以下、図面を参照し、本発明の実施の形態を詳しく説明する。図中の同一または相当部分については同一の符号を付してその説明は繰り返さない。
[実施形態1]
(全体構成)
図1は、本発明の実施形態1に係るラミネート形電池1(電気化学素子)の概略構成を示す斜視図である。図2は、図1のII-II線断面図であり、図3は、図1のIII-III線断面図である。図4は、図2におけるラミネートフィルム外装体20の溶着部1bを拡大して示す部分拡大断面図である。図5は、図3におけるラミネートフィルム外装体20の溶着部1bを拡大して示す部分拡大断面図である。
ラミネート形電池1は、発電体として機能する電極体10がラミネートフィルム外装体20によって覆われた平面視で長方形状の二次電池である。なお、図2及び図3では、電極体10の一部の図示を省略している。
図1に示すように、ラミネート形電池1は、電極体10と、該電極体10を覆うラミネートフィルム外装体20とを備える。また、ラミネート形電池1は、電極体10の正極11及び負極12にそれぞれ電気的に接続される正極接続端子41及び負極接続端子42(接続端子)を備える。なお、ラミネート形電池1の内部には、非水電解液も封入されている。
図1、図4及び図5に示すように、ラミネートフィルム外装体20は、アルミニウム製の金属箔の一面側が外面側樹脂層20bで覆われ、且つ、他面側が内面側樹脂層20a(樹脂層)で覆われたシート状の材料からなる。すなわち、ラミネートフィルム外装体20は、アルミニウムを外面側樹脂層20b及び内面側樹脂層20aでラミネートした材料からなる。外面側樹脂層20bとしては、例えば、ナイロン等の樹脂材料が挙げられる。内面側樹脂層20aとしては、例えば、ポリプロピレン(PP)等の樹脂材料が挙げられる。
ラミネートフィルム外装体20は、ラミネートフィルム外装体20の内面側樹脂層20a同士を重ね合わせた状態で、加熱しながら圧力を加えることによって、溶着される。すなわち、ラミネートフィルム外装体20の内面側樹脂層20aは、加熱によって溶融するため、上述のようにラミネートフィルム外装体20の内面側樹脂層20a同士を重ね合わせた状態で加熱した後、冷却することによって、ラミネートフィルム外装体20同士を溶着することができる。
ラミネートフィルム外装体20は、略長方形状に形成されている。一対のラミネートフィルム外装体20によって電極体10を挟んだ状態で、該ラミネートフィルム外装体20の外周側同士を溶着することにより、図1から図3に示すような膨出部1a及び溶着部1bが形成される。すなわち、ラミネートフィルム外装体20が電極体10を覆うことにより膨出部1aが形成され、膨出部1aの周囲でラミネートフィルム外装体20同士を溶着することにより膨出部1aを囲むように溶着部1bが形成される。
後述するように、本実施形態では、電極体10は、円筒状の巻回電極体を扁平状につぶすことによって形成される。すなわち、電極体10は、側面視で長方形状である。そのため、図1に示すように、膨出部1aは、ラミネートフィルム外装体20の平面視(以下、単に平面視ともいう)で、長方形状である。溶着部1bは、平面視で、ラミネート形電池1が長方形状になるように、膨出部1aの周りに形成されている。
また、一対のラミネートフィルム外装体20は、図2及び図3に示すように、ラミネート形電池1が、電極体10の厚み方向の一方側に平面部1cを有するとともに、電極体10の厚み方向の他方側に上述の膨出部1aを有するように、電極体10を挟んだ状態でラミネートフィルム外装体20の外周側同士が溶着されている。すなわち、一対のラミネートフィルム外装体20のうち、一方のラミネートフィルム外装体20が、電極体10の外形に沿うように配置される。
溶着部1bのうち、ラミネート形電池1の長手方向の端部側に位置する部分では、後述する正極接続端子41及び負極接続端子42が、一対のラミネートフィルム外装体20に挟み込まれた状態で、ラミネートフィルム外装体20同士が溶着されることにより固定されている。
なお、本実施形態では、一対のラミネートフィルム外装体20の外周側同士が溶着されているが、この限りではなく、1枚のラミネートフィルム外装体が、電極体10を挟み込むように折り返されて溶着されてもよい。ラミネートフィルム外装体を折り返す方向については、電極体10に対する正極接続端子41及び負極接続端子42の延伸方向であってもよいし、幅方向であってもよい。
(電極体)
図6に、電極体10の概略構成を示す。電極体10は、扁平状の巻回電極体である。電極体10は、それぞれ帯状に形成された正極11及び負極12を、両者の間及び正極11の下側に帯状のセパレータ13がそれぞれ位置するように重ね合わせた状態で巻回した後、押しつぶされることによって、扁平状に形成される。
電極体10を形成する様子を、図7に模式的に示す。図7に示すように、正極11、負極12及びセパレータ13は、上から、負極12、セパレータ13、正極11及びセパレータ13の順番で厚み方向に積層されている。この状態で、図7における白抜き矢印の方向に正極11、負極12およびセパレータ13を図示しない巻芯によって巻回することにより、略円筒状の筒状電極体が得られる。
なお、図7では、正極11、負極12及びセパレータ13を重ね合わせた状態を図示するために、正極11、負極12及びセパレータ13の位置を実際の配置から移動させて斜視で示している。また、図7では、正極11、負極12及びセパレータ13を区別するために、断面ではないが、正極11の正極活物質層11b及び負極12の負極活物質層12bにハッチングを付している。
上述のように筒状電極体を得た後、該筒状電極体を径方向に押しつぶすことにより、図6に示すような扁平状の電極体10が得られる。すなわち、電極体10は、正極11、負極12及びセパレータ13が、正極11と負極12との間にセパレータ13が位置するように重ねられた状態で、巻回された巻回電極体である。扁平状の電極体10は、ラミネートフィルム外装体20によって形成された空間内に収容される。
図7に示すように、正極11は、アルミニウム等の金属箔製の正極集電体11aと、正極活物質を含有し、正極集電体11aの両面にそれぞれ設けられた正極活物質層11bとを有する。詳しくは、正極11は、リチウムイオンを吸蔵・放出可能なリチウム含有酸化物である正極活物質、導電助剤及びバインダなどを含む正極合剤を、アルミニウム箔などからなる正極集電体11a上に塗布して乾燥させることによって形成される。正極活物質であるリチウム含有酸化物としては、例えば、LiCoO2などのリチウムコバルト酸化物やLiMn2O4などのリチウムマンガン酸化物、LiNiO2などのリチウムニッケル酸化物等のリチウム複合酸化物を用いるのが好ましい。なお、正極活物質として、1種類の物質のみを用いてもよいし、2種類以上の物質を用いてもよい。また、正極活物質は、上述の物質に限られない。
図7に示すように、正極11は、正極集電体11aの長手方向両端部に、両面に正極活物質層11bが設けられていない正極集電体露出部11c,11dを有する。すなわち、正極集電体露出部11cは、正極11の長手方向の一方側に位置し、正極集電体露出部11dは、正極11の長手方向の他方側に位置する。本実施形態の電極体10において、正極集電体露出部11cは、電極体10の巻き始め側(電極体10の内側)に位置し、正極集電体露出部11dは、電極体10の巻き終わり側(電極体10の最外周側)に位置する。
負極12は、銅等の金属箔製の負極集電体12aと、負極活物質を含有し、負極集電体12aの両面にそれぞれ設けられた負極活物質層12bとを有する。詳しくは、負極12は、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な負極活物質、導電助剤及びバインダなどを含む負極合剤を、銅箔などからなる負極集電体12a上に塗布して乾燥させることによって形成される。負極活物質としては、例えば、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な炭素材料(黒鉛類、熱分解炭素類、コークス類、ガラス状炭素類など)を用いるのが好ましい。負極活物質は、上述の物質に限られない。
図7に示すように、負極12も、正極11と同様、負極集電体12aの長手方向両端部に、両面に負極活物質層12bが設けられていない負極集電体露出部12c,12dを有する。すなわち、負極集電体露出部12cは、負極12の長手方向の一方側に位置し、負極集電体露出部12dは、負極12の長手方向の他方側に位置する。本実施形態の電極体10において、負極集電体露出部12cは、電極体10の巻き始め側(電極体10の内側)に位置し、負極集電体露出部12dは、電極体10の巻き終わり側(電極体10の最外周側)に位置する。
正極11において電極体10の巻き始め側に位置する正極集電体露出部11cには、正極接続端子41が溶接等によって接合されている。負極12において電極体10の巻き始め側に位置する負極集電体露出部12cには、負極接続端子42が溶接等によって接合されている。すなわち、正極接続端子41及び負極接続端子42は、電極体10の巻き始め側に接合されている。正極接続端子41及び負極接続端子42は、電極体10の外方に延出しているとともに、ラミネートフィルム外装体20の外方にも延出している。
(正極接続端子及び負極接続端子)
次に、正極接続端子41及び負極接続端子42の構成を、図1から図7を用いて、詳しく説明する。
正極接続端子41は、平面視で長方形状に形成されたアルミニウムの金属箔によって構成されている。正極接続端子41は、長手方向の一方側が正極11の正極集電体露出部11cに溶接によって接合されていて、長手方向の他方側がラミネートフィルム外装体20の外方に位置している(図1及び図2参照)。すなわち、正極接続端子41は、ラミネートフィルム外装体20によって挟み込まれていて、ラミネートフィルム外装体20の内方から外方に向かって延びている。
負極接続端子42は、平面視で長方形状に形成された銅やニッケル等の金属箔によって構成されている。負極接続端子42は、長手方向の一方側が負極12の負極集電体露出部12cに溶接によって接合されていて、長手方向の他方側がラミネートフィルム外装体20の外方に位置している(図1及び図3参照)。すなわち、負極接続端子42は、ラミネートフィルム外装体20によって挟み込まれていて、ラミネートフィルム外装体20の内方から外方に向かって延びている。
ラミネート形電池1に上述のような構成を有する正極接続端子41及び負極接続端子42を用いることにより、他の接続部品を介して外部に接続端子を引き出す構成に比べて、インピーダンスを小さくすることができる。
図1、図2及び図4に示すように、正極接続端子41の表面上には、ラミネートフィルム外装体20によって挟み込まれる部分に、正極側シール部材45が形成されている。すなわち、ラミネートフィルム外装体20と正極接続端子41との間に正極側シール部材45が位置する。
正極側シール部材45は、例えば、ポリプロピレン(PP)などの樹脂材料からなる平面視で長方形状のシートによって構成されている。このシートを、正極接続端子41をそれぞれ挟み込むように配置した状態で、正極接続端子41の表面上に被着させることにより、正極側シール部材45が形成される。
図2及び図4に示すように、ラミネート形電池1には、正極接続端子41がラミネートフィルム外装体20の間に挟み込まれた状態で、厚み方向から見て、ラミネートフィルム外装体20と正極側シール部材45とが重なる正極側重複領域P(重複領域)が形成される。正極側重複領域Pのうち、ラミネートフィルム外装体20の内面側樹脂層20aと正極側シール部材45とが溶着される部分が、後述する正極側溶着部61である。
図1、図3及び図5に示すように、負極接続端子42の表面上には、ラミネートフィルム外装体20によって挟み込まれる部分に、負極側シール部材46が形成されている。すなわち、ラミネートフィルム外装体20と負極接続端子42との間に負極側シール部材46が位置する。
負極側シール部材46は、例えば、ポリプロピレン(PP)などの樹脂材料からなる平面視で長方形状のシートによって構成されている。このシートを、負極接続端子42をそれぞれ挟み込むように配置した状態で、負極接続端子42の表面上に被着させることにより、負極側シール部材46が形成される。
図3及び図5に示すように、ラミネート形電池1には、負極接続端子42がラミネートフィルム外装体20の間に挟み込まれた状態で、厚み方向から見て、ラミネートフィルム外装体20と負極側シール部材46とが重なる負極側重複領域Q(重複領域)が形成される。負極側重複領域Qのうち、ラミネートフィルム外装体20の内面側樹脂層20aと負極側シール部材46とが溶着される部分が、後述する負極側溶着部62である。
以上の構成により、ラミネートフィルム外装体20と、該ラミネートフィルム外装体20によって挟み込まれた正極接続端子41及び負極接続端子42とのそれぞれの接着強度を向上できるとともに、正極接続端子41及び負極接続端子42とラミネートフィルム外装体20とをより確実に電気的に絶縁することができる。
(正極側絶縁部材)
図6に示すように、正極接続端子41の両面は、正極側絶縁部材55(絶縁部材)によって覆われている。正極側絶縁部材55は、例えば、電気絶縁性を有するポリプロピレン(PP)等の樹脂材料からなるテープによって構成されている。本実施形態では、正極接続端子41の両面を覆う正極側絶縁部材55の形状は同一である。
図7に示すように、正極側絶縁部材55は、正極接続端子41における正極側シール部材45よりも正極11側を覆うとともに、正極側シール部材45の一部と厚み方向に重なるように配置されている。すなわち、正極接続端子41の延伸方向における正極側絶縁部材55の端部55aは、正極側重複領域Pにおいて、正極側シール部材45とラミネートフィルム外装体20との間に位置する(図8参照)。正極側重複領域Pにおいて、正極側シール部材45とラミネートフィルム外装体20の内面側樹脂層20aとの間に正極側絶縁部材55が位置する部分は、正極側シール部材45とラミネートフィルム外装体20の内面側樹脂層20aとが溶着されていない正極側非溶着部63である。
なお、正極側非溶着部63において、正極側シール部材45とラミネートフィルム外装体20の内面側樹脂層20aとが溶着されていないとは、溶着されていない場合だけでなく、正極側溶着部61と比べて溶着性が劣る場合も含む。
図8に、正極側シール部材45、正極側絶縁部材55及び正極側重複領域Pの位置関係を示す。なお、この図8では、説明のために、ラミネートフィルム外装体20の図示を省略するとともに、正極側シール部材45とラミネートフィルム外装体20の内面側樹脂層20aとの溶着部分である正極側溶着部61を斜線で示す。また、図8において、正極側シール部材45上に図示した太線部分が、正極側重複領域Pである。
図6から図8に示すように、前記延伸方向における正極側絶縁部材55の正極側シール部材45側の端部55aは、厚み方向から見て、半円状である。すなわち、正極側絶縁部材55の端部55aは、厚み方向から見て、前記延伸方向に直交する幅方向の中央部が該幅方向の端部よりも前記延伸方向に突出している。正極側絶縁部材55の端部55aは、厚み方向から見て、前記幅方向の中心線L1を中心として前記幅方向に対称である。また、正極側絶縁部材55の端部55aの先端は、前記厚み方向から見て、曲線状である。なお、前記半円状とは、正円の半分の形状に限定されず、楕円または歪んだ円の半分の形状であってもよい。
図8に示すように、正極側重複領域Pは、前記厚み方向から見て、前記延伸方向において正極側絶縁部材55の端部55aを含む所定範囲Xに、前記幅方向に沿って、ラミネートフィルム外装体20と正極側シール部材45との間に正極側絶縁部材55が位置せず且つラミネートフィルム外装体20の内面側樹脂層20aと正極側シール部材45とが溶着された正極側溶着部61(溶着部)と、ラミネートフィルム外装体20と正極側シール部材45との間に正極側絶縁部材55が位置し且つラミネートフィルム外装体20の内面側樹脂層20aと正極側シール部材45とが溶着されていない正極側非溶着部63(非溶着部)とを含む。具体的には、正極側重複領域Pは、前記厚み方向から見て、正極側絶縁部材55の端部55aが位置しない正極側溶着部61と、正極側絶縁部材55の端部55aが位置する正極側非溶着部63とを含む。
これにより、正極側重複領域Pにおいて、ラミネートフィルム外装体20の内面側樹脂層20a及び正極側シール部材45に対して溶着性の良くない正極側絶縁部材55によりシール性が低下することを防止できる。すなわち、上述のように、正極側重複領域Pが、前記厚み方向から見て、前記延伸方向において正極側絶縁部材55の端部55aを含む所定範囲Xに、ラミネートフィルム外装体20の内面側樹脂層20aと正極側シール部材45との間に正極側絶縁部材55が位置せず且つラミネートフィルム外装体20の内面側樹脂層20aと正極側シール部材45とが溶着された正極側溶着部61を含むことにより、正極側溶着部61によって正極側重複領域Pにおけるシール性を確保できる。
また、上述のように、前記厚み方向から見て、正極側シール部材45と重なる正極側絶縁部材55の端部55aは、前記幅方向の中央部が該幅方向の端部よりも前記延伸方向に突出する半円状である。そのため、正極側重複領域Pにおいて、前記延伸方向において正極側絶縁部材55の端部55aを含む所定範囲Xには、端部55aに対する前記幅方向の両端部に、正極側溶着部61が形成されている。これにより、正極側重複領域Pにおいてシール性が低下しやすい幅方向両端部のシール性を確保できるため、正極側重複領域Pにおけるシール性の低下をより防止できる。
しかも、本実施形態では、正極側絶縁部材55の端部55aが前記幅方向の中心線L1を中心として対称の半円状であるため、正極側重複領域Pの前記幅方向の両端部で同様のシール性を得ることができる。
さらに、正極側絶縁部材55の端部55aが半円状であるため、正極側溶着部61と正極側非溶着部63との境界が曲線状である。これにより、正極側重複領域Pにおいて、正極側溶着部61と正極側非溶着部63との境界部分で、前記幅方向にシール性が大きく変化することを防止できる。よって、正極側重複領域Pにおけるシール性の低下をより確実に防止できる。
また、正極側絶縁部材55は、前記幅方向において、正極側シール部材45よりも小さい幅寸法を有する。これにより、正極側重複領域Pにおける正極側溶着部61の範囲をより大きくすることができるとともに、正極側重複領域Pの前記幅方向の両端部に、正極側溶着部61を形成することができる。したがって、正極側重複領域Pにおけるシール性の低下をより確実に防止できる。
(負極側絶縁部材)
図6に示すように、負極接続端子42の両面は、負極側絶縁部材56(絶縁部材)によって覆われている。負極側絶縁部材56は、例えば、電気絶縁性を有するポリプロピレン(PP)等の樹脂材料からなるテープによって構成されている。本実施形態では、負極接続端子42の両面を覆う負極側絶縁部材56の形状は同一である。
図7に示すように、負極側絶縁部材56は、負極接続端子42における負極側シール部材46よりも負極12側を覆うとともに、負極側シール部材46の一部と厚み方向に重なるように配置されている。すなわち、負極接続端子42の延伸方向における負極側絶縁部材56の端部56aは、負極側重複領域Qにおいて、負極側シール部材46とラミネートフィルム外装体20との間に位置する(図8参照)。負極側重複領域Qにおいて、負極側シール部材46とラミネートフィルム外装体20の内面側樹脂層20aとの間に負極側絶縁部材56が位置する部分は、負極側シール部材46とラミネートフィルム外装体20の内面側樹脂層20aとが溶着されていない負極側非溶着部64である。
なお、負極側非溶着部64において、負極側シール部材46とラミネートフィルム外装体20の内面側樹脂層20aとが溶着されないとは、溶着されていない場合だけでなく、負極側溶着部62と比べて溶着性が劣る場合も含む。
図8に、負極側シール部材46、負極側絶縁部材56及び負極側重複領域Qの位置関係を示す。なお、この図8では、説明のために、ラミネートフィルム外装体20の図示を省略するとともに、負極側シール部材46とラミネートフィルム外装体20の内面側樹脂層20aとの溶着部分である負極側溶着部62を斜線で示す。また、図8において、負極側シール部材46上に図示した太線部分が、負極側重複領域Qである。
図6から図8に示すように、前記延伸方向における負極側絶縁部材56の負極側シール部材46側の端部56aは、厚み方向から見て、半円状である。すなわち、負極側絶縁部材56の端部56aは、厚み方向から見て、前記延伸方向に直交する幅方向の中央部が該幅方向の端部よりも前記延伸方向に突出している。負極側絶縁部材56の端部56aは、厚み方向から見て、前記幅方向の中心線L2を中心として前記幅方向に対称である。また、負極側絶縁部材56の端部56aの先端は、前記厚み方向から見て、曲線状である。なお、前記半円状とは、正円の半分の形状に限定されず、楕円または歪んだ円の半分の形状であってもよい。
図8に示すように、負極側重複領域Qは、前記厚み方向から見て、前記延伸方向において負極側絶縁部材56の端部56aを含む所定範囲Y1に、前記幅方向に沿って、ラミネートフィルム外装体20と負極側シール部材46との間に負極側絶縁部材56が位置せず且つラミネートフィルム外装体20の内面側樹脂層20aと負極側シール部材46とが溶着された負極側溶着部62(溶着部)と、ラミネートフィルム外装体20と負極側シール部材46との間に負極側絶縁部材56が位置し且つラミネートフィルム外装体20の内面側樹脂層20aと負極側シール部材46とが溶着されていない負極側非溶着部64(非溶着部)とを含む。具体的には、負極側重複領域Qは、前記厚み方向から見て、負極側絶縁部材56の端部56aが位置しない負極側溶着部62と、負極側絶縁部材56の端部56aが位置する負極側非溶着部64とを含む。
これにより、負極側重複領域Qにおいて、ラミネートフィルム外装体20の内面側樹脂層20a及び負極側シール部材46に対して溶着性の良くない負極側絶縁部材56によりシール性が低下することを防止できる。すなわち、上述のように、負極側重複領域Qが、前記厚み方向から見て、前記延伸方向において負極側絶縁部材56の端部56aを含む所定範囲Y1に、ラミネートフィルム外装体20の内面側樹脂層20aと負極側シール部材46との間に負極側絶縁部材56が位置せず且つラミネートフィルム外装体20の内面側樹脂層20aと正極側シール部材45とが溶着された負極側溶着部62を有することにより、負極側溶着部62によって負極側重複領域Qにおけるシール性を確保できる。
また、上述のように、前記厚み方向から見て、負極側シール部材46と重なる負極側絶縁部材56の端部56aは、前記幅方向の中央部が該幅方向の端部よりも前記延伸方向に突出する半円状である。そのため、負極側重複領域Qにおいて、前記延伸方向において負極側絶縁部材56の端部56aを含む所定範囲Y1には、端部56aに対する前記幅方向の両端部に、負極側溶着部61が形成されている。これにより、負極側重複領域Qにおいてシール性が低下しやすい幅方向両端部のシール性を確保できるため、負極側重複領域Qにおけるシール性の低下を防止できる。
しかも、本実施形態では、負極側絶縁部材56の端部56aが前記幅方向の中心線L2を中心として対称の半円状であるため、負極側重複領域Qの前記幅方向の両端部で同様のシール性を得ることができる。
さらに、負極側絶縁部材56の端部56aが半円状であるため、負極側溶着部62と負極側非溶着部64との境界が曲線状である。これにより、負極側重複領域Qにおいて、負極側溶着部62と負極側非溶着部64との境界部分で、前記幅方向にシール性が大きく変化することを防止できる。よって、負極側重複領域Qにおけるシール性の低下をより確実に防止できる。
また、負極側絶縁部材56は、前記幅方向において、負極側シール部材46よりも小さい幅寸法を有する。これにより、負極側重複領域Qにおける負極側溶着部62の範囲をより大きくすることができるとともに、負極側重複領域Qの前記幅方向の両端部に、負極側溶着部62を形成することができる。したがって、負極側重複領域Qにおけるシール性の低下をより確実に防止できる。
本実施形態では、正極接続端子41を正極側絶縁部材55によって覆うとともに、負極接続端子42を負極側絶縁部材56によって覆うことにより、正極接続端子41及び負極接続端子42の短絡発生を防止することができる。
また、一般的に、負極接続端子42の材料強度は高いが、負極接続端子42が接合される負極集電体12aは強度が低い。そのため、ラミネート形電池1が落下した際に、負極接続端子42と負極集電体12aとの接合部分で負極集電体12aが損傷を受ける可能性がある。これに対し、本実施形態のように負極接続端子42における負極側シール部材46よりも負極12側を、負極側絶縁部材56によって覆うことにより、負極接続端子42の短絡を防止しつつ、ラミネート形電池1が落下した際の負極集電体12aの損傷発生を防止できる。
一方、正極接続端子41は、負極接続端子42よりも材料強度が低いため、負極接続端子42よりも切断されやすい。そのため、正極接続端子41を正極側絶縁部材55によって覆うことにより、正極接続端子41の短絡発生を防止しつつ、ラミネート形電池1が落下した際の正極接続端子41の損傷発生を防止できる。
そして、厚み方向から見てラミネートフィルム外装体20と正極側シール部材45とが重なる正極側重複領域Pが、前記延伸方向において正極側絶縁部材55の端部55aを含む所定範囲Xに、前記幅方向に沿って、ラミネートフィルム外装体20と正極側シール部材45との間に正極側絶縁部材55が位置せず且つラミネートフィルム外装体20の内面側樹脂層20aと正極側シール部材45とが溶着された正極側溶着部61と、ラミネートフィルム外装体20と正極側シール部材45との間に正極側絶縁部材55が位置し且つラミネートフィルム外装体20の内面側樹脂層20aと正極側シール部材45とが溶着されていない正極側非溶着部63とを含むことにより、正極側重複領域Pにおけるシール性の低下を防止できる。
また、厚み方向から見てラミネートフィルム外装体20と負極側シール部材46とが重なる負極側重複領域Qが、前記延伸方向において負極側絶縁部材56の端部56aを含む所定範囲Y1に、前記幅方向に沿って、ラミネートフィルム外装体20と負極側シール部材46との間に負極側絶縁部材56が位置せず且つラミネートフィルム外装体20の内面側樹脂層20aと負極側シール部材46とが溶着された負極側溶着部62と、ラミネートフィルム外装体20と負極側シール部材46との間に負極側絶縁部材56が位置し且つラミネートフィルム外装体20の内面側樹脂層20aと負極側シール部材46とが溶着されていない負極側非溶着部64とを含むことにより、負極側重複領域Qにおけるシール性の低下を防止できる。
したがって、上述の構成により、正極接続端子41及び負極接続端子42の短絡発生を防止しつつ、ラミネートフィルム外装体20のシール性の低下を防止できる。
<実施形態1の変形例>
図9に、実施形態1の変形例におけるラミネート形電池の負極側絶縁部材156の概略構成を示す。なお、図9では、説明のために、ラミネートフィルム外装体20の図示を省略するとともに、負極側シール部材46とラミネートフィルム外装体20の内面側樹脂層20aとの溶着部分である負極側溶着部162を斜線で示す。
図9に示すように、負極側絶縁部材156は、負極接続端子42の延伸方向において、負極側シール部材46側の端部156aが、厚み方向から見て、凸状に形成されている。すなわち、負極側絶縁部材156の端部156aは、前記延伸方向に直交する幅方向の中央部が、前記延伸方向に突出している。
また、負極側絶縁部材156の端部156aは、前記幅方向の中心線L2を中心として対称の形状を有する。
なお、図9に示すように、負極側絶縁部材156の端部156aは、前記延伸方向に直交する幅方向の中央部が、前記延伸方向に突出しているのが好ましいが、この限りではなく、前記幅方向の両端部以外の部分であれば、いずれの部分が前記延伸方向に突出していてもよい。また、負極側絶縁部材156の端部156aは、前記幅方向に非対称の形状であってもよい。
この変形例においても、負極側絶縁部材156は、負極接続端子42における負極側シール部材46よりも負極12側を覆うとともに、負極側シール部材46の一部と厚み方向に重なるように配置されている。すなわち、負極接続端子42の延伸方向における負極側絶縁部材156の端部156aは、負極側重複領域Qにおいて、負極側シール部材46とラミネートフィルム外装体20との間に位置する。
したがって、負極側重複領域Qは、前記厚み方向から見て、前記延伸方向において負極側絶縁部材156の端部156aを含む所定範囲Y2に、前記幅方向に沿って、ラミネートフィルム外装体20と負極側シール部材46との間に負極側絶縁部材156が位置せず且つラミネートフィルム外装体20の内面側樹脂層20aと負極側シール部材46とが溶着された負極側溶着部162と、ラミネートフィルム外装体20と負極側シール部材46との間に負極側絶縁部材156が位置し且つラミネートフィルム外装体20の内面側樹脂層20aと負極側シール部材46とが溶着されていない負極側非溶着部164とを含む。
なお、負極側非溶着部164において、負極側シール部材46とラミネートフィルム外装体20の内面側樹脂層20aとが溶着されていないとは、溶着されていない場合だけでなく、負極側溶着部162と比べて溶着性が劣る場合も含む。
上述のように、負極側絶縁部材156の端部156aは、前記延伸方向に直交する幅方向の中央部が、前記延伸方向に突出した凸状であるため、負極側重複領域Qの前記幅方向の両端部に、負極側溶着部162が形成される。よって、負極側重複領域Qにおける前記幅方向の両端部で、シール性の低下を抑制できる。
なお、特に説明しないが、正極側絶縁部材も、負極側絶縁部材156の構成と同様の構成を有していてもよい。
[実施形態2]
図10に、実施形態2に係るラミネート形電池の負極側絶縁部材256,257の概略構成を示す。この実施形態における負極側絶縁部材256,257は、負極接続端子42の延伸方向において、負極側シール部材46側の端部256a,257aの形状が実施形態1の構成とは異なる。以下で、実施形態1と同様の構成にはついては同一の符号を付して説明を省略する。
なお、図10では、説明のために、ラミネートフィルム外装体20の図示を省略するとともに、負極側シール部材46とラミネートフィルム外装体20の内面側樹脂層20aとの溶着部分である負極側溶着部262を斜線で示す。
図10に示すように、本実施形態では、負極接続端子42の一方側の面を覆う負極側絶縁部材256と、負極接続端子42の他方側の面を覆う負極側絶縁部材257とは、前記延伸方向における負極側シール部材46側の端部256a,257aの形状が異なる。
負極側絶縁部材256は、厚み方向から見て、負極接続端子42の延伸方向における負極側シール部材46側の端部256aのうち、前記延伸方向に直交する幅方向の一方の端部256bが、他方の端部256cよりも前記延伸方向に突出している。具体的には、負極側絶縁部材256の端部256aは、厚み方向から見て、先端が前記延伸方向に対して交差する方向に斜めに延びている。
負極側絶縁部材257は、厚み方向から見て、負極接続端子42の延伸方向における負極側シール部材46側の端部257aのうち、前記延伸方向に直交する幅方向の他方の端部257cが、一方の端部257bよりも前記延伸方向に突出している。具体的には、負極側絶縁部材257の端部257aは、厚み方向から見て、先端が前記延伸方向に対して交差する方向に斜めに延びている。
負極側絶縁部材256,257は、負極接続端子42における負極側シール部材46よりも負極12側を覆うとともに、負極側シール部材46の一部と厚み方向に重なるように配置されている。すなわち、負極側絶縁部材256,257の端部256a,257aは、負極側重複領域Qにおいて、負極側シール部材46とラミネートフィルム外装体20との間に位置する。
図10に示す例では、負極側絶縁部材256の端部256aにおいて、前記延伸方向に突出している前記幅方向の一方の端部256bが、負極側シール部材46の一部と厚み方向に重なっている。また、図10に示す例では、負極側絶縁部材257の端部257aにおいて、前記延伸方向に突出している前記幅方向の他方の端部257cが、負極側シール部材46の一部と厚み方向に重なっている。
また、負極側絶縁部材256及び負極側絶縁部材257は、厚み方向から見て、負極接続端子42に対し、前記延伸方向に直交する幅方向の中心線L2を中心として前記幅方向に反転して配置されている。
すなわち、負極接続端子42に対して前記厚み方向の一方側に位置する負極側絶縁部材256は、前記厚み方向から見て、前記延伸方向の端部256aにおける前記幅方向の一方の端部256bが、前記延伸方向の端部256aにおける前記幅方向の他方の端部256cよりも前記延伸方向に突出している。負極接続端子42に対して前記厚み方向の他方側に位置する負極側絶縁部材257は、前記厚み方向から見て、前記延伸方向の端部257aにおける前記幅方向の他方の端部257cが、前記延伸方向の端部257aにおける前記幅方向の一方の端部257bよりも前記延伸方向に突出している。
以上の構成により、負極側重複領域Qは、負極接続端子42に対して前記厚み方向の両側において、前記厚み方向から見て、前記延伸方向において負極側絶縁部材256,257の端部256a,257aを含む所定範囲Y3に、前記幅方向に沿って、ラミネートフィルム外装体20と負極側シール部材46との間に負極側絶縁部材256,257が位置せず且つラミネートフィルム外装体20の内面側樹脂層20aと負極側シール部材46とが溶着された負極側溶着部262と、ラミネートフィルム外装体20と負極側シール部材46との間に負極側絶縁部材256,257が位置し且つラミネートフィルム外装体20の内面側樹脂層20aと負極側シール部材46とが溶着されていない負極側非溶着部264とを含む。
なお、負極側非溶着部264において、負極側シール部材46とラミネートフィルム外装体20の内面側樹脂層20aとが溶着されていないとは、溶着されていない場合だけでなく、負極側溶着部262と比べて溶着性が劣る場合も含む。
したがって、負極側重複領域Qにおいて、負極接続端子42に対する厚み方向の一方側で、前記幅方向の他方の端部のシール性低下を防止できるとともに、負極接続端子42に対する厚み方向の他方側で、前記幅方向の一方の端部のシール性低下を防止できる。これにより、単純な形状を有する負極側絶縁部材256,257によって、負極側重複領域Qにおける前記幅方向の端部のシール性低下を抑制できる。
なお、本実施形態では、負極接続端子42における厚み方向の一方側の面を覆う負極側絶縁部材256と、負極接続端子42における厚み方向の他方側の面を覆う負極側絶縁部材256とは、厚み方向から見て、前記幅方向の中心線を中心として前記幅方向に反転して配置されている。しかしながら、負極接続端子の一方側の面を覆う負極側絶縁部材と、負極接続端子42の他方側の面を覆う負極側絶縁部材とを、厚み方向から見て、同じ形状になるように配置してもよい。
なお、特に説明しないが、正極側絶縁部材も、負極側絶縁部材256,257の構成と同様の構成を有していてもよい。
[実施形態3]
図11に、実施形態3に係るラミネート形電池の負極側絶縁部材356の概略構成を示す。この実施形態における負極側絶縁部材356は、負極接続端子42の延伸方向において、負極側シール部材46側の端部356aの形状が実施形態1の構成とは異なる。以下で、実施形態1と同様の構成にはついては同一の符号を付して説明を省略する。
なお、図11では、説明のために、ラミネートフィルム外装体20の図示を省略するとともに、負極側シール部材46とラミネートフィルム外装体20の内面側樹脂層20aとの溶着部分である負極側溶着部362を斜線で示す。
図11に示すように、負極側絶縁部材356は、厚み方向から見て、負極接続端子42の延伸方向における負極側シール部材46側の端部356aが、複数の曲線状の凹部及び凸部を有する波状である。具体的には、負極側絶縁部材356の端部356aは、厚み方向から見て、前記延伸方向に突出する複数の凸部を有する。また、負極側絶縁部材356の端部356aは、厚み方向から見て、前記延伸方向に直交する幅方向の中心線L2を中心として前記幅方向に対称の形状を有する。
負極側絶縁部材356は、負極接続端子42における負極側シール部材46よりも負極12側を覆うとともに、負極側シール部材46の一部と厚み方向に重なるように配置されている。すなわち、負極側絶縁部材356の端部356aは、負極側重複領域Qにおいて、負極側シール部材46とラミネートフィルム外装体20との間に位置する。より詳しくは、負極側絶縁部材356の端部356aのうち複数の凸部の少なくとも一部が、負極側シール部材46と厚み方向に重なっている。
これにより、負極側重複領域Qは、前記厚み方向から見て、前記延伸方向において負極側絶縁部材356の端部356aを含む所定範囲Y4に、前記幅方向に沿って、ラミネートフィルム外装体20と負極側シール部材46との間に負極側絶縁部材356が位置せず且つラミネートフィルム外装体20の内面側樹脂層20aと負極側シール部材46とが溶着された負極側溶着部362と、ラミネートフィルム外装体20と負極側シール部材46との間に負極側絶縁部材356が位置し且つラミネートフィルム外装体20の内面側樹脂層20aと負極側シール部材46とが溶着されていない負極側非溶着部364とを含む。
なお、負極側非溶着部364において、負極側シール部材46とラミネートフィルム外装体20の内面側樹脂層20aとが溶着されていないとは、溶着されていない場合だけでなく、負極側溶着部362と比べて溶着性が劣る場合も含む。
すなわち、負極側絶縁部材356は、前記厚み方向から見て、負極側重複領域Qの所定範囲Y4に、前記幅方向に沿って、負極側溶着部362及び負極側非溶着部364が交互に並んで位置するような形状を有する。
以上の構成により、負極側重複領域Qにおいて、負極側絶縁部材356の端部356aが位置する部分のシール性低下を抑制できる。すなわち、負極側重複領域Qにおいて端部356aを含む所定範囲Y4に、ラミネートフィルム外装体20と負極側シール部材46との間に負極側絶縁部材356が位置する部分と位置しない部分とを、前記幅方向に交互に設けることにより、負極側重複領域Qのシール性をある程度確保することができる。よって、負極側重複領域Qにおいて前記幅方向に負極側非溶着部のみが設けられている場合に比べて、負極側重複領域Qにおけるシール性の低下を抑制できる。
なお、本実施形態では、負極側絶縁部材356の端部356aは、厚み方向から見て、複数の曲線状の凹部及び凸部を有する波状である。しかしながら、図12に示すように、負極側絶縁部材456の端部456aは、複数の直線状の凹部及び凸部を有する凹凸状であってもよい。
また、本実施形態では、負極側絶縁部材356の端部356aは、厚み方向から見て、前記幅方向の中心線L2を中心として前記幅方向に対称の形状を有する。しかしながら、負極側絶縁部材の端部は、厚み方向から見て、前記幅方向に非対称の形状を有していてもよい。
なお、特に説明しないが、正極側絶縁部材も、負極側絶縁部材356の構成と同様の構成を有していてもよい。
[その他の実施形態]
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変形して実施することが可能である。
前記各実施形態では、一対のラミネートフィルム外装体20は、一方側に平面部1cを有し、他方側に膨出部1aを有する。しかしながら、一対のラミネートフィルム外装体は、電極体を収容可能であれば、両側に膨出部を有していてもよい。
前記各実施形態では、ラミネートフィルム外装体20は、内側の全面が内面側樹脂層20aで覆われている。しかしながら、ラミネートフィルム外装体は、溶着部が内面側樹脂層で覆われていれば、その他の部分は、金属箔をラミネート可能な材料であれば、どのような材料を用いてもよい。
前記各実施形態では、ラミネートフィルム外装体20は、アルミニウム製の金属箔を外面側樹脂層20b及び内面側樹脂層20aでラミネートした材料からなる。しかしながら、ラミネートフィルム外装体の金属箔は、アルミニウムに限らず、ステンレス等の他の金属材料によって形成されていてもよい。
前記各実施形態では、ラミネートフィルム外装体20の内面側樹脂層20aは、PPなどの樹脂材料によって構成されている。しかしながら、内面側樹脂層は、熱によって溶融するとともに冷却すると硬化し、且つ非水電解液で溶融しない材料であれば、どのような材料を用いてもよい。
前記各実施形態では、正極接続端子41の表面上に、正極側シール部材45が形成されている。しかしながら、正極側シール部材は、正極集電体露出部の一部または全面、もしくは、正極接続端子と正極集電体露出部との接合部分または正極集電体における前記接合部分とは反対側の面を覆うように形成されていてもよい。
前記各実施形態では、負極接続端子42の表面上に、負極側シール部材46が形成されている。しかしながら、負極側シール部材は、負極集電体露出部の一部または全面、もしくは、負極接続端子と負極集電体露出部との接合部分または負極集電体における前記接合部分とは反対側の面を覆うように形成されていてもよい。
前記各実施形態では、正極接続端子41及び負極接続端子42は、それぞれ、正極側絶縁部材55及び負極側絶縁部材56によって覆われている。しかしながら、正極接続端子は、正極側絶縁部材によって覆われていなくてもよいし、負極接続端子は、負極側絶縁部材によって覆われていなくてもよい。また、正極側絶縁部材及び負極側絶縁部材は、一体であってもよい。
前記実施形態1では、正極側絶縁部材55及び負極側絶縁部材56が、ラミネートフィルム外装体と正極側シール部材45及び負極側シール部材46との間に位置している。しかしながら、正極側絶縁部材及び負極側絶縁部材の少なくとも一方が、ラミネートフィルム外装体とシール部材との間に位置していてもよい。
前記各実施形態では、正極側シール部材45及び負極側シール部材46は、PPなどの樹脂材料によって構成されている。しかしながら、正極側シール部材は、ラミネートフィルム外装体及び正極側絶縁部材に溶着可能な材料であれば、どのような材料によって構成されていてもよい。また、負極側シール部材は、ラミネートフィルム外装体及び負極側絶縁部材に溶着可能な材料であれば、どのような材料によって構成されていてもよい。
前記各実施形態では、正極側絶縁部材55及び負極側絶縁部材56,156,256,356,456は、PPなどの樹脂材料からなるテープによって構成されている。しかしながら、正極側絶縁部材及び負極側絶縁部材は、正極接続端子及び負極接続端子に被着可能であれば、どのような材料によって構成されていてもよい。また、正極側絶縁部材及び負極側絶縁部材は、テープ以外によって構成されていてもよい。
また、正極側絶縁部材は、正極側シール部材の融点よりも低い融点を有する材料によって構成されていてもよい。さらに、正極側絶縁部材は、ラミネートフィルム外装体の樹脂層の融点よりも低い融点を有する材料によって構成されていてもよい。また、負極側絶縁部材は、負極側シール部材の融点よりも低い融点を有する材料によって構成されていてもよい。さらに、負極側絶縁部材は、ラミネートフィルム外装体の樹脂層の融点よりも低い融点を有する材料によって構成されていてもよい。
前記各実施形態では、正極側絶縁部材55は、正極接続端子41の延伸方向において、正極側シール部材45の所定範囲Xを覆っている。しかしながら、正極側絶縁部材は、前記所定範囲よりも広い範囲、または狭い範囲を覆うように構成されていてもよい。
前記各実施形態では、負極側絶縁部材56,156,256,356,456は、負極接続端子42の延伸方向において、負極側シール部材46の所定範囲Y1,Y2,Y3,Y4を覆っている。しかしながら、負極側絶縁部材は、前記所定範囲よりも広い範囲、または狭い範囲を覆うように構成されていてもよい。
前記各実施形態では、正極側絶縁部材55は、正極接続端子41の延伸方向に直交する幅方向において、正極側シール部材45よりも小さい幅寸法を有する。また、前記各実施形態では、負極側絶縁部材56,156,256,356,456は、負極接続端子42の延伸方向に直交する幅方向において、負極側シール部材46よりも小さい幅寸法を有する。しかしながら、正極側絶縁部材及び負極側絶縁部材の幅寸法は、それぞれ、溶着時の正極側絶縁部材及び負極側絶縁部材の熱抵抗によって正極側シール部材及び負極側シール部材の溶融が阻害されなければ、正極側シール部材及び負極側シール部材の幅寸法と同等からそれよりも大きくてもよい。
前記実施形態1、3では、正極接続端子41の両面を覆う正極側絶縁部材55の形状は同一である。しかしながら、正極接続端子の厚み方向の一方側を覆う正極側絶縁部材と前記厚み方向の他方側を覆う正極側絶縁部材とは、異なる形状であってもよい。
前記実施形態1、3では、負極接続端子42の両面を覆う負極側絶縁部材56の形状は同一である。しかしながら、負極接続端子の厚み方向の一方側を覆う負極側絶縁部材と前記厚み方向の他方側を覆う負極側絶縁部材とは、異なる形状であってもよい。
前記各実施形態では、正極接続端子41及び負極接続端子42は、電極体10の巻き始め側に接続されている。しかしながら、正極接続端子及び負極接続端子の少なくとも一方は、電極体の巻き始め側以外の部分に接続されていてもよい。
前記各実施形態では、電極体10は、それぞれ帯状の正極11、負極12及びセパレータ13を厚み方向に重ねた状態で巻回することにより得られる巻回電極体である。しかしながら、電極体は、それぞれシート状の正極、負極及びセパレータを厚み方向に重ねることによって得られる積層型の電極体であってもよい。
前記各実施形態では、ラミネート形電池1は、平面視で矩形状に形成されている。しかしながら、ラミネート形電池は、多角形状など、他の形状であってもよい。
前記各実施形態では、ラミネート形電池1はリチウムイオン電池である。しかしながら、ラミネート形電池1はリチウムイオン電池以外の電池であってもよい。また、ラミネート形電池だけではなく、キャパシタなども含む電気化学素子に前記実施形態の構成を適用してもよい。すなわち、蓄電または発電可能であり、電極体に接続された接続端子がラミネートフィルム外装体から外方に延出している電気化学素子に、前記実施形態の構成を適用することができる。