JP2020131751A - 灯火器 - Google Patents

Abstract

【課題】光量の確保、外観性の向上及びコストの低減が可能な導光部材を備えた灯火器を提供する。【解決手段】ハウジングと、ハウジングの前面を覆うレンズと、ハウジングに収納されて光を照射する左右２灯式の主灯体６５と、２灯式の主灯体６５の周囲に沿うようにω字状に連続して形成された導光部材７１と、導光部材７１の一部を前方から覆うエクステンションとを有し、導光部材７１に導かれる光を発する光源群７７は、ω字の左右上端部に配置されるとともに、導光部材７１の中央屈曲部７１ｄは、エクステンションの後方で屈曲する。【選択図】図５

Description

本発明は、灯火器に関する。

従来、灯火器として、導光部材の発光部（輝光部）を左右別々に設けたものが知られている（例えば、特許文献１参照）。

特許第６２７０６７９号公報

特許文献１では、導光部材の左右の発光部が連続していないため、導光部材の中央部側ほど光源から離れるので光量が少なくなる。また、左右の発光部の中央部側の端部からは、外部に光漏れが発生しやすく、灯火器の外観性に影響を及ぼす。また、導光部材の形状が各部で一様では無いため、コストが嵩む。
本発明の目的は、光量の確保、外観性の向上及びコストの低減が可能な導光部材を備えた灯火器を提供することにある。

灯火器は、ハウジング（６１）と、前記ハウジング（６１）の前面を覆うレンズ（５１）と、前記ハウジング（６１）に収納されて光を照射する左右２灯式の主灯体（６５）と、２灯式の前記主灯体（６５）の周囲に沿うように連続して形成された導光部材（７１）と、前記導光部材（７１）の一部を前方から覆うエクステンション（７２）とを有し、前記導光部材（７１）は、前記導光部材（７１）に導かれる光を発する導光部材用光源（７７）とで副灯体（６６）を構成し、前記導光部材（７１）の中央部（７１ｄ）は、前記エクステンション（７２）の後方で屈曲することを特徴とする。

上記構成において、前記導光部材（７１）は、車両正面視ω字状に形成され、前記導光部材用光源（７７）は、前記ω字の車幅方向両側の上端部に配置されるようにしても良い。
また、上記構成において、前記導光部材用光源（７７）は、ＬＥＤであって前記主灯体（６５）に備える主灯体用光源（６７，６８）よりも消費電力が大きく、前記導光部材用光源（７７）が取付けられた基板（８２）は、ヒートシンク（９１）と共に、前記ハウジング（６１）の左右上部に取付けられるようにしても良い。

また、上記構成において、前記導光部材用光源（７７）及び前記導光部材（７１）の車幅方向外側端は、前記主灯体（６５）の車幅方向外側端よりも車幅方向内側に配置されるようにしても良い。
また、上記構成において、前記導光部材（７１）は、前記導光部材用光源（７７）からの距離が遠くなるにつれて、次第に前方に突出するようにしても良い。
また、上記構成において、前記主灯体用光源（６７，６８）はＬＥＤであり、前記導光部材用光源（７７）よりも下方に配置されるようにしても良い。

また、上記構成において、前記導光部材（７１）の端部（７１ａ）には、前記ヒートシンク（９１）に取付けられる端部取付け部（８４）が一体に形成され、前記端部取付け部（８４）と前記基板（８２）とは、前記ヒートシンク（９１）に共締めされるようにしても良い。

また、上記構成において、前記端部取付け部（８４）は、前記導光部材（７１）の端部（７１ａ）の近傍に開口部（８４ａ）を備えるようにしても良い。
また、上記構成において、左右の前記導光部材用光源（７７）の間に、前記導光部材用光源（７７）の発光を制御する制御部（９５）が設けられるようにしても良い。

灯火器は、ハウジングと、ハウジングの前面を覆うレンズと、ハウジングに収納されて光を照射する左右２灯式の主灯体と、２灯式の主灯体の周囲に沿うように連続して形成された導光部材と、導光部材の一部を前方から覆うエクステンションとを有し、導光部材は、導光部材に導かれる光を発する導光部材用光源とで副灯体を構成し、導光部材の中央部は、エクステンションの後方で屈曲するので、導光部材は、左右の主灯体の周囲に沿うように連続して形成されているため、左右の光源からの光を相互に補うことで導光部材の中央部の光量を確保できるとともに、外部への光漏れの発生を抑制できて灯火器の外観性を向上できる。また、導光部材の形状が単純になり、コストを低減できる。

上記構成において、導光部材は、車両正面視ω字状に形成され、導光部材用光源は、ω字の車幅方向両側の上端部に配置されるので、導光部材の上端部から発せられた光を導光部材の中央部まで届けることができ、導光部材の中央部の光量を確保できる。
また、上記構成において、導光部材用光源は、ＬＥＤであって主灯体に備える主灯体用光源よりも消費電力が大きく、導光部材用光源が取付けられた基板は、ヒートシンクと共に、ハウジングの左右上部に取付けられるので、熱量の多い導光部材用光源をヒートシンクと共にハウジングの左右上部に配置することで、導光部材用光源からの放熱を促すことができる。
また、上記構成において、導光部材用光源及び導光部材の車幅方向外側端は、主灯体の車幅方向外側端よりも車幅方向内側に配置されるので、灯火器上部の車幅方向の幅を狭くでき、灯火器の小型化を図ることができる。

また、上記構成において、導光部材は、導光部材用光源からの距離が遠くなるにつれて、次第に前方に突出するので、導光部材用光源から発せられた光を導光部材の中央部まで効率良く届かせることができる。
また、上記構成において、主灯体用光源はＬＥＤであり、導光部材用光源よりも下方に配置されるので、導光部材用光源に比較して消費電力が小さい主灯体用光源を導光部材用光源よりも下方に配置して灯火器の放熱性を促すことができ、更に、主灯体用光源と導光部材用光源とを上下に隔てることで、導光部材用光源から主灯体用光源への熱影響を低減できる。

また、上記構成において、導光部材の端部には、ヒートシンクに取付けられる端部取付け部が一体に形成され、端部取付け部と基板とは、ヒートシンクに共締めされるので、ヒートシンクに、導光部材と基板とを簡単に取付けることができ、作業性を向上させることができる。

また、上記構成において、端部取付け部は、導光部材の端部の近傍に開口部を備えるので、開口部から放熱でき、導光部材用光源の温度上昇を抑えることができる。
また、上記構成において、左右の導光部材用光源の間に、導光部材用光源の発光を制御する制御部が設けられるので、正面視ω字の導光部材の上方のデッドスペースを有効活用して制御部を配置できる。

本発明の実施形態のヘッドライトを備える自動二輪車を示す左側面図である。 自動二輪車の前部上部を示す正面図である。 ヘッドライトを示す正面図である。 図３からレンズ及びハウジングカバーを外した状態を示す正面図である。 図４からエクステンションを外した状態を示す正面図である。 図５を斜め上方から見た斜視図である。 図５の要部拡大図である。 図５のＶＩＩＩ矢視図である。 図５のＩＸ矢視図である。

以下、図面を参照して本発明の一実施形態について説明する。なお、説明中、前後左右及び上下といった方向の記載は、特に記載がなければ車体に対する方向と同一とする。また、各図に示す符号ＦＲは車体前方を示し、符号ＵＰは車体上方を示し、符号ＬＨは車体左方を示している。
図１は、本発明の実施形態のヘッドライト４１を備える自動二輪車１０を示す左側面図である。
自動二輪車１０は、骨格となる車体フレーム１１と、車体フレーム１１の前端部にフロントフォーク１２を介して支持された前輪１３と、車体フレーム１１の下部にスイングアーム１４を介して支持された後輪１６と、乗員が着座するシート１７とを備える。
自動二輪車１０は、乗員がシート１７に跨って座る鞍乗り型車両である。

車体フレーム１１の上部には、シート１７の前方に配置された燃料タンク２１が支持され、車体フレーム１１の下部には、燃料タンク２１の下方に配置されたエンジン２３が支持されている。エンジン２３の下方には、車体フレーム１１に取付けられてエンジン２３を下方から覆うスキッドプレート２４が配置されている。
フロントフォーク１２は、車体フレーム１１の前端部に設けられたヘッドパイプ（不図示）に操舵可能に支持されている。フロントフォーク１２の上部にはバーハンドル２７が取付けられ、フロントフォーク１２の下端部には車軸２８を介して前輪１３が支持されている。
スイングアーム１４は、車体フレーム１１の下部に設けられたピボット軸３１に前端部が揺動可能に支持され、スイングアーム１４の後端部には、車軸３２を介して後輪１６が支持されている。

車体フレーム１１及び車体の各部は、車体カバー３５で覆われている。
車体カバー３５は、フロントカバー３６、ウインドスクリーン３７、左右一対のラジエータシュラウド３８、左右一対のリアカバー３９を備える。
フロントカバー３６は、車体前部を覆う。フロントカバー３６にはヘッドライト４１が配置されている。ウインドスクリーン３７は、フロントカバー３６の上部に取付けられている。左右のラジエータシュラウド３８は、ラジエータ（不図示）を左右側方から覆う。左右のリアカバー３９は、シート１７の下方の車体フレーム１１を側方から覆う。
前輪１３は、上方からフロントフェンダ４３に覆われ、後輪１６は、上方からリアフェンダ４４で覆われる。

図２は、自動二輪車１０の前部上部を示す正面図である。
ヘッドライト４１は、眼鏡形で左右一体のレンズ５１を備える。
フロントカバー３６は、ヘッドライト４１を囲むように配置され、上部カバー５３、下部カバー５４、左右一対の側部カバー５５を備える。ヘッドライト４１に対して、上部カバー５３は上方、下部カバー５４は下方、左右の側部カバー５５は左右側方にそれぞれ配置されている。
上部カバー５３にはウインドスクリーン３７が取付けられ、下部カバー５４には左右のラジエータシュラウド３８の各前端部が接続され、左右の側部カバー５５には左右一対のフロントウインカ５７が取付けられている。

図３は、ヘッドライト４１を示す正面図、図４は、図３からレンズ５１及びハウジングカバー６３を外した状態を示す正面図である。
図３に示すように、ヘッドライト４１は、レンズ５１及びハウジング６１を備える。ハウジング６１は、後部を構成するハウジング本体６２と、ハウジング本体６２の前部開口６２ａを塞ぐようにハウジング本体６２に取付けられたハウジングカバー６３とから構成される。
ハウジングカバー６３には、レンズ用開口部６３ａが形成され、レンズ用開口部６３ａを塞ぐようにハウジングカバー６３にレンズ５２が取付けられている。
レンズ用開口部６３ａは、それぞれ略半円形とされた左灯体用開口６３ｂ，右灯体用開口６３ｃと、左灯体用開口６３ｂ及び右灯体用開口６３ｃを接続する中央開口６３ｄとからなる。

図４に示すように、ハウジング本体６２には、左右２灯の主灯体６５と、左右の主灯体６５の周囲に配置された副灯体６６とが設けられている。
主灯体６５は、ＬＥＤ（発光ダイオード）からなるロービーム用光源６７及びハイビーム用光源６８と、ロービーム用光源６７及びハイビーム用光源６８から発する光を車両前方に反射させるリフレクター６９とを備える。
ロービーム用光源６７の外側方斜め上方にハイビーム用光源６８が配置されている。
リフレクター６９は、ロービーム用光源６７から発する光を反射させるロービーム用反射部６９ａと、ハイビーム用光源６８から発する光を反射させるハイビーム用反射部６９ｂとを備える。ロービーム用反射部６９ａの外側方斜め上方にハイビーム用反射部６９ｂが配置されている。

副灯体６６は、発光可能な左右一体の導光部材７１を備え、導光部材７１の一部が、カバー状のエクステンション７２により前方（車体前方。以下同じ。）から覆われている。なお、導光部材７１には、形状の理解を容易にするために複数のドットを描いている（図３〜図９）。
エクステンション７２は、後で詳述する副灯体支持部材７８に取付けられ、左右一対の主灯体用開口部７２ａ、複数のスリット７２ｂ，７２ｃ，７２ｄを備える。
左右の主灯体用開口部７２ａは、左右の主灯体６５を前方に露出させる部分である。
複数のスリット７２ｂ，７２ｃ，７２ｄは、左右の主灯体用開口部７２ａの下部の縁部にそれぞれ沿って形成される。

スリット７２ｂ，７２ｃ，７２ｄは、導光部材７１を露出させる部分であり、スリット７２ｂ，７２ｃ，７２ｄのそれぞれの間には、スリット７２ｂ，７２ｃ，７２ｄの対向する２つの縁部に渡された複数のブリッジ部７２ｅが形成されている。
図４に示したように、導光部材７１は、一部がエクステンション７２で前方から覆われるため、導光部材７１の発光形状にアクセントを与えることができ、見る者に新規な印象を与えることができる。

図５は、図４からエクステンション７２を外した状態を示す正面図、図６は、図５を斜め上方から見た斜視図である。
図３〜図５に示すように、ヘッドライト４１は、ハウジング６１、レンズ５１、左右一対の主灯体６５、副灯体６６、エクステンション７２を備える。
図５及び図６に示すように、主灯体６５のロービーム用光源６７及びハイビーム用光源６８は、それぞれリフレクター６９の上壁６９ｃに設けられた基板７４，７５に取付けられている。
リフレクター６９は、正面視略半円状を成し、上壁６９ｃは、平坦に形成されるとともに、車幅方向内側の端部よりも車幅方向外側の端部が上方になるように傾斜している。
基板７４，７５は、上壁６９ｃの上面に取付けられて傾斜し、基板７４の車幅方向外方斜め上方に基板７５が配置されている。

副灯体６６は、ハウジング本体６２の上部左右に配置された一対の光源群７７と、ハウジング本体６２に取付けられた副灯体支持部材７８に支持されるとともに、左右の光源群７７から発した光で導光部材７１が発光する一体の導光部材成形体８０とから構成される。
光源群７７は、左右一対の基板８２にそれぞれ取付けられた複数のＬＥＤ光源からなる。
導光部材成形体８０は、導光部材７１、湾曲部取付け部８３、左右一対の端部取付け部８４を一体に備える。

導光部材７１は、透明な樹脂製で、左右の光源群７７から導光して発光し、車両正面視で、主灯体６５（詳しくは、リフレクター６９）の周囲に沿うようにω字状に連続して形成された部材である。導光部材７１は、左右の上端部（端部７１ａ）側を除いて断面が円形（あるいは、楕円形、長円形）に形成されている。導光部材７１は、端部７１ａの近傍では、端部７１ａに向かうにつれて２本に分かれるが如く次第に幅広になっている。光源群７７は、幅広になった端部７１ａの端面に近接するように配置されている。

導光部材７１は、左右一対の上部傾斜部７１ｂ、左右一対の側部湾曲部７１ｃ、中央屈曲部７１ｄを備える。
左右の上部傾斜部７１ｂは、車両正面視で、左右の導光部材７１の端部７１ａからそれぞれ車幅方向外方斜め下方に延びている。左右の側部湾曲部７１ｃは、車両正面視で、左右の上部傾斜部７１ｂの下端部からそれぞれ下に凸状に湾曲しながら延びている。中央屈曲部７１ｄは、車両正面視で、左右の側部湾曲部７１ｃの車幅方向内側の端部が合流して、上に凸状で逆Ｕ字状に屈曲している。

湾曲部取付け部８３は、導光部材７１の左右の側部湾曲部７１ｃ及び中央屈曲部７１ｄに亘って、左右の側部湾曲部７１ｃの車幅方向外側及び下側と、中央屈曲部７１ｄの下側とにそれぞれ一体に形成され、副灯体支持部材７８に複数のビス８７で取付けられている。
端部取付け部８４は、導光部材７１の両側の端部７１ａにそれぞれ一体に形成された板状の部分である。
左右の光源群７７が発した光は、導光部材７１の両側の端部７１ａからそれぞれ中央屈曲部７１ｄ側へ進む。中央屈曲部７１ｄでは、左右の光源群７７の両方の光が到達するため、光量の低下が抑制され、明るさが確保される。また、中央屈曲部７１ｄで導光部材７１の左右が連続するので、導光部材７１からの光漏れが抑制される。

左右の光源群７７が取付けられた一対の基板８２は、ハウジング本体６２の左右上端部にそれぞれ配置されたヒートシンク９１に複数のビス８７で取付けられる。また、左右のヒートシンク９１は、ハウジング本体６２の左右上部に複数のビス９４で取付けられている。
副灯体６６は、昼間に常時点灯させるＤＲＬ（Ｄａｙｔｉｍｅ Ｒｕｎｎｉｎｇ Ｌｉｇｈｔ：中間走行灯）として使用されるため、左右の光源群７７は、消費電力量が高く、発熱量が大きい。このため、基板８２をヒートシンク９１に取付けることで、光源群７７の放熱を促進させることができ、温度上昇が抑えられる。
また、副灯体６６は、例えば、夕方から夜にかけて屋外の明るさ（天空照度）が所定値以下になると、光源群７７の明るさが減少し、主灯体６５のロービーム用光源６７と共に点灯して、ロービーム用灯体として機能する。
左右の光源群７７は、左右の主灯体６５のロービーム用光源６７及びハイビーム用光源６８よりも上方に配置され、また、左右のハイビーム用光源６８の上方に左右の光源群７７が配置されている。

左右のヒートシンク９１の間には、主灯体６５のロービーム用光源６７及びハイビーム用光源６８と、副灯体６６の光源群７７との発光を制御（電流を制御）する制御基板９５が収納された制御基板用ボックス９６が配置されている。制御基板用ボックス９６は、ハウジング本体６２の上部の車幅方向中央部に取付けられている。
左右の主灯体６５のリフレクター６９は、ハウジング本体６２に取付けられた左右一対の主灯体支持部材９８で支持されている。

副灯体支持部材７８は、左右一対の上部取付部７８ａ、導光部材支持部７８ｂ、車幅方向延出部７８ｃ、左右一対の側部取付部７８ｄ、前後延出部７８ｅ、左右一対の下部外側取付部７８ｆ、左右一対の下部内側取付部７８ｇを一体に備える。
左右の上部取付部７８ａは、導光部材７１の左右の端部取付け部８４、左右の基板８２と共に左右のヒートシンク９１に取付けられている。
導光部材支持部７８ｂは、導光部材７１に沿って車両正面視ω字状に形成されて導光部材７１を支持する。車幅方向延出部７８ｃは、車幅方向に延びて導光部材支持部７８ｂの左右部分に渡され、車幅方向延出部７８ｃの中央部７８ｈは、ハウジング本体６２に取付けられる。

左右の側部取付部７８ｄは、導光部材支持部７８ｂの左右側部からそれぞれ車幅方向外側に突出し、ハウジング本体６２に取付けられている。前後延出部７８ｅは、車幅方向延出部７８ｃの中央部７８ｈの下部から前方に突出して前後方向に延び、前後延出部７８ｅの先端部７８ｊは、導光部材支持部７８ｂの中央部に接続されている。
左右の下部外側取付部７８ｆは、導光部材支持部７８ｂの両側の側部から下方に突出する部分であり、ハウジング本体６２に取付けられている。左右の下部内側取付部７８ｇは、左右の下部外側取付部７８ｆよりも車幅方向内側の導光部材支持部７８ｂから下方に突出する部分であり、ハウジング本体６２に取付けられている。
導光部材成形体８０の湾曲部取付け部８３は、左右の側部取付部７８ｄ、前後延出部７８ｅ、左右の下部外側取付部７８ｆ、左右の下部内側取付部７８ｇ及び前後延出部７８ｅの先端部７８ｊにそれぞれビス８７で取付けられている。

図４及び図５において、エクステンション７２は、導光部材７１の一部、即ち、左右の端部７１ａ、左右の上部傾斜部７１ｂ、左右の側部湾曲部７１ｃの一部（各ブリッジ部７２ｅの後方（車体後方）の部分、中央屈曲部７１ｄを前方から覆っている。
また、エクステンション７２は、左右の基板７４，７５と、副灯体支持部材７８の車幅方向延出部７８ｃ、前後延出部７８ｅ及びその他と、導光部材成形体８０の湾曲部取付け部８３の大部分とを前方から覆っている。
また、図３及び図４において、ハウジングカバー６３は、左右のロービーム用光源６７及び左右のハイビーム用光源６８を前方から覆っている。

図７は、図５の要部拡大図である。
副灯体支持部材７８は、上部に上方に突出する左右一対の上部取付部７８ａ（左側の上部取付部７８ａのみ図示）が形成され、左右の上部取付部７８ａと、導光部材７１の左右の端部取付け部８４（左側の端部取付け部８４のみ図示）とが、基板８２と共にヒートシンク９１にビス８７で共締めされている。
ヒートシンク９１には、基板８２、上部取付部７８ａ及び端部取付け部８４を位置決めする一対の位置決めピン９１ａが設けられている。
上部取付部７８ａには、基板８２上の光源群７７を導光部材７１の端部７１ａに望ませる開口部７８ｋが開けられている。
導光部材７１の端部７１ａは、断面の輪郭形状が、２つの円のそれぞれの一部を重ねた形状で、中央部が括れた、いわゆる「瓢箪形」に形成され、他の部分よりも断面積が大きくされている。

導光部材７１の端部取付け部８４には、端部７１ａに隣接する位置に開口部８４ａが形成されている。開口部８４ａは、上部取付部７８ａの開口部７８ｋを介して、端部７１ａ及び光源群７７をハウジング６１内に臨ませる部分である。
光源群７７は、正面視で導光部材７１の端部７１ａの２つの円内にそれぞれ単一又は複数配置されたＬＥＤ光源１０１からなる。あるいは、光源群７７を、正面視で導光部材７１の端部７１ａの２つの円内に配置された単一の光源７７としても良い。

図５及び図７において、導光部材７１の上端部及び光源群７７（詳しくは、ＬＥＤ光源１０１）で最も車幅方向外側に位置する外側端７１ｅ，１０１ａを通る鉛直線１０３と、主灯体６５（詳しくは、リフレクター６９）で最も車幅方向外側に位置する外側端６９ｅを通る鉛直線１０４とを引いたときに、鉛直線１０３は、鉛直線１０４よりも車幅方向内側に配置される。即ち、導光部材７１の上端部及び光源群７７は、主灯体６５よりも車幅方向内側に配置される。
これにより、ヘッドライト４１（図２参照）の上部の車幅方向の幅を狭くでき、ヘッドライト４１の小型化を図ることができる。

このように、導光部材７１の端部７１ａの断面積を大きくすることで、多くのＬＥＤ光源１０１を導光部材７１の端部７１ａに望ませることができ、導光される光量をより増やすことができ、導光部材７１をより明るく発光させることができる。
また、端部取付け部８４に開口部８４ａを設けることで、光源群７７からハウジング６１内への放熱（熱の放射や対流による放熱）を促すことができ、光源群７７の温度上昇を抑えることができる。

図８は、図５のＶＩＩＩ矢視図、図９は、図５のＩＸ矢視図である。
図８に示すように、車両側面視において、導光部材７１は、上部傾斜部７１ｂでは、端部７１ａ（図７参照）から前後方向に延びる直線１０３（ＬＥＤ光源１０１（図７参照）の光軸に相当する直線である。）に沿って延び始めた後に下方に湾曲する。そして、車両側面視において、側部湾曲部７１ｃでは、上部傾斜部７１ｂの端部から下方斜め前方に延びた後に屈曲して上方斜め前方に延び、中央屈曲部７１ｄに至る。

図９に示すように、平面視において、導光部材７１は、上部傾斜部７１ｂでは、端部７１ａ（図７参照）から直線１０３に沿って延び始めた後に車幅方向外側に湾曲する。そして、平面視において、側部湾曲部７１ｃでは、上部傾斜部７１ｂの端部から更に車幅方向外側に湾曲した後に車幅方向内側に湾曲して車幅方向内方斜め前方に延び、中央屈曲部７１ｄに近づくにつれて次第に前方に湾曲し、中央屈曲部７１ｄに至る。
図８及び図９において、中央屈曲部７１ｄは、導光部材７１の最前部に位置する。
導光部材７１は、端部７１ａから常に前方に延びているので、左右の光源群７７（図５参照）からの光を中央屈曲部７１ｄに効率良く導くことができると共に光漏れを抑制できる。これにより、端部７１ａから中央屈曲部７１ｄまで次第に光量が減少するのを抑制して中央屈曲部７１ｄ側の光量を確保できる。

以上の図３〜図５に示したように、ハウジング６１と、ハウジング６１の前面を覆うレンズ５１と、ハウジング６１に収納されて光を照射する左右２灯式の主灯体６５と、２灯式の主灯体６５の周囲に沿うようにω字状に連続して形成された導光部材７１と、導光部材７１の一部を前方から覆うエクステンション７２とを有する。
導光部材７１は、導光部材７１に導かれる光を発する導光部材用光源としての光源群７７とで副灯体６６を構成し、導光部材７１の中央部としての中央屈曲部７１ｄは、エクステンション７２の後方で屈曲する。

この構成によれば、導光部材７１は、左右の主灯体６５の周囲に沿うように連続して形成されているため、左右の光源群７７からの光を相互に補うことで導光部材７１の中央屈曲部７１ｄの光量を確保できる。これとともに、外部への光漏れの発生を抑制できて灯火器としてのヘッドライト４１の外観性を向上できる。また、導光部材７１の形状が単純になり、コストを低減できる。

また、図５に示すように、導光部材７１は、車両正面視ω字状に形成され、光源群７７は、ω字の車幅方向両側の上端部に配置される。
この構成によれば、導光部材７１の上端部から発せられた光を導光部材７１の中央部まで届けることができ、導光部材７１の中央部の光量を確保できる。

また、図５に示したように、光源群７７は、複数又は単一のＬＥＤであって主灯体６５に備える主灯体用光源としてのロービーム用光源６７及びハイビーム用光源６８よりも消費電力が大きい。光源群７７が取付けられた基板８２は、光源群７７を冷却するヒートシンク９１と共に、ハウジング６１の左右上部に取付けられる。
この構成によれば、熱量の多い光源群７７をヒートシンク９１と共にハウジング６１の左右上部に配置することで、光源群７７からの放熱を促すことができ、光源群７７の温度上昇を抑制できる。

また、光源群７７及び導光部材７１の車幅方向外側端としての外側端１０１ａ，７１ｅは、主灯体６５の車幅方向外側端よりも車幅方向内側に配置される。
この構成によれば、ヘッドライト４１の上部の車幅方向の幅を狭くでき、ヘッドライト４１の小型化を図ることができる。

また、図７〜図９に示したように、導光部材７１は、光源群７７からの距離が遠くなるにつれて、次第に前方に突出する。
この構成によれば、光源群７７から発せられた光を導光部材７１の中央屈曲部７１ｄまで効率良く届かせることができる。これにより、中央屈曲部７１ｄ側をより明るく発光させることができる。

また、図５に示したように、ロービーム用光源６７及びハイビーム用光源６８はＬＥＤであり、光源群７７よりも下方に配置される。
この構成によれば、光源群７７に比較して消費電力が小さいロービーム用光源６７及びハイビーム用光源６８を光源群７７よりも下方に配置してヘッドライト４１の放熱性を促すことができる。更に、ロービーム用光源６７及びハイビーム用光源６８と光源群７７とを上下に隔てることで、光源群７７からロービーム用光源６７及びハイビーム用光源６８への熱影響を低減できる。

また、図５及び図７に示したように、導光部材７１の端部７１ａには、ヒートシンク９１に取付けられる端部取付け部８４が一体に形成され、端部取付け部８４と基板８２とは、ヒートシンク９１にビス８７で共締めされる。また、端部取付け部８４と基板８２とは、ヒートシンク９１に設けられた一対の位置決めピン９１ａによって位置決めされる。
この構成によれば、ヒートシンク９１に、導光部材７１と基板８２とを簡単に取付けることができ、組付作業性を向上させることができる。

また、図７に示したように、端部取付け部８４は、導光部材７１の端部７１ａの近傍に開口部８４ａを備える。
この構成によれば、開口部８４ａから放熱でき、光源群７７の温度上昇を抑えることができる。
また、図５に示したように、左右の光源群７７の間に、光源群７７の発光を制御する制御部としての制御基板９５が設けられるので、正面視ω字の導光部材７１の上方のデッドスペースを有効活用して制御基板９５を配置できる。

上述した実施形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の主旨を逸脱しない範囲で任意に変形及び応用が可能である。
例えば、上記実施形態において、図６に示したように、ハウジング６１のハウジング本体６２に、左右のリフレクター６９、副灯体支持部材７８及び主灯体支持部材９８を別体に設けたが、これに限らない。ハウジング本体６２に、リフレクター６９、副灯体支持部材７８及び主灯体支持部材９８の少なくともいずれかを一体に設けても良い。
また、本発明は、自動二輪車１０に適用する場合に限らず、自動二輪車１０以外も含む鞍乗り型車両にも適用可能である。

１０ 自動二輪車（鞍乗り型車両）
４１ ヘッドライト（灯火器）
５１ レンズ
６１ ハウジング
６５ 主灯体
６６ 副灯体
６７ ロービーム用光源（主灯体用光源）
６８ ハイビーム用光源（主灯体用光源）
７１ 導光部材
７１ｄ 中央屈曲部（中央部）
７２ エクステンション
７７ 光源群（導光部材用光源）
８２ 基板
８４ 端部取付け部
８４ａ 開口部
９１ ヒートシンク
９５ 制御基板

Claims (9)

1. ハウジング（６１）と、前記ハウジング（６１）の前面を覆うレンズ（５１）と、前記ハウジング（６１）に収納されて光を照射する左右２灯式の主灯体（６５）と、２灯式の前記主灯体（６５）の周囲に沿うように連続して形成された導光部材（７１）と、前記導光部材（７１）の一部を前方から覆うエクステンション（７２）とを有し、
   前記導光部材（７１）は、前記導光部材（７１）に導かれる光を発する導光部材用光源（７７）とで副灯体（６６）を構成し、
   前記導光部材（７１）の中央部（７１ｄ）は、前記エクステンション（７２）の後方で屈曲することを特徴とする灯火器。
2. 前記導光部材（７１）は、車両正面視ω字状に形成され、前記導光部材用光源（７７）は、前記ω字の車幅方向両側の上端部に配置されることを特徴とする請求項１に記載の灯火器。
3. 前記導光部材用光源（７７）は、ＬＥＤであって前記主灯体（６５）に備える主灯体用光源（６７，６８）よりも消費電力が大きく、前記導光部材用光源（７７）が取付けられた基板（８２）は、ヒートシンク（９１）と共に、前記ハウジング（６１）の左右上部に取付けられることを特徴とする請求項１又は２に記載の灯火器。
4. 前記導光部材用光源（７７）及び前記導光部材（７１）の車幅方向外側端は、前記主灯体（６５）の車幅方向外側端よりも車幅方向内側に配置されることを特徴とする請求項３に記載の灯火器。
5. 前記導光部材（７１）は、前記導光部材用光源（７７）からの距離が遠くなるにつれて、次第に前方に突出することを特徴とする請求項３又は４に記載の灯火器。
6. 前記主灯体用光源（６７，６８）はＬＥＤであり、前記導光部材用光源（７７）よりも下方に配置されることを特徴とする請求項３乃至５のいずれか一項に記載の灯火器。
7. 前記導光部材（７１）の端部（７１ａ）には、前記ヒートシンク（９１）に取付けられる端部取付け部（８４）が一体に形成され、前記端部取付け部（８４）と前記基板（８２）とは、前記ヒートシンク（９１）に共締めされることを特徴とする請求項３乃至６のいずれか一項に記載の灯火器。
8. 前記端部取付け部（８４）は、前記導光部材（７１）の端部（７１ａ）の近傍に開口部（８４ａ）を備えることを特徴とする請求項７に記載の灯火器。
9. 左右の前記導光部材用光源（７７）の間に、前記導光部材用光源（７７）の発光を制御する制御部（９５）が設けられることを特徴とする請求項１乃至８のいずれか一項に記載の灯火器。

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