JP2020144998A - 蓄電素子 - Google Patents

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賢太郎 鷹取
Kentaro Takatori
賢太郎 鷹取
博道 加茂
Hiromichi KAMO
博道 加茂
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Abstract

【課題】性能および信頼性に優れた蓄電素子を提供する。【解決手段】蓄電素子1は、第1電極10と、第1電極10と積層方向d1に交互に積層された第2電極20と、積層方向d1に隣り合う第1電極10および第2電極20の間に配置された絶縁シート30と、を有する電極体5と、電極体5の上面5aおよび下面5bの少なくとも一方を覆う保護部材40と、金属層71a、72aおよび金属層71a、72aに積層されたシーラント層71b、72bを含む外装材71、72を用いて形成され、電極体5、保護部材40および電解液を収容する外装体7と、を備えている。保護部材40の透気度は、絶縁シート30の透気度よりも小さくなっている。【選択図】図4

Description

本発明は、蓄電素子に関する。
蓄電素子として、例えば特許文献1で提案されているように、正極と負極とを交互に積層してなる積層型電池や巻回型電池が広く普及している。このような積層型電池の一例として、リチウムイオン二次電池が挙げられる。リチウムイオン二次電池は、他の形式の積層型電池と比較して大容量であることを特徴の一つとしている。このような特徴を有するリチウムイオン二次電池は、今般、車載用途や定置住宅用途等の種々の用途での更なる普及を期待されている。
ところで、リチウムイオン二次電池に代表される積層型電池では、正極と負極とが積層方向に交互に積層された電極体とともに、電解液が外装体内に収容されている。また、電極体および電解液を収容する外装体は、一般的に、金属層とシーラント層とを含む包装材から作製されている。
一方、例えば、電極体の正極と負極との間に異物が混入していた場合、電解液が収容された積層型電池内において、電極体外に異物が浮き出てくる場合がある。この場合、外装体と電極体とによって異物が挟まれることにより、外装体のシーラント層が剥がれて金属層が露出する可能性がある。そして、露出した金属層が、電極体の電極(正極および負極)と接触して短絡すると、析出等の深刻な不具合が生じるおそれがある。
特開2011−108624号公報
本発明はこのような点を考慮してなされたものであり、性能および信頼性に優れた蓄電素子を提供することを目的とする。
本発明の蓄電素子は、
第1電極と、前記第1電極と積層方向に交互に積層された第2電極と、前記積層方向に隣り合う前記第1電極および前記第2電極の間に配置された絶縁シートと、を有する電極体と、
前記電極体の上面および下面の少なくとも一方を覆う保護部材と、
金属層および前記金属層に積層されたシーラント層を含む外装材を用いて形成され、前記電極体、前記保護部材および電解液を収容する外装体と、を備え、
前記保護部材の透気度は、前記絶縁シートの透気度よりも小さい、蓄電素子である。
本発明の蓄電素子において、
前記保護部材は、前記電極体の上面および下面を覆っていてもよい。
本発明の蓄電素子において、
前記保護部材は、前記積層方向および前記積層方向に非平行な幅方向の両方向に沿った断面において、前記電極体の全周を覆っていてもよい。
本発明の蓄電素子において、
前記保護部材の前記電極体に対する相対移動を規制する規制部材を更に備えていてもよい。
本発明の蓄電素子において、
前記保護部材の厚みは、前記絶縁シートの厚みよりも厚くなっていてもよい。
本発明の蓄電素子において、
前記保護部材の引張強度は、前記絶縁シートの引張強度よりも小さくなっていてもよい。
本発明の蓄電素子において、
前記保護部材は、多孔質体であってもよい。
本発明の蓄電素子において、
前記保護部材は、不織布であってもよい。
本発明の蓄電素子において、
前記絶縁シートを複数備えていてもよい。
本発明の蓄電素子において、
前記絶縁シートは、前記積層方向に非平行な幅方向に交互に折り返されていてもよい。
本発明の蓄電素子において、
前記第1電極および前記第2電極を、それぞれ複数備えていてもよい。
本発明の蓄電素子において、
前記第1電極および前記第2電極を、それぞれ、10以上含んでいてもよい。
本発明の蓄電素子は、
第1電極と、前記第1電極と積層方向に交互に積層された第2電極と、前記積層方向に隣り合う前記第1電極および前記第2電極の間に配置された絶縁シートと、を有する電極体と、
前記電極体の上面および下面の少なくとも一方を覆う保護部材と、
金属層および前記金属層に積層されたシーラント層を含む外装材を用いて形成され、前記電極体、前記保護部材および電解液を収容する外装体と、を備え、
保護部材の空隙率は、絶縁シートの空隙率よりも大きい、蓄電素子である。
本発明によれば、蓄電素子の性能および信頼性を向上させることができる。
図1は、本発明の一実施の形態を説明するための図であって、蓄電素子を示す斜視図である。 図2は、図1の蓄電素子の内部を外装体や絶縁シート等を除去して示す斜視図である。 図3は、図1の蓄電素子の電極体および保護部材を示す平面図である。 図4は、図3のIV-IV線に沿った断面を示す断面図である。 図5は、図3のV-V線に沿った断面を示す断面図である。 図6は、図5に対応する図であって、蓄電素子の製造方法の一具体例を説明するための断面図である。 図7は、図5に対応する図であって、蓄電素子の製造方法の一具体例を説明するための断面図である。 図8は、図5に対応する図であって、蓄電素子の製造方法の一具体例を説明するための断面図である。 図9は、図5に対応する図であって、積層型電池の一変形例(第1の変形例)を示す断面図である。 図10は、図5に対応する図であって、積層型電池の一変形例(第2の変形例)を示す断面図である。 図11は、図5に対応する図であって、積層型電池の一変形例(第3の変形例)を示す断面図である。 図12は、図5に対応する図であって、積層型電池の一変形例(第4の変形例)を示す断面図である。 図13は、図5に対応する図であって、積層型電池の一変形例(第5の変形例)を示す断面図である。 図14は、図5に対応する図であって、積層型電池の一変形例(第6の変形例)を示す断面図である。 図15は、積層型電池の一変形例(第7の変形例)の電極板の積層構造を説明するための縦断面斜視図である。 図16は、図5に対応する図であって、積層型電池の一変形例(第7の変形例)を示す断面図である。
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
なお、本明細書において、「板」、「シート」、「フィルム」の用語は、呼称の違いのみに基づいて、互いから区別されるものではない。
また、本明細書において用いる、形状や幾何学的条件ならびにそれらの程度を特定する、例えば、「平行」、「直交」、「同一」等の用語や長さや角度の値等については、厳密な意味に縛られることなく、同様の機能を期待し得る程度の範囲を含めて解釈することとする。
図1乃至図8は、本発明による蓄電素子およびその製造方法の一実施の形態を説明するための図である。
以下に説明する一実施の形態において、蓄電素子1は、外装体7と、外装体7によって形成された収容空間7a内に収容された電極体5と、電極体5に接続されて外装体7の内部から外部へと延び出したタブ6と、を備えている。このうち電極体5は、第1電極10と、第1電極10と第1方向d1に交互に積層された第2電極20とを備えている。電極体5は、第1電極10および第2電極20を、それぞれ複数備えている。図1に示された例において、蓄電素子1は、全体的に厚さ方向である第1方向d1が薄い偏平形状を有しており、長手方向となる第2方向d2と短手方向(幅方向)となる第3方向d3とに広がっている。第1方向d1、第2方向d2および第3方向d3は、互いに非平行であり、図示された例では、第1方向d1、第2方向d2および第3方向d3は、互いに直交している。
以下において、蓄電素子1が積層型電池、具体的にはリチウムイオン二次電池である例について説明する。この例において、第1電極10は正極10Xを構成し、第2電極20は負極20Yを構成するものとする。ただし、以下に説明する作用効果の記載からも理解され得るように、ここで説明する一実施の形態は、リチウムイオン二次電池に限定されることなく、第1電極10および第2電極20を第1方向d1に交互に積層してなる蓄電素子1に広く適用され得る。また、蓄電素子1は積層型電池に限らず、例えば巻回型電池であってもよい。蓄電素子1が巻回型電池である場合でも、第1電極10および第2電極20が第1方向d1に積層される。
以下、蓄電素子1の各構成要素について説明する。
まず、電極体5について説明する。図2乃至図4に示すように、電極体5は、正極10X(第1電極10)と、負極20Y(第2電極20)と、第1方向d1に隣り合う正極10Xおよび負極20Yの間に配置された絶縁シート30(図3および図4参照)と、を備えている。図2に示すように、正極10Xおよび負極20Yは、第1方向d1に沿って交互に積層されている。電極体5は、正極10Xおよび負極20Yを、それぞれ10以上含んでいる。電極体5の厚さ、すなわち第1方向d1に沿った長さは、例えば4mm以上20mm以下である。
図2および図3に示す非限定的な例において、正極10Xおよび負極20Yは、略長方形形状の外輪郭を有している板状の電極である。第1方向d1に非平行な第2方向d2が、正極10Xおよび負極20Yの長手方向であり、第1方向d1および第2方向d2の両方向に非平行な第3方向d3が、正極10Xおよび負極20Yの短手方向(幅方向)である。正極10Xおよび負極20Yは、第2方向d2にずらして配置されている。より具体的には、複数の正極10Xは、第2方向d2における一側に寄って配置され、複数の負極20Yは、第2方向d2における他側に寄って配置されている。正極10Xおよび負極20Yは、第2方向d2における中央において、第1方向d1に重なり合っている。
図2および図3に示すように、負極20Y(第2電極20)の第3方向d3に沿った長さは、正極10X(第1電極10)の第3方向d3に沿った長さよりも長くなっている。図示された例では、負極20Yは、正極10Xより、第3方向d3の一側および他側に延び出ている。正極10Xおよび負極20Yの厚さ、すなわち第1方向d1の長さは、例えば80μm以上200μm以下であり、長手方向、すなわち第2方向d2に沿った長さは、例えば200mm以上950mm以下であり、短手方向、すなわち第3方向d3に沿った長さ(幅)は、例えば70mm以上350mm以下である。
図4に示すように、正極10X(第1電極10)は、正極集電体11X(第1電極集電体11)と、正極集電体11X上に設けられた正極活物質層12X(第1電極活物質層12)と、を有している。リチウムイオン二次電池において、正極10Xは、放電時にリチウムイオンを放出し、充電時にリチウムイオンを吸蔵する。
正極集電体11Xは、互いに対向する第1面11aおよび第2面11bを主面として有している。正極活物質層12Xは、正極集電体11Xの第1面11aおよび第2面11bの少なくとも一方の面に積層されている。具体的には、正極集電体11Xの第1面11aまたは第2面11bが、電極体5のうちの第1方向d1における最外面を形成する場合、正極集電体11Xの当該面には正極活物質層12Xが設けられない。この正極集電体11Xの配置に関連した構成を除き、電極体5の複数の正極10Xは、正極集電体11Xの両側に設けられた一対の正極活物質層12Xを有し、互いに同一に構成され得る。
正極集電体11Xおよび正極活物質層12Xは、蓄電素子1(リチウムイオン二次電池)に適用され得る種々の材料を用いて種々の製法により、作製され得る。一例として、正極集電体11Xは、アルミニウム箔によって形成され得る。正極活物質層12Xは、例えば、正極活物質、導電助剤、バインダーとなる結着剤を含んでいる。正極活物質層12Xは、正極活物質、導電助剤および結着剤を溶媒に分散させてなる正極用スラリーを、正極集電体11Xをなす材料上に塗工して固化させることで、作製され得る。正極活物質として、例えば、一般式LiM(ただし、Mは金属であり、xおよびyは金属Mと酸素Oの組成比である)で表される金属酸リチウム化合物が用いられる。金属酸リチウム化合物の具体例として、コバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム、マンガン酸リチウム等が例示され得る。導電助剤としては、アセチレンブラック等が用いられ得る。結着剤としては、ポリフッ化ビニリデン等が用いられ得る。
図2乃至図4に示すように、正極集電体11X(第1電極集電体11)は、第1端部領域a1(接続領域)および第1電極領域b1(有効領域)を有している。図4に示すように、正極活物質層12X(第1電極活物質層12)は、正極集電体11Xの第1電極領域b1のみに積層されている。第1端部領域a1および第1電極領域b1は、第2方向d2に沿って互いに隣接するように配列されている。第1端部領域a1は、第1電極領域b1よりも第2方向d2における一側に位置している。複数の正極集電体11Xは、第1端部領域a1において、抵抗溶接や超音波溶接、テープによる貼着、融着等によって一つのタブ6に接合されている。図示された例では、複数の正極10Xの第1端部領域a1が、タブ6上に重ねられて、互いに電気的に接続している。一方、第1電極領域b1は、負極20Yの後述する負極活物質層22Yに対面する領域内に広がっている。このような第1電極領域b1の配置により、正極活物質層12Xからのリチウムの析出を防止することができる。
次に、負極20Y(第2電極20)について説明する。負極20Y(第2電極20)は、負極集電体21Y(第2電極集電体21)と、負極集電体21Y上に設けられた負極活物質層22Y(第2電極活物質層22)と、を有している。リチウムイオン二次電池において、負極20Yは、放電時にリチウムイオンを吸蔵し、充電時にリチウムイオンを放出する。
負極集電体21Yは、互いに対向する第1面21aおよび第2面21bを主面として有している。負極活物質層22Yは、負極集電体21Yの第1面21aおよび第2面21bの少なくとも一方の面に積層されている。電極体5の複数の負極20Yは、負極集電体21Yの両側に設けられた一対の負極活物質層22Yを有し、互いに同一に構成され得る。
負極集電体21Yおよび負極活物質層22Yは、蓄電素子1(リチウムイオン二次電池)に適用され得る種々の材料を用いて種々の製法により、作製され得る。一例として、負極集電体21Yは、例えば銅箔によって形成される。負極活物質層22Yは、例えば、炭素材料からなる負極活物質、および、バインダーとして機能する結着剤を含んでいる。負極活物質層22Yは、例えば、炭素粉末や黒鉛粉末等からなる負極活物質とポリフッ化ビニリデンのような結着剤とを溶媒に分散させてなる負極用スラリーを、負極集電体21Yをなす材料上に塗工して固化することで、作製され得る。
図2乃至図4に示すように、負極集電体21Y(第2電極集電体21)は、第2端部領域a2(接続領域)および第2電極領域b2(有効領域)を有している。図4に示すように、負極活物質層22Y(第2電極活物質層22)は、負極集電体21Yの第2電極領域b2のみに積層されている。第2端部領域a2および第2電極領域b2は、第2方向d2に沿って互いに隣接するように配列されている。第2端部領域a2は、第2電極領域b2よりも第2方向d2における他側に位置している。複数の負極集電体21Yは、第2端部領域a2において、抵抗溶接や超音波溶接、テープによる貼着、融着等によって一つのタブ6に接合されている。図示された例では、複数の負極20Yの第2端部領域a2が、正極集電体11Xが接合されたタブ6とは別のタブ6上に重ねられて、互いに電気的に接続している。一方、第2電極領域b2は、正極10Xの正極活物質層12Xに対面する領域に広がっている。
次に、絶縁シート30について説明する。図4および図5に示すように、絶縁シート30は、正極10X(第1電極10)および負極20Y(第2電極20)の間に位置し、正極10Xおよび負極20Yが接触しないように、正極10Xおよび負極20Yを互いに離間させている。本実施の形態では、蓄電素子1は、絶縁シート30を複数備えている。絶縁シート30は、絶縁性を有しており、正極10Xおよび負極20Yの接触による短絡を防止する。また、絶縁シート30は、電極体5の上面5aおよび下面5bを画定している。
また、絶縁シート30は、大きなイオン透過度(透気度)、所定の機械的強度、および、電解液、正極活物質、負極活物質等に対する耐久性を有していることが好ましい。このような絶縁シート30として、例えば、絶縁性の材料によって形成された多孔質体や不織布等を用いることができる。より具体的には、絶縁シート30として、融点が80〜140℃程度の熱可塑性樹脂からなる多孔フィルムを用いることができる。熱可塑性樹脂として、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン系ポリマーを採用することができる。外装体7の収容空間7aには、電極体5とともに電解液が封入される。電解液が、多孔質体や不織布からなる絶縁シート30に含浸することで、電極10,20の電極活物質層12,22に電解液が接触した状態に維持される。
また、絶縁シート30は、活物質層22Y,12X上に塗工した電解液を活物質層22Y,12X上で固化又はゲル化させて形成されてもよい。電解液として、例えば、高分子マトリックス及び非水電解質液(すなわち、非水溶媒及び電解質塩)からなり、ゲル化されて表面に粘着性を生じるもの、或いは、高分子マトリックス及び非水溶媒からなり、固体電解質となるものを用いることができる。この場合、絶縁シート30を作製するための具体的な材料は、特に制限はなく、これらを構成するために用いられている種々の材料(例えば、特開2012−190567号公報に開示された材料)を用いることができる。
絶縁シート30は、例えば第1方向d1に隣り合う任意の二つの電極10,20の間に位置している。また、絶縁シート30は、平面視において、正極10Xの正極活物質層12Xの全領域を覆うように広がっている(図3参照)。同様に、絶縁シート30は、平面視において、負極20Yの負極活物質層22Yの全領域を覆うように広がっている。さらに、図3および図5に示すように、絶縁シート30は、第3方向d3に沿った幅が、正極10Xおよび負極20Yの第3方向d3に沿った幅よりも広くなっている。この絶縁シート30の厚みは、例えば8μm以上30μm以下程度とすることができる。なお、図面を明瞭にするために、図5において、正極集電体11X、正極活物質層12X、負極集電体21Yおよび負極活物質層22Yの記載を省略している。
また、図3乃至図5に示すように、本実施の形態による蓄電素子1は、電極体5の上面5aおよび下面5bを覆う保護部材40を備えている。これにより、後述するように、外装体7内において、外装体7内に封入された電極体5等から異物F(例えば、30μm程度の粒径を有する金属片や活物質層から剥離された物質等、図8参照)が浮き出てきた場合であっても、異物Fは、外装体7と保護部材40とによって挟まれる。このため、異物Fが外装体7と電極体5の上面5aまたは下面5bとによって挟まれることを抑制することができる。このような保護部材40は、平面視において、絶縁シート30の全領域を覆うように広がっている(図3参照)。なお、保護部材40は、電極体5の上面5aおよび下面5bを部分的に覆っていてもよい。
図5に示すように、本実施の形態では、保護部材40は、第1方向d1(積層方向)および第3方向d3(幅方向)の両方向に沿った断面において、電極体5の全周を覆っている。これにより、外装体7内において、外装体7内に封入された電極体5等から異物Fが浮き出てきた場合であっても、異物Fが外装体7と電極体5とによって挟まれることをより効果的に抑制することができる。また、この場合、保護部材40は、対向する端部同士を重ね合わせた状態で、後述する規制部材41によって、電極体5に対する相対移動が規制されている。
また、保護部材40の透気度は、絶縁シート30の透気度よりも小さくなっている。これにより、外装体7と保護部材40とによって挟まれた異物Fが外装体7によって保護部材40に向けて押圧された場合に、異物Fが保護部材40に埋め込まれ得る。すなわち、保護部材40の透気度が絶縁シート30の透気度よりも小さくなっていることにより、保護部材40が絶縁シート30よりも柔軟になり得るため、外装体7によって異物Fが保護部材40に向けて押圧された場合に、外装体7のシーラント層71b、72bに傷が付きにくくなる。このため、外装体7のシーラント層71b、72bが異物Fによって剥がされてしまうことを抑制でき、金属層71a、72aが露出することを抑制することができる。この場合、保護部材40の透気度は、200秒/100ml以下であることが好ましい。ここで、保護部材40の透気度は、JIS P 8117:2009に準拠して、温度23℃、相対湿度65%の環境下において測定することができる。なお、本明細書中、「透気度」とは、JIS P 8117:2009に記載の「透気抵抗度」を意味する。
また、保護部材40の厚みは、絶縁シート30の厚みよりも厚くなっていてもよい。これにより、外装体7と保護部材40とによって挟まれた異物Fが外装体7によって保護部材40に向けて押圧された場合に、保護部材40に埋め込まれた異物Fが電極体5の上面5aまたは下面5b(すなわち、絶縁シート30)に接触してしまうことを抑制し得る。このように、保護部材40の厚みを厚くすることにより、保護部材40に埋め込まれた異物Fが電極体5の上面5aまたは下面5bに接触してしまうことを抑制し得るため、異物Fが外装体7と電極体5とによって挟まれることを抑制することができる。このため、外装体7のシーラント層71b、72bが異物Fによって剥がされてしまうことを抑制することができ、金属層71a、72aが露出することを抑制することができる。この場合、保護部材40の厚みとしては、例えば10μm以上200μm以下であることが好ましい。保護部材40の厚みが10μm以上であることにより、保護部材40に埋め込まれた異物Fが電極体5の上面5aまたは下面5bに接触してしまうことを抑制し、異物Fが外装体7と電極体5とによって挟まれることを抑制することができる。また、保護部材40の厚みが200μm以下であることにより、蓄電素子1の体積エネルギー密度が低下することを抑制することができる。なお、体積エネルギー密度とは、蓄電素子1が占める体積あたりの当該蓄電素子1が供給可能な電力量のことを意味する。
保護部材40の引張強度は、絶縁シート30の引張強度よりも小さくなっていてもよい。これにより、外装体7と保護部材40とによって挟まれた異物Fが外装体7によって保護部材40に向けて押圧された場合に、異物Fが保護部材40に埋め込まれ得る。すなわち、保護部材40の引張強度が絶縁シート30の引張強度よりも小さくなっていることにより、保護部材40が絶縁シート30よりも柔軟になり得るため、外装体7によって異物Fが保護部材40に向けて押圧された場合に、外装体7のシーラント層71b、72bに傷が付きにくくなる。このため、外装体7のシーラント層71b、72bが異物Fによって剥がされてしまうことを抑制でき、金属層71a、72aが露出することを抑制することができる。この場合、保護部材40の引張強度は、100MPa以上2000MPa以下であることが好ましい。なお、保護部材40の引張強度は、JIS K 7127やJIS L 1913:2010に準拠して測定することができる。
また、上述した保護部材40は、多孔質体や不織布であってもよい。保護部材40が多孔質体や不織布であることにより、電極体5外に浮き出てきた異物Fを、保護部材40内に留めておくこともできる。これにより、異物Fが外装体7のシーラント層71b、72bに接触することを抑制することができ、外装体7のシーラント層71b、72bが異物Fによって剥がされてしまうことを抑制することができる。このため、金属層71a、72aが露出することを抑制することができる。また、異物Fを保護部材40内に留めておくこともできるため、厚さ方向(第1方向d1)において、異物Fによって蓄電素子1に凹凸が形成されることを抑制することができる。このため、蓄電素子1の意匠性が低下することを抑制することができる。この場合、保護部材40の材料としては、融点が120℃以上の材料を用いることが好ましい。保護部材40は、熱可塑性樹脂からなる多孔フィルムであってもよい。熱可塑性樹脂として、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン系ポリマーを採用することができる。なお、保護部材40は、紙であってもよい。
また、保護部材40の空隙率は、絶縁シート30の空隙率よりも大きくなっていることが好ましい。保護部材40の空隙率が絶縁シート30の空隙率よりも大きくなっていることにより、保護部材40が絶縁シート30よりも柔軟になり得るため、外装体7によって異物Fが保護部材40に向けて押圧された場合に、外装体7のシーラント層71b、72bに傷が付きにくくなる。この場合、保護部材40の空隙率は、60%以上98%以下であることが好ましい。保護部材40の空隙率が60%以上であることにより、保護部材40が柔軟になり得るとともに、電極体5外に浮き出てきた異物Fを、保護部材40内により確実に留めておくことができる。また、保護部材40の空隙率が98%以下であることにより、外装体7と保護部材40とによって挟まれた異物Fが外装体7によって保護部材40に向けて押圧された場合に、保護部材40に埋め込まれた異物Fが電極体5の上面5aまたは下面5b(すなわち、絶縁シート30)に接触してしまうことを抑制し得る。このように、保護部材40の空隙率を98%以下にすることにより、保護部材40に埋め込まれた異物Fが電極体5の上面5aまたは下面5bに接触してしまうことを抑制し得るため、異物Fが外装体7と電極体5とによって挟まれることを抑制することができる。なお、保護部材40の空隙率を測定する際には、まず、保護部材40を切断することにより縦10cm×横10cmの平面正方形状(面積100cm)の試験片を準備する。次に、試験片の重量W(g)及び厚みT(cm)を測定し、以下の式(1)により見掛け密度ρ1(g/cm)を算出する。
見掛け密度ρ1=W/(100×T)・・・式(1)
そして、この見掛け密度ρ1(g/cm)と、保護部材40を構成する例えば樹脂材料の密度ρ2(g/cm)とを用いて、以下の式(2)により、保護部材40の空隙率P(%)を算出することができる。
空隙率P=100×[(ρ2−ρ1)/ρ2]・・・式(2)
また、蓄電素子1は、保護部材40の電極体5に対する相対移動を規制する規制部材41を更に備えている。本実施の形態では、規制部材41は、電極体5の上方であって、第1方向d1において、電極体5と重なる位置に設けられている。このように、規制部材41を電極体5の上方であって、第1方向d1において、電極体5と重なる位置に設ける場合、規制部材41を保護部材40に容易に取り付けることができる。この規制部材41は、例えばポリイミドからなるカプトンテープであってもよい。また、規制部材41は、接着剤であってもよい。この場合、保護部材40と電極体5との間に接着剤を介在させることにより、保護部材40を電極体5に対して接着してもよい。
次に、タブ6について説明する。タブ6は、蓄電素子1における端子として機能する。図2乃至図4に示すように、電極体5の正極10Xに一方のタブ6(第2方向d2の一側に位置するタブ6)が電気的に接続されている。同様に、電極体5の負極20Yに他方のタブ6(第2方向d2の他側に位置するタブ6)が電気的に接続されている。図4に示すように、一対のタブ6は、外装体7の内部である収容空間7aから、外装体7の外部へと延び出している。タブ6の外装体7の外部に延びている長さは、例えば10mm以上25mm以下である。なお、外装体7とタブ6との間は、タブ6が延び出す領域において、図示しないシール部材を介して封止されている。
タブ6は、アルミニウム、銅、ニッケル、ニッケルメッキ銅等を用いて形成され得る。タブ6の厚みは、例えば0.1mm以上1mm以下である。
次に、外装体7について説明する。外装体7は、電極体5、保護部材40および電解液を収容して封止するための包装材である。図4および図5に示すように、外装体7は、第1外装材71と第2外装材72とを有している。各外装材71,72は、それぞれ金属層71a,72aと、金属層71a,72aに積層されたシーラント層71b,72bと、を有している。金属層71a,72aは、高いガスバリア性と成形加工性を有することが好ましい。
金属層71a,72aをなす材料としては、外部からの水分の侵入を防ぎつつ蓄電素子1の強度を向上させるものであれば特に限定されないが、水分遮断性と重量ならびにコストの面から公知の金属、金属酸化物、金属窒化物及びこれらの合金を用いることができ、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス等が好ましく、アルミニウムを特に好ましく用いることができる。蓄電素子1全体の強度が確保できるのであれば、金属箔の代わりに蒸着やスパッタリングなどにより金属層を設けても良い。
シーラント層71b,72bは、絶縁性を有しており、外装体7内に収容する電極体5と金属層71a,72aとの短絡を防止する。また、シーラント層71b,72bは、絶縁性に加えて、熱可塑性(接着性)を有している。第1外装材71および第2外装材72は、シーラント層71b,72bが互いに対面するようにして積層され、その周縁を互いに溶着されている。さらに、第1外装材71および第2外装材72の間に、電極体5の収容空間7aが形成される。
外装体7は、電極体5、保護部材40および電解液をその内部に密閉する。シーラント層71b,72bは、電解液にも接触することから、耐薬品性を有していることが好ましい。このようなシーラント層71b,72bの材料として、ポリオレフィン系樹脂、具体的には、ポリプロピレン、変性ポリプロピレン、低密度ポリプロピレン、アイオノマー、エチレン・酢酸ビニルを用いることができる。
図示された例において、第1外装材71は、板状の部材として形成されている。一方、第2外装材72は、カップ状に形成されている。第2外装材72は、カップ状の膨出部73と、膨出部73に接続した鍔部74と、を有している。鍔部74は、膨出部73を周状に取り囲み、膨出部73の周縁と接続している。鍔部74は、第1外装材71と第2外装材72との間の収容空間7aを密閉するように、第1外装材71と接着している。膨出部73は、例えば絞り加工によって製造される。
ただし、以上の例に限られず、外装体7は、一枚の外装材を折り返すことによって、形成されるようにしてもよい。この例において、外装体7は、折り返し部以外の縁部において、互いに対向する外装材を接着してなる接着領域を有することになる。
次に、本実施の形態の蓄電素子1の製造方法の一例について、説明する。
まず、正極10X、負極20Yおよび絶縁シート30を作製する。正極10X、負極20Yおよび絶縁シート30は、上述した材料および製造方法により作製することができる。次に、図6に示すように、作製された正極10Xと、負極20Yと、絶縁シート30とを、絶縁シート30が、第1方向d1に隣り合う正極10Xおよび負極20Yの間に配置されるように積層する。この場合、複数の絶縁シート30の各々が第1方向d1に隣り合う正極10Xおよび負極20Yの間に配置されるように積層される。このようにして、電極体5が得られる。
また、保護部材40および規制部材41を準備する。保護部材40は、例えば多孔質体や不織布であってもよい。規制部材41は、テープであってもよい。次に、図7に示すように、保護部材40が電極体5の上面5aおよび下面5bを覆うように、保護部材40を電極体5に巻き付けて、保護部材40に規制部材41を取り付ける。この場合、保護部材40は、対向する端部同士を重ね合わせた状態で、規制部材41により、電極体5に対する相対移動が規制される。
次いで、複数の正極10Xの正極集電体11Xを互いに電気的に接続するとともに、さらにタブ6とも電気的に接続する。同様に、複数の負極20Yの負極集電体21Yを互いに電気的に接続するとともに、さらにタブ6とも電気的に接続する。
また、外装体7を構成する第1外装材71および第2外装材72を準備する。第2外装材72には、例えば絞り加工によって、膨出部73を形成する。次に、第2外装材72の膨出部73内に電極体5、保護部材40および電解液を収容し、さらに第2外装材72上に第1外装材71を積層する。このとき、第2外装材72のシーラント層72bと第1外装材71のシーラント層71bとを対面させる。また、各タブ6が第1外装材71と第2外装材72との間から延び出すようにする。
その後、第1外装材71と第2外装材72の鍔部74とを接合する。第1外装材71と第2外装材72との接合は、例えば第1外装材71および第2外装材72を加熱・加圧することで溶着により接合する。この加熱・加圧は、例えば第1外装材71および第2外装材72を120℃以上200℃以下に加熱しながら、0.2MPa以上0.8MPa以下に加圧した状態を、1秒以上8秒以下維持することで行われる。
以上の工程により、図8に示すように、蓄電素子1が製造される。
ところで、外装体7内に電極体5、保護部材40および電解液を密閉した場合、例えば電極体5等に付着していた異物Fが、電極体5等とともに外装体7内に密封される場合がある。この場合、図8に示すように、外装体7内に密封された異物Fは、電解液内を移動し、電極体5外に浮き出てくる可能性がある。そして、電極体5外に浮き出てきた異物Fは、電極体5の上面5aと外装体7との間や、電極体5の下面5bと外装体7との間に入り込むおそれがある。このように、電極体5の上面5aと外装体7との間や、電極体5の下面5bと外装体7との間に異物Fが入り込んだ場合、外装体7と電極体5(絶縁シート30)とによって異物Fが挟まれることにより、外装体7のシーラント層71b、72bが異物Fによって剥がされて、外装体7の金属層71a、72aが露出する可能性がある。そして、露出した金属層71a、72aが、電極体5の正極10Xおよび負極20Yと接触して短絡すると、析出等の深刻な不具合が生じるおそれがある。これに対して、本実施の形態では、蓄電素子1が、電極体5の上面5aおよび下面5bを覆う保護部材40を備えている。これにより、電極体5の上面5aと外装体7との間や、電極体5の下面5bと外装体7との間に異物Fが入り込んだ場合であっても、異物Fは、外装体7と電極体5(絶縁シート30)とによって挟まれることなく、外装体7と保護部材40とによって挟まれる。また、本実施の形態では、保護部材40の透気度が絶縁シート30の透気度よりも小さくなっている。これにより、外装体7と保護部材40とによって挟まれた異物Fが外装体7によって保護部材40に向けて押圧された場合に、保護部材40に埋め込まれ得る。すなわち、保護部材40の透気度が絶縁シート30の透気度よりも小さくなっていることにより、保護部材40が絶縁シート30よりも柔軟になり得るため、外装体7によって異物Fが保護部材40に向けて押圧された場合に、外装体7のシーラント層71b、72bに傷が付きにくくなる。このため、外装体7のシーラント層71b、72bが剥がされて、金属層71a、72aが露出することを抑制することができる。
以上のように、本実施の形態の蓄電素子1は、正極10Xと、正極10Xと第1方向d1に交互に積層された負極20Yと、第1方向d1に隣り合う正極10Xおよび負極20Yの間に配置された複数の絶縁シート30と、を有する電極体5と、電極体5の上面5aおよび下面5bの少なくとも一方を覆う保護部材40と、電極体5および保護部材40を収容する外装体7と、を備えている。これにより、電極体5の上面5aと外装体7との間や、電極体5の下面5bと外装体7との間に異物Fが入り込んだ場合であっても、異物Fは、外装体7と電極体5とによって挟まれることなく、外装体7と保護部材40とによって挟まれる。また、保護部材40の透気度が絶縁シート30の透気度よりも小さくなっている。これにより、外装体7と保護部材40とによって挟まれた異物Fは、外装体7のシーラント層71b、72bを傷つけることなく、保護部材40に埋め込まれ得る。このため、外装体7のシーラント層71b、72bが異物Fによって剥がされてしまうことを抑制することができ、金属層71a、72aが露出することを抑制することができる。この結果、露出した金属層71a、72aが、電極体5の正極10Xまたは負極20Yと接触することを抑制することができ、金属層71a、72aと、電極体5の正極10Xまたは負極20Yとが短絡することを抑制することができる。
また、本実施の形態によれば、保護部材40が、第1方向d1(積層方向)および第3方向d3(幅方向)の両方向に沿った断面において、電極体5の全周を覆っている。これにより、外装体7内において、外装体7内に封入された電極体5等から異物Fが浮き出てきた場合であっても、異物Fが外装体7と電極体5とによって挟まれることをより効果的に抑制することができる。
また、本実施の形態によれば、蓄電素子1は、保護部材40の電極体5に対する相対移動を規制する規制部材41を更に備えている。これにより、保護部材40が電極体5に対して移動してしまうことを抑制することができる。このため、異物Fが外装体7と電極体5とによって挟まれることを更に効果的に抑制することができる。
また、本実施の形態によれば、保護部材40の厚みは、絶縁シート30の厚みよりも厚くなっている。これにより、外装体7と保護部材40とによって挟まれた異物Fが外装体7によって保護部材40に向けて押圧された場合に、保護部材40に埋め込まれた異物Fが電極体5の上面5aまたは下面5b(すなわち、絶縁シート30)に接触してしまうことを抑制し得る。このように、保護部材40の厚みを厚くすることにより、保護部材40に埋め込まれた異物Fが電極体5の上面5aまたは下面5bに接触してしまうことを抑制し得るため、異物Fが外装体7と電極体5とによって挟まれることを抑制することができる。このため、外装体7のシーラント層71b、72bが異物Fによって剥がされてしまうことを抑制することができ、金属層71a、72aが露出することを抑制することができる。
また、本実施の形態によれば、保護部材40の引張強度は、絶縁シート30の引張強度よりも小さくなっている。これにより、外装体7と保護部材40とによって挟まれた異物Fが外装体7によって保護部材40に向けて押圧された場合に、異物Fが保護部材40に埋め込まれ得る。このため、外装体7のシーラント層71b、72bが異物Fによって剥がされてしまうことを抑制でき、金属層71a、72aが露出することを抑制することができる。
さらに、本実施の形態によれば、保護部材40は、多孔質体または不織布である。これにより、電極体5外に浮き出てきた異物Fを、保護部材40内に留めておくこともできる。このため、異物Fが外装体7のシーラント層71b、72bに接触することを抑制することができ、外装体7のシーラント層71b、72bが異物Fによって剥がされてしまうことを抑制することができる。この結果、金属層71a、72aが露出することを抑制することができる。また、異物Fを保護部材40内に留めておくこともできるため、厚さ方向(第1方向d1)において、異物Fによって蓄電素子1に凹凸が形成されることを抑制することができる。このため、蓄電素子1の意匠性が低下することを抑制することができる。
以上において、具体例を参照しながら一実施の形態を説明してきたが、上述した具体例が一実施の形態を限定することを意図していない。上述した一実施の形態は、その他の様々な具体例で実施されることが可能であり、その要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。
以下、図面を参照しながら、変形の一例について説明する。以下の説明および以下の説明で用いる図面では、上述した具体例と同様に構成され得る部分について、上述の具体例における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いるとともに、重複する説明を省略する。
(第1の変形例)
上記において、保護部材40が、第1方向d1および第3方向d3の両方向に沿った断面において、電極体5の全周を覆っている場合を例にとって説明したが、これに限られるものではない。例えば、図9に示すように、保護部材40が電極体5の上面5aおよび下面5bのみを覆っていてもよい。この場合、蓄電素子1は、2つの保護部材40を備え、各々の保護部材40が、それぞれ電極体5の上面5aまたは下面5bを覆っていてもよい。この場合においても、電極体5の上面5aまたは下面5bと外装体7との間に入り込んだ異物Fは、外装体7と電極体5とによって挟まれることなく、外装体7と保護部材40とによって挟まれる。また、保護部材40の透気度が絶縁シート30の透気度よりも小さくなっていることにより、外装体7と保護部材40とによって挟まれた異物Fは、外装体7のシーラント層71b、72bを傷つけることなく、保護部材40に埋め込まれ得る。このため、外装体7のシーラント層71b、72bが異物Fによって剥がされてしまうことを抑制することができ、金属層71a、72aが露出することを抑制することができる。
(第2の変形例)
また、図10に示すように、蓄電素子1が1つの保護部材40のみを備えていてもよい。蓄電素子1が1つの保護部材40のみを備えている場合、保護部材40を電極体5に取り付ける際の取り付け工程を容易に行うことができる。
(第3の変形例)
また、図11に示すように、保護部材40が電極体5の上面5aのみを覆っていてもよい。この場合においても、電極体5の上面5aと外装体7との間に入り込んだ異物Fは、外装体7と電極体5とによって挟まれることなく、外装体7と保護部材40とによって挟まれる。また、保護部材40の透気度が絶縁シート30の透気度よりも小さくなっていることにより、外装体7と保護部材40とによって挟まれた異物Fは、外装体7のシーラント層72bを傷つけることなく、保護部材40に埋め込まれ得る。このため、外装体7のシーラント層72bが異物Fによって剥がされてしまうことを抑制することができ、金属層72aが露出することを抑制することができる。
(第4の変形例)
また、図12に示すように、保護部材40が電極体5の下面5bのみを覆っていてもよい。この場合においても、電極体5の下面5bと外装体7との間に入り込んだ異物Fは、外装体7と電極体5とによって挟まれることなく、外装体7と保護部材40とによって挟まれる。また、保護部材40の透気度が絶縁シート30の透気度よりも小さくなっていることにより、外装体7と保護部材40とによって挟まれた異物Fは、外装体7のシーラント層71bを傷つけることなく、保護部材40に埋め込まれ得る。このため、外装体7のシーラント層71bが異物Fによって剥がされてしまうことを抑制することができ、金属層71aが露出することを抑制することができる。
(第5の変形例)
上記において、保護部材40が、対向する端部同士を重ね合わせた状態で、規制部材41によって、電極体5に対する相対移動が規制されている場合を例にとって説明したが、これに限られるものではない。例えば、図13に示すように、保護部材40が、対向する端面42同士が互いに対面していてもよい。この場合、厚さ方向(第1方向d1)において、異物Fによって蓄電素子1に凹凸が形成されることを抑制することができる。このため、蓄電素子1の意匠性が低下することを抑制することができる。
(第6の変形例)
上記において、規制部材41が、電極体5の上方であって、第1方向d1において、電極体5と重なる位置に設けられている場合を例にとって説明したが、これに限られるものではない。例えば、図14に示すように、規制部材41が、第3方向d3において電極体5の外側に設けられていてもよい。この場合、厚さ方向(第1方向d1)において、異物Fによって蓄電素子1に凹凸が形成されることを更に効果的に抑制することができる。このため、蓄電素子1の意匠性が低下することを更に効果的に抑制することができる。
(第7の変形例)
また、例えば、図15および図16に示すように、蓄電素子1において、絶縁シート30は、第3方向d3に交互に折り返されていてもよい。図15に示されているように、絶縁シート30は、第3方向d3(幅方向)に交互に逆向きに折り返されている。すなわち、絶縁シート30は、つづら折り形状となっている。この場合、絶縁シート30の互いに対向する一対の主面のうちの一方の面が、正極10Xに対面するようになり、一対の主面のうちの他方の面が、負極20Yに対面するようになる。
図示された例では、1枚の絶縁シート30がつづら折り形状となって正極10Xと負極20Yとの間に配置されている。ただし、この例に限らず、蓄電素子1は、つづら折り形状となっている複数枚の絶縁シート30を有していてもよい。
図15および図16に示す蓄電素子1を製造する際には、まず、正極10X、負極20Yおよび絶縁シート30を積層する際に、絶縁シート30を、第3方向d3に交互に折り返す。このようにして、絶縁シート30が、第1方向d1に隣り合う正極10Xおよび負極20Yの間に配置されるように積層される。
次に、図7を用いて説明したように、保護部材40が電極体5の上面5aおよび下面5bを覆うように、保護部材40を電極体5に巻き付けて、保護部材40に規制部材41を取り付ける。
次に、複数の正極10Xの正極集電体11Xを互いに電気的に接続するとともに、さらにタブ6とも電気的に接続する。同様に、複数の負極20Yの負極集電体21Yを互いに電気的に接続するとともに、さらにタブ6とも電気的に接続する。
その後、第1外装材71と第2外装材72の鍔部74とを接合する。
以上の工程により、図16に示すような蓄電素子1が製造される。
本変形例においても、電極体5の上面5aまたは下面5bと外装体7との間に入り込んだ異物Fは、外装体7と電極体5とによって挟まれることなく、外装体7と保護部材40とによって挟まれる。また、保護部材40の透気度が絶縁シート30の透気度よりも小さくなっていることにより、外装体7と保護部材40とによって挟まれた異物Fは、外装体7のシーラント層71b、72bを傷つけることなく、保護部材40に埋め込まれ得る。このため、外装体7のシーラント層71b、72bが異物Fによって剥がされてしまうことを抑制することができ、金属層71a、72aが露出することを抑制することができる。
本発明の態様は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、当業者が想到しうる種々の変形も含むものであり、本発明の効果も上述した内容に限定されない。すなわち、特許請求の範囲に規定された内容およびその均等物から導き出される本発明の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲で種々の追加、変更および部分的削除が可能である。
なお、以上において上述した実施の形態に対するいくつかの変形例を説明してきたが、当然に、複数の変形例を適宜組み合わせて適用することも可能である。
1 蓄電素子
5 電極体
5a 上面
5b 下面
7 外装体
10 第1電極
10X 正極
20 第2電極
20Y 負極
30 絶縁シート
40 保護部材
41 規制部材
71 第1外装材
71a 金属層
71b シーラント層
72 第2外装材
72a 金属層
72b シーラント層

Claims (12)

  1. 第1電極と、前記第1電極と積層方向に交互に積層された第2電極と、前記積層方向に隣り合う前記第1電極および前記第2電極の間に配置された絶縁シートと、を有する電極体と、
    前記電極体の上面および下面の少なくとも一方を覆う保護部材と、
    金属層および前記金属層に積層されたシーラント層を含む外装材を用いて形成され、前記電極体、前記保護部材および電解液を収容する外装体と、を備え、
    前記保護部材の透気度は、前記絶縁シートの透気度よりも小さい、蓄電素子。
  2. 前記保護部材は、前記電極体の上面および下面を覆っている、請求項1に記載の蓄電素子。
  3. 前記保護部材は、前記積層方向および前記積層方向に非平行な幅方向の両方向に沿った断面において、前記電極体の全周を覆っている、請求項1に記載の蓄電素子。
  4. 前記保護部材の前記電極体に対する相対移動を規制する規制部材を更に備える、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の蓄電素子。
  5. 前記保護部材の厚みは、前記絶縁シートの厚みよりも厚い、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の蓄電素子。
  6. 前記保護部材の引張強度は、前記絶縁シートの引張強度よりも小さい、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の蓄電素子。
  7. 前記保護部材は、多孔質体である、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の蓄電素子。
  8. 前記保護部材は、不織布である、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の蓄電素子。
  9. 前記絶縁シートを複数備える、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の蓄電素子。
  10. 前記絶縁シートは、前記積層方向に非平行な幅方向に交互に折り返されている、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の蓄電素子。
  11. 前記第1電極および前記第2電極を、それぞれ複数備える、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の蓄電素子。
  12. 前記第1電極および前記第2電極を、それぞれ、10以上含む、請求項1乃至11のいずれか一項に記載の蓄電素子。
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