図1は、実施形態に係る照明制御システムの一例を示す図である。
図2は、実施形態に係る照明制御システムの機能構成の一例を示す図である。
図3は、実施形態におけるプリセットデータとして登録される情報の一例を示す図である。
図4は、調光信号と照明機器が出力する光との関係の一例を示す図である。
図5は、クロスフェードにおいて出力される光の色の変化の一例を示す図である。
図6は、実施形態に係る照明制御装置の処理の流れの一例を説明するフローチャートである。
以下、図面を参照して、実施形態に係る制御装置を説明する。実施形態において同一の機能を有する構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。なお、以下の実施形態で説明する制御装置は、一例を示すに過ぎず、実施形態を限定するものではない。例えば、以下の実施形態では、制御装置は、任意の照明機器の制御にも適用することができる。なお、以下の各実施形態は、矛盾しない範囲内で適宜組みあわせてもよい。
以下の実施形態に係る制御装置は、例えば、照明制御装置100、制御部32、または制御部14である。制御装置は、光源(例えば、光源部15)が出力する光の色を第1の色から第2の色へと段階的に変化させる場合は、光源が出力する光の色が色度座標における所定の経路を辿って変化するように、光源が出力する光の色を制御する。
また、以下の実施形態に係る制御装置は、第1の色から第2の色まで、色度座標において直線的な経路を辿って段階的に変化するように、光源が出力する光の色を制御する。
また、以下の実施形態に係る制御装置は、光源として、各原色の調光率を個別に制御可能な光源であって、原色ごとに調光率が所定の冪指数で補正される光源が出力する光の色を制御する。
また、以下の実施形態に係る制御装置は、原色ごとの調光率として、第1の色を出力する際の調光率と第1の色から第2の色への変化率を1から減算した値との積に所定の冪指数を冪乗した値と、第2の色を出力する際の調光率に変化率を積算した値に所定の冪指数を冪乗した値との和に、所定の冪指数の逆数を冪乗した値を算出する。
また、以下の実施形態に係る制御装置は、第1の色から、第1の色に含まれる原色のうち少なくともいずれか1つの原色を含む第2の色へと光源が出力する光の色を段階的に変化させる場合は、光源が出力する光の色が色度座標における所定の経路を辿って変化するように、光源が出力する光の色を制御する。
また、以下の実施形態に係る制御装置は、照明制御装置100である。照明制御装置100は、光源を有する照明機器10(照明機器10−1〜10−n)に対し、光源を制御するための調光信号を出力することで、光源が出力する光の色を制御する。
[実施形態]
(照明制御システムの概要)
以下、制御装置の一例として、照明制御装置100を有する照明制御システム1の一例について説明する。図1は、実施形態に係る照明制御システムの一例を示す図である。図1に示す例では、照明制御システム1は、複数の照明機器10(10−1〜10−n)、複数のハロゲン照明機器20(20−1〜20−n)、ノード30、調光器40及び照明制御装置100を有する。なお、照明制御システム1に接続される照明機器10、ハロゲン照明機器20、ノード30、および調光器40の種別や数等は、任意に設定できる。
また、照明制御システム1では、DMXを拡張したRDM(Remote Device Management)規格に沿った通信方式により、照明制御装置100と照明機器10やノード30は、双方向通信が可能であるものとする。なお、実施形態は、これに限定されるものではなく、照明機器10を制御するシステムであれば任意のシステム(例えば、ESTA(Entertainment Services and Technology Association)がDMXに変わるイーサネット(登録商標)用の規格として規定したACN(Architecture for Control Networks)やsACN(streamingACN)であってもよい。
照明機器10は、例えばLED等の半導体発光素子を光源とし、様々な色の光を出力可能な照明機器10である。例えば、照明機器10は、舞台の床や天井に配置され、舞台における背景色の演出を行うホリゾントライトである。なお、照明機器10は、ダウンライト、スポットライト、若しくはフラッドライト等の任意の照明装置であってもよい。
ここで、照明機器10は、赤色、青色、緑色といった原色の光をそれぞれ個別に制御することで、出力する光の色を制御可能な照明機器である。例えば、照明機器10は、出力する光の強度を百分率で示す調光率を原色ごとに示した調光信号を受付けると、各原色の光を調光信号が示す調光率で出力することで、調光信号が示す色の光を出力することができる。
ハロゲン照明機器20(20−1〜20−n)は、ハロゲンランプ等を光源とする照明機器である。例えば、ハロゲン照明機器には、カラーフィルター21(21−1〜21−n)が設置されており、カラーフィルター21に対応する色の光を出力することで、舞台における背景色の演出を行うホリゾントライトである。例えば、ハロゲン照明機器20は、調光器40が出力する電力の位相変化に応じた白色光を出力することで、設置されたカラーフィルター21に対応する色の光を出力する。
ノード30は、照明制御装置100と、照明機器10との間の通信を中継する装置であり、例えば、DMXノードやRDMノードと称される装置により実現される。例えば、ノード30と照明制御装置100とは、イーサーネット(登録商標)やLAN(Local Area Network)等のネットワークを介して、双方向通信が可能な状態で接続されている。一方、ノード30と照明機器10とは、DMX規格やRDM規格により双方向通信が可能な状態で接続されている。
調光器40は、照明制御装置100から受付けたDMX規格やRDM規格の信号に従って、ハロゲン照明機器20が出力する光の強さを調整する装置であり、所謂調光盤である。例えば、調光器40は、照明制御装置100からのDMX信号が示す調光率を再現するように、ハロゲン照明機器20に対して供給する電力の位相を変化させることで、ハロゲン照明機器20の位相調光を行う。
照明制御装置100は、照明機器10やハロゲン照明機器20と通信が可能な装置であり、オペレータから照明機器10やハロゲン照明機器20に対する操作指令を受付けると、DMX規格に従った通信プロトコルや、DMXを拡張したRDM規格に沿った通信方式により、照明機器10やハロゲン照明機器20の制御を行う。なお、照明制御装置100は、プリセットフェーダやフェーダ、ボタン等を有する調光卓や制御卓等により実現される。
(照明制御処理の一例)
このような照明制御システム1においては、以下に説明する照明制御処理が実行される。例えば、照明機器10やハロゲン照明機器20(より具体的には、調光器40が各ハロゲン照明機器に電力を供給する回路)には、DMX規格において操作対象となる装置を識別するための制御アドレス、すなわち、DMXアドレスが付与されている。
一方、照明制御装置100は、各フェーダに対し、照明機器10やハロゲン照明機器20に付与されたDMXアドレスを対応付けて記憶する。そして、照明制御装置100は、オペレータがフェーダを操作した場合には、操作されたフェーダに対応付けられたDMXアドレスと、操作内容とを示す制御情報を、イーサーネット等のネットワークを介して、ノード30や調光器40へと送信する。
一方、ノード30は、制御情報を照明制御装置100から受信すると、DMX規格やRDM規格に沿った信号であって、受信した制御内容を示す調光信号を生成し、生成した調光信号を照明機器10へと伝達する。一方、照明機器10は、調光信号が示すDMXアドレスが自装置のDMXアドレスであるか否かを判定し、自装置のDMXアドレスであると判定した場合は、調光信号が示す操作内容に従って、照明態様の制御を行う。例えば、照明機器10は、調光信号がRGBの各色の調光率を示す場合は、調光信号が示す調光率で各色の光を出力することで、調光信号が示す色の光を出力する。
また、調光器40は、制御情報を照明制御装置100から受信すると、制御対象となるハロゲン照明機器20へと供給する電力を、制御情報が示す操作内容に従って制御する。例えば、調光器40は、制御情報が示す調光率の光を出力するように、ハロゲン照明機器20へと供給する電力を制御する。この結果、ハロゲン照明機器20は、制御情報が示す調光率の光を出力し、対応するカラーフィルター21に応じた色の光を出力する。
(クロスフェード処理について)
ここで、照明制御装置100は、照明機器10やハロゲン照明機器20が出力する光の色を第1の照明態様から第2の照明態様へと徐々に変化させるクロスフェード処理を実行する場合がある。以下、照明制御装置100が実行するクロスフェード処理について説明する。
例えば、照明制御装置100は、クロスフェーダと呼ばれるフェーダを有する。1つのクロスフェーダには、第1の照明態様(以下「シーン#1」と記載する。)を実現するための情報と、第2の照明態様(以下、「シーン#2」と記載する。)を実現するための情報とが対応付けて登録されている。そして、照明制御装置100は、オペレータがクロスフェーダを操作した場合は、操作内容に従った変化率で、シーン#1とシーン#2とを変化させる。例えば、照明制御装置100は、オペレータがクロスフェーダを一方の端から他方の端まで徐々に移動させた場合は、シーン#1からシーン#2へと照明態様を徐々に変更させる。
ここで、シーン#1とシーン#2とで照明機器10やハロゲン照明機器20が出力する光の色が異なる場合における照明態様について説明する。なお、以下の説明では、シーン#1として、オレンジ色の光を出力し、シーン#2として、青緑色(シアン)の光を出力する照明態様について説明する。
例えば、ハロゲン照明機器20においては、設置されたカラーフィルター21によって出力する光の色が定まる。このため、照明制御装置100は、例えば、オレンジ色のカラーフィルター21−1が設置されたハロゲン照明機器20−1の調光率「100パーセント」と、青緑色のカラーフィルター21−2が設置されたハロゲン照明機器20−2の調光率「0パーセント」とをシーン#1とし、ハロゲン照明機器20−1の調光率「0パーセント」と、ハロゲン照明機器20−2の調光率「100パーセント」とをシーン#2として記憶する。
そして、照明制御装置100は、シーン#1をシーン#2へと切替えるようにクロスフェーダが操作された場合は、ハロゲン照明機器20−1が出力する光の強度を徐々に減少させ、ハロゲン照明機器20−2が出力する光の強度を徐々に増加させることで、シーン#1からシーン#2への切り替えを実現する。このように、光を出力するハロゲン照明機器20を切り替えた場合、出力される光の色度座標は、直線的な経路を描いてシーン#1からシーン#2へと変化することとなる。
一方、照明機器10は、単体で出力する光の色を制御可能である。このため、照明制御装置100は、シーン#1で出力する各原色の光の調光率と、シーン#2で出力する各原色の光の調光率とを記憶する。例えば、照明制御装置100は、シーン#1の調光率として、赤色の調光率「100パーセント」と、緑色の調光率「62パーセント」と、青色の調光率「0パーセント」とを記憶する。また、照明制御装置100は、シーン#2の調光率として、赤色の調光率「0パーセント」と、緑色の調光率「65パーセント」と、青色の調光率「39パーセント」とを記憶する。
そして、照明制御装置100は、シーン#1をシーン#2へと切替えるようにクロスフェーダが操作された場合は、赤色の調光率「100パーセント」を「0パーセント」へと徐々に変化させ、緑色の調光率「62パーセント」を「65パーセント」へと徐々に変化させ、青色の調光率「0パーセント」を「39パーセント」へと徐々に変化させる。すなわち、照明制御装置100は、各原色ごとに、シーン#1と対応する調光率からシーン#2と対応する調光率へと徐々に変化させる。
ここで、照明機器10や調光器40は、視覚的な効果を考慮して、調光信号が示す調光率に所定の値(例えば「2.3」や「2.7」)を冪乗数として乗算した値を補正値として採用する場合がある。このような調光率の補正が行われた場合であっても、シーン#1とシーン#2とでハロゲン照明機器20を切り替えた場合は、各原色の混合比が線形的に変化するので、出力される光の色は、色度座標において直線的な経路を描くこととなる。一方、照明機器10が出力する各色の調光率をそれぞれ補正した場合、シーン#1からシーン#2へと変化する際に、各原色の混合比が非線形的に変化する結果、出力される光の色は、色度座標において曲線的な経路を描くこととなる。この結果、照明機器10がシーンの切替途中で出力する光の色は、ハロゲン照明機器20がシーンの切り替え途中で出力する光の色とずれてしまう。
(照明制御装置100が実行するクロスフェード処理の一例)
そこで、照明制御装置100は、照明機器10のクロスフェード処理において、以下の制御処理を実行する。まず、照明制御装置100は、照明機器10が有する光源が出力する光の色を第1の色から第2の色へと段階的に変化させる場合は、光源が出力する光の色が色度座標における所定の経路を辿って変化するように、光源が出力する光の色を制御する。より具体的には、照明制御装置100は、第1の色から第2の色まで、色度座標において直線的な経路を辿って段階的に変化するように、照明機器10の光源が出力する光の色を制御する。
(機能構成の一例)
次に、図2を用いて、照明制御システム1が有する機能構成の一例について説明する。図2は、実施形態に係る照明制御システムの機能構成の一例を示す図である。なお、図2には、照明制御システム1が有する照明機器10−1、ノード30、および照明制御装置100が有する機能構成の一例について記載した。また、照明機器10−2〜10−nは、照明機器10−1と同様の機能構成を有するものとして、説明を省略する。
まず、照明機器10−1の構成について説明する。実施形態に係る照明機器10−1は、RDM規格に対応する制御情報から生成される調光信号によって制御される照明機器であり、記憶部13と、制御部14と、光源部15とを有する。
記憶部13は、照明機器10−1が有する不揮発性のメモリであり、照明機器10−1の照明機器情報が登録される。照明機器情報の一例としては、製造会社名、機器型番、UID、DMXアドレス、使用するチャンネル数といった情報が含まれる。
ここで、製造会社名とは、照明機器10の製造会社名である。機器型番とは、製造会社によって定められた照明機器10−1の型番である。UIDとは、DMX規格で用いられる装置ごとの固有の番号であり、各照明機器10−1〜10−nに予め付与される12桁の16進数で表される情報である。また、DMXアドレスとは、DMXのデータリンク上におけるアドレス、すなわち、照明制御装置100が照明機器10−1を制御する際に用いる制御アドレスである。また、チャンネル数とは、照明機器10−1の制御に用いられる制御アドレスの数である。例えば、チャネル数が「4」の照明機器10は、照度(I)、赤色(R)、青色(B)、緑色(G)のそれぞれに対して個別の制御アドレスが設定されることで、照度、赤色、青色、緑色のそれぞれを個別に制御することができる。
制御部14は、照明の制御を行う制御装置である。また、光源部15は、照明機器10が有する光源であり、制御部14の制御に従って、照度、照明する範囲、色等を制御可能なLED等の半導体発光素子により実現される。
例えば、ノード30は、照明制御装置100から制御情報を受信すると、受信した制御情報を調光信号に変換し、制御アドレスに対応する照明機器10に出力する。そして、制御部14は、ノード30から受信した調光信号が示す各色の調光率を所定の冪指数で補正した補正値を用いて、光源部15を制御する。
例えば、制御部14は、赤色の調光率「100パーセント」と、緑色の調光率「62パーセント」と、青色の調光率「0パーセント」とを示す調光信号を受付ける。このような場合、制御部14は、調光率「100パーセント」(すなわち、「1」)に所定の冪指数「2.3」を冪乗した補正値「100パーセント」で赤色を出力し、調光率「62パーセント」(すなわち、「0.62」)に所定の冪指数「2.3」を冪乗した補正値「33パーセント」で緑色を出力するように、光源部15を制御する。
次に、ノード30の構成について説明する。実施形態に係るノード30は、通信部31、制御部32、複数のポート33−1〜33−nを有する(個々を区別する必要のない場合、「ポート33」と総称する)。
通信部31は、照明制御装置100との間で情報の送受信を行う通信装置であり、例えば、NIC(Network Interface Card)等の通信装置によって実現される。例えば、通信部23は、制御情報を受付けると、受付けた制御情報を制御部32に出力する。また、例えば、通信部31は、制御部32が各照明機器10がから収集した照明機器情報を照明制御装置100へと送信する。
制御部32は、制御情報に基づいて、各照明機器10の制御を行う。例えば、制御部32は、ノード30が有するメモリ(図示は、省略)等に各ポート33に接続された照明機器10の制御アドレスを記憶している。そして、制御部32は、制御情報として、各原色の調光率と、制御対象となる照明機器10の制御アドレスとを受付けた場合は、受付けた制御アドレスが示す照明機器10が接続されたポート33を特定する。そして、制御部32は、受付けた各色の調光率を示す調光信号を生成し、生成した調光信号を特定したポート33から出力する。
なお、制御部32は、DMX規格やRDM規格に関する各種の制御処理を実現可能であるものとする。例えば、制御部32は、各照明機器10から照明機器情報を収集し、収集した照明機器情報を照明制御装置100へ送信してもよい。また、制御部32は、照明制御装置100から各照明機器10に設定する制御アドレスを受付けた場合は、受付けた制御アドレスを各照明機器10に対して設定してもよい。
各ポート33−1〜33−nは、それぞれを識別するためのポート番号が付与されたポートであり、例えば、DMX規格やRDM規格に従って照明機器10と信号を送受信するための接続端子(コネクタ)である。
次に、照明制御装置100の構成について説明する。実施形態に係る照明制御装置100は、通信部110、記憶部120、表示部130、操作部140、制御部150を有する。通信部110は、ノード30を介して、照明機器10やハロゲン照明機器20との間で情報の送受信を行う。通信部110は、例えば、NIC等の通信装置によって実現される。
記憶部120は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ、RAM(Random Access Memory)等の記憶装置により実現される。図2に示すように、記憶部120は、プリセットデータ121を有する。
プリセットデータ121には、シーン#1における照明態様と、シーン#2における照明態様との組が、照明機器10やハロゲン照明機器20ごとに対応付けて登録されている。例えば、図3は、実施形態におけるプリセットデータとして登録される情報の一例を示す図である。図3に示す例では、プリセットデータ121には、「シーン#1」、および「シーン#2」といった項目を有する情報が照明機器10やハロゲン照明機器20と対応付けて登録されている。
ここで、「シーン#1」とは、クロスフェーダを操作した際に再現される第1の照明態様を示す情報である。また、「シーン#2」とは、クロスフェーダを操作した際に再現される第2の照明態様を示す情報である。なお、図3に示す例では、「シーン#1」や「シーン#2」として、照明機器10が出力する各色(RGB)の調光率や、各ハロゲン照明機器が出力する光の強度(I:Intensity)を記憶する例について記載した。
例えば、図3に示す例では、プリセットデータ121には、シーン#1として、「プリセットフェーダF01(R)」と「R:100」との組、「プリセットフェーダF02(G)」と「G:80」との組、および「プリセットフェーダF03(B)」と「B:0」との組が照明機器10−1と対応付けて登録されている。また、プリセットデータ121には、シーン#2として、「プリセットフェーダF01(R)」と「R:0」との組、「プリセットフェーダF02(G)」と「G:60」との組、および「プリセットフェーダF03(B)」と「B:100」との組が照明機器10−1と対応付けて登録されている。このような情報は、クロスフェーダをシーン#1からシーン#2へと変化させた場合、照明機器10−1について、赤色の調光度を100パーセントから0パーセントへと変化させ、緑色の調光度を80パーセントから60パーセントへと変化させ、青色の調光度を0パーセントから100パーセントへと変化させる旨を示す。
また、図3に示す例では、プリセットデータ121には、シーン#1として、「プリセットフェーダF04」と「I:100」との組がハロゲン照明機器20−1に対応付けて登録されており、シーン#2として、「プリセットフェーダF04」と「I:0」との組がハロゲン照明機器20−1に対応付けて登録されている。このような情報は、クロスフェーダ「クロスフェーダF02」をシーン#1からシーン#2へと変化させた場合、ハロゲン照明機器20−1について、調光度を100パーセントから0パーセントへと変化させる旨を示す。
なお、図3に示す用法のうち、シーン#1を再現するプリセットフェーダと、シーン#2を再現するプリセットフェーダとは、所謂多段のプリセットフェーダ調光操作卓において、異なる段のプリセットフェーダに対応するものとする。例えば、シーン#1におけるプリセットフェーダF01は、1段目のプリセットフェーダのうち、照明機器10−1が出力する赤色の光を制御する際に用いられるフェーダであり、シーン#2におけるプリセットフェーダF01は、2段目のプリセットフェーダのうち、照明機器10−1が出力する赤色の光を制御する際に用いられるフェーダに対応する。なお、図3に示す情報のうち、各シーンの「プリセットフェーダ」は、各照明機器10の色ごとに付与されるDMXアドレスやハロゲン照明機器20に付与されるDMXアドレスに読み替えてもよい。
表示部130は、照明制御に関する各種の情報が表示される画面である。例えば、表示部130は、プリセットデータ121の内容や各プリセットフェーダやクロスフェーダに設定された各シーンの内容等を表示する。なお、表示部130は、情報を表示(出力)するのみならず、入力装置としてのインターフェース機能を備えていてもよい。例えば、表示部130がタッチパネルディスプレイにより実現される場合、表示部130は、入力操作を受け付けるインターフェースとしても機能する。
操作部140は、照明機器10やハロゲン照明機器20対する操作を受付ける操作受付装置であり、例えば、各種のフェーダにより実現される。例えば、操作部140は、予め設定されたシーン#1やシーン#2等といった各種のシーンを再現するためのプリセットフェーダF01〜Fnや、シーンの切り替えを行うクロスフェーダFcを有する。各プリセットフェーダには、各シーンを再現する際に照明機器10やハロゲン照明機器20が出力する光の色彩や強度を示す情報が対応付けて登録されているものとする。なお、操作部140は、タッチパネル等を利用して実現されてもよい。また、操作部140は、予め設定されたシーンを再現するプリセットフェーダや各種のボタンを有していてもよい。
制御部150は、照明機器10やハロゲン照明機器20を制御する照明制御処理を実行する。例えば、制御部150は、オペレータによりある照明機器10と対応付けられたフェーダが操作された場合は、かかる照明機器10のDMXアドレスと共に、操作内容に応じた調光率を示す制御情報を生成し、生成した制御情報をノード30へと出力する。また、制御部150は、オペレータによりクロスフェーダFcが操作された場合は、操作内容に従って、各照明機器10やハロゲン照明機器20の照明態様を変更することで、シーンの切り替えを行う。
ここで、制御部150は、照明機器10が有する光源部15が出力する光の色をシーン#1の色からシーン#2の色へと段階的に変化させる場合は、光源部15が出力する光の色が色度座標における所定の経路を辿って変化するように制御する。すなわち、制御部150は、各原色の調光率を個別に制御可能な光源部15であって、原色ごとに調光率が所定の冪指数で補正される光源部15が出力する光の色を制御する。より具体的には、制御部150は、シーン#1の色(すなわち、第1の色)からシーン#2の色(すなわち、第2の色)まで、色度座標において直線的な経路を辿って段階的に変化するように、光源部15が出力する光の色を制御する。
例えば、原色ごとに調光率が所定の冪指数で補正される光源部15が出力する光の色を、第1の色から第2の色まで色度座標において直線的な経路を辿って段階的に変化させるには、第1の色から第2の色まで線形的な変化率で変化させた各原色の調光度を、所定の冪指数の逆数で補正してやればよい。そこで、制御部150は、以下の式(1)を用いて、各原色の調光率をそれぞれ算出する。
ここで、数(1)におけるTは、シーンの切り替えに要する時間、すなわちフェード時間であり、tは、シーンの切り替えが開始されてから経過した時間である。また、cは、照明機器10が調光率の補正に用いる所定の冪乗数である。また、S1は、シーン#1における調光度であり、S2は、シーン#2における調光度であり、s(t)は、シーンの切り替えが開始されてから時間tが経過した際における調光度である。
なお、数(1)では、フェード時間がTである際に、一定の割合でシーン#1からシーン#2へと照明態様が切り替わる際の調光度を算出する数式の例について記載した。しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではない。例えば、シーン#1をシーン#2へと完全に切り替えた際におけるクロスフェーダFcのレベルを「I」とし、実際に操作されたクロスフェーダFcのレベルを「i」とすると、クロスフェーダFcのレベルが「i」である際の調光度s(i)は、以下の式(2)で算出することができる。
このように、制御部150は、原色ごとの調光率として、第1の色を出力する際の調光率と第1の色から第2の色への変化率を1から減算した値との積に所定の冪指数を冪乗した値と、第2の色を出力する際の調光率に変化率を積算した値に所定の冪指数を冪乗した値との和に、所定の冪指数の逆数を冪乗した値を算出する。なお、式(1)および式(2)においては、所定の冪指数の逆数を冪乗する演算を、所定の冪指数のルートで表した。
そして、制御部150は、光源部15を有する照明機器10に対し、光源部15を制御するための調光信号を出力させることで、光源部15が出力する光の色を制御する。より具体的には、制御部150は、制御対象となる照明機器10のDMXアドレスと、算出した調光率を示す制御情報を生成し、通信部110を介してノード30へと送信する。この結果、制御部150は、照明機器10が出力する光の色を、第1の色から第2の色まで色度座標において直線的な経路を辿って段階的に変化させることができる。
(調光率と光出力との関係の一例)
以下、図4を用いて、調光信号と実際に出力される光との関係について説明する。例えば、図4は、調光信号と照明機器が出力する光との関係の一例を示す図である。なお、図4に示す例では、赤色の光についての調光率や実際の光出力を点線で示し、緑色の光についての調光率や実際の光出力を一点破線で示し、青色の光についての調光率や実際の光出力を直線で示した。また、図4に示す例では、シーン#1からシーン#2への切り替えが5秒で行われる際の調光信号や光出力について記載した。
なお、図4に示す例では、シーン#1として、赤色の調光率「100パーセント」と、緑色の調光率「80パーセント」と、青色の調光率「0パーセント」とが設定されているものとする。また、図4に示す例では、シーン#2として、赤色の調光率「0パーセント」と、緑色の調光率「60パーセント」と、青色の調光率「100パーセント」とが設定されているものとする。
例えば、シーン#1からシーン#2へのクロスフェードは、シーン#1が徐々にフェードアウトし、シーン#2が徐々にフェードインするといった態様で再現可能である。このため、シーン#1からシーン#2へのクロスフェードは、図4中(A)に示す調光率の遷移を示す調光信号により再現される。
例えば、シーン#1が徐々にフェードアウトする態様は、図4中(A−1)に示すように、赤色の調光率が5秒間で「100パーセント」から「0パーセント」まで線形的に遷移し、緑色の調光率が5秒間で「80パーセント」から「0パーセント」まで線形的に遷移するといった調光率の遷移により実現される。また、シーン#2が徐々にフェードインする態様は、図4中(A−2)に示すように、緑色の調光率が5秒間で「0パーセント」から「60パーセント」まで線形的に遷移し、青色の調光率が5秒間で「0パーセント」から「100パーセント」まで線形的に遷移するといった調光率の遷移により実現される。
このため、シーン#1からシーン#2のクロスフェードを実現する調光率の遷移は、図4中(A−1)に示す調光率の遷移と、図4中(A−2)に示す調光率の遷移との和により表すことができる。より具体的には、シーン#1からシーン#2のクロスフェードを実現する調光率の遷移は、図4中(A−3)に示すように、赤色の調光率が5秒間で「100パーセント」から「0パーセント」まで線形的に遷移し、青色の調光率が5秒間で「0パーセント」から「100パーセント」まで線形的に遷移し、緑色の調光率が5秒間で「80パーセント」から「60パーセント」まで線形的に遷移するといった調光率の遷移により実現される。
一方、シーン#1からシーン#2へのクロスフェードにおける理想的な光出力は、図4中(B)に示すグラフで示すことができる。例えば、シーン#1が徐々にフェードアウトする態様は、図4中(B−1)に示すように、赤色の光出力が5秒間で「100パーセント」から「0パーセント」まで指数関数的に遷移し、緑色の光出力が5秒間で「60パーセント」から「0パーセント」まで指数関数的に遷移するといった光出力の遷移により実現される。また、シーン#2が徐々にフェードインする態様は、図4中(B2)に示すように、緑色の光出力が5秒間で「0パーセント」から「30パーセント」まで指数関数的に遷移し、青色の光出力が5秒間で「0パーセント」から「100パーセント」まで指数関数的に遷移するといった光出力の遷移により実現される。
このため、シーン#1からシーン#2のクロスフェードを実現する理想的な光出力の遷移は、図4中(B−1)に示す光出力の遷移と、図4中(B−2)に示す光出力の遷移との和により表すことができる。より具体的には、シーン#1からシーン#2のクロスフェードにおける理想的な光出力の遷移は、図4中(B−3)に示すように、赤色の調光率が5秒間で「100パーセント」から「0パーセント」まで指数関数的に遷移し、青色の調光率が5秒間で「0パーセント」から「100パーセント」まで指数関数的に遷移し、緑色の調光率が3秒間で「60パーセント」から「20パーセント」程度まで指数関数的に減少し、その後、「30パーセント」まで指数関数的に増加するといった光出力の遷移により実現される。
すなわち、シーン#1の色が徐々にフェードアウトし、シーン#2の色が徐々にフェードインするといった態様の光出力を得るには、各原色の混合率がシーン#1の混合率からシーン#2の混合率へと線形的に変化させる必要がある。このため、シーン#1とシーン#2とで共通する原色が含まれる場合は、その各原色の光出力を単純に減少あるいは増加させるのではなく、その原色の光出力を最終的な値よりも低い値まで減少させ、その後、最終的な値まで増加させる必要がある。
ここで、照明機器10は、受信した調光信号が示す調光率を所定の冪指数で補正した値を用いて光源部15を制御する。このため、図4中(C)に示すように、図4中(A−1)に示す調光信号を受付けた場合は、図4中(B−1)に示す態様の光出力を実現することができる。また、図4中(D)に示すように、図4中(A−2)に示す調光信号を受付けた場合は、図4中(B−2)に示す態様の光出力を実現することができる。
しかしながら、図4中(E)に示すように、図4中(A−3)に示す調光信号がそのまま出力された場合は、緑色の光を最終的な値よりも減少させた後に最終的な値まで増加させるといった処理を行うことなく、単純に減少させてしまう。この結果、照明機器10は、図4中(F)に示すように、理想的な光出力(すなわち、図4中(B−3)に示す光出力)とは異なる態様で照明を行ってしまう。
そこで、照明制御装置100は、図4中(G)に示すように、シーン#1からシーン#2までの理想的な遷移における各色の混合比率が同じになるように、調光率の補正を行う。より具体的には、照明制御装置100は、図4中(A)に示すような調光率の和ではなく、図4中(B)に示すような光出力の和を算出し、算出した和の所定の冪指数の逆数を冪乗することで理想的な光出力を実現するための調光率を算出する。
すなわち、照明制御装置100は、第1の色から、第1の色に含まれる原色のうち少なくともいずれか1つの原色を含む第2の色へと光源部15が出力する光の色を段階的に変化させる場合は、光源部15が出力する光の色が色度座標における所定の経路を辿って変化するように、光源部15が出力する光の色を制御する。この結果、照明制御装置100は、図4中(H)に示すように、理想的な光出力を実現する調光率を示した調光信号を出力することができる。
(色度座標上における経路の一例)
次に、図5を用いて、シーン#1からシーン#2までクロスフェードを行った際において出力される光の色の変化を色度座標を用いて説明する。図5は、クロスフェードにおいて出力される光の色の変化の一例を示す図である。なお、図5に示す例では、所謂CIE(Commission internationale de l'eclairage)表色系におけるxy色度図の一例について記載した。
例えば、それぞれ異なる色のカラーフィルタ21が設置されたハロゲン照明機器20が存在する際に、シーン#1とシーン#2とで点灯させるハロゲン照明機器20を切り替えた場合、各原色の混色率が一定の割合で変化するので、舞台における光の色は、図5中の三角印で示す経路を辿って変化することとなる。一方、単純にシーン#1の調光率とシーン#2の調光率との和から算出した調光率を用いて照明機器10を制御した場合、各原色の混色率が変動してしまうため、舞台における光の色は、図5中の菱形印で示す経路を辿って変化することとなる。
このため、例えば、舞台上にハロゲン照明機器20と照明機器10とが混在する場合は、シーンの切り替えを行う際にハロゲン照明機器20と照明機器10とで光の色が異なる経路を辿って変化するので、適切な照明態様を実現できなくなる恐れがある。また、照明機器10のみが舞台上に存在する場合であっても、光の色がシーン#1やシーン#2に関する色とは異なる色を辿って変化してしまい、シーンの切り替え時に想定外の色で照明が行われてしまう恐れがある。
そこで、照明制御装置100は、上述した式(1)や式(2)を用いることで、第1の色から第2の色まで色度座標において直線的な経路を辿って段階的に変化させるための調光率を算出し、算出した調光率で照明機器10の制御を行う。この結果、照明制御装置100は、例えば、図5中の点線で示す経路を辿って、照明機器10が出力する光を第1の色から第2の色まで変化させることができる。この結果、照明制御装置100は、舞台上にハロゲン照明機器20と照明機器10とが混在する場合にも、ハロゲン照明機器20と照明機器10とが出力する光の色を揃えるとともに、シーンの切り替え時に想定外の色が出力されるといった態様を防ぐことができる。
(実施形態の処理フロー)
次に、照明制御装置100が実行する各処理のフローについて説明する。図6は、実施形態に係る照明制御装置の処理の流れの一例を説明するフローチャートである。例えば、照明制御装置100は、クロスフェーダFcの操作を受付けた否かを判定し(ステップS101)、受付けていない場合は(ステップS101:No)、受付けるまで待機する。そして、照明制御装置100は、クロスフェーダFcの操作を受付けた場合は(ステップS101:Yes)、操作されたクロスフェーダFcと対応するプリセットデータを読み出す(ステップS102)。
ここで、照明制御装置100は、シーン#1からシーン#2までの色を変化させる際における経路である色経路の補正を要するか否かを判定する(ステップS103)。例えば、照明制御装置100は、シーン#1に含まれる原色と、シーン#2に含まれる原色とに共通する原色が含まれるか否かを判定する。そして、照明制御装置100は、シーン#1とシーン#2とに共通する原色が含まれる場合、すなわち、色経路の補正を要すると判定した場合は(ステップS103:Yes)、色経路が色度座標上において直線を描くように、調光率を補正する(ステップS104)。
そして、照明制御装置100は、シーンを徐々に変更し(ステップS105)、処理を終了する。一方、照明制御装置100は、シーン#1とシーン#2とに共通する原色が含まれない場合、すなわち、色経路の補正を要しないと判定した場合は(ステップS103:No)、調光率を補正せずにシーンを徐々に変更し(ステップS105)、処理を終了する。
(実施形態のバリエーションについて)
なお、上述した照明制御システム1においては、照明制御装置100が有する制御部150が上述した各種の制御処理を実行した。しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではない。例えば、上述した制御処理は、ノード30が有する制御部32や、照明機器10が有する制御部14によって実現されてもよい。例えば、ノード30や、照明機器10は、シーン#1からシーン#2へのクロスフェードを行う旨の制御情報や調光信号を受付けた場合は、式(1)や式(2)を用いて、調光率の補正を行い、補正後の調光率に基づいて、光源部15の制御を行うことで、出力する光の色が色度座標上において直線的な経路を辿るようにしてもよい。
また、上述した例では、照明制御装置100は、出力する光の色を制御可能なLED等の照明機器10を制御した。しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではない。例えば、照明制御装置100は、赤色のカラーフィルタ、緑色のカラーフィルター、および青色のカラーフィルターが付された3台のハロゲン照明機器20を制御する際に、上述した各種の補正を行ってもよい。すなわち、照明制御装置100は、光出力と調光信号が示す調光率とが線形ではなく、3色以上の色を再現でき、かつ、各色の調光率を個別に変更することができる照明機器であれば、任意の種別および台数の照明機器を制御する際に上述した各種の補正を行ってよい。
また、照明機器10が調光率を補正する際に用いる冪指数の値は、照明機器10のメーカーごとに異なるとも考えられる。そこで、照明制御装置100は、照明機器10のメーカに応じた冪指数を用いて、照明機器10に出力する調光率の補正を行ってもよい。例えば、照明制御装置100は、式(1)や式(2)におけるcの値を照明機器10のメーカに応じた値に設定することで、調光率の補正を行ってもよい。このような処理の結果、照明機器10は、異なるメーカの照明機器10が混在する場合であっても、各照明機器10がシーンの切り替え時に出力する光の色を揃えることができる。
また、照明制御装置100は、制御対象となる照明機器10がLED等、様々な色の光を出力する照明機器である場合にのみ、上述した調光率の補正を行ってもよい。例えば、照明制御装置100は、操作対象となる照明機器10やハロゲン照明機器20が様々な色の光を出力可能な照明機器であるか否かを予め記憶しておき、クロスフェードを行う際に、制御対象となる照明機器が様々な色の光を出力可能な照明機器である場合は、上述した調光率の補正を行ってもよい。
また、照明制御装置100は、シーン#1からシーン#2へとクロスフェードを行う際に、上述した調光率の補正が必要か否かを判定し、必要な場合にのみ、調光率の補正を行ってもよい。例えば、照明制御装置100は、プリセットデータ121に登録された情報を解析し、シーン#1において出力される原色のうち、少なくとも1色がシーン#2においても出力されるか否かを判定する。そして、照明制御装置100は、シーン#1において出力される原色のうち、少なくとも1色がシーン#2においても出力される場合は、調光率の補正を行ってもよい。
また、例えば、照明制御装置100は、シーン#1とシーン#2とで、各照明機器10が出力する光の強さ(Intensity)のみが変化している場合には、上述した調光率の補正を行わずともよい。すなわち、照明制御装置100は、シーン#1とシーン#2とで、3つの原色すべてが出力されるが、シーン#1とシーン#2とにおける各色の混合比率に変化が無い場合には、上述した調光率の補正を行わずともよい。
また、照明制御装置100は、色度座標上において、直線の経路ではなく、所定の経路を辿るように調光率の補正を行ってもよい。すなわち、照明制御装置100は、式(1)や式(2)において、cの値を任意の値に設定してよい。例えば、照明制御装置100は、シーン#1からシーン#2へとクロスフェードが行われる際に、照明装置10から出力される光の色が、第1の色から所定の色へと遷移し、その後、第2の色へと遷移するように、調光率の補正を行ってもよい。
(その他)
なお、上述した例では、所謂調光卓となる照明制御装置100が制御時に用いるDMXアドレスと照明機器10、ハロゲン照明機器20との割り当て作業(いわゆるパッチ作業)については、説明を省略したが、かかるパッチ作業については、照明制御装置100に付属されたライブラリ機能等を用いて操作者により手動で行われてもよく、情報制御装置100は、双方向通信等を用いて自動で行ってもよい。すなわち、上述した実施形態は、あくまで一致であり、手動でパッチ作業が行われてもよく、自動でパッチ作業が行われてもよい。また、情報制御装置100は、DMX規格以外にも、任意の規格に沿ってハロゲン照明機器20の制御を行ってよい。
なお、上述した照明制御装置100は、CPU(Central Processing Unit)とRAM、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、フラッシュメモリなどを有するコンピュータが、所定の記録媒体に登録された制御プログラムを読み取り、読み取った制御プログラムを実行することにより、実現されてもよい。
以上、本発明の実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。また、これらの実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。