JP6651045B1 - エポキシ樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
そこで、接合の為の治具を減らし締め付けの個人差による取り付け精度バラツキを解消する為に、接着剤のみで接合できる接着工法が求められていた。
特許文献3には、エポキシ樹脂は自動車用塗料、船舶用塗料、防食塗料、航空機用接着剤、電気電子部品用接着剤、土木建築用接着剤、木材加工用接着剤として用いられていると記載が有る。特許文献4には、エポキシ樹脂組成物は例えば電気部品または電子部品などのシーリング剤、コーティング剤、キャスティング剤、ディッピング剤および接着剤、土木建築用のコーキング剤、さらに塗料、ライニング剤等として有用であると記載が有る。
何れの文献も硬化時間に関しては改善されているものの、硬質塩化ビニルに対する接着性確認は行われておらず、硬質塩化ビニルに対する接着性に関しては改善の余地があった。
また、光照射にて、2級アミンであるビグアニジンを発生する例は示してあるが、3級アミンを添加した例は示されていない。
また、特許文献7は、基材にポリ塩化ビニル系樹脂を用いることが出来ると明細書に記載してあるが、硬質塩化ビニル同士を接合した例は示されていない。
接着性に優れ、かつ、硬化時間も短縮することができる接着剤と記載があるが、60分以内の硬化は不可能であった。また、活性水素当量が大きいアミノ基末端ニトリル−ブタジエンゴム(:ATBN)が大量に添加されているので、硬化物は非常に柔軟で、最終的にセメントにて硬さ調整が行われているが、軟質塩化ビニルシート接着に向いていても、高い接着強度、安定した接着性が要求される硬質塩化ビニル管接着には向かなかった。
主剤はビスフェノール系エポキシ化合物を含む。ビスフェノール系エポキシ樹脂としては、ビスフェノールAジグリシジレート、ビスフェノールFジグリシジレート、ビスフェノールEジグリシジレート、ビスフェノールSジグリシジレート等が挙げられ、水素添加(水添)タイプで有っても良い。
これらを単独で用いてもよいし、複数個組み合わせて使用することもできる。
具体的に製品名を挙げると三菱ケミカル社より、製品名:825、製品名:827、製品名:828(エポキシ当量:190)、製品名:834、製品名:1001(エポキシ当量:475)、製品名:1002、製品名:1010等が市販されている
主剤に含まれるビスフェノール系エポキシ化合物の量は、全体の5〜90重量%、より好適には全体の10〜80重量%である。
...(1)
尚、希釈剤には粘度調整と硬さ調整の意味合いがあり、添加量は任意である。
添加量としては全体の0.1〜50重量%、より好適には全体の1〜40重量%である。
添加量としては全体の0.1〜50重量%、より好適には全体の1〜40重量%である。
添加量としてはサンマイド336の場合、全体の0.1〜50重量%、より好適には全体の1〜40重量%である。接着強度の関係で、ATBNは、ビスフェノール系エポキシ樹脂よりも少ない量でなくてはならない。
アミン系硬化剤の具体的な製品名を挙げると、エボニック・ジャパン社製、商品名: アンカマイド260A(活性水素当量:120)、商品名:アンカマイド350A、商品名:アンカマイド375A、商品名:アンカマイド910、商品名:アンカマイド2050、商品名:アンカマイド2137、商品名:アンカマイド2353、商品名:アンカマイド2396、商品名:アンカマイド2426、商品名:アンカマイド2445、商品名:アンカマイド910、商品名:アンカミン1110、商品名:アンカミン1561、商品名:アンカミン1618、商品名:アンカミン1618F、商品名:アンカミン1693、商品名:アンカミン1704、商品名:アンカミン1769、商品名:アンカミン1884、商品名:アンカミン1895、商品名:アンカミン1934、商品名:アンカミン2071、商品名:アンカミン2072、商品名:アンカミン2074、商品名:アンカミン2075、商品名:アンカミン2143、商品名:アンカミン2280、商品名:アンカミン2199、商品名:アンカミン2205、商品名:アンカミン2228、商品名:アンカミン2368、商品名:アンカミン2405、商品名:アンカミン2432、商品名:アンカミン2422、商品名:アンカミン2502、商品名:アンカミン2505、商品名:アンカミン2609、商品名:アンカミン1618、商品名:アンカミン1884、商品名:アンカミン1934、商品名:アンカミン2074、商品名:アンカミン2143、商品名:アンカミン2280、商品名:アンカミン2596、商品名:アンカミン2643、商品名:アンカミン2644、商品名:アンカミン2706、商品名:アンカミン2730、商品名:アンカミン2049、商品名:アンカミン2264、ピイ・ティ・アイ・ジャパン社製、商品名:ハードナーPH−770、商品名:ハードナーPH−776P、商品名:ハードナーPH777P、商品名:ハードナーPH−780、商品名:ハードナーPH−781、商品名:ハードナーPH782、商品名:ハードナーPH785、商品名:ハードナーPH−798、商品名:ハードナーKA−861、商品名:ハードナーKA−935等が挙げられる。
また、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメタクリル酸メチル、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリスチレン、ABS樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体、ポリカーボネート等の有機系充填材を添加する事も出来る。
充填材の添加量は全体の50〜90重量%、より好適には全体の55〜85重量%である。
ビスフェノールA型エポキシ化合物の828を11.0重量部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂の1001を3.4重量部、ベンジルアルコールを1.7重量部、白石カルシウム社製炭酸カルシウム、商品名:BF200を27.2重量部、日本タルク社製タルク、商品名:シムゴンを6.7重量部、これらを撹拌容器に秤取り、均一になるまで攪拌し実施例1の主剤を得た。攪拌にはプラネタリーミキサーを用いた。
表1、表2に示した配合割合にて実施例1の主剤作製と同様の手順で実施例2〜6、比較例1〜5の主剤を作製した。
サンマイド336を3.3重量部、アンカマイド260Aを3.8重量部、KYE−C380LOを4.5重量部、アンカミンK54を1.7重量部、ベンジルアルコールを0.5重量部、BF200を25.7重量部、シムゴンを10.5重量部、これらを撹拌容器に秤取り、均一になるまで攪拌し実施例1の硬化剤を得た。攪拌にはプラネタリーミキサーを用いた。
表1、表2に示した配合比割合にて実施例1の硬化剤作製と同様の手順で実施例2〜5、比較例1〜3の硬化剤を作製した。
尚、ピペリジンは、2級アミン化合物である。また、実施例1〜6、比較例1〜5のエポキシ基/硬化剤の反応基のモル比は、1/0.5〜1/2である。
主剤、硬化剤を重量比1:1に成るように秤取り、全体量の3%量の水を添加し、均一になるまで2分間混合した。尚、比較例4は、(エポキシ基モル数/硬化剤モル数)=1/0.5なので、主剤、硬化剤を重量比は1:2にて撹拌を行った。
この2液混合物を用いて初期硬化時間確認、せん断強度、ピール強度の確認用試験片を作製した。
初期硬化時間の確認は、JIS K6253のタイプA硬度計を用いて行った。
23℃雰囲気下で混合直後の上記2液混合物を厚さ12mmで平滑に塗布し、タイプA硬度が80に到達するまでの時間を測定した。結果を表3、表4に示す。判定基準としては、60分以内は合格、60分超過は不合格である。
尚、初期硬化時間にて、不合格と成った比較例4、比較例5は、せん断強度、ピール強度を測定していない。
硬質塩化ビニルに対する接着強度確認の為、市販の硬質塩化ビニルを用いせん断強度試験を行った。100mm×25mm×5mm厚の市販の硬質塩化ビニル板2枚を準備し、そのうちの1枚に上記2液混合物を約0.2gスパーテルにて塗布し、接着面積が25mm×12.5mmに成るように、もう1枚の硬質塩化ビニル板を重ね合わせ、0.05MPaの圧力が均一にかかるように、おもり載せ、23℃環境にて8時間保管し、硬化物がはみ出した部分をカッターで切り落し、接着強度試験片とした。
せん断試験条件は23℃環境下にて引張速度10mm/分である。結果を表3、表4に示す。
せん断強度の下には破壊モードを示しており、AFは界面破壊、CFは凝集破壊、MFは材料破壊である。判定基準としては、せん断強度に関しては4MPa以上が合格、4MPa未満は不合格である。破壊モードに関しては、CF、MFは合格、AFは不合格である。
塩ビ管が外部応力によって変形した場合を想定し、市販の硬質塩化ビニル板とアルミニウム薄板の90°ピール強度試験を行った。
市販の100mm×25mm×5mm厚の硬質塩化ビニル板と、100mm×25mm×0.5mm厚のアルミニウムであるA1100を準備した。
市販の硬質塩化ビニル板に、上記2液混合物を約1gをスパーテルで薄く引き延ばして塗布し、接着面積が25mm×約70mmに成るようにA1100板を重ね合わせた。0.2MPaの圧力が均一にかかるように、おもり載せ、23℃環境にて8時間保管し、硬化物がはみ出した部分をカッターで切り落し、接着強度試験片とした。
硬質塩化ビニル板を90°ピール治具に両面テープで固定し、アルミニウム板の硬化物が無い部分をエアチャックで挟んで、90°ピール試験を行った。90°ピール試験条件は23℃環境下にて引張速度200mm/分である。結果を表3、表4に示す。
ピール強度の下には破壊モードを示しており、AFは界面破壊、CFは凝集破壊、MFは材料破壊である。判定基準としては、ピール強度に関しては65N/25mm以上が合格、65N/25mm未満は不合格である。破壊モードに関しては、CF、MFは合格、AFは不合格である。
ATBNの添加量が、ビスフェノール系エポキシ化合物より多い比較例4は、初期硬化時間にて、不合格と成った。ATBNは必須成分であるが、有る範囲の量を超えると、硬質塩化ビニル管接着用エポキシ樹脂組成物として不適切であることが示された。
Claims (1)
- 硬質塩化ビニル管接着用エポキシ樹脂組成物であって、主剤はビスフェノール系エポキシ化合物を全体の5〜90重量%、硬化剤としてチオール化合物を全体の0.1〜50重量%、3級アミンを全体の0.1〜50重量%、アミノ基末端ニトリル−ブタジエンゴム(:ATBN)を全体の0.01〜7.5重量%含み、
且つ、ATBNは、前記ビスフェノール系エポキシ化合物よりも少ない量である硬質塩化ビニル管接着用エポキシ樹脂組成物。
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