JP4450118B2 - 炭化珪素単結晶の製造方法 - Google Patents

炭化珪素単結晶の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、種結晶上に欠陥の少ない高品質な炭化珪素単結晶を歩留りよく製造する炭化珪素単結晶製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
炭化珪素単結晶は、高耐圧、高電子移動度という特徴を有するため、パワーデバイス用半導体基板として期待されている。炭化珪素単結晶においては、歩留まり向上のための高品質化と生産向上のための大口径化・長尺化が求められている。この炭化珪素単結晶成長には、一般に、昇華法(改良レーリー法)と呼ばれる単結晶成長方法が用いられる。
【0003】
改良レーリー法は、黒鉛製るつぼ内に炭化珪素原料を挿入すると共にこの原料部と対向するように種結晶を黒鉛製るつぼの内壁に装着し、原料部を2200〜2400℃に加熱して昇華ガスを発生させ、原料部より数十〜数百℃低温にした種結晶に再結晶化させることで炭化珪素単結晶を成長させるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、黒鉛製るつぼを試作し、昇華法を用いて炭化珪素単結晶の製造を行った。このときの様子を図7に示す。この図に示すように、黒鉛製るつぼ101の蓋材102の内壁に突起部102aを設け、この突起部102aに種結晶103を貼り付けるようにしている。そして、突起部102aのうち種結晶103が貼り付けられる面の逆側を凹ませてザグリ102bを形成すると共に、種結晶103の成長表面に対向する面を有する遮蔽板104を設け、種結晶103の成長表面が他の部位よりも低温となるようにしている。このように構成した黒鉛製るつぼ101を用いて、種結晶103の上に炭化珪素単結晶105を成長させた。
【0005】
しかしながら、図7に示すように、上記黒鉛製るつぼ101にて炭化珪素単結晶105を成長させた場合には、長尺化に伴って成長した炭化珪素単結晶105の成長面が曲面となり、その曲面上に亀裂欠陥が発生するという問題が生じた。
【0006】
本発明は上記問題に鑑みて成され、炭化珪素単結晶の成長表面をフラットに保ったまま長尺成長させられ、かつ亀裂欠陥を発生させない炭化珪素単結晶の製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記問題を解決するべく、本発明者らは炭化珪素単結晶の成長面が曲面となる原因について検討を行った。
【0008】
まず、上記した黒鉛製るつぼ101を用いて炭化珪素単結晶105を結晶させたときの熱シミュレーション解析を行った。これにより解析された黒鉛製るつぼ101内の温度分布を図8に示す。この図に示されるように、炭化珪素単結晶105の成長表面の中心と端部との間において温度差が2℃程度生じており、等温線が大きく曲がっていることが判る。このため、炭化珪素単結晶105の成長面の形状は温度分布に応じて決定されていると考えられる。
【0009】
そこで、上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明においては、種結晶貼付部(12a)と該種結晶貼付部の周囲を囲む周縁部(13)とが所定面に配設されてなるるつぼ(1)を用意し、種結晶貼付部の表面に種結晶(3)を取付けたのち、るつぼ内の成長空間に炭化珪素原料ガスを導入し、種結晶の成長表面上に炭化珪素単結晶(4)を成長させると共に、周縁部の表面(13c)に炭化珪素単結晶と同等の高さとなるように多結晶(6)を成長させ、多結晶に囲まれて埋め込まれた状態で炭化珪素単結晶を成長させることを特徴としている。
【0010】
このように、炭化珪素単結晶と同等の高さの多結晶を成長させ、炭化珪素単結晶が多結晶に埋め込まれるような状態で成長させることで、炭化珪素単結晶の成長表面の温度分布がほぼ均一となるようにすることができる。このため、炭化珪素単結晶の成長表面をフラットに保ったまま長尺化でき、かつ亀裂欠陥を発生させないようにすることができる。
【0011】
例えば、請求項2に示すように、周縁部の表面に炭化珪素単結晶の成長表面とほぼフラットになる成長表面を有する多結晶を成長させるようにすればよい。
【0012】
具体的には、請求項3に示すように、周縁部の表面の温度よりも種結晶の成長表面の温度が同一温度もしくはやや低温になるようにすることで、種結晶の成長表面上に炭化珪素単結晶を成長させると共に、周縁部の表面に炭化珪素単結晶と同等の高さの多結晶を成長させることができる。例えば、請求項4に示すように、周縁部の厚み(A+B)が炭化珪素貼付部材の厚み(C)よりも厚くなるようにすればよい。
【0013】
また、請求項10に示すように、周縁部のうち多結晶が成長する表面を構成する部分の厚み(B)を5mm以上とすること、もしくはるつぼの他の部分よりも熱伝導率の悪い材料で構成することで径方向の温度均一化を向上させることができる。
【0014】
請求項5に記載の発明においては、種結晶貼付部と周縁部のうち種結晶貼付部を囲む内周壁との間に、所定間隔の隙間を設けることを特徴としている。
【0015】
これにより、種結晶の成長表面上に形成される炭化珪素単結晶と周縁部の表面に形成される多結晶とが分離されるようにできる。この場合、隙間が大きすぎると隙間が実質的に成長空間と同等になり、小さすぎると隙間がないのと同等になってしまうので、好ましくは、請求項6に示すように、隙間を1mmとするのが良い。
【0016】
請求項7に記載の発明においては、種結晶貼付部と周縁部とを、相対的に逆回転させることを特徴としている。
【0017】
これにより、種結晶の成長表面上に形成される炭化珪素単結晶と周縁部の表面に形成される多結晶とが分離されるようにできる。特に、炭化珪素単結晶や多結晶が長尺になると、それぞれの結晶の横方向の成長のために成長結晶が一体化し易くなるが、このような一体化を防止することができる。
【0018】
請求項8に記載の発明においては、るつぼのうち種結晶貼付部及び周縁部が配設された所定面と対向する面に炭化珪素原料を備え、炭化珪素単結晶の成長中に種結晶貼付部を炭化珪素原料から離れる方向に移動させることを特徴としている。
【0019】
これにより、炭化珪素単結晶や多結晶を長尺に成長させても、炭化珪素単結晶を炭化珪素原料から離間させ、所望の温度状態に制御することができる。例えば、請求項9に示すように、種結晶貼付部の移動速度を、炭化珪素単結晶の成長速度と同等にすれば、一定の位置で炭化珪素単結晶を成長させることができるため、炭化珪素単結晶の成長表面の温度を一定の温度状態に保つことができる。
【0021】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0022】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、図に示す実施形態について説明する。図1に、本実施形態で用いる結晶成長装置としての黒鉛製るつぼ1を示す。この図は、黒鉛製るつぼ1内に備えられた炭化珪素原料2を熱処理によって昇華させ、炭化珪素単結晶層で構成された種結晶3の上に炭化珪素単結晶4を結晶成長させたときの黒鉛製るつぼ1の断面構成を示している。
【0023】
黒鉛製るつぼ1は、上面が開口したるつぼ本体10と、るつぼ本体10の開口部を塞ぐ蓋材11とから構成されている。るつぼ本体10の開口部側には段付き部10aが設けられている。
【0024】
るつぼ本体10は、断面円形のコップ形状を成しており、コップ形状の底には炭化珪素原料2が備えられている。
【0025】
蓋材11は、るつぼ本体10の開口部の形状に対応した円形状を成している。蓋材11は、種結晶貼付部材12と多結晶成長部材13とによって構成されている。種結晶貼付部材12は円盤形状の中央部を円柱状に突出させて構成しており、この突出した部分(以下、突出部という)12aの先端面12bに種結晶3が貼り付けられるようになっている。なお、ここで示した突出部12aが種結晶貼付部を構成し、種結晶貼付部材12のうちの突出部12a以外の部分(突出部12aの周囲の部分)12c及び多結晶成長部材13が周縁部を構成している。
【0026】
多結晶成長部材13は、るつぼ本体10の開口部から挿入され、開口部近傍において、るつぼ本体10に形成された段付き部10aによって所定位置に保持されるようになっている。
【0027】
この多結晶成長部材13は、中央に断面円形状の空洞部13aが形成されており、この空洞部13a内に種結晶貼付部材12の突出部12aが挿入されて、突出部12aの外周壁を空洞部13aの内壁面で囲むようにしている。多結晶成長部材13の空洞部13aの内径が、種結晶貼付部材12の突出部12aの外径より若干大きくされており、空洞部13aの内周壁と突出部12aの外周壁との間の隙間dが所定間隔となるようにしている。具体的には、隙間dの大きさが1mm程度となるようにしている。これは、隙間dが小さくなり過ぎると実質的に隙間が空けられていないのと同様になってしまい、逆に、大きくなり過ぎると黒鉛製るつぼ1内の成長空間と同様に作用してしまうからである。また、多結晶製造部材13には、空洞部13aから等間隔離れ、空洞部13aを囲うように形成された円筒形状のガイド13bが設けられている。このガイド13bは、多結晶成長部材13のうち突出部12aの先端面12bの成長表面に対して平行又は同一平面を成す表面13cから炭化珪素原料2の方向に向かって延設されている。
【0028】
図2に、黒鉛製るつぼ1の蓋材11の近傍を拡大した図を示す。この図に示されるように、種結晶貼付部材12のうち突出部12aの周囲の部分12cの厚みをAとし、多結晶成長部材13のうち突出部12aの周囲を囲む部分(多結晶成長部材13のうちガイド13bよりも内側の部分)の厚みをBとし、種結晶貼付部材12の突出部12aの厚みをCとすると、厚みAと厚みBとの和が厚みCよりも大きくなる(A+B>C)ようにしている。
【0029】
また、種結晶3を貼り付けたときに、種結晶3の成長表面が多結晶成長部材13の表面13cに対してほぼフラットとなるように、若しくは若干突出するように厚みA〜Cを設定している。
【0030】
このように構成することにより、種結晶貼付部材12及び多結晶成長部材13を炭化珪素原料2側から見た際に、種結晶3が取り付けていない時には、突出部12aが多結晶成長部材13の表面よりも凹んだ構成となり、種結晶3を取り付けた時には、種結晶3の成長表面が多結晶成長部材13の表面に対してフラットとなっているか、若しくは若干量突出した構成となる。
【0031】
さらに、図1に示すように、黒鉛製るつぼ1は、アルゴンガスが導入できる真空容器(加熱炉)の中でヒータ5により加熱できるようになっており、このヒータパワーを調節することによって種結晶3の温度が炭化珪素原料2の温度よりも100℃程度低温に保たれるようにしている。
【0032】
このように構成された黒鉛製るつぼ1をヒータ5によって加熱したときの温度分布を熱シミュレーションによって求めた。その結果を図3に示す。この図に示した点線は等温線を表わしており、紙面上方から下方に向かって順に高温になってる。この図に示されるように、種結晶3の表面温度は、多結晶成長部材13の表面の温度よりも若干低温になるようになっている。そして、種結晶3や炭化珪素単結晶4の成長表面温度がほぼ均一となっている。具体的には、温度分布ΔTが0.3℃程度となっていた。
【0033】
これは、種結晶3が貼り付けられる突出部12aを多結晶成長部材13から切り離すと共に、突出部12aの厚みCが、その周囲を囲む部分の厚みAと厚みBの和よりも小さくなるようにしていることから、熱伝導の関係により、突出部12aに多結晶成長部材13の熱が伝わりにくく、かつ突出部12aは外部に放熱しやすくなるように構成されているためである。
【0034】
このように構成された黒鉛製るつぼ1を用いて、(0001)面を成長表面とする種結晶3の上に炭化珪素単結晶4を成長させた。具体的には、成長圧力を100Torrとし、原料の輸送速度を遅くして成長速度を制御しながら、15時間成長を行った。これにより、図1に示すように、炭化珪素単結晶4の成長に伴って多結晶成長部材13の表面13c上には多結晶6が同様に成長した。このとき、多結晶6は、炭化珪素単結晶4から所定間隔隔てた状態で炭化珪素単結晶4を囲むように成長することが判った。つまり炭化珪素単結晶4が多結晶6に埋め込まれたような状態で成長するという埋め込み成長をするのである。
【0035】
そして、炭化珪素単結晶4の成長表面は多結晶6の成長表面に対してほぼフラット、若しくは若干突出した状態となっており、炭化珪素単結晶4の成長表面の高さと多結晶6の成長表面の高さとの位置関係がほぼ一定のまま成長していた。これは、炭化珪素単結晶4や多結晶6が成長しても、これらそれぞれの成長表面の温度関係が、上述した種結晶3の成長表面と多結晶成長部材13の表面の温度関係と同様になることを示している。つまり、炭化珪素単結晶4の成長表面の温度が多結晶6の成長表面の温度よりも若干低温となり、かつ炭化珪素単結晶4の成長表面の温度分布が均一となるのである。
【0036】
さらに、炭化珪素単結晶4においては、成長表面の略中心から波紋状に広がるファセット面が形成されていた。このファセット面は、炭化珪素単結晶4の成長表面のうちの6割以上を占めており、このファセット面となった部分には亀裂欠陥が発生していなかった。
【0037】
このように、炭化珪素単結晶4及び多結晶6を、略同等の高さの隣接する異なる成長面(本実施形態の場合には、種結晶3の成長表面と多結晶成長部材13の表面13c)に成長させると、炭化珪素単結晶4と多結晶6が所定間隔隔てた状態で共に成長させることができる。そして、種結晶3の成長表面及び炭化珪素単結晶4の成長表面の温度分布がほぼ均一となるようにできるため、炭化珪素単結晶4の成長表面がフラットとなるようにすることができると共に、炭化珪素単結晶4の亀裂欠陥を無くすことができる。
【0038】
また、炭化珪素単結晶4の成長表面をフラットにできるため、ウェハとしての切り出しを行う際にウェハの取り数を多くすることができ、また、ドーピング技術においても不純物の取り込みを均一にすることができる。
(第2実施形態)
図4に、本発明の第2実施形態として用いる黒鉛製るつぼ1の断面構成を示す。なお、本実施形態の黒鉛製るつぼ1は、第1実施形態で用いた黒鉛製るつぼ1とほぼ同様の構成であるため、図1と同等の構成については同じ符号を付し、異なる部分についてのみ説明する。
【0039】
図4に示すように、黒鉛製るつぼ1のるつぼ本体10は、種結晶貼付部材12及び多結晶成長部材13が配置されている部位よりも上方向(炭化珪素原料2が配置されている側から離れる方向)に向けて延設されており、上方向に向けて種結晶貼付部材12及び多結晶成長部材13が引き上げられるように構成されている。なお、種結晶貼付部材12及び多結晶成長部材13は、これらが互いに接触している部位にて連結されており、種結晶貼付部材12に設けられた支持部材14にて引き上げられるように構成されている。
【0040】
このように構成された黒鉛製るつぼ1を用いて、上記した第1実施形態と同様に種結晶3の成長表面に炭化珪素単結晶4を成長させると共に、多結晶成長部材13の表面13cに多結晶6を成長させた。このとき、炭化珪素単結晶4の成長速度と同等になるように、種結晶貼付部材12及び多結晶成長部材13を上方向に引き上げ、炭化珪素単結晶4の成長表面及び多結晶6の成長表面から炭化珪素原料2までの距離が一定となるようにした。具体的には、種結晶貼付部材12及び多結晶成長部材13の引き上げ速度を0.2〜mm/hとした。
【0041】
このように、炭化珪素単結晶4の成長表面及び多結晶6の成長表面から炭化珪素原料2までの距離が一定となるようにすることで、炭化珪素単結晶4を成長させる際において、炭化珪素単結晶4の成長表面及び多結晶6の成長表面の温度が経時的にあまり変化しないようにできる。このため、さらに炭化珪素単結晶4の結晶性を良好にすることができる。
【0042】
(第3実施形態)
図5に、本発明の第3実施形態として用いる黒鉛製るつぼ1の断面構成を示す。なお、本実施形態の黒鉛製るつぼ1は、第1実施形態で用いた黒鉛製るつぼ1とほぼ同様の構成であるため、図1と同等の構成については同じ符号を付し、異なる部分についてのみ説明する。
【0043】
図5に示すように、種結晶貼付部材12は、多結晶成長部材13に形成された空洞部13a内に配置されている。そして、種結晶貼付部材12及び多結晶成長部材13がそれぞれ支持部材15、16によって支持されていると共に、これらそれぞれが支持部材15、16を中心軸として互いに逆方向に回転するように構成されている。ただし、支持部材16は円筒形状を成しており、その中心が支持部材15の中心と一致している。なお、本実施形態では、種結晶貼付部材12が種結晶貼付部を構成し、多結晶成長部材13が周縁部を構成する。
【0044】
このように構成された黒鉛製るつぼ1を用いて、上記した第1実施形態と同様に種結晶3の成長表面に炭化珪素単結晶4を成長させると共に、多結晶成長部材13の表面13cに多結晶6を成長させた。このとき、種結晶貼付部材12と多結晶成長部材13とを互いに逆方向に回転させた。
【0045】
このように、炭化珪素単結晶4や多結晶6の成長に伴って、種結晶貼付部材12及び多結晶成長部材13を互いに逆方向に回転させることにより、炭化珪素単結晶4や多結晶6の成長が進んでも、これらを確実に分離でき、これらが付着してしまうことを防止することができる。すなわち、炭化珪素単結晶4と多結晶6の成長量がほぼ一定のため、成長面がフラットに保たれるが、それぞれの横方向成長のために長尺になると炭化珪素単結晶4が多結晶6との温度差がなくなり、両者が一体化してしまう可能性がある。このため、種結晶貼付部材12及び多結晶成長部材13を互いに逆方向に回転させることによって、炭化珪素単結晶4と多結晶6とが一体化することを防止でき、長尺な炭化珪素単結晶4を結晶性良く形成することを可能にすることができる。
【0046】
(第4実施形態)
図6に、本発明の第4実施形態として用いる黒鉛製るつぼ1の断面構成を示す。なお、本実施形態の黒鉛製るつぼ1は、第3実施形態で用いた黒鉛製るつぼとほぼ同様の構成であるため、図1と同等の構成については同じ符号を付し、異なる部分についてのみ説明する。
【0047】
図6に示すように、本実施形態における黒鉛製るつぼ1は、第3実施形態における図5で示した黒鉛製るつぼ1に対して、るつぼ本体10が上方向に向けて延設された構成となっている点が異なる。これにより、上方向に向けて種結晶貼付部材12及び多結晶成長部材13が引き上げられるように構成されている。すなわち、本実施形態では、第3実施形態と同様に種結晶貼付部材12及び多結晶成長部材13を互いに逆方向に回転させられるように構成していると共に、第2実施形態と同様に種結晶貼付部材12及び多結晶成長部材13を引き上げられるように構成している。
【0048】
このように構成された黒鉛製るつぼ1を用いて、上記した第1実施形態と同様に種結晶3の成長表面に炭化珪素単結晶4を成長させると共に、多結晶成長部材13の表面に多結晶6を成長させた。このとき、種結晶貼付部材12と多結晶成長部材13とを互いに逆方向に回転させ、かつ種結晶貼付部材12及び多結晶成長部材13を炭化珪素単結晶4と多結晶の成長と同等の速度で上方向に引き上げた。
【0049】
このように、種結晶貼付部材12と多結晶成長部材13とを互いに逆方向に回転させることにより、炭化珪素単結晶4と多結晶6とを確実に分離でき、さらに、種結晶貼付部材12及び多結晶成長部材13を上方向に引き上げることにより、炭化珪素単結晶4の成長表面及び多結晶6の成長表面の温度が経時的にあまり変化しないようにできる。このため、さらに炭化珪素単結晶4の結晶性を良好にすることができると共に、炭化珪素単結晶4の長尺化を図ることができる。
【0050】
(他の実施形態)
上記第1〜第4実施形態では、種結晶貼付部材12の突出部12aの厚みCと、その周囲における厚みA及び厚みBとの関係によって、種結晶3や炭化珪素単結晶4の成長表面が多結晶6の成長表面よりも温度が低くなるようにしているが、他の構成によって上記温度関係となるようにしてもよい。
【0051】
また、上記3、第4実施形態では、種結晶貼付部材12と多結晶成長部材13とを互いに逆方向に回転させているが、これらが相対的に回転すればよく、必ずしも双方共に回転させる必要はない。例えば、種結晶貼付部材12のみを回転させるようにしてもよい。さらに、種結晶貼付部材12や多結晶成長部材13に加えて、るつぼ本体10を回転させてもよい。なお、この場合、るつぼ本体10は多結晶成長部材13とは相対的に逆方向に回転させることになる。
【0052】
また、上記第2、第4実施形態では、種結晶貼付部材12と多結晶成長部材13とを共に上方向に引き上げるようにしているが、種結晶貼付部材12のみを引き上げるようにしてもよい。この場合、多結晶6の成長表面が炭化珪素単結晶4の成長表面よりも下方に位置する場合があるが、炭化珪素単結晶4の温度は多結晶6よりも低くなるため、炭化珪素単結晶4のみが成長するようになり、成長表面はほぼフラットのまま保たれる。また、炭化珪素単結晶4の成長表面の周囲がSi/C比の安定した多結晶6で囲まれた状態で成長が進むため、炭化珪素単結晶4を結晶性が良好な状態で形成することができる。また、引き上げによる炭化珪素単結晶4と多結晶6の成長表面のズレを多結晶6が昇華、再結晶化することによって自動的に補正することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態における黒鉛製るつぼ1の断面構成を示す図である。
【図2】図1に示す黒鉛製るつぼ1の蓋材11の各部位の厚みを説明するための図である。
【図3】図1に示す黒鉛製るつぼ1を用いた場合における種結晶3の成長表面の温度分部をシミュレーションによって求めた結果を示す図である。
【図4】本発明の第2実施形態における黒鉛製るつぼ1の断面構成を示す図である。
【図5】本発明の第3実施形態における黒鉛製るつぼ1の断面構成を示す図である。
【図6】本発明の第4実施形態における黒鉛製るつぼ1の断面構成を示す図である。
【図7】本発明者らの試作した黒鉛製るつぼ101の断面構成を示す図である。
【図8】図7に示す黒鉛製るつぼ101を用いた場合における種結晶103の成長表面尾温度分布をシミュレーションによって求めた結果を示す図である。
【符号の説明】
1…黒鉛製るつぼ、2…炭化珪素原料、3…種結晶、4…炭化珪素単結晶、
6…多結晶、10…るつぼ本体、11…蓋材、12…種結晶貼付部材、
12a…突出部、12b…先端面、13…多結晶成長部材、13a…空洞部、
13b…ガイド、13c…表面、14〜16…支持部材、d…隙間。

Claims (10)

  1. 種結晶貼付部(12a)と該種結晶貼付部の周囲を囲む周縁部(12c、13)とが所定面に配設されてなるるつぼ(1)を用意し、前記種結晶貼付部の表面(12b)に種結晶(3)を取付ける工程と、
    前記るつぼ内の成長空間に炭化珪素原料ガスを導入し、前記種結晶の成長表面上に炭化珪素単結晶(4)を成長させると共に、前記周縁部の表面(13c)に前記炭化珪素単結晶と同等の高さとなるように多結晶(6)を成長させ、前記多結晶に囲まれて埋め込まれた状態で前記炭化珪素単結晶を成長させることを特徴とする炭化珪素単結晶の製造方法。
  2. 種結晶貼付部(12a)と該種結晶貼付部の周囲を囲む周縁部(12c、13)とが所定面に配設されてなるるつぼ(1)を用意し、前記種結晶貼付部の表面(12b)に種結晶(3)を取付ける工程と、
    前記るつぼ内の成長空間に炭化珪素原料ガスを導入し、前記種結晶の成長表面上に炭化珪素単結晶を成長させると共に、前記周縁部の表面に前記炭化珪素単結晶の成長表面とほぼフラットになる成長表面を有する多結晶(6)を成長させることを特徴とする炭化珪素単結晶の製造方法。
  3. 種結晶貼付部(12a)と該種結晶貼付部の周囲を囲む周縁部(12c、13)とが所定面に配設されてなるるつぼ(1)を用意し、前記種結晶貼付部の表面(12b)に種結晶(3)を取付ける工程と、
    前記るつぼ内の成長空間に炭化珪素原料ガスを導入し、前記周縁部の表面(13c)の温度よりも前記種結晶の成長表面の温度が低温になるようにして、前記種結晶の成長表面上に炭化珪素単結晶(4)を成長させると共に、前記周縁部の表面に前記炭化珪素単結晶と同等の高さの多結晶(6)を成長させることを特徴とする炭化珪素単結晶の製造方法。
  4. 種結晶貼付部(12a)と該種結晶貼付部の周囲を囲む周縁部(12c、13)とが所定面に配設されてなるるつぼ(1)を用意し、前記種結晶貼付部の表面(12b)に種結晶(3)を取付ける工程と、
    前記るつぼ内の成長空間に炭化珪素原料ガスを導入し、前記周縁部の厚み(A+B)が前記種結晶貼付部の厚みよりも厚くなるようにし、前記種結晶の成長表面上に炭化珪素単結晶(4)を成長させると共に、前記周縁部の表面(13c)に前記炭化珪素単結晶と同等の高さの多結晶(6)を成長させることを特徴とする炭化珪素単結晶の製造方法。
  5. 前記種結晶貼付部と前記周縁部のうち前記種結晶貼付部を囲む内周壁との間に、所定間隔の隙間を設けることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1つに記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
  6. 前記隙間を0.5〜3mmとすることを特徴とする請求項5に記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
  7. 前記種結晶貼付部と前記周縁部とを、相対的に逆回転させることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1つに記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
  8. 前記るつぼのうち前記種結晶貼付部及び前記周縁部が配設された前記所定面と対向する面に炭化珪素原料(2)を備え、前記炭化珪素単結晶の成長中に前記種結晶貼付部を前記炭化珪素原料から離れる方向に移動させることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1つに記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
  9. 前記種結晶貼付部の移動速度を、前記炭化珪素単結晶の成長速度と同等にすることを特徴とする請求項8に記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
  10. 前記周縁部のうち、前記多結晶が成長する表面を構成している部材(13)の厚み(B)を5mm以上とすることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1つに記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
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