以下、図面を参照して、各実施形態に係る制御装置を説明する。各実施形態において同一の機能を有する構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。なお、以下の各実施形態で説明する制御装置は、一例を示すに過ぎず、実施形態を限定するものではない。例えば、以下の各実施形態では、制御装置は、照明機器以外にも、任意の舞台装置の制御にも適用することができる。なお、以下の各実施形態は、矛盾しない範囲内で適宜組みあわせてもよい。
以下の実施形態に係る制御装置100であって、複数の制御チャンネルを含む制御情報を用いて照明機器を制御する制御装置100は、受付部151と、割当部152とを有する。受付部151は、照明機器が有する機能を制御するための複数の制御チャンネルに関する情報を受け付ける。割当部152は、受付部151によって受け付けられた情報に基づいて、機能に対応する出力値を調整するための操作部の各々に、当該機能に対応する制御チャンネルを割り当てる。
また、以下の実施形態に係る制御装置100は、制御チャンネルに関する情報として、制御チャンネルによって制御される機能に関する情報であって、照明機器の明かりの強さ情報、照明機器の色情報、及び照明機器の動作情報の少なくとも一つの情報を受け付ける。また、制御装置100は、操作部の各々に、受け付けられた機能の少なくとも一つに対応する制御チャンネルを割り当てる。
また、以下の実施形態に係る制御装置100は、各々の操作部に割り当てられた制御チャンネルの変更要求を受け付ける。また、制御装置100は、変更要求が受け付けられた場合に、所定の操作部に割り当てられた制御チャンネルが、当該所定の操作部の次の順序の操作部に割り当てるように、制御チャンネルを新たな各々の操作部に割り当てる。
また、以下の実施形態に係る制御装置100は、変更要求が受け付けられた場合に、特定の操作部について制御チャンネルを変更しない設定を受けている場合には、特定の操作部に割り当てられた制御チャンネルについては変更せず、特定の操作部に新たに割り当てるべき制御チャンネルについては、特定の操作部の次の順序の操作部に割り当てる。
また、以下の実施形態に係る制御装置100は、操作部と、割当部によって操作部に割り当てられた制御チャンネルとの対応付けを示す情報である設定情報を登録する登録部153をさらに具備する。また、制御装置100は、登録された設定情報の読み出し要求を受け付ける。また、制御装置100は、受け付けられた読み出し要求に基づいて読み出された設定情報に基づいて、操作部に制御チャンネルを割り当てる。
また、以下の実施形態に係る制御装置100は、複数の制御チャンネルによって制御される各々の機能に関する情報を組み合わせて、一つのチャンネルとして制御することが可能なチャンネルである仮想制御チャンネルを登録する。また、制御装置100は、操作部に、登録された仮想制御チャンネルを割り当てる。
また、以下の実施形態に係る制御装置100は、複数の制御チャンネルによって制御される各々の機能に関する情報の組み合わせとして、制御チャンネルによって制御される色情報を組合せることにより、所定の色調整を行った色情報を登録する。また、制御装置100は、操作部に、登録された色情報に対応する制御情報を出力するための仮想制御チャンネルを割り当てる。
[第1の実施形態]
以下、実施形態に係る制御装置の一例として、照明システム1に含まれる制御装置100の一例について説明する。図1は、第1の実施形態に係る制御装置100の一例を示す図(1)である。図1では、照明システム1において、制御装置100が照明機器PAR01及びPAR02を制御する一例を示す。
制御装置100は、複数の照明機器PAR01及びPAR02を制御する制御装置である。なお、制御装置100が制御する照明機器の数は、図1に示した例に限られない。すなわち、制御装置100は、照明機器PAR01及びPAR02に限らず、任意の数の照明機器を制御対象としてよい。
照明機器PAR01及びPAR02は、例えばLED(Light Emitting Diodes)等の半導体発光素子やハロゲンランプ等を光源とする照明機器であり、例えば、スポットライト、ホリゾントライト、フラッドライト等といった照明機器である。照明機器PAR01及びPAR02は、バトン(図示省略)等により所定の位置に吊り下げられたり、所定の位置に置かれたりして用いられる。
ここで、照明機器PAR01及びPAR02は、DMX512(以下、単に「DMX」と表記する)といった所定の規格に沿った制御を受付ける照明機器である。そして、照明機器PAR01及びPAR02は、制御装置100からの制御に従って、照明する光の照度、色彩、照明範囲等を変化させる調光処理を行うことで、スタジオや舞台等の照明演出を行う。
制御装置100は、オペレータ(操作者)からの操作に従って、複数の照明機器を制御する制御装置であり、例えば、操作卓や調光卓と呼ばれる装置である。具体的には、制御装置100は、各照明機器に設定されるDMXアドレスによって、各照明機器を特定する。そして、制御装置100は、各照明機器の機能を制御するための制御チャンネルであるDMXチャンネル(以下、単に「チャンネル」と表記する場合がある)と、チャンネルに出力する値を制御するための操作部とを対応付ける。
なお、チャンネルの数値は、DMXアドレスとしても機能し、例えば、照明機器に設定されるDMXアドレスが、当該照明機器に設定されるDMXの最初のチャンネルとして認識される(DMXアドレスに対応するDMXチャンネルは、スタートアドレス等と呼ばれる)。制御装置100は、チャンネル毎の出力値を含む制御情報を照明機器に送信することで、DMXアドレスで特定される照明機器の制御を行うことができる。
図1に示すように、制御装置100は、表示部130と操作部140とを有する。表示部130は、例えば液晶ディスプレイであり、制御装置100が制御する各種情報や、制御装置100に制御された照明機器の状態を表示する。操作部140は、例えば制御装置100の筐体外側の一部に配置された、照明機器を制御するためにオペレータが操作する複数のスイッチやボタンによって構成される。実施形態では、操作部140には、複数のプリセットフェーダ(Preset Fader、以下、単に「フェーダ」と表記する場合がある)が含まれる。
各フェーダには、対応するチャンネルが設定される。すなわち、各フェーダは、対応するチャンネルに関する信号(言い換えれば、照明機器に対する制御情報)を調整する機能を有する。例えば、オペレータによってフェーダが最上部の位置に操作された場合には、当該フェーダに対応するチャンネルへの信号が100%で出力される。このように、制御装置100は、フェーダ操作に伴って、照明機器に出力する信号の出力を調整する。
ここで、フェーダと照明機器との関係について説明する。例えば、上記した照明機器PAR01及びPAR02の制御には、複数のチャンネルに対応する信号が用いられるものとする。例えば、照明機器PAR01及びPAR02は、色情報や、操作情報等を与えるための複数のチャンネルによって制御される。
図1の例では、照明機器PAR01及びPAR02は、色情報として、R(Red)、G(Green)、B(Blue)、W(White)といった、各色の強さを設定するための4つのチャンネルを有する。また、照明機器PAR01及びPAR02は、操作情報として、レンズの焦点位置を定めるZ(Zoom)というチャンネルを1つ有する。すなわち、図1の例では、照明機器PAR01及びPAR02は、各々5つのチャンネルを用いて、制御装置100に制御されるものとする。なお、照明機器PAR01及びPAR02は、その他にも、操作情報であるS(Strobe)や、C(Curve)等の情報を受信するためのチャンネルや、総合的な明かりの強さを示す情報であるI(Intensity)を受信するためのチャンネルを有していてもよい。
例えば、制御装置100に係るフェーダF01が、照明機器PAR01のRの色情報を調整するチャンネルに対応するフェーダとして設定されているとする。この場合、オペレータがフェーダF01を操作して、フェーダF01に対応する信号の出力を上げると、照明機器PAR01は、Rの値を増加させる信号を制御装置100から受信することになる。
通常、制御装置100を用いて照明機器を制御する場合、制御装置100の各フェーダに、対応するチャンネルが順に割り振られる。例えば、制御のために5種類のチャンネルを要する照明機器PAR01のDMXアドレスが「1」に設定されているとする。この場合、制御装置100は、DMXアドレス「1」をスタートアドレスとして照明機器PAR01を特定するととともに、チャンネル「1」から「5」を、照明機器PAR01を制御するためのチャンネルとして取り扱う。なお、制御装置100に係るフェーダF01は、チャンネル「1」に対応するものとする。
この場合、照明機器PAR01を制御するためのチャンネルは、フェーダF01〜F05に、順に割り当てられることになる。具体的には、フェーダF01には、照明機器PAR01の色情報Rを制御するためのチャンネル1が割り当てられる。同様に、フェーダF02には、照明機器PAR01の色情報Gを制御するためのチャンネル2が割り当てら、フェーダF03には、照明機器PAR01の色情報Bを制御するためのチャンネル3が割り当てられ、フェーダF04には、照明機器PAR01の色情報Wを制御するためのチャンネル4が割り当てられ、フェーダF05には、照明機器PAR01の操作情報Zを制御するためのチャンネル5が、それぞれ割り当てられる。
このように、個々のフェーダで制御するチャンネルが順に割り当てられる場合、例えば100チャンネル分の制御を行うためには、100本のフェーダが必要となる。また、LED照明機器のように、個々の明かりの色情報や操作情報を制御可能な照明機器は、制御に用いられるチャンネル数が比較的多くなる。このため、照明を制御する装置によっては、十分な数の照明機器の制御を行うためのフェーダが足りなくなったり、あるいは、非常に多くのフェーダを制御装置に備えたりする必要が生じる。しかし、フェーダの数が増加すると、フェーダを設置するための面積が大きくなるため、オペレータの操作性に影響を与える可能性がある。また、フェーダの数が増加すると、フェーダに対応付けられている照明機器や各機能がわかりにくくなるという事態も想定される。
そこで、制御装置100は、以下の制御処理を実行する。まず、制御装置100は、制御装置100で制御可能な照明機器の情報を取得する。そして、制御装置100は、取得した照明機器を制御するチャンネルを、任意にフェーダに割り当てる。そして、制御装置100は、フェーダに割り当てたチャンネルに対応する照明機器や機能を登録する。これにより、制御装置100は、オペレータが所望するように、操作する照明機器や機能をそれぞれのフェーダに割り当てることができる。
上記の処理について、図1を用いて説明する。図1に示すように、制御装置100は、操作部140の一部に、フェーダに割り当てられたチャンネル情報を表示するためのフェーダ用表示部145を有する。フェーダ用表示部145には、チャンネル表示部141と、機能表示部142とが含まれる。チャンネル表示部141には、例えば、フェーダに対応するチャンネル番号と、照明機器の識別情報とが表示される。また、機能表示部142には、フェーダに対応する機能と、フェーダの出力値が表示される。
そして、制御装置100は、各々のフェーダに割り当てるチャンネルをオペレータが自在に変更できるように、各フェーダにチャンネル情報を割り当てる。初期状態では、制御装置100は、チャンネル1から順に、各チャンネルを各フェーダに割り当てているものとする。この場合、図1のチャンネル表示部141に表示されるように、チャンネル1がフェーダF01に対応する。なお、図1の機能表示部142に表示されるように、チャンネル1は、照明機器PAR01の色情報Rを制御するためのチャンネルである。
ここで、制御装置100は、オペレータから、各フェーダに割り当てるチャンネルの変更を受け付ける。例えば、制御装置100は、オペレータから、各フェーダに割り当てるチャンネルを、一つだけずらす操作を受け付けたとする(ステップS01)。
当該操作を受け付けた場合、制御装置100は、各フェーダに割り当てられているチャンネルを一つだけずらす割り当て処理を行う。すなわち、制御装置100は、フェーダF01にチャンネル2を割り当てる。同様に、制御装置100は、フェーダF02にチャンネル3を割り当てる。このように、制御装置100は、オペレータが所望するように、各フェーダに対応するチャンネルを自在に変更することができる。
例えば、図1では、チャンネル2を割り当てられたフェーダF01は、照明機器PAR01のGという色情報を出力するためのフェーダへと変更される。また、チャンネル3を割り当てられたフェーダF02は、照明機器PAR01のBという色情報を出力するためのフェーダへと変更される。このように、制御装置100は、フェーダの配置を変えることなく、内部処理としてフェーダに割り当てるチャンネルを変更することができる。
なお、制御装置100は、フェーダに割り当てるチャンネルの変更要求を受けた場合であっても、特定のフェーダについてはチャンネルを変更しないといった設定を受け付けていてもよい。すなわち、制御装置100は、予め特定のフェーダで操作するチャンネルをロック(固定)するような設定を受け付けておく。そして、制御装置100は、フェーダに割り当てるチャンネルの変更要求があった場合には、特定のフェーダに関して割り当てる予定のチャンネルをスキップさせ、特定のフェーダの次のフェーダに、当該チャンネルを割り当てるような処理を行ってもよい。このように、制御装置100は、オペレータの要求に応えて、柔軟な割当処理を行うようにしてもよい。
すなわち、制御装置100は、フェーダに割り当てるチャンネルを任意に変更することができるため、従来よりも少ない数のフェーダであっても、多彩な操作を行うことができる。この点について、図2を用いて説明する。図2は、第1の実施形態に係る制御装置100の一例を示す図(2)である。
例えば、図2の上図は、制御装置100が、フェーダF01にチャンネル1を割り当てている状態を示している。ここで、制御装置100は、オペレータから、各照明機器の機能のうち、ズーム機能(表示は「Z」に対応する)のみを操作する旨の指定を受け付けたとする(ステップS02)。
この場合、制御装置100は、各フェーダに、ズーム機能に対応する「Z」の機能を有するチャンネルのみを割り当てる。図2の下図は、制御装置100が、各フェーダに「Z」の機能を有するチャンネルのみを割り当てた状態を示している。
具体的には、制御装置100は、照明機器PAR01のZチャンネルに対応するチャンネル5をフェーダF01に割り当てる。また、制御装置100は、照明機器PAR02のZチャンネルに対応するチャンネル10をフェーダF02に割り当てる。このような制御により、各フェーダには、各照明機器の「Z」の機能に対応するチャンネルのみが割り当てられる。この場合、オペレータは、10本のフェーダのみで、10個の照明機器のズーム機能をそれぞれ操作することができる。
なお、制御装置100は、チャンネルに関する情報として、照明機器PAR01のZ機能に対応するチャンネル番号が「5」であるという情報を予め受け付け、登録している。同様に、制御装置100は、照明機器PAR02のZ機能に対応するチャンネル番号が「10」であるという情報を登録している。同様に、制御装置100は、照明機器PAR03以降のZ機能に対応する各々のチャンネル番号を登録している。そして、制御装置100は、オペレータがZ機能のみを操作するためにZ機能の読み出しを要求した場合に、予め登録されたチャンネル情報から、Z機能が割り当てられているチャンネル番号を特定する。そして、制御装置100は、各フェーダにZ機能が割り当てられているチャンネルを順に割り当てる。これにより、制御装置100は、Z機能のみを各フェーダに割り当てるといった処理を行うことが可能となる。
なお、図2で示した処理は一例であり、制御装置100は、各フェーダに、各照明機器の各機能に対応するチャンネルを自在に割り当てることができる。例えば、制御装置100は、RGBのうち、Rの色情報を変化させる機能を有するチャンネルのみを各フェーダに割り当てたりしてもよいし、Gの色情報を変化させる機能を有するチャンネルのみを各フェーダに割り当てたりしてもよい。
このように、制御装置100は、チャンネルをフェーダに自在に割り当てる制御処理を行うことで、オペレータの所望するような操作環境を提供し、オペレータの操作性を向上させる。
以下、上述してきたような制御を行う制御装置100、及び、制御装置100を含むシステムである照明システム1について、詳細に説明する。
〔照明システムの構成例〕
次に、図3を用いて、第1の実施形態に係る照明システム1の構成の一例を説明する。図3は、実施形態に係る照明システム1の構成例を示すブロック図である。例えば、図3に示す例では、照明システム1は、複数の照明機器PAR01及びPAR02、DMXノード20、制御装置100、制御子機300を有する。また、DMXノード20は、通信制御部21と、ポート22a〜22dを有する。なお、以下の説明では、ポート22a〜22dを「ポート22」と総称する場合がある。
なお、照明システム1が含む照明機器や、DMXノードの数は、図3に示した例に限られない。例えば、図3では、制御装置100と一つのDMXノード20とを接続する例について記載したが、実施形態はこれに限定されるものではなく、任意の数のDMXノードが制御装置100に接続されていてよい。また、図3に示す例では、DMXノード20にそれぞれ4つのポート22を設置する例について記載したが、実施形態は、これに限定されるものではなく、任意の数のポート22が設置されていてよい。
図3に示す例では、制御装置100とDMXノード20とは、例えばイーサネット(登録商標)やLAN(Local Area Network)等の所定のネットワークにより通信可能に接続される。また、DMXノード20と、照明機器PAR01及びPAR02との間は、例えば、DMX512を拡張したRDM(Remote Device Management)といった双方向通信が可能な規格により接続される。
上述のように、照明機器PAR01及びPAR02には、DMXアドレスのような制御アドレスが設定される。そして、照明機器PAR01及びPAR02は、DMXノード20からDMX規格に沿った制御信号を受信すると、受信した制御信号が示す制御アドレスが自装置の制御アドレスであるか否かを判定し、自装置の制御アドレスである場合は、受信した制御信号に従って、調光処理を実行する。
DMXノード20は、制御装置100と照明機器PAR01及びPAR02との間の通信を中継する中継装置である。例えば、DMXノード20は、DMX規格に沿ったインタフェースを用いて照明機器PAR01及びPAR02を接続可能な、複数のポート22を有する。そして、DMXノード20は、イーサネット等のネットワークを介して、制御装置100から制御対象となる照明機器PAR01及びPAR02の制御アドレスと、照明機器PAR01及びPAR02の制御内容とを示す制御情報を受信する。このような場合、DMXノード20は、受信した制御情報をDMXの規格に沿った制御信号に変換し、変換後の制御信号を照明機器PAR01及びPAR02へと出力する。
例えば、通信制御部21は、各ポート22a、22dを介して、照明機器PAR01及びPAR02と接続されている。そして、通信制御部21は、例えば、照明機器PAR01に設定された制御アドレスと、照明機器PAR01の制御内容とを示す制御情報を制御信号に変換し、制御信号をポート22aから出力することで、照明機器PAR01を制御する。
なお、通信制御部21は、上述した処理以外にも、DMXの規格やRDMの規格に沿った照明機器の制御を行う機能を有してもよい。例えば、通信制御部21は、制御装置100からの送信要求を受信すると、各ポート22a〜22dを介して、各照明機器の識別子であるUID(Unique Identifier)を取得する。また、通信制御部21は、照明機器PAR01又はPAR02の識別子であるUIDと、照明機器PAR01又はPAR02が接続されたポート22a、22dを識別するポートIDとを対応付けた接続情報を制御装置100に送信する。このような接続情報は、後述するように、各照明機器PAR01及びPAR02が接続された位置を表示する表示処理において用いられる情報となる。
制御装置100は、オペレータによる操作に従って、各照明機器を制御する。例えば、制御装置100は、オペレータがフェーダF01を操作した場合は、フェーダF01と対応する照明機器の制御アドレス(チャンネル)と、操作内容に応じた制御内容とを含む制御情報をDMXノード20に送信する。この結果、制御装置100は、オペレータの操作に従って、各照明機器を制御することができる。
また、制御装置100は、DMXノード20から接続情報を受信すると、受信した接続情報を用いて、各照明機器の接続位置を特定する。例えば、制御装置100は、各DMXノード20が設置された舞台上の位置を示す設置位置情報をあらかじめ記憶している。そして、制御装置100は、DMXノード20から照明機器の接続情報を受信すると、設置位置情報に基づいて、DMXノード20が設置された位置を特定し、特定された位置に照明機器が設置されている旨を表示する。
例えば、制御装置100は、DMXノード20が所定のバトンに設置されている旨の設置位置情報をあらかじめ記憶している。また、制御装置100は、DMXノード20から各照明機器の接続情報を受信すると、接続情報の送信元となるDMXノード20が設置されているバトンを設置位置情報から特定し、特定されたバトンに照明機器が設置されている旨の情報を表示する。
また、制御装置100は、例えば、特定したバトンの位置と、そのバトンに設置された照明機器PAR01、PAR02とをリスト形式で表示する。また、制御装置100は、後述するように、舞台やスタジオに配置されたバトンの位置を模式的に示す画面を表示するとともに、照明機器PAR01、PAR02を示すアイコンを、特定したバトンのアイコンと重ねて表示してもよい。
また、制御装置100は、照明機器が接続されたポート22を示す情報を表示してもよい。例えば、制御装置100は、受信した接続情報から、照明機器PAR01、PAR02が接続されたDMXノード20の各ポート22a、22dを特定し、特定したポート22a、22dを示す情報を表示してもよい。より具体的には、制御装置100は、DMXノード20が設置されたバトンを示すアイコンの左端に、ポート22aに接続された照明機器PAR01を示すアイコンを配置し、DMXノード20が設置されたバトンを示すアイコンの右端に、ポート22dに接続された照明機器PAR02を示すアイコンを配置してもよい。
制御子機300は、制御装置100と同様の機能を発揮することができる端末装置であり、例えば、制御装置100との間で無線通信が可能なタブレット等により実現される。例えば、制御子機300は、制御装置100と同様に、照明機器を制御するための画面を表示するとともに、オペレータによる操作を受付けると、受付けた操作内容を制御装置100に通知する。通知を受けた制御装置100は、制御情報をDMXノード20に送信し、各照明機器の制御を実現する。
〔制御装置の構成例〕
続いて、図4を用いて、第1の実施形態に係る制御装置100の機能構成の一例を説明する。図4は、第1の実施形態に係る制御装置の機能構成の一例を示すブロック図である。図4に示す例では、制御装置100は、通信部110、記憶部120、表示部130、操作部140、制御部150を有する。
通信部110は、例えば、所定の通信回路等によって実現される。例えば、通信部110は、イーサネットやLAN等のネットワークを介して、DMXノード20との間の通信を中継する。また、通信部110は、無線LAN等のネットワークを介して、制御子機300との間の通信を中継する。
記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。図4に示すように、第1の実施形態に係る記憶部120は、チャンネル情報記憶部121と、チャンネル割当記憶部122とを含む。
チャンネル情報記憶部121には、照明機器を制御するチャンネルに関する情報が記憶される。ここで、図5に、第1の実施形態に係るチャンネル情報記憶部121の一例を示す。図5は、第1の実施形態に係るチャンネル情報記憶部121に登録される情報の一例を示す図である。図5に示すように、チャンネル情報記憶部121に登録される情報には、「DMXチャンネル」、「照明機器」、「機能」といった項目が含まれる。
「DMXチャンネル」は、DMXノード20に送信される制御情報を識別するチャンネルの数値を示す。なお、DMXチャンネルは、DMX規格に基づく制御のためのDMXアドレスと読み替えてもよい。「照明機器」は、DMXチャンネルに対応する照明機器を示す。「機能」は、DMXチャンネルに対応する照明機器を制御する機能の種別を示す。
すなわち、図5に示す例では、DMXチャンネルが「1」であるチャンネルは、照明機器「PAR01」を制御するチャンネルであり、「R」の色調整を行う機能を制御するチャンネルであることを示している。なお、チャンネル情報記憶部121には、照明機器の制御に関する他の情報が含まれていてもよい。
次に、チャンネル割当記憶部122について説明する。図6に、第1の実施形態に係るチャンネル割当記憶部122の一例を示す。図6は、第1の実施形態に係るチャンネル割当記憶部122に登録される情報の一例を示す図である。図6に示すように、チャンネル割当記憶部122に登録される情報には、「フェーダID」、「割当チャンネル」といった項目が含まれる。
「フェーダID」は、フェーダを識別する識別情報を示す。実施形態においては、フェーダIDは、フェーダの参照符号と一致するものとする。例えば、フェーダF01のフェーダIDは、「F01」である。「割当チャンネル」は、フェーダに割り当てられたチャンネルの数値を示す。
すなわち、図6に示す例では、フェーダID「F01」で識別されるフェーダには、制御するチャンネルとして「2」が割り当てられていることを示している。なお、上述のように、各フェーダに割り当てるチャンネルは、オペレータが任意に設定することができる。チャンネル割当記憶部122は、オペレータの操作に応じて、各フェーダとチャンネルの割り当てとを、適宜記憶する。なお、一つのフェーダには、複数のチャンネルが割り当てられてもよい。複数のチャンネルが割り当てられたフェーダは、当該複数のチャンネル(言い換えれば、当該複数のチャンネルに対応する各々の機能)に対応する出力値を調整することができる。
図4に戻り、説明を続ける。表示部130は、各種情報を表示するための表示装置であり、例えば、液晶モニタやLEDモニタ等のディスプレイにより実現される。例えば、表示部130は、後述する照明制御部154による制御に従って、制御装置100が各照明機器を制御する状況を表示する。
操作部140は、オペレータからの操作を受付ける入力装置であり、例えば、フェーダやボタン等といった入力装置により実現される。なお、表示部130がオペレータからの操作を受付けることができるタッチパネルにより実現される場合は、表示部130と操作部140とは、一体の装置として実現されていてもよい。実施形態では、操作部140は、フェーダF01、フェーダF02、・・・、といった複数のプリセットフェーダと、フェーダ用表示部145とを有する。
制御部150は、各種の処理手順などを規定したプログラム及び所要データを格納するための内部メモリを有し、これらによって種々の処理を実行するが、特に本発明に密接に関連するものとして、受付部151、割当部152、登録部153、照明制御部154、送信部155を有する。
受付部151は、各種情報を受け付ける。例えば、受付部151は、DMXノード20を介して、各照明機器を制御するためのチャンネルに関する情報を受け付ける。具体的には、受付部151は、チャンネルに関する情報として、チャンネルによって制御される機能に関する情報であって、照明機器の明かりの強さ情報、照明機器の色情報、又は照明機器の動作情報の少なくとも一つの情報を受け付ける。明かりの強さ情報は、インテンシティの数値に対応し、色情報は、R、G、Bなどの色の割合に対応し、動作情報は、ズーム機能や、パン(Pan)やチルト(Tilt)機能など、照明機器の動作に関する情報に対応する。
また、受付部151は、操作部140を介して、各フェーダに対するチャンネルの割り当てを受け付ける。また、受付部151は、操作部140を介して、割当部152によって各々のフェーダに割り当てられた各々のチャンネルについて、割り当てるチャンネルの変更要求を受け付ける。
また、受付部151は、登録部153によって登録された設定情報の読み出し要求を受け付ける。具体的には、受付部151は、各フェーダへのチャンネルの割り当てに関する読み出しを受け付ける。また、受付部151は、各フェーダに割り当てるチャンネルの機能の指定を受け付ける。例えば、図2に示したように、オペレータが各フェーダにズームの機能のみを割り当てることを所望した場合に、受付部151は、操作部140を介して、かかる割り当てに関する指定を受け付ける。受付部151は、受け付けた情報を各処理部に送信し、各処理を実行させる。
割当部152は、受付部151によって受け付けられた情報に基づいて、チャンネルに対応した機能の出力値を調整するためのフェーダの各々に、チャンネルを割り当てる。具体的には、割当部152は、受け付けた機能に関する情報に基づいて、各フェーダに対して、内部処理的にチャンネルの割り当てを行う。例えば、割当部152は、オペレータによる操作を受けて、オペレータが所望する機能を実現するためのチャンネルを、オペレータが所望するフェーダに割り当てる。すなわち、割当部152は、DMXノード20に送信する制御情報に関する制御を、任意に各フェーダへ割り当てることができる。
例えば、割当部152は、もともとチャンネル1に対応していたフェーダF01に対して、チャンネル「2」を割り当てることができる。このとき、フェーダF01は、チャンネル「2」が割り当てられることになるため、オペレータによってフェーダF01が操作された場合には、制御装置100は、チャンネル「2」に対応する機能を制御する制御情報を送信することになる。すなわち、フェーダF01が操作された場合には、制御装置100は、チャンネル「2」に対応する出力値が増加した制御情報を生成し、チャンネル「2」に対応した機能を照明機器に実行させるような制御情報をDMXノード20に送信することになる。
なお、割当部152は、図2に示したように、チャンネルに対応する機能の指定を受けて、チャンネルをフェーダに割り当てるようにしてもよい。すなわち、割当部152は、受付部151によって受け付けられた、チャンネルによって制御される機能の指定を受けて、フェーダの各々に、当該機能に対応する制御チャンネルを割り当てる。これにより、割当部152は、例えば図2で示したように、指定された機能のみを各フェーダの割り当てることができる。
なお、割当部152は、フェーダにチャンネルを割り当てる際に、照明機器を適切に制御するよう、所定の処理を行うようにしてもよい。例えば、チャンネル1の機能が割り当てられているフェーダF01に対して、割当部152が、チャンネル2の機能を割り当てる処理を実行したとする。このとき、フェーダF01の位置が、所定の出力を行う位置にあったとする。例えば、フェーダF01が、100%の出力を行う位置(すなわち、フェーダ可動範囲の最も上の位置)にあったとすると、チャンネル2に対応する制御情報が照明機器に出力されてしまい、照明の急激な変化を招く可能性がある。
このため、割当部152は、所定の処理として、チャンネルの割り当てを行った直後は、フェーダの位置によらず、割り当てられたチャンネルに対応する出力値を一定に保つような処理を行ってもよい。この場合、照明制御部154は、例えば、割り当てられる元のフェーダの位置に、割り当てられた後のフェーダの位置が一致したこと等を認識した後に、フェーダによる操作を受け付けるようにしてもよい(すなわち、オペレータは、チャンネルが割り当てられる前のフェーダ位置と、チャンネルが割り当てられた後のフェーダ位置とを一致させた後に、チャンネルが割り当てられた後のフェーダを用いて制御が可能となる)。
また、割当部152は、図1に示したように、受付部151によって割り当ての変更要求が受け付けられた場合に、各々の所定のフェーダの次の順序のフェーダにずらして、各々のチャンネルを新たな各々の操作部に割り当てるようにしてもよい。また、割当部152は、受付部151によって変更要求が受け付けられた場合に、特定のフェーダについてチャンネルを変更しない設定を受けている場合には、特定のフェーダに割り当てられたチャンネルについては変更せずに、特定のフェーダに新たに割り当てるべきチャンネルについては、特定のフェーダの次の順序のフェーダに割り当てるようにしてもよい。
登録部153は、各種情報を登録する。例えば、登録部153は、各照明機器に対応するチャンネルに関する情報をチャンネル情報記憶部121に登録する。また、登録部153は、例えばオペレータによる入力操作に従って、割当部152によって各フェーダに割り当てられたチャンネルとフェーダの対応付けを、チャンネル割当記憶部122に登録する。また、登録部153は、各フェーダに割り当てたチャンネルについて、設定情報として所定の記憶領域に登録するようにしてもよい。この場合、割当部152は、予め登録された各チャンネルの割り当て情報等を設定情報として任意に読み出して、割当チャンネルの割り当てを各フェーダに行うことができる。
照明制御部154は、照明機器を制御する処理を実行する。具体的には、照明制御部154は、操作部140から入力される情報に基づいて、各照明機器の制御を行うための制御情報の生成を行う。具体的には、照明制御部154は、操作部140に係るフェーダF01が操作された場合には、フェーダF01に割り当てられたチャンネルに対応する機能を実行させるよう、照明機器への制御情報を生成する。そして、照明制御部154は、生成した制御情報を送信部155へ送り、制御情報をDMXノード20に送信させる。
送信部155は、各種情報を送信する。例えば、送信部155は、照明制御部154によって生成された制御情報をDMXノード20に送信する。
[割り当て処理のバリエーション]
上記の例では、制御装置100は、物理的に操作可能な操作部であるフェーダに、チャンネルを割り当てる例について説明した。しかし、制御装置100は、フェーダに限らず、フェーダに対応する機能を有する操作部にチャンネルを割り当ててもよい。この点について、図7を用いて説明する。
図7は、第1の実施形態に係る制御装置100の一例を示す図(3)である。図7では、制御装置100が、表示部130に表示された仮想的なフェーダ(以下、「仮想フェーダ」と表記する場合がある)にチャンネルを任意に割り当てる処理を行っている例を示している。
例えば、図7に示す表示領域162及び表示領域163は、図2に示すフェーダ用表示部145に対応し、各仮想フェーダに対応するチャンネルを示している。仮想フェーダは、表示部130に表示されるエンコーダであり、プリセットフェーダと同様の機能を実現する。なお、仮想フェーダに割り当てられたチャンネルは表示領域162に表示される一方、仮想フェーダそのものの番号は、例えば表示領域164に表示される。
オペレータは、例えば操作領域161に表示された各項目を選択することにより、仮想フェーダに割り当てるチャンネルを変更することができる。例えば、オペレータが、図7に示す「INTENSITY」を選択した場合には、割当部152は、仮想フェーダに、I(Intensity)の機能を有するチャンネルのみを割り当てるような処理を行ってもよい。
このように、制御装置100がチャンネルを任意に割り当てる対象は、物理的に操作可能なプリセットフェーダに限られず、プリセットフェーダと同様の機能を有する操作部(例えば、画面上に表示される仮想フェーダ等のエンコーダ)であってもよい。
[第1の実施形態の処理フロー]
次に、制御装置100が、各フェーダに各チャンネルを割り当てる処理のフローについて説明する。図8は、第1の実施形態に係る制御装置100の処理の一例を説明するフローチャートである。まず、制御装置100は、自装置で制御する照明機器を設定する(ステップS101)。具体的には、制御装置100は、照明機器のDMXアドレスを特定することにより、制御する照明機器を設定する。そして、制御装置100は、制御する照明機器等のチャンネルの情報を受け付けるとともに、チャンネルの情報を登録する(ステップS102)。続いて、制御装置100は、登録したチャンネル情報に基づいて、フェーダにチャンネルを割り当てる(ステップS103)。そして、制御装置100は、割り当てた設定を登録する(ステップS104)。
[第2の実施形態]
次に、第2の実施形態について説明する。第1の実施形態では、制御装置100が、照明機器を制御するためのチャンネルを任意にフェーダに割り当てる処理について説明した。第2の実施形態では、制御装置200は、フェーダに割り当てるチャンネルとして仮想制御チャンネルという概念を用いる。
図9を用いて、第2の実施形態に係る処理について説明する。図9は、第2の実施形態に係る処理の一例を示す概念図である。図9には、第2の実施形態に係る制御装置200が実行する処理についての概要を示している。図9に示すように、制御装置200は、仮想制御チャンネルをフェーダF01、F02及びF03に割り当てる処理を実行する。
第2の実施形態において、仮想制御チャンネルとは、単独もしくは複数のチャンネルに対応した機能を任意に設定可能な仮想的なチャンネルを示す。例えば、図9において、制御装置200が受け付けたDMXチャンネル1は、照明機器PAR01の色情報Rを調整するチャンネルであるとする。また、DMXチャンネル2は、照明機器PAR01の色情報Gを調整するチャンネルであるとする。また、DMXチャンネル3は、照明機器PAR01の色情報Bを調整するチャンネルであるとする。このとき、制御装置200は、DMXチャンネル1から3までの機能を組み合わせることにより、仮想制御チャンネルCH01を設定することができる。すなわち、仮想制御チャンネルCH01は、上記DMXチャンネル1から3の機能を所定の割合で含み、それぞれの機能を実行可能に設定されるチャンネルである。
DMXチャンネル1が照明機器PAR01の色情報Rを調整するチャンネルである場合、DMXチャンネル1とは、言い換えれば、照明機器PAR01の色情報Rを「255」の指数で調整するチャンネルであるといえる。例えば、DMXチャンネル1が100%で出力された場合に、照明機器PAR01の色情報Rは、最大値である「255」の値に制御される。
仮想制御チャンネルでは、このような色の種別情報とともに、色の指数値についても任意に設定可能である。例えば、図9に示すように、仮想制御チャンネルCH01には、色情報Rの指数として「154」が設定され、色情報Gの指数として「205」が設定され、色情報Bの指数として「50」が設定されている。そして、仮想制御チャンネルCH01は、フェーダF01に割り当てられている。
この場合、フェーダF01が100%で出力された場合、制御装置200から送信される制御情報は、照明機器PAR01の色情報Rを「154」に、色情報Gを「205」に、色情報Bを「50」に、それぞれ制御する制御情報となる。このことは、オペレータが、3本のフェーダを用いて、1本目のフェーダを照明機器PAR01の色情報Rを「154」に制御する位置に、2本目のフェーダを照明機器PAR01の色情報Gを「205」に制御する位置に、3本目のフェーダを照明機器PAR01の色情報Bを「50」に制御する位置に動かした場合と、同じ制御情報を照明機器PAR01に送信することを意味する。
すなわち、制御装置200によれば、オペレータは、実際には3本のフェーダを用いて、それぞれのフェーダ位置を調整しなければ作成できない色のバランスを、1本のフェーダのみを操作することのみで実現することができる。制御装置200は、予め、このような複数のチャンネルの機能を組み合わせた仮想制御チャンネルの情報を登録することによって、任意のフェーダに仮想制御チャンネルを割り当てることができる。
なお、仮想制御チャンネルCH02には、色情報Rの指数として「173」が設定され、色情報Gの指数として「216」が設定され、色情報Bの指数として「230」が設定されている。そして、仮想制御チャンネルCH02は、フェーダF02に割り当てられている。また、仮想制御チャンネルCH03には、色情報Rの指数として「221」が設定され、色情報Gの指数として「160」が設定され、色情報Bの指数として「221」が設定されている。そして、仮想制御チャンネルCH03は、フェーダF03に割り当てられている。
この場合も、フェーダF02が100%で出力された場合、制御装置200から送信される制御情報は、照明機器PAR01の色情報Rを「173」に、色情報Gを「216」に、色情報Bを「230」に、それぞれ制御する制御情報となる。また、フェーダF03が100%で出力された場合、制御装置200から送信される制御情報は、照明機器PAR01の色情報Rを「221」に、色情報Gを「160」に、色情報Bを「221」に、それぞれ制御する制御情報となる。なお、照明機器PAR01側は、それぞれ制御情報として受信する色情報の指数値のうち、例えば最大値を採用するといった処理を行い、それぞれの数値に対応する照明の色を作成する。また、フェーダF01、F02又はF03が、それぞれ個別に操作されることにより、照明機器PAR01は、例えば、フェーダF02に割り当てられた仮想制御チャンネルCH02で登録されていた色を作成したり、フェーダF03に割り当てられた仮想制御チャンネルCH03で登録されていた色を作成したりすることができる。
このように、制御装置200は、一つのフェーダに設定するチャンネルとして、一つの機能をもたせた通常のチャンネルではなく、複数のチャンネルの制御情報を組み合わせた仮想的なチャンネルを割り当てることができる。これにより、制御装置200は、オペレータが所望するバランスの色を出力するような制御情報を簡単に生成することができる。また、オペレータは、一度作成した色のバランスを制御装置200に登録しておくことにより、任意のタイミングで、所望する色のバランスを呼び出すことができる。このため、オペレータは、過去に作成した色のバランスを簡単に再現することができる。
なお、上記例では、仮想制御チャンネルに色情報を登録する例を示したが、仮想制御チャンネルに登録する機能は、色情報に限られない。すなわち、制御装置200は、第1の実施形態で説明したような、単独又は複数の機能(言い換えれば、単独又は複数のチャンネル)を任意のフェーダに割り当てる処理も含めて、仮想制御チャンネルという概念を用いた、柔軟な機能の割り当て処理を実現する。例えば、仮想制御チャンネルには、色情報を調整するDMXチャンネルに対応する機能とともに、動作情報(ズームやパンやチルトなど)を調整するDMXチャンネルに対応する機能が組み合わされるなど、任意の設定を行うことができる。この場合、オペレータは、複数の機能が組み合された仮想制御チャンネルが割り当てられた1本のフェーダを操作するのみで、複数の機能を種々に組み合せた態様で照明機器を制御させることができる。
上述してきたような制御を行う制御装置200について、以下に詳細に説明する。なお、第1の実施形態と共通する内容については、説明を省略する。
〔制御装置の構成例〕
まず、図10を用いて、第2の実施形態に係る制御装置200の機能構成の一例を説明する。図10は、第2の実施形態に係る制御装置200の機能構成の一例を示すブロック図である。図10に示すように、第2の実施形態に係る制御装置200は、第1の実施形態に係る制御装置100に対して、色情報記憶部222と、チャンネル割当記憶部223と、色情報登録部253とを、さらに有する。
色情報記憶部222は、仮想制御チャンネルに対応する色情報を記憶する。ここで、図11に、第2の実施形態に係る色情報記憶部222の一例を示す。図11は、第2の実施形態に係る色情報記憶部222に登録される情報の一例を示す図である。図11に示すように、色情報記憶部222に登録される情報には、「色情報ID」、「色情報」といった項目が含まれ、さらに「色情報」には、「種別」、「指数」といった小項目が含まれる。
「色情報ID」は、作成された色情報を識別する識別情報を示す。「色情報」は、作成された色情報を示す。色情報は、「種別」と「指数」とによって特定される。「種別」は、色の種別を示す。色の種別とは、例えば、RGB等である。なお、色の種別は、CMYK(Cyan Magenta Yellow Key Plate)であってもよい。「指数」は、各色の強さの指標値となる数値を示す。
すなわち、図11に示す例では、色情報ID「M01」で識別される色情報は、種別が「R」であり、指数が「154」である色情報と、種別が「G」であり、指数が「205」である色情報と、種別が「B」であり、指数が「50」である色情報と、を組み合わせた色情報であることを示している。なお、色情報記憶部222には、色情報のみならず、色情報に対応する照明機器の識別情報等が記憶されてもよい。例えば、色情報と照明機器とを対応付けて記憶することにより、制御装置200は、より正確に色情報を再現することができる。すなわち、登録された色情報とは、仮想制御チャンネルの設定の一例と言い換えることもできる。
次に、チャンネル割当記憶部223について説明する。図12に、第2の実施形態に係るチャンネル割当記憶部223の一例を示す。図12は、第2の実施形態に係るチャンネル割当記憶部223に登録される情報の一例を示す図である。図12に示すように、チャンネル割当記憶部223に登録される情報には、「フェーダID」、「仮想制御チャンネル」、「制御する照明機器」、「機能」といった項目が含まれる。
「フェーダID」は、フェーダを識別する識別情報を示す。「仮想制御チャンネル」は、フェーダに割り当てられる仮想制御チャンネルの数値を示す。「制御する照明機器」は、仮想制御チャンネルによって制御する照明機器を示す。「機能」は、仮想制御チャンネルに設定された機能を示す。なお、仮想制御チャンネルに設定される機能は、色情報のみならず、例えば、ズーム機能(Z)等であってもよい。
すなわち、図12に示す例では、フェーダID「F01」には、仮想制御チャンネル「CH01」が割り当てられている例を示している。そして、仮想制御チャンネルCH01で実際に制御する照明機器は「R01」であり、その機能は、色調整機能であり、具体的には、Rが「154」、Gが「205」、Bが「50」で組み合わされた色に照明を調整する機能であることを示している。
図10に戻り、説明を続ける。色情報登録部253は、色情報を登録する。例えば、色情報登録部253は、オペレータから色の作成の要求を受け付けた場合に、所定のGUI(Graphical User Interface)を提供する。そして、色情報登録部253は、GUIを介して、オペレータから色情報の登録を受け付ける。具体的には、色情報登録部253は、色の種別と指数値とを組み合わせた情報の入力を受け付け、受け付けた情報によって作成された色情報を色情報記憶部222に登録する。なお、第2の実施形態では、割当部152も、上記のGUIを用いて、仮想制御チャンネルへの割り当て処理の要求を受け付けるようにしてもよい。
ここで、図13及び図14を用いて、制御装置200が提供するGUIについて説明する。図13は、第2の実施形態に係る処理の一例を説明する図(1)である。図13では、制御装置200に係る表示部130が、色情報を含む、仮想制御チャンネルに関する機能を設定するGUIを表示する例を示している。
図13に示す例では、所定の照明機器において、実際の照明機器の制御チャンネルと、仮想制御チャンネルとを対応付ける処理について説明する。例えば、図13に示す例において、所定の照明機器は、6チャンネル分の制御情報を有する照明機器であるとする。この場合、通常であれば、チャンネル1からチャンネル6までを用いて、照明機器を制御することになる。例えば、制御チャンネル表170が示すように、当該照明機器には、RGBのそれぞれの色調整や、ズーム(Zoom)、ストロボ(Strobe)、カーブ(Curve)等の操作調整に関する機能が、各チャンネルに割り当てられている。
ここで、制御装置200は、任意のチャンネルを仮想制御チャンネルとして割り当てることができるため、必ずしも1から6までの制御チャンネルを利用することを要しない。例えば、図13の仮想制御チャンネル表171に示すように、制御装置200は、仮想制御チャンネルとして、R、G、Bのそれぞれの色情報を調整する機能を1から3の仮想制御チャンネルに割り当て、ズーム等の機能を仮想制御チャンネルに割り当てないような処理を行うことができる。このようなチャンネルの割り当て処理については、第1の実施形態で説明した処理と同様である。
続いて、図14を用いて、仮想制御チャンネルの割り当て処理と、色情報の登録処理について説明する。図14は、第2の実施形態に係る処理の一例を説明する図(2)である。図14に示すように、色情報登録部253は、オペレータの操作に従って、色情報作成表172を提供して、オペレータが所望する色情報を作成することができる。例えば、色情報登録部253は、オペレータがRGBのそれぞれの指数を調整したり、明るさを調整したりする操作を受け付ける。そして、色情報登録部253は、オペレータが色情報の登録を要求した場合に、当該色情報に対する情報を色情報記憶部222に登録する。
さらに、割当部152は、登録された色情報の登録を受け付ける。図14の仮想制御チャンネル表171が示すように、例えば、割当部152は、仮想制御チャンネル4〜7に、新たに作成された色情報(図14では、「Mix Color」と表示される)の割り当てを受け付ける。この場合、割当部152は、仮想制御チャンネル1に対応するフェーダには、照明機器のRの色情報を調整する機能を割り当てる。一方で、割当部152は、仮想制御チャンネル4に対応するフェーダには、照明機器のRGBについて、予め登録された色のバランスで調整する機能を割り当てる。このように、制御装置200は、オペレータが視覚的に色情報の登録や、仮想制御チャンネルの割り当てを行い易いGUIを提供する。これにより、制御装置200は、オペレータの操作性を向上させることができる。
さらに、制御装置200は、選択する照明機器を示すGUIを提供してもよい。この点について、図15を用いて説明する。図15は、第2の実施形態に係る処理の一例を説明する図(3)である。図15は、制御装置200によって制御される照明機器を模式的に平面図として表示した例を示している。
例えば、図15では、「UH1」〜「UH3」、「SL1」〜「SL3」で示される各バトン装置のそれぞれにDMXノードが設置されており、各DMXノードが8つのポートを有する例について記載するものとする。
図15に示すように、表示部130は、予め登録された各DMXノードの設置位置を模式的に示す画面を表示する。例えば、表示部130は、予め登録された照明機器に対応するポートを特定することで、かかるGUIを作成する。表示部130は、例えば、オペレータの指T01が、照明機器PAR01が接続されたポートを模式的に示す位置を選択した場合は、照明機器PAR01について仮想制御チャンネルの設定を行う、図13及び図14で示した画面に表示を遷移させる。これにより、制御装置200を扱うオペレータは、視覚的に照明機器に関する仮想制御チャンネルの割り当てを行うことができるので、効率良く照明機器の制御に関する設定を行うことができる。
次に、制御装置200が、仮想制御チャンネルを設定する処理、及び、仮想制御チャンネルを割り当てる処理のフローについて説明する。図16は、第2の実施形態に係る制御装置200の処理の一例を説明するフローチャート(1)である。
図16に示すように、制御装置200は、仮想制御チャンネルの設定の要求を受け付ける(ステップS201)。これを受けて、制御装置200は、仮想制御チャンネルの設定を行うためのGUIを提供する(ステップS202)。そして、制御装置200は、GUIを介して、仮想制御チャンネルの設定を受け付ける。続いて、制御装置200は、設定された仮想制御チャンネルに関する情報を所定の記憶部に登録する(ステップS203)。
次に、図17を用いて、登録された仮想制御チャンネルをフェーダに割り当てる処理のフローについて説明する。図17は、第2の実施形態に係る制御装置200の処理の一例を説明するフローチャート(2)である。
図17に示すように、制御装置200は、仮想制御チャンネルの設定の読み出しを受け付ける(ステップS301)。そして、制御装置200は、登録されていた仮想制御チャンネルの設定情報を読み出す(ステップS302)。続いて、制御装置200は、フェーダへの仮想制御チャンネルの割当を受け付ける(ステップS303)。これにより、制御装置200は、各フェーダにおいて、仮想制御チャンネルに設定された機能を実行することができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。また、これらの実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。