以下、図面を参照して、実施形態に係る照明制御装置及び照明制御システムを説明する。実施形態において同一の機能を有する構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。なお、以下の実施形態で説明する照明制御装置及び照明制御システムは、一例を示すに過ぎず、実施形態を限定するものではない。例えば、以下の実施形態では、照明制御装置及び照明制御システムは、照明機器以外にも、任意の舞台装置の制御にも適用することができる。なお、以下の各実施形態は、矛盾しない範囲内で適宜組みあわせてもよい。
以下の実施形態に係る照明制御装置100であって、照明機器10と接続されるポート27(接続端子の一例)を有するRDMノード20(分配器の一例)を介して、照明機器10と通信可能な照明制御装置100は、接続端子に接続された照明機器10から、照明機器10に関する情報を取得する取得部151と、取得部151によって情報が取得された照明機器10に関して、当該照明機器10の選択に関する操作を受け付ける受付部152と、受付部152によって受け付けられた操作の内容に基づいて、照明機器10を制御するための制御アドレスを割り当てる割当部153と、を有する。
また、以下の実施形態に係る照明制御装置100は、取得部151によって取得された照明機器10の情報を、照明機器10が配置された状況を示す情報である配置情報とともに表示する表示部130をさらに有する。
また、以下の実施形態に係る照明制御装置100において、表示部130は、変更要求を受け付けるためのインターフェース機能を有する。また、割当部153は、表示部130が有するインターフェース機能を介して操作を受け付け、受け付けた操作の内容に基づいて、照明機器10に制御アドレスを割り当てる。
また、以下の実施形態に係る照明制御システム1は、RDM(Remote Device Management)規格に対応する制御信号によって制御される照明機器10と、照明機器10と接続されるポート27(接続端子の一例)であって制御信号を照明機器10との間で送受信するためのポート27を有するRDMノード20(分配器の一例)と、RDMノード20を介して制御信号に対応する制御情報を照明機器10との間で通信可能な照明制御装置100と、を含む。RDMノード20は、ポート27に接続された照明機器10に関する情報を取得する取得部26と、取得部26によって取得された照明機器10に関する情報を照明制御装置100に送信する送信部23bとを有する。照明制御装置100は、RDMノード20に係る送信部23bによって情報が送信された照明機器10に関して、照明機器10の選択に関する操作を受け付ける受付部152と、受付部152によって受け付けられた操作の内容に基づいて、照明機器10を制御するための制御アドレスを割り当てる割当部153とを有する。
[実施形態]
(実施形態に係る照明制御システム1の構成)
図1は、実施形態に係る照明制御システム1の構成の一例を示すブロック図である。実施形態に係る照明制御システム1は、複数の照明機器10(図1では、照明機器10−1〜照明機器10−nとして示す。個々を区別する必要のない場合、「照明機器10」と総称する)、複数のRDMノード20(図1では、RDMノード20−1〜RDMノード20−nとして示す。個々を区別する必要のない場合、「RDMノード20」と総称する)、ハブ30、電源装置40、照明制御装置100を有する。なお、照明制御システム1に含まれる照明機器10およびRDMノード20の種別や数などは、任意に変更可能である。
照明制御システム1において、照明機器10は、DMX規格に従った通信プロトコルや、DMXを拡張したRDM(Remote Device Management)規格に沿った通信方式により、RDMノード20や照明制御装置100と双方向通信が可能な照明機器である。また、照明機器10は、LED(Light Emitting Diodes)等の半導体発光素子を有し、制御信号に従って、明るさ、範囲、色彩等を変化させることで、スタジオや舞台等の照明演出を行う。照明機器10は、スタジオや舞台等の任意の空間に設置される設備であって、照明機器等を吊るために用いられるバトンに設置される。図1の例では、バトンB1には、照明機器10−1〜照明機器10−nが設置されることを示している。
RDMノード20は、DMXを拡張したRDM規格に沿った通信方式により、照明機器10や照明制御装置100と双方向通信が可能な制御情報を分配する分配器である。具体的には、RDMノード20は、イーサネット(登録商標)等の有線または無線によるネットワークによって、双方向通信が可能な態様でハブ30と接続され、ハブ30を介して、照明制御装置100等と通信する。
また、図1の例において、RDMノード20は、照明機器10と同様、バトンに設置される。図1の例では、バトンB1には、RDMノード20−1が設置され、バトンB2には、RDMノード20−2が設置され、バトンBnには、RDMノード20−nが設置される。また、RDMノード20は、自身が設置されるバトンに関する情報と、自身に接続される照明機器10の情報とを記憶する。言い換えれば、RDMノード20は、バトンと照明機器10との対応関係を示した、照明機器10の配置情報を記憶する。
ハブ30は、イーサネット(登録商標)等の有線または無線によるネットワークによって、照明制御装置100と双方向通信が可能な態様で接続され、照明制御装置100と各RDMノード20−1〜20−nとの通信を中継する中継器である。
電源装置40は、各照明機器10−1〜10−nに電力を供給する電源装置であり、例えば、電圧変換の機能、ブレーカー、UPS(Uninterruptible Power Supply)等の機能を有する。なお、電源装置40は、ハブ30を介さずに、照明機器10等に直接接続されてもよい。
照明制御装置100は、双方向性を有する制御情報(例えば、RDM規格に対応する制御情報)を照明機器10との間で通信可能な制御装置であり、一般に、調光卓や制御卓等と呼ばれる装置である。照明制御装置100は、ユーザ(例えば、照明制御装置100を操作するオペレータ)から照明機器10に対する操作指令を受付けると、照明機器10−1〜10−nに付与された制御アドレスを含む制御情報を生成し、ハブ30を介してRDMノード20−1〜20−nに制御情報を送信する。この場合、RDMノード20−1〜20−nは、制御情報をRDM規格に沿った制御信号(例えば、調光信号等)に変換し、制御アドレスが示す照明機器10に対して制御信号を出力する。これにより、照明機器10−1〜10−nの制御が行われる。このように、照明制御装置100は、RDM対応の制御情報に含まれる制御アドレスを用いて、照明機器10−1〜10−nを遠隔制御する。
(実施形態に係る照明制御装置100が実行する処理の概要)
ここで、従来の照明制御システムでは、照明機器の追加、変更、交換や、照明機器を別の位置に移動する場合や、制御アドレスを誤って設定してしまった場合は、照明機器に正しい制御アドレスを設定する作業や、照明機器に対する操作を受付けるフェーダと制御アドレスとの対応付けのための作業を再度行わなくてはならない。一般に、照明機器には、工場出荷時には同一の制御アドレスが付与されていたり、前回使用時の制御アドレスが保存されたままになっていたりするため、そのままでは適切に制御を行うことができない場合がある。
そこで、実施形態に係る照明制御装置100は、各照明機器10を制御するための制御アドレスを振り直す処理を実行する。具体的には、照明制御装置100は、RDMノード20に接続された照明機器10に関する情報を取得する。例えば、照明制御装置100は、照明機器10から、DMX規格で用いられる装置ごとに固有の番号であるUID(Unique Identifier)や、照明機器10に対して付与されている制御アドレスを取得する。さらに、照明制御装置100は、RDMノード20に与えられている位置情報(例えば、バトン番号など)や、RDMノード20が有する接続端子のうちどの接続端子に照明機器10が接続されているか等といった情報に基づいて、照明機器10がどのバトンにどのような順序で配置されているかといった、照明機器10の配置情報を生成する。
そして、照明制御装置100は、情報の取得時点において照明制御システム1に接続されている照明機器10、すなわち、RDMノード20に接続されている照明機器10の情報を表示する。具体的には、照明制御装置100は、照明機器10に付与されている制御アドレスと、照明機器10の配置情報とを対応付けて示した表示画面を生成する。例えば、照明制御装置100は、自身が有する液晶ディスプレイに表示するための表示画面を生成する。そして、照明制御装置100は、情報が表示された照明機器10のうち、制御アドレスの割り当て対象となる照明機器10を選択する操作等、照明機器10の選択に関する操作として、例えば照明制御装置100のオペレータから、制御アドレスの変更要求を受け付ける。照明制御装置100は、受け付けた変更要求に従い、各照明機器10の制御アドレスを振り直す。言い換えれば、照明制御装置100は、各照明機器10の制御アドレスを新たに割り当てる処理を実行する。
このように、実施形態に係る照明制御装置100は、照明機器10に対して制御アドレスを新たに割り当てる処理を実行する。このため、オペレータは、照明機器10側で制御アドレスを手作業で設定せずとも、照明機器10をRDMノード20に接続し、照明制御装置100に制御アドレスの割当処理を実行させることで、照明機器10への制御アドレスの設定を行うことができる。言い換えれば、照明制御装置100は、照明機器10の追加、変更、交換や、照明機器10を別の位置に移動する場合、若しくは制御アドレスを誤って設定してしまった場合であっても、RDM規格に沿った通信方式により制御アドレスを設定し直すことができる。さらに、照明制御装置100は、上記表示画面のようなGUI(Graphical User Interface)を利用することで、オペレータが効率良く制御アドレスの割当作業をするための環境を提供する。
(実施形態に係る各装置の機能構成)
上記した実施形態に係る照明制御装置100が実行する処理について、図2を用いて、実施形態に係る各装置の機能構成の説明とともに、詳細に説明する。図2は、実施形態に係る照明制御システム1が含む各装置の機能構成の一例を示すブロック図である。なお、図1で説明した内容については、適宜説明を省略する。
まず、照明機器10の構成について説明する。実施形態に係る照明機器10は、RDM規格に対応する制御情報から生成される制御信号によって制御される照明機器であり、記憶部13と、制御部14と、光源部15とを有する。
記憶部13は、照明機器10が有する不揮発性のメモリであり、照明機器10の照明機器情報が登録される。照明機器情報の一例としては、製造会社名、機器型番、UID、制御アドレス、使用するチャンネル数、使用するモード情報、点灯時間、通電時間、質量、パーソナリティー設定といった情報が含まれる。
ここで、製造会社名とは、照明機器10の製造会社名である。機器型番とは、製造会社によって定められた照明機器10の型番である。UIDとは、DMX規格で用いられる装置ごとの固有の番号であり、各照明機器10−1〜10−nに予め付与される12桁の16進数で表される情報である。また、制御アドレスとは、DMXのデータリンク上におけるアドレス、すなわち、照明制御装置100が照明機器10を制御する際に用いる制御アドレスである。また、チャンネル数とは、照明機器10の制御に用いられる制御アドレスの数である。例えば、チャネル数が「4」の照明機器10は、照度(I)、赤色(R)、青色(B)、緑色(G)のそれぞれに対して個別の制御アドレスが設定されることで、照度、赤色、青色、緑色のそれぞれを個別に制御することができる。なお、以下の説明では、照明機器10に設定された1つ又は複数の制御アドレスのうち、値が最も小さい制御アドレスをスタートアドレスと記載する場合がある。
また、点灯時間とは、照明機器10の光源を点灯させた時間の合計を示す情報である。また、通電時間とは、照明機器10に電力が供給された時間の合計を示す情報である。また、質量とは、照明機器10の質量を示す情報である。また、パーソナリティー設定とは、照明機器10の動作のモードを示す情報である。
制御部14は、照明の制御を行う。例えば、RDMノード20−1は、照明制御装置100から制御情報を受信すると、受信した制御情報を制御信号に変換し、制御アドレスに対応する照明機器10に出力する。そして、制御部14は、RDMノード20−1から受信した制御信号に従って、光源部15を制御する。
また、RDMノード20−1は、照明機器情報の読出し要求を各照明機器10−1〜10−nに出力する場合がある。例えば、RDMノード20−1は、照明制御装置100からの要求に従い、自身に接続されている各照明機器10の照明機器情報の読出し要求を、各照明機器10に出力する。この場合、制御部14は、記憶部13に登録された照明機器情報を読出し、読出した照明機器情報をRDMノード20−1に出力する。
また、RDMノード20−1は、照明制御装置100から新たな制御アドレスへの割当処理の命令を受信した場合には、照明機器10に新たに割り当てられる制御アドレスの値を示す設定信号を各照明機器10に出力する。この場合、制御部14は、RDMノード20−1から受信した設定信号が示す制御アドレスを記憶部13に登録する。
光源部15は、照明機器10が有する光源であり、制御部14の制御に従って、照度、照明する範囲、色彩等を制御可能なLED等の半導体発光素子により実現される。
次に、RDMノード20−1の構成について説明する。実施形態に係るRDMノード20−1は、通信部23、設定部24、メモリ25、取得部26、複数のポート27−1〜27−nを有する(個々を区別する必要のない場合、「ポート27」と総称する)。また、メモリ25には、アドレステーブル25aが登録されている。
まず、アドレステーブル25aに格納される情報の一例について説明する。アドレステーブル25aには、RDMノード20−1に設置された照明機器10−1〜10−nを制御するための制御アドレスが、RDMノード20−1が有する位置情報や、RDMノード20−1のポート番号と対応付けて登録される。すなわち、実施形態に係るアドレステーブル25aには、照明機器10の配置情報と、制御アドレスとが対応付けて登録される。
通信部23は、受信部23aおよび送信部23bを有し、ハブ30を介して、照明制御装置100との間で情報の送受信を行う通信装置であり、例えば、NIC(Network Interface Card)等の通信装置によって実現される。例えば、通信部23は、後述する取得部26によって取得された照明機器10に関する情報を送信するために照明制御装置100と通信する。言い換えれば、通信部23に係る送信部23bは、取得部26によって取得された照明機器10に関する情報を照明制御装置100に送信する。
各ポート27−1〜27−nは、それぞれを識別するためのポート番号が付与されたポートであり、例えば、RDM規格に従って照明機器10と信号を送受信するための接続端子(コネクタ)である。
設定部24は、各ポート27−1〜27−nに接続された照明機器10に対して制御アドレスを設定する。例えば、設定部24は、照明制御装置100から各ポート27−1〜27−nに設置される照明機器10に新たに割り当てる制御アドレスに関する情報を受信した場合、かかる情報に従って、照明機器10に新たに割り当てる制御アドレスを設定する。そして、設定部24は、新たに割り当てた制御アドレスと、照明機器10が接続されたポートのポート番号とを対応付けて、アドレステーブル25aに登録する。
取得部26は、接続端子であるポート27に接続された照明機器10に関する情報を取得する。例えば、取得部26は、所定の時間間隔で、各ポート27−1〜27−nから照明機器情報の読出し要求を出力する。そして、取得部26は、照明機器10からの応答として照明機器情報を受信した場合には、照明機器情報を受信したポートのポート番号を設定部24に通知する。
例えば、取得部26は、交換や追加等により、ポート27−1に新たな照明機器10−1が接続された場合は、ポート27−1のポート番号を設定部24に通知する。この場合、設定部24は、照明機器に設定されていた既存の制御アドレスに関する情報をアドレステーブル25aに登録する。上述した通信部23は、照明制御装置100から制御アドレスに関する情報の送信要求を受信した場合には、取得部26によって取得された制御アドレスであって、アドレステーブル25aに登録されている制御アドレスを照明制御装置100に送信する。
次に、照明制御装置100の構成について説明する。実施形態に係る照明制御装置100は、通信部110、記憶部120、表示部130、操作部140、制御部150を有する。通信部110は、ハブ30及びRDMノード20を介して、照明機器10との間で情報の送受信を行う。通信部110は、例えば、NIC等の通信装置によって実現される。
記憶部120は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ、RAM(Random Access Memory)等の記憶装置により実現される。図2に示すように、記憶部120は、アドレス管理テーブル121と、フェーダ割当テーブル122と、補正情報テーブル123とを有する。
アドレス管理テーブル121には、照明制御装置100が取得した制御アドレスに関する情報が記憶される。フェーダ割当テーブル122には、制御アドレスに対応するフェーダに関する情報が記憶される。補正情報テーブル123には、照明制御装置100が実行する照明制御処理において出力される値を補正するための情報が記憶される。なお、個々のテーブルにおける詳細な情報は、図5以降に後述する。
表示部130は、後述する制御部150による制御に従い、照明制御装置100に接続された各照明機器10−1〜10−nの配置情報と、各照明機器10−1〜10−nに設定された制御アドレスとを表示する表示装置であり、例えば、液晶ディスプレイ等により実現される。具体的には、表示部130は、取得された照明機器10に関する情報に基づいて、照明機器10に関する情報(例えば、照明機器10に設定されている制御アドレス)を、照明機器10が配置された状況を示す情報である配置情報とともに表示する。なお、表示部130は、情報を表示(出力)するのみならず、入力装置としてのインターフェース機能を備えていてもよい。例えば、表示部130がタッチパネルディスプレイにより実現される場合、表示部130は、入力操作を受け付けるインターフェースとしても機能する。
操作部140は、各照明機器10−1〜10−nに対する操作を受付けるものであり、例えば、複数のフェーダF01〜Fnを有する。各フェーダF01〜Fnには、それぞれ個別のフェーダ番号が付与される。フェーダF01〜Fnは、例えば、各照明機器10−1〜10−nの照度を変更する操作を受付けるスライダである。なお、操作部140は、タッチパネル等を利用して実現されてもよい。
制御部150は、各照明機器10−1〜10−nを制御するための制御アドレスを管理するための各種制御処理を実行する。例えば、制御部150は、RDMノード20に接続された照明機器10に関する情報を取得するため、照明機器10に関する情報を送信させるための要求をRDMノード20に送信する。また、制御部150は、取得した照明機器10に関する情報(例えば、各照明機器10に対応する制御アドレス)を表示部130に表示させるための制御処理を行う。そして、制御部150は、例えば、オペレータから入力される操作であって、制御アドレスの変更要求に関する操作を受け付ける。制御部150は、受け付けた変更要求に従い、制御アドレスを新たに振り直す処理を実行する。
制御部150が実行する処理について、図3および図4を用いて説明する。図3は、実施形態に係る割当処理の一例を説明する図(1)である。図3では、制御部150が、照明機器10に関する情報を表示部130に表示させる処理を実行する場合の、表示部130が表示する情報の一例を示している。
具体的には、図3では、各バトンに設置されたRDMノード20から取得された情報によって、照明機器10の配置情報が表示されている例を示している。図3では、照明制御装置100が生成した配置情報には、バトンB1〜バトンB5が含まれることを示している。また、バトンB1〜バトンB5には、それぞれ照明機器10a〜照明機器10dが配置されていることを示している。このように、照明制御装置100は、舞台やスタジオに配置されたバトンの位置を模式的に示す画面を表示するとともに、照明機器10a〜照明機器10dを示すアイコンを、バトンのアイコンと重ねて表示するようにしてもよい。
また、図3の例では、照明機器10aは、DMX信号を4ch(チャンネル)分だけ使用する照明機器であることを示している。同様に、照明機器10bは、DMX信号を5ch分だけ使用する照明機器であり、照明機器10cは、DMX信号を1ch分だけ使用する照明機器であり、照明機器10dは、DMX信号を1ch分だけ使用する照明機器であることを示している。
また、図3では、バトンB1には、照明機器10a−1、照明機器10a−2、照明機器10a−3、照明機器10a−4、照明機器10a−5の5台の照明機器が配置されていることを示している。
さらに、図3では、照明機器10a−1に現時点で設定されている制御アドレスが「511」であることを示している。これは、照明機器10a−1が、自身が制御されるためのDMX信号におけるスタートアドレスとして「511」が設定されていることを示している。より具体的には、照明機器10a−1は、DMX信号を受信した場合に、「511」をスタートアドレスとして、4ch分の信号である「511」、「512」、「513」、「514」の制御アドレスに対応する信号によって制御されることを示している。同様に、照明機器10a−2には、DMX信号におけるスタートアドレスとして「101」が設定され、照明機器10a−3には、DMX信号におけるスタートアドレスとして「101」が設定され、照明機器10a−4には、DMX信号におけるスタートアドレスとして「1」が設定され、照明機器10a−5には、DMX信号におけるスタートアドレスとして「2」が設定されていることを示している。なお、図3に図示する他の照明機器についても、照明機器10a−1等と同様に、図示した数値がスタートアドレスを示すものとする。
図3の例では、照明機器10に設定されていた制御アドレスを取得した状態を示しており、この状態では、制御アドレスが適切に管理されていない照明機器が存在する。例えば、照明機器10a−2と照明機器10a−3には、重複する「101」が制御アドレスとして設定されている。この状態で制御部150が照明制御処理を行った場合、制御アドレス「101」に対応する制御命令が、照明機器10a−2と照明機器10a−3の双方に出力されることになり、不具合が生じる場合がある。
そこで、制御部150は、オペレータからの操作に基づいて、照明機器10に設定されている制御アドレスを振り直す処理を実行する。この点について、図4を用いて説明する。図4は、実施形態に係る割当処理の一例を説明する図(2)である。図4では、制御部150が、図3の配置情報における照明機器10に対して、制御アドレスを振り直す処理を実行した際の、表示部130が表示する情報の一例を示している。
図4では、制御部150は、表示部130に表示されている全ての照明機器10に対して、重複のないよう若い番号から制御アドレスを振り直す旨の変更要求をオペレータから受け付けたものとする。この場合、制御部150は、照明機器10a−1の制御アドレスが「1」となるよう、制御アドレスを新たに割り当てる。照明機器10a−1は、制御に4ch分のアドレスを使用するため、制御部150は、次の照明機器10a−2には、制御アドレスが「5」となるよう、制御アドレスを新たに割り当てる。このように、制御部150は、各照明機器10が使用するチャンネル数を参照して、重複しないよう制御アドレスを新たに割り当てる処理を実行する。図4に示すように、制御部150が制御アドレスを新たに割り当てる処理を実行した後では、照明機器10において重複する制御アドレスが存在しなくなる。
なお、制御部150は、制御アドレスの変更要求について、種々の態様の要求を受け付けてよい。例えば、制御部150は、オペレータによって任意に選択された照明機器10のみ制御アドレスを割り当てる処理を実行してもよい。また、制御部150は、任意に選択された複数の照明機器10については、同じ制御アドレスを割り当てる処理を実行してもよい。また、制御部150は、例えば制御アドレスを変更したい照明機器10が配置されたバトンの指定を受け付け、該当するバトンに配置された照明機器10について制御アドレスを割り当てる処理を実行してもよい。また、制御部150は、若い順番に制御アドレスを割り当てるのではなく、任意に選択された数値を任意の照明機器10に割り当てる処理を実行してもよい。
また、制御部150は、種々の入力操作の態様によって変更要求を受け付けてもよい。例えば、制御部150は、照明制御装置100に接続された端末(例えば、タブレット機器やノートパソコン等)を介して変更要求を受け付けてもよい。また、制御部150は、表示部130が入力操作を受け付けるインターフェース機能を有する場合には、表示部130を介して変更要求を受け付けてもよい。
また、制御部150は、上記のように割り当てた制御アドレスについて、さらに各フェーダに割り当てる処理を実行してもよい。例えば、制御部150は、フェーダF01には制御アドレス「1」に対応する操作を行うように割り当て、フェーダF02には制御アドレス「5」に対応する操作を行うように割り当てるといった処理を実行してもよい。
また、制御部150は、各制御アドレスで実行される機能に基づいて、各制御アドレスとフェーダを対応付けるようにしてもよい。上記のように、制御部150は、制御アドレスに関する情報を取得しているため、例えば、制御アドレス「1」が照明機器10においてどのような機能を制御するか、といった情報を取得している。このため、制御部150は、例えば、各照明機器10の特定の機能だけをフェーダに順に割り当てるなどの割当処理を実行することができる。
一例として、制御部150は、各照明機器10における明かりの強さを調整するインテンシティ(Intensity)に対応する制御アドレスのみを、順にフェーダに割り当ててもよい。例えば、制御部150は、フェーダF01に照明機器10a−1のインテンシティを制御する制御アドレスを割り当て、フェーダF02に照明機器10a−2のインテンシティを制御する制御アドレスを割り当てるといった処理を実行してもよい。かかる処理によれば、オペレータは、多数の照明機器10を扱う場合においても、自身が操作したい機能だけを選択的にフェーダに割り当てることができる。これにより、実施形態に係る照明制御装置100は、オペレータの操作性を向上させることができる。
また、詳細は後述するが、制御部150は、上記のような割当処理に関連して、各照明機器10の制御に関する所定の補正を行うようにしてもよい。例えば、各照明機器10は、同じ制御信号を受信した場合であっても、色味や明かりの強さなどの個体差が生じる場合がある。この場合、制御部150は、各制御アドレスにおいて設定される情報に補正を行うことで、各照明機器10の色味や明かりの強さを調和させるようにしてもよい。
(照明制御装置の構成例)
図3および図4で示した割当処理を実行する照明制御装置100に関して、図5を用いて、より詳細に説明する。図5は、実施形態に係る照明制御装置100の機能構成の一例を示すブロック図である。なお、図1または図2で説明した事項については、説明を省略する。
まず、記憶部120に含まれる各データテーブルにおいて記憶される情報について説明する。
アドレス管理テーブル121には、制御アドレスに関する情報、および、制御アドレスに対応する照明機器10に関する情報が記憶される。ここで、図6に、実施形態に係るアドレス管理テーブル121に登録される情報の一例を示す。図6は、実施形態に係るアドレス管理テーブル121に登録される情報の一例を示す図である。
図6に示すように、アドレス管理テーブル121に登録される情報には、「制御アドレス」、「照明機器UID」、「照明機器情報」、「機能」、「バトン番号」、「設置位置情報」といった項目が含まれる。
「制御アドレス」は、制御アドレスの数値を示す。「照明機器UID」は、照明機器を識別する識別情報、すなわちUIDを示す。なお、照明機器UIDは、実際には照明機器に予め付与される12桁の16進数で表される情報であるが、実施形態では、参照符号(10a−1等)で示している。「照明機器情報」は、照明機器に関する情報を示す。例えば、照明機器情報には、「スポットライト」や「ベースライト」といった照明機器の種別や、「1kW(キロワット)」といった照明機器の消費電力を示す情報が含まれる。
「機能」は、制御アドレスに対応する機能を示す。例えば、4chを使用する照明機器であって、それぞれのチャンネルにR(Red)、G(Green)、B(Blue)のように色調整を行う機能と、総合的な明かりの強さを示す情報であるI(Intensity)を調整する機能を有する照明機器の場合には、それぞれの制御アドレスに対応する機能が、アドレス管理テーブル121に登録される。なお、機能には、レンズの焦点位置を定めるZ(Zoom)や、操作情報であるS(Strobe)やC(Curve)等の情報が登録されてもよい。
「バトン番号」は、照明機器情報の送信元となるRDMノード20、すなわち、照明機器10が接続されたRDMノード20を識別するための番号である。「設置位置情報」は、照明機器10がRDMノード20のどのポートに接続されているかを示す情報であり、例えば、ポート番号である。なお、図6では、ポート27の「01」や「02」に照明機器10が設置される例を示しているが、設置位置情報には、ノードを識別する情報等がさらに記憶されてもよい。
例えば、図6に示す一例では、制御アドレス「1」に対応する照明機器UIDは、「10a−1」であり、照明機器10a−1に関する照明機器情報は、「スポットライト、1kw」である。また、機能は「色調整(R)」が対応し、照明機器10a−1が配置されているバトン番号は「B1」であり、設置位置情報(ポート番号)は「01」であることを示している。
フェーダ割当テーブル122には、制御アドレスとフェーダの割当に関する情報が記憶される。ここで、図7に、フェーダ割当テーブル122に登録される情報の一例を示す。図7は、実施形態に係るフェーダ割当テーブル122に登録される情報の一例を示す図である。
図7に示すように、フェーダ割当テーブル122に登録される情報には、「フェーダID」、「制御アドレス」といった項目が含まれる。
「フェーダID」は、フェーダを識別する識別情報である。実施形態では、フェーダIDは、参照符号(F01等)と共通するものとする。「制御アドレス」は、制御アドレスの数値を示す。
例えば、図7に示す一例では、フェーダID「F01」には、制御アドレス「4」が割り当てられていることを示している。これは、図6に示した情報を参照すると、フェーダID「F01」のフェーダは、照明機器10a−1の「インテンシティ」の機能を制御する制御アドレスが割り当てられていることを示している。
補正情報テーブル123には、照明制御に関する補正情報が記憶される。ここで、図8に、補正情報テーブル123に登録される情報の一例を示す。図8は、実施形態に係る補正情報テーブル123に登録される情報の一例を示す図である。
図8に示すように、補正情報テーブル123に登録される情報には、「照明機器UID」、「補正情報」といった項目が含まれる。また、補正情報には、「制御アドレス」、「機能」、「指数」といった小項目が含まれる。
「照明機器UID」は、図6に示した項目に対応する。「補正情報」は、照明制御に関して、照明機器ごとに登録される補正情報を示す。「制御アドレス」および「機能」は、図6に示した項目に対応する。「指数」は、機能を調整する指標値を示す。
例えば、図8に示す一例では、照明機器UID「10a−1」である照明機器10a−1には、制御アドレス「1」の「色調整(R)」の機能、制御アドレス「2」の「色調整(G)」の機能、および制御アドレス「3」の「色調整(B)」の機能について、指数「235」とする補正情報が登録されていることを示している。これは、例えば指数が「255」が最大値であるとすると、照明機器10a−1は、すべての色の強さを「20」だけ低くする補正がかかるように制御されることを示している。また、図8に示す他の一例では、照明機器10a−2は、すべての色の強さを「25」だけ低くする補正がかかるように制御されることを示している。
このことは、照明制御装置100が照明制御を行う場合に、照明機器10a−1と照明機器10a−2とについて同じようにインテンシティを調整した場合に、同じような明るさになるよう予め所定の補正情報を登録しておき、かかる補正情報に基づいて照明制御を行うことを示している。図8の例では、照明機器10a−1と照明機器10a−2とを同じインテンシティでフェーダ制御した場合に、照明機器10a−1の方が照明機器10a−2より暗く見えるため、照明機器10a−2に対して高い指数を補正情報として登録されていることが想定される。
図5に戻って説明を続ける。操作部140には、各フェーダに割り当てられた制御アドレスや機能を表示するためのフェーダ用表示部145が含まれる。
制御部150は、各種の処理手順などを規定したプログラム及び所要データを格納するための内部メモリを有し、これらによって種々の処理を実行する。図5に示すように、制御部150は、取得部151、受付部152、割当部153、登録部154、照明制御部155、送信部156を有する。
取得部151は、各種情報を取得する。例えば、取得部151は、RDMノード20を介して、照明機器10から、照明機器10に関する情報を取得する。具体的には、取得部151は、RDMノード20の接続端子であるポートに接続された照明機器10に関して、当該照明機器10を制御するための制御アドレスを取得する。また、取得部151は、その他の情報であって、図6等で示した照明機器に関する情報を取得してもよい。
なお、取得部151は、照明機器に関する情報を取得する場合には、RDMノード20に対して、情報の送信要求のような命令を送るようにしてもよい。RDMノード20は、かかる要求を受け付けた場合、自身に接続された照明機器10から、照明機器10に関する情報を取得する。そして、RDMノード20は、照明制御装置100に対して、取得した情報を送信する。このような通信は、RDMが実現する双方向性の通信によって実現される。取得部151は、取得した情報を記憶部120内の各データテーブルに適宜記憶する。
受付部152は、各種情報や各種操作を受け付ける。例えば、受付部152は、取得部151によって情報が取得された照明機器10に関して、当該照明機器10の選択に関する操作を受け付ける。言い換えれば、受付部152は、RDMノード20に係る送信部23bによって情報が送信された照明機器10に関して、当該照明機器10の選択に関する操作を受け付ける。具体的には、受付部152は、取得部151によって取得された照明機器10に関する情報のうち、制御情報によって照明機器10を制御するための制御アドレスに関する変更要求を受け付ける。より具体的には、受付部152は、表示部130や操作部140を介して、制御アドレスの変更要求をオペレータから受け付ける。例えば、受付部152は、照明機器の配置情報と制御アドレスが対応付けられた情報を表示するGUIをオペレータに提供し、かかるGUIを介して、制御アドレスの変更要求をオペレータから受け付ける。
また、受付部152は、表示部130や操作部140を介して、各フェーダに対する制御アドレスの割り当てを受け付ける。また、受付部152は、表示部130や操作部140を介して、割当部153によって各々のフェーダに割り当てられた各々の制御アドレスについて、割り当てる制御アドレスの変更要求を受け付ける。また、受付部152は、表示部130や操作部140を介して、補正情報の登録に関する要求を受け付ける。
割当部153は、受付部152によって受け付けられた情報に基づいて、各種割当処理を実行する。例えば、割当部153は、受付部152によって受け付けられた操作の内容に基づいて、照明機器10を制御するための制御アドレスを割り当てる。具体的には、割当部153は、受付部152によって受け付けられた制御アドレスの変更要求に基づいて、照明機器10に設定されていた制御アドレスを、新たな制御アドレスに割り当てる。
また、割当部153は、受付部152によって受け付けられたフェーダへの割当要求に基づいて、制御アドレスに対応した機能の出力値を調整するためのフェーダの各々に、制御アドレスを割り当てる。具体的には、割当部153は、受け付けた機能に関する情報に基づいて、各フェーダに対して、内部処理的に制御アドレスの割り当てを行う。例えば、割当部153は、オペレータによる操作を受けて、オペレータが所望する機能を実現するための制御アドレスを、オペレータが所望するフェーダに割り当てる。すなわち、割当部153は、RDMノード20に送信する制御情報に関する制御を、任意に各フェーダへ割り当てる。
例えば、割当部153は、もともと制御アドレス「1」に対応していたフェーダF01に対して、制御アドレス「4」を割り当てることができる。このとき、フェーダF01は、制御アドレス「4」が割り当てられることになるため、オペレータによってフェーダF01が操作された場合には、照明制御装置100は、制御アドレス「4」に対応する機能を制御する制御情報を送信することになる。すなわち、フェーダF01が操作された場合には、照明制御装置100は、制御アドレス「4」に対応する出力値が増加した制御情報を生成し、制御アドレス「4」に対応した機能を照明機器10に実行させるような制御情報をRDMノード20に送信することになる。
すなわち、割当部153は、フェーダに割り当てる制御アドレスを任意に変更することができるため、従来よりも少ない数のフェーダであっても、多彩な操作を行うことができる。この点について、図9を用いて説明する。図9は、実施形態に係るフェーダに関する割当処理の一例を示す図である。
例えば、図9の上図は、割当部153が、制御アドレス「1」から若い番号順に、各フェーダに制御アドレスを割り当てている状態を示している。例えば、図9の上図では、フェーダF01に、照明機器10a−1の色調整(R)を制御するアドレスである制御アドレス「1」が割り当てられていることを示している。ここで、割当部153は、オペレータから、各照明機器の機能のうち、インテンシティ機能(表示は「I」に対応する)のみを操作する旨の指定を受け付けたとする。
この場合、割当部153は、各フェーダに、インテンシティ機能に対応する「I」の機能を有する制御アドレスのみを割り当てる。図9の下図は、割当部153が、各フェーダに「I」の機能を有する制御アドレスのみを割り当てた状態を示している。
具体的には、割当部153は、照明機器10a−1のインテンシティ機能に対応する制御アドレス「4」を、フェーダF01に割り当てる。また、割当部153は、照明機器10a−2のインテンシティ機能に対応する制御アドレス「8」を、フェーダF02に割り当てる。照明機器10a−3のインテンシティ機能に対応する制御アドレス「12」を、フェーダF03に割り当てる。このような制御により、各フェーダには、各照明機器の「I」の機能に対応する制御アドレスのみが割り当てられる。この場合、オペレータは、5本のフェーダのみで、5個の照明機器のインテンシティをそれぞれ調整することができる。
なお、図9で示した処理は一例であり、割当部153は、各フェーダに、各照明機器の各機能に対応する制御アドレスを自在に割り当てることができる。例えば、割当部153は、RGBのうち、Rの色情報を変化させる機能を有する制御アドレスのみを各フェーダに割り当てたりしてもよいし、Gの色情報を変化させる機能を有する制御アドレスのみを各フェーダに割り当てたりしてもよい。
このように、割当部153は、制御アドレスをフェーダに自在に割り当てる制御処理を行うことで、オペレータの所望するような操作環境を提供し、オペレータの操作性を向上させる。
なお、割当部153は、フェーダに制御アドレスを割り当てる際に、照明機器10を適切に制御するよう、所定の処理を行うようにしてもよい。例えば、制御アドレス「1」の機能が割り当てられているフェーダF01に対して、割当部153が、制御アドレス「2」の機能を割り当てる処理を実行したとする。このとき、フェーダF01の位置が、所定の出力を行う位置にあったとする。例えば、フェーダF01が、100%の出力を行う位置(すなわち、フェーダ可動範囲の最も上の位置)にあったとすると、制御アドレス「2」に対応する制御情報が照明機器10に出力されてしまい、照明の急激な変化を招く可能性がある。
このため、割当部153は、所定の処理として、制御アドレスの割り当てを行った直後は、フェーダの位置によらず、割り当てられた制御アドレスに対応する出力値を一定に保つような処理を行ってもよい。この場合、照明制御部155は、例えば、割り当てられる元のフェーダの位置に、割り当てられた後のフェーダの位置が一致したこと等を認識した後に、フェーダによる操作を受け付けるようにしてもよい(すなわち、オペレータは、制御アドレスが割り当てられる前のフェーダ位置と、新たに制御アドレスが割り当てられた後のフェーダ位置とを一致させた後に、制御アドレスが割り当てられた後のフェーダを用いて制御が可能となる)。
登録部154は、各種情報を登録する。例えば、登録部154は、各照明機器に対応する制御アドレスに関する情報をアドレス管理テーブル121に登録する。また、登録部154は、例えばオペレータによる入力操作に従って、割当部153によって各フェーダに割り当てられた制御アドレスとフェーダの対応付けを、フェーダ割当テーブル122に登録する。また、登録部154は、各フェーダに割り当てた制御アドレスについて、設定情報として所定の記憶領域に登録するようにしてもよい。この場合、割当部153は、予め登録された各制御アドレスの割り当て情報等を設定情報として任意に読み出して、割当制御アドレスの割り当てを各フェーダに行うことができる。また、登録部154は、受付部152によって補正情報が受け付けられた場合には、かかる補正情報を補正情報テーブル123に登録する。
照明制御部155は、照明機器を制御する処理を実行する。具体的には、照明制御部155は、操作部140から入力される情報に基づいて、各照明機器の制御を行うための制御情報の生成を行う。具体的には、照明制御部155は、操作部140に係るフェーダF01が操作された場合には、フェーダF01に割り当てられた制御アドレスに対応する機能を実行させるよう、照明機器への制御情報を生成する。そして、照明制御部155は、生成した制御情報を送信部156へ送り、制御情報をRDMノード20に送信させる。
送信部156は、各種情報を送信する。例えば、送信部156は、照明制御部155によって生成された制御情報をRDMノード20に送信する。
[実施形態の処理フロー]
次に、照明制御装置100が実行する各処理のフローについて説明する。図10は、実施形態に係る照明制御装置100の処理の一例を説明するフローチャート(1)である。図10では、照明制御装置100の制御アドレスの割当処理の流れについて説明する。
まず、照明制御装置100は、RDMノード20に対して、照明機器情報の送信を命令する(ステップS101)。照明制御装置100は、命令に応答したRDMノード20から照明機器情報を取得する(ステップS102)。
続いて、照明制御装置100は、取得した照明機器情報に基づいて、照明機器情報を表示するGUIをオペレータに提供する(ステップS103)。具体的には、照明制御装置100は、照明機器の配置情報と、制御アドレスとが対応付けられた情報を表示部130に表示することで、オペレータに情報を提供する。
そして、照明制御装置100は、オペレータから制御アドレスに関する変更要求を受け付けたか否かを判定する(ステップS104)。変更要求を受け付けていない場合(ステップS104;No)、照明制御装置100は、変更要求を受け付けるまで待機する。一方、変更要求を受け付けた場合(ステップS104;Yes)、照明制御装置100は、変更要求に従い、制御アドレスを新たに割り当てる処理を実行する(ステップS105)。
次に、図11を用いて、照明制御装置100がフェーダに制御アドレスを割り当てる処理について説明する。図11は、実施形態に係る照明制御装置100の処理の一例を説明するフローチャート(2)である。
照明制御装置100は、オペレータからフェーダへの制御アドレスの割当の要求を受け付ける(ステップS201)。そして、照明制御装置100は、オペレータから受け付けた要求に従い、フェーダに制御アドレスを割り当てる(ステップS202)。続いて、照明制御装置100は、フェーダに割り当てた設定を登録する(ステップS203)。例えば、照明制御装置100は、フェーダ割当テーブル122に、フェーダに割り当てた設定を登録する。
次に、図12を用いて、照明制御装置100が補正情報を受け付ける処理について説明する。図12は、実施形態に係る照明制御装置100の処理の一例を説明するフローチャート(3)である。
照明制御装置100は、オペレータから、各照明機器10に設定する、補正情報設定の要求を受け付ける(ステップS301)。そして、照明制御装置100は、オペレータから、補正情報設定の入力を受け付ける(ステップS302)。具体的には、照明制御装置100は、照明機器10に対する色調整の指数等の設定情報を受け付ける。続いて、照明制御装置100は、設定された補正情報を登録する(ステップS303)。例えば、照明制御装置100は、補正情報テーブル123に、補正情報に関する設定を登録する。
[登録される情報のバリエーション]
上記実施形態において、照明制御装置100は、例えば色調整の指数等に基づく補正情報を登録する例を示した。このように、照明制御装置100は、照明機器10ごとに色調整の指数等を登録できることから、補正情報のみならず、例えば、予め作成した色情報等を登録するような処理を行ってもよい。例えば、照明制御装置100は、図5で示した構成に加えて、例えば図13に示すような色情報テーブル124を有していてもよい。
色情報テーブル124は、予め登録される色情報を記憶する。ここで、図13に、実施形態に係る色情報テーブル124の一例を示す。図13は、実施形態に係る色情報テーブル124に登録される情報の一例を示す図である。図13に示すように、色情報テーブル124に登録される情報には、「色情報ID」、「色情報」といった項目が含まれ、さらに「色情報」には、「種別」、「指数」といった小項目が含まれる。
「色情報ID」は、作成された色情報を識別する識別情報を示す。「色情報」は、作成された色情報を示す。色情報は、「種別」と「指数」とによって特定される。「種別」は、色の種別を示す。色の種別とは、例えば、RGB等である。なお、色の種別は、CMYK(Cyan Magenta Yellow Key Plate)であってもよい。「指数」は、各色の強さの指標値となる数値を示す。
すなわち、図13に示す例では、色情報ID「M01」で識別される色情報は、種別が「R」であり、指数が「154」である色情報と、種別が「G」であり、指数が「205」である色情報と、種別が「B」であり、指数が「50」である色情報と、を組み合わせた色情報であることを示している。なお、色情報テーブル124には、色情報のみならず、色情報に対応する照明機器10の識別情報等が記憶されてもよい。例えば、色情報と照明機器10とを対応付けて記憶することにより、照明制御装置100は、より正確に色情報を登録することができる。
すなわち、照明制御装置100は、上述した補正情報と同様、例えば人為的に調整することを要する設定情報等を事前に登録することができる。例えば、照明制御装置100によれば、オペレータが実際には3本のフェーダを用いて、それぞれのフェーダ位置を調整しなければ作成できない色のバランスを、事前に登録しておくことができる。かかる処理は、制御アドレスに対応する照明機器10のRやGやBの設定値を、予め取得しておくことにより実現される。
例えば、照明制御装置100は、照明機器10a−1について、色情報Rを「173」に、色情報Gを「216」に、色情報Bを「230」に設定するという登録を予め受け付けているものとする。この場合、オペレータは、照明機器10a−1のインテンシティを制御する制御アドレスをフェーダF01に割り当てておけば、フェーダF01のみを操作することで、色情報Rを「173」に、色情報Gを「216」に、色情報Bを「230」にそれぞれ調整された色味の照明に制御することができる。
これにより、照明制御装置100は、オペレータが所望するバランスの色を出力するような制御情報を簡単に生成することができる。また、オペレータは、一度作成した色のバランスを照明制御装置100に登録しておくことにより、任意のタイミングで、所望する色のバランスを呼び出すことができる。このため、オペレータは、過去に作成した色のバランスを簡単に再現することができる。
なお、上記例では、照明制御装置100は、色情報を登録する例を示したが、実際に登録される情報は、色情報に限られない。すなわち、照明制御装置100は、実施形態で説明したような、単独又は複数の機能を任意のフェーダに割り当てる処理も含めて、柔軟な機能の割り当て処理を実現することができる。例えば、照明制御装置100は、動作情報(ズームやパンやチルトなど)を調整するための制御アドレスに関する情報を登録しておいてもよい。
上述してきたように、照明制御装置100を含む照明制御システム1は、照明機器10に対して付与された制御アドレスを、任意の指定を受け付けて、新たに振り直すことができる。これにより、照明制御装置100を含む照明制御システム1は、照明機器10側で制御アドレスを手作業で設定せずとも、照明機器10をRDMノード20に設置するだけで、照明機器10に対応する制御アドレスを適切に管理することができる。すなわち、照明制御システム1は、照明機器10の追加、変更、交換や、照明機器10を別の位置に移動する場合、若しくは制御アドレスを誤って設定してしまった場合であっても、RDMノード20がRDM規格に沿った通信方式により制御アドレスを設定し直すので、効率良く制御アドレスの管理を行うことができる。
なお、上述した照明制御装置100は、CPU(Central Processing Unit)とRAM(Random Access Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、フラッシュメモリなどを有するコンピュータが、所定の記録媒体に登録された制御プログラムを読み取り、読み取った制御プログラムを実行することにより、実現されてもよい。
以上、本発明の実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。また、これらの実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。