以下、図面を参照して、実施形態に係る照明制御プログラム、照明制御装置および照明システムを説明する。実施形態において同一の機能を有する構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。なお、以下の実施形態で説明する照明制御プログラム、照明制御装置および照明システムは、一例を示すに過ぎず、実施形態を限定するものではない。例えば、以下の実施形態では、照明制御プログラムは、照明装置以外にも、任意の舞台装置の制御にも適用することができる。なお、以下の各実施形態は、矛盾しない範囲内で適宜組みあわせてもよい。
以下に説明する実施形態に係る照明制御プログラムは、コンピュータに、指定手順と、抽出手順と、設定手順とを実行させる。指定手順は、照明領域の指定を受け付ける。抽出手順は、受け付けた照明領域の指定に応じた照明器具30(30−1〜30−n)を抽出する。設定手順は、抽出した照明器具30(30−1〜30−n)の照明態様の設定を受け付ける。
以下に説明する実施形態に係る照明制御プログラムは、表示制御手順を実行させる。表示制御手順は、画面上に、照明対象を模式的に示す対象画像60を表示する。
以下に説明する実施形態に係る表示制御手順は、対象画像60に、照明領域を模式的に示す領域画像54を重ねて表示する。
以下に説明する実施形態に係る表示制御手順は、対象画像60に、照明器具30(30−1〜30−n)の設置位置を模式的に示す配置情報を重ねて表示する。
以下に説明する実施形態に係る抽出手順は、受け付けた照明領域を照明可能な照明器具30(30−1〜30−n)を抽出する。
以下に説明する実施形態に係る設定手順は、抽出された照明器具30(30−1〜30−n)が点灯する強度および色彩の設定を受け付ける。
以下に説明する実施形態に係る照明制御プログラムは、表示制御手順を実行させる。表示制御手順は、照明対象を模式的に示す対象画像60に重ねて、照明領域を模式的に示す領域画像54を、設定を受け付けた強度または色彩と視覚的に対応付けて表示する。
以下に説明する実施形態に係る照明制御装置10は、指定部15aと、抽出部15bと、設定部15cとを具備する。指定部15aは、照明領域の指定を受け付ける。抽出部15bは、受け付けた照明領域の指定に応じた照明器具30(30−1〜30−n)を抽出する。設定部15cは、抽出された照明器具30(30−1〜30−n)の照明態様の設定を受け付ける。
以下に説明する実施形態に係る照明システム1は、照明制御装置10と、照明制御装置10に接続された複数の照明器具30(30−1〜30−n)とを具備する。
[実施形態]
[照明システムの構成例]
最初に、図1を用いて、実施形態に係る照明システム1の構成の一例を説明する。図1は、実施形態に係る照明システム1の構成の一例を示す図である。
図1に示す例では、照明システム1は、照明制御装置10と、複数のDMXノード20−1〜20−pと、複数の照明器具30−1〜30−nとを有する。なお、照明システム1は、任意の数のDMXノード20−1〜20−pと、任意の数の照明器具30−1〜30−nを有してよい。
また、以下の説明では、DMXノード20−1〜20−pをDMXノード20と総称し、照明器具30−1〜30−nを照明器具30と総称する場合がある。
図1に示す照明システム1において、照明制御装置10とDMXノード20とは、例えばイーサネット(登録商標)やLAN(Local Area Network)などの所定のネットワークにより通信可能に接続される。また、DMXノード20と照明器具30とは、DMX512を拡張したRDMといった双方向通信が可能な規格により接続されている。
照明制御装置10は、オペレータからの操作に従って、各照明器具30を制御する制御装置であり、例えば、携帯端末(たとえば、タブレット端末など)である。例えば、照明制御装置10は、複数のフェーダを有し、フェーダの操作に従って、対応する照明器具30の強度や色彩を制御する制御情報をDMXノード20へ送信する。なお、照明制御装置10は、操作卓であってもよい。また、実施形態では、1つの照明制御装置10を備える照明システム1として図示したが、これに限らず、複数の照明制御装置10を備えてもよい。かかる場合、照明システム1は複数の照明制御装置10として携帯端末および操作卓の両方を備えていてもよく、携帯端末または操作卓の一方のみを備えていてもよい。
DMXノード20は、照明制御装置10と照明器具30との間の通信を中継する中継装置である。例えば、DMXノード20は、通信制御部21と、複数のポート22−1〜22−mを有する。なお、以下の説明では、ポート22−1〜22−mをポート22と総称する場合がある。
通信制御部21は、照明制御装置10との間で情報の送受信を行う通信装置であり、例えば、NIC(Network Interface Card)などの通信装置によって実現される。また、複数のポート22−1〜22−mは、それぞれを識別するためのポート番号が付与されたポートであり、例えば、RDM規格に従って照明器具30と信号を送受信するためのコネクタである。
通信制御部21は、照明制御装置10から制御情報を受信すると、受信した制御情報をRDM規格に沿った制御信号に変換し、受信した制御情報が示すユニバースの全てのポートから制御信号を出力する。
すなわち、DMXノード20は、各ポート22と、各ポート22に接続された照明器具30に付与された制御アドレスのユニバースとを対応付けて記憶しており、受信した制御信号のユニバースと対応するポート22に制御信号を伝達する。なお、実施形態では、照明器具30が接続されていないポート22があってもよい(たとえば、図1に示すポート22−2など)。
照明器具30は、例えばLED(Light Emitting Diodes)などの半導体発光素子を光源とする照明装置であり、例えば、スポットライト、ホリゾントライト、フラッドライトなどといった照明装置である。なお、照明器具30は、図示しないバトンなどにより所定の位置に吊り下げられたり、所定の位置に置かれたりして用いられる。照明器具30は、例えば、制御信号に応じて照射方向や照明範囲を変更可能なリモコンライトやムービングライトであってもよい。
また、照明器具30は、照明制御装置10からの制御に従って、照明する光の強度、色彩、照明範囲などを変化させる調光処理を行うことで、スタジオや舞台などの照明対象に対する照明演出を行う。例えば、照明器具30には、DMXアドレスといった制御アドレスが予め付与される。
さらに、照明器具30は、DMXノード20からDMX規格に沿った制御信号を受信すると、受信した制御信号が示す制御アドレスが自装置の制御アドレスであるか否かを判定し、自装置の制御アドレスである場合は、受信した制御信号に従って、調光処理を実行する。
ここで、照明制御装置10と照明器具30とは、RDM規格に沿った通信を介することで、双方向通信を実現することができる。例えば、照明器具30は、照明器具30に関する各種の情報(以下、「詳細情報」と記載する。)が登録された図示しないメモリを有する。
より具体的には、照明器具30は、照明器具30の識別子であるUIDや、どのような色彩情報に従って照明の色彩を変更するか、使用する制御アドレスの数、出力、製造会社名や機器の型番、重量などといった照明器具30の詳細を示す詳細情報が登録されている。なお、かかる詳細情報には、照明器具30の制御において独自に使用される特殊コードや、点灯時間、通電時間、パーソナリティー設定などといった情報が含まれる場合がある。
[照明制御装置の構成例]
続いて、図2を用いて、実施形態に係る照明制御装置10の機能構成の一例を説明する。図2は、実施形態に係る照明制御装置10の機能構成の一例を示すブロック図である。図2に示す例では、照明制御装置10は、通信部11と、記憶部12と、表示部13と、複数の操作部14a〜14c(以下、「操作部14」と総称する。)と、制御部15とを有する。
通信部11は、例えば、所定の通信回路などによって実現される。例えば、通信部11は、イーサネットやLANなどのネットワークを介して、DMXノード20との間の通信を中継する。
記憶部12は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)などの半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスクなどの記憶装置によって実現される。実施形態に係る記憶部12は、図2に示すように、照明対象情報12aと、対応関係データ12bと、調光管理テーブル12cとを記憶する。
照明対象情報12aには、例えば、スタジオや劇場、結婚式場といった照明対象に関する情報が格納される。具体的には、照明対象の三次元の寸法が照明対象情報12aに含まれる。照明対象情報12aは、例えば、ステージ上に配置される舞台装置などの形状や演者の位置に関する情報を含んでもよい。また、照明対象情報12aは、例えば、観覧席や客席に関する情報を含んでもよい。なお、照明対象を平面視した二次元の寸法を照明対象情報12aとして保存してもよい。また、照明対象情報12aは、照明対象を模式的に示す対象画像に関する情報を含んでもよい。
対応関係データ12bには、例えば、以前に複数のポート22−1〜22−mに複数の照明器具30−1〜30−nを所定の対応関係で設置した状態(以下、前回の対応関係とも呼称する。)におけるポート22−1〜22−mと照明器具30−1〜30−nとの対応関係が保存される。図3は、対応関係データ12bに保存された情報の一例を示す図である。
図3に示すように、対応関係データ12bは、「ID番号」、「ポート番号」、「製造会社名」、「機器型番」、「UID」、「DMXアドレス」および「照明可能範囲」といった項目を有する情報を含む。
ここで、「ID番号」とは、各スタジオや各舞台において用いられる照明器具30−1〜30−nに対して個別に割り振られる固有の番号であり、例えば、1以上の整数で表される情報である。
「ポート番号」とは、照明器具30−1〜30−nが接続されているポート22−1〜22−mに対して個別に割り振られる固有の番号である。すなわち、実施形態において、複数のポート22−1〜22−mには、それぞれ個別のポート番号が割り振られている。
「製造会社名」とは、照明器具30の製造会社名であり、「機器型番」とは、製造会社によって定められた照明器具30の型番である。
「UID」とは、DMX規格で用いられる装置ごとに固有の番号であり、各照明器具30−1〜30−nに予め付与される12桁の16進数で表される情報である。なお、実施形態において、かかる「UID」と上述の「ID番号」とは1対1で対応付けられている。
「DMXアドレス」とは、DMXのデータリンク上におけるアドレス、すなわち、照明制御装置10が照明器具30−1〜30−nを制御する際に用いる制御アドレスである。なお、DMXアドレスは、照明の強度、照明の色彩、照明を移動させるムービングなど、照明制御装置10が制御する照明器具30−1〜30−nの制御対象ごとに記憶される。
「照明可能範囲」とは、照明器具30が照明可能な範囲である。照明可能範囲は、例えば、照明器具30の照射角度として記憶される。また、照明可能範囲は、例えばステージなどの平面を照明する場合、照明可能な範囲を示す二次元座標として記憶してもよい。また、照明方向に応じて照明可能範囲が変化する照明器具30の場合、照明方向と対応付けて照明可能範囲を記憶させてもよい。
また、記憶部12は、照明器具30の配向曲線など、照明器具30の照明特性に関するデータに基づいて算出した結果を照明可能範囲として保存してもよい。なお、照明器具30の照明特性に関するデータは、予め対応関係データ12bとして照明制御装置10の記憶部12に保存しておいてもよく、また、DMXノード20−1〜20−pに接続された照明器具30から適宜取得してもよい。
また、記憶部12は、照明対象情報12aとして記憶されたスタジオセットや舞台装置などの高さや大きさに基づいて照明可能範囲を補正するための補正パラメータを、照明可能範囲と対応づけた対応関係データ12bとして保存してもよい。また、記憶部12は、上記した補正パラメータに基づいて予め補正された照明可能範囲を、対応関係データ12bとして保存してもよい。
例えば、図3で示す例において、対応関係データ12bには、ID番号「1」が割り振られた照明器具30に対して、ポート番号「P1」、製造会社名「A社」、機器型番「機器C」、UID「UID1」、DMXアドレス「アドレス2」および照明可能範囲「範囲A」が対応付けられて保存されている。また、対応関係データ12bには、ID番号「2」が割り振られた照明器具30に対して、ポート番号「P2」、製造会社名「A社」、機器型番「機器C」、UID「UID3」、DMXアドレス「アドレス1」および照明可能範囲「範囲A」が対応付けられて保存されている。また、対応関係データ12bは、照明器具30の設置位置を模式的に示す配置情報を含んでもよい。配置情報は、例えば、照明器具30を模式的に示す器具画像を含んでもよい。
図2の説明に戻る。記憶部12の調光管理テーブル12cには、上述のDMXアドレスと、調光制御データとが対応付けられて記憶されている。ここで、「調光制御データ」とは、照明器具30−1〜30−nごとの強度や色彩、照明を移動させるムービングなどの調光を制御するデータ(たとえば、パッチデータやシーンデータなど)の総称である。
図4は、調光管理テーブル12cに格納された情報の一例を示す図である。たとえば、図4に示す例において、調光管理テーブル12cには、DMXアドレス「アドレス1」と調光制御データ「データA」とが対応付けられて記憶されている。また、調光管理テーブル12dには、DMXアドレス「アドレス2」と調光制御データ「データA」とが対応付けられて記憶されている。
すなわち、図4に示す例において、DMXアドレスが「アドレス1」に設定された照明器具30と、DMXアドレスが「アドレス2」に設定された照明器具30とは、いずれも同じ調光制御データ「データA」で調光が制御される。
表示部13は、任意の情報を表示可能な表示装置であり、例えば、液晶モニタやタッチパネルなどにより実現される。なお、表示部13が表示する画面には、照明対象情報12aとして保存された照明対象を模式的に示す対象画像や、対応関係データ12bとして記憶された各照明器具30の設置位置を模式的に示す情報などが採用される。
操作部14は、操作者からの操作を受け付ける入力装置であり、例えば、フェーダやボタンなどといった入力装置により実現される。なお、操作部14は、サブマスタフェーダ、シーンボタン、エフェクトボタンなど、1つ以上の照明器具30に対する所定の操作を行うための入力装置であってもよい。
なお、例えば、表示部13が操作者からの操作を受け付けることができるタッチパネルにより実現される場合は、表示部13と操作部14とは、一体の装置として実現されていてもよい。このような場合、操作部14は、画面上に表示される仮想的な入力装置により実現されうる。
制御部15は、各種の情報処理を実行する演算装置であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)等の電子回路や、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路を採用できる。制御部15は、各種の処理手順を規定したプログラムや制御データを格納するための内部メモリを有し、これらによって種々の処理を実行する。制御部15は、各種のプログラムが動作することにより各種の処理部として機能する。
制御部15は、指定部15aと、抽出部15bと、設定部15cと、登録部15dと、出力部15eと、表示制御部15hとを有する。
指定部15aは、照明領域の指定を受け付ける。例えば、指定部15aは、表示部13に表示された対象画像のうち、操作者が指示した照明領域の指定を受け付ける。
抽出部15bは、受け付けた照明領域の指定に応じた照明器具を抽出する。例えば、抽出部15bは、指定部15aが指定を受け付けた照明領域を照明可能な照明器具30を抽出する。「照明領域を照明可能な照明器具30」は、指定部15aが指定を受け付けた照明領域と、記憶部12に記憶された対応関係データ12bに基づいて抽出される。
設定部15cは、抽出された照明器具30の照明態様の設定を受け付ける。例えば、設定部15cは、抽出部15bが抽出した照明器具30が点灯する強度および色彩の設定を受け付ける。また、設定部15cは、照明方向の変更が可能な照明器具30が抽出された場合、照明器具30の照明方向の設定を受け付ける。
登録部15dは、設定を受け付けた照明器具30の照明態様を記憶させる。例えば、登録部15dは、設定部15cが照明態様の設定を受け付けた照明器具30に対応するDMXアドレスを更新し、新たな対応関係データ12bとして記憶部12に記憶させる。
出力部15eは、登録部15dが登録を受け付けた照明態様の設定に応じて照明器具30の制御信号を出力する。例えば、出力部15eは、通信部11を介してDMXノード20−1〜20−pに照明器具30の制御信号を出力する。
表示制御部15hは、画面上に、照明対象を模式的に示す対象画像を表示する。表示制御部15hは、例えば、画面上に表示した対象画像に、指定部15aが指定を受け付けた照明領域を模式的に示す領域画像を重ねて表示する。また、表示制御部15hは、例えば、対象画像に、照明器具30の設置位置を模式的に示す配置情報を重ねて表示する。また、表示制御部15hは、指定部15aが指定を受け付けた照明領域を照明可能な照明器具30を強調して表示する。
上述した照明制御装置10は、CPUとRAM、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、フラッシュメモリなどを有するコンピュータが、所定の記録媒体に登録された制御プログラムを読み取り、読み取った制御プログラムを実行することにより、実現されてもよい。
[照明制御手順の詳細]
続いて、図5、図6を用いて、実施形態に係る照明システム1における照明制御手順の詳細について説明する。図5、図6は、照明制御手順の一例を説明するための図である。図5に示す編集画面50は、表示部13における画面表示の一例である。図5、図6に示す編集画面50は、「バトン」、「フロア」、「ホリ」とそれぞれ示された回路選択タブ51から「バトン」が選択された例を示している。
編集画面50は、指定エリア52と、設定エリア53とを含む。照明制御装置10の記憶部12には、予めスタジオや舞台などにおける各回路が実際の配置を模式的に示すレイアウトでそれぞれ記憶されており、オペレータによる回路選択タブ51の選択に応じた回路レイアウトが指定エリア52として表示される。指定エリア52には、記憶部12に記憶されたポート22と照明器具30との対応関係に基づいて、各照明器具30の設置位置を模式的に示すレイアウトが表示される。
まず、図5に示す編集画面50の指定エリア52上の任意の位置でオペレータがタップ操作を実行することで照明領域が指定されると、指定部15a(図2参照)は、照明領域の指定を受け付ける(ステップS1)。なお、指定部15aは、複数の照明領域の指定を受け付けてもよい。
また、指定部15aが照明領域の指定を受け付けると、表示制御部15fは、照明領域を模式的に示す領域画像54を指定エリア52に重ねて表示する(ステップS2)。実施形態では、指定エリア52上で指定された領域画像54には指定エリア52の他の部分とは異なる色を重ねて表示する。なお、タップ操作に次いでピンチインまたはピンチアウトの操作を実行することで、必要に応じて領域画像54すなわち画像領域の範囲を変更してもよい。また、図5、図6に示した例では領域画像54は円形として指定されたが、楕円形または四角形などであってもよく、また、必要に応じて領域画像54の形状を変更できる態様であってもよい。また、領域画像54の輪郭のみを指定エリア52に重ねて表示してもよい。なお、画像領域の範囲を変更する態様は、ピンチインまたはピンチアウトに限られない。例えば、オペレータがタップ操作およびスワイプ操作を連続して実行することにより、タップした地点を始点とし、スワイプ操作を終了した地点を終点とする直径を有する領域画像54を表示させてもよい。また、オペレータがタップ操作に続いてスワイプ操作を実行することにより、タップした地点を中心とし、タップした地点からスワイプ操作を終了した地点までを半径とする領域画像54を表示させてもよい。
次に、指定部15aが照明領域の指定を受け付けると、抽出部15b(図2参照)は、受け付けた照明領域の指定に応じた照明器具30を抽出する(ステップS3)。例えば、図6に示すように、照明領域を照明可能な照明器具30が抽出されると、表示制御部15fは、抽出された照明器具30に対応する照明画像55を強調表示する。これにより、オペレータは、抽出された照明器具30を編集画面50上で認識することができる。照明画像55の強調表示は、例えば、編集画面50で表示される色や濃度の変更によって実現できる。また、表示制御部15fは、照明画像55の強調表示に代えて、あるいは強調表示と並行して、抽出された照明器具30のリストを編集画面50に表示させてもよい。
なお、照明領域を照明可能な照明器具30がない場合、表示制御部15fは、照明可能な照明器具30を抽出できない旨の表示を編集画面50に表示させてもよい。これにより、オペレータは、照明領域を照明できない旨を編集画面50上で速やかに認識することができる。
抽出部15bが照明器具30を抽出すると、設定部15c(図2参照)は、抽出した照明器具30の照明態様の設定を受け付ける(ステップS4)。照明態様の設定は、例えば、編集画面50の設定エリア53、あるいは編集画面50とは別に配置された操作部14(図2参照)におけるオペレータの入力操作によって実現できる。なお、図5に示す例では、領域画像54として第1領域画像54a、第2領域画像54bがそれぞれ表示されている。照明態様の設定は、各領域画像54において、抽出した照明器具30をそれぞれ一括して行うことができる。なお、照明態様の設定は、抽出した複数の照明器具30のうち、機種ごとに行うようにしてもよく、また、複数の照明器具30につき個別に行うようにしてもよい。
設定部15cが照明器具30の照明態様の設定を受け付けた領域画像54は、設定を受け付けた強度または色彩と視覚的に対応付けて表示されてもよい。具体的には、設定部15cが、第1領域画像54a、第2領域画像54bを照明する照明器具30が異なる強度でそれぞれ発光するとして照明態様の設定を受け付けた場合、表示制御部15fは、発光強度の相違に応じた色調で領域画像54をそれぞれ表示してもよい。具体的には、第1領域画像54aが、第1の強度、例えば所定の発光強度を基準として80%の強度で点灯し、第2領域画像54bが、第2の強度、例えば所定の発光強度を基準として50%の強度で点灯するとして照明器具30が点灯する強度が設定された場合、表示制御部15fは、第1領域画像54aおよび第2領域画像54bの明度を互いに異ならせて表示する。例えば、第1領域画像54aおよび第2領域画像54bの濃淡や透過性を異ならせることで、第1領域画像54aの方が第2領域画像54bよりも明るくなるように表示する。このように、照明領域を照明する照明器具30の点灯の強度と視覚的に対応付けて領域画像54を表示することにより、実際には照明器具30の点灯により実現される強度の相違を編集画面50上で認識することができる。このため、設定作業の負担を軽減させることができる。なお、第1領域画像54aおよび第2領域画像54bが重複する場合、表示制御部15fは、第1領域画像54aおよび第2領域画像54bの強度を平均化した強度で重複する領域を表示してもよい。
また、設定部15cが、第1領域画像54aを照明する照明器具30を「青色」で点灯させるとして照明器具30が点灯する色彩の設定を受け付けた場合、表示制御部15fは、例えば、第1領域画像54aを、照明器具30が点灯するときの色彩を模擬した青色で表示する。また、設定部15cが、第2領域画像54bを照明する照明器具30を「白色」で点灯させるとして色彩の設定を受け付けた場合、表示制御部15fは、例えば、第2領域画像54bを白色で表示する。このように、照明領域を照明する照明器具30の点灯色と視覚的に対応付けて領域画像54を表示することにより、実際には照明器具30の点灯により実現される色彩を編集画面50上で認識することができる。このため、設定作業の負担を軽減させることができる。なお、第1領域画像54aおよび第2領域画像54bが重複する場合、表示制御部15fは、第1領域画像54aおよび第2領域画像54bの色彩を混合させた色彩で重複する領域を表示してもよい。また、表示制御部15fは、設定部15cが設定を受け付けた強度および色彩と視覚的に対応付けて領域画像54を表示させてもよい。
また、設定部15cは、抽出した複数の照明器具30につき、互いに異なる照明態様を設定してもよい。また、設定部15cは、例えば抽出した複数の照明器具30に対して複数の照明態様を設定し、規則的、またはランダムに照明態様を変更させるようにしてもよい。かかる場合、照明態様の変更は、抽出した複数の照明器具30に対して同時に行ってもよく、また変更のタイミングをずらすようにしてもよい。これにより、オペレータは、多彩な照明制御を容易に実現することができる。
次に、登録部15d(図2参照)は、設定部15cで受け付けた照明態様の設定に基づいて対応関係データ12bを更新し、記憶部12に保存する(ステップS5)。例えば、オペレータにより所定の操作(例えば、図示しない「登録」キーの選択など)が行われることにより、登録部15dは、受け付けた照明態様の設定に基づいて対応関係データ12bを更新し、保存することができる。
そして、出力部15eは、登録部15dが登録を受け付けた照明態様の設定に応じて照明器具30の制御信号を出力する。例えば、出力部15eは、通信部11を介してDMXノード20−1〜20−pに照明器具30の制御信号を出力する。
また、出力部15eは、設定部15cが照明態様の設定を受け付けた照明器具30について、オペレータの操作に応じて照明器具30の制御信号を出力してもよい。また、出力部15eは、設定部15cが照明態様の設定を受け付けた状態において、照明器具30について、オペレータによる所定の操作(例えば、領域画像54のフリック操作やスワイプ操作など)に応じて領域画像54(照明領域)を変更し、変更した照明領域に応じて照明器具30の制御信号を順次変更させながら出力してもよい。これにより、オペレータは、感覚的な照明制御を実現することができる。
ここまで説明したように、実施形態では、照明領域の指定に応じた照明器具30を抽出し、抽出した照明器具30の照明態様を設定することにより、個別に照明器具30を選択することなく、直感的に照明の仕込み作業を行うことができる。
したがって、実施形態によれば、照明システム1における設定作業の負担が軽減する。
図7は、照明制御手順の別の一例を説明するための図である。図7に示す編集画面50は、指定エリア52に表示されたレイアウトが異なることを除き、図5、図6に示す編集画面50と同様である。
図7に示すように、指定エリア52には、スタジオや舞台などの照明対象を模式的に示す対象画像60と、照明対象上に配置されるスタジオセットなどの構造物を模式的に示す物体画像61が重ねて表示されている。一方、図7の指定エリア52には、回路レイアウトが表示されていない。
図7に示す編集画面50の指定エリア52上において、オペレータによる所定の操作を実行することで照明領域が指定されると、指定部15aは、照明領域の指定を受け付け(ステップS11)、表示制御部15fは、照明領域を模式的に示す領域画像54を表示する(ステップS12)。そして、指定部15aが照明領域の指定を受け付けると、抽出部15b(図2参照)は、受け付けた照明領域の指定に応じた照明器具30を抽出する(ステップS13)。例えば、記憶部12が照明対象情報12aに基づく照明器具30の照明可能範囲の補正パラメータ、または補正パラメータに基づいて補正された照明器具30の照明可能範囲を対応関係データ12bとして記憶している場合には、抽出部15bは、かかる対応関係データ12bに基づいて照明器具30を抽出する。これにより、例えばスタジオセットなど、照明を遮る構造物の存在を考慮して、指定された照明領域を照明可能な照明器具30を適切に抽出することができる。
そして、図7に示すように、照明領域を照明可能な照明器具30が抽出されると、表示制御部15fは、抽出された照明器具30に対応する照明画像55を、領域画像54と同時に指定エリア52上に表示する(ステップS14)。これにより、指定エリア52の表示が簡略化され、オペレータは、抽出された照明器具30を容易に視認することができる。なお、ステップS14以降の照明制御手順は、上述したステップS4以降の照明制御手順と同様であるため、以下の説明は省略する。
なお、図7に示した例では、表示制御部15fは、照明対象を模式的に示す対象画像60のみを編集画面50に表示するとして説明したが、これに限らず、対象画像60および照明器具30の設置位置を模式的に示す配置情報(図5、図6参照)の両方を重ねて表示してもよい。また、表示制御部15fは、抽出された照明器具30に対応する照明画像55を表示するとして説明したが、これに限らず、照明画像55を表示しなくてもよい。
[照明制御手順のフロー]
次に、図8を用いて、照明制御装置10が各照明器具30を制御する処理手順の一例を説明する。図8は、実施形態に係る照明制御手順の一例を示すフローチャートである。
まず、表示制御部15fは、編集画面50に対象画像60または照明器具30の配置情報を表示する(ステップS101)。
次に、指定部15aは、照明領域の指定を受け付けると(ステップS102)、表示制御部15fは、編集画面50に領域画像54を重ねて表示する(ステップS103)。
次に、抽出部15bは、受け付けた照明領域の指定に応じた照明器具30を抽出する(ステップS104)。そして、設定部15cは、抽出された照明器具30の照明態様の設定を受け付ける(ステップS105)。
次に、制御部15は、照明態様の設定が完了したか否かを判定する(ステップS106)。照明態様の設定が完了していない場合(ステップS106,No)、ステップS102の処理に戻る。
照明態様の設定が完了した場合(ステップS106,Yes)、登録部15dは、照明態様の設定の登録を受け付けたか否かを判定する(ステップS107)。設定の登録を受け付けた場合(ステップS107,Yes)、登録部15dは、設定部15cで受け付けた照明態様の設定に基づいて対応関係データ12bを更新し、記憶部12に保存し(ステップS108)、照明制御手順を終了する。一方、設定の登録を受け付けない場合(ステップS107,No)、制御部15は、対応関係データ12bの更新を行わずに照明制御手順を終了する。なお、設定の登録を受け付けない場合は、例えば図示しない「キャンセル」キーの選択、あるいは図示しない「登録」キーが所定時間(例えば、30秒)選択されないことにより判定することができる。
[実施形態の効果]
上述してきたように、実施形態に係る照明制御プログラムは、コンピュータに、指定手順と、抽出手順と、設定手順とを実行させる。指定手順は、照明領域の指定を受け付ける。抽出手順は、受け付けた照明領域の指定に応じた照明器具30(30−1〜30−n)を抽出する。設定手順は、抽出した照明器具30(30−1〜30−n)の照明態様の設定を受け付ける。このため、実施形態に係る照明制御プログラムによれば、設定作業の負担を軽減させることができる。
[変形例]
上記実施形態では、照明器具30はRDM規格に対応する機器として説明したが、RDM規格に非対応の機器(例えば、DMX規格に対応の機器やハロゲンランプ)を含んでもよい。
本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。