JP2020133136A - 法面の凍上防止方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】法枠が設置された地山に凍上が生じることを防止する法面の凍上防止方法を提供する。【解決手段】法枠1間の隙間(或いは法枠1の桝目)に(断熱性の良好な材料製の)保温用プレート2(例えば,発泡スチロールのプレート,発泡ビーズのプレート等)を配置し,保温用プレート2に裏面排水材R2を載置し,アンカー3(例えばプレート付きアンカー)を打設し,吹付土4(例えば,連続繊維補強土)により,法枠1,保温用プレート2,裏面排水材R2,アンカー3を被覆し,前記アンカー3は吹付土4を保持する保持具3Aを有している。【選択図】図2

Description

本発明は,斜面に設置される法枠等の補強部材が寒冷地等で凍上してしまうことを防止する技術に関する。
例えば寒冷地において冷気が地山に侵入してしまうと,地山内の水が凍結し,地山の凍結凍上が生じてしまうことが良く知られている。
その様な凍上が発生すると,地山法面に例えば法枠を設置して補強する工事を施工しても,凍上により法枠が破損する恐れがある。
凍上による法枠の破損防止の為,法枠工に法枠内緑化工法を組み合わせて施工する事例が存在するが,寒冷地等では緑化しても地山に冷気が侵入して,凍上が生じてしまう。
その他の従来技術として,凍上による法枠の変形を防止するための装置が提案されている(特許文献1参照)。
しかし,上述した様に法枠を施工したのり面の凍上を防止することは意図してはいない。
特開2005−23553号公報
本発明は上述した従来技術の問題点に鑑みて提案されたものであり,法枠が設置された地山に凍上が生じることを防止する法面の凍上防止方法の提供を目的としている。
本発明の法面の凍上防止方法は,
法枠(1)間の隙間(或いは法枠1の桝目)に(断熱性の良好な材料製の)保温用プレート(2:例えば,発泡スチロールのプレート,発泡ビーズのプレート等)を配置し,
保温用プレート(2)に裏面排水材(R2)を載置し,
アンカー(3:例えばプレート付きアンカー)を打設し,
吹付土(4:例えば,連続繊維補強土)により,法枠(1),保温用プレート(2),裏面排水材(R2),アンカー(3)を被覆し,
前記アンカー(3)は吹付土(4)を保持する部材(3A)を有することを特徴としている。
本発明において,前記裏面排水材(R2)はピンにより保温用プレート(2)に固定されるのが好ましい。或いは,接着剤により,前記裏面排水材(R2)を保温用プレート(2)に固定することが可能である。
また本発明において,前記アンカー(3)の長手方向寸法は,保温用プレート(2)及び吹付土(4)を地山(G)で保持するのに必要な地中側の長さ(Lg)と,保温用プレートの厚さ(Lt)及び吹付土(4)の吹付厚さを加算した長さ以上であることが好ましい。
また本発明において,複数の前記アンカー(3)の頭部を鉄筋(5)と締結するのが好ましい。
そして,前記アンカー(3)は,法枠(1)で包囲された空間(法面の桝目)毎に2本以上打設されているのが好ましい。
これに加えて本発明において,吹付土(4:例えば,連続繊維補強土)で法枠(1),保温用プレート(2),裏面排水材(R1,R2),アンカー(3)を被覆した上方の領域(地山Gから離隔した側の領域)に金網(6)を敷設し,植生材料(7:植生マット)で被覆することが出来る。
上述の構成を具備する本発明によれば,断熱性の高い保温用プレート(2)を法枠(1)間の隙間(或いは法枠1の桝目)に配置しているので,寒冷地で気温が低下しても,冷気は保温用プレート(2)で遮断されるので地山(G)に伝達されない。
そのため,地山(G)内の水が凍結してしまうことがなく,凍上が防止される。
ここで,法枠(1)間の隙間(或いは法枠1の桝目)に保温用プレート(2)を単に配置しただけでは,保温用プレート(2)が地山(G)法面から剥離して,落下或いは滑落してしまう可能性があるので,保温用プレート(2)を地山(G)法面に強固に取り付ける必要がある。
本発明によれば,保温用プレート(2)に裏面排水材(R2)を載置し,吹付土(4)により法枠(1),保温用プレート(2),裏面排水材(R2),アンカー(3)を被覆することにより,法枠(1),保温用プレート(2),裏面排水材(R2),アンカー(3)が一体化して,地山(G)に固定される。
それに加えて,吹付土(4)を地山(G)に押え付ける部材を有するアンカー(3:例えばプレート付きアンカー)が保温用プレート(2)を貫通して打設されるので,当該アンカー(3)の吹付土(4)を保持する部材(3A:プレート付きアンカー3におけるプレート)により,吹付土(4)に被覆された保温用プレート(2)が地山(G)に保持されるので,保温用プレート(2)を地山(G)法面に固定することが出来る。
さらに本発明において,吹付土(4)として連続繊維補強土を用いた場合には,繊維と砂が混合された吹付土(4)に前記アンカー(3:例えばプレート付きアンカー)が絡むことで一体化して,地山(G)に固定される。特に,裏面排水材(R2)をピンによって保温用プレート(2)に固定すれば,当該ピンに繊維が絡み付いて,裏面排水材(R2)と連続繊維補強土が一体化され易い。
これに加えて,吹付土(4)として連続繊維補強土を用いた場合には,連続繊維補強土は断熱性が良好であり,且つ,例えば発泡スチロール,発泡ビーズ等で構成された保温用プレート(2)も断熱性が良好なので,連続繊維補強土(4)と保温用プレート(2)で被覆された地山(G)には冷気が伝達されず,凍上が防止される。
本発明において水抜きパイプ(8)を配置すれば,地山Gに滞留した水を保温用プレート(2)の隙間や連続繊維補強土(4)から排水することが出来るので,凍上の原因となる土中の水を効果的に排水することが出来る。
本発明において,複数の前記アンカー(3)の頭部を延在する鉄筋(5)と締結すれば,複数のアンカー(3)を一体化して,保温用プレート(2)が地山(G)から剥がれ落ちてしまう可能性を更に低減することが出来る。
また本発明において,前記アンカー(3)の寸法を,保温用プレート(2)及び吹付土(4)を地山(G)に保持するのに必要な長さ(Lg)と,保温用プレート(2)の厚さ(Lt)と吹付土(4)の厚さを加算した長さにすれば,吹付土(4)及び保温用プレート(2)を地山(G)で確実に保持・固定することが出来る。
本発明の実施形態の概要を示す説明図である。 実施形態の要部を示す説明断面図である。 実施形態の効果を示す特性図である。 実施形態の平面図である。 実施形態において,法枠及び保温用プレートを植生マットで被覆した状態を示す説明断面図である。 実施形態における鉄筋の配置を例示した説明図である。 実施形態の施工手順を示すフローチャートである。
以下,添付図面を参照して,本発明の実施形態について説明する。
最初に図1を参照して,本発明の実施形態の概要を説明する。
図示の実施形態では,図1で示す様に,法面(図1では図示せず)には法枠1が配置され,法枠1間の空間或いは法枠1の桝目の各々には,断熱性の良好な保温用プレート2が配置されている。図示はされていないが,実施形態においては,保温性プレート2を構成する材料として,断熱性が良好で,軽量で,安価な発泡スチロール(EPS)や発泡ビーズ等を選択している。
断熱性の良好な(断熱性の高い)保温用プレート2を法枠1間の隙間(或いは法枠1の桝目)に配置して法面を被覆することにより,寒冷地で気温が低下しても,冷気は保温用プレート2で遮断されるので地山に伝達されない。そして,地山内の水が凍結してしまうことが防止され,凍上が防止される。
ここで,法枠1間の隙間(或いは法枠1の桝目)に保温用プレート2を単に載置するのみでは,保温用プレート2が地山法面から剥離して,落下或いは滑落してしまう可能性があるので,保温用プレート2を地山法面に強固に取り付ける必要がある。
保温用プレート2を地山法面に強固に取り付ける態様について,図2以下を参照して説明する。
次に図2を参照して,図示の実施形態についてさらに詳細に説明する。
図2において,地山Gの法面には法枠1が設置されており,図1で示す様に,法枠1の間(法枠1の枡目)の各々には,保温用プレート2が配置されている。
上述した様に,図示の実施形態において,保温用プレート2は例えば発泡スチロール(EPS),発泡ビーズ等で構成されている。ただし,軽量且つ断熱性が良好な素材であれば,発泡スチロール,発泡ビーズ等に限定せず,他の材料で保温用プレートを製造しても良い。ここで,発泡スチロールは安価であり,コスト面から好適である。
保温用プレート2には裏面排水材R2が載置されており,図示はされていないが,複数のピンが裏面排水材R2を貫通し以て裏面排水材R2を保温用プレート2に固定している。但し,裏面排水材R2を保温用プレート2に取り付ける手段はピンに限定される訳ではなく,接着剤等を用いることも可能である。そして,法枠1には裏面排水材R1が固定されている。
図2において,法枠1,保温用プレート2,裏面排水材R1,R2は,吹付土である連続繊維補強土4により被覆されている。
連続繊維補強土4は,連続した繊維(長い繊維)と砂質土を混合した補強土であり,砂粒子と連続繊維との摩擦により擬似的な粘着力が付与されるため,連続繊維補強土で被覆された部材と一体化して地山を補強する。図示の実施形態において,吹き付け装置で連続繊維補強土4を吹き付けることにより,吹き付けられた連続繊維補強土4は被覆された部材等(例えば実施形態における法枠1,保温用プレート2,裏面排水材R1,R2)と一体化して地山Gに固定される。
図示の実施形態によれば,連続繊維補強土4は断熱性が良好であり,且つ,保温用プレート2も断熱性が良好なので,寒冷地で気温が低下しても,連続繊維補強土4と保温用プレート2で被覆された地山Gには冷気が伝達されず,地山G内の水が凍結せず,凍上が防止される。
また,保温用プレート2の材質として,耐光性が弱く劣化する材料が選択されていたいとしても,連続繊維補強土4を吹き付けて保温用プレート2を被覆することにより,太陽光等からプレート2の表面を保護することが出来る。
さらに,プレート付きアンカー3を打設することにより,連続繊維補強土4,法枠1,保温用プレート2,裏面排水材R1,R2,プレート付きアンカー3,地山Gが一体化するので,保温用プレート2が法面から滑落する恐れを抑制することが出来る。
ここで,法枠1,保温用プレート2,裏面排水材R1,R2を被覆するのに,コンクリート等の固化材を吹き付けることも可能である。ただし,コンクリートは割れてしまう恐れがあり,繊維に比較して断熱性が低いので,連続繊維補強土4を吹き付けることが望ましい。
プレート付きアンカー3は,頭部近傍に保持具(保持用プレート)3Aを備えており,連続繊維補強土4及び保温用プレート2を地山法面に強固に固定している。換言すれば,保温用プレート2は裏面排水材R2と共に連続繊維補強土4で被覆されることに加えて,プレート付きアンカー3で連続繊維補強土4を地山法面に強固に固定されることにより,滑落等をすることなく地山法面に固定される。ここで,プレート付きアンカー3は,連続繊維補強土4の繊維と絡まり連続繊維補強土4を地山に保持する機能を有する板状(プレート状)の保持具3Aを備えたアンカーを意味している。ただし,連続繊維補強土4を保持するアンカーはプレート付きアンカー3には限定されない。連続繊維補強土4を地山に保持する機能を有する部材を設けたアンカーであれば,全て適用可能である。
図2において,プレート付きアンカー3の長さ寸法(長手方向長さ)は,保温用プレート2,裏面排水材R2,連続繊維を含有する材料(例えば連続繊維補強土4:吹付土の一例)を地山Gに保持するのに必要な地中側の長さLg(地山挿入部分の長さLg)と,保温用プレート2の厚さLtと,連続繊維補強土4の厚さを加算した長さ,或いは当該加算した長さ以上の長さである。
プレート付きアンカー3の長さをその様に設定すれば,保温用プレート(2)及び連続繊維を含有する材料(連続繊維補強土4),裏面排水材R2を地山Gに保持することが出来る。
図2で示す様に,図示の実施形態ではプレート付きアンカー3の頭部には鉄筋5と締結するための締結部3Bが設けられており,締結部3Bは,地山法面の傾斜に沿って縦方向(地山の上下方向:図4の矢印V方向)に延在する鉄筋5を保持している。明示されてはいないが,締結部3Bには従来公知の構成を採用することが出来る。例えば鉄筋を保持する公知の部材をプレート付きアンカー3にボルトによって固定し,前記公知の部材により鉄筋5を保持することにより,鉄筋5をプレート付きアンカー3の頭部に保持することが出来る。そして図4で示す様に,複数のプレート付きアンカー3が鉄筋5と締結される。
図4で示す様に,図示の実施形態においては,法枠1の同一桝目に打設された2本のプレート付きアンカー3の各々は,異なる鉄筋5とそれぞれ締結されている。
地山法面の傾斜に沿って延在する複数のアンカー3を鉄筋5で締結することにより,複数のアンカー3を一体化して,保温用プレート2が地山Gから剥がれ落ちてしまうことが更に抑制される。
それと共に,複数のプレート付きアンカー3の頭部を鉄筋5と締結することにより,連続繊維補強土4を吹き付けた際に,プレート付きアンカー3の保持具3A,締結部3B,鉄筋5に連続繊維が絡み付き,地山Gと保温用プレート2,法枠1,裏面排水材R1,R2が強固に一体化する。
ここで,図2,図4では鉄筋5を地山法面の傾斜に沿って延在しているが,図6(A)で示す様に,鉄筋5が地山法面の水平方向(横方向,H方向)に延在する様に配置させることも可能である。
或いは図6(B)で示す様に,地山Gの傾斜に沿った縦方向(地山Gの上下方向:矢印V方向)及び地山法面の水平方向(横方向:矢印H方向)の双方に延在する様に,鉄筋を配置して,鉄筋5の配策密度が高くすることも可能である。
ただし,地山Gには不陸があるため,図6(C)で示す様に鉄筋5を斜め方向に配置することは不都合である。
図示はされていないが,プレート付きアンカー3の頭部を鉄筋5と締結しなくても良い。その場合であっても,プレート付きアンカー3により連続繊維補強土4は地山Gに強固に保持される。
図2において,地山Gに滞留した水を保温用プレート2の表面側(地山表面から離隔した側)の領域に排出するため,水抜きパイプ8が,保温用プレート2を貫通して地山Gに埋設されている。
保温用プレート2として発泡スチロールを使用した場合,発泡スチロールには透水性がないため,地山に滞留した水が保温用プレート2と地山Gの境界に回り込み,保温用プレート2が地山Gから剥離する恐れがある。水抜きパイプ8で地山Gに滞留した水を連続繊維補強土4の表面側(地山表面から離隔した側)に排水することにより,保温用プレート2が地山Gから剥離するのを防止することが出来る。ここで,水抜きパイプ8を水平方向より下側に位置させることにより,重力により水が効率的に排出される。
裏面排水材R2に加えて水抜きパイプ8を配置することにより,排水が一層良好に行われる。
図3は,法枠が設置された地山において,積雪後の最低気温時の深度と地山温度との関係を示している。図3において,縦軸は地山Gの表面(深度0)からの深度(m:符号がマイナス)或いは高度(m:符号がプラス)を示し,横軸は温度(℃)を示す。連続繊維補強土4(GF)の上面(法面から離隔した側)は地山Gの表面よりも約0.5m上方となる(高度0.5m)。
特性曲線A,B(図示の実施形態を適用した場合の温度特性)において,地山温度(深度0より深い地点の温度)は氷点下よりも高温であり,そのため,凍上が防止される。なお,特性曲線Aと特性曲線Bとでは,使用した連続繊維補強土4の種類が異なっている。
一方,特性曲線Cは植生マット(植生土のう)のみを法面に被覆した場合を示しており,地山温度が氷点下であり,凍上が生じる可能性を示している。このことから,図示の実施形態を適用した場合(特性曲線A,B)は,適用していない場合(特性曲線C)に比較して,凍上が防止されることが明らかである。
複数のアンカー3を鉄筋5で締結した状態が示されている図4において,法枠1の各々の桝目内に,プレート付きアンカー3が2本打設されている。換言すれば,法枠1の各桝目内の保温用プレート2は2本のプレート付きアンカー3で支持,固定されている。
ただし,実施形態に係る法面の凍上防止方法(凍上対策)を実施する地山Gが平面に近い位にフラットな法面であれば,法枠1の各桝目について1本のプレート付きアンカー3のみを用いることも可能である。
ここで,法枠1の各桝目に3本以上のプレート付きアンカー3を打設することも可能である。しかし,各桝目に3本以上のプレート付きアンカー3を打設すると,その後の各種作業(緑化その他の作業)に際して,作業者の足許で邪魔になり,作業効率が低下した。
また,図示はされていないが,プレート付きアンカー3の頭部の形状を複雑にした場合においても,各種作業の際に作業員の足許で邪魔になる恐れがある。
図示の実施形態において,図5で示す様に,連続繊維補強土4(連続繊維を含有する材料)で法枠1,保温用プレート2,裏面排水材R1,R2,プレート付きアンカー3,鉄筋5を被覆した状態(図2の状態)から,金網6及び植生材料7(例えば,植生マット)で被覆することが可能である。
金網6及び植生材料7で被覆することにより,植生材料7から生育した植物の根により,法枠1,保温用プレート2,裏面排水材R1,R2,アンカー3がより確実に地山Gに固定される。また,植生材料7及び植物により,冷気が地山Gに更に侵入し難くなるからである。さらに,金網6を敷設することにより,植生材料7が法面に保持され易くなる。
次に図7を主に参照して,図示の実施形態の施工手順を説明する。
図7において,ステップS1では,法面の凍上防止方法を施工する地山Gに法枠1を設置する。そしてステップS2に進む。
ステップS2では,法枠1の間(法枠1の枡目)に保温用プレート2を設置する。保温用プレート2は,法枠1の間(法枠1の枡目)のそれぞれに設置する。
次のステップS3では裏面排水材R2を保温プレート2上に載置すると共に,裏面排水材R1を法枠1上に載置する。そして,図示しない複数のピンで裏面排水材R2を貫通して,裏面排水材R2を保温プレート2上に固定する(ステップS4)。
ここで,裏面排水材R2を保温プレート2上に固定する手法は,ピンに限定される訳ではない。例えば,裏面排水材R2の保温プレート2側の面に接着剤を塗布することにより,裏面排水材R2を保温プレート上に固定することも出来る。裏面排水材R1を法枠1上に固定する場合も同様である。そしてステップS5に進む。
ステップS5では,プレート付きアンカー3を地山Gの法面に打設する。
プレート付きアンカー3を地山Gの法面に打設することにより,連続繊維補強土4(後述のステップS7で吹き付けられる),保温用プレート2,裏面排水材R1,R2,地山Gが一体化する。そしてステップS6に進む。
ステップS6では,複数のプレート付きアンカー3の頭部を鉄筋5(図2参照)と締結する。ここで,鉄筋5は,例えば地山法面の傾斜に沿って縦方向(地山の上下方向:図4の矢印V方向)に延在する(図4参照)。そしてステップS7に進む。
ステップS7では,法枠1,保温プレート2,裏面排水材R1,R2,プレート付きアンカー3に連続繊維補強土4を吹き付けて,連続繊維補強土4により被覆する。そしてステップS8に進む。
ステップS8では,金網6を敷設する。換言すれば,連続繊維補強土4で法枠1,保温用プレート2,裏面排水材R1,R2,鉄筋5を被覆した上方の領域(地山Gから離隔した側の領域)に金網6を敷設する。
ステップS8に続くステップS9では,植生材料7(例えば植生マット)で被覆する。
図7において,ステップS7のプレート付きアンカー3の頭部を鉄筋5と締結する工程,ステップS8の金網6を敷設する工程,ステップS9の植生材料7で被覆する工程については,それぞれ省略することも可能である。
図示の実施形態によれば,寒冷地で気温が低下しても,冷気は保温用プレート2で遮断され,地山Gに伝達されない。そのため,地山G内の水が凍結してしまうことがなく,凍上が防止される。
また上述した様に,連続繊維補強土4,保温用プレート2,裏面排水材R1,R2,地山Gは,プレート付きアンカー3を打設することにより一体化する。しかも連続繊維補強土4は断熱性が良好なので,連続繊維補強土4と保温用プレート2で被覆された地山Gには冷気が伝達されず,凍上が防止される。
さらに,プレート付きアンカー3を打設することにより,連続繊維補強土4で一体化することに加えて,保温用プレート2を地山G法面に強固に固定することが出来る。そのため,保温用プレート2が地山Gから剥離してしまうことが防止される。
それに加えて図示の実施形態によれば,複数のプレート付きアンカー3の頭部を延在する鉄筋5と締結しているので,複数のアンカー3が一体化される。そのため,保温用プレート2が地山Gから剥がれ落ちてしまう可能性が,更に低減する。
また,プレート付きアンカー3により連続繊維補強土4を地山Gに保持することが出来ると共に,地中側の領域(長さLgの領域)により,保温用プレート2及び連続繊維を含有する材料4を地山Gに保持することが出来る。
図示の実施形態はあくまでも例示であり,本発明の技術的範囲を限定する趣旨の記述ではないことを付記する。
例えば,連続繊維を含有する材料4以外の吹付土を用いることも可能である。
1・・・法枠
2・・・保温用プレート
3・・・アンカー(プレート付きアンカー)
3A・・・保持具(プレート付きアンカーにおける保持用プレート)
4・・・連続繊維補強土
5・・・鉄筋
6・・・金網
7・・・植生材料(植生マット)
G・・・地山

Claims (3)

  1. 法枠間の隙間に保温用プレートを配置し,
    保温用プレートに裏面排水材を載置し,
    アンカーを打設し,
    吹付土により,法枠,保温用プレート,裏面排水材,アンカーを被覆し,
    前記アンカーは吹付土を保持する部材を有することを特徴とする法面の凍上防止方法。
  2. 複数の前記アンカーの頭部を鉄筋と締結する請求項1に記載の法面の凍上防止方法。
  3. 吹付土で法枠,裏面排水材,アンカー,保温用プレートを被覆した上方の領域に金網を敷設し,植生材料で被覆する請求項1,2の何れかに記載の法面の凍上防止方法。
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