JP4490133B2 - 防錆塗装した金属製品 - Google Patents

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本発明は鋼鉄製、鋳鉄製等の主として鉄系の金属製品に対し、クロム成分を含まない(非クロム)水性金属防錆塗料の塗膜及び非クロム表面処理剤の被覆が施された、防錆性能の優れた金属製品に関する。
金属防錆塗料では、イオン化傾向が基材の主成分である鉄等より大きいことによって犠牲防食効果を発揮する金属亜鉛粉末や金属アルミニウム粉末を防錆顔料として含むもの、例えばジンクリッチペイントが良く知られている。この種の金属防錆塗料には、アルコール等の有機溶媒を使う製品と、水で希釈できる水性の製品がある。従来の水性金属防錆塗料の結合剤水溶液中には、例えば米国ダイヤモンドシャムロック社出願の特許文献1に開示されている水性防錆塗料のようにクロム酸(六価クロム)成分が配合されている。
このクロム酸成分は、防錆塗膜に自己修復機能を付与して防錆塗膜の犠牲防食効果による防錆性能を顕著に増強させると同時に、結合剤水溶液中に分散されている金属亜鉛粉末や金属アルミニウム粉末の粒子表面に安定な化成膜を形成するインヒビターとして働き、結合剤水溶液と金属粉末との間で起きる反応を防いでいるので、クロム酸(六価クロム)を含む水性金属防錆塗料は防錆性能に優れ、ポットライフも長い。
しかし、六価クロム成分に毒性と発ガン性があることで、近年三価クロム成分を含むもの、さらには六価クロムに変化し得る三価クロム成分を含まない非クロムの水性金属防錆塗料が要望され、非クロムの水性金属防錆塗料がいくつか提案されている。
クロム酸成分を含まない水性金属防錆塗料はたいていクロム酸成分を含む水性金属防錆塗料と比べて防錆性能が劣っており、塗膜に傷がついたときの自己修復機能に欠けていたり、結合剤水溶液が弱酸性又は弱アルカリ性であるとき金属亜鉛粉末や金属アルミニウム粉末が結合剤水溶液の水と反応して水素ガスを発生する等の問題がある。塗料中で水素ガスが発生すると施工した塗膜に水素泡の跡が残って塗膜の防錆性能を損ねる他、増粘して防錆塗料のポットライフが短いという問題がある。
非クロム水性金属防錆塗料として、特許文献2にはオルガノファンクショナルシラン(水溶性シランカップリング剤を含む)と有機樹脂を反応させたオルガノシラン含有樹脂、エチルシリケート等の有機シリケート、エチルセロソルブ等の高沸点有機溶媒、及び水からなる結合剤溶液に、金属亜鉛粉末を組み合わせた防錆塗料(ジンクリッチペイント)が開示されている。
特許文献3には、α−β不飽和脂肪酸塩類を含む重合体からなる水溶性合成樹脂を結合剤に使ってほぼ中性(pH=7)の結合剤水溶液を作り、クロム酸成分に代わるインヒビターである金属防錆剤が添加された金属防食剤が開示されている。
また、特許文献4には亜鉛粉末、エポキシ樹脂、エポキシタイプのシランカップリング剤及び熱膨張性粉末(低沸点炭化水素を耐溶剤性の殻壁で内包したマイクロカプセル粉末)からなる有機溶媒系の防錆塗料が開示されている。
他に、特許文献5に開示された水希釈性金属防錆塗料(米国、メタルコーティングインターナショナル社出願)があり、この金属防錆塗料では結合剤に水溶性シラン化合物(実施例は水溶性シランカップリング剤)を用い、金属亜鉛粉末と高沸点有機液体を配合した塗料組成物が塗布された基板と、この塗装基板の表面にシリカ物質を上塗りして防錆性能を向上させる被覆を施した金属製品が開示されている。
このシリカ物質としてケイ酸塩(無機と有機)とコロイドシリカ(水系と溶媒系)を挙げ、有機ケイ酸塩としてケイ酸エチル等のアルキルケイ酸塩が例示されている。また、同じ出願人による特許文献6には、100℃よりも低い沸点の有機液体を混入した有機樹脂を含まない水希釈性金属防錆塗料が塗布された支持体と、この塗装支持体表面にシリカ物質を上塗りして被覆を施した支持体が開示されている。
特許文献7には、溶融亜鉛めっきの上にゾルゲル法によって、Si、AlまたはTiの酸化物質を形成する防錆コーティング方法が開示されている。特許文献7の実施例として記載されているSi酸化物のコーティング層は、供試材をゾル状のアルコキシド溶液(テトラエトキシシランのアルコール溶液に水と塩酸とを混合して加水分解し、縮重合したアルコキシシラン縮重合物のアルコール溶液)中に浸し、引き上げて乾燥、焼き付けて、コーティングを形成している。しかし、塩水噴霧試験では白錆が12時間以下の短時間で発生していて、防錆性能は充分ではない。
特許文献8には、水性コロイダルシリカを水で希釈した液中に亜鉛含有金属フレークを浸し亜鉛含有金属フレークの表面にコロイダルシリカの皮膜を形成し、亜鉛含有金属フレークが水と反応するのを防ぐ技術が開示されている。
また、特許文献9には表面にステアリン酸などの脂肪酸をコーティングした金属粉末を水性金属防錆塗料の防錆顔料に使った防食被覆組成物が開示されている。
従来、水性金属防錆塗料に配合する防錆顔料の鱗片状金属亜鉛粉末は、鱗片状金属亜鉛粉末と結合剤水溶液との間の反応を抑制するためステアリン酸などの脂肪酸やラウリルアルコールなどの高級アルコールで金属亜鉛粉末の表面を被覆し保護している。具体的には、金属アルミニウム粉末を混ぜた金属亜鉛粉末を鱗片化処理するときの有機媒体中に滑剤として脂肪酸や高級アルコールを溶解しておき、鱗片化処理後に溶媒を蒸発させて除き、鱗片状金属亜鉛粉末の表面にステアリン酸やラウリルアルコールを残して被覆する。しかし、この被覆方法では、ステアリン酸やラウリルアルコールが鱗片状金属亜鉛粉末粒子に対する接着剤としても機能し、鱗片状金属亜鉛粉末を二次粒子化する。一度できた鱗片状金属亜鉛粉末の二次粒子は一次粒子に解すことが難しく、塗料化して製品に塗装すると、塗膜中に鱗片状金属亜鉛粉末の二次粒子構造が残ってしまうため、薄くて防錆性能に優れた塗膜を形成し難い。二次粒子化した鱗片状金属亜鉛粉末を一次粒子に解す手段として、例えばジエットミルで鱗片状金属亜鉛粉末を一次粒子に解すことがきるが、解す際に鱗片状金属亜鉛粉末粒子が細かく千切れたり、粉末粒子表面の被覆を傷つけたりする。この方法で解した鱗片状金属亜鉛粉末を界面活性剤が添加された結合剤水溶液中に分散させて塗料化すると、鱗片状金属亜鉛粉末が結合剤水溶液と反応して水素泡が発生し、塗料粘度が次第に増加して遂にはゲル化することがあり、防錆塗料のポットライフが短いという問題がある。
米国特許第3907607号明細書 特開昭53−16044号公報 特許第3259976号公報 特開平10−68085号公報 特開平10−46058号公報 特開2002−121485号公報 特開2001−64782号公報 特開平6−9897号公報 特開2003−3271号公報
従来の非クロム防錆塗料が塗装された金属製品や、非クロム防錆塗料を塗装した金属製品に上塗り剤が塗布された金属製品は、クロム成分を含む防錆塗料と比べて防錆性能が劣っている。また、ファスナー類の塗装に適するように薄い塗膜で塗装した金属製品では防錆性能が不充分で、ある程度赤錆の発生を防止できても、白錆や黒錆が短時間で発生したりする等の問題がある。
非クロム防錆塗料では、結合剤水溶液と金属亜鉛粉末との反応が起きて防錆塗料の安定性(粘度増大やゲル化が起きる)に欠けていたり、金属製品に施した塗膜中に反応で生じた水素泡の跡が残って防錆性能を損ねたりする。また、鱗片状金属亜鉛粉末粒子を脂肪酸や高級アルコールで被覆すると、脂肪酸や高級アルコールが接着剤となって鱗片状金属亜鉛粉末を二次粒子化し、塗料液中は勿論、塗膜中においても二次粒子の形態を保持し、金属製品に塗装した塗膜中に二次粒子の組織が残るため薄くて防錆性能の優れた塗膜の形成が難しいという問題がある。また、水性シリカゾルで被覆処理された金属亜鉛粉末は白錆が発生し易いので、結合剤水溶液との間の反応を防ぐ被膜として不十分である。
本発明者らは、非クロム防錆塗料を塗装した金属製品におけるこれらの問題を解決し、ファスナー類の塗装に適した薄い塗膜を施した金属製品においても実用性のある防錆性能を示し、かつ白錆や黒錆の発生も長時間抑制できる防錆塗料と上塗り表面処理剤を施した金属製品を目指した研究を行い、本発明に到達した。即ち、本発明は比較的薄い防錆塗膜を施した金属製品においても実用性がある防錆性能を有し、白錆や黒錆の発生も長時間抑制できる防錆塗装した金属製品の提供を目的とする。
本発明による防錆塗装した金属製品は、水性樹脂エマルジョンと水溶性シランカップリング剤とを結合剤成分として含む結合剤水溶液中に、6〜35重量%の鱗片状金属アルミニウム粉末を含む鱗片状金属亜鉛粉末を防錆顔料として混合してなる非クロム水性金属防錆塗料を被塗装金属製品の表面に塗装して形成した塗膜と、アルコール類を溶媒とするテトラアルコキシシランを加水分解かつ縮重合した重量平均分子量が1500〜10000のシランオリゴマーを主成分とする非クロム表面処理剤を前記塗膜上に塗布して形成した被覆とを有することを特徴とする。
本発明で好ましくは、前記鱗片状金属亜鉛粉末はその粒子表面に疎水基を持つシラン化合物が付加されて撥水性を示すものであり、前記結合剤水溶液は前記鱗片状金属亜鉛粉末を濡らして分散せしめ得る有効量の界面活性剤を含むものである。
前記結合剤水溶液は、常温で固体のポリエチレングリコールを溶液状態で8重量%〜45重量%含むものであることが好ましい。
本発明による他の防錆塗装した金属製品は、被塗装金属製品の表面に形成した非クロムジンクリッチペイントの塗膜と、アルコール類を溶媒とするテトラアルコキシシランを加水分解かつ縮重合した重量平均分子量が1500〜10000のシランオリゴマーを主成分とする非クロム表面処理剤を前記塗膜上に塗布して形成した被覆とを有することを特徴とする。
前記非クロム表面処理剤が平均粒径70nm以下の一次粒子である分散処理された酸化チタン超微粉末を有効量含むものであることが好ましい。
前記非クロム表面処理剤は、アルコール類に溶ける樹脂成分を含むことが好ましい。
前記非クロム表面処理剤は、115℃よりも高い沸点を有するアルコール類を5%以上35%以下含むことが好ましい。
前記非クロム表面処理剤は、シランオリゴマーをシリカ成分に換算して8〜25重量%含むことが好ましい。
本発明において、前記塗膜の平均膜厚が4〜25μmであり、前記非クロム表面処理剤の被覆の平均厚さが1〜3μmであることが好ましい。
本発明の防錆塗装した金属製品は、被塗装金属製品が鉄を主成分とする鉄鋼製品又は鋳鉄製品であることが好ましい。
金属亜鉛粉末を防錆顔料とする塗料で防錆塗装した本発明の金属製品では、赤錆の発生を長時間防止できると同時に、白錆や黒錆の発生も長時間防ぐことができる。特に、防錆顔料の鱗片状金属亜鉛粉末の表面に疎水基を有するシラン化合物を付加することによって鱗片状金属亜鉛粉末の二次粒子化を効果的に防ぐことができ、防錆塗料の塗膜組織が顕著に改善されて薄い防錆塗膜で優れた防錆性能を達成できる。また、特定の重量平均分子量を有するアルコキシシランオリゴマーのアルコール溶液からなる非クロム表面処理剤は防錆塗膜の防錆性能向上に顕著に有効であり、更に酸化チタン超微粉末を表面処理剤に配合すると、防錆性能があきらかに向上する。また、表面処理剤に樹脂を併用すると更に防錆性能を向上させることができる。この場合、シランカップリング剤を併用すると酸化チタン超微粉末の分散状態が良くなり、被覆の密着性の向上効果も期待できる。
本発明で用いた表面処理剤は、市販されている防錆塗料のジンクリッチペイントに対しても同様に有効で、2μm弱の被覆を塗布するだけで、赤錆が発生するまでの時間を2倍以上に延ばすことができ、金属亜鉛が酸化して生じる白錆や黒錆の発生も長時間防止できる。
水性樹脂エマルジョンと水溶性シランカップリング剤とを結合剤成分として含む結合剤水溶液に鱗片状金属アルミニウム粉末を含む鱗片状金属亜鉛粉末を組み合わせた非クロム水性金属防錆塗料は、効果的な防錆性能と鉄系基材に対する良好な密着性を有し、調合した防錆塗料の安定性(ポットライフに影響)も良い。水性樹脂エマルジョンの好ましい配合量は、固体樹脂成分に換算した量で、鱗片状金属亜鉛粉末100重量部に対して0.4〜5重量部であり、水溶性シランカップリング剤の好ましい配合量は鱗片状金属亜鉛粉末100重量部に対して5〜75重量部である。配合量が少ないと併用する効果が殆ど認められず、片方の結合剤成分の配合量が多すぎると両成分の併用効果が損なわれる。より好ましい配合量は夫々0.5〜3重量部と7〜70重量部である。
水性樹脂エマルジョンとしては、水性エポキシ樹脂エマルジョン又は水性ブロックイソシアネート樹脂エマルジョンを使うのが好ましい。
水溶性シランカップリング剤としては、水に溶かしたときに安定(ゲル化しない)であって水溶液のpHがほぼ中性であるエポキシ官能基を有するシランカップリング剤を使うのが好ましい。
非クロム水性金属防錆塗料中に鱗片状金属亜鉛粉末を防錆顔料として配合する場合、塗膜内において鱗片状金属亜鉛粉末の鱗片状粒子が基材表面に平行にずれた状態で相互に積み重なった組織を形成することによって塗膜が少し薄くても優れた防錆性能を発揮する。鱗片状金属アルミニウム粉末を含む鱗片状金属亜鉛粉末の水性金属防錆塗料への配合量は、多すぎると塗料の流動性を損なって塗装しにくくなり、少ないと薄い塗膜しか形成できない。塗膜が薄いと防錆性能が不足するので、鱗片状金属亜鉛粉末の水性金属防錆塗料への配合量は10〜60重量%であることが好ましい。より好ましい鱗片状金属亜鉛粉末の配合量は20〜50重量%である。
鱗片状金属亜鉛粉末の一部が鱗片状金属アルミニウム粉末で置換してあると、鱗片状金属アルミニウム粉末が塗膜の表面付近に多く集まって明るい金属光沢を呈する塗膜になり、かつ長期間防錆性能を保持できる効果がある。鱗片状金属アルミニウム粉末の配合量が少ないとこの好ましい効果が得られず、多すぎると防錆性能が低下するので、鱗片状金属亜鉛粉末中の鱗片状金属アルミニウム粉末の配合量は6〜35重量%である。好ましい鱗片状金属アルミニウム粉末の配合量は8〜30重量%である。
水性金属防錆塗料の結合剤水溶液中には、通常上述の成分の他、基材を水に対し濡れ易くする界面活性剤、粘度を調整する増粘剤、グリコール類、アルコール類、インヒビター等が必要に応じて配合される。
結合剤水溶液中に配合するグリコール類としては、好ましくは常温で固体のポリエチレングリコールを使い、結合剤水溶液中に8〜45重量%配合する。ポリエチレングリコールは分子量が1000付近では常温で固体である。固体のポリエチレングリコールは安定な増粘剤としても働き、空気中の水分で潮解性を示すので、水性金属防錆塗料の結合剤水溶液中に配合しておくと塗料中の水分の蒸発を抑制する。従って、水性金属防錆塗料の使用時に安定した粘度を長時間保持できる。固体のポリエチレングリコールのさらに好ましい配合量は10〜40重量%である。
本発明では、先ず被塗装金属製品の表面に非クロム水性金属防錆塗料を例えばディップアンドスピン法で塗装し、焼き付けて塗膜を形成する。次いで、塗膜の防錆性能をさらに向上させるためこの塗膜上に1〜3μmの薄い非クロム表面処理剤の被覆を形成する。この表面処理剤は、その主成分である被覆形成剤として、アルコールを溶媒とするテトラアルコキシシランを加水分解しかつ縮重合した重量平均分子量が1000〜10000のアルコキシシランオリゴマーを使う。この表面処理剤を金属製品の塗膜に上塗りすると、赤錆は勿論、白錆や黒錆の発生を長時間防止できる防錆塗膜を形成できる。テトラアルコキシシランのアルコキシ基は炭素数が3以下のものが好ましく、その方が価格も安い。アルコキシシランオリゴマーの重合度はある程度大きく、重量平均分子量が1500以上であるのがより好ましい。重量平均分子量が1500よりも小さい場合には白錆の発生が少し早まる。重量平均分子量の大き過ぎるシランオリゴマーは不安定になる(表面処理剤がゲル化する)ので、重量平均分子量は9000以下であるのがより好ましい。重量平均分子量の測定はゲルパーミエイションクロマトグラフで行なう。表面処理剤中に配合するシランオリゴマーの量は、シリカ成分に換算した量で8〜25重量%であるのが好ましい。シランオリゴマーの配合量の多い表面処理剤を塗布すると厚い被覆が形成され、シランオリゴマーの配合量が少ない表面処理剤を塗布すると薄い被覆が形成される。被覆が薄いと表面処理剤を塗布する効果が損なわれ、被覆が厚いと表面処理剤を塗布するコストが嵩み、被覆の密着性が損なわれる。表面処理剤を塗布した被覆の厚さは1〜3μmであるのが好ましく、さらに好ましくは1.5〜2.5μmである。
非クロム表面処理剤は、好ましくは分散処理した平均粒径70nm以下の一次粒子からなる酸化チタン超微粉末を懸濁させたものとする。酸化チタン超微粉末には表面処理剤の防錆性能を向上させる効果がある。酸化チタン超微粉末を分散させた表面処理剤を塗布して形成した被覆は、シランオリゴマーの濃度が同じ場合酸化チタン超微粉末を分散させていない表面処理剤を塗布した被覆と比べて、形成される被覆の厚さが増す。酸化チタン超微粉末の表面処理剤への混入は、被覆表面の摩擦係数の調整にも有効である。
酸化チタン超微粉末の平均粒径は、好ましくは70nm以下、さらに好ましくは40nm以下である。可視光線の波長より一桁以上小さい粒径を有する一次粒子の酸化チタン超微粉末粒子は、一次粒子に分散しているとき被覆中で可視光線を散乱せず無色透明である。
有効量の酸化チタン超微粉末の含有は、表面処理剤の防錆効果を増強する効果がある。表面処理剤中に懸濁する酸化チタン超微粉末の配合量は、アルコキシシランオリゴマーのシリカ成分100重量部に対し好ましくは3〜25重量部、さらに好ましくは5〜20重量部である。配合量が少ないと防錆性能の増強効果が得られず、多過ぎると塗布した被覆が厚くなって白く着色したり、表面処理に要するコストが嵩んだりする。
シランオリゴマーのアルコール溶液は、通常低沸点のアルコールを主成分としているので、室内の湿度が高いと表面処理剤の塗布時に低沸点アルコールが蒸発して蒸発熱を奪うため結露が起きる。結露した水分で塗布した被覆が変質するのを防ぐため、エチルセロソルブ、n−ブチルアルコール、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等、沸点が115℃以上の高沸点アルコールを5〜35重量%混合しておくのが好ましい。この場合、酸化チタン超微粉末を高沸点アルコール中に混合したスラリーとし、これをビーズミルやボールミルで分散処理し、この分散処理した酸化チタン超微粉末のスラリーを表面処理剤に混合すると良い。
表面処理剤には、副成分としてポリビニルブチラール、フェノール樹脂等のアルコールに溶ける樹脂成分を添加することができる。樹脂成分の添加は通常表面処理剤の粘度を大きくし、被覆の厚さが増す。この場合、被覆の基材への密着性が良くなるように、シランカップリング剤を併用するのが好ましい。これら副成分の表面処理剤への添加は、防錆効果の向上に有効である。
鱗片状金属アルミニウム粉末を含む鱗片状金属亜鉛粉末を防錆顔料とする非クロム水性金属防錆塗料を被塗装金属製品に塗装する場合、例えばディップアンドスピン塗装1回で焼き付けると4〜10μmの塗膜を形成でき、2回ディップアンドスピン塗装して焼き付ければ凡そ2倍の厚さの塗膜を形成できる。例えば非クロム水性金属防錆塗装を約10μm塗装した金属製品に表面処理剤を塗布し、防錆塗装のみの金属製品と一緒に塩水噴霧試験機に入れて防錆性能を調べると、重量平均分子量が1000〜10000のシランオリゴマーを主成分とする表面処理剤の塗布によって赤錆が発生するまでの時間を2倍以上延長できる。非クロム水性金属防錆塗料の焼き付け温度は、230〜330℃の間で、非クロム表面処理剤の焼き付け温度は、180〜250℃の間で選ぶのが好ましい。表面処理剤はスプレーで大型の金属製品に塗布することができ、この場合アルコールで希釈して濃度を少し下げておくのが好ましい。
市販の非クロムジンクリッチペイントを金属製品に塗装した塗膜上に上述の非クロム表面処理剤を塗布すると、白錆及び赤錆の発生を長時間抑制することができる。例えば、市販の非クロムジンクリッチペイント(亜鉛粉末は粒状であっても良い)を金属製品に塗装した上に塗布したサンプルを塩水噴霧試験機に入れて比べると、赤錆が発生するまでの時間を2倍以上延長することができる。
防錆塗装する主な金属製品(被塗装金属製品)として、鋼鉄製品、鋳鉄製品を挙げることができるが、イオン化傾向が鉄に近く亜鉛より小さな金属の製品であれば、同様の防錆効果を期待することができる。
以下本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
平均粒径4μmの金属亜鉛粉末(本荘ケミカル(株)のF−3000)1kgに対しミネラルスピリット(三洋化成(株)のロウス)3kg、アルミニウムペースト(鱗片状金属アルミニウム粉末をアルミニウム成分換算で70重量%、ミネラルスピリット20重量%、ジプロピレングリコール10重量%含む)233g及びステアリン酸18gを混合してスラリー化し、このスラリーをサービスタンクからビーズミルに流して鱗片化処理した。
ビーズミルには三井鉱山(株)のSC100/32Aを使い、直径0.5mmのジルコニアボールを約0.65kg粉砕室に投入した。ビーズミルのロータを2650RPMで回転(ロータ周速約14m/秒)させ、スラリーをビーズミルとサービスタンクの間を約2時間循環させた。鱗片化処理した金属亜鉛粉末スラリーを、撹拌機付きの減圧容器を備えたミキサー(三井鉱山(株)のFM20BX型ヘンシェルミキサー)に入れて減圧乾燥し、乾いた鱗片状金属亜鉛粉末とした。この金属亜鉛粉末粒子の表面はステアリン酸の被膜で覆われているが、接着性のあるステアリン酸の存在によって二次粒子化しており、一次粒子に解すのが難しかった。そこでジエットミル(三井鉱山(株)N−CONDUXCGS16型)で二次粒子を一次粒子に解し、風簸分級して鱗片状金属亜鉛粉末を回収した。この鱗片状金属亜鉛粉末は撥水性があり水中に投入すると水面に浮かんだ。
この鱗片状金属亜鉛粉末(鱗片状金属アルミニウム粉末を14重量%含む)を使って次の組成となるよう調合し、混合後撹拌して水性金属防錆塗料を得た。
鱗片状金属亜鉛粉末 100重量部、
(鱗片状金属アルミニウム粉末を含む)
ステアリン酸 1.8重量部、
水性エポキシ樹脂エマルジョン 3重量部、
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン 46重量部、
ジプロピレングリコール 85.8重量部、
ノニオン系天然アルコールエトキシレート 2.8重量部、
硼酸 2.8重量部、
水 85.8重量部
上記において、水性エポキシ樹脂エマルジョンは大日本インキ化学工業(株)の製品であり、固体樹脂成分を20重量%含んでいるので、3重量部は固体樹脂成分に換算すると0.6重量部に相当する。γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランはエポキシ基を官能基として持つGE東芝シリコーン(株)の水溶性シランカップリング剤(TSL8350、有効成分100重量%)であり、ノニオン系天然アルコ−ルエトキシレートは旭電化(株)のHLB値が12.9の界面活性剤である。また、水の量には水性樹脂エマルジョンの水を含めてあり、以下の説明においても同様である。
塗料を調合してゆっくり撹拌を続け24時間経過後、この水性金属防錆塗料をディップアンドスピン法(金網籠の回転半径200mm、回転数340RPM)で長さ約30mmのM8ボルトに塗装し、250℃で15分間焼き付ける操作を2度繰り返し、防錆塗料塗装ボルト20本を得た。
次いで、この防錆塗料塗装ボルト10本に、表面処理剤としてアルコキシシランオリゴマーのアルコール溶液(テトラエトキシシランを加水分解して縮重合したシランオリゴマーの重量平均分子量約2240のもの、pH約3であり、シリカ成分を約20重量%含む。このアルコキシシランオリゴマーを以下「アルコキシシランオリゴマー1」とする。)をディップアンドスピン法で塗布し、180℃で15分間焼き付けた。このとき得られた防錆塗膜の厚さは約16μmで、表面処理剤の被覆の厚さは1〜2μm程度であった。塗膜断面の顕微鏡写真を撮って調べたところ、積層した二次粒子の鱗片状金属亜鉛粉末が多く認められ、塗膜の厚さが不均一で、積層した鱗片状金属亜鉛粉末二次粒子の間には隙間が存在し、水素気泡の跡と思われる穴のある塗膜組織が観察された。なお、アルコキシシランオリゴマーの重量平均分子量は東ソー(株)のゲルパーミエイションクロマトグラフHLC−8120GPCでテトラヒドロフランを溶媒とし、ポリスチレン標準で検量線を作って求めた。
実施例1で述べた鱗片状金属亜鉛粉末の調製時に、金属亜鉛粉末スラリーに混合するアルミニウムペーストを301gに増やしてステアリン酸で被覆した鱗片状金属亜鉛粉末(鱗片状金属アルミニウム粉末を17.4重量%含む)を準備した。この鱗片状金属亜鉛粉末を使って次の組成となるよう調合し、撹拌混合して水性金属防錆塗料を得た。
鱗片状金属亜鉛粉末 100重量部
(鱗片状金属アルミニウム粉末を含む)
ステアリン酸 1.8重量部
水性ブロックイソシアネート樹脂エマルジョン 2.7重量部
β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン 11.5重量部
ポリエチレングリコール(分子量約1000) 58.4重量部
ノニオン系天然アルコールエトキシレート 2.8重量部
モリブデン酸ナトリウム 1.4重量部
水 106重量部
上記の水性ブロックイソシアネート樹脂エマルジョンはガンツ化成(株)のプロミネート(固体樹脂成分45重量%含む)で、2.7重量部は固体樹脂成分に換算すると1.2重量部に相当する。β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシランは日本ユニカー(株)のコートシル1770である。分子量約1000のポリエチレングリコールは常温では固体で、潮解性を示すものであった。
塗料化して24時間経過後、この水性金属防錆塗料をディップアンドスピン法(金網籠の回転半径200mm、回転数340RPM)で長さ約30mmのM8ボルトに塗装し、250℃で15分間焼き付ける操作を2度繰り返し、防錆塗装ボルト20本を得た。次いで、この防錆塗装ボルト10本に、表面処理剤としてアルコキシシランオリゴマーのアルコール溶液(テトラアルコキシシランを加水分解して重合したアルコキシシランオリゴマーの重量平均分子量約8070のもの、pH約4であり、シリカ成分を約10重量%含む。このアルコキシシランオリゴマーを以下「アルコキシシランオリゴマー2」とする。)をディップアンドスピン法で塗布し、180℃で15分間焼き付けた。このとき得られた防錆塗料の塗膜の厚さは約15μmで、表面処理剤の被覆の厚さは1μm程度であった。塗膜断面の顕微鏡写真を撮って調べたところ、積層した二次粒子の鱗片状金属亜鉛粉末が多く認められ、塗膜の厚さが不均一で、積層した鱗片状金属亜鉛粉末二次粒子の間には隙間が存在し、水素気泡の跡と思われる穴のある塗膜組織が観察された。
実施例1で述べた鱗片状金属亜鉛粉末の調製時に、ステアリン酸に代えてラウリルアルコールをミネラルスピリット中に18g溶かして金属亜鉛粉末スラリーを作り、鱗片化処理後減圧乾燥してジエットミルで解し、ラウリルアルコールで被覆された鱗片状金属亜鉛粉末を準備した。この鱗片状金属亜鉛粉末を使って、次の組成となるよう調合し、撹拌混合して水性金属防錆塗料を得た。
鱗片状金属亜鉛粉末 100重量部
(鱗片状金属アルミニウム粉末を含む)
ラウリルアルコール 1.8重量部
水性ブロックイソシアネート樹脂エマルジョン 1.84重量部
β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン 55.3重量部
ポリエチレングリコール(分子量約1000) 85.8重量部
ノニオン系天然アルコ−ルエトキシレート 2.8重量部
モリブデン酸ナトリウム 1.4重量部
水 85.8重量部
上記の水性ブロックイソシアネート樹脂エマルジョンは実施例2で用いたものと同じで、1.84重量部は固体樹脂成分に換算すると0.83重量部に相当する。
塗料化後24時間経過した水性金属防錆塗料をディップアンドスピン法(金網籠の回転半径200mm、回転数340RPM)で長さ約30mmのM8ボルトに塗装し、250℃で15分間焼き付ける操作を2度繰り返し、防錆塗装ボルト20本を得た。次いで、この防錆塗装ボルト10本に、アルコキシシランオリゴマー1のアルコール溶液65重量部にエチルセロソルブ15重量部を混合した表面処理剤をディップアンドスピン法で塗布し、180℃で15分間焼き付けた。このとき得られた防錆塗料の塗膜の厚さは約16μmで、表面処理剤の被覆の厚さは1〜2μm程度であった。塗膜断面の顕微鏡写真を撮って調べたところ、積層した二次粒子の鱗片状金属亜鉛粉末が多く認められ、塗膜の厚さが不均一で、積層した鱗片状金属亜鉛粉末二次粒子の間には隙間が存在し、水素気泡の跡と思われる穴のある塗膜組織が観察された。
実施例3における鱗片状金属亜鉛粉末の調製時と同様にして乾燥後一次粒子に解した鱗片状金属亜鉛粉末を得た。この鱗片状金属亜鉛粉末を使って、モリブデン酸ナトリウムの代わりに硼酸を2.8重量部加えた他は実施例3と同様にして水性金属防錆塗料を得た。
24時間経過後、この水性金属防錆塗料をディップアンドスピン法(金網籠の回転半径200mm、回転数340RPM)で長さ約30mmのM8ボルトに塗装し、250℃で15分焼き付ける操作を1回行い、防錆塗装ボルト20本を得た。他方、酸化チタン超微粉末(多木化学(株)のタノイックA−100、一次粒子の平均粒径約8nm、比表面積約300m/g)をエチルセロソルブ中に混合して濃度16.7重量%のスラリーにし、直径5mmと3mmのジルコニアボールを1:1の割合で混ぜたボールを使うボールミルで24時間分散処理して酸化チタン超微粉末の分散液を得た。この分散液8重量部をアルコキシシランオリゴマー1のアルコール溶液80重量部に混合して表面処理剤とした。次いで、上記防錆塗装ボルト10本に表面処理剤をディップアンドスピン法で塗布し、180℃で15分焼き付けた。このとき得られた防錆塗料の塗膜厚さは約8μmで、表面処理剤の被覆の厚さは2μm弱であった。塗膜断面の顕微鏡写真を撮って調べたところ、鱗片状金属亜鉛粉末が積層した二次粒子が多く認められ、塗膜の厚さが不均一で、積層した鱗片状金属亜鉛粉末の二次粒子の間には隙間が存在し、水素気泡の跡と思われる穴のある塗膜組織が観察された。
平均粒径4μmの金属亜鉛粉末(本荘ケミカル(株)のF−3000)1kgに対しミネラルスピリット(三洋化成(株)のロウス)3kg、アルミニウムペースト(鱗片状金属アルミニウム粉末をアルミニウム成分換算で70重量%、ミネラルスピリット20重量%、ジプロピレングリコール10重量%含む)233g及びラウリルアルコール18gを混合してスラリー化し、この金属亜鉛粉末スラリーをサービスタンクからビーズミルに流し鱗片化処理した。ビーズミルは実施例1と同じ機種を用い、同じ条件で鱗片化処理した。
鱗片化処理した金属亜鉛粉末のスラリーをステンレス製容器に移し、しばらく放置しておくと比重が大きい鱗片状金属亜鉛粉末(鱗片状金属アルミニウム粉末との混合物、以下同じ)が底部に沈降してミネラルスピリットの上澄みができた。この上澄みを傾斜法又はサイフォンで取り除き、ブチルセロソルブで置換して鱗片状金属亜鉛粉末のブチルセロソルブスラリーを得た。別途600gのブチルセロソルブに2%の酢酸水溶液30gと、n−ヘキシルトリメトキシシラン(日本ユニカー(株)のAZ−6177)130gとを加えて撹拌しつつ約50℃に保温してアルコキシ基を加水分解したシランモノマー溶液を準備した。55℃に保温した鱗片状金属亜鉛粉末のブチルセロソルブスラリーを撹拌しながら加水分解したシランモノマー溶液を少しずつ5時間かけて加え、その後撹拌しつつ一晩放置した。
撹拌を止めて放置し、鱗片状金属亜鉛粉末を底部に沈降させて再度上澄みを傾斜法又はサイフォンで取り除き、濡れた鱗片状金属亜鉛粉末をアルミニウム製トレーに敷いた濾紙上に移して広げ、ブチルセロソルブを濾紙に吸収させ、そのまま一昼夜室内で乾燥し、さらに乾燥器に入れて120℃で数時間乾燥した。このようにして実質的にラウリルアルコールが含まれていない鱗片状金属亜鉛粉末を得た。
乾燥した鱗片状金属亜鉛粉末を水中に投入してかき混ぜたところ、水を撥いて水面に浮いた。この乾燥した鱗片状金属亜鉛粉末を使って次の組成となるよう調合し、混合撹拌して非クロム水性金属防錆塗料を得た。
鱗片状金属亜鉛粉末 100重量部
(鱗片状金属アルミニウム粉末を含む)
水性ブロックイソシアネート樹脂エマルジョン 1.84重量部、
β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン 55.3重量部
ポリエチレングリコール(分子量約1000) 85.8重量部
ノニオン系天然アルコールエトキシレート 2.8重量部
硼酸 2.8重量部
水 85.8重量部
上記の水性ブロックイソシアネート樹脂エマルジョンは実施例2で用いたものと同じで、1.84重量部は固体樹脂成分に換算すると0.83重量部に相当する。
実施例1と同様にしてこの防錆塗料をディップアンドスピン法でM8ボルト20本に塗装し、250℃で15分間焼き付ける操作を2回繰り返した。次いで、防錆塗装したボルト10本の塗膜上に実施例4と同じ表面処理剤を塗布し、180℃で焼き付けた。このとき、ボルトに塗装された塗膜厚さは約12μmであり、表面処理剤の被覆厚さは2μm弱であった。塗膜断面の顕微鏡写真を撮って調べたところ、塗膜中には積層した二次粒子状態の鱗片状金属亜鉛粉末が認められず、一次粒子の状態で分散した鱗片状金属亜鉛粉末が基材表面に平行な方向に互いにずれた状態で並んで、基材表面を幾重にも覆った塗膜組織が観察された。
実施例5と同様にして乾燥鱗片状金属亜鉛粉末を作り、硼酸の代わりにモリブデン酸ナトリウム1.4重量部を加えた他は実施例5と同様にして防錆塗料を調製した。実施例1と同様にしてこの防錆塗料をディップアンドスピン法でM8ボルト20本に塗装し、250℃で15分間焼き付ける操作を2回繰り返した。
酸化チタン超微粉末(昭和電工(株)のスーパータイタニアF−6 一次粒子平均径約15nm、比表面積約100m/g)をエチルセロソルブ中に混合して濃度16.7重量%のスラリーにし、実施例4と同様にボールミルで24時間分散処理して酸化チタン超微粉末の分散液を得た。この分散液8重量部をアルコキシシランオリゴマー2のアルコール溶液80重量部に混合して表面処理剤とした。次いで、上記の防錆塗装したボルト10本の塗膜上に、表面処理剤をディップアンドスピン法で塗布し、180℃で15分間焼き付けた。塗膜断面の顕微鏡写真を撮って調べたところ、このとき得られた防錆塗料の塗膜厚さは約11μmで、表面処理剤の被覆の厚さは約1μmであった。また、塗膜中には積層した二次粒子状態の鱗片状金属亜鉛粉末が観察されず、一次粒子の状態に分散した鱗片状金属亜鉛粉末が基材表面に平行な方向に互いにずれた状態で並んで、基材表面を幾重にも覆った塗膜組織が観察された。
実施例6と同様にして防錆塗料を調製し、M8ボルト20本にディップアンドスピン法で塗装して250℃で焼き付ける操作を2回繰り返した。酸化チタン超微粉末(昭和電工(株)のスーパータイタニアF−6)をエチルセロソルブ中に混合して濃度16.7重量%のスラリーにし、実施例4と同様にボールミルで24時間分散処理して酸化チタン超微粉末の分散液を得た。この分散液8重量部をアルコキシシランオリゴマー1のアルコール溶液80重量部に混合して表面処理剤とした。上記防錆塗装ボルト10本に、表面処理剤をディップアンドスピン法で塗布し、180℃で15分間焼き付けた。塗膜断面の顕微鏡写真を撮って調べたところ、防錆塗料の塗膜厚さは約12μmで、表面処理剤の被覆の厚さは2μm弱であった。またボルトに塗装した塗膜中には実施例5や実施例6と同様に鱗片状金属亜鉛粉末の一次粒子が基材表面にほぼ平行に互いにずれた状態で並んだ層状組織が観察された。
実施例6と同様にして防錆塗料を調製し、M8ボルト20本にディップアンドスピン法で防錆塗料を塗装し250℃で15分間焼き付ける操作を1回行なった。この防錆塗装ボルトに実施例7と同じ表面処理剤をディップアンドスピン法で塗布し、180℃で15分間焼き付けた。塗膜断面の顕微鏡写真を撮って調べたところ、このとき得られた防錆塗料の塗膜厚さは約6μmで、表面処理剤の被覆の厚さは2μm弱であった。またボルトに塗装した塗膜中には実施例5と同様に鱗片状金属亜鉛粉末の一次粒子が基材表面に平行に互いにずれた状態で並んだ層状組織が観察された。
実施例6と同様にして防錆塗料を調製し、M8ボルト20本にディップアンドスピン法で防錆塗料を塗装し250℃で15分間焼き付ける操作を2回繰り返した。1−メトキシ−2−プロパノール(プロピレングリコールモノメチルエーテルともいう)中に16.7重量%の酸化チタン超微粉末(昭和電工(株)のスーパータイタニアF−6)を混合し、ボールミルで24時間分散処理して酸化チタン超微粉末の分散液を得た。この分散液8重量部をアルコキシシランオリゴマー1のアルコール溶液80重量部に混合して表面処理剤とした。防錆塗装ボルトに表面処理剤をディップアンドスピン法で塗布し、180℃で15分間焼き付けた。塗膜断面の顕微鏡写真を撮って調べたところ、このとき得られた防錆塗料の塗膜厚さは約12μmで、表面処理剤の被覆の厚さは2μm弱であった。またボルトに塗装した塗膜中には実施例5と同様に鱗片状金属亜鉛粉末の一次粒子が基材表面に平行に、かつ互いに平行にずれた状態で並んだ組織が観察された。
実施例5で述べた鱗片状金属亜鉛粉末の調製時に、鱗片状金属アルミニウム粉末の含有量を35重量%に増やした乾燥鱗片状金属亜鉛粉末を調製した。この乾燥鱗片状金属亜鉛粉末を使って次の組成となるよう調合し、混合撹拌して防錆塗料を得た。
鱗片状金属亜鉛粉末 100重量部
(鱗片状金属アルミニウム粉末を含む)
水性ブロックイソシアネート樹脂エマルジョン 1.84重量部
β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン 67重量部
ポリエチレングリコール(分子量約1000) 33重量部
ノニオン系天然アルコールエトキシレート 6.7重量部
カルボキシメチルセルロ−ズ(増粘剤) 0.6重量部
モリブデン酸ナトリウム 1.0重量部
水 75.7重量部
上記の水性ブロックイソシアネート樹脂エマルジョンは実施例2で用いたものと同じで、1.84重量部を固体樹脂成分に換算すると0.83重量部に相当する。
この防錆塗料をM8ボルト20本にディップアンドスピン法で塗装し250℃で15分間焼き付けた(1回のみ)。この防錆塗装ボルト10本に、アルコキシシランオリゴマー1、実施例7で調製した酸化チタン超微粉末スラリー、ポリビニルブチラール樹脂(積水化学(株)のBM−1)およびシランカップリング剤(γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)を混合した下記調合の表面処理剤をディップアンドスピン法で塗布し、180℃で15分間焼き付けた。
この表面処理剤の調合組成は次のとおりである。
アルコキシシランオリゴマー1のアルコール溶液 65重量部
エチルセロソルブ 16.2重量部
シランカップリング剤 5重量部
ポリビニルブチラール樹脂 0.5重量部
酸化チタン超微粉末 1.33重量部
表面処理剤の調合には、 ポリビニルブチラール樹脂を予めエチルセロソルブに溶かした10重量%溶液を使用した。
得られた防錆塗装ボルトを切断して塗膜断面の顕微鏡写真を撮って調べたところ、防錆塗料の塗膜厚さは約10μmで、表面処理剤の被覆の厚さは2μm弱であった。またボルトに塗装した塗膜中には実施例5と同様に鱗片状金属亜鉛粉末の一次粒子が基材表面に平行に互いにずれた状態で並んだ組織が観察された。
実施例6と同様にして防錆塗料を調製し、M8ボルト20本にディップアンドスピン法で塗装して250℃で15分間焼き付ける操作を2回繰り返した。この防錆塗装したM8ボルト10本に、実施例10で調製した表面処理剤をディップアンドスピン法で塗布し、180℃で15分間焼き付けた。
得られた防錆塗装ボルトを切断して塗膜断面の顕微鏡写真を撮って調べたところ、防錆塗料の塗膜厚さは約12μmで、表面処理剤の被覆の厚さは2μm弱であった。またM8ボルトに塗装した塗膜中には実施例5と同様に鱗片状金属亜鉛粉末の一次粒子が基材表面に平行に、互いに平行にずれた状態で並んだ組織が観察された。
サーマテックインターナショナル社(米国)製の非クロムジンクリッチペイントであるサーマガード1407(粒子状の金属亜鉛粉末を防錆顔料に使った水性塗料)のベースコート塗料を鋳鉄片にディップアンドスピン法で1回塗装し、その乾燥した塗膜上に実施例8で使用した表面処理剤をディップアンドスピン法で塗布して180℃で15分間焼き付けた。
防錆塗膜と表面処理剤の被覆を付けた鋳鉄片の切断面を顕微鏡写真で調べたところ、塗膜の厚さは約25μmで、表面処理剤の被覆の厚さは2μm弱であった。
(比較例1)
実施例1で使用した鱗片状金属亜鉛粉末(ステアリン酸で被覆、鱗片状金属アルミニウム粉末14重量%含む)を使って次の組成の防錆塗料を調合した。
鱗片状金属亜鉛粉末 100重量部
ステアリン酸 1.8重量部
水性エポキシ樹脂エマルジョン 19重量部
ジプロピレングリコール 85.8重量部
ノニオン系天然アルコールエトキシレート 2.8重量部
硼酸 2.8重量部
水 85.8重量部
水性エポキシ樹脂エマルジョンは実施例1で使用した樹脂成分を20重量%含むもので、19重量部を固体樹脂成分に換算すると3.8重量部に相当する。得られた防錆塗料をM8ボルト20本にディップアンドスピン法で塗装して250℃で15分間焼き付ける操作を2回繰り返した。酸化チタン超微粉末(昭和電工(株)のスーパータイタニアF−6)をエチルセロソルブ中に16.7重量%混合してスラリーとし、このスラリーをボールミルで24時間分散処理して酸化チタン超微粉末の分散液を得た。この分散液8重量部をテトラエトキシシランを加水分解し縮重合したアルコキシシランオリゴマー(重量平均分子量は約900で、ケイ素をシリカ成分に換算して40重量%含む。以下「アルコキシシランオリゴマー3」とする。)80重量部に混合して表面処理剤とした。防錆塗装したM8ボルト10本に、表面処理剤をディップアンドスピン法で塗布し、180℃で15分間焼き付けた。
防錆塗料の塗膜と表面処理剤の被覆を付けたM8ボルトの切断面を顕微鏡写真で調べたところ、塗膜の厚さは約17μmで、被覆の厚さは2μm弱であった。
(比較例2)
実施例6と同じ組成の防錆塗料を調製し、M8ボルト20本にディップアンドスピン法で塗装して250℃で15分間焼き付ける操作を2回繰り返した。酸化チタン超微粉末(昭和電工(株)のスーパータイタニアF−6)をイオン交換水中に16.7重量%混合してスラリーとし、このスラリーを実施例4と同様にボールミルで24時間分散処理して酸化チタン超微粉末の分散液を得た。この分散液8重量部を日産化学工業(株)のスノーテックスXS(水性コロイドシリカでシリカ成分を約20重量%含む)80重量部に混合し、濡れ剤のダイノール604(日信化学工業(株)製品)を3滴(約0.07重量部)添加して表面処理剤とした。防錆塗装したM8ボルト10本に、この表面処理剤をディップアンドスピン法で塗布し、180℃で15分間焼き付けた。
防錆塗料の塗膜と表面処理剤の被覆を付けたM8ボルトの切断面を顕微鏡写真で調べたところ、塗膜の厚さは約12μmで、被覆の厚さは2μm弱であった。
(比較例3)
実施例10と同じ組成の防錆塗料を調製し、M8ボルト20本にディップアンドスピン法で塗装し250℃で15分間焼き付けた(1回のみ)。酸化チタン超微粉末(昭和電工(株)のスーパータイタニアF−6)をイオン交換水中に16.7重量%混合してスラリーとし、このスラリーを実施例4と同様にボールミルで24時間分散処理して酸化チタン超微粉末の分散液を得た。この分散液8重量部をスノーテックスXS80重量部に混合し、濡れ剤としてダイノール604を3滴(約0.07重量部)添加して表面処理剤とした。防錆塗装したM8ボルト10本に、表面処理剤をディップアンドスピン法で塗布し、180℃で15分間焼き付けた。防錆塗料の塗膜と表面処理剤の被覆を付けたM8ボルトの切断面を顕微鏡写真で調べたところ、塗膜の厚さは約11μmで、被覆の厚さは2μm弱であった。
Figure 0004490133
Figure 0004490133
Figure 0004490133
上述の実施例1〜12および比較例1〜3で用いた水性金属防錆塗料と表面処理剤の組成をそれぞれ表1と表2に示した。実施例1〜12および比較例1〜3において水性金属防錆塗料を塗装したM8ボルトと、防錆塗膜の上に表面処理剤を塗布したM8ボルト各5本を塩水噴霧試験(JIS−Z2371)に付して防錆性能を評価した。防錆性能の結果を5本のボルトのうち3本に白錆または黒錆の発生を認めた時間および赤錆の発生を認めた時間で表し、表3に纏めて示している。
塩水噴霧試験による防錆性能評価結果からわかるように、本発明の防錆塗装した金属製品では赤錆の発生を長時間防止できると同時に、白錆や黒錆の発生も長時間防ぐことができた。特に、表面処理剤に成膜剤として使うシリカ成分として、アルコールを溶媒とするアルコキシシランオリゴマーであって、加水分解された重量平均分子量が1000より大きいものを使うことで金属亜鉛が酸化して生じる白錆と黒錆の発生を長時間防止できる。水性コロイドシリカを表面処理剤の成膜剤として使った場合、比較例2,比較例3で示したように赤錆の発生は長時間防止できるが、白錆や黒錆の発生が早い。
到達できる塗膜の防錆性能は、付随する各種条件によって変わる。特に、防錆塗料に使う鱗片状金属亜鉛粉末の表面に疎水基を有するシラン化合物を付加することによって鱗片状金属亜鉛粉末の二次粒子化を効果的に防ぐことができ、防錆塗膜の組織が顕著に改善されて薄い防錆塗膜でも優れた防錆性能を達成できる。また、酸化チタン超微粉末を表面処理剤に配合すると、防錆性能があきらかに向上する。また、表面処理剤にポリビニルブチラール等のアルコールに可溶な樹脂を添加することで防錆性能が一層向上し、更に長時間白錆の発生を抑制できることが分かった。表面処理剤に樹脂を併用する場合、基材に対する塗膜の良好な密着性が得られるよう、シランカップリング剤を併用すると良い。シランカップリング剤の併用は、表面処理材中の酸化チタン超微粉末の分散状態にも寄与する。
表面処理剤は、市販されている防錆塗料のジンクリッチペイントに対しても同様に有効で、2μm程度の被覆をするだけで、赤錆が発生するまでの時間を2倍以上に延ばすことができ、金属亜鉛が酸化して生じる白錆や黒錆の発生も長時間防止できる。

Claims (10)

  1. 水性樹脂エマルジョンと水溶性シランカップリング剤とを結合剤成分として含む結合剤水溶液中に、6〜35重量%の鱗片状金属アルミニウム粉末を含む鱗片状金属亜鉛粉末を防錆顔料として混合してなる非クロム水性金属防錆塗料を被塗装金属製品の表面に塗装して形成した塗膜と、アルコール類を溶媒とするテトラアルコキシシランを加水分解かつ縮重合した重量平均分子量が1500〜10000のシランオリゴマーを主成分とする非クロム表面処理剤を前記塗膜上に塗布して形成した被覆とを有することを特徴とする防錆塗装した金属製品。
  2. 前記鱗片状金属亜鉛粉末は、その粒子表面に疎水基を持つシラン化合物が付加されて撥水性を示すものであり、前記結合剤水溶液は前記鱗片状金属亜鉛粉末を濡らして分散せしめ得る有効量の界面活性剤を含むものであることを特徴とする請求項1に記載の防錆塗装した金属製品。
  3. 前記結合剤水溶液が常温で固体のポリエチレングリコールを溶液状態で8重量%〜45重量%含むものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の防錆塗装した金属製品。
  4. 被塗装金属製品の表面に形成した非クロムジンクリッチペイントの塗膜と、アルコール類を溶媒とするテトラアルコキシシランを加水分解かつ縮重合した重量平均分子量が1500〜10000のシランオリゴマーを主成分とする非クロム表面処理剤を前記塗膜上に塗布して形成した被覆とを有することを特徴とする防錆塗装した金属製品。
  5. 前記非クロム表面処理剤が平均粒径70nm以下の一次粒子からなる分散処理された酸化チタン超微粉末を有効量含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の防錆塗装した金属製品。
  6. 前記非クロム表面処理剤がアルコール類に溶ける樹脂成分を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の防錆塗装した金属製品。
  7. 前記非クロム表面処理剤が115℃よりも高い沸点を有するアルコール類を5%以上35%以下含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の防錆塗装した金属製品。
  8. 前記非クロム表面処理剤がシランオリゴマーをシリカ成分に換算して8〜25重量%含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の防錆塗装した金属製品。
  9. 前記塗膜の平均膜厚が4〜25μmであり、前記非クロム表面処理剤の被覆の平均厚さが1〜3μmであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか記載の防錆塗装した金属製品。
  10. 前記被塗装金属製品が鉄を主成分とする鉄鋼製品又は鋳鉄製品であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の防錆塗装した金属製品。
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