JP2020132465A - 酸化イリジウムの製造方法および酸化イリジウム - Google Patents
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Abstract
【課題】より大きい比表面積を有する酸化イリジウムの製造方法を提供すること。【解決手段】本発明の酸化イリジウムの製造方法は、アンモニア水を用いて、ヘキサクロロイリジウム酸(H2[IrCl6])またはその塩を加水分解する加水分解工程と、過剰量の硝酸塩を加えて加熱乾固する加熱乾固工程とを有する。前記ヘキサクロロイリジウム酸の塩は、ナトリウム塩またはカリウム塩であるのが好ましい。前記硝酸塩は、ナトリウム塩またはカリウム塩であるのが好ましい。前記加水分解工程における前記アンモニアの使用量が、前記ヘキサクロロイリジウム酸またはその塩に対して、50当量以上100当量以下であるのが好ましい。【選択図】図1
Description
本発明は、酸化イリジウムの製造方法および酸化イリジウムに関する。
酸化イリジウムは、水の酸化触媒の他、電気メッキ、電気合成および電解採取等を行う際のアノード電極、ならびに電気化学センサ等の電極材料として幅広く利用されている。
イリジウムは希少金属であるため、大きい比表面積を有する酸化イリジウムの合成が期待されている。
酸化イリジウムの製造方法としては、例えば、水酸化物を用いた沈殿法が知られている(例えば、特許文献1)。この方法では、H2IrCl6、K2IrCl6または(NH3)2IrCl6等の可溶性のIr塩を所定の割合で溶解した水溶液を70〜80℃に加温した後、NaOH等のアルカリ溶液で中和し、水酸化物Ir(OH)4を沈殿させ、さらに、その後脱水することによりIrO2を得ている。
しかしながら、従来の方法で得られる酸化イリジウムは、BET(Brunauer-Emmett-Teller)比表面積が40〜100m2/gと小さく、触媒としても十分満足できるものではなかった。
本発明の目的は、より大きい比表面積を有する酸化イリジウムの製造方法を提供すること、および、より大きい比表面積を有する酸化イリジウムを提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(10)に記載の本発明により達成される。
(1) アンモニア水を用いて、ヘキサクロロイリジウム酸(H2[IrCl6])またはその塩を加水分解する加水分解工程と、過剰量の硝酸塩を加えて加熱乾固する加熱乾固工程とを有することを特徴とする酸化イリジウムの製造方法。
(1) アンモニア水を用いて、ヘキサクロロイリジウム酸(H2[IrCl6])またはその塩を加水分解する加水分解工程と、過剰量の硝酸塩を加えて加熱乾固する加熱乾固工程とを有することを特徴とする酸化イリジウムの製造方法。
(2) 前記ヘキサクロロイリジウム酸の塩がナトリウム塩またはカリウム塩である上記(1)に記載の酸化イリジウムの製造方法。
(3) 前記硝酸塩がナトリウム塩またはカリウム塩である上記(1)または(2)に記載の酸化イリジウムの製造方法。
(4) 前記加水分解工程におけるアンモニアの使用量が、前記ヘキサクロロイリジウム酸またはその塩に対して、50当量以上100当量以下である上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の酸化イリジウムの製造方法。
(5) 前記加熱乾固工程における加熱温度が350℃以上500℃以下である上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の酸化イリジウムの製造方法。
(6) 150m2/g以上の比表面積を有することを特徴とする酸化イリジウム。
(6) 150m2/g以上の比表面積を有することを特徴とする酸化イリジウム。
(7) 粉末状であり、該粉末の平均粒径が100μm以上500μm以下である上記(6)に記載の酸化イリジウム。
(8) 平均細孔径が2.3nm以上4.0nm以下である上記(6)または(7)に記載の酸化イリジウム。
(9) 細孔体積が0.10cm3/g以上0.30cm3/g以下である上記(6)ないし(8)のいずれかに記載の酸化イリジウム。
(10) メソポーラス構造を有する上記(6)ないし(9)のいずれかに記載の酸化イリジウム。
本発明によれば、より大きい比表面積を有する酸化イリジウムの製造方法を提供すること、および、より大きい比表面積を有する酸化イリジウムを提供することができる。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
[酸化イリジウムの製造方法]
まず、本発明の酸化イリジウムの製造方法について説明する。
本発明の酸化イリジウムの製造方法は、アンモニア水を用いて、ヘキサクロロイリジウム酸(H2[IrCl6])またはその塩(以下、ヘキサクロロイリジウム酸(H2[IrCl6])およびその塩を「ヘキサクロロイリジウム酸類」と総称する)を加水分解する加水分解工程と、過剰量の硝酸塩を加えて加熱乾固する加熱乾固工程とを有する。
必要に応じて、その他の工程を有してもよい。
[酸化イリジウムの製造方法]
まず、本発明の酸化イリジウムの製造方法について説明する。
本発明の酸化イリジウムの製造方法は、アンモニア水を用いて、ヘキサクロロイリジウム酸(H2[IrCl6])またはその塩(以下、ヘキサクロロイリジウム酸(H2[IrCl6])およびその塩を「ヘキサクロロイリジウム酸類」と総称する)を加水分解する加水分解工程と、過剰量の硝酸塩を加えて加熱乾固する加熱乾固工程とを有する。
必要に応じて、その他の工程を有してもよい。
本発明によれば、より大きい比表面積を有する酸化イリジウムを製造することができる。なお、より大きい比表面積とは、例えば、150m2/g以上である。
本明細書では、特に断りのない限り、「比表面積」とは、窒素吸着等温線の吸着側の等温線からBET(Brunauer-Emmett-Teller)法により算出されるBET比表面積のことをいう。
なお、BET法による測定方法としては、吸着ガスとして窒素ガスを用いたガス吸着法である定容量式吸着法を採用することができる。BET比表面積は、例えば、マイクロトラック・ベル社製、窒素吸着量測定装置BELSORP−miniを用いた測定により求めることができる。なお、定容量式吸着法には、例えば、クリプトン等の窒素以外の吸着ガスを用いてもよい。
以下、各工程について説明する。
<加水分解工程>
加水分解工程では、アンモニア水を用いて、ヘキサクロロイリジウム酸類を加水分解する。
<加水分解工程>
加水分解工程では、アンモニア水を用いて、ヘキサクロロイリジウム酸類を加水分解する。
加水分解工程では、アンモニア水と、ヘキサクロロイリジウム酸類とを混合することにより、他の配位子と置換して、Ir4+にアンモニウムイオン(NH4 +)が配位する。
ヘキサクロロイリジウム酸の塩としては、特に限定されず、例えば、各種金属塩が挙げられるが、ナトリウム塩(Na2[IrCl6])、カリウム塩(K2[IrCl6])が好ましく、ナトリウム塩がより好ましい。
これにより、ヘキサクロロイリジウム酸に比べて、安定性が優れたものとなり、保存安定性の向上や、保存環境、輸送条件の緩和の観点から好ましい。
なお、本工程では、ヘキサクロロイリジウム酸と、ヘキサクロロイリジウム酸の塩とを併用してもよいし、2種以上のヘキサクロロイリジウム酸の塩を併用してもよい。
また、本工程で用いるヘキサクロロイリジウム酸類は、水和物であってもよい。
アンモニア水と、ヘキサクロロイリジウム酸類との混合方法は、特に限定されず、例えば、アンモニア水にヘキサクロロイリジウム酸類を投入してもよいし、ヘキサクロロイリジウム酸類にアンモニア水を注いでもよい。
アンモニア水と、ヘキサクロロイリジウム酸類との混合方法は、特に限定されず、例えば、アンモニア水にヘキサクロロイリジウム酸類を投入してもよいし、ヘキサクロロイリジウム酸類にアンモニア水を注いでもよい。
また、本工程では、例えば、ヘキサクロロイリジウム酸類を含む溶液と、アンモニア水とを混合してもよい。
アンモニア水としては、例えば、市販のアンモニア水を用いてもよいし、水にアンモニア(NH3)を溶解させて調製したものを用いてもよい。
前記水としては、例えば、蒸留水、イオン交換水等を用いることができる。
前記水としては、例えば、蒸留水、イオン交換水等を用いることができる。
加水分解工程におけるアンモニアの使用量は、ヘキサクロロイリジウム酸類に対して、50当量以上100当量以下であるのが好ましく、50当量以上80当量以下であるのがより好ましく、50当量以上75当量以下であるのがさらに好ましい。
これにより、加水分解反応をより好適に進行させることができるとともに、加水分解反応後の組成物に必要以上のアンモニアが残存することをより効果的に防止することができ、酸化イリジウムの生産コストの低減、省資源等の観点からも有利である。
本工程で用いるアンモニア水の濃度および量は、特に限定されないが、ヘキサクロロイリジウム酸類に対するアンモニアの使用量が前記範囲となるように、適宜設定するのが好ましい。
アンモニア水のpHは、9以上13以下であるのが好ましく、10以上12以下であるのがより好ましい。
これにより、加水分解反応をより効果的に行うことができる。
これにより、加水分解反応をより効果的に行うことができる。
本工程は、アンモニア水を用いて、ヘキサクロロイリジウム酸類を加水分解すればよいが、アンモニア水と、ヘキサクロロイリジウム酸類との混合物(混合液)を攪拌することにより行うのが好ましい。
これにより、ヘキサクロロイリジウム酸類をより確実に溶解させることができるとともに、アンモニアと、ヘキサクロロイリジウム酸類との接触効率を高めることができ、加水分解をより効率よく行うことができる。
攪拌方法は、特に限定されないが、例えば、マグネチックスターラーを用いる方法、攪拌機を用いる方法、手動で攪拌する方法等が挙げられる。
前記混合物(混合液)の温度は、特に限定されないが、0℃以上90℃以下であるのが好ましく、5℃以上50℃以下であるのがより好ましく、10℃以上35℃以下であるのがさらに好ましい。
これにより、加水分解反応をより効率よく進行させることができる。
これにより、加水分解反応をより効率よく進行させることができる。
混合時間(攪拌時間)は、特に限定されないが、5分間以上30分間以下が好ましく、10分間以上20分間以下がより好ましい。
これにより、本工程での処理時間が必要以上に長くなるのを防止しつつ、ヘキサクロロイリジウム酸類をアンモニア水により確実に溶解させることができるとともに、アンモニアと、ヘキサクロロイリジウム酸類との接触効率を高めることができ、加水分解反応をより効率よく行うことができる。
本工程終了時における前記混合液(反応混合物)の最終的なpHは、7.0以上12以下であるのが好ましく、7.5以上10以下であるのがより好ましい。
これにより、加水分解反応をより効果的に行うことができるとともに、本工程の終了時に残存するアンモニアの量が多くなりすぎることをより効果的に防止することができる。
<加熱乾固工程>
加熱乾固工程では、加水分解工程において調製されたヘキサクロロイリジウム酸類とアンモニア水との反応混合物を、過剰量の硝酸塩と混合した上で、加熱乾固する。
加熱乾固工程では、加水分解工程において調製されたヘキサクロロイリジウム酸類とアンモニア水との反応混合物を、過剰量の硝酸塩と混合した上で、加熱乾固する。
これにより、加水分解工程でイリジウムに配位したアンモニウムイオンが脱離するとともに、イリジウムに酸素が結合する。このような反応が生じることにより、好適な形態の空孔を有し、比表面積の大きい酸化イリジウムIrOx(xは正数)が形成されるものと考えられる。
加熱乾固工程では、例えば、前記混合液と過剰量の硝酸塩とを混合する混合工程、混合工程で得られた混合物から溶媒を蒸発させて固体状の酸化イリジウムを得る気化工程、および、得られた固体状の酸化イリジウムを焼成する焼成工程の各工程を行ってもよい。
以下、各工程について説明する。
(添加工程)
添加工程では、前記混合液に過剰量の硝酸塩を加える。
(添加工程)
添加工程では、前記混合液に過剰量の硝酸塩を加える。
本工程で用いる硝酸塩としては、例えば、硝酸の各種金属塩を用いることができるが、ナトリウム塩(硝酸ナトリウム、NaNO3)、カリウム塩(硝酸カリウム、KNO3)が好ましく、ナトリウム塩がより好ましい。
なお、本工程では、2種以上の硝酸塩を併用してもよい。
また、本工程で用いる硝酸塩は、水和物であってもよい。
また、本工程で用いる硝酸塩は、水和物であってもよい。
硝酸塩の添加量は、特に限定されないが、ヘキサクロロイリジウム酸類に対して、10当量以上であるのが好ましく、30当量以上であるのがより好ましく、50当量以上であるのがさらに好ましい。
これにより、目的とする反応をより好適に進行させることができる。
これにより、目的とする反応をより好適に進行させることができる。
加水分解工程で得られた反応混合物との混合に用いる硝酸塩は、固体状態のものであってもよいし、溶液等の液体状態のものであってもよいが、固体状態のものであるのが好ましい。
これにより、後処理での溶媒の除去をより短時間、より少ないエネルギーで行うことができ、酸化イリジウムの生産性や省エネルギーの観点等から有利である。
特に、本工程では、硝酸塩を添加した混合物を攪拌するのが好ましい。
これにより、硝酸塩とアンモニウムイオンが配位したイリジウム錯体との接触効率を高めることができ、反応をより好適に進行させることができる。
これにより、硝酸塩とアンモニウムイオンが配位したイリジウム錯体との接触効率を高めることができ、反応をより好適に進行させることができる。
(気化工程)
気化工程では、前記添加工程で得られた混合物から溶媒(水)を蒸発(気化)させる。
気化工程では、前記添加工程で得られた混合物から溶媒(水)を蒸発(気化)させる。
水を気化させる際の温度は、特に制限はないが、60℃以上100℃以下であるのが好ましく、80℃以上90℃以下であるのがより好ましい。
また、気化工程は、前記添加工程で得られた混合物から溶媒(水)を蒸発(気化)させることができれば、特に制限はなく、例えば、減圧下で行ってもよい。
また、気化工程では、必ずしも溶媒(水)を完全に蒸発(気化)させなくてもよい。
気化工程後に得られる組成物中における水分の含有量は、特に制限はないが、5質量%未満であるのが好ましく、3質量%未満であるのがより好ましい。
気化工程後に得られる組成物中における水分の含有量は、特に制限はないが、5質量%未満であるのが好ましく、3質量%未満であるのがより好ましい。
(焼成工程)
焼成工程では、気化工程で得られた組成物をさらに加熱し焼成を行う。
焼成工程では、気化工程で得られた組成物をさらに加熱し焼成を行う。
これにより、より安定的にメソポーラス構造を有する酸化イリジウムを得ることができる。また、メソポーラス構造における細孔間距離を好適に制御することができ、最終的に得られる酸化イリジウムの比表面積をより好適に制御することができる。
本明細書において、「メソポーラス構造」とは、直径が2nm以上50nm以下の細孔が規則的に配列した構造を意味する。
また、焼成することにより、酸化イリジウムの高温での使用における耐久性を向上させることができる。
加熱乾固工程における加熱温度(焼成工程における焼成温度)は、特に限定されないが、350℃以上500℃以下であるのが好ましく、380℃以上470℃以下であるのがより好ましく、400℃以上430℃以下であるのがさらに好ましい。
これにより、メソポーラス構造における細孔間距離をより好適な範囲に設定することができる。その結果、例えば、酸化イリジウムを触媒(例えば、水の酸化触媒等)として用いる場合に、より高い触媒活性が得られ、また、固体状態の酸化イリジウムの水中等における安定性をより優れたものとすることができる。
焼成工程は、酸素を含む雰囲気で行うのが好ましい。
これにより、前述したようなメソポーラス構造を有する酸化イリジウムをより好適に形成することができる。
これにより、前述したようなメソポーラス構造を有する酸化イリジウムをより好適に形成することができる。
焼成時間は、特に限定されず、例えば、反応温度や、出発物質の添加量等に応じて適宜調整することができるが、0.5時間以上5時間以下であるのが好ましい。
(予備焼成工程)
加熱乾固工程において、焼成工程に先立って予備焼成を行う予備焼成工程を有していてもよい。
加熱乾固工程において、焼成工程に先立って予備焼成を行う予備焼成工程を有していてもよい。
予備焼成工程は、気化工程の後、焼成工程の前に、気化工程で得られた組成物を、所定の温度(前述した焼成工程の処理温度よりも低い温度)まで昇温する工程である。
気化工程で得られた組成物を急激に昇温すると、メソポーラス構造を保持することが難しいことがあるのに対し、予備焼成工程により徐々に昇温することで、メソポーラス構造をより安定的に保持することができる。
予備焼成工程における昇温速度は、特に限定されないが、0.5℃/分間以上10℃/分間以下であるのが好ましい。
これにより、メソポーラス構造をより安定的に保持しつつ、酸化イリジウムの生産性をより優れたものとすることができる。
なお、上述した説明では、気化工程と焼成工程とを別個の工程として行った場合を例に挙げて説明したが、本発明の製造方法はこれに限定されるものではなく、気化工程と焼成工程とを1つの工程として行ってもよい。
以上のようにして、固体状の酸化イリジウムが得られる。このようにして得られる酸化イリジウムは、具体的には後述するように、例えば、BET比表面積で150m2/g以上といった、より大きい比表面積を有するものとなる。
なお、本発明の酸化イリジウムの製造方法は、前述した工程に加えて、必要に応じて、その他の工程を有していてもよい。
例えば、前記加熱乾固工程の後に、得られた生成物を洗浄する洗浄工程を有していてもよい。
これにより、酸化イリジウムの製造過程で生じた副生成物や未反応物(例えば、過剰量用いる硝酸塩等)を好適に除去することができ、純度の高い酸化イリジウムを得ることができる。
洗浄工程で行う洗浄としては、例えば、水を用いた水洗、洗剤を用いた洗浄、有機溶媒を用いた洗浄、酸性液体を用いた酸洗、アルカリ性液体を用いたアルカリ洗等が挙げられるが、少なくとも水洗を行うのが好ましい。
これにより、副生成物や未反応原料をより効率よく除去することができ、より純度の高い酸化イリジウムをより優れた生産性で得ることができる。
また、前記加熱乾固工程の後に、得られた生成物を粉砕または解砕する粉砕解砕工程を有していてもよい。
これにより、粉末状の酸化イリジウムをより好適に得ることができる。また、粉砕解砕条件を適宜調整することにより、得られる酸化イリジウム粉末の粒径等を調整することができる。
なお、洗浄工程および粉砕解砕工程の両方を行う場合、その順番は特に限定されず、粉砕解砕工程の後に洗浄工程を行ってもよいし、洗浄工程の後に粉砕解砕工程を行ってもよい。また、例えば、湿式粉砕法を採用することにより、洗浄工程と粉砕解砕工程とを同時進行的に行ってもよい。
[酸化イリジウム]
次に、本発明の酸化イリジウムについて説明する。
次に、本発明の酸化イリジウムについて説明する。
本発明の酸化イリジウムは、150m2/g以上の比表面積(BET比表面積)を有する。
これにより、例えば、酸化イリジウムは、触媒活性や、導電性等の電気化学的特性に優れたものとなり、触媒(例えば、水の酸化触媒等)や、電気メッキ、電気合成、電解採取等を行う際のアノード電極や、電気化学センサ等の電極材料等として好適に利用することができる。
本発明の酸化イリジウムの比表面積(BET比表面積)は、150m2/g以上であればよいが、200m2/g以上であるのが好ましく、250m2/g以上であるのがより好ましく、300m2/g以上であるのがさらに好ましい。
これにより、前述した効果がより顕著に発揮される。
これにより、前述した効果がより顕著に発揮される。
なお、本発明の酸化イリジウムの比表面積(BET比表面積)の上限は、特に限定されないが、500m2/gであるのが好ましい。
一般的に、比表面積が大きいほど触媒活性や電気的性能が高くなるが、前記上限値を超えると、製造時の条件設定をより厳密に行う必要があり、工業的な生産(特に、大量生産)が不利となる。
本発明の酸化イリジウムは、例えば、上述したような製造方法によって好適に製造することができる。
酸化イリジウムは、IrOx(xは正数)で表され、Irの酸化数によりIrO(II)、IrO2(IV)およびIr2O3 (III)等が挙げられる。
本発明の酸化イリジウムは、通常、IrO2を主成分として含むが、IrO2以外のIrO、Ir2O3、およびそれ以外のIrOxで表される化合物を含んでいてもよい。また、それらの含有割合も特に限定されない。
本発明の酸化イリジウム中におけるIrO2の含有率は、50質量%超であるのが好ましい。
本発明の酸化イリジウムの形状は、特に限定されず、例えば、粉末状、膜状、板状、塊状等が挙げられる。
酸化イリジウムが粉末状の場合、その平均粒径は、100μm以上500μm以下であるのが好ましく、150μm以上450μm以下であるのがより好ましく、200μm以上400μm以下であるのがさらに好ましい。
これにより、例えば、酸化イリジウムの触媒活性や電気的性能をさらに優れたものとすることができる。また、粒子の不本意な凝集等を効果的に防止することができ、酸化イリジウムの取り扱いのしやすさが向上する。
なお、本明細書において、「平均粒径」とは、特に断りがない限り、個数基準の平均粒径のことを指す。
酸化イリジウム粉末の粒径は、例えば、前記粉砕解砕工程を行う場合、粉砕解砕条件を適宜調整することにより、前記範囲に調整することができる。
本発明の酸化イリジウムは、メソポーラス構造を有するものであるのが好ましい。
酸化イリジウムがメソポーラス構造を有することにより、例えば、単に比表面積が大きくなるだけではなく、このような細孔により高指数面や原子ステップが多数形成され、これらが触媒作用を発現する活性サイトとして機能することで、さらに高い触媒活性を得ることができる。
酸化イリジウムがメソポーラス構造を有することにより、例えば、単に比表面積が大きくなるだけではなく、このような細孔により高指数面や原子ステップが多数形成され、これらが触媒作用を発現する活性サイトとして機能することで、さらに高い触媒活性を得ることができる。
本発明の酸化イリジウムの平均細孔径は、2.3nm以上4.0nm以下であるのが好ましく、2.5nm以上3.8nm以下であるのがより好ましく、2.8nm以上3.7nm以下であるのがさらに好ましい。
これにより、例えば、酸化イリジウムの触媒活性や電気的性能をさらに優れたものとすることができる。
なお、本明細書において、「平均細孔径」とは、窒素吸着等温線の吸着側の等温線をBET法で解析して得られた細孔分布曲線のピーク値のことをいう。
本発明の酸化イリジウムの細孔体積は、0.10cm3/g以上0.30cm3/g以下であるのが好ましく、0.15cm3/以上0.29cm3/g以下であるのがより好ましく、0.20cm3/g以上0.28cm3/g以下であるのがさらに好ましい。
これにより、例えば、酸化イリジウムの触媒活性や電気的性能をさらに優れたものとすることができる。
なお、本明細書において、「細孔体積」とは、窒素吸着等温線の吸着側の等温線をBET法で解析して得られた細孔分布曲線をメソ孔域に相当する細孔径の範囲(2nm以上50nm以下)について積分して得られた値をいう。
<用途>
次に、本発明に係る酸化イリジウムの用途について説明する。
次に、本発明に係る酸化イリジウムの用途について説明する。
本発明に係る酸化イリジウムは、より大きい比表面積を有しており、各種の用途において、優れた特性を発揮することができる。
例えば、本発明に係る酸化イリジウムは、より優れた触媒活性を有している。
例えば、本発明に係る酸化イリジウムは、より優れた触媒活性を有している。
そのため、本発明に係る酸化イリジウムは、例えば、水の酸化触媒等として好適に使用することができる。水の酸化触媒は、水から電気化学的に酸素を生成する反応に用いられる触媒であり、エネルギー変換、水素生成等の分野においてアノード触媒等として、好適に使用することができる。
また、本発明に係る酸化イリジウムは、より大きい比表面積を有するので、導電性等の電気化学的特性にも優れている。
そのため、本発明に係る酸化イリジウムは、電気メッキ、電気合成、電解採取等を行う際のアノード電極や、電気化学センサ等の電極材料としても好適に使用することができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、これらに限定されるものではない。
例えば、本発明の酸化イリジウムの製造方法は、前述した工程以外の工程(例えば、前処理工程、中間処理工程、後処理工程等)を有していてもよい。
また、例えば、本発明の酸化イリジウムは、所定の比表面積(BET比表面積)を有していればよく、前述した方法以外の方法で製造されたものであってもよい。
以下、本発明を実施例および比較例に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、特に温度条件を示していない処理、測定については、20℃で行った。
[酸化イリジウムの合成]
(実施例1)
まず、市販のアンモニア水を入れたビーカーに、ヘキサクロロイリジウム酸(H2[IrCl6])を投入し、攪拌混合することにより、H2[IrCl6]を加水分解した(加水分解工程)。なお、このときのアンモニア水の量は、NH3がIrに対して50当量であった。
(実施例1)
まず、市販のアンモニア水を入れたビーカーに、ヘキサクロロイリジウム酸(H2[IrCl6])を投入し、攪拌混合することにより、H2[IrCl6]を加水分解した(加水分解工程)。なお、このときのアンモニア水の量は、NH3がIrに対して50当量であった。
その後、以下のような加熱乾固工程を行った。すなわち、まず、前記の加水分解工程で得られた反応混合物に対し、過剰量のNaNO3(95当量)を加えて撹拌混合した(添加工程)。次に、80℃で加熱することにより溶媒を除去した(気化工程)。次に、得られた固体を大気中で350℃×60分間の熱処理を施し(焼成工程)、その後、自然冷却した。最高温度までの昇温速度は、5℃/分間とした。次に、得られた固体を純水で十分に洗浄し、自然乾燥することにより、黒色の粉末状酸化イリジウム(IrOx)を得た。
(実施例2)
加熱乾固工程における加熱温度を400℃とした以外は、前記実施例1と同様にして粉末状酸化イリジウム(IrOx)を得た。
加熱乾固工程における加熱温度を400℃とした以外は、前記実施例1と同様にして粉末状酸化イリジウム(IrOx)を得た。
(実施例3)
加熱乾固工程における加熱温度を450℃とした以外は、前記実施例1と同様にして粉末状酸化イリジウム(IrOx)を得た。
加熱乾固工程における加熱温度を450℃とした以外は、前記実施例1と同様にして粉末状酸化イリジウム(IrOx)を得た。
(実施例4)
加熱乾固工程における加熱温度を500℃とした以外は、前記実施例1と同様にして粉末状酸化イリジウム(IrOx)を得た。
加熱乾固工程における加熱温度を500℃とした以外は、前記実施例1と同様にして粉末状酸化イリジウム(IrOx)を得た。
(実施例5)
加水分解工程におけるアンモニア水の使用量を、NH3がIrに対して10当量となるようにした以外は、前記実施例2と同様にして粉末状酸化イリジウム(IrOx)を得た。
加水分解工程におけるアンモニア水の使用量を、NH3がIrに対して10当量となるようにした以外は、前記実施例2と同様にして粉末状酸化イリジウム(IrOx)を得た。
(実施例6)
加水分解工程におけるアンモニア水の使用量を、NH3がIrに対して100当量となるようにした以外は、前記実施例2と同様にして粉末状酸化イリジウム(IrOx)を得た。
加水分解工程におけるアンモニア水の使用量を、NH3がIrに対して100当量となるようにした以外は、前記実施例2と同様にして粉末状酸化イリジウム(IrOx)を得た。
(実施例7)
加水分解工程におけるアンモニア水の使用量を、NH3がIrに対して500当量となるようにした以外は、前記実施例2と同様にして粉末状酸化イリジウム(IrOx)を得た。
加水分解工程におけるアンモニア水の使用量を、NH3がIrに対して500当量となるようにした以外は、前記実施例2と同様にして粉末状酸化イリジウム(IrOx)を得た。
(比較例1)
加水分解工程において、アンモニア水の代わりに0.1M水酸化ナトリウム水溶液を用いた以外は、前記実施例1と同様にして粉末状酸化イリジウム(IrOx)を得た。水酸化ナトリウム水溶液の使用量は、NaOHがIrに対して50当量となるようにした。
加水分解工程において、アンモニア水の代わりに0.1M水酸化ナトリウム水溶液を用いた以外は、前記実施例1と同様にして粉末状酸化イリジウム(IrOx)を得た。水酸化ナトリウム水溶液の使用量は、NaOHがIrに対して50当量となるようにした。
(比較例2)
加熱乾固工程における加熱温度を300℃とした以外は、前記比較例1と同様にして粉末状酸化イリジウム(IrOx)を得た。
加熱乾固工程における加熱温度を300℃とした以外は、前記比較例1と同様にして粉末状酸化イリジウム(IrOx)を得た。
(比較例3)
加熱乾固工程における加熱温度を400℃とした以外は、前記比較例1と同様にして粉末状酸化イリジウム(IrOx)を得た。
加熱乾固工程における加熱温度を400℃とした以外は、前記比較例1と同様にして粉末状酸化イリジウム(IrOx)を得た。
(比較例4)
加熱乾固工程における加熱温度を450℃とした以外は、前記比較例1と同様にして粉末状酸化イリジウム(IrOx)を得た。
加熱乾固工程における加熱温度を450℃とした以外は、前記比較例1と同様にして粉末状酸化イリジウム(IrOx)を得た。
(比較例5)
加熱乾固工程における加熱温度を500℃とした以外は、前記比較例1と同様にして粉末状酸化イリジウム(IrOx)を得た。
加熱乾固工程における加熱温度を500℃とした以外は、前記比較例1と同様にして粉末状酸化イリジウム(IrOx)を得た。
前記各実施例および各比較例で得られた酸化イリジウムは、いずれも、粉末状をなすものであり、当該粉末の平均粒径が、100μm以上500μm以下であった。
[酸化イリジウムの評価]
<窒素吸脱着等温線の測定>
前記各実施例および各比較例で得られた酸化イリジウムを200℃の窒素雰囲気下において3時間乾燥した後、窒素吸着量測定装置BELSORP−mini(マイクロトラックベル社製)を用いて、液体窒素温度(77K)における窒素吸脱着等温線を計測した(吸着平衡時間は600秒とした)。
<窒素吸脱着等温線の測定>
前記各実施例および各比較例で得られた酸化イリジウムを200℃の窒素雰囲気下において3時間乾燥した後、窒素吸着量測定装置BELSORP−mini(マイクロトラックベル社製)を用いて、液体窒素温度(77K)における窒素吸脱着等温線を計測した(吸着平衡時間は600秒とした)。
(比表面積の評価)
窒素吸着等温線の吸着側の等温線からBET法により比表面積を計測した。
窒素吸着等温線の吸着側の等温線からBET法により比表面積を計測した。
(平均細孔径の評価)
窒素吸着等温線の吸着側の等温線をBET法で解析して得られた細孔分布曲線のピーク値を平均細孔径とした。
窒素吸着等温線の吸着側の等温線をBET法で解析して得られた細孔分布曲線のピーク値を平均細孔径とした。
(細孔体積の評価)
窒素吸着等温線の吸着側の等温線をBET法で解析して得られた細孔分布曲線をメソ孔域に相当する細孔径の範囲(2nm以上50nm以下)について積分して得られた値を細孔体積とした。
窒素吸着等温線の吸着側の等温線をBET法で解析して得られた細孔分布曲線をメソ孔域に相当する細孔径の範囲(2nm以上50nm以下)について積分して得られた値を細孔体積とした。
実施例1〜4で得られた酸化イリジウムについての窒素吸脱等温線を図1に示し、比較例1〜5で得られた酸化イリジウムについての窒素吸脱等温線を図2に示す。
なお、図1、図2では、窒素吸脱着等温線において、圧力を上げていくとき(吸着時)の塗りつぶしのプロット(●等)で示し、圧力を下げていくとき(脱着時)を白抜きのプロット(○等)で示している。
図1に示すように、各実施例の吸脱着等温線は、IUPACの等温線分類のI型、IV型またはV型のいずれか、もしくはその中間的な形状を示していた。
I型はマイクロポーラス材料でよく観測される。IV型はメソポーラス材料でよく観測される。V型の等温線は吸着分子と個体との相互作用が低い場合にまれに観測されメソポーラスな材料である。
これにより、本発明で得られた酸化イリジウムは、マイクロポーラスないしメソポーラスを有する多孔質体であると考えられる。
また、図1の吸脱着等温線は、吸着等温線と脱着等温線が一致しないヒステリシスを示していた。
これは、圧力を上げることで細孔内に吸着された窒素ガスが、圧力を下げても抜け切れず一部が細孔内に残っていることを示し、得られた酸化イリジウムがメソポーラス構造を有していることを示唆するものである。
加熱乾固工程における加熱温度についてみてみると、350℃から400℃までの温度上昇に伴い、窒素吸着量は増大した。比表面積は、400℃(実施例2)で最大(311.3m2/g)となり、450℃(実施例3)、500℃(実施例4)とさらに温度上昇させると、窒素吸着量は減少した。
350℃(実施例1)では、吸着等温線が低相対窒素分圧で急激な吸着量の増加を示すタイプIの形状を示したことにより、その加熱温度条件でミクロポーラス構造が形成されることが示された。400℃(実施例2)および450℃(実施例3)では、分圧0.4付近から、IUPACのヒステリシスパターンの分類で、H2型のヒステリシスが観察され、メソポーラス構造の形成を示唆するタイプIV型の吸着等温線が示された。
これに対し、図2に示す比較例の窒素吸脱等温線では、窒素がほとんど吸着されていないことがわかる。
実施例1〜4で得られた酸化イリジウムについての細孔分布を図3に示す。
また、比較例1〜5で得られた酸化イリジウムについての細孔分布を図4に示す。
また、比較例1〜5で得られた酸化イリジウムについての細孔分布を図4に示す。
図3に示すように、各実施例の細孔分布では、加熱乾固工程における加熱温度が350℃(実施例1)では、平均細孔径(細孔分布のピーク)は2.4nmであった。加熱温度の増大に伴い、ピークが徐々に増大する傾向が確認された。
これに対し、図4に示す比較例の細孔分布では、前記各実施例に比べて、平均細孔径が大きく、細孔分布もブロードであった。
実施例1〜4について、加熱乾固工程における加熱温度と、得られた酸化イリジウムの比表面積、平均細孔径および細孔体積とを、表1にまとめて示す。
表1に示すように、実施例1〜4の酸化イリジウムでは、いずれも150m2/g以上という、大きいBET比表面積を有していた。これに対し、各比較例では、BET比表面積が6〜15m2/gと、実施例に比べて非常に小さかった。
実施例2、5〜7について、加水分解工程におけるアンモニア当量(対Ir)と、得られた酸化イリジウムの比表面積、平均細孔径および細孔体積とを、表2にまとめて示す。
表2から明らかなように、実施例5〜7の酸化イリジウムについても、150m2/g以上という、大きいBET比表面積を有していた。
特に、アンモニアの使用量が、ヘキサクロロイリジウム酸類に対して、50当量以上100当量以下であるときに、特に大きいBET比表面積が得られた。
なお、前記ヘキサクロロイリジウム酸に代えて、ヘキサクロロイリジウム酸のナトリウム塩(Na2[IrCl6])およびカリウム塩(Na2[IrCl6])を用いた以外は前記各実施例と同様に合成を行った。その結果、前記各実施例と同様の結果が得られた。
また、前記硝酸ナトリウムに代えて硝酸カリウム(KNO3)を用いた以外は前記各実施例と同様に合成を行った。その結果、前記各実施例と同様の結果が得られた。
本発明の酸化イリジウムの製造方法は、アンモニア水を用いて、ヘキサクロロイリジウム酸(H2[IrCl6])またはその塩を加水分解する加水分解工程と、過剰量の硝酸塩を加えて加熱乾固する加熱乾固工程とを有する。
これにより、より大きい比表面積を有する酸化イリジウムの製造方法を提供することができる。したがって、本発明の酸化イリジウムの製造方法は、産業上の利用可能性を有する。
Claims (10)
- アンモニア水を用いて、ヘキサクロロイリジウム酸(H2[IrCl6])またはその塩を加水分解する加水分解工程と、
過剰量の硝酸塩を加えて加熱乾固する加熱乾固工程とを有することを特徴とする酸化イリジウムの製造方法。 - 前記ヘキサクロロイリジウム酸の塩がナトリウム塩またはカリウム塩である請求項1に記載の酸化イリジウムの製造方法。
- 前記硝酸塩がナトリウム塩またはカリウム塩である請求項1または2に記載の酸化イリジウムの製造方法。
- 前記加水分解工程におけるアンモニアの使用量が、前記ヘキサクロロイリジウム酸またはその塩に対して、50当量以上100当量以下である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の酸化イリジウムの製造方法。
- 前記加熱乾固工程における加熱温度が350℃以上500℃以下である請求項1ないし4のいずれか1項に記載の酸化イリジウムの製造方法。
- 150m2/g以上の比表面積を有することを特徴とする酸化イリジウム。
- 粉末状であり、該粉末の平均粒径が100μm以上500μm以下である請求項6に記載の酸化イリジウム。
- 平均細孔径が2.3nm以上4.0nm以下である請求項6または7に記載の酸化イリジウム。
- 細孔体積が0.10cm3/g以上0.30cm3/g以下である請求項6ないし8のいずれか1項に記載の酸化イリジウム。
- メソポーラス構造を有する請求項6ないし9のいずれか1項に記載の酸化イリジウム。
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CN113620358A (zh) * | 2021-08-04 | 2021-11-09 | 中国科学院广州地球化学研究所 | 一种基于水解法制备团簇状IrO2纳米材料的方法 |
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-
2019
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