JP2020122086A - エポキシ樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】ある一定時間内で硬化し、その硬化物はアルミニウムハニカムに対し高い接着強度、安定した接着性を示すエポキシ樹脂組成物を提供すること。【解決手段】ビスフェノール系エポキシ化合物100重量部に対し、コアシェル型の微粒子を1〜20重量部含有した主剤と、3級アミン化合物を0.1〜5重量部、アミノ基末端ニトリル−ブタジエンゴムを5〜20重量部、3級アミン以外のアミン化合物を20〜80重量部含む硬化剤からなるアルミニウムハニカム接合用エポキシ樹脂組成物である。【選択図】なし

Description

本発明は、アルミニウムハニカム接合に適したエポキシ樹脂組成物に関する。
特許文献1は、面板に接着剤を塗布しハニカムコアに接合してハニカムパネルとするハニカムパネルの製造方法に関する公報である。二液型エポキシ系接着剤を形成する主剤と硬化剤を、それぞれ加熱、加圧状態で撹拌、均質化し、均質化された主剤および硬化剤を圧送して両者を混合して接着剤とした後、該接着剤を高圧下で圧送、面板に塗布する製造方法が行われているが、加熱の手間がかかる上に、硬化時間には改善の余地が有った。また、特許文献2に示してある様に、航空機用構造部材として用いるには、接着強度に不安の残るものであった。
特許文献3のエポキシ組成物は、耐熱性、耐湿性、耐光性、密着性、透明性、電気特性に優れる上に、脆性の問題もないため、LED、CCDのような光半導体関連の用途、特に短波長の光を発するLEDの封止材として有用であり、接着強度に関してはある程度改善されているものの、航空機用構造部材として用いるハニカムコア接合用としては接着強度が低く、硬化時間に関しては改善の余地が有った
特許文献4、特許文献5のエポキシ組成物も特許文献3同様、接着強度に関してはある程度改善されているものの、航空機用構造部材として用いるハニカムコア接合用としては接着強度が低く、硬化時間に関しては改善の余地が有った。
特開平6-218853 特開昭55-11847 国際公開2012/096256 特開2017-197698 特開2018-35210 特開2010-53199 特表2018-511670
特許文献6のエポキシ組成物も、接着強度に関しては改善されているものの、航空機用構造部材として用いるハニカムコア接着用としては接着強度が低く、硬化時間に関しては反応性が低いので、加熱硬化を行わざるを得なかった。
特許文献7は、高速室温硬化を呈し、硬化して優れた高温特性を有する結合となる2液型構造用エポキシ接着剤に関すると記載が有るが、そこに示されている組成物では、航空機用構造部材として用いるハニカムコア接合用としては接着強度に改善の余地が有った。
ある一定時間内で硬化し、その硬化物はアルミニウムハニカムに対し高い接着強度、安定した接着性を示すエポキシ樹脂組成物を提供すること。
本発明者は、ビスフェノール系エポキシ化合物100重量部に対し、コアシェル型の微粒子を1〜20重量部含有した主剤と、3級アミン化合物を0.1〜5重量部、アミノ基末端ニトリル−ブタジエンゴムを5〜20重量部、3級アミン以外のアミン化合物を20〜80重量部含む硬化剤からなるアルミニウムハニカム接合用エポキシ樹脂組成物を得る事に成功した。
本発明のエポキシ樹脂組成物はある一定時間内で硬化し、その硬化物はアルミニウムハニカムに対し高い接着強度、安定した接着性を示すので、ドア用としては勿論のこと、航空機用構造部材として用いるハニカムコア接合にも適用できる。
ビスフェノール系エポキシ化合物100重量部に対し、コアシェル型の微粒子を1〜20重量部含有した主剤と、3級アミン化合物を0.1〜5重量部、アミノ基末端ニトリル−ブタジエンゴムを5〜20重量部、3級アミン以外のアミン化合物を20〜80重量部含む硬化剤からなるアルミニウムハニカム接合用エポキシ樹脂組成物を提供することである。
本願、エポキシ樹脂組成物は、主剤と硬化剤からなる2液タイプの組成物である。
主剤に含まれるビスフェノール系エポキシ化合物は、ビスフェノールAジグリシジレート、ビスフェノールFジグリシジレート、ビスフェノールEジグリシジレート、ビスフェノールSジグリシジレート等が挙げられ、水素添加(水添)タイプで有っても良く、これらを混合して用いる事もできる。
分子量については、ビスフェノールA型エポキシ基本構造式を式(1)に示すが、n=0体を必ずしも使用する必要は無い。n=0体以外を使用した場合で粘度が高く、作業性に不具合が生じる場合は、後述する希釈剤にて希釈すればよい。

(1)
主剤に含まれるコアシェル型の微粒子は、ビスフェノール系エポキシ化合物100重量部に対し、0.1〜30重量部、より好適には1〜20重量部である。
コアシェル型の微粒子としてはアイカ工業社製、商品名:スタフィロイドAC−4030、商品名:ゼフィアックF351、商品名:ガンツパールGMX−0810が挙げられる。
また、前述のエポキシ化合物にコアシェル型の微粒子を分散した製品もカネカ社製より市販されており、商品名:カネエースMX−153(ビスフェノールAジグリシジレート、コアシェル型の微粒子33%)、商品名:カネエースMX−257(ビスフェノールAジグリシジレート、コアシェル型の微粒子37%)、商品名:カネエースMX−154(ビスフェノールAジグリシジレート、コアシェル型の微粒子40%)、商品名:カネエースMX−960(ビスフェノールAジグリシジレート、コアシェル型の微粒子25%)、商品名:カネエースMX−136(ビスフェノールFジグリシジレート、コアシェル型の微粒子25%)、商品名:カネエースMX−965(ビスフェノールFジグリシジレート、コアシェル型の微粒子25%)が挙げられる。
主剤には希釈剤を添加することもできる。希釈剤としてはグリシジル化された脂肪族化合物、グリシジル化されたエーテル化合物が上げられ、グリシジル化された数は任意である。代表例としては、四日市合成社製、商品名:DY−BP(ブチルグリシジルエーテル)、商品名:CY−BP(ブチルグリシジルエーテル)、商品名:エポゴーセーEN(C12〜13混合アルコールグリシジルエーテル)、商品名:エポゴーセーAN(C12〜13混合アルコールグリシジルエーテル)、商品名:エポゴーセー2EH(2−エチルヘキシルグリシジルエーテル)、商品名:エポゴーセーHD(M)(1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル)、岡村製油社製、製品名:IPU−22G(7,12−ジメチル−7,11?オクタデカジエン−1,18−ジカルボン酸ジグリシジルエステル)等が挙げられる。
尚、希釈剤には粘度調整と硬さ調整の意味合いがあり、添加量は任意である。
硬化剤に含まれる3級アミン化合物量は、ビスフェノール系エポキシ化合物100重量部に対し、0.01〜10重量部、より好適には0.1〜5重量部である。
3級アミンの市販品としてはエボニック・ジャパン社製、商品名:アンカミン1110、商品名:アンカミンK−54、商品名:アンカミンK−61B等が挙げられる。
硬化剤に含まれるアミノ基末端ニトリル−ブタジエンゴム添加量としては、ビスフェノール系エポキシ化合物100重量部に対し、1〜30重量部、より好適には全体の5〜20重量部である。
アミノ基末端ニトリル−ブタジエンゴムとしてはCVCThermosetSpecialties社製、商品名:HyproATBN1300×16、商品名:HyproATBN1300×35等が挙げられる。
硬化剤に含まれる3級アミン以外のアミン化合物としては、イソホロンジアミン等のアミン化合物が挙げられる。3級アミン以外のアミン化合物の添加量としては、ビスフェノール系エポキシ化合物100重量部に対し、10〜90重量部、より好適には全体の20〜80重量部である。
3級アミン以外のアミン化合物の具体的な製品名を挙げると、エボニック・ジャパン社製、商品名:アンカマイド260A、商品名:アンカマイド350A、商品名:アンカマイド375A、商品名:アンカマイド502、商品名:アンカマイド910、商品名:アンカマイド2050、商品名:アンカマイド2137、商品名:アンカマイド2353、商品名:アンカマイド2396、商品名:アンカマイド2426、商品名:アンカマイド2445、商品名:アンカミン1110、商品名:アンカミン1561、商品名:アンカミン1618、商品名:アンカミン1618F、商品名:アンカミン1693、商品名:アンカミン1704、商品名:アンカミン1769、商品名:アンカミン1884、商品名:アンカミン1895、商品名:アンカミン1934、商品名:アンカミン2071、商品名:アンカミン2072、商品名:アンカミン2074、商品名:アンカミン2075、商品名:アンカミン2143、商品名:アンカミン2280、商品名:アンカミン2199、商品名:アンカミン2205、商品名:アンカミン2228、商品名:アンカミン2368、商品名:アンカミン2405、商品名:アンカミン2432、商品名:アンカミン2422、商品名:アンカミン2502、商品名:アンカミン2505、商品名:アンカミン2609、商品名:アンカミン2596、商品名:アンカミン2643、商品名:アンカミン2644、商品名:アンカミン2706、商品名:アンカミン2730、商品名:アンカミン2049、商品名:アンカミン2264、ピイ・ティ・アイ・ジャパン社製、商品名:ハードナーPH−770、商品名:ハードナーPH−776P、商品名:ハードナーPH777P、商品名:ハードナーPH−780、商品名:ハードナーPH−781、商品名:ハードナーPH782、商品名:ハードナーPH785、商品名:ハードナーPH−798、商品名:ハードナーKA−861、商品名:ハードナーKA−935等が挙げられる。
本願組成物は、液流れ防止の為、チクソ性付与剤を添加する事も出来る。チクソ性付与剤としては、フュームドシリカ、アマイドワックス、ポリビニルアルコール、ブチラール樹脂、メチルセルロース、カルボキシルメチルセルロース、カルボキシルエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリアクリルアマイド類、澱粉、ゼラチン、カゼインおよびその金属塩、アラビアゴム、ポリエチレンオキシド、グアーガム等が挙げられる。
フュームドシリカの具体的な製品名を上げると、日本アエロジル社製、商品名:AEROSIL RY200S、商品名:AEROSIL RY300、商品名:AEROSIL R711、商品名:AEROSIL R805、トクヤマ製、商品名:レオロシールPM20L等が挙げられる。チクソ性付与剤の添加量としては、ビスフェノール系エポキシ化合物100重量部に対し、0.01〜10重量部、より好適には0.1〜5重量部である。
エポキシ樹脂組成物は炭酸カルシウム、タルク、シリカ、カオリン、焼成カオリン、クレー、珪酸カルシウム、硫酸カルシウム、酸化アルミニウム(アルミナ)、水酸化アルミニウム、珪酸アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、炭酸マグネシウム、珪酸マグネシウム、ゼオライト、ガラスビーズ、シラスバルーン等の無機系充填材を添加する事が出来る。
また、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメタクリル酸メチル、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリスチレン、ABS樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体、ポリカーボネート等の有機系充填材を添加する事も出来る。
以下、本発明について実施例及び比較例を挙げてより詳細に説明するが、具体例を示すものであって特にこれらに限定するものではない。なお、数値は全て重量部である。
実施例1の主剤作製
ビスフェノールAジグリシジレートを91.06重量部、カネエースMX−154を14.89重量部、IPU−22Gを11.90重量部、レオロシールPM−20Lを11.90重量部、これらを撹拌容器に秤取り、均一になるまで攪拌し実施例1の主剤を得た。攪拌はディスパーを用いた。
カネエースMX−154は、ビスフェノールAジグリシジレート60%、コアシェル型の微粒子40%なので、ビスフェノールAジグリシジレートの合計は100重量部、コアシェル型の微粒子としての添加量は5.95重量部となる。
実施例2、3、比較例1〜4の主剤作製
表1、表2に示した配合割合にて実施例1の主剤作製と同様の手順で実施例2、3、比較例1〜4の主剤を作製した。尚、表1、表2のカネエースMX−154の()内の数値は、コアシェル型の微粒子としての添加量である。
実施例2は、ビスフェノールFジグリシジレートを91.06重量部使用しており、カネエースMX−154にビスフェノールAジグリシジレートが8.94入っているので、その合計が100重量部となる。
実施例1の硬化剤作製
アンアミンK54を1.65重量部、ATBN1300×16を18.03重量部、アンカマイド゛502を36.84重量部、イソホロンジアミンを1.80重量部、レオロシールPM−20Lを1.20重量部、これらを撹拌容器に秤取り、均一になるまで攪拌し実施例1の硬化剤を得た。攪拌にはディスパーを用いた。
実施例2、3、比較例1〜4の硬化剤作製
表1、表2に示した配合比割合にて実施例1の硬化剤作製と同様の手順で実施例2、3、比較例1〜4の硬化剤を作製した。
粘度測定
JIS Z 8803に準じて、測定を行った。測定は、粘度計(東機産業株式会社、ブルックフィールド型粘度計、商品名:BH II)にて行った。また、測定条件として、BH型、20rpm、60秒値、25±1℃にて測定し、当該測定値を粘度とした。
判定基準は作業性の観点より、主剤、硬化剤共に15Pa・s以下である。
二液混合方法
主剤、硬化剤を表1、表2の比率で秤取り、均一になるまで1分間混合した。この2液混合物を用いて初期硬化時間確認、接着強度確認用の試験片を作製した。
硬化性確認
ドライングレコーダー、ISO9117−4に準じて、測定を行った。測定条件は、針直径が2mm、荷重が0.03N、針速度が0.44mm/分で、測定環境は23±2℃である。
前記二液混合物を1mm厚みになる様に、バーコーターにて塗布した。その上に、ドライングレコーダー針を載せて掃引し、針の跡が残らない時間を硬化時間とした。
判定基準は、10時間未満が合格である。
接着強度試験片作製
アルミニウム合金のA1100同士を接着し、剥離試験を作製した。
100mm×25mm×0.5mm厚のアルミニウム合金板を2枚準備して、1枚に二液混合物を約0.5g塗布し、もう一枚のアルミニウム合金板を載せて、0.01MPaで圧締した。この時、片端の約30mmは2液混合物が付着しない様に調整を行った。12時間後圧を解除して、試験片作製初日から数えて7日間、エージングを行った。尚、この間の環境条件は、23±2℃であった。
接着強度測定
前記接着強度試験片のはみ出した硬化物をカッターで削り落とし、片端の硬化物が付いていない部分のアルミニウム合金板を大よそ90°それぞれ反対方向に曲げて、T字剥離試験片を作製し、T字剥離試験を行った。引っ張り速度は100mm/分、環境条件は、23±2℃であった。判定基準については、3.5N/mm以上であれば、航空機用構造部材として用いるハニカムコア接合にも適用できると判断される。
ビスフェノール系エポキシ化合物100重量部に対し、コアシェル型の微粒子を1〜20重量部含有した主剤と、3級アミン化合物を0.1〜5重量部、アミノ基末端ニトリル−ブタジエンゴムを5〜20重量部、3級アミン以外のアミン化合物を20〜80重量部含む硬化剤からなるエポキシ樹脂組成物である実施例1〜3は、粘度、硬化性、接着強度何れの試験も合格となった。
コアシェル型の微粒子を含まない比較例1は、接着強度が低い結果となった。また、アミノ基末端ニトリル−ブタジエンゴムを含まない比較例2も同様、接着強度が低い結果となった。
3級アミンを含まない比較例3は、硬化性が劣るものであった。
ビスフェノール系エポキシ化合物100重量部に対し、硬化剤のアミノ基末端ニトリル−ブタジエンゴムの添加量が29.48重量部および39.30重量部と多い比較例4、比較例5は、硬化剤粘度が高過ぎる結果となった。
航空機用構造部材として用いることもできるアルミニウムハニカム接合に適したエポキシ樹脂組成物としては、ビスフェノール系エポキシ化合物100重量部に対し、コアシェル型の微粒子を1〜20重量部含有した主剤と、3級アミン化合物を0.1〜5重量部、アミノ基末端ニトリル−ブタジエンゴムを5〜20重量部、3級アミン以外のアミン化合物を20〜80重量部含む硬化剤からなる組成物が最適であることが証明された。































Claims (2)

  1. ビスフェノール系エポキシ化合物100重量部に対し、コアシェル型の微粒子を1〜20重量部含有した主剤と、3級アミン化合物を0.1〜5重量部、アミノ基末端ニトリル−ブタジエンゴムを5〜20重量部、3級アミン以外のアミン化合物を20〜80重量部含む硬化剤からなるアルミニウムハニカム接合用エポキシ樹脂組成物。
  2. 請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物を用い接合されたアルミニウムハニカムを含む構造部材。
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