお、個々のランバーサポート部23,24は独立して動作することができる。また、ランバーサポート部23,24を動作させるアクチュエータは、電動モータといった可逆的に駆動する可逆式アクチュエータが採用されており、これにより、ランバーサポート部23,24は可逆的な動作として、乗員側へと突出した状態から通常状態へ復帰することができる。
サイドサポート部25,26は、図9に示すように、胸椎部エアバック21、腰椎部エアバック22、およびランバーサポート部23,24よりも外側の領域にそれぞれ設けられている。サイドサポート部25,26は、図示しないアクチュエータが連結されており、このアクチュエータを駆動することにより、サイドサポート部25,26が前方内側(乗員側)に屈曲し、乗員の上体の横方向への動きを抑制して、乗員の姿勢が一定量以上変化することを防止することができる。なお、個々のサイドサポート部25,26は独立して動作することができる。また、サイドサポート部25,26を動作させるアクチュエータは、電動モータといった可逆的に駆動する可逆式アクチュエータが採用されており、これにより、サイドサポート部25,26は可逆的な動作として、乗員側へと突出した状態から通常状態へ復帰することができる。
ニーサポート部61,62は、シート装置100aに着座する乗員の膝部と対応する高さにおいて、互いに対向するような関係でドアおよびセンターコンソールのそれぞれに設けられている。個々のニーサポート部61,62は、乗員側に突出可能に構成されているとともに、図示しないアクチュエータが連結されており、このアクチュエータを駆動することにより、乗員側へ向けて突出動作する。このニーサポート部61,62は、通常状態(初期状態)において、ドアのインナーパネルまたはセンターコンソールの面形状の一部を構成しており、乗員側へと動作することにより、乗員側へと突出する。これにより、ニーサポート部61,62の端面が乗員の膝部と当接するため、乗員の脚部の横方向への動きを抑制し、乗員の姿勢が一定量以上変化することを防止することができ、膝部近傍のサポート性能の向上を図ることができる。なお、個々のニーサポート部61,62は独立して動作することができる。また、ニーサポート部61,62を動作させるアクチュエータは、電動モータといった可逆的に駆動する可逆式アクチュエータが採用されており、これにより、ニーサポート部61,62は可逆的な動作として、乗員側へと突出した状態から通常状態へ復帰することができる。
ヒールサポート部71は、シート装置100aに着座する乗員の足元周辺のフロアに設けられている。ヒールサポート部71は、通常状態(初期状態)において、乗員の足元周辺のフロアの面形状の一部を構成しているが、図示しないアクチュエータにより乗員側へと動作することにより、ヒールサポート部71の前端部(X軸方向側の端部)をフロアから乗員側に起き上がり、乗員の姿勢が一定量以上変化することを防止するストッパーとして機能する。すなわち、乗員は、突出したヒールサポート部71を踏み台にすることで、乗員の姿勢が一定量以上変化してしまうことを防止することができる。なお、このヒールサポート部71を動作させるアクチュエータは、電動モータといった可逆的に駆動する可逆式アクチュエータが採用されており、これにより、ヒールサポート部71は可逆的な動作として、乗員側へと突出した状態から通常状態へ復帰することができる。
アームサポート部81,82は、シート装置100aに着座する乗員の腕部と対応する高さにおいて、互いに対向するような関係でドアおよびセンターコンソールのそれぞれに設けられている。また、エルボーサポート部83,84は、シート装置100aに着座する乗員の肘部と対応する高さにおいて、互いに対向するような関係でドアおよびセンターコンソールのそれぞれに設けられている。また、アームサポート部81,82およびエルボーサポート部83,84には図示しないアクチュエータがそれぞれ連結されており、このアクチュエータを駆動することにより、アームサポート部81,82およびエルボーサポート部83,84が、乗員の上体の横方向への動きを抑制し、乗員の姿勢が一定量以上変化することを防止する。なお、アームサポート部81,82およびエルボーサポート部83,84はそれぞれ独立して動作することができる。また、アームサポート部81,82およびエルボーサポート部83,84を動作させるアクチュエータは、電動モータといった可逆的に駆動する可逆式アクチュエータが採用されており、これにより、アームサポート部81,82およびエルボーサポート部83,84は可逆的な動作として、乗員側へと突出した状態から通常状態へ復帰することができる。
ネックサポート部31は、ヘッドレスト30のうち、シート装置100aに着座する乗員の首部に対応する位置に設けられている。ネックサポート部31には、図示しないアクチュエータにより左右両端が可動するワイヤーが内蔵されており、ワイヤーの左右両端が前方内側(乗員側)に屈曲することで、乗員の首部の動きを抑制し、乗員の姿勢が一定量以上変化することを防止することができる。ネックサポート部31を動作させるアクチュエータは、電動モータといった可逆的に駆動する可逆式アクチュエータが採用されており、これにより、ネックサポート部31も可逆的な動作として、乗員側へと突出した状態から通常状態へ復帰することができる。
第2実施形態に係る制御装置300aは、第1実施形態の機能に加え、ランバーサポート部23,24、サイドサポート部25,26、ニーサポート部61,62、ヒールサポート部71、アームサポート部81,82、エルボーサポート部83,84、およびネックサポート部31の動作を制御する機能を備える。たとえば、本実施形態において、制御装置300aは、自車両1が細街路を走行しており、運転者の運転負荷が大きい場合には、運転者の受動運動による運動量が小さくなるように、ランバーサポート部23,24、サイドサポート部25,26、ニーサポート部61,62、ヒールサポート部71、アームサポート部81,82、エルボーサポート部83,84、およびネックサポート部31を乗員側に動作させる。これにより、車両走行中に運転者の姿勢が一定量以上変化してしまうことを防止することができ、運転者の運転負荷が大きい場面において、運転者の身体をサポートすることができる。また、制御装置300aは、自車両1が高速道路を走行しており、運転者の運転負荷が小さい場合には、これらサポート部を通常状態に復帰させることで、運転者が一定の運動量を得られるように制御を行う。
以上のように、第2実施形態に係るシート装置100aは、ランバーサポート部23,24、サイドサポート部25,26、ニーサポート部61,62、ヒールサポート部71、アームサポート部81,82、エルボーサポート部83,84、および、ネックサポート部31を備え、これらサポート部を乗員側に駆動させることで、乗員の姿勢が一定量以上変化することを防止することができる。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
たとえば、上述した実施形態では、乗員の姿勢に基づいて乗員の受動運動による運動量を測定する構成を例示したが、この構成に加えて、車両の挙動(たとえば車両の旋回、加減速など)を加味して、乗員の受動運動による運動量を測定する構成としてもよい。乗員の受動運動による運動量は、車両走行による運動エネルギーを利用して得られるものであり、車両の挙動に応じて、乗員が得られる受動運動の運動量も変化するためである。そこで、制御装置300の運動量測定機能は、たとえば、乗員の姿勢が同じ場合であっても、車両が旋回して遠心力が増大する場合や、車両が加速・減速して慣性力が増大する場合には、乗員の受動運動による運動量をより大きな値で算出することができる。このように、車両の挙動を加味して、乗員の受動運動による運動量を測定することで、乗員の受動運動による運動量をより高い精度で測定することができる。
また、上述した実施形態では、圧力センサやカメラなどの姿勢検出装置200により、筋負荷(または運動強度)に応じた姿勢を検出する構成を例示したが、この構成に加えて、乗員の体温を検出する赤外線センサや、シートバック20に埋設した温度センサなどの出力を加味して、筋負荷(または運動強度)に応じた乗員の姿勢を検出する構成とすることができる。たとえば、乗員が意識的に受動運動を行っていることを認知(メタ認知)している場合には、乗員の受動運動による筋負荷(または運動強度)が高くなる傾向にあるため、姿勢検出装置200は、赤外線センサや温度センサなどの出力から、乗員が意識的に受動運動を認知しているか否かを判断し、これを加味して、筋負荷(または運動強度)に応じた乗員の姿勢を検出する。
さらに、上述した実施形態では、制御装置300により、胸椎部エアバック21、腰椎部エアバック22、座面後方部エアバック11、および一対の座面前方部エアバック12,13を制御する構成を例示したが、この構成に限定されず、たとえば、乗員が図示しない操作部を操作することで、胸椎部エアバック21、腰椎部エアバック22、座面後方部エアバック11、および一対の座面前方部エアバック12,13を制御する構成としてもよい。これにより、乗員は所望するタイミングで所望する受動運動を行うことができる。同様に、上述した第2実施形態において、乗員が図示しない操作部を操作することで、ランバーサポート部23,24、サイドサポート部25,26、ニーサポート部61,62、ヒールサポート部71、アームサポート部81,82、エルボーサポート部83,84、および、ネックサポート部31を動作させる構成としてもよい。
また、上述した実施形態では、一対の座面前方部エアバック12,13内から空気を排出することで、シートクッション10の座面を傾ける構成を例示したが、この構成に限定されず、以下のような構成としてもよい。たとえば、一対の座面前方部エアバック12,13内から十分な量の空気を排出させた場合に、シートクッション10の座面が略水平となるように、シートクッション10を構成し、一対の座面前方部エアバック12,13に十分な量の空気を供給することで、座面前方部エアバック12,13を膨らませて、一対の座面前方部エアバック12,13を乗員方向(Z軸方向)に突出させることで、シートクッション10の座面を後方に傾け、これにより、乗員の姿勢を後方に傾けて、乗員の受動運動による運動量を増大させる構成としてもよい。あるいは、座面前方部エアバック12,13内から十分な量の空気を排出させた場合に、シートクッション10の座面が前方に傾き、座面前方部エアバック12,13内に十分な量の空気を供給した場合に、シートクッション10の座面が後方に傾くように、座面前方部エアバック12,13を構成し、エアポンプ40により、座面前方部エアバック12,13内の空気量を調整することで、シートクッション10の座面を傾けて、乗員の受動運動における運動量を調整する構成としてもよい。
さらに、シート装置100は、胸椎部エアバック21、腰椎部エアバック22、座面後方部エアバック11、および一対の座面前方部エアバック12,13のうち、いずれか1つのエアバックを備える構成としてもよいし、あるいは、いずれか2以上のエアバックを組み合わせて備える構成としてもよい。同様に、シート装置100aは、ランバーサポート部23,24、サイドサポート部25,26、ニーサポート部61,62、ヒールサポート部71、アームサポート部81,82、エルボーサポート部83,84、およびネックサポート部31のうち、いずれか1つのサポート部を備える構成としてもよいし、あるいは、いずれか2以上のサポート部を組み合わせて備える構成としてもよい。
なお、上述した実施形態の胸椎部エアバック21、腰椎部エアバック22、座面後方部エアバック11、座面前方部エアバック12,13は本発明の受動運動機構に、姿勢検出装置200は本発明の姿勢検出手段に、制御装置300は本発明の運動量測定手段に、ディスプレイ400は本発明の提示手段にそれぞれ相当する。
100,100a…シート装置
10…シートクッション
11…座面後方部エアバック
12,13…座面前方部エアバック
20…シートバック
21…胸椎部エアバック
22…腰椎部エアバック
23,24…ランバーサポート部
25,26…サイドサポート部
30…ネックレスト
31…ネックサポート部
40…エアポンプ
41〜45…ホース
51〜55…空気弁
61,62…ニーサポート部
71…ヒールサポート部
81,82…アームサポート部
83,84…エルボーサポート部
200…姿勢検出装置
300…制御装置
400…ディスプレイ

Claims (7)

  1. 乗員が着座するシート装置に設置され、車両走行中における前記乗員の受動運動による運動量が変化するように、前記乗員の姿勢を変化させるための受動運動機構と、
    前記シート装置に着座する前記乗員の姿勢を検出する姿勢検出手段と、
    前記姿勢検出手段により検出された前記乗員の姿勢に基づいて、前記受動運動機構による前記乗員の受動運動の運動量を測定する運動量測定手段と、を備えることを特徴とする運動量測定装置。
  2. 請求項1に記載の運動量測定装置であって、
    前記運動量測定手段は、前記姿勢検出手段により検出された前記乗員の姿勢に加えて、車両の挙動に基づいて、前記乗員の受動運動による運動量を測定することを特徴とする運動量測定装置。
  3. 請求項1または2に記載の運動量測定装置であって、
    前記姿勢検出手段は、前記シート装置に設置された圧力センサの出力に基づいて、前記乗員の姿勢を検出することを特徴とする運動量測定装置。
  4. 請求項3に記載の運動量測定装置であって、
    前記圧力センサは、少なくとも前記シート装置の座面に設置されていることを特徴とする運動量測定装置。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の運動量測定装置であって、
    前記姿勢検出手段は、前記乗員を撮像する撮像装置により撮像された前記乗員の画像に基づいて、前記乗員の姿勢を検出することを特徴とする運動量測定装置。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の運動量測定装置であって、
    前記運動量測定手段により測定された前記乗員の受動運動による運動量を、前記乗員に提示する提示手段をさらに備えることを特徴とする運動量測定装置。
  7. 乗員が着座するシート装置に設置され、車両走行中における前記乗員の受動運動による運動量が変化するように、前記乗員の姿勢を変化させるための受動運動機構を駆動させている際の乗員の姿勢を検出し、検出した前記乗員の姿勢に基づいて、前記乗員の受動運動による運動量を測定することを特徴とする運動量測定方法。
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