JP2020132438A - 炭化珪素単結晶の製造方法 - Google Patents

炭化珪素単結晶の製造方法 Download PDF

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Hiroki Takaoka
宏樹 高岡
俊策 上田
Shunsaku Ueta
俊策 上田
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Abstract

【課題】クラックの発生を抑制可能な炭化珪素単結晶の製造方法を提供する。【解決手段】炭化珪素単結晶の製造方法は以下の工程を有している。第1主面と第1主面と反対側の第2主面とを有する炭化珪素種結晶と、台座とが準備される。第1主面上に外周を有する昇華防止層が形成される。第1主面と反対側の昇華防止層の主面に、外周に沿って設けられたリング状のグラファイトシートが配置される。昇華防止層と台座とグラファイトシートとによって閉空間が形成されるように炭化珪素種結晶が台座に取り付けられる。第2主面において炭化珪素単結晶が成長する。【選択図】図3

Description

本開示は、炭化珪素単結晶の製造方法に関する。
特開2002−201097号公報(特許文献1)には、種結晶をフック状部材で固定した状態で、種結晶上に炭化珪素単結晶を成長させる方法が開示されている。
特開2002−201097号公報
本開示の目的は、クラックの発生を抑制可能な炭化珪素単結晶の製造方法を提供することである。
本開示に係る炭化珪素単結晶の製造方法は以下の工程を備えている。第1主面と第1主面と反対側の第2主面とを有する炭化珪素種結晶と、台座とが準備される。第1主面上に外周を有する昇華防止層が形成される。第1主面と反対側の昇華防止層の主面に、外周に沿って設けられたリング状のグラファイトシートが配置される。昇華防止層と台座とグラファイトシートとによって閉空間が形成されるように炭化珪素種結晶が台座に取り付けられる。第2主面において炭化珪素単結晶が成長する。
本開示によれば、クラックの発生を抑制可能な炭化珪素単結晶の製造方法を提供することができる。
第1実施形態に係る炭化珪素単結晶の製造方法の第1工程を示す平面模式図である。 第1実施形態に係る炭化珪素単結晶の製造方法の第1工程を示す断面模式図である。 第1実施形態に係る炭化珪素単結晶の製造方法を概略的に示すフロー図である。 第1実施形態に係る炭化珪素単結晶の製造方法の昇華防止層を形成する工程を概略的に示すフロー図である。 第1実施形態に係る炭化珪素単結晶の製造方法の第2工程を示す平面模式図である。 第1実施形態に係る炭化珪素単結晶の製造方法の第2工程を示す断面模式図である。 第1実施形態に係る炭化珪素単結晶の製造方法の第3工程を示す平面模式図である。 第1実施形態に係る炭化珪素単結晶の製造方法の第3工程を示す断面模式図である。 第1実施形態に係る炭化珪素単結晶の製造方法に用いられる台座の構成を示す断面模式図である。 第1実施形態に係る炭化珪素単結晶の製造方法において、炭化珪素種結晶が台座に取り付けられた状態を示す断面模式図である。 炭化珪素種結晶が坩堝の内部に配置された状態を示す断面模式図である。 炭化珪素種結晶上に炭化珪素単結晶が成長している状態を示す断面模式図である。 第2実施形態に係る炭化珪素単結晶の製造方法において、炭化珪素種結晶が台座に取り付けられた状態を示す断面模式図である。 第3実施形態に係る炭化珪素単結晶の製造方法において、炭化珪素種結晶が台座に取り付けられた状態を示す断面模式図である。 比較例に係る炭化珪素単結晶の製造方法において、炭化珪素種結晶が台座に取り付けられた状態を示す断面模式図である。
[本開示の実施形態の概要]
まず、本開示の実施形態の概要について説明する。本明細書中の結晶学的記載においては、個別方位を[]、集合方位を<>、個別面を()、集合面を{}でそれぞれ示している。また結晶学上の指数が負であることは、通常、”−”(バー)を数字の上に付すことによって表現されるが、本明細書中では数字の前に負の符号を付している。
(1)本開示に係る炭化珪素単結晶74の製造方法は以下の工程を備えている。第1主面11と第1主面11と反対側の第2主面12とを有する炭化珪素種結晶10と、台座30とが準備される。第1主面11上に外周を有する昇華防止層40が形成される。第1主面11と反対側の昇華防止層40の主面に、外周に沿って設けられたリング状のグラファイトシート20が配置される。昇華防止層40と台座30とグラファイトシート20とによって閉空間が形成されるように炭化珪素種結晶10が台座30に取り付けられる。第2主面12において炭化珪素単結晶74が成長する。
(2)上記(1)に係る炭化珪素単結晶74の製造方法において、グラファイトシート20の厚みは、0.1mm以上1mm以下であってもよい。
(3)上記(1)または(2)に係る炭化珪素単結晶74の製造方法において、
前記グラファイトシート20は、内周面24と、内周面24の外側に位置する外周面23とを含んでいる。径方向において、内周面24と外周面23との間の距離は、1mm以上10mm以下であってもよい。
(4)上記(1)〜(3)のいずれかに係る炭化珪素単結晶74の製造方法において、昇華防止層40は、炭化ニオブを含んでいてもよい。
(5)上記(1)〜(3)のいずれかに係る炭化珪素単結晶74の製造方法において、昇華防止層40は、炭化タンタルを含んでいてもよい。
(6)上記(1)〜(3)のいずれかに係る炭化珪素単結晶74の製造方法において、昇華防止層40を形成する工程は、スピンコートによってフォトレジスト層40を第1主面11上に形成する工程と、フォトレジスト層40を硬化させる工程とを含んでいてもよい。
(7)上記(1)〜(6)のいずれかに係る炭化珪素単結晶74の製造方法において、炭化珪素種結晶10の形状は、円板状であってもよい。
(8)上記(1)〜(7)のいずれかに係る炭化珪素単結晶74の製造方法において、第1主面11に対して垂直な方向から見て、グラファイトシート20の外径は、炭化珪素種結晶10の外径と同じであってもよい。
(9)上記(1)〜(8)のいずれかに係る炭化珪素単結晶74の製造方法において、第1主面11に対して垂直な方向から見て、グラファイトシート20の中心は、炭化珪素種結晶10の中心と一致していてもよい。
[本開示の実施形態の詳細]
以下、実施の形態の詳細について図に基づいて説明する。なお、以下の図面において、同一または相当する部分には同一の参照番号を付し、その説明は繰り返さない。
(第1実施形態)
まず、第1実施形態に係る炭化珪素単結晶74の製造方法について説明する。
第1実施形態に係る炭化珪素単結晶74の製造方法においては、まず炭化珪素種結晶および台座を準備する工程(S10:図3)が実施される。図1および図2に示されるように、炭化珪素種結晶10が準備される。炭化珪素種結晶10は、たとえば六方晶炭化珪素により構成されている。炭化珪素種結晶10を構成する炭化珪素のポリタイプは、たとえば4Hである。図1に示されるように、第1主面11に対して垂直な方向から見た場合、第1主面11は、略円形である。別の観点から言えば、炭化珪素種結晶10の形状は、たとえば円板状である。図2に示されるように、第1主面11の直径(第1直径W1)は、たとえば150mmである。第1直径W1は、たとえば150mm以上であってもよい。第1直径W1の上限は、特に限定されないが、たとえば300mm以下であってもよい。
図2に示されるように、炭化珪素種結晶10は、第1主面11と、第2主面12と、第1周端面13と、第1外周縁14とを有する。第2主面12は、第1主面11の反対側にある。第1周端面13は、第1主面11および第2主面12の各々に連なっている。第1外周縁14は、第1主面11と、第1周端面13との境界である。炭化珪素種結晶10の厚み(第1厚みT1)は、たとえば0.3mm以上5mm以下である。
第1主面11は、たとえば{0001}面または{0001}面に対して1°以上8°以下のオフ角で傾斜した面である。具体的には、第1主面11は、(0001)面または(0001)面に対して1°以上8°以下のオフ角で傾斜した面であってもよい。この場合、第2主面12は、(000−1)面または(000−1)面に対して1°以上8°以下のオフ角で傾斜した面である。代替的に、第1主面11は、(000−1)面または(000−1)面に対して1°以上8°以下のオフ角で傾斜した面であってもよい。この場合、第2主面12は、(0001)面または(0001)面に対して1°以上8°以下のオフ角で傾斜した面である。
次に、昇華防止層を形成する工程(S20:図3)が実施される。具体的には、第1主面11において炭化珪素種結晶10と接する昇華防止層40が形成される。昇華防止層を形成する工程(S20:図3)は、たとえばフォトレジスト層を形成する工程(S21:図4)と、フォトレジスト層を硬化させる工程(S22:図4)とを有している。
まず、フォトレジスト層を形成する工程(S21:図4)においては、スピンコートによってフォトレジスト層40が第1主面11上に形成される。具体的には、炭化珪素種結晶10をたとえば1500rpm程度の回転数で回転させながら、フォトレジスト層40が第1主面11に塗布される。フォトレジスト層40の厚みは、たとえば0.5μm以上5μm以下である。フォトレジスト層40は、たとえば半導体装置の製造用に用いられるポジ型またはネガ型のフォトレジスト層40である。フォトレジスト層40は、たとえば乳酸エチルおよび酢酸ブチルを含有する。
次に、フォトレジスト層を硬化させる工程(S22:図4)が実施される。フォトレジスト層を硬化させる工程(S22:図4)においては、フォトレジスト層40がたとえば350℃の温度で加熱される。これにより、フォトレジスト層40が炭化する。これにより、第1主面11上に昇華防止層40が形成される(図6参照)。昇華防止層40は、炭素(C)を含む材料から構成されている。
図5および図6に示されるように、昇華防止層40は、第3主面41と、第4主面42と、第2周端面43と、第2外周縁44とを有する。第4主面42は、第3主面41の反対側にある。第2周端面43は、第3主面41および第4主面42の各々に連なっている。第2外周縁44は、第3主面41と、第2周端面43との境界である。図5に示されるように、第3主面41は、中央領域2と、外周領域1とを有している。中央領域2は、外周領域1に取り囲まれた領域である。外周領域1は、第2外周縁44を構成する。外周領域1は、リング状である。中央領域2は、円状である。
昇華防止層を形成する工程(S20:図3)においては、炭化ニオブ(NbC)または炭化タンタル(TaC)などの高融点金属により構成される昇華防止層40が形成されてもよい。具体的には、昇華防止層40は、CVD(Chemical Vapor Deposition)、スパッタリング、粉末塗布または金属溶射などによって形成することができる。昇華防止層40は、炭化ニオブ層と炭化タンタル層との積層体であってもよい。昇華防止層40は、たとえば炭化ニオブ層上に炭化タンタル層が形成された積層体であってもよいし、炭化タンタル層上に炭化ニオブ層が形成された積層体であってもよい。
昇華防止層40の厚み(第2厚みT2)は、たとえば0.5μm以上5μm以下である(図6参照)。第2厚みT2は、第1厚みT1よりも小さい。昇華防止層40の直径(第2直径W2)は、炭化珪素種結晶の直径(第1直径W1)とほぼ同じである。
次に、グラファイトシートを形成する工程(S20:図3)が実施される。グラファイトシートを形成する工程(S20:図3)においては、まず、グラファイトシート20がリング状に成形される。グラファイトシート20としては、NeoGra社製のGRAFOIL(登録商標)を使用することができる。グラファイトシート20は、面内方向および厚み方向において、物理特性の異方性を有している。グラファイトシート20の厚み方向の熱膨張率の絶対値は、面内方向の熱膨張率の絶対値よりも大きい。面内方向の熱膨張率(21℃〜1095℃)は、たとえば−0.4×10/℃である。面内方向の熱膨張率(1095℃〜2200℃)は、たとえば0.9×10/℃である。厚み方向の熱膨張率(21℃〜2200℃)は、たとえば27×10/℃である。
図7および図8に示されるように、リング状のグラファイトシート20は、第5主面21と、第6主面22と、内周面24と、外周面23とを有している。グラファイトシート20がリング状であるとは、グラファイトシート20が、円環状であり、かつ内周面24と外周面23とを有していることである。第6主面22は、第5主面21の反対側にある。外周面23は、内周面24の反対側にある。外周面23は、内周面24を取り囲んでいる。内周面24は、第3主面41および第4主面42の各々に連なっている。同様に、外周面23は、第3主面41および第4主面42の各々に連なっている。グラファイトシート20の外周面23は、昇華防止層40の第2周端面43に沿って配置される。第1主面11に対して垂直な方向から見て、グラファイトシート20の外径(第7直径W7)は、炭化珪素種結晶10の外径(第1直径W1)と同じであることが好ましい(図1および図7参照)。
好ましくは、グラファイトシート20は、接着剤を用いることなく第3主面41に配置される。代替的に、接着剤を用いてグラファイトシート20が第3主面41に接着されてもよい。この場合、接着剤は、グラファイトシート20と第3主面41との間に設けられる。
リング状のグラファイトシート20は、昇華防止層40の外周に沿って設けられる。具体的には、グラファイトシート20は、第3主面41の外周領域1を覆っている。グラファイトシート20の第6主面22は、第3主面41の外周領域1に接している。リング状のグラファイトシート20は、第2外周縁44に沿って配置されている。好ましくは、リング状のグラファイトシート20は、全周において第2外周縁44に接している。リング状のグラファイトシート20は、第3主面41の中央領域2には接していない。中央領域2は、グラファイトシート20から露出している。以上のように、第1主面11と反対側の昇華防止層40の第3主面41に、外周に沿って設けられたリング状のグラファイトシート20が配置される。
グラファイトシート20の厚み(第3厚みT3)は、たとえば0.1mm以上1mm以下である。第3厚みT3は、たとえば0.2mm以上であってもよいし、0.3mm以上であってもよい。第3厚みT3は、たとえば0.9mm以下であってもよいし、0.8mm以下であってもよい。
グラファイトシート20の幅(第3幅W3)は、たとえば1mm以上10mm以下である。第3幅W3は、たとえば2mm以上であってもよいし、3mm以上であってもよい。第3幅W3は、たとえば9mm以下であってもよいし、8mm以下であってもよい。図8に示されるように、グラファイトシート20の幅(第3幅W3)は、径方向における外周面23と内周面24との間の距離である。
次に、台座30が準備される。台座30は、たとえば円柱状である。図9に示されるように、台座30は、第7主面31と、第8主面32と、第3周端面33とを有している。第8主面32は、炭化珪素種結晶10が取り付けられる面である。第8主面32は、平面状である。第7主面31は、第8主面32の反対側にある。第3周端面33は、第7主面31および第8主面32の各々に連なっている。台座30は、たとえば等方性グラファイトにより構成されている。
次に、台座30に炭化珪素種結晶10が取り付けられる。図10に示されるように、昇華防止層40の第3主面41が、台座30の第8主面32に対向するように配置される。この際、グラファイトシート20が、第3主面41と第8主面32との間に配置される。別の観点から言えば、グラファイトシート20を介して、昇華防止層40が台座30に取り付けられる。第3主面41の中央領域2と、第8主面32との間には、隙間(閉空間S1)が設けられる。閉空間S1の高さは、グラファイトシート20の厚み(第3厚みT3)と同程度である。第1主面11に対して垂直な方向から見て、グラファイトシート20の中心(第2中心A2)は、炭化珪素種結晶10の中心(第1中心A1)と一致していることが好ましい。
図10に示されるように、第3主面41が第8主面32に対向するように配置された状態で、固定部材50が、炭化珪素種結晶10の第2主面12の外周部分に押し当てられる。固定部材50は、たとえばボルト(図示せず)によって台座30に取り付けられる。図10に示されるように、固定部材50は、本体部52と、当接部51とを有している。本体部52は、円筒状である。当接部51は、本体部52に連なっている。当接部51は、炭化珪素種結晶10の第2主面12に接している。本体部52は、第1周端面13と、第2周端面43と、外周面23とに接していてもよい。
固定部材50はフックの機能を有し、炭化珪素種結晶10の第2主面12の外周部分を引っかけて持ち上げている。固定部材50によって、炭化珪素種結晶10が持ち上げられることにより、昇華防止層40がグラファイトシート20に押しつけられる。グラファイトシート20は、弾力性、柔軟性を有している。グラファイトシート20が厚み方向に圧縮される。昇華防止層40と台座30とグラファイトシート20とにより閉空間S1が形成される。閉空間S1とは、実質的に密閉された空間であり、具体的には、昇華防止層40とグラファイトシート20との間および台座30とグラファイトシート20との間には、0.01mm以上の隙間がないことである。以上のように、昇華防止層40と台座30とグラファイトシート20とによって閉空間S1が形成されるように炭化珪素種結晶10が台座30に取り付けられる。
次に、炭化珪素単結晶を成長させる工程(S40:図3)が実施される。具体的には、まず坩堝70が準備される。図11に示されるように、坩堝70は、種結晶保持部71と、原料収容部72とを有している。台座30は、種結晶保持部71に取り付けられる。台座30には、炭化珪素種結晶10が取り付けられている。原料収容部72には、炭化珪素原料73が配置されている。炭化珪素原料73は、たとえば多結晶炭化珪素である。炭化珪素種結晶10の第2主面12は、炭化珪素原料73に対向するよう配置される。
次に、不活性ガス雰囲気下において坩堝70が加熱される。坩堝70は、たとえば2100℃以上2500℃以下の温度に加熱される。炭化珪素原料73の温度は、炭化珪素種結晶10の温度よりも高くなるように、炭化珪素種結晶10および炭化珪素原料73の各々が加熱される。圧力は、たとえば1.3kPa以上13kPa以下とされる。これにより、炭化珪素原料73が昇華して昇華ガスが発生する。昇華ガスは、炭化珪素種結晶10の第2主面12上において再結晶化する。
図12に示されるように、時間の経過に伴って、第2主面12において炭化珪素単結晶74が成長する。炭化珪素単結晶74は、第2主面12から離れるにつれて直径が大きくなるように成長してもよい。別の観点から言えば、種結晶10から炭化珪素原料73に向かうにつれて、第2主面12に平行な方向における長さが大きくなるように炭化珪素単結晶74が成長してもよい。以上のように、昇華防止層40と台座30とグラファイトシート20とによって閉空間S1が形成された状態で、第2主面12において炭化珪素単結晶74が成長する。
次に、第1実施形態に係る炭化珪素単結晶74の製造方法の作用効果について説明する。
昇華防止層40が台座30に直接接した状態、つまり昇華防止層40と台座30との間に閉空間が実質的に形成されていない状態では、高温下での種結晶10の変形により種結晶10及び成長した炭化珪素単結晶74が台座30から応力を与えられる。これにより成長した炭化珪素単結晶74にクラックが生じることがある。
また昇華防止層40と台座30との間に隙間が存在する場合では、炭化珪素原料73が昇華することにより発生した原料ガスが、昇華防止層40と台座30との隙間に流入し、種結晶10の裏面(第1主面11)で炭化珪素が成長することで、種結晶10や成長した炭化珪素単結晶74に応力を加える場合がある。これにより成長結晶にクラックが生じることがある。
第1実施形態に係る炭化珪素単結晶74の製造方法によれば、昇華防止層40と台座30との間に位置し、かつ昇華防止層40の外周に沿って設けられたリング状のグラファイトシート20が形成される。昇華防止層40と台座30とグラファイトシート20とによって閉空間S1が形成された状態で、第2主面12において炭化珪素単結晶74が成長する。昇華防止層40と台座30とグラファイトシート20とによって閉空間S1が形成されているため、原料ガスが種結晶10の裏面に流入することは無く、種結晶10の裏面において炭化珪素が成長することはなく、種結晶10や成長した炭化珪素単結晶74に応力は加わらない。そのため、種結晶10や炭化珪素単結晶74にクラックが発生することを抑制することができる。
またグラファイトシート20は柔軟性を有する。そのため、昇華防止層40の第3主面41または台座30の第8主面32に凹凸がある場合であっても、当該凹凸に沿うようにグラファイトシート20が変形する。したがって、昇華防止層40の第3主面41とグラファイトシート20との間、および台座30の第8主面32とグラファイトシート20との間に隙間が形成されることを抑制することができる。また、グラファイトシート20はガス透過性が極めて小さく、原料ガスが種結晶10の裏面に流入することを抑制できる。結果として、当該閉空間S1の気密性を高めることができる。そのため、当該閉空間S1の外部から、炭化珪素原料が昇華することで発生した原料ガスが、当該閉空間S1の内部に流入することを抑制することができる。これにより、炭素を含む昇華防止層40が原料ガスと反応して炭化珪素となることを抑制することができる。
さらに昇華防止層40の外周に沿ってリング状のグラファイトシート20が形成されている。そのため、昇華防止層40と台座30とグラファイトシート20とによって形成された閉空間S1の体積を大きく確保することができる。そのため、高温で炭化珪素種結晶10が変形した場合であっても、炭化珪素種結晶10上に設けられた昇華防止層40が台座30に接することを抑制することができる。よって、台座30によって種結晶10や成長した炭化珪素単結晶74に応力が与えられることを抑制することができる。またグラファイトシート20は緩衝材として機能するため、種結晶10や成長した炭化珪素単結晶74に対する応力を低減することができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係る炭化珪素単結晶74の製造方法について説明する。第2実施形態に係る炭化珪素単結晶74の製造方法においては、主に、炭化珪素種結晶10の第1周端面13と、固定部材50の本体部52との間に隙間が設けられている構成において、第1実施形態に係る炭化珪素単結晶74の製造方法と異なっており、その他の構成については、第1実施形態に係る炭化珪素単結晶74の製造方法と同様である。以下、第1実施形態に係る炭化珪素単結晶74の製造方法と異なる構成を中心に説明する。
図13に示されるように、第2実施形態に係る炭化珪素単結晶74の製造方法においては、台座30に炭化珪素種結晶10が取り付けられる際、炭化珪素種結晶10の第1周端面13と、固定部材50の本体部52との間に、隙間S2が設けられている。径方向において、隙間S2の幅(第4幅W4)は、たとえば0.1mm以上1mm以下である。図13に示されるように、昇華防止層40の第2周端面43と、固定部材50の本体部52との間にも隙間が設けられていてもよい。グラファイトシート20の外周面23と、固定部材50の本体部52との間に隙間S2が設けられていてもよい。
第2実施形態に係る炭化珪素単結晶74の製造方法によれば、炭化珪素種結晶10の第1周端面13と、固定部材50の本体部52との間に隙間が設けられている。そのため、炭化珪素単結晶74の成長中においても、炭化珪素種結晶10が固定部材50に接触することを抑制することができる。この場合、固定部材50によって炭化珪素種結晶10に応力が加えられることが抑制される。そのため、炭化珪素種結晶10が割れることを抑制することができる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態に係る炭化珪素単結晶74の製造方法について説明する。第3実施形態に係る炭化珪素単結晶74の製造方法においては、主に、グラファイトシート20の外周面23が、昇華防止層40の第2周端面43よりも外周側に位置している構成において、第2実施形態に係る炭化珪素単結晶74の製造方法と異なっており、その他の構成については、第2実施形態に係る炭化珪素単結晶74の製造方法と同様である。以下、第1実施形態に係る炭化珪素単結晶74の製造方法と異なる構成を中心に説明する。
図14に示されるように、第3実施形態に係る炭化珪素単結晶74の製造方法においては、グラファイトシート20の外周面23が、昇華防止層40の第2周端面43よりも外周側に位置している。別の観点から言えば、グラファイトシート20は、昇華防止層40の第2外周端よりも径方向の外周側にはみ出ている。グラファイトシート20の第6主面22は、第1領域61と、第2領域62とを有する。第2領域62は、第1領域61に連なっている。第2領域62は、第1領域61よりも外周側に位置している。第1領域61は、昇華防止層40の第3主面41に接している。第2領域62は、昇華防止層40の第3主面41から離間している。径方向において、第1領域61の幅(第6幅W6)は、第2領域62の幅(第5幅W5)よりも大きくてもよい。
(サンプル準備)
まず、サンプル1および2の炭化珪素単結晶74の製造方法を用いて、炭化珪素単結晶74を製造した。サンプル1の炭化珪素単結晶74の製造方法は、リング状のグラファイトシート20を使用した実施例の製造方法である。具体的には、サンプル1の炭化珪素単結晶74の製造方法は、第2実施形態の製造方法である。サンプル2の炭化珪素単結晶74の製造方法は、リング状のグラファイトシート20を使用しない比較例の製造方法である。図15は、サンプル2の炭化珪素単結晶の製造方法を示す断面模式図である。図15に示されるように、サンプル2の炭化珪素単結晶74の製造方法においては、リング状のグラファイトシート20を用いることなく、昇華防止層40が台座30に直接接している。炭化珪素種結晶10は、固定部材50によって台座30に取り付けられている。昇華防止層40が台座30に直接接しているため、昇華防止層40と台座30との間に閉空間は実質的に形成されていない。サンプル1およびサンプル2のそれぞれの製造方法において、炭化珪素単結晶74のインゴットの成長を5回実施し、各5個のインゴットを得た。
(評価方法)
次に、炭化珪素単結晶74の成長が完了した後、炭化珪素種結晶10および炭化珪素単結晶74にクラックが存在しているか否かを確認した。クラックは、成長後の結晶の外観、またはスライス後の基板で目視により判断できる。
(評価結果)
Figure 2020132438
表1は、サンプル1およびサンプル2のそれぞれの製造方法によって得られたインゴットの外観を目視で判断することにより確認したクラックの発生頻度を示している。表1に示されるように、サンプル1の製造方法で成長したインゴットにおいては、5個のインゴットの中でクラックが発生しているインゴットは見つからなかった。一方、サンプル2の製造方法で成長したインゴットにおいては、5個のインゴットの中で4個のインゴットにおいてクラックが見つかった。以上の結果に示されるようにサンプル2の製造方法と比較して、サンプル1の製造方法の場合には、クラックの発生を抑制可能であることが確かめられた。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 外周領域
2 中央領域
10 炭化珪素種結晶(種結晶)
11 第1主面
12 第2主面
13 第1周端面
14 第1外周縁
20 グラファイトシート
21 第5主面
22 第6主面
23 外周面
24 内周面
30 台座
31 第7主面
32 第8主面
33 第3周端面
40 昇華防止層(フォトレジスト層)
41 第3主面
42 第4主面
43 第2周端面
44 第2外周縁
50 固定部材
51 当接部
52 本体部
61 第1領域
62 第2領域
70 坩堝
71 種結晶保持部
72 原料収容部
73 炭化珪素原料
74 炭化珪素単結晶
A1 第1中心
A2 第2中心
S1 閉空間
S2 隙間
T1 第1厚み
T2 第2厚み
T3 第3厚み
W1 第1直径
W2 第2直径
W3 第3幅
W4 第4幅
W5 第5幅
W6 第6幅
W7 第7直径

Claims (9)

  1. 第1主面と前記第1主面と反対側の第2主面とを有する炭化珪素種結晶と、台座とを準備する工程と、
    前記第1主面上に外周を有する昇華防止層を形成する工程と、
    前記第1主面と反対側の前記昇華防止層の主面に、前記外周に沿って設けられたリング状のグラファイトシートを配置する工程と、
    前記昇華防止層と前記台座と前記グラファイトシートとによって閉空間が形成されるように前記炭化珪素種結晶を前記台座に取り付ける工程と、
    前記第2主面において炭化珪素単結晶を成長させる工程とを備えた、炭化珪素単結晶の製造方法。
  2. 前記グラファイトシートの厚みは、0.1mm以上1mm以下である、請求項1に記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
  3. 前記グラファイトシートは、内周面と、前記内周面の外側に位置する外周面とを含み、
    径方向において、前記内周面と前記外周面との間の距離は、1mm以上10mm以下である、請求項1または請求項2に記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
  4. 前記昇華防止層は、炭化ニオブを含む、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
  5. 前記昇華防止層は、炭化タンタルを含む、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
  6. 前記昇華防止層を形成する工程は、スピンコートによってフォトレジスト層を前記第1主面上に形成する工程と、前記フォトレジスト層を硬化させる工程とを含む、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
  7. 前記炭化珪素種結晶の形状は、円板状である、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
  8. 前記第1主面に対して垂直な方向から見て、前記グラファイトシートの外径は、前記炭化珪素種結晶の外径と同じである、請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
  9. 前記第1主面に対して垂直な方向から見て、前記グラファイトシートの中心は、前記炭化珪素種結晶の中心と一致する、請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
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