JP2020110424A - 吸収シートの製造方法、吸収シートおよび吸収シートの製造装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】連続シート上に供給された吸収性複合材が周囲に飛散することを抑制する。【解決手段】吸収シート製造装置1では、吸収性樹脂粒子の表面に熱溶融性の固着剤が設けられた吸収性複合材8を含む吸収シートが製造される。シート搬送部21は、連続シート91を搬送経路に沿って連続的に搬送する。湿潤部6は、搬送経路において連続シートの一の面911を水で湿らせる。複合材供給部4は、連続シート91における上方を向く当該面911上に吸収性複合材8を供給する。このとき、当該面911上の水により、吸収性複合材8が周囲に飛散することが抑制される。主加熱部5は、搬送経路において吸収性複合材8を加熱して固着剤を溶融させることにより、吸収性複合材8を連続シート91に固着させる。【選択図】図1
Description
本発明は、吸収シートを製造する技術、および、吸収シートに関する。
従来、使い捨ておむつ等の吸収性物品において、着用者からの排泄物の水分を吸収する吸収シートが利用されている。吸収シートでは、吸収性樹脂粒子を含むことにより、高い吸収量を実現することが可能である。また、特許文献1ないし3では、吸収性樹脂粒子の表面に熱溶融性の固着剤が設けられた吸収性複合材が開示されている。固着剤の溶融および固化により吸収性複合材を基材シートに固着させることにより、吸収性複合材を含む吸収シートが作製される。
ところで、吸収性複合材を含む吸収シートの製造(量産)では、連続シートを連続的に搬送しつつ、当該連続シート上に吸収性複合材が供給される。このとき、連続シート上に供給された吸収性複合材が周囲に飛散しやすく、多くの吸収性複合材の無駄が生じてしまう。吸収性複合材は、単体の吸収性樹脂粒子に比べて高価であるため、吸収性複合材の無駄を削減することが求められる。
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、連続シート上に供給された吸収性複合材が周囲に飛散することを抑制することを目的としている。
請求項1に記載の発明は、吸収性樹脂粒子の表面に熱溶融性の固着剤が設けられた吸収性複合材を含む吸収シートの製造方法であって、a)連続シートを搬送経路に沿って連続的に搬送する工程と、b)前記搬送経路において前記連続シートの一の面を水で湿らせる工程と、c)前記b)工程の後に、または、前記b)工程とほぼ同時に、前記連続シートにおける上方を向く前記一の面上に前記吸収性複合材を供給する工程と、d)前記搬送経路において前記吸収性複合材を加熱して前記固着剤を溶融させることにより、前記吸収性複合材を前記連続シートに固着させる工程とを備える。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の吸収シートの製造方法であって、前記b)工程において、加熱された水が前記連続シートの前記一の面に付与される。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の吸収シートの製造方法であって、前記d)工程において、前記連続シートの前記一の面とは反対側の面が加熱される。
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれか1つに記載の吸収シートの製造方法であって、前記吸収性複合材の前記連続シートへの固着前に、連続的に搬送される他の連続シートを、前記吸収性複合材を挟んで前記連続シートに重ねる工程をさらに備える。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の吸収シートの製造方法であって、前記連続シートと前記他の連続シートとを重ねるニップローラにより、前記d)工程における前記吸収性複合材の加熱が行われる。
請求項6に記載の発明は、請求項1ないし5のいずれか1つに記載の吸収シートの製造方法により製造されたものである。
請求項7に記載の発明は、吸収性樹脂粒子の表面に熱溶融性の固着剤が設けられた吸収性複合材を含む吸収シートの製造装置であって、連続シートを搬送経路に沿って連続的に搬送するシート搬送部と、前記搬送経路において前記連続シートの一の面を水で湿らせる湿潤部と、前記連続シートにおける上方を向く前記一の面上に前記吸収性複合材を供給する複合材供給部と、前記搬送経路において前記吸収性複合材を加熱して前記固着剤を溶融させることにより、前記吸収性複合材を前記連続シートに固着させる主加熱部とを備える。
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の吸収シートの製造装置であって、前記湿潤部が、加熱された水を前記連続シートの前記一の面に付与する。
請求項9に記載の発明は、請求項7または8に記載の吸収シートの製造装置であって、他の連続シートを連続的に搬送するとともに、積層位置において前記他の連続シートを、前記吸収性複合材を挟んで前記連続シートに重ねる他のシート搬送部をさらに備える。
本発明によれば、連続シート上に供給された吸収性複合材が周囲に飛散することを抑制することができる。
図1は、本発明の一の実施の形態に係る吸収シート製造装置1の構成を示す図である。図1では、互いに直交するX方向、Y方向およびZ方向を矢印で示している。吸収シート製造装置1は、連続的に搬送される連続シート91に吸収性複合材8を固着させて吸収シートを製造する装置である。例えば、吸収シートは、使い捨ておむつや軽失禁用の吸収パッド等の吸収性物品の製造に利用される。
吸収シート製造装置1は、シート搬送部21と、湿潤部6と、複合材供給部4と、主加熱部5とを備える。シート搬送部21は、複数の搬送ローラ211を備える。図1では、2つの搬送ローラ211のみを図示しているが、実際には、多数の搬送ローラが設けられる(後述の図5において同様)。各搬送ローラ211は、水平方向を向く所定の軸方向(図1中のY方向)に延びる略円柱状である。搬送ローラ211は、軸方向に平行な中心軸を中心として回転可能に支持される。搬送ローラ211は、例えば金属により形成される。複数の搬送ローラ211には、連続シート91が掛けられており、搬送モータに接続された一部のローラが回転することにより、連続シート91がその長手方向に沿って連続的に移動する。換言すると、複数の搬送ローラを順に経由する搬送経路に沿って連続シート91が連続的に搬送される。吸収シート製造装置1における搬送経路は、湿潤部6の下方と、複合材供給部4の下方と、主加熱部5の下方とを順に通過する。
連続シート91は、典型的には、各種繊維により形成された繊維基材シートであり、一例では、不織布である。好ましい連続シート91は、表面を界面活性剤により親水処理した疎水性繊維にて形成された透液性の不織布である。連続シート91を形成する繊維は、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリアミド、セルロース(再生繊維および半合成繊維のいずれであってもよい。)等である。連続シート91を形成する繊維は捲縮していることが好ましく、これにより、後述する吸収性複合材8の連続シート91上への供給において、吸収性複合材8の粒子80を繊維間で適切に保持することが可能となる。連続シート91として、ティッシュ等が利用されてもよい。吸収シート製造装置1では、複合材供給部4の下方において上方を向く面911((+Z)方向を向く面911)上に吸収性複合材8が供給されるため、以下、当該面911を「複合材供給面911」という。
複合材供給部4は、シリンダ部41と、タンク部42と、傾斜板43とを備える。シリンダ部41は、軸方向に平行な回転軸J1を中心とする円筒状であり、その外側面411は平らな円筒面である。シリンダ部41は、図示省略のモータに接続され、モータの駆動によりシリンダ部41が回転軸J1を中心として図1中の時計回りに回転する。タンク部42は、略箱状であり、シリンダ部41の上側((+Z)側)に配置される。タンク部42は、吸収性複合材8を貯留する。タンク部42の下部には、軸方向に長い供給口が設けられる。供給口は、回転軸J1の真上近傍にてシリンダ部41の外側面411に近接し、供給口から外側面411上に吸収性複合材8の粒子80が連続的に供給される。
傾斜板43は、シリンダ部41の下側((−Z)側)に配置される。傾斜板43は、下方に向かうに従って(+X)側に傾斜する。傾斜板43の下方では、シート搬送部21により連続シート91が(+X)方向に向かって連続的に移動する。シリンダ部41の外側面411上に供給された粒子80は、傾斜板43に沿って落下し、連続シート91の複合材供給面911上に供給(散布)される。以下の説明では、連続シート91の搬送経路において、複合材供給部4が連続シート91上に吸収性複合材8を供給する位置を「複合材供給位置」という。図1では、連続シート91上に供給された粒子80を実際よりも大きく描いている(後述の図4および図5において同様)。
図2は、吸収性複合材8の1つの粒子80を模式的に示す図である。図2に示すように、吸収性複合材8の粒子80は、吸収性樹脂粒子81と、固着剤82とを備える。吸収性樹脂粒子81は、粒状の高吸収性ポリマー(SAP(Super Absorbent Polymer))である。吸収性樹脂粒子81の平均粒径は、例えば250〜800μmである。吸収性樹脂粒子81の表面には、少なくとも1つの固着剤82が設けられる。好ましくは、吸収性樹脂粒子81の表面に複数の固着剤82が設けられる。例えば、固着剤82は粒状であり、固着剤82の平均粒径は、吸収性樹脂粒子81の平均粒径よりも小さいことが好ましい。固着剤82は、繊維状であってもよい。好ましい固着剤82は、接着剤等を介在させることなく、固着剤82自体が有する接着性により吸収性樹脂粒子81の表面に付着する。
固着剤82は、例えば親水性を有する。また、固着剤82は、熱溶融性を有し、典型的には、低融点樹脂である。固着剤82の溶融温度(示差走査熱量測定(DSC))は、例えば50℃以上である。これにより、吸収性複合材8の保管時および運搬時等において、固着剤82が意図せずに溶融することが防止または抑制される。固着剤82の溶融温度が過度に高い場合には、固着剤82の溶融の困難性が増大するため、固着剤82の溶融温度は、160℃未満であることが好ましい。吸収性複合材8の一例では、固着剤82の溶融温度は50〜140℃であり、好ましくは70〜120℃である。固着剤82の溶融温度は、連続シート91の溶融温度よりも十分に低い。
吸収性複合材8において、吸収性樹脂粒子81を構成する材料、および、固着剤82を構成する材料は、例えば、特開平6−245958号公報(上記特許文献1)、特開2015−100610号公報(上記特許文献2)、および、特開2017−221275号公報(上記特許文献3)に記載のものが利用可能である。吸収性樹脂粒子81の典型的な材料は、アクリル酸ポリマーである。固着剤82の好ましい材料は、エチレン−プロピレン共重合体である。エチレン−プロピレン共重合体では、ホモポリプロピレン(ホモPP)よりも結晶性を抑えて溶融温度を低下させることが可能である。また、エチレン−プロピレン共重合体を無水マレイン酸で変性させたものがより好ましい。この場合、カルボキシル基の導入により極性が設けられることにより、固着剤82が吸収性樹脂粒子81と馴染みやすくなる。
湿潤部6は、連続シート91の搬送経路において、複合材供給位置の上流側近傍に設けられる。湿潤部6は、水を連続シート91の複合材供給面911に向かって噴霧する噴霧器(またはミスト発生器)である。必要に応じて、当該水に他の成分が添加されてもよい。湿潤部6は、連続シート91の複合材供給面911を、水で湿らせる。例えば、湿潤部6では、後続の複合材供給位置で複合材供給面911に供給される100質量部の吸収性複合材8に対して、1〜50質量部の水が付与されるように、連続シート91に対して水が噴霧される。後述するように、複合材供給面911に供給される直前の吸収性複合材8に対して水が付与されてもよく、上記量の水は、連続シート91および/または吸収性複合材8に対して付与されればよい。以下の説明では、連続シート91の搬送経路において、湿潤部6が連続シート91の複合材供給面911を湿らせる位置を「湿潤位置」という。
好ましい湿潤部6は、ヒータを有することにより、加熱された水(例えば、50〜100℃の熱水)を複合材供給面911に向かって噴霧する。これにより、複合材供給面911、および、直後に供給される吸収性複合材8が加熱される。後述するように、連続シート91の各部位は、湿潤位置および複合材供給位置を通過した後、主加熱部5によりさらに加熱される。したがって、熱水を噴霧する湿潤部6は、連続シート91および吸収性複合材8を補助的に加熱する補助加熱部と捉えることが可能である。
図1の主加熱部5は、熱風機51を備える。熱風機51は、シート搬送部21による連続シート91の搬送経路において、複合材供給位置よりも下流側の位置に対して配置される。すなわち、連続シート91は、複合材供給部4の下方を通過した後、熱風機51に対向する位置へと到達する。熱風機51は、連続シート91の複合材供給面911に向けて熱風を噴射することにより、複合材供給面911上の吸収性複合材8を加熱する。熱風機51から噴射されて複合材供給面911上に到達する熱風の温度は、固着剤82の溶融温度よりも高い。複合材供給面911上における熱風の温度は、例えば80〜220℃であり、好ましくは110〜160℃である。以下の説明では、主加熱部5による、固着剤82の溶融温度以上での吸収性複合材8の加熱を「主加熱」といい、搬送経路において主加熱部5により主加熱が行われる位置を「主加熱位置」という。また、連続シート91の複合材供給面911とは異なる面側に吸引器59を設けることが好ましい。主加熱位置において、連続シート91を介して吸収性複合材8を吸引することにより、熱風による吸収性複合材8の飛散を抑えることができる。
図3は、吸収シート製造装置1が吸収シートを製造する処理の流れを示す図である。吸収シートの製造では、シート搬送部21により連続シート91が搬送経路に沿って連続的に搬送される(ステップS11)。図3における後述のステップS12〜S14は、連続シート91の連続的な搬送に並行して行われる。以下の説明では、連続シート91の一の部位(以下、「注目部位」という。)に注目して、吸収シート製造装置1における連続シート91に対する処理を説明する。連続シート91の他の部位についても、注目部位と同様の処理が行われる。
連続シート91の注目部位は、搬送ローラ211を介して湿潤位置へと移動する。湿潤位置では、湿潤部6が水を噴霧することにより、注目部位における複合材供給面911において吸収性複合材8が供給される予定の領域を水で一様に湿らせる(ステップS12)。湿潤位置を通過した注目部位は、複合材供給位置へと移動する。湿潤位置および複合材供給位置では、連続シート91は、複合材供給面911が水平な状態で搬送経路に沿って移動しており、複合材供給部4により、注目部位における上方を向く複合材供給面911上に吸収性複合材8の粒子80が供給される(ステップS13)。本処理例では、図4に示すように、吸収性複合材8の粒子80は、複合材供給面911上において連続シート91のエッジ近傍を除き、ほぼ均一に分散する。
このとき、注目部位の複合材供給面911が湿っている、すなわち、複合材供給面911上に水が存在しており、供給された吸収性複合材8の粒子80と複合材供給面911との間に水が介在しやすくなる。当該水は、吸収性樹脂粒子81の表面に設けられた固着剤82による凹凸の間に素早く浸透するとともに、親水性を有する吸収性樹脂粒子81の表面にも付着する。また、当該水は、連続シート91の繊維にも浸透する。その結果、水の凝集力により、吸収性複合材8の粒子80が連続シート91の複合材供給面911から離れ難くなる。換言すると、吸収性複合材8の供給時、および、その後の連続シート91の移動において、連続シート91上の粒子80が周囲に飛散することが抑制される。後述するように、注目部位は、主加熱部5により直ぐに加熱され、粒子80の周囲の水はある程度蒸発する。また、粒子80の吸収性樹脂粒子81における水の吸収にはある程度の時間を要する。したがって、複合材供給面911上に存在する水により、吸収性樹脂粒子81が膨潤することはほとんどない。
複合材供給位置を通過した注目部位は、複合材供給面911が水平な状態を維持したまま主加熱位置へと移動する。主加熱位置では、複合材供給面911上の吸収性複合材8の粒子80が、主加熱部5により加熱(主加熱)される。これにより、固着剤82が全体的にまたは部分的に溶融し、液状の固着剤82が、吸収性樹脂粒子81に付着した状態で、連続シート91の繊維上で広がる。また、ステップS12において、湿潤部6が加熱された水を噴霧する場合には、複合材供給面911上に供給された吸収性複合材8の粒子80は、当該水から熱を受けることにより、その温度が上昇する。すなわち、吸収性複合材8の粒子80が予熱される。この場合、主加熱部5の加熱により、固着剤82を安定して溶融させることが可能となる。なお、粒子80の周囲に存在する水は、主加熱によりある程度蒸発する。
主加熱位置を通過した注目部位は、複合材供給面911が水平な状態で搬送経路に沿って移動し、次の処理部へと向かう。注目部位は、主加熱位置の通過後、自然冷却されることにより、固着剤82が固化(凝固)する。固着剤82の溶融および固化により、吸収性複合材8の粒子80が注目部位の複合材供給面911に固着する(ステップS14)。以上のようにして、吸収性複合材8を含む吸収シートの連続体9が製造される。図1の吸収シートの連続体9では、連続シート91上の吸収性複合材8がむき出しの状態である。吸収シートの連続体9は、上述の次の処理部において所定の長さに切断され、吸収シートが得られる。当該吸収シートは、吸収性物品の製造等に用いられる。
以上に説明したように、吸収シート製造装置1では、連続シート91の複合材供給面911上に吸収性複合材8を供給する前に、湿潤部6が複合材供給面911を水で湿らせる。これにより、連続シート91上に供給された吸収性複合材8が周囲に飛散することを抑制することができる。
また、加熱された水を連続シート91の複合材供給面911に付与する場合には、複合材供給面911に供給される吸収性複合材8を予熱することができる。このように、主加熱の前に吸収性複合材8を予熱することにより、固着剤82を安定して溶融させることができ、連続的に搬送される連続シート91に吸収性複合材8をより確実に固着させることができる。
図5は、吸収シート製造装置の他の例を示す図である。図5では、複合材供給部4を矩形により示している。なお、破線の矩形で示す複合材ヒータ33は、後述するさらに他の例において用いられる。
図5の吸収シート製造装置1aでは、図1の吸収シート製造装置1と比較して、他のシート搬送部22、第1補助加熱部31、および、第2補助加熱部32が追加されるとともに、主加熱部5aの構成が、図1の主加熱部5と相違する。他の構成は、図1の吸収シート製造装置1と同様であり、同じ構成に同じ符号を付す。以下の説明では、シート搬送部21,22をそれぞれ「第1シート搬送部21」および「第2シート搬送部22」という。また、後述するように、第2シート搬送部22により、連続シート91とは異なる連続シート92が搬送されるため、連続シート91,92をそれぞれ「第1連続シート91」および「第2連続シート92」という。
第1シート搬送部21において、図5中に平行斜線を付す搬送ローラ311には、例えば、抵抗発熱体を有するヒータが設けられる。すなわち、搬送ローラ311は、加熱ローラである。搬送ローラ311のヒータは、抵抗発熱体以外の熱源を利用するものであってもよい。搬送ローラ311は、第1連続シート91の複合材供給面911に接触することにより、複合材供給面911を加熱する。搬送ローラ311による第1連続シート91の加熱温度は、第1連続シート91の溶融温度よりも低い。搬送ローラ311の温度は、例えば80〜160℃であり、好ましくは100〜140℃である。搬送ローラ311による第1連続シート91の加熱により、第1連続シート91が溶融または硬化することはない。第1連続シート91の複合材供給面911は、搬送ローラ311により、固着剤82の溶融温度から10℃低い温度以上に加熱されることが好ましく、当該溶融温度と同じ温度以上に加熱されることがより好ましい。
後述するように、第1連続シート91の各部位は、搬送ローラ311を通過した後に、(湿潤位置および複合材供給位置を経由して)主加熱位置へと到達する。換言すると、第1連続シート91の各部位は、搬送ローラ311により加熱された後、主加熱部5aによりさらに加熱される。搬送ローラ311は、第1連続シート91を補助的に加熱する第1補助加熱部31を兼ねる。換言すると、搬送ローラ311は、第1補助加熱部31および第1シート搬送部21により共有される。搬送経路において、搬送ローラ311の近傍に他の加熱ローラが追加され、第1補助加熱部31が、複数の加熱ローラを含んでもよい。
図5の例では、第1連続シート91の各部位の複合材供給面911は、搬送ローラ311に接触した後、いずれの部材にも接触することなく(ただし、湿潤部6から噴霧される水には接触する。)、複合材供給位置へと到達する。既述のように、好ましい湿潤部6は、加熱された水を複合材供給面911に向かって噴霧する。この場合、搬送ローラ311により加熱された複合材供給面911の温度が、湿潤部6からの水により低下することが防止または抑制される。
第2シート搬送部22は、複数の搬送ローラ221,321を備える。各搬送ローラ221,321は、軸方向(Y方向)に延びる略円柱状である。搬送ローラ221,321は、軸方向に平行な中心軸を中心として回転可能に支持される。搬送ローラ221,321は、例えば金属により形成される。複数の搬送ローラ221,321には、第2連続シート92が掛けられており、搬送モータに接続された一部のローラが回転することにより、第2連続シート92がその長手方向に沿って連続的に移動する。例えば、第2連続シート92は、第1連続シート91と同様に、各種繊維により形成された繊維基材シートであり、典型的には、透液性の不織布である。第2連続シート92は、ティッシュ等の他の繊維基材シートであってもよい。また、第2連続シート92が、複数の開口を有するプラスチックフィルム、または、ウレタンシート等の多孔質シートであってもよい。
第2シート搬送部22は、ニップローラ222をさらに備える。ニップローラ222は、上下方向(Z方向)に互いに対向して配置された一対のローラであり、第1シート搬送部21による第1連続シート91の搬送経路に設けられる。複数の搬送ローラ221,321は、第2連続シート92をニップローラ222へと搬送し、ニップローラ222において第2連続シート92が、第1連続シート91の複合材供給面911上に重ねられる。後述するように、第1連続シート91の搬送経路において、ニップローラ222は複合材供給位置よりも下流側に位置しており、第2連続シート92は吸収性複合材8の粒子80を挟んで、第1連続シート91に重ねられる。第2連続シート92は、第1連続シート91に重ねられるカバーシートである。以下の説明では、第2連続シート92が第1連続シート91に重ねられた際に、吸収性複合材8と接触する第2連続シート92の面921を「対向面921」という。また、第1連続シート91の搬送経路において、第1連続シート91上に第2連続シート92が重ねられる位置を「積層位置」という。積層位置は、当該搬送経路における複合材供給位置と主加熱位置との間の位置である。
複数の搬送ローラ221,321のうち、図5中に平行斜線を付す搬送ローラ321には、例えば、抵抗発熱体を有するヒータが設けられる。すなわち、搬送ローラ321は、加熱ローラであり、第1補助加熱部31の搬送ローラ311と同様に、第2補助加熱部32を構成する。搬送ローラ321は、第2補助加熱部32および第2シート搬送部22により共有される。搬送ローラ321のヒータは、抵抗発熱体以外の熱源を利用するものであってもよい。搬送ローラ321は、第2連続シート92の対向面921に接触することにより、対向面921を加熱する。搬送ローラ321による第2連続シート92の加熱温度は、第2連続シート92の溶融温度よりも低い。搬送ローラ321の温度の好ましい範囲は、搬送ローラ311と同様である。
第2連続シート92の各部位は、搬送ローラ321を通過した後に、積層位置へと到達する。図5の例では、搬送ローラ321は、第2連続シート92の各部位が積層位置へと到達する直前に、当該部位の対向面921に接触するローラである。すなわち、第2連続シート92の各部位の対向面921は、搬送ローラ321に接触した後、いずれの部材にも接触することなく、積層位置へと到達する。第2連続シート92の搬送経路において、搬送ローラ321の近傍に他の加熱ローラが追加され、第2補助加熱部32が、複数の加熱ローラを含んでもよい。
図5の主加熱部5aは、図1の熱風機51に代えて、複数の加熱ローラ52を備える。加熱ローラ52は、例えば金属により形成され、搬送ローラ311,321と同様に、ヒータが設けられる。複数の加熱ローラ52は、互いに重ねられた第1および第2連続シート91,92の搬送経路に沿って、第1および第2連続シート91,92の上側および下側に交互に配置される。図5では、上側の加熱ローラ52の下端と、下側の加熱ローラ52の上端とが上下方向に関して離間しているが、実際には、上側の加熱ローラ52の下端が、下側の加熱ローラ52の上端よりも下方に配置される。これにより、第1および第2連続シート91,92が複数の加熱ローラ52を通過する際に、複数の加熱ローラ52間を蛇行しつつ搬送される。すなわち、第1および第2連続シート91,92が、上側の加熱ローラ52の外周面の下端部近傍、および、下側の加熱ローラ52の外周面の上端部近傍に沿った形状で複数の加熱ローラ52に接触しつつ搬送される。その結果、第1および第2連続シート91,92が効率よく加熱される。複数の加熱ローラ52の集合は、カレンダーロールとも呼ばれる。複数の加熱ローラ52の温度は、固着剤82の溶融温度よりも高く、例えば70〜200℃であり、好ましくは100〜150℃である。
図6は、吸収シート製造装置1aが吸収シートを製造する処理の流れを示す図である。吸収シートの製造では、第1シート搬送部21により第1連続シート91が搬送経路に沿って連続的に搬送される(ステップS11)。図3の処理例と同様に、図6におけるステップS11aからステップS14までの処理は、第1連続シート91の連続的な搬送に並行して行われる。第1連続シート91の注目部位は、搬送ローラ311を通過することにより、注目部位の複合材供給面911が、加熱(補助加熱)される(ステップS11a)。既述のように、搬送ローラ311による第1連続シート91の加熱温度は、連続シート91の溶融温度よりも低い。
続いて、注目部位は、搬送ローラ211を介して湿潤位置へと移動する。湿潤位置では、湿潤部6が水を噴霧することにより、注目部位における複合材供給面911において、吸収性複合材8が供給される予定の領域を水で一様に湿らせる(ステップS12)。なお、吸収シート製造装置1aの他の例として、湿潤部6が第1補助加熱部31より上流側に設けられ、ステップS12が、ステップS11aより前に行われてもよい。ステップS11aおよびステップ12が行われた注目部位は、複合材供給位置へと移動する。複合材供給位置では、注目部位における上方を向く複合材供給面911上に吸収性複合材8の粒子80が供給される(ステップS13)。注目部位の複合材供給面911が湿っていることにより、複合材供給面911に供給された粒子80が周囲に飛散することが抑制される。また、その後の第1連続シート91の移動において複合材供給面911上の粒子80が周囲に飛散することが抑制される。さらに、複合材供給面911に接触した吸収性複合材8の粒子80は、搬送ローラ311により加熱された複合材供給面911から熱を受ける。これにより、粒子80(主として複合材供給面911側の部位)が予熱される。第1連続シート91の注目部位は、複合材供給面911が水平な状態を維持したまま積層位置へと移動する。
一方、吸収シート製造装置1aでは、第2シート搬送部22により第2連続シート92が連続的に搬送される(ステップS13a)。図6における既述のステップS11,S11a,S12,S13、並びに、後述のステップS13b,S13c,S14は、第2連続シート92の連続的な搬送に並行して行われる。第2連続シート92の各部位は、搬送ローラ321を通過し、当該部位の対向面921が、加熱(補助加熱)される(ステップS13b)。
第2連続シート92の当該部位は、搬送ローラ221を介して積層位置へと移動し、ニップローラ222により第1連続シート91上に重ねられる(ステップS13c)。すなわち、積層位置へと到達した第1連続シート91の注目部位に対して、第2連続シート92の対応する部位が重ねられる。第2連続シート92に接触した吸収性複合材8の粒子80は、搬送ローラ321により加熱された対向面921から熱を受ける。これにより、粒子80(主として対向面921側の部位)が予熱される。吸収シート製造装置1aでは、複合材供給位置と積層位置とが近接しており、吸収性複合材8の粒子80は、第1連続シート91上に供給された直後に、第2連続シート92により覆われる。
第1連続シート91の注目部位は、第2連続シート92の対応する部位とともに、主加熱位置へと移動する。主加熱位置では、下側の加熱ローラ52により、第1連続シート91を介して吸収性複合材8の粒子80が加熱(主加熱)され、上側の加熱ローラ52により、第2連続シート92を介して粒子80が加熱される。このとき、第1および第2連続シート91,92が予め加熱されることにより、加熱ローラ52の熱が第1および第2連続シート91,92の温度上昇に消費されることが抑制される。また、粒子80の周囲に水が存在することにより、複数の加熱ローラ52の熱が当該水を介して粒子80に効率よく伝達される。なお、複数の加熱ローラ52の熱により、粒子80の周囲に存在する水は、ある程度蒸発する。
注目部位上の粒子80の固着剤82は、予熱されることにより短時間で溶融温度に到達し、固着剤82が全体的にまたは部分的に溶融する。これにより、液状の固着剤82が、吸収性樹脂粒子81に付着した状態で、第1連続シート91の複合材供給面911、および、第2連続シート92の対向面921上に広がる。主加熱位置を通過した注目部位は、自然冷却されることにより、固着剤82が固化する。固着剤82の溶融および固化により、吸収性複合材8の粒子80が第1および第2連続シート91,92に固着する(ステップS14)。以上のようにして、吸収性複合材8を含む吸収シートの連続体9aが製造される。図5の吸収シートの連続体9aでは、吸収性複合材8が第1連続シート91と第2連続シート92との間に挟まれる。吸収シートの連続体9aは、後段の処理部において所定の長さに切断され、吸収シートが得られる。当該吸収シートは、吸収性物品の製造等に用いられる。
以上に説明したように、図5の吸収シート製造装置1aでは、第1連続シート91の複合材供給面911上に吸収性複合材8を供給する前に、湿潤部6が複合材供給面911を水で湿らせる。これにより、吸収性複合材8の供給時、および、その後の第1連続シート91の移動において、複合材供給面911上に供給された吸収性複合材8が周囲に飛散することを抑制することができる。
吸収シート製造装置1aでは、吸収性複合材8を第1連続シート91上に供給した後、吸収性複合材8の第1連続シート91への固着前に、第2連続シート92が、吸収性複合材8を挟んで第1連続シート91に重ねられる。これにより、第1連続シート91の移動において、第1連続シート91上の吸収性複合材8が周囲に飛散することをさらに抑制することが可能となる。
ここで、吸収シート製造装置1aにおいて湿潤部6を省略した比較例の吸収シート製造装置を想定する。繊維基材シートである第1および第2連続シート91,92は熱伝導性が低いため、比較例の吸収シート製造装置では、第1連続シート91と第2連続シート92との間に挟持された吸収性複合材8の固着剤82を安定して溶融させることは容易ではない。
これに対し、吸収シート製造装置1aでは、湿潤部6による水の噴霧により湿った状態となった第1連続シート91上に、吸収性複合材8が供給される。そして、主加熱部5aによる主加熱では、第1連続シート91における複合材供給面911とは反対側の面が、加熱ローラ52により加熱される。これにより、第1連続シート91に含まれる水を介して吸収性複合材8を効率よく加熱することができ、固着剤82を安定して溶融させることが可能となる。その結果、連続的に搬送される第1および第2連続シート91,92に吸収性複合材8をより確実に固着させることができる。また、好ましい湿潤部6は、加熱された水を第1連続シート91の複合材供給面911に付与する。これにより、複合材供給面911に供給される吸収性複合材8を予熱することができ、主加熱において固着剤82をより安定して溶融させることができる。
吸収シート製造装置1aでは、搬送経路において第1連続シート91が加熱された後、第1連続シート91の複合材供給面911上に吸収性複合材8が供給される。これにより、加熱された第1連続シート91により、複合材供給面911上の吸収性複合材8を第1連続シート91側から予熱することができる。また、第2連続シート92が加熱された後、吸収性複合材8を挟んで第1連続シート91上に重ねられる。これにより、第2連続シート92と吸収性複合材8との接触により、吸収性複合材8を第2連続シート92側から予熱することができる。その結果、吸収性複合材8をより確実に第1および第2連続シート91,92の双方に固着させることができる。
第1および第2補助加熱部31,32のそれぞれでは、連続シート91,92の搬送に利用される搬送ローラ311,321により、連続シート91,92が加熱される。このように、連続シート91,92と直接的に接触する搬送ローラ311,321を用いることにより、連続シート91,92を効率よく加熱することができる。また、搬送ローラ311,321が、連続シート91,92の面911,921に接触することにより、吸収性複合材8と接触する当該面911,921を効率よく加熱することができ、吸収性複合材8を高温に予熱することができる。さらに、連続シート91,92では、当該面911,921が搬送ローラ311,321に接触した後、吸収性複合材8に接触するまでの間、当該面911,921は、いずれの部材にも接触しない。これにより、当該面911,921の加熱後、吸収性複合材8に接触するまでの間における当該面911,921の温度低下を抑制して、吸収性複合材8をより高温に予熱することが可能となる。
なお、第1連続シート91上の吸収性複合材8と接触する際の第2連続シート92の温度が、当該吸収性複合材8の温度よりも低くてもよい。この場合でも、第2補助加熱部32により第2連続シート92が加熱されることにより、第2連続シート92と接触することによる吸収性複合材8の温度低下を抑制することが可能となる。
図5の吸収シート製造装置1aでは、ニップローラ222の一対のローラを加熱ローラとすることも可能である。すなわち、ステップS14における吸収性複合材8の主加熱の一部または全部が、ニップローラ222により行われてもよい。この場合、第1連続シート91と第2連続シート92とを重ねるニップローラ222が、主加熱部5aを兼ねる。すなわち、ニップローラ222は、主加熱部5aおよび第2シート搬送部22により共有される。主加熱部5aが、加熱されたニップローラ222を含む場合には、第1連続シート91に対する第2連続シート92の積層と同時に、固着剤82の溶融が開始される。
ところで、図5の例のように、吸収性複合材8を第1連続シート91と第2連続シート92との間に配置する場合に、熱風または赤外線等を利用した非接触式の主加熱部を採用するときには、第1および第2連続シート91,92の存在により、固着剤82の溶融に長時間を要してしまう。これに対し、複数の加熱ローラ52、または/および、加熱されたニップローラ222を含む主加熱部5a、すなわち、第1および第2連続シート91,92において吸収性複合材8とは反対側の面に接触する、接触式の主加熱部5aを採用する場合には、第1連続シート91と第2連続シート92との間に配置された吸収性複合材8の固着剤82を、比較的短時間で溶融させることが可能となる。また、既述のように、第1および第2連続シート91,92が予め加熱されることにより、主加熱部5aの熱が第1および第2連続シート91,92の温度上昇に消費されることを抑制することができる。
吸収性複合材8の予熱は、図5中に破線の矩形で示す複合材ヒータ33により、複合材供給部4において行われてもよい。この場合、複合材ヒータ33により吸収性複合材8の粒子80が固着剤82の溶融温度よりも低い温度で加熱され、複合材供給位置において第1連続シート91の複合材供給面911に供給される。これにより、主加熱部5aによる主加熱において、粒子80の固着剤82を安定して溶融温度に到達させ、固着剤82を溶融することが可能となる。その結果、連続的に搬送される第1および第2連続シート91,92に吸収性複合材8をより確実に固着させることができる。上記複合材ヒータ33は、補助加熱部として捉えることが可能である。
上記吸収シート製造装置1,1aおよび吸収シートの製造では様々な変形が可能である。
吸収シート製造装置1,1aでは、他の構造の複合材供給部が採用されてもよい。例えば、図7の複合材供給部4aは、シリンダ部44と、カバー部45と、粒子充填部46とを備える。シリンダ部44は、回転軸J2を中心とする円筒状である。シリンダ部44の外側面には、軸方向の複数の位置のそれぞれにおいて、複数の凹部441が回転軸J2を中心とする周方向に配列される。軸方向の同じ位置にて周方向に並ぶ複数の凹部441を凹部列と呼ぶと、シリンダ部44では複数の凹部列が軸方向に並ぶ。シリンダ部44は、回転軸J2を中心として図7中の反時計回りに回転する。
粒子充填部46は、シリンダ部44の上側に設けられる。粒子充填部46は、吸収性複合材8の粒子を貯留するとともに、シリンダ部44の複数の凹部441に粒子を充填する。カバー部45は、粒子充填部46からシリンダ部44の回転方向の前側へと広がる。各凹部441は粒子充填部46を通り過ぎた後、シリンダ部44の最下部近傍へと到達するまでの間、カバー部45により閉塞される。そして、各凹部441が、カバー部45の先端を通過する際に、凹部441内の粒子が連続シート91の複合材供給面911に供給される。複合材供給部4aでは、シリンダ部44の外側面における複数の凹部441の配置を変更することにより、および/または、シリンダ部44の周速度と連続シート91の搬送速度を異ならせることにより、複合材供給面911に対して吸収性複合材8をエッジ近傍を除いてほぼ均一に、または、不均一(ストライプ状、ドット状等)に供給することも可能である。また、連続シート91に向かって吸収性複合材8の粒子を噴射する複合材供給部が利用されてもよい。
湿潤部6では、例えば、搬送ローラの表面に設けられた複数の孔部から水を噴霧することにより、連続シート91の複合材供給面911を湿らせることも可能である。また、複合材供給部4,4aから連続シート91上に供給される直前の吸収性複合材8(例えば、複合材供給部4,4aの内部、または、複合材供給部4,4aからの落下時の吸収性複合材8)に対して水が付与されてもよい。この場合、連続シート91への水の付与(ステップS12)と、連続シート91上への吸収性複合材8の供給(ステップS13)とがほぼ同時に行われていると捉えることができる。このように、連続シート91の複合材供給面911上への吸収性複合材8の供給は、複合材供給面911を水で湿らせる湿潤処理の後に、または、当該湿潤処理とほぼ同時に行われていればよい。もちろん、湿潤部6が、第1連続シート91および吸収性複合材8の双方に対して水を付与してもよい。
主加熱部5,5aでは、熱風機51、および、加熱ローラ52(カレンダーロール)以外の構成により、固着剤82の溶融が行われてもよい。例えば、内部が高温雰囲気で保たれたチャンバを設け、連続シート91がチャンバ内を通過することにより、固着剤82の溶融が行われてもよい。また、吸収シート製造装置1,1aの設計によっては、主加熱部5,5aにおいて電磁波加熱(高周波誘電加熱)が利用されてもよい。
補助加熱部31,32では、図1の主加熱部5と同様に、非接触式のヒータが用いられてもよい。一方、吸収シート製造装置1,1aの構造を簡素化するという観点では、補助加熱部31,32が、搬送ローラである加熱ローラを含むことが好ましい。加熱された曲面上をその表面に沿って連続シート91,92が摺動することにより、連続シート91,92の加熱が行われてもよい。補助加熱部31,32の設計によっては、連続シート91,92において面911,921とは反対側の面が加熱されてもよい。
吸収シート製造装置1,1aでは、搬送経路における主加熱位置の下流側において、冷風機または冷却ローラが設けられ、主加熱部5,5aにより溶融された固着剤82が、積極的に冷却されてもよい。これにより、固着剤82を迅速に固化させることが可能となる。
上記実施の形態および各変形例における構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わされてよい。
1,1a 吸収シート製造装置
4,4a 複合材供給部
5,5a 主加熱部
6 湿潤部
8 吸収性複合材
9,9a 吸収シートの連続体
21,22 シート搬送部
81 吸収性樹脂粒子
82 固着剤
91,92 連続シート
222 ニップローラ
911 複合材供給面
S11〜S14,S11a,S13a〜S13c ステップ
4,4a 複合材供給部
5,5a 主加熱部
6 湿潤部
8 吸収性複合材
9,9a 吸収シートの連続体
21,22 シート搬送部
81 吸収性樹脂粒子
82 固着剤
91,92 連続シート
222 ニップローラ
911 複合材供給面
S11〜S14,S11a,S13a〜S13c ステップ
Claims (9)
- 吸収性樹脂粒子の表面に熱溶融性の固着剤が設けられた吸収性複合材を含む吸収シートの製造方法であって、
a)連続シートを搬送経路に沿って連続的に搬送する工程と、
b)前記搬送経路において前記連続シートの一の面を水で湿らせる工程と、
c)前記b)工程の後に、または、前記b)工程とほぼ同時に、前記連続シートにおける上方を向く前記一の面上に前記吸収性複合材を供給する工程と、
d)前記搬送経路において前記吸収性複合材を加熱して前記固着剤を溶融させることにより、前記吸収性複合材を前記連続シートに固着させる工程と、
を備えることを特徴とする吸収シートの製造方法。 - 請求項1に記載の吸収シートの製造方法であって、
前記b)工程において、加熱された水が前記連続シートの前記一の面に付与されることを特徴とする吸収シートの製造方法。 - 請求項1または2に記載の吸収シートの製造方法であって、
前記d)工程において、前記連続シートの前記一の面とは反対側の面が加熱されることを特徴とする吸収シートの製造方法。 - 請求項1ないし3のいずれか1つに記載の吸収シートの製造方法であって、
前記吸収性複合材の前記連続シートへの固着前に、連続的に搬送される他の連続シートを、前記吸収性複合材を挟んで前記連続シートに重ねる工程をさらに備えることを特徴とする吸収シートの製造方法。 - 請求項4に記載の吸収シートの製造方法であって、
前記連続シートと前記他の連続シートとを重ねるニップローラにより、前記d)工程における前記吸収性複合材の加熱が行われることを特徴とする吸収シートの製造方法。 - 請求項1ないし5のいずれか1つに記載の吸収シートの製造方法により製造されたことを特徴とする吸収シート。
- 吸収性樹脂粒子の表面に熱溶融性の固着剤が設けられた吸収性複合材を含む吸収シートの製造装置であって、
連続シートを搬送経路に沿って連続的に搬送するシート搬送部と、
前記搬送経路において前記連続シートの一の面を水で湿らせる湿潤部と、
前記連続シートにおける上方を向く前記一の面上に前記吸収性複合材を供給する複合材供給部と、
前記搬送経路において前記吸収性複合材を加熱して前記固着剤を溶融させることにより、前記吸収性複合材を前記連続シートに固着させる主加熱部と、
を備えることを特徴とする吸収シートの製造装置。 - 請求項7に記載の吸収シートの製造装置であって、
前記湿潤部が、加熱された水を前記連続シートの前記一の面に付与することを特徴とする吸収シートの製造装置。 - 請求項7または8に記載の吸収シートの製造装置であって、
他の連続シートを連続的に搬送するとともに、積層位置において前記他の連続シートを、前記吸収性複合材を挟んで前記連続シートに重ねる他のシート搬送部をさらに備えることを特徴とする吸収シートの製造装置。
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2019
- 2019-01-15 JP JP2019004425A patent/JP2020110424A/ja active Pending
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