JP4130389B2 - Iii族窒化物系化合物半導体基板の製造方法 - Google Patents

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本発明はIII族窒化物系化合物半導体基板の製造方法に関する。本発明は特に厚膜のIII族窒化物系化合物半導体或いはエピタキシャル成長基板として取扱可能な厚さのIII族窒化物系化合物半導体の製造方法として有効である。尚、III族窒化物系化合物半導体とは、例えばAlN、GaN、InNのような2元系、AlxGa1-xN、AlxIn1-xN、GaxIn1-xN(いずれも0<x<1)のような3元系、AlxGayIn1-x-yN(0<x<1,0<y<1,0<x+y<1)の4元系を包括した一般式AlxGayIn1-x-yN(0≦x≦1,0≦y≦1,0≦x+y≦1)で表されるものがある。なお、本明細書においては、特に断らない限り、単にIII族窒化物系化合物半導体と言う場合は、伝導型をp型あるいはn型にするための不純物がドープされたIII族窒化物系化合物半導体をも含んだ表現とする。更には、Al、Ga、Inの一部を他のIII族元素に置き換えたもの、Nを他のV族元素に置き換えたものをも包含するものとする。
例えば一般式AlxGayIn1-x-yN(0≦x≦1,0≦y≦1,0≦x+y≦1)のIII族窒化物系化合物半導体をエピタキシャル成長により得るためには基板が必要であるが、III族窒化物系化合物半導体はバルク結晶の作製が非常に困難である。このためサファイア基板、炭化ケイ素(SiC)基板、シリコン(Si)基板その他の異種基板が用いられている。
しかし、異種基板はIII族窒化物系化合物半導体と格子定数が大きく異なる。そのためそれら異種基板にいわゆるバッファ層を形成したのちIII族窒化物系化合物半導体をエピタキシャル成長させることが一般的である。しかし、このような場合でも、1000℃以上の極めて高温でエピタキシャル成長を行ったのち室温に戻す際、異種基板とIII族窒化物系化合物半導体の熱膨張係数の違いから多大な熱応力が生じてしまう。即ち、例え高温の段階では良好なエピタキシャル成長を行ったとしても、室温に冷却する際に、異種基板とIII族窒化物系化合物半導体の熱膨張係数が大きく違うことにより、異種基板内部及びIII族窒化物系化合物半導体層内部で結晶欠陥又は亀裂(クラック)が多数生じることとなる。
また、1000℃付近にてエピタキシャル成長している最中でも、異種基板とIII族窒化物系化合物半導体との間には格子定数差により応力が発生している。この応力下でエピタキシャル成長させたIII族窒化物系化合物半導体は、降温ののち異種基板として用いたシリコン(Si)をエッチング等により除去しても曲率半径50cm程度のそりが生じたままとなってしまう。この曲率半径は、例えば直径5cmの円盤状の基板においては、中心部に対する周縁部のそりの量は中心部の接平面に対して0.6mmに達するものである。
更に、例えば異種基板がシリコン(Si)の場合には、エピタキシャル成長の際、応力の発生がシリコンとIII族窒化物系化合物半導体の化学反応をも引き起こすことが本願発明者らにより見出されている。そこで本願発明者らは、III族窒化物系化合物半導体の結晶成長中に異種基板を裏面からエッチングにより除去することを着想し、出願した(下記特許文献1)。
特開2003−7619
しかし、この特許文献の方法を用いても反りの問題を大きく改善するには至らなかった。本発明者らは鋭意検討の結果、一定条件のもと、第1段のIII族窒化物系化合物半導体のシリコン除去後の反りを抑制する方法があること、更にはその反りが今まで良く見られたシリコン基板と接合した側に凸ではなく、シリコン基板と接合しない側に凸とできること、そのシリコン基板と接合しない側に凸となった場合の反りを補償する手段を見出し、本願発明を完成した。
即ち、本願発明の目的は、III族窒化物系化合物半導体の結晶成長中に異種基板を裏面からエッチングにより除去する方法を用いたIII族窒化物系化合物半導体の製造方法において、平坦で反りの少ない、即ち主面の曲率半径の大きいIII族窒化物系化合物半導体を得ることである。
上記の課題を解決するため、請求項1に係る発明によれば、シリコン(Si)基板に、下地層を形成して又は形成せずにハイドライド気相成長法により第1のIII族窒化物系化合物半導体層を形成する第1層形成工程と、第1層形成工程の終了後又は第1層形成工程と重ねてシリコン基板を裏面からエッチングによりその略全部を除去するシリコン基板除去工程と、シリコン基板除去工程ののちに行われる、第1のIII族窒化物系化合物半導体層の成長面側の表面の異物を除去するクリーニング工程と、当該クリーニング工程ののちに行われる、表面の異物を除去された第1のIII族窒化物系化合物半導体層の上に、ハイドライド気相成長法により第2のIII族窒化物系化合物半導体層を形成する第2層形成工程とを有し、第1層形成工程においては、反応温度を800〜950℃とし、第1のIII族窒化物系化合物半導体層の成長速度を100〜140μm/hし、第2層形成工程においては、反応温度を1030〜1300℃として、第1層形成工程で成長する第1のIII族窒化物系化合物半導体層は厚さが150〜500μmであり、第2層形成工程で成長する第2のIII族窒化物系化合物半導体層は厚さが10〜90μmであり、第2のIII族窒化物系化合物半導体層を積層した第1のIII族窒化物系化合物半導体層を得ることを特徴とするIII族窒化物系化合物半導体の製造方法である
また、請求項2に係る発明によれば、第1層形成工程で成長する第1のIII族窒化物系化合物半導体層は窒化ガリウムであることを特徴とし、また、請求項3に係る発明によれば、第2層形成工程で成長する第2のIII族窒化物系化合物半導体層は窒化ガリウムであることを特徴とする。
また、請求項4に係る発明によれば、シリコン(Si)基板に下地層を形成した場合であって、シリコン基板除去工程において、又はそれに続く工程において、当該シリコン(Si)基板に形成した下地層を全部除去することを特徴とする。また、請求項5に係る発明によれば、シリコン(Si)基板に下地層を形成しない場合はシリコン基板除去工程でシリコン(Si)基板を完全に除去した上、シリコン(Si)基板に下地層を形成した場合はシリコン(Si)基板と下地層を完全に除去した上、第1のIII族窒化物系化合物半導体層の裏面を10〜100μm除去することを特徴とする。
また、請求項6に係る発明によれば、下地層が単層の場合は当該下地層、下地層が2層以上の積層構造から成る場合その最下層が、有機金属気相成長法(MOVPE)により形成された、アルミニウムを含むIII族窒化物系化合物半導体層であることを特徴とする。また、請求項7に係る発明によれば、下地層は、最下層としてバッファ層を有し、その上に有機金属気相成長法(MOVPE)により形成された、アルミニウムを含むIII族窒化物系化合物半導体層を1層以上有することを特徴とする。また、請求項8に係る発明によれば、下地層は2層以上の積層構造から成り、最上層は有機金属気相成長法(MOVPE)により形成された窒化ガリウムであることを特徴とする。
シリコン基板にハイドライド気相成長法によりIII族窒化物系化合物半導体を製造する際、その成長温度を1000℃以下、成長速度を50〜150μm/hとすることで、シリコン基板を除去した状態で、シリコン基板側に凸(以下、単に下に凸と言う場合がある)ではなく、極めて曲率半径が高いか、III族窒化物系化合物半導体の成長面側に凸(以下、単に上に凸と言う場合がある)となったIII族窒化物系化合物半導体基板を得ることができることが本願発明者らによって見出された。特に、成長温度を800〜950℃、成長速度を100〜130μm/hとすることで、シリコン基板を除去したのちに得られる基板の主面の曲率半径を0.5m以上と極めて平坦にすることができる。成長温度が800℃に満たないと、結晶性の良いIII族窒化物系化合物半導体基板を得ることができない。
更には、シリコン基板をエッチング後、1000℃以上で第2のIII族窒化物系化合物半導体層を成長させることで、第2のIII族窒化物系化合物半導体層を成長しない場合に上に凸となるような第1のIII族窒化物系化合物半導体から成る基板を平坦化することが可能となる。基板除去工程において、反対側の、第2のIII族窒化物系化合物半導体を成長させるべき第1のIII族窒化物系化合物半導体表面に異物が付着する可能性が高いので、基板除去工程ののちにクリーニング工程を設けて当該異物を除去する。これにより第2のIII族窒化物系化合物半導体層を結晶性良く成長させることが可能となる。この1000℃以上で第2のIII族窒化物系化合物半導体層を成長させて、第2のIII族窒化物系化合物半導体を積層した第1のIII族窒化物系化合物半導体層を得ること自体が基板の平坦化につながるものである。この際、第2のIII族窒化物系化合物半導体層の成長温度は1030〜1300℃とすると尚良い。成長温度が1300℃を超えると、III族窒化物系化合物半導体層をエピタキシャル成長させることが非常に困難となる。
第1層形成工程で成長する第1のIII族窒化物系化合物半導体層の厚さと、第2層形成工程で成長する第2のIII族窒化物系化合物半導体層の厚さは次のように最適化される。得られる半導体基板は第1のIII族窒化物系化合物半導体層を主とするものであるので、第1層形成工程で150μm以上成長される必要がある。即ち、それ以下では半導体基板として薄すぎ、取扱いを極度に慎重にせざるを得ないからである。また、1000μmを超えると、後の工程で平坦下が困難となる。第2層形成工程で成長する第2のIII族窒化物系化合物半導体層は厚さ10〜90μmとすると良い。10μm未満では上に凸の第1のIII族窒化物系化合物半導体層の表面の凹凸を充分に平坦化できないし、第2のIII族窒化物系化合物半導体層で反りを制御することができない。第2のIII族窒化物系化合物半導体層の厚さが90μmを超えると、補償が過剰となって第1のIII族窒化物系化合物半導体層もろともワレを生じる場合がある。第2層形成工程で成長する第2のIII族窒化物系化合物半導体層は厚さ20〜70μmとすると尚良い。
ハイドライド気相成長法によるIII族窒化物系化合物半導体のエピタキシャル成長は、窒化ガリウムがその制御が容易な点で有利である。これにより、高品質の厚膜のIII族窒化物系化合物半導体基板を得ることができる。
シリコン基板は本来的に不要であるので、シリコン基板除去工程においてはシリコン基板を完全に除去することが好ましい。また、下地層も、特に基板の主要部と異なる組成の場合は勿論であるが、シリコン基板からの歪をうけている可能性が高いので、やはり全て除去することが好ましい。更には、第1のIII族窒化物系化合物半導体層の裏面もシリコン基板からの歪をうけている可能性や、場合によっては窒化シリコンの浸食などもあり得るので一部除去することが好ましい。これにより、クラックや割れの無い第1のIII族窒化物系化合物半導体層を得ることができる。また、これらは、第2のIII族窒化物系化合物半導体層を成長させる場合はそれ以前に行うことが好ましい。
シリコン基板に下地層を形成する際、当該下地層はMOVPEにより形成されたアルミニウムを含むIII族窒化物系化合物半導体層を有すると良く、また、例えばスパッタリングその他の方法により形成されたバッファ層を有すると良い。これらによりシリコン基板にはIII族窒化物系化合物半導体層をハイドライド気相成長させることが容易となる。下地層を2層以上の積層構造とする場合、最上層を有機金属気相成長法(MOVPE)により形成した窒化ガリウムとすると、ハイドライド気相成長法で窒化ガリウムを成長させることが容易である。
本発明はGaN基板を得るのに非常に好適であるが、本願発明は任意組成のIII族窒化物系化合物半導体基板の製造方法に適用できる。また、第1層及び/又は第2層形成工程で不純物を導入することも任意である。更に、第1層形成工程と第2層形成工程のIII族窒化物系化合物半導体は組成を異なるものとしても良く、また不純物の添加又は無添加、添加する不純物の種類及び濃度は同一でも異なっていても良い。
第1のIII族窒化物系化合物半導体の成長面側の表面の異物を除去するためにクリーニングする際は、塩化水素ガスを供給してその表面をエッチング処理しても良く、リアクティブエッチングにより表面をエッチング処理しても良く、室温に戻すなどしたのち、湿式エッチングにより表面を処理しても良い。塩化水素ガスによるエッチングの場合、エッチング温度はハイドライド気相成長のための温度付近でエッチングできるため、第1のIII族窒化物系化合物半導体に熱応力を加えることが無く、また、工程も短縮でき、望ましい。
シリコン基板に形成する下地層としては、最も好適なものはMOVPEによりAlGaN層とGaN層とからなる2層構造である。シリコン基板に直接形成しやすいのはAlGaN層であるが、表面が平坦になりにくく、MOVPEからHVPEへの装置間の搬送において表面が酸化されやすい。そこでシリコン基板にAlGaN層を形成したのちGaN層を形成することで、表面が平坦となり、酸化等の悪影響を回避することができる。
本発明はIII族窒化物系化合物半導体のシリコン基板上のハイドライド気相成長を行った後、又は行いつつ、当該シリコン基板を裏面からエッチングにより除去していく方法をとる。この際のエッチング方法は任意であるが、塩化水素ガスによるガスエッチが最も容易で、且つそのための装置も構成しやすい。尤も、本発明が、他のエッチング方法を用いることを排除するものではない。
以下、図を参照しつつ本発明の実施の形態を説明する。尚、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
まず、洗浄し、予備加熱した(111)面を主面とするシリコン(Si)基板1を用意した(図1の(a))。次にシリコン(Si)基板1の上面にMOVPEにより膜厚0.2〜0.3μmのAl0.2Ga0.8N層2、膜厚0.5μmのGaN層3を順に形成する(図1の(b))。このとき原料はトリメチルアルミニウム(Al(CH3)3)、トリメチルガリウム(Ga(CH3)3)、アンモニア(NH3)を用いた。本実施例ではAl0.2Ga0.8N層2とGaN層3が下地層に相当する。
次に、Al0.2Ga0.8N層2及びGaN層3を形成したシリコン(Si)基板1を裏面から独立してHClガスエッチ可能なハイドライド気相成長(HVPE)装置に設置した。HVPE装置の気相成長側、ガスエッチング側とも温度を900℃に設定した。こうして金属ガリウムと塩化水素により発生させるGaCl3とアンモニアにより、シリコン(Si)基板1上面からGaN層10のハイドライド気相成長を900℃で行った(第1層形成工程)。次に、シリコン(Si)基板1裏面を塩化水素によりガスエッチングした(シリコン基板除去工程)(図1の(c))。
シリコン(Si)基板1を完全にガスエッチしたのちもガスエッチングを継続し、MOVPEにて形成したAl0.2Ga0.8N層2及びGaN層3、更にはGaN層10の裏面約50μmをも除去して、膜厚約400μmのGaN層10を得た(図1の(d))。
このようにして得られたGaN層10について、成長速度を変えて反りを測定した結果を図2に示す。尚、シリコンウエハは直径2インチ(50mm)であり、キャリアガスであるN2の流量は2L/minで一定とした。横軸に成長速度を、縦軸に反りとして直径10mmの円内の外周と中心部の差をμmで示した。反りはGaN層10の成長面側に凸となった場合を正とし、シリコン基板側に凸となった場合を負とした。成長速度が160μm/h以上ではシリコン基板側に凸となる反りを有する基板が得られた。このような基板はのちの取り扱いが困難なものである。実際、エピタキシャル成長基板として用いようとすると、GaN層10の成長面側を主面とせざるを得ず、凸側が下面(エピタキシャル成長に用いない面)となって、均一に成長させることが困難である。成長速度140μm/h以下ではGaN層10の成長面側に凸となる反りを有する基板が得られた。このような基板はのちの取り扱いが容易である。実際、エピタキシャル成長基板として用いようとすると、GaN層10の成長面側を主面としても凹側が下面(エピタキシャル成長に用いない面)となって、静止させることが容易であり、均一な成長が可能となる。成長速度100〜140μm/hにおいては上に凸できわめて反りの少ない基板が得られた。
実施例1と同様にシリコン(Si)基板1、Al0.2Ga0.8N層2及びGaN層3、更にはGaN層10の裏面約50μmをもガスエッチした、厚さ400μmのGaN層10を、HVPE装置から取り出さずに、ガリウムの供給源であるガリウムボートを通さずに塩化水素ガスを供給して、GaN層10の表面(成長していた表面)側をクリーニングした。次に、GaN層10のクリーニング処理した表面(成長していた側)を成長面とし、温度を1075℃に昇温して、金属ガリウムと塩化水素により発生させるGaCl3とアンモニアにより、GaN層10の上面からGaN層20のハイドライド気相成長を行った(第2層形成工程)。こうして、表面にGaN層20を有するGaN層10から成る基板を得た。
この時の、GaN層10の成長速度から得られるGaN層20を有しない場合の反りと、最終的に得られる表面にGaN層20を有するGaN層10を測定して得られた反りとを図4に示した。矢印で結ばれた正方形と菱形について、各々正方形がGaN層10の反り、菱形がGaN層10の表面クリーニング処理及びGaN層20形成後の反りである。図4のように、反り(直径10mmの円内の外周と中心部の差)が12μmの上に凸であったと考えられるGaN層10に対し、GaN層20を50μm積層した場合、最終的に得られる表面にGaN層20を有するGaN層10から成る基板は、反りの量が約3μm減少した。GaN層20を75μm積層した場合、最終的に得られる表面にGaN層20を有するGaN層10から成る基板は、反りの量が約7μm減少した。一方、GaN層20を100μm積層した場合、最終的に得られる表面にGaN層20を有するGaN層10から成る基板は、基板にクラックが発生し、下に凸となった基板の反りは約20μmであった。
実施例2の結果は、単にGaN層20の厚さのみに関係するのではなく、GaN層10の厚さと反り具合、及びGaN層10の裏面のエッチングの程度と密接に関係するものと考えられる。
上記第2実施例では、シリコン(Si)基板1を完全にガスエッチしたGaN層10を、HVPE装置から取り出さずに、塩化水素ガスを供給してその表面をエッチング処理したが、リアクティブエッチング装置に搬送して表面をエッチング処理しても良く、室温に戻すなどしたのち、湿式エッチングにより表面を処理しても良い。
シリコン基板に予めMOVPEによりAl0.2Ga0.8N層2とGaN層3とからなる下地層を形成したのちハイドライド気相成長を行う実施例を示したが、更に基板に直接バッファ層となる層を任意に形成して良く、あるいは形成せずにハイドライド気相成長を行っても良い。
本発明の具体的な一実施例である実施例1の工程を示す工程図(断面図)。 実施例1における成長速度と得られる基板の反りの関係を示したグラフ図。 本発明の具体的な一実施例である実施例2の工程を示す工程図(断面図)。 実施例2における、エッチング処理及びGaN層20を形成する作業の前と後での反りの変化を示すグラフ図
符号の説明
1:シリコン基板
2:Al0.2Ga0.8N層
3:GaN層
10:GaN基板(第1のIII族窒化物系化合物半導体層)
20:GaN層(第2のIII族窒化物系化合物半導体層)

Claims (8)

  1. シリコン(Si)基板に、下地層を形成して又は形成せずにハイドライド気相成長法により第1のIII族窒化物系化合物半導体層を形成する第1層形成工程と、
    第1層形成工程の終了後又は第1層形成工程と重ねてシリコン基板を裏面からエッチングによりその略全部を除去するシリコン基板除去工程と、
    前記シリコン基板除去工程ののちに行われる、前記第1のIII族窒化物系化合物半導体層の成長面側の表面の異物を除去するクリーニング工程と、
    当該クリーニング工程ののちに行われる、表面の異物を除去された前記第1のIII族窒化物系化合物半導体層の上に、ハイドライド気相成長法により第2のIII族窒化物系化合物半導体層を形成する第2層形成工程とを有し、
    前記第1層形成工程においては、反応温度を800〜950℃とし、
    前記第1のIII族窒化物系化合物半導体層の成長速度を100〜140μm/hとし、
    前記第2層形成工程においては、反応温度を1030〜1300℃として、
    前記第1層形成工程で成長する第1のIII族窒化物系化合物半導体層は厚さが150〜1000μmであり、
    前記第2層形成工程で成長する第2のIII族窒化物系化合物半導体層は厚さが10〜90μmであり、
    第2のIII族窒化物系化合物半導体層を積層した第1のIII族窒化物系化合物半導体層を得ることを特徴とするIII族窒化物系化合物半導体基板の製造方法。
  2. 前記第1層形成工程で成長する第1のIII族窒化物系化合物半導体層は窒化ガリウムであることを特徴とする請求項1に記載のIII族窒化物系化合物半導体の製造方法。
  3. 前記第2層形成工程で成長する第2のIII族窒化物系化合物半導体層は窒化ガリウムであることを特徴とする請求項1に記載のIII族窒化物系化合物半導体基板の製造方法。
  4. シリコン(Si)基板に下地層を形成した場合であって、前記シリコン基板除去工程において、又はそれに続く工程において、当該シリコン(Si)基板に形成した前記下地層を全部除去することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のIII族窒化物系化合物半導体基板の製造方法。
  5. シリコン(Si)基板に下地層を形成しない場合は前記シリコン基板除去工程で前記シリコン(Si)基板を完全に除去した上、
    シリコン(Si)基板に下地層を形成した場合は前記シリコン(Si)基板と前記下地層を完全に除去した上、
    前記第1のIII族窒化物系化合物半導体層の裏面を10〜100μm除去することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のIII族窒化物系化合物半導体基板の製造方法。
  6. 前記下地層が単層の場合は当該下地層、前記下地層が2層以上の積層構造から成る場合その最下層が、有機金属気相成長法(MOVPE)により形成された、アルミニウムを含むIII族窒化物系化合物半導体層であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のIII族窒化物系化合物半導体基板の製造方法。
  7. 前記下地層は、最下層としてバッファ層を有し、その上に有機金属気相成長法(MOVPE)により形成された、アルミニウムを含むIII族窒化物系化合物半導体層を1層以上有することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のIII族窒化物系化合物半導体基板の製造方法。
  8. 前記下地層は2層以上の積層構造から成り、最上層は有機金属気相成長法(MOVPE)により形成された窒化ガリウムであることを特徴とする請求項6又は請求項7に記載のIII族窒化物系化合物半導体基板の製造方法。
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