JP2020106781A - 円偏光板および光学表示デバイス - Google Patents

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崇仁 河村
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Abstract

【課題】反射光の着色を抑制した円偏光板を提供する。また、このような円偏光板を有し、良好な画像表示が可能な光学表示デバイスを提供する。【解決手段】偏光子層と、位相差層と、光吸収層と、を備え、位相差層は、波長λnmの光に対する面内位相差値をRe(λ)としたときに、下記式(1)(2)を満たし、光吸収層は、基材層と、基材層に分散する色素とを有し、色素は、波長390〜430nmの波長帯域に極大吸収波長を有し、波長380〜450nmの波長帯域における位相差層の透過率の積算値と、波長380〜450nmの波長帯域における光吸収層の透過率の積算値と、の合計値は、5000以下である円偏光板。0.80<Re(450)/Re(550)<1.00…(1)1.00<Re(650)/Re(550)<1.30…(2)【選択図】なし

Description

本発明は、円偏光板および光学表示デバイスに関する。
従来、円偏光板は、表示装置において外光の反射を抑制する光学膜として用いられている(例えば、特許文献1参照)。このような光学膜は、いわゆる反射防止膜として知られている。円偏光板は、光入射側に設けられた偏光子と、偏光子に対し光入射側とは反対側に設けられた位相差層(λ/4板)とを有する。
円偏光板は以下のようにして、外光の反射を抑制する。
まず、円偏光板に入射した外光は、偏光子で直線偏光に変換された後、位相差層において円偏光に変換される。円偏光は、円偏光板が設けられた表示装置に達した後、表示装置の表面で固定端反射することで位相がλ/2ずれて反射する。
その後、反射された円偏光は、位相差層に再度入射して直線偏光に変換される。その際、円偏光が固定端反射したことによって、変換される直線偏光は、先に偏光子を透過して外光が変換された直線偏光と、振動面が直交する関係を有することになる。その結果、表示装置の表面で反射した外光は、偏光子を透過することができず、外部に射出することなく偏光子で吸収または反射される。このようにして、円偏光板は、外光の反射を抑制する。
特開2014−170221号公報
位相差層の位相差値は、光の波長に依存して異なる。そのため、同じ位相差層であっても、位相差層の性能は光の波長に応じて異なる。例えば、緑色付近の波長を有する直線偏光を良好に円偏光に変換可能な位相差層では、赤色や青色付近の波長を有する直線偏光を良好に円偏光に変換することができないという不具合が生じる。
外光の反射抑制を主目的とする円偏光板では、設計において、視感度が高い緑色付近の光を理想的な円偏光に変換できるような位相差層を用いることが多い。このような設計がなされた円偏光板では、外光のまぶしさを低減しやすくなる。一方で、このような円偏光板では、赤色や青色付近の波長を有する光の反射抑制が不十分となり易く、反射光が色付きやすい。
そのため、上述のように反射防止板として従来の円偏光板を用いると、色付いた反射光のために画質が低下することがあった。そのため、反射光の色付きを抑制した円偏光板が求められていた。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、反射光の着色を抑制した円偏光板を提供することを目的とする。また、このような円偏光板を有し、良好な画像表示が可能な光学表示デバイスを提供することを併せて目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明の一態様は、偏光子層と、位相差層と、光吸収層と、を備え、前記位相差層は、波長λnmの光に対する面内位相差値をRe(λ)としたときに、下記式(1)(2)を満たし、前記光吸収層は、基材層と、前記基材層に分散する色素とを有し、前記色素は、波長390〜430nmの波長帯域に極大吸収波長を有し、波長380〜450nmの波長帯域における前記位相差層の透過率の積算値と、波長380〜450nmの波長帯域における前記光吸収層の透過率の積算値と、の合計値は、5000以下である円偏光板を提供する。
0.80<Re(450)/Re(550)<1.00…(1)
1.00<Re(650)/Re(550)<1.30…(2)
本発明の一態様においては、前記基材層は粘着剤層または接着剤層である構成としてもよい。
本発明の一態様においては、波長λnmの光に対する前記光吸収層の透過率T(λ)が、下記式(i)〜(iii)を満たす構成としてもよい。
T(390)≦85% …(i)
T(410)≦98% …(ii)
T(430)≦99% …(iii)
また、本発明の一態様は、光学表示パネルと、前記光学表示パネルの表示面に貼合された上記の円偏光板と、を有する光学表示デバイスを提供する。
本発明の一態様においては、前記円偏光板は、前記偏光子層が前記位相差層に対して前記光学表示パネルとは反対側になるように配置され、前記円偏光板の前記偏光子層側に前面板を備える構成としてもよい。
本発明の一態様においては、前記表示面と前記円偏光板との間にタッチセンサを備える構成としてもよい。
本発明によれば、反射光の着色を抑制した円偏光板を提供することができる。また、このような円偏光板を有し、良好な画像表示が可能な光学表示デバイスを提供することができる。
円偏光板1および光学表示パネル20を備えた光学表示デバイス10の構成を示す断面図である。 位相差層3の設計思想を説明する説明図である。 光学表示デバイスの変形例を示す説明図である。
以下、図を参照しながら、本実施形態に係る円偏光板について説明する。なお、以下の全ての図面においては、図面を見やすくするため、各構成要素の寸法や比率などは適宜異ならせてある。
〔用語および記号の定義〕
本明細書における用語および記号の定義は下記の通りである。
(1)屈折率(nx、ny、nz)
「nx」は、面内の屈折率が最大となる方向(すなわち、遅相軸方向)の屈折率である。
「ny」は、面内で遅相軸と直交する方向の屈折率である。
「nz」は、厚み方向の屈折率である。
(2)面内の位相差値
面内の位相差値(Re(λ))は、23℃、波長λ(nm)におけるフィルムの面内の位相差値をいう。Re(λ)は、フィルムの厚みをd(nm)としたとき、Re(λ)=(nx−ny)×dによって求められる。
ここで、Re(λ)の計算に用いられるnx、nyおよびnzは、23℃にて波長λ(nm)の光を使って測定される値である。dは、23℃にて測定される値である。
以下の説明では、面内の位相差値を、「面内位相差値」と称することがある。
(3)厚み方向の位相差値
面内の位相差値(Rth(λ))は、23℃、波長λ(nm)におけるフィルムの厚み方向の位相差値をいう。Rth(λ)は、フィルムの厚みをd(nm)としたとき、Rth(λ)=((nx+ny)/2−nz)×dによって求められる。
ここで、Rth(λ)の計算に用いられるnx、nyおよびnzは、23℃にて波長λ(nm)の光を使って測定される値である。dは、23℃にて測定される値である。
(4)Nz係数
Nz係数は、Nz係数=Rth(λ)/Re(λ)+0.5によって求められる値である。
図1は、本実施形態の円偏光板1および光学表示パネル20を備えた光学表示デバイス10の構成を示す断面図である。
図1に示すように、円偏光板1は、偏光子層2と、偏光子層2の一方の面側に配置された位相差層3とを備えている。また、偏光子層2の両面には、それぞれ保護フィルム5,6が配置されている。
偏光子層2の一方の面側には、光吸収層7を介して位相差層3が積層されている。位相差層3と光吸収層7とは、互いに接して積層していることが好ましい。位相差層3の偏光子層2とは反対側の面には、後述する光学表示パネル20に積層するための粘着剤層8が配置されている。なお、この粘着剤層8の表面には、使用される前まで不図示の剥離フィルムが貼合されている。また、粘着剤層8は、例えばアクリル系粘着剤により形成される。
(偏光子層)
偏光子層2は、特定の方向に偏光面を持った直線偏光の光を通過させるものである。偏光子層2を通過した光は、偏光子の透過軸方向に振動する直線偏光となる。偏光子層2の厚みは、例えば1μm〜80μm程度である。
偏光子層2としては、例えば、ポリビニルアルコール系フィルム、部分ホルマール化ポリビニルアルコール系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルム等の親水性高分子フィルムに、ヨウ素や二色性染料等の二色性物質による染色処理および延伸処理が施されたものを用いることができる。また、偏光子層2として、ポリビニルアルコールの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物など、ポリエン系配向フィルムなどを用いることができる。これらのうち、ポリビニルアルコール系フィルムをヨウ素で染色し、一軸延伸して得られた偏光子層2は、光学特性に優れるため好ましい。
ヨウ素による染色は、例えば、ポリビニルアルコール系フィルムをヨウ素水溶液に浸漬することにより行われる。一軸延伸の延伸倍率は、3〜7倍であることが好ましい。延伸は、染色処理後に行ってもよく、染色しながら行ってもよい。また、延伸してから染色してもよい。
ポリビニルアルコール系フィルムには、必要に応じて、膨潤処理、架橋処理、洗浄処理、乾燥処理等が施される。例えば、染色の前にポリビニルアルコール系フィルムを水に浸漬して水洗することで、ポリビニルアルコール系フィルム表面の汚れやブロッキング防止剤を洗浄することができるだけでなく、ポリビニルアルコール系フィルムを膨潤させて染色ムラなどを防止することができる。
偏光子層2としては、例えば特開2016−170368号公報に記載されるように、液晶化合物が重合した硬化膜中に、二色性色素が配向したものを使用してもよい。二色性色素としては、波長380〜800nmの範囲内に吸収を有するものを用いることができ、有機染料を用いることが好ましい。二色性色素として、例えば、アゾ化合物が挙げられる。液晶化合物は、配向したまま重合することができる液晶化合物であり、分子内に重合性基を有することができる。
偏光子層2の視感度補正偏光度は、95%以上であることが好ましく、97%以上であることがより好ましい。また、99%以上であってもよいし、99.9%以上であってもよい。偏光子層2の視感度補正偏光度は、99.995%以下であってもよいし、99.99%以下であってもよい。
ここで、偏光子層2の「視感度補正偏光度」とは、波長λnmの光に対する偏光子層2の偏光度を、波長λnmの光の視感度で補正した値である。以下、「視感度補正偏光度」を単に「補正偏光度」と称することがある。
補正偏光度は、積分球付き分光光度計(日本分光株式会社製の「V7100」)を用いて、得られた偏光度に対して「JIS Z 8701」の2度視野(C光源)により視感度補正を行うことで算出することができる。
偏光子層2の補正偏光度が95%未満であると、反射防止膜としての機能が果たせないことがある。
偏光子層2の視感度補正単体透過率は、40%以上であることが好ましく、42%以上であることがより好ましい。また、偏光子層2の視感度補正単体透過率は、50%以下であることが好ましく、45%以下であることがより好ましい。高透過率の偏光子層を備える円偏光板では、本願において課題とする反射光の色付きを視認しやすい。そのため、高透過率の偏光子層を備え、且つ本願発明を適用した円偏光板は、高透過率の偏光子層を備え本願発明を適用しない円偏光板と比べ、反射光の色付きを抑制した高品質な円偏光板とすることができる。
ここで、対象物の「視感度補正単体透過率」とは、波長λnmの光に対する対象物の透過率を、波長λnmの光の視感度で補正した値である。以下、「視感度補正単体透過率」を単に「補正透過率」と称することがある。
補正透過率は、積分球付き分光光度計(日本分光株式会社製の「V7100」)を用い、得られた透過率に対してJIS Z 8701の2度視野(C光源)により視感度補正を行うことで算出することができる。
補正透過率が50%を超える偏光子層2は、偏光度が低すぎるため、反射防止膜としての機能を達成できなくなることがある。
(位相差層)
位相差層3は、1/4波長板(λ/4板)として機能するポジティブAプレートとすることができる。
位相差層3は、その面内における遅相軸方向の屈折率をnx、その面内における進相軸方向の屈折率をny、その厚み方向における屈折率をnzとしたときに、nx>nyの関係を満足する。λ/4板である位相差層3は、ある特定の波長の直線偏光を円偏光に、または円偏光を直線偏光に変換する機能を有する。
位相差層3は、nx>nyの関係を満足する限り、任意の適切な屈折率楕円体を示す。好ましくは、位相差層3の屈折率楕円体は、nx>ny≧nzの関係を示す。位相差層3のNz係数は、好ましくは1〜2であり、より好ましくは1〜1.5であり、さらに好ましくは1〜1.3である。
また、位相差層3は、逆波長分散特性を示す。
通常の樹脂フィルムは、緑色光に対する面内位相差値Rgと、青色光に対する面内位相差値Rbとの比をRb/Rgとし、面内位相差値Rgと赤色光に対する面内位相差値Rrとの比をRr/Rgとしたとき、Rb/RgよりもRr/Rgの方が小さくなる。以下、このような波長分散を「正」波長分散と称することがある。
これに対し、位相差層3は、Rb/RgよりもRr/Rgの方が大きくなる。このような位相差層の特性について、通常の樹脂フィルムの光学特性に対して面内位相差値の比の大小関係が逆転することから、「逆」波長分散と称する。
位相差層3は、波長λnmの光に対する面内位相差値をRe(λ)としたときに、下記(1)(2)を満たす。
0.80<Re(450)/Re(550)<1.00 …(1)
1.00<Re(650)/Re(550)<1.30 …(2)
式(1)におけるRe(450)/Re(550)は0.80を超える値であり、0.82を超えることが好ましく、またRe(450)/Re(550)は1.00未満であり、0.95以下であることが好ましく、0.92以下であることがさらに好ましく、0.90未満であることが特に好ましく、Re(450)/Re(550)は0.80を超え0.95以下が好ましく、0.80を超え0.92以下がより好ましく、0.82以上0.92以下が更に好ましく、0.80を超え0.90未満であってもよい。
式(2)におけるRe(650)/Re(550)は、1.30未満であり、1.20以下であることが好ましく、1.10以下であることがさらに好ましい。Re(650)/Re(550)は1.00を超え1.20以下が好ましく、1.00を超え1.10以下がより好ましい。
位相差層3の厚みは、特に制限されないものの、0.5〜10μmが好ましく、0.5〜5μmがより好ましい。なお、位相差層3の厚みについては、面内の任意の5点の厚みを測定し、それらを算術平均したものである。
このような位相差層の波長分散特性は、位相差層の原料である液晶化合物の波長分散特性に起因している。逆波長分散特性を示す位相差層の波長分散特性は、正波長分散の波長分散を示す液晶化合物と、逆波長分散の波長分散を示す液晶化合物との配合比率と、位相差層の厚みとを制御することで、適宜調整することができる。
特開2017−167517号公報の実施形態の位相差層では、550nmを基準として、短波長側の波長分散特性と長波長側の波長分散特性とのバランスの調整を行っている。
このような調整により、位相差層3の波長分散特性は、長波長側(赤色側)で理想状態に近づくことになり、反射光が赤色に着色することを抑制可能となる。なお、「理想状態」とは、どの波長の光であっても理想的な円偏光に変換する理想状態の位相差層の位相差の状態である。
一方、上述のような調整により、位相差層3の波長分散特性は、短波長側(青色側)で理想状態から離れるため、反射光が青色に着色しやすくなる。
本実施形態の円偏光板においては、このようにして生じる反射光の着色を、後述の光吸収層の機能により低減する。
位相差層3は、公知の方法で作製することができる。
例えば、公知の方法で重合性の逆波長分散液晶を合成した後に、基板上に形成した配向膜上に逆波長分散液晶を塗布して一方向に配向させ、逆波長分散液晶を重合させることにより、逆波長分散特性を備えた位相差層3を作製することができる。
(保護フィルム)
保護フィルム5,6は、偏光子層2を保護する保護層として機能する。図では、保護フィルム5,6は偏光子層2の両面に配置されているが、保護フィルム6を省略し、偏光子層2の外側(位相差層3と対向する側とは反対側の面)に配置された保護フィルム5のみ備える構成としてもよい。また、偏光子層2の内側の面(位相差層3と対向する側の面)に保護フィルム6が配置されていてもよい。
保護フィルム5,6の材料としては、例えば、透光性を有する熱可塑性樹脂を用いることができる。保護フィルム5,6は、例えば、ポリプロピレン系樹脂などの鎖状ポリオレフィン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂のようなポリオレフィン系樹脂、セルローストリアセテート、セルロースジアセテートのようなセルロースエステル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂などを形成材料として用いることができる。環状ポリオレフィン系樹脂としては、ノルボルネン系樹脂を挙げることができる。これらの材料は、混合物、共重合物などもちいてもよい。
また、保護フィルム5,6は、位相差層や輝度向上フィルムのような光学機能を併せ持つ保護フィルムであってもよい。例えば、上記熱可塑性樹脂からなるフィルムを一軸延伸または二軸延伸したり、該フィルム上に液晶層等を形成したりすることにより、任意の位相差値が付与された位相差層とすることができる。
この場合、上述の位相差層3は、保護フィルム6を兼ねることができる。
保護フィルム5,6の合計厚みは、5μm〜200μmが好ましく、より好ましくは5μm〜100μm、さらに好ましくは10μm〜95μmである。保護フィルム5,6は、面内位相差値Re(550)の合計が例えば0nm〜10nmまたは70nm〜140nmであり、厚み方向の位相差値Rth(550)の合計が例えば−80nm〜+80nmである。
保護フィルム5は、偏光子層2と対向する側とは反対側の表面に、必要に応じて、ハードコート処理、反射防止処理、スティッキング防止処理、アンチグレア処理等の表面処理が施されていてもよい。表面処理層の厚みは、500μm以下であり、好ましくは150μm以下、より好ましくは1μm〜20μm、さらに好ましくは2μm〜10μmである。
また、本実施形態の円偏光板1を、円偏光を利用したパッシブ方式の立体表示装置の表示面に配置する場合には、円偏光板1は、保護フィルム5の偏光子層2と対向する側とは反対側の表面にλ/4板を設けることとしてもよい。
保護フィルム6は、光学的に等方性であることが好ましい。すなわち、この「光学的に等方性である」とは、面内位相差値Re(550)が0nm〜10nmであり、厚み方向の位相差値Rth(550)が−10nm〜+10nmであることをいう。この場合の保護フィルム6の厚みは、好ましくは2μm〜200μm、より好ましくは5μm〜100μmである。
(光吸収層)
光吸収層7は、基材層と、基材層に分散する色素とを有する。
基材層は、活性エネルギー線の照射によって硬化する硬化性化合物を含有する活性エネルギー線硬化性接着剤や、ポリビニルアルコール系樹脂のような接着剤成分を水に溶解または分散させた水系接着剤を形成材料としてもよい。この場合、光吸収層7は、接着剤層として機能する。
活性エネルギー線硬化性接着剤の硬化反応を開始させる活性エネルギーは、例えば、紫外線、可視光、電子線、X線を挙げることができる。活性エネルギー線硬化性接着剤は、紫外線硬化性接着剤が好ましい。
活性エネルギー線硬化性接着剤は、良好な接着性を示すことから、カチオン重合性の硬化性化合物およびラジカル重合性の硬化性化合物のいずれか一方または両方を含む活性エネルギー線硬化性接着剤組成物が好ましい。活性エネルギー線硬化性接着剤は、硬化反応を開始させるためのカチオン重合開始剤およびラジカル重合開始剤のいずれか一方または両方をさらに含むことができる。
カチオン重合性の硬化性化合物としては、例えば、分子内に1個または2個以上のエポキシ基を有するエポキシ系化合物、分子内に1個または2個以上のオキセタン環を有するオキセタン系化合物を挙げることができる。
ラジカル重合性の硬化性化合物としては、例えば、分子内に1個または2個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する(メタ)アクリル系化合物や、ラジカル重合性の二重結合を有するその他のビニル系化合物を挙げることができる。
活性エネルギー線硬化性接着剤は、必要に応じて、カチオン重合促進剤、イオントラップ剤、酸化防止剤、連鎖移動剤、粘着付与剤、熱可塑性樹脂、充填剤、流動調整剤、可塑剤、消泡剤、帯電防止剤、レベリング剤、溶剤等の添加剤を含有することができる。
光吸収層7の基材層に分散する色素は、可視光の短波長帯域である波長390〜430nmの波長帯域に極大吸収波長を有する。ここで、本実施形態において「可視光」とは、390nm〜830nmの範囲に含まれる波長の光である。
このような色素としては、例えば、KEMISORB 111、KEMISORB 73(以上、いずれもケミプロ化成株式会社製)、SUMISORB 300(住化ケムテックス株式会社製)を挙げることができる。
その他、波長390〜430nmの波長帯域に極大吸収波長を有する化合物を公知の方法で合成し、本実施形態の色素として用いることができる。このような色素は、例えば、特開2017−120430号に記載の光選択吸収性化合物として知られている化合物を用いることができる。
光吸収層7が接着剤層として機能する場合、光吸収層7の厚みは、0.5〜5μmが好ましく、0.5〜3μmがより好ましい。
このような光吸収層7は、基材層内に分散する色素が青色光を吸収する。そのため、円偏光板1を介して射出される光の青みを低減することができる。
また、基材層は、偏光板がさらされる高温環境、湿熱環境または高温と低温が繰り返されるような環境下において、剥れなどが生じない程度の粘着性能を示す粘着剤を形成材料として適宜選択してもよい。この場合、光吸収層7は、粘着剤層として機能する。
基材層の形成材料は、通常知られたアクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ゴム系粘着剤などを挙げることができる。中でも、透明性、耐候性が高く、耐熱性に優れ、加工しやすいことから、アクリル系粘着剤が特に好ましい。
粘着剤には、必要に応じ、粘着付与剤、可塑剤、ガラス繊維、ガラスビーズ、金属粉、その他の無機粉末等からなる充填剤、顔料、着色剤、充填剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、シランカップリング剤など、各種の添加剤を適宜に配合してもよい。
粘着剤層である光吸収層7は、通常、粘着剤の溶液を離型シート上に塗布し、乾燥することにより形成される。離型シート上への塗布は、例えば、リバースコーティング、グラビアコーティング等のロールコーティング法、スピンコーティング法、スクリーンコーティング法、ファウンテンコーティング法、ディッピング法、スプレー法などを採用できる。粘着剤層を設けた離型シートは、これを転写する方法等により利用される。
粘着剤層である光吸収層7の厚さは、通常3〜100μm程度であり、好ましくは5〜50μmである。
光吸収層7による青色光の吸収量は、色素の種類、光吸収層7に含まれる色素の量、光吸収層7の厚みを調整することで制御することができる。光吸収層7に含まれる色素の量を増やすと、光吸収層7による青色光の吸収量が増加する傾向にある。また、光吸収層7の厚みを増やすと、光吸収層7による青色光の吸収量が増加する傾向にある。
光吸収層7は、透過率T(λ)が、下記(i)〜(iii)を満たすことが好ましい。
T(390)≦85% …(i)
T(410)≦98% …(ii)
T(430)≦99% …(iii)
T(390)は好ましくは40%以下であり、より好ましくは1%以下である。
T(410)は好ましくは50%以下であり、より好ましくは10%以下である。
T(430)は好ましくは90%以下であり、より好ましくは88%以下である。
本実施形態において、光吸収層7の透過率は、以下の方法で測定した値を採用する。
光吸収層の一方の面を無アルカリガラス(コーニング社製、商品名「イーグルXG」)に貼合し、さらに光吸収層の他方の面に23μm厚のシクロオレフィン系フィルム(日本ゼオン株式会社製、商品名「ZF−14−23」)を貼合する。次いで、得られた積層体の390nm、410nm、430nmの透過率を、積分球付き分光光度計(日本分光株式会社製の「V7100」)を用いて測定し得られた値を、求める透過率Tb(390)、Tb(410)、Tb(430)とする。なお、測定値は、界面反射の影響を取り除いた値とする。
(円偏光板)
本実施形態の円偏光板1においては、光吸収層7で青色光を吸収することにより、短波長側の透過率が低減することになる。その結果、本実施形態の円偏光板1を介して射出される光は、短波長側の光量が低減し、青色の着色が低減する。
本実施形態の円偏光板1においては、下記のような考えに基づいて青色光の透過率を規定することにより、所望の物性の円偏光板1を容易に提供可能としている。
まず、使用者が、表示面に反射防止板が貼合された表示装置を使用する際、使用者が認識する反射光は、通常、単一の波長の光ではなく種々の波長の光が含まれる。反射光に含まれる青色光の量は、「青色光」として認識する380〜450nmの光の合計量である。
また、円偏光板1を介して射出される青色光の量は、「円偏光板1に入射する光に含まれる380〜450nmの光量」と「円偏光板1の380〜450nmの波長帯域の透過率」との積である。
上述したように円偏光板1は、種々の機能層の積層体であるところ、保護フィルム5,6および粘着剤層8は、通常、無色透明であるものが用いられる。そのため、反射光の色相を議論する上で、反射光に対する保護フィルム5,6および粘着剤層8の影響は考慮する必要がないと考えられる。
また、偏光子層2は、全波長帯域の光を対象として、透過または吸収もしくは反射を生じる。
これらより、円偏光板1において反射光の色相に強い影響を与える構成は、位相差層3および光吸収層7であると判断できる。
本実施形態の円偏光板1においては、波長380〜450nmの波長帯域における位相差層3の透過率の積算値と、波長380〜450nmの波長帯域における光吸収層7の透過率の積算値と、の合計値(合計積算値)は、5000以下である。反射光の色相に対して強い影響を与える位相差層3と光吸収層7がこのような値を示す円偏光板1では、反射光に含まれる青色光を良好に低減し、反射光の色付きを抑制可能となる。
本実施形態において、位相差層3および光吸収層7の「透過率の積算値」は、波長380〜450nmの波長帯域において、2nm毎に波長を異ならせた光に対する透過率をそれぞれ測定し、各透過率の測定値を積算した値を指す。
上記合計積算値は、4000以下であることが好ましく、3000以下であることがより好ましく、2800以下であることが特に好ましい。
上述のように、円偏光板1では、位相差層3として光学特性を調整した逆波長分散型の位相差層を用いる。そのため、円偏光板1においては、赤色光の洩れ光が低減し、青色光の洩れ光が増加することになる。すなわち、円偏光板1は、位相差層3の構成を考えると、反射光が青色に色付きやすい構成となっている。
ここで、円偏光板1は、光吸収層7において青色光を良好に吸収可能な構成となっている。また、円偏光板1においては、位相差層3と光吸収層7について波長380〜450nmの波長帯域における透過率の合計積算値が5000以下となっており、青色光を透過させにくくなっている。
そのため、円偏光板1においては、反射光に含まれる青色光を、光吸収層7が良好に吸収し、反射光の色付きを抑制することができる。
(光学表示パネル)
光学表示パネル20は、例えば、液晶表示装置、有機ELパネルを挙げることができる。液晶表示装置、有機ELパネルは通常知られた構成のものを用いることができる。
図1に示すように、上述の円偏光板1は、光学表示パネル20の表示面に貼合され、光学表示デバイス10を構成する。光学表示デバイス10は、円偏光板1を表示面に備えることにより、外光反射を抑え、且つ反射光の色付きを抑制したものとなる。
以上のような構成の円偏光板1によれば、反射光の着色を抑制した円偏光板となる。
また、以上のような構成の光学表示デバイス10によれば、良好な画像表示が可能となる。
なお、本実施形態の円偏光板1においては、ポジティブAプレートである位相差層3を有することとしたが、ポジティブCプレートを併用してもよい。
ポジティブCプレートは、nz>nx≧nyの関係を満足する。nxの値とnyの値との差は、nyの値の0.5%以内であることが好ましく、0.3%以内であることがより好ましい。0.5%以内であれば、実質的にnx=nyと見なすことができる。
ポジティブCプレートは、その波長λnmにおける厚み方向の位相差値Rth(λ)が、−300nm≦Rth(550)≦−20nmの関係を満足することが好ましく、−150nm≦Rth(550)≦−20nmの関係を満足することがより好ましい。
このようなポジティブCプレートは、偏光子層2と光学表示パネル20との間に設けるとよい。
また、本実施形態においては、偏光子層2と位相差層3とを一体化させる接着剤層または粘着剤層に色素が分散され、光吸収層7として機能しているが、これに限らない。
青色光を吸収する色素は、発明の効果を損なわない限り、他の層に分散していてもよい。例えば、粘着剤層8に上述の色素が混入することとすると、粘着剤層8が本願発明における光吸収層となる。
また、保護フィルム5,6に色素が分散し、光吸収層として機能していてもよい。
この場合、光吸収層が有する基材層は、熱可塑性樹脂を成形したフィルムとすることができる。このような基材層を有する光吸収層としては、保護フィルムのような、表示素子の視認側に配置される任意のフィルムであってもよい。
光吸収層としては、相対的に温和な条件で作製が可能である粘着剤層や接着剤層を基材層とし、これら基材層中に色素が分散した光吸収層であることが好ましい。
光吸収層は、1層だけであってもよく、2層以上設けられてもよい。
図3は、光学表示デバイスの変形例を示す説明図である。
光学表示デバイス100は、前面板付き円偏光板30と、タッチセンサ40と、光学表示パネル20とを有する。図3に示すように、光学表示デバイス100において、前面板付き円偏光板30と、タッチセンサ40と、光学表示パネル20とは相互に積層可能である。
光学表示デバイス100において、円偏光板1は、偏光子層2が外側、即ち光学表示パネル20とは反対側に配置され、位相差層3は光学表示パネル20側に配置されている。言い換えると、光学表示デバイス100において、円偏光板1は、位相差層3が偏光子層2と光学表示パネル20との間に位置するように配置されている。
前面板付き円偏光板30は、上述の円偏光板1と、円偏光板1が有する保護フィルム5に接して設けられる前面板(ウインドウフィルム)35と、を有する。すなわち、前面板付き円偏光板30は、前面板(ウインドウフィルム)35と円偏光板1とが積層された構成である。この前面板付き偏光板30は、円偏光板1を構成する偏光子層2側に前面板35を有する。
(前面板)
前面板35は、透明基材31と、透明基材31の少なくとも一面に形成されたハードコート層32と、を有する。前面板35は、外部衝撃や、温度・湿度の変化に起因した内部応力から、光学表示パネル20や、その他光学表示デバイス10の構成要素を保護する機能を有する。図3に示す前面板35は、透明基材31側が保護フィルム5に接して設けられている。
透明基材31は、光透過性を有する可撓性の樹脂フィルムであれば、種々のものを採用することができる。なお、本明細書において、「透明」とは、可視光線の透過率が70%以上、または80%以上であることを意味する。
透明基材31としては、種々の透明樹脂の未延伸フィルム、一軸延伸フィルムまたは二軸延伸フィルムを使用することができる。透明基材31を構成する透明樹脂は、1種のみを用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
このような透明基材31として、具体的には、ポリアミドイミドフィルム、ポリイミドフィルム、延伸ポリエステルフィルム、シクロオレフィン系誘導体フィルム、ポリメチルメタクリレートフィルム、トリアセチルセルロースまたはイソブチルエステルセルロースフィルムが好ましい。
透明基材31の厚さは、5μm〜200μmが好ましく、20μm〜100μmがより好ましい。
ハードコート層32は、透明基材31の表面硬度を向上させる機能を有する。また、ハードコート層32は、光透過性と可撓性とを備えている。
ハードコート層32は、光硬化型(メタ)アクリレートモノマーまたはオリゴマー、光硬化型エポキシモノマーまたはオリゴマーなどを形成材料として含むハードコート組成物を硬化させることにより形成することができる。
ハードコート組成物には、上述のモノマーやオリゴマーの他、必要に応じて溶剤、光開始剤を含む。また、ハードコート組成物には、発明の効果を損なわない範囲において、無機フィラー、レベリング剤、安定剤、抗酸化剤、UV吸収剤、界面活性剤、潤滑剤、防汚剤などの添加剤を含んでもよい。
ハードコート層32は、上述のハードコート組成物を透明基材31の少なくとも一面に塗布し硬化させることにより形成することができる。
ハードコート層32の厚さは特に限定されないが、5μm〜100μmが好ましい。ハードコート層32の厚さが5μm以上であると、十分な耐衝撃性を確保することができる。また、ハードコート層32の厚さが100μm以下であると、実用上充分な可撓性を有するハードコート層32となる。また、ハードコート層32の形成時に、ハードコート組成物の硬化収縮によるカールが生じ難い。
(タッチセンサ)
図3に示す光学表示デバイス100は、光学表示パネル20の表示面と円偏光板1との間にタッチセンサ40を備える。このタッチセンサ40は、基材41、基材41上に設けられた下部電極42、下部電極42に対向する上部電極43、下部電極42と上部電極43とに挟持された絶縁層44を有する。図3に示すタッチセンサ40は、いわゆる投影型静電容量方式のタッチセンサである。
図3に示すタッチセンサ40は、基材41が光学表示パネル20に対向し、上部電極43が前面板付き円偏光板30に対向した状態で、前面板付き円偏光板30と光学表示パネル20との間に挟持されている。
基材41は、光透過性を有する可撓性の樹脂フィルムであれば、種々のものを採用することができる。例えば、基材41としては、上述の透明基材31の材料として例示したフィルムを用いることができる。
下部電極42は、例えば平面視で正方形状の複数の小電極を有する。複数の小電極42aは、マトリクス状に配列している。
また、複数の小電極42aは、小電極42aの一方の対角線方向に隣り合う小電極42a同士で接続され、複数の電極列を形成している。複数の電極列は、端部で相互に接続され、となり合う電極列間の電気容量を検出可能となっている。
上部電極43は、例えば平面視で正方形状の複数の小電極を有する。複数の小電極43aは、平面視で下部電極42が配置されていない位置に、相補的にマトリクス状に配列している。すなわち、上部電極43と下部電極42とは、平面視で隙間なく配置されている。
また、複数の小電極43aは、小電極43aの他方の対角線方向に隣り合う小電極43a同士で接続され、複数の電極列を形成している。複数の電極列は、端部で相互に接続され、となり合う電極列間の電気容量を検出可能となっている。
絶縁層44は、下部電極42と上部電極43とを絶縁している。絶縁層44の形成材料は、タッチパネルの絶縁層の材料として通常知られた材料を使用可能である。
なお、本実施形態においては、タッチセンサ40が、いわゆる投影型静電容量方式のタッチセンサであることとして説明したが、発明の効果を損なわない範囲において、膜抵抗方式など、他の方式のタッチセンサを採用することもできる。
前記光学表示デバイスを形成する各層(前面板、円偏光板、タッチセンサ)は接着剤によって積層することができる。接着剤としては、水系接着剤、有機溶剤系、無溶剤系接着剤、固体接着剤、溶剤揮散型接着剤、湿気硬化型接着剤、加熱硬化型接着剤、嫌気硬化型、活性エネルギー線硬化型接着剤、硬化剤混合型接着剤、熱溶融型接着剤、感圧型接着剤(粘着剤)、再湿型接着剤等汎用に使用されているものが使用できる。中でも水系溶剤揮散型接着剤、活性エネルギー線硬化型接着剤、粘着剤がよくもちいられる。接着剤層の厚さは、求められる接着力等に応じて適宜調節することができ、0.01μm〜500μm、好ましくは0.1μm〜300μmである。前記フレキシブル画像表示装置用積層体には複数存在するがそれぞれの厚み種類は同じであっても異なっていてもよい。
前記水系溶剤揮散型接着剤としては、ポリビニルアルコール系ポリマー、でんぷん等の水溶性ポリマー、エチレン−酢酸ビニル系エマルジョン、スチレン−ブタジエン系エマルジョン等水分散状態のポリマーを主剤ポリマーとして使用することができる。水、前記主剤ポリマーに加えて、架橋剤、シラン系化合物、イオン性化合物、架橋触媒、酸化防止剤、染料、顔料、無機フィラー、有機溶剤等を配合してもよい。
前記水系溶剤揮散型接着剤によって接着する場合、前記水系溶剤揮散型接着剤を被接着層間に注入して被着層を貼合した後、乾燥させることで接着性を付与することができる。前記水系溶剤揮散型接着剤を用いる場合の接着剤層の厚さは0.01〜10μm、好ましくは0.1μm〜1μmであってもよい。前記水系溶剤揮散型接着剤を複数層用いる場合には、それぞれの層の厚み種類は同じであっても異なっていてもよい。
前記活性エネルギー線硬化型接着剤は、活性エネルギー線を照射して接着剤層を形成する反応性材料を含む。前記活性エネルギー線硬化型接着剤を用いる場合、接着剤層は、活性エネルギー線硬化組成物の硬化により形成することができる。前記活性エネルギー線硬化組成物は、ハードコート組成物と同様のラジカル重合性化合物及びカチオン重合性化合物の少なくとも1種の重合物を含有することができる。前記ラジカル重合性化合物とは、ハードコート組成物と同様であり、ハードコート組成物と同様の種類のものが使用できる。接着剤層に用いられるラジカル重合性化合物としてはアクリロイル基を有する化合物が好ましい。接着剤組成物としての粘度を下げるために、前記活性エネルギー線硬化型接着剤は、単官能の化合物を含むことも好ましい。
前記カチオン重合性化合物は、ハードコート組成物と同様であり、ハードコート組成物と同様の種類のものが使用できる。活性エネルギー線硬化組成物に用いられるカチオン重合性化合物としては、エポキシ化合物が特に好ましい。接着剤組成物としての粘度を下げるために、前記カチオン重合性化合物は、単官能の化合物を反応性希釈剤として含むことも好ましい。
活性エネルギー線硬化組成物には、重合開始剤をさらに含むことができる。重合開始剤としては、ラジカル重合開始剤、カチオン重合開始剤、ラジカル及びカチオン重合開始剤等であり、適宜選択して用いることができる。これらの重合開始剤は、活性エネルギー線照射及び加熱の少なくとも一種により分解されて、ラジカルもしくはカチオンを発生してラジカル重合とカチオン重合を進行させる。重合開始剤としては、上述の光吸収層についての記載にて示した活性エネルギー線硬化性接着剤に用いられる開始剤を使用することができる。
前記活性エネルギー線硬化組成物はさらに、イオン捕捉剤、酸化防止剤、連鎖移動剤、密着付与剤、熱可塑性樹脂、充填剤、流動粘度調整剤、可塑剤、消泡剤溶剤、添加剤、溶剤を含むことができる。前記活性エネルギー線硬化型接着剤によって接着する場合、前記活性エネルギー線硬化組成物を被接着層のいずれか一方または両方に塗布後貼合し、いずれかの被着層または両方の被着層を通して活性エネルギー線を照射して硬化させることで接着することができる。
前記活性エネルギー線硬化型接着剤を用いる場合の接着剤層の厚さは0.01μm〜20μm、好ましくは0.1μm〜10μmであってもよい。前記活性エネルギー線硬化型接着剤を複数層用いる場合には、それぞれの層の厚み種類は同じであっても異なっていてもよい。
前記感圧型接着剤(粘着剤)としては、主剤ポリマーに応じて、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤等に分類される何れを使用することもできる。粘着剤には主剤ポリマーに加えて、架橋剤、シラン系化合物、イオン性化合物、架橋触媒、酸化防止剤、粘着付与剤、可塑剤、染料、顔料、無機フィラー等を配合してもよい。前記粘着剤を構成する各成分を溶剤に溶解・分散させて粘着剤組成物を得て、該粘着剤組成物を基材上に塗布した後に乾燥させることで、接着剤層(粘着剤層)が形成される。粘着剤層は直接形成されてもよいし、別途基材に形成したものを転写することもできる。接着前の粘着面をカバーするためには離型フィルムを使用することも好ましい。
前記感圧型接着剤(粘着剤)を用いる場合、接着剤層(粘着剤層)の厚さは0.1μm〜500μm、好ましくは1μm〜300μmであってもよい。前記粘着剤を複数層用いる場合には、それぞれの層の厚みは同じであっても異なっていてもよい。
以上のような構成の光学表示デバイス100であっても、反射光の色付きを抑制し、良好な画像表示が可能となる。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施の形態例について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
以下に本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
実施例においては、以下の方法でそれぞれ作製した試料について、合計積算値と反射色相とを測定した。
<1.合計積算値の測定>
(位相差層の作製)
(逆波長分散液晶の作製)
下記式(11)で示す光配向性材料5質量部(質量平均分子量:30000)と、溶媒であるシクロペンタノン95質量部とを混合し、得られた混合物を80℃で1時間攪拌することにより、配向膜形成用組成物を得た。
Figure 2020106781
また、下記式(12)で示す重合性液晶化合物Aと、下記式(13)で示す重合性液晶化合物Bとを、90:10の質量比で混合した混合物を調製した。
重合性液晶化合物Aは特開2010−31223号公報に記載の方法で製造した。また、重合性液晶化合物Bは、特開2009−173893号公報に記載の方法に準じて製造した。
[重合性液晶化合物A]
Figure 2020106781
[重合性液晶化合物B]
Figure 2020106781
得られた混合物に、レベリング剤(DIC株式会社製、商品名「F−556」)を1.0質量部、および重合開始剤である2−ジメチルアミノ−2−ベンジル−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オン(BASFジャパン株式会社製、商品名「イルガキュア(登録商標)369(Irg369)」)を6質量部添加した。
さらに、固形分濃度が13質量%となるようにN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を添加し、80℃で1時間攪拌することにより、液晶硬化膜形成用組成物を得た。
基材として、50μm厚のシクロオレフィン系フィルム(日本ゼオン株式会社製、商品名「ZF−14−50」)を準備した。
基材にコロナ処理を実施した後、コロナ処理を施した面に配向膜形成用組成物をバーコーターで塗布し、80℃で1分間乾燥し、偏光UV照射装置(ウシオ電機株式会社製、商品名「SPOT CURE SP−9」)を用いて、波長313nmにおける積算光量100mJ/cmで軸角度45°にて偏光UV露光を実施し、配向膜を形成した。
続いて、配向膜に、液晶硬化膜形成用組成物を、バーコーターを用いて塗布し、120℃で1分間乾燥させた。
その後、液晶硬化膜形成用組成物の塗膜に、高圧水銀ランプ(ウシオ電機株式会社製、商品名:「ユニキュアVB−15201BY−A」)を用いて、紫外線を照射した。紫外線の照射条件は、窒素雰囲気下、波長365nmにおける積算光量500mJ/cmであった。
これにより、液晶硬化膜を形成し、基材、配向膜および液晶硬化膜が積層した積層体を得た。配向膜および液晶硬化膜の積層体は、本発明における「位相差層」に該当する。
粘着剤層を介して、上記方法にて作製した積層体を、ガラスに貼合した。粘着剤層に接する面が、液晶硬化膜となるようにした。積層体から、基材であるシクロオレフィン系フィルムを剥離し、位相差値測定用の試料を得た。
得られた位相差層の面内位相差値Re(λ)は、測定機(王子計測機器株式会社製、商品名「KOBRA−WPR」)により測定した。
各波長における位相差値Re(λ)を測定結果は、Re(450)=121nm、Re(550)=142nm、Re(650)=146nmであった。Re(450)/Re(550)=0.85、Re(650)/Re(550)=1.03であった。
図2は、得られた位相差層における、波長550nmの光の位相差に対する、他の波長の光の位相差の比を示すグラフである。図2において、横軸は波長(単位:nm)を示し、縦軸は、波長550nmの光の位相差に対する、他の波長の光の位相差の比(単位:無次元)を示す。なお図中、符号S1で示す線は、どの波長の光であっても理想的な円偏光に変換する理想状態の位相差層の位相差を示す線である。このような線は、「理想曲線」と呼ばれる。
(色素を配合した粘着剤組成物の作製)
(アクリル樹脂の調製)
冷却管、窒素導入管、温度計および攪拌機を備えた反応容器に、溶媒として酢酸エチル81.8質量部、単量体としてアクリル酸ブチル70.4質量部、アクリル酸メチル20.0質量部、アクリル酸2−フェノキシエチル8.0質量部、アクリル酸2−ヒドロキシエチル1.0質量部、およびアクリル酸0.6質量部の混合溶液を仕込んだ。
反応容器内を窒素雰囲気下に置換し、反応容器の内温を55℃に上げた。別途、重合開始剤であるアゾビスイソブチロニトリル0.14質量部を酢酸エチル10質量部に溶かした溶液を用意しておき、内温が55℃となった反応容器内に重合開始剤溶液を全量添加した。開始剤の添加した後1時間この温度で保持した。
次いで、内温を54〜56℃に保ちながら、酢酸エチルを添加速度17.3質量部/hrで反応容器内へ連続的に加えた。酢酸エチルの添加は、得られる重合体の濃度が35質量%となった時点で止めた。
酢酸エチルの添加開始から12時間経過するまで54〜56℃に保温した後、酢酸エチルを加えて重合体の濃度が20質量%となるように調節し、目的とするアクリル樹脂を得た。
(色素の合成)
ジムロート冷却管、温度計を設置した100mL−四ツ口フラスコ内を窒素雰囲気とし、特開2017−120430号公報の合成例を参考にし、下記式(14)で示す化合物(以下、化合物(14))を合成した。
Figure 2020106781
得られた化合物(14)の粉末2.0g、トリエチレングリコールモノメチルエーテル(東京化成工業株式会社製)1.2g、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン(東京化成工業株式会社製)20mg、クロロホルム8gを反応容器に仕込み、マグネチックスターラーで攪拌して、氷浴で内温0℃まで冷却した。
1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(東京化成工業株式会社製)1.4gをクロロホルム2.0gに溶解した溶液を調製した。調製した溶液を、内温0℃に保った上記反応容器内へ滴下漏斗を用いて2時間かけて滴下した。滴下終了後、0℃でさらに6時間保温した。
反応終了後、エバポレーターを用いてクロロホルムを除去した。得られた油状物を酢酸エチルに溶解し、10%希硫酸で分液洗浄し、続いて純水で酢酸エチル溶液を水層pHが>6になるまで分液洗浄した。
洗浄後の有機層を芒硝で乾燥させ、芒硝を除去した後に、エバポレーターで酢酸エチルを除去することで、下記式(15)で示す色素(以下、化合物(15))を得た。
Figure 2020106781
(色素を配合した粘着剤組成物の作製)
合成したアクリル樹脂の固形分100質量部に対し、0.5質量部の架橋剤(東ソー株式会社製、商品名「コロネート」)、0.5質量部の3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製、商品名「KBM−403」)、3.5質量部の化合物(15)を配合した。さらに、固形分濃度が14質量%となるように2−ブタノンを添加した。
得られた組成物を、攪拌機(ヤマト科学株式会社製、商品名「スリーワンモーター」)を用いて300rpmで30分間攪拌混合し、色素(化合物(15))を配合した粘着剤組成物を調製した。
(色素を配合した粘着剤シートの作製)
離型処理が施されたポリエチレンテレフタレートフィルム(リンテック株式会社製、商品名「SP−PLR382050」)の離型処理面に、上述の粘着剤を、乾燥後の粘着剤層の厚さが20μmとなるようにアプリケーターを用いて塗布した。100℃で1分間乾燥させて色素を配合した粘着剤シートを作製した。
得られた粘着剤シートの一方の面を無アルカリガラス(コーニング社製、商品名「イーグルXG」)に貼合し、さらに粘着シートの他方の面に23μm厚のシクロオレフィン系フィルム(日本ゼオン株式会社製、商品名「ZF−14−23」)を貼合した。次いで、得られた積層体の390nm、410nm、430nmの透過率を、積分球付き分光光度計(日本分光株式会社製の「V7100」)を用いて測定した。
得られた積層体について、界面反射の影響を取り除いた透過率は以下の通りであった。
T(390)≦0.001%
T(410)≦0.8%
T(430)≦83.0%
[両面粘着剤層付き積層体の作製]
基材、配向膜および液晶硬化膜が積層した積層体における液晶硬化膜上に、上述の粘着剤シートを貼合した。
次いで、基材であるシクロオレフィン系フィルムを剥離した後、露出した配向膜に厚みが25μmのアクリル系粘着剤(リンテック株式会社製、商品名「P−3132」)を貼合して、両面粘着剤層付き積層体を得た。
両面粘着剤層付き積層体は、色素を配合した粘着剤層、液晶硬化膜、配向膜、粘着剤層の層構成を有していた。
[透過率の測定]
粘着剤層を介して、両面粘着剤層付き積層体を無アルカリガラス〔コーニング社の商品名「イーグルXG」〕に貼合した。次いで、色素を配合した粘着剤層上のポリエチレンテレフタレートフィルム(離型シート)を剥離し、透過率測定用の試料とした。
紫外可視近赤外分光光度計(日本分光株式会社製、商品名「V−7100」)を用いて、2nm毎に各波長の透過率を測定した。波長380nm〜450nmの範囲に渡って試料の透過率を測定し、各透過率を積算した。試料の透過率の積算値(合計積算値)は2770であった。
<2.反射色相の測定>
(偏光子の作製)
厚み30μmのポリビニルアルコールフィルム(平均重合度約2400、ケン化度99.9モル%以上)を、乾式延伸により約5倍に一軸延伸し、さらに緊張状態を保ったまま、60℃の純水に1分間浸漬した後、ヨウ素/ヨウ化カリウム/水の質量比が0.05/5/100である28℃の水溶液に60秒間浸漬した。
次いで、ヨウ化カリウム/ホウ酸/水の質量比が8.5/8.5/100である72℃の水溶液に300秒間浸漬した。
次いで、引き続き26℃の純水で20秒間洗浄した後、65℃で乾燥し、厚み12μmの偏光子を得た。
作製した偏光子は、ポリビニルアルコールフィルムにヨウ素が吸着配向していた。
(水系接着剤の調製)
水100部に対して、カルボキシ基変性ポリビニルアルコール(株式会社クラレ製、商品名「KL−318」)を3質量部溶解し、得られた水溶液に水溶性エポキシ樹脂であるポリアミドエポキシ系添加剤(田岡化学工業株式会社製、商品名「スミレーズレジン650(30)」)、固形分濃度30%の水溶液)を1.5質量部添加して、水系接着剤を調製した。
(偏光板の作製)
得られた偏光子の片面に、上述の水系接着剤を塗布し、ハードコート層付きノルボルネン系樹脂フィルム(日本製紙株式会社製、商品名「COP25ST-HC」、以下、HC−COP)を貼合した。
用いたHC−COPは、厚み25μmのシクロオレフィン系樹脂からなる延伸フィルムに、厚みが3μmのハードコート樹脂が形成されたフィルムである。
偏光子の他方の面には、上述の水系接着剤を塗布し、厚み20μmのトリアセチルセルロース系樹脂フィルム(富士フイルム株式会社製、商品名「ZRG20SL」、以下、TAC)を貼合して、偏光板を作製した。
得られた偏光板の視感度補正単体透過率は、45%であった。
(円偏光板の作製)
偏光板のトリアセチルセルロース系樹脂製の保護フィルム上に、上述の粘着剤シートを介して両面粘着剤層付き積層体を貼合し、円偏光板を作製した。
[反射色相の測定]
粘着剤層を介して、円偏光板をOLED表示素子(Samsung Electronics Co., Ltd.製、商品名「Galaxy-Tab S8.4」)の表示面に貼合した。非点灯状態で分光測色計(コニカミノルタ株式会社製、商品名「CM−2600d」)を用いて、反射色相b*の測定を実施した。
[外観の目視評価]
反射色相の測定で作製した試料の外観を目視で観察した。評価基準は、以下のとおりである。「◎」「○」と評価された試料を良品とし、「×」と評価された試料を不良品と判断した。
(評価基準)
◎:黒い
○:若干青味がかっているが黒い
×:青い
(実施例2)
粘着剤組成物の作製時に、化合物(15)の添加量を2.5質量部にした以外は実施例1と同様にして、両面粘着剤層付き積層体および円偏光板を作製した。実施例1と同様の方法で測定した粘着剤層の透過率は以下の通りであった。
T(390)≦0.001%
T(410)≦3.2%
T(430)≦86.9%
(実施例3)
粘着剤組成物の作製時に、化合物(15)の添加量を1.0質量部にした以外は実施例1同様にして、両面粘着剤層付き積層体円偏光板を作製した。実施例1と同様の方法で測定した粘着剤層の透過率は以下の通りであった。
T(390)≦0.01%
T(410)≦3.2%
T(430)≦95.0%
(実施例4)
粘着剤組成物の作製時に、化合物(15)の添加量を0.02質量部にした以外は実施例1と同様にして、両面粘着剤層付き積層体円偏光板を作製した。実施例1と同様の方法で測定した粘着剤層の透過率は以下の通りであった。
T(390)≦81.9%
T(410)≦97.2%
T(430)≦99.0%
(実施例5)
粘着剤組成物の作製時に、化合物(15)の添加量を0.035質量部にした以外は実施例1と同様にして、両面粘着剤層付き積層体円偏光板を作製した。用いたアクリル系粘着剤は、色素(化合物(15))を含んでいなかった。実施例1と同様の方法で測定した粘着剤層の透過率は以下の通りであった。
T(390)≦70.5%
T(410)≦95.2%
T(430)≦98.0%
(比較例1)
光選択吸収性粘着剤シートを5μm厚のアクリル系粘着剤(リンテック株式会社製、商品名「#L2」)に変更した以外は実施例1と同様にして、両面粘着剤層付き積層体円偏光板を作製した。
用いた5μm厚のアクリル系粘着剤(リンテック株式会社製、商品名「#L2」)の一方の面を無アルカリガラス(コーニング社製、商品名「イーグルXG」)粘着剤に貼合し、さらにアクリル系粘着剤の他方の面に23μm厚のシクロオレフィン系フィルム(日本ゼオン株式会社製、商品名「ZF−14−23」)を貼合した。得られた積層体の390nm、410nm、430nmの透過率を、積分球付き分光光度計を用いて実施例と同様に測定した。アクリル系粘着剤の透過率は以下の通りであった。
T(390)≦99.9%
T(410)≦99.9%
T(430)≦99.9%
評価結果を、表1に示す。
Figure 2020106781
評価の結果、実施例1〜5の各円偏光板は、比較例1の円偏光板と比べて、反射色相b*が0に近づき、青味が低減していることが分かった。
以上により、本発明が有用であることが分かった。
2…偏光子層、3…位相差層、7…光吸収層、8…粘着剤層、10…光学表示デバイス、20…光学表示パネル

Claims (6)

  1. 偏光子層と、
    位相差層と、
    光吸収層と、を備え、
    前記位相差層は、波長λnmの光に対する面内位相差値をRe(λ)としたときに、下記式(1)(2)を満たし、
    前記光吸収層は、基材層と、前記基材層に分散する色素とを有し、
    前記色素は、波長390〜430nmの波長帯域に極大吸収波長を有し、
    波長380〜450nmの波長帯域における前記位相差層の透過率の積算値と、波長380〜450nmの波長帯域における前記光吸収層の透過率の積算値と、の合計値は、5000以下である円偏光板。
    0.80<Re(450)/Re(550)<1.00 …(1)
    1.00<Re(650)/Re(550)<1.30 …(2)
  2. 前記基材層は粘着剤層または接着剤層である請求項1に記載の円偏光板。
  3. 波長λnmの光に対する前記光吸収層の透過率T(λ)が、下記式(i)〜(iii)を満たす請求項1または2に記載の円偏光板。
    T(390)≦85% …(i)
    T(410)≦98% …(ii)
    T(430)≦99% …(iii)
  4. 光学表示パネルと、
    前記光学表示パネルの表示面に貼合された請求項1から3のいずれか1項に記載の円偏光板と、を有する光学表示デバイス。
  5. 前記円偏光板は、前記偏光子層が前記位相差層に対して前記光学表示パネルとは反対側になるように配置され、
    前記円偏光板の前記偏光子層側に前面板を備える請求項4に記載の光学表示デバイス。
  6. 前記表示面と前記円偏光板との間にタッチセンサを備える請求項5に記載の光学表示デバイス。
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