JP2020145163A - 蓄電素子及び蓄電素子の製造方法 - Google Patents

蓄電素子及び蓄電素子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】接合領域から離れた領域において外装材が接合されにくくなっている蓄電素子の提供。【解決手段】第1外装材及び第2外装材を有する外装体7と、外装体で形成される収容空間7aに収容された電極体5と、電極体と電気的に接続し且つ第1外装材及び第2外装材の間を通過して、外装体の外部まで延びるタブ6を備え、第1外装材は、周縁部と、周縁部によって取り囲まれて第2外装材から離間する方向に周縁部から膨出した膨出部と、を有し、第1外装材及び第2外装材は、周縁部の一部に重なる領域であって膨出部を周状に取り囲む接合領域において接合し、第1外装材及び第2外装材の少なくとも一方は、接合領域と膨出部との間となる位置に、第1外装材及び第2外装材の他方から離間する方向に突出して線状に延びる突出部47を有し、突出部は、少なくともタブに対面する領域に直線状に設けられている蓄電素子。【選択図】図1

Description

本発明は、蓄電素子及び蓄電素子の製造方法に関する。
蓄電素子として、例えば特許文献1で提案されているように、正極と負極とを交互に積層してなる積層型電池や巻回型電池が広く普及している。このような積層型電池の一例として、リチウムイオン二次電池が挙げられる。リチウムイオン二次電池は、他の形式の積層型電池と比較して大容量であることを特徴の一つとしている。このような特徴を有するリチウムイオン二次電池は、今般、車載用途や定置住宅用途等の種々の用途での更なる普及を期待されている。
リチウムイオン二次電池に代表される積層型電池では、正極及び負極を有する電極体から電力を取り出すため、正極及び負極のうち電極活物質層が設けられていない領域において正極及び負極がそれぞれ別個に集電しており、集電されたそれぞれの電極の電極集電体にタブが取り付けられている。電極体は、それぞれの電極に取り付けられたタブが外部に延び出た状態で、外装体に収容される。
このような外装体は、2つの外装材を接合することで形成される。2つの外装材は、その周縁部の一部に重なる接合領域を加熱及び加圧することで接合される。
特開2009−110816号公報
ところで、接合領域を加熱及び加圧する際に、意図された接合領域から離れた領域も接合されてしまうことがある。すなわち、外装材の意図されない領域まで接合されてしまうことがある。接合領域から離れた、接合することが意図されない領域では、接合領域よりも弱く接合される。このため、例えば外装体の内部で発生したガス等によって力が加わると、接合領域から離れた領域の接合は、容易に剥がれてしまう。その結果、外装体の内部に封入された電解液が蓄電素子の外部に漏洩する等の不具合が生じ得る。このような不具合は、蓄電素子の取り扱いにおける安全性に悪影響を及ぼし得る。
とりわけ、タブが配置された部分は、タブと外装体との間を確実に封止するために、十分に加熱される。このため、タブが配置された部分の近傍において、外装材は意図されずに接合されやすい。
本件発明は、このような点を考慮してなされたものであり、接合領域から離れた領域において外装材を接合されにくくすることを目的とする。
本発明の蓄電素子は、
第1外装材及び第2外装材を有する外装体と、
前記第1外装材及び前記第2外装材の間に形成される収容空間に収容され、積層された複数の第1電極及び複数の第2電極を有する電極体と、
前記電極体と電気的に接続し且つ前記第1外装材及び前記第2外装材の間を通過して、前記外装体の外部まで延びるタブと、を備え、
前記第1外装材は、周縁部と、前記周縁部によって取り囲まれて前記第2外装材から離間する方向に前記周縁部から膨出した膨出部と、を有し、
前記第1外装材及び前記第2外装材は、前記周縁部の一部に重なる領域であって前記膨出部を周状に取り囲む接合領域において接合し、
前記第1外装材及び前記第2外装材の少なくとも一方は、前記接合領域と前記膨出部との間となる位置に、前記第1外装材及び前記第2外装材の他方から離間する方向に突出して線状に延びる突出部を有し、
前記突出部は、少なくとも前記タブに対面する領域に直線状に設けられている。
本発明の蓄電素子において、前記第1外装材は、金属層と、前記金属層に積層され且つ前記金属層よりも前記第2外装材側に位置する樹脂層と、を有してもよい。
本発明の蓄電素子において、前記樹脂層は、熱可塑性を有してもよい。
本発明の蓄電素子において、前記突出部が前記タブに対面する領域から延び出す長さの合計は、60mm以下であってもよい。
本発明の蓄電素子において、前記突出部と前記接合領域との間の距離は、1.0mm以下であってもよい。
本発明の蓄電素子において、前記突出部と前記接合領域との間の距離は、0.5mm以上であってもよい。
本発明の蓄電素子において、前記突出部の幅は、0.8mm以上であってもよい。
本発明の蓄電素子において、前記膨出部と前記接合領域との間の距離は、2.0mm以上であってもよい。
本発明の蓄電素子において、前記電極体は、前記第1電極と前記第2電極との間に配置されたセパレータを有してもよい。
本発明の蓄電素子において、
前記第2外装材は、第2周縁部と、前記第2周縁部によって取り囲まれて前記第1外装材から離間する方向に前記第2周縁部から膨出した第2膨出部と、を有し、
前記接合領域は、前記第2周縁部の一部に重なる領域であって、前記第2膨出部を周状に取り囲んでもよい。
本発明の蓄電素子において、前記突出部は、前記第2外装材から離間する方向に前記第1外装材から突出した第1突出部と、前記第1外装材から離間する方向に前記第2外装材から突出した第2突出部と、を含んでもよい。
本発明の蓄電素子の製造方法は、上述したいずれかの蓄電素子の製造方法であって、
前記第1外装材及び第2外装材の少なくとも一方に突出部を形成する工程と、
前記第1外装材及び前記第2外装材の間に形成される収容空間に、複数の第1電極及び複数の第2電極を有する電極体を配置する工程と、
前記第1外装材と前記第2外装材とを、前記突出部が前記第1外装材及び前記第2外装材の他方から離間する方向に突出する向きに接合する工程と、を備え、
前記突出部は、少なくとも前記タブに対面する領域に直線状に形成されている。
本発明の蓄電素子の製造方法において、前記突出部は、エンボス加工によって形成されてもよい。
本発明の蓄電素子の製造方法において、
前記膨出部は、エンボス加工によって形成され、
前記突出部及び前記膨出部は、同時に形成されてもよい。
本発明の蓄電素子の製造方法において、前記第1外装材と前記第2外装材とを接合する工程において、前記接合領域は、200℃以上で加熱されてもよい。
本発明の蓄電素子の製造方法において、前記第1外装材と前記第2外装材とを接合する工程において、前記接合領域は、1.5MPa以上の圧力を加えられてもよい。
本発明の蓄電素子の製造方法において、前記第1外装材と前記第2外装材とを接合する工程において、前記接合領域は、5秒以上加熱及び/又は加圧されてもよい。
本発明によれば、接合領域から離れた領域において外装材を接合されにくくすることができる。
図1は、本発明の一実施の形態を説明するための図であって、蓄電素子を示す斜視図である。 図2は、図1の蓄電素子の上面図である。 図3は、図1の蓄電素子の外装体の内部に収容された電極体を示す平面図である。 図4は、図1の図1のIV−IV線に沿った断面図である。 図5は、図1のV−V線に沿った蓄電素子の外装体の断面図である。 図6は、図5における突出部を拡大して示す断面図である。 図7は、図6の突出部の他の例を示す断面図である。 図8は、図6の突出部のさらに他の例を示す断面図である。 図9は、図5に示した外装体の断面図の一変形例を示す図である。
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺及び縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
なお、本明細書において用いる、形状や幾何学的条件ならびにそれらの程度を特定する、例えば、「平行」、「直交」、「同一」等の用語や長さや角度の値等については、厳密な意味に縛られることなく、同様の機能を期待し得る程度の範囲を含めて解釈することとする。
図1乃至図8は、本発明による蓄電素子の一実施の形態を説明するための図である。図1は、蓄電素子の一具体例を示す斜視図であり、図2は、図1の蓄電素子の上面図である。図1及び図2に示すように、蓄電素子1は、外装体7と、外装体7によって形成された収容空間7aに収容された電極体5と、電極体5に接続されて外装体7の内部から外部へと延び出したタブ6と、を有している。また、図3は、蓄電素子1に含まれる電極体5を示す平面図であり、図4は、図1のIV−IV線に沿った断面図である。図3及び図4に示すように、電極体5は、第1方向d1に積層された複数の第1電極10及び第2電極20を有している。図1に示された例において、蓄電素子1は、全体的に厚さ方向である第1方向d1が薄い偏平形状を有しており、長手方向となる第2方向d2と短手方向となる第3方向d3に広がっている。第1方向d1、第2方向d2及び第3方向d3は、互いに非平行であり、図示された例では、第1方向d1、第2方向d2及び第3方向d3は、互いに直交している。
以下において、蓄電素子1が積層型電池、具体的にはリチウムイオン二次電池である例について説明する。この例において、第1電極10は正極10Xを構成し、第2電極20は負極20Yを構成するものとする。ただし、以下に説明する作用効果の記載からも理解され得るように、ここで説明する一実施の形態は、リチウムイオン二次電池に限定されることなく、第1電極10及び第2電極20を第1方向d1に交互に積層してなる蓄電素子1に広く適用され得る。また、蓄電素子1は積層型電池に限らず、例えば巻回型電池であってもよい。蓄電素子1が巻回型電池である場合でも、第1電極10及び第2電極20が第1方向d1に積層される。
以下、蓄電素子1の各構成要素について説明する。
まず、電極体5について説明する。図3及び図4に示すように、電極体5は、正極10X(第1電極10)と、負極20Y(第2電極20)と、正極10Xと負極20Yとの間に配置されたセパレータ30と、を有している。図4に示すように、正極10X及び負極20Yは、第1方向d1に沿って交互に積層されている。電極体5は、例えば板状の正極10X及び負極20Yを合計で20枚以上含んでいる。電極体5は、全体的に偏平形状を有し、第1方向d1への厚さが薄く、第1方向d1に非平行な第2方向d2及び第3方向d3に広がっている。電極体5の厚さ、すなわち第1方向d1に沿った長さは、例えば4mm以上20mm以下である。
図3に示された非限定的な例において、正極10X及び負極20Yは、略長方形形状の外輪郭を有している板状の電極である。第1方向d1に非平行な第2方向d2が、正極10X及び負極20Yの長手方向であり、第1方向d1及び第2方向d2の両方に非平行な第3方向d3が、正極10X及び負極20Yの短手方向(幅方向)である。図3に示されているように、正極10X及び負極20Yは、第2方向d2にずらして配置されている。より具体的には、複数の正極10Xは、第2方向d2における一側に寄って配置され、複数の負極20Yは、第2方向d2における他側に寄って配置されている。図3に示すように、正極10X及び負極20Yは、第2方向d2における中央において、第1方向d1に重なり合っている。
図3に示されているように、負極20Y(第2電極20)の第3方向d3(幅方向)に沿った長さは、正極10X(第1電極10)の第3方向d3に沿った長さよりも長くなっている。図示された例では、負極20Yは、正極10Xより、第3方向d3の一側及び他側に延び出ている。正極10X及び負極20Yの厚さ、すなわち第1方向d1の長さは、例えば80μm以上200μm以下であり、長手方向、すなわち第2方向d2に沿った長さは、例えば200mm以上950mm以下であり、短手方向、すなわち第3方向d3に沿った長さ(幅)は、例えば70mm以上350mm以下である。
図3及び図4に示されているように、正極10X(第1電極10)は、正極集電体11X(第1電極集電体11)と、正極集電体11X上に設けられた正極活物質層12X(第1電極活物質層12)と、を有している。リチウムイオン二次電池において、正極10Xは、放電時にリチウムイオンを放出し、充電時にリチウムイオンを吸蔵する。
図4に示すように、正極集電体11Xは、互いに対向する第1面11a及び第2面11bを主面として有している。正極活物質層12Xは、正極集電体11Xの第1面11a及び第2面11bの両側の面上に形成されている。電極体5に含まれる複数の正極10Xは、正極集電体11Xの両側に設けられた一対の正極活物質層12Xを有し、互いに同一に構成され得る。
正極集電体11X及び正極活物質層12Xは、蓄電素子1(リチウムイオン二次電池)に適用され得る種々の材料を用いて種々の製法により、作製され得る。一例として、正極集電体11Xは、アルミニウム箔によって形成され得る。正極活物質層12Xは、例えば、正極活物質、導電助剤、バインダーとなる結着剤を含んでいる。正極活物質層12Xは、正極活物質、導電助剤及び結着剤を溶媒に分散させてなる正極用スラリーを、正極集電体11Xをなす材料上に塗工して固化させることで、作製され得る。正極活物質として、例えば、一般式LiM(ただし、Mは金属であり、x及びyは金属Mと酸素Oの組成比である)で表される金属酸リチウム化合物が用いられる。金属酸リチウム化合物の具体例として、コバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム、マンガン酸リチウム等が例示され得る。または、正極活物質として、一般式LiMPO4(ただし、Mは金属である)で表されるリン酸金属リチウム化合物が用いられてもよい。リン酸金属リチウム化合物の具体例として、リン酸鉄リチウム、リン酸マンガンリチウム、リン酸コバルトリチウム等が例示され得る。導電助剤としては、アセチレンブラック等が用いられ得る。結着剤としては、ポリフッ化ビニリデン等が用いられ得る。
図3に示すように、正極集電体11X(第1電極集電体11)は、第1端部領域a1及び第1電極領域b1を有している。正極活物質層12X(第1電極活物質層12)は、正極集電体11Xの第1電極領域b1のみに配置されている。第1端部領域a1及び第1電極領域b1は、第2方向d2に配列されている。第1端部領域a1は、第1電極領域b1よりも第2方向d2における外側(図3における左側)に位置している。複数の正極集電体11Xは、図3に示すように、第1端部領域a1において、抵抗溶接や超音波溶接、テープによる貼着、融着等によって接合され、電気的に接続している。図示された例では、一つのタブ6が、第1端部領域a1において正極集電体11Xに電気的に接続している。タブ6は、電極体5から第2方向d2に延び出している。一方、図3に示すように、第1電極領域b1は、負極20Yの後述する負極活物質層22Yに対面する領域内に位置している。そして、第3方向d3に沿った正極10Xの幅は、第3方向d3に沿った負極20Yの幅よりも狭くなっている。このような第1電極領域b1の配置により、負極活物質層22Yからのリチウムの析出を防止することができる。
次に、負極20Y(第2電極20)について説明する。負極20Y(第2電極20)は、負極集電体21Y(第2電極集電体21)と、負極集電体21Y上に設けられた負極活物質層22Y(第2電極活物質層22)と、を有している。リチウムイオン二次電池において、負極20Yは、放電時にリチウムイオンを吸蔵し、充電時にリチウムイオンを放出する。
図3に示すように、負極集電体21Yは、互いに対向する第1面21a及び第2面21bを主面として有している。負極活物質層22Yは、負極集電体21Yの第1面21a及び第2面21bの両側の面上に形成されている。電極体5に含まれる複数の負極20Yは、負極集電体21Yの両側に設けられた一対の負極活物質層22Yを有し、互いに同一に構成され得る。
負極集電体21Y及び負極活物質層22Yは、蓄電素子1(リチウムイオン二次電池)に適用され得る種々の材料を用いて種々の製法により、作製され得る。一例として、負極集電体21Yは、例えば銅箔によって形成される。負極活物質層22Yは、例えば、炭素材料からなる負極活物質、及び、バインダーとして機能する結着剤を含んでいる。負極活物質層22Yは、例えば、炭素粉末や黒鉛粉末等からなる負極活物質とポリフッ化ビニリデンのような結着剤とを溶媒に分散させてなる負極用スラリーを、負極集電体21Yをなす材料上に塗工して固化することで、作製され得る。
図3に示すように、負極集電体21Y(第2電極集電体21)は、第2接続領域a2及び第2電極領域b2を有している。負極活物質層22Y(第2電極活物質層22)は、第2電極領域b2のみにおいて負極集電体21Yに積層されている。第2接続領域a2及び第2電極領域b2は、第2方向d2に配列されている。第2電極領域b2は、第2接続領域a2よりも第2方向d2における一側(図3における左側)に位置している。複数の負極集電体21Yは、図3に示すように、第2接続領域a2において、抵抗溶接や超音波溶接、テープによる貼着、融着等によって接合され、電気的に接続している。図示された例では、正極集電体11Xに接続したタブとは別のタブ6が、第2接続領域a2において負極集電体21Yに電気的に接続している。タブ6は、電極体5から第2方向d2の他側に延び出している。
既に説明したように、正極10Xの第1電極領域b1は、負極20Yの第2電極領域b2に対面する領域の内側に位置している(図3参照)。すなわち、第2電極領域b2は、正極10Xの正極活物質層12Xに対面する領域を内包する領域に広がっている。第3方向d3に沿った負極20Yの幅は、第3方向d3に沿った正極10Xの幅よりも広くなっている。とりわけ、負極20Yの第3方向d3における一側端部20aは、正極10Xの第3方向d3における一側端部10aよりも、第3方向d3における一側に位置し、且つ、負極20Yの第3方向d3における他側端部20bは、正極10Xの第3方向d3における他側端部10bよりも、第3方向d3における他側に位置している。
次に、セパレータ30について説明する。図4に示されているように、セパレータ30は、正極10X(第1電極10)及び負極20Y(第2電極20)の間に位置し、正極10X及び負極20Yが接触しないように離間させている。セパレータ30は、絶縁性を有しており、正極10X及び負極20Yの接触による短絡を防止する。セパレータ30は、大きなイオン透過度(透気度)、所定の機械的強度、および、電解液、正極活物質、負極活物質等に対する耐久性を有していることが好ましい。このようなセパレータ30として、例えば、絶縁性の材料によって形成された多孔質体や不織布等を用いることができる。より具体的には、セパレータ30として、融点が80〜140℃程度の熱可塑性樹脂からなる多孔フィルムを用いることができる。熱可塑性樹脂として、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン系ポリマー、またはポリエチレンテレフタレートを採用することができる。外装体7の収容空間7aには、電極体5とともに電解液が封入される。電解液が、多孔質体や不織布からなるセパレータ30に含浸することで、電極10,20の電極活物質層12,22に電解液が接触した状態に維持される。
セパレータ30は、例えば第1方向d1に隣り合う任意の二つの電極10,20の間に位置している。また、セパレータ30は、平面視において、正極10Xの正極活物質層12Xの全領域を覆うように広がっている。同様に、セパレータ30は、平面視において、負極20Yの負極活物質層22Yの全領域を覆うように広がっている。
次に、タブ6について説明する。タブ6は、蓄電素子1における端子として機能する。図3及び図4に示すように、電極体5の正極10X(第1電極10)に一方(第2方向d2の一側)のタブ6が電気的に接続している。同様に、電極体5の負極20Y(第2電極20)に他方(第2方向d2の他側)のタブ6が電気的に接続している。図1及び図4に示すように、一対のタブ6は、外装体7の内部である収容空間7aから、外装体7の外部へと延び出している。タブ6の外装体7の外部に延びている長さは、例えば10mm以上25mm以下である。なお、図4に示すように、タブ6は、後述する外装体7が有する第1外装材40と第2外装材50との間、より詳しくは第1外装材40の第1樹脂層42と第2外装材50の第2樹脂層52との間を通過する。また、外装体7とタブ6との間は、タブ6が延び出す領域において、封止されている。
タブ6は、導電性を有するタブ本体部6aと、タブ本体部6a上に設けられたシール部6bと、を有している。一方のタブ6のタブ本体部6aの第2方向d2における一側に位置する部分が、外装体7の外部に延び出ており、タブ本体部6aの第2方向d2における他側に位置する部分が、正極10X(第1電極10)に接続している。他方のタブ6のタブ本体部6aの第2方向d2における他側に位置する部分が、外装体7の外部に延び出ており、タブ本体部6aの第2方向d2における一側に位置する部分が、負極20Y(第2電極20)に接続している。シール部6bは、タブ本体部6aの第2方向d2における中央部において、タブ本体部6aを取り囲んでいる。シール部6bは、外装体7に溶着しており、タブ本体部6aと外装体7との間を封止している。シール部6bは、タブ本体部6aと外装体7との間の接触、特にタブ本体部6aと外装体7における第1外装材40の金属層41との接触を効果的に防止する。
タブ本体部6aは、アルミニウム、銅、ニッケル、ニッケルメッキ銅等を用いて形成され得る。タブ本体部6aの厚みは、例えば0.1mm以上1mm以下である。シール部6bの材料としては、ポリプロピレン、変性ポリプロピレン、低密度ポリプロピレン、アイオノマー、エチレン・酢酸ビニル等を挙げることができる。シール部6bの厚みは、例えば0.05mm以上0.4mm以下である。
次に、外装体7について、図2及び図5を参照しながら、説明する。図5は、図1のV−V線に沿った蓄電素子1の断面図から、図示の簡略化のために電極体5を除いた図となっている。すなわち、図5には、外装体7の断面図が示されている。
外装体7は、電極体5を封止するための包装体である。外装体7は、電極体5を収容するための収容空間7aを形成している。外装体7は、電極体5及び電解液をその内部の収容空間7aに密閉する。
収容空間7aは、電極体5を収容することができるよう、電極体5の寸法以上の寸法となっている。一方、蓄電素子1の体積エネルギー密度を高くするため、収容空間7aは、小さくなっていることが好ましい。ここで、体積エネルギー密度とは、蓄電素子が占める体積あたりの当該蓄電素子が供給可能な電力量のことを意味する。したがって、収容空間7aの寸法は、電極体5の寸法と同一となっていることが好ましい。言い換えると、外装体7は、収容している電極体5に接していることが好ましい。収容空間7aは、収容される電極体5の形状に合わせた形状となるよう形成されている。図示された例では、収容空間7aは、略直方体形状となっている。収容空間7aは、例えば、第1方向d1に沿った長さが5mm以上25mm以下であり、第2方向d2に沿った長さが200mm以上1000mm以下であり、第3方向d3に沿った長さが70mm以上400mm以下である。
また、外装体7は、第1外装材40と、第2外装材50と、を有している。第1外装材40と第2外装材50とは、接合領域A1において接合されている。第1外装材40と第2外装材50とは、例えば溶着されることによって接合される。第1外装材40と第2外装材50とが接合されることで、収容空間7aが形成される。このような第1外装材40及び第2外装材50の厚さは、例えば0.1mm以上0.3mm以下である。
図2及び図5に示されているように、第1外装材40は、第1周縁部45と、第1周縁部45によって取り囲まれた第1膨出部46と、を有している。第1膨出部46は、第2外装材50から離間する方向に第1周縁部45から膨出している。第1膨出部46によって、収容空間7aが形成されている。接合領域A1は、第1周縁部45の一部に重なる領域であって、第1膨出部46を周状に取り囲んでいる。このため、接合領域A1を接合することで、第1膨出部46によって形成される収容空間7aを密閉された空間とすることができる。また、第1膨出部46と接合領域A1との間の距離D1は、2.0mm以上となっている。
図5に示されているように、第1外装材40は、第1金属層41及び第1金属層41に積層された第1樹脂層42を含んでいる。同様に、第2外装材50は、第2金属層51及び第2金属層51に積層された第2樹脂層52を含んでいる。第1外装材40と第2外装材50とは、第1外装材40の第1樹脂層42と第2外装材50の第2樹脂層52とが向かい合うように配置されている。また、図示された例では、第1外装材40は、第1金属層41の表面、すなわち第1金属層41の第1樹脂層42が積層された面とは逆側の面に設けられた、絶縁性を有する第1絶縁層43をさらに含んでいる。さらに、図示された例では、第2外装材50は、第2金属層51の表面、すなわち第2金属層51の第2樹脂層52が積層された面とは逆側の面に設けられた、絶縁性を有する第2絶縁層53をさらに含んでいる。図4に示すように、第2方向d2において、第1外装材40の第1樹脂層42と第2外装材50の第2樹脂層52との間を、タブ6が通過している。
第1金属層41及び第2金属層51は、高ガスバリア性と成形加工性を有することが好ましく、例えばアルミニウム箔やステンレス箔等を用いることができる。第1樹脂層42及び第2樹脂層52は、収容空間7aに収容された電極体5と第1金属層41及び第2金属層51とが電気的に接続されることを防止する。第1樹脂層42及び第2樹脂層52としては、例えばポリプロピレン等を用いることができる。第1絶縁層43及び第2絶縁層53は、外部の導体と第1金属層41及び第2金属層51とが電気的に接続されることを防止する。第1絶縁層43及び第2絶縁層53は、例えば薄膜状のナイロン層である。
また、図示された例において、第1外装材40は、第2外装材50から離間する方向に突出して、平面視において第1周縁部45を線状に延びる第1突出部47をさらに有している。すなわち、第1突出部47は、第1方向d1に突出している。第1突出部47は、接合領域A1と第1膨出部46との間に位置している。図1及び図2によく示されているように、線状に延びる第1突出部47は、少なくともタブ6に対面する領域に直線状に設けられている。そして、第1突出部47は、曲部を含まない。図示された例では、第1突出部47は、2つのタブ6に対面する領域にそれぞれ設けられた、2つの直線部からなっている。第1突出部47がタブ6に対面する領域から延び出す長さL1,L2の合計は、60mm以下であることが好ましい。
図2及び図6乃至図8を参照しながら、第1突出部47についてさらに説明する。第1突出部47は、第1外装材40及び第2外装材50を接合する際に、加熱されやすいタブ6に対面する領域において、接合領域A1から離れた領域に熱が伝わることを抑制する。接合領域A1から離れた領域に熱が伝わることを効果的に抑制するため、第1突出部47は、接合領域A1に対して適切な距離をとって配置されていることが好ましい。具体的には、第1突出部47と接合領域A1との間の距離D2は、0.5mm以上1.0mm以下であることが好ましい。また、線状に延びる第1突出部47の幅W、すなわち第1突出部47の延びる方向に対して直交する方向の長さは、0.8mm以上であることが好ましい。さらに、第1突出部47の高さH、すなわち第1方向d1に沿った長さは、例えば0.5mm以上4.5mm以下となっている。
外装体7の断面における第1突出部47の形状は、図6に示すように、矩形になっている。断面が矩形の第1突出部47は、接合領域A1から離れた領域に熱が伝わることを効果的に抑制することができる。しかしながら、外装体7の断面における第1突出部47の形状は、図7に示されたように三角形になっていてもよい。断面が三角形の第1突出部47は、容易に形成することができる。あるいは、外装体7の断面における第1突出部47の形状は、図8に示すように楕円形の一部になっていてもよい。断面が楕円形の一部の第1突出部47は、接合領域A1から離れた領域に熱が伝わることを極めて効果的に抑制することができる。さらには、図6乃至図8に示された例に限らず、外装体7の断面における第1突出部47の形状は、任意の形状とすることができる。例えば外装体7の断面における第1突出部47の形状が円形の一部であると、第1突出部47を容易に成型することができ、かつ、接合領域A1から離れた領域に熱が伝わることを効果的に抑制することができる。
次に、本実施の形態の蓄電素子1の製造方法の一例について、説明する。
まず、複数の第1電極10及び第2電極20が交互に積層され、第1電極10及び第2電極20の間にセパレータ30が配置された電極体5を用意する。電極体5の第2方向d2における一側において、タブ6を第1電極10と電気的に接続し、第2方向d2における他側において、別のタブ6を第2電極20と電気的に接続する。
また、第1外装材40及び第2外装材50を作製する。作製される第1外装材40及び第2外装材50は、例えばアルミニウム箔からなる金属層41,51に例えばポリエチレン、ポリプロピレン、またはポリエチレンテレフタレートからなる樹脂層42,52をラミネートすることで作製される。第1外装材40及び第2外装材50は、平板状に形成される。
次に、第1外装材40に第1膨出部46及び第1突出部47を形成する。第1膨出部46及び第1突出部47は、例えば第1外装材40をエンボス加工することで形成される。第1突出部47は、少なくともタブ6に対面する領域となる部分に直線状に形成される。第1突出部47は、第2外装材50から離間するように、すなわち第1樹脂層42から離間する方向に突出するように形成される。第1膨出部46及び第1突出部47は、それぞれ別途に形成されてもよいが、第1外装材40の製造コストを削減するため、同時に形成されることが好ましい。
その後、電極体5を第1外装材40及び第2外装材50の間に配置し、第1外装材40及び第2外装材50を第1周縁部45の一部に重なる接合領域A1において接合する。第1外装材40及び第2外装材50は、第1樹脂層42及び第2樹脂層52の側が向かい合うように配置される。言い換えると、第1外装材40と第2外装材50とは、第1突出部47が第2外装材50から離間する方向に突出する向きに接合される。
第1外装材40と第2外装材50との接合は、例えば接合領域A1を加熱・加圧することで溶着により接合する。この加熱・加圧は、例えばヒートバー等によって接合させることを意図された接合領域A1を200℃以上に加熱しながら、1.5MPa以上の圧力が加えられた状態を、5秒以上維持することで行われる。第1外装材40と第2外装材50とが接合されることで、第1膨出部46によって形成された収容空間7aに、電極体5が収容される。特に、タブ6が配置された部分は、タブ6のシール部6bと第1外装材40の第1樹脂層42及び第2外装材50の第2樹脂層52とを溶着するために、十分な時間にわたって、十分な温度及び圧力で、加熱及び加圧される。
以上の工程により、図1に示すような蓄電素子1が製造される。
ところで、上述したように、従来の蓄電素子では、接合領域を加熱及び加圧する際に、意図された接合領域から離れた、接合されることが意図されない領域も加熱されて接合されてしまうことがある。このような接合されることが意図されない領域で外装材が接合される原因として、接合領域を加熱・加圧する際に、熱伝導や熱放射によって、接合領域から離れた領域も加熱されてしまうことが推察される。とりわけ、タブが配置された部分は十分に加熱されるため、タブが配置された部分の近傍は、意図されずに接合されやすい。接合領域から離れた領域は、接合領域に比べて弱くしか加熱されないため、接合領域よりも弱く接合されることになる。このため、接合領域から離れた領域の接合は、剥がれやすくなると考えられる。とりわけ、接合することが意図された接合領域から離れた、意図されずに接合した領域は、非常に弱くしか接合されず、予期せぬ外力等によって剥がれやすいことが確認された。接合が剥がれると、外装体の内部に封入された電解液が蓄電素子の外部に漏洩する等の不具合が生じ得る。
一方、本実施の形態では、第1外装材40は、接合領域A1と第1膨出部46との間となる位置に、第2外装材50から離間する方向に突出して線状に延びる第1突出部47を有している。この第1突出部47は、少なくともタブ6に対面する領域に直線状に設けられている。接合領域A1と第1膨出部46との間に第1突出部47が設けられているため、接合領域A1に加えられた熱が第1突出部47を超えて接合領域A1から離れた領域に伝わることが抑制される。とりわけ、線状の第1突出部47が加熱されやすいタブ6が配置された部分に対面して設けられているため、接合領域A1に加えられた熱が第1突出部47を超えて接合領域A1から離れた領域に伝わることが抑制される。このため、接合することが意図された接合領域A1から離れた領域には熱が伝わりにくくなる。熱が伝わらない領域では、第1外装材40及び第2外装材50は接合されない。このように、第1突出部47によって、接合のために接合領域A1が加熱される際に、意図された接合領域A1から離れた領域において第1外装材40及び第2外装材50を接合されにくくすることができる。
また、第1外装材40は、第1金属層41と、第1金属層41に積層され且つ第1金属層41よりも第2外装材50側に位置する第1樹脂層42と、を有している。第1外装材40が第1金属層41及び第1樹脂層42を有している場合、接合領域A1よりも弱く接合された接合領域A1から離れた領域が存在すると、外装体7の内部で発生したガス等によって力が加わることで第1外装材40及び第2外装材50の接合が剥がれる際に、第1外装材40の第1金属層41と第1樹脂層42とが剥離してしまうことがある。すなわち、第1金属層41が外装体7の内部に露出してしまうことがある。露出した第1金属層41が外装体7に封入された電解液に接触してしまうと、第1金属層41が腐食してしまい、その結果、外装体7の内部に封入された電解液が漏洩したり、外装体7が変形したりする不具合が生じ得る。このような不具合は、蓄電素子1の取り扱いにおける安全性に悪影響を及ぼし得る。本実施の形態のように、第1突出部47によって、接合領域A1が加熱される際に、意図された接合領域A1から離れた領域において第1外装材40及び第2外装材50を接合されにくくすることで、このような不具合が生じることを効果的に抑制することができる。このように、第1外装材40が第1金属層41及び第1樹脂層42を有している場合、意図された接合領域A1から離れた領域において第1外装材40及び第2外装材50を接合されにくくする効果を、特に有効に奏することができる。
さらに、第1樹脂層42は、熱可塑性を有する。熱可塑性を有する第1樹脂層42が加熱されることで、第1樹脂層42が溶融し、第1樹脂層42を介して第1外装材40と第2外装材50とが接合される。本実施の形態では、第1突出部47が設けられていることによって、接合領域A1に加えられた熱が第1突出部47を超えて接合領域A1から離れた領域に伝わることが抑制される。熱が伝わらない領域では、第1樹脂層42が加熱されないため、第1樹脂層42が溶融せず、したがって第1外装材40及び第2外装材50は接合されない。このように、第1樹脂層42が熱可塑性を有する場合、第1突出部47によって、接合領域A1が加熱される際に、意図された接合領域A1から離れた領域において第1外装材40及び第2外装材50を特に接合されにくくする効果を有効に奏することができる。
また、タブ6に対面する領域から離れた領域に第1突出部47を延ばし過ぎると、第1外装材40を変形させて第1突出部47を形成する際に、第1外装材40の変形箇所において皺や歪み等が発生することがある。このような皺や歪みは、蓄電素子1の外観を悪化させる。したがって、皺や歪み等が発生している第1外装材40は、使用することができない。このため、第1突出部47を延ばし過ぎると、第1外装材40の歩留まりが悪化する。歩留まりの悪化を抑制するため、第1突出部47がタブ6に対面する領域から延び出す長さは、短くなっていることが好ましい。具体的には、第1突出部47がタブ6に対面する領域から延び出す長さL1,L2の合計が60mm以下であることで、第1外装材40に皺や歪みの発生を効果的に抑制することができる。したがって第1外装材40の歩留まりの悪化を抑制することができる。
本件発明者らが実際に第1外装材40を作製して確認したところ、第1突出部47がタブ6に対面する領域から延び出す長さの合計が60mm以下であれば、第1外装材40に目立った皺が確認されなかった。一方、第1突出部47がタブ6に対面する領域から延び出す長さの合計が90mmとなると、作製された第1外装材のうち21%に目立った皺が確認された。また、第1突出部47がタブ6に対面する領域から延び出す長さの合計が120mmとなると、作製された第1外装材のうち29%に目立った皺が確認された。さらに、第1突出部47がタブ6に対面する領域から延び出す長さの合計が160mmとなると、作製された第1外装材のうち51%に目立った皺が確認された。このことから、第1外装材40に皺や歪みの発生を抑制するためには、第1突出部47がタブ6に対面する領域から延び出す長さL1,L2の合計は、120mm以下であることが好ましく、90mm以下であることがより好ましく、60mm以下であることがさらに好ましいことが理解される。
また、第1突出部47と接合領域A1とは十分に近くなっている。具体的には、第1突出部47と接合領域A1との間の距離は、1.0mm以下である。第1突出部47と接合領域A1との間は、接合領域A1に隣接しているため、意図されずに接合されやすい。このような意図されずに接合され得る第1突出部47と接合領域A1との間の領域が十分に狭くなっていることで、第1突出部47と接合領域との間において第1外装材40と第2外装材50とが意図されずに接合されてしまうことを、効果的に抑制することができる。
さらに、第1突出部47と接合領域A1とは、十分に離間している。具体的には、第1突出部47と接合領域A1との間の距離は、0.5mm以上である。接合領域A1に加えられた熱は、第1突出部47に伝わり、さらには第1突出部47に伝わる熱が過剰な場合、第1突出部47を超えて伝わり得る。第1突出部47と接合領域A1とが十分に離間していることで、第1突出部47には過剰な熱は伝わらず、したがって第1突出部47を超えて熱が伝わることを抑制することができる。すなわち、接合領域A1から離れた領域において第1外装材40及び第2外装材50を接合されにくくすることができる。
また、第1突出部47は、十分に大きな幅を有している。具体的には、第1突出部47の幅は、0.8mm以上である。このため、接合領域A1から第1突出部47に伝わった熱は、第1突出部47を越えては伝わりにくい。すなわち、接合領域A1から離れた領域において第1外装材40及び第2外装材50を接合されにくくすることができる。
さらに、第1膨出部46と接合領域A1とは、十分に離間している。具体的には、第1膨出部46と接合領域A1との間の距離は、2.0mm以上である。このため、接合領域A1に加えられた熱は、第1膨出部46によって形成された収容空間7a内には伝わりにくい。したがって、収容空間7aに収容された電極体5に熱が伝わって、セパレータ30が収縮する等の熱による電極体5の不具合を効果的に抑制することができる。
また、第1外装材40と第2外装材50との接合は、第1外装材40及び第2外装材50の接合領域A1を200℃以上に加熱しながら、1.5MPa以上に加圧した状態を、5秒以上維持することで行われる。このような条件下で第1外装材40と第2外装材50との接合が行われるため、第1外装材40と第2外装材50とを確実に接合することができる。また、第1突出部47が設けられているため、このような長時間にわたって高温・高圧下に接合領域A1をおいても、熱が接合領域A1から離れた領域に伝わりにくい。すなわち、第1突出部47が設けられていることで、接合領域A1から離れた領域において、第1外装材40及び第2外装材50は、接合されにくくすることができる。
以上のように、本実施の形態の蓄電素子1は、第1外装材40及び第2外装材50を有する外装体7と、第1外装材40及び第2外装材50の間に形成される収容空間7aに収容され、積層された複数の第1電極10及び複数の第2電極20を有する電極体5と、を備え、第1外装材40は、第1周縁部45と、第1周縁部45によって取り囲まれて第2外装材50から離間する方向に第1周縁部45から膨出した第1膨出部46と、を有し、第1外装材40は、第1周縁部45の一部の領域であって第1膨出部46を周状に取り囲む接合領域A1において第2外装材50と接合し、第1外装材40は、接合領域A1と第1膨出部46との間となる位置に、第2外装材50から離間する方向に突出して線状に延びる第1突出部47を有し、第1突出部47は、少なくともタブ6に対面する領域に直線状に設けられている。このような蓄電素子1によれば、熱が伝わりやすいタブ6に対面する領域において、接合領域A1に加えられた熱が第1突出部47を超えて接合領域A1から離れた領域に伝わることが抑制される。熱が伝わらない領域では、第1外装材40及び第2外装材50は接合されない。このようにして、接合領域A1から離れた領域において第1外装材40及び第2外装材50を接合されにくくすることができる。
なお、上述した実施の形態に対して様々な変更を加えることが可能である。
例えば、図5に示された例では、第2外装材50は、平板状になっている。しかしながら、図5に示された例に限らず、図9に示すように、第2外装材50は、第2周縁部55と、第2周縁部55によって取り囲まれた第2膨出部56と、を有していてもよい。この場合、第2膨出部56は、第1外装材40から離間する方向に第2周縁部55から膨出する。第2膨出部56は、第1膨出部46とともに、収容空間7aを形成する。また、第2周縁部55の一部の領域が、第1外装材40の第1周縁部45と接合する。言い換えると、接合領域A1は、第2周縁部55の一部に重なる領域である。また、接合領域A1は、第2膨出部56を取り囲んでいる。第2膨出部56と接合領域A1との間の距離は、2.0mm以上となっている。
第2外装材50が第2周縁部55と第2周縁部55によって取り囲まれた第2膨出部56とを有していることで、外装体7の収容空間7aを大きくすることができる。すなわち、収容空間7aに収容可能な電極体5を大型化することができる。このため、蓄電素子1が蓄電可能な電力量を向上させることができる。
さらに、図9に示された例では、第2外装材50は、第1外装材40から離間する方向に突出する第2突出部57を有している。第2突出部57は、平面視において第2周縁部55を線状に延びる。第2突出部57は、接合領域A1と第2膨出部56との間に位置している。第2突出部57は、少なくともタブ6に対面する領域に直線状に設けられている。第2突出部57がタブ6に対面する領域から延び出す長さの合計は、60mm以下である。第2突出部57は、平面視において第1突出部47と同一の位置に設けられている。
このような第2突出部57によれば、第1突出部47と同様に、接合領域A1に加えられた熱が第2突出部57を超えて接合領域A1から離れた領域に伝わることが抑制される。このため、第2突出部57によって、接合領域A1が加熱される際に、意図された接合領域A1から離れた領域おいて第1外装材40及び第2外装材50を接合されにくくすることができる。とりわけ、第1突出部47だけでなく第2突出部57が設けられていることで、第1外装材40及び第2外装材50の両方から、接合領域A1から離れた領域に熱が伝わることを抑制することができる。
また、上述した実施の形態における第1外装材40と同様に、第2外装材50に皺や歪みの発生を抑制するためには、第2突出部57がタブ6に対面する領域から延び出す長さL1,L2の合計は、120mm以下であることが好ましく、90mm以下であることがより好ましく、60mm以下であることがさらに好ましい。この場合、第2外装材50の歩留まりの悪化を抑制することができる。
図9に示された例では、第1外装材40が第1突出部47を有しており、第2外装材50が第2突出部57を有している。しかしながら、上述した実施の形態のように、第1外装材40のみが第1突出部47を有していてもよいし、あるいは、第2外装材50のみが第2突出部57を有していてもよい。すなわち、第1外装材40及び第2外装材50の少なくとも一方が、突出部47,57を有していてもよい。第1外装材40及び第2外装材50の少なくとも一方が、突出部47,57を有していることで、接合領域A1が加熱される際に、意図された接合領域A1から離れた領域において第1外装材40及び第2外装材50を接合されにくくすることができる。
なお、膨出部が設けられていない第1外装材40及び第2外装材50に突出部が設けられると、突出部によって第1方向d1における蓄電素子1が占める体積が増加してしまう。したがって、体積エネルギー密度の観点から、膨出部が設けられていない第1外装材40及び第2外装材50には、突出部が設けられていないことが好ましい。言い換えると、第2外装材50が第2突出部57を有する場合、第2外装材50は第2膨出部56を有していることが好ましい。
1 蓄電素子
5 電極体
6 タブ
7 外装体
7a 収容空間
10 第1電極
20 第2電極
30 セパレータ
40 第1外装材
41 第1金属層
42 第1樹脂層
43 第1絶縁層
45 第1周縁部
46 第1膨出部
47 第1突出部
50 第2外装材
51 第2金属層
52 第2樹脂層
53 第2絶縁層
55 第2周縁部
56 第2膨出部
57 第2突出部
A1 接合領域

Claims (17)

  1. 第1外装材及び第2外装材を有する外装体と、
    前記第1外装材及び前記第2外装材の間に形成される収容空間に収容され、積層された複数の第1電極及び複数の第2電極を有する電極体と、
    前記電極体と電気的に接続し且つ前記第1外装材及び前記第2外装材の間を通過して、前記外装体の外部まで延びるタブと、を備え、
    前記第1外装材は、周縁部と、前記周縁部によって取り囲まれて前記第2外装材から離間する方向に前記周縁部から膨出した膨出部と、を有し、
    前記第1外装材及び前記第2外装材は、前記周縁部の一部に重なる領域であって前記膨出部を周状に取り囲む接合領域において接合し、
    前記第1外装材及び前記第2外装材の少なくとも一方は、前記接合領域と前記膨出部との間となる位置に、前記第1外装材及び前記第2外装材の他方から離間する方向に突出して線状に延びる突出部を有し、
    前記突出部は、少なくとも前記タブに対面する領域に直線状に設けられている、蓄電素子。
  2. 前記第1外装材は、金属層と、前記金属層に積層され且つ前記金属層よりも前記第2外装材側に位置する樹脂層と、を有する、請求項1に記載の蓄電素子。
  3. 前記樹脂層は、熱可塑性を有する、請求項2に記載の蓄電素子。
  4. 前記突出部が前記タブに対面する領域から延び出す長さの合計は、60mm以下である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の蓄電素子。
  5. 前記突出部と前記接合領域との間の距離は、1.0mm以下である、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の蓄電素子。
  6. 前記突出部と前記接合領域との間の距離は、0.5mm以上である、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の蓄電素子。
  7. 前記突出部の幅は、0.8mm以上である、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の蓄電素子。
  8. 前記膨出部と前記接合領域との間の距離は、2.0mm以上である、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の蓄電素子。
  9. 前記電極体は、前記第1電極と前記第2電極との間に配置されたセパレータを有する、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の蓄電素子。
  10. 前記第2外装材は、第2周縁部と、前記第2周縁部によって取り囲まれて前記第1外装材から離間する方向に前記第2周縁部から膨出した第2膨出部と、を有し、
    前記接合領域は、前記第2周縁部の一部に重なる領域であって、前記第2膨出部を周状に取り囲む、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の蓄電素子。
  11. 前記突出部は、前記第2外装材から離間する方向に前記第1外装材から突出した第1突出部と、前記第1外装材から離間する方向に前記第2外装材から突出した第2突出部と、を含む、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の蓄電素子。
  12. 請求項1乃至11のいずれか一項に記載の蓄電素子の製造方法であって、
    前記第1外装材及び第2外装材の少なくとも一方に突出部を形成する工程と、
    前記第1外装材及び前記第2外装材の間に形成される収容空間に、複数の第1電極及び複数の第2電極を有する電極体を配置する工程と、
    前記第1外装材と前記第2外装材とを、前記突出部が前記第1外装材及び前記第2外装材の他方から離間する方向に突出する向きに接合する工程と、を備え、
    前記突出部は、少なくとも前記タブに対面する領域に直線状に形成されている、蓄電素子の製造方法。
  13. 前記突出部は、エンボス加工によって形成される、請求項12に記載の蓄電素子の製造方法。
  14. 前記膨出部は、エンボス加工によって形成され、
    前記突出部及び前記膨出部は、同時に形成される、請求項13に記載の蓄電素子の製造方法。
  15. 前記第1外装材と前記第2外装材とを接合する工程において、前記接合領域は、200℃以上で加熱される、請求項12乃至14のいずれか一項に記載の蓄電素子の製造方法。
  16. 前記第1外装材と前記第2外装材とを接合する工程において、前記接合領域は、1.5MPa以上の圧力を加えられる、請求項12乃至15のいずれか一項に記載の蓄電素子の製造方法。
  17. 前記第1外装材と前記第2外装材とを接合する工程において、前記接合領域は、5秒以上加熱及び/又は加圧される、請求項12乃至16のいずれか一項に記載の蓄電素子の製造方法。
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