JP2001340163A - シート - Google Patents

シート

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JP2001340163A
JP2001340163A JP2000162575A JP2000162575A JP2001340163A JP 2001340163 A JP2001340163 A JP 2001340163A JP 2000162575 A JP2000162575 A JP 2000162575A JP 2000162575 A JP2000162575 A JP 2000162575A JP 2001340163 A JP2001340163 A JP 2001340163A
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seat
thoracic
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Akinari Hirao
章成 平尾
Shunsuke Hijikata
俊介 土方
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 着座者個々人が持つ固有の身体形状特徴に応
じた適切な支持状態を得ることを可能とする。 【解決手段】 シートバック3及びシートクッション5
から成るシート1において、着座者の胸椎部の支持状態
を可変にする胸椎支持可変手段7,11及び腰椎部の支
持状態を可変にする腰椎支持可変手段13と、着座者の
背面形状をS字型、直線型、猫背型の少なくとも3通り
に分類する背面形状分類手段19と、着座者の着座支持
状態の目標状態を前記背面形状の分類に応じて設定する
目標状態設定手段27と、着座者の着座支持状態を検出
する着座状態検出手段21と、背面形状の分類に応じて
検出した着座支持状態が設定した目標状態となるように
胸椎支持可変手段11及び腰椎支持可変手段13を駆動
する駆動手段23とを備えたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車、航空機、
船舶などに使用されるシートに関する。
【0002】
【従来の技術】従来のシートとしては、例えば特開平7
−75608号公報、特開平6−72199号公報、特
許第2689620号公報にそれぞれ記載されたものが
ある。
【0003】特開平7−75608号公報に記載された
シートは、シートバックの上部と下部とにショルダーサ
ポートとランバーサポートとが設置され、いずれか一方
をシートバックに対し前方又は後方へ調整し、他方を連
動して逆方向へ駆動し、自然な着座姿勢が保持されるよ
うにしたものである。
【0004】前記特開平6−72199号公報に記載さ
れたものは、シートクッションの前後移動に連動するソ
ーラックス調節機構を設け、シートバックのクッション
体の下側を前方に変位させて、運転者の臀の後方の隙間
を埋めることにより着座時の耐圧分布を分散させ、快適
な着座感を得るようにしたものである。
【0005】前記特許第2689620号公報に記載さ
れたものは、座面形状を変更駆動する駆動手段と、駆動
手段を制御する制御手段及び乗員の体格を検出する検出
手段とが設けられ、検出された体格に基づいて制御手段
の制御タイミングを設定するようにし、体格に応じた疲
労軽減を図ることができるようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来のシ
ートでは、全ての着座者に対して同じ状態を提供するも
のであるか、着座者の体格に応じて決定される制御を経
時的に行うものであり、着座者個々人が持つ固有の身体
形状特徴に対応していないので長時間着座による疲労を
軽減することができないという問題があった。
【0007】本発明は、着座者個々人が持つ固有の身体
形状特徴に応じた適切な支持状態を得ることのできるシ
ートの提供を課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、シー
トバック及びシートクッションから成るシートにおい
て、着座者の胸椎部の支持状態を可変にする胸椎支持可
変手段及び腰椎部の支持状態を可変にする腰椎支持可変
手段と、着座者の背面形状をS字型、直線型、猫背型の
少なくとも3通りに分類する背面形状分類手段とを備
え、前記背面形状の分類に応じて前記胸椎支持可変手段
及び腰椎支持可変手段を駆動することを特徴とする。
【0009】請求項2の発明は、請求項1記載のシート
であって、前記背面形状がS字型に分類されるとき前記
胸椎部の支持を予め定められた標準値よりも弱く、且つ
前記腰椎部の支持を前記標準値よりも強くするように駆
動し、前記背面形状が直線型に分類されるとき前記腰椎
部の支持を前記標準値よりも強く、且つ前記腰椎部の支
持を前記標準値よりも弱くするように駆動し、前記背面
形状が猫背型に分類されるとき前記胸椎部の支持を前記
標準値よりも弱く、且つ前記腰椎部の支持を前記標準値
よりも弱くするように駆動することを特徴とする。
【0010】請求項3の発明は、請求項2記載のシート
であって、前記胸椎部の支持を、着座者の背面全体の荷
重合計に対する第3腰椎及びその周辺の荷重合計の割合
で行い、前記腰椎部の支持を、着座者の背面全体の荷重
合計に対する第10胸椎から第12胸椎及びその周辺の
荷重合計の割合で行うことを特徴とする。
【0011】請求項4の発明は、シートバック及びシー
トクッションから成るシートにおいて、着座者の胸椎部
の支持状態を可変にする胸椎支持可変手段及び腰椎部の
支持状態を可変にする腰椎支持可変手段と、着座者の背
面形状をS字型、直線型、猫背型の少なくとも3通りに
分類する背面形状分類手段と、着座者の着座支持状態の
目標状態を前記背面形状の分類に応じて設定する目標状
態設定手段と、着座者の着座支持状態を検出する着座状
態検出手段と、前記背面形状の分類に応じて前記検出し
た着座支持状態が前記設定した目標状態となるように前
記胸椎支持可変手段及び腰椎支持可変手段を駆動する駆
動手段とを備えたことを特徴とする。
【0012】請求項5の発明は、請求項4記載のシート
であって、前記目標状態設定手段は、着座者の胸椎部及
び腰椎部の支持状態の標準値を予め設定し、前記背面形
状がS字型に分類されるとき前記腰椎部の支持を前記標
準値よりも弱く、且つ前記腰椎部の支持を標準値よりも
強く設定し、前記背面形状が直線型に分類されるとき前
記胸椎部の支持を前記標準値よりも強く、且つ前記腰椎
部の支持を標準値よりも弱く設定し、前記背面形状が猫
背型に分類されるとき前記胸椎部の支持を前記標準値よ
りも弱く、且つ前記腰椎部の支持を標準値よりも弱く設
定することを特徴とする。
【0013】請求項6の発明は、請求項5記載のシート
であって、前記目標状態設定手段は、前記胸椎部の支持
を、着座者の背面全体の荷重合計に対する第3腰椎及び
その周辺の荷重合計の割合で設定し、前記腰椎部の支持
を、着座者の背面全体の荷重合計に対する第10胸椎か
ら第12胸椎及びその周辺の荷重合計の割合で設定する
ことを特徴とする。
【0014】請求項7の発明は、請求項4〜6の何れか
に記載のシートであって、前記胸椎部支持可変手段は、
前記シートバックを上下中間部で折れ変形させる中折れ
機構であり、前記腰椎部支持可変手段は、前記シートバ
ックの下部側に設けたランバーサポートであり、前記駆
動手段は、前記胸椎部の支持を前記標準値よりも強くす
るときは前記中折れ機構によりシートバック上部を同下
部に対し前傾方向へ駆動すると共に、前記胸椎部の支持
を前記標準値よりも弱くするときは前記中折れ機構によ
りシートバック上部を同下部に対し後傾方向へ駆動し、
且つ前記腰椎部の支持を前記標準値よりも強くするとき
は前記ランバーサポートをシートバックに対し突出方向
へ駆動すると共に、前記腰椎部の支持を前記標準値より
も弱くするときは前記ランバーサポートをシートバック
に対し反突出方向へ駆動することを特徴とする。
【0015】請求項8の発明は、請求項4〜6の何れか
に記載のシートであって、前記胸椎部支持可変手段は、
前記シートバックの上部側に設けたチェストサポートで
あり、前記腰椎部支持可変手段は、前記シートバックの
下部側に設けたランバーサポートであり、前記駆動手段
は、前記胸椎部の支持を前記標準値よりも強くするとき
は前記チェストサポートをシートバックに対し突出方向
へ駆動すると共に、前記胸椎部の支持を前記標準値より
も弱くするときは前記チェストサポートをシートバック
に対し反突出方向へ駆動し、且つ前記腰椎部の支持を前
記標準値よりも強くするときは前記ランバーサポートを
シートバックに対し突出方向へ駆動すると共に、前記腰
椎部の支持を前記標準値よりも弱くするときは前記ラン
バーサポートをシートバックに対し反突出方向へ駆動す
ることを特徴とする。
【0016】請求項9の発明は、請求項4〜6の何れか
に記載のシートであって、前記胸椎部支持可変手段は、
前記シートバックの上部側に設けた空気袋であり、前記
腰椎部支持可変手段は、前記シートバックの下部側に設
けた空気袋であり、前記駆動手段は、前記胸椎部の支持
を前記標準値よりも強くするときは前記上部側の空気袋
の内圧を増加するように駆動すると共に、前記胸椎部の
支持を前記標準値よりも弱くするときは前記上部側の空
気袋の内圧を減少するように駆動し、且つ前記腰椎部の
支持を前記標準値よりも強くするときは前記下部側の空
気袋の内圧を増加するように駆動すると共に、前記腰椎
部の支持を前記標準値よりも弱くするときは前記下部側
の空気袋の内圧を減少するように駆動することを特徴と
する。
【0017】請求項10の発明は、請求項4〜6の何れ
かに記載のシートであって、前記背面形状分類手段は、
前記シートクッションに設けた着座センサ及び前記シー
トバックへの接触を検出可能な接触センサを備え、前記
着座センサにより着座者のシートクッションに対する臀
部最後端位置を検出すると共に、前記シートクッション
を平坦角度且つ前記シートバックを直立角度に設定した
状態で、前記胸椎部支持可変手段及び腰椎部支持可変手
段を駆動し前記接触センサの接触検出時の該胸椎支持可
変手段及び腰椎部支持可変手段の駆動量を検出し、前記
臀部最後端位置と胸椎部支持可変手段及び腰椎部支持可
変手段の駆動量とから前記背面形状を分類することを特
徴とする。
【0018】請求項11の発明は、請求項7又は8記載
のシートであって、前記着座状態検出手段は、前記シー
トバックに内蔵された圧力感応型の着座センサの検出値
により前記胸椎部及び腰椎部の着座支持状態を検出する
ことを特徴とする。
【0019】請求項12の発明は、請求項7又は8記載
のシートであって、前記着座状態検出手段は、前記ラン
バーサポート及び中折れ機構又はランバーサポート及び
チェストサポートの駆動力の検出値により前記胸椎部及
び腰椎部の着座支持状態を検出することを特徴とする。
【0020】請求項13の発明は、請求項9記載のシー
トであって、前記着座状態検出手段は、前記シートバッ
クに内蔵された空気袋の内圧により着座支持状態を検出
することを特徴とする。
【0021】請求項14の発明は、請求項4〜13の何
れかに記載のシートであって、前記着座検出手段の検出
した着座支持状態を表示する表示手段を設けたことを特
徴とする。
【0022】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、背面形状分類
手段によって着座者の背面形状をS字型、直線型、猫背
型の少なくとも3通りに分類することができ、背面形状
の分類に応じて胸椎支持可変手段及び腰椎支持可変手段
を駆動することができる。従って、着座者個々人が持つ
固有の身体形状特徴に応じた適切な支持状態を得ること
ができ、長時間着座による疲労を大幅に軽減することが
できる。
【0023】請求項2の発明では、請求項1の発明の効
果に加え、背面形状がS字型に分類されるとき、胸椎部
の支持を予め定められた標準値よりも弱く、且つ腰椎部
の支持を標準値よりも強くするように駆動することがで
き、背面形状が直線型に分類されるとき、胸椎部の支持
を標準値よりも強く腰椎部の支持を標準値よりも弱くす
るように駆動することができ、背面形状が猫背型に分類
されるときは胸椎部の支持を標準値よりも弱く、腰椎部
の支持を標準値よりも弱くするように駆動することがで
きる。従って、着座者個々人が持つ固有の身体形状特徴
に対し、より適切に対応した支持状態を得ることがで
き、長時間着座による疲労をより確実に軽減することが
できる。
【0024】請求項3の発明では、請求項2の発明の効
果に加え、胸椎部の支持を着座者の背面全体の荷重合計
に対する第3腰椎及びその周辺の荷重合計の割合で行
い、腰椎部の支持を着座者の背面全体の荷重合計に対す
る第10胸椎から第12胸椎及びその周辺の荷重合計の
割合で行うことができる。従って、胸椎部、腰椎部ごと
に、より適切な支持状態を得ることができ、長時間着座
による疲労をより確実に軽減することができる。
【0025】請求項4の発明では、背面形状分類手段に
よって、着座者の背面形状をS字型、直線型、猫背型の
少なくとも3通りに分類することができる。目標状態設
定手段によって着座者の着座支持状態の目標状態を背面
形状の分類に応じて設定することができる。着座状態検
出手段では、着座者の着座支持状態を検出することがで
きる。そして駆動手段により背面形状の分類に応じて検
出した着座支持状態が設定した目標状態となるように胸
椎支持可変手段及び腰椎支持可変手段を駆動することが
できる。従って、着座者個々人が持つ固有の身体形状特
徴に応じた適切な支持状態を自動的に得ることができ、
長時間着座による疲労を確実に軽減することができる。
【0026】請求項5の発明では、請求項4の発明の効
果に加え、目標状態設定手段は着座者の胸椎部及び腰椎
部の支持状態の標準値を予め設定し、背面形状がS字型
に分類されるとき胸椎部の支持を標準値よりも弱く、腰
椎部の支持を標準値よりも強く設定し、背面形状が直線
型に分類されるとき胸椎部の支持を標準値よりも強く、
腰椎部の支持を標準値よりも弱く設定し、背面形状が猫
背型に分類されるとき胸椎部の支持を標準値よりも弱
く、腰椎部の支持を標準値よりも弱く設定することがで
きる。従って、着座者個々人が持つ固有の身体形状特徴
に、より適切に応じた支持状態を得ることができ、長時
間着座による疲労をより確実に軽減することができる。
【0027】請求項6の発明では、請求項5の発明の効
果に加え、目標状態設定手段は胸椎部の支持を着座者の
背面全体の荷重合計に対する第3腰椎及びその周辺の荷
重合計の割合で設定し、腰椎部の支持を着座者の背面全
体の荷重合計に対する第10胸椎から第12胸椎及びそ
の周辺の荷重合計の割合で設定することができる。従っ
て、胸椎部、腰椎部の各部位ごとに適切な支持状態を得
ることができ、長時間着座による疲労をより確実に軽減
することができる。
【0028】請求項7の発明では、請求項4〜6の何れ
かの発明の効果に加え、胸椎部支持可変手段はシートバ
ックを上下中間部で折れ変形させる中折れ機構であり、
腰椎部支持可変手段はシートバックの下部側に設けたラ
ンバーサポートであり、駆動手段は胸椎部の支持を標準
値よりも強くするとき中折れ機構によりシートバック上
部を同下部に対し前傾方向へ駆動すると共に、胸椎部の
支持を標準値よりも弱くするときは中折れ機構によりシ
ートバック上部を同下部に対して後傾方向へ駆動し、腰
椎部の支持を標準値よりも強くするときはランバーサポ
ートをシートバックに対し突出方向へ駆動すると共に、
腰椎部の支持を標準値よりも弱くするときはランバーサ
ポートをシートバックに対し反突出方向へ駆動すること
ができる。従って、中折れ機構とランバーサポートとの
2種の簡便な機構により、適切な支持状態を容易に得る
ことができ、長時間着座による疲労を確実に軽減するこ
とができる。
【0029】請求項8の発明では、請求項4〜6の何れ
かの発明の効果に加え、胸椎部支持可変手段はシートバ
ックの上部側に設けたチェストサポートであり、腰椎部
支持可変手段はシートバックの下部側に設けたランバー
サポートであり、駆動手段は胸椎部の支持を標準値より
も強くするときは上部側のチェストサポートをシートバ
ックに対し突出方向へ駆動すると共に、胸椎部の支持を
標準値よりも弱くするときは上部側のチェストサポート
をシートバックに対し反突出方向へ駆動し、腰椎部の支
持を標準値よりも強くするときは下部側のランバーサポ
ートをシートバックに対し突出方向へ駆動すると共に、
腰椎部の支持を標準値よりも弱くするときは下部側のラ
ンバーサポートをシートバックに対して反突出方向へ駆
動することができる。従って、チェストサポート、ラン
バーサポートの簡便な機構により、適切な支持状態を容
易に得ることができ、長時間着座による疲労をより確実
に軽減することができる。
【0030】請求項9の発明では、請求項4〜6の何れ
かの発明の効果に加え、胸椎部支持可変手段はシートバ
ックの上部側に設けた空気袋であり、腰椎部支持可変手
段はシートバックの下部側に設けた空気袋であり、駆動
手段は胸椎部の支持を標準値よりも強くするときは上部
側の空気袋の内圧を増加するように駆動すると共に、胸
椎部の支持を標準値よりも弱くするときは上部側の空気
袋の内圧を減少するように駆動し、腰椎部の支持を標準
値よりも強くするときは下部側の空気袋の内圧を増加す
るように駆動すると共に、腰椎部の支持を標準値よりも
強くするときは下部側の空気袋の内圧を減少するように
駆動することができる。従って、2個の空気袋の内圧調
整によって、適切な支持状態を容易に得ることができ、
長時間着座による疲労を確実に軽減することができる。
【0031】請求項10の発明では、請求項4〜6の何
れかの発明の効果に加え、背面形状分類手段はシートク
ッションに設けた着座センサ及びシートバックへの接触
を検出可能な接触センサを備え、着座センサにより着座
者のシートクッションに対する臀部最後端位置を検出す
ると共に、シートクッションを平坦角度、且つシートバ
ックを直立角度に設定した状態で、胸椎部支持可変手段
及び腰椎部支持可変手段を駆動し、接触センサの接触検
出時の胸椎部支持可変手段及び腰椎部支持可変手段の駆
動量を検出し、臀部最後端位置及び胸椎部支持可変手段
及び腰椎部支持可変手段の駆動量から背面形状を分類す
ることができる。従って、着座者は自己の背面形状分類
を気にすることなく、各着座者の背面形状を確実且つ容
易に分類することができ、適切な支持状態を容易に得る
ことができ、長時間着座による疲労を確実に軽減するこ
とができる。
【0032】請求項11の発明では、請求項7又は8の
発明の効果に加え、着座状態検出手段は、シートバック
に内蔵された圧力感応型の着座センサの検出値により、
着座支持状態を検出することができる。従って、シート
に大きな改変をすることなく、着座支持状態を確実に検
出することができ、適切な支持状態を容易に得ることが
でき、長時間着座による疲労を確実に軽減することがで
きる。
【0033】請求項12の発明では、請求項7又は8の
発明の効果に加え、着座状態検出手段は、前記シートバ
ックに設けられたランバーサポート、中折れ機構、チェ
ストサポートの駆動力の検出値により着座支持状態を検
出することができる。従って、直流モータで駆動する場
合には、入力電圧を変化させたときの起動トルクから着
座支持状態を検出することができ、新たな検出機構の追
加をすることなく、適切な支持状態を容易に検出するこ
とができ、長時間着座による疲労を確実に軽減すること
ができる。
【0034】請求項13の発明では、請求項9の発明の
効果に加え、着座状態検出手段はシートバックに内蔵さ
れた空気袋の内圧により着座支持状態を検出することが
できる。従って、新たな検出部材を追加することなく、
着座支持状態を検出することができ、適切な支持状態を
容易に得ることができ、長時間着座による疲労を確実に
軽減することができる。
【0035】請求項14の発明では、請求項4〜13の
何れかの発明の効果に加え、着座検出手段の検出した着
座状態を表示手段によって表示することができ、該表示
によって姿勢の修正、若しくは自動調節の駆動を促す警
告を与えることができ、着座者は容易に調整の必要性を
知ることができ、適切な調節により長時間着座による疲
労を確実に軽減することができる。
【0036】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)図1は本発明の
第1実施形態にかかるシートの概略構成図である。ま
ず、シート1は本実施形態において車両用シートとして
適用するが、船舶、航空機、その他のシートとしても適
用することができる。
【0037】前記シート1は、シートバック3及びシー
トクッション5からなっている。前記シートバック3に
は、着座者の胸椎部に相当するシートバック上部7が着
座者の腰椎部に相当するシートバック3の下部9に対し
前後方向へ傾動できるように構成されている。すなわち
シートバック3の上部7は、下部9に対し中折れ機構1
1で連結されている。中折れ機構11は、例えばリクラ
イニングデバイスのような機構で構成されており、モー
タの駆動によってシートバック3の上部7が下部9に対
し前後方向へ傾動できるようになっている。
【0038】又、シートバック3の下部9にはランバー
サポート13が設置されている。ランバーサポート13
は、例えば乗員の腰椎部に相当する部分に板状の部材が
配置され、この板状の部材がシートバック下部9のフレ
ームに対し前後方向へ移動可能にする機構によって支持
され、その移動を例えばモータ駆動によって行ってい
る。そして、前記中折れ機構11の駆動によって、シー
トバック3の上部7がシートバック3の下部9に対し前
後方向へ傾動し、着座者の胸椎部の支持状態を可変とし
て胸椎支持可変手段を構成し、前記ランバーサポート1
3は着座者の腰椎部の支持状態を可変として腰椎支持可
変手段を構成している。
【0039】前記シートバック7内には、乗員の着座荷
重を検出可能な背面着座センサアレイ15が内蔵され、
シートクッション5には乗員の着座荷重を検出可能な座
面着座センサアレイ17が内蔵されている。各センサア
レイ15,17は、シートバック5、シートクッション
7の表皮内に配置され、着座した乗員にはセンサアレイ
15,17の存在が感じないように配置されている。
【0040】前記各センサアレイ15,17の出力は、
背面形状判定部19へ入力され、この背面形状判定部1
9によって各センサアレイ15,17からの荷重出力に
基づき着座者の背面形状をS字型、直線型、猫背型の少
なくとも3通りに分類する。従って、各センサアレイ1
5,17及び背面形状判定部19は本実施形態において
背面形状分類手段を構成している。
【0041】又、各センサアレイ15,17の出力は、
支持状態判断部21へも入力されるようになっている。
支持状態判断部21では、各センサアレイ15,17の
荷重出力に基づいて着座者の着座支持状態を検出するも
のである。従って、各センサアレイ15,17及び支持
状態判断部21は、本実施形態において着座状態検出手
段を構成している。
【0042】支持状態判断部21の判断結果は、駆動制
御部23と、表示手段25とに入力されるようになって
いる。又、駆動制御部23には、支持状態設定部27か
らの信号も入力されるようになってる。支持状態設定部
27は、着座者の着座支持状態の目標状態を前記背面形
状の分類に応じて設定し、駆動制御部23に入力するも
のであり、本実施形態において目標状態設定手段を構成
している。又、支持状態設定部27の信号は、前記表示
手段25にも入力されるようになっている。
【0043】前記駆動制御部23は、例えばマイクロコ
ンピュータなどによって構成され、前記背面形状の分類
に応じて検出した着座支持状態が、設定された目標状態
となるように前記中折れ機構11及びランバーサポート
13のモータを駆動するものである。従って、中折れ機
構11及びランバーサポート13のモータと駆動制御部
23とは本実施形態において、胸椎支持可変手段及び腰
椎支持可変手段を駆動する駆動手段を構成している。
【0044】前記表示手段25は、例えば車両インスト
ルメントなどに備えられたモニターで構成され、前記支
持状態判断部21によって検出した着座支持状態及び支
持状態設定部27によって設定した目標状態などが表示
されるようになっている。
【0045】次に、本実施形態において、着座者の背面
形状を判定し、シートの長時間着座による疲労を軽減す
る適切な支持状態を提供する流れを図2のフローチャー
トを用いて説明する。
【0046】着座者がシート1に着座すると、まずステ
ップS1において、着座者の背面形状の分類を判定し、
ステップS2において背面形状分類に応じた目標支持状
態を設定しステップS3へ移行する。ステップS3にお
いてセンサアレイ15,17により現在の荷重分布を取
得し、ステップS4において胸椎部および腰椎部の荷重
のシートバック全体荷重に対する割合を計算し、ステッ
プS5へ移行する。ステップS5においてモニター画面
17に表示し、ステップS6において、ステップS2で
設定した目標支持状態と現在の支持状態とを比較し、目
標状態を満たしていない場合は、ステップS7にて駆動
方向を判定し、ステップS8にて駆動を行う。本発明
は、このループを目標状態に至るまで繰り返すことで、
背面形状に応じた疲労を軽減する適切な支持状態を提供
するものである。
【0047】図2のステップS1の背面形状判定の処理
の流れを、図3のフローチャートおよび図4の駆動概要
図、図5〜7の背面形状の分類判定状態を用いて説明す
る。背面形状の判定は、着座者が着座した状態で、ステ
ップS11においてシート角度初期設定の処理が実行さ
れ、図4のようにシート1の上部7および下部9を直立
角度に設定し、かつシートクッション3を平坦角度にし
た状態に設定しステップS12へ移行する。シート1の
上部7および下部9の直立角度は、例えば、中折れ機構
11が折れ角零の状態で、シートバック3のシートバッ
クフレームが垂直になる角度とする。また、シートクッ
ション3の平坦角度とは、例えば、シートクッション5
のクッションフレームが水平になる角度とする。
【0048】ステップS12においては、可動装置駆動
の処理が実行され、中折れ機構11を前方へ傾動し、同
時にランバーサポート13を前方へ突出するよう駆動す
る。ステップS13では、接触荷重検出の処理が実行さ
れ、シートバック3の上部7および下部9に内蔵された
センサアレイ15により、随時荷重が検出されステップ
14へ移行する。ステップ14にて、接触したか否かの
判断が実行され、前記ステップS13で検出された荷重
が、予め設定されているシートバック3の上部7表面に
身体Bが接触したことを判定するにたる微少な所定量の
荷重に一致したか否かが判断され、接触したと判断され
るまで、ステップS12,S13が繰り返され、接触し
たと判断されたらステップS15へ移行する。従って、
本実施形態においてシートバック上部のセンサアレイ1
5は、接触センサを構成している。
【0049】ステップS15では、可動量記憶の処理が
実行され、駆動が停止した時のモータの駆動量を記憶
し、ステップS16の可動量より相対位置計算の処理に
より、センサアレイ15の中から検出荷重が予め設定さ
れた荷重に一致するセンサを抽出し、該センサのシート
バック3の上部7での位置を胸椎部接触位置29、シー
トバック3の下部9での位置を腰椎部接触位置31と
し、ステップS15で記憶した駆動量から相対的な位置
関係を計算し、ステップS17へ移行する。
【0050】ステップS17では、臀部最後端位置検出
の処理が実行され、シートクッション5に内蔵されたセ
ンサアレイ17において、臀部最後端位置33を検出
し、ステップS18へ移行する。
【0051】ステップS18では、背面形状分類判定の
処理が実行され、人体背面形状35を、胸椎部接触位置
29、腰椎部接触位置31および臀部最後端位置33の
3点の相対関係から、図5、図6,図7に示すように分
類する。
【0052】図5では、臀部最後端位置33が浅く、か
つ中折れ機構11が上部7を前方へ傾動させ、かつラン
バーサポート13が突出している状態であり、この場合
をS字型に分類する。図6では、臀部最後端位置33が
深く、かつ背面中折れ機構11の傾動が小さく、かつラ
ンバーサポート13の突出も小さい状態であり、この場
合を直線型に分類する。図7では、臀部最後端位置33
が深く、かつ中折れ機構11が前方へ傾動し、かつラン
バーサポート13の突出量が小さい状態であり、この場
合を猫背型に分類する。
【0053】次に、図2のステップS2の目標状態設定
の処理について、図8に示すフローチャートを用いて説
明する。まず、ステップS21において、図2のステッ
プS1において分類された着座者の背面形状により処理
を分岐する。背面形状の分類がS字型である場合はステ
ップS22へ移行し、直線型である場合はステップS2
3へ移行し、猫背型である場合はステップS24へ移行
する。
【0054】前記ステップS22では、背面形状の分類
がS字型である場合、疲労を軽減する適切な支持状態と
して、着座時の胸椎部支持割合P1が、あらかじめ実験
により求めた胸椎部支持割合の標準値N1に対して、小
さくなるように目標状態を設定する。同時に、着座時の
腰椎部支持割合P2が、あらかじめ実験により求めた腰
椎部支持割合の標準値N2に対して、大きくなるように
目標状態を設定する。
【0055】前記ステップS23では、背面形状の分類
が直線型である場合、疲労を軽減する適切な支持状態と
して、着座時の胸椎部支持割合P1が、あらかじめ実験
により求めた胸椎部支持割合の標準値N1に対して、大
きくなるように目標状態を設定する。同時に、着座時の
腰椎部支持割合P2が、あらかじめ実験により求めた腰
椎部支持割合の標準値N2に対して、小さくなるように
目標状態を設定する。
【0056】前記ステップS24では、背面形状の分類
が猫背型である場合、疲労を軽減する適切な支持状態と
して、着座時の胸椎部支持割合P1が、あらかじめ実験
により求めた胸椎部支持割合の標準値N1に対して、小
さくなるように目標状態を設定する。同時に、着座時の
腰椎部支持割合P2が、あらかじめ実験により求めた腰
椎部支持割合の標準値N2に対して、小さくなるように
目標状態を設定する。
【0057】図2のステップS4の荷重割合計算の処理
では、シートバック3全体の着座センサ出力合計に対す
る第10胸椎から第12胸椎及びその周辺の範囲の荷重
合計を胸椎部支持割合とし、またシートバック3全体の
着座センサ出力合計に対する第3腰椎及びその周辺の範
囲の荷重合計を腰椎部支持割合としている。
【0058】図2のステップS6の目標状態か否かの判
断処理を図9を用いて説明する。まず、ステップS61
において、背面形状分類が何れかかを判断する。ここで
は図2のステップS1において分類された着座者の背面
形状により処理を分岐する。それぞれの背面形状分類に
おける目標支持状態は、図2のステップS2において、
設定されているため、図2のステップS4において求め
られた現在の胸椎部支持割合P1および腰椎部支持割合
P2と標準値の支持割合N1,N2とをステップS62
〜S67において比較し、目標状態に至っていない場合
は、駆動方向を判定する。
【0059】駆動方向の判定S7は、胸椎部支持状態に
おいては、ステップS71〜S73にて行われ、目標状
態に比べ、支持が不足している場合は胸部が前傾する方
向へ中折れ機構11を駆動し、支持が強すぎる場合は胸
部が後傾する方向へ中折れ機構11を駆動する。
【0060】一方、腰椎部支持状態においては、ステッ
プS74〜S76にて行われ、目標状態に比べ、支持が
不足している場合は腰部を突出する方向へランバーサポ
ート13を駆動し、支持が強すぎる場合は奥部が引き込
む方向へランバーサポート13を駆動する。
【0061】図2のステップS5の画面表示処理では、
例えば図10に示すように、目標状態37に対する胸椎
部および腰椎部の現在の状態39,41を画面表示し、
かつ現在の荷重分布43や現在の可動機構の状態45も
同時に画面表示することで、着座者への座り方に対する
フィードバックを行い、着座者が任意に調整する場合は
着座者による適正状態への回復を促進することができ
る。また調整を自動的に行う場合でも現在の調整状態を
一目で確認することができ、調整の可、不可を確認する
ことができる。
【0062】このようにして、着座者の背面形状をS字
型、直線型、猫背型の少なくとも3通りに分類し、背面
形状の分類に応じて胸椎支持及び腰椎支持を変更して、
着座者個々人が持つ固有の身体形状特徴に応じた適切な
支持状態を得ることができ、長時間着座による疲労を大
幅に軽減することができる。
【0063】また、背面形状がS字型に分類されると
き、胸椎部の支持である胸椎部支持割合P1を予め定め
られた標準値N1に対して小さくすることにより弱く、
且つ腰椎部の支持である腰椎部支持割合P2を標準値N
2に対して大きくすることにより強くするように駆動す
ることができ、背面形状が直線型に分類されるとき、胸
椎部の支持P1を標準値N1よりも強く腰椎部の支持P
2を標準値N2よりも弱くするように駆動することがで
き、背面形状が猫背型に分類されるときは胸椎部の支持
P1を標準値N1よりも弱く、腰椎部の支持P2を標準
値N2よりも弱くするように駆動することができる。従
って、着座者個々人が持つ固有の身体形状特徴に対し、
P1,P2を適切に設定し、より適切に対応した支持状
態を得ることができ、長時間着座による疲労をより確実
に軽減することができる。
【0064】さらに、胸椎部の支持P1を着座者の背面
全体の荷重合計に対する第3腰椎及びその周辺の荷重合
計の割合で行い、腰椎部の支持P2を着座者の背面全体
の荷重合計に対する第10胸椎から第12胸椎及びその
周辺の荷重合計の割合で行うので、胸椎部、腰椎部ごと
に、より適切な支持状態を得ることができ、長時間着座
による疲労をより確実に軽減することができる。
【0065】また、胸椎部支持可変手段はシートバック
3を上下中間部で折れ変形させる中折れ機構11であ
り、腰椎部支持可変手段はシートバック3の下部9側に
設けたランバーサポート13であり、胸椎部の支持P1
を標準値N1よりも強くするとき中折れ機構11により
シートバック上部7を同下部9に対し前傾方向へ駆動す
ると共に、胸椎部の支持P1を標準値N1よりも弱くす
るときは中折れ機構11によりシートバック上部7を同
下部9に対して後傾方向へ駆動し、腰椎部の支持P2を
標準値N2よりも強くするときはランバーサポート13
をシートバック3に対し突出方向へ駆動すると共に、腰
椎部の支持P2を標準値N2よりも弱くするときはラン
バーサポート13をシートバック3に対し反突出方向へ
駆動する。従って、中折れ機構11とランバーサポート
13との2種の簡便な機構により、適切な支持状態を容
易に得ることができ、長時間着座による疲労を確実に軽
減することができる。
【0066】また、センサアレイ17により着座者のシ
ートクッション5に対する臀部最後端位置を検出すると
共に、シートクッション5を平坦角度、且つシートバッ
ク3を直立角度に設定した状態で、シートバック3の上
部7、ランバーサポート13を駆動し、接触検出時の中
折れ機構11及びランバーサポート13の駆動量を検出
し、臀部最後端位置と中折れ機構11及びランバーサポ
ート13の駆動量とから背面形状を分類することができ
る。従って、着座者は自己の背面形状分類を気にするこ
となく、各着座者の背面形状を確実且つ容易に分類する
ことができ、適切な支持状態を容易に得ることができ、
長時間着座による疲労を確実に軽減することができる。
【0067】また、シートバック3に内蔵された圧力感
応型のセンサアレイ15の検出値により、着座支持状態
を検出することができる。従って、シート1に大きな改
変をすることなく、着座支持状態を確実に検出すること
ができ、適切な支持状態を容易に得ることができ、長時
間着座による疲労を確実に軽減することができる。
【0068】本実施形態において、疲労を軽減する適正
支持状態の提供は、図2に示す流れを適正支持状態復帰
として行うものであり、適正状態提供は、図2に示す流
れを常にループとして行うことにより、経時的な着座の
場合にくずれた姿勢に対する復帰を行わせることがで
き、経時的に適正な支持状態を得るシートとすることが
できる。なお、適正状態提供を一時的なものとし、表示
手段25を確認しながら着座者の自主的な操作により行
うようにすることも可能である。
【0069】また、本実施形態において胸椎部の支持状
態を変化させる可動機構として、中折れ機構13を採用
したが、図11のように腰椎部と同様にランバーサポー
ト13と同様の可動機構のチェストサポート47をシー
トバック上部7に内蔵することによっても、同様の効果
を得ることが可能である。
【0070】すなわち、胸椎部の支持P1を標準値N1
よりも強くするときは上部7側のチェストサポート47
をシートバック3に対し突出方向へ駆動すると共に、胸
椎部の支持P1を標準値N1よりも弱くするときは上部
7側のチェストサポート47をシートバック3に対し反
突出方向へ駆動し、腰椎部の支持P2を標準値N2より
も強くするときは下部9側のランバーサポート13をシ
ートバック3に対し突出方向へ駆動すると共に、腰椎部
の支持P2を標準値N2よりも弱くするときは下部9側
のランバーサポート13をシートバック3に対して反突
出方向へ駆動することができる。従って、図11の実施
形態では駆動制御部23及びランバーサポート13の駆
動モータ、チェストサポート47の駆動モータが駆動手
段を構成している。
【0071】そして、チェストサポート47、ランバー
サポート13の簡便な機構により、適切な支持状態を容
易に得ることができ、長時間着座による疲労をより確実
に軽減することができる。
【0072】(第2実施形態)図12は本発明の第2実
施形態に係るシートの概略構成図を示している。尚、基
本的な構成は第1実施形態と略同様であるため、対応す
る構成部分には同符号を付して説明する。
【0073】一方、本実施形態においては、シートバッ
ク3の背面着座センサアレイを取り除いた構成となって
いる。本実施形態においては、前記中折れ機構11の駆
動モータ及びランバーサポート13の駆動モータの入力
電圧が背面形状判定部19及び支持状態判定部21に入
力されている。一般に直流モータ特性において、トルク
と回転数との間には反比例の関係があり、この関係は入
力電圧に応じて変化するため、ある負荷に対しモータが
起動するトルクを電圧により計測することが可能であ
る。従って、入力電圧を変化させることにより、中折れ
機構11及びランバーサポート13のモータが微少に回
転したときの入力電圧をシートバック上部7及びシート
バック下部9に掛かる荷重に変換することができる。す
なわち、本実施形態においては、背面形状の分類をする
ときに、直立角度に設定したシートバック3のシートバ
ック上部7を中折れ機構11で前方へ変位させ、シート
バック上部7が乗員の身体に接触したときのモータの入
力電圧の変化を検出することにより接触を検出すること
ができ、本実施形態において、中折れ機構11のモータ
は接触センサを構成している。
【0074】従って、本実施形態においては、第1実施
形態と略同様な作用効果を奏することができる他、シー
トバック3に設けられたランバーサポート13、中折れ
機構11の駆動力の検出値により着座支持状態を検出す
ることができる。直流モータで駆動する場合には、入力
電圧を変化させたときの起動トルクから着座支持状態を
検出することができ、新たな検出機構の追加をすること
なく、適切な支持状態を容易に検出することができ、長
時間着座による疲労を確実に軽減することができる。シ
ートバック3から着座センサアレイ15を省略すること
ができ、簡単な構造で背面形状の分類及び着座支持状態
の検出を行うことができる。
【0075】(第3実施形態)図13は第3実施形態に
係るシート1の概略構成図を示している。尚、第1実施
形態と対応する構成部分には同符号を付して説明する。
【0076】一方、本実施形態においては、胸椎部可変
支持手段をシートバック3の上部7側に設けた空気袋5
1で構成し、腰椎部支持可変手段をシートバック3の下
部9側に設けた空気袋49で構成している。各空気袋4
9,51は、ポンプ53の吐出口に接続された配管55
を分岐して接続されている。配管55には、空気袋4
9,51用のバルブ57,59が介設されている。バル
ブ57,59は、駆動制御部23によって駆動制御され
るようになっている。従って、本実施形態においては、
駆動制御部23及びバルブ57,59が駆動手段を構成
している。
【0077】そして、胸椎部の支持P1を標準値N1よ
りも強くするときは、上部7側の空気袋51の内圧を増
加するように駆動すると共に、胸椎部の支持P1を標準
値N1よりも弱くするときは上部7側の空気袋51の内
圧を減少するように駆動し、腰椎部の支持P2を標準値
N2よりも強くするときは下部9側の空気袋49の内圧
を増加するように駆動すると共に、腰椎部の支持P2を
標準値N2よりも弱くするときは下部9側の空気袋49
の内圧を減少するように駆動する。
【0078】又、本実施形態においても、シートバック
3の着座センサアレイは取り除かれており、空気袋4
9,51の内圧により胸椎部及び腰椎部の着座支持状態
を検出することができる。
【0079】従って、本実施形態においても第1実施形
態と略同様な作用効果を奏することができる他、2個の
空気袋49,51の内圧調整によって、適切な支持状態
を容易に得ることができ、長時間着座による疲労を確実
に軽減することができる。また、シートバック3から着
座センサアレイを省略することができ、構造をさらに簡
単にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るシートの概略構成
図である。
【図2】第1実施形態に係り、システム全体のフローチ
ャートである。
【図3】第1実施形態に係り、背面形状分類のフローチ
ャートである。
【図4】第1実施形態に係り、背面形状分類でのシート
の駆動状態を示す概略図である。
【図5】第1実施形態に係り、背面形状をS字型に分類
するときの概略を示す説明図である。
【図6】第1実施形態に係り、背面形状を直線型に分類
するときの状態を示す概略説明図である。
【図7】第1実施形態に係り、背面形状を猫背型に分類
するときの状態を示す概略説明図である。
【図8】第1実施形態に係り、背面形状の分類に応じた
目標状態設定のフローチャートである。
【図9】第1実施形態に係り、背面形状の分類に応じた
駆動のフローチャートである。
【図10】第1実施形態に係り、画面表示の説明図であ
る。
【図11】第1実施形態の変形例に係るシートの概略構
成図である。
【図12】本発明の第2実施形態に係るシートの概略構
成図である。
【図13】本発明の第3実施形態に係るシートの概略構
成図である。
【符号の説明】
1 シート 3 シートバック 5 シートクッション 7 上部(胸椎部可変手段) 9 下部 11 中折れ機構(胸椎部可変手段) 13 ランバーサポート(腰椎部可変手段) 15 背面着座センサアレイ(着座センサ、接触セン
サ、背面形状分類手段) 17 座面着座センサアレイ(着座センサ、背面形状分
類手段) 19 背面形状判定部(背面形状分類手段) 21 支持状態判断部(着座状態検出手段) 23 駆動制御部(駆動手段) 25 表示手段 27 支持状態設定部(目標状態設定手段) 47 チェストサポート 49,51 空気袋 53 ポンプ(駆動手段) 57,59 バルブ(駆動手段)

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シートバック及びシートクッションから
    成るシートにおいて、 着座者の胸椎部の支持状態を可変にする胸椎支持可変手
    段及び腰椎部の支持状態を可変にする腰椎支持可変手段
    と、 着座者の背面形状をS字型、直線型、猫背型の少なくと
    も3通りに分類する背面形状分類手段とを備え、 前記背面形状の分類に応じて前記胸椎支持可変手段及び
    腰椎支持可変手段を駆動することを特徴とするシート。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のシートであって、 前記背面形状がS字型に分類されるとき前記胸椎部の支
    持を予め定められた標準値よりも弱く、且つ前記腰椎部
    の支持を前記標準値よりも強くするように駆動し、 前記背面形状が直線型に分類されるとき前記胸椎部の支
    持を前記標準値よりも強く、且つ前記腰椎部の支持を前
    記標準値よりも弱くするように駆動し、 前記背面形状が猫背型に分類されるとき前記胸椎部の支
    持を前記標準値よりも弱く、且つ前記腰椎部の支持を前
    記標準値よりも弱くするように駆動することを特徴とす
    るシート。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のシートであって、 前記胸椎部の支持を、着座者の背面全体の荷重合計に対
    する第3腰椎及びその周辺の荷重合計の割合で行い、前
    記腰椎部の支持を、着座者の背面全体の荷重合計に対す
    る第10胸椎から第12胸椎及びその周辺の荷重合計の
    割合で行うことを特徴とするシート。
  4. 【請求項4】 シートバック及びシートクッションから
    成るシートにおいて、 着座者の胸椎部の支持状態を可変にする胸椎支持可変手
    段及び腰椎部の支持状態を可変にする腰椎支持可変手段
    と、 着座者の背面形状をS字型、直線型、猫背型の少なくと
    も3通りに分類する背面形状分類手段と、 着座者の着座支持状態の目標状態を前記背面形状の分類
    に応じて設定する目標状態設定手段と、 着座者の着座支持状態を検出する着座状態検出手段と、 前記背面形状の分類に応じて前記検出した着座支持状態
    が前記設定した目標状態となるように前記胸椎支持可変
    手段及び腰椎支持可変手段を駆動する駆動手段とを備え
    たことを特徴とするシート。
  5. 【請求項5】 請求項4記載のシートであって、 前記目標状態設定手段は、着座者の胸椎部及び腰椎部の
    支持状態の標準値を予め設定し、 前記背面形状がS字型に分類されるとき前記胸椎部の支
    持を前記標準値よりも弱く、且つ前記腰椎部の支持を標
    準値よりも強く設定し、 前記背面形状が直線型に分類されるとき前記胸椎部の支
    持を前記標準値よりも強く、且つ前記腰椎部の支持を標
    準値よりも弱く設定し、 前記背面形状が猫背型に分類されるとき前記胸椎部の支
    持を前記標準値よりも弱く、且つ前記腰椎部の支持を標
    準値よりも弱く設定することを特徴とするシート。
  6. 【請求項6】 請求項5記載のシートであって、 前記目標状態設定手段は、前記胸椎部の支持を、着座者
    の背面全体の荷重合計に対する第3腰椎及びその周辺の
    荷重合計の割合で設定し、前記腰椎部の支持を、着座者
    の背面全体の荷重合計に対する第10胸椎から第12胸
    椎及びその周辺の荷重合計の割合で設定することを特徴
    とするシート。
  7. 【請求項7】 請求項4〜6の何れかに記載のシートで
    あって、 前記胸椎部支持可変手段は、前記シートバックを上下中
    間部で折れ変形させる中折れ機構であり、 前記腰椎部支持可変手段は、前記シートバックの下部側
    に設けたランバーサポートであり、 前記駆動手段は、前記胸椎部の支持を前記標準値よりも
    強くするときは前記中折れ機構によりシートバック上部
    を同下部に対し前傾方向へ駆動すると共に、前記胸椎部
    の支持を前記標準値よりも弱くするときは前記中折れ機
    構によりシートバック上部を同下部に対し後傾方向へ駆
    動し、且つ前記腰椎部の支持を前記標準値よりも強くす
    るときは前記ランバーサポートをシートバックに対し突
    出方向へ駆動すると共に、前記腰椎部の支持を前記標準
    値よりも弱くするときは前記ランバーサポートをシート
    バックに対し反突出方向へ駆動することを特徴とするシ
    ート。
  8. 【請求項8】 請求項4〜6の何れかに記載のシートで
    あって、 前記胸椎部支持可変手段は、前記シートバックの上部側
    に設けたチェストサポートであり、 前記腰椎部支持可変手段は、前記シートバックの下部側
    に設けたランバーサポートであり、 前記駆動手段は、前記胸椎部の支持を前記標準値よりも
    強くするときは前記チェストサポートをシートバックに
    対し突出方向へ駆動すると共に、前記胸椎部の支持を前
    記標準値よりも弱くするときは前記チェストサポートを
    シートバックに対し反突出方向へ駆動し、且つ前記腰椎
    部の支持を前記標準値よりも強くするときは前記ランバ
    ーサポートをシートバックに対し突出方向へ駆動すると
    共に、前記腰椎部の支持を前記標準値よりも弱くすると
    きは前記ランバーサポートをシートバックに対し反突出
    方向へ駆動することを特徴とするシート。
  9. 【請求項9】 請求項4〜6の何れかに記載のシートで
    あって、 前記胸椎部支持可変手段は、前記シートバックの上部側
    に設けた空気袋であり、 前記腰椎部支持可変手段は、前記シートバックの下部側
    に設けた空気袋であり、 前記駆動手段は、前記胸椎部の支持を前記標準値よりも
    強くするときは前記上部側の空気袋の内圧を増加するよ
    うに駆動すると共に、前記胸椎部の支持を前記標準値よ
    りも弱くするときは前記上部側の空気袋の内圧を減少す
    るように駆動し、且つ前記腰椎部の支持を前記標準値よ
    りも強くするときは前記下部側の空気袋の内圧を増加す
    るように駆動すると共に、前記腰椎部の支持を前記標準
    値よりも弱くするときは前記下部側の空気袋の内圧を減
    少するように駆動することを特徴とするシート。
  10. 【請求項10】 請求項4〜6の何れかに記載のシート
    であって、 前記背面形状分類手段は、前記シートクッションに設け
    た着座センサ及び前記シートバックへの接触を検出可能
    な接触センサを備え、 前記着座センサにより着座者のシートクッションに対す
    る臀部最後端位置を検出すると共に、前記シートクッシ
    ョンを平坦角度且つ前記シートバックを直立角度に設定
    した状態で、前記胸椎部支持可変手段及び腰椎部支持可
    変手段を駆動し前記接触センサの接触検出時の該胸椎支
    持可変手段及び腰椎部支持可変手段の駆動量を検出し、 前記臀部最後端位置と胸椎部支持可変手段及び腰椎部支
    持可変手段の駆動量とから前記背面形状を分類すること
    を特徴とするシート。
  11. 【請求項11】 請求項7又は8記載のシートであっ
    て、 前記着座状態検出手段は、前記シートバックに内蔵され
    た圧力感応型の着座センサの検出値により前記胸椎部及
    び腰椎部の着座支持状態を検出することを特徴とするシ
    ート。
  12. 【請求項12】 請求項7又は8記載のシートであっ
    て、 前記着座状態検出手段は、前記ランバーサポート及び中
    折れ機構又はランバーサポート及びチェストサポートの
    駆動力の検出値により前記胸椎部及び腰椎部の着座支持
    状態を検出することを特徴とするシート。
  13. 【請求項13】 請求項9記載のシートであって、 前記着座状態検出手段は、前記シートバックに内蔵され
    た空気袋の内圧により着座支持状態を検出することを特
    徴とするシート。
  14. 【請求項14】 請求項4〜13の何れかに記載のシー
    トであって、 前記着座検出手段の検出した着座支持状態を表示する表
    示手段を設けたことを特徴とするシート。
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