JP2020105575A - 黒色亜鉛末及びその製造方法 - Google Patents
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Description
上記工業用鋼製部品や建築物の部材は、ギラギラしたメッキ色ではなく自然融和色の暗い色として黒い色調を求められる場合がある。このような部材等の塗装では、通常、下塗塗料として亜鉛末塗料を塗装し、乾燥させた後に黒色塗料等の着色上塗塗料を塗装し、乾燥させる方法が用いられているが、防食塗料の黒色度を高めて、一度の塗装で防食性と黒色度を発揮する塗料が求められていた。このような課題に対して、従来、防食塗料の黒色度を高める技術が種々検討されている。例えば、特許文献1には、樹脂を含む塗膜形成成分100重量部に対して、亜鉛末50〜86重量部及び導電性カーボンブラック1〜10重量部を配合してなる黒色亜鉛末塗料組成物が開示されている。特許文献2には、亜鉛蒸気の急冷により得た酸素含有量1.0wt%以下の亜鉛粉体を、温度80〜400℃、圧力1〜20気圧の酸素含有雰囲気内に一定時間置いて亜鉛粉末表面を酸化させることによって酸素含有量2.5〜18.0wt%の黒色顔料用酸化亜鉛粉末を得る方法が開示されている。
本発明の黒色亜鉛末は、金属亜鉛の含有割合が黒色亜鉛末の総量100質量%に対して70質量%以下である。これにより亜鉛末の黒色度を向上させることができる。また、金属亜鉛の含有割合は、5質量%以上であることが好ましい。これにより、黒色亜鉛末が防食性能により優れたものとなる。金属亜鉛の含有割合として好ましくは10〜65質量%であり、より好ましくは15〜60質量%であり、更に好ましくは55質量%以下である。
黒色亜鉛末のメジアン径(D50)は、実施例に記載の方法により測定することができる。
その他の成分の合計の含有量としては、全亜鉛量(黒色亜鉛末中の金属亜鉛と亜鉛化合物由来の亜鉛の合計)100質量%に対して、0〜5質量%であることが好ましい。より好ましくは0〜1質量%であり、更に好ましくは0〜0.5質量%であり、最も好ましくは0質量%である。
上記その他の成分の中でも、カーボンブラック等の顔料の含有量は、全亜鉛量100質量%に対して、0〜5質量%であることが好ましい。より好ましくは0〜1質量%であり、更に好ましくは0〜0.5質量%であり、最も好ましくは0質量%である。
本発明は、分岐鎖を有する脂肪酸及びその塩からなる群より選択される少なくとも一種と亜鉛末とを含むスラリーを得る工程Aと、該スラリー中の亜鉛末をメディア処理により微細化及び黒色化する工程Bとを含む黒色亜鉛末の製造方法でもある。
工程Aは、分岐鎖を有する脂肪酸(塩)と亜鉛末とを含むスラリーを得る工程であり、分岐鎖を有する脂肪酸(塩)を滑剤として用いることにより、該脂肪酸(塩)の分岐鎖が立体障害となって亜鉛末同士が固着することを充分に抑制でき、これにより、工程Bにおいて充分に微細化及び黒色化を行うことができ、その結果、防食性能と黒色度とをともに充分に発揮する黒色亜鉛末が得られると考えられる。
分岐構造を有するアルキル基の炭素数として好ましくは7〜23であり、より好ましくは9〜21であり、更に好ましくは11〜19である。
上記R1、R2、R3におけるアルキル基は、直鎖構造であっても分岐構造を有するものであってもよい。
分岐構造を有するアルキル基の具体例としては、上述のアルキル基が挙げられる。
直鎖アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基(アミル基)、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−イコシル基、n−ヘンイコシル基、n−ドコシル基等が挙げられる。
中でも好ましくは、イソエナント酸、イソカプリル酸、イソペラルゴン酸、イソカプリン酸、イソウンデカン酸、イソラウリン酸、イソトリデシル酸、イソミリスチン酸、イソペンタデシル酸、イソパルミチン酸、イソマルガリン酸、イソステアリン酸、イソノナデシル酸、イソアラキン酸、及びこれらの塩であり、より好ましくは、イソラウリン酸、イソトリデシル酸、イソミリスチン酸、イソペンタデシル酸、イソパルミチン酸、イソマルガリン酸、イソステアリン酸、イソノナデシル酸、イソアラキン酸であり、特に好ましくはイソステアリン酸である。
上記平均粒子径は、実施例に記載の粒度分布測定装置により測定することができる。
溶媒としては通常使用される溶媒を用いることができ、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、トルエン、キシレン、ミネラルターペン、ミネラルスピリット、ソルベントナフサ等の炭化水素類;メタノール、エタノール、イソプロパノール、2−メチル−2−プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、メトキシブタノール、メトキシメチルブタノール、カプリルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、ステアリルアルコール、イソパルミチルアルコール、イソステアリルアルコール等のアルコール類、およびこれらのアルコール類の酢酸エステル、プロピオン酸エステル等のエステル類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ヘキシレングリコール、オクチレングリコール、ネオペンチルグリコール等のグリコール類、グリセリン等の3価アルコール類、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールヘキシルエーテル等のグリコールエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類等が挙げられる。好ましくは炭化水素類であり、より好ましくはキシレンである。
上記溶媒の使用量としては、亜鉛末100質量%に対して10〜600質量%であることが好ましい。より好ましくは50〜400質量%であり、更に好ましくは100〜250質量%である。
その他の成分としては、例えば、分岐鎖を有する脂肪酸(塩)以外のその他の滑剤(粉砕助剤)、分散剤等が挙げられる。
その他の成分の含有量としては、亜鉛末100質量%に対して0〜1.0質量%であることが好ましい。より好ましくは0.05〜0.5質量%であり、更に好ましくは0.1〜0.3質量%である。
その他の滑剤の含有量としては、亜鉛末100質量%に対して0〜1.0質量%であることが好ましい。より好ましくは0〜0.5質量%であり、更に好ましくは0〜0.3質量%であり、最も好ましくは0質量%である。
工程Bは、工程Aで得られたスラリー中の亜鉛末をメディア処理により微細化及び黒色化する工程である。スラリー中の亜鉛末をメディア処理することにより、亜鉛末が微細化されるとともに、亜鉛末が酸化され、これにより黒色化されることになる。
例えば、遊星ミル、ビーズミル、振動ミル等を用いることができる。この中でも、ビーズミルを用いる方法が好ましい。
ビーズミルを用いる場合のビーズの使用量は特に制限されないが、亜鉛末の使用量100質量%に対して、10〜1000質量%である。これにより、亜鉛末とビーズとが充分に衝突し、得られる亜鉛末のメジアン径(D50)をより好適な範囲とすることができる。ビーズの使用量としてより好ましくは20〜950質量%であり、更に好ましくは30〜900質量%である。
上記回転ディスクの周速としては、3〜50m/sであることが好ましい。より好ましくは5〜40m/sであり、更に好ましくは7〜30m/sであり、特に好ましくは8〜20m/sである。
本発明者らは、亜鉛末のメジアン径(D50)が最大となるメディア処理時間を基準として、メディア処理時間を設定することにより、メジアン径(D50)が好適な範囲の黒色亜鉛末を効率的に得られることを見出した。すなわち、上記工程Bにおいて、亜鉛末のメジアン径(D50)が最大となるメディア処理時間を100%としたときの、200%を超える時間でメディア処理を行うことが好ましい。また、2000%以下の時間でメディア処理を行うことが好ましい。より好ましくは210〜1000%の時間であり、更に好ましくは225〜800%の時間であり、一層好ましくは250〜600%の時間であり、より一層好ましくは275〜500%の時間であり、特に好ましくは300〜400%の時間である。
上記黒色亜鉛末のメジアン径(D50)は、実施例に記載の方法により求めることができる。
本発明の黒色亜鉛末は、工業用鋼製部品や車用部品、建築物の部材の防食塗料や、着色顔料等に好適に用いることができる。
本発明の黒色亜鉛末は、上記着色顔料の中でも、カーボンブラック等の黒色顔料の代替として好適に使用することができる。
本発明は更に、本発明の黒色亜鉛末とバインダー(以下、樹脂ともいう。)とを含む塗料でもある。
上記塗料は下塗り用途、防食用途、着色用途等に用いられることが好ましい。
上記塗料は、黒色亜鉛末の含有量が、塗料中の固形分100質量%に対して5〜95質量%であることが好ましい。より好ましくは10〜95質量%であり、更に好ましくは20〜95質量%であり、特に好ましくは30〜95質量%である。
なお、本明細書中における「固形分」とは、溶剤や水などの揮発する成分を除いた常温で固体状又は液体状の残存物、いわゆる不揮発分を意味し、150℃で1時間乾燥させて得られた蒸発残分を測定することにより、固形分を算出することができる。
中でも好ましくはメラミン・アルキド樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、シリコーン樹脂、水性ウレタン樹脂、水性アクリル樹脂、水性アクリル樹脂エマルション、水性メラミン樹脂、水性変性エポキシ樹脂、水性変性エポキシエステル樹脂が好ましい。より好ましくはメラミン・アルキド樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、水性ウレタン樹脂、水性変性エポキシ樹脂であり、更に好ましくはエポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、水性ウレタン樹脂、水性変性エポキシ樹脂、メラミン・アルキド樹脂である。
塗料中のその他の成分の合計の含有量としては、黒色亜鉛末及び樹脂の合計100質量%に対して、0〜5質量%であることが好ましい。より好ましくは0〜1質量%であり、更に好ましくは0〜0.5質量%である。
溶媒としては上述の溶媒が挙げられる。
顔料としては、例えばアルミニウム粉末、マグネシウム粉末、ニッケル粉末、コバルト粉末、酸化珪素、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、シリカ、炭酸カルシウム、タルク、マイカ、クレー、カオリン、ベントナイト、カーボンブラック、アニリンブラック、グンジョウ、ウオッチングレッド、シアニンブルー、フタロシアニングリーン等が挙げられる。
分散剤としては、例えばオクタデシルアミン酢酸塩、アルキルトリメチルアンモニウムクロライド、アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロライド等のカチオン系界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル等の非イオン系界面活性剤等が挙げられる。
上記塗料中の亜鉛末以外の顔料の割合は、塗料100質量%に対して5質量%以下であることが好ましい。より好ましくは1質量%以下であり、更に好ましくは0.5質量%以下であり、最も好ましくは0質量%である。
<粒度分布のメジアン径(D50)>
粒度分布のメジアン径(D50)は、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置マイクロトラックMT−3300 EXII(日機装社製)によって測定した。測定時の溶媒としてキシレンを用い、黒色亜鉛末の屈折率としては2.4、溶媒の屈折率としては1.5を用いた。
試料0.4gを0.1mgの桁まで正確に量り取り、三角フラスコ300mLに移し入れ、塩化鉄(III)・酢酸ナトリウム混液60mLと回転子を加え、蒸留水50mLで三角フラスコのふちを洗い流し、三角フラスコを密閉する。続いて、マグネチックスターラーで攪拌して溶解し、ラインハルト氏液50mLと蒸留水200mLを加える。指示薬オルトフェナントロリン溶液を2滴加え、0.1mol/L過マンガン酸カリウム溶液(容量分析用試薬)で滴定し、液の色がオレンジ色から薄い黄色に変わった点を終点とする。金属亜鉛は、次の式によって算出する。
0.1mol/L過マンガン酸カリウム溶液の滴定量(mL)×ファクター/試料質量(g)× 0.016345 × 100
上記式における0.016345は、0.1mol/L過マンガン酸カリウム溶液1mLに相当する金属亜鉛の質量(g)、を意味する。
なお、測定に使用する各種試薬は、以下の通り調製して使用する。
(塩化鉄(III)・酢酸ナトリウム混液)
酢酸ナトリウム三水和物332gに蒸留水を加えて1Lとする。この酢酸ナトリウム溶液20mLに塩化鉄(III)六水和物16gを加え蒸留水で60mLとする。
(ラインハルト氏液)
硫酸マンガン(II)四水和物(試薬特級)80g、または、硫酸マンガン(II)五水和物(試薬特級)、と蒸留水500mLをビーカーに加える。ビーカーを氷水で冷却しながら、りん酸(濃度:約85%、密度:約1.69g/mL、試薬特級)150mLと硫酸(濃度:約95%、密度:約1.84g/mL、試薬特級)150mLを静かに注ぎ、蒸留水で1Lとする。
(指示薬オルトフェナントロリン溶液)
1,10−フェナントロリン一水和物(o−フェナントロリン一水和物)150mgと硫酸鉄(II)七水和物75mgを蒸留水10mLに溶解する。
試料約1gを0.1mgの桁まで正確に量り取りビーカーに移し入れ、蒸留水50mL、塩酸5mL、硝酸1mLを加えて加熱して溶解し、冷却後、蒸留水で全量メスフラスコ250mLに洗い移し、標線まで蒸留水を加える。この溶液から25mLをコニカルビーカーに分取し、緩衝液10mLを加え、アンモニア水(1+1)でpH値を5.5〜5.7に調整し、蒸留水を加えて250mLとし、指示薬としてキシレノールオレンジ溶液(1g/L)約0.5mLを加え、0.05mol/L EDTA溶液で滴定し、液の色が紫から赤を経て黄に変わった点を終点とする。全亜鉛は、下記式(2)によって算出する。
全亜鉛(%)=0.003269×EDTAの滴定量(mL)×ファクター/(試料質量(g)×25mL/250mL)×100 (2)
ここで、上記式(2)における0.003269は、0.05mol/L EDTA溶液1mLに相当する全亜鉛の質量(g)を意味する。
また、上記式(2)におけるファクターは、下記式(3)によって算出する。
ファクター=標定に用いた亜鉛(g)/(0.003269×EDTAの滴定量(mL)) (3)
ここで、上記式(3)における0.003269は、0.05mol/L EDTA溶液1mLに相当する亜鉛の質量(g)を意味する。
更に、上記式(3)における標定とは、下記の操作を意味する。
容量分析用標準物質の亜鉛又はJIS最純亜鉛地金約0.12gを0.1mgの桁まで正確に量り取り、ビーカーに移し入れ、蒸留水約20mL及び塩酸10mLを加えて加熱して溶解する。冷却後、緩衝液10mLを加え、アンモニア水(1+1)でpH値を5.5〜5.7に調整した後、蒸留水を加えて約250mLとする。指示薬としてキシレノールオレンジ溶液(1g/L)約0.5mLを加え、0.05mol/L EDTA溶液で滴定し、液の色が紫から赤を経て黄に変わった点を終点とする。
(塩酸)
濃度:約35%、密度:約1.18g/mLの試薬特級。
(硝酸)
濃度:約60%、密度:約1.38g/mLの試薬特級。
(アンモニア水(1+1))
濃度:約25%、密度:約0.91g/mLの試薬特級と蒸留水を1:1の体積比で混合して調製する。
(緩衝液)
酢酸アンモニウム(試薬特級)250gを蒸留水1Lに溶解し、酢酸(試薬特級)を加えてpH値を5に調整する。
(キシレノールオレンジ溶液(1g/L))
キシレノールオレンジ0.1gを蒸留水に溶かして100mLとする。
(0.05mol/L EDTA溶液)
エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム二水和物(試薬特級)約19gを蒸留水約1Lに溶かして調製する。
実施例で得られた黒色亜鉛末、又は、比較例の試料10g、熱硬化性アルキド樹脂J−524−A(固形分濃度50%、DIC社製)1.18g、ブチル化メラミン樹脂J−820(固形分濃度75%、DIC社製)0.40g及びキシレン21.72gをペイントシェイカーで振とうして塗料中の固形分としての亜鉛濃度が92%となる塗料を調製した。続いて、調製した塗料を、ホビー用エアブラシMX2370(アネスト岩田社製)を用いてSPCC−SB鋼板(0.8t×35×150mm)の片面に塗布し、室温で30分間静置乾燥した後、140℃で20分間焼付けして鋼板の上に塗膜を形成させ、カッター刃で塗膜表面から鋼板まで達するクロスカットを入れ、168時間に渡って屋外曝露試験を行った。試験は雨天の日に開始し、試験開始後、時間経過によりクロスカット部から発生する赤錆を目視で観察し、○、△、×の定性評価を行った。○は168時間以内において赤錆の発生なし、△は72時間以内において赤錆の発生はないが、168時間までの間に赤錆が発生、×は72時間以内において赤錆が発生、を意味する。
走査型電子顕微鏡(日本電子(株)製、JSM−6510A)を用いて、加速電圧15kVでSEM観察を行った。
イソステアリン酸(日産化学工業社製、ファインオキソコール)1.37g(2wt% to Zn)をキシレン136.5gに添加、溶解し、続いて、亜鉛末#3(堺化学工業製)68.4gをリパルプして調製スラリー中の亜鉛濃度が33%となるようなスラリーとし、該スラリーについて、回転ディスクとφ0.3mmジルコニアビーズ567gとを用いて3000rpm(周速8.6m/s)で360分間メディア処理を行なった後、ろ過、乾燥し、黒色亜鉛末を調製した。
なお、上記調製スラリー中の亜鉛濃度は、下記式(4)で算出することができる。
亜鉛濃度(%)=亜鉛(g)/(亜鉛(g)+イソステアリン酸(g)+キシレン(g))×100 (4)
表1の条件に変更した以外は、実施例1と同じ手順で黒色亜鉛末を調製した。
イソステアリン酸をステアリン酸に変更し、メディア処理時間を1440分間(24時間)に変更した以外は実施例1と同様にして亜鉛末の調製を行った。
Claims (10)
- 分光色差計で測定したCIELAB表色系でのL*値が40以下であり、金属亜鉛の含有割合が黒色亜鉛末の総量100質量%に対して70質量%以下であることを特徴とする黒色亜鉛末。
- 金属亜鉛の一部が酸化された黒色亜鉛末であって、
金属亜鉛の含有割合が黒色亜鉛末の総量100質量%に対して70質量%以下であり、分光色差計で測定したCIELAB表色系でのL*値が40以下であることを特徴とする請求項1に記載の黒色亜鉛末。 - 前記黒色亜鉛末は、メジアン径(D50)が6.0μm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の黒色亜鉛末。
- 分岐鎖を有する脂肪酸及びその塩からなる群より選択される少なくとも一種と亜鉛末とを含むスラリーを得る工程Aと、該スラリー中の亜鉛末をメディア処理により微細化及び黒色化する工程Bとを含むことを特徴とする黒色亜鉛末の製造方法。
- 前記脂肪酸及びその塩は、炭素原子数が8〜24であることを特徴とする請求項4に記載の黒色亜鉛末の製造方法。
- 前記脂肪酸及びその塩の使用量が亜鉛末100質量%に対して0.01〜5.0質量%であることを特徴とする請求項4又は5に記載の黒色亜鉛末の製造方法。
- 前記工程Bは、得られる亜鉛末のメジアン径(D50)が最大となるメディア処理時間を100%としたときの、200%を超える時間でメディア処理を行うことを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載の黒色亜鉛末の製造方法。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の黒色亜鉛末とバインダーとを含むことを特徴とする塗料。
- 前記黒色亜鉛末の含有量が、塗料中の固形分100質量%に対して5〜95質量%であることを特徴とする請求項8に記載の塗料。
- 前記塗料は、防食用途に用いられることを特徴とする請求項8又は9に記載の塗料。
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