以下、図面を参照して、実施形態に係る照明制御装置、および照明制御システムを説明する。実施形態において同一の機能を有する構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。なお、以下の実施形態で説明する照明制御装置、および照明制御システムは、一例を示すに過ぎず、実施形態を限定するものではない。例えば、以下の実施形態では、照明制御装置、および照明制御システムは、照明器具以外にも、任意の舞台装置の制御にも適用することができる。
以下で説明する実施形態に係る照明制御装置10は、制御アドレスにより制御される照明器具(例えば、LED照明器具30−1〜30−3、ハロゲン照明器具31−1、31−2)が設置された設置位置を検出し、照明器具に対し、照明器具が設置された設置位置に対して予め対応付けられていた制御アドレスを設定する。
また、照明制御装置10は、設置位置として、照明器具が接続されたコネクタを検出し、コネクタに対して予め対応付けられていた制御アドレスを設定する。
また、照明制御装置10は、設置位置として、照明器具が接続されたDMXノード20−1、20−2と、DMXノード20−1、20−2が有するポート22−1〜22−3のうちLED照明器具30−1〜30−3が接続されたポートを検出し、検出されたDMXノードとポートとの組に対して予め対応付けられていた制御アドレスを設定する。
また、照明制御装置10は、同一のコネクタに対して複数の照明器具が直列に接続されている場合は、それら複数の照明器具に対して同一の制御アドレスを設定する。
また、照明制御装置10は、照明器具が設置された設置位置に加えて、照明器具の種別を検出し、検出された種別が、設置位置と対応付けられた条件を満たす場合は、照明器具に対して設置位置に対して予め対応付けられていた制御アドレスを設定する。
また、照明制御装置10は、検出された種別が、設置位置と対応付けられた条件を満たさない場合は、警告を出力する。
また、照明制御システム1は、上述したいずれかの照明制御装置10と、照明制御装置10と所定のネットワークを介して接続され、制御アドレスにより制御されるLED照明器具30−1〜30−3と、供給される電力に応じて調光を制御するハロゲン照明器具31−1、31−2と、ハロゲン照明器具31−1、31−2と接続され、照明制御装置10からの制御に従って、ハロゲン照明器具31−1、31−2に対して供給する電力を制御する調光器盤50とを備える。ここで、調光器盤50は、ハロゲン照明器具31−1、31−2の設置位置に対して予め対応付けらた制御アドレスを保持する。また、照明制御装置10は、ハロゲン照明器具31−1、31−2の設置位置と予め対応付けられた制御アドレスを用いて、ハロゲン照明器具31−1、31−2を制御する。
また、照明制御システム1は、照明制御装置10とは異なるネットワークを介してLED照明器具30−1〜30−3およびハロゲン照明器具31−1、31−2と接続され、各照明器具に対する操作を各照明器具の設置位置ごとに受け付ける補助制御装置(例えば、EMG(Emergency)パネル60)を備える。
[照明制御システムの構成例]
最初に、図1を用いて、実施形態に係る照明制御システム1の構成の一例を説明する。図1は、実施形態に係る照明制御システムのシステム構成の一例を示す図である。なお、以下の説明では、照明制御システム1は、テレビスタジオ等の施設に設置されているものとする。
例えば、図1に示す例では、照明制御システム1は、照明制御装置10と、複数のDMXノード20−1〜20−p(例えば、図2参照)、複数のLED(Light Emitting Diodes)照明器具30−1〜30−3と、複数のハロゲン照明器具31−1、31−2と、バトン40−1、40−2と、調光器盤50と、EMGパネル60とを有する。なお、照明制御システム1は、任意の数のDMXノード20−1〜20−p、任意の数のLED照明器具30−1〜30−3、任意の数のハロゲン照明器具31−1、31−2、任意の数のバトン40−1、40−2を有していてもよい。
また、以下の説明では、DMXノード20−1〜20−をDMXノード20と総称し、LED照明器具30−1〜30−3をLED照明器具30と総称し、ハロゲン照明器具31−1、31−2をハロゲン照明器具31と総称し、バトン40−1、40−2をバトン40と総称する場合がある。
図1に示す照明制御システム1において、照明制御装置10とDMXノード20とは、例えばイーサネット(登録商標)やLAN(Local Area Network)などの所定のネットワークにより通信可能に接続される。また、DMXノード20とLED照明器具30とは、DMX512を拡張したRDMといった双方向通信が可能な規格により接続されている。
照明制御装置10は、オペレータからの操作に従って、各照明器具を制御する制御装置であり、例えば、操作卓と呼ばれる装置である。例えば、照明制御装置10は、複数のフェーダを有し、フェーダの操作に従って、対応する照明器具の照度や色彩を制御する制御情報をDMXノード20へ送信する。
例えば、図2は、実施形態に係る照明制御装置の外観の一例を示す図である。一般に、フェーダー、ベルトエンコーダー、シーンボタン等といった各種の操作部を有し、各種の操作を受付ける操作装置は、構造上厚みを有することとなる。そこで、照明制御装置10は、図2に示すように、例えば、アルミフレーム等の金属製部材により構成されるデスクと一体型とした構造を有することで、視覚的な厚みの軽減を図ることができる。
図1に戻り、説明を続ける。DMXノード20は、照明制御装置10とLED照明器具30との間の通信を中継する中継装置である。例えば、DMXノード20は、通信制御部21と、複数のポート22−1〜22−mを有する。なお、以下の説明では、ポート22−1〜22−mをポート22と総称する場合がある。通信制御部21は、照明制御装置10との間で情報の送受信を行う通信装置であり、例えば、NIC(Network Interface Card)などの通信装置によって実現される。また、複数のポート22−1〜22−mは、それぞれを識別するためのポート番号が付与されたポートであり、例えば、RDM規格に従ってLED照明器具30と信号を送受信するためのコネクタである。
LED照明器具30は、例えばLEDなどの半導体発光素子を光源とする照明器具であり、例えば、スポットライト、ホリゾントライト、フラッドライトなどといった照明器具である。また、LED照明器具30は、照明制御装置10からの制御に従って、照明する光の照度、色彩、照明範囲などを変化させる調光処理を行うことで、スタジオや舞台などの照明演出を行う。また、LED照明器具30は、DMXノード20からDMX規格に沿った制御信号を受信すると、受信した制御信号が示す制御アドレスが自装置の制御アドレスであるか否かを判定し、自装置の制御アドレスである場合は、受信した制御信号に従って、調光処理を実行する。なお、LED照明器具30には、各種系統電源から電力が供給されており、供給された電力を用いて、半導体発光素子の点灯等を行うものとする。
ここで、LED照明器具30には、複数の制御アドレスが付与される場合がある。例えば、赤色、青色、および緑色の各色と、照度とをそれぞれ個別に設定可能である場合、LED照明器具30には、各色および照度に一つずつの計4つの制御アドレスが付与され、各制御アドレスを介して、各色および照度をそれぞれ個別に制御することができる。
ハロゲン照明器具31は、ハロゲンランプ等を用いた照明器具である。例えば、ハロゲン照明器具31は、バトンや床等に設置されたコネクタと接続されており、コネクタを介して、調光器盤50から電力を用いて、各種の点灯制御を行う。例えば、ハロゲン照明器具31は、調光器盤50からPWM(Pulse Width Modulation)方式で電力の供給が行われており、供給された電力を用いてハロゲンランプを点灯させることで、PWM方式で供給される電力に応じた強度でハロゲンランプを点灯させることとなる。なお、ハロゲン照明器具31は、後述する説明で明らかとなるように、1つの制御アドレスを用いて調光器盤50を介した照度の制御を行うことができる。
また、LED照明器具30およびハロゲン照明器具31(以下、「各照明器具」と総称する場合がある。)は、バトン40と呼ばれる吊り下げ器具等に取付けられている。なお、各照明器具は、バトンではなく、例えば、舞台の床等、任意の位置に設置されていてよい。
調光器盤50は、DMX信号に基づいて、ハロゲン照明器具31の調光制御を行う装置であり、例えば、ハロゲン照明器具31とは離間して配置される分電盤等により実現される。例えば、調光器盤50は、各コネクタに対して制御アドレスを対応付けて保持しており、照明制御装置10から制御アドレスとハロゲン照明器具31を点灯させる強度とを示す制御情報を受付けると、制御情報が示す制御アドレスと対応するコネクタを特定し、特定したコネクタから、制御情報が示す照度でハロゲン照明器具31を点灯させるための電力をPWM方式で出力する。
EMGパネル60は、照明制御装置10とは異なるネットワークを介してLED照明器具30およびハロゲン照明器具31と接続され、照明制御装置10とは独立した電源と、各照明器具に対する操作を受付ける操作部とを有しており、照明制御装置10に障害が発生した場合に、各照明器具を制御する装置である。例えば、EMGパネル60は、各照明器具対応するトグルスイッチを有し、トグルスイッチを介した各照明器具の点灯および消灯を実現する。
例えば、EMGパネル60は、LED照明器具30と対応するトグルスイッチに対しては、制御アドレスを対応付けている。そして、EMGパネル60は、トグルスイッチを介してLED照明器具30を点灯させる操作を受付けた場合は、対応付けられた制御アドレスと、所定の強度(例えば、最大レベル)とを示すDMX信号を、トグルスイッチと対応するLED照明器具30に送信することで、LED照明器具30の点灯を行う。また、EMGパネル60は、ハロゲン照明器具31と対応するトグルスイッチを介して、ハロゲン照明器具31を点灯させる操作を受付けた場合は、対応付けられたハロゲン照明器具31を所定の強度で点灯させるためのPWM信号を出力する。
このように、照明制御システム1は、照明制御装置10と、照明制御装置10と所定のネットワークを介して接続され、制御アドレスにより制御されるLED照明器具30と、供給される電力に応じて調光を制御するハロゲン照明器具31と、ハロゲン照明器具31と接続され、照明制御装置10からの制御に従って、ハロゲン照明器具31に対して供給する電力を制御する調光器盤50とを有する。また、調光器盤50は、ハロゲン照明器具31の設置位置に対して予め対応付けらた制御アドレスを保持し、照明制御装置10は、ハロゲン照明器具31の設置位置と予め対応付けられた制御アドレスを用いて、ハロゲン照明器具31を制御する。さらに、照明制御システム1は、照明制御装置10とは異なるネットワークを介してLED照明器具30およびハロゲン照明器具31と接続され、各照明器具に対する操作を各照明器具の設置位置ごとに受け付ける補助制御装置であるEMGパネル60を有する。
以下、照明制御システム1における各照明器具の制御について説明する。例えば、照明制御装置10は、各フェーダに対して、各照明器具に対して予め設定された制御アドレスを対応付けて記憶する。そして、照明制御装置10は、あるフェーダの操作が行われた場合は、操作対象となるフェーダに対して設定されていた制御アドレスと、操作後のフェーダが示す調光強度とを示す制御情報をDMXノード20や調光器盤50へと送信する。
一方、通信制御部21は、各ポート22に対し、各ポート22と接続されたLED照明器具30に対して付与された制御アドレスを対応付けて保持している。そして、通信制御部21は、制御情報に含まれる制御アドレスがいずれかのポート22と対応付けて保持されている場合は、制御アドレスと対応付けられていたポート22から、制御情報が示す制御アドレスと調光強度を示すDMX信号を出力する。そして、LED照明器具30は、例えば、DMX信号が示す制御アドレスと調光強度とに従って、各色の光の調光強度や照度等を制御する。
一方、調光器盤50は、受信した制御情報に含まれる制御アドレスがいずれかのコネクタと対応付けて保持されている場合は、受信した制御情報が示す調光強度でハロゲン照明器具31を点灯させるためのPWM信号を、制御アドレスが示すコネクタから出力する。この結果、調光器盤50は、制御アドレスを用いたハロゲン照明器具31の制御を実現することができる。
なお、照明制御装置10とLED照明器具30とは、RDM規格に沿った通信を介することで、双方向通信を実現してもよい。例えば、LED照明器具30に関する各種の情報(以下、「詳細情報」と記載する。)が登録された図示しないメモリを有する。例えば、LED照明器具30は、LED照明器具30の識別子であるUID(Unique Identifier)、制御可能な色彩等といった制御対象を示す情報、使用する制御アドレスの数、出力、製造会社名や機器の型番、重量などといったLED照明器具30の詳細を示す詳細情報が登録されている。また、LED照明器具30は、制御対象に対して付与された制御アドレス、ユニバース、特殊コード、点灯時間、通電時間、パーソナリティー設定などといった情報が含まれる。
[照明制御システムが実行する設定処理について]
ここで、照明制御システム1が実行する設定処理の概念について説明する。例えば、図3は、制御アドレスの再利用における課題の一例を示す図である。例えば、図3に示す例では、バトン40は、照明器具を設置可能な設置位置#1〜#8(例えば、ポートやコネクタに対応)を有し、ハロゲン照明器具#A、#B、およびLED照明器具#A、#Bが設置されている。なお、ハロゲン照明器具#A、#B、およびLED照明器具#A、#Bは、照度のみが設定可能な照明器具であるものとする。
より詳細には、図2中の上側に示す例では、設置位置#1にハロゲン照明装置#Aが設置されており、設置位置#2にLED照明器具#Aが設置されており、設置位置#6にハロゲン照明器具#Bが設置されており、設置位置#7にLED照明器具#Bが設置されている。また、図2中の上側に示す例では、ハロゲン照明器具#Aが接続するコネクタには、アドレス#1が対応付けられており、LED照明器具#Aには、アドレス#2が付与されており、ハロゲン照明器具#Bが接続するコネクタには、アドレス#6が対応付けられており、LED照明器具#Bには、アドレス#7が付与されているものとする。
一方、照明制御装置10には、フェーダ#1にアドレス#1が設定されており、フェーダ#2にアドレス#2が設定されており、フェーダ#6にアドレス#6が設定されており、フェーダ#7にアドレス#7が付与されているものとする。このような状態で、フェーダ#1が調光度「80%(パーセント)」に設定され、フェーダ#2が調光度「100%」に設定され、フェーダ#6が調光度「70%」に設定され、フェーダ#7が調光度「50%」に設定されたものとする。
このような設定が行われた場合、設置位置#1に設定されたハロゲン照明器具#Aは、フェーダ#1に設定されたアドレス#1がコネクタに対応付けられているため、80%の調光度で点灯することとなる。また、設置位置#2に設定されたLED照明器具#Aは、フェーダ#2に設定されたアドレス#2が付与されているため、100%の調光度で点灯することとなる。また、設置位置#6に設定されたハロゲン照明器具#Bは、フェーダ#6に設定されたアドレス#6がコネクタに対応付けられているため、70%の調光度で点灯することとなる。また、設置位置#7に設定されたLED照明器具#Bは、フェーダ#7に設定されたアドレス#7が付与されているため、50%の調光度で点灯することとなる。
ここで、スタジオ等においては、番組ごとに照明器具の付け替えが行われるが、同一の番組を再度撮影する際に、フェーダと制御アドレスとの対応付けを再度設定するのは、手間がかかる。そこで、照明制御装置10は、前に設定したフェーダと制御アドレスとの対応付けを再利用する機能を有する場合がある。
しかしながら、このようなフェーダと制御アドレスとの対応付けを再利用した場合、各照明器具が前回と同様の設置位置に設置され、かつ、前回と同一の設定が行われていない場合には、適切な照明制御を実現することができない。例えば、図2中の下側に示す例では、前回設置位置#6に設置されていたハロゲン照明器具#Bが設置位置#1に設置され、前回設置位置#7に設置されていたLED照明器具#Bが設置位置#2に設置されている。また、図2中の下側に示す例では、前回設置位置#1に設置されていたハロゲン照明器具#Aが設置位置#6に設置され、前回設置位置#2に設置されていたLED照明器具#Aが設置位置#7に設置されている。
ここで、ハロゲン照明器具#A、#Bは、自装置ではなく、ハロゲン照明器具#A、#Bが接続するコネクタに対して制御アドレスが付与されている。このため、ハロゲン照明器具#Aとハロゲン照明器具#Bとの設置位置が入れ替わったとしても、前回と同一のフェーダで同一の設置位置に設置されたハロゲン照明器具を制御できる。例えば、図2の下側に示す場合は、設置位置#1に設置されたハロゲン照明器具#Bは、フェーダ#1による制御に従い、「80%」の調光度で点灯し、設置位置#6に設置されたハロゲン照明器具#Aは、フェーダ#6による制御に従い、「70%」の調光度で点灯することとなる。
しかしながら、LED照明器具#A、#Bには、それぞれ個別に制御アドレスが設定されているため、設置位置が変化した場合は、適切な照明制御を実現することができなくなる。例えば、設置位置#2に設置されたLED照明器具#Bには、前回設定されたアドレス#7が付与されているため、アドレス#2が設定されたフェーダ#2ではなく、アドレス#7が設定されたフェーダ#7に従って点灯することとなる。また、設置位置#7に設置されたLED照明器具#Aには、前回設定されたアドレス#2が付与されているため、アドレス#7が設定されたフェーダ#7ではなく、アドレス#2が設定されたフェーダ#2に従って点灯することとなる。
ここで、一般的なオペレータは、照明制御装置10が有する各フェーダが各設置位置と対応するものとして操作を行う。このため、LED照明器具#A、#Bの設置位置が入れ替わった場合、設置位置#2に設置されたLED照明器具#Bを制御しようとしてフェーダ#2を操作しているにも関わらず、設置位置#7に設置されたLED照明器具#Aが制御され、設置位置#7に設置されたLED照明器具#Aを制御しようとしてフェーダ#7を操作しているにも関わらず、設置位置#2に設置されたLED照明器具#Bが制御されてしまう。
このように、ハロゲン照明器具31は、設置位置を入替えたとしても前回と同様の操作が期待できるが、LED照明器具30は、設置位置を入替えた際に、前回と同様の操作を期待することができない。この結果、ハロゲン照明器具31とLED照明器具30とで、吊り下げの再現を行う際に、ルールが煩雑になる恐れがある。
また、LED照明器具30は、出力可能な光の強度(例えば、1kw(キロワット)や2kw等)、制御可能な色彩の数(例えば、RGB(Red Green Blue)やCMYK(Cyan Magenta Yellow Key plate))、操作に対する反応速度等が異なる。このため、LED照明器具30の設置位置が変化した場合は、適切な照明制御を実現することができなくなる恐れがある。
さらに、EMGパネルは、各トグルスイッチに対して、制御アドレスが予め対応付けられている。このため、例えば、LED照明器具#AとLED照明器具#Bとが入れ替わっている場合は、設置位置#7に設置されたLED照明器具を点灯させようとしてトグルスイッチの操作が行われているにも関わらず、設置位置#2に設置されたLED照明器具が点灯してしまう。
そこで、照明制御装置10は、以下の設定処理を実行する。まず、照明制御装置10は、各制御アドレスにより制御される各照明器具が設置された設置位置を検出する。そして、照明制御装置10は、照明器具に対し、照明器具が設置された設置位置に対して予め対応付けられていた制御アドレスを設定する。すなわち、照明制御装置10は、各照明器具が設置されている設置位置に応じた制御アドレスの自動設定を行う。
例えば、照明制御装置10は、DMX規格およびRDM規格の通信を用いて、各LED照明器具30の設置位置を特定する。例えば、照明制御装置10は、各DMXノード20に対し、各ポート22に接続されているLED照明器具30から、UID等の詳細情報を収集するように指示する。このような場合、各DMXノード20は、RDM規格に沿った通信を用いて、自装置のポート22に接続されたLED照明器具30の詳細情報を収集する。そして、各DMXノード20は、あるポートを介して収集した詳細情報に対し、自装置の識別子とそのポートの識別子とを対応付けた情報を生成し、生成した情報を照明制御装置10へと送信する。このような処理の結果、照明制御装置10は、各DMXノード20の各ポート22に接続されたLED照明器具30を識別することができる。
また、照明制御装置10は、調光器盤50に対して、ハロゲン照明器具31の設置位置を要求する。このような場合、調光器盤50は、各コネクタにおける電圧特性を測定し、電圧特性が所定の条件を満たす場合は、そのコネクタにハロゲン照明器具31が接続されていると判定する。そして、調光器盤50は、ハロゲン照明器具31が接続されているコネクタを示す情報を照明制御装置10へと送信する。このような処理の結果、照明制御装置10は、各コネクタに接続されたハロゲン照明器具31を識別することができる。
ここで、照明制御装置10は、各照明器具が設置された位置に応じて、制御アドレスを自動的に付与する。例えば、図2に示す例においては、照明制御装置10は、設置位置#1に対して制御アドレス#1、設置位置#2に対して制御アドレス#2、設置位置#6に対して制御アドレス#6、設置位置#7に対して制御アドレス#7をあらかじめ保持しておく。
そして、照明制御装置10は、例えば、図2の下側に示す例では、設置位置#1に設置されたハロゲン照明器具#Bが接続するコネクタに制御アドレス#1を設定する。例えば、照明制御装置10は、ハロゲン照明器具#Bが接続するコネクタに対して制御アドレス#1を付与するように調光器盤50に指示する。このような場合、調光器盤50は、ハロゲン照明器具#Bが接続するコネクタ、すなわち、設置位置#1に対応するコネクタに対して制御アドレス#1を設定する。
また、照明制御装置10は、設置位置#2に設置されたLED照明器具#Bに設定されている制御アドレス#7を制御アドレス#2に更新する。例えば、照明制御装置10は、DMXノード20に対し、設置位置#2に接続されたLED照明器具#Bの制御アドレスを制御アドレス#2に更新する旨の指示を示す制御情報を送信する。このような場合、DMXノード20は、RDM規格に沿った通信を行うことにより、LED照明器具#Bの制御アドレスを制御アドレス#2に更新する。同様に、照明制御装置10は、設置位置#6に設置されたハロゲン照明器具#Aが接続するコネクタに制御アドレス#6を設定する。また、照明制御装置10は、設置位置#7に設置されたLED照明器具#Aに設定されている制御アドレス#2を制御アドレス#7に更新する。
このような処理の結果、照明制御装置10は、各照明器具に対し、設置位置に応じた制御アドレスを付与することができる。この結果、照明制御装置10は、照明器具の設置位置が入れ替わった場合であっても、各照明器具に対し、設置位置に応じた制御アドレスを付与することができるので、例えば、フェーダを操作した際に操作対象となる照明器具の設置位置を一定に保つことができる。このため、照明制御装置10は、照明器具の設置位置が入れ替わった場合であっても、照明器具の再設置の手間を削減することができるので設定作業の効率を向上させることができる。
また、このような処理の結果、EMGパネル60が各照明器具を制御する際に用いる制御アドレスと、各照明器具の設置位置とを一定に保つことができる。この結果、照明制御装置10は、EMGパネル60の再設定の手間を防ぐとともに、想定外の操作が行われることを防ぐことができる。
[照明制御装置の構成例]
以下、図4を用いて、実施形態に係る照明制御装置10の機能構成の一例を説明する。図4は、実施形態に係る照明制御装置の機能構成の一例を示すブロック図である。図4に示す例では、照明制御装置10は、通信部11と、記憶部12と、表示部13と、複数の操作部14a〜14c(以下、「操作部14」と総称する。)と、制御部15とを有する。
通信部11は、例えば、所定の通信回路などによって実現される。例えば、通信部11は、イーサネットやLANなどのネットワークを介して、DMXノード20や調光器盤50との間の通信を中継する。
記憶部12は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)などの半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスクなどの記憶装置によって実現される。実施形態に係る記憶部12は、図2に示すように、対応関係データ12aと、調光管理テーブル12bと、接続機器管理テーブル12cとを有する。
対応関係データ12aには、たとえば、照明器具の設置位置と、設置位置に応じた制御アドレスとが対応付けて登録されている。例えば、図5は、実施形態に係る対応関係データの一例を示す図である。図5に示すように、対応関係データ12aは、「調光器盤番号」、「ノード番号」、「ポート番号」、「バトン番号」、「コネクタ位置番号」、「アドレス情報」、「フェーダ番号」および「照明器具情報」といった項目を有する情報を含む。
ここで、「調光器盤番号」とは、照明器具に対して電力を供給する調光器盤を識別するための番号である。また、「ノード番号」とは、照明器具が接続されるDMXノード20を識別するための番号である。また「ポート番号」とは、照明器具が接続される調光器盤若しくはDMXノード20のポートを識別するための番号である。また、「バトン番号」とは、対応付けられた「調光器盤番号」、「ノード番号」、および「ポート番号」により特定される設置位置を識別するための情報であり、例えば、照明器具が設置されるバトン、および、バトンのうちどの位置に設置されるかを示す情報である。また、コネクタ位置番号とは、照明器具に対して電力を供給するコネクタを識別するための番号である。
また、「アドレス情報」とは、照明器具の設置位置に対して予め付与されている制御アドレスであり、例えば、DMXアドレスである。また、「フェーダ番号」とは、対応付けられた設置位置に設置された照明器具を制御する際に用いるフェーダを識別するための番号である。また、「照明器具情報」とは、設置されるべき照明器具の種別等を示す情報であり、例えば、「照明器具情報」は、照明器具がLED照明器具30であるか、ハロゲン照明器具31であるか、照明器具の種別(例えば、スポットライトであるか、フラットライトであるか等)、出力、使用する制御アドレスの数等といった照明器具に関する各種の情報を示す。
ここで、照明器具の設置位置は、「調光器盤番号」および「コネクタ位置番号」の組、若しくは、「ノード番号」および「ポート番号」の組により示すことができる。例えば、図5に示す例では、調光器盤番号「D1」、バトン番号「1X」、コネクタ位置番号「C1」、アドレス情報「412」、フェーダ番号「F1」、および照明器具情報「照明器具#B1C1」が対応付けて登録されている。このような情報は、調光器盤番号「D1」が示す調光器盤50からPWM方式による制御を受けるハロゲン照明器具31が、コネクタ位置番号「C1」が示すコネクタに接続され、バトン番号「1X」が示すバトンに設置される旨を示す。また、このような情報は、調光器盤番号「D1」が電力が供給されるコネクタのうちコネクタ位置番号「C1」が示すコネクタに対して、制御アドレス「412」が予め付与されており、フェーダ番号「F1」が有するフェーダにも、制御アドレス「412」が対応付けられている旨を示す。また、このような情報は、調光器盤番号「D1」が電力が供給されるコネクタのうちコネクタ位置番号「C1」が示すコネクタに対して接続されるハロゲン照明器具31の各種詳細情報が、照明器具情報「器具情報#B1#C1」である旨を示す。
また、例えば、図5に示す例では、ノード番号「N1」、ポート番号「P1」、バトン番号「1X」、コネクタ位置番号「C2」、アドレス情報「413〜416」、フェーダ番号「F2〜F5」、および照明器具情報「照明器具#B1C2」が対応付けて登録されている。このような情報は、ノード番号「N1」が示すDMXノード20が有するポートのうち、ポート番号「P1」が示すポートに対してLED照明器具30が接続され、バトン番号「1X」が示すバトンに設置される旨を示す。また、このような情報は、コネクタ位置番号「C2」が示すコネクタを介して、LED照明器具30に電力が供給される旨を示す。また、このような情報は、ノード番号「N1」が示すDMXノード20が有するポートのうち、ポート番号「P1」が示すポートに対して「413〜416」までの4つの制御アドレスが対応付けられており、さらに、フェーダ番号「F2〜F5」が有するフェーダにも、制御アドレス「413〜416」が対応付けられている旨を示す。また、このような情報は、ノード番号「N1」が示すDMXノード20が有するポートのうち、ポート番号「P1」が示すポートに対して接続されるLED照明器具30の各種詳細情報が、照明器具情報「器具情報#B1C2」である旨を示す。
なお、図5に示す情報以外にも、対応関係データ12aには、各設置位置に設置される照明器具に関する任意の情報が登録されていてよい。例えば、対応関係データ12aには、各照明器具に対して設定されるユニバースの情報が登録されていてもよい。また、記憶部12は、例えば、番組ごとに異なる内容の対応関係データ12aを保持していてもよい。また、図5に示す例では、「照明器具#B1C2」といった概念的な値を記載したが、実際には、設置されるべき照明器具に関する各種の情報が登録されるものとする。
図4の説明に戻る。記憶部12の調光管理テーブル12bには、所謂シーンごとに調光制御データが登録されている。例えば、図6は、実施形態に係る調光管理テーブルの一例を示す図である。図6に示すように、調光管理テーブル12bには、「シーンボタン」および「調光制御データ」といった項目を有する情報が登録されている。ここで、「シーンボタン」とは、所謂シーンを再現するための操作を受付けるためのボタンを示す情報である。また、「調光制御データ」とは、対応付けられたシーンボタンが操作された場合に、所定のシーンを再現するため、各照明器具に対して付与された制御アドレスと調光レベルとを対応付けたデータである。なお、図6に示す例では、「調光制御データ」として「データA」といった概念的な値を記載した。
例えば、図6に示す例では、シーンボタン「ボタン#1」に対して調光制御データ「データA」が対応付けて登録されている。このような情報は、シーンボタン「ボタン#1」が選択された場合に、調光制御データ「データA」に従って、各制御アドレスに対して調光レベルを出力することで、対応するシーンの再現が行われる旨を示す。
図4の説明に戻る。記憶部12の接続機器管理テーブル12cには、照明制御装置10や、調光器盤50に接続された照明器具に関する情報が登録される。例えば、図7は、実施形態に係る接続機器管理テーブルの一例を示す図である。図7に示す例では、接続機器管理テーブル12cには、「調光器盤番号」、「ノード番号」、「ポート番号」、「バトン番号」、「コネクタ位置番号」、「アドレス情報」、および「詳細情報」が対応付けて登録されている。
ここで、図7に示す「アドレス情報」は、対応付けられた設置位置に実際に設置された照明器具や、コネクタに対して実際に設定されている制御アドレスを示す情報である。また、「詳細情報」は、対応付けられた設置位置に実際に設置された照明器具からRDM規格の通信等を用いて取得した照明器具の詳細情報である。なお、図7に示す情報のうち、「調光器盤番号」、「ノード番号」、「ポート番号」、「バトン番号」および「コネクタ位置番号」は、図6に示した対応関係データ12aと同様の対応が予め採用されることとなる。
例えば、図7に示す例では、ノード番号「N1」、ポート番号「P1」、バトン番号「1X」、コネクタ位置番号「C2」、アドレス情報「120〜124」、および詳細情報「詳細情報#1」が対応付けて登録されている。このような情報は、ノード番号「N1」が示すDMXノード20が有するポート22のうち、ポート番号「P1」が示すポートに接続されたLED照明器具30に対し、制御アドレス「120〜124」が付与されており、LED照明器具30の制御情報が「詳細情報#1」である旨を示す。
図4に戻り、説明を続ける。表示部13は、任意の情報を表示可能な表示装置であり、例えば、液晶モニタやタッチパネルなどにより実現される。なお、表示部13が表示する画面としては、対応関係データ12aとして保存された各照明器具の設置位置や、接続機器管理テーブル12cとして記憶された各照明器具の設置位置の情報などが採用される。
操作部14は、操作者からの操作を受付ける入力装置であり、例えば、フェーダやボタンなどといった入力装置により実現される。なお、操作部14は、サブマスタフェーダ、シーンボタン、エフェクトボタンなど、1つ以上の照明器具に対する所定の操作を行うための入力装置であってもよい。
なお、例えば、表示部13が操作者からの操作を受け付けることができるタッチパネルにより実現される場合は、表示部13と操作部14とは、一体の装置として実現されていてもよい。このような場合、操作部14は、画面上に表示される仮想的な入力装置により実現されうる。
制御部15は、照明制御装置10の各部を制御するコントローラである。例えば、制御部15は、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)等のプロセッサであってもよいし、FPGA(Field Programmable Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の集積回路であってもよい。制御部15は、照明制御装置10内の各種メモリを記憶領域として利用し、処理手順などを規定したプログラム及び所要データを用いて、種々の処理を実行する。
例えば、図4に示す例では、制御部15は、検出部15aと、保存部15bと、読出部15cと、比較部15dと、出力部15eと、設定部15fと、付与部15gと、表示制御部15hとを有する。
検出部15aは、各設置位置に設置された照明器具を検出する。例えば、検出部15aは、制御アドレスにより制御される各照明器具が設置された設置位置を検出する。例えば、検出部15aは、LED照明器具30が接続されたDMXノード20と、DMXノード20が有するポート22のうちLED照明器具30が接続されたポートとを検出する。また、検出部15aは、ハロゲン照明器具31が接続されたコネクタを特定する。また、検出部15aは、各照明器具の設置位置に加えて、各照明器具の種別を示す情報、すなわち、照明器具情報を検出する。
例えば、検出部15aは、オペレータからの操作に従って、各設置位置に設置された照明器具の情報を収集する。例えば、検出部15aは、各DMXノード20に対し、各ポートに接続された照明器具の情報を送信するように要求する。このような場合、各DMXノード20は、RDM規格の通信を介して、自装置の各ポートに接続されたLED照明器具30に付与された制御アドレスや詳細情報を読出し、各LED照明器具30が接続されたポートのポート番号や自装置のノード番号と対応付けて照明制御装置10へと送信する。また、調光器盤50は、各コネクタのうち、照明器具が接続されたコネクタを検出し、検出したコネクタに対して対応付けていた制御アドレスを照明制御装置10へと送信する。
保存部15bは、検出部15aにより検出された情報を接続機器管理テーブル12cに登録する。例えば、保存部15bは、DMXノード20や調光器盤50から取得した情報を接続機器管理テーブル12cへと登録する。
例えば、検出部15aは、DMXノード20−1から、DMXノード20−1を識別するノード番号「N1」と、DMXノード20−1が有するポート22−1を示すポート番号「P1」と、ポート22−1に接続されたLED照明器具30−1に付与されたアドレス情報「120〜124」と、LED照明器具30−1の詳細情報#1とを受付ける。このような場合は、保存部15bは、対応関係データ12aを参照し、検出部15aにより検出されたノード番号「N1」と、ポート番号「P1」とに対応付けられたバトン番号「1X」およびコネクタ位置番号「C2」を特定する。そして、保存部15bは、受付けられた情報と特定したバトン番号およびコネクタ位置番号を対応付けて、接続機器管理テーブル12cへと登録する。
また、例えば、検出部15aは、調光器盤50から、調光器盤番号「D1」とコネクタ位置番号「C1」とアドレス情報「103」とを受付ける。このような場合は、保存部15bは、対応関係データ12aを参照し、調光器盤番号「D1」と、コネクタ位置番号「C1」とに対応付けられたバトン番号「1X」を特定する。そして、保存部15bは、受付けられた情報とバトン番号とを対応付けて、接続機器管理テーブル12cへと登録する。
読出部15cは、保存部15bにより保存された対応関係データ12aを読み出す。たとえば、読出部15cは、対応関係データ12aと接続機器管理テーブル12cとに登録された情報のうち、同一のバトン番号および同一のコネクタ位置番号に対応付けられたアドレス情報を読み出す。なお、読出部15cは、アドレス情報のみならず、照明器具情報を合わせて読み出してもよい。また、読出部15cは、調光器盤番号とコネクタ位置番号との組が同一の情報を読み出してもよく、ノード番号とポート番号との組が同一の情報を読み出してもよい。
比較部15dは、読出部15cによって読み出された情報を比較する。例えば、読出部15cは、対応関係データ12aとして予め設定されていたアドレス情報と、検出部15aにより検出されたアドレス情報とを比較し、各アドレス情報が一致するか否かを判定する。そして、比較部15dは、アドレス情報が一致しなかった場合は、読出部15cによってアドレス情報が読み出された設置位置、例えば、バトン番号とコネクタ位置番号とを出力部15eに通知する。
例えば、比較部15dは、対応関係データ12aとしてノード番号「N1」およびポート番号「P1」の組に対応付けられたアドレス情報「413〜416」と、接続機器管理テーブル12cにノード番号「N1」およびポート番号「P1」の組に対応付けられたアドレス情報「120〜124」とを比較し、これらのアドレス情報が一致しないと判定する。このような場合、比較部15dは、ノード番号「N1」およびポート番号「P1」の組、若しくは、バトン番号「1X」およびコネクタ位置番号「C1」の組(若しくはその両方)を出力部15eに通知する。
また、比較部15dは、対応関係データ12aとして予め登録されていた照明器具情報と、検出部15aによって読み出された詳細情報とを比較し、照明器具情報が示す条件を詳細情報が満たすか否かを判定する。そして、比較部15dは、照明器具情報が示す条件を詳細情報が満たさなかった場合は、読出部15cによってアドレス情報が読み出された設置位置、例えば、バトン番号とコネクタ位置番号とを出力部15eに通知する。
また、比較部15dは、対応関係データ12aとして登録されていた「器具情報#B1C2」と接続機器管理テーブル12cに登録されていた「詳細情報#1」とを比較し、「器具情報#B1C2」が示す条件を「詳細情報#1」が満たすか否かを判定する。例えば、比較部15dは、「器具情報#B1C2」が示す照明の種別と「詳細情報#1」が示す照明の種別とが同一であるか否か、「詳細情報#1」が示す照明の出力が「器具情報#B1C2」が示す照明の出力と同一(若しくはそれ以上)であるか否か等を判定する。そして、比較部15dは、「器具情報#B1C2」が示す条件を「詳細情報#1」が満たさない場合は、ノード番号「N1」およびポート番号「P1」の組、若しくは、バトン番号「1X」およびコネクタ位置番号「C1」の組(若しくはその両方)を出力部15eに通知する。
出力部15eは、比較部15dで比較された結果を表示部13に出力する。例えば、出力部15eは、検出された種別が、設置位置と対応付けられた条件を満たさない場合は、警告を出力する。例えば、出力部15eは、比較部15dによってアドレス情報が一致しないと判断された設置位置や、器具情報が示す条件を詳細情報が満たさないと判断された設置位置を示す情報を画面上に表示させることで、オペレータへの警告を行う。
設定部15fは、照明器具に対し、照明器具が設置された設置位置に対して予め対応付けられていた制御アドレスを設定する。例えば、設定部15fは、比較部15dにより、制御アドレスが一致しないと判別された設置位置を特定し、特定した設置位置と対応付けられたドレス情報を対応関係データ12aから読み出す。そして、設定部15fは、特定した設置位置に接続されている照明器具に対し、対応関係データ12aから読み出したアドレス情報を付与する。
例えば、設定部15fは、接続機器管理テーブル12cに登録された制御アドレスが対応関係データ12aに登録されている制御アドレスと一致しなかった設置位置として、調光器盤番号が登録されていなかった場合は、ノード番号とポート番号との組を特定する。このような場合、設定部15fは、特定したノード番号とポート番号との組に対応付けられた制御アドレスを対応関係データ12aから読み出す。そして、設定部15fは、特定したノード番号が示すDMXノード20に対し、特定したポート番号と制御アドレスとを通知する。このような場合、ポート番号と制御アドレスとの通知を受付けたDMXノード20は、通知されたポート番号が示すポートに接続されたLED照明器具30に対し、DMX規格やRDM規格の通信を用いて、通知された制御アドレスを設定する。
一方、設定部15fは、接続機器管理テーブル12cに登録された制御アドレスが対応関係データ12aに登録されている制御アドレスと一致しなかった設置位置として、調光器盤番号が登録されていた場合は、調光器盤番号とコネクタ位置番号との組を特定する。このような場合、設定部15fは、特定した調光器盤番号とコネクタ位置番号との組に対応付けられた制御アドレスを対応関係データ12aから読み出す。そして、設定部15fは、特定した調光器盤番号が示す調光器盤50に対し、特定したコネクタ位置番号と制御アドレスとを通知する。このような場合、調光器盤50は、通知されたコネクタ位置番号が示すコネクタに対し、通知された制御アドレスを設定する。
上述した処理の結果、設定部15fは、照明器具が接続されたコネクタに対して予め対応付けられていた制御アドレスを設定することができる。また、設定部15fは、照明器具が接続されたDMXノード20とポート22との組に対して予め対応付けられていた制御アドレスを設定することができる。
なお、設定部15fは、照明器具の詳細情報が、設置位置と対応付けられた条件(すなわち、照明器具情報が示す条件)を満たす場合は、設置位置に対して予め対応付けられていた制御アドレスを照明器具に対して設定し、満たさない場合は、制御アドレスの設定を行わずともよい。例えば、設定部15fは、ノード番号「N1」およびポート番号「P1」に対応付けられた詳細情報#1が、「器具情報#B1C2」の条件を満たさない場合は、ノード番号「N1」およびポート番号「P1」が示す設置位置に接続された照明器具の制御アドレスを更新せずともよい。
なお、DMX規格およびRDM規格においては、一つのポート22に対して複数のLED照明器具30を直列に接続可能である。このように、一つのポート22に対して複数のLED照明器具30が直列に接続されている場合は、照明制御装置10は、これら複数のLED照明器具30に対して同一の制御アドレスを付与することとなる。例えば、照明制御装置10は、ノード番号「N1」およびポート番号「P1」が示す設置位置に、複数のLED照明器具30が直列に接続されている場合、これらのLED照明器具30の各々に対し、制御アドレス「413〜416」を設定することとなる。
付与部15gは、オペレータからの操作に応じて、各照明器具に対する制御アドレスの一括付与を行う。例えば、付与部15gは、オペレータからの操作が行われた場合は、対応関係データ12aを参照し、各設置位置に対応付けられたアドレス情報を読み出す。そして、付与部15gは、読み出したアドレス情報を各設置位置に接続された照明器具に設定するように、DMXノード20や調光器盤50に通知する。
表示制御部15hは、各種の表示制御を行う。例えば、表示制御部15hは、表示部13を制御することで、各設置位置を模擬的に示す画面や、各設置位置に接続された照明器具の情報等を表示させる。例えば、表示制御部15hは、接続機器管理テーブル12cを参照し、バトンやポート等といった設置位置を模擬的に示す画面を表示するとともに、各設置位置に接続された照明器具を示すアイコン等を表示する。なお、表示制御部15hは、検出された詳細情報に基づいて、照明器具の種別に応じた形状のアイコンを表示してもよく、出力や種別、設定済みの制御アドレスを合わせて表示してもよい。
また、表示制御部15hは、対応関係データ12aに登録された制御アドレスと異なる制御アドレスが付与された照明器具の設置位置を強調表示してもよい。また、表示制御部15hは、照明器具情報が示す条件を満たさない照明器具が設置された設置位置を強調表示してもよい。また、表示制御部15hは、各照明器具に設置位置に応じた制御アドレスが設定された場合は、設定後の制御アドレスを示す情報を画面上に表示させてもよい。また、このようにして表示された画面は、各照明器具のうち、制御対象となる照明器具の選択を受付けるための画面として表示されてもよく、各照明器具の状態(例えば、出力する光の色彩や強度等)を示す情報を表示するための画面として表示されてもよい。
例えば、図8は、実施形態に係る照明制御装置が表示する画面の一例を示す図である。例えば、図8に示す例では、照明制御装置10は、それぞれが1番〜5番までの設置位置(例えば、DMXノードのポートに対応)を有する複数のバトン1B、2B、1X〜4X、1Y〜4Y、1Z〜4Zの位置を模式的に示す画面を表示する。また、照明制御装置10は、各バトンの設置位置のうち、照明器具が設置された設置位置を特定し、特定した設置位置に対して、照明器具が接続されている旨を示す表示(例えば、斜線等)を重ねて表示する。また、照明制御装置10は、各設置位置に対してあらかじめ対応付けられていた制御アドレス(すなわち、DMXアドレス)であって、各設置位置に設置された照明器具に対して設定された制御アドレスを合わせて表示する。
[照明制御処理のフロー]
次に、図9を用いて、照明制御装置10が実行する設定処理の流れの一例を説明する。図9は、実施形態に係る設定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
例えば、照明制御装置10は、設置位置と照明器具との対応関係を収集する(ステップS101)。より具体的には、照明制御装置10は、各設置位置に接続された照明器具の制御アドレスを収集する。続いて、照明制御装置10は、設定済みの対応関係と収集した対応関係とを比較し(ステップS102)、設置位置と制御アドレスとの対応関係が一致したか否かを判定する(ステップS103)。例えば、照明制御装置10は、収集した設置位置と制御アドレスとの組が、予め設定されていた設置位置と制御アドレスとの組と一致したか否かを判定する。
そして、照明制御装置10は、対応関係が一致しなかった場合は(ステップS103:No)、設置位置に応じた制御アドレスを照明器具に付与する(ステップS104)。一方、照明制御装置10は、対応関係が一致した場合は(ステップS103:Yes)、ステップS104をスキップする。
また、照明制御装置10は、設置位置と照明種別との対応関係が一致したか否かを判定する(ステップS105)。例えば、照明制御装置10は、設置位置に対して予め定められていた照明の種別と、収集した照明の種別とが一致するか否かを判定する。そして、照明制御装置10は、照明の種別が一致しなかった場合は(ステップS105:No)、アラートをオペレータに提供する(ステップS106)。一方、照明制御装置10は、設置位置と照明種別との対応関係が一致した場合は(ステップS105:Yes)、ステップS106をスキップする。
そして、照明制御装置10は、設置位置と制御アドレスや照明種別等の対応関係を表示し(ステップS107)、処理を終了する。なお、照明制御装置10は、ステップS105およびステップS106を先に実行し、その後にオペレータからの許可を受付けた際に、ステップS103とステップS104を実行してもよい。
上述してきたように、実施形態に係る照明制御装置10は、制御アドレスにより制御される照明器具が設置された設置位置を検出し、照明器具に対し、照明器具が設置された設置位置に対して予め対応付けられていた制御アドレスを設定する。このような処理の結果、照明制御装置10は、各照明器具を操作する際に用いる制御アドレスを、照明器具が設置された設置位置に応じた制御アドレスに保つことができるので、例えば、過去と同様の制御アドレスを各照明器具に対して容易に設定することができ、設定作業の効率を向上させることができる。
また、照明制御装置10は、各照明器具に対し、設置位置に応じた制御アドレスを付与するので、例えば、過去のシーンデータの再利用を容易にするとともに、EMGパネル60の再設定の手間を削減することができる。
なお、上述した対応関係データ12aは、任意のタイミングでオペレータにより設定されるものであってもよい。また、照明制御装置10は、設置位置と制御アドレスとの対応が異なる対応関係データ12aを複数記憶し、オペレータにより選択された対応関係データ12aを用いて、上述した設定処理を実行してもよい。このような処理を実行した場合、例えば、照明制御装置10は、番組ごとに対応関係データ12aを保持することで、設定作業の効率をさらに向上させることができる。
また、上述した例では、各照明器具と対応するDMXアドレスを用いて、照明器具の制御を行う例について説明したが、実施形態は、これに限定されるものではない。例えば、DMXノード20が有する機能と、バトン40が有する機能とをまとめたスマートセンピ(線樋)と呼ばれる装置が知られている。このようなスマートセンピには、RDM規格の通信を用いて、各ポート22に接続された照明器具からDMXアドレスを読出し、読み出したDMXアドレスを表示する画面や、スマートセンピを識別するための数値や文字列等を表示する画面を有するものがある。
しかしながら、このような画面を有するスマートセンピでは、照明器具の制御を容易にすることができるものの、不要な情報が撮影されてしまう恐れや、撮影範囲外から漏れ出た光が撮影されてしまう恐れがある。そこで、照明制御装置10は、このようなスマートセンピの表示を制御する機能を有していてもよい。例えば、照明制御装置10は、スマートセンピが有する各画面に対してDMXアドレスを付与し、DMXアドレスを用いて、画面の点灯或いは消灯を制御してもよい。また、照明制御装置10は、複数の画面ごと或いはスマートセンピごとに付与されたDMXアドレスを用いて、画面の制御を実現してもよい。また、このような画面の制御は、照明制御装置10のみならず、例えば、調光器盤50やEMGパネル60により実現されてもよい。
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。