JP2020105491A - 量子ドット、インク組成物及び印刷物 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた外部蛍光量子効率を示す量子ドット、量子ドットの濃度が十分であるため優れた外部蛍光量子効率を達成し、さらに量子ドットの分散安定性に優れ、良好なインクジェット吐出性を示すインク組成物、及び印刷物の提供。【解決手段】上記課題は、下記一般式(1)で示される、分子量が250以下の化合物で表面処理された半導体微粒子である量子ドット(A)、該量子ドットを含むインク組成物、及び印刷物によって解決される。一般式(1) : Q−R1−X−(R2−O)n−R3[一般式(1)中、Qはスルファニル基、アルキルスルファニル基、又は硫黄原子を含有する1価の複素環基であり、R1は直接結合又は炭素数1〜6のアルキレン基であり、Xはエステル結合であり、R2はエチレン基又はプロピレン基であり、R3はアルキル基であり、nは1又は2の整数である。]【選択図】 なし

Description

本発明は、優れた外部蛍光量子効率を示す量子ドット、インクジェット方式に最適なインク組成物及び印刷物に関する。
量子ドットは、量子力学に従う独特な光学特性を発現させるために、電子を微小な空間に閉じ込めるために形成された極小さな粒(ドット)である。1粒の量子ドットの大きさは、直径1ナノメートルから数10ナノメートルであり、約1万個以下の原子で構成されている。発する蛍光の波長が、粒の大きさで連続的に制御できること、蛍光強度の波長分布が対称性の高いシャープな発光が得られることから近年注目を集めている。
量子ドットは、人体を透過しやすい波長に蛍光を調整でき、体内のあらゆる場所に送達できることより生体イメージング用途としての発光材料、褪色の恐れがない太陽電池用途としての波長変換材料、エレクトロニクス・フォトニクス用途としての発光材料又は波長変換材料への展開検討が行われている。
量子ドットを波長変換材料として利用すると、量子ドット層にバックライトの光が十分吸収されず、バックライトの光が透過し、光が十分に変換されない事が課題となる。上記課題を解決するために、散乱を利用して光を拡散させる方法が提案されており、例えば、特許文献1には、量子ドットを含む色変換層とは別に、散乱粒子を有する光拡散層を設けることが記載されている。また、特許文献2には、リガンドとしてトリオクチルホスフィンを用いた量子ドットと無機散乱粒子とを含む、沈降安定性に優れる自発光樹脂組成物が記載されている。
一方、散乱を利用する以外にも、量子ドットの塗膜中の濃度を高める事で、光吸収及び光変換を増強する方法が提案されており、具体的には、量子ドットの表面に結合しているリガンドを最適化し、塗膜や組成物中での相溶性を向上させることが記載されている。例えば、特許文献3には、ポリアルキレングリコール鎖を半導体超微粒子に定着させて、親水性と生体物質への非特異吸着性とを両立させることが記載されている。また、特許文献4には、量子ドットとアルミナで被覆された光散乱性粒子である酸化チタンと高分子分散剤とを含む、沈降分離抑制性と吐出安定性に優れたインクジェットインキが記載されている。
特開2017−161938号公報 特開2016−098375号公報 特開2002−121549号公報 特開2018−109141号公報
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、光拡散層を追加で設けることによって、光波長変換効率を向上させることができるが、表示装置自体の複雑さが増し、工程性に問題が発生する。
また、特許文献2に記載の方法では、トリオクチルホスフィンをリガンドとして使用しているため、量子ドットの濃度を高めようとした場合に、分散安定性及びインクジェット吐出性が不十分となり、結果として量子ドットの濃度を高めることができず、光物性が不十分であった。
特許文献3では、量子ドットのリガンド設計により、水に対する相溶性は達成されているが、溶剤に対する相溶性に劣る課題があった。また、特許文献3には、塗膜の外部変換効率について開示されていない。
また、特許文献4に記載の方法では、長鎖アルキレンオキシ基を有するリガンドを用いており、量子ドットの濃度を高めようとした場合に、分散安定性及びインクジェット吐出性が不十分となり、結果として量子ドットの濃度を高めることができず、光物性が不十分であった。
すなわち本発明の課題は、優れた外部蛍光量子効率を示す量子ドット、量子ドットの濃度が十分であるため優れた外部蛍光量子効率を達成し、さらに量子ドットの分散安定性に優れ、良好なインクジェット吐出性を示すインク組成物、及び印刷物を提供することである。
本発明は、以下の発明〔1〕〜〔11〕に関する。
〔1〕 下記一般式(1)で示される、分子量が250以下の化合物で表面処理された半導体微粒子である、量子ドット(A)。
一般式(1) : Q−R−X−(R−O)−R
[一般式(1)中、Qはスルファニル基、アルキルスルファニル基、又は硫黄原子を含有する1価の複素環基であり、Rは直接結合又は炭素数1〜6のアルキレン基であり、Xはエステル結合であり、Rはエチレン基又はプロピレン基であり、Rはアルキル基であり、nは1又は2の整数である。]
〔2〕 前記半導体微粒子が化合物半導体である、〔1〕に記載の量子ドット(A)。
〔3〕 前記半導体微粒子がコア・シェル型であり、前記一般式(1)で示される化合物でシェル表面が処理されてなる、〔1〕又は〔2〕に記載の量子ドット(A)。
〔4〕 一般式(1)のQがスルファニル基である、〔1〕〜〔3〕いずれか1項に記載の量子ドット(A)。
〔5〕 一般式(1)のRが炭素数1〜6のアルキレン基である、〔1〕〜〔4〕いずれか1項に記載の量子ドット(A)。
〔6〕 一般式(1)で表される化合物の分子量が180〜230である、〔1〕〜〔5〕いずれか1項に記載の量子ドット(A)。
〔7〕 〔1〕〜〔6〕いずれか1項に記載の量子ドット(A)と溶剤(B)とを含むインク組成物。
〔8〕 〔1〕〜〔6〕いずれか1項に記載の量子ドット(A)とバインダー成分(C)とを含むインク組成物。
〔9〕 さらに、光散乱粒子(D)を含む、〔7〕又は〔8〕に記載のインク組成物。
〔10〕 インクジェット方式で用いられる、〔7〕〜〔9〕いずれか1項に記載のインク組成物。
〔11〕 〔7〕〜〔10〕いずれか1項に記載のインク組成物を用いて形成される印刷物。
本発明により、優れた外部蛍光量子効率を示す量子ドット、優れた外部蛍光量子効率を達成し、さらに量子ドットの分散安定性に優れ、良好なインクジェット吐出性を示すインク組成物、及び印刷物を提供することができる。
<量子ドット(A)>
本発明の量子ドット(A)は、下記一般式(1)で示される化合物で表面処理された半導体微粒子である。「表面処理された」とは、半導体微粒子表面の少なくとも一部に当該化合物を有していることであらい、このような半導体微粒子の表面に存在する化合物をリガンドともいう。
以下、本発明を詳細に説明する。なお、特段記載のない限り、「部」及び「%」は、「質量部」及び「質量%」を表す。
[半導体微粒子]
半導体微粒子は、主に無機物を成分とする半導体であり、単一組成でも、コア・シェル型でも、3層以上の複数層になっていてもよい。
半導体は、周期表1族元素、2族元素、10族元素、11族元素、12族元素、13族元素、14族元素、15族元素、16族元素及び17族元素で示される元素の群から選ばれる少なくとも2種以上の元素を含む化合物からなる半導体である。より好ましくは化合物半導体であり、化合物半導体は、H、K、Rb、Cs、Cu、Ag、Zn、Cd、Hg、B、Al、Ga、In、Tl、C、Si、Ge、Sn、N、P、As、Sb、Pb、O、S、Se、Te、F、Cl、Br及びIで示される元素群から選ばれる少なくとも2種の元素を含む化合物からなる半導体であり、具体的にはCuCl、CdS、CdSe、CdTe、ZnS、ZnSe、ZnTe、MgTe、GaAs、GaP、GaSb、GaN、HgS、HgSe、HgTe、InAs、InP、InSb、InN、AlAs、AlP、AlSb、AlS、PbS、PbSe、Ge、Si、CuInS、AgInS、Si、Ge、Pb、InGaP、CHNHPbF、CHNHPbCl、CHNHPbBr、CHNHPbI、CsPbF、CsPbCl、CsPbBr、CsPbI、RbPbF、RbPbCl、RbPbBr、RbPbI、KPbF、KPbCl、KPbBr、KPbI等が挙げられる。さらに好ましくは、H、K、Rb、Cs、Cu、Ag、Zn、B、Al、Ga、In、C、Si、Ge、Sn、N、P、O,S,Te、Cl、Br及びIで示される元素群から選ばれる少なくとも2種の元素を含む化合物からなる半導体である。
可視光を発光する用途では、バンドギャップの狭さからInを構成元素として含む半導体が、さらに好ましい。
コア・シェル型の半導体微粒子は、コアを形成する半導体と異なる成分からなる半導体でコア構造を被覆した構造である。シェルをバントギャップの大きい半導体とすることで、光励起によって生成された励起子(電子−正孔対)はコア内に閉じ込められる。その結果、半導体微粒子表面での無輻射遷移の確率が減少し、発光の量子効率及び半導体量子ドットの蛍光特性の安定性が向上するため好ましい。
コアとシェルとを含めた半導体微粒子の平均粒径は0.5nm〜100nmであることが好ましく、所望の発色が得られる粒径を選択することができる。コア・シェル型の場合、一つの半導体微粒子の中に複数のシェル微粒子を含有してもよい。単一半導体組成である場合の半導体微粒子の平均粒径及び、コア・シェル型のコアの平均粒径は0.5nm〜10nmであることが好ましい。平均粒径が0.5nm以上であると合成面で好ましく、10nm以下であると量子閉じ込め効果が向上し求める蛍光が得られやすいため好ましい。
また、量子ドットは、平均粒径が2nm〜1μmであることが好ましい。量子ドットの形状は、球状に限らず、棒状、円盤状、そのほかの形状であっても良い。
ここで言う平均粒径とは、半導体微粒子を透過型電子顕微鏡で観察し、無作為に30個のサイズを計測してその平均値を採用した値を指す。この際、半導体微粒子は後述のリガンドを伴うため、エネルギー分散型X線分析が付帯した走査型透過電子顕微鏡を用いることで、半導体材質部を特定した上で、透過型電子顕微鏡像において電子密度の違いから後述のリガンドに対し半導体微粒子部分は暗く撮像されることを利用し粒径を計測する。
[一般式(1)で示される化合物]
一般式(1) : Q−R−X−(R−O)−R
[一般式(1)中、Qはスルファニル基、アルキルスルファニル基、又は硫黄原子を含有する1価の複素環基であり、Rは直接結合又は炭素数1〜6のアルキレン基であり、Xはエステル結合であり、Rはエチレン基又はプロピレン基であり、Rはアルキル基であり、nは1又は2の整数であり、一般式(1)で示される化合物の分子量は250以下である。]
Qの硫黄原子を含有する1価の複素環基としては、例えば、チエニル基、テトラヒドロチエニル基、チアニル基、チアゾリル基又はチアジニル基が挙げられる。これらは、炭素数1〜6のアルキル基で置換されていてもよい。より好ましくは、チエニル基又はチアニル基である。
一般式(1)の置換基Qとして好ましくは、スルファニル基、アルキルスルファニル基、チエニル基又はチアニル基であり、より好ましくは、スルファニル基である。
Qのアルキルスルファニル基におけるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、ヘキシル基等の直鎖アルキル基が挙げられる。前記アルキル基は、一部の水素が脱落し2重結合を形成していてもよく、環を形成していてもよい。アルキル基としては、炭素数1〜6のアルキル基が好ましく、より好ましくは炭素数1〜3のアルキル基であり、特に好ましくはメチル基である。
におけるアルキル基としては、メチル基、エチル基、ヘキシル基等の直鎖アルキル基が挙げられ、前記アルキル基は、炭素数1〜3のアルキル基で置換されていてもよく、また、一部の水素が脱落し2重結合を形成していてもよいし、環を形成していてもよい。炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、より好ましくは炭素数1〜2のアルキル基であり、特に好ましくはメチル基である。
は、炭素数1〜6のアルキレン基であることが好ましい。Rにおける炭素数1〜6のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基等が挙げられ、好ましくは炭素数が2又は3のアルキレン基であり、より好ましくはエチレン基である。
また、nは2であることが好ましい。
量子ドットの含有比率を向上させ、かつ相溶性を確保する観点から、一般式(1)で示される化合物の分子量は250以下であり、好ましくは100〜250であり、より好ましくは150〜250であり、特に好ましくは180〜230である。
一般式(1)で示される化合物の具体例を下記表1〜表4に示す。
Figure 2020105491
Figure 2020105491
Figure 2020105491
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量子ドット(A)は、一般式(1)で表される化合物に加えて、さらに別の公知リガンドで表面処理されていてもよい。また、一般式(1)で表される化合物以外の公知のリガンドで表面処理された、公知の量子ドットを併用してもよい。
<インク組成物>
本発明の量子ドットは、さらに溶剤(B)及び/又はバインダー成分(C)を含むことでインク組成物とすることができる。
<溶剤(B)>
溶剤(B)は有機溶剤であることが好ましく、インクジェットインクにおいて通常使用されている有機溶剤を用いることが好ましい。一般に、インクジェットインクに用いられる有機溶剤は、後述の、インクジェットインクが含んでもよい樹脂に対して高い溶解性を有するとともに、インクジェットプリンタからインクを吐出する際に、インクと接するプリンタ部材に対して膨潤作用が少なく、溶剤の粘度がなるべく低いものが好ましい。有機溶剤は、樹脂に対する溶解性、及びプリンタ部材に対する膨潤作用、粘度、及びノズルにおけるインクの乾燥性の点から選択され、アルコール系溶剤、グリコール系溶剤、エステル系溶剤、及びケトン系溶剤からなる群から選ばれる少なくとも1種の有機溶剤を含むことが好ましい。これらは単独で、又は2種類以上を混合して使用することができる。
アルコール系溶剤としては、例えば、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナノール、デカノール、ウンデカノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール、又はアミルアルコール等を挙げることができる。
グリコール系溶剤としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、メトキシメトキシエタノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールイソプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、1−ブトキシエトキシプロパノール、又は1−メトキシ−2−プロピルアセテート等を挙げることができる。
エステル系溶剤としては、例えば、乳酸エチル、乳酸プロパン、又は乳酸ブチル等を挙げることができる。
ケトン系溶剤としては、例えば、シクロヘキサノン、エチルアミルケトン、ジアセトンアルコール、ジイソブチルケトン、イソホロン、メチルシクロヘキサノン、又はアセトフェノン等を挙げることができる。
溶剤(B)は、粘度、ノズルにおけるインキの乾燥性、含有成分に対する溶解性及び装置部材に対する膨潤作用の点から、下記一般式で表される溶剤(S−1)、溶剤(S−2)及びアセテート構造を2つ以上持つ溶剤(S−3)からなる群から選ばれる少なくとも1種であって、760mmHgにおける沸点が120℃〜260℃、好ましくは170℃以上の有機溶剤を含むことが好ましい。
溶剤(S−1): R18−(O−C−O−C(=O)−CH
[一般式中、R18は炭素原子数1〜8のアルキル基であり、Cは直鎖若しくは分岐エチレン鎖であり、1≦m≦3である。]
溶剤(S−2): R19−(O−C−O−C(=O)−CH
[一般式中、R19は炭素原子数1〜8のアルキル基であり、Cは直鎖若しくは分岐プロピレン鎖であり、1≦p≦3である。]
溶剤(S−1)〜(S−3)の具体例としては、例えばプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールジアセテート、1,3−ブチレングリコールジアセテート、1,6−ヘキサンジオールジアセテート、トリアセチン等を挙げることができるが、必ずしもこれに限定されるものではない。中でも、好ましくはプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテートが、吐出安定性の点から好ましい。
溶剤(B)全量に対して、760mmHgでの沸点が170℃以上の有機溶剤を、60質量%以上含むことが吐出安定性やノズルにおけるインキの乾燥性の点から好ましい。
溶剤のSP値は、好ましくは8〜13である。本発明では、SP値は、分子構造から計算するFedorsの推算法によって算出することができる。
<バインダー成分(C)>
バインダー成分(C)としては、樹脂(C1)又は重合性化合物(C2)を用いることができる。
[樹脂(C1)]
樹脂としては、熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂いずれも用いることができ、例えば、石油系樹脂、マレイン酸樹脂、ニトロセルロース、セルロースアセテートブチレート、環化ゴム、塩化ゴム、アルキド樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アミノ樹脂、ビニル樹脂、ブチラール樹脂、直鎖オレフィン樹脂、芳香族ポリエーテル樹脂、ポリイミド樹脂、フルオレンポリカーボネート樹脂、フルオレンポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド(アラミド)樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリサルホン樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、ポリパラフェニレン樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエチレンナフタレート(PEN)樹脂、フッ素化芳香族ポリマー樹脂、エポキシ樹脂、アリルエステル硬化型樹脂又はシルセスキオキサン紫外線硬化樹脂等が挙げられる。
当該樹脂は、塗工、印刷方式や基材により適時選択することができる。中でもアクリル樹脂が処理剤との親和性の観点で好ましい。
樹脂として具体的には、三菱レイヨン社製のBR−50、BR−52、MB−2539、BR−60、BR−64、BR−73、BR−75、MB−2389、BR−80、BR−82、BR−83、BR−84、BR−85、BR−87、BR−88、BR−90、BR−95、BR−96、BR−100、BR−101、BR−102、BR−105、BR−106、BR−107、BR−108、BR−110、BR−113、MB−2660、MB−2952、MB−3012、MB−3015、MB−7033、BR−115、MB−2478、BR−116、BR−117、BR−118、BR−122、ER−502、ウィルバ−・エリス社製のA−11、A−12、A−14、A−21、B−38、B−60、B−64、B−66、B−72、B−82、B−44、B−48N、B−67、B−99N、DM−55、BASF社製のJONCRYL67、JONCRYL678、JONCRYL586、JONCRYL611、JONCRYL680、JONCRYL682、JONCRYL683、JONCRYL690、JONCRYL819、JONCRYL JDX−C3000、JONCRYL JDX−C3080、日信化学工業製のソルバイン樹脂CL、CNL、C5R、TA3、TA5R、ワッカー社製のビニル樹脂E15/45、H14/36、H40/43、E15/45M、E15/40M、荒川化学社製のスーパーエステル75、エステルガムHP、マルキッド33、安原社製のYSポリスタ− T80、三井化学社製のHiretts HRT200X、サートマー社製SMA2625P、東洋紡製のバイロンシリーズ、DIC製のポリライトシリーズ、宇部興産製のポリエステルポリオールシリーズ、東ソー製のニッポランシリーズ、ADEKA製のアデカニューエースシリーズ、アデカポリエーテルシリーズ、AGC製エクセノールシリーズ、第一工業製薬製のポリハードナー、DKフレックス、DKポリオール、ハードマスター、三洋化成製のプライムポールシリーズ、大成ファインケミカル製6000シリーズ、三菱化学製のjER828、jER825、jER834、jER1001、jER1002、jER1009、jER1010、jER806、jER807、jER4005P、jER4007P、jER4010P、jER1256、jER152、jER154、jER157S70、1031S、カネカのゼムラック等が挙げられる。
以上の樹脂は、単独で用いられてもよいし、2種以上併用されてもよい。
樹脂の質量平均分子量(Mw)は1,000〜50,000であることが好ましく、インクジェットヘッドからインク組成物を安定に吐出するために3,000〜45,000であることが特に好ましい。質量平均分子量が1,000以上であると、印刷物の塗膜耐性が十分となり、質量平均分子量が50,000以下であると、インクジェットヘッド詰まりが起こり難く吐出性が良好となる。質量平均分子量Mwはゲルパーミッションクロマトグラフィーによりスチレン換算分子量として求めることができる。
[硬化剤]
バインダー成分(B)が樹脂を含む場合、硬化剤を併用してもよい。硬化剤を併用する場合、硬化剤はバインダー成分に含まれる。
硬化剤としては、樹脂中の官能基と反応して分子間に架橋を形成するものが挙げられ、例えば、アミン化合物、イソシアネート化合物、ポリオール化合物、カルボン酸化合物、アクリレート系モノマー、カルボジイミド化合物、エポキシ化合物、オキセタン化合物、フェノール化合物、ベンゾオキサジン化合物、及びシランカップリング剤からなる群から選ばれる化合物1種若しくは2種以上を用いることができる。
また、形成される架橋系としては、アミノ基−エポキシ架橋系、ウレタン結合架橋系、アルコキシシラン架橋系、エステル基架橋系又はこれらを2種以上組み合わせた複合架橋系が好適に用いられる。
アミノ基−エポキシ架橋系の具体例としては、2官能以上のアミン化合物及び2官能以上のエポキシ化合物の組み合わせとして、例えば、エポキシ樹脂と2官能以上のアミン化合物とが挙げられる。ウレタン結合架橋系の具体例としては、ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物との組み合わせとして、例えば、ポリオール樹脂と2官能以上のイソシアネート化合物とが挙げられる。アルコキシシラン架橋系の具体例としては、アルコキシシリル基ペンダントアクリル樹脂の湿気硬化系が挙げられる。エステル基架橋系の具体例としては、カルボキシル基ペンダントアクリル化合物やカルボキシル基ペンダントポリエステルと、2官能以上のエポキシ化合物との組み合わせが挙げられ、例えば、エポキシ樹脂と2官能以上のカルボキシル基ペンダント化合物とが挙げられる。
2官能以上のアミン化合物としては、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ジプロピレンジアミン又はジエチルアミノプロピルアミン等の鎖状脂肪族ポリアミン;N−アミノエチルピペラジン、ジ(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン、Araldit HY−964、メンセンジアミン、イソホロンジアミン、S Cure211、S Cure212、ジ(4−アミノシクロヘキシル)メタン又は1,3−アミノメチレンシクロヘキサン等の環状脂肪族ポリアミン;キシレンジアミン、キシリレンジアミン、キシリレンジアミン三量体、キシリレンジアミン誘導体、キシリレン誘導体等の脂肪族芳香族アミン;メラミン、ベンゾグアナミン、メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン又はジアミノジフェニルスルフォン等の芳香族アミン;が挙げられる。これらは1種、あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。
イソシアネート化合物の市販品として、例えば、DIC社製バーノックシリーズ、三井化学製タケネートシリーズ、東ソー製コロネートシリーズ、ミリオネートシリーズ等が挙げられる。
カルボキシル基ペンダントアクリル化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸と共重合可能な(メタ)アクリル系モノマーとの共重合体が挙げられる。
カルボキシル基ペンダントポリエステルとしては、例えば、酸無水物基を2つ有する化合物とジオールとの付加反応物が挙げられる。前記酸無水物基を2つ有する化合物としては、例えば、エチレングリコールビスアンヒドロトリメリテート、グリセリンビスアンヒドロトリメリテートモノアセテート、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸無水物、4,4‘−ビフタル酸無水物等が挙げられ、ジオールとしてはエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジオール、シクロペンタンジオール等が挙げられ、公知のポリエステル合成法に従って合成することができる。
[重合性化合物(C2)]
重合性化合物としては、光の照射又は熱によって重合する重合性モノマーを用いることができ、好ましくは光重合性モノマーである。使用できる光重合性モノマーとしては特に制限されず、光ラジカル重合性モノマー又は光カチオン重合性モノマーであってもよく、単官能モノマー、多官能モノマーを各々単独で用いてもよいし、併用してもよい。
(光ラジカル重合性モノマー)
光ラジカル重合性モノマーの具体例としては、単官能モノマーとしてベンジル(メタ)アクリレート、(エトキシ(又はプロポキシ)化)2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(オキシエチル)(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、β−カルボキシルエチル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンフォルマル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジメタノール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、アクリルアミド(メタ)アクリレート、アクリロイルモルホリン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミド、エステルアクリレート、メチロール化メラミンの(メタ)アクリル酸エステル、エポキシ (メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ウレタンアクリレート等の各種アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、スチレン、酢酸ビニル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、アクリロニトリル等が挙げられる。
光ラジカル重合性の多官能モノマーとしては、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、(エトキシ(又はプロポキシ)化)ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(エトキシ(又はプロポキシ)化)1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、(エトキシ(又はプロポキシ)化)ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ネオペンチルグリコール変性)トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(又はテトラ)(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(又はテトラ)(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(又はテトラ)(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル等が挙げられる。
(光カチオン重合性モノマー)
光カチオン重合性モノマーの具体例としては、単官能モノマーとして、グリシジルメタクリレート、2−エチルヘキシルオキセタン、3−ヒドロキシメチル−3−メチルオキセタン、3−ヒドロキシメチル−3−エチルオキセタン、3−ヒドロキシメチル−3−プロピルオキセタン、3−ヒドロキシメチル−3−ノルマルブチルオキセタン、3−ヒドロキシメチル−3−フェニルオキセタン、3−ヒドロキシメチル−3−ベンジルオキセタン、3−ヒドロキシエチル−3−メチルオキセタン、3−ヒドロキシエチル−3−エチルオキセタン、3−ヒドロキシエチル−3−プロピルオキセタン、3−ヒドロキシエチル−3−
フェニルオキセタン、3−ヒドロキシプロピル−3−エチルオキセタン、3−ヒドロキシプロピル−3−プロピルオキセタン、3−ヒドロキシプロピル−3−フェニルオキセタン、3−ヒドロキシブチル−3−メチルオキセタン等が挙げられる。
光カチオン重合性の多官能モノマーとしては、ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物、フェノールノボラック型エポキシ化合物、トリメチロールプロパングリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,2−エポキシ−4−ビニルシクロヘキサン、1−メチル−4−(2−メチルオキシラニル)−7−オキサビシクロ[4.1.0]へプタン、キシリレンビスオキセタン、3−エチル−3{[(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ]メチル}オキセタン等が挙げられる。
重合性化合物(C2)の含有量は、硬化性の観点からインク組成物の固形分全量に対し、好ましくは5〜80質量%である。
[重合開始剤]
バインダー成分(B)が重合性化合物を含む場合、重合開始剤を併用することが好ましい。重合開始剤としては、光重合開始剤又は熱重合開始剤が挙げられ、1種を単独で又は必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。なお、重合開始剤を併用する場合、重合開始剤はバインダー成分とみなす。
バインダー成分(B)が光重合性化合物を含む場合、光重合開始剤を併用することが好ましい。光重合開始剤は、光ラジカル重合開始剤であっても光カチオン重合開始剤であってもよく、その種類は制限されない。光重合開始剤を含むことでインク組成物から形成されるインク層を紫外線照射により硬化させることができる。
(光ラジカル重合開始剤)
光ラジカル重合開始剤としては、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルフォリニル)フェニル]−1−ブタノン、又は2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン等のアセトフェノン系化合物;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、又はベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系化合物;ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、又は3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;チオキサントン、2−クロルチオキサントン、2−メチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、又は2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系化合物;2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペロニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、又は2,4−トリクロロメチル−(4’−メトキシスチリル)−6−トリアジン等のトリアジン系化合物;1,2−オクタンジオン,1−〔4−(フェニルチオ)フェニル−,2−(O−ベンゾイルオキシム)〕、又はエタノン,1−〔9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル〕−,1−(O−アセチルオキシム)等のオキシムエステル系化合物;ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、又は2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等のホスフィン系化合物;9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアントラキノン等のキノン系化合物;ボレート系化合物;カルバゾール系化合物;イミダゾール系化合物;あるいは、チタノセン系化合物等が挙げられる。
アセトフェノン系化合物の市販品としては、IGM Resins B.V.社製の「Omnirad 907」(2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン)、「Omnirad 369」(2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルフォリニル)フェニル]−1−ブタノン)、「Omnirad 379」2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン等が挙げられる。
また、ホスフィン系化合物の市販品としては、IGM Resins B.V.社製の「Omnirad 819」(ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド)、「Omnirad TPO H」(2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド)等が挙げられる。
(光カチオン重合開始剤)
光カチオン重合開始剤としては、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスファート、4−イソプロピル−4'−メチルジフェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラート等のヨードニウム塩、トリ−p−トリルスルホニウムヘキサフルオロホスファート、トリフェニルスルホニウムテトラフルオロボラート等のスルフォニウム塩が挙げられる。
ヨードニウム塩系化合物の市販品としては、富士フィルム和光純薬社製の「WPI−113」(ビス[4−(アルキルC10〜C13)フェニル]ヨードニウムヘキサフルオロフォスフェート)、「WPI−116」(ビス[4−(アルキルC10〜C13)フェニル]ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート)、「WPI−169」(ビス[4−ターシャリーブチルフェニル]ヨードニウムビスペルフルオロブタンスルフォニルイミド)、「WPI−170」ビス[4−ターシャリーブチルフェニル]ヨードニウムヘキサフルオロフォスフェート)、「WPI−124」(ビス[4−(アルキルC10〜C13)フェニル]ヨードニウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレート)等が挙げられる。
スルフォニウム塩系化合物の市販品としては、サンアプロ株式会社製のCPI−100P(トリアリールスルホニウムヘキサフルオロホスファート)、CPI−101A(トリアリールスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート)、CPI−310BP(トリアリールスルホニウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレート)、BASF株式会社製の「Irgacure290」(テトラキスペンタフルオロフェニルボレート)等が挙げられる。
光重合開始剤は、1種を単独で、又は必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いてもよい。
熱重合開始剤としては、例えば、熱ラジカル重合開始剤、熱カチオン重合開始剤、熱アニオン重合開始剤又はこれらの混合物が挙げられる。
熱ラジカル重合開始剤としては、例えば、過酸化物やアゾ化合物等が挙げられ、高分子アゾ化合物からなる高分子アゾ開始剤を用いることもできる。
高分子アゾ開始剤としては、例えば、アゾ基を介してポリアルキレンオキサイドやポリジメチルシロキサン等のユニットが複数結合した構造を有するものが挙げられる。上記アゾ基を介してポリアルキレンオキサイド等のユニットが複数結合した構造を有する高分子アゾ開始剤としては、例えば、4,4'−アゾビス(4−シアノペンタン酸)とポリアルキレングリコールの重縮合物や、4,4'−アゾビス(4−シアノペンタン酸)と末端アミノ基を有するポリジメチルシロキサンの重縮合物等が挙げられる。
また、過酸化物としては、例えば、ケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、パーオキシエステル、ジアシルパーオキサイド、パーオキシジカーボネート等が挙げられる。
熱ラジカル重合開始剤の市販品としては、例えば、パーブチルO、パーヘキシルO、パーブチルPV(いずれも日油社製)、V−30、V−501、V−601、VPE−0201、VPE−0401、VPE−0601(いずれも和光純薬工業社製)等が挙げられる。
熱カチオン重合開始剤としては、例えば、第四級アンモニウム塩、ホスホニウム塩、スルホニウム塩等の各種オニウム塩類等が挙げられる。上記熱カチオン重合開始剤の市販品としては、例えば、アデカオプトンCP−66、アデカオプトンCP−77(いずれもADEKA社製)、サンエイドSI−60L、サンエイドSI−80L、サンエイドSI−100L(いずれも三新化学工業社製)、CIシリーズ(日本曹達社製)等が挙げられる。
<光散乱粒子(D)>
本発明のインク組成物は、光散乱粒子(D)を含有することができる。光散乱粒子(D)により光変換層内で光を散乱させることにより量子ドット(A)、溶剤(B)の他に光吸収を増大させることができる。光散乱粒子としては、無機光散乱粒子(D1)又は有機光散乱粒子(D2)が挙げられる。
<無機光散乱粒子(D1)>
金属酸化物微粒子としては、酸化チタン(TiO)、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化セリウム(CeO)、酸化ハフニウム(HfO)、五酸化ニオブ(Nb)、五酸化タンタル(Ta)、酸化インジウム(In)、酸化スズ(Sn)、酸化インジウムスズ(ITO)、及び酸化亜鉛(ZnO)からなる群から選択された少なくとも1種の材料からなる粒子が挙げられる。中でも酸化チタン(TiO)、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化亜鉛(ZnO)の粒子が好ましく、酸化チタン(TiO)粒子が、透光性、分散性、耐候性、及び耐光性の観点から特に好ましい。
前記酸化チタン(TiO)は特に制限がなく、あらかじめ表面処理された酸化チタン(TiO)を使用してもよい。表面処理を行うことで、分散の安定化や耐候性を向上させることができる。表面処理法や表面処理剤は、公知のものを任意に用いることができる。
酸化チタンの具体例としては、石原産業社製「タイペークCR−50、50−2、57、80、90、93、95、953、97、60、60−2、63、67、58、58−2、85」「タイペークR−820,830、930、550、630、680、670、580、780、780−2、850、855」「タイペークA−100、220」「タイペークW−10」「タイペークPF−740、744」「TTO−55(A)、55(B)、55(C)、55(D)、55(S)、55(N)、51(A)、51(C)」「TTO−S−1、2」「TTO−M−1、2」、テイカ社製「チタニックスJR−301、403、405、600A、605、600E、603、805、806、701、800、808」「チタニックスJA−1、C、3、4、5」、「チタニックスMT−01、10EX、05、100S、100TV、100Z、150EX、150W、100AQ、100WP、100SA、100HD、300HD、500HD、500B、500SA、500SAS、600B、600SA、700B、700HD、MTY−02、110M3S、700BS、JMT−150IB、150AO、150FI、150ANO」、デュポン社製「タイピュアR−900、902、960、706、931」等が挙げられる。
インク組成物中での再分散性の観点から、粒子間に強い凝集がないことが好ましい。そのため、金属酸化物微粒子の平均粒子径は100nm以下が好ましく、より好ましくは30nm以上100nm以下であり、特に好ましくは50nm以上100nm以下である。上記範囲とすることで、粒子間の凝集を防ぐことができ、再分散性に優れたインク組成物を提供することができる。また上記範囲内とすることで、励起光透過率をさらに抑制することができ外部量子効率を向上させることができる。
<有機光散乱粒子(D2)>
有機光散乱粒子(D2)は有機成分からなる微粒子であり、その形状は特に制限されないが、バックライト等の光散乱効果の観点から球状であることが好ましい。球状の有機光散乱粒子を使用することで、バックライトが散乱されて量子ドット(A)が十分に励起され、インク組成物から得られる印刷物の発光効率をより高めることができる。
有機微粒子としては、例えば、シリコーン系微粒子、メラミン系樹脂微粒子、メラミン−ベンゾグアナミン系樹脂微粒子、アクリル系樹脂微粒子(例えば、ポリメチルメタクリレート系微粒子(以下、PMMA系微粒子という)、アクリル−スチレン系共重合体微粒子、ポリカーボネート系微粒子、ポリエチレン系微粒子、ポリスチレン系微粒子、ベンゾグアナミン系樹脂微粒子等が挙げられる。これらは単独で使用しても良いし、2種類以上併用して使用しても良い。
シリコーン系微粒子の具体例としては、KMP−594、KMP−597、KMP−598、KMP−600、KMP−601、KMP−602(信越化学工業株式会社製)、トレフィルE−506S、EP−9215(東レ・ダウコーニング株式会社製)等が挙げられる。
メラミン系樹脂微粒子の具体例としては、エポスターSS、エポスターS、エポスターFS、エポスターS6、エポスターS12(株式会社日本触媒製)等が挙げられる。
メラミンーベンゾグアナミン系樹脂微粒子の具体例としては、エポスターM30(株式会社日本触媒製)が挙げられる。
アクリル系樹脂微粒子の具体例としては、エポスターMA1002、エポスターMA1004、エポスターMA1006、エポスターMA1010(株式会社日本触媒製)、タフチックFH−S005、タフチックFH−S008、タフチックFH−S010、タフチックFH−S015、タフチックFH−S020(東洋紡株式会社製)、ケミスノーMX−80HwT、MX−150、MX−180TA、MX−300、MX−500、MX−1000、MX−1500H、MX−2000、MX−3000(綜研化学株式会社製)等が挙げられる。
アクリル−スチレン系共重合体微粒子の具体例としてはエポスターMA2003(株式会社日本触媒社製)、FS−102、FS−201、FS−301、MG−451、MG−351、(日本ペイント・インダストリアルコーティングス株式会社製)等が挙げられる。
ポリカーボネート系微粒子の具体例としては、特開2014−125495号公報記載の微粒子、特開2011−26471号公報記載の製造法によって得られる微粒子、特開2001−213970号公報記載の方法によって得られる微粒子等が挙げられる。
ポリエチレン系微粒子の具体例としてはミペロンXM−220、XM221U(三井化学株式会社製)、フロービーズLE−1080(住友精化株式会社製)等が挙げられる。
ポリスチレン系微粒子の具体例としては、ケミスノーSX−130H、SX−350H、SX−500H(綜研化学株式会社製)等が挙げられる。
ベンゾグアナミン系樹脂微粒子の具体例としては、エポスターMS、エポスターM05、エポスターL15(株式会社日本触媒製)等が挙げられる。
また、有機光散乱粒子(D2)として、フッ素置換基を含有するアクリル系樹脂微粒子を用いることができる。このようなフッ素置換基含有アクリル系樹脂微粒子としては、例えば、フッ素置換基含有ポリメチルメタクリレート系微粒子、フッ素置換基含有アクリル−スチレン共重合体微粒子、フッ素置換基含有ポリカーボネート系微粒子、ポリフッ化ビニル微粒子等が挙げられる。フッ素を含有することで粒子間の凝集を防ぎ、一度沈降した後の再分散性が容易になる。更にフッ基を含有することで、量子ドット(A)を含むバインダー成分より屈折率を下げることができ、散乱効果と併用して発光効率をより向上させることができるため好ましい。
有機光散乱粒子(D2)の平均粒子径は特に限定されないが、100nm以上1000nm以下であることが好ましい。上記範囲にあることで、充分な散乱効果を発現できる。更に散乱強度(ヘイズ値)が小さくても散乱角度が広くなるため、全反射に有効な散乱が得られ、塗膜内部での散乱効果が高くなることで光効率が向上するため好ましい。有機光散乱粒子(D2)の平均粒子径及び粒度分布は、重合温度及び重合組成等の合成条件によって調整することができる。
光散乱粒子(D)は、インク組成物中での沈降を抑制する観点から分散体として用いることが好ましい。分散体は、光散乱粒子(D)の表面状態に合わせた分散剤を用いて分散して得ることができる。また、分散機、分散媒、分散時間又は分散剤等の条件を変更して、光散乱粒子(D)の平均粒子径及び粒度分布を調整することができる。
分散機としては、ペイントコンディショナー(レッドデビル社製)、ボールミル、サンドミル(シンマルエンタープライゼス社製「ダイノーミル」等)、アトライター、パールミル(アイリッヒ社製「DCPミル」等)、コボールミル、ホモミキサー、ホモジナイザー(エム・テクニック社製「クレアミックス」等)、湿式ジェットミル(ジーナス社製「ジーナスPY」、ナノマイザー社製「ナノマイザー」)、微小ビーズミル(寿工業(株)社製「スーパーアペックミル」及び「ウルトラアペックミル」)等が使用できる。分散機にメディアを使う場合には、ガラスビーズ、ジルコニアビーズ、アルミナビーズ、磁性ビーズ又はポリスチレンビーズ等を用いることが好ましい。分散は、2種類以上の分散機又は大きさの異なる2種類以上のメディアをそれぞれ用いて段階的に実施してもよい。
光散乱粒子(D)の含有量は、本発明のインク組成物全量に対し、2〜20質量%が好ましく、5〜12.5質量%がより好ましい。上記範囲にすることでインク組成物の相溶性不良を起こすことなく、使用することができる。2質量%以上であると、優れたインク組成物の沈降安定性を示し、且つ十分な散乱効果を得ることができ発光効率が高くなる。20質量%以下であると、相溶性不良が起きず、組成物内で光散乱粒子が凝集して沈降するという不具合が起きず、再分散可能となる。5質量%以上であると充分な散乱効果を発揮し、より高い発光効率となるためより好ましい。12.5質量%以下であると光散乱粒子同士の凝集が抑制されて塗膜表面のヘイズが上がらず、高い発光効率となるためより好ましい。
インク組成物は、無機光散乱粒子(D1)及び有機光散乱粒子(D2)を両方含んでもよい。その場合、無機光散乱粒子(D1)に対する有機光散乱粒子(D2)の比率((D2)/(D1))は、0.2以上4.5未満であることが好ましい。より好ましくは0.5以上4.0未満であり、特に好ましくは0.5以上1.0未満である。上記範囲にすることで、凝集体の沈降を抑制しつつ、沈降した場合でも再分散性にも優れるインク組成物を提供することができる。また、インク組成物から形成された印刷物についても高い外部量子効率を維持することができる。
本明細書において、「平均粒子径」及び「粒子径」とは、平均一次粒子径とは異なり、凝集による2次粒子の粒子径を加味した、インク組成物中での分散粒径のことである。これらは光学顕微鏡にて実測あるいは動的光散乱法によって求めることが出来る。ここで、平均一次粒子径と区別する理由は、同じ平均一次粒子径の散乱粒子を用いた場合であっても、インク組成物中での光散乱粒子(D)の分散状態により、平均粒子径及び粒度分布は異なる場合があるためである。「平均粒子径」は測定サンプルの50体積%における分散粒径の値であり、粒子径が600nm以上の粒子の含有量は、測定サンプルの分散粒径のうち、600nm以上の粒子径の体積%である。これらは動的光散乱法では日機装(株)社製「ナノトラックUPA」で測定することができる。
<インク組成物>
本発明のインク組成物は、インクジェットインクとして特にインクジェット方式に好適に用いられる。
インク組成物には、印刷物への要求物性及び保存安定性の観点から、重合禁止剤、増感剤、添加剤等のその他成分を添加することができる。これらは単独で又は2種以上混合して用いることができる。
(重合禁止剤)
インク組成物は保存安定性を高めるため重合禁止剤を含んでもよい。重合禁止剤としては、例えば、4−メトキシフェノール、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、t−ブチルハイドロキノン、2,5−t−ブチル−4−メチルフェノール、フェノチアジン、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンのアルミニウム塩等が挙げられる。重合禁止剤の含有量は、硬化性を維持しつつ安定性を高める点から、インク組成物の固形分全量に対して0.01〜0.1質量%であることが好ましい。
(増感剤)
インク組成物は、増感剤を含有してもよい。増感剤としては、カルコン誘導体、ジベンザルアセトン等に代表される不飽和ケトン類、ベンジルやカンファーキノン等に代表される1,2−ジケトン誘導体、ベンゾイン誘導体、フルオレン誘導体、ナフトキノン誘導体、アントラキノン誘導体、キサンテン誘導体、チオキサンテン誘導体、キサントン誘導体、チオキサントン誘導体、クマリン誘導体、ケトクマリン誘導体、シアニン誘導体、メロシアニン誘導体、オキソノ−ル誘導体等のポリメチン色素、アクリジン誘導体、アジン誘導体、チアジン誘導体、オキサジン誘導体、インドリン誘導体、アズレン誘導体、アズレニウム誘導体、スクアリリウム誘導体、ポルフィリン誘導体、テトラフェニルポルフィリン誘導体、トリアリールメタン誘導体、テトラベンゾポルフィリン誘導体、テトラピラジノポルフィラジン誘導体、フタロシアニン誘導体、テトラアザポルフィラジン誘導体、テトラキノキサリロポルフィラジン誘導体、ナフタロシアニン誘導体、サブフタロシアニン誘導体、ピリリウム誘導体、チオピリリウム誘導体、テトラフィリン誘導体、アヌレン誘導体、スピロピラン誘導体、スピロオキサジン誘導体、チオスピロピラン誘導体、金属アレーン錯体、有機ルテニウム錯体、又はミヒラーケトン誘導体、α−アシロキシエステル、アシルフォスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、ベンジル、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアンスラキノン、4,4’−ジエチルイソフタロフェノン、3,3’,又は4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン等が挙げられる。これらの増感剤は、1種を単独で、又は必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
また、本発明のインク組成物は、印刷適性や印刷物耐性を高めるため、表面調整剤、レベリング剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等の添加剤を必要に応じて使用してもよい。
上記その他成分の含有量は、所望の量子ドット濃度によるが、量子ドット1部に対し、その他成分0〜100質量部であることが好ましい。100質量部を超えると量子ドット含有率が低くなり、十分な蛍光強度が得られない場合がある。
本発明のインク組成物は、形成される塗工膜中での粒子の凝集による異物発生の抑制や平滑性を維持するために、分散後及び/また全成分配合後に、孔径5μm以下好ましくは3μm以下のフィルターでろ過することが好ましい。
本発明のインク組成物がインクジェット方式で用いられる場合、インクジェットインキの25℃での粘度は2〜100mPa・sが好ましく、より好ましくは2〜40mPa・sであり、特に好ましくは4〜20mPa・sである。この粘度領域であれば、通常の4〜10KHzの周波数を有するヘッドから10〜50KHzの高周波数のヘッドにおいても安定した吐出特性を示すことが可能となる。粘度が2mPa・s以上である場合、高周波数のヘッドにおいて、吐出の追随性の低下が認められず好ましい。100mPa・s以下である場合、吐出性が良好であり、吐出安定性に優れることから好ましい。
インク組成物がインクジェット方式で用いられる場合、インクジェットインクの表面張力は、20〜40mN/mが好ましく、24〜35mN/mがより好ましい。20mN/m以上であるとインクが液滴を形成することができ、40mN/m以下であるとヘッドからインクが安定して吐出することができる。
またインク組成物は、ピエゾヘッドにおいては10μS/cm以下の電気伝導率とし、ヘッド内部での電気的な腐食のないインキとすることが好ましい。またコンティニュアスタイプにおいては、電解質による電気伝導率の調整が必要であり、この場合には0.5mS/cm以上の電気伝導率に調整することが好ましい。
本発明の印刷物は、基材上に、インク組成物から形成される量子ドットを含有する印刷層を有するものであり、印刷層がインクジェット印刷方式によって形成されることが好ましい。インクジェット方式で印刷物を形成する場合、本発明のインク組成物をインクジェット記録方式用プリンタのプリンタヘッドに供給し、このプリンタヘッドからインクジェットインキを基材上に吐出する。その後、インクジェットインキに含まれる溶剤を乾燥する工程、或いは、紫外線又は電子線等の活性エネルギー線を照射してインクジェットインキに含まれる重合性化合物を重合させる工程を経ることにより、基材上に、インク層(印刷層)を形成することができる。
溶剤を乾燥する工程は、溶剤を除去できれば限定されず風乾でもよい。乾燥温度は、好ましくは40℃以上180℃以下であり、乾燥時間は1分以上であってもよく、10分以上であってもよく、120分以下でもよい。上記温度範囲あるいは乾燥時間にすることで十分に溶剤を乾燥させた強度のある塗工膜を得ることができる。
また、活性エネルギー線の光源として紫外線を照射する場合、例えば高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、低圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、紫外線レーザー、LED、又は太陽光を使用することができる。露光量は100mJ/cm以上であってよく2000mJ/cm以下であってもよい。上記光源で露光範囲にすることで十分に強度のあるインク層を得ることができる。
インクジェット法には特に制限は無く、公知の方法、例えば静電誘引力を利用してインキを吐出させる電荷制御方法、ピエゾ素子の振動圧力を利用するドロップオンデマンド方式(圧力パルス方式)、電気信号を音響ビームに変えインキに照射して放射圧を利用しインキを吐出させる音響インクジェット方式、及びインキを加熱して気泡を形成し、生じた圧力を利用するサーマルインクジェット(バブルジェット(登録商標))方式等の何れであってもよい。
またインクジェット法で用いるインクジェットヘッドは、オンデマンド方式でもコンティニアス方式でも構わない。さらに吐出法式としては、電気‐機械変換方式(例:シングルキャビティー型、ダブルキャビティー型、ベンダー型、ピストン型、シェアモード型、シェアードウォール型等)、電気‐熱変換方式(例:サーマルインクジェット型、バブルジェット(登録商標)型等)、静電吸引方式(例:電解制御型、スリットジェット型等)、及び放電方式(例:スパークジェット型等)などを具体的な例として挙げることができるが、何れの吐出方式を用いても構わない。なお、インクジェット法により記録を行う際に使用するインクノズル等については特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
インクジェットヘッドから吐出されるインクの液滴量としては、乾燥負荷軽減効果が大きく、画像品質の向上という点でも、0.2〜20ピコリットル(pL)が好ましく、1〜15ピコリットル(pL)がより好ましい。
<基材>
本発明のインク組成物を印刷する基材は特に限定されず、上質紙、コート紙、アート紙、キャスト紙、合成紙の様な紙基材;ポリカーボネート、硬質塩ビ、軟質塩ビ、ポリスチレン、発泡スチロール、ポリメタクリル酸メチル樹脂(以下、PMMA)、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート(以下、PET)の様なプラスチック基材;ステンレス等の金属基材;ガラス;木材;等が使用できる。本発明のインクジェットインクは、吸収層を有する専用用紙やコピー用紙のような紙基材だけでは無く、産業用印刷物に一般的に使用されている、コート紙、アート紙や塩化ビニルシート等の難吸収性基材にも好適に使用することができる。
<カラーフィルタ>
本発明のインク組成物は、入射光を波長選択的に吸収し、一部の波長の光を透過又は反射させるカラーフィルタを形成するために用いることができ、当該カラーフィルタは、カラー液晶表示装置以外にカラー固体撮像素子、有機EL表示装置、量子ドット表示装置、及び電子ペーパー等の製造にも使用することができる。特にインクジェット方式を選択すると、必要な個所に必要な量を印刷することができ、量子ドット等の消費を抑制することができるため好ましい。
また、当該カラーフィルタは、赤色フィルタセグメント、緑色フィルタセグメント及び青色フィルタセグメントを備えており、さらにマゼンタ色フィルタセグメント、シアン色フィルタセグメント及び黄色フィルタセグメントを備えてもよく、少なくとも1つのフィルタセグメントが、本発明のインク組成物から形成されていればよい。
本発明のインク組成物を用いてカラーフィルタを製造する場合、透明基板又は反射基板上にフィルタセグメントを形成する前に、あらかじめブラックマトリクスを形成してもよい。ブラックマトリクスとしては、クロムやクロム/酸化クロムの多層膜、窒化チタニウム等の無機膜や、遮光剤を分散した樹脂膜が用いられるが、これらに限定されない。また、上記の透明基板又は反射基板上に薄膜トランジスター(TFT)をあらかじめ形成しておき、その後にフィルタセグメントを形成することもできる。また本発明のカラーフィルタ上には、必要に応じてオーバーコート膜や透明導電膜等を形成してもよい。
<光波長変換層>
本発明のインク組成物を用いて塗工・印刷後に有機溶剤を乾燥して形成された層又は、紫外線照射によって形成された硬化膜からなる層は、光波長変換層として用いることができる。光波長変換層は、励起光を長波長側の蛍光に変換して放出することが可能であり、励起光波長と放出蛍光波長の関係を維持できれば特に制限はなく、例として、青色や紫外光を励起光として用いて緑色や赤色の蛍光を得ることや、紫外光や可視光を励起光として近赤外領域の蛍光を得ること等を挙げることができる。
光波長変換層の厚みは、好ましくは1〜500μmであり、より好ましくは1〜50μmであり、さらに好ましくは1〜10μmである。厚みが1μm以上であると、高い波長変換効果が得られるため、好ましい。また、厚みが500μm以下であると、光源ユニットに組み込んだ場合に、光源ユニットを薄くすることができるため、好ましい。
<光波長変換部材>
前述の光波長変換層は、光波長変換部材として用いることができる。
光波長変換部材は、特定基材の少なくとも片面に、前述の光波長変換層が形成された部材である。基材は特に限定はないが、ポリカーボネート、硬質塩ビ、軟質塩ビ、ポリスチレン、発砲スチロール、PMMA、ポリプロピレン、ポリエチレン、PET等のプラスチック基材やこれら混合又は変性品、上質紙、アート紙、コート紙、キャストコート紙等の紙基材、ガラス、ステンレス等の金属基材等が挙げられる。
用途によって使用される基材は選択されるが、プリペイドカードや通行カード等であれば、耐久性の観点から、プラスチック基材やこれらの混合又は変性品が好ましい。情報記録媒体としての1次元バーコード、2次元バーコード、QRコード(登録商標)(マトリックス型2次元コード)であれば、プラスチック基材の他にも紙基材が好ましい。波長変換用カラーフィルタであれば、透明基板が好ましい。
<発光素子>
本発明のインク組成物を用いて形成された層は、発光素子における発光層として用いることができる。発光素子は、基板と、基板上に設けられた陰極と陽極を有し、両電極の間に発光層を備え、陰極及び陽極の少なくとも一方に電荷輸送層を備えている。さらに、発光素子の性質上、陽極及び陰極のうち少なくとも一方の電極は透明である。
発光素子の積層の態様としては、陽極側から、正孔輸送層、発光層、電子輸送層の順に積層されている態様が好ましい。さらに、正孔輸送層と発光層との間、又は、発光層と電子輸送層との間には、電荷ブロック層等を有していてもよい。陽極と正孔輸送層との間に、正孔注入層を有してもよく、陰極と電子輸送層との間には、電子注入層を有してもよい。また、発光層としては一層だけでもよく、また、第一発光層、第二発光層、第三発光層等に発光層を分割してもよい。さらに、各層は複数の二次層に分かれていてもよい。
基板としては、例えば、公知の有機EL素子に用いられる基板を用いることができる。基板は樹脂フィルムであってもよく、ガスバリアフィルムであってもよく、特開2004−136466号公報、特開2004−148566号公報、特開2005−246716号公報、特開2005−262529号公報等に記載のガスバリアフィルムも好ましく用いることができる。
基板の厚みは、特に規定されないが30μm〜700μmが好ましく、より好ましくは40μm〜200μm、さらに好ましくは50μm〜150μmである。さらにいずれの場合もヘイズは3%以下が好ましく、より好ましくは2%以下、さらに好ましくは1%以下、全光透過率は70%以上が好ましく、より好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上である。
[陽極]
陽極は、通常、有機化合物あるいは無機化合物層に正孔を供給する電極としての機能を有していればよく、その形状、構造、大きさ等については特に制限はなく、発光素子の用途、目的に応じて、公知の電極材料の中から適宜選択することができる。上述のごとく、陽極は、通常透明陽極として設けられる。透明陽極については、沢田豊監修「透明電極膜の新展開」シーエムシー刊(1999)に詳述がある。基板として耐熱性の低いプラスチック基材を用いる場合は、ITO、IZO又はIGZOを使用し、150℃以下の低温で成膜した透明陽極が好ましい。
[陰極]
陰極は、通常、有機化合物あるいは無機化合物層に電子を注入する電極としての機能を有していればよく、その形状、構造、大きさ等については特に制限はなく、発光素子の用途、目的に応じて、公知の電極材料の中から適宜選択することができる。
陰極を構成する材料としては、例えば、金属、合金、金属酸化物、電気伝導性化合物、これらの混合物等が挙げられる。具体例としては2属金属(例えばMg、Ca等)、金、銀、鉛、アルミニウム、リチウム−アルミニウム合金、マグネシウム−銀合金、インジウム、イッテルビウム等の希土類金属等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいが、安定性と電子注入性とを両立させる観点からは、2種以上を好適に併用することができる。
これらの中でも、陰極を構成する材料としては、アルミニウムを主体とする材料が好ましい。アルミニウムを主体とする材料とは、アルミニウム単独、アルミニウムと0.01〜100質量% のアルカリ金属又は2属金属との合金(例えば、リチウム−アルミニウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金等)をいう。なお、陰極の材料については、特開平2−15595号公報、特開平5−121172号公報に詳述されている。また、陰極と前記有機化合物又は無機化合物層との間に、アルカリ金属又は2属金属のフッ化物、酸化物等による誘電体層を0.1〜5nmの厚みで挿入してもよい。この誘電体層は、一種の電子注入層と見ることもできる。
陰極の厚みは、陰極を構成する材料により適宜選択することができ、一概に規定することはできないが、通常10nm〜5μm程度であり、50nm〜1μmが好ましい。また、陰極は、透明であってもよいし、不透明であってもよい。なお、透明な陰極は、陰極の材料を1〜10nmの厚さに薄く成膜し、さらにITO、IZOやIGZO等の透明な導電性材料を積層することにより形成することができる。
[発光層]
発光層は、電界印加時に、陽極、正孔注入層又は正孔輸送層から正孔を受け取り、陰極、電子注入層、又は電子輸送層から電子を受け取り、正孔と電子との再結合の場を提供して発光させる機能を有する層である。発光層は、量子ドットのみで構成されていてもよく、量子ドットとホスト材料との混合層の構成でもよい。発光材料は、さらに、蛍光発光材料でも燐光発光材料を含有してもよく、ドーパントは1種であっても2種以上であってもよい。ホスト材料は電荷輸送材料であることが好ましい。ホスト材料は1種であっても2種以上であってもよく、例えば、電子輸送性のホスト材料とホール輸送性のホスト材料とを混合した構成が挙げられる。さらに、発光層中に電荷輸送性を有さず、発光しない材料を含んでいてもよい。また、発光層は1層であっても2層以上であってもよく、それぞれの層が異なる発光色で発光してもよい。
前記蛍光発光材料の例としては、例えば、ベンゾオキサゾール誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、スチリルベンゼン誘導体、ポリフェニル誘導体、ジフェニルブタジエン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体、ナフタルイミド誘導体、クマリン誘導体、縮合芳香族化合物、ペリノン誘導体、オキサジアゾール誘導体、オキサジン誘導体、アルダジン誘導体、ピラリジン誘導体、シクロペンタジエン誘導体、ビススチリルアントラセン誘導体、キナクリドン誘導体、ピロロピリジン誘導体、チアジアゾロピリジン誘導体、シクロペンタジエン誘導体、スチリルアミン誘導体、ジケトピロロピロール誘導体、芳香族ジメチリディン化合物、8−キノリノール誘導体の金属錯体やピロメテン誘導体の金属錯体に代表される各種金属錯体等、ポリチオフェン、ポリフェニレン、ポリフェニレンビニレン等のポリマー化合物、有機シラン誘導体等の化合物等が挙げられる。
前記燐光発光材料は、例えば、遷移金属原子又はランタノイド原子を含む錯体が挙げられる。前記遷移金属原子としては、特に限定されないが、好ましくは、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、及び白金が挙げられ、より好ましくは、レニウム、イリジウム、及び白金である。
前記ランタノイド原子としては、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテシウムが挙げられる。これらのランタノイド原子の中でも、ネオジム、ユーロピウム、及びガドリニウムが好ましい。
錯体の配位子としては、例えば、G.Wilkinson等著,Comprehensive Coordination Chemistry,PergamonPress社1987年発行、H. Yersin著, 「Photochemistry and Photophysics of Coordination Compounds」Springer−Verlag社1987年発行、山本明夫著「有機金属化学−基礎と応用−」裳華房社1982年発行等に記載の配位子等が挙げられる。
また、発光層に含有されるホスト材料としては、例えば、カルバゾール骨格を有するもの、ジアリールアミン骨格を有するもの、ピリジン骨格を有するもの、ピラジン骨格を有するもの、トリアジン骨格を有するもの及びアリールシラン骨格を有するものや、後述の正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層、電子輸送層の項で例示されている材料が挙げられる。
[正孔注入層、正孔輸送層]
正孔注入層及び正孔輸送層は、陽極又は陽極側から正孔を受け取り陰極側に輸送する機能を有する層である。前述する機能を有すれば有機化合物であっても無機化合物であってもよく、低分子化合物でも高分子化合物でも金属酸化物であってもよい。正孔注入層、正孔輸送層は、具体的には、カルバゾール誘導体、トリフェニルアミン誘導体、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、芳香族第三級アミン化合物、スチリルアミン化合物、芳香族ジメチリディン系化合物、ポルフィリン系化合物、フタロシアニン系化合物、有機シラン誘導体等の低分子化合物、カーボン、フラーレン等の炭素化合物、五酸化バナジウムや三酸化モリブデン等の金属酸化物からなる無機化合物、ポリビニルカルバゾール、ポリピロール、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)−ポリ(スチレンスルホン酸)(PEDOT−PSS)等の高分子化合物等を含有する層であることが好ましい。
[電子注入層、電子輸送層]
電子注入層及び電子輸送層は、陰極又は陰極側から電子を受け取り陽極側に輸送する機能を有する層である。電子注入層、電子輸送層は、具体的には、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、フルオレノン誘導体、アントラキノジメタン誘導体、アントロン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、カルボジイミド誘導体、フルオレニリデンメタン誘導体、ジスチリルピラジン誘導体、ナフタレン、ペリレン等の芳香環テトラカルボン酸無水物、フタロシアニン誘導体、8−キノリノール誘導体の金属錯体やメタルフタロシアニン、ベンゾオキサゾールやベンゾチアゾールを配位子とする金属錯体に代表される各種金属錯体、有機シラン誘導体等の低分子化合物、酸化亜鉛(ZnO)、酸化チタン(TiO)等の金属酸化物やアルカリ金属ドーピングされた有機あるいは無機化合物を含有する層であることが好ましい。
[正孔ブロック層]
正孔ブロック層は、陽極側から発光層に輸送された正孔が、陰極側に通りぬけることを防止する機能を有する層である。本発明において、発光層と陰極側で隣接する有機化合物層として、正孔ブロック層を設けることができる。また、電子輸送層・電子注入層が正孔ブロック層の機能を兼ねていてもよい。
正孔ブロック層を構成する有機化合物の例としては、BAlq等のアルミニウム錯体、トリアゾール誘導体、BCP等のフェナントロリン誘導体、等が挙げられる。また、陰極側から発光層に輸送された電子が陽極側に通りぬけることを防止する機能を有する層を、発光層と陽極側で隣接する位置に設けることもできる。正孔輸送層・正孔注入層がこの機能を兼ねていてもよい。
<発光デバイス>
光波長変換部材と発光素子とを組み合わせて、発光デバイスとして用いることができる。前記発光デバイスは、少なくとも、光波長変換部材の光波長変換層又は発光素子の発光層のいずれか一方が、本発明のインク組成物を用いて形成されていればよい。
光波長変換部材は、励起光を長波長側の蛍光に変換して放出するものであり、例えば、青色や紫外光を緑色や赤色の蛍光に変換することや、紫外光や可視光を近赤外領域の蛍光に変換することができる。光波長変換部材は、励起光波長と放出蛍光波長の関係を維持するものであれば特に制限はなく、適宜最適なものを選択することができる。
従来公知の発光素子の光源としては、発光ダイオード(LED)や半導体レーザー(LD)等の半導体発光素子、;有機エレクトロルミネッセンス(有機EL);又は量子ドット(quantum dot)を用いることができる。
以下に、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、以下の実施例は本発明の権利範囲を何ら制限するものではない。なお、実施例における「部」は「質量部」、「%」は「質量%」を表す。また、質量平均分子量は、GPCを用いて測定し、ポリスチレン換算で求めた。
<一般式(1)で示される化合物(量子ドット処理剤)の合成>
(化合物1の合成)
ディーン・スターク装置においてチオグリコール酸5部、エチレングリコールモノメチルエーテル1部、濃硫酸0.05部、トルエン20部を3時間加熱還流した。酢酸エチル40部を加えた後、反応混合物を水20部で2回洗い、最後に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液20部で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、硫酸マグネシウムをろ別した後、有機溶媒を減圧留去することで、表1に示す化合物1を得た。収率は70%であった。
(化合物2の合成)
ディーン・スターク装置において3−メルカプトプロピオン酸5部、エチレングリコールモノメチルエーテル1部、濃硫酸0.05部、トルエン20部を3時間加熱還流した。酢酸エチル40部を加えた後、反応混合物を水20部で2回洗い、最後に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液20部で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、硫酸マグネシウムをろ別した後、有機溶媒を減圧留去することで、表1に示す化合物2を得た。収率は72%であった。
(化合物3の合成)
ディーン・スターク装置において3−メルカプトプロピオン酸5部、エチレングリコールモノエチルエーテル1部、濃硫酸0.05部、トルエン20部を3時間加熱還流した。酢酸エチル40部を加えた後、反応混合物を水20部で2回洗い、最後に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液20部で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、硫酸マグネシウムをろ別した後、有機溶媒を減圧留去することで、表1に示す化合物3を得た。収率は70%であった。
(化合物4の合成)
ディーン・スターク装置においてチオグリコール酸5部、ジエチレングリコールモノメチルエーテル1部、濃硫酸0.05部、トルエン20部を3時間加熱還流した。酢酸エチル40部を加えた後、反応混合物を水20部で2回洗い、最後に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液20部で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、硫酸マグネシウムをろ別した後、有機溶媒を減圧留去することで、表1に示す化合物4を得た。収率は60%であった。
(化合物5の合成)
ディーン・スターク装置においてチオグリコール酸5部、ジエチレングリコールモノエチルエーテル1部、濃硫酸0.05部、トルエン20部を3時間加熱還流した。酢酸エチル40部を加えた後、反応混合物を水20部で2回洗い、最後に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液20部で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、硫酸マグネシウムをろ別した後、有機溶媒を減圧留去することで、表1に示す化合物5を得た。収率は66%であった。
(化合物6の合成)
ディーン・スターク装置において3−メルカプトプロピオン酸5部、ジエチレングリコールモノメチルエーテル1部、濃硫酸0.05部、トルエン20部を3時間加熱還流した。酢酸エチル40部を加えた後、反応混合物を水20部で2回洗い、最後に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液20部で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、硫酸マグネシウムをろ別した後、有機溶媒を減圧留去することで、表2に示す化合物6を得た。収率は70%であった。
(化合物7の合成)
ディーン・スターク装置において3−メルカプトプロピオン酸5部、ジエチレングリコールモノエチルエーテル1部、濃硫酸0.05部、トルエン20部を3時間加熱還流した。酢酸エチル40部を加えた後、反応混合物を水20部で2回洗い、最後に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液20部で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、硫酸マグネシウムをろ別した後、有機溶媒を減圧留去することで、表2に示す化合物7を得た。収率は77%であった。
(化合物8の合成)
ディーン・スターク装置において3−メルカプトプロピオン酸5部、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル1部、濃硫酸0.05部、トルエン20部を3時間加熱還流した。酢酸エチル40部を加えた後、反応混合物を水20部で2回洗い、最後に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液20部で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、硫酸マグネシウムをろ別した後、有機溶媒を減圧留去することで、表2に示す化合物8を得た。収率は73%であった。
(化合物9の合成)
ディーン・スターク装置において3−メルカプトプロピオン酸5部、ジエチレングリコールモノブチルエーテル1部、濃硫酸0.05部、トルエン20部を3時間加熱還流した
。酢酸エチル40部を加えた後、反応混合物を水20部で2回洗い、最後に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液20部で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、硫酸マグネシウムをろ別した後、有機溶媒を減圧留去することで、表2に示す化合物9を得た。収率は70%であった。
(化合物10の合成)
ディーン・スターク装置において4−メルカプト酪酸5部、ジエチレングリコールモノメチルエーテル1部、濃硫酸0.05部、トルエン20部を3時間加熱還流した。酢酸エチル40部を加えた後、反応混合物を水20部で2回洗い、最後に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液20部で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、硫酸マグネシウムをろ別した後、有機溶媒を減圧留去することで、表2に示す化合物10を得た。収率は64%であった。
(化合物11の合成)
ディーン・スターク装置において6−メルカプトヘキサン酸5部、ジエチレングリコールモノメチルエーテル1部、濃硫酸0.05部、トルエン20部を3時間加熱還流した。酢酸エチル40部を加えた後、反応混合物を水20部で2回洗い、最後に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液20部で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、硫酸マグネシウムをろ別した後、有機溶媒を減圧留去することで、表3に示す化合物11を得た。収率は70%であった。
(化合物12の合成)
ディーン・スターク装置においてチオグリコール酸5部、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル1部、濃硫酸0.05部、トルエン20部を3時間加熱還流した。酢酸エチル40部を加えた後、反応混合物を水20部で2回洗い、最後に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液20部で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、硫酸マグネシウムをろ別した後、有機溶媒を減圧留去することで、表3に示す化合物12を得た。収率は71%であった。
(化合物13の合成)
ディーン・スターク装置において3−メルカプトプロピオン酸5部、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル1部、濃硫酸0.05部、トルエン20部を3時間加熱還流した。酢酸エチル40部を加えた後、反応混合物を水20部で2回洗い、最後に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液20部で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、硫酸マグネシウムをろ別した後、有機溶媒を減圧留去することで、表3に示す化合物13を得た。収率は74%であった。
(化合物14の合成)
ディーン・スターク装置において2−チオフェンカルボン酸5部、ジエチレングリコールモノメチルエーテル4部、濃硫酸0.05部、トルエン20部を3時間加熱還流した。酢酸エチル40部を加えた後、反応混合物を水20部で2回洗い、最後に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液20部で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、硫酸マグネシウムをろ別した後、有機溶媒を減圧留去することで、表3に示す化合物14を得た。収率は70%であった。
(化合物15の合成)
ディーン・スターク装置において3−チオフェンカルボン酸5部、ジエチレングリコールモノメチルエーテル4部、濃硫酸0.05部、トルエン20部を3時間加熱還流した。酢酸エチル40部を加えた後、反応混合物を水20部で2回洗い、最後に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液20部で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、硫酸マグネシウムをろ別した後、有機溶媒を減圧留去することで、表3に示す化合物15を得た。収率は72%であった。
(化合物16の合成)
ディーン・スターク装置においてテトラヒドロチオピラン−4−カルボン酸6部、ジエチレングリコールモノメチルエーテル5部、濃硫酸0.05部、トルエン20部を3時間加熱還流した。酢酸エチル40部を加えた後、反応混合物を水20部で2回洗い、最後に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液20部で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、硫酸マグネシウムをろ別した後、有機溶媒を減圧留去することで、表4に示す化合物16を得た。収率は74%であった。
(化合物17の合成)
ディーン・スターク装置においてメチルチオ酢酸4部、ジエチレングリコールモノメチルエーテル4部、濃硫酸0.05部、トルエン20部を3時間加熱還流した。酢酸エチル40部を加えた後、反応混合物を水20部で2回洗い、最後に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液20部で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、硫酸マグネシウムをろ別した後、有機溶媒を減圧留去することで、表4に示す化合物17を得た。収率は68%であった。
(化合物18の合成)
ディーン・スターク装置において3−(メチルチオ)プロピオン酸6部、ジエチレングリコールモノエチルエーテル5部、濃硫酸0.05部、トルエン20部を3時間加熱還流した。酢酸エチル40部を加えた後、反応混合物を水20部で2回洗い、最後に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液20部で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、硫酸マグネシウムをろ別した後、有機溶媒を減圧留去することで、表4に示す化合物18を得た。収率は74%であった。
<量子ドットの製造>
[比較例1]
(量子ドットQD−0)
無水酢酸亜鉛0.55部、ドデカンチオール(化合物0)7.0部、オレイルアミン5.0部を加熱溶解し添加液を作成した。別途、塩化インジウム0.22部、オクチルアミン8.25部を反応容器に入れ、窒素バブリングを行いながら、165℃に加熱した。塩化インジウムが溶解した後、ジエチルアミノホスフィン0.86部を短時間で注入し、20分間165℃に制御した。その後、急冷し、40℃に冷却した。上記添加液を注入し、240℃2時間加熱した後に、室温まで放冷した。放冷後、ヘキサンとエタノールを用いて再沈殿法で精製を行った。沈殿を回収し、減圧乾燥することで、コアがInPでシェルがZnSのコア・シェル型半導体微粒子をドデカンチオール(化合物0)で表面処理した量子ドットQD−0を得た。
[実施例1]
(量子ドットQD−1)
量子ドットQD−0を、トルエンに分散させて固形分濃度1%とした。希釈した液と同量の5%化合物1のトルエン溶液を添加し、12時間撹拌した。トルエンとヘキサンを用いて再沈殿法で精製を行った。沈殿を回収し、減圧乾燥することで、化合物1で表面処理された量子ドットQD−1を得た。
[実施例2〜18、比較例2〜6]
(量子ドットQD−2〜23)
表面処理剤として用いた化合物1を表6に示す化合物2〜23に変更した以外は、QD−1と同様にして、量子ドットQD−2〜23を調製した。
化合物0〜23の構造は、前述の表1〜表4及び下記表5に示したものと同じである。
Figure 2020105491
Figure 2020105491
<樹脂溶液の製造>
(樹脂溶液1)
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、撹拌装置を取り付けた反応容器にキシレン70.0部を仕込み、80℃に昇温し、反応容器内を窒素置換した後、滴下管よりn−ブチルメタクリレート18.0部、メタクリル酸メチル12.0部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.4部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、質量平均分子量(Mw)26,000のアクリル樹脂の溶液を得た。室温まで冷却した後、樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して固形分濃度を測定し、先に合成した樹脂溶液に固形分濃度が10質量%になるようにキシレンを添加して、アクリル樹脂の樹脂溶液1を得た。
(樹脂溶液2)
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、撹拌装置を取り付けた反応容器にキシレン70.0部を仕込み、80℃に昇温し、反応容器内を窒素置換した後、滴下管よりn−ブチルメタクリレート14.0部、メタクリル酸メチル10.0部、スチレン6.0部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.4部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、質量平均分子量(Mw)26,000のアクリル樹脂の溶液を得た。室温まで冷却した後、樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して固形分濃度を測定し、先に合成した樹脂溶液に固形分濃度が10質量%になるようにキシレンを添加して、アクリル樹脂の樹脂溶液2を得た。
(樹脂溶液3)
ブチラール樹脂エスレックBL−S(積水化学製)を固形分濃度10%となるようにトルエンに溶解し、樹脂溶液3を得た。
(樹脂溶液4)
ノルボルネン200部、シクロペンテン50部、1−ヘキセン180部及びトルエン750部を、窒素置換した反応容器に仕込み、60℃に加熱した。これに、トリエチルアルミニウム(1.5モル/l)のトルエン溶液0.62部、tert−C4H5OH/CH
3OHで変性(tert−C4H9OH/CH3OH/W=0.35/0.3/1;モル比)したWCl6溶液(濃度0.05モル/l)3.7部を加え、80℃で3時間加熱攪拌して、開環重合反応、水素添加反応を行い、次いでトリメチルベンゼンを用いて固形分濃度を10%に調製して、樹脂溶液4を得た。
<光散乱粒子(D)分散液の製造>
(金属酸化物微粒子分散液(D1−1))
エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート60部中に、MT700B(テイカ株式会社製、微粒子酸化チタン、平均1次粒子径80nm)を20部、BYK−2155(ビッグケミー株式会社製)を20部配合し、ガラスビーズ(粒子径:850〜1180μm)を加え、ペイントコンディショナーを用いて2時間分散処理を行い、金属酸化物微粒子分散液(D1−1)を得た。
得られた金属酸化物微粒子分散液(D1−1)中の金属酸化物微粒子の平均粒子径は85nmであった。
(金属酸化物微粒子分散液(D1−2))
MT700Bを、MT600B(テイカ株式会社製、微粒子酸化チタン、平均一次粒子径50nm)に変更した以外は、金属酸化物微粒子分散液(D1−1)と同様にして、金属酸化物微粒子分散液(D1−2)を得た。
得られた金属酸化物微粒子分散液(D1−2)中の金属酸化物微粒子の平均粒子径は48nmであった。
(金属酸化物微粒子分散液(D1−3))
MT700Bを、MT600SA(テイカ株式会社製、Si、Al処理、微粒子酸化チタン、平均一次粒子径50nm)に変更した以外は、金属酸化物微粒子分散液(D1−1)と同様にして、金属酸化物微粒子分散液(D1−3)を得た。
得られた金属酸化物微粒子分散液(D1−3)中の金属酸化物微粒子の平均粒子径は49nmであった。
(有機微粒子分散液(D2−1))
窒素雰囲気下、水560部の中に、トリフルオロエチルメタクレート50部、メチルメタクリレート40部、アリルメタクリレート5部、及びイソボルニルメタクリレート5部を添加、撹拌し、80℃に昇温し、2,2−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロリド0.167部をごく少量の水に溶解した水溶液を一気に加え、80℃で8時間重合した。重合後、エチレングリコールモノブチルエーテルを加え、ストリッピングにより水を除去して固形分20質量%に調整し、フッ素原子含有のアクリル樹脂微粒子である有機微粒子分散液(D2−1)を得た。
得られた有機微粒子分散液(D2−1)中の有機微粒子の平均粒子径は280nmであった。
(有機微粒子分散液(D2−2〜4))
溶剤組成とモノマー組成を、表7に示す組成及び配合量(部)に変更した以外は、有機微粒子分散液(D2−1)と同様の方法で、フッ素原子含有のアクリル樹脂微粒子である有機微粒子分散液(D2−2〜4)を得た。得られた有機微粒子分散液の平均粒子径を表7に示す。
Figure 2020105491
(有機微粒子分散液(D2−5))
エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート80部中に、エポスターS(日本触媒株式会社製、メラミン・ホルムアルデヒド縮合物、平均粒子径200nm)を16.0部、BYK−111(ビッグケミー株式会社製)を4.0部配合し、ガラスビーズ(粒子径:850−1180μm)を加え、ペイントコンディショナーを用いて2時間分散処理を行い、メラミン樹脂微粒子である有機微粒子分散液(D2−5)を得た。
得られた有機微粒子分散液(D2−5)中の有機微粒子の平均粒子径は175nmであった。
(有機微粒子分散液(D2−6))
エポスターSを、エポスターFS(日本触媒株式会社製、メラミン・ホルムアルデヒド縮合物、平均粒子径200nm)に変更した以外は、有機微粒子分散液(D2−5)と同様にして、メラミン樹脂微粒子である有機微粒子分散液(D2−6)を得た。
得られた有機微粒子分散液(D2−6)中の有機微粒子の平均粒子径は173nmであった。
(有機微粒子分散液(D2−7))
エポスターSを、MX−80HwTM(綜研化学株式会社製、架橋アクリル単分散粒子、平均粒子径800nm)に変更した以外は、有機微粒子分散液(D2−5)と同様にして、架橋アクリル樹脂微粒子である有機微粒子分散液(D2−7)を得た。
得られた有機微粒子分散液(D2−7)中の有機微粒子の平均粒子径は732nmであった。
(有機微粒子分散液(D2−8))
エポスターSをMX−80HwTM(綜研化学株式会社製、架橋アクリル単分散粒子、平均粒子径800nm)に、BYK−111をBYK−2155(ビッグケミー株式会社製)に変更した以外は、有機微粒子分散液(D2−5)と同様にして、架橋アクリル樹脂微粒子である有機微粒子分散液(D2−8)を得た。
得られた有機微粒子分散液(D2−8)中の有機微粒子の平均粒子径は673nmであった。
<インク組成物の調製>
[実施例101]
(インク組成物1)
密閉できる容器に、量子ドット(QD−1)20部と、樹脂溶液1 50部を計量し、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート30部を加えた。その後、密閉して撹拌し、孔径1μmのメンブレンフィルターを用いてろ過を行い、インク組成物1を得た。
[実施例102〜121、比較例101〜106]
(インク組成物2〜21、57〜62)
密閉できる容器に、表8に示した配合組成にて、量子ドット、樹脂溶液、溶剤の順番で計量した以外は、インク組成物1と同様にしてインク組成物2〜21、57〜62を調製した。また、比較例101〜106は、量子ドット20部が完全に分散する量の溶剤を加えた。
[実施例122]
(インク組成物22)
密閉できる容器に、樹脂溶液1を50部、量子ドット(QD−1)20部、金属酸化物微粒子分散液(D1−1)16部、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート14部を計量した。その後、密閉して撹拌し、孔径1μmのメンブレンフィルターを用いてろ過を行い、インク組成物22を得た。
[実施例123〜140]
(インク組成物23〜40)
密閉できる容器に、表8に示した配合組成にて、樹脂溶液、量子ドット、金属酸化物微粒子分散液、溶剤の順番で計量した以外は、インク組成物22と同様にしてインク組成物23〜40を調製した。
[実施例141]
(インク組成物41)
密閉できる容器に、ジエチルアクリルアミドを52部、量子ドット(QD−6)を20部、Omnirad907(IGM Resins B.V.社製光重合開始剤)6部、カヤキュアDETX−S(日本化薬社製光重合開始剤)2部を計量した。その後、密閉して撹拌し、孔径1μmのメンブレンフィルターを用いてろ過を行い、インク組成物41を得た。
[実施例142、143]
(インク組成物42、43)
密閉できる容器に、表8に示した配合組成にて、重合性化合物、量子ドット、Omnirad907、カヤキュアDETX−Sの順番で計量した以外は、インク組成物41と同様にしてインク組成物42、43を調製した。
[実施例144]
(インク組成物44)
密閉できる容器に、ジエチルアクリルアミドを32部、量子ドット(QD−6)を20部、Omnirad907 6部、カヤキュアDETX−S 2部、金属酸化物微粒子分散液(D1−1)20部 を計量した。その後、密閉して撹拌し、孔径1μmのメンブレンフィルターを用いてろ過を行い、インク組成物44を得た。
[実施例145〜153、比較例107〜110]
(インク組成物45〜53、63〜66)
密閉できる容器に、表8に示した配合組成にて、重合性化合物、量子ドット、Omnirad907、カヤキュアDETX−S、金属酸化物微粒子分散液、有機微粒子分散液の順番で計量した以外は、インク組成物44と同様にしてインク組成物45〜53、63〜66を調製した。
[実施例154]
(インク組成物54)
密閉できる容器に、量子ドット(QD−6)を20部、jER1001(三菱ケミカル社製、エポキシ樹脂)4部、ラッカマイドTD−984(DIC社製無溶剤ポリアミドアミン型アミン系硬化剤)0.8部、トルエン42.4部、金属酸化物微粒子分散液(D1−1)12.8部を計量した。その後、密閉して撹拌し、孔径1μmのメンブレンフィルターを用いてろ過を行い、インク組成物54を得た。
[実施例155、比較例111]
(インク組成物55、67)
密閉できる容器に、表8に示した配合組成にて、量子ドット、樹脂、硬化剤、溶剤、金属酸化物微粒子分散液を計量した。その後、密閉して撹拌し、孔径1μmのメンブレンフィルターを用いてろ過を行い、インク組成物55、67を得た。
[実施例156]
(インク組成物56)
密閉できる容器に、量子ドット(QD−6)20部と、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート60部を加えた。その後、密閉して撹拌し、孔径1μmのメンブレンフィルターを用いてろ過を行い、インク組成物56を得た。
Figure 2020105491
以下に、表8中の略称を示す。
DBCA:ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート(沸点247℃、SP値8.9、溶剤(S−1)に該当)
PGMAc:プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(沸点147℃、SP値8.7、溶剤(S−2)に該当)
MEK:メチルメチルケトン
DEAA:ジエチルアクリルアミド
DPGDA:ジプロピレングリコールジアクリレート
jER1001:三菱ケミカル社製エポキシ樹脂、エポキシ当量450〜500、数平均分子量900
バイロン200:東洋紡社製ポリエステル樹脂、ガラス転移温度67℃、数平均分子量17,000
TD−984:DIC社製無溶剤ポリアミドアミン型アミン系硬化剤「ラッカマイドTD−984」、アミン価285〜315mgKOH/g
D110N:三井化学社製「タケネートD−110N」、キシリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン変性体
開始剤1:IGM Resins B.V.社製光重合開始剤「Omnirad907」、α−アミノアルキルフェノン
開始剤2:日本化薬社製光重合開始剤「カヤキュアDETX−S」、2,4−ジエチルチオキサントン
<インク組成物の評価>
得られたインク組成物について、以下の評価を実施した。結果を表9に示す。
[励起光透過率]
得られたインク組成物を、バーコータ−を用いて乾燥後膜厚6.0μmになるように透明フィルム(東レ(株)社製ポリエステルフィルム ルミラー75S10)に塗工し、100℃環境下で乾燥させた。得られた塗膜の励起光透過率を、大塚電子株式会社製QE−2000を用いて測定し、下記基準で評価した。なお、励起波長は450nmとした。
◎:10%未満(良好)
○:10%以上20%未満(使用可能)
△:20%以上30%未満(使用不可)
×:30%以上(不良)
[外部量子効率]
得られたインク組成物を、バーコータ−を用いて乾燥後膜厚6.0μmになるように透明フィルム(東レ(株)社製ポリエステルフィルム ルミラー75S10)に塗工し、100℃環境下で乾燥させた。重合性化合物を含むインク組成物は、バーコータ−を用いて乾燥後膜厚6.0μmになるように透明フィルム(東レ(株)社製ポリエステルフィルム ルミラー75S10)に塗工し、塗工フィルムを窒素置換したグローブボックス内に設置したLED照射器を用いて、積算光量500mJ/cm(UVA換算)を照射し硬化させた。硬化剤を含むインク組成物は、塗工後乾燥の代わりに40℃3日間エージングして硬化させた。得られた塗膜の外部量子効率(EQE)を、大塚電子株式会社製QE−2000を用いて測定し、下記基準で評価した。なお、励起波長は450nmとし、蛍光波長の積分範囲は500nm〜800nmとした。
◎:20%以上(非常に良好)
○:15%以上20%未満(良好)
△:10%以上15%未満(使用可能)
×:10%未満(使用不可)
[分散安定性]
得られたインク組成物について、インク組成物調製直後と、25℃48時間経時後(硬化剤を含むインク組成物は、0℃12時間経過後)について、振動式粘度計ビスコメイトVM−10A−L(SEKONIC社製)を用いて、25℃における粘度を測定して粘度の変化率を算出し、下記基準で評価を行った。
◎:粘度変化率が±2.5% 未満(非常に良好)
○:粘度変化率が±2.5%以上±5%未満(使用可)
△:粘度変化率が±5%以上±10%未満(使用不可)
×:粘度変化率が±10%以上(不良)
[IJ印刷試験]
得られたインク組成物を用いて、下記条件でIJ印刷試験を行った。得られた印刷物及び吐出状況について、下記基準で評価を行った。
重合性化合物を含むインク組成物は、印刷後乾燥の代わりに、窒素置換したグローブボックス内に設置したLED照射器を用いて、積算光量500mJ/cm(UVA換算)を照射して硬化させた。硬化剤を含むインク組成物は、印刷後乾燥の代わりに40℃3日間エージングして硬化させた。
(印刷条件)
印刷機DimatixMaterialsPrinter
カートリッジ10DimatixMaterialsCartriges、10pL
印刷パターン1mm間隔の格子模様
基板丸カバーガラス・松浪ガラス工業製
基板温度30℃
印刷後乾燥40℃20分
(評価基準)
○:印刷パターン通りに吐出できた(良好)
×:ノズル詰りが発生した(不良)
[IJ連続吐出性]
得られたインク組成物を用いて、上述の印刷試験と同様にしてIJ連続吐出を行った。吐出状況を目視で確認し、下記基準で評価を行った。
(評価基準)
○:連続吐出可能時間が、30分間以上である(良好)
△:連続吐出可能時間が、10分間以上、30分間未満である(使用可能)
×:連続吐出可能時間が、10分間未満である(使用不可)
Figure 2020105491
特定のリガンド化合物で表面処理された半導体微粒子である、本発明の量子ドットを含む塗膜は、励起光透過率が低く、高い外部量子効率(EQE)を有し、且つ分散安定性に優れていた。また、本発明の量子ドットを含むインク組成物は、良好なIJ吐出性を有しており、インクジェットインク用に有用であることが示された。
実施例101〜166では、いずれも励起光透過率が優れていた。これは、実施例101〜166に用いた化合物1〜18が、アルキレンオキシ鎖を有し、かつ所定範囲の分子量である化合物であるため、溶剤と量子ドットの親和性を高め、励起光透過率が適格水準となる濃度まで量子ドットが分散したためと考えられる。
実施例101〜166のうち、光散乱粒子分散液を併用した実施例122〜129、132〜155では、励起光透過率が更に向上しており、光散乱粒子が散乱体として機能し、励起光の透過が抑制されていた。光散乱粒子の併用に伴い外部量子効率も向上しているが、散乱光が量子ドットに吸収される経路が増えた事による効果であると考えられる。実施例125、127、128では分散安定性が特に高水準となっており、対応する化合物(表面処理剤)は、光散乱粒子分散液存在下でも、量子ドットを安定に分散させる性能を有していると推測される。

Claims (11)

  1. 下記一般式(1)で示される、分子量が250以下の化合物で表面処理された半導体微粒子である、量子ドット(A)。
    一般式(1) : Q−R−X−(R−O)−R
    [一般式(1)中、Qはスルファニル基、アルキルスルファニル基、又は硫黄原子を含有する1価の複素環基であり、Rは直接結合又は炭素数1〜6のアルキレン基であり、Xはエステル結合であり、Rはエチレン基又はプロピレン基であり、Rはアルキル基であり、nは1又は2の整数である。]
  2. 前記半導体微粒子が化合物半導体である、請求項1に記載の量子ドット(A)。
  3. 前記半導体微粒子がコア・シェル型であり、前記一般式(1)で示される化合物でシェル表面が処理されてなる、請求項1又は2に記載の量子ドット(A)。
  4. 一般式(1)のQがスルファニル基である、請求項1〜3いずれか1項に記載の量子ドット(A)。
  5. 一般式(1)のRが炭素数1〜6のアルキレン基である、請求項1〜4いずれか1項に記載の量子ドット(A)。
  6. 一般式(1)で表される化合物の分子量が180〜230である、請求項1〜5いずれか1項に記載の量子ドット(A)。
  7. 請求項1〜6いずれか1項に記載の量子ドット(A)と溶剤(B)とを含むインク組成物。
  8. 請求項1〜6いずれか1項に記載の量子ドット(A)とバインダー成分(C)とを含むインク組成物。
  9. さらに、光散乱粒子(D)を含む、請求項7又は8に記載のインク組成物。
  10. インクジェット方式で用いられる、請求項7〜9いずれか1項に記載のインク組成物。
  11. 請求項7〜10いずれか1項に記載のインク組成物を用いて形成される印刷物。
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