以下、図面を参照して、実施形態に係る照明制御装置、照明制御システムおよび照明制御方法を説明する。実施形態において同一の機能を有する構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。なお、以下の実施形態で説明する照明制御装置、照明制御システムおよび照明制御方法は、一例を示すに過ぎず、実施形態を限定するものではない。例えば、以下の実施形態では、照明制御装置は、照明機器以外にも、任意の舞台装置の制御にも適用することができる。
以下で説明する実施形態に係る照明制御装置10は、検出部15aと、保存部15bと、読出部15cとを具備する。検出部15aは、複数のポート22(22−1〜22−m)と複数の照明器具30(30−1〜30−n)との対応関係を検出する。保存部15bは、検出された対応関係を対応関係データ12aとして保存する。読出部15cは、保存された対応関係データ12aを読み出す。
また、以下で説明する実施形態に係る照明制御装置10は、比較部15dと、出力部15eとをさらに具備する。比較部15dは、複数のポート22(22−1〜22−m)と複数の照明器具30(30−1〜30−n)とが新たに対応付けられた場合に、検出部15aにより検出された今回の対応関係と読み出された前回の対応関係とを比較する。出力部15eは、比較部15dで比較された結果を出力する。
また、以下で説明する実施形態に係る照明制御装置10において、出力部15eは、今回の対応関係と前回の対応関係とで接続される照明器具30(30−1〜30−n)が異なるポート22(22−1〜22−m)に関する情報を出力する。
また、以下で説明する実施形態に係る照明制御装置10において、比較部15dは、今回の対応関係と前回の対応関係とを比較する場合に、照明器具30(30−1〜30−n)の製造会社名データおよび機器型番データに基づいて同じ器具とみなす照明器具30(30−1〜30−n)がポート22(22−1〜22−m)に接続されていると判定する。
また、以下で説明する実施形態に係る照明制御装置10において、対応関係データ12aは、照明器具30(30−1〜30−n)の調光を制御する調光制御データに対応付けられたアドレス情報(DMXアドレス)を含む。そして、照明制御装置10は、前回と同じポート22(22−1〜22−m)に同じまたは同じ器具とみなされた照明器具30(30−1〜30−n)が今回接続された場合に、対応関係データ12aに含まれる前回の照明器具30(30−1〜30−n)のアドレス情報(DMXアドレス)と同じアドレス情報(DMXアドレス)を今回の照明器具30(30−1〜30−n)に設定する設定部15fをさらに具備する。
また、以下で説明する実施形態に係る照明制御装置10は、付与部15gと、表示制御部15hとをさらに具備する。付与部15gは、あらかじめ複数の照明器具30(30−1〜30−n)に対してそれぞれ異なるID番号を付与する。表示制御部15hは、複数の照明器具30(30−1〜30−n)が同じポート22(22−1〜22−m)にカスケード接続される場合に、ポート22(22−1〜22−m)の表示位置から複数の照明器具30(30−1〜30−n)をID番号が若い番号順に表示する。
また、以下で説明する実施形態に係る照明制御システム1は、上記に記載の照明制御装置10と、複数の照明器具30(30−1〜30−n)とを具備する。
また、以下で説明する実施形態に係る照明制御方法は、検出ステップ(ステップS1、S101)と、保存ステップ(ステップS2、S102)と、読出ステップ(ステップS3、S103)とを含む。検出ステップ(ステップS1、S101)は、複数のポート22(22−1〜22−m)と複数の照明器具30(30−1〜30−n)との対応関係を検出する。保存ステップ(ステップS2、S102)は、検出された対応関係を対応関係データ12aとして保存する。読出ステップ(ステップS3、S103)は、保存された対応関係データ12aを読み出す。
[照明制御システムの構成例]
最初に、図1を用いて、実施形態に係る照明制御システム1の構成の一例を説明する。図1は、実施形態に係る照明制御システム1のシステム構成の一例を示す図である。
例えば、図1に示す例では、照明制御システム1は、照明制御装置10と、複数のDMXノード20−1〜20−pと、複数の照明器具30−1〜30−nとを有する。なお、照明制御システム1は、任意の数のDMXノード20−1〜20−pと、任意の数の照明器具30−1〜30−nを有してよい。
また、以下の説明では、DMXノード20−1〜20−pをDMXノード20と総称し、照明器具30−1〜30−nを照明器具30と総称する場合がある。
図1に示す照明制御システム1において、照明制御装置10とDMXノード20とは、例えばイーサネット(登録商標)やLAN(Local Area Network)などの所定のネットワークにより通信可能に接続される。また、DMXノード20と照明器具30とは、DMX512を拡張したRDMといった双方向通信が可能な規格により接続されている。
照明制御装置10は、オペレータからの操作に従って、各照明器具30を制御する制御装置であり、例えば、操作卓と呼ばれる装置である。例えば、照明制御装置10は、複数のフェーダを有し、フェーダの操作に従って、対応する照明器具30の照度や色彩を制御する制御情報をDMXノード20へ送信する。
DMXノード20は、照明制御装置10と照明器具30との間の通信を中継する中継装置である。例えば、DMXノード20は、通信制御部21と、複数のポート22−1〜22−mを有する。なお、以下の説明では、ポート22−1〜22−mをポート22と総称する場合がある。
通信制御部21は、照明制御装置10との間で情報の送受信を行う通信装置であり、例えば、NIC(Network Interface Card)などの通信装置によって実現される。また、複数のポート22−1〜22−mは、それぞれを識別するためのポート番号が付与されたポートであり、例えば、RDM規格に従って照明器具30と信号を送受信するためのコネクタである。
通信制御部21は、照明制御装置10から制御情報を受信すると、受信した制御情報をRDM規格に沿った制御信号に変換し、受信した制御情報が示すユニバースの全てのポートから制御信号を出力する。
すなわち、DMXノード20は、各ポート22と、各ポート22に接続された照明器具30に付与された制御アドレスのユニバースとを対応付けて記憶しており、受信した制御信号のユニバースと対応するポート22に制御信号を伝達する。なお、実施形態では、照明器具30が接続されていないポート22があってもよい(たとえば、図1に示すポート22−2など)。
照明器具30は、例えばLED(Light Emitting Diodes)などの半導体発光素子を光源とする照明装置であり、例えば、スポットライト、ホリゾントライト、フラッドライトなどといった照明装置である。なお、照明器具30は、図示しないバトンなどにより所定の位置に吊り下げられたり、所定の位置に置かれたりして用いられる。
また、照明器具30は、照明制御装置10からの制御に従って、照明する光の照度、色彩、照明範囲などを変化させる調光処理を行うことで、スタジオや舞台などの照明演出を行う。例えば、照明器具30には、DMXアドレスといった制御アドレスが予め付与される。
さらに、照明器具30は、DMXノード20からDMX規格に沿った制御信号を受信すると、受信した制御信号が示す制御アドレスが自装置の制御アドレスであるか否かを判定し、自装置の制御アドレスである場合は、受信した制御信号に従って、調光処理を実行する。
ここで、照明制御装置10と照明器具30とは、RDM規格に沿った通信を介することで、双方向通信を実現することができる。例えば、照明器具30は、照明器具30に関する各種の情報(以下、「詳細情報」と記載する。)が登録された図示しないメモリを有する。
より具体的には、照明器具30は、照明器具30の識別子であるUIDや、どのような色彩情報に従って照明の色彩を変更するか、使用する制御アドレスの数、出力、製造会社名や機器の型番、重量などといった照明器具30の詳細を示す詳細情報が登録されている。なお、かかる詳細情報には、照明器具30の制御において独自に使用される特殊コードや、点灯時間、通電時間、パーソナリティー設定などといった情報が含まれる場合がある。
[照明制御装置の構成例]
続いて、図2を用いて、実施形態に係る照明制御装置10の機能構成の一例を説明する。図2は、実施形態に係る照明制御装置10の機能構成の一例を示すブロック図である。図2に示す例では、照明制御装置10は、通信部11と、記憶部12と、表示部13と、複数の操作部14a〜14c(以下、「操作部14」と総称する。)と、制御部15とを有する。
通信部11は、例えば、所定の通信回路などによって実現される。例えば、通信部11は、イーサネットやLANなどのネットワークを介して、DMXノード20との間の通信を中継する。
記憶部12は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)などの半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスクなどの記憶装置によって実現される。実施形態に係る記憶部12は、図2に示すように、対応関係データ12aと、調光管理テーブル12bと、接続機器管理テーブル12cとを有する。
対応関係データ12aには、たとえば、以前に複数のポート22−1〜22−mに複数の照明器具30−1〜30−nを所定の対応関係で設置した状態(以下、前回の対応関係とも呼称する。)におけるポート22−1〜22−mと照明器具30−1〜30−nとの対応関係が保存される。図3は、対応関係データ12aおよび接続機器管理テーブル12cに保存された情報の一例を示す図である。
図3に示すように、対応関係データ12aは、「ID番号」、「ポート番号」、「製造会社名」、「機器型番」、「UID」および「DMXアドレス」といった項目を有する情報を含む。
ここで、「ID番号」とは、各スタジオや各舞台ごとに用いられる照明器具30−1〜30−nに対して個別に割り振られる固有の番号であり、たとえば、1以上の整数で表される情報である。なお、かかる「ID番号」は、後述する制御部15の付与部15gにより各照明器具30に付与され、各照明器具30の本体にも明示されている。
「ポート番号」とは、照明器具30−1〜30−nが接続されているポート22−1〜22−mに対して個別に割り振られる固有の番号である。すなわち、実施形態において、複数のポート22−1〜22−mには、それぞれ個別のポート番号が割り振られている。
「製造会社名」とは、照明器具30の製造会社名であり、「機器型番」とは、製造会社によって定められた照明器具30の型番である。
「UID」とは、DMX規格で用いられる装置ごとに固有の番号であり、各照明器具30−1〜30−nに予め付与される12桁の16進数で表される情報である。なお、実施形態において、かかる「UID」と上述の「ID番号」とは1対1で対応付けられている。
「DMXアドレス」とは、DMXのデータリンク上におけるアドレス、すなわち、照明制御装置10が照明器具30−1〜30−nを制御する際に用いる制御アドレスである。なお、DMXアドレスは、照度、照明の色彩、照明を移動させるムービングなど、照明制御装置10が制御する照明器具30−1〜30−nの制御対象ごとに記憶される。
たとえば、図3で示す例において、対応関係データ12aには、ID番号「1」が割り振られた照明器具30に対して、ポート番号「P1」、製造会社名「A社」、機器型番「機器C」、UID「UID1」およびDMXアドレス「アドレス2」が対応付けられて保存されている。また、対応関係データ12aには、ID番号「2」が割り振られた照明器具30に対して、ポート番号「P2」、製造会社名「A社」、機器型番「機器C」、UID「UID3」およびDMXアドレス「アドレス1」が対応付けられて保存されている。
図2の説明に戻る。記憶部12の調光管理テーブル12bには、上述のDMXアドレスと、調光制御データとが対応付けられて記憶されている。ここで、「調光制御データ」とは、照明器具30−1〜30−nごとの照度や色彩、照明を移動させるムービングなどの調光を制御するデータ(たとえば、パッチデータやシーンデータなど)の総称である。
図4は、調光管理テーブル12bに格納された情報の一例を示す図である。たとえば、図4に示す例において、調光管理テーブル12bには、DMXアドレス「アドレス1」と調光制御データ「データA」とが対応付けられて記憶されている。また、調光管理テーブル12bには、DMXアドレス「アドレス2」と調光制御データ「データA」とが対応付けられて記憶されている。
すなわち、図4に示す例において、DMXアドレスが「アドレス1」に設定された照明器具30と、DMXアドレスが「アドレス2」に設定された照明器具30とは、いずれも同じ調光制御データ「データA」で調光が制御される。
図2の説明に戻る。記憶部12の接続機器管理テーブル12cには、複数のポート22と複数の照明器具30とが新たに対応付けられた場合におけるポート22−1〜22−mと照明器具30−1〜30−nとの対応関係(以下、今回の対応関係とも呼称する。)が記憶される。
たとえば、接続機器管理テーブル12cには、前回の対応関係と同一または類似の対応関係に戻す作業中のポート22−1〜22−mと照明器具30−1〜30−nとの対応関係が記憶される。なお、かかる接続機器管理テーブル12cは、図3に示した対応関係データ12aと同様のデータ構造であることから、詳細な説明は省略する。
表示部13は、任意の情報を表示可能な表示装置であり、例えば、液晶モニタやタッチパネルなどにより実現される。なお、表示部13が表示する画面としては、対応関係データ12aとして保存された各照明器具30の設置位置や、接続機器管理テーブル12cとして記憶された各照明器具30の設置位置の情報などが採用される。
操作部14は、操作者からの操作を受付ける入力装置であり、例えば、フェーダやボタンなどといった入力装置により実現される。なお、操作部14は、サブマスタフェーダ、シーンボタン、エフェクトボタンなど、1つ以上の照明器具30に対する所定の操作を行うための入力装置であってもよい。
なお、例えば、表示部13が操作者からの操作を受け付けることができるタッチパネルにより実現される場合は、表示部13と操作部14とは、一体の装置として実現されていてもよい。このような場合、操作部14は、画面上に表示される仮想的な入力装置により実現されうる。
制御部15は、各種の処理手順などを規定したプログラム及び所要データを格納するための内部メモリを有し、これらによって種々の処理を実行する。実施形態において、制御部15は、検出部15aと、保存部15bと、読出部15cと、比較部15dと、出力部15eと、設定部15fと、付与部15gと、表示制御部15hとを有する。
検出部15aは、複数のポート22と複数の照明器具30との対応関係を検出する。たとえば、検出部15aは、ポート22と照明器具30との対応関係が上述の前回の対応関係である場合に、かかる前回の対応関係を検出する。
また、検出部15aは、ポート22と照明器具30との対応関係が上述の今回の対応関係である場合に、かかる今回の対応関係を検出し、検出された今回の対応関係を接続機器管理テーブル12cとして記憶部12に記憶する。
保存部15bは、検出部15aにより検出された前回の対応関係を対応関係データ12aとして保存する。
読出部15cは、保存部15bにより保存された対応関係データ12aを読み出す。たとえば、読出部15cは、複数のポート22と複数の照明器具30とが新たに対応付けられた場合に、保存部15bにより保存された対応関係データ12aを読み出す。
比較部15dは、複数のポート22と複数の照明器具30とが新たに対応付けられた場合に、検出部15aにより検出され、接続機器管理テーブル12cとして記憶された今回の対応関係と、対応関係データ12aとして読み出された前回の対応関係とを比較する。
出力部15eは、比較部15dで比較された結果を表示部13に出力する。たとえば、出力部15eは、検出部15aにより検出されて記憶された接続機器管理テーブル12c(すなわち、今回の対応関係)と、読み出された対応関係データ12a(すなわち、前回の対応関係)とで接続される照明器具30が異なるポート22に関する情報を出力する。
設定部15fは、前回と同じポート22に同じまたは同じ器具とみなされた照明器具30が今回接続された場合に、対応関係データ12aに含まれる前回の照明器具30のDMXアドレスと同じDMXアドレスを今回の照明器具30に設定する。
付与部15gは、あらかじめ複数の照明器具30に対してそれぞれ異なるID番号を付与する。表示制御部15hは、複数の照明器具30が同じポート22にカスケード接続される場合に、ポート22の表示位置から複数の照明器具30をID番号が若い番号順に表示する。
[照明制御方法の詳細]
続いて、図5〜図7を用いて、実施形態に係る照明制御方法の詳細について説明する。図5〜図7は、実施形態に係る照明制御方法の一例を説明するための図(1)〜(3)である。図5に示すレイアウト画面50は、「バトン」、「フロア」、「ホリ」とそれぞれ示された回路選択タブ51から「バトン」が選択された例を示している。
照明制御装置10の記憶部12には、予めスタジオや舞台などにおける各回路が実際の配置を模擬したレイアウトでそれぞれ記憶されており、オペレータによる回路選択タブ51の選択に応じた回路レイアウトがレイアウト画面50として表示される。なお、図5に示す例では、各ポート22それぞれに対する照明器具30の配置は図示されていない。
そして、実施形態では、ポート22と照明器具30との対応関係が前回の対応関係である場合に、図6に示すように、作業者により「RDM器具検出」タブ52が選択されると、検出部15aは、ポート22と照明器具30との対応関係を検出する(ステップS1)。また、照明制御装置10は、検出された結果に基づいて、照明器具30が各バトンに対応するように配置されたレイアウト画面50を表示部13に表示する。
次に、保存部15bは、検出部15aで検出された対応関係を対応関係データ12aとして保存する(ステップS2)。たとえば、作業者により所定の動作(たとえば、図示しない「保存」タブが選択されるなど)が行われることにより、保存部15bは、検出された対応関係を対応関係データ12aとして保存することができる。
次に、図7に示すように、前回の対応関係と同一または類似の対応関係に戻す作業中で、複数のポート22と複数の照明器具30とが新たに対応付けられた場合に、読出部15cは、対応関係データ12aを読み出す(ステップS3)。
たとえば、読出部15cは、作業者により所定の動作(たとえば、図示しない「読出」タブが選択されるなど)が行われることにより対応関係データ12aを読み出し、前回の対応関係で配置されたレイアウト画面50を表示部13に表示することができる。
次に、作業者により「RDM器具検出」タブ52が選択されると、検出部15aは、今回の対応関係を検出する(ステップS4)。そして、比較部15dは、検出された今回の対応関係と、読み出された前回の対応関係とを比較する(ステップS5)。
たとえば、比較部15dは、検出部15aにより検出されて記憶された接続機器管理テーブル12cと、読み出された対応関係データ12aとに基づいて、今回の対応関係と前回の対応関係とを比較することができる。
次に、出力部15eは、比較部15dにより比較された結果をレイアウト画面50に出力する(ステップS6)。たとえば、実施形態では、前回の対応関係の際に照明器具30が接続されていたポート22に照明器具30が接続されていない場合、出力部15eは、かかる照明器具30が接続されていないポート22に対応する位置に「×」と出力する。
また、実施形態では、前回の対応関係の際に照明器具30が接続されていないポート22に照明器具30が接続されている場合、出力部15eは、かかる余計な照明器具30が接続されているポート22に対応する位置に「△」と出力する。
さらに、実施形態では、前回の対応関係の際に照明器具30が接続されているポート22に異なる機種の照明器具30が接続されている場合、出力部15eは、かかる異なる機種の照明器具30が接続されているポート22に対応する位置に「▽」と出力する。
ここまで説明したように、実施形態では、検出された前回の対応関係を対応関係データ12aとして保存し、かかる対応関係データ12aを今回の対応関係である場合に読み出すことにより、以前の照明演出で用いられたことのあるポート22と照明器具30との対応関係と同一または類似の対応関係に戻す場合に、読み出された前回の対応関係を表示部13で参照しながら照明の仕込み作業を行うことができる。
したがって、実施形態によれば、以前の照明演出で用いられたことのあるポート22と照明器具30との対応関係と同一または類似の対応関係に戻す場合に、対応関係の確認作業における負担を軽減することができる。なお、読み出された前回の対応関係を参照する装置は表示部13に限られず、携帯端末(たとえば、タブレット端末など)で参照してもよい。
また、実施形態では、検出された今回の対応関係と前回の対応関係とを比較して、比較された結果をレイアウト画面50や携帯端末などに出力することにより、今回の対応関係が前回の対応関係と異なるポート22の位置を作業者に明示することができる。
したがって、実施形態によれば、以前の照明演出で用いられたことのあるポート22と照明器具30との対応関係と同一または類似の対応関係に戻す場合に、対応関係の確認作業における負担をさらに軽減することができる。
また、実施形態では、比較部15dが、今回の対応関係と前回の対応関係とを比較する場合に、照明器具30の「製造会社名」データおよび「機器型番」データに基づいて、同じ器具とみなす照明器具30がポート22に接続されていると判定してもよい。
たとえば、比較部15dは、今回の対応関係と前回の対応関係とを比較する場合に、同じポート22に接続される照明器具30の「製造会社名」データおよび「機器型番」データが同じである一方でUIDが異なる場合にも、同じ照明器具30が接続されていると判定するとよい。
すなわち、比較部15dは、同じポート22に接続される照明器具30のUIDが同じである場合には、「同一機種」の照明器具30が接続されていると判定する。また、比較部15dは、同じポート22に接続される照明器具30のUIDが異なる一方で、製造会社名データおよび機器型番データが同じである場合には、同じ器具とみなされる「同一タイプ」の照明器具30が接続されていると判定するとよい。
これにより、前回の対応関係と同一または類似の対応関係に戻す作業を行う際に、UIDまで同じ照明器具30を対応するポート22に接続する手間が省けることから、対応関係の確認作業における負担をさらに軽減することができる。
なお、比較部15dは、同じポート22に接続される照明器具30の製造会社名や機器型番が同じでなくとも、仕様が類似する照明器具30が接続されている場合には、同じ器具とみなす照明器具30がポート22に接続されていると判定してもよい。
また、実施形態では、ポート22と照明器具30とを前回の対応関係と同一または類似の対応関係に戻す作業が終了した際などに、設定部15fは、対応関係データ12aに含まれる前回の照明器具30のDMXアドレスと同じDMXアドレスを今回の照明器具30に設定してもよい。これにより、前回と同じまたは同じ器具とみなされた照明器具30の調光制御データを前回と同じ設定に戻すことができる。
したがって、以前の照明演出で用いられたことのあるポート22と照明器具30との対応関係と同一または類似の対応関係に戻す場合に、調光制御データを以前の状態に容易に戻すことができることから、前回の対応関係と同一または類似の対応関係に戻す作業の負担を軽減することができる。
図8は、実施形態に係る照明制御方法の別の一例を説明するための図である。DMX規格に沿った照明制御システム1では、同じポート22(たとえば、ポート番号「P1」のポート22)に複数の照明器具30(たとえば、ID番号「1」「101」「103」の照明器具30)がカスケード接続される場合がある。
ここで、実施形態では、同じポート22に複数の照明器具30がカスケード接続される場合に、表示制御部15hは、ポート22の表示位置から複数の照明器具30をID番号が若い番号順に表示するように表示を制御するとよい。
たとえば、図8に示すように、表示制御部15hは、ID番号「1」「101」「103」の照明器具30が同じポート22にカスケード接続される場合に、ポート22の表示位置からID番号「1」、ID番号「101」、ID番号「103」の順に表示するように表示を制御するとよい。
従来のDMX規格に沿った表示では、複数の照明器具30をカスケード接続する場合に、表示される順番は一定ではなく、接続を検出した順番に各照明器具30の表示を行っていた。したがって、複数の照明器具30をカスケード接続する場合には、レイアウト画面50で表示された順番と実際の接続の順番との対応がとれず、別途作業者は表示位置を調整する作業を行う必要があった。
しかしながら、実施形態では、ID番号が若い番号順に照明器具30を表示するとともに、実際の仕込み作業でも照明器具30に明示されたID番号が若い番号順にカスケード接続を行うことにより、レイアウト画面50で表示された順番と実際の接続の順番との対応を容易に取ることができる。したがって、実施形態によれば、照明器具30の仕込み作業における負担を軽減することができる。
なお、実際の仕込み作業において複数の照明器具30をカスケード接続する場合には、特定の機器型番である照明器具30がポート22に近い位置に配置され、別の特定の機器型番である照明器具30がポート22から遠い位置に配置されることが一般的に行われる。
そこで、実施形態では、付与部15gが、図3に示したように、照明器具30にそれぞれ異なるID番号を付与する場合に、特定の機器型番(たとえば、「機器C」)である照明器具30に対しては若い番号(たとえば、ID番号が1〜100)のID番号を付与する。そして、付与部15gは、別の特定の機器型番(たとえば、「機器D」)である照明器具30に対してはより大きい番号(たとえば、ID番号が101〜200)のID番号を付与するようにするとよい。
[照明制御処理のフロー]
次に、図9を用いて、照明制御装置10が各照明器具30を制御する処理の一例を説明する。図9は、実施形態に係る照明制御処理の一例を示すフローチャートである。
最初に、照明器具30の対応関係が上述の前回の対応関係である場合に、検出部15aは、ポート22と照明器具30との対応関係を検出する(ステップS101)。そして、保存部15bは、検出部15aで検出された対応関係を対応関係データ12aとして保存する(ステップS102)。
次に、複数のポート22と複数の照明器具30とが新たに対応付けられた場合に、読出部15cは、対応関係データ12aを読み出す(ステップS103)。次に、検出部15aは、ポート22と照明器具30との今回の対応関係を検出する(ステップS104)。
次に、比較部15dは、検出された今回の対応関係と、読み出された前回の対応関係とを比較する(ステップS105)。そして、出力部15eは、比較部15dにより比較された結果をレイアウト画面50などに出力する(ステップS106)。
次に、制御部15は、前回の対応関係と同一または類似の対応関係に戻す仕込み作業が完了したか否かを判定する(ステップS107)。たとえば、制御部15は、作業者により所定の動作(たとえば、図示しない「作業完了」タブが選択されるなど)が行われることにより、仕込み作業が完了したと判定することができる。
そして、仕込み作業が完了した場合(ステップS107,Yes)、処理を完了する。一方で、仕込み作業が完了していない場合(ステップS107,No)、ステップS104の処理に戻る。
図10は、実施形態に係る比較処理、出力処理および設定処理の一例を示すフローチャートである。最初に、制御部15は、全ポート22の接続が完了したか否かを判定する(ステップS201)。そして、全ポート22の接続が完了した場合(ステップS201,Yes)、処理を完了する。
一方で、全ポート22の接続が完了していない場合(ステップS201,No)、比較部15dは、接続が完了していないポート22において、前回の対応関係で照明器具30が未接続であり、かつ今回の対応関係で照明器具30が未接続であるか否かを判定する(ステップS202)。
そして、前回照明器具30が未接続でありかつ今回照明器具30が未接続の場合(ステップS202,Yes)、制御部15は、次のポート22の接続を確認し(ステップS203)、ステップS201の処理に戻る。
一方で、前回照明器具30が未接続でありかつ今回照明器具30が未接続ではない場合(ステップS202,No)、比較部15dは、接続が完了していないポート22において、前回照明器具30が接続されており、かつ今回照明器具30が未接続であるか否かを判定する(ステップS204)。
そして、前回照明器具30が接続されておりかつ今回照明器具30が未接続の場合(ステップS204,Yes)、出力部15eは、接続が完了していないポート22で必要な照明器具30が未接続であると表示し(ステップS205)、ステップS203の処理に戻る。
一方で、前回照明器具30が接続されておりかつ今回照明器具30が未接続ではない場合(ステップS204,No)、比較部15dは、接続が完了していないポート22において、前回照明器具30が未接続であり、かつ今回照明器具30が接続されているか否かを判定する(ステップS206)。
そして、前回照明器具30が未接続でありかつ今回照明器具30が接続されている場合(ステップS206,Yes)、出力部15eは、接続が完了していないポート22で不必要な照明器具30が接続されていると表示し(ステップS207)、ステップS203の処理に戻る。
一方で、前回照明器具30が未接続でありかつ今回照明器具30が接続ではない場合(ステップS206,No)、比較部15dは、接続が完了していないポート22において、前回の照明器具30と今回の照明器具30とが同一機種か否かを判定する(ステップS208)。
たとえば、比較部15dは、同じポート22に接続される照明器具30のUIDが同じである場合には、前回の照明器具30と今回の照明器具30とが同一機種であると判定することができる。
そして、前回の照明器具30と今回の照明器具30とが同一機種である場合(ステップS208,Yes)、設定部15fは、対応関係データ12aに基づいて、接続が完了した照明器具30のDMXアドレスを設定し(ステップS209)、ステップS203の処理に戻る。
一方で、前回の照明器具30と今回の照明器具30とが同一機種ではない場合(ステップS208,No)、比較部15dは、接続が完了していないポート22において、前回の照明器具30と今回の照明器具30とが同一タイプである(すなわち、仕様が類似する)か否かを判定する(ステップS210)。
たとえば、比較部15dは、同じポート22に接続される照明器具30のUIDが異なる一方で、製造会社名データおよび機器型番データが同じである場合には、前回の照明器具30と今回の照明器具30とが同一タイプであると判定することができる。
そして、前回の照明器具30と今回の照明器具30とが同一タイプではない場合(ステップS210,No)、出力部15eは、接続が完了していないポート22で異なる照明器具30が接続されていると表示し(ステップS211)、ステップS203の処理に戻る。
一方で、前回の照明器具30と今回の照明器具30とが同一タイプである場合(ステップS210,Yes)、比較部15dは、前回の照明器具30と今回の照明器具30とで制御チャンネルが同じか否かを判定する(ステップS212)。
そして、前回の照明器具30と今回の照明器具30とで制御チャンネルが同じである場合(ステップS212,Yes)、設定部15fは、対応関係データ12aに基づいて、接続が完了した照明器具30のDMXアドレスを設定し(ステップS213)、ステップS203の処理に戻る。
一方で、前回の照明器具30と今回の照明器具30とで制御チャンネルが同じではない場合(ステップS212,No)、比較部15dは、前回の照明器具30と今回の照明器具30とで制御チャンネルを同じモードに設定可能か否かを判定する(ステップS214)。
そして、前回の照明器具30と今回の照明器具30とで制御チャンネルを同じモードに設定可能である場合(ステップS214,Yes)、設定部15fは、対応関係データ12aに基づいて、接続が完了した照明器具30の動作モードを変更し(ステップS215)、かかる照明器具30のDMXアドレスを設定して(ステップS216)、ステップS203の処理に戻る。
一方で、前回の照明器具30と今回の照明器具30とで制御チャンネルが同じモードに設定可能ではない場合(ステップS214,No)、出力部15eは、接続が完了していないポート22で異なる照明器具30が接続されていると表示し(ステップS217)、ステップS203の処理に戻る。
[実施形態の効果]
上述してきたように、実施形態に係る照明制御装置10は、検出部15aと、保存部15bと、読出部15cとを具備する。検出部15aは、複数のポート22(22−1〜22−m)と複数の照明器具30(30−1〜30−n)との対応関係を検出する。保存部15bは、検出された対応関係を対応関係データ12aとして保存する。読出部15cは、保存された対応関係データ12aを読み出す。このため、実施形態に係る照明制御装置10によれば、以前の照明演出で用いられたことのあるポート22と照明器具30との対応関係に戻す場合に、対応関係の確認作業における負担を軽減することができる。
本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。