JP4509258B2 - 単結晶の成長装置および製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、炭化珪素等の単結晶を成長させるために用いられる単結晶の成長装置および製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
炭化珪素単結晶は、熱的・化学的特性に優れ、パワーデバイス等の半導体装置作製用基板材料として注目されている。炭化珪素単結晶は、一般に、昇華再結晶法により得られ、成長させる単結晶の原料と種結晶とを対向させて配置し、原料を加熱昇華させて種結晶上に単結晶を成長させる。図5は、昇華再結晶法による成長装置の一例を示すもので、単結晶成長装置18は、炭化珪素原料粉末16が充填される黒鉛製るつぼ17と、該るつぼ17に覆着される蓋体11を有している。蓋体11には、炭化珪素単結晶よりなる種結晶13が接合固定してあり、原料粉末16を加熱昇華させると、その昇華ガスが対向する種結晶13上で再結晶して、炭化珪素単結晶15が成長する。
【0003】
ところで、半導体装置作製用の炭化珪素単結晶基板としては、現在、直径2インチ程度のものが市販されているが、量産性を向上させるために、より大口径の炭化珪素単結晶基板が必要とされている。ところが、上記図5に示した従来の成長装置18では、種結晶13が蓋体11に直接接合されるために、種結晶13周辺の蓋体11表面に堆積する多結晶14と、種結晶13上に成長する単結晶15とが接触する。このため、成長結晶の口径拡大が阻害される問題があった。
【0004】
そこで、この問題を解決するための装置が種々提案されており、例えば、特公平6−37353号公報には、種結晶の周辺部を仕切り板で覆った成長装置が開示されている。この成長装置では、仕切り板を種結晶より高温に保持することにより、多結晶の発生を抑制し、種結晶上にのみ単結晶が成長するようにしている。また、特開平1−305898号公報、特開平10−36195号公報等に開示されるように、蓋体に突起部を形成して種結晶支持部とした成長装置がある。この装置では、図6のように、蓋体11の下面中央に形成した突起部を種結晶支持部12として、その上に種結晶13を配置しており、種結晶支持部12の周囲に堆積する多結晶14が種結晶13上に成長する単結晶15に接触するタイミングを遅らせて、成長結晶の口径拡大率を高めている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特公平6−37353号公報の装置では、得られる単結晶の口径が、仕切り板の開口径によって制限され、口径拡大率を十分大きくすることができない。また、装置構造が複雑で、装置の製作にコストと時間を要する問題がある。一方、特開平1−305898号公報、特開平10−36195号公報の装置では、多結晶が単結晶に接触するタイミングを遅らせることは可能であるものの、図6に示すように、成長が進むと、多結晶14が単結晶15に接触してしまうため、それ以上の口径の拡大が阻まれるという不具合があった。
【0006】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、昇華再結晶法により炭化珪素等の単結晶を成長させるにあたり、多結晶による成長阻害を抑制して、簡便に、成長する単結晶の口径拡大を図ることができる単結晶の成長装置および製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1の単結晶の成長装置は、容器内に、成長させる単結晶の原料と種結晶とを対向させて配置し、上記原料を加熱昇華させて上記種結晶上に単結晶を成長させる装置であり、上記原料に対向する上記容器内壁面の一部を上記原料側に突出させて、上記種結晶を支持する種結晶支持部となしてある。該種結晶支持部は、側面が傾斜する略台形形状であり、この傾斜する側面の中央部における法線と上記支持面の法線とのなす角度θを20度以上80度以下となるように形成してある。かつ上記種結晶支持部の上記側面を凸面状または凹面状に形成する。
【0008】
上記装置を用いて単結晶を成長させると、上記種結晶支持部の側面上に多結晶が成長するが、本発明では上記側面を支持面側へ向けて縮径する傾斜面としたので、この傾斜する側面に成長する多結晶の成長方向はその法線の方向となる。すなわち、上記種結晶上に成長する単結晶の成長方向(上記支持面の法線の方向)に対して外側へ逃げるように多結晶が成長することになり、このため、蓋体に直に接合した従来構成(図5参照)のような多結晶による成長阻害を抑制することができる。特に、角度θを20度以上とすると、この効果が高く、単結晶が外側へ拡大しながら成長できるため、口径拡大率が大きくなる。
【0009】
一方、凸状の種結晶支持部を設けた従来構成(図6参照)では、蓋体上に成長する多結晶が単結晶に接触するまで多結晶による成長阻害はないが、その間、単結晶の側面が高温に曝されるために、熱エッチングにより侵食されて口径拡大率が低下する。これに対し、本発明では、傾斜する上記側面上に単結晶成長の開始直後から多結晶が堆積し、これが成長する単結晶に接触して側面を保護する。この効果を得るには、角度θを80度以下とするのがよく、熱エッチングを防止して、口径を拡大させることができる。
【0010】
従って、上記角度θを20度以上80度以下とすると、上記口径拡大効果が顕著であり、多結晶が単結晶の成長を妨害することなく、かつ成長する単結晶側面に接して熱エッチングを防止する。その結果、単結晶の口径拡大率を大幅に向上させることができ、しかも、装置構成が簡単で製作も容易である。
【0011】
また、一般には、上記種結晶支持部を上記側面の断面が直線状となるように形成するが、請求項1の装置では、上記側面を、略中央部が径方向外方に膨出する凸面状、あるいは径方向内方に凹陥する凹面状といった形状とするこの場合は、上記角度θが部位によって変化するが、上記支持面側端部または上記容器内壁面側端部を除く、少なくとも側面中央部における角度θが上記範囲にあれば、同様の効果が得られる。
【0012】
請求項の装置では、上記種結晶支持部の上記支持面の径を、上記種結晶の径と略同一または上記種結晶より小径とする。上記種結晶より上記支持面の径が大きいと、上記種結晶の周囲の上記支持面上に多結晶が堆積するので、傾斜する上記側面の効果を得るには、上記種結晶と上記支持面をほぼ同じ大きさとするか上記支持面を若干小さく形成することが望ましい。
【0013】
請求項の装置では、上記単結晶を炭化珪素単結晶とする。炭化珪素単結晶は、半導体装置作製用基板として有用であり、しかも、従来、大口径化が困難であったので、本発明を適用した場合の効果が著しい。
【0014】
請求項の発明は、単結晶の製造方法に関するもので、容器内に、成長させる単結晶の原料と種結晶とを対向させて配置し、上記原料を加熱昇華させて上記種結晶上に単結晶を成長させる方法において、上記原料に対向する上記容器内壁面の一部を上記原料側に突出させて種結晶支持部となし、その上に上記種結晶を支持固定する。この時、該種結晶支持部を、側面が傾斜する略台形形状とするとともに上記側面を凸面状または凹面状に形成し、この傾斜する側面の中央部における法線と上記支持面の法線とのなす角度θが20度以上80度以下となるようにするものである。
【0015】
上記方法によれば、上記請求項1と同様の効果が得られ、簡易な方法で、単結晶の口径拡大率を大幅に向上させることができる。
【0016】
特に、上記種結晶支持部の上記側面を、凸面状または凹面状に形成することができ、中央部における上記角度θが上記範囲となるようにすることで、いずれも同様の口径拡大効果が得られる。
【0017】
請求項の方法では、上記種結晶支持部の上記支持面の径を、上記種結晶の径と略同一または上記種結晶より小径とする。これにより、上記支持面上に多結晶が堆積するのを防止し、傾斜する上記側面の作用を効果的に発揮できる。
【0018】
請求項の方法では、上記単結晶を炭化珪素単結晶とする。炭化珪素単結晶は半導体装置作製用基板として有用であり、大口径化による利用価値が大きい。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の基本構成となる第1の形態を詳細に説明する。図1(a)は、本発明適用される単結晶の成長装置の概略構成図であり、ここでは、成長させる単結晶を炭化珪素単結晶とした場合について説明する。図中、単結晶の成長装置8は、容器としての黒鉛製るつぼ7および蓋体1を有している。るつぼ7は、上端開口の容器体で、その下半部内には原料となる炭化珪素原料粉末6が充填してある。図1(b)に示すように、蓋体1は、外周縁部をやや薄肉のフランジ部1aとなしており、るつぼ7に嵌着した時にフランジ部1aがるつぼ7の上端縁に当接してこれを密閉するようになしてある(図1(a))。
【0020】
次に、本発明が適用される蓋体1の基本形状について説明する。図1(a)、(b)において、蓋体1は、その下面(容器内壁面)中央を下方(原料粉末6側)に突出させて、種結晶3を支持固定するための種結晶支持部2となしている。この結晶支持部2は略台形形状であり、側面2bが原料粉末6と傾きを有して対向するように、蓋体1下面側から種結晶3に接する支持面2a側へ向けて次第に縮径する形状となしてある。種結晶3が固定される支持面2aは、蓋体1下面と平行に形成される。
【0021】
具体的には、側面2bを、支持面2aの法線Aと側面2bの法線Bとのなす角度θ(以下、傾斜角度θという)が(図1(b))、20度以上80度以下となるよう傾斜させるのがよく、これにより、種結晶3の周囲に成長する炭化珪素多結晶4によって炭化珪素単結晶5の成長が阻害されるのを抑制し、かつ多結晶4により単結晶5の側面を熱エッチングから保護して、効果的に成長結晶5の口径拡大率を大きくすることができる。傾斜角度θが20度より小さいと、上記図6に示した従来構成に近くなり、周辺の多結晶による成長阻害が大きくなる。また、傾斜角度θが80度より大きいと、上記図7に示した従来構成に近くなり、単結晶外周部が熱エッチングされて、口径拡大効果が低減する。口径拡大効果が最大となる傾斜角度θは、周辺に成長する多結晶4の成長速度と単結晶5側面方向の成長速度の両者の大きさで決まる。両者の大きさは、その時の成長条件、成長装置の構造により変化するが、本発明者らは、図1(a)に示す構造の成長装置のおよび以下に示す成長条件の範囲であれば、傾斜角度θが20度から80度の範囲で口径拡大効果が得られることを見出した。より好ましくは、傾斜角度θを25度から65度の範囲とするのがよく、上記効果をさらに高めることができる。なお、本形態では、結晶支持部2の側面2bを、断面が直線状となるように形成しており、傾斜角度θは一定である。
【0022】
ここで、炭化珪素単結晶6を成長させるための種結晶3としては、通常、アチソン法で製造された炭化珪素単結晶、または、アチソン結晶から昇華法で成長させた炭化珪素単結晶が使用される。種結晶3は、これら炭化珪素単結晶を所定のウェハ形状に加工してなり、種結晶支持部2の支持面2a上に接合固定される。この時、支持面2aの径が種結晶3の径と略同一かあるいは若干小さくなるようにするのがよく、上記口径拡大効果をより効果的に発揮させることができる。支持面2aの径が種結晶3の径より大きすぎると、種結晶3周辺の支持面2a上に多結晶が堆積して、口径拡大に悪影響を及ぼすおそれがある。
【0023】
なお、種結晶支持部2の突出高さ(図の上下方向の高さ)は、特に制限されないが、あまり小さすぎると、蓋体1上に成長する多結晶4が単結晶5の成長に追い付いてしまい、種結晶支持部2がない状態(傾斜角度θ=0の状態)に近くなる。また、突出高さが大きすぎると、種結晶3まわりの温度分布が変化するなどの問題があるため、装置形状や種結晶3の大きさ等に応じて、適宜設定するのがよい。
【0024】
上記装置を用いて単結晶を成長させる場合には、図1(a)のように、種結晶3を、結晶支持部2の支持面2aに接着剤によって接合し、るつぼ7の周囲に配した誘導コイル等の加熱装置(図略)で加熱する。この時、原料粉末6が炭化珪素の昇華温度以上(通常、約2000〜2500℃程度)、種結晶3が原料粉末6より低い温度となるように、るつぼ7内に温度勾配を設ける。るつぼ7内の雰囲気は、アルゴンガス等の不活性ガス雰囲気とし、圧力は0.1〜10Torr程度とするのがよい。これにより、原料粉末6の昇華ガスが発生して上方へ拡散し、より低温の種結晶3上で再結晶する。
【0025】
このように、結晶支持部2の側面2bを傾斜面とし、その傾斜角度θ(支持面2aの法線Aと側面2bの法線Bとのなす角度)を20度以上80度以下とすることで、得られる炭化珪素単結晶6の口径拡大角度α(単結晶5と多結晶4の境界線Cと支持面2aの法線Aとのなす角度)を従来より大きくすることが可能である。これは、傾斜する側面2bの法線Bの方向に成長する多結晶4が、種結晶3上に成長する単結晶5の成長方向(上記支持面の法線の方向)に対して外側へ逃げるように成長することになるために、多結晶4による成長阻害が防止されること、しかも、この多結晶4によって単結晶5の側面が保護されるために、熱エッチングが防止されることにより、これら両方の効果で、簡易に、成長する単結晶5の口径拡大を図ることができる
【0026】
図2に本発明の実施例である第2の実施の形態を示す。上記第1の形態において、結晶支持部2の側面2bは断面が直線状となるように形成され、傾斜角度θは一定であるが、図2のように、側面2bを、略中央部が径方向外方に膨出する凸面状とすることもできる。この場合は、支持面2a側から蓋体1側へ向けて、傾斜角度θが徐々に大きくなるが、支持面2a側端部および蓋体1側端部を除く中央部において、傾斜角度θが20度以上80度以下となるようにすることで、同様の効果が得られる。また、図3に本発明の実施例である第3の実施の形態を示すように、側面2bを、略中央部が径方向内方に凹陥する凹面状に形成することもできる。この場合も同様で、支持面2a側から蓋体1側へ向けて、傾斜角度θが徐々に小さくなるが、支持面2a側端部および蓋体1側端部を除く中央部において、傾斜角度θが20度以上80度以下となるようにすることで、同様の効果が得られる。
【0027】
また、結晶支持部2および種結晶3の形状は、円形が一般的であるが、円形に限らず、他の形状、例えば、四角形、六角形等の多角形とすることもできる。この時、結晶支持部2と種結晶3の形状を一致させる必要は必ずしもなく、例えば、多角形の種結晶3を円形の結晶支持部2上に支持させたり、逆に、円形の種結晶3を多角形の結晶支持部2上に支持させることもできる。
【0028】
【実施例】
本発明の効果を確認するために、上記図1の単結晶成長装置8を用いて炭化珪素単結晶5を成長させた。種結晶3としてはアチソン結晶を用い、これを直径10mmのウエハ状に成形した後、蓋体1に設けた種結晶支持部2の支持面2aに、接着剤を用いて貼り付けた。種結晶支持部2は、支持面2aの外径が10mm、傾斜角度θ(支持面2aの法線Aと側面2bの法線Bとのなす角度)が30度となるように形成した。るつぼ7内に、炭化珪素原料粉末6として市販の炭化珪素研磨材(平均粒子径80μm)を充填し、その上端開口に種結晶3を貼り付けた蓋体1を嵌着固定して、図略の成長用炉中で加熱した。この際、まず、るつぼ7内を図略の真空排気系にてアルゴンガス雰囲気に置換し、雰囲気圧力700Torrで、るつぼ7内温度を成長温度まで上昇させた後、雰囲気圧力を成長圧力(10Torr)まで減圧して、成長を開始した。加熱は図略の誘導コイルによる誘導加熱方式とし、原料粉末6を約2200〜2300℃に加熱して、これより低い温度に保持した種結晶3上に単結晶5を成長させた。成長時間は24時間とし、成長中は、温度と圧力を一定に保った。成長終了時は、まず、雰囲気圧力を700Torrまで上げてから、温度を常温まで低下させた。
【0029】
その後、成長用炉からるつぼ7を取出し、蓋体1を取り外して種結晶3上に成長した炭化珪素単結晶5の評価を行った。評価は、得られた炭化珪素単結晶5を縦方向(図1の上下方向)に切断して撮影した縦切断面の写真を用いて行い、炭化珪素単結晶5と炭化珪素多結晶4の境界線Cと、支持面2aの法線Aのなす角度を測定して、口径拡大角度αとした。さらに、種結晶支持部2の傾斜角度θを15度から90度の範囲で変更し、同様の方法で成長させた炭化珪素単結晶5について、口径拡大角度αをそれぞれ測定した。これら測定結果に基づき、傾斜角度θと口径拡大角度αの関係を調べて、図4に示した。なお、この時、同じ傾斜角度θで複数の単結晶5を成長させ、各単結晶5の縦切断面のサンプルを作成して、その左右の口径拡大角度αをそれぞれ測定した。図4には、口径拡大角度αを、このサンプルの部位によるばらつきおよびサンプル間のばらつきの幅とともに示した。
【0030】
図4に明らかなように、傾斜角度θが15度から大きくなるに従い、口径拡大角度αが増大しており、傾斜角度θ=20度で口径拡大角度αが30度以上、傾斜角度θ=25度で口径拡大角度αが40度以上の、口径拡大効果が得られる。すなわち、傾斜角度θを大きくすることで、種結晶支持部2の側面2b上に成長する多結晶4の成長方向がより外側に傾くことから、単結晶5の成長が阻害されず、単結晶5がより外側に拡大しながら成長できることがわかる。これに対し、図5の従来装置構成に近い傾斜角度θ=15度では、十分な効果が得られず、単結晶5に近接して成長する多結晶4による成長阻害が生じていると考えられる。
【0031】
一方、傾斜角度θが40度を越えると、口径拡大角度αが徐々に小さくなり、図6の従来装置構成となる傾斜角度θ=90度では、口径拡大角度αが25度程度となる。これは、傾斜角度θが大きくなりすぎると、単結晶5と多結晶4が接しないために、単結晶5の側面が露出して熱エッチングを受けるためと考えられ、側面2b上の多結晶4が単結晶5の成長を妨げない程度にこれに接することで、単結晶5の熱エッチングを防止する効果が得られることがわかる。以上より、側面2b上の多結晶4が単結晶5の成長を妨げず、かつ単結晶5の側面を熱エッチングから保護するには、傾斜角度θが20度から80度の範囲にあればよく、従来に比べて大幅に口径を拡大できることがわかる。
【0032】
なお、上記実施の形態では、単結晶として炭化珪素単結晶を成長させた場合について説明したが、炭化珪素単結晶以外にも、昇華再結晶法で成長可能な他の単結晶の成長に適用してももちろんよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の基本構成である第1の形態を示し、(a)は単結晶成長装置の概略断面図、(a)は蓋体の拡大断面図である。
【図2】 本発明の実施例である第2の実施の形態における蓋体の拡大断面図である。
【図3】 本発明の実施例である第3の実施の形態における蓋体の拡大断面図である。
【図4】 角度θと口径拡大角度αの関係を示す図である。
【図5】 従来の単結晶成長装置の概略断面図である。
【図6】 従来の単結晶成長装置の概略断面図である。

Claims (6)

  1. 容器内に、成長させる単結晶の原料と種結晶とを対向させて配置し、上記原料を加熱昇華させて上記種結晶上に単結晶を成長させる装置であって、上記原料に対向する上記容器内壁面の一部を上記原料側に突出させて、上記種結晶を支持する種結晶支持部となし、該種結晶支持部を、側面が傾斜する略台形形状とするとともに上記側面を凸面状または凹面状とし、この傾斜する側面の中央部における法線と上記支持面の法線とのなす角度θが20度以上80度以下となるようにしたことを特徴とする単結晶の成長装置。
  2. 上記種結晶支持部の上記支持面の径を、上記種結晶の径と略同一または上記種結晶より小径とした請求項1記載の単結晶の成長装置。
  3. 上記単結晶が炭化珪素単結晶である請求項1または2のいずれか記載の単結晶の成長装置。
  4. 容器内に、成長させる単結晶の原料と種結晶とを対向させて配置し、上記原料を加熱昇華させて上記種結晶上に単結晶を成長させる方法において、上記原料に対向する上記容器内壁面の一部を上記原料側に突出させて上記種結晶を支持する種結晶支持部となし、該種結晶支持部を、側面が傾斜する略台形形状とするとともに上記側面を凸面状または凹面状とし、この傾斜する側面の中央部における法線と上記支持面の法線とのなす角度θが20度以上80度以下となるようにしたことを特徴とする単結晶の製造方法
  5. 上記種結晶支持部の上記支持面の径を、上記種結晶の径と略同一または上記種結晶より小径とした請求項4記載の単結晶の製造方法。
  6. 上記単結晶が炭化珪素単結晶である請求項4または5記載の単結晶の製造方法。
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