JP2020105389A - 防曇剤、樹脂シート及び樹脂成型品 - Google Patents

防曇剤、樹脂シート及び樹脂成型品 Download PDF

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Abstract

【課題】防曇剤の、防曇性の向上、べたつきの抑制及び透明性の向上を図る。【解決手段】防曇剤は、100質量部の多価アルコール型非イオン性界面活性剤に対して、85質量部以上175質量部以下のセルロースエーテル類及び15質量部以上110質量部以下の親水性高分子を含有、100質量部の多価アルコール型非イオン性界面活性剤に対して、100質量部以上175質量部以下のセルロースエーテル類及び15質量部以上115質量部以下の親水性高分子を含有、100質量部の多価アルコール型非イオン性界面活性剤に対して、50質量部以上175質量部以下のセルロースエーテル類及び20質量部以上100質量部以下の親水性高分子を含有、100質量部の多価アルコール型非イオン性界面活性剤に対して、125質量部以上175質量部以下のセルロースエーテル類及び10質量部以上115質量部以下の親水性高分子を含有する。【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂シートに塗布される防曇剤、樹脂シート及び樹脂成型品に関する。
従来の防曇剤に関する発明としては、例えば、特許文献1に記載の表面処理剤が知られている。特許文献1に記載の表面処理剤は、多価アルコール脂肪酸エステルと、非エーテル系親水性高分子と、エーテル系親水性高分子と、シリコーンオイルとで構成されている。多価アルコール脂肪酸エステルは、例えば、ショ糖脂肪酸エステルにより構成されている。非エーテル系親水性高分子は、例えば、多糖類又はアクリル酸系重合体により構成されている。このような表面処理剤によれば、巻き取りや熱成形等に供しても高い防曇性を維持できる。
また、その他の従来の防曇剤に関する発明としては、例えば、特許文献2に記載の防曇性表面処理剤が知られている。特許文献2に記載の防曇性表面処理剤は、非イオン性界面活性剤と、水溶性高分子と、アニオン性界面活性剤とを含んでいる。非イオン性界面活性剤は、例えば、ショ糖脂肪酸エステルである。水溶性高分子は、例えば、メチルセルロース又はアクリル酸エステルである。このような防曇性表面処理剤によれば、高い防曇性を得ることができる。
特開2004−238614号公報 特開2010−37387号公報
以上のような表面処理剤及び防曇性表面処理剤は、樹脂シートの主面に塗布されて用いられる。すなわち、樹脂シートの主面には、防曇剤の被覆層が形成される。このような防曇剤では、防曇剤の被覆層の防曇性(以下、単に防曇性と呼ぶ)の向上に加えて、防曇剤の被覆層のべたつき(以下、単にべたつきと呼ぶ)の抑制及び防曇剤の被覆層の透明性(以下、単に透明性と呼ぶ)の向上が要求されている。
そこで、本発明の目的は、防曇性の向上、べたつきの抑制及び透明性の向上を図ることができる防曇剤、樹脂シート及び樹脂成型品を提供することである。
本願発明者は、防曇剤において、防曇性の向上、べたつきの抑制及び透明性の向上を図るための手法について検討を行った。防曇剤の性能向上を図る場合には、通常であれば、新たな成分を追加する手法によって実現される。これに対して、本願発明者は、特許文献1に記載の表面処理剤及び特許文献2に記載の防曇性表面処理剤が既に含有している成分の比率に着目した。
まず、本願発明者は、特許文献1において以下の点に気が付いた。特許文献1に記載の表面処理剤では、多価アルコール脂肪酸エステル(ショ糖脂肪酸エステル)と非エーテル系親水性高分子(多糖類又はアクリル酸系重合体)との比率について言及されているものの、多糖類とアクリル酸系重合体との比率について言及されていない。本願発明者は、多糖類とアクリル酸系重合体との比率について言及されていない理由について、特許文献1に記載の表面処理剤が防曇性の向上を主な目的としているためであると推測した。
また、本願発明者は、特許文献2において以下の点に気が付いた。特許文献2に記載の防曇性表面処理剤では、非イオン性界面活性剤(ショ糖脂肪酸エステル)と水溶性高分子(メチルセルロース又はアクリル酸エステル)との比率について言及されているものの、メチルセルロースとアクリル酸エステルとの比率について言及されていない。本願発明者は、メチルセルロースとアクリル酸エステルとの比率について言及されていない理由について、特許文献2に記載の防曇性表面処理剤が防曇性の向上を主な目的としているためであると推測した。
そこで、本願発明者は、多価アルコール型非イオン性界面活性剤とセルロースエーテル類と親水性高分子との比率を適切な値とすることにより、防曇性の向上、べたつきの抑制及び透明性の向上を図ることを試みた。そして、本願発明者は、種々の実験を行うことにより、防曇性の向上、べたつきの抑制及び透明性の向上を図ることができる多価アルコール型非イオン性界面活性剤とセルロースエーテル類と親水性高分子との比率を求めることができた。
本願発明は、上記課題を解決するために、以下に説明する構成を備えている。
(1)の防曇剤は、
多価アルコール型非イオン性界面活性剤とセルロースエーテル類と親水性高分子とを含有する防曇剤であって、
(A)、(B)、(C)又は(D)の条件を満足する。
(A)前記防曇剤は、100質量部の前記多価アルコール型非イオン性界面活性剤に対して、85質量部以上175質量部以下の前記セルロースエーテル類及び15質量部以上110質量部以下の前記親水性高分子を含有する。
(B)前記防曇剤は、100質量部の前記多価アルコール型非イオン性界面活性剤に対して、100質量部以上175質量部以下の前記セルロースエーテル類及び15質量部以上115質量部以下の前記親水性高分子を含有する。
(C)前記防曇剤は、100質量部の前記多価アルコール型非イオン性界面活性剤に対して、50質量部以上175質量部以下の前記セルロースエーテル類及び20質量部以上100質量部以下の前記親水性高分子を含有する。
(D)前記防曇剤は、100質量部の前記多価アルコール型非イオン性界面活性剤に対して、125質量部以上175質量部以下の前記セルロースエーテル類及び10質量部以上115質量部以下の前記親水性高分子を含有する。
(1)の防曇剤によれば、防曇剤が(A)、(B)、(C)又は(D)の条件を満足することにより、防曇性の向上、べたつきの抑制及び透明性の向上を図ることができる。なお、樹脂シートでは、べたつきの問題以外に被覆層の剥離の問題が存在する。被覆層の剥離とは、樹脂シートが他の部材に密着した後に、樹脂シートが他の部材から外された際に、被覆層が樹脂シートから剥がれることを言う。このような被覆層の剥離の原因は、被覆層のべたつきに起因するのではなく、被覆層の樹脂シートに対する密着性に起因する。したがって、べたつきと被覆層の剥離の問題とは、全く異なる問題である。また、樹脂シートでは、離型性の問題が存在する。離型性が悪いとは、樹脂シートの熱成形時に樹脂シートが金型から外れにくいことを意味する。離型性が悪くなる原因は、被覆層のべたつきに起因しない。離型性は、防曇剤で確保されているのではなく、離型剤(シリコーン系離型剤等)で確保されている。
(2)の防曇剤は、(1)の防曇剤であって、
前記多価アルコール型非イオン性界面活性剤は、ショ糖脂肪酸エステル又はポリグリセリン脂肪酸エステルである。
(3)の防曇剤は、(1)又は(2)のいずれかの防曇剤であって、
前記セルロースエーテル類は、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、アルキルセルロース又はカルボキシメチルセルロースである。
(4)の防曇剤は、(1)ないし(3)のいずれかの防曇剤であって、
前記親水性高分子は、アクリル酸系重合物、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン又はポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン共重合である。
(5)の防曇剤は、(1)ないし(4)のいずれかの防曇剤であって、
前記防曇剤は、(E)の条件を満足する。
(E)前記防曇剤は、100質量部の前記多価アルコール型非イオン性界面活性剤に対して、100質量部以上175質量部以下の前記セルロースエーテル類及び15質量部以上115質量部以下の前記親水性高分子を含有する。
(5)の防曇剤によれば、防曇剤が(E)の条件を満足することにより、防曇性の向上がより効果的に図られるようになる。
(6)の防曇剤は、(1)ないし(4)のいずれかの防曇剤であって、
前記防曇剤は、(F)の条件を満足する。
(F)前記防曇剤は、100質量部の前記多価アルコール型非イオン性界面活性剤に対して、100質量部以上150質量部以下の前記セルロースエーテル類及び15質量部以上110質量部以下の前記親水性高分子を含有する。
(6)の防曇剤によれば、防曇剤が(F)の条件を満足することにより、透明性の向上がより効果的に図られるようになる。
(7)の樹脂シートは、
第1主面及び第2主面を有する樹脂シート本体と、
前記第1主面又は前記第2主面の少なくとも一方に形成された防曇剤の被覆層であって、多価アルコール型非イオン性界面活性剤とセルロースエーテル類と親水性高分子とを含有する前記防曇剤の被覆層と、
を備えており、
前記防曇剤の被覆層は、(a)、(b)、(c)又は(d)の条件を満足する。
(a)前記防曇剤の被覆層は、100質量部の前記多価アルコール型非イオン性界面活性剤に対して、85質量部以上175質量部以下の前記セルロースエーテル類及び15質量部以上110質量部以下の前記親水性高分子を含有する。
(b)前記防曇剤の被覆層は、100質量部の前記多価アルコール型非イオン性界面活性剤に対して、100質量部以上175質量部以下の前記セルロースエーテル類及び15質量部以上115質量部以下の前記親水性高分子を含有する。
(c)前記防曇剤の被覆層は、100質量部の前記多価アルコール型非イオン性界面活性剤に対して、50質量部以上175質量部以下の前記セルロースエーテル類及び20質量部以上100質量部以下の前記親水性高分子を含有する。
(d)前記防曇剤の被覆層は、100質量部の前記多価アルコール型非イオン性界面活性剤に対して、125質量部以上175質量部以下の前記セルロースエーテル類及び10質量部以上115質量部以下の前記親水性高分子を含有する。
(7)の樹脂シートによれば、防曇剤の被覆層が(a)、(b)、(c)又は(d)の条件を満足することにより、防曇性の向上、べたつきの抑制及び透明性の向上を図ることができる。
(8)の樹脂シートは、(7)の樹脂シートであって、
前記樹脂シート本体は、スチレン系樹脂又はオレフィン系樹脂により作製されている。
(9)の樹脂成型品は、(7)又は(8)のいずれかに記載の樹脂シートにより作製されている。
この発明の上述の目的及びその他の目的、特徴、局面及び利点は、添付図面に関連して行われる以下のこの発明の実施形態の詳細な説明から一層明らかとなろう。
本明細書にて使用される場合、用語「及び/又は(and/or)」は1つの、又は複数の関連した列挙されたアイテム(items)のあらゆる又は全ての組み合わせを含む。
本明細書中で使用される場合、用語「含む、備える(including)」、「含む、備える(comprising)」又は「有する(having)」及びその変形の使用は、記載された特徴、工程、操作、要素、成分及び/又はそれらの等価物の存在を特定するが、ステップ、動作、要素、コンポーネント、及び/又はそれらのグループのうちの1つ又は複数を含むことができる。
他に定義されない限り、本明細書で使用される全ての用語(技術用語及び科学用語を含む)は、本発明が属する当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。
一般的に使用される辞書に定義された用語のような用語は、関連する技術及び本開示の文脈における意味と一致する意味を有すると解釈されるべきであり、本明細書で明示的に定義されていない限り、理想的又は過度に形式的な意味で解釈されることはない。
本発明の説明においては、技術及び工程の数が開示されていると理解される。これらの各々は個別の利益を有し、それぞれは、他の開示された技術の1つ以上、又は、場合によっては全てと共に使用することもできる。従って、明確にするために、この説明は、不要に個々のステップの可能な組み合わせの全てを繰り返すことを控える。それにもかかわらず、明細書及び特許請求の範囲は、そのような組み合わせが全て本発明及び特許請求項の範囲内にあることを理解して読まれるべきである。
以下の説明では、説明の目的で、本発明の完全な理解を提供するために多数の具体的な詳細を述べる。しかしながら、当業者には、これらの特定の詳細なしに本発明を実施できることが明らかである。本開示は、本発明の例示として考慮されるべきであり、本発明を以下の図面又は説明によって示される特定の実施形態に限定することを意図するものではない。
本発明によれば、防曇性の向上、べたつきの抑制及び透明性の向上を図ることができる。
図1は、水膜が維持されているときのサンプルの写真である。 図2は、水膜が維持されていないときのサンプルの写真である。
(防曇剤)
以下に、本発明の一実施形態に係る防曇剤について説明する。本発明の一実施形態に係る防曇剤は、多価アルコール型非イオン性界面活性剤とセルロースエーテル類と親水性高分子とを含んでいる。本明細書における防曇剤とは、多価アルコール型非イオン性界面活性剤を有効成分として含有する材料とセルロースエーテル類を有効成分として含有する材料と親水性高分子を有効成分として含有する材料との混合物である。故に、防曇剤は、液体である。また、防曇剤の被覆層とは、防曇剤が樹脂シートに塗布された後に、防曇剤が乾燥させられることにより樹脂シート上に形成される膜である。
多価アルコール型非イオン性界面活性剤は、ショ糖脂肪酸エステル又はポリグリセリン脂肪酸エステルである。ショ糖脂肪酸エステルは、脂肪酸成分として、ラウリル酸を50モル%以上含み、HLB(親水性親油性バランス)が11〜17のものが好適に使用される。セルロースエーテル類は、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、アルキルセルロース又はカルボキシメチルセルロースである。メチルセルロースは、製品安全上の観点から、食品添加物として認可されているものが好適に使用される。親水性高分子は、アクリル酸系重合物、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン又はポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン共重合である。
また、防曇剤は、(A)、(B)、(C)又は(D)の条件を満足する。
(A)防曇剤は、100質量部の多価アルコール型非イオン性界面活性剤に対して、85質量部以上175質量部以下のセルロースエーテル類及び15質量部以上110質量部以下の親水性高分子を含有する。
(B)防曇剤は、100質量部の多価アルコール型非イオン性界面活性剤に対して、100質量部以上175質量部以下のセルロースエーテル類及び15質量部以上115質量部以下の親水性高分子を含有する。
(C)防曇剤は、100質量部の多価アルコール型非イオン性界面活性剤に対して、50質量部以上175質量部以下のセルロースエーテル類及び20質量部以上100質量部以下の親水性高分子を含有する。
(D)前記防曇剤は、100質量部の多価アルコール型非イオン性界面活性剤に対して、125質量部以上175質量部以下のセルロースエーテル類及び10質量部以上115質量部以下の親水性高分子を含有する。
多価アルコール型非イオン性界面活性剤は、防曇剤の被覆層に防曇性を付与する役割を果たす。セルロースエーテル類は、防曇剤の被覆層の防曇性を持続させる役割、及び、防曇剤の被覆層が樹脂シート本体から剥離することを抑制する役割を果たす。親水性高分子は、防曇剤の被覆層のべたつきを抑制する役割を果たす。そして、防曇剤が(A)、(B)、(C)又は(D)の条件を満足することにより、防曇性の向上、べたつきの抑制及び透明性の向上が図られる。
なお、防曇剤において、例えば、「100質量部の多価アルコール型非イオン性界面活性剤を含有する」とは、「100質量部の多価アルコール型非イオン性界面活性剤を有効成分として含有する」ことを意味する。なお、セルロースエーテル類及び親水性高分子についても、多価アルコール型非イオン性界面活性剤と同じである。故に、防曇剤は、多価アルコール型非イオン性界面活性剤、セルロースエーテル類及び親水性高分子以外に水などの溶媒を含んでいる。
また、防曇剤は、より好ましくは、(E)を満足する。
(E)防曇剤は、100質量部の多価アルコール型非イオン性界面活性剤に対して、100質量部以上175質量部以下のセルロースエーテル類及び15質量部以上115質量部以下の親水性高分子を含有する。
防曇剤が(E)の条件を満足することにより、防曇性が更に向上する。
また、防曇剤は、より好ましくは、(F)を満足する。
(F)防曇剤は、100質量部の多価アルコール型非イオン性界面活性剤に対して、100質量部以上150質量部以下のセルロースエーテル類及び15質量部以上110質量部以下の親水性高分子を含有する。
防曇剤が(F)の条件を満足することにより、防曇剤の被覆層のべたつきが更に抑制される。
(樹脂シート)
次に、本発明の一実施形態に係る樹脂シートについて説明する。樹脂シートは、樹脂シート本体及び被覆層を備える。
樹脂シート本体は、第1主面及び第2主面を有する薄いシート材である。樹脂シート本体は、スチレン系樹脂により作製されている。スチレン系樹脂は、一般用ポリスチレン(GPPS)、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、スチレン−共役ジエン(ブタジエン、イソプレン等)共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸(エステル)共重合体等の樹脂及びそれらの混合物である。また、スチレン系樹脂により作製された樹脂シート本体は、使用目的に応じて、無延伸又は二軸延伸されたシートでもよい。また、樹脂シート本体は、目的に応じて、複数枚のシートが積層された積層構造を有していてもよい。
防曇剤の被覆層は、第1主面又は第2主面の少なくとも一方に形成される。例えば、防曇剤の被覆層が第1主面に形成され、シリコーンオイルの被覆層が第2主面に形成されてもよい。また、シリコーンオイルの被覆層は、第2主面に形成されなくてもよい。また、防曇剤の被覆層が第1主面及び第2主面に形成されてもよい。
本実施形態では、多価アルコール型非イオン性界面活性剤、セルロースエーテル類及び親水性高分子を含有する防曇剤を第1主面に塗布する。この際、防曇剤は、(A)、(B)、(C)又は(D)の条件を満たしている。例えば、スプレーコーター、グラビアコーター、エアーナイフコーター、ロールコーター、ナイフコーター等を用いる一般的なコーティング方法により防曇剤の塗布を行う。なお、防曇剤の塗布前に、第1主面にコロナ放電処理等による表面改質を施してもよい。
防曇剤の塗布後に、熱風乾燥機等を用いて防曇剤を乾燥する。これにより、樹脂シート本体の第1主面に防曇剤の被覆層が形成される。防曇剤の被覆層からは、乾燥により、水分等が蒸発している。ただし、防曇剤の被覆層は、(a)、(b)、(c)又は(d)の条件を満たしている。これは、乾燥において、水分等が蒸発し、多価アルコール型非イオン性界面活性剤、セルロースエーテル類及び親水性高分子が蒸発又は揮発していないことを意味する。
(a)防曇剤の被覆層は、100質量部の多価アルコール型非イオン性界面活性剤に対して、85質量部以上175質量部以下のセルロースエーテル類及び15質量部以上110質量部以下の親水性高分子を含有する。
(b)防曇剤の被覆層は、100質量部の多価アルコール型非イオン性界面活性剤に対して、100質量部以上175質量部以下のセルロースエーテル類及び15質量部以上115質量部以下の親水性高分子を含有する。
(c)防曇剤の被覆層は、100質量部の多価アルコール型非イオン性界面活性剤に対して、50質量部以上175質量部以下のセルロースエーテル類及び20質量部以上100質量部以下の親水性高分子を含有する。
(d)防曇剤の被覆層は、100質量部の多価アルコール型非イオン性界面活性剤に対して、125質量部以上175質量部以下のセルロースエーテル類及び10質量部以上115質量部以下の親水性高分子を含有する。
この後、樹脂シートをロール状に巻き取る。樹脂シートにより樹脂成型品が作製される。具体的には、樹脂シートは、熱成形により加工される。加工された樹脂シート(樹脂成型品)は、例えば、食品容器(主に、コンビニエンスストア等で販売される弁当の容器の蓋)として用いられる。
以下に実施例に係る樹脂シートについて具体的に説明する。ポリスチレンを押出機に供給し、T−ダイにより押出した。押出したシートをキャスティングした後、130℃に加熱したローラーの速度比により3倍に縦延伸した。次に、オーブン温度135℃のテンターで3倍に横延伸した。これにより、0.25mmの厚みを有する二軸延伸スチレン系樹脂シートを得た。
次に、100質量部のショ糖脂肪酸エステルを有効成分として含有するリケマールA(理研ビタミン株式会社製)に対して、25質量部以上300質量部以下のメチルセルロースを有効成分として含有するメトローズMCE−4((登録商標) 信越化学工業株式会社製)、10質量部以上300質量部以下のアクリル酸系重合物を有効成分として含有するジュリマーFC−90((登録商標) 東亞合成株式会社製)及び20質量部の特殊カチオン系界面活性剤を有効成分として含有するTB−214(松本油脂製薬株式会社製)を含有する複数種類の防曇剤を作成した。特殊カチオン系界面活性剤は、帯電防止剤である。この際、ショ糖脂肪酸エステルの割合を100質量部に固定した状態で、メチルセルロースの割合を25質量部以上300質量部以下の範囲で変化させると共に、アクリル酸系重合物の割合を10質量部以上300質量部以下の範囲で変化させることにより、複数種類の防曇剤を作製した。
次に、B型オートマチックアプリケータ(株式会社東洋精機製作所製)を用いて樹脂シート本体の第1主面に複数種類の防曇剤を塗布した。防曇剤の塗布後に、熱風乾燥機中で50℃〜70℃の温度で樹脂シートを乾燥した。これにより、防曇剤が塗布された複数種類の樹脂シート(以下、複数種類の樹脂シートを複数種類のサンプルと呼ぶ)を得た。塗布条件は、以下の通りである。
塗布速度:72mm/min
塗布量:1ml
塗布面積:350mm×400mm
本願発明者は、以上のように作製した複数種類のサンプルを用いて、防曇性、べたつき、透明性及び帯電性に関する試験を行った。以下では、防曇性に関する試験を防曇性試験と呼ぶ。べたつきに関する試験をべたつき試験と呼ぶ。透明性に関する試験を透明性試験と呼ぶ。帯電性に関する試験を帯電性試験と呼ぶ。
(I)防曇性試験
まず、防曇性試験について説明する。本願発明者は、恒温水層BK400(ヤマト科学株式会社製)に適量の水を入れ80℃に昇温した。そして、本願発明者は、第1主面が水面と対向するように、水面の上方にサンプルをセットした。本願発明者は、所定時間後に、第1主面上に形成される水膜が維持されているか否かを目視により確認した。図1は、水膜が維持されているときのサンプルの写真である。図2は、水膜が維持されていないときのサンプルの写真である。図1では、サンプルの全面に水膜が形成されていることが分かる。一方、図2では、サンプルの縁部近傍(楕円で囲んだ部分)において水膜が維持できなくなっている(すなわち、曇っている)ことが分かる。
本願発明者は、以下のように水膜の維持を評価した。
6:60分以上にわたって図1のような水膜が維持された。
5:40分以上60分未満にわたって水膜が維持された。
4:30分以上40分未満にわたって水膜が維持された。
3:20分以上30分未満にわたって水膜が維持された。
2:10分以上20分未満にわたって水膜が維持された。
1:10分未満で水膜が維持されなくなった。
表1は、防曇性試験の結果を示した表である。
(II)べたつき試験
次に、べたつき試験について説明する。本願発明者は、幅80mm、長さ30mm及び高さ30mmのサイズを有する500gの重りを準備した。本願発明者は、重りの底面の全面に、人工皮膚(サプラーレ(登録商標) イデアテックス ジャパン株式会社製)を貼り付けた。
次に、重りをサンプルの第1主面上に30秒間にわたり載置した。その後、重りを持ち上げて、サンプルが1秒未満で脱落するかを測定した。1秒未満で脱落した場合には、サンプルをカットすることによりサンプルを小さくした。そして、重りをサンプルの第1主面上に30秒間にわたり載置した。その後、重りを持ち上げて、サンプルが1秒未満で脱落するかを測定した。サンプルが1秒以上にわたって脱落しなくなるまで、この作業を繰り返した。サンプルが1秒以上にわたって脱落しなかった場合には、サンプルの重さを測定した。
本願発明者は、べたつきを以下のように評価した。市販の樹脂シートを用いてべたつき試験を行ったところ、650mg程度であったため、閾値を600mgに設定した。
1:600mg以下
0:600mgより大きい
表2は、べたつき試験の結果を示した表である。
(III)透明性試験
次に、透明性試験について説明する。本願発明者は、NDH2000(日本電色工業株式会社製)を用いて、サンプルのヘーズ(曇り度)を測定した。試験条件は、JIS K7136に従った。
本願発明者は、透明性を以下のように評価した。市販の樹脂シート(電化サーモシートBOPS 一般反(Gタイプ) デンカ株式会社製)の透明性が1.8であったため、閾値を1.6に設定した。
http://www.denka.co.jp/life_env/products/food_sheet/ops/post.html#tabs−3
2:1.4以下
1:1.4より大きく1.6以下
0:1.6より大きい
表3は、透明性試験の結果を示した表である。
(IV)帯電性試験
次に、帯電性試験について説明する。本願発明者は、超高抵抗測定器R8340(株式会社アドバンテスト)を用いて、サンプルの表面抵抗値を測定した。試験条件は、JIS K6911に従った。
本願発明者は、帯電性を以下のように評価した。
2:1010Ω以下
1:1010Ωより大きく1011Ω以下
0:1011Ωより大きい
表4は、帯電性試験の結果を示した表である。
(V)評価
次に、本願発明者は、防曇性試験、べたつき試験、透明性試験及び帯電性試験の結果について評価を行った。
本願発明者は、防曇性試験において5以上の評価が得られたサンプルについて、十分な防曇性が得られたと判断した。また、本願発明者は、べたつき試験において1の評価が得られたサンプルについて、べたつきが十分に抑制されていると判断した。また、本願発明者は、透明性試験において1以上の評価が得られたサンプルについて、十分な透明性が得られたと判断した。そして、上記3つの条件を同時に満足するサンプル(樹脂シート)は、以下の(A1)、(B1)、(C1)又は(D1)の条件を満足する。なお、表1ないし表4において、(A1)、(B1)、(C1)又は(D1)の条件を満足するサンプルについて、ハッチングを施した。
(A1)防曇剤は、100質量部のショ糖脂肪酸エステルに対して、85質量部以上175質量部以下のメチルセルロース及び15質量部以上110質量部以下のアクリル酸系重合物を含有する。
(B1)防曇剤は、100質量部のショ糖脂肪酸エステルに対して、100質量部以上175質量部以下のメチルセルロース及び15質量部以上115質量部以下のアクリル酸系重合物を含有する。
(C1)防曇剤は、100質量部のショ糖脂肪酸エステルに対して、50質量部以上175質量部以下のメチルセルロース及び20質量部以上100質量部以下のアクリル酸系重合物を含有する。
(D1)防曇剤は、100質量部のショ糖脂肪酸エステルに対して、125質量部以上175質量部以下のメチルセルロース及び10質量部以上115質量部以下のアクリル酸系重合物を含有する。
なお、べたつき試験において、100質量部のショ糖脂肪酸エステルに対して、150質量部のメチルセルロース及び10質量部のアクリル酸系重合物を含有する防曇剤が用いられたサンプルについては、実験を行っていない。ただし、100質量部のショ糖脂肪酸エステルに対して、125質量部のメチルセルロース及び10質量部のアクリル酸系重合物を含有する防曇剤が用いられたサンプル、及び、100質量部のショ糖脂肪酸エステルに対して、175質量部のメチルセルロース及び10質量部のアクリル酸系重合物を含有する防曇剤が用いられたサンプルにおいて、1の評価が得られている。そのため、100質量部のショ糖脂肪酸エステルに対して、150質量部のメチルセルロース及び10質量部のアクリル酸系重合物を含有する防曇剤が用いられたサンプルも1の評価が得られると判断した。
また、本願発明者は、防曇性試験において6の評価が得られたサンプルについて、優れた防曇性が得られたと判断した。そこで、本願発明者は、(E1)を満足するサンプルについては、優れた防曇性が得られたと判断した。
(E1)防曇剤は、100質量部のショ糖脂肪酸エステルに対して、100質量部以上175質量部以下のメチルセルロース及び15質量部以上115質量部以下のアクリル酸系重合物を含有する。
また、本願発明者は、透明性試験において2の評価が得られたサンプルについて、優れた透明性が得られたと判断した。そこで、本願発明者は、(F1)を満足するサンプルについては、優れた透明性が得られたと判断した。
(F1)防曇剤は、100質量部のショ糖脂肪酸エステルに対して、100質量部以上150質量部以下のメチルセルロース及び15質量部以上110質量部以下のアクリル酸系重合物を含有する。
また、本願発明者は、帯電性試験において1以上の評価が得られたサンプルについて、十分に帯電性が抑制されたと判断した。そこで、本願発明者は、(G1)を満足するサンプルについては、十分に帯電性が抑制されたと判断した。
(G1)防曇剤は、100質量部のショ糖脂肪酸エステルに対して、25質量部以上200質量部以下のメチルセルロース及び10質量部以上200質量部以下のアクリル酸系重合物を含有する。
更に、本願発明者は、帯電性試験において2の評価が得られたサンプルについて、より帯電性が抑制されたと判断した。そこで、本願発明者は、(G2)を満足するサンプルについては、より帯電性が抑制されたと判断した。
(G2)防曇剤は、100質量部のショ糖脂肪酸エステルに対して、25質量部以上175質量部以下のメチルセルロース及び10質量部以上115質量部以下のアクリル酸系重合物を含有する。
これまでは、防曇剤が満足する条件について説明を行った。次に、本願発明者は、防曇剤の被覆層が満足する条件を調べるために以下に説明する実験を行った。具体的には、本願発明者は、防曇剤の被覆膜におけるショ糖脂肪酸エステル、メチルセルロース及びアクリル酸系重合物の比率を調べる実験を行った。
まず、本願発明者は、リケマールA、メトローズMCE−4、ジュリマーFC−90及びTB−214のそれぞれを塗布した後、リケマールA、メトローズMCE−4、ジュリマーFC−90及びTB−214のそれぞれを乾燥させた。乾燥は、40℃以上45℃以下の温風をブロアーにより7秒間にわたって吹き付けた後に、90℃以上95℃以下の温風をブロアーにより3秒間にわたって吹き付けることにより行った。そして、本願発明者は、乾燥前後におけるリケマールA、メトローズMCE−4、ジュリマーFC−90及びTB−214のそれぞれの質量を計測した。以下に、乾燥前後におけるリケマールA、メトローズMCE−4、ジュリマーFC−90及びTB−214の質量を示す。
リケマールA 乾燥前:12.75mg 乾燥後:5.24mg
メトローズMCE−4 乾燥前: 4.16mg 乾燥後:4.16mg
ジュリマーFC−90 乾燥前:12.23mg 乾燥後:3.80mg
TB−214 乾燥前:15.50mg 乾燥後:6.45mg
以上の実験より、リケマールAでは、乾燥前の質量の41.12%が乾燥後に残存したことが分かった。リケマールAの有効成分(ショ糖脂肪酸エステル)の含有率は、40%である。従って、リケマールAでは、乾燥後に全ての有効成分が残存していることが分かった。メトローズMCE−4では、乾燥前の質量の100%が乾燥後に残存したことが分かった。メトローズMCE−4の有効成分(メチルセルロース)の含有率は、100%である。従って、メトローズMCE−4では、乾燥後に全ての有効成分が残存していることが分かった。ジュリマーFC−90では、乾燥前の質量の31.02%が乾燥後に残存したことが分かった。ジュリマーFC−90の有効成分(アクリル酸系重合物)の含有率は、30%である。従って、ジュリマーFC−90では、乾燥後に全ての有効成分が残存していることが分かった。TB−214では、乾燥前の質量の41.58%が乾燥後に残存したことが分かった。TB−214の有効成分(特殊カチオン系界面活性剤)の含有率は、40%である。従って、TB−214では、乾燥後に全ての有効成分が残存していることが分かった。
以上の実験から、防曇剤に含まれるショ糖脂肪酸エステル、メチルセルロース及びアクリル酸系重合物の全ては、防曇剤の被膜層に残存していると言える。従って、防曇剤の被膜層は、(a1)、(b1)、(c1)及び(d1)を満足すればよい。
(a1)防曇剤の被膜層は、100質量部のショ糖脂肪酸エステルに対して、85質量部以上175質量部以下のメチルセルロース及び15質量部以上110質量部以下のアクリル酸系重合物を含有する。
(b1)防曇剤の被膜層は、100質量部のショ糖脂肪酸エステルに対して、100質量部以上175質量部以下のメチルセルロース及び15質量部以上115質量部以下のアクリル酸系重合物を含有する。
(c1)防曇剤の被膜層は、100質量部のショ糖脂肪酸エステルに対して、50質量部以上175質量部以下のメチルセルロース及び20質量部以上100質量部以下のアクリル酸系重合物を含有する。
(d1)防曇剤の被膜層は、100質量部のショ糖脂肪酸エステルに対して、125質量部以上175質量部以下のメチルセルロース及び10質量部以上115質量部以下のアクリル酸系重合物を含有する。
また、(a1)、(b1)、(c1)及び(d1)を一般化すれば、(a)、(b)、(c)及び(d)となる。よって、防曇剤の被膜層は、(a)、(b)、(c)及び(d)を満足すればよい。
(a)防曇剤の被覆層は、100質量部の多価アルコール型非イオン性界面活性剤に対して、85質量部以上175質量部以下のセルロースエーテル類及び15質量部以上110質量部以下の親水性高分子を含有する。
(b)防曇剤の被覆層は、100質量部の多価アルコール型非イオン性界面活性剤に対して、100質量部以上175質量部以下のセルロースエーテル類及び15質量部以上115質量部以下の親水性高分子を含有する。
(c)防曇剤の被覆層は、100質量部の多価アルコール型非イオン性界面活性剤に対して、50質量部以上175質量部以下のセルロースエーテル類及び20質量部以上100質量部以下の親水性高分子を含有する。
(d)防曇剤の被覆層は、100質量部の多価アルコール型非イオン性界面活性剤に対して、125質量部以上175質量部以下のセルロースエーテル類及び10質量部以上115質量部以下の親水性高分子を含有する。
なお、防曇剤の被膜層は、(e1)又は(f1)を満足することが好ましい。
(e1)防曇剤の被覆層は、100質量部の多価アルコール型非イオン性界面活性剤に対して、100質量部以上175質量部以下のセルロースエーテル類及び15質量部以上115質量部以下の親水性高分子を含有する。
(f1)防曇剤の被覆層は、100質量部の多価アルコール型非イオン性界面活性剤に対して、100質量部以上150質量部以下のセルロースエーテル類及び15質量部以上110質量部以下の親水性高分子を含有する。
(その他の実施形態)
本明細書において記載と図示の少なくとも一方がなされた実施形態及び変形例は、本開示の理解を容易にするためのものであって、本開示の思想を限定するものではない。上記の実施形態及び変形例は、その趣旨を逸脱することなく変更・改良され得る。
当該趣旨は、本明細書に開示された実施形態に基づいて当業者によって認識されうる、均等な要素、修正、削除、組み合わせ(例えば、実施形態及び変形例に跨る特徴の組み合わせ)、改良、変更を包含する。特許請求の範囲における限定事項は当該特許請求の範囲で用いられた用語に基づいて広く解釈されるべきであり、本明細書あるいは本願のプロセキューション中に記載された実施形態及び変形例に限定されるべきではない。そのような実施形態及び変形例は非排他的であると解釈されるべきである。例えば、本明細書において、「好ましくは」、「よい」という用語は非排他的なものであって、「好ましいがこれに限定されるものではない」、「よいがこれに限定されるものではない」ということを意味する。
なお、樹脂シートは、スチレン系樹脂により作製されるものとした。しかしながら、樹脂シートは、オレフィン系樹脂により作製されてもよい。オレフィン系樹脂により作製された樹脂シートに本願発明に係る防曇剤が塗布されたとしても、防曇性の向上、べたつきの抑制及び透明性の向上を図ることが可能である。ただし、スチレン系樹脂により作製された樹脂シートに防曇剤が塗布された場合とオレフィン系樹脂により作製された樹脂シートに防曇剤が塗布された場合とでは防曇性の発現が異なる場合がある。ただし、オレフィン系樹脂より作製された樹脂シートに防曇剤が塗布された場合であっても、十分な防曇性の向上が図られる。また、オレフィン系樹脂より作製された樹脂シートに防曇剤が塗布された場合のべたつきは、スチレン系樹脂より作製された樹脂シートに防曇剤が塗布された場合のべたつきと同等である。また、オレフィン系樹脂より作製された樹脂シートに防曇剤が塗布された場合の透明性は、スチレン系樹脂より作製された樹脂シートに防曇剤が塗布された場合の透明性と同等である。

Claims (9)

  1. 多価アルコール型非イオン性界面活性剤とセルロースエーテル類と親水性高分子とを含有する防曇剤であって、
    (A)、(B)、(C)又は(D)の条件を満足する、
    防曇剤。
    (A)前記防曇剤は、100質量部の前記多価アルコール型非イオン性界面活性剤に対して、85質量部以上175質量部以下の前記セルロースエーテル類及び15質量部以上110質量部以下の前記親水性高分子を含有する。
    (B)前記防曇剤は、100質量部の前記多価アルコール型非イオン性界面活性剤に対して、100質量部以上175質量部以下の前記セルロースエーテル類及び15質量部以上115質量部以下の前記親水性高分子を含有する。
    (C)前記防曇剤は、100質量部の前記多価アルコール型非イオン性界面活性剤に対して、50質量部以上175質量部以下の前記セルロースエーテル類及び20質量部以上100質量部以下の前記親水性高分子を含有する。
    (D)前記防曇剤は、100質量部の前記多価アルコール型非イオン性界面活性剤に対して、125質量部以上175質量部以下の前記セルロースエーテル類及び10質量部以上115質量部以下の前記親水性高分子を含有する。
  2. 前記多価アルコール型非イオン性界面活性剤は、ショ糖脂肪酸エステル又はポリグリセリン脂肪酸エステルである、
    請求項1に記載の防曇剤。
  3. 前記セルロースエーテル類は、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、アルキルセルロース又はカルボキシメチルセルロースである、
    請求項1又は請求項2のいずれかに記載の防曇剤。
  4. 前記親水性高分子は、アクリル酸系重合物、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン又はポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン共重合である、
    請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の防曇剤。
  5. 前記防曇剤は、(E)の条件を満足する、
    請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の防曇剤。
    (E)前記防曇剤は、100質量部の前記多価アルコール型非イオン性界面活性剤に対して、100質量部以上175質量部以下の前記セルロースエーテル類及び15質量部以上115質量部以下の前記親水性高分子を含有する。
  6. 前記防曇剤は、(F)の条件を満足する、
    請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の防曇剤。
    (F)前記防曇剤は、100質量部の前記多価アルコール型非イオン性界面活性剤に対して、100質量部以上150質量部以下の前記セルロースエーテル類及び15質量部以上110質量部以下の前記親水性高分子を含有する。
  7. 第1主面及び第2主面を有する樹脂シート本体と、
    前記第1主面又は前記第2主面の少なくとも一方に形成された防曇剤の被覆層であって、多価アルコール型非イオン性界面活性剤とセルロースエーテル類と親水性高分子とを含有する前記防曇剤の被覆層と、
    を備えており、
    前記防曇剤の被覆層は、(a)、(b)、(c)又は(d)の条件を満足する、
    樹脂シート。
    (a)前記防曇剤の被覆層は、100質量部の前記多価アルコール型非イオン性界面活性剤に対して、85質量部以上175質量部以下の前記セルロースエーテル類及び15質量部以上110質量部以下の前記親水性高分子を含有する。
    (b)前記防曇剤の被覆層は、100質量部の前記多価アルコール型非イオン性界面活性剤に対して、100質量部以上175質量部以下の前記セルロースエーテル類及び15質量部以上115質量部以下の前記親水性高分子を含有する。
    (c)前記防曇剤の被覆層は、100質量部の前記多価アルコール型非イオン性界面活性剤に対して、50質量部以上175質量部以下の前記セルロースエーテル類及び20質量部以上100質量部以下の前記親水性高分子を含有する。
    (d)前記防曇剤の被覆層は、100質量部の前記多価アルコール型非イオン性界面活性剤に対して、125質量部以上175質量部以下の前記セルロースエーテル類及び10質量部以上115質量部以下の前記親水性高分子を含有する。
  8. 前記樹脂シート本体は、スチレン系樹脂又はオレフィン系樹脂により作製されている、
    請求項7に記載の樹脂シート。
  9. 請求項7又は請求項8のいずれかに記載の樹脂シートにより作製された樹脂成型品。
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