JP6450086B2 - 化合物半導体基板の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、化合物半導体基板の製造方法に関するものである。
電子デバイスとして各種の化合物半導体基板が用いられている。たとえば、単結晶SiC(炭化シリコン)は、Siに比べてバンドギャップが大きく、熱伝導性および化学的安定性に優れ、機械的強度も高く、放射線照射に対して損傷しにくい。これらの特性から、単結晶SiCは、次世代の半導体デバイス材料として注目を集めている。また、単結晶SiCは、GaNと格子定数が近いことから、GaNを成長させるための下地基板としても使用することができる。
従来、単結晶SiCを得る方法として、昇華法によるSiCバルク基板を得る方法や、Si基板やSOI基板上に単結晶SiCをエピタキシャル成長させる方法が行われている。Si基板やSOI基板上にエピタキシャル成長させる方法は、Si基板やSOI基板を炭化処理して薄膜のSiCに変成させ、シラン系ガスと炭化水素ガスを用いて単結晶SiCを成長させる。この方法によれば、SiCのアモルファス化や多結晶化を抑制できることが知られている。
特開2011−84435号公報 特開2002−201098号公報 特開2007−084373号公報
ところが、エピタキシャル成長により単結晶SiCを成長させる際、エピタキシャル成長の過程で単結晶SiCに欠陥が発生しやすいという問題がある。たとえば、結晶内部に積層欠陥などの結晶欠陥が生じることがある。
単結晶SiCに高品質なGaNやAlNを成長させるなど、化合物半導体基板を半導体デバイスに適用するにあたって、上述した各種の欠陥が存在すると、充分な性能が得られない。したがって、単結晶SiCのエピタキシャル成長においては、欠陥の密度が低い高品質な単結晶SiC基板が要求される。
エピタキシャル成長において上述した積層欠陥を低減する方法として、単結晶SiCを厚く成長する方法が考えられる。
しかしながら、単結晶SiCをSi基板やSOI基板上にエピタキシャル成長させる場合、SiCとSiの間に格子定数および熱膨張係数の違いがあることにより、基板に反りやクラックが発生しやすいことが問題になる。また、Si基板やSOI基板上に単結晶SiCを厚く成長させると基板が破断するため、大口径化が困難である。
また、積層欠陥を低減する方法として、Si基板の表面に列状の起伏によるパターンを形成し、そこにSiCを成長させることが提案されている(上記特許文献1〜3)。しかしながら、Si基板の表面に列状の起伏によるパターンを形成させなければならず、それだけ工程が複雑化することが問題になる。
〔目的〕
上記課題を解決するため、本発明の目的は、製造過程で発生する基板の反りやクラックならびに基板の破断を抑制して大口径化を図ることができる化合物半導体基板の製造方法を提供することである。
〔請求項1〕
請求項1は、上記の目的を達成するため、つぎの構成を採用した化合物半導体基板の製造方法である。
エピタキシャル成長によって基板上に化合物半導体層を成長させる化合物半導体基板の製造方法であって、
上記基板が、少なくともいずれかに上記化合物半導体層を成長させることができる第1の面と第2の面を有し、上記第1の面と第2の面に挟まれた部分を補強するための補強部が設けられるよう、上記基板を準備する工程と、
上記補強部の厚みが、上記エピタキシャル成長によって成長させる化合物半導体層の最終厚みよりも厚い厚みになるよう、少なくとも上記第1の面と第2の面に挟まれた部分における上記第1の面または第2の面のうち上記補強部以外の部分に上記エピタキシャル成長を行う工程とを行う。
〔請求項2〕
請求項2は、請求項1記載の構成に加えてさらに、つぎの構成を採用した。
上記補強部は、上記第1の面と第2の面に挟まれた部分の周囲を囲むように形成されている。
〔請求項3〕
請求項3は、請求項1または2記載の構成に加えてさらに、つぎの構成を採用した。
上記基板は、素材基板の片面もしくは両面に対し、研削とエッチングの少なくともいずれかを施すことにより、厚みの薄い上記第1の面と第2の面に挟まれた部分を形成するとともに、それ以外の部分に補強部を形成したものである。
〔請求項4〕
請求項4は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の構成に加えてさらに、つぎの構成を採用した。
上記第1の面と第2の面に挟まれた部分、上記エピタキシャル成長によって成長させる化合物半導体層の最終厚みよりも薄い厚みになるよう、上記エピタキシャル成長を行う
〔請求項5〕
請求項5は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の構成に加えてさらに、つぎの構成を採用した。
上記エピタキシャル成長によって上記基板上に上記化合物半導体層として単結晶SiC層を形成する。
〔請求項6〕
請求項6は、請求項1〜5のいずれか一項に記載の構成に加えてさらに、つぎの構成を採用した。
上記基板が、単結晶Si基板もしくはSOI基板である。
〔請求項1〕
請求項1記載の化合物半導体基板の製造方法は、上記構成を採用したことにより、つぎの作用効果を奏する。
この方法によれば、反りやクラックが発生することなく、化合物半導体層を厚く成長させることができる。
すなわち、少なくともいずれかに化合物半導体層を成長させることができる第1の面と第2の面を有し、上記第1の面と第2の面に挟まれた部分を補強するための補強部が設けられた基板を準備し、上記基板上に、エピタキシャル成長によって化合物半導体層を成長させる。上記化合物半導体層は、上記基板の第1の面と第2の面の少なくともいずれかに成長する。
このとき、上記補強部の厚みが、上記エピタキシャル成長によって成長させる化合物半導体層の最終厚みよりも厚い厚みになるよう、少なくとも上記第1の面と第2の面に挟まれた部分における上記第1の面または第2の面のうち上記補強部以外の部分に上記エピタキシャル成長を行う。これにより、厚く強度の高い補強部により、上記第1の面と第2の面に挟まれた部分が補強され、上記第1の面と第2の面に挟まれた部分の反りが抑制される。したがって、最終厚みまで成長させた化合物半導体層に反りやクラックが発生することを防止できる。この方法によれば、反りやクラックが発生することなく化合物半導体層を厚く成長させることができ、表面の積層欠陥を有効に減少させることができる。また、基板の表面に列状の起伏によるパターンを形成させる必要がないため、工程が複雑化することもない。
〔請求項2〕
請求項2記載の化合物半導体基板の製造方法は、上記構成を採用したことにより、つぎの作用効果を奏する。
上記第1の面と第2の面に挟まれた部分の周囲を囲むように形成された上記補強部により、最終厚みまで成長させた化合物半導体層や補強部よりも相対的に厚みが薄く強度の弱い第1の面と第2の面に挟まれた部分を有効に補強する。このため、工程間のハンドリング時やエピタキシャル成長の際に、第1の面と第2の面に挟まれた部分に変形が生じにくく、最終厚みまで成長させた化合物半導体層に、基板の変形に起因する反りや変形が発生することを防止できる。
〔請求項3〕
請求項3記載の化合物半導体基板の製造方法は、上記構成を採用したことにより、つぎの作用効果を奏する。
素材基板の片面もしくは両面に対し、研削とエッチングの少なくともいずれかを施すことにより形成された第1の面と第2の面に挟まれた部分は、研削やエッチングによる微小な段差として表面に形成される。したがって、第1の面と第2の面に挟まれた部分と補強部の境界には、研削やエッチングによって段差が生じる。この境界の段差は、エピタキシャル成長によって応力が加わったときの破断の起点となりやすい。したがって、最終厚みまで化合物半導体層を成長させたときに、上記段差部分で基板に破断が起こる。このため、第1の面と第2の面に挟まれた部分が破断されにくくなり、大口径の化合物半導体基板を得ることができる。
〔請求項4〕
請求項4記載の化合物半導体基板の製造方法は、上記構成を採用したことにより、つぎの作用効果を奏する。
上記第1の面と第2の面に挟まれた部分が、上記エピタキシャル成長によって成長させる化合物半導体層の最終厚みよりも薄い厚みになるよう、上記エピタキシャル成長を行う。このため、上記化合物半導体層が上記基板の第1の面と第2の面の少なくともいずれかに成長するとき、成長させる化合物半導体と基板との間に格子定数や熱膨張係数の違いがあったとしても、上記化合物半導体層の最終厚みよりも薄い厚みに設定された第1の面と第2の面に挟まれた部分が、相対的に強度が弱いためにスリップ等の塑性変形が生じやすい。したがって、最終厚みまで成長させた化合物半導体層に反りやクラックが発生することを防止できる。この方法によれば、反りやクラックが発生することなく化合物半導体層を厚く成長させることができ、積層欠陥や貫通転位などの結晶欠陥を有効に減少させることができる。
〔請求項5〕
請求項5記載の化合物半導体基板の製造方法は、上記構成を採用したことにより、つぎの作用効果を奏する。
上記エピタキシャル成長によって上記基板上に上記化合物半導体層として単結晶SiC層を形成することにより、反りやクラックの少ない単結晶SiC基板を得ることができる。
〔請求項6〕
請求項6記載の化合物半導体基板の製造方法は、上記構成を採用したことにより、つぎの作用効果を奏する。
上記基板が単結晶Si基板もしくはSOI基板であるときに、反りやクラックの少ない単結晶SiC基板を得ることができる。
本発明の一実施形態の化合物半導体基板の製造方法に使用する基板の一例を示す図である。 基板の製法の一例を説明する図である。 発明の前提となる化合物半導体基板の製造方法の一例を説明する図である。 エピタキシャル成長の成膜条件の一例を示す線図である。 本発明の化合物半導体基板の製造方法の実施形態を説明する図である。
つぎに、本発明を実施するための形態を説明する。
〔概要〕
図1は、本実施形態の化合物半導体基板2Aの製造方法に使用する基板1の一例を示す図である。
本実施形態の化合物半導体基板2Aの製造方法は、エピタキシャル成長によってベースとなる基板1上に化合物半導体層2を成長させる方法である。
〔化合物半導体〕
本発明が対象とする化合物半導体には、エピタキシャル成長によって基板1上に成長させることができる各種の化合物半導体を含む趣旨である。たとえば、単結晶3C−SiC、GaN、AlN等をあげることができる。
〔基板の構造〕
上記基板1は、上記化合物半導体層2を成長させることができる第1の面6Aと第2の面6Bを有し、上記第1の面6Aと第2の面6Bに挟まれた部分3を補強するための補強部4が設けられている。
上記基板1は、少なくとも上記第1の面6Aと第2の面6Bが、成長させる化合物半導体との間に格子定数や熱膨張係数の違いがある材質であれば、各種の材質の基板を用いることができる。
具体的には、基板1として、エピタキシャル成長によって化合物半導体層2、好ましくは単結晶3C−SiC層を形成させうるものであれば特に限定するものではなく、各種のものを用いることができる。本発明においては、基板1として、単結晶Si基板、SOI基板を用いた場合に、特に大きな効果を得ることができる。また、基板としてMgO基板、昇華法による六方晶SiCバルク基板、BP基板、サファイア基板、3C−SiC自立基板、GaN基板、GaAs基板、AlN基板、InN基板、SiGe基板、SiGe on Insulator基板等を用いた場合にも、本発明の効果を得ることができる。
上記基板1は、素材基板の片面もしくは両面に対し、研削とエッチングの少なくともいずれかを施すことにより、厚みの薄い上記第1の面と第2の面に挟まれた部分3を形成するとともに、それ以外の部分に補強部4を形成したものである。
図示した例は、素材基板の片面(図における下側の面)に、機械的な研削によって凹部5を形成している。研削を施していない反対面(図における上側の面)の全面が第1の面6Aである。上記研削によって厚みが薄くなった凹部5の底面が第2の面6Bである。また、上記凹部5の周辺において研削されなかった部分が補強部4となっている。
上記補強部4は、上記第1の面6Aと第2の面6Bに挟まれた部分3の周囲を囲むように形成されている。すなわちこの例では、円板状の素材基板に対して円形の凹部5を同心状になるように形成している。円形の凹部5に対応して円形の第1の面6Aと第2の面6Bに挟まれた部分3が形成されており、その周囲に環状の補強部4が形成されている。
上記補強部4の厚みT4は、上記エピタキシャル成長によって成長させる化合物半導体層2の最終厚みT2よりも厚い厚みに設定されている。このように、厚く強度の高い補強部4が存在することにより、上記第1の面6Aと第2の面6Bに挟まれた部分3が補強され、上記第1の面6Aと第2の面6Bに挟まれた部分3の反りが抑制される。
上記第1の面6Aと第2の面6Bに挟まれた部分3は、上記エピタキシャル成長によって成長させる化合物半導体層2の最終厚みT2よりも薄い厚みT3に設定されている。このようにすることにより、化合物半導体層2の厚みが第1の面6Aと第2の面6Bに挟まれた部分3の厚みT3を超えて厚くなったときに、化合物半導体層2に発生する反りを低減することができる。つまり、化合物半導体と基板1の間に格子定数や熱膨張係数の違いがあっても、上記第1の面6Aと第2の面6Bに挟まれた部分3が化合物半導体層2の最終厚みT2よりも薄い厚みT3に設定されているため、基板1に塑性変形等が生じることにより、反りが防止されるのである。
上記補強部4が形成された部分の厚みT4は、上記第1の面6Aと第2の面6Bに挟まれた部分3の厚みT3の5倍以上とすることが好ましい。より好ましくは、上記補強部4が形成された部分の厚みT4を上記第1の面6Aと第2の面6Bに挟まれた部分3の厚みT3の40倍以上とする。
上記第1の面6Aと第2の面6Bに挟まれた部分3の厚みT3は、化合物半導体層2の最終厚みT2の0.5倍以下とすることが好ましい。より好ましくは、上記第1の面6Aと第2の面6Bに挟まれた部分3の厚みT3を化合物半導体層2の最終厚みT2の0.1倍以下とする。
〔基板の製法:研削〕
図2は基板1の製法の一例を説明する図である。図示した例では、研削装置20により、素材基板の片面に、機械的な研削によって凹部5を形成する。
上記研削装置20は、素材基板を保持しながら回転するチャックテーブル21と、上記素材基板を研削するための研削アームユニット22とを備えて構成される。
研削アームユニット22は、垂直方向の軸心を有する回転軸23と、上記回転軸23の下端に装着されたホイール24と、ホイール24の下面に固着された研削砥石25とを備えて構成される。上記研削砥石25は、その回転軌道の最外周25Aの直径が、第1の面と第2の面に挟まれた部分3の半径より大きく、第1の面6Aと第2の面6Bに挟まれた部分3の直径より小さくなるように設定されている。また、上記研削砥石25は、回転軌道の最内周25Bの直径が、第1の面6Aと第2の面6Bに挟まれた部分3の半径より小さくなるように形成されている。
まず、素材基板の一面(凹部5を形成する側と反対側の面)に、テープ等の保護部材11を貼着する。上記素材基板をチャックテーブル21に保持させる。このとき、保護部材11側をチャックテーブル21に当接させる。また、素材基板の中心が、チャックテーブル21の回転中心と一致するように配置する。この状態で、素材基板は保護部材11側がチャックテーブル21によって保持され、反対側の面が露出した状態となる。
そして、チャックテーブル21が回転するとともに、ホイール24が回転しながら研削アームユニット22が下降することにより、回転する研削砥石25が、回転する素材基板の露出した面に接触して研削が行われる。
このとき、研削砥石25を、素材基板の露出した表面の回転中心に常時接触させるとともに、外周の余剰領域の表面に接触させないように制御する。つまり、素材基板の回転中心が、常に研削砥石25の回転軌道の最外周25Aよりも内側でかつ回転軌道の最内周25Bより外側に位置するようにして、研削砥石25を回転中心に常に接触させる。さらに、その回転軌道の最外周25Aが外周余剰領域の表面に接触しないように制御する。
このような制御により、露出した表面のうち第1の面6Aと第2の面6Bに挟まれた部分3に対応する領域のみが研削されて凹部5が形成され、外周余剰領域に相当する部分には、研削前の厚さを残すリング状の補強部4が残存する。
なお、上記凹部5は、上述したように機械的な研削によって形成するのが好ましいが、これに限定するものではない。上記凹部5を形成する方法としては、たとえば、電解研削、化学研削、湿式エッチング、乾式エッチング等の各種の手法を採用することができる。また、研削とエッチングを併用して凹部5を形成してもよい。
〔エピタキシャル成長〕
図3は、本発明の前提となる化合物半導体基板2Aの製造方法の一例を説明する図である。
(A)上述したように作製した基板1を準備する。保護部材11は除去しておく。上記基板1として、例えばSi基板を使用する。
(B)上記基板1の凹部5と反対側の第1の面6Aに、エピタキシャル成長によって化合物半導体層2を形成させる。エピタキシャル成長させる化合物半導体として、例えば単結晶3C−SiCを成長させる。このとき、基板1の第1の面6Aと第2の面6Bに挟まれた部分3は、研削による凹部5が形成されて厚みが薄く、強度が低下している。凹部5の隅や微小な研削痕が、破壊の起点になりうる状態である。
(C)化合物半導体層2を最終厚みT2まで成長させるときに、上記化合物半導体層2の最終厚みT2よりも補強部4の厚みT4が厚く設定されているため、化合物半導体層2の反りを防止できる。
(D)その後、基板1は、エッチングなどにより除去することが行われる。基板1がSiの場合、フッ化水素酸や硝酸等を混合したエッチング液で溶解する。
図4は、化合物半導体層2をエピタキシャル成長させるときの成長条件の一例を示す。
まず、基板1には、必要に応じて事前に、例えばアンモニア過水洗浄、塩酸過水洗浄、硫酸過水洗浄、希釈HF洗浄、超音波アセトン洗浄、超音波メタノール洗浄等の公知の洗浄を適宜組み合わせて行ない、表面を清浄化する。また、上記基板1には、必要に応じてアニールを行うことができる。アニールは、例えば、基板温度1000℃以上、圧力1Torr未満の真空雰囲気で10分程度、加熱保持する。または、例えば、基板温度1000℃以上、常圧または減圧下の水素雰囲気中で10分程度、加熱保持してもよい。
ついで、上記基板1に対してエピタキシャル成長により、化合物半導体、好ましくは単結晶3C−SiCを成長させる。
エピタキシャル成長工程は、例えば、基板1を処理チャンバー内に配置し、原料ガスを所定量供給しながら、所定の成長温度で処理することにより、化合物半導体層2を成長させる。例えば、単結晶3C−SiCをエピタキシャル成長させるのであれば、モノメチルシランガスを含む原料ガスを供給する。なお、Si基板やSOI基板上に単結晶3C−SiCをエピタキシャル成長させる場合には、エピタキシャル成長工程に先立ち、基板は水素希釈したプロパンガスなどの炭化水素の雰囲気で加熱することにより、表面を単結晶3C−SiCに変成させる工程を入れることが好ましい。この際の基板温度は1100℃〜1405℃とし、プロパン流量は0.1SLM〜0.6SLM、水素流量は10SLM〜30SLMとする。この工程の後に単結晶3C−SiCをエピタキシャル成長させる。
図示した例は、単結晶3C−SiCをエピタキシャル成長させるケースである。この場合は、室温から基板温度を1050〜1100℃まで昇温し、その温度で5〜12時間保持し、その後200℃程度まで降温する。その間、処理チャンバー内にモノメチルシランを20〜30sccmの流量で流し、処理チャンバー内の圧力を0.02Pa以上とする。
実施形態
図5は、本実施形態の化合物半導体基板2Aの製造方法を説明する図である。
図5()は、基板1の凹部5と反対側の第2の面6Bに化合物半導体層2を成長させるときに、補強部4に対応する周縁部にマスク7を施して化合物半導体層2を成長させた例である。マスク7で覆われていない領域は、第2の面6Bよりも小さくなるように設定することができる。
図5()は、基板1の凹部5側の第2の面に化合物半導体層2を成長させるときに、周縁の補強部4の表面にマスク7を施し、第1の面6Aと第2の面6Bに挟まれた部分3に対応する部分だけに化合物半導体層2を成長させた例である。
以上に述べたように、本実施形態によれば、つぎの作用効果を奏する。
この方法によれば、反りやクラックが発生することなく、化合物半導体層2を厚く成長させることができる。
すなわち、少なくともいずれかに化合物半導体層2を成長させることができる第1の面6Aと第2の面6Bを有し、上記第1の面6Aと第2の面6Bに挟まれた部分を補強するための補強部4が設けられた上記基板1上に、エピタキシャル成長によって化合物半導体層2を成長させる。上記化合物半導体層2は、上記基板1の第1の面6Aと第2の面6Bの少なくともいずれかに成長する。
このとき、上記補強部4の厚みT4は、上記エピタキシャル成長によって成長させる化合物半導体層2の最終厚みT2よりも厚い厚みに設定されている。これにより、厚く強度の高い補強部4により、上記第1の面6Aと第2の面6Bに挟まれた部分3が補強され、上記第1の面6Aと第2の面6Bに挟まれた部分3の反りが抑制される。したがって、最終厚みT2まで成長させた化合物半導体層2に反りやクラックが発生することを防止できる。この方法によれば、反りやクラックが発生することなく化合物半導体層2を厚く成長させることができ、表面の積層欠陥を有効に減少させることができる。また、基板1の表面に列状の起伏によるパターンを形成させる必要がないため、工程が複雑化することもない。
上記第1の面6Aと第2の面6Bに挟まれた部分3の周囲を囲むように形成された上記補強部4により、最終厚みT2まで成長させた化合物半導体層2や補強部4よりも相対的に厚みが薄く強度の弱い第1の面6Aと第2の面6Bに挟まれた部分3を有効に補強する。このため、工程間のハンドリング時やエピタキシャル成長の際に、第1の面6Aと第2の面6Bに挟まれた部分3に変形が生じにくく、最終厚みT2まで成長させた化合物半導体層2に、基板1の変形に起因する反りや変形が発生することを防止できる。
素材基板の片面もしくは両面に対し、研削とエッチングの少なくともいずれかを施すことにより形成された第1の面6Aと第2の面6Bに挟まれた部分3は、研削やエッチングによる微小な段差として表面に形成される。したがって、第1の面6Aと第2の面6Bに挟まれた部分3と補強部4の境界には、研削やエッチングによって段差が生じる。この境界の段差は、エピタキシャル成長によって応力が加わったときの破断の起点となりやすい。したがって、最終厚みT2まで化合物半導体層2を成長させたときに、上記段差部分で基板1に破断が起こる。このため、第1の面6Aと第2の面6Bに挟まれた部分3が破断されにくくなり、大口径の化合物半導体基板2Aを得ることができる。
上記第1の面6Aと第2の面6Bに挟まれた部分3が、上記エピタキシャル成長によって成長させる化合物半導体層2の最終厚みT2よりも薄い厚みに設定されている。このため、上記化合物半導体層2が上記基板1の第1の面6Aと第2の面6Bの少なくともいずれかに成長するとき、成長させる化合物半導体と基板1との間に格子定数や熱膨張係数の違いがあったとしても、上記化合物半導体層2の最終厚みT2よりも薄い厚みに設定された第1の面6Aと第2の面6Bに挟まれた部分3が、相対的に強度が弱いためにスリップ等の塑性変形が生じやすい。したがって、最終厚みT2まで成長させた化合物半導体層2に反りやクラックが発生することを防止できる。この方法によれば、反りやクラックが発生することなく化合物半導体層2を厚く成長させることができ、積層欠陥や貫通転位などの結晶欠陥を有効に減少させることができる。
上記エピタキシャル成長によって上記基板1上に上記化合物半導体層2として単結晶3C−SiC層を形成することにより、反りやクラックの少ない単結晶3C−SiC基板を得ることができる。
〔実施例〕
図5()に示すように、基板1の凹部5と反対側の第2の面6Bに化合物半導体層2を成長させるときに、補強部4に対応する周縁部にマスク7を施して化合物半導体層2を成長させた。マスク7で覆われていない領域は、第2の面6Bよりも小さくなるように設定した。
基板1としてSiを用い、化合物半導体層2として単結晶3C−SiC層を形成した。エピタキシャル成長の条件は図4に示したとおりである。
化合物半導体層2の最終厚みT2を100μm、第1の面6Aと第2の面6Bに挟まれた部分3の厚みT3を50μm、補強部4が形成された部分の厚みT4を900μmとした。
結果、第1の面6Aと第2の面6Bに挟まれた部分3と補強部4の境界に割れが生じた。
〔比較例1〕
図3に示すように、第1の面6Aに化合物半導体層2を形成した。化合物半導体層2の最終厚みT2を50μmとした。第1の面6Aと第2の面6Bに挟まれた部分3の厚みT3も50μmである。つまりT2とT3を同等の厚みとした。それ以外の条件は実施例1と同様である。
結果、基板1の全面が割れてしまった。
〔比較例2〕
凹部5を形成しない全体に均一な厚みのSi基板を準備し、その片面に化合物半導体層2として単結晶3C−SiC層を形成した。エピタキシャル成長の条件は図4に示したとおりである。
Si基板の厚みを900μmとし、化合物半導体層2の最終厚みT2を100μmとした。
結果、基板1の全面が割れてしまった。
以上は本発明の特に好ましい実施形態について説明したが、本発明は図示した実施形態に限定する趣旨ではなく、各種の態様に変形して実施することができ、本発明は各種の変形例を包含する趣旨である。
本発明は、例えば、大規模集積回路等に用いる半導体基板の製造等に適用することができる。
1 基板
2 化合物半導体層
2A 化合物半導体基板
3 第1の面と第2の面に挟まれた部分
4 補強部
5 凹部
6A 第1の面
6B 第2の面
7 マスク
11 保護部材
20 研削装置
21 チャックテーブル
22 研削アームユニット
23 回転軸
24 ホイール
25 研削砥石
25A 最外周
25B 最内周

Claims (6)

  1. エピタキシャル成長によって基板上に化合物半導体層を成長させる化合物半導体基板の製造方法であって、
    上記基板が、少なくともいずれかに上記化合物半導体層を成長させることができる第1の面と第2の面を有し、上記第1の面と第2の面に挟まれた部分を補強するための補強部が設けられるよう、上記基板を準備する工程と、
    上記補強部の厚みが、上記エピタキシャル成長によって成長させる化合物半導体層の最終厚みよりも厚い厚みになるよう、少なくとも上記第1の面と第2の面に挟まれた部分における上記第1の面または第2の面のうち上記補強部以外の部分に上記エピタキシャル成長を行う工程とを行う
    ことを特徴とする化合物半導体基板の製造方法。
  2. 上記補強部は、上記第1の面と第2の面に挟まれた部分の周囲を囲むように形成されている
    請求項1記載の化合物半導体基板の製造方法。
  3. 上記基板は、素材基板の片面もしくは両面に対し、研削とエッチングの少なくともいずれかを施すことにより、厚みの薄い上記第1の面と第2の面に挟まれた部分を形成するとともに、それ以外の部分に補強部を形成したものである
    請求項1または2記載の化合物半導体基板の製造方法。
  4. 上記第1の面と第2の面に挟まれた部分が、上記エピタキシャル成長によって成長させる化合物半導体層の最終厚みよりも薄い厚みになるよう、上記エピタキシャル成長を行う
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物半導体基板の製造方法。
  5. 上記エピタキシャル成長によって上記基板上に上記化合物半導体層として単結晶3C−SiC層を形成する
    請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物半導体基板の製造方法。
  6. 上記基板が、単結晶Si基板もしくはSOI基板である
    請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物半導体基板の製造方法。
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