JP2020026359A - 炭化珪素単結晶の製造方法 - Google Patents

炭化珪素単結晶の製造方法 Download PDF

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Shunsaku Ueta
俊策 上田
宏樹 高岡
Hiroki Takaoka
宏樹 高岡
原田 真
Makoto Harada
真 原田
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Abstract

【課題】マクロ欠陥の発生を抑制可能な炭化珪素単結晶の製造方法を提供する。【解決手段】中心を有する第1主面と第1主面の反対側にある第2主面とを有する種結晶と、平面状の第3主面を有する台座と、固定部材とが準備される。第1主面は、中心が第1主面の最小二乗平面に対して第2主面と反対側に位置するように凸状に湾曲している。第2主面は、中央部と、中央部を取り囲む外周部とを有している。さらに、第1主面が第3主面に対向するように配置された状態で固定部材を外周部に当てることにより、種結晶が台座に固定される。第2主面において炭化珪素単結晶を成長させる。【選択図】図3

Description

本開示は、炭化珪素単結晶の製造方法に関する。
特開平9−110584号公報(特許文献1)および特開2002−201097号公報(特許文献2)には、種結晶をフック状部材で固定した状態で、種結晶上に炭化珪素単結晶を成長させる方法が開示されている。
特開平9−110584号公報 特開2002−201097号公報
本開示の目的は、マクロ欠陥の発生を抑制可能な炭化珪素単結晶の製造方法を提供することである。
本開示に係る炭化珪素単結晶の製造方法は以下の工程を備えている。中心を有する第1主面と第1主面の反対側にある第2主面とを有する種結晶と、平面状の第3主面を有する台座と、固定部材とが準備される。第1主面は、中心が第1主面の最小二乗平面に対して第2主面と反対側に位置するように凸状に湾曲している。第2主面は、中央部と、中央部を取り囲む外周部とを有している。さらに、第1主面が第3主面に対向するように配置された状態で固定部材を外周部に当てることにより、種結晶が台座に固定される。第2主面において炭化珪素単結晶を成長させる。
本開示に係る炭化珪素単結晶の製造方法は以下の工程を備えている。平面状の第1主面と第1主面の反対側にある第2主面とを有する種結晶と、中心を有する第3主面と第3主面と反対側の第4主面とを有する台座と、固定部材とが準備される。第3主面は、中心が第3主面の最小二乗平面に対して第4主面と反対側に位置するように凸状に湾曲している。第2主面は、中央部と、中央部を取り囲む外周部とを有している。さらに、第1主面が第3主面に対向するように配置された状態で固定部材を外周部に当てることにより、種結晶が台座に固定される。第2主面において炭化珪素単結晶を成長させる。
本開示によれば、マクロ欠陥の発生を抑制可能な炭化珪素単結晶の製造方法を提供することができる。
第1実施形態に係る炭化珪素単結晶の製造方法の第1工程を示す断面模式図である。 第1実施形態に係る炭化珪素単結晶の製造方法の第1工程を示す平面模式図である。 第1実施形態に係る炭化珪素単結晶の製造方法を概略的に示すフロー図である。 第1実施形態に係る炭化珪素単結晶の製造方法の第2工程を示す断面模式図である。 第1実施形態に係る炭化珪素単結晶の製造方法の第3工程を示す断面模式図である。 第1実施形態に係る炭化珪素単結晶の製造方法の第4工程を示す断面模式図である。 第1実施形態に係る炭化珪素単結晶の製造方法の第4工程を示す平面模式図である。 第1実施形態に係る炭化珪素単結晶の製造方法の第5工程を示す断面模式図である。 第2主面に炭化珪素単結晶が成長している状態を示す断面模式図である。 第1実施形態に係る炭化珪素単結晶の製造方法の第6工程を示す断面模式図である。 第2実施形態に係る炭化珪素単結晶の製造方法の第1工程を示す断面模式図である。 第2実施形態に係る炭化珪素単結晶の製造方法の第2工程を示す断面模式図である。 第2実施形態に係る炭化珪素単結晶の製造方法の第3工程を示す断面模式図である。 第2実施形態に係る炭化珪素単結晶の製造方法の第4工程を示す断面模式図である。 第2実施形態に係る炭化珪素単結晶の製造方法の第5工程を示す断面模式図である。 第2実施形態に係る炭化珪素単結晶の製造方法の第6工程を示す断面模式図である。
[本開示の実施形態の概要]
まず、本開示の実施形態の概要について説明する。本明細書中の結晶学的記載においては、個別方位を[]、集合方位を<>、個別面を()、集合面を{}でそれぞれ示している。また結晶学上の指数が負であることは、通常、”−”(バー)を数字の上に付すことによって表現されるが、本明細書中では数字の前に負の符号を付している。
(1)本開示に係る炭化珪素単結晶74の製造方法は以下の工程を備えている。中心を有する第1主面11と第1主面11の反対側にある第2主面12とを有する種結晶10と、平面状の第3主面33を有する台座30と、固定部材50とが準備される。第1主面11は、中心が第1主面11の最小二乗平面に対して第2主面12と反対側に位置するように凸状に湾曲している。第2主面12は、中央部61と、中央部61を取り囲む外周部62とを有している。さらに、第1主面11が第3主面33に対向するように配置された状態で固定部材50を外周部62に当てることにより、種結晶10が台座30に固定される。第2主面12において炭化珪素単結晶74を成長させる。
(2)上記(1)に係る炭化珪素単結晶74の製造方法において、第1主面11のSORIは、10μm以上50μm以下であってもよい。
(3)本開示に係る炭化珪素単結晶74の製造方法は以下の工程を備えている。平面状の第1主面11と第1主面11の反対側にある第2主面12とを有する種結晶10と、中心を有する第3主面33と第3主面33と反対側の第4主面34とを有する台座30と、固定部材50とが準備される。第3主面33は、中心が第3主面33の最小二乗平面に対して第4主面34と反対側に位置するように凸状に湾曲している。第2主面12は、中央部61と、中央部61を取り囲む外周部62とを有している。さらに、第1主面11が第3主面33に対向するように配置された状態で固定部材50を外周部62に当てることにより、種結晶10が台座30に固定される。第2主面12において炭化珪素単結晶74を成長させる。
(4)上記(3)に係る炭化珪素単結晶74の製造方法において、第3主面33のSORIは、10μm以上50μm以下であってもよい。
(5)上記(1)〜(4)のいずれかに係る炭化珪素単結晶74の製造方法において、第1主面11に炭素を含む保護膜40を形成する工程をさらに備えていてもよい。
(6)上記(1)〜(5)のいずれかに係る炭化珪素単結晶74の製造方法において、固定部材50は、リング状部60と、リング状部60と連なりかつ外周部62に接する複数の保持部63とを有していてもよい。複数の保持部63に内接する円の直径を第1直径111とし、第2主面12の直径を第2直径112とした場合、第2直径112から第1直径111を差し引いた値は、0.5mmよりも大きく5mm未満である。
(7)上記(6)に係る炭化珪素単結晶74の製造方法において、複数の保持部63の数は、3以上であってもよい。
(8)上記(6)または(7)に係る炭化珪素単結晶74の製造方法において、複数の保持部63の各々の周方向の長さは3mm以下であってもよい。
(9)上記(1)〜(8)のいずれかに係る炭化珪素単結晶74の製造方法において、第2主面12の直径は、150mm以上であってもよい。
(10)上記(1)〜(9)のいずれかに係る炭化珪素単結晶74の製造方法において、第2主面12は、(000−1)面に対して1°以上8°以下のオフ角で傾斜した面であってもよい。
[本開示の実施形態の詳細]
以下、実施の形態の詳細について図に基づいて説明する。なお、以下の図面において、同一または相当する部分には同一の参照番号を付し、その説明は繰り返さない。
(第1実施形態)
まず、第1実施形態に係る炭化珪素単結晶の製造方法について説明する。
第1実施形態に係る炭化珪素単結晶の製造方法においては、まず種結晶および台座を準備する工程(S10:図3)が実施される。図1に示されるように、種結晶10が準備される。種結晶10は、たとえば六方晶炭化珪素により構成されている。種結晶10を構成する炭化珪素のポリタイプは、たとえば4Hである。種結晶10は、第1主面11と、第2主面12と、第1周端面13とを有する。第2主面12は、第1主面11の反対側にある。第1周端面13は、第1主面11および第2主面12の各々に連なっている。
図1に示されるように、第1主面11は、凸状に湾曲している。第2主面12は、凹状に湾曲していてもよい。第1主面11のSORI(SORI1)は、たとえば10μm以上50μm以下である。SORI1の下限は、特に限定されないが、たとえば15μm以上であってもよいし、20μm以上であってもよい。SORI1の上限は、特に限定されないが、45μm以下であってもよいし、40μm以下であってもよい。
次に、SORIの定義について説明する。SORIとは、主面の反りの程度を定量化するためのパラメータの一つである。SORIは、主面の最小二乗平面を基準の高さとした場合、主面の最高点における高さと最小二乗平面との距離と、主面の最低点における高さと最小二乗平面との距離との合計値を表す。SORIは距離を表すため、常に正の値となる。なお、SORIは、クランプされていない種結晶10に対して計算される。本実施の形態において、主面のSORIとは、主面内における任意の2点間におけるSORIのうち最大のSORIのことを指す。SORIの測定は、たとえばTropel社製のFM200Waferを用いて実施することができる。
図1に示されるように、具体的には、第2主面12が水平保持面9に対向するように種結晶10が水平保持面9に配置される。レーザ光を用いて第1主面11の各測定位置における高さが測定され、第1主面11の最高点(第1位置1)と、第1主面11の最低点(第2位置2)とが特定される。また第1主面11の最小二乗平面(第1最小二乗平面25)が導出される。SORI1は、第1位置1における高さ21と第1最小二乗平面25との距離(第1距離121)と、第2位置2における高さ22と第1最小二乗平面25との距離(第2距離122)との合計値である。
図2に示されるように、水平保持面9に対して垂直な方向から見た場合、第1主面11は、略円形である。第1主面11の直径は、たとえば100mm以上である。第1主面11の直径は、たとえば150mm以上であってもよい。第1位置1は、第1主面11の中心であってもよい。第2位置2は、第1主面11の外縁であってもよい。
図1に示されるように、第1主面11は、第1主面11の中心(第1中心1)が第1最小二乗平面25に対して第2主面12と反対側に位置するように凸状に湾曲している。別の観点から言えば、第1最小二乗平面25は、第1主面11の第1中心1と、第2主面12との間に位置している。第1主面11は、たとえば{0001}面に対して1°以上8°以下のオフ角で傾斜した面である。具体的には、第1主面11は、(0001)面に対して1°以上8°以下のオフ角で傾斜した面であってもよい。
水平保持面9に対して垂直な方向から見た場合、第2主面12は、略円形である。第2主面12の直径は、たとえば100mm以上である。第2主面12の直径は、たとえば150mm以上であってもよい。第2主面12は、たとえば{0001}面に対して1°以上8°以下のオフ角で傾斜した面である。具体的には、第2主面12は、(000−1)面に対して1°以上8°以下のオフ角で傾斜した面であってもよい。
なお、図1に示すような第1主面11が凸状に湾曲した種結晶10は、第1主面11および第2主面12の各々に対して、所定の条件で機械研磨およびCMP(Chemical Mechanical Polishing)が行われることにより準備される。
第1主面11の加工は、第2主面12を研磨プレートに貼り付けた状態で行われる。事前に第2主面12を貼り付ける研磨プレートを、中央部が外周部に対して凹んだ形状としておくことで、種結晶10は中央部が凹んだ状態で研磨プレートに貼り付けられ、加工される。この状態で加工することで、第2主面12は中央部に対して外周部の加工量が大きくなり、研磨プレートから剥離すると、第2主面12が凸状に湾曲した種結晶10が得られる。研磨プレートの凹みの大きさを変化させることで、第2主面12の凸の大きさも制御できる。
次に、種結晶10の第1主面11に保護膜40が形成される。具体的には、まずレジストがスピンコートを利用して第1主面11に塗布される。次に、レジストが加熱される。レジストが大気圧の条件で加熱される場合、レジストの加熱温度は、たとえば300℃程度である。レジストが真空中またはアルゴン雰囲気で加熱される場合、レジストの加熱温度は、たとえば1000℃程度である。レジストは、加熱により炭化する。レジストが炭化することで保護膜40が形成される。保護膜40は、炭素(C)を含む材料から構成されている。保護膜40の厚みは、たとえば1μm以上5μm以下である。レジストは、たとえば半導体装置の製造用に用いられるポジ型またはネガ型のフォトレジストである。レジストは、たとえば乳酸エチルおよび酢酸ブチルを含有する。
図4に示されるように、保護膜40は、第5主面41と、第6主面42と、第2周端面43を有している。第6主面42は、第1主面11に接している。第5主面41は、第6主面42とは反対側にある。第2周端面43は、第5主面41および第6主面42の各々に連なっている。保護膜40の厚みは、種結晶10の厚みよりも小さくてもよい。図4に示されるように、第5主面41は、凸状に湾曲している。第6主面42は、凹状に湾曲していてもよい。
第5主面41のSORI(SORI2)は、たとえば10μm以上50μm以下である。SORI2の下限は、特に限定されないが、たとえば15μm以上であってもよいし、20μm以上であってもよい。SORI2の上限は、特に限定されないが、45μm以下であってもよいし、40μm以下であってもよい。SORI2は、第5主面41の最高点(第3位置3)における高さ23と第5主面41の最小二乗平面(第2最小二乗平面26)との距離(第3距離123)と、第5主面41の最低点(第4位置4)における高さ24と第2最小二乗平面26との距離(第4距離124)との合計値である(図4参照)。第3位置3は、第5主面41の中心であってもよい。第4位置4は、第5主面41の外縁であってもよい。
次に、台座30が準備される。台座30は、たとえば円柱状である。図5に示されるように、台座30は、第3主面33と、第4主面34と、第3周端面35とを有している。第3主面33は、種結晶10が取り付けられる面である。第3主面33は、平面状である。第4主面34は、第3主面33の反対側にある。第3周端面35は、第3主面33および第4主面34の各々に連なっている。台座30は、たとえばグラファイトにより構成されている。
なお、第3主面33が平面状であるとは、第3主面33が完全に平坦な場合と、第3主面33が実質的に平坦な場合とを含んでいる。第3主面33が実質的に平坦な場合とは、第3主面33が、第1主面11のSORI(SORI1)に対して十分小さいSORIを有する程度に凸状または凹部に湾曲している場合である。具体的には、第3主面33のSORIは、第1主面11のSORI(SORI1)の1/3以下であれば、第3主面33は平面状であるといえる。
次に、固定部材50が準備される。固定部材50は、リング状部60と、複数の保持部63とを有している。リング状部60は、たとえば円環状である。リング状部60の内径は、台座30の外径以上である。複数の保持部63の各々は、リング状部60に連なっている。
次に、種結晶を台座に固定する工程(S20:図3)が実施される。図6に示されるように、種結晶10の第1主面11が、台座30の第3主面33に対向するように配置される。具体的には、保護膜40の第5主面41が、台座30の第3主面33に接するように種結晶10が保護膜40を介して台座30に取り付けられる。図6および図7に示されるように、第2主面12は、中央部61と、外周部62とを有している。外周部62は、中央部61を取り囲んでいる。中央部61は、第2主面12の中心(第2中心7)を含んでいる。外周部62は、第2主面12の外縁を含んでいる。外周部62は、第1周端面13に連なっている。
図6に示されるように、第1主面11が第3主面33に対向するように配置された状態で固定部材50が第2主面12の外周部62に当てられる。具体的には、固定部材50のリング状部60は、たとえばボルト(図示せず)によって台座30に取り付けられる。複数の保持部63の各々は、第2主面12の外周部62に接している。リング状部60によって複数の保持部63の各々が持ち上げられることにより、種結晶10が台座30に押し付けられる。別の観点から言えば、固定部材50はフックの機能を有し、種結晶10の外周部62を引っかけて持ち上げている。これにより、種結晶10の反りが緩和され、第1主面11および第2主面12の各々は、平面状になる。以上のように、種結晶10が台座30に固定される。
図6に示されるように、固定部材50のリング状部60は、台座30の第3周端面35と、保護膜40の第2周端面43と、種結晶10の第1周端面13とを取り囲んでいる。リング状部60の外径(第3直径113)は、台座30の直径(第2直径112)よりも大きい。反った種結晶10を平坦にするためには、保持部63は、ある程度の厚みを有し、高い強度を有することが望ましい。保持部63の厚みは、たとえば2mm以上である。
図7に示されるように、複数の保持部63の数は、たとえば3以上である。複数の保持部63は、たとえば第1保持領域51と、第2保持領域52と、第3保持領域53とを有している。複数の保持部63の各々は、第2主面12の中心(第2中心7)を中心とした回転対称の位置に配置されている。周方向に沿った保持部63の長さ114は、たとえば3mm以下である。周方向に沿った保持部63の長さ114の上限は、特に限定されないが、たとえば2.7mm以下であってもよいし、2.4mm以下であってもよい。周方向に沿った保持部63の長さ114の下限は、特に限定されないが、たとえば0.3mm以上であってもよい。
なお、保持部63の数は、2以上であればよく、たとえば3以上であってもよいし、6以上であってもよい。保持部63の数が2の場合、保持部63は、たとえば0°および180°の位置に配置される。保持部63の数が6の場合、保持部63は、たとえば0°、60°、120°、180°、240°および300°の位置に配置されていてもよい。
図7に示されるように、複数の保持部63に内接する円の直径を第1直径111とし、第2主面12の直径を第2直径112とした場合、第2直径112から第1直径111を差し引いた値は、たとえば0.5mmよりも大きく5mm未満である。第2直径112から第1直径111を差し引いた値の下限は、特に限定されないが、たとえば1mmより大きくてもよいし、1.5mm以上より大きくてもよい。第2直径112から第1直径111を差し引いた値の上限は、特に限定されないが、たとえば4.5mm未満であってもよいし、4mm未満であってもよい。
なお、複数の保持部63の各々の径方向の長さが同じ場合には、第2主面12に対して垂直な方向から見て、複数の保持部63に内接する円の半径は、第2主面12の中心から保持部63までの最短距離である。もし複数の保持部63の各々の径方向の長さが異なる場合には、第2主面12に対して垂直な方向から見て、複数の保持部63に内接する円の半径は、第2主面12の中心から複数の保持部63の各々までの最短距離の中で最も小さい値とすることができる。
次に、種結晶に炭化珪素単結晶を成長させる工程(S30:図3)が実施される。具体的には、まず坩堝70が準備される。図8に示されるように、坩堝70は、種結晶保持部71と、原料収容部72とを有している。種結晶保持部71には、台座30が取り付けられている。台座30には、種結晶10が取り付けられている。原料収容部72には、炭化珪素原料73が配置されている。炭化珪素原料73は、たとえば多結晶炭化珪素である。種結晶10の第2主面12は、炭化珪素原料73に対向するよう配置されている。第2主面12の外周部62の一部は、固定部材50の保持部63に覆われている。
次に、不活性ガス雰囲気下において坩堝70が加熱される。坩堝70は、たとえば2100℃以上2500℃以下の温度に加熱される。炭化珪素原料73の温度は、種結晶10の温度よりも高くなるように、種結晶10および炭化珪素原料73の各々が加熱される。圧力は、たとえば1.3kPa以上13kPa以下とされる。これにより、炭化珪素原料73が昇華して昇華ガスが発生する。昇華ガスは、種結晶10の第2主面12上において再結晶化する。
図9に示されるように、炭化珪素単結晶74は、第2主面12上においてステップフロー成長する。炭化珪素単結晶74の成長面75は、テラス15と、ステップ14とを有する。第2主面12が{0001}面に対して傾斜している場合(言い換えれば、オフ面の場合)、第2主面12の中心(第2中心7)から見てオフ方向に位置する第2主面12の外縁の位置(成長開始位置8)(図7参照)から炭化珪素単結晶74が成長する。成長開始位置8は、第2主面12において、オフ方向の最上流に位置する。第2主面12に対して垂直な方向から見て、炭化珪素単結晶74は、オフ方向の最上流(成長開始位置8)からオフ方向の最下流(第2中心7に対して成長開始位置8とは反対側の位置)に向かって成長する。成長開始位置8に固定部材50の保持部63があると、ファセットの形成が阻害されるおそれがある。そのため、成長開始位置8には、固定部材50の保持部63を設けないことが望ましい。
図9に示されるように、第2主面12が(000−1)面に対して10°以下の角度θだけ傾斜した面である場合、第3方向103は、[000−1]方向である。第4方向104は、オフ方向である。オフ方向は、たとえば<11−20>である。この場合、第6方向106は、オフ方向を第2主面12に投影した方向である。オフ方向を第2主面12に投影した方向は、[000−1]方向を第2主面12に投影した方向と同じである。
第5方向105は、第2主面12に対して垂直な方向である。第1方向101は、第2主面12に対して平行な方向である。第6方向106と、第4方向104とがなす角度θは、オフ角に等しい。同様に、第3方向103と、第5方向105とがなす角度θは、オフ角に等しい。なお、第2主面12が(0001)面に対して10°以下の角度だけ傾斜した面である場合、第6方向106は、[0001]方向を第2主面12に投影した方向である。
図7に示されるように、第2主面12に対して垂直な方向から見た場合、成長開始位置指向ベクトル90は、オフ方向を第2主面12に投影した方向(第6方向106)を向きかつ第2主面12の中心(第2中心7)を始点としたベクトルである。固定部材50の複数の保持部63の各々は、成長開始位置指向ベクトル90に対して±10°以内の領域には配置されていない。別の観点から言えば、複数の保持部63の各々は、成長開始位置指向ベクトル90に対して±10°以外の外周部62に接している。第1方向101は、たとえば<11−20>方向を第2主面12に投影した方向である。第2方向102は、たとえば<1−100>方向である。
つまり、種結晶を台座に固定する工程においては、第2主面に対して垂直な方向から見た場合に、成長開始位置指向ベクトル90に対して±10°以内の領域以外の外周部において固定部材が接している。成長開始位置指向ベクトル90に対して±15°以内の領域以外の外周部において固定部材が接していてもよいし、±30°未満の領域以外の外周部において固定部材が接していてもよい。
図7に示されるように、第2主面12に対して垂直な方向から見た場合、成長開始位置指向ベクトル90を時計回りに回転角度(φ)だけ回転させた第1ベクトル91と、成長開始位置指向ベクトル90を反時計回りに回転角度(φ)だけ回転させた第2ベクトル92との間の領域においては、複数の保持部63の各々は配置されていない。別の観点から言えば、第1ベクトル91と、第2ベクトル92との間の領域以外の外周部62において、複数の保持部63の各々は第2主面12に接している。回転角度(φ)は、たとえば10°である。
成長開始位置8を0°とすると、第1保持領域51、第2保持領域52、第3保持領域53は、それぞれ60°、180°および300°の位置に配置される。別の観点から言えば、0°、120°および240°の位置においては、外周部が保持部から露出している。第2主面12に対して垂直な方向から見た場合、第1ベクトル91は、第1保持領域51と、成長開始位置指向ベクトル90との間に位置している。同様に、第2主面12に対して垂直な方向から見た場合、第2ベクトル92は、第3保持領域53と、成長開始位置指向ベクトル90との間に位置している。第2保持領域52は、オフ方向の最下流に位置していてもよい。
図10に示されるように、時間の経過に伴って、第2主面12において炭化珪素単結晶74が成長する。炭化珪素単結晶74は、第2主面12から離れるにつれて直径が大きくなるように成長してもよい。別の観点から言えば、種結晶10から炭化珪素原料73に向かうにつれて、第2主面12に平行な方向における長さが大きくなるように炭化珪素単結晶74は成長してもよい。
次に、第1実施形態に係る炭化珪素単結晶74の製造方法の作用効果について説明する。
フック状の固定部材50を用いて種結晶10を台座30に固定する場合、種結晶10の結晶成長面(第2主面12)の外周部62が固定部材50に覆われる。固定部材50に覆われた第2主面12の部分には炭化珪素単結晶74が成長できない。大口径の炭化珪素単結晶74を第2主面12上に成長させるためには、第2主面12を覆っている固定部材50の径方向の長さを短くすることが考えられる。しかしながら、固定部材50の径方向の長さを短くすると、種結晶10の最外周部のみが固定部材50によって押し上げられる。結果として、種結晶10の第2主面12の中心が突出するように、種結晶10が湾曲する。この際、種結晶10の第1主面11は、第1主面11の中心が凹むように湾曲する。第1主面11の中心が凹むように湾曲すると、種結晶10と台座30との間に空隙が発生する。種結晶10の第1主面11上に保護膜40が形成されている場合には、保護膜40と台座30との間に空隙が発生する。このような空隙が形成されると、炭化珪素単結晶74を成長させる工程において、種結晶10の第1主面11から炭化珪素が部分的に昇華することで、第1主面11にはマクロ欠陥が形成される。マクロ欠陥は、典型的には500μm以上3mm以下程度の直径を有する穴である。
第1実施形態に係る炭化珪素単結晶74の製造方法においては、平面状の第3主面33を有する台座30と、中心が第1主面11の最小二乗平面に対して第2主面12と反対側に位置するように凸状に湾曲している種結晶10とが使用される。これにより、固定部材50が種結晶10の第2主面12の外周部62のみに当てられた場合であっても、種結晶10の第1主面11と、台座30の第3主面33との間に空隙が形成されることを抑制することができる。そのため、種結晶10にマクロ欠陥が形成されることを抑制することができる。
また第1実施形態に係る炭化珪素単結晶74の製造方法は、第1主面11に炭素を含む保護膜40を形成する工程をさらに有している。これにより、種結晶10の第1主面11から炭化珪素が部分的に昇華することをさらに抑制することができる。結果として、種結晶10にマクロ欠陥が形成されることをさらに抑制することができる。
フック状の固定部材50を用いて種結晶10の第2主面12を押さえることで種結晶10を台座30に固定する場合、結晶成長開始時における炭化珪素単結晶74の直径が、種結晶10の第2主面12の直径よりも小さくなる。減径量が小さい場合、結晶成長後期では、成長した炭化珪素単結晶74の直径を種結晶10の直径と同等以上まで拡大することが可能である。この場合、成長後期の直径が拡大した部分を、次の結晶成長での種結晶10として使用するが可能である。一方で、減径量が大きすぎる場合には、成長した炭化珪素単結晶74の直径を種結晶10の直径と同等以上まで拡大することが困難となる。この場合、使用した種結晶10と同じ径の種結晶10を作製できないため、連続して炭化珪素単結晶74の製造を行うことができない。したがって、フック状の固定部材50が種結晶10上を覆う部分の内径は、種結晶10の第2主面12の直径に比べて、小さくなり過ぎないようにすることが望ましい。しかしながら、この場合には、固定部材50は、種結晶10の外周部62だけを押さえていることとなり、種結晶10の中央部61では、台座30と種結晶10との間に空隙が発生し易い。
第1実施形態に係る炭化珪素単結晶74の製造方法において、固定部材50は、リング状部60と、リング状部60と連なりかつ外周部62に接する複数の保持部63とを有している。複数の保持部63に内接する円の直径を第1直径111とし、第2主面12の直径を第2直径112とした場合、第2直径112から第1直径111を差し引いた値は、0.5mmよりも大きく5mm未満である。これにより、固定部材50が種結晶10の第2主面12を覆う部分の内径が第2主面12の直径に比べて、小さくなり過ぎることを抑制することができる。そのため、成長した炭化珪素単結晶74の直径を種結晶10の第2主面12の直径と同等以上まで拡大することが可能である。結果として、炭化珪素単結晶74を連続的に製造することができる。
第1実施形態に係る炭化珪素単結晶74の製造方法において、第2主面12の直径は、150mm以上である。台座30と種結晶10との間の空隙は、第2主面12の直径が大きくなる程形成されやすい。第1実施形態に係る炭化珪素単結晶74の製造方法によれば、150mm以上の大口径の種結晶10を使用する場合においても、空隙が形成されることを抑制することができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係る炭化珪素単結晶の製造方法について説明する。第2実施形態に係る炭化珪素単結晶の製造方法においては、主に、第1主面11が平面状であって、かつ第3主面33が凸状である構成において、第1実施形態に係る炭化珪素単結晶の製造方法と異なっており、その他の構成については、第1実施形態に係る炭化珪素単結晶の製造方法と同様である。以下、第1実施形態に係る炭化珪素単結晶の製造方法と異なる構成を中心に説明する。
第2実施形態に係る炭化珪素単結晶の製造方法においては、まず種結晶および台座を準備する工程(S10:図3)が実施される。図11に示されるように、種結晶10は、第1主面11と、第2主面12と、第1周端面13とを有する。第1主面11は、平面状である。第2主面12も、平面状であってもよい。なお、第1主面11が平面状であるとは、第1主面11が完全に平坦な場合と、第1主面11が実質的に平坦な場合とを含んでいる。第1主面11が実質的に平坦な場合とは、第1主面11が、第3主面33のSORI(SORI3)に対して十分小さいSORIを有する程度に凸状または凹部に湾曲している場合である。具体的には、第1主面11のSORIは、第3主面33のSORI(SORI3)の1/3以下であれば、第1主面11は平面状であるといえる。
次に、種結晶10の第1主面11に保護膜40が形成される。保護膜40は、炭素を含む材料から構成されている。具体的には、まずレジストがスピンコートを利用して第1主面11に塗布される。次に、レジストが加熱される。レジストが大気圧の条件で加熱される場合、レジストの加熱温度は、たとえば300℃程度である。レジストが真空中またはアルゴン雰囲気で加熱される場合、レジストの加熱温度は、たとえば1000℃程度である。レジストが炭化することで保護膜40が形成される。
図12に示されるように、保護膜40は、第5主面41と、第6主面42と、第2周端面43を有している。第6主面42は、第1主面11に接している。第5主面41は、第6主面42とは反対側にある。第2周端面43は、第5主面41および第6主面42の各々に連なっている。保護膜40の厚みは、種結晶10の厚みよりも小さくてもよい。
次に、台座30が準備される。台座30は、たとえば円柱状である。図13に示されるように、台座30は、第3主面33と、第4主面34と、第3周端面35とを有している。第3主面33は、種結晶10が取り付けられる面である。第3主面33は、凸状に湾曲している。第3主面33のSORI(SORI3)は、たとえば10μm以上50μm以下である。SORI3の下限は、特に限定されないが、たとえば15μm以上であってもよいし、20μm以上であってもよい。SORI3の上限は、特に限定されないが、45μm以下であってもよいし、40μm以下であってもよい。SORI3は、第4主面34を水平保持面に配置した場合において、第3主面33の最高点(第5位置5)における高さ29と第3主面33の最小二乗平面(第3最小二乗平面27)との距離(第5距離125)と、第5主面41の最低点(第6位置6)における高さ28と第3最小二乗平面27との距離(第6距離126)との合計値である。
次に、種結晶を台座に固定する工程(S20:図3)が実施される。図14に示されるように、種結晶10の第1主面11が、台座30の第3主面33に対向するように配置される。具体的には、保護膜40の第5主面41が、台座30の第3主面33に接するように種結晶10が保護膜40を介して台座30に取り付けられる。図14に示されるように、種結晶10および保護膜40の各々は、第3主面33の形状に沿って湾曲してもよい。種結晶10の第2主面12は、炭化珪素原料73に向かって凸状に湾曲していてもよい。
図14に示されるように、第1主面11が第3主面33に対向するように配置された状態で固定部材50が第2主面12の外周部62に当てられる。具体的には、固定部材50のリング状部60は、たとえばボルト(図示せず)によって台座30に取り付けられる。複数の保持部63の各々は、第2主面12の外周部62に接している。リング状部60によって複数の保持部63の各々が持ち上げられることにより、種結晶10が台座30に押し付けられる。別の観点から言えば、固定部材50はフックの機能を有し、種結晶10を引っかけて持ち上げている。これにより、種結晶10が台座30に固定される。
次に、種結晶に炭化珪素単結晶を成長させる工程(S30:図3)が実施される。具体的には、まず坩堝70が準備される。図15に示されるように、坩堝70は、種結晶保持部71と、原料収容部72とを有している。種結晶保持部71には、台座30が取り付けられている。台座30には、種結晶10が取り付けられている。原料収容部72には、炭化珪素原料73が配置されている。炭化珪素原料73は、たとえば多結晶炭化珪素である。種結晶10の第2主面12は、炭化珪素原料73に対向するよう配置されている。第2主面12の外周部62の一部は、固定部材50の保持部63に覆われている。
次に、不活性ガス雰囲気下において坩堝70が加熱される。坩堝70は、たとえば2100℃以上2500℃以下の温度に加熱される。炭化珪素原料73の温度は、種結晶10の温度よりも高くなるように、種結晶10および炭化珪素原料73の各々が加熱される。圧力は、たとえば1.3kPa以上13kPa以下とされる。これにより、炭化珪素原料73が昇華して昇華ガスが発生する。昇華ガスは、種結晶10の第2主面12上において再結晶化する。
図16に示されるように、時間の経過に伴って、第2主面12において炭化珪素単結晶74が成長する。炭化珪素単結晶74は、第2主面12から離れるにつれて直径が大きくなるように成長してもよい。別の観点から言えば、種結晶10から炭化珪素原料73に向かうにつれて、第2主面12に平行な方向における長さが大きくなるように炭化珪素単結晶74は成長してもよい。種結晶10の第2主面12が、炭化珪素原料73に向かって凸状に湾曲している場合には、炭化珪素単結晶74は、第2主面12から離れるにつれて直径が大きくなるように成長しやすい。種結晶10の第2主面12が炭化珪素原料73に向かって凸状に湾曲している場合とは、第2主面12の中心が第2主面12の最小二乗平面に対して第1主面11と反対側に位置するように凸状に湾曲している場合のことである。
次に、第2実施形態に係る炭化珪素単結晶74の製造方法の作用効果について説明する。
第2実施形態に係る炭化珪素単結晶74の製造方法においては、中心が第3主面33の最小二乗平面に対して第4主面34と反対側に位置するように凸状に湾曲している台座30と、平面状の第1主面11を有する種結晶10とが使用される。これにより、固定部材50が種結晶10の第2主面12の外周部62のみに当てられた場合であっても、種結晶10の第1主面11と、台座30の第3主面33との間に空隙が形成されることを抑制することができる。そのため、種結晶10にマクロ欠陥が形成されることを抑制することができる。
(サンプル準備)
まず、湾曲の形状およびSORIの大きさが異なる7種類の種結晶10を準備した。具体的には、サンプル1および2に係る種結晶10の第1主面11は、凹状に湾曲していた。サンプル1および2に係る種結晶10の第1主面11のSORIは、それぞれ7μmおよび3μmとした。サンプル3〜7に係る種結晶10の第1主面11は、凸状に湾曲していた。サンプル3〜7に係る種結晶10の第1主面11のSORIは、それぞれ6μm、7μm、10μm、14μmおよび25μmとした。サンプル1〜7に係る種結晶10の第1主面11の直径は、150mmとした。
(実験方法)
次に、サンプル1〜7に係る種結晶10の各々の第1主面11上に保護膜40が形成された。サンプル1〜7に係る種結晶10の各々は、固定部材50を用いて台座30に取り付けられた(図8参照)。台座30の第3主面33は、平面状とした。第1実施形態の炭化珪素単結晶74の製造方法に従って、種結晶10の第2主面12に炭化珪素単結晶74を成長させた(図9参照)。炭化珪素単結晶74の成長が完了した後、種結晶10を坩堝70から取り出した。種結晶10の第2主面12を観察し、マクロ欠陥の有無を調査した。マクロ欠陥の発生が確認された場合、マクロ欠陥の発生面積および長さ(深さ)が特定された。第2主面12の面積に対するマクロ欠陥の発生面積を、マクロ欠陥の発生面積率とした。また第2主面12に対して垂直な方向におけるマクロ欠陥の長さが測定された。マクロ欠陥の長さの中で、最も長いマクロ欠陥の長さを最長長さとした。
(実験結果)
Figure 2020026359
表1に示されるように、サンプル1〜4に係る種結晶10を用いて炭化珪素単結晶74を成長させた場合、種結晶10の第1主面11においてマクロ欠陥が発生した。サンプル1〜4に係る種結晶10の第1主面11におけるマクロ欠陥発生率は、それぞれ76%、46%、22%および8%であった。サンプル1〜4に係る種結晶10の第1主面11におけるマクロ欠陥の最長長さは、それぞれ5.9mm、2.3mm、1.1mmおよび0.5mmであった。一方、サンプル5〜7に係る種結晶10を用いて炭化珪素単結晶74を成長させた場合、種結晶10の第1主面11においてマクロ欠陥が観察されなかった。
以上の実験結果に示されるように、種結晶10の第1主面11を凸状に湾曲させることにより、マクロ欠陥の発生を抑制できることが確かめられた。また種結晶10の第1主面11を凸状に湾曲させた上で、第1主面11のSORIを10μm以上とすることにより、マクロ欠陥の発生をさらに抑制できることが確かめられた。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 第1位置(第1中心)
2 第2位置
3 第3位置
4 第4位置
5 第5位置
6 第6位置
7 第2中心
8 成長開始位置
9 水平保持面
10 種結晶
11 第1主面
12 第2主面
13 第1周端面
14 ステップ
15 テラス
21,22,23,24,28,29 高さ
25 第1最小二乗平面
26 第2最小二乗平面
27 第3最小二乗平面
30 台座
33 第3主面
34 第4主面
35 第3周端面
40 保護膜
41 第5主面
42 第6主面
43 第2周端面
50 固定部材
51 第1保持領域
52 第2保持領域
53 第3保持領域
60 リング状部
61 中央部
62 外周部
63 保持部
70 坩堝
71 種結晶保持部
72 原料収容部
73 炭化珪素原料
74 炭化珪素単結晶
75 成長面
90 成長開始位置指向ベクトル
91 第1ベクトル
92 第2ベクトル
101 第1方向
102 第2方向
103 第3方向
104 第4方向
105 第5方向
106 第6方向
111 第1直径
112 第2直径
113 第3直径
114 長さ
121 第1距離
122 第2距離
123 第3距離
124 第4距離
125 第5距離
126 第6距離

Claims (10)

  1. 中心を有する第1主面と前記第1主面の反対側にある第2主面とを有する種結晶と、平面状の第3主面を有する台座と、固定部材とを準備する工程を備え、
    前記第1主面は、前記中心が前記第1主面の最小二乗平面に対して前記第2主面と反対側に位置するように凸状に湾曲しており、
    前記第2主面は、中央部と、前記中央部を取り囲む外周部とを有し、さらに、
    前記第1主面が前記第3主面に対向するように配置された状態で前記固定部材を前記外周部に当てることにより、前記種結晶を前記台座に固定する工程と、
    前記第2主面において炭化珪素単結晶を成長させる工程とを備えた、炭化珪素単結晶の製造方法。
  2. 前記第1主面のSORIは、10μm以上50μm以下である、請求項1に記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
  3. 平面状の第1主面と前記第1主面の反対側にある第2主面とを有する種結晶と、中心を有する第3主面と前記第3主面と反対側の第4主面とを有する台座と、固定部材とを準備する工程を備え、
    前記第3主面は、前記中心が前記第3主面の最小二乗平面に対して前記第4主面と反対側に位置するように凸状に湾曲しており、
    前記第2主面は、中央部と、前記中央部を取り囲む外周部とを有し、さらに、
    前記第1主面が前記第3主面に対向するように配置された状態で前記固定部材を前記外周部に当てることにより、前記種結晶を前記台座に固定する工程と、
    前記第2主面において炭化珪素単結晶を成長させる工程とを備えた、炭化珪素単結晶の製造方法。
  4. 前記第3主面のSORIは、10μm以上50μm以下である、請求項3に記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
  5. 前記第1主面に炭素を含む保護膜を形成する工程をさらに備えた、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
  6. 前記固定部材は、リング状部と、前記リング状部と連なりかつ前記外周部に接する複数の保持部とを有しており、
    前記複数の保持部に内接する円の直径を第1直径とし、前記第2主面の直径を第2直径とした場合、
    前記第2直径から前記第1直径を差し引いた値は、0.5mmよりも大きく5mm未満である、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
  7. 前記複数の保持部の数は、3以上である、請求項6に記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
  8. 前記複数の保持部の各々の周方向の長さは、3mm以下である、請求項6または請求項7に記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
  9. 前記第2主面の直径は、150mm以上である、請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
  10. 前記第2主面は、(000−1)面に対して1°以上8°以下のオフ角で傾斜した面である、請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
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