JP2020105792A - 斜ケーブルの定着構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】斜張橋の主塔上部に設けらる平断面が閉じた形状の鋼殻内のコンクリートブロックに斜ケーブルを定着する構造において、斜ケーブルから主塔に伝達される引張力の水平方向成分に対しては鋼殻とコンクリートブロックとの間に相対的な変位を許容し、鉛直方向の成分に対しては湾曲部鋼板とコンクリートブロックとの間でずれが生じないように拘束する斜ケーブルの定着構造を提供する。【解決手段】平面形状が長円形となる鋼殻13を主塔4の上部に設け、該鋼殻の橋軸方向における両端部付近で滑らかに湾曲した鋼殻の内面と密着するように2つのコンクリートブロック11,12を設ける。斜ケーブル5,6は鋼殻を貫通し、コンクリートブロックに定着する。鋼殻のコンクリートブロックと接触する部分には、水平方向に連続する凸部又は凹部を形成しておき、コンクリートブロックとの間で水平方向のずれを許容するとともに、鉛直方向には相対的な変位を拘束する。【選択図】図1

Description

本発明は、橋梁の一形式である斜張橋の主塔上部に形成され、橋桁を吊り支持するための斜ケーブルを定着する構造に関するものである。
斜張橋は、橋脚上に立設された主塔の上部から橋桁の軸線方向(以下、橋軸方向)における斜め下方に斜ケーブルを張架し、この斜ケーブルによって橋桁を吊り支持するものである。そして、大規模な斜張橋の多くは、主塔から橋軸方向の前後双方に複数の斜ケーブルを張架して橋脚の両側に伸びた橋桁を支持する。このような斜張橋では、主塔の上部に橋軸方向の双方からのケーブルが定着されるとともに、複数の斜ケーブルが上下方向に配列して定着される。特に、図9(a)に示すような一般にエクストラドーズド形式と称される斜張橋では主塔4の高さが小さく、複数のケーブル5,6の上下方向における間隔が小さくなっている。このため、主塔4の上部では多くの斜ケーブルが小さな間隔で定着される。そして、主塔4の両側に張架された斜ケーブル5,6の引張力は、双方の斜ケーブル間で互いに伝達され、水平方向成分が相殺される。したがって、斜ケーブルの定着部では橋軸方向の双方に張架された斜ケーブルから伝達される大きな引張力を確実に伝達することができる強固な構造が求められている。
また、斜ケーブル5,6の引張力の鉛直方向成分は定着部から主塔4に伝達され、橋脚2によって支持される。
主塔上部に設けられる斜ケーブルの定着構造としては、例えば特許文献1に開示されるものがある。
特許文献1に記載されている斜ケーブルの定着構造は、図9(a)に示すエクストラドーズド形式の斜張橋に適用されたものであり、図9(b)に平断面図を示すように、閉じた形状の鋼殻101を備えている。そして、この鋼殻内で該鋼殻の内周面と密接するように2つのコンクリートブロック102,103が形成され、これらのコンクリートブロックに斜ケーブル5,6を定着するものとなっている。
上記鋼殻101は、橋軸方向の双方の両端部に円筒曲面を形成するように加工された湾曲部鋼板101aと、これらを連結するように設けられた2枚の鉛直方向の連結部鋼板101bとを有し、これらによって平断面の形状が長円形となるものである。上記コンクリートブロック102,103は鋼殻101の橋軸方向における両端部に設けられ、湾曲部鋼板101aの内周面と密接するものとなっている。橋軸方向の双方に張架される斜ケーブル5,6は上端部がこれらのコンクリートブロック102,103にそれぞれ定着されている。したがって、斜ケーブル5,6の引張力の水平方向成分はコンクリートブロック102,103と鋼殻101の湾曲部鋼板101aとの接触面から湾曲部鋼板の周方向の引張力となって連結部鋼板101bに伝達される。そして、双方の斜ケーブル5,6から連結部鋼板に伝達された水平力はほぼ相殺され、主塔の上部には大きな水平力が作用しないものとなっている。
一方、斜ケーブル5,6の引張力の鉛直方向成分は、コンクリートブロック102,103と鋼殻101との接触面から鋼殻に伝達され、さらに鋼殻101の外周面と密接するように打設された外側コンクリート部104に伝達される。そして、主塔4の脚部を介して橋脚2に支持される。
特開2016−204996号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載されている斜ケーブルの定着構造では、次のような改良が望まれる課題がある。
斜ケーブル5,6に作用する引張力の鉛直方向成分は、湾曲部鋼板101aとこれに圧接されるコンクリートブロック102,103との摩擦によって鋼殻101に伝えられ、さらに鋼殻101から外側コンクリート部104に伝達される。このとき湾曲部鋼板101aとコンクリートブロック102,103との間にずれが生じるおそれがある。
つまり、コンクリートブロック102,103と鋼板101との間に相対的な変位が生じ、コンクリートブロック102,103から鋼殻101に鉛直方向の力が十分に伝達されないことが考えられる。このように鋼殻101及び外側コンクリート部104に斜ケーブル5,6の引張力の鉛直方向成分が適切に伝達されないと、コンクリートブロック102,103に過度の鉛直方向の圧縮応力度が生じることになる。
これに対し、鋼殻の湾曲部鋼板101aの内周面にスタッドやアングル材等のずれ止め部材を固着することによって鋼殻101とコンクリートブロック102,103との間のずれを抑止することは可能である。しかし、鋼殻の湾曲部鋼板101aは斜ケーブル5,6から伝達される引張力の水平方向成分によって周方向に伸びが生じる。この伸びが湾曲部鋼板101aの内周面に設けられたずれ止め部材によって拘束されると、湾曲部鋼板101aのずれ止め部材が取り付けられた部分の近辺で応力が集中することになる。これにともないコンクリートブロック102,103にはひび割れが生じるおそれがある。
本発明は、上記のような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、斜張橋の主塔上部に設けられ、平断面が閉じた形状の鋼殻と、この鋼殻内のコンクリートブロックとを有し、該コンクリートブロックに斜ケーブルが定着されるケーブルの定着構造において、斜ケーブルの引張力を鋼殻に円滑に伝達し、鋼殻に大きな応力度が局部的に集中して生じること及びコンクリートブロックのひび割れもしくは大きな圧縮応力度の発生を抑制することである。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、 斜張橋の主塔上部から橋桁の軸線方向(以下、橋軸方向)における一方側及び他方側の斜め下方に張架されて前記橋桁を吊り支持する複数の斜ケーブルを、前記主塔上部に定着する斜ケーブルの定着構造であって、 板面が橋軸方向となるように配置され、前記橋桁の軸線と直角方向(以下、橋軸直角方向)に間隔を開けて互いに対向するように配置された2つの連結部鋼板と、これらの連結部鋼板の橋軸方向における端縁を連結するように設けられ、なめらかに湾曲した曲面を形成する湾曲部鋼板とを備え、平断面が閉じた形状となった鋼殻と、 該鋼殻の内側の橋軸方向における一方側の端部付近及び他方側の端部付近でそれぞれが該鋼殻の湾曲部鋼板と密着するように形成された第1のコンクリートブロック及び第2のコンクリートブロックと、を有し、 前記斜ケーブルの上端部は、前記湾曲部鋼板に設けられた挿通孔を貫通し、 前記主塔上部から橋軸方向における一方側に張架された斜ケーブルの上端部が前記第1のコンクリートブロックに定着され、 前記主塔上部から橋軸方向における他方側に張架された斜ケーブルの上端部が前記第2のコンクリートブロックに定着されており、 前記鋼殻の前記第1のコンクリートブロック又は第2のコンクリートブロックと密接する部分には、水平方向に連続する凸部又は凹部が形成されている斜ケーブルの定着構造を提供する。
この斜ケーブルの定着構造では、斜ケーブルの引張力は第1のコンクリートブロック及び第2のコンクリートブロックにそれぞれ伝達される。そして、引張力の水平方向成分はそれぞれのコンクリートブロックに巻きまわすように湾曲した湾曲部鋼板に周方向の引張力となって伝達される。湾曲部鋼板に生じた周方向の引張力は連結部鋼板に伝達され、橋軸方向の双方からの水平方向成分は互いに反対方向に作用し、その多くが連結部鋼板を介して相殺される。このように斜ケーブルの引張力の水平方向成分がコンクリートブロックから鋼殻の湾曲部鋼板に引張力として円滑に伝達されることにより、鋼殻は少ない鋼材使用量で斜ケーブルを確実に定着することが可能となる。
また、鋼殻の内周面に設けられた凸部又は凹部は水平方向に連続するものであり、斜ケーブルの引張力の水平方向成分が鋼殻の周方向の引張力として伝達されるときに、鋼殻の周方向への伸びを許容する。これにより、鋼殻に応力の集中が生じることが少なく、コンクリートブロックから鋼殻に水平方向成分が円滑に伝達される。一方、斜ケーブルの引張力の鉛直方向成分は、鋼殻に設けられた水平方向の凸部又は凹部がコンクリートブロックと噛み合って確実に鋼殻に伝達される。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の斜ケーブルの定着構造において、 前記鋼殻の湾曲部鋼板は、圧延時に筋状の凸部が所定の間隔で形成されたたてじま鋼板を用いたものとする。
この斜ケーブルの定着構造では、湾曲部鋼板にたてじま鋼板が用いられており、たてじま鋼板は圧延時に連続する凸部が形成されたものである。したがって、均等な断面で連続する凸部を容易に安価で形成することができる。
請求項3に係る発明は、請求項1に記載の斜ケーブルの定着構造において、 前記鋼殻の湾曲部鋼板は、内面に水平方向の切削溝が所定の間隔で形成されたものとする。
この斜ケーブルの定着構造では、周方向に連続する凹部を簡単な工程で形成することができ、鋼殻を簡単に安価で製作することが可能となる。
請求項4に係る発明は、請求項1から請求項3までのいずれかに記載の斜ケーブルの定着構造において、 前記鋼殻の外側に密着する外側コンクリート部を有し、 前記鋼殻の湾曲部鋼板は、外面に水平方向に連続する凸部又は凹部が形成されているものとする。
この斜ケーブルの定着構造では、鋼殻の外面に形成された凸部又は凹部によって斜ケーブルの引張力の鉛直方向成分が鋼殻から外側コンクリート部に確実に伝達される。これとともに、鋼殻の周方向への伸びが外側コンクリート部によって拘束されるのが抑えられる。したがって、斜ケーブルの引張力の水平方向成分は円滑に鋼殻に伝達され、橋軸方向の双方に作用する力が相殺される。また、鉛直方向成分に対しては、コンクリートブロック、鋼殻及び外側コンクリート部の一体性が良好になり、外側コンクリート部が鉛直方向の力を負担することになってコンクリートブロックに過大な鉛直方向の応力度が発生するのが抑えられる。
請求項5に係る発明は、 斜張橋の主塔上部から橋桁の軸線方向(以下、橋軸方向)における一方側及び他方側の斜め下方に張架されて前記橋桁を吊り支持する複数の斜ケーブルを、前記主塔上部に定着する斜ケーブルの定着構造であって、 板面が橋軸方向となるように配置され、前記橋桁の軸線と直角方向(以下、橋軸直角方向)に間隔を開けて互いに対向するように配置された2つの連結部鋼板と、これらの連結部鋼板の橋軸方向における端縁を連結するように設けられ、なめらかに湾曲した曲面を形成する湾曲部鋼板とを備え、平断面が閉じた形状となった鋼殻と、 該鋼殻の内側の橋軸方向における一方側の端部付近及び他方側の端部付近でそれぞれが該鋼殻の湾曲部鋼板と密着するように形成された第1のコンクリートブロック及び第2のコンクリートブロックと、を有し、 前記主塔上部から橋軸方向における一方側に張架された斜ケーブルの上端部が前記第1のコンクリートブロックに定着され、 前記主塔上部から橋軸方向における他方側に張架された斜ケーブルの上端部が前記第2のコンクリートブロックに定着されており、 前記鋼殻の前記第1のコンクリートブロック又は第2のコンクリートブロックと密接する部分には、水平方向に連続して該鋼殻を貫通するスリットが形成されている斜ケーブルの定着構造を提供するものである。
この斜ケーブルの定着構造では、橋軸方向の双方に張架された斜ケーブルの引張力は、水平方向成分が鋼殻の湾曲部鋼板に周方向の引張力として伝達される。これらの引張力は連結部鋼板に互いに反対方向の力として作用し、多くが連結部鋼板を介して相殺される。そして、斜ケーブルの引張力が鋼殻の周方向の引張力として伝達されるときに、スリットが周方向に連続していることによって鋼殻の周方向への伸びを許容する。これにより、鋼殻に応力の集中が生じるのを回避して円滑に水平方向成分が鋼殻に伝達される。一方、斜ケーブルに作用する引張力の鉛直方向成分は、鋼殻に設けられたスリットにコンクリートが入り込むことによって互いに噛み合い、確実に鋼殻に伝達される。これにより、外側コンクリート部にも鉛直方向の成分が伝達され、主塔の断面の全体で鉛直方向の力を支持するものとなる。
さらに、外側コンクリート部と鋼殻の内側のコンクリートブロックとがスリットを介して連続するものとなり、一体性が良好になるとともに、スリットに鉄筋等を挿通してさらに一体性を高めることも可能となる。
請求項6に係る発明は、請求項1から請求項5までのいずれかに記載の斜ケーブルの定着構造において、 前記湾曲部鋼板と前記第1のコンクリートブロック又は前記第2のコンクリートブロックとの間に摩擦を低減する滑り層を有するものとする。
この斜ケーブルの定着構造では、コンクリートブロックと鋼殻との間で鋼殻の周方向の相対的な変位すなわち双方間のずれが円滑に生じ、斜ケーブルの引張力の水平方向成分は湾曲部鋼板の周方向の引張力として円滑に伝達される。
以上説明したように、本発明に係る斜ケーブルの定着構造では、主塔から橋軸方向の双方に張架される斜ケーブルによって主塔に作用する引張力の水平方向成分を、双方の斜ケーブル間で円滑に伝達して相殺することができるとともに、鉛直方向成分は鋼殻に伝達し、コンクリートブロックに過大な鉛直方向の圧縮応力度が発生するのを抑えることが可能となる。
本発明の第1の実施形態である斜ケーブルの定着構造を示す立断面図である。 図1に示す斜ケーブルの定着構造の平断面図である。 図2に示すC−C線における拡大した立断面図である。 図1及び図2に示す斜ケーブルの定着構造に用いられる湾曲部鋼板の拡大した立断面図及び正面図である。 図1及び図2に示す斜ケーブルの定着構造で用いることができる湾曲部鋼板の他の例を示す拡大した立断面図及び正面図である。 図1及び図2に示す斜ケーブルの定着構造で用いることができる湾曲部鋼板の他の例を示す拡大した立断面図及び正面図である。 本発明の第2の実施形態である斜ケーブルの定着構造の立断面図である。 図7に示す斜ケーブルの定着構造の平断面図である。 本発明の実施形態である斜ケーブルの定着構造を好適に採用することができるエクストラドーズド形式の斜張橋の概略側面図及び主塔上部に設けられた従来の斜ケーブルの定着構造を示す平断面図である。
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態である斜ケーブルの定着構造を示す立断面図であり、図2は平断面図である。
この斜ケーブルの定着構造は、図9(a)に示すようなエクストラドーズド形式の斜張橋の主塔に適用されたものである。
図9(a)に示すエクストラドーズド形式の斜張橋は、橋台1及び橋脚2の上に架け渡された橋桁3と、橋脚2上に立ち上げられた主塔4と、この主塔4の上部から橋桁3の軸線方向における双方の斜め下方に張架され、橋桁3を斜め方向に吊り支持する複数の斜ケーブル5,6とを有するものである。
エクストラドーズド形式の斜張橋は橋桁3の曲げ剛性を比較的大きくするとともに、主塔4の高さを小さく抑えたものであり、斜ケーブル5,6の傾斜角は小さくなっている。
上記橋桁3は、橋脚2の直上に柱頭部横桁(図示しない)を有し、橋桁3と橋脚2とは一体に連続してラーメン構造を形成するものとなっている。そして、上記主塔4は、橋桁3の柱頭部横桁が設けられた位置の上に、一体に連続して立ち上げられたものである。
なお、上記橋桁3はプレストレストコンクリートからなる箱型断面となっているが、橋桁3の構造はこのような構造に限定されるものではなく、コンクリートと鋼との合成構造となっているもの、ウエブにプレキャスト板を用いたもの、トラス構造となったもの等、他の形態の橋桁であってもよい。また、鋼によって形成された箱桁等であってもよい。
図1及び図2に示す斜ケーブルの定着構造が適用された主塔4は、橋脚2と一体となった橋桁3から連続して立ち上げられた脚部7と、この脚部上に設けられたケーブル定着部8とを備えている。
上記脚部7は、鉄筋コンクリート構造となっており、斜ケーブル5,6から作用する鉛直方向の力を、橋桁3を介して橋脚2に伝達するものである。
ケーブル定着部8は、斜ケーブル5,6が定着される第1のコンクリートブロック11及び第2のコンクリートブロック12と、これらのコンクリートブロックを囲むように設けられた鋼殻13と、この鋼殻13の周囲を覆うように形成された外側コンクリート部14と、を有するものである。これらは上記脚部7の上に支持され、鋼殻13はアンカーボルト15によって脚部7に固定されている。
上記鋼殻13は、平断面の形状が半円状に湾曲するように加工された2つの湾曲部鋼板13aと、これらを連結する2つの連結部鋼板13bとで主要部が構成されており、これらの湾曲部鋼板13aと連結部鋼板13bとで、平断面の形状が橋軸方向に長軸を有する長円形となっている。つまり、橋軸方向の両端部にある湾曲部鋼板13aは、鉛直方向に軸線を有する円筒形を軸線に沿って2分割した円筒曲面を有するものであり、周方向の両端がそれぞれ連結部鋼板13bに連続して、平断面が閉じた形状となるものである。
上記鋼殻を形成する湾曲部鋼板13a及び連結部鋼板13bは、図3に示すように閉じた形状の内側に、水平方向に連続した等断面の凸部13cを複数有するものである。これらの凸部13cは、図4に拡大図を示すようにそれぞれが台形状の断面を有し、上下に所定の間隔をおいて、上下方向のほぼ全域に設けられている。このような鋼殻13を形成する鋼板は圧延時に凸部13cが形成されたものであり、一般にたてじま鋼板と称されるものを用いることができる。圧延によって形成された筋状の凸部の軸線が水平方向となるように用いるものである。
なお、鋼殻に設けられる凸部は他の手段によって形成されたもの、例えば溶接によって帯状又は棒状の部材を接合したもの等であってもよい。
上記鋼殻の湾曲部鋼板13aと連結部鋼板13bとは、それぞれ別途に加工し、溶接又はボルトによって接合するものであってもよいが、一体に連続するものとして製作するものであってもよい。また、本実施の形態では上記水平方向に連続する凸部13cは、湾曲部鋼板13aと連結部鋼板13bとの双方にわたり、鋼殻13の全周に形成されているが、湾曲部鋼板13aと連結部鋼板13bとを分割して加工する時には凸部13cを鋼殻の湾曲部又はコンクリートブロックとの接触部に限定して設けるものであってもよい。
上記湾曲部鋼板13a及び連結部鋼板13bの厚さは、斜ケーブル5,6に作用する引張力、斜ケーブルを張架する角度、斜ケーブルの本数等によって適宜に設定することができ、例えば厚さが40mm〜50mm程度の鋼板を用いることができる。これらの鋼板の厚さや材質については、ケーブルから伝達される引張力に応じて適宜に設定することができるものであり、40mmより薄い鋼板、50mmより厚い鋼板を用いることもできる。
上記ケーブル定着部8が備える2つのコンクリートブロック11,12は、上記鋼殻13の内側における橋軸方向の両端部で該鋼殻13の内面と密着するように形成されている。つまり、鋼殻13が所定の位置に設置された後、湾曲部鋼板13a及び連結部鋼板13bの一部に密着するようにコンクリートを打設して形成されたものである。
鋼殻13のコンクリートブロック11,12が接触する範囲には、摩擦を低減する滑り層(図示しない)を設けておくことができる。この滑り層は、コンクリートブロック11,12を形成するコンクリートの打設前に鋼殻の内面に設けるものであり、例えば合成樹脂を塗布又は吹き付け等の手段によって薄い層状にしたものであってもよいし、油脂等の液状又はペースト状の材料を塗布するものであってもよい。
2つのコンクリートブロック11,12には、橋軸方向の双方に張架された斜ケーブル11,12がそれぞれ定着されており、一方側へ張架される斜ケーブル5が第1のコンクリートブロック11に定着され、他方側へ張架される斜ケーブル6が第2のコンクリートブロック12に定着されている。第1のコンクリートブロックと第2のコンクリートブロックとの間は、斜ケーブル5,6をそれぞれ第1のコンクリートブロック又は第2のコンクリートブロックに定着する作業及び引張力を調整する作業等を可能とする空間16が形成されており、この空間16の両側で、斜ケーブル5,6の定着部が対向するものとなっている。
それぞれのコンクリートブロック11,12の平断面の形状は、斜ケーブル5,6の定着位置の後方側では湾曲部鋼板13aの形状に倣って湾曲した形状となっており、斜ケーブル5,6の定着側では、斜ケーブル5,6の軸線とほぼ直角となるように定着面が形成されている。そして、2つのコンクリートブロック11,12の対向する面は斜ケーブル5,6を張架する傾斜角にしたがって傾斜しており、複数の斜ケーブル5,6を上下に配列するために斜ケーブル毎に段差を設けて定着面が形成されている。
なお、コンクリートブロック11,12内には鉄筋を配置し、斜ケーブル5,6から作用する支圧力等に対してひび割れが生じないようにするのが望ましい。
斜ケーブル5,6は、上記湾曲部鋼板13a及び第1のコンクリートブロック11又は第2のコンクリートブロック12を貫通し、2つのコンクリートブロック11,12と2つの連結部鋼板13bとで囲まれた空間16内で、コンクリートブロック11,12に定着されている。鋼殻13の斜ケーブル5,6が貫通する位置には挿通孔が設けられ、コンクリートブロック11,12には管部材19が埋め込まれており、斜ケーブル5,6の上方の端部は上記鋼殻13の挿通孔から上記管部材19に挿通され、所定の緊張力を導入した状態で定着具20により定着されたものである。
第1のコンクリートブロック11及び第2のコンクリートブロック12にはそれぞれ複数で同数の斜ケーブルが定着されており、最上段に定着された斜ケーブルから最下段に定着されたケーブルにかけて徐々に傾斜角が増大するように張架される。第1のコンクリートブロック11に定着される斜ケーブル5と第2のコンクリートブロック12に定着される斜ケーブル6とは、それぞれが対となっており、これらの対となる斜ケーブルはほぼ同じ高さに定着されている。
上記斜ケーブル5,6が上下方向に配列して定着されるのに対応して、上記鋼殻13は、図1に示すように、分割線21によって複数の部分に分割され、これらの分割部分が上下方向に積み重ねるように配置されている。それぞれの分割部分には1対又は2対以上の斜ケーブル5,6から引張力が伝達され、その水平成分をほぼ分割部分ごとに相殺するものとなっている。鉛直方向には分割された部分間の境界で、上段の分割部分の下端縁と下段の分割部分の上端縁とが突き合わされるように対向しているが連続するものではなく、鉛直方向の力が伝達されることを期待するものとはなっていない。したがって、対向する下端縁と上端縁とは精密な加工は施されていない。
なお、分割部分のそれぞれを所定の位置に配置した後、上段の分割部分の下端縁と下段の分割部分の上端縁とを溶接等によって接合してもよい。
上記外側コンクリート部14は、鋼殻13を所定の位置に配置した後に、この鋼殻13と密着するようにコンクリートを打設して形成されたものである。鋼殻13の外周面には、ずれ止め部材22が溶接によって固定されており、これを埋め込むようにコンクリートが打設されている。これにより外側コンクリート部14は鋼殻13と一体となって挙動するものである。したがって、外側コンクリート部14は、斜ケーブル5,6から作用する鉛直方向の成分を、鋼殻13の内側のコンクリートブロック11,12とともに負担することができ、主塔4の脚部7に鉛直方向の力が円滑に伝達される。また、外側コンクリート部14によって主塔4の曲げ剛性が増大し、主塔4の曲げによる応力度が低減される。特に、両側に張架される斜ケーブルが平面視において同一直線上にないときには、主塔に橋軸直角方向の曲げモーメントが生じるが、外側コンクリート部が曲げモーメントに対して有効に抵抗するものとなる。
上記外側コンクリート部14には鉄筋(図示しない)が配置されており、鋼殻13の外周面に沿って水平方向の鉄筋を配置することにより、鋼殻13の周方向に生じる引張力の一部を負担させることもできる。
また、鋼殻13の外周面に設ける上記ずれ止め部材22は、例えば、棒状の鋼部材を溶接等によって取り付けたスタッドジベルとすることができる。また、鋼プレートを溶接によって接合するものであってもよい。この鋼プレートには鉄筋挿通孔を設けておき、鋼殻13の外側に配置した鉄筋を、上記鋼プレートに設けられた鉄筋挿通孔に挿通して配置することもできる。
外側コンクリート部14を形成するために行うコンクリートの打設は、鋼殻13を上下に積み重ねるように配置し、内側にコンクリートブロック11,12を形成した後であって、斜ケーブル5,6に引張力が導入される前に行うのが望ましい。このとき橋軸方向の中央部14aは、後打ち部としてコンクリートの打設を行わず、橋軸方向に2つに分割された部分14bを先行してコンクリートの打設を行う。そして、斜ケーブル5,6の引張力が導入された後に、中央部14aのコンクリートを打設する。これにより、斜ケーブル5,6の引張力で鋼殻13が変形して外側コンクリート部14にひび割れが生じるのを抑制することができる。
このような斜ケーブルの定着構造では、斜ケーブル5,6が定着されたコンクリートブロック11,12は、これらを囲むように形成された鋼殻13によって連結され、斜ケーブル5,6から互いに反対方向へ作用する力が鋼殻13を介して相互間に伝達される。このとき、斜ケーブルの引張力の水平方向成分は、コンクリートブロック11,12と鋼殻13との接触面が湾曲していることにより、鋼殻13の周方向の引張力として伝達される。そして、鋼殻13には周方向に引張力が作用して伸びが生じるが、鋼殻13の内面に形成された凸部13cは等断面で水平方向に連続するものであり、鋼殻13の周方向への伸びがコンクリートブロック11,12によって拘束されるのを緩和するものとなっている。したがって、鋼殻13に周方向への伸びが生じても鋼殻13に応力が集中すること及びコンクリートブロック11,12にひび割れが生じるのを回避することが可能となる。
このように斜ケーブル5,6から主塔4の上部に作用する引張力の水平方向の成分は、鋼殻に伝達されることによって両側に張架された斜ケーブル5,6の相互間で相殺され、主塔4に大きな水平力が一方向に作用することが回避される。
一方、斜ケーブル5,6から伝達される引張力の鉛直方向の成分は、上下方向に連続するコンクリートブロック11,12から鋼殻13に作用し、さらに外側コンクリート部14に作用して下方に伝達され、主塔の脚部7から橋桁3を介して橋脚2に支持される。このとき、コンクリートブロック11,12に作用した鉛直方向の成分は、鋼殻13に設けられた水平方向に連続する凸部13cがコンクリートブロック11,12と噛み合っていることにより確実に鋼殻13に伝達される。したがって、コンクリートブロック11,12と鋼殻13の間に相対的な変位が生じてコンクリートブロック11,12に鉛直方向の過大な圧縮応力度が生じるのが回避され、主塔4は安定して鉛直方向の成分を支持することが可能となる。
以上に説明した実施の形態では、鋼殻13の周囲を覆うように外側コンクリート部14が設けられているが、外側コンクリート部を設けることなく、鋼殻13が露出する構造であってもよい。このような定着構造では、鋼殻は分割部分のそれぞれが互いに連結されて上下方向の力が伝達される構造とするのが望ましい。例えば、上下方向に分割された部分の分割線は、それぞれの分割部分を所定の位置に配置した後に溶接によって接合するか、もしくは分割線において突き合わされる端面をメタルタッチとし、ほとんど隙間を生じることなく接触して上下方向の力が均等に近い状態で伝達されるものとするのがよい。
なお、外側コンクリート部を設けないときにも、コンクリートブロック11,12は同じものを用いることができ、斜ケーブル5,6を同様に定着することができる。
ただし、外側コンクリート部を設けないので、鋼殻13の外側にはずれ止め部材は設けることなく、防錆等の処理を行う必要がある。
また、上記の実施の形態では、鋼殻13の内面に水平方向に連続する等断面の凸部13cが設けられているが、図5に示すように、鋼殻を形成する鋼板51に、水平方向に連続する等断面の凹部51aが形成されているものであってもよい。このような凹部51aは、例えば平鋼板に溝状の凹部を切削することによって形成することができる。
さらに、鋼殻に設けられる凸部又は凹部は内面のみではなく、図6に示すように、両面に凸部52a,52bが形成された鋼板52を用いて、外面にも水平方向に連続した凸部を設けることができる。このときには外面に形成した凸部52bによって斜ケーブルの引張力の鉛直方向成分を鋼殻から外側コンクリート部に有効に伝達することができる。したがって、このときには鋼殻の外面にずれ止め部材を設けるのを省略することができる。
なお、鋼板の両面に形成された凸部に代えて、両面に凹部が形成された鋼板を用いることもできる。
図7は、本発明の第2の実施形態である斜ケーブルの定着構造を示す立断面図であり、図8は、同じ定着構造の平断面図である。
この斜ケーブルの定着構造は、図1及び図2に示す定着構造と同様に、斜張橋の主塔4の上部に設けられたものであり、平断面が閉じた形状の鋼殻33を備えている。この鋼殻33は、橋軸方向の両端部で円筒曲面を形成する湾曲部鋼板33aと、2つの湾曲部鋼板33aを連結する連結部鋼板33bとで、平断面が長円形となっている。そして、この鋼殻33の内側の橋軸方向における両端部に2つのコンクリートブロック31,32が設けられ、鋼殻33の外側には、該鋼殻33と密接するように外側コンクリート部34が形成されている。
上記鋼殻33は、図7に示すように、2つのコンクリートブロック31,32と接する部分に、水平方向に連続する複数のスリット35が設けられている。これらのスリット35は、コンクリートブロック31,32と接触する範囲に設けられ、スリット35の断面は水平方向に均等なものとなっている。
なお、この鋼殻33の外面にずれ止め部材は設けられていない。
斜ケーブル45,46は、図1及び図2に示す定着構造と同様のものであってもよいし、その他の形態のケーブルを斜ケーブルとして用いるものであってもよい。また、主塔の他の部分の構造、主桁の構造等についても様々な形態のものであってもよい。
複数の上記スリット35のうち、コンクリートブロック31,32に定着される斜ケーブル45,46の配置位置に対応した高さに設けられたスリット35aが、複数の他のスリット35bより幅が大きくなっている。この鉛直方向の寸法が大きいスリット35aを斜ケーブル45,46が通過する。そして、他のスリット35bの幅は、コンクリートブロック31,32を構成するコンクリートが入り込み、コンクリートブロック31,32と鋼殻33との間で上下方向に相対的変位が生じるのを拘束することができる程度の大きさとすることができる。また、コンクリートブロック31,32又は外側コンクリート部34に配置される鉄筋(図示しない)を通過させることができる程度の幅とすることもできる。これらのスリット35b内を通過するように鉄筋を配置することにより、コンクリートブロック31,32と外側コンクリート部34の一体性が強化される。
このような斜ケーブルの定着構造では、コンクリートブロック31,32に定着された斜ケーブル45,46の引張力の水平方向成分は、鋼殻33とコンクリートブロック31,32との湾曲した接触面から鋼殻33の周方向の引張力として伝達される。そして、周方向の引張力によって鋼殻33に周方向の伸びが生じる。このとき、スリット35a,35bは周方向に均等な断面形状であり、コンクリートブロック31,32又は外側コンクリート部34によって鋼殻33の周方向の伸びが局部的に強く拘束されることはなく、鋼殻33には周方向に分布した伸びが生じる。
一方、斜ケーブルの引張力の鉛直方向成分は、コンクリートブロック31,32から鋼殻33及び外側コンクリート部34に伝達され、主塔4の断面のほぼ全域で負担される。コンクリートブロック31,32及び外側コンクリート部34は、これらを構成するコンクリートが鋼殻33のスリット35a,35b内に入り込み、双方が連続して一体性が高められている。したがって、コンクリートブロック31,32に作用する力の鉛直方向成分は円滑に外側コンクリート部34に作用する。また、スリット35a,35bを通過するように鉄筋を配置することによって、より一体性を高めることができる。
なお、本発明は以上に説明した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で他の形態として実施することができる。
例えば、本実施の形態では、エクストラドーズド形式の斜張橋に適用したが、エクストラドーズド形式の斜張橋に限定されるものではなく、高い主塔と剛性の小さい橋桁を有する斜張橋に適用することもできる。また、斜ケーブルの本数、配置する角度等は適宜に決定することができ、これに対応して主塔の形状及び寸法は適宜に設計することができる。さらに、以上に説明した実施の形態では主塔から両側に張架されるケーブルの本数が同数となっているが、必ずしも同数でなくてもよく、双方へ作用する引張力の差に対して主塔が抵抗することができる範囲であれば異なる本数であってもよい。
1:橋台、 2:橋脚、 3:橋桁、 4:主塔、 5,6:斜ケーブル、 7:主塔の脚部、 8:主塔のケーブル定着部、
11:第1のコンクリートブロック、 12:第2のコンクリートブロック、 13:鋼殻、 13a:鋼殻の湾曲部鋼板、 13b:鋼殻の連結部鋼板、 13c:鋼殻に設けられた凸部、 14:外側コンクリート部、 15:アンカーボルト、 16:2つのコンクリートブロックと鋼殻とで囲まれた空間、 19:管部材、 20:斜ケーブルの定着具、 21:鋼殻の分割線、 22:ずれ止め部材、
31:第1のコンクリートブロック、 32:第2のコンクリートブロック、 33:鋼殻、 33a:鋼殻の湾曲部鋼板、 33b:鋼殻の連結部鋼板、 34:外側コンクリート部、 35a:幅の広い、斜ケーブルが通すことができるスリット、 35b:幅の狭いスリット、
45,46:斜ケーブル、
51:凹部を有する鋼板、 51a:鋼板に設けられた凹部、 52:両面に凸部を有する鋼板、 52a,52b:鋼板に設けられた凸部

Claims (6)

  1. 斜張橋の主塔上部から橋桁の軸線方向(以下、橋軸方向)における一方側及び他方側の斜め下方に張架されて前記橋桁を吊り支持する複数の斜ケーブルを、前記主塔上部に定着する斜ケーブルの定着構造であって、
    板面が橋軸方向となるように配置され、前記橋桁の軸線と直角方向(以下、橋軸直角方向)に間隔を開けて互いに対向するように配置された2つの連結部鋼板と、これらの連結部鋼板の橋軸方向における端縁を連結するように設けられ、なめらかに湾曲した曲面を形成する湾曲部鋼板とを備え、平断面が閉じた形状となった鋼殻と、
    該鋼殻の内側の橋軸方向における一方側の端部付近及び他方側の端部付近でそれぞれが該鋼殻の湾曲部鋼板と密着するように形成された第1のコンクリートブロック及び第2のコンクリートブロックと、を有し、
    前記斜ケーブルの上端部は、前記湾曲部鋼板に設けられた挿通孔を貫通し、
    前記主塔上部から橋軸方向における一方側に張架された斜ケーブルの上端部が前記第1のコンクリートブロックに定着され、
    前記主塔上部から橋軸方向における他方側に張架された斜ケーブルの上端部が前記第2のコンクリートブロックに定着されており、
    前記鋼殻の前記第1のコンクリートブロック又は第2のコンクリートブロックと密接する部分には、水平方向に連続する凸部又は凹部が形成されていることを特徴とする斜ケーブルの定着構造。
  2. 前記鋼殻の湾曲部鋼板は、圧延時に筋状の凸部が所定の間隔で形成されたたてじま鋼板であり、前記凸部の方向が水平となるように用いられていることを特徴とする請求項1に記載の斜ケーブルの定着構造。
  3. 前記鋼殻の湾曲部鋼板は、内面に水平方向の切削溝が所定の間隔で形成されたものであることを特徴とする請求項1に記載の斜ケーブルの定着構造。
  4. 前記鋼殻の外側に密着する外側コンクリート部を有し、
    前記鋼殻の湾曲部鋼板は、外面に水平方向に連続する凸部又は凹部が形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかに記載の斜ケーブルの定着構造。
  5. 斜張橋の主塔上部から橋桁の軸線方向(以下、橋軸方向)における一方側及び他方側の斜め下方に張架されて前記橋桁を吊り支持する複数の斜ケーブルを、前記主塔上部に定着する斜ケーブルの定着構造であって、
    板面が橋軸方向となるように配置され、前記橋桁の軸線と直角方向(以下、橋軸直角方向)に間隔を開けて互いに対向するように配置された2つの連結部鋼板と、これらの連結部鋼板の橋軸方向における端縁を連結するように設けられ、なめらかに湾曲した曲面を形成する湾曲部鋼板とを備え、平断面が閉じた形状となった鋼殻と、
    該鋼殻の内側の橋軸方向における一方側の端部付近及び他方側の端部付近でそれぞれが該鋼殻の湾曲部鋼板と密着するように形成された第1のコンクリートブロック及び第2のコンクリートブロックと、を有し、
    前記主塔上部から橋軸方向における一方側に張架された斜ケーブルの上端部が前記第1のコンクリートブロックに定着され、
    前記主塔上部から橋軸方向における他方側に張架された斜ケーブルの上端部が前記第2のコンクリートブロックに定着されており、
    前記鋼殻の前記第1のコンクリートブロック又は第2のコンクリートブロックと密接する部分には、水平方向に連続して該鋼殻を貫通するスリットが形成されていることを特徴とする斜ケーブルの定着構造。
  6. 前記湾曲部鋼板と前記第1のコンクリートブロック又は前記第2のコンクリートブロックとの間に摩擦を低減する滑り層を有することを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれかに記載の斜ケーブルの定着構造。
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