JP2023084066A - 二次電池 - Google Patents

二次電池 Download PDF

Info

Publication number
JP2023084066A
JP2023084066A JP2022051954A JP2022051954A JP2023084066A JP 2023084066 A JP2023084066 A JP 2023084066A JP 2022051954 A JP2022051954 A JP 2022051954A JP 2022051954 A JP2022051954 A JP 2022051954A JP 2023084066 A JP2023084066 A JP 2023084066A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
secondary battery
terminal
lid terminal
lid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022051954A
Other languages
English (en)
Inventor
貞雄 藤崎
Sadao Fujisaki
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to KR1020220152046A priority Critical patent/KR20230085070A/ko
Priority to US17/987,396 priority patent/US20230178862A1/en
Priority to EP22208554.0A priority patent/EP4191759A1/en
Priority to CN202211540152.1A priority patent/CN116315330A/zh
Publication of JP2023084066A publication Critical patent/JP2023084066A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Sealing Battery Cases Or Jackets (AREA)
  • Connection Of Batteries Or Terminals (AREA)

Abstract

【課題】構造効率を向上することができる二次電池を提供する。【解決手段】発電要素と、発電要素を内部に収容する外装部とを備え、外装部は対向する2面に開口部を有する筒状部と、それぞれの開口部に配置される蓋端子と、筒状部と蓋端子との間に配置される樹脂とを有し、筒状部と蓋端子とが樹脂で一体化されており、発電要素の集電体と蓋端子とが電気的に接続されている、二次電池である。【選択図】図2

Description

本願は二次電池に関する。
リチウムイオン二次電池等の電池は、パソコンや携帯端末のポータブル電源や車両駆動用電源として広く用いられている。電池の一例として、ラミネート型電池が知られている。ラミネート型電池は、フィルム状のラミネートシートを重ね合わせて形成されたラミネート外装体の内部に発電要素を封止した構造を有している。また、ラミネート型電池は発電要素に電気的に接合される端子が、ラミネート外装体の内部から外方に突出された状態で、対向配置されたラミネート外装体の縁部同士が溶着されて形成されたシール領域を有している。これにより、発電要素がラミネート外装体の内部に封止される。また、ラミネート型電池は、発電要素の外側に、ラミネートシートが重ね合わされて溶着されて形成されたシール領域を備えている。
従来から、電池構造の小型化が検討されている。例えば、特許文献1は、ラミネート型電池において、その端部に設けられたシール領域を折り曲げて小型化する技術を開示している。特許文献2は、蓋を使用したラミネート型電池において、その端部に設けられたシール領域を折り曲げて小型化する技術を開示している。特許文献3はリチウムポリマー二次電池において、電極組立体の外部を囲む外装材と、外装材を密封する第1及び第2のカバーを含む構造が開示されている。
特開2020-173900号公報 特開平2-37661号公報 特開2011-108623号公報
特許文献1~3の技術によりラミネート型電池の小型化が可能であるが、さらなる二次電池の構造効率化が望まれていた。
ラミネート型電池は、例えば電極端子を挟むシール領域の幅(シール幅)を短くすることで小型化を実現できるが、通常、シール幅は3mmを超える長さに設定する必要がある。これは以下の理由による。(1)シール幅が短いと、適切に熱溶着することができず、シール不良となる場合がある。(2)ラミネート外装体は剛性が高くないため、シール幅が短いと、外部からの衝撃によりシール領域の接着が剥がれ、接着面が保持できない場合がある。また、蓋を有するラミネート型電池は、外部からの衝撃により蓋が傾いたときに、シール幅が短いとその傾きを元に戻す修正力が弱くなるため、接着面を適切に保てない場合がある。(3)熱溶着時において、端子又は蓋の外周面がラミネート外装体の接着面に対し平行でない場合、シール幅が短いとその傾きを元に戻す修正力が弱くなるため、適切に熱溶着をすることができずシール不良になる確率がより高まる。(4)熱溶着時において、シール幅が短いと、熱溶着ヘッドによりシール領域に適用される面積当たりの圧力が大きくなり、ラミネート外装体内部の金属層が絶縁層を越えて端子に食い込む虞がある。金属層が端子に食い込むと、短絡を引き起こすため望ましくない。以上の理由から、シール幅を短くし、ラミネート型電池を小型化することは困難であった。
そこで、本開示の目的は構造効率を向上することができる二次電池を提供することである。
本開示は、上記課題を解決するための一つの態様として、発電要素と、発電要素を内部に収容する外装部とを備え、外装部は対向する2面に開口部を有する筒状部と、それぞれの開口部に配置される蓋端子と、筒状部と蓋端子との間に配置される樹脂とを有し、筒状部と蓋端子とが樹脂で一体化されており、発電要素の集電体と蓋端子とが電気的に接続されている、二次電池を提供する。
上記二次電池は次の態様であってもよい。すなわち、蓋端子の幅又は厚さは発電要素の幅又は厚さ以下でもよい。集電体は湾曲した状態で蓋端子に電気的に接続していてもよい。発電要素は少なくとも1つの集電体を有し、蓋端子の内側の面は少なくとも1つのスリット部を有し、スリット部に集電体が配置されることにより、集電体と蓋端子とが電気的に接続されていてもよい。発電要素と蓋端子との間に絶縁シートが配置されていてもよい。蓋端子は外側に突出する凸部を有しており、凸部の外周面の少なくとも一部に樹脂が配置されていてもよい。蓋端子は、該蓋端子の内側の面の端部から内側に突出する突出部を有していてもよい。外装部はその内部に充填された第2の樹脂を有し、筒状部と、蓋端子と、発電要素とが第2の樹脂で一体化されていてもよい。
上記二次電池の筒状部は次の態様であってもよい。すなわち、筒状部は筒状の金属体又は筒状に成形してなる金属ラミネートフィルムであってもよい。また、筒状部は2枚の金属板及び第3の樹脂から構成されており、金属板は底面と底面の端部から同じ方向に突出した突出部を有しており、金属板は逆さまに重ね合わさっており、筒状部の対向するそれぞれの側面において、突出部が重ね合わさっており、第3の樹脂は筒状部のそれぞれの側面を覆うように配置されており、重なっている金属板の端部は第3の樹脂で一体化されていてもよい。さらに、筒状部は1枚の金属板及び第3の樹脂から構成されており、金属板は筒状に成形されており、筒状部の一方の側面において、金属板の端部が重ね合わさっており、第3の樹脂は端部が重ね合わさっている側面を覆うように配置されており、重なっている金属板の端部は第3の樹脂で一体化されていてもよい。
本開示の二次電池によれば、構造効率を向上することができる。
二次電池100の斜視図である。 図1のII-IIで切断した長さ方向断面図である。 (a)に筒状部21の平面図である。(b)筒状部21の幅方向断面図である。(c)幅方向から見た筒状部21の側面図である。 (a)厚さ方向の面のそれぞれの端部に突出部21bが設けられた筒状部21の開口部21a付近の断面図である。(b)内部側に折り曲がった突出部21bが設けられた筒状部21の開口部21a付近の断面図である。 (a)蓋端子22の斜視図である。(b)(a)のbの方向から観察した蓋端子22の正面図である。(c)(a)のcの方向から観察した蓋端子22の側面図である。 凸部22dを有さない蓋端子122の一例である。 (a)面22eの厚さ方向の両端部に突出部22hが配置された蓋端子222の側面図である。(b)は蓋端子222の使用例である。 従来のラミネート型電池(a)と二次電池100(b)との長さ方向断面図を比較した図である。 従来のラミネート型電池(a)と二次電池100(b)との平面図を比較した図である。 外装部20の内部全体に第2の樹脂24が充填されている二次電池101の長さ方向断面図である。 発電要素10が樹脂フィルム12に包まれている二次電池102の長さ方向断面図である。 樹脂フィルム12に包まれた発電要素10の平面図である。 (a)に筒状部121の平面図である。(b)筒状部121の幅方向断面図である。 (a)筒状部221の平面図である。(b)筒状部221の幅方向断面図である。 筒状部221を用いた二次電池の1つの冷却態様を示した図である。 二次電池103の斜視図である。 (a)図16のXVIIa-XVIIaで切断した長さ方向断面図である。(b)図16のXVIIb-XVIIbで切断した長さ方向断面図である。(c)図16のXVIIc-XVIIcで切断した長さ方向断面図である。 (a)に蓋端子322の斜視図である。(b)(a)のbの方向から観察した蓋端子322の正面図である。(c)(a)のcの方向から観察した蓋端子22の背面図である。 側面から集電体311を挿入するためのスリット部を備えた蓋端子の正面図及び平面図である。(a)凸部を2つ有する蓋端子の一例である。(b)凸部を1つ有する蓋端子の一例である。 1つのスリット部322jに2つの集電体311が配置された形態の一例である。 (a)発電要素10と蓋端子322との間に絶縁シート325が配置された形態の一例である。(b)1つのスリット部322jに2つの集電体311を配置する場合の絶縁シート325の配置形態の一例である。(c)1つのスリット部322jに2つの集電体311を配置する場合であって、絶縁シート325のスリット325aの開口部325aが厚さ方向に広い形状を有する場合の絶縁シート325の配置形態の一例である。 発電要素310の厚さ方向の面と筒状部321の厚さ方向の内面との間に絶縁シート325が配置された形態の一例である。 従来のラミネート型電池(a)と二次電池100(b)と、二次電池103(c)の長さ方向断面図を比較した図である。 樹脂内部の水蒸気拡散を説明する図である。 (a)発電要素310の厚さ方向の面と外装部の厚さ方向の内面との間に第2の樹脂324が配置された形態の一例である。(b)さらに蓋端子322と発電要素310との間に絶縁シート325を配置した形態の一例である。
本開示の二次電池について、一実施形態である二次電池100~103を用いて説明する。図1に二次電池100の斜視図を示した。図2に図1のII-IIで切断した長さ方向断面図を示した。ここで、図1、図2において、二次電池100の長さ方向をxで表し、二次電池100の幅方向をyで表し、二次電池100の厚さ方向をzで表している。これらの方向はそれぞれ直交する関係にある。
二次電池100は発電要素10と発電要素10を内部に収容する外装部20とを備えている。外装部20は対向する2面に開口部21aを有する筒状部21と、それぞれの開口部21aに配置される蓋端子22(正極蓋端子22a及び負極蓋端子22b)と、筒状部21と蓋端子22との間に配置される樹脂23(以下、「第1の樹脂23」ということがある。)とを有しており、筒状部21と蓋端子22とが樹脂23で一体化されている。また、発電要素10が有する集電体11(正極集電体11a及び負極集電体11b)は蓋端子22に電気的に接続されている。
<発電要素10>
発電要素10は正極集電体11a、正極活物質層、電解質層、負極活物質層、負極集電体11b(以下、これらをまとめて「電極要素」ということがある。)を積層している。電極要素は厚み方向に積層される。積層されるそれぞれの電極要素の数は特に限定されない。図2の発電要素10はこれらの電極要素が複数積層された形態である。また、これらの電極要素は電気的に直列となるように積層されていてもよく、電気的に並列となるように積層されていてもよい。
図2の発電要素10はシート状の形状を有しており、平面視において矩形の形状である。ただし、発電要素10は外装部20の内部に収容可能な形状を有していれば特に限定されない。また、図2に示した通り、発電要素10の各集電体11は集電体タブを介して各蓋端子22に電気的に接続されている。具体的には、正極集電体11aは正極集電体タブを介して正極蓋端子22aに電気的に接続されている。負極集電体11bは負極集電体タブを介して負極蓋端子22bに電気的に接続されている。ただし、各集電体11は集電体タブを介さずに蓋端子22と電気的に接続されていてもよい。
上述の通り、発電要素10は、電極要素が積層されている電極積層体と該電極積層体から延びる集電体タブとを有する。本明細書において、発電要素10と記載した場合、電極積層体及び集電体タブを含む発電要素10全体を意味することもあれば、電極積層体のみを意味することもある。発電要素10が電極積層体のみを意味する場合、「発電要素10(電極積層体)」と記載することがある。また、本明細書において、集電体タブ(正極集電体タブ、負極集電体タブ)について、集電体11(正極集電体11a、負極集電体11b)と記載して説明することがある。
発電要素10は筒状部21との接触による短絡を抑制するために、所定の絶縁処理が施されていてもよい。例えば、発電要素10は絶縁フィルムで包まれていてもよく、発電要素10と筒状部21との間に絶縁シートが配置されていてもよく、発電要素10又は筒状部21の内面に絶縁テープが貼合されていてもよい。このように、発電要素10の外周部に所定の絶縁層を配置する絶縁処理を行ってもよい。
厚さ方向において、発電要素10と筒状部21とは、これらのいずれかに絶縁処理がされていれば、接触していてもよい。この場合、蓋端子22の厚さは、発電要素10の厚さよりも筒状部21と蓋端子22との間に充填される第1の樹脂23の厚さ分だけ薄くしてもよい。具体的には、発電要素10の厚さは蓋端子22の厚さ以上としてよく、蓋端子22の厚さより大きくしてよい。さらに、発電要素10の厚さ方向の両面は筒状部21の内面に接触していてもよい。言い換えると、発電要素10の厚さは、筒状部21の厚さ>筒状部21の内面の厚さ≧発電要素10の厚さ≧蓋端子の厚さを満たしていてもよい。これにより、余分な空間を削除することができ、二次電池100の構造効率をより向上することができる。
同様に、幅方向において、発電要素10と筒状部21とは、これらのいずれかに絶縁処理がされていれば、接触していてもよい。この場合、蓋端子22の幅は、発電要素10の幅よりも筒状部21と蓋端子22との間に充填される第1の樹脂23の厚さ分だけ薄くしてもよい。具体的には、発電要素10の幅は蓋端子22の幅以上としてよく、蓋端子22の幅より大きくしてよい。さらに、発電要素10の幅方向の両面は筒状部21の内面に接触していてもよい。言い換えると、発電要素10の幅は、筒状部21の幅>筒状部21の内面の幅≧発電要素10の幅≧蓋端子の幅を満たしていてもよい。これにより、余分な空間を削除することができ、二次電池100の構造効率をより向上することができる。
発電要素10は固体電池であってもよく、液系電池であってもよい。好ましくは固体電池である。また、発電要素10の種類は特に限定されず、何れの二次電池にも適用可能である。例えば、リチウムイオン二次電池用の発電要素であってもよく、ナトリウムイオン二次電池用の発電要素であってもよい。以下では、リチウムイオン二次電池の発電要素の材料について説明する。
(正極集電体11a、負極集電体11b)
正極集電体11a及び負極集電体11bはシート状の金属箔である。正極集電体11a及び負極集電体11bを構成する金属は特に限定されないが、例えばCu、Ni、Cr、Au、Pt、Ag、Al、Fe、Ti、Zn、Co、ステンレス鋼等が挙げられる。正極集電体11aを構成する金属としてはAlが好ましい。負極集電体11bを構成する材料としてはCuが好ましい。また、正極集電体11a及び負極集電体11bはそれぞれ集電体タブを有していてもよい。各集電体タブは各集電体と同様の材料から構成されていてよい。
正極集電体11a及び負極集電体11bは、その表面に抵抗を調整するための何らかのコート層(例えば、カーボンコート層)を有していてもよい。正極集電体11a及び負極集電体11bの厚さは、例えば0.1μm以上1mm以下としてよい。
(正極活物質層)
正極活物質層は、正極活物質を含むシート状の層である。正極活物質はリチウムイオン二次電池に用いることができる正極活物質であれば特に限定されない。例えば、コバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム、マンガン酸リチウム、ニッケルコバルトマンガン酸リチウム、スピネル系リチウム化合物等の各種のリチウム含有複合酸化物が挙げられる。
正極活物質層は任意に導電助剤やバインダを含んでいてもよい。バインダはリチウムイオン二次電池に用いることができるバインダであれば特に限定されない。例えば、ブタジエンゴム(BR)、ブチレンゴム(IIR)、アクリレートブタジエンゴム(ABR)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)等が挙げられる。導電助剤はリチウムイオン二次電池に用いることができる導電助剤であれば特に限定されない。例えば、アセチレンブラックやケッチェンブラック等の炭素材料やニッケル、アルミニウム、ステンレス鋼等の金属材料が挙げられる。
二次電池100が全固体電池である場合、正極活物質層は任意に固体電解質を含んでもよい。固体電解質はリチウムイオン二次電池に用いることができる固体電解質であれば特に限定されない。例えば、有機ポリマー電解質であってもよく、無機固体電解質であってもよい。好ましくは無機固体電解質である。有機ポリマー電解質と比較してイオン伝導度が高く、耐熱性に優れるためである。無機固体電解質は、酸化物固体電解質であってもよく、硫化物固体電解質であってもよい。好ましくは硫化物固体電解質である。酸化物固体電解質としては、例えばランタンジルコン酸リチウム、LiPON、Li1+XAlXGe2-X(PO、Li-SiO系ガラス、Li-Al-S-O系ガラス等が挙げられる。硫化物固体電解質としては、例えばLiS-P、LiS-SiS、LiI-LiS-SiS、LiI-SiS-P、LiS-P-LiI-LiBr、LiI-LiS-P、LiI-LiS-P、LiI-LiPO-P、LiS-P-GeS等が挙げられる。
正極活物質層における各成分の含有量は目的に応じて適宜設定すればよい。また、正極活物質の表面はニオブ酸リチウム層やチタン酸リチウム層、リン酸リチウム層等の酸化物層で被覆されていてもよい。正極活物質層の厚みは、例えば0.1μm以上1mm以下としてよい。
(負極活物質層)
負極活物質層は、負極活物質を含むシート状の層である。負極活物質はリチウムイオン二次電池に用いることができる負極活物質であれば特に限定されない。例えば、Si及びSi合金や、酸化ケイ素等のシリコン系活物質、グラファイトやハードカーボン等の炭素系活物質、チタン酸リチウム等の各種酸化物系活物質、金属リチウム及びリチウム合金等が挙げられる。
負極活物質層は任意に導電助剤やバインダを含んでもよい。導電助剤及びバインダは、正極活物質層に用いることができる導電助剤及びバインダから適宜選択することができる。また、二次電池100が全固体電池である場合、負極活物質層は任意に固体電解質を含んでもよい。固体電解質は正極活物質層に用いることができる固体電解質から適宜選択することができる。
負極活物質層における各成分の含有量は目的に応じて適宜設定すればよい。負極活物質層の厚みは、例えば0.1μm以上1mm以下としてよい。
(電解質層)
二次電池100が全固体電池である場合、電解質層はシート状の固体電解質層である。固体電解質層は固体電解質を含む。固体電解質は正極活物質層に用いることができる固体電解質から適宜選択することができる。また、固体電解質層は任意にバインダを含んでもよい。バインダは、正極活物質層に用いることができるバインダから適宜選択することができる。固体電解質層における各成分の含有量は目的に応じて適宜設定すればよい。固体電解質層の厚みは、例えば0.1μm以上1mm以下としてよい。
二次電池100が液系電池である場合、電解質層は電解液とセパレータとを含む。電解液及びセパレータはリチウムイオン二次電池に用いることができる電解液及びセパレータであれば特に限定されない。セパレータは、例えばポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン製の多孔性シート(フィルム)が挙げられる。セパレータの厚みは、例えば0.1μm以上1mm以下としてよい。電解液は通常、非水系溶媒及び支持塩を含有する。非水系溶媒は、例えばカーボネート類、エーテル類、エステル類、ニトリル類、スルホン類、ラクトン類等が挙げられる。支持塩は、例えばLiPF、LiBF、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)、リチウムビス(トリフルオロメタン)スルホンイミド(LiTFSI)等が挙げられる。電解液中の支持塩の濃度は特に限定されないが、例えば0.5mol/L以上5mol/L以下としてよい。また、電解液はガス発生剤や被膜形成剤、分散剤、増粘剤等の任意の成分を添加してもよい。
<外装部20>
外装部20は対向する2面に開口部21aを有する筒状部21と、それぞれの開口部21aに配置される蓋端子22(正極蓋端子22a及び負極蓋端子22b)と、筒状部21と蓋端子22との間に配置される第1の樹脂23とを有しており、筒状部21と蓋端子22とが第1の樹脂23で一体化されている。
(筒状部21)
筒状部21は対向する2面に開口部21aを有する中空形状を有している。開口部21aは筒状部21の長さ方向の両側の面にそれぞれ設けられている。筒状部21の幅方向断面の形状は矩形である。ただし、筒状部の断面形状はこれに限定されない。図3の(a)に筒状部21の平面図、(b)に筒状部21の幅方向断面図、(c)に幅方向から見た筒状部21の側面図を示した。
筒状部21は、発電要素の劣化を防止する観点から、高い水蒸気バリア性を有する金属から構成されている。高い水蒸気バリア性有する金属とは、例えば水蒸気透過度が1.0×10-4g/m・24h未満の金属である。水蒸気透過度が低いほど水蒸気バリア性が高いことを示す。このような金属としては、例えばアルミニウム、ステンレス、SUS及びジェラルミン等が挙げられる。軽量性や加工性の観点から、筒状部21の材料としてアルミニウムを採用してよい。また、アルミニウムは安価であることも利点である。
水蒸気透過度はJIS Z 0208に準じたカップ法や、JIS K 7129に準じたガスクロマトグラフ法を用いて測定することができる。
ここで、筒状部21は発電要素10との接触による短絡を抑制する観点から、所定の絶縁処理が施されていてもよい。例えば、発電要素10と筒状部21と間に絶縁シート等の絶縁性材料を配置してもよい。発電要素10の厚さ方向の面と筒状部21との間にそれぞれ絶縁性材料を配置してもよい。また、発電要素10の幅方向の面と筒状部21との間にそれぞれ絶縁性材料を配置してもよい。これにより、発電要素10と筒状部21とが電気的に接続されることを抑制し、二次電池100の短絡を抑制することができる。また、少なくとも筒状部21の内側の面を絶縁性樹脂で覆った金属ラミネートフィルム(例えば、アルミラミネートフィルム)を用いてもよい。これにより、絶縁性材料の配置を要することなく、発電要素10と筒状部21とが電気的に接続されることを抑制し、二次電池100の短絡を抑制することができる。金属ラミネートフィルムとは金属層の表面に樹脂(例えば、ポリプロピレン、ナイロン、PET等)を配置した多層体である。このように、筒状部21の内周部に所定の絶縁層を配置する絶縁処理を行ってもよい。
ただし、一般的な金属ラミネートフィルムの金属層の厚さは通常0.04mm程度であり、比較的薄いため強度が低い問題がある。そのため、筒状部21は、例えば厚さが0.05mm以上0.2mm以下の金属から構成されていることが好ましく、0.1mm以上0.2mm以下の金属から構成されていることがより好ましい。また、筒状部21として、上記範囲の厚さを有する金属層を含む金属ラミネートフィルムを用いてもよい。なお、金属ラミネートフィルムを筒状部21に用いる場合、金属ラミネートフィルムは筒状に成形されているものを用いる。
筒状部21は長さ方向の端部に突出部21bを備えていてもよい。詳しくは、筒状部21は長さ方向の端部において、厚さ方向の面及び幅方向の面のうち少なくとも1つに突出部21bを設けてもよい。突出部21bを設けることにより、第1の樹脂23との接着面積を確保し、接着力を向上する役割を有する。突出部21bは、蓋端子22の基材層22cよりも外側に突出している部分を指す。
図4(a)に厚さ方向の面のそれぞれの端部に突出部21bが設けられた筒状部21の開口部21a付近の断面図を示した。また、図4(b)に内部側に折り曲がった突出部21bが設けられた筒状部21の開口部21a付近の断面図を示した。
図4(a)に示した筒状部21は、厚さ方向の面のそれぞれの端部に突出部21bが設けられている。すなわち、筒状部21の幅方向の面の端部よりも厚さ方向の面の端部が突出した構造を有している。図4(a)に示した通り、筒状部21は突出部21bを有することにより、第1の樹脂23との接着面積を増加することができ、接着力を向上することができる。言い換えると、第1の樹脂23の剥がれを抑制することができる。第1の樹脂23が剥がれると、水蒸気バリア性が確保できなくなるため、望ましくない。また、図4(b)に示した通り、突出部21bは筒状部21の内部側に折り曲がった形状を有していてもよい。これにより、蓋端子22の位置決めが容易になる。この場合、2つの突出部21から形成される開口が開口部21aとなる。
突出部21bと筒状部21の面(突出部21bを有する面)との角度は特に限定されず、0°~180°の何れの角度も取り得る。好ましくは15°~135°である。突出部21bの長さは特に限定されないが、例えば0.5mm~2mmの範囲である。ただし、蓋端子22の開口部21a側の面22fを越えないように調整する。
(蓋端子22)
蓋端子22(正極蓋端子22a及び負極蓋端子22b)は筒状部21のそれぞれの開口部21aに配置され、筒状部21の蓋として機能する。また、蓋端子22は電池100の電極端子としても機能する。このように、蓋端子22は蓋と電極端子という2つの機能を有することを特徴としている。図5の(a)に蓋端子22の斜視図、(b)に(a)のbの方向から観察した蓋端子22の正面図、(c)に(a)のcの方向から観察した蓋端子22の側面図を示した。
蓋端子22は基材層22cと、該基材層22cから外側に突出する凸部22dとを有している。基材層22cは矩形の外周形状を有しており、その内側に各集電体11と接続可能な面22eを有している。凸部22dは基材層22cよりも一回り小さい矩形形状を有しており、凸部22dはその外側に外部の電源や電力負荷と電気的に接続するための面22fを有している。また、蓋端子22は基材層22cと凸部22dとの接続部分に所定の段差部22gを有している。段差部22gとは、凸部22dの外周部と基材層22cの外側の面との組み合わせである。ただし、基材層22cの外周形状は特に限定されず、筒状部21の幅方向断面形状に沿った形状を有していればよい。凸部22dの外周形状も特に限定されない。また、蓋端子22は凸部22dを有していなくてもよい。この場合、基材層22cの外側の面が外部の電源や電力負荷と電気的に接続される。図6に凸部22dを有さない蓋端子122の一例を示した。このような形態も本開示の二次電池に含まれる。さらに、蓋端子22は凸部22dを複数有していてもよい。この形態については後述する。
蓋端子22は電極端子として機能するため、電気伝導性を有する材料から構成される。また、蓋端子22は筒状部21の蓋として機能するため、発電要素10の劣化を防止する観点から、高い水蒸気バリア性を有する材料から構成される。高い水蒸気バリア性有する材料とは、例えば水蒸気透過度が1.0×10-4g/m・24h未満の材料である。これらの条件を満たす蓋端子22の材料は、例えば金属である。蓋端子22に用いることができる金属は特に限定されないが、例えばCu、Ni、Cr、Au、Pt、Ag、Al、Fe、Ti、Zn、Co、ステンレス鋼等が挙げられる。蓋端子22を構成する金属は集電体11を構成する金属と同じであってもよく、異なっていてもよい。正極蓋端子22aを構成する金属としてはAlが好ましい。負極蓋端子22bを構成する材料としてはCuが好ましい。また、蓋端子22は電気的な接続に使用される部分以外の部分を金属以外の材料から構成されていてもよい。例えば、電気的な接続に使用されない部分の材料にアルミフィルム一体化樹脂や公知の樹脂を用いてもよい。
ここで、蓋端子22と発電要素10及び筒状部21との接触による短絡を抑制する観点から、所定の絶縁処理を行ってもよい。例えば、蓋端子22は発電要素10との接触による短絡を抑制する観点から、蓋端子22と発電要素10(電極積層体)との間に絶縁シート等の絶縁性材料を配置してもよい。これにより、電要素10と蓋端子22とが電気的に接続されることを抑制し、二次電池100の短絡を抑制することができる。
また、蓋端子22と筒状部21との接触による短絡を抑制する観点から、少なくとも筒状部21の内側の面を絶縁性樹脂で覆った金属ラミネートフィルムを用いてもよい。これにより、蓋端子22に絶縁性材料の配置を要することなく、蓋端子22と筒状部21とが電気的に接続されることを抑制し、二次電池100の短絡を抑制することができる。また、筒状部21との接触による短絡を抑制するために、蓋端子22の外周部(基材層22cの外周部及び段差部22g)を絶縁フィルムで包んでもよく、蓋端子22の外周部に絶縁テープを貼ってもよく、絶縁表面処理を施してもよい。このように、蓋端子22の外周部に所定の絶縁層を配置する絶縁処理を行ってもよい。また、蓋端子22のうち、面22e及び面22f以外の部分に所定の絶縁層を配置する絶縁処理を行ってもよい。
蓋端子22の基材層22cの長さL1は特に限定されず、第1の樹脂23で筒状部21と蓋端子22とを一体化したとき、十分な水蒸気バリア性を発揮できればよい。例えば0.2mm以上としてよく、0.5mm以上としてもよく、3mm以下としてよく、2mm以下としてよい。蓋端子22の凸部22dの長さL2は特に限定されないが、図2に示した通り、凸部22dの外周部に第1の樹脂23を配置して、筒状部21と蓋端子22とを第1の樹脂23で一体化したとき、十分な水蒸気バリア性を発揮できればよい。例えば、0.5mm以上としてもよく、1mm以上としてもよく、3mm以下としてもよく、2mm以下としてもよい。
従来のラミネート型電池において、電極端子は外側に突出するように配置される。電極端子は通常薄い金属であるため、外部の部材との接続は電極端子の厚さ方向に配置されている面が使用される。一方で、蓋端子22は長さ方向に配置されている面22fが外部の部材との接続に使用される。ある意味では、蓋端子22の面22fは、従来の電極端子の方向を90°変更した端子ということができる。このように、蓋端子22は長さ方向に配置されている面22fを有することにより、外部の部材との接続が容易になる。
蓋端子22は発電要素10の集電体11と電気的に接続されるが、これらの接続方法は特に限定されるものではない。例えば、プレスによる圧着接合、レーザー接合、超音波接合及び導電材を用いた接合等の公知の接合方法により蓋端子22の面22eと集電体11とを接合してもよい。また、図2に示した通り、集電体11は1つの方向に湾曲した状態で蓋端子22に電気的に接続されていてもよい。このように、集電体11が湾曲した状態で蓋端子22に電気的に接続されることにより、構造効率を向上することができる。これについては、下記で詳しく説明する。また、集電体11が湾曲した状態である場合、集電体11は湾曲を開放する方向に力が働く。そのため、集電体11の湾曲を開放する方向に蓋端子22を配置することにより、集電体11が蓋端子に押し付けられ、集電体11と蓋端子22との接続を強固にすることができる。
また、蓋端子22は基材層22cの内側の面22eの端部から内側に突出する突出部22hを有していてもよい。突出部22hは面22eの少なくとも1つの端部(厚さ方向及び/又は幅方向)に配置されてもよく、複数の端部に配置されていてもよい。好ましくは、突出部22hが面22eの対向する端部にそれぞれ配置されることであり、より好ましくは突出部22hが面22eの厚さ方向及び幅方向のそれぞれの端部に配置されることであり、さらに好ましくは突出部22hが面22eの外周全体に配置されることである。図7に、面22eの厚さ方向の両端部に突出部22hが配置された蓋端子222の一例を示した。図7の(a)は蓋端子222の側面図であり、(b)は蓋端子222の使用例である。このように、蓋端子222が突出部22hを有することにより、第1の樹脂23との接触面積を増加させ、筒状部21との接着性を向上することができる。また、蓋端子222は面22e及び突出部22hに囲まれた空間を有効に利用できるため、電池100の構造効率を向上することが可能である。突出部22hの長さL3は特に限定されないが、例えば0.5mm以上としてもよく、1mm以上としてもよく、3mm以下としてもよく、2mm以下としてもよい。
図2では、蓋端子22は筒状部21の開口部21aの内部に配置される内蓋端子として使用しているが、本開示の蓋端子はこれに限定されず、筒状部21の開口部21aを覆うようにその外側に配置される外蓋端子としてもよい。構造効率を向上する観点から、蓋端子22は内蓋端子としてよい。
蓋端子22の幅又は厚さは発電要素10の幅又は厚さ以下でよい。蓋端子22の幅又は厚さとは、蓋端子22の幅又は厚さの最大値であり、典型的には蓋端子22の基材層22cの幅又は厚さである。
まず、蓋端子22の幅について説明する。蓋端子22の幅は発電要素10の幅以下としてよい。これは、言い換えると、発電要素10の幅を蓋端子22の幅以上とすることである。これにより、余分な空間を削除することができ、より構造効率を向上することができる。同様に、蓋端子22の厚さは発電要素10の厚さ以下としてよい。これは、言い換えると、発電要素10の厚さを蓋端子22の厚さ以上とすることである。これにより、余分な空間を削除することができ、より構造効率を向上することができる。発電要素10、蓋端子22、及び筒状部21の幅及び厚さの詳しい関係については上述した通りである。
(第1の樹脂23)
第1の樹脂23は筒状部21と蓋端子22との間に配置されており、筒状部21と蓋端子22とを一体化する。このように筒状部21と内蓋端子22とが第1の樹脂23で一体化されていることにより、二次電池100は十分な水蒸気バリア性を確保することができる。また、第1の樹脂23は、蓋端子22と外部部材との接続時において、絶縁部材として使用してもよい。
図2に示した通り、第1の樹脂23は筒状部21と蓋端子22との間に存在する隙間を埋めている。「筒状部21と蓋端子22との間に存在する隙間」とは、筒状部21の内側の面と蓋端子22の外周部との間に存在する隙間である。このような隙間を形成するために、蓋端子22は筒状部21の外形形状よりも一回り小型に作製してもよい。例えば、隙間は0.01mm~3mmとしてよく、0.05mm~0.5mmの範囲に設定してよい。上述のように第1の樹脂23が上記の隙間に配置されることにより、筒状部21と蓋端子22とは第1の樹脂23で一体化される。ここで、第1の樹脂23は筒状部21と蓋端子22との間に存在する隙間うち少なくとも一部を埋めていればよいが、水蒸気バリア性を確保する観点から、図2のように隙間全体を埋めることが好ましい。ただし、後述するように、筒状部21の内部に第2の樹脂24を充填する場合、筒状部21と蓋端子22とから形成される隙間に第1の樹脂23に加えて第2の樹脂24が配置されていてもよい。
また、蓋端子22が凸部22dを有する場合、第1の樹脂23は筒状部21と蓋端子22との間に加えて、凸部22dの外周面の少なくとも一部に配置されていてもよい。図2に示した通り、凸部22dの外周面全体に第1の樹脂23を配置し、基材層22cと凸部22dとから形成される段差部22gを第1の樹脂23で埋めることである。すなわち、段差部22gを埋めるように第1の樹脂23が配置されていてもよい。このとき、第1の樹脂23の開口部21a側の面は蓋端子22の面22fと平坦になるように配置されていてもよい。このように、第1の樹脂23で材層22cと凸部22dとから形成される段差部22gを埋めることにより、水蒸気バリア性を高めることができる。
このように外装部20は、外部から内部に水蒸気が侵入する経路(隙間)を第1の樹脂23で埋めているため、外装部20の内部への水蒸気の侵入を十分に抑制することができる。これは、言い換えると、外装部20は筒状部21と蓋端子22との間に水蒸気が侵入し得る隙間が存在していてもよいことを意味する。第1の樹脂23によりこのような隙間が埋められるため、筒状部21と蓋端子22とは厳密に設計される必要がない。
ここで、「一体化」とは、各材料が樹脂により接着され、1つの部材として認識できる程度に一体となっていることを意味する。第1の樹脂23による「一体化」は、発電要素10を内部に収容した筒状部21及び筒状部21の開口部21aに蓋端子22を配置した中間部材を所定の金型に配置し、第1の樹脂を金型に注入して硬化させることにより可能である。このように、第1の樹脂23を用いた一体成形により、外装体20を製造することができる。
このように二次電池100は従来のラミネート外装体に替えて外装部20を用いて発電要素10を封止しており、これにより従来のラミネート外装体と同等又はそれ以上の水蒸気バリア性を有する。また、従来のラミネート外装体は、発電要素を内部に収容した後、その端部を熱溶着する際に、封止不良が発生することがある。このような場合、封止不良部位から水蒸気が侵入し得るため、水蒸気バリア性を担保することができない。これに対し、二次電池100は第1の樹脂23を用いて外装部20の内部に発電要素10を封止しているため、封止による不良が非常に発生し難い。そのため、二次電池100の製造後に水蒸気バリア性の検査(リーク検査)を実施しなくてもよい。
第1の樹脂23は発電要素の劣化を防止する観点から、水蒸気バリア性を有する樹脂を用いる。水蒸気バリア性を有する樹脂とは、例えば水蒸気透過度が1.0×10-4g/m・24h以上50×10-4g/m・24h以下の樹脂である。このような樹脂の種類は特に限定されないが、例えば熱可塑性樹脂が挙げられる。熱可塑性樹脂は特に限定されないが、例えば、ポリプロピレンやポリエステル等が挙げられる。
<構造効率化>
次に二次電池100による構造効率化について説明する。図8、図9に従来のラミネート型電池と二次電池100とを比較した図を示した。図8は従来のラミネート型電池(a)と二次電池100(b)との長さ方向断面図を比較した図である。図9は従来のラミネート型電池(a)と二次電池100(b)との平面図を比較した図である。
図8(a)に記載されている通り、従来のラミネート型電池は、ラミネート外装体から突出する端子部(領域A)、ラミネート外装体が熱溶着された熱溶着部(領域B)、電極端子と集電体とが接合された接合部(領域C)、及び発電要素に接続された複数の集電体が存在する集電体部(領域D)を有している。
図8(b)に示した通り、二次電池100は外装部20を用いることで、すべての領域の長さを従来のラミネート型電池よりも短くすることができる。具体的には次のとおりである。
まず、領域Aに対応する部分の長さが短くなる理由について説明する。二次電池100は蓋端子22を用いているため、端子部(面22f)が長さ方向に直交している。従って、二次電池100は領域Aに対応する部分を有しない。また、蓋端子22の段差部22gに配置される第1の樹脂23の形態により、蓋端子22の凸部22dが第1の樹脂23よりも突出して配置される場合もある。このような場合であっても、領域Aに対応する部分を従来のラミネート型電池よりも限りなく短くすることができる。
次に、領域Bに対応する部分の長さが短くなる理由について説明する。従来のラミネート型電池の領域B(シール幅)は、通常、3mmを超える長さに設定する必要がある。これは以下の理由による。(1)シール幅が短いと、適切に熱溶着することができず、シール不良となる場合がある。(2)ラミネート外装体は剛性が高くないため、シール幅が短いと、外部からの衝撃によりシール領域の接着が剥がれ、接着面が保てない場合がある。(3)熱溶着時において、端子がラミネート外装体の接着面に対し平行でない場合、シール幅が短いとその傾きを元に戻す修正力が弱くなるため、適切に熱溶着をすることができずシール不良になる確率がより高まる。(4)熱溶着時において、シール幅が短いと、熱溶着ヘッドによりシール領域に適用される面積当たりの圧力が大きくなり、ラミネート外装体内部の金属層が絶縁層を越えて端子に食い込む虞がある。金属層が端子に食い込むと、短絡を引き起こすため望ましくない。
一方で、二次電池100では、筒状部21及び蓋端子22が第1の樹脂23で一体化された外装部20を用いている。このように、第1の樹脂23で一体化することにより、筒状部21と蓋端子22の接着不良を極めて高く抑制することができる。また、蓋端子22が傾き、筒状部21と蓋端子22との隙間が平行でない場合であっても、適切に接着することができる。さらに、熱溶着を行わないため、短絡もほとんど生じない。加えて、第1の樹脂23で一体化することにより、剛性が確保されるため、接着部の剥離も抑制される。従って、二次電池100は、従来のラミネート型電池の領域Bに対応する部分の長さ(L1+L2)を3mm以下に設定することが可能である。また、2mm以下であってもよく、0.5mm以上であってもよく、1mm以上であってもよい。よって、二次電池100は、従来のラミネート型電池に比べて、領域Bに対応する部分の長さを短くすることができる。
続いて、領域Cに対応する部分の長さが短くなる理由について説明する。図8(b)に示した通り、二次電池100の蓋端子22の面22eは長さ方向に直交しているため、集電箔11は湾曲した状態で蓋端子22の面22eに接合される。そのため、接合部分の長さは非常に短くなる。従って、二次電池100は、従来のラミネート型電池に比べて、領域Cに対応する部分の長さを短くすることができる。
最後に、領域Dに対応する部分の長さが短くなる理由について説明する。上述した通り、集電箔11は湾曲した状態で蓋端子22の面22eに接合されている。そのため、集電体11が存在する部分の長さも非常に短くなる。よって、二次電池100は、従来のラミネート型電池に比べて、領域Dに対応する部分の長さを短くすることができる。
続いて、図9について説明する。図9に示した通り、従来のラミネート型電池は外周の最大4辺に熱溶着部Sを要する。これに対し、二次電池100の長さ方向の両端部は、上述の通り、外装部20により構造効率化されている。また、二次電池100は筒状の金属体である筒状部21を用いているため、幅方向の両側に熱溶着部が不要である。従って、二次電池100はこの点で構造効率化されている。また、幅方向の両側に熱溶着部がないことにより、水蒸気バリア性も向上している。
なお、ここで特許文献2、3に記載されているような蓋を用いたラミネート型電池に対する二次電池100の利点についても説明する。蓋を用いたラミネート電池であっても、領域A及び領域Dの長さは従来のラミネート型電池の長さと同等である。また、領域Bの長さも従来の従来のラミネート型電池の長さ(シール幅:3mmを超える長さ)と同等となる。これは従来のラミネート型電池が有する理由とほぼ同様であるが、具体的には次のとおりである。(1)シール幅が短いと、シール不良となる場合がある。(2)ラミネート外装体は剛性が高くないため、シール幅が短いと、外部からの衝撃によりシール領域の接着が剥がれ、接着面が保てない場合がある。(3)また、外部からの衝撃により蓋が傾いたときに、その傾きを元に戻す修正力が弱くなるため、接着面を適切に保てない場合がある。(4)熱溶着時において、蓋の外周面がラミネート外装体の溶着面に対し平行でない場合、シール幅が短いとその傾きを元に戻す修正力が弱くなるため、シール不良になる確率がより高まる。さらに、領域Cの長さも、蓋の形態にもよるが、従来の従来のラミネート型電池の長さと同等となる。加えて、ラミネート外装体を筒状に成形すると、側面にシール領域が必要な場合がある。以上の理由から、二次電池100は蓋を有するラミネート型電池と比較しても、構造効率が向上している。
以上のとおり、二次電池100は従来のラミネート型電池に比べ、大幅に構造効率が向上を向上することができる。
<発電要素10と外装部20との短絡抑制>
筒状部21及び蓋端子22が金属からなる場合、発電要素10とこれらの部材との接触による短絡を抑制する観点から、上述した通り、発電要素10とこれらの部材との間に絶縁性材料を配置してもよいものである。以下において、絶縁性材料を配置する具体的な形態を説明する。
まず、外装部20の内部に第2の樹脂24を充填した二次電池101を説明する。図10に外装部20の内部全体に第2の樹脂24が充填されている二次電池101の長さ方向断面図を示した。
図10に示した通り、外装部20がその内部に充填された第2の樹脂24を備えている。第2の樹脂24は第1の樹脂23と同様の樹脂を用いることができる。図10において、第2の樹脂24は外装部20の内部全体に配置されているが、これに限定されず、発電要素10と外装部20とが接触し得る位置に配置されていればよい。好ましくは、第2の樹脂24は外装部20の内部全体に配置されている形態である。
このように、外装部20はその内部に第2の樹脂24を備えることにより、筒状部21と、蓋端子22と、発電要素10とを第2の樹脂24で一体化することができる。これにより、発電要素10と外装部20との接触による短絡を抑制することができる。例えば、発電要素10又は外装部20に所定の絶縁層が配置されている場合であっても、外部からの衝撃により絶縁層が破られ、発電要素10と外装部20とが接触し、短絡する虞がある。これに対し、外装部20の内部に第2の樹脂24を配置することにより、絶縁層のみを配置した場合に比べて、より発電要素10と外装部20との接触を抑制することができ、電池の短絡を抑制することができる。
また、二次電池100は第2の樹脂24を備えることにより、水蒸気バリア性をさらに向上することができる。さらに、第2の樹脂24で各部材を一体化することにより、外部衝撃による発電要素10の移動を抑制することができるため、発電要素10の移動による集電体11の切断を抑制することができる。加えて、外部衝撃による発電要素10の欠けや滑落も抑制することができる。
第2の樹脂24を外装部20の内部に充填する方法は特に限定されないが、例えば、筒状部21の所定の箇所に第2の樹脂24を注入する孔を設けてもよい。孔の形状は特に限定されず、円形でも楕円形でも矩形でもよい。孔は筒状部21に少なくとも1つ設けてもよい。例えば、図3(c)に示した通り、筒状部21の側面に形状の異なる複数の孔21c、21dを設けてもよい。また、孔は蓋端子22に少なくとも1つ設けてもよい。例えば、図5(b)に示した通り、蓋端子22に複数の孔22iを設けてもよい。なお、発電要素10として液系電池用の発電要素を用いる場合は、当該第2の樹脂24を充填した後、所定の電解液を孔から注入すればよい。
次に、発電要素10を絶縁性及び水蒸気バリア性を有する樹脂フィルム13で包んだ二次電池102を説明する。図11に、発電要素10が樹脂フィルム12に包まれている二次電池102の長さ方向断面図を示した。図12に樹脂フィルム12に包まれた発電要素10の平面図を示した。
図11、図12に示した通り、樹脂フィルム12は筒状形状を有しており、蓋端子22が配置されている側にそれぞれ開口を有している。そして、樹脂フィルム12は発電要素10全体(タブである集電体11を除く)を包んでいる。図12では、樹脂フィルム12の内部に配置されている部材を点線で示している。このように発電要素10を樹脂フィルム12で全体的に包むことにより、発電要素10と外装部20(特に筒状部21)との接触による短絡を抑制することができる。また、二次電池100は樹脂フィルム12を備えることにより、水蒸気バリア性をさらに向上することができる。
樹脂フィルム12は絶縁性及び水蒸気バリア性を有する樹脂フィルムであればよい。例えば、アルミニウムやシリカが蒸着された樹脂フィルムが挙げられる。樹脂の種類は特に限定されないが、例えばポリプロピレンやポリエチレンテレフタレート等が挙げられる。
なお、発電要素10を樹脂フィルム12で包み、かつ、第2の樹脂24を外装部20の内部に充填してもよい。
<筒状部の他の形態>
筒状部21は構造効率化の観点から、図3に示した通り、筒状の金属体又は筒状に成形してなる金属ラミネートフィルムとしてよい。好ましくは筒状の金属体である。一方で、このような筒状部では発電要素10を内部に収容し難い問題がある。そこで、発電要素10を収容しやすい次の筒状部121、221を用いてもよい。
まず、筒状部121について説明する。図13の(a)に筒状部121の平面図、(b)に筒状部121の幅方向断面図を示した。図13に示した通り、筒状部121は2枚の金属板121a及び第3の樹脂121dから構成されている。金属板121aは底面121bと、底面121bの対向する端部から同じ方向に突出した突出部121cとを備えた、いわゆるU字状の部材である。図13(b)に示した通り、2枚の金属板121aは逆さまに重ね合わされており、筒状部121の対向するそれぞれの側面(幅方向の面)において、2枚の金属板121aの突出部121cが重ね合わさっている。そして、筒状部121のそれぞれの側面を覆うよう第3の樹脂121cが配置されている。具体的には、第3の樹脂121cは重なっている金属板121aの突出部121cの側面側を全体的に覆い、かつ、重なっている金属板121aの突出部121cの隙間を埋めている。これにより、重なっている金属板121aの端部が第3の樹脂121cで一体化されている。
筒状部121は2つの金属板121aを備えているので、発電要素10を一方の金属板121aの内部に配置した後、他方の金属板121aを逆さまに重ね合わせ、金属板121aの突出部121cを第3の樹脂121dで一体化することで、筒状部121を作製することができる。このように、筒状部121を用いることで、容易に発電要素10を筒状部121の内部に収容できる。
次に、筒状部221について説明する。図14の(a)に筒状部221の平面図、(b)に筒状部221の幅方向断面図を示した。図14に示した通り、筒状部221は1枚の金属板221a及び第3の樹脂221dから構成されている。金属板221aは筒状に成形されており、筒状部221の一方の側面において金属板221aの端部221bが重ね合わさっている。そして、第3の樹脂221cは端部221bが重ね合わさっている側面を覆うように配置される。具体的には、第3の樹脂221cは、重ね合わさっている端部221bの側面側を全体的に覆い、かつ、重なっている金属板221aの端部221bの隙間を埋めている。これにより、重なっている金属板221aの端部221bが第3の樹脂221cで一体化されている。
筒状部221は1枚の金属板121aから構成されているため、発電要素10を筒状の金属板221aの内部に配置した後、端部221bを第3の樹脂121cで一体化することで、筒状部221を作製することができる。このように、筒状部221を用いることで、容易に発電要素10を筒状部221の内部に収容できる。また、図15に示したように、筒状部221の第3の樹脂221cが配置されていない側面を所定の冷却部Xに接触させることで、容易に二次電池を冷却することができる。なお、このような冷却態様は筒状部21を用いた二次電池にも適用できる。
上記2つの形態で用いた金属板は、単なる金属板であってもよく、金属ラミネートフィルムでもよい。図示した実施形態では金属板を用いた。金属の種類は、高い水蒸気バリア性有する金属でよい。上記2つの形態で用いた第3の樹脂は、第1の樹脂23と同様の樹脂を用いることができる。また、第3の樹脂による「一体化」は、重ね合わせた金属板121a又は筒状に成形した金属板221aを所定の金型に配置し、第3の樹脂を金型に注入して硬化させることにより可能である。これにより、筒状部121、221を製造可能である。
<蓋端子の他の形態>
二次電池100の構造効率をさらに向上する観点から、蓋端子22に替えてスリット部322jを備えた蓋端子322を使用してもよい。以下に、スリット部322jを備えた蓋端子322を有する二次電池103について説明する。
図16に二次電池103の斜視図を示した。図17の(a)に図16のXVIIa-XVIIaで切断した長さ方向断面図、(b)に図16のXVIIb-XVIIbで切断した長さ方向断面図、(c)に図16のXVIIc-XVIIcで切断した長さ方向断面図を示した。図18の(a)に蓋端子322の斜視図、(b)に(a)のbの方向から観察した蓋端子322の正面図、(c)(a)のcの方向から観察した蓋端子22の背面図を示した。
二次電池103は二次電池100と次の点で主に異なっている。すなわち、発電要素310は複数の集電体311を有し、蓋端子322の内側の面322eは複数のスリット部322jを有し、スリット部322jに集電体311が配置されることにより、集電体311と蓋端子322とが電気的に接続されている。このような形態を採用することより、発電要素310(電極積層体)と蓋端子322と距離を短くすることができ、さらに構造効率を向上することができる。詳しい効果は後述する。
発電要素310の形態は、上記した発電要素10の湾曲した集電体11をまっすぐな集電体311に変更したものである。これにより、図17(a)の点線枠内に示したように、集電体311をスリット部322jに挿入、配置することができる。ここで、図17(a)において、発電要素310は複数の集電体311を有している。ただし、本開示の二次電池はこれに限定されず、集電体311は少なくとも1つでよい。
蓋端子322は基材層322cと基材層322cの幅方向の端部にそれぞれ配置された凸部322dを有している。凸部322dは外部部材との接続を容易にするために、略円状の凹部322kを備えている。凹部322kは例えば、外部部材との接続用のねじ穴でもよく、位置決め用のストレート穴でもよく、圧入・リベットなどの接続用のストレート穴などでもよい。また、図17(a)、図18(c)に示した通り、蓋端子322の基材層322cの内側の面322eは複数のスリット部322jを有している。そして、スリット部322jに集電体311が配置されることにより、集電体311と蓋端子322とが電気的に接続される。
二次電池103では、2つの凸部322dを有する蓋端子322を採用しているが、蓋端子の形態はこれに限定されるものでなく、蓋端子322の内側の面322eがスリット部322jを有していればよく、外側の形態は特に限定されない。また、二次電池103では、複数のスリット部322jを有する蓋端子322を使用しているが、スリット部の数は少なくとも1つでよい。
スリット部322jは蓋端子322の長さ方向に貫通しており、その内部に集電体311が配置される。ただし、スリット部322jは貫通されていなくてもよい。スリット部322jを貫通させるか否かは、集電体311との接合方法に応じて適宜設定できる。
集電体311は蓋端子322の内側の面322eから挿入されてもよく、側面(厚さ方向又は幅方向の面)から挿入されてもよい。すなわち、蓋端子322の基材層322cは側面にもスリット部322の開口部lを有していてもよい。スリット部322iの厚さは特に限定されないが、集電箔311を配置することができる厚さであればよい。例えば、0.1μm以上1mm以下である。スリット部322jは集電体311を挿入するための開口部322lを備えており、集電体311の挿入を容易にするために、開口部322lは内部よりも厚さ方向に広い形状(例えば、V字形状)を有してもよい。図17(a)の点線内では、集電体311を蓋端子322の内側の面322eから挿入する様子を示している。
また、図19に側面から集電体311を挿入するためのスリット部を備えた蓋端子の正面図及び平面図を示した。図19の(a)は凸部を2つ有する蓋端子の一例である。図19の(b)凸部を1つ有する蓋端子の一例である。(a)に示したように、凸部の裏側にスリット部を設けることは技術的に実現可能であるが、困難になり易い。従って、(b)に示したように、スリット部に重ならない位置にのみ凸部を設けることが一般的である。
蓋端子322が長さ方向に貫通するスリット部322jを有する場合、第1の樹脂323が各スリット部322jの外側の開口部全体を覆うように配置されていてもよい。例えば、図16に示した通り、第1の樹脂323は基材層322cの外側の面全体を覆うように配置されていてもよい。これにより、スリット部322jから外装部320内部への外気(水蒸気)の侵入を抑制することができる。なお、第1の樹脂323がスリット部322jに入り込み、その内部の少なくとも一部が第1の樹脂323で埋められていてもよい。
集電体311と蓋端子322との接続形態は特に限定されず、単にスリット部322jに集電体311が配置されていればよい。ただし、集電体311と蓋端子322との接続を強固にする観点から、スリット部322jに集電体311が配置された状態で、スリット部311i(蓋端子322)と集電体311とを接合してもよい。接合方法は特に限定されず、プレスによる圧着、レーザー接合、超音波接合及び導電材固定法等の公知の接合方法を採用することができる。スリット部322jが貫通している場合、レーザー接合又は導電材固定法を採用してよい。スリット部322jが貫通していない場合、プレス加工又は超音波加工を採用してよい。
ここで、スリット部322jについてさらに説明する。図17(a)では、1つのスリット部322jに1つの集電体が配置されている形態を示している。このような形態を採用することにより、発電要素310(電極積層体)と蓋端子322との距離を近くすることができる。また、発電要素310(電極積層体)と蓋端子322との距離をほとんどゼロ又はゼロにすることも可能である(図17(a)参照)。一方で、蓋端子322の形状によっては、1つのスリット部322jに1つの集電体が配置されていることが難しい場合もある。従って、1つのスリット部322jに2つ以上の集電体を配置してもよい。例えば、1つのスリット部322jに2つの集電体を配置してもよく、3つの集電体を配置してもよく、4つの集電体を配置してもよい。ただし、1つのスリット部322jに配置される集電体311の数が多くなるほど、発電要素310と蓋端子322との距離が長くなる虞がある。従って、1つのスリット部322jに配置される集電体の数は10以下としてもよく、8以下としてもよい。
図20に1つのスリット部322jに2つの集電体311を配置した例を示した。図20に示した通り、1つのスリット部322jに2つの集電体311を配置すると、2つの集電体311を重ね合わせる領域が必要となる。この領域は重ね合わせる集電体311の数が多くなるほど、長くなる傾向にある。従って、構造効率を向上する観点から、1つのスリット部322jに配置される集電体311の数は少ないほど良く、1つのスリット部322jに1つの集電体311が配置されている形態が最もよい。
蓋端子322と発電要素310(電極積層体)との距離は特に限定されず、近ければ近いほど構造効率が向上するが、例えば2mm以下としてもよく、0.5mm以下としてもよく、0mm、すなわち蓋端子322と発電要素310とが接触していてもよい。ただし、蓋端子322と発電要素310とが接触している場合は、蓋端子322及び発電要素310の少なくとも一方に所定の絶縁処理が施されている必要がある。
図18(c)では、スリット部322jが厚さ方向に並んで配置されている形態を示している。これは発電要素310の集電体311が厚さ方向に並んで配置されるためである。このようにスリット部322jの配列方向は発電要素310の集電体311の配列方向に沿って設定することができる。従って、本開示の二次電池において、スリット部の配列方向は厚さ方向に限定されず、発電要素の集電体の配列方向に応じて適宜設定することができる。
また、図18(c)に示した通り、スリット部322jは基材層322cの内側の面322eの中央に配置されているが、これは凸部322dが有する凹部322kを避けるためである。従って、本開示の二次電池において、スリット部の位置は特に限定されず、蓋端子の形状等に応じて適宜設定することができる。
上述した通り、スリット部322jを有する蓋端子322を使用することにより、蓋端子322と発電要素310(電極積層体)との距離を短く設定することができる。一方で、蓋端子322と発電要素310(電極積層体)と距離が短くなると、接触による短絡の問題が生じる。そこで、蓋端子322に所定の絶縁処理を施してもよい。
蓋端子322への絶縁処理は特に限定されないが、例えば、蓋端子322の外周部を絶縁フィルムで包んでもよく、蓋端子322の外周部に絶縁テープを貼ってもよく、蓋端子322の外周部に絶縁シートを配置してもよい。このように、蓋端子22の外周部に所定の絶縁層を配置する絶縁処理を行ってもよい。特に、発電要素10と蓋端子322との接触による短絡を抑制する観点から、発電要素310(電極積層体)と蓋端子322との間に絶縁シートを配置してもよい。絶縁シートは、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン(PO)、及びフッ素樹脂等の絶縁性樹脂が挙げられる。
図21(a)に発電要素10と蓋端子322との間に絶縁シート325が配置された形態を示した。集電体311はスリット部322jに配置されるため、絶縁シート325は集電体311を通すスリット325aを備えている。絶縁シート325のスリット325aは集電体311をスリット部322jに挿入するためのガイドとしても機能する。スリット325aの位置及び数はスリット部322jの位置及び数に合わせて設定される。また、図21(a)の点線部に示した通り、スリット325は集電体311を挿入するための開口部325aを備えており、集電体311の挿入を容易にするために、開口部325aは内部よりも厚さ方向に広い形状(例えば、V字形状)を有してもよい。なお、集電体311を蓋端子322の側面から挿入する場合、絶縁シート325の側面にも開口部が配置される。
また、図21(b)に1つのスリット部322jに2つの集電体311を配置する場合の絶縁シート325の配置形態の一例を示した。このように、1つのスリット部322jに2以上の集電体311を配する場合であっても、発電要素10と蓋端子322との間に絶縁シート325を配置することができる。ここで、絶縁シート325のスリット325aの開口部325aが厚さ方向に広い形状を有する場合、集電体311を重ね合わせる領域を開口部325aの内部に配置することも可能になる。したがって、1つのスリット部322jに2以上の集電体311を配する場合であっても、絶縁シート325と発電要素310(電極積層体)の距離を短くすることができる。図21(c)に1つのスリット部322jに2つの集電体311を配置する場合であって、絶縁シート325のスリット325aの開口部325aが厚さ方向に広い形状を有する場合の絶縁シート325の配置形態の一例を示した。図21(c)に示した通り、発電要素310(電極積層体)を絶縁シート325にほとんど接触又は接触する位置に配置することができる。
絶縁シート325は、発電要素10と筒状部321との絶縁のために、発電要素310の幅方向又は厚さ方向の面と筒状部321の幅方向又は厚さ方向の内面との間に配置されていてもよく、発電要素310の幅方向及び厚さ方向の面と筒状部321の幅方向及び厚さ方向の内面との間に配置されていてもよい。一例として、図21に発電要素310の厚さ方向の面と筒状部321の厚さ方向の内面との間に絶縁シート325が配置された形態の一例を示した。
(構造効率化)
二次電池103の構造効率化について説明する。図23に図8に対応する図であって、(c)に二次電池103の長さ方向断面図を追加し、従来のラミネート型電池(a)と二次電池100(b)と、二次電池103(c)の長さ方向断面図を比較した図を示した。なお、(c)で示した二次電池103には比較を容易にするために、集電体を記載している。
ラミネート型電池(a)と二次電池100(b)との比較結果は上述のとおりである。そこで、ここでは二次電池100(b)と二次電池103(c)とを比較検討する。図23から分かるように、二次電池103は二次電池100に比べて、領域Dがさらに短くなっている。この理由は、二次電池100では集電体11を湾曲した状態で蓋端子22に接合しているのに対し、二次電池103は集電体311を蓋端子332のスリット部322jに配置しており、これにより蓋端子322と発電要素310との距離をさらに短くすることができるためである。従って、二次電池103によれば、さらに構造効率を向上することができる。また、この構造効率化に伴って、外装部320の内部に余剰の空間が存在することを抑制することができるため、二次電池103の剛性を向上することができる。
(内部への樹脂充填)
二次電池103において、その内部に第2の樹脂324を充填する場合、第2の樹脂324は外装部320の内部全体に配置してもよいが、樹脂は微量ではあるが水蒸気が内部で拡散するという性質を有するため、外部の水蒸気が第1の樹脂及び第2の樹脂の内部を拡散して、発電要素の端面に到達する虞がある。具体的には、図24に示したように、第1の樹脂から最も近い発電要素310(電極積層体)の長さ方向の面に水蒸気が到達する虞がある。
そこで、樹脂内部の水蒸気拡散を考慮して、第2の樹脂324は蓋端子322と発電要素310との間に配置されていないほうがよい。言い換えると、第2の樹脂324は発電要素10と外装部20とが接触し得る位置のみに配置されていればよい。具体的には、第2の樹脂324は発電要素310の幅方向又は厚さ方向の面と筒状部321の幅方向又は厚さ方向の内面との間にのみに配置されていればよく、第2の樹脂324は発電要素310の幅方向及びは厚さ方向の面と筒状部321の幅方向及びは厚さ方向の内面との間にのみに配置されていればよい。一例として、図25(a)に発電要素310の厚さ方向の面と外装部の厚さ方向の内面との間に第2の樹脂324が配置された形態の一例を示した。このような形態が可能である理由は、上述した通り、二次電池103は蓋端子322と発電要素310(電極積層体)との距離を短くすることができるためである。また、このような形態であっても、筒状部321と、蓋端子322と、発電要素310とを第2の樹脂324で一体化することができる。
また、図25(b)にさらに蓋端子322と発電要素310との間に絶縁シート325を配置した形態の一例を示した。このように、絶縁シート325を配置することにより、樹脂内部を拡散している水蒸気が発電要素310(電極積層体)に浸透することをさらに抑制することができる。
また、発電要素310と筒状部321とが接触し得る位置のみに第2の樹脂324を配置することにより、第2の樹脂324充填時に集電体311が切れたり破れたりすることを抑制することができる。
以上、本開示の二次電池について、一実施形態である二次電池100~103を用いて説明した。本開示の二次電池は上述した通り、構造効率化が可能である。本開示の二次電池はいずれの用途にも用いることができる。例えば、本開示の二次電池は車載用二次電池として使用することができる。
10、310 発電要素
11、311 集電体
11a 正極集電体
11b 負極集電体
12 樹脂フィルム
20、320 外装部
21、121、221、321 筒状部
21a 開口部
21b 突出部
21c 孔
21d 孔
22、122、222、322 蓋端子
22a 正極蓋端子
22b 負極蓋端子
22c、322c 基材層
22d、322d 凸部
22e、322e 面
22f 面
22g 段差部
22h 突出部
22i 孔
23、323 樹脂(第1の樹脂)
24 第2の樹脂
100、101、102、103 二次電池
121a、221a 金属板
121b 底面
121c 突出部
121d、221c 第3の樹脂
221b 端部
322j スリット部
322k 凹部
322l 開口部
325 絶縁シート
325a スリット

Claims (11)

  1. 発電要素と、前記発電要素を内部に収容する外装部とを備え、
    前記外装部は対向する2面に開口部を有する筒状部と、それぞれの前記開口部に配置される蓋端子と、前記筒状部と前記蓋端子との間に配置される樹脂とを有し、
    前記筒状部と前記蓋端子とが前記樹脂で一体化されており、
    前記発電要素の集電体と前記蓋端子とが電気的に接続されている、
    二次電池。
  2. 前記蓋端子の幅又は厚さは前記発電要素の幅又は厚さ以下である、請求項1に記載の二次電池。
  3. 前記集電体は湾曲した状態で前記蓋端子に電気的に接続している、請求項1又は2のいずれか1項に記載の二次電池。
  4. 前記発電要素は少なくとも1つの前記集電体を有し、
    前記蓋端子の内側の面は少なくとも1つのスリット部を有し、
    前記スリット部に前記集電体が配置されることにより、前記集電体と前記蓋端子とが電気的に接続される、請求項1~3のいずれか1項に記載の二次電池。
  5. 前記発電要素と前記蓋端子との間に絶縁シートが配置されている、請求項1~4のいずれか1項に記載の二次電池。
  6. 前記蓋端子は外側に突出する凸部を有しており、
    前記凸部の外周面の少なくとも一部に前記樹脂が配置されている、
    請求項1~5のいずれか1項に記載の二次電池。
  7. 前記蓋端子は、該蓋端子の内側の面の端部から内側に突出する突出部を有する、請求項1~6のいずれか1項に記載の二次電池。
  8. 前記外装部はその内部に充填された第2の樹脂を有し、
    前記筒状部と、前記蓋端子と、前記発電要素とが第2の樹脂で一体化されている、
    請求項1~7のいずれか1項に記載の二次電池。
  9. 前記筒状部は筒状の金属体又は筒状に成形されてなる金属ラミネートフィルムである、
    請求項1~8のいずれか1項に記載の二次電池。
  10. 前記筒状部は2枚の金属板及び第3の樹脂から構成されており、
    前記金属板は底面と前記底面の対向する端部から同じ方向に突出した突出部を有しており、
    前記金属板は逆さまに重ね合わさっており、
    前記筒状部の対向するそれぞれの側面において、前記突出部が重ね合わさっており、
    前記第3の樹脂は前記筒状部のそれぞれの側面を覆うように配置されており、
    重なっている前記金属板の端部は前記第3の樹脂で一体化されている、
    請求項1~8のいずれか1項に記載の二次電池。
  11. 前記筒状部は1枚の金属板及び第3の樹脂から構成されており、
    前記金属板は筒状に成形されており、
    前記筒状部の一方の側面において、前記金属板の端部が重ね合わさっており、
    前記第3の樹脂は前記端部が重ね合わさっている側面を覆うように配置されており、
    重なっている前記金属板の端部は前記第3の樹脂で一体化されている、
    請求項1~8のいずれか1項に記載の二次電池。
JP2022051954A 2021-12-06 2022-03-28 二次電池 Pending JP2023084066A (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
KR1020220152046A KR20230085070A (ko) 2021-12-06 2022-11-14 이차전지
US17/987,396 US20230178862A1 (en) 2021-12-06 2022-11-15 Secondary battery
EP22208554.0A EP4191759A1 (en) 2021-12-06 2022-11-21 Secondary battery
CN202211540152.1A CN116315330A (zh) 2021-12-06 2022-12-02 二次电池

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021198104 2021-12-06
JP2021198104 2021-12-06

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023084066A true JP2023084066A (ja) 2023-06-16

Family

ID=86731772

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022051954A Pending JP2023084066A (ja) 2021-12-06 2022-03-28 二次電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2023084066A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5214543B2 (ja) 二次電池
JP4720384B2 (ja) バイポーラ電池
JP2016004777A (ja) 2次電池
KR20100019497A (ko) 전지 셀 및 전원 공급 장치
JP2007134233A (ja) 電池端子構造
JP4096664B2 (ja) ラミネート電池
EP3544078B1 (en) Secondary battery
JP7468233B2 (ja) 蓄電モジュール
JP4670275B2 (ja) バイポーラ電池および組電池
US10158107B2 (en) Battery comprising insulative films
JP3632062B2 (ja) 薄型ポリマー電池
EP3627590A1 (en) Secondary battery
KR20190037110A (ko) 전기 화학 소자
WO2023132181A1 (ja) 蓄電モジュール
JP2023084066A (ja) 二次電池
EP3537506B1 (en) Rechargeable battery
EP4191759A1 (en) Secondary battery
JP2023084025A (ja) 二次電池
WO2023145294A1 (ja) 蓄電モジュール
US20230223623A1 (en) Energy storage device
WO2024034403A1 (ja) 蓄電モジュール
KR20230125820A (ko) 축전 셀 및 축전 장치
KR20230092267A (ko) 이차 전지
JP2023087348A (ja) 蓄電装置の製造方法及び蓄電装置
JP2022077634A (ja) 蓄電装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20230718

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20240517