JP2019160659A - 電気化学素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】電極体がラミネートフィルム外装体によって覆われた電気化学素子において、正極接続端子または負極接続端子の短絡発生を防止しつつ、前記ラミネートフィルム外装体のシール性の低下を防止可能な構成を得る。【解決手段】ラミネート形電池1は、電極体10と、負極接続端子42と、外周側に溶着部1bを有するラミネートフィルム外装体20と、溶着部1bと負極接続端子42との間に位置する負極側シール部材46と、少なくとも負極側シール部材46よりも負極12側を覆う負極側絶縁部材56とを備える。負極側絶縁部材56は、負極側シール部材46の融点よりも低い融点を有する。ラミネートフィルム外装体20、負極側絶縁部材56及び負極側シール部材46は、溶着部1bで溶着されている。【選択図】図3

Description

本発明は、電極体がラミネートフィルム外装体で覆われた電気化学素子に関する。
正極及び負極を含む電極体がラミネートフィルム外装体によって覆われるとともに、前記ラミネートフィルム外装体の外周側が溶着された電気化学素子が知られている。
上述のように電極体がラミネートフィルム外装体によって覆われた電気化学素子として、例えば特許文献1に開示される電池が知られている。この特許文献1に開示されている電池は、正極と負極とを積層し巻回した電極巻回体をフィルム状の外装部材の内部に備えている。
前記特許文献1には、正極に取り付けられた正極リードの取り付け部分が絶縁被覆材で覆われるとともに、前記正極リードにおいて前記正極から突出した領域で且つ前記外装部材と接触する部分が樹脂被覆材で覆われている構成が開示されている。また、前記特許文献1には、負極に取り付けられた負極リードの取り付け部分が絶縁被覆材で覆われるとともに、前記負極リードにおいて前記負極から突出した領域で且つ前記外装部材と接触する部分が樹脂被覆材で覆われている構成が開示されている。特許文献2及び3にも、同様の構成が開示されている。
特開2006−4777号公報 特開2003−168417号公報 特開2006−73243号公報
上述の特許文献1に開示されている電池のように、正極リードにおいて正極から突出した領域で且つ外装部材と接触する部分に樹脂被覆材を設けるとともに、負極リードにおいて負極から突出した領域で且つ外装部材と接触する部分に樹脂被覆材を設けることで、前記外装部材の外周側の溶着部分において前記正極リード及び前記負極リードと前記外装部材との密着性を向上できる。
また、上述の特許文献1に開示されている電池のように、正極に取り付けられた正極リードの取り付け部分を絶縁被覆材で覆うとともに、負極に取り付けられた負極リードの取り付け部分を絶縁被覆材で覆うことにより、前記正極リード及び前記負極リードの短絡発生を防止できる。
ところで、正極リード(正極接続端子)または負極リード(負極接続端子)が絶縁被覆材(絶縁部材)によって覆われる構成の場合、前記正極接続端子または前記負極接続端子の電気的な絶縁性を確保するために、絶縁部材によって前記正極接続端子または前記負極接続端子をより確実に覆う必要がある。そのため、前記正極接続端子または前記負極接続端子がラミネートフィルム外装体によって挟み込まれる部分では、前記絶縁部材も前記ラミネートフィルム外装体によって挟み込まれる可能性がある。すなわち、電気的な絶縁性を確保するために、前記正極接続端子または前記負極接続端子を前記絶縁部材によって覆う必要があるが、前記絶縁部材もラミネートフィルム外装体によって挟み込まれる可能性がある。
一般的に、前記絶縁部材は、前記ラミネートフィルム外装体との溶着性があまり良くない。そのため、前記ラミネートフィルム外装体の溶着部分のうち、前記絶縁部材が挟み込まれた部分のシール性が低下する可能性がある。
本発明の目的は、電極体がラミネートフィルム外装体によって覆われた電気化学素子において、正極接続端子及び負極接続端子の短絡発生を防止しつつ、前記ラミネートフィルム外装体のシール性の低下を防止可能な構成を得ることにある。
本発明の一実施形態に係る電気化学素子は、正極、負極及びセパレータを含む電極体と、前記正極に接合され、前記電極体から外方に延出する正極接続端子と、前記負極に接合され、前記電極体から外方に延出する負極接続端子と、厚み方向の一方側に樹脂層を有し、該樹脂層が内面になるように前記正極接続端子及び前記負極接続端子を挟み込みつつ前記電極体を覆った状態で、前記樹脂層が溶着される溶着部を外周側に有するシート状のラミネートフィルム外装体と、前記溶着部と前記正極接続端子との間に位置する正極側シール部材と、前記溶着部と前記負極接続端子との間に位置する負極側シール部材と、電気絶縁性を有し、前記正極接続端子における前記正極側シール部材よりも前記正極側、及び、前記負極接続端子における前記負極側シール部材よりも前記負極側の少なくとも一方を覆う絶縁部材と、を備える。前記絶縁部材は、前記正極側シール部材及び前記負極側シール部材のうち、前記溶着部と前記正極接続端子及び前記負極接続端子のうち前記絶縁部材によって覆われる接続端子との間に位置するシール部材の融点よりも低い融点を有する。前記ラミネートフィルム外装体、前記正極側シール部材及び前記負極側シール部材は、前記溶着部で溶着されている(第1の構成)。
上述のように、正極接続端子における正極側シール部材よりも正極側、及び、負極接続端子における負極側シール部材よりも負極側の少なくとも一方を絶縁部材によって覆うことにより、前記正極接続端子または前記負極接続端子の短絡発生を防止できる。
そして、上述の構成により、ラミネートフィルム外装体の溶着部において、前記ラミネートフィルム外装体と、前記絶縁部材によって覆われる接続端子のシール部材との間に前記絶縁部材が挟み込まれた場合でも、前記ラミネートフィルム外装体と前記シール部材とを溶着することができる。すなわち、前記絶縁部材の融点が、前記シール部材の融点よりも低いため、前記溶着部の溶着時に、前記ラミネートフィルム外装体と前記シール部材との間に挟み込まれた前記絶縁部材は、前記シール部材の融点よりも低い温度で溶融する。これにより、前記溶着部の溶着時に、前記絶縁部材が大きな熱抵抗となって前記シール部材の溶融を阻害することを防止できる。よって、前記ラミネートフィルム外装体の樹脂層、前記絶縁部材及び前記シール部材を溶着することができる。これにより、前記ラミネートフィルム外装体のシール性が低下することを防止できる。
したがって、上述の構成により、前記正極接続端子または前記負極接続端子の短絡発生を防止しつつ、前記ラミネートフィルム外装体のシール性の低下を防止できる。
前記第1の構成において、前記絶縁部材は、前記ラミネートフィルム外装体の樹脂層の融点よりも低い融点を有する(第2の構成)。
この構成により、溶着部の溶着時に、ラミネートフィルム外装体とシール部材との間に絶縁部材が挟み込まれた場合でも、前記絶縁部材は、前記ラミネートフィルム外装体の樹脂層の融点よりも低い温度で溶融する。これにより、前記ラミネートフィルム外装体の樹脂層、前記絶縁部材及び前記シール部材をより確実に溶着することができる。したがって、前記正極接続端子または前記負極接続端子の短絡発生を防止しつつ、前記ラミネートフィルム外装体のシール性の低下をより確実に防止できる。
前記第1または第2の構成において、前記絶縁部材は、前記シール部材の厚みよりも小さい厚みを有する(第3の構成)。
この構成により、溶着部の溶着時に、ラミネートフィルム外装体とシール部材との間に絶縁部材が挟み込まれた場合でも、前記絶縁部材の厚みがシール部材の厚みよりも薄いため、前記絶縁部材の熱抵抗は小さい。これにより、前記ラミネートフィルム外装体の樹脂層、前記絶縁部材及び前記シール部材をより確実に溶着することができる。したがって、前記正極接続端子または前記負極接続端子の短絡発生を防止しつつ、前記ラミネートフィルム外装体のシール性の低下をより確実に防止できる。
前記第1から第3の構成のうちいずれか一つの構成において、前記絶縁部材の一部は、前記ラミネートフィルム外装体の前記溶着部と前記シール部材との間に位置し、前記ラミネートフィルム外装体、前記シール部材及び前記絶縁部材は、前記溶着部で溶着されている(第4の構成)。
この構成により、接続端子を絶縁部材によってより確実に覆うことができるとともに、シール部材及び前記絶縁部材をコンパクトに配置できる。また、前記絶縁部材の一部は、前記ラミネートフィルム外装体と前記シール部材との間に位置していても、前記ラミネートフィルム外装体の溶着部における溶着を阻害しない。よって、前記正極接続端子または前記負極接続端子の損傷及び短絡発生を防止しつつ、前記ラミネートフィルム外装体のシール性の低下を防止可能な構成を、コンパクトな構成によって実現できる。
前記第1から第4の構成のうちいずれか一つの構成において、前記絶縁部材は、前記接続端子の延伸方向に直交する幅方向において、前記接続端子よりも大きく且つ前記シール部材よりも小さい幅寸法を有する(第5の構成)。
この構成により、前記接続端子を前記絶縁部材によってより確実に覆うことができるとともに、前記絶縁部材が前記シール部材からはみ出すことを防止できる。
前記第1から第5の構成のうちいずれか一つの構成において、前記絶縁部材は、前記正極続端子における前記正極側シール部材よりも前記正極側、及び、前記負極接続端子における前記負極側シール部材よりも前記負極側をそれぞれ覆う(第6の構成)。
この構成により、正極接続端子または負極接続端子の短絡発生を防止しつつ、ラミネートフィルム外装体の樹脂層、絶縁部材及びシール部材を溶着することができる。したがって、前記正極接続端子及び前記負極接続端子の短絡発生を防止しつつ、前記ラミネートフィルム外装体のシール性の低下をより確実に防止できる。
ところで、一般的に、負極接続端子は材料強度が高いが、前記負極接続端子が接合される負極集電体は強度が低い。そのため、電池が落下した際に、前記負極接続端子と前記負極集電体との接合部分で前記負極集電体が損傷を受ける可能性がある。これに対し、上述のように前記負極接続端子における前記負極側シール部材よりも前記負極側を、絶縁部材によって覆うことにより、前記負極接続端子の短絡を防止しつつ、電池が落下した際の前記負極集電体の損傷発生を防止できる。
一方、正極接続端子は、負極接続端子よりも材料強度が低いため、前記負極接続端子よりも切断されやすい。そのため、前記正極接続端子を絶縁部材によって覆うことにより、前記正極接続端子の短絡発生を防止しつつ、電池が落下した際の前記正極接続端子の損傷発生を防止できる。
したがって、上述の構成により、前記正極接続端子及び前記負極接続端子の短絡発生を防止しつつ、電池が落下した際の前記正極接続端子及び前記負極集電体の損傷発生を防止できる。よって、電池内部の短絡発生をより確実に防止できる。
前記第1から第6の構成のうちいずれか一つの構成において、前記正極、前記負極及び前記セパレータは、それぞれ、帯状であり、前記電極体は、前記正極、前記負極及び前記セパレータが厚み方向に重ねられた状態で巻回された巻回電極体である(第7の構成)。
この構成により、電極体が巻回電極体で構成された電気化学素子の場合、正極接続端子は正極集電体に溶接等によって接合されるとともに、負極接続端子は負極に溶接等によって接合される。そのため、前記正極接続端子または前記負極接続端子の短絡発生を防止するために、前記正極接続端子または前記負極接続端子を絶縁部材によってより確実に覆うことが好ましい。このような構成においても、上述の各構成を適用することにより、前記正極接続端子または前記負極接続端子の短絡発生を防止しつつ、前記ラミネートフィルム外装体のシール性の低下を防止できる。
本発明の一実施形態に係る電気化学素子によれば、正極接続端子における正極側シール部材よりも正極側、及び、負極接続端子における負極側シール部材よりも負極側の少なくとも一方を覆う絶縁部材は、ラミネートフィルム外装体の溶着部と前記絶縁部材によって覆われる接続端子との間に位置するシール部材の融点よりも低い融点を有する。これにより、前記負極接続端子または前記正極接続端子の短絡発生を防止しつつ、前記ラミネートフィルム外装体のシール性の低下を防止できる。
図1は、実施形態に係るラミネート形電池の概略構成を示す斜視図である。 図2は、図1のII−II線断面図である。 図3は、図1のIII−III線断面図である。 図4は、図2におけるラミネートフィルム外装体の溶着部を拡大して示す部分拡大断面図である。 図5は、図3におけるラミネートフィルム外装体の溶着部を拡大して示す部分拡大断面図である。 図6は、電極体の概略構成を示す斜視図である。 図7は、正極、負極及びセパレータを厚み方向に重ねた状態を模式的に示す図である。
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態を詳しく説明する。図中の同一または相当部分については同一の符号を付してその説明は繰り返さない。
(全体構成)
図1は、本発明の実施形態に係るラミネート形電池1(電気化学素子)の概略構成を示す斜視図である。図2は、図1のII−II線断面図であり、図3は、図1のIII−III線断面図である。図4は、図2におけるラミネートフィルム外装体の溶着部を拡大して示す部分拡大断面図である。図5は、図3におけるラミネートフィルム外装体の溶着部を拡大して示す部分拡大断面図である。
ラミネート形電池1は、発電体として機能する電極体10がラミネートフィルム外装体20によって覆われた平面視で長方形状の二次電池である。なお、図2及び図3では、電極体10の一部の図示を省略している。
図1に示すように、ラミネート形電池1は、電極体10と、該電極体10を覆うラミネートフィルム外装体20とを備える。また、ラミネート形電池1は、電極体10の正極11及び負極12にそれぞれ電気的に接続される正極接続端子41及び負極接続端子42(接続端子)を備える。なお、ラミネート形電池1の内部には、非水電解液も封入されている。
図1、図4及び図5に示すように、ラミネートフィルム外装体20は、アルミニウム製の金属箔の一面側が外面側樹脂層20bで覆われ、且つ、他面側が内面側樹脂層20a(樹脂層)で覆われたシート状の材料からなる。すなわち、ラミネートフィルム外装体20は、アルミニウムを外面側樹脂層20b及び内面側樹脂層20aでラミネートした材料からなる。外面側樹脂層20bとしては、例えば、ナイロン等の樹脂材料が挙げられる。内面側樹脂層20aとしては、例えば、ポリプロピレン(PP)(ランダムプロピレン、ホモプロピレン、ブロックプロピレン、等)、ポリエチレン(PE)(線状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、等)等の樹脂材料が挙げられる。内面側樹脂層20aとしては、ランダムプロピレンが好ましい。内面側樹脂層20aは、例えば融点が150度以下の熱可塑性樹脂によって構成される。
ラミネートフィルム外装体20は、ラミネートフィルム外装体20の内面側樹脂層20a同士を重ね合わせた状態で、加熱しながら圧力を加えることによって、溶着される。すなわち、ラミネートフィルム外装体20の内面側樹脂層20aは、加熱によって溶融するため、上述のようにラミネートフィルム外装体20の内面側樹脂層20a同士を重ね合わせた状態で加熱した後、冷却することによって、ラミネートフィルム外装体20同士を溶着することができる。
ラミネートフィルム外装体20は、略長方形状に形成されている。一対のラミネートフィルム外装体20によって電極体10を挟んだ状態で、該ラミネートフィルム外装体20の外周側同士を溶着することにより、図1から図3に示すような膨出部1a及び溶着部1bが形成される。すなわち、ラミネートフィルム外装体20が電極体10を覆うことにより膨出部1aが形成され、膨出部1aの周囲でラミネートフィルム外装体20同士を溶着することにより膨出部1aを囲むように溶着部1bが形成される。
後述するように、本実施形態では、電極体10は、円筒状の巻回電極体を扁平状につぶすことによって形成される。すなわち、電極体10は、側面視で長方形状である。そのため、図1に示すように、膨出部1aは、ラミネートフィルム外装体20の平面視(以下、単に平面視ともいう)で、長方形状である。溶着部1bは、平面視で、ラミネート形電池1が長方形状になるように、膨出部1aの周りに形成されている。
また、一対のラミネートフィルム外装体20は、図2及び図3に示すように、ラミネート形電池1が、電極体10の厚み方向の一方側に平面部1cを有するとともに、電極体10の厚み方向の他方側に上述の膨出部1aを有するように、電極体10を挟んだ状態でラミネートフィルム外装体20の外周側同士が溶着されている。すなわち、一対のラミネートフィルム外装体20のうち、一方のラミネートフィルム外装体20が電極体10の外形に沿うように配置される。
溶着部1bのうち、ラミネート形電池1の長手方向の端部側に位置する部分では、後述する正極接続端子41及び負極接続端子42が、一対のラミネートフィルム外装体20に挟み込まれた状態で、ラミネートフィルム外装体20同士が溶着されることにより固定されている。
なお、本実施形態では、一対のラミネートフィルム外装体20の外周側同士が溶着されているが、この限りではなく、1枚のラミネートフィルム外装体が、電極体10を挟み込むように折り返されて溶着されてもよい。ラミネートフィルム外装体を折り返す方向については、電極体10に対する正極接続端子41及び負極接続端子42の延伸方向であってもよいし、幅方向であってもよい。
(電極体)
図6に、電極体10の概略構成を示す。電極体10は、扁平状の巻回電極体である。電極体10は、それぞれ帯状に形成された正極11及び負極12を、両者の間及び正極11の下側に帯状のセパレータ13がそれぞれ位置するように重ね合わせた状態で巻回した後、押しつぶされることによって、扁平状に形成される。
電極体10を形成する様子を、図7に模式的に示す。図7に示すように、正極11、負極12及びセパレータ13は、上から、負極12、セパレータ13、正極11及びセパレータ13の順番で厚み方向に積層されている。この状態で、図7における白抜き矢印の方向に正極11、負極12およびセパレータ13を図示しない巻芯によって巻回することにより、略円筒状の筒状電極体が得られる。
なお、図7では、正極11、負極12及びセパレータ13を重ね合わせた状態を図示するために、正極11、負極12及びセパレータ13の位置を実際の配置から移動させて斜視で示している。また、図7では、正極11、負極12及びセパレータ13を区別するために、断面ではないが、正極11の正極活物質層11b及び負極12の負極活物質層12bにハッチングを付している。
上述のように筒状電極体を得た後、該筒状電極体を径方向に押しつぶすことにより、図6に示すような扁平状の電極体10が得られる。すなわち、電極体10は、正極11、負極12及びセパレータ13が、正極11と負極12との間にセパレータ13が位置するように重ねられた状態で、巻回された巻回電極体である。扁平状の電極体10は、ラミネートフィルム外装体20によって形成された空間内に収容される。
図7に示すように、正極11は、アルミニウム等の金属箔製の正極集電体11aと、正極活物質を含有し、正極集電体11aの両面にそれぞれ設けられた正極活物質層11bとを有する。詳しくは、正極11は、リチウムイオンを吸蔵・放出可能なリチウム含有酸化物である正極活物質、導電助剤及びバインダなどを含む正極合剤を、アルミニウム箔などからなる正極集電体11a上に塗布して乾燥させることによって形成される。正極活物質であるリチウム含有酸化物としては、例えば、LiCoO2などのリチウムコバルト酸化物やLiMn24などのリチウムマンガン酸化物、LiNiO2などのリチウムニッケル酸化物等のリチウム複合酸化物を用いるのが好ましい。なお、正極活物質として、1種類の物質のみを用いてもよいし、2種類以上の物質を用いてもよい。また、正極活物質は、上述の物質に限られない。
図7に示すように、正極11は、正極集電体11aの長手方向両端部に、両面に正極活物質層11bが設けられていない正極集電体露出部11c,11dを有する。すなわち、正極集電体露出部11cは、正極11の長手方向の一方側に位置し、正極集電体露出部11dは、正極11の長手方向の他方側に位置する。本実施形態の電極体10において、正極集電体露出部11cは、電極体10の巻き始め側(電極体10の内側)に位置し、正極集電体露出部11dは、電極体10の巻き終わり側(電極体10の最外周側)に位置する。
負極12は、銅等の金属箔製の負極集電体12aと、負極活物質を含有し、負極集電体12aの両面にそれぞれ設けられた負極活物質層12bとを有する。詳しくは、負極12は、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な負極活物質、導電助剤及びバインダなどを含む負極合剤を、銅箔などからなる負極集電体12a上に塗布して乾燥させることによって形成される。負極活物質としては、例えば、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な炭素材料(黒鉛類、熱分解炭素類、コークス類、ガラス状炭素類など)を用いるのが好ましい。負極活物質は、上述の物質に限られない。
図7に示すように、負極12も、正極11と同様、負極集電体12aの長手方向両端部に、両面に負極活物質層12bが設けられていない負極集電体露出部12c,12dを有する。すなわち、負極集電体露出部12cは、負極12の長手方向の一方側に位置し、負極集電体露出部12dは、負極12の長手方向の他方側に位置する。本実施形態の電極体10において、負極集電体露出部12cは、電極体10の巻き始め側(電極体10の内側)に位置し、負極集電体露出部12dは、電極体10の巻き終わり側(電極体10の最外周側)に位置する。
正極11において電極体10の巻き始め側に位置する正極集電体露出部11cには、正極接続端子41が溶接等によって接合されている。負極12において電極体10の巻き始め側に位置する負極集電体露出部12cには、負極接続端子42が溶接等によって接合されている。すなわち、正極接続端子41及び負極接続端子42は、電極体10の巻き始め側に接合されている。正極接続端子41及び負極接続端子42は、電極体10の外方に延出しているとともに、ラミネートフィルム外装体20の外方にも延出している。
(正極接続端子及び負極接続端子)
次に、正極接続端子41及び負極接続端子42の構成を、図1から図7を用いて、詳しく説明する。
正極接続端子41は、平面視で長方形状に形成されたアルミニウムの金属箔によって構成されている。正極接続端子41は、長手方向の一方側が正極11の正極集電体露出部11cに溶接によって接合されていて、長手方向の他方側がラミネートフィルム外装体20の外方に位置している(図1及び図2参照)。すなわち、正極接続端子41は、ラミネートフィルム外装体20によって挟み込まれていて、ラミネートフィルム外装体20の内方から外方に向かって延びている。
負極接続端子42は、平面視で長方形状に形成された銅やニッケル等の金属箔によって構成されている。負極接続端子42は、長手方向の一方側が負極12の負極集電体露出部12cに溶接によって接合されていて、長手方向の他方側がラミネートフィルム外装体20の外方に位置している(図1及び図3参照)。すなわち、負極接続端子42は、ラミネートフィルム外装体20によって挟み込まれていて、ラミネートフィルム外装体20の内方から外方に向かって延びている。
ラミネート形電池1に上述のような構成を有する正極接続端子41及び負極接続端子42を用いることにより、他の接続部品を介して外部に接続端子を引き出す構成に比べて、インピーダンスを小さくすることができる。
図1、図2及び図4に示すように、正極接続端子41の表面上には、ラミネートフィルム外装体20によって挟み込まれる部分に、正極側シール部材45(シール部材)が形成されている。すなわち、ラミネートフィルム外装体20と正極接続端子41との間に正極側シール部材45が位置する。
正極側シール部材45は、例えば、ポリプロピレン(PP)(低融点酸変性ポリプロピレン樹脂)などの樹脂材料からなる平面視で長方形状のシートによって構成されている。このシートを、正極接続端子41をそれぞれ挟み込むように配置した状態で、正極接続端子41の表面上に被着させることにより、正極側シール部材45が形成される。なお、正極側シール部材45は、例えば融点が145度以下の熱可塑性樹脂によって構成される。
図4に示すように、正極側シール部材45は、ラミネートフィルム外装体20に挟み込まれて溶着される正極側被溶着部45aと、正極接続端子41の延伸方向の両端部に位置し、ラミネートフィルム外装体20に挟み込まれない正極側非溶着部45bとを有する。すなわち、ラミネートフィルム外装体20の溶着部1bは、正極側シール部材45の正極側被溶着部45aを介して正極接続端子41を挟み込んだ状態で溶着されている。なお、図4に、溶着部1bの溶着範囲を示す。
図1、図3及び図5に示すように、負極接続端子42の表面上には、ラミネートフィルム外装体20によって挟み込まれる部分に、負極側シール部材46(シール部材)が形成されている。すなわち、ラミネートフィルム外装体20と負極接続端子42との間に負極側シール部材46が位置する。
負極側シール部材46は、例えば、ポリプロピレン(PP)(低融点酸変性ポリプロピレン樹脂)などの樹脂材料からなる平面視で長方形状のシートによって構成されている。このシートを、負極接続端子42をそれぞれ挟み込むように配置した状態で、負極接続端子42の表面上に被着させることにより、負極側シール部材46が形成される。なお、負極側シール部材46は、例えば融点が145度以下の熱可塑性樹脂によって構成される。
図5に示すように、負極側シール部材46は、ラミネートフィルム外装体20に挟み込まれて溶着される負極側被溶着部46aと、負極接続端子42の延伸方向の両端部に位置し、ラミネートフィルム外装体20に対して挟み込まれない負極側非溶着部46bとを有する。すなわち、ラミネートフィルム外装体20の溶着部1bは、負極側シール部材46の負極側被溶着部46aを介して負極接続端子42を挟み込んだ状態で溶着されている。なお、図5に、溶着部1bの溶着範囲を示す。
これにより、ラミネートフィルム外装体20と、該ラミネートフィルム外装体20によって挟み込まれた正極接続端子41及び負極接続端子42とのそれぞれの溶着強度を向上できるとともに、正極接続端子41及び負極接続端子42とラミネートフィルム外装体20とをより確実に電気的に絶縁することができる。
(正極側絶縁部材)
図6に示すように、正極接続端子41の両面は、正極側絶縁部材55(絶縁部材)によって覆われている。正極側絶縁部材55は、例えば、電気絶縁性を有するポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、等の樹脂材料からなるテープによって構成されている。
正極側絶縁部材55は、正極接続端子41における正極側シール部材45よりも正極11側を覆うとともに、正極接続端子41の延伸方向において、正極側シール部材45の所定範囲を覆う。図4に示すように、この所定範囲では、正極側シール部材45上に正極側絶縁部材55が重なっている。
なお、前記所定範囲は、正極側シール部材45の正極側被溶着部45aの一部も含む。そのため、正極側絶縁部材55は、ラミネートフィルム外装体20の溶着部1bにおいて、ラミネートフィルム外装体20の間に、正極側シール部材45及び正極接続端子41とともに挟み込まれている。前記所定範囲は、例えば、正極接続端子41の延伸方向において、正極側シール部材45の正極側被溶着部45aにおける1/4以下の部分を含む範囲である。
これにより、ラミネート形電池1が落下した際に、正極接続端子41が切断したり、正極接続端子41で短絡が生じたりすることを防止できる。
正極側絶縁部材55の融点は、ラミネートフィルム外装体20の内面側樹脂層20a、及び正極側シール部材45の融点よりも低い。よって、正極側絶縁部材55は、内面側樹脂層20a及び正極側シール部材45が溶融する温度よりも低い温度で溶融する。好ましくは、正極側絶縁部材の融点は140度以下である。
これにより、前記所定範囲において、ラミネートフィルム外装体20の間に、正極側シール部材45及び正極接続端子41とともに挟み込まれた正極側絶縁部材55は、ラミネートフィルム外装体20の溶着部1bが形成される際に、ラミネートフィルム外装体20及び正極側シール部材45よりも低い温度で溶融する。よって、ラミネートフィルム外装体20の溶着部1bが形成される際に、正極側絶縁部材55が大きな熱抵抗となってラミネートフィルム外装体20の内面側樹脂層20a及び正極側シール部材45の溶融を阻害することを防止できる。
よって、ラミネートフィルム外装体20の間に、正極側シール部材45及び正極接続端子41とともに正極側絶縁部材55が挟み込まれた場合でも、ラミネートフィルム外装体20の溶着部1bにおいて、ラミネートフィルム外装体20の内面側樹脂層20a、正極側絶縁部材55及び正極側シール部材45を溶着することができる。これにより、ラミネートフィルム外装体20のシール性が低下することを防止できる。
したがって、上述の構成により、正極接続端子41の短絡発生を防止しつつ、ラミネートフィルム外装体20のシール性の低下を防止できる。
正極側絶縁部材55の厚さは、正極側シール部材45の厚さよりも薄い。これにより、正極側絶縁部材55の熱抵抗を小さくすることができる。よって、上述のように、ラミネートフィルム外装体20の間に、正極側シール部材45及び正極接続端子41とともに正極側絶縁部材55が挟み込まれた場合でも、正極側絶縁部材55がラミネートフィルム外装体20の内面側樹脂層20a及び正極側シール部材45の溶融を阻害することをより確実に防止できる。
正極側絶縁部材55は、正極接続端子41の延伸方向に直交する幅方向において、正極接続端子41よりも大きく且つ正極側シール部材45よりも小さい幅寸法を有する。
これにより、正極接続端子41を正極側絶縁部材55によってより確実に覆うことができるとともに、正極側絶縁部材55が正極側シール部材45からはみ出すことを防止できる。
なお、正極側絶縁部材55は、正極接続端子41の損傷及び短絡発生を防止可能な材料であり、且つ、ラミネートフィルム外装体20の内面側樹脂層20a及び正極側シール部材45よりも融点が低い材料であれば、どのような材料によって構成されていてもよい。また、正極側絶縁部材55は、テープ以外によって構成されていてもよい。
(負極側絶縁部材)
図6に示すように、負極接続端子42の両面は、負極側絶縁部材56(絶縁部材)によって覆われている。負極側絶縁部材56は、それぞれ、例えば、電気絶縁性を有するポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、等の樹脂材料からなるテープによって構成されている。
負極側絶縁部材56は、負極接続端子42における負極側シール部材46よりも負極12側を覆うとともに、負極接続端子42の延伸方向において、負極側シール部材46の所定範囲を覆う。図5に示すように、この所定範囲では、負極側シール部材46上に負極側絶縁部材56が重なっている。
なお、前記所定範囲は、負極側シール部材46の負極側被溶着部46aの一部も含む。そのため、負極側絶縁部材56は、ラミネートフィルム外装体20の溶着部1bにおいて、ラミネートフィルム外装体20の間に、負極側シール部材46及び負極接続端子42とともに挟み込まれている。前記所定範囲は、例えば、負極接続端子42の延伸方向において、負極側シール部材46の負極側被溶着部46aにおける1/4以下の部分を含む範囲である。
一般的に、負極接続端子42の材料強度は高いが、負極接続端子42が接合される負極集電体12aは強度が低い。そのため、ラミネート形電池が落下した際に、負極接続端子42と負極集電体12aとの接合部分で負極集電体12aが損傷を受ける可能性がある。これに対し、本実施形態のように負極接続端子42における負極側シール部材46よりも負極12側を、負極側絶縁部材56によって覆うことにより、負極接続端子42の短絡を防止しつつ、ラミネート形電池1が落下した際の負極集電体12aの損傷発生を防止できる。
負極側絶縁部材56の融点は、ラミネートフィルム外装体20の内面側樹脂層20a及び負極側シール部材46の融点よりも低い。よって、負極側絶縁部材56は、内面側樹脂層20a及び負極側シール部材46が溶融する温度よりも低い温度で溶融する。好ましくは、負極側絶縁部材の融点は140度以下である。
これにより、前記所定範囲において、ラミネートフィルム外装体20の間に、負極側シール部材46及び負極接続端子42とともに挟み込まれた負極側絶縁部材56は、ラミネートフィルム外装体20の溶着部1bが形成される際に、ラミネートフィルム外装体20及び負極側シール部材46よりも低い温度で溶融する。よって、ラミネートフィルム外装体20の溶着部1bが形成される際に、負極側絶縁部材56が大きな熱抵抗となってラミネートフィルム外装体20の内面側樹脂層20a及び負極側シール部材46の溶融を阻害することを防止できる。
よって、ラミネートフィルム外装体20の間に、負極側シール部材46及び負極接続端子42とともに負極側絶縁部材56が挟み込まれた場合でも、ラミネートフィルム外装体20の溶着部1bにおいて、ラミネートフィルム外装体20の内面側樹脂層20a、負極側絶縁部材56及び負極側シール部材46を溶着することができる。これにより、ラミネートフィルム外装体20のシール性が低下することを防止できる。
したがって、上述の構成により、負極接続端子42の短絡発生を防止しつつ、ラミネートフィルム外装体20のシール性の低下を防止できる。
負極側絶縁部材56の厚さは、負極側シール部材46の厚さよりも薄い。これにより、負極側絶縁部材56の熱抵抗を小さくすることができる。よって、上述のように、ラミネートフィルム外装体20の間に、負極側シール部材46及び負極接続端子42とともに負極側絶縁部材56が挟み込まれた場合でも、負極側絶縁部材56がラミネートフィルム外装体20の内面側樹脂層20a及び正極側シール部材45の溶融を阻害することをより確実に防止できる。
負極側絶縁部材56は、負極接続端子42の延伸方向に直交する幅方向において、負極接続端子42よりも大きく且つ負極側シール部材46よりも小さい幅寸法を有する。
これにより、負極接続端子42を負極側絶縁部材56によってより確実に覆うことができるとともに、負極側絶縁部材56が負極側シール部材46からはみ出すことを防止できる。
なお、負極側絶縁部材56は、負極接続端子42の損傷及び短絡発生を防止可能な材料であり、且つ、ラミネートフィルム外装体20の内面側樹脂層20a及び負極側シール部材46よりも融点が低い材料であれば、どのような材料によって構成されていてもよい。また、負極側絶縁部材56は、テープ以外によって構成されていてもよい。
本実施形態では、正極接続端子41を正極側絶縁部材55によって覆うとともに、負極接続端子42を負極側絶縁部材56によって覆うことにより、正極接続端子41及び負極接続端子42の短絡発生を防止することができる。また、正極側絶縁部材55の融点を、ラミネートフィルム外装体20の内面側樹脂層20a及び正極側シール部材45の融点よりも低くするとともに、負極側絶縁部材56の融点を、ラミネートフィルム外装体20の内面側樹脂層20a及び負極側シール部材46の融点よりも低くすることにより、ラミネートフィルム外装体20の溶着部1bにおいて、該ラミネートフィルム外装体20の間に正極側絶縁部材55及び負極側絶縁部材56が挟み込まれた状態でも、溶着部1bの接着強度を確保することができる。
したがって、本実施形態の構成により、正極接続端子41及び負極接続端子42の短絡発生を防止しつつ、ラミネートフィルム外装体20のシール性の低下を防止できる。
(その他の実施形態)
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変形して実施することが可能である。
前記実施形態では、一対のラミネートフィルム外装体20は、一方側に平面部1cを有し、他方側に膨出部1aを有する。しかしながら、一対のラミネートフィルム外装体は、電極体を収容可能であれば、両側に膨出部を有していてもよい。
前記実施形態では、ラミネートフィルム外装体20の内側の全面が内面側樹脂層20aで覆われている。しかしながら、ラミネートフィルム外装体の溶着部に内面側樹脂層が設けられていれば、ラミネートフィルム外装体の他の部分は、金属箔がどのような材料によって覆われていてもよい。
前記実施形態では、ラミネートフィルム外装体20は、アルミニウム製の金属箔を外面側樹脂層20b及び内面側樹脂層20aでラミネートした材料からなる。しかしながら、ラミネートフィルム外装体の金属箔は、アルミニウムに限らず、ステンレス等の他の金属材料によって形成されていてもよい。
前記実施形態では、ラミネートフィルム外装体20の内面側樹脂層20aは、PPなどの樹脂材料によって構成されている。しかしながら、内面側樹脂層は、熱によって溶融するとともに冷却すると硬化し、且つ非水電解液で溶融しない材料であれば、どのような材料を用いてもよい。
前記実施形態では、正極接続端子41の表面上に、正極側シール部材45が形成されている。しかし、正極側シール部材は、正極集電体露出部の一部または全面、もしくは、正極接続端子と正極集電体露出部との接合部分または正極集電体における前記接合部分とは反対側の面を覆うように形成されていてもよい。
前記実施形態では、負極接続端子42の表面上に、負極側シール部材46が形成されている。しかし、負極側シール部材は、負極集電体露出部の一部または全面、もしくは、負極接続端子と負極集電体露出部との接合部分または負極集電体における前記接合部分とは反対側の面を覆うように形成されていてもよい。
前記実施形態では、正極接続端子41及び負極接続端子42は、それぞれ、正極側絶縁部材55及び負極側絶縁部材56によって覆われている。しかしながら、正極接続端子は、正極側絶縁部材によって覆われていなくてもよい。また、負極接続端子は、負極側絶縁部材によって覆われていなくてもよい。
前記実施形態では、正極側シール部材45及び負極側シール部材46は、PPなどの樹脂材料によって構成されている。しかしながら、正極側シール部材は、ラミネートフィルム外装体及び正極側絶縁部材に溶着可能な材料であれば、どのような材料によって構成されていてもよい。また、負極側シール部材は、ラミネートフィルム外装体及び負極側絶縁部材に溶着可能な材料であれば、どのような材料によって構成されていてもよい。
前記実施形態では、正極側シール部材45は、ラミネートフィルム外装体20に挟み込まれない正極側非溶着部45bを有する。負極側シール部材46は、ラミネートフィルム外装体20に挟み込まれない負極側非溶着部46bを有する。しかしながら、正極側シール部材及び負極側シール部材は、全面がラミネートフィルム外装体に挟み込まれて溶着されるように構成されていてもよい。
前記実施形態では、正極側絶縁部材55は、正極接続端子41の延伸方向において、正極側シール部材45の所定範囲を覆っている。しかしながら、正極側絶縁部材は、正極側シール部材を覆っていなくてもよい。正極側絶縁部材は、前記所定範囲よりも広い範囲または狭い範囲を覆うように構成されていてもよい。
前記実施形態では、負極側絶縁部材56は、負極接続端子42の延伸方向において、負極側シール部材46の所定範囲を覆っている。しかしながら、負極側絶縁部材は、負極側シール部材を覆っていなくてもよい。負極側絶縁部材は、前記所定範囲よりも広い範囲または狭い範囲を覆うように構成されていてもよい。
負極側絶縁部材は、負極側シール部材を覆っていなくてもよい。負極側絶縁部材は、前記所定範囲よりも広い範囲または狭い範囲を覆うように構成されていてもよい。
前記実施形態では、正極側絶縁部材55は、正極接続端子41の両面を覆っている。しかしながら、正極側絶縁部材は、正極接続端子の一面側のみを覆ってもよいし、正極接続端子の一部のみを覆ってもよい。
前記実施形態では、負極側絶縁部材56は、負極接続端子42の両面を覆っている。しかしながら、負極側絶縁部材は、負極接続端子の一面側のみを覆ってもよいし、負極接続端子の一部のみを覆ってもよい。
前記実施形態では、正極側絶縁部材55の融点は、ラミネートフィルム外装体20の内面側樹脂層20a及び正極側シール部材45の融点より低い。しかしながら、正極側絶縁部材の融点は、正極側シール部材の融点より低ければ、ラミネートフィルム外装体の内面側樹脂層の融点よりも低くなくてもよい。
前記実施形態では、負極側絶縁部材56の融点は、ラミネートフィルム外装体20の内面側樹脂層20a及び負極側シール部材46の融点より低い。しかしながら、負極側絶縁部材の融点は、負極側シール部材の融点より低ければ、ラミネートフィルム外装体の内面側樹脂層の融点よりも低くなくてもよい。
前記実施形態では、正極側絶縁部材55の厚さは、正極側シール部材45の厚さよりも薄い。しかしながら、正極側絶縁部材の厚さは、溶着時に正極側絶縁部材の熱抵抗によって正極側シール部材の溶融が阻害されなければ、正極側シール部材の厚さと同等かそれよりも厚くてもよい。
前記実施形態では、負極側絶縁部材56の厚さは、負極側シール部材46の厚さよりも薄い。しかしながら、負極側絶縁部材の厚さは、溶着時に負極側絶縁部材の熱抵抗によって負極側シール部材の溶融が阻害されなければ、負極側シール部材の厚さと同等かそれよりも厚くてもよい。
前記実施形態では、正極側絶縁部材55は、正極接続端子41の延伸方向に直交する幅方向において、正極側シール部材45よりも小さい幅寸法を有する。しかしながら、正極側絶縁部材の幅寸法は、溶着時の正極側絶縁部材の熱抵抗によって正極側シール部材の溶融が阻害されなければ、正極側シール部材の幅寸法と同等かそれよりも大きくてもよい。
前記実施形態では、負極側絶縁部材56は、負極接続端子42の延伸方向に直交する幅方向において、負極側シール部材46よりも小さい幅寸法を有する。しかしながら、負極側絶縁部材の幅寸法は、溶着時の負極側絶縁部材の熱抵抗によって負極側シール部材の溶融が阻害されなければ、負極側シール部材の幅寸法と同等かそれよりも大きくてもよい。
前記実施形態では、正極接続端子41及び負極接続端子42は、電極体10の巻き始め側に接続されている。しかしながら、正極接続端子及び負極接続端子の少なくとも一方は、電極体の巻き始め側以外の部分に接続されていてもよい。
前記実施形態では、電極体10は、それぞれ帯状の正極11、負極12及びセパレータ13を厚み方向に重ねた状態で巻回することにより得られる巻回電極体である。しかしながら、電極体は、それぞれシート状の正極、負極及びセパレータを厚み方向に重ねることによって得られる積層型の電極体であってもよい。
前記実施形態では、ラミネート形電池1は、平面視で矩形状に形成されている。しかしながら、ラミネート形電池は、多角形状など、他の形状であってもよい。
前記実施形態では、ラミネート形電池1はリチウムイオン電池である。しかしながら、ラミネート形電池1はリチウムイオン電池以外の電池であってもよい。また、ラミネート形電池だけではなく、キャパシタなども含む電気化学素子に前記実施形態の構成を適用してもよい。すなわち、蓄電または発電可能であり、電極体に接続された接続端子がラミネートフィルム外装体から外方に延出している電気化学素子に、前記実施形態の構成を適用することができる。
本発明は、電極体をラミネートフィルム外装体で覆ったラミネート形電池に利用可能である。
1 ラミネート形電池(電気化学素子)
1a 膨出部
1b 溶着部
10 電極体
11 正極
11a 正極集電体
11b 正極活物質層
11c、11d 正極集電体露出部
12 負極
12a 負極集電体
12b 負極活物質層
12c、12d 負極集電体露出部
13 セパレータ
20 ラミネートフィルム外装体
20a 内面側樹脂層(樹脂層)
20b 外面側樹脂層
41 正極接続端子(接続端子)
42 負極接続端子(接続端子)
45 正極側シール部材(シール部材)
45a 正極側被溶着部
45b 正極側非溶着部
46 負極側シール部材(シール部材)
46a 負極側被溶着部
46b 負極側非溶着部
55 正極側絶縁部材(絶縁部材)
56 負極側絶縁部材(絶縁部材)

Claims (7)

  1. 正極、負極及びセパレータを含む電極体と、
    前記正極に接合され、前記電極体から外方に延出する正極接続端子と、
    前記負極に接合され、前記電極体から外方に延出する負極接続端子と、
    厚み方向の一方側に樹脂層を有し、該樹脂層が内面になるように前記正極接続端子及び前記負極接続端子を挟み込みつつ前記電極体を覆った状態で、前記樹脂層が溶着される溶着部を外周側に有するシート状のラミネートフィルム外装体と、
    前記溶着部と前記正極接続端子との間に位置する正極側シール部材と、
    前記溶着部と前記負極接続端子との間に位置する負極側シール部材と、
    電気絶縁性を有し、前記正極続端子における前記正極側シール部材よりも前記正極側、及び、前記負極接続端子における前記負極側シール部材よりも前記負極側の少なくとも一方を覆う絶縁部材と、
    を備え、
    前記絶縁部材は、前記正極側シール部材及び前記負極側シール部材のうち、前記溶着部と前記正極接続端子及び前記負極接続端子のうち前記絶縁部材によって覆われる接続端子との間に位置するシール部材の融点よりも低い融点を有し、
    前記ラミネートフィルム外装体、前記正極側シール部材及び前記負極側シール部材は、前記溶着部で溶着されている、電気化学素子。
  2. 請求項1に記載の電気化学素子において、
    前記絶縁部材は、前記ラミネートフィルム外装体の樹脂層の融点よりも低い融点を有する、電気化学素子。
  3. 請求項1または2に記載の電気化学素子において、
    前記絶縁部材は、前記シール部材の厚みよりも小さい厚みを有する、電気化学素子。
  4. 請求項1から3のいずれか一つに記載の電気化学素子において、
    前記絶縁部材の一部は、前記ラミネートフィルム外装体の前記溶着部と前記シール部材との間に位置し、
    前記ラミネートフィルム外装体、前記シール部材及び前記絶縁部材は、前記溶着部で溶着されている、電気化学素子。
  5. 請求項1から4のいずれか一つに記載の電気化学素子において、
    前記絶縁部材は、前記接続端子の延伸方向に直交する幅方向において、前記接続端子よりも大きく且つ前記シール部材よりも小さい幅寸法を有する、電気化学素子。
  6. 請求項1から5のいずれか一つに記載の電気化学素子において、
    前記絶縁部材は、前記正極続端子における前記正極側シール部材よりも前記正極側、及び、前記負極接続端子における前記負極側シール部材よりも前記負極側をそれぞれ覆う、
    電気化学素子。
  7. 請求項1から6のいずれか一つに記載の電気化学素子において、
    前記正極、前記負極及び前記セパレータは、それぞれ、帯状であり、
    前記電極体は、前記正極、前記負極及び前記セパレータが厚み方向に重ねられた状態で巻回された巻回電極体である、電気化学素子。
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