以下、図面を参照して、実施形態に係る照明制御装置および照明システムを説明する。実施形態において同一の機能を有する構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。なお、以下の実施形態で説明する照明制御装置および照明システムは、一例を示すに過ぎず、実施形態を限定するものではない。例えば、以下の実施形態では、照明制御装置および照明システムは、ハロゲン照明器具のみならず任意のRDM非対応の照明器具の制御にも適用することができる。なお、以下の各実施形態は、矛盾しない範囲内で適宜組みあわせてもよい。
以下の実施形態に係る照明制御装置100は、RDM対応の調光器30のアドレスを取得する取得部120と、RDM対応の調光器30に対するRDM非対応の照明器具10(例えば、ハロゲン照明器具10−1〜10−n)の接続に関する情報である接続情報を記憶する記憶部150と、RDM対応の調光器30のアドレスおよび接続情報に基づいてRDM非対応の照明器具10のアドレスを特定する特定部161と、RDM非対応の照明器具10のアドレスに基づいて、RDM非対応の照明器具10から出力される光を制御する制御部160とを具備する。
また、以下の実施形態に係る照明制御装置100において、接続情報は、RDM対応の調光器30におけるRDM非対応の照明器具10の接続口の番号を含む。
また、以下の実施形態に係る照明制御装置100において、特定部161は、RDM対応の調光器30のアドレスおよびRDM非対応の照明器具10の接続口の番号に基づいてRDM非対応の照明器具10のアドレスを特定する。
また、以下の実施形態に係る照明制御装置100において、RDM非対応の照明器具10が使用されているか否かを判定する使用判定部162をさらに具備する。
また、以下の実施形態に係る照明制御装置100は、RDM非対応の照明器具10が使用されている時間を計測する使用時間計測部163をさらに具備する。
また、以下の実施形態に係る照明制御装置100は、RDM非対応の照明器具10が点灯しているか否かを判定する点灯判定部164をさらに具備する。
また、以下の実施形態に係る照明制御装置100は、RDM非対応の照明器具10が点灯している時間を計測する点灯時間計測部165をさらに具備する。
また、以下の実施形態に係る照明システム1は、照明制御装置100と、RDM対応の調光器30と、RDM非対応の照明器具10とを具備する。
[第1の実施形態]
(第1の実施形態に係る照明制御装置100における処理の概要)
従来の照明制御装置が、ハロゲン照明器具のようなRDM規格に対応していない照明器具(RDM非対応の照明器具)を制御する場合には、従来の照明制御装置は、RDM信号ではない信号を使用することによって、RDM非対応の調光器を経由して、RDM非対応の照明器具を制御する。
しかしながら、従来の照明制御装置が、RDM信号ではない信号を使用することによって、RDM非対応の調光器を経由して、RDM非対応の照明器具を制御する場合には、従来の照明制御装置は、RDM非対応の照明器具のDMXアドレス等を得ることが困難であることがある。
そこで、第1の実施形態に係る照明制御装置100(図1参照)は、取得部120と、記憶部150と、制御部160とを具備する。制御部160は、特定部161を含む。取得部120は、RDM対応の調光器30のDMXアドレスを取得する。記憶部150は、RDM対応の調光器30に対するRDM非対応の照明器具10の接続に関する情報である接続情報を記憶する。特定部161は、RDM対応の調光器30のDMXアドレスおよび接続情報に基づいてRDM非対応の照明器具10のDMXアドレスを特定する。制御部160は、RDM非対応の照明器具10のDMXアドレスに基づいて、RDM非対応の照明器具10から出力される光を制御する。
例えば、RDM非対応の照明器具10は、RDM非対応の調光器に接続されるのではなく、RDM対応の調光器30に接続されるため、RDM非対応の照明器具10は、RDM対応の調光器30によって制御される。例えば、照明制御装置100が、RDM規格に従った信号を使用することによってRDM対応の調光器30を認識すると、照明制御装置100は、RDM規格に従った信号を使用することによって、RDM対応の調光器30のDMXアドレス等を取得する。例えば、照明制御装置100は、RDM対応の調光器30に対するRDM非対応の照明器具10の接続に関する情報として、記憶部150における照明器具情報管理テーブル152に記憶されたRDM非対応の照明器具10の接続口の番号等を取得する。例えば、照明制御装置100は、RDM対応の調光器30のDMXアドレス等およびRDM非対応の照明器具10の接続口の番号等に基づいて、RDM非対応の照明器具10のDMXアドレスを特定する。
このように、RDM対応の調光器30に接続されたRDM非対応の照明器具10のDMXアドレス等に基づいて、RDM対応の調光器30を経由してRDM非対応の照明器具10から出力される光を制御することが可能である。それに応じて、照明制御装置100は、RDM非対応の照明器具10の配置またはメンテナンスの時期を管理することが可能である。例えば、照明制御装置100は、RDM非対応の照明器具10のレイアウト画面においてRDM非対応の照明器具10に対応するアイコンを自動的に配置することが可能である。例えば、照明制御装置100は、容易にRDM非対応の照明器具10のメンテナンスの情報を提供することが可能である。よって、照明制御装置100が、RDM非対応の照明器具10と接続される場合であっても、照明制御装置100の利便性を改善することが可能である。
(第1の実施形態に係る照明システム1の構成)
以下、第1の実施形態に係る照明システム1の一例を説明する。図1は、第1の実施形態に係る照明システムの機能構成の一例を示す図である。第1の実施形態に係る照明システム1は、複数のハロゲン照明器具10−1〜10−n(nは自然数である)、DMXノード20、RDM対応の調光器(RDM規格に対応する調光器)30、および照明制御装置100を含む。複数のハロゲン照明器具10−1〜10−nを区別する必要がない場合、複数のハロゲン照明器具10−1〜10−nを「ハロゲン照明器具10」と総称することにする。ハロゲン照明器具10は、RDM非対応の照明器具(RDM規格に対応していない照明器具)の一例である。照明システム1においては、ハロゲン照明器具10、DMXノード20、およびRDM対応の調光器30の種類および数等を任意に設定することができる。
ハロゲン照明器具10は、例えば、光源としてハロゲンランプを含む。例えば、ハロゲン照明器具10−1〜10−nの各々は、カラーフィルターを含むものであってもよい。ハロゲン照明器具10は、例えば、RDM対応の調光器30から出力される電力の位相変化に応じた白色光を出力する。
ハロゲン照明器具10は、例えば、劇場等の舞台またはテレビ局等のスタジオのための照明を提供する。例えば、ハロゲン照明器具10は、舞台またはスタジオの床または天井等の任意の空間に配置される。ハロゲン照明器具10は、例えば、舞台またはスタジオにおいて用いられるホリゾントライト、ダウンライト、スポットライト、またはフラッドライトである。
DMXノード20は、照明制御装置100とRDM対応の調光器30との間の通信を中継する装置である。DMXノード20は、例えば、イーサーネット(登録商標)またはLAN(Local Area Network)等の有線または無線のネットワークを介して、照明制御装置100と双方向通信可能な状態で接続される。一方、DMXノード20は、例えば、RDM規格に従った信号によってRDM対応の調光器30と双方向通信可能な状態で接続される。
RDM対応の調光器30は、照明制御装置100から受け付けたRDM規格に従った信号によって、ハロゲン照明器具10から出力される光の強度を調整する装置である。RDM対応の調光器30は、例えば、調光盤によって実現される。例えば、RDM対応の調光器30は、照明制御装置100からのRDM規格に従った信号によって示される調光率を再現するように、ハロゲン照明器具10に供給される電力の位相を変化させる。調光率は、ハロゲン照明器具10から出力される光の強度を百分率で示すものである。それによって、RDM対応の調光器30は、ハロゲン照明器具10の位相調光を行う。
RDM対応の調光器30は、通信部31、制御部32、および複数のポート33−1〜33−n(nは自然数である)を含む。複数のポート33−1〜33−nを区別する必要がない場合、複数のポート33−1〜33−nを「ポート33」と総称することにする。
通信部31は、DMXノード20を経由して照明制御装置100と情報の送受信を行う通信装置である。通信部31は、例えば、NIC(Network Interface Card)等の通信装置によって実現される。例えば、通信部31は、照明制御装置100から制御情報を受付けると、受付けた制御情報を制御部32へ出力する。
制御部32は、制御情報に基づいて、ハロゲン照明器具10を制御する。例えば、制御部32は、RDM対応の調光器30に含まれる(図示しない)メモリ等にポート33に接続されたハロゲン照明器具10のDMXアドレスを記憶する。制御部32は、制御情報として、調光率および制御対象としてのハロゲン照明器具10のDMXアドレスを受け付けた場合は、受け付けたDMXアドレスによって示されるハロゲン照明器具10に接続されたポート33を特定する。制御部32は、ハロゲン照明器具10に供給される電力の位相を変化させる。制御部32は、位相を変化させた電力を特定されたポート33から出力する。制御部32は、ポート33に所定の電圧を印加する際に生じる電流量、すなわち、ポート33における抵抗値に応じて、ポート33にハロゲン照明器具10が接続されているか否かを判定する機能を有するものであってもよい。
ポート33−1〜33−nは、それらを識別するためのポート番号が付与されたポートである。ポート33は、例えば、ハロゲン照明器具10に対して信号の送受信をするための接続端子(コネクタ)である。
照明制御装置100は、RDM対応の調光器30を介して、ハロゲン照明器具10を制御する。すなわち、照明制御装置100は、ハロゲン照明器具10と仮想的な双方向性の制御情報を通信することが可能な装置である。照明制御装置100は、ユーザからハロゲン照明器具10に対する操作指令を受け付けると、RDM規格に従った通信プロトコルによって、ハロゲン照明器具10を遠隔制御する。照明制御装置100は、例えば、プリセットフェーダ、クロスフェーダおよびサブマスタフェーダのようなフェーダおよびボタンなどを備えた調光卓または制御卓等によって実現される。
照明制御装置100は、通信部110、取得部120、表示部130、操作部140、記憶部150、および制御部160を含む。
通信部110は、DMXノード20を介して、ハロゲン照明器具10に対して情報の送受信を行う。通信部110は、例えば、NIC等の通信装置によって実現される。
取得部120は、RDM対応の調光器30に関する情報およびRDM対応の調光器30に接続されたハロゲン照明器具10に関する情報を取得する。
取得部120は、RDM規格に従った信号を使用することで、通信部110およびDMXノード20を経由して、RDM対応の調光器30に関する情報を取得する。取得部120は、RDM対応の調光器30に関する情報を記憶部150における調光器情報管理テーブル151に記憶する。
取得部120は、ユーザからの入力を受け付ける受付部121を含む。受付部121は、ユーザの入力操作を受け付けるインターフェース機能を有する。例えば、受付部121は、タッチパネルによって実現される。受付部121は、ユーザの入力操作の内容に関する情報を記憶部150に記憶する。例えば、受付部121は、ユーザからのハロゲン照明器具10に関する情報の入力を受け付ける。受付部121は、ハロゲン照明器具10に関する情報を記憶部150における照明器具情報管理テーブル152に記憶する。
表示部130は、制御部160による制御に従って、照明制御に関する各種の情報を画面に表示する。表示部130は、例えば、液晶ディスプレイ等によって実現される。例えば、表示部130は、取得されたハロゲン照明器具10に関する情報に基づいて、ハロゲン照明器具10に関する情報(例えば、ハロゲン照明器具10に設定されたDMXアドレス)を表示する。例えば、表示部130は、ハロゲン照明器具10が配置された状況を示す情報であるハロゲン照明器具10の配置情報を表示する。例えば、表示部130は、操作部140に設けられたプリセットフェーダ、クロスフェーダおよびサブマスタフェーダのようなフェーダおよびボタンなどに設定された照明態様の内容等を表示する。
表示部130は、例えば、取得部120によって取得されたRDM対応の調光器30に関する情報を表示してもよい。表示部130は、受付部121を通じてユーザの入力操作を受け付けるための画面および受付部121によって受け付けられたユーザの入力操作の内容を表示してもよい。例えば、受付部121は、ハロゲン照明器具10に関する情報の入力を受け付けるための画面および受付部121によって受け付けられたハロゲン照明器具10に関する情報を表示してもよい。
表示部130は、情報を表示(出力)するのみならず、入力装置としてのインターフェース機能を有するものであってもよい。例えば、表示部130がタッチパネルディスプレイによって実現される場合、表示部130は、入力操作を受け付けるインターフェースとしても機能する。
操作部140は、ハロゲン照明器具10に対するユーザの操作を受付ける装置である。操作部140は、例えば、各種のフェーダおよび各種のボタンを含む。フェーダは、例えば、ハロゲン照明器具10の強度を変更する操作を受付けるスライダである。操作部140は、タッチパネル等によって実現されてもよい。
操作部140は、例えば、各種の照明態様(シーンまたはエフェクト)を再現するための複数のプリセットフェーダ(多段のプリセットフェーダ)を含む。プリセットフェーダは、予め設定された照明態様を再現するためのハロゲン照明器具10から出力される光の色および強度を示す情報を登録する。
操作部140は、例えば、照明態様の連続的な切り替えを行うクロスフェーダを含む。クロスフェーダは、例えば、第1の照明態様を実現するための情報および第2の照明態様を実現するための情報を対応付けて登録する。ユーザがクロスフェーダを操作した場合には、照明制御装置100は、操作内容に従った変化率で、第1の照明態様および第2の照明態様を変化させる。例えば、ユーザがクロスフェーダを一方の端から他方の端まで徐々に移動させた場合は、照明制御装置100は、第1の照明態様から第2の照明態様へ(または第2の照明態様から第1の照明態様へ)照明態様を徐々に変更させる。
操作部140は、例えば、複数の予め設定された照明態様の中から所望の照明態様を選択するための複数のボタンを含む。ボタンは、プリセットフェーダによって予め設定された照明態様に対応する。例えば、ユーザは、複数の予め設定された照明態様の中から、クロスフェーダによって変化させる第1の照明態様および第2の照明態様を選択する場合に、第1の照明態様に対応するボタンおよび第2の照明態様に対応するボタンを押下する。
記憶部150は、照明制御装置100に予め設定された情報、取得部120によって取得された情報、および受付部121によって受け付けられたユーザの入力操作の内容に関する情報のような各種の情報を記憶する。記憶部150は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ、またはRAM(Random Access Memory)等の記憶装置によって実現される。
記憶部150は、例えば、予め設定された照明態様を再現するためのハロゲン照明器具10から出力される光の強度または調光率を示す情報を含む。記憶部150は、例えば、ハロゲン照明器具10から出力される光の色および強度または調光率の情報を含む。記憶部150は、調光器情報管理テーブル151および照明器具情報管理テーブル152を記憶する。
調光器情報管理テーブル151は、RDM対応の調光器30に関する情報を管理するテーブルである。例えば、調光器情報管理テーブル151は、RDM対応の調光器30のUID、DMXアドレス、チャンネル数、接続先、および通信状態などの情報を含む。例えば、調光器情報管理テーブル151は、調光器IDおよび調光器の名称をさらに含むものであってもよい。
図2は、第1の実施形態に係る照明制御装置100に記憶される調光器情報管理テーブル151の一例を示す図である。図2に示す調光器情報管理テーブル151は、「調光器ID」、「名称」、「UID」、「DMXアドレス」、「チャンネル数」、「接続先」、および「通信状態」の項目を有する情報を含む。図2に示す調光器情報管理テーブル151において、「調光器ID」、「名称」、「UID」、「DMXアドレス」、「チャンネル数」、「接続先」、および「通信状態」は、互いに関連付けられる。
「調光器ID」は、RDM対応の調光器30を特定するための識別番号である。「調光器ID」は、後述する「UID」に対応すると共にユーザによってより容易に認識することができるようにユーザによって独自に設けられる。「名称」は、RDM対応の調光器30の名称である。「名称」は、RDM対応の調光器30の製品名であってもよいが、ユーザによって独自に設けられたものであってもよい。「UID」は、規格に従って定められた装置ごとの固有の番号である。「UID」は、RDM対応の調光器30に予め付与された12桁の16進数で表される。
「DMXアドレス」は、DMX規格のデータリンク上におけるアドレス、すなわち、照明制御装置100がRDM対応の調光器30を制御する際に用いる制御アドレスである。「チャンネル数」は、RDM対応の調光器30に接続されるハロゲン照明器具10の制御に用いられるDMXアドレスの数である。例えば、チャンネル数「4」のRDM対応の調光器30においては、強度(I)、赤色(R)、緑色(G)、および青色(B)のそれぞれに対して個別のDMXアドレスが設定される。それによって、強度、赤色、緑色、および青色に対応するハロゲン照明器具10が個別に制御される。
「接続先」は、RDM対応の調光器30に接続されるハロゲン照明機器10の位置を示す情報である。「通信状態」は、照明制御装置100とRDM対応の調光器30との間の通信の状態(接続または切断)を示す情報である。例えば、「通信状態」は、照明制御装置100とRDM対応の調光器30との間の通信が接続される場合には、「真」の情報が提供される。一方、「通信状態」は、照明制御装置100とRDM対応の調光器30との間の通信が切断される場合には、「偽」の情報が提供される。「通信状態」は、照明制御装置100とRDM対応の調光器30との間の通信の状態の切り替えに応じて更新される。
調光器情報管理テーブル151において、例えば、「11」の「調光器ID」、「調光器Ver3」の「名称」、および「67f0・・・11」の「UID」を備えるRDM対応の調光器30は、「82」の設定された「DMXアドレス」および「3」個の「チャンネル数」を有する。例えば、上述した「11」の「調光器ID」等を備えるRDM対応の調光器30は、「L1−[2]」の「接続先」におけるハロゲン照明機器10に関して「真」の「通信状態」、すなわち、接続の状態にある。
例えば、「12」の「調光器ID」、「調光器Ver3」の「名称」、および「67f0・・・12」の「UID」を備えるRDM対応の調光器30は、「231」の設定された「DMXアドレス」および「3」個の「チャンネル数」を有する。例えば、上述した「12」の「調光器ID」等を備えるRDM対応の調光器30は、「S3−[1]」の「接続先」におけるハロゲン照明機器10に関して「真」の「通信状態」、すなわち、接続の状態にある。
例えば、「13」の「調光器ID」、「調光器Ver3」の「名称」、および「67f0・・・13」の「UID」を備えるRDM対応の調光器30は、「345」の設定された「DMXアドレス」および「3」個の「チャンネル数」を有する。例えば、上述した「13」の「調光器ID」等を備えるRDM対応の調光器30は、「B2−[3]」の「接続先」におけるハロゲン照明機器10に関して「偽」の「通信状態」、すなわち、接続の切断の状態にある。
照明器具情報管理テーブル152は、ハロゲン照明器具10に関する情報を管理するテーブルである。例えば、照明器具情報管理テーブル152は、照明器具ID、接続先調光器ID、接続口、器具使用時間、器具点灯時間、接続先、DMXアドレス、および接続状態を含む。
図3は、第1の実施形態に係る照明制御装置100に記憶される照明器具情報管理テーブル152の一例を示す図である。図3に示す照明器具情報管理テーブル152は、「照明器具ID」、「接続先調光器ID」、「接続口」、「器具使用時間(時間)」、「器具点灯時間(時間)」、「接続先」、「DMXアドレス」、および「接続状態」の項目を有する情報を含む。図3に示す照明器具情報管理テーブル152において、「照明器具ID」、「接続先調光器ID」、「接続口」、「器具使用時間(時間)」、「器具点灯時間(時間)」、「接続先」、「DMXアドレス」、および「接続状態」は、互いに関連付けられる。
「照明器具ID」は、ハロゲン照明器具10を特定するための識別番号である。「照明器具ID」は、ユーザによって独自に設けられる。「接続先調光器ID」は、調光器情報管理テーブル151に含まれる「調光器ID」と同一である。「接続口」は、RDM対応の調光器30におけるハロゲン照明機器10を接続するためのポートを示す情報である。「接続口」は、調光器情報管理テーブル151に含まれる「チャンネル数」(アドレス範囲)内で選択されるチャンネルの番号である。
「器具使用時間(時間)」は、ハロゲン照明器具10が使用されていた時間の合計を示す情報である。「器具使用時間(時間)」の単位は、例えば、時間である。「器具使用時間(時間)」は、より具体的には、RDM対応の調光器30とハロゲン照明器具10とが接続されている時間の合計である。「器具使用時間(時間)」は、RDM対応の調光器30とハロゲン照明器具10とが接続されている限り、ハロゲン照明器具10が点灯していた時間およびハロゲン照明器具10が消灯していた時間を含む。
「器具点灯時間(時間)」は、ハロゲン照明器具10が点灯していた時間の合計を示す情報である。「器具点灯時間(時間)」の単位は、例えば、時間である。「器具点灯時間(時間)」は、より具体的には、RDM対応の調光器30とハロゲン照明器具10とが接続されていると共にRDM対応の調光器30からハロゲン照明器具10へ信号が出力されている時間の合計である。すなわち、「器具点灯時間(時間)」は、「器具使用時間(時間)」のうち、ハロゲン照明器具10が点灯していた時間である。
「接続先」は、調光器情報管理テーブル151に含まれる「接続先」と同一である。「DMXアドレス」は、照明制御装置100がRDM対応の調光器30に接続されたハロゲン照明器具10を制御する際に用いる制御アドレスである。「DMXアドレス」は、RDM対応の調光器30に接続されたハロゲン照明器具10に割り当てられる。「DMXアドレス」は、ハロゲン照明器具10に接続されたRDM対応の調光器30の接続口のDMXアドレスである。「DMXアドレス」は、調光器情報管理テーブル151に含まれるRDM対応の調光器30の「DMXアドレス」と照明器具情報管理テーブル152に含まれる「接続口」によって特定される。照明器具情報管理テーブル152における「DMXアドレス」は、例えば、
(調光器情報管理テーブル151に含まれるRDM対応の調光器30の「DMXアドレス」)+(照明器具情報管理テーブル152に含まれる「接続口」)−1
の式によって特定される。ここで、調光器情報管理テーブル151に含まれるRDM対応の調光器30の「DMXアドレス」は、いわゆる先頭アドレスである。
「接続状態」は、RDM対応の調光器30とハロゲン照明器具10の間の接続の状態(接続または切断)を示す情報である。例えば、「接続状態」は、RDM対応の調光器30とハロゲン照明機器10とが接続される場合には、「真」の情報が提供される。一方、「接続状態」は、RDM対応の調光器30とハロゲン照明機器10との間の接続が切断される場合には、「偽」の情報が提供される。「接続状態」は、RDM対応の調光器30とハロゲン照明機器10との間の接続の状態の切り替えに応じて更新される。
照明器具情報管理テーブル152において、例えば、「L1−[2]」の接続先における「1」の「照明器具ID」を備えるハロゲン照明器具10は、「11」の「接続先調光器ID」を備えるRDM対応の調光器30における「1」の「接続口」に接続される。「1」の「照明器具ID」を備えるハロゲン照明器具10は、「82」(先頭アドレス)の設定された「DMXアドレス」を有すると共に「真」の「接続状態」、すなわち、接続の状態にある。「1」の「照明器具ID」を備えるハロゲン照明器具10についての「器具使用時間(時間)」および「器具点灯時間(時間)」は、それぞれ、200時間および150時間である。
例えば、「S3−[1]」の接続先における「2」の「照明器具ID」を備えるハロゲン照明器具10は、「12」の「接続先調光器ID」を備えるRDM対応の調光器30における「2」の「接続口」に接続される。「2」の「照明器具ID」を備えるハロゲン照明器具10は、「232」(231(先頭アドレス)+2(接続口)−1)の設定された「DMXアドレス」を有すると共に「真」の「接続状態」、すなわち、接続の状態にある。「2」の「照明器具ID」を備えるハロゲン照明器具10についての「器具使用時間(時間)」および「器具点灯時間(時間)」は、それぞれ、100時間および50時間である。
例えば、「S3−[1]」の接続先における「3」の「照明器具ID」を備えるハロゲン照明器具10は、「12」の「接続先調光器ID」を備えるRDM対応の調光器30における「1」の「接続口」に接続される。「3」の「照明器具ID」を備えるハロゲン照明器具10は、「231」(先頭アドレス)の設定された「DMXアドレス」を有すると共に「真」の「接続状態」、すなわち、接続の状態にある。「3」の「照明器具ID」を備えるハロゲン照明器具10についての「器具使用時間(時間)」および「器具点灯時間(時間)」は、それぞれ、200時間および100時間である。
制御部160は、照明制御装置100に含まれる各部を制御する。制御部160は、例えば、CPU(中央処理装置:Central Processing Unit)によって実現される。
制御部160は、例えば、ハロゲン照明器具10を制御する照明制御処理を実行する。例えば、制御部160は、ハロゲン照明器具10(より具体的には、RDM対応の調光器30からハロゲン照明器具10に電力を供給する回路)に照明器具情報管理テーブル152に含まれるDMXアドレスを割り当てる。制御部160は、ハロゲン照明器具10に割り当てられたDMXアドレスをフェーダに対応付けると共に記憶部150にフェーダに対応付けられたDMXアドレスを記憶する。
例えば、制御部160は、ユーザによってプリセットフェーダにおけるハロゲン照明器具10と対応付けられたフェーダが操作された場合には、制御情報を、DMXノード20を経由してRDM対応の調光器30へ出力する。ここで、制御情報は、ハロゲン照明器具10に割り当てられたDMXアドレスおよび操作内容に応じた調光率を示す。RDM対応の調光器30は、制御部160からDMXノード20を経由して制御情報を受信すると、制御情報に含まれる操作内容に従って、制御対象としてのハロゲン照明器具10へ供給する電力を制御する。例えば、RDM対応の調光器30は、制御情報に含まれる調光率で光を出力するように、ハロゲン照明器具10へ供給する電力を制御する。ハロゲン照明器具10は、制御情報に含まれる調光率で光を出力する。このように、制御部160は、ハロゲン照明器具10から出力される光の強度を制御する。
例えば、制御部160は、ユーザによってクロスフェーダおよびボタンが操作された場合には、操作内容に従って、ハロゲン照明器具10の照明態様を変更することで照明態様の切り替えを行う。
制御部160は、RDM対応の調光器30に関する情報およびハロゲン照明器具10に関する情報に基づいて、RDM対応の調光器30を制御することでハロゲン照明器具10から出力される光を制御する。また、制御部160は、RDM対応の調光器30の情報の回収および設定、RDM対応の調光器30に対するハロゲン照明器具10の接続の判定、ハロゲン照明器具10の使用時間の計測、およびハロゲン照明器具10の点灯時間の計測を行う。
制御部160は、特定部161、使用判定部162、使用時間計測部163、点灯判定部164、および点灯時間計測部165を含む。
特定部161は、RDM対応の調光器30に接続されたハロゲン照明器具10の接続情報を特定する。特定部161は、受付部121を含む取得部120と協同して、例えば、RDM対応の調光器30に接続されたハロゲン照明器具10の接続先、DMXアドレス、および接続状態を特定するアドレス特定処理を実行する。照明制御装置100における特定部161によって実行されるアドレス特定処理は後述することにする。
使用判定部162は、ハロゲン照明器具10が使用されているか否かを判定する。使用判定部162は、より具体的には、RDM対応の調光器30とハロゲン照明器具10とが接続されているか切断されているかを判定する。
使用時間計測部163は、ハロゲン照明器具10が使用されている時間を計測する。使用時間計測部163は、より具体的には、RDM対応の調光器30とハロゲン照明器具10とが接続されている時間を計測する。使用時間計測部163は、ハロゲン照明器具10が使用されている時間を合計するようにしてもよい。使用時間計測部163は、ハロゲン照明器具10が使用されている時間を計測するためのタイマーを含む。
使用判定部162および使用時間計測部163は、協働して、ハロゲン照明器具10が使用されている場合に、ハロゲン照明器具10が使用されている時間を計測する使用時間計測処理を実行する。照明制御装置100における使用判定部162および使用時間計測部163によって実行される使用時間計測処理は後述することにする。
点灯判定部164は、ハロゲン照明器具10が点灯しているか否かを判定する。点灯判定部164は、より具体的には、RDM対応の調光器30とハロゲン照明器具10とが接続されていると共にRDM対応の調光器30からハロゲン照明器具10へ信号が出力されているか否かを判定する。
点灯時間計測部165は、ハロゲン照明器具10が点灯している時間を計測する。より具体的には、点灯時間計測部165は、RDM対応の調光器30とハロゲン照明器具10とが接続されていると共にRDM対応の調光器30からハロゲン照明器具10へ信号が出力されている時間を計測する。点灯時間計測部165は、ハロゲン照明器具10が点灯している時間を合計するようにしてもよい。点灯時間計測部165は、ハロゲン照明器具10が点灯している時間を計測するためのタイマーを含む。
点灯判定部164および点灯時間計測部165は、協働して、ハロゲン照明器具10が点灯している場合に、ハロゲン照明器具10が点灯している時間を計測する点灯時間計測処理を実行する。照明制御装置100における点灯判定部164および点灯時間計測部165によって実行される点灯時間計測処理は後述することにする。
(照明制御装置100におけるアドレス特定処理)
次に、第1の実施形態に係る照明制御装置100におけるアドレス特定処理を説明する。図4は、第1の実施形態に係る照明制御装置100におけるハロゲン照明器具10のアドレス特定処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS101において、照明制御装置100は、RDM対応の調光器30のDMXアドレス等を取得する。より具体的には、照明制御装置100における取得部120は、RDM規格に従った信号を使用することによって、RDM対応の調光器30から通信部110およびDMXノード20を経由して、RDM対応の調光器30のUID、DMXアドレス、チャンネル数、接続先、および通信状態を取得する。照明制御装置100における制御部160は、RDM対応の調光器30のUIDをキーとする一方で、RDM対応の調光器30のUID、DMXアドレス、チャンネル数、接続先、および通信状態を記憶部150における調光器情報管理テーブル151に記憶する。
ステップS102において、照明制御装置100は、RDM対応の調光器30に対するハロゲン照明器具10の接続に関する情報の入力済みのデータを取得する。より具体的には、照明制御装置100における制御部160は、記憶部150における照明器具情報管理テーブル152に記憶されたハロゲン照明器具10の器具ID、接続先調光器ID、および接続口(の番号)の入力済みのデータを取得する。
ステップS103において、照明制御装置100は、ハロゲン照明器具10のDMXアドレス等を特定する。より具体的には、照明制御装置100における制御部160に含まれる特定部161は、記憶部150における調光器情報管理テーブル151に記憶されたRDM対応の調光器30の接続先および通信状態を、それぞれ、ハロゲン照明器具10の接続先および接続状態として特定する。また、照明制御装置100における制御部160に含まれる特定部161は、調光器情報管理テーブル151に記憶されたRDM対応の調光器30のDMXアドレスと照明器具情報管理テーブル152に記憶されたハロゲン照明器具10の接続口(の番号)に基づいてハロゲン照明器具10のDMXアドレスを特定する。例えば、照明制御装置100における制御部160に含まれる特定部161は、
(調光器情報管理テーブル151に含まれるRDM対応の調光器30のDMXアドレス)+(照明器具情報管理テーブル152に含まれるハロゲン照明器具10の接続口(の番号))−1
の式に従って、ハロゲン照明器具10のDMXアドレスを特定する。照明制御装置100における制御部160は、ハロゲン照明器具10の接続先調光器IDをキーとする一方で、ハロゲン照明器具10の接続先、DMXアドレス、および接続状態を記憶部150における照明器具情報管理テーブル152に記憶する。
このように、RDM非対応の照明器具であるハロゲン照明器具10の接続先、DMXアドレス、接続状態を得ることが可能である。よって、照明制御装置100は、ハロゲン照明器具10のDMXアドレスが登録された状態で、表示部130のレイアウト画面においてハロゲン照明器具10に対応するアイコンをハロゲン照明器具10の接続先に自動的に配置することが可能である。
番組の改編等によってハロゲン照明器具10の配置を変更する場合において、ハロゲン照明器具10を他のRDM対応の調光器30に接続することがある。このような場合には、照明制御装置100は、毎回、他のRDM対応の調光器30に接続されたハロゲン照明器具10の接続情報を記憶部150における照明器具情報管理テーブル152に記憶する。
(照明制御装置100における使用時間計測処理)
次に、第1の実施形態に係る照明制御装置100における使用時間計測処理を説明する。図5は、第1の実施形態に係る照明制御装置100におけるハロゲン照明器具10の使用時間計測処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS201において、照明制御装置100は、ハロゲン照明器具10がRDM対応の調光器30と接続したか否かについて判定する。具体的には、照明制御装置100における制御部160に含まれる使用判定部162は、RDM規格に従った信号を使用することによって、RDM対応の調光器30とハロゲン照明器具10とが接続されているか否かを判定する。あるいは、使用判定部162は、調光器情報管理テーブル151に記憶された通信状態または照明器具情報管理テーブル152に記憶された接続状態に基づいて、RDM対応の調光器30とハロゲン照明器具10とが接続されているか否かを判定する。
ステップS201において、照明制御装置100が、ハロゲン照明器具10がRDM対応の調光器30と接続したと判定した場合(ステップS201,Yes)には、使用時間計測処理は、ステップS202へ進む。ステップS201において、照明制御装置100が、ハロゲン照明器具10がRDM対応の調光器30と接続してないと判定した場合(ステップS201,No)には、使用時間計測処理は、終了する。
ステップS202において、照明制御装置100は、タイマーをスタートさせる。具体的には、照明制御装置100における制御部160に含まれる使用時間計測部163は、使用時間計測部163に含まれるタイマーをスタートさせる。
ステップS203において、照明制御装置100は、RDM対応の調光器30との接続が切断されたか否かについて判定する。具体的には、照明制御装置100における制御部160に含まれる使用判定部162は、RDM規格に従った信号を使用することによって、RDM対応の調光器30とハロゲン照明器具10との間の接続が切断されているか否かを判定する。
ステップS203において、照明制御装置100が、RDM対応の調光器30の接続が切断されたと判定した場合(ステップS203,Yes)には、使用時間計測処理は、ステップS204へ進む。ステップS203において、照明制御装置100が、RDM対応の調光器30の接続が切断されてないと判定した場合(ステップS203,No)には、使用時間計測処理は、ステップS203に戻る(ステップS203を繰り返す)。
ステップS204において、照明制御装置100は、タイマーをストップさせる。具体的には、照明制御装置100における制御部160に含まれる使用時間計測部163は、使用時間計測部163に含まれるタイマーをストップさせる。
ステップS205において、照明制御装置100は、タイマーの値を出力する。具体的には、照明制御装置100における制御部160に含まれる使用時間計測部163は、使用時間計測部163に含まれるタイマーの値を出力させる。使用時間計測部163は、器具使用時間としてタイマーの値を記憶部150における照明器具情報管理テーブル152に記憶する。言い換えれば、使用時間計測部163は、記憶部150における照明器具情報管理テーブル152に記憶された器具使用時間をタイマーの値に更新する。
このように、使用判定部162は、ハロゲン照明器具10が使用されているか否かを判定することが可能である。また、使用時間計測部163は、ハロゲン照明器具10が使用されている時間を計測することが可能である。より具体的には、ハロゲン照明器具10が使用されている場合に、使用時間計測部163は、RDM対応の調光器30とハロゲン照明器具10とが接続されている時間を計測することが可能である。
照明制御装置100は、タイマーをリセットしない限り、照明制御装置100における使用時間計測処理(ステップS201〜S205)を繰り返す(タイマーのスタートおよびストップを繰り返す)。それによって、使用時間計測部163は、ハロゲン照明器具10が使用されている時間を合計することが可能である。
(照明制御装置100における点灯時間計測処理)
次に、第1の実施形態に係る照明制御装置100における点灯時間計測処理を説明する。図6は、第1の実施形態に係る照明制御装置100におけるハロゲン照明器具10の点灯時間計測処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS301において、照明制御装置100は、ハロゲン照明器具10がRDM対応の調光器30と接続したか否かについて判定する。具体的には、照明制御装置100における制御部160に含まれる点灯判定部164は、RDM規格に従った信号を使用することによって、RDM対応の調光器30とハロゲン照明器具10とが接続されているか否かを判定する。あるいは、点灯判定部164は、調光器情報管理テーブル151に記憶された通信状態または照明器具情報管理テーブル152に記憶された接続状態に基づいて、RDM対応の調光器30とハロゲン照明器具10とが接続されているか否かを判定する。
ステップS301において、照明制御装置100が、ハロゲン照明器具10がRDM対応の調光器30と接続したと判定した場合(ステップS301,Yes)には、点灯時間計測処理は、ステップS302へ進む。ステップS301において、照明制御装置100が、ハロゲン照明器具10がRDM対応の調光器30と接続してないと判定した場合(ステップS301,No)には、点灯時間計測処理は、終了する。
ステップS302において、照明制御装置100は、信号が出力されたか否かについて判定する。具体的には、照明制御装置100における制御部160に含まれる点灯判定部164は、RDM規格に従った信号を使用することによって、RDM対応の調光器30からハロゲン照明器具10へ信号が出力されているか否かを判定する。例えば、点灯判定部164は、ハロゲン照明器具10に割り当てられたDMXアドレスに対して、閾値以上のレベルの信号が出力されているか否かを判定する。
ステップS302において、照明制御装置100が、信号が出力されたと判定した場合(ステップS302,Yes)には、点灯時間計測処理は、ステップS303へ進む。ステップS302において、照明制御装置100が、信号が出力されてないと判定した場合(ステップS302,No)には、点灯時間計測処理は、終了する。
ステップS303において、照明制御装置100は、タイマーをスタートさせる。具体的には、照明制御装置100における制御部160に含まれる点灯時間計測部165は、点灯時間計測部165に含まれるタイマーをスタートさせる。
ステップS304において、照明制御装置100は、信号の出力が停止されたか否かについて判定する。具体的には、照明制御装置100における制御部160に含まれる点灯判定部164は、RDM規格に従った信号を使用することによって、RDM対応の調光器30からハロゲン照明器具10への信号の出力が停止されているか否かを判定する。
ステップS304において、照明制御装置100が、信号の出力が停止されたと判定した場合(ステップS304,Yes)には、点灯時間計測処理は、ステップS305へ進む。ステップS304において、照明制御装置100が、信号の出力が停止されてないと判定した場合(ステップS304,No)には、点灯時間計測処理は、ステップS304に戻る(ステップS304を繰り返す)。
ステップS305において、照明制御装置100は、タイマーをストップさせる。具体的には、照明制御装置100における制御部160に含まれる点灯時間計測部165は、点灯時間計測部165に含まれるタイマーをストップさせる。
ステップS306において、照明制御装置100は、タイマーの値を出力する。具体的には、照明制御装置100における制御部160に含まれる点灯時間計測部165は、点灯時間計測部165に含まれるタイマーの値を出力させる。点灯時間計測部165は、器具点灯時間としてタイマーの値を記憶部150における照明器具情報管理テーブル152に記憶する。言い換えれば、点灯時間計測部165は、記憶部150における照明器具情報管理テーブル152に記憶された器具点灯時間をタイマーの値に更新する。
このように、点灯判定部164は、ハロゲン照明器具10が点灯しているか否かを判定することが可能である。また、点灯時間計測部165は、ハロゲン照明器具10が点灯している時間を計測することが可能である。ハロゲン照明器具10が点灯している場合に、点灯時間計測部165は、RDM対応の調光器30とハロゲン照明器具10とが接続され、RDM対応の調光器30からハロゲン照明器具10へ信号が出力されている時間を計測することが可能である。
照明制御装置100は、タイマーをリセットしない限り、照明制御装置100における点灯時間計測処理(ステップS301〜S306)を繰り返す(タイマーのスタートおよびストップを繰り返す)。それによって、点灯時間計測部165は、ハロゲン照明器具10が点灯している時間を合計することが可能である。
上述した実施形態において、使用判定部162、使用時間計測部163、点灯判定部164、および点灯時間計測部165は、照明制御装置100に設けられる。しかしながら、使用判定部162、使用時間計測部163、点灯判定部164、および点灯時間計測部165は、RDM対応の調光器30に含まれる制御部32に設けられてもよい。
[第2の実施形態]
(照明制御装置200における処理の概要)
従来の照明制御装置は、RDM規格に従った信号を使用することによってRDM対応の照明器具と通信する。それによって、従来の照明制御装置は、RDM対応の照明器具のDMXアドレスを設定することが可能である。しかしながら、RDM対応の照明器具の導入は、照明システムのコストを増加させることが考えられる。
そこで、第2の実施形態に係る照明システム2(図7参照)は、照明制御装置200とDMX対応の照明器具11との間に設けられたRDM/DMX変換器40を含む。照明制御装置200は、DMXノード20を経由してRDM/DMX変換器40にRDM規格に従った信号(RDM信号)を出力する。RDM/DMX変換器40は、RDM信号をDMX規格に従った信号(DMX信号)に変換すると共にDMX信号をDMX対応の照明器具11に出力する。このように、DMX信号がDMX対応の照明器具11に入力されるので、DMX対応の照明器具11にDMXアドレス(先頭アドレス)を割り当てることが可能である。照明制御装置200は、RDM/DMX変換部40に接続されたDMX対応の照明器具11と仮想的に双方向通信することが可能になる。
照明制御装置200は、RDM信号を使用することによって、RDM/DMX変換器40無しにRDM対応の照明器具12にDMXアドレスを割り当てることができる。RDM対応の照明器具12は、DMXノード20に接続されるものであってもよい。この場合には、照明制御装置200は、RDM/DMX変換器40によってRDM信号をDMX信号に変換することなく、RDM対応の照明器具12にDMXアドレス(先頭アドレス)を割り当てることができる。照明制御装置200は、RDM対応の照明器具12と双方向通信することが可能である。
(第2の実施形態に係る照明システム2の構成)
以下、第2の実施形態に係る照明システム2の一例を説明する。図7は、第2の実施形態に係る照明システム2の機能構成の一例を示す図である。第2の実施形態に係る照明システム2は、複数のDMX対応の照明器具(DMS規格に対応する照明器具)11−1〜11−n(nは自然数である),11−1−1およびRDM対応の照明器具(RDM規格に対応する照明器具)12を含む。照明システム2は、また、DMXノード20、複数のRDM/DMX変換機40−1〜40−n(nは自然数である)、および照明制御装置200を含む。
複数のDMX対応の照明器具11−1〜11−n,11−1−1を区別する必要がない場合、複数のDMX対応の照明器具11−1〜11−n,11−1−1を「DMX対応の照明器具11」と総称することにする。複数のRDM/DMX変換機40−1〜40−nを区別する必要がない場合、複数のRDM/DMX変換機40−1〜40−nを「RDM/DMX変換機40」と総称することにする。照明システム2においては、DMX対応の照明器具11、RDM対応の照明器具12、DMXノード20、およびRDM/DMX変換機40の種類および数等を任意に設定することができる。
DMX対応の照明器具11またはRDM対応の照明器具12は、例えば、光源としてLED(発光ダイオード)等の半導体発光素子を含むと共に様々な色の光を出力することができる照明器具である。DMX対応の照明器具11またはRDM対応の照明器具12は、例えば、劇場等の舞台またはテレビ局等のスタジオのための照明を提供する。例えば、DMX対応の照明器具11またはRDM対応の照明器具12は、舞台またはスタジオの床または天井等の任意の空間に配置される。DMX対応の照明器具11またはRDM対応の照明器具12は、例えば、舞台またはスタジオにおいて用いられるホリゾントライト、ダウンライト、スポットライト、またはフラッドライトである。
DMXノード20は、例えば、照明システム1に含まれるDMXノード20と同様のものである。
RDM/DMX変換器40−1〜40−nは、RDM信号をDMX信号に変換する信号変換装置である。RDM/DMX変換器40−1〜40−nは、それぞれ、(図示しない)制御部と、入力コネクタ40−1a〜40−naと、出力コネクタ40−1b〜40−nbと、スルーコネクタ40−1c〜40−ncとを有する。制御部は、RDM信号をDMX信号に変換する処理を実行する。入力コネクタ40−1a〜40−naは、RDM信号またはDMX信号を受信するコネクタである。出力コネクタ40−1b〜40−nbは、DMX信号を出力するコネクタである。スルーコネクタ40−1c〜40−ncは、RDM信号を通過させるコネクタである。
DMX対応の照明器具11−1〜11−n,11−1−1は、それぞれ、図示しない光源と、入力コネクタ11−1a〜11−na,11−1−1aと、スルーコネクタ11−1c〜11−nc,11−1−1cを有する。入力コネクタ11−1a〜11−na,11−1−1aは、DMX信号を受信するコネクタである。スルーコネクタ11−1c〜11−nc,11−1−1cは、DMX信号を通過させるコネクタである。
照明システム2においては、照明制御装置200、DMXノード20、およびRDM/DMX変換器40−1〜40−nが直列的に接続される。DMX対応の照明器具11−1〜11−nは、それぞれ、RDM/DMX変換機40−1〜40−nに接続される。DMX対応の照明器具11−1−1は、DMX対応の照明器具11−1に接続される。RDM対応の照明器具12は、RDM/DMX変換器40−1〜40−nと並列するように、DMXノード20を介して照明制御装置200に接続される。
RDM/DMX変換器40−1の入力コネクタ40−1aは、DMXノード20を介して照明制御装置200と接続される。RDM/DMX変換器40−1のスルーコネクタ40−1cは、RDM/DMX変換器40−2の入力コネクタ40−2aと接続される。RDM/DMX変換器40−2のスルーコネクタ40−2cは、隣接するRDM/DMX変換器の入力コネクタと接続される。RDM/DMX変換器40−nの入力コネクタ40−naは、隣接するRDM/DMX変換器のスルーコネクタと接続される。RDM/DMX変換器40−nのスルーコネクタ40−ncには、何も接続されなくてもよいが、例えば、図示しないRDM対応の照明器具が接続されてもよい。
RDM/DMX変換器40−1の出力コネクタ40−1bは、DMX対応の照明器具11−1の入力コネクタ11−1aと接続される。RDM/DMX変換器40−2の出力コネクタ40−2bは、DMX対応の照明器具11−2の入力コネクタ11−2aと接続される。RDM/DMX変換器40−nの出力コネクタ40−nbは、DMX対応の照明器具11−nの入力コネクタ11−naと接続される。DMX対応の照明器具11−1のスルーコネクタ11−cは、DMX対応の照明器具11−1−1の入力コネクタ11−1−1aと接続される。
RDM/DMX変換器40は、アドレス操作部41と、受電部42とを含む。
アドレス操作部41は、RDM/DMX変換器40に接続されたDMX対応の照明器具11に割り当てられる先頭アドレスを設定する。しかしながら、照明制御装置200もまた、RDM信号を使用することによって、RDM/DMX変換器40に接続されたDMX対応の照明器具に割り当てられる先頭アドレスを設定することができる。
受電部42は、RDM/DMX変換器40に含まれる制御部のための電力を提供するために、外部から電力を受ける。受電部42は、例えば、電池または電源のコンセントによって実現される。
照明制御装置200は、照明システム2において、DMX対応の照明器具11およびRDM対応の照明器具から出力される光を制御する。照明制御部200の構成は、照明システム1に含まれる照明制御装置100と同様のものである。
照明制御部200は、制御情報を有するRDM信号を出力する。照明制御部200から出力されたRDM信号は、DMXノード20を介して、RDM/DMX変換器40−1〜40〜nの入力コネクタ40−1a〜40〜naに入力されると共にRDM/DMX変換器40−1〜40−nのスルーコネクタ40−1c〜40〜ncから出力される。RDM信号は、RDM/DMX変換器40−1〜40〜nによってDMX信号に変換される。DMX信号は、RDM/DMX変換器40−1〜40〜nの出力コネクタ40−1b〜40〜nbから出力されると共にDMX対応の照明器具11−1〜11−nの入力コネクタ11−1a〜11−naに入力される。DMX対応の照明器具11−1に入力されたDMX信号は、DMX対応の照明器具11−1のスルーコネクタ11−1cから出力されると共にDMX対応の照明器具11−1−1の入力コネクタ11−1−1aに入力される。照明制御部200から出力されたRDM信号は、RDM対応の照明器具12にもまた入力される。
このようにして、照明制御装置200は、DMX対応の照明器具11−1〜11−n,11−1−1およびRDM対応の照明器具12の各々を制御することができる。照明制御装置200は、RDM対応の照明器具12のみならずDMX対応の照明器具11−1〜11−n,11−1−1の各々にDMXアドレスを割り当てることができる。照明制御装置200は、RDM対応の照明器具12のみならずDMX対応の照明器具11−1〜11−n,11−1−1の各々と双方向の通信を実行することができる。
上述した照明制御装置100は、CPU(Central Processing Unit)とRAM(Random Access Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、またはフラッシュメモリなどを含むコンピュータが、所定の記録媒体に登録された制御プログラムを読み取り、読み取った制御プログラムを実行することによって、実現されてもよい。
以上、本発明の実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。また、これらの実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。