JP2020105370A - クリヤー塗料組成物および塗膜形成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 クリヤー塗膜において、塗膜の透明性を損なうことなく耐擦傷性を向上させるさらなる手段を提供すること。【解決手段】 塗膜形成樹脂(A)および有機無機ハイブリッドポリマー分散体(B)を含む、クリヤー塗料組成物であって、上記有機無機ハイブリッドポリマー分散体(B)は、芳香族基含有部を有し、上記有機無機ハイブリッドポリマー分散体(B)は、ラジカル重合性加水分解性シラン化合物(b2’)を含む混合物の重合物の分散体である、クリヤー塗料組成物。【選択図】 なし
Description
本発明は、クリヤー塗料組成物および塗膜形成方法に関する。
自動車などの工業製品には、一般に、美的外観を与えるために積層塗膜が施されている。特に、自動車には質の高い外観を付与するために、電着塗装が施された基材上に、必要に応じた中塗り塗膜が形成され、その上に、ベース塗膜およびクリヤー塗膜が順に形成されている。このような塗膜はそれぞれが様々な役割を有しており、そして、基材を保護すると同時に美しい外観を付与している。そして自動車に形成された塗膜の外観は、その自動車の高級感などといった外観価値に大きく関与する。また自動車を購入する顧客は、意匠性に優れた塗膜を有する自動車を求める傾向にある。
上記ベース塗膜は一般に着色顔料および/または光輝性顔料を含んでおり、例えば自動車車体の色などに大きく関与する塗膜である。そしてその上に塗装されるクリヤー塗膜は一般に、ベース塗膜が有する着色性および/または光輝性を損なわないために、良好な透明性を有することが求められる。クリヤー塗膜はさらに、被塗物の表面側に設けられる塗膜であるため、良好な耐擦傷性を有することもまた求められる。
特開2014−210225号公報(特許文献1)には、電着硬化塗膜上に水性中塗り塗料を塗装して中塗り塗膜を形成する中塗り塗膜形成工程、前記中塗り塗膜上に水性ベース塗料を塗装してベース塗膜を形成するベース塗膜形成工程、未硬化の前記ベース塗膜上にクリヤー塗料を塗装してクリヤー塗膜を形成するクリヤー塗膜形成工程、及びこれら3層の塗膜を同時に加熱硬化させる加熱硬化工程を含む複層塗膜形成方法について記載されている。そしてこの特許文献1にはさらに、上記クリヤー塗料が、アクリル樹脂及びポリイソシアネート化合物を含有するクリヤー塗料であって、前記アクリル樹脂が、ε−カプロラクトンに基づく構成単位(a)及び環構造を有するラジカル重合性単量体に基づく構成単位(b)を有し、前記構成単位(a)の含有比率および前記構成単位(b)の含有比率が特定範囲内である態様について記載されている。そしてこの特許文献1に記載される3C1B方式による複層塗膜形成方法は、優れた塗膜外観を有するとともに、耐チッピング性、塗膜硬度に優れ、また、耐擦傷性、耐水性、耐酸性などを満足する複層塗膜を得ることができると記載されている。
上記特許文献1の複層塗膜形成方法においては、クリヤー塗料中に含まれるアクリル樹脂において、ε−カプロラクトンの構成単位および環構造を有するラジカル重合性単量体の構成単位の含有比率を調整することによって、耐擦傷性を向上させている([0056]、[0057]段落など)。一方で、クリヤー塗膜の耐擦傷性をより向上させることを目的として、クリヤー塗料組成物中の樹脂成分の構成に依存することなく、クリヤー塗膜の耐擦傷性を向上させることができる手段もまた求められている。
本発明はこのような技術課題を解決するものであり、クリヤー塗膜において、塗膜の透明性を損なうことなく耐擦傷性を向上させるさらなる手段を提供することにある。
本発明はこのような技術課題を解決するものであり、クリヤー塗膜において、塗膜の透明性を損なうことなく耐擦傷性を向上させるさらなる手段を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明は下記態様を提供する。
[1]
塗膜形成樹脂(A)および有機無機ハイブリッドポリマー分散体(B)を含む、クリヤー塗料組成物であって、
上記有機無機ハイブリッドポリマー分散体(B)は、芳香族基含有部を有し、
上記有機無機ハイブリッドポリマー分散体(B)は、ラジカル重合性加水分解性シラン化合物(b2’)を含む混合物の重合物の分散体である、
クリヤー塗料組成物。
[2]
上記有機無機ハイブリッドポリマー分散体(B)は、
シリコーンオリゴマー(b1)、
加水分解性シラン化合物(b2)、および
ラジカル重合性不飽和単量体(b3)
を含む混合物の重合物の分散体であり、
前記加水分解性シラン化合物(b2)は、前記ラジカル重合性加水分解性シラン化合物(b2’)を含み、
上記シリコーンオリゴマー(b1)、加水分解性シラン化合物(b2)およびラジカル重合性不飽和単量体(b3)の少なくとも1種が、芳香族基を有することを条件とする、
クリヤー塗料組成物。
[3]
上記混合物中に含まれる、シリコーンオリゴマー(b1)および加水分解性シラン化合物(b2)の合計質量と、ラジカル重合性不飽和単量体(b3)の質量の質量比が、((b1)+(b2))/(b3)=30/70〜95/5の範囲内である、クリヤー塗料組成物。
[4]
上記混合物において、
上記加水分解性シラン化合物(b2)は、ラジカル重合性加水分解性シラン化合物(b2’)、および、芳香族基を有する加水分解性シラン化合物(b2−1)を含むか、
上記ラジカル重合性不飽和単量体(b3)は、芳香族基を有するラジカル重合性不飽和単量体(b3−1)を含むか、
上記シリコーンオリゴマー(b1)は、芳香族基を有するシリコーンオリゴマー(b1−1)を含むか、または、
上記加水分解性シラン化合物(b2)は、ラジカル重合性加水分解性シラン化合物(b2’)、および、芳香族基を有する加水分解性シラン化合物(b2−1)を含み、かつ、上記ラジカル重合性不飽和単量体(b3)は、芳香族基を有するラジカル重合性不飽和単量体(b3−1)を含むか、
であり、
ただし、上記何れにおいても、上記混合物中に含まれる、芳香族基を有するシリコーンオリゴマー(b1−1)、芳香族基を有する加水分解性シラン化合物(b2−1)および芳香族基を有するラジカル重合性不飽和単量体(b3−1)の総量は、混合物100質量部に対して芳香族基の官能基質量が7〜30質量部の範囲内となる量であることを条件とする、クリヤー塗料組成物。
[5]
上記塗膜形成樹脂(A)は、
アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリカーボネートジオール樹脂からなる群から選択される少なくとも1種である基体樹脂と、アミノ樹脂およびイソシアネート樹脂からなる群から選択される少なくとも1種である硬化剤とを含む塗膜形成樹脂(A1)であるか、または、
カルボキシル基含有アクリル樹脂、カルボキシル基含有ポリエステル樹脂およびエポキシ基含有アクリル樹脂を含む塗膜形成樹脂(A2)である、
クリヤー塗料組成物。
[6]
上記塗膜形成樹脂(A1)はさらに、ハーフエステル基含有共重合体を含む、クリヤー塗料組成物。
[7]
上記クリヤー塗料組成物中に含まれる有機無機ハイブリッドポリマー分散体(B)の固形分量は、上記塗膜形成樹脂(A)の樹脂固形分100質量部に対して0.1〜8質量部の範囲内である、クリヤー塗料組成物。
[8]
上記有機無機ハイブリッドポリマー分散体(B)の平均粒子径は、20〜300nmの範囲内である、クリヤー塗料組成物。
[9]
上記塗膜形成樹脂(A)のSP値(SPA)および上記有機無機ハイブリッドポリマー分散体(B)のSP値(SPB)の差△SPが1.5以下である、クリヤー塗料組成物。
[10]
上記クリヤー塗料組成物はさらに、樹脂粒子、無機粒子、表面調整剤、粘性制御剤からなる群から選択される少なくとも1種を含む、
クリヤー塗料組成物。
[11]
自動車車体塗装用である、上記クリヤー塗料組成物。
[12]
被塗物に、上記クリヤー塗料組成物を塗装して、未硬化のクリヤー塗膜を形成する、クリヤー塗装工程、および
上記工程で得られた未硬化のクリヤー塗膜を加熱硬化させる、硬化工程、
を包含する塗膜形成方法。
[13]
上記クリヤー塗装工程において、クリヤー塗料組成物を塗装する被塗物が、未硬化のベース塗膜を有する、上記塗膜形成方法。
[1]
塗膜形成樹脂(A)および有機無機ハイブリッドポリマー分散体(B)を含む、クリヤー塗料組成物であって、
上記有機無機ハイブリッドポリマー分散体(B)は、芳香族基含有部を有し、
上記有機無機ハイブリッドポリマー分散体(B)は、ラジカル重合性加水分解性シラン化合物(b2’)を含む混合物の重合物の分散体である、
クリヤー塗料組成物。
[2]
上記有機無機ハイブリッドポリマー分散体(B)は、
シリコーンオリゴマー(b1)、
加水分解性シラン化合物(b2)、および
ラジカル重合性不飽和単量体(b3)
を含む混合物の重合物の分散体であり、
前記加水分解性シラン化合物(b2)は、前記ラジカル重合性加水分解性シラン化合物(b2’)を含み、
上記シリコーンオリゴマー(b1)、加水分解性シラン化合物(b2)およびラジカル重合性不飽和単量体(b3)の少なくとも1種が、芳香族基を有することを条件とする、
クリヤー塗料組成物。
[3]
上記混合物中に含まれる、シリコーンオリゴマー(b1)および加水分解性シラン化合物(b2)の合計質量と、ラジカル重合性不飽和単量体(b3)の質量の質量比が、((b1)+(b2))/(b3)=30/70〜95/5の範囲内である、クリヤー塗料組成物。
[4]
上記混合物において、
上記加水分解性シラン化合物(b2)は、ラジカル重合性加水分解性シラン化合物(b2’)、および、芳香族基を有する加水分解性シラン化合物(b2−1)を含むか、
上記ラジカル重合性不飽和単量体(b3)は、芳香族基を有するラジカル重合性不飽和単量体(b3−1)を含むか、
上記シリコーンオリゴマー(b1)は、芳香族基を有するシリコーンオリゴマー(b1−1)を含むか、または、
上記加水分解性シラン化合物(b2)は、ラジカル重合性加水分解性シラン化合物(b2’)、および、芳香族基を有する加水分解性シラン化合物(b2−1)を含み、かつ、上記ラジカル重合性不飽和単量体(b3)は、芳香族基を有するラジカル重合性不飽和単量体(b3−1)を含むか、
であり、
ただし、上記何れにおいても、上記混合物中に含まれる、芳香族基を有するシリコーンオリゴマー(b1−1)、芳香族基を有する加水分解性シラン化合物(b2−1)および芳香族基を有するラジカル重合性不飽和単量体(b3−1)の総量は、混合物100質量部に対して芳香族基の官能基質量が7〜30質量部の範囲内となる量であることを条件とする、クリヤー塗料組成物。
[5]
上記塗膜形成樹脂(A)は、
アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリカーボネートジオール樹脂からなる群から選択される少なくとも1種である基体樹脂と、アミノ樹脂およびイソシアネート樹脂からなる群から選択される少なくとも1種である硬化剤とを含む塗膜形成樹脂(A1)であるか、または、
カルボキシル基含有アクリル樹脂、カルボキシル基含有ポリエステル樹脂およびエポキシ基含有アクリル樹脂を含む塗膜形成樹脂(A2)である、
クリヤー塗料組成物。
[6]
上記塗膜形成樹脂(A1)はさらに、ハーフエステル基含有共重合体を含む、クリヤー塗料組成物。
[7]
上記クリヤー塗料組成物中に含まれる有機無機ハイブリッドポリマー分散体(B)の固形分量は、上記塗膜形成樹脂(A)の樹脂固形分100質量部に対して0.1〜8質量部の範囲内である、クリヤー塗料組成物。
[8]
上記有機無機ハイブリッドポリマー分散体(B)の平均粒子径は、20〜300nmの範囲内である、クリヤー塗料組成物。
[9]
上記塗膜形成樹脂(A)のSP値(SPA)および上記有機無機ハイブリッドポリマー分散体(B)のSP値(SPB)の差△SPが1.5以下である、クリヤー塗料組成物。
[10]
上記クリヤー塗料組成物はさらに、樹脂粒子、無機粒子、表面調整剤、粘性制御剤からなる群から選択される少なくとも1種を含む、
クリヤー塗料組成物。
[11]
自動車車体塗装用である、上記クリヤー塗料組成物。
[12]
被塗物に、上記クリヤー塗料組成物を塗装して、未硬化のクリヤー塗膜を形成する、クリヤー塗装工程、および
上記工程で得られた未硬化のクリヤー塗膜を加熱硬化させる、硬化工程、
を包含する塗膜形成方法。
[13]
上記クリヤー塗装工程において、クリヤー塗料組成物を塗装する被塗物が、未硬化のベース塗膜を有する、上記塗膜形成方法。
上記クリヤー塗料組成物を用いることによって、良好な耐擦傷性を有するクリヤー塗膜を形成することができる。上記クリヤー塗料組成物によって得られるクリヤー塗膜はまた、良好な透明性を有している。そのため、例えばベース塗膜およびクリヤー塗膜を有する複層塗膜の形成において、ベース塗膜が有する意匠性を損なうことなく、複層塗膜の耐擦傷性を向上させることができる利点がある。
上記クリヤー塗料組成物は、塗膜形成樹脂(A)および有機無機ハイブリッドポリマー分散体(B)を含む。そして上記有機無機ハイブリッドポリマー分散体(B)は、芳香族基含有部を有することを特徴とする。以下、各成分について詳述する。
有機無機ハイブリッドポリマー分散体(B)
上記クリヤー塗料組成物は、芳香族基含有部を有する有機無機ハイブリッドポリマー分散体(B)を含む。上記有機無機ハイブリッドポリマー分散体(B)は、ラジカル重合性加水分解性シラン化合物(b2’)を含む混合物の重合物の分散体である。上記有機無機ハイブリッドポリマー分散体(B)は、シリコーンオリゴマー(b1)、加水分解性シラン化合物(b2)およびラジカル重合性不飽和単量体(b3)を含む混合物を重合して得られた重合物の分散体であるのが好ましい。ここで、上記シリコーンオリゴマー(b1)、加水分解性シラン化合物(b2)およびラジカル重合性不飽和単量体(b3)の少なくとも1種が、芳香族基を有することを条件とするのが好ましい。
上記クリヤー塗料組成物は、芳香族基含有部を有する有機無機ハイブリッドポリマー分散体(B)を含む。上記有機無機ハイブリッドポリマー分散体(B)は、ラジカル重合性加水分解性シラン化合物(b2’)を含む混合物の重合物の分散体である。上記有機無機ハイブリッドポリマー分散体(B)は、シリコーンオリゴマー(b1)、加水分解性シラン化合物(b2)およびラジカル重合性不飽和単量体(b3)を含む混合物を重合して得られた重合物の分散体であるのが好ましい。ここで、上記シリコーンオリゴマー(b1)、加水分解性シラン化合物(b2)およびラジカル重合性不飽和単量体(b3)の少なくとも1種が、芳香族基を有することを条件とするのが好ましい。
シリコーンオリゴマー(b1)
上記シリコーンオリゴマー(b1)は、下記式(i)で示される加水分解性シランの縮合物である。
(R1)n −Si−(R2)4-n・・・(i)
上記式(i)中、各R1は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜16の脂肪族炭化水素基、炭素数5〜10のアリール基、炭素数5〜6のシクロアルキル基、ビニル基、フェニル基、エポキシ基、アミノ基、メルカプト基、炭素数1〜10のアクリル酸アルキル基または炭素数1〜10のメタクリル酸アルキル基から選ばれ、
各R2は、それぞれ独立して、炭素数1〜8のアルコキシ基、アセトキシ基、水酸基、エポキシ基、エチレンオキサイド基またはハロゲン原子から選ばれ、ただし、R2の少なくとも1つはアルコキシ基であることを条件とし、
nは0〜3の整数である。
nが2または3である場合において、各R1は同一であってもよく、それぞれ異なってもよい。また、nが0または1である場合において、各R2は同一であってもよく、それぞれ異なってもよい。
上記シリコーンオリゴマー(b1)は、下記式(i)で示される加水分解性シランの縮合物である。
(R1)n −Si−(R2)4-n・・・(i)
上記式(i)中、各R1は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜16の脂肪族炭化水素基、炭素数5〜10のアリール基、炭素数5〜6のシクロアルキル基、ビニル基、フェニル基、エポキシ基、アミノ基、メルカプト基、炭素数1〜10のアクリル酸アルキル基または炭素数1〜10のメタクリル酸アルキル基から選ばれ、
各R2は、それぞれ独立して、炭素数1〜8のアルコキシ基、アセトキシ基、水酸基、エポキシ基、エチレンオキサイド基またはハロゲン原子から選ばれ、ただし、R2の少なくとも1つはアルコキシ基であることを条件とし、
nは0〜3の整数である。
nが2または3である場合において、各R1は同一であってもよく、それぞれ異なってもよい。また、nが0または1である場合において、各R2は同一であってもよく、それぞれ異なってもよい。
上記加水分解性シランの縮合物である、シリコーンオリゴマー(b1)として、例えば、下記式(1)、(2)または(3)で示されるオリゴマーが挙げられる。
上記式(1)〜(3)中、
各R1は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜16の脂肪族炭化水素基、炭素数5〜10のアリール基、炭素数5〜6のシクロアルキル基、ビニル基、フェニル基、エポキシ基、アミノ基、メルカプト基、炭素数1〜10のアクリル酸アルキル基または炭素数1〜10のメタクリル酸アルキル基から選ばれ、
各R2は、それぞれ独立して、炭素数1〜8のアルコキシ基、アセトキシ基、水酸基、エポキシ基、エチレンオキサイド基またはハロゲン原子から選ばれ、ただし、R2の少なくとも1つはアルコキシ基であることを条件とし、
mは1〜999の整数を表す。
各R1は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜16の脂肪族炭化水素基、炭素数5〜10のアリール基、炭素数5〜6のシクロアルキル基、ビニル基、フェニル基、エポキシ基、アミノ基、メルカプト基、炭素数1〜10のアクリル酸アルキル基または炭素数1〜10のメタクリル酸アルキル基から選ばれ、
各R2は、それぞれ独立して、炭素数1〜8のアルコキシ基、アセトキシ基、水酸基、エポキシ基、エチレンオキサイド基またはハロゲン原子から選ばれ、ただし、R2の少なくとも1つはアルコキシ基であることを条件とし、
mは1〜999の整数を表す。
上記各R1は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜16の脂肪族炭化水素基、炭素数5〜6のシクロアルキル基、フェニル基、炭素数1〜10のアクリル酸アルキル基または炭素数1〜10のメタクリル酸アルキル基から選ばれるのがより好ましく、
上記各R2は、それぞれ独立して、炭素数1〜8のアルコキシ基、アセトキシ基、水酸基から選ばれ、ただし、R2の少なくとも1つはアルコキシ基であることを条件とする、のが好ましい。
上記各R2は、それぞれ独立して、炭素数1〜8のアルコキシ基、アセトキシ基、水酸基から選ばれ、ただし、R2の少なくとも1つはアルコキシ基であることを条件とする、のが好ましい。
上記mは、2〜50であるのが好ましく、2〜20であるのがより好ましい。mの値が上記好ましい範囲である場合は、水系溶媒中での分散性が向上するなどの利点がある。
上記シリコーンオリゴマー(b1)は、直鎖状であってよく、また、分岐状であってもよい。
上記シリコーンオリゴマー(b1)が有するアルコキシ基の量は2〜50%であるのが好ましく、2〜30%であるのがより好ましい。アルコキシ基の量が50%を超える場合は、アルコールの副生量が多くなり、重合安定性に影響が及ぶおそれがある。また、アルコキシ基の量が2%未満である場合は、シリコーン構造の架橋度が低下するおそれがある。
上記シリコーンオリゴマー(b1)は市販されているものを用いてもよい。市販品として、例えば、
KC−89、KR−500、X−40−9225、X−40−9246、X−40−9250などのメチルメトキシ基系オリゴマー、
KR−217などのフェニルメトキシ基系オリゴマー、
KR−9218、KR−213、KR−510、X−40−9227、X−40−9247、KR−401Nなどのメチル/フェニルメトキシ系オリゴマー(何れも、信越化学社製)、
MSE−100などのメチルメトキシ系オリゴマー(シリコーンワッカー社製) などが挙げられる。
これらのシリコーンオリゴマーは1種のみを用いてもよく、2種またはそれ以上を併用してもよい。
KC−89、KR−500、X−40−9225、X−40−9246、X−40−9250などのメチルメトキシ基系オリゴマー、
KR−217などのフェニルメトキシ基系オリゴマー、
KR−9218、KR−213、KR−510、X−40−9227、X−40−9247、KR−401Nなどのメチル/フェニルメトキシ系オリゴマー(何れも、信越化学社製)、
MSE−100などのメチルメトキシ系オリゴマー(シリコーンワッカー社製) などが挙げられる。
これらのシリコーンオリゴマーは1種のみを用いてもよく、2種またはそれ以上を併用してもよい。
上記シリコーンオリゴマー(b1)は、上記式(i)で示される加水分解性シラン化合物を加水分解縮合して得られる調製物を用いてもよい。ただし、調製物を用いる場合は、縮合時に副生しうるアルコールは重合安定性を阻害するおそれがあるため、調製後に、アルコールの除去処理を行うのがより好ましい。
加水分解性シラン化合物(b2)
有機無機ハイブリッドポリマー分散体(B)の製造において、上記シリコーンオリゴマー(b1)に加えて、加水分解性シラン化合物(b2)を用いるのが好ましい。この加水分解性シラン化合物(b2)は、シリコーン構造の架橋密度などを付与する成分として機能しうる成分である。
有機無機ハイブリッドポリマー分散体(B)の製造において、上記シリコーンオリゴマー(b1)に加えて、加水分解性シラン化合物(b2)を用いるのが好ましい。この加水分解性シラン化合物(b2)は、シリコーン構造の架橋密度などを付与する成分として機能しうる成分である。
加水分解性シラン化合物(b2)は、下記式(ii)で表されるシラン化合物を少なくとも1種含むのが好ましい。
(R1)n−Si−(R3)4−n (ii)
上記式(ii)中、各R1は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜16の脂肪族炭化水素基、炭素数5〜10のアリール基、炭素数5〜6のシクロアルキル基、ビニル基、フェニル基、エポキシ基、アミノ基、メルカプト基、炭素数1〜10のアクリル酸アルキル基、または炭素数1〜10のメタクリル酸アルキル基から選ばれ、
各R3は、それぞれ独立して、炭素数1〜8のアルコキシ基、または水酸基から選ばれ、
nは0〜3の整数である。
nが2または3である場合において、各R1は同一であってもよく、それぞれ異なってもよい。また、nが0または1である場合において、各R3は同一であってもよく、それぞれ異なってもよい。
(R1)n−Si−(R3)4−n (ii)
上記式(ii)中、各R1は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜16の脂肪族炭化水素基、炭素数5〜10のアリール基、炭素数5〜6のシクロアルキル基、ビニル基、フェニル基、エポキシ基、アミノ基、メルカプト基、炭素数1〜10のアクリル酸アルキル基、または炭素数1〜10のメタクリル酸アルキル基から選ばれ、
各R3は、それぞれ独立して、炭素数1〜8のアルコキシ基、または水酸基から選ばれ、
nは0〜3の整数である。
nが2または3である場合において、各R1は同一であってもよく、それぞれ異なってもよい。また、nが0または1である場合において、各R3は同一であってもよく、それぞれ異なってもよい。
上記式(ii)において、R1は、それぞれ独立して、炭素数1〜6の脂肪族炭化水素基、ビニル基、フェニル基、炭素数1〜10のアクリル酸アルキル基または炭素数1〜10のメタクリル酸アルキル基であるのが好ましく、それぞれ独立して、メチル基、フェニル基、ビニル基またはγ−(メタ)アクリロキシプロピル基であるのが特に好ましい。R3は、それぞれ独立して、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、メトキシエトキシ基または水酸基であるのが好ましい。
上記式(ii)においてn=1であるシラン化合物の具体例として、メチルトリメトシキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。
上記式(ii)においてn=2であるシラン化合物の具体例として、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、メチルフェニルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシランなどが挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく、2種またはそれ以上を併用してもよい。
上記式(ii)においてn=0であるシラン化合物の具体例として、テトラエトキシシランなどが挙げられる。
上記式(ii)においてn=2であるシラン化合物の具体例として、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、メチルフェニルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシランなどが挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく、2種またはそれ以上を併用してもよい。
上記式(ii)においてn=0であるシラン化合物の具体例として、テトラエトキシシランなどが挙げられる。
加水分解性シラン化合物(b2)として、上記シラン化合物の環状物である環状シランを用いてもよい。環状シランとして、例えば、オクタメチルシクロテトラシロキサン、オクタフェニルシクロシロキサン、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、テトラメチルテトラビニルシクロテトラシロキサンなどが挙げられる。
上記加水分解性シラン化合物(b2)は、1種のみを用いてもよく、2種またはそれ以上を併用してもよい。例えば、n=1であるシラン化合物を主として用いることによって、架橋密度を高め、耐水性などを高めることができる。また、例えば、n=1であるシラン化合物と、n=2であるシラン化合物および/または上記環状シランとを組み合わせて用いることによって、架橋密度を調整し、得られる塗膜に可撓性を付与することができる。
上記混合物は、上記下記式(ii)におけるR1の1つがビニル基、炭素数1〜10のアクリル酸アルキル基または炭素数1〜10のメタクリル酸アルキル基である、ラジカル重合性加水分解性シラン化合物(b2’)を含む。このようなラジカル重合性加水分解性シラン化合物(b2’)は、上記加水分解性シラン化合物(b2)の1態様である。ラジカル重合性加水分解性シラン化合物(b2’)の具体例として、例えば、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルジメトキシメチルシラン、ビニルメトキシジメチルシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シランなどが挙げられる。これらのラジカル重合性加水分解性シラン化合物(b2’)は1種のみを用いてもよく、2種またはそれ以上を併用してもよい。上記化合物のうち、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランからなる群から選択される少なくとも1種を用いるのが好ましい。
上記ラジカル重合性加水分解性シラン化合物(b2’)は、シリコーンオリゴマー(b1)、加水分解性シラン化合物(b2)およびラジカル重合性不飽和単量体(b3)を含む混合物の総量100質量部に対して、0.1〜30質量部となる量で含まれるのが好ましく、0.2〜20質量部となる量で含まれるのがより好ましい。上記ラジカル重合性加水分解性シラン化合物(b2’)が含まれることによって、有機無機ハイブリッド型の粒子が良好に形成され、優れた耐擦傷性向上性能が得られる利点がある。
なお、必要に応じて、上記加水分解性シラン化合物(b2)に加えて、クロロシラン、例えばメチルクロロシラン、メチルジクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ジフェニルクロロシラン、ビニルクロルシラン、γ−アクリロキシプロピルトリクロロシラン、γ−メタアクリロキシプロピルトリクロロシラン、γ−アクリロキシプロピルジクロロメチルシラン、γ−メタアクリロキシプロピルジクロロメチルシランなど、を用いてもよい。
ラジカル重合性不飽和単量体(b3)
ラジカル重合性不飽和単量体(b3)とは、分子中にビニル基などのラジカル重合性不飽和結合を少なくとも1つ有する単量体をいい、(メタ)アクリル酸およびこれらの誘導体が含まれる。ただし、本明細書において、上記ラジカル重合性加水分解性シラン化合物(b2’)は、ラジカル重合性不飽和単量体(b3)ではなく、加水分解性シラン化合物(b2)の1種として分類するものとする。
ラジカル重合性不飽和単量体(b3)とは、分子中にビニル基などのラジカル重合性不飽和結合を少なくとも1つ有する単量体をいい、(メタ)アクリル酸およびこれらの誘導体が含まれる。ただし、本明細書において、上記ラジカル重合性加水分解性シラン化合物(b2’)は、ラジカル重合性不飽和単量体(b3)ではなく、加水分解性シラン化合物(b2)の1種として分類するものとする。
上記ラジカル重合性不飽和単量体としては、特に限定されず、例えば、
(メタ)アクリル酸、マレイン酸、イタコン酸などのエチレン系不飽和カルボン酸単量体;
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルなどのエチレン系不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体;
(メタ)アクリル酸シクロペンチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸メチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸t−ブチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシメチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロオクチル、(メタ)アクリル酸シクロデシル、(メタ)アクリル酸シクロドデシルなどの、エチレン系不飽和カルボン酸シクロアルキルエステル単量体;
マレイン酸エチル、マレイン酸ブチル、イタコン酸エチル、イタコン酸ブチルなどのエチレン系不飽和ジカルボン酸のモノエステル単量体;
(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルとε−カプロラクトンとの反応物などのヒドロキシル基含有エチレン系不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体;
(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ブチルアミノエチルなどのエチレン系不飽和カルボン酸アミノアルキルエステル単量体;
アミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノメチル(メタ)アクリルアミド、メチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドなどのエチレン系不飽和カルボン酸アミノアルキルアミド単量体;
アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、メトキシブチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドなどのその他のアミド基含有エチレン系不飽和カルボン酸単量体;
アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジルなどの不飽和脂肪酸グリシジルエステル単量体;
(メタ)アクリロニトリル、α−クロルアクリロニトリルなどのシアン化ビニル系単量体;
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどの飽和脂肪族カルボン酸ビニルエステル単量体;
スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンなどの芳香族基含有単量体;
などを挙げることができる。
(メタ)アクリル酸、マレイン酸、イタコン酸などのエチレン系不飽和カルボン酸単量体;
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルなどのエチレン系不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体;
(メタ)アクリル酸シクロペンチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸メチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸t−ブチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシメチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロオクチル、(メタ)アクリル酸シクロデシル、(メタ)アクリル酸シクロドデシルなどの、エチレン系不飽和カルボン酸シクロアルキルエステル単量体;
マレイン酸エチル、マレイン酸ブチル、イタコン酸エチル、イタコン酸ブチルなどのエチレン系不飽和ジカルボン酸のモノエステル単量体;
(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルとε−カプロラクトンとの反応物などのヒドロキシル基含有エチレン系不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体;
(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ブチルアミノエチルなどのエチレン系不飽和カルボン酸アミノアルキルエステル単量体;
アミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノメチル(メタ)アクリルアミド、メチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドなどのエチレン系不飽和カルボン酸アミノアルキルアミド単量体;
アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、メトキシブチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドなどのその他のアミド基含有エチレン系不飽和カルボン酸単量体;
アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジルなどの不飽和脂肪酸グリシジルエステル単量体;
(メタ)アクリロニトリル、α−クロルアクリロニトリルなどのシアン化ビニル系単量体;
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどの飽和脂肪族カルボン酸ビニルエステル単量体;
スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンなどの芳香族基含有単量体;
などを挙げることができる。
これらのラジカル重合性不飽和単量体(b3)は、1種のみを用いてもよく、2種またはそれ以上を併用してもよい。なお、本明細書中(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸またはメタクリル酸を示す。
ラジカル重合性不飽和単量体(b3)として、スチレン、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルおよび(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルからなる群から選択される単量体を組み合わせて用いるのが好ましい。
有機無機ハイブリッドポリマー分散体(B)の調製
上記有機無機ハイブリッドポリマー分散体(B)は、芳香族基含有部を有することを特徴とする。そして上記有機無機ハイブリッドポリマー分散体(B)は、ラジカル重合性加水分解性シラン化合物(b2’)を含む混合物の重合物の分散体である。このような有機無機ハイブリッドポリマー分散体(B)の調製は、上記シリコーンオリゴマー(b1)、加水分解性シラン化合物(b2)およびラジカル重合性不飽和単量体(b3)の少なくとも1種が、芳香族基を有することを条件とするのが好ましい。
上記有機無機ハイブリッドポリマー分散体(B)は、芳香族基含有部を有することを特徴とする。そして上記有機無機ハイブリッドポリマー分散体(B)は、ラジカル重合性加水分解性シラン化合物(b2’)を含む混合物の重合物の分散体である。このような有機無機ハイブリッドポリマー分散体(B)の調製は、上記シリコーンオリゴマー(b1)、加水分解性シラン化合物(b2)およびラジカル重合性不飽和単量体(b3)の少なくとも1種が、芳香族基を有することを条件とするのが好ましい。
芳香族基を有するシリコーンオリゴマー(b1−1)として、上記式(i)中の各R1のうち少なくとも1つが、炭素数5〜10のアリール基であるかまたはフェニル基である態様が挙げられる。芳香族基を有するシリコーンオリゴマー(b1−1)の具体例として、例えば、市販品である、KR−217などのフェニルメトキシ基系オリゴマー;KR−9218、KR−213、KR−510、X−40−9227、X−40−9247、KR−401Nなどのメチル/フェニルメトキシ系オリゴマー(何れも、信越化学社製);などが挙げられる。
芳香族を有する加水分解性シラン化合物(b2−1)として、上記式(ii)中の各R1のうち少なくとも1つが、炭素数5〜10のアリール基であるかまたはフェニル基である態様が挙げられる。芳香族基を有する加水分解性シラン化合物(b2−1)の具体例として、例えば、
上記式(ii)においてn=1であるシラン化合物である、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシランなど;
上記式(ii)においてn=2であるシラン化合物である、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、メチルフェニルジエトキシシランなど;
が挙げられる。
上記式(ii)においてn=1であるシラン化合物である、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシランなど;
上記式(ii)においてn=2であるシラン化合物である、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、メチルフェニルジエトキシシランなど;
が挙げられる。
芳香族基を有するラジカル重合性不飽和単量体(b3−1)として、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンなどの芳香族基含有単量体が挙げられる。
上記有機無機ハイブリッドポリマー分散体(B)として、シリコーンオリゴマー(b1)、加水分解性シラン化合物(b2)およびラジカル重合性不飽和単量体(b3)を含む混合物を重合して得られた重合物の分散体を用いる場合において、上記混合物は、
加水分解性シラン化合物(b2)は、ラジカル重合性加水分解性シラン化合物(b2’)、および、芳香族基を有する加水分解性シラン化合物(b2−1)を含むか、
前記ラジカル重合性不飽和単量体(b3)は、芳香族基を有するラジカル重合性不飽和単量体(b3−1)を含むか、
前記シリコーンオリゴマー(b1)は、芳香族基を有するシリコーンオリゴマー(b1−1)を含むか、または、
前記加水分解性シラン化合物(b2)は、ラジカル重合性加水分解性シラン化合物(b2’)、および、芳香族基を有する加水分解性シラン化合物(b2−1)を含み、かつ、前記ラジカル重合性不飽和単量体(b3)は、芳香族基を有するラジカル重合性不飽和単量体(b3−1)を含むか、
の何れかであるのが好ましい。そして上記何れにおいても、上記混合物中に含まれる、芳香族基を有するシリコーンオリゴマー(b1−1)、芳香族基を有する加水分解性シラン化合物(b2−1)および芳香族基を有するラジカル重合性不飽和単量体(b3−1)の総量は、混合物100質量部に対して芳香族基の官能基質量が7〜30質量部の範囲内となる量であるのが好ましく、10〜25質量部の範囲内となる量であるのがより好ましい。
加水分解性シラン化合物(b2)は、ラジカル重合性加水分解性シラン化合物(b2’)、および、芳香族基を有する加水分解性シラン化合物(b2−1)を含むか、
前記ラジカル重合性不飽和単量体(b3)は、芳香族基を有するラジカル重合性不飽和単量体(b3−1)を含むか、
前記シリコーンオリゴマー(b1)は、芳香族基を有するシリコーンオリゴマー(b1−1)を含むか、または、
前記加水分解性シラン化合物(b2)は、ラジカル重合性加水分解性シラン化合物(b2’)、および、芳香族基を有する加水分解性シラン化合物(b2−1)を含み、かつ、前記ラジカル重合性不飽和単量体(b3)は、芳香族基を有するラジカル重合性不飽和単量体(b3−1)を含むか、
の何れかであるのが好ましい。そして上記何れにおいても、上記混合物中に含まれる、芳香族基を有するシリコーンオリゴマー(b1−1)、芳香族基を有する加水分解性シラン化合物(b2−1)および芳香族基を有するラジカル重合性不飽和単量体(b3−1)の総量は、混合物100質量部に対して芳香族基の官能基質量が7〜30質量部の範囲内となる量であるのが好ましく、10〜25質量部の範囲内となる量であるのがより好ましい。
本明細書において「混合物100質量部に対する芳香族基の官能基質量」とは、有機無機ハイブリッドポリマー分散体(B)が有する芳香族基の量を示すための指標であり、有機無機ハイブリッドポリマー分散体(B)の重合に用いられる混合物100質量部中に含まれる、芳香族基の官能基部分の質量部を意味する。上記「混合物100質量部に対する芳香族基の官能基質量」は、混合物中に含まれる、芳香族基を有する各成分のモル数および芳香族基の分子量を用いて、芳香族官能基の質量を算出することによって、求めることができる。
上記混合物中に含まれる、芳香族基を有するシリコーンオリゴマー(b1−1)、芳香族基を有する加水分解性シラン化合物(b2−1)および芳香族基を有するラジカル重合性不飽和単量体(b3−1)の総量が上記範囲内であることによって、得られるクリヤー塗膜の透明性を良好に保持しつつ、かつ、良好な耐擦傷性を得ることができる利点がある。
また、上記重合において用いられる混合物中に含まれる、シリコーンオリゴマー(b1)および加水分解性シラン化合物(b2)の合計質量と、ラジカル重合性不飽和単量体(b3)の質量の質量比が、((b1)+(b2))/(b3)=30/70〜95/5の範囲内であるのが好ましい。上記成分(b1)、(b2)および(b3)において、(b1)および(b2)はSi元素を含む無機成分であり、(b3)はSi元素を含まない有機成分である。そして上記質量比((b1)+(b2))/(b3)が上記範囲内であることによって、得られる有機無機ハイブリッドポリマー分散体(B)において無機成分の量が確保されることとなり、得られるクリヤー塗膜において、無機成分に由来する耐擦傷性の発現を良好に確保することができる利点がある。
上記シリコーンオリゴマー(b1)、加水分解性シラン化合物(b2)およびラジカル重合性不飽和単量体(b3)を含む混合物を重合する方法の1例として、例えば、
水性媒体に塩基成分を加えて、水性媒体のpHを10以上に調整する、第一pH調整工程;
シリコーンオリゴマー(b1)、加水分解性シラン化合物(b2)およびラジカル重合性不飽和単量体(b3)の混合物、乳化剤および水性媒体を混合して、反応前乳化混合物を調製する、反応前乳化混合物調製工程;
得られた反応前乳化混合物および重合開始剤を、上記第一pH調整工程で得られた水性媒体中で混合して、乳化重合する、乳化重合工程;および
上記乳化重合工程後、得られた乳化重合物の温度が50℃以上である条件下において、塩基成分を加えて、乳化重合物のpHを8〜10に調整する、第二pH調整工程;
を包含する方法が挙げられる。
水性媒体に塩基成分を加えて、水性媒体のpHを10以上に調整する、第一pH調整工程;
シリコーンオリゴマー(b1)、加水分解性シラン化合物(b2)およびラジカル重合性不飽和単量体(b3)の混合物、乳化剤および水性媒体を混合して、反応前乳化混合物を調製する、反応前乳化混合物調製工程;
得られた反応前乳化混合物および重合開始剤を、上記第一pH調整工程で得られた水性媒体中で混合して、乳化重合する、乳化重合工程;および
上記乳化重合工程後、得られた乳化重合物の温度が50℃以上である条件下において、塩基成分を加えて、乳化重合物のpHを8〜10に調整する、第二pH調整工程;
を包含する方法が挙げられる。
また、上記シリコーンオリゴマー(b1)、加水分解性シラン化合物(b2)およびラジカル重合性不飽和単量体(b3)を含む混合物を重合する方法の他の1例として、例えば、
シリコーンオリゴマー(b1)、加水分解性シラン化合物(b2)およびラジカル重合性不飽和単量体(b3)の混合物、乳化剤および水性媒体を混合して、反応前乳化混合物を調製する、反応前乳化混合物調製工程;
得られた反応前乳化混合物および重合開始剤を、水性媒体中で混合して、乳化重合する、乳化重合工程;および
上記乳化重合工程後、得られた乳化重合物の温度が50℃以上である条件下において、塩基成分を加えて、乳化重合物のpHを8〜10に調整する、pH調整工程;
を包含する方法が挙げられる。
シリコーンオリゴマー(b1)、加水分解性シラン化合物(b2)およびラジカル重合性不飽和単量体(b3)の混合物、乳化剤および水性媒体を混合して、反応前乳化混合物を調製する、反応前乳化混合物調製工程;
得られた反応前乳化混合物および重合開始剤を、水性媒体中で混合して、乳化重合する、乳化重合工程;および
上記乳化重合工程後、得られた乳化重合物の温度が50℃以上である条件下において、塩基成分を加えて、乳化重合物のpHを8〜10に調整する、pH調整工程;
を包含する方法が挙げられる。
上記何れの方法においても、pH調整工程(第一pH調整工程、第二pH調整工程を含む。)においてpHを8〜10に調整することによって、得られるポリマー分散体の経時安定性が良好となる利点がある。
上記pH調整工程は、塩基成分を加えることによって、pHを10以上に調整する工程である。pHの調整に用いることができる塩基成分として、例えば、アンモニア、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノールなどのアミン類;および、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属水酸化物;などが挙げられる。塩基成分として、アンモニア、トリエチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルアミノエタノールなどを用いるのがより好ましい。また、これらの塩基成分は、水溶液の形態で用いてもよい。
反応前乳化混合物調製工程
反応前乳化混合物調製工程は、シリコーンオリゴマー(b1)、加水分解性シラン化合物(b2)およびラジカル重合性不飽和単量体(b3)の混合物、乳化剤および水性媒体を混合して、反応前乳化混合物を調製する工程である。乳化剤としては、特に限定されず、通常用いられる乳化剤、例えば、分子中にビニル基などの重合性の不飽和結合を有しない非反応性乳化剤、および/または、分子中にビニル基などの重合性の不飽和結合を有する反応性乳化剤を用いることができる。
反応前乳化混合物調製工程は、シリコーンオリゴマー(b1)、加水分解性シラン化合物(b2)およびラジカル重合性不飽和単量体(b3)の混合物、乳化剤および水性媒体を混合して、反応前乳化混合物を調製する工程である。乳化剤としては、特に限定されず、通常用いられる乳化剤、例えば、分子中にビニル基などの重合性の不飽和結合を有しない非反応性乳化剤、および/または、分子中にビニル基などの重合性の不飽和結合を有する反応性乳化剤を用いることができる。
乳化剤の具体例として、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ジフェニルエーテルスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエステルなど、および、市販品である、アクアロンHS−10などのアクアロンHSシリーズ(第一工業製薬社製);アクアロンRNシリーズ(第一工業製薬社製);エレミノールJS−2(三洋化成工業社製);ラテムルS−120、S−180A、PD−104などのラテムルシリーズ、およびエマルゲン109Pなどのエマルゲンシリーズ(花王社製);ニューコール706、707SNなどの、ニューコールシリーズ(日本乳化剤製);アントックス(Antox)MS−2N(2−ソジウムスルホエチルメタクリレート)などの、アントックスシリーズ(日本乳化剤社製);アデカリアソープNE−10(α−[1−[(アリルオキシ)メチル]−2−(ノニルフェノキシ)エチル]−ω−ヒドロキシポリオキシエチレン)などの、アデカリアソープシリーズ(ADEKA社製);などを挙げることができる。
これらは1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらは1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記乳化剤の量は、上記シリコーンオリゴマー(b1)、加水分解性シラン化合物(b2)およびラジカル重合性不飽和単量体(b3)の総量100質量部に対して、固形分量として、0.5〜10質量部であることが好ましい。
乳化重合工程
乳化重合工程は、上記工程で得られた反応前乳化混合物および重合開始剤を、水性媒体中で混合して乳化重合する工程である。乳化重合工程において、水性媒体中で、上記反応前乳化混合物を乳化重合することによって、乳化重合反応が生じると共に、上記成分が有する加水分解性基の加水分解が生じ、脱水・縮合反応も生じる。これにより、Si元素を含むシリコーン構造を一定量以上含む有機無機ハイブリッドポリマー分散体(B)を調製する場合であっても、保存安定性に優れた樹脂エマルションを得ることができることとなる利点がある。
乳化重合工程は、上記工程で得られた反応前乳化混合物および重合開始剤を、水性媒体中で混合して乳化重合する工程である。乳化重合工程において、水性媒体中で、上記反応前乳化混合物を乳化重合することによって、乳化重合反応が生じると共に、上記成分が有する加水分解性基の加水分解が生じ、脱水・縮合反応も生じる。これにより、Si元素を含むシリコーン構造を一定量以上含む有機無機ハイブリッドポリマー分散体(B)を調製する場合であっても、保存安定性に優れた樹脂エマルションを得ることができることとなる利点がある。
重合開始剤は、熱または還元性物質などによりラジカルを生成して単量体を付加重合させるものであり、水溶性重合開始剤または油溶性重合開始剤を使用することができる。上記水溶性重合開始剤としては特に限定されず、例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウムなどの過硫酸塩系開始剤、または、過酸化水素などの無機系開始剤などを挙げることができる。上記油溶性重合開始剤としては特に限定されず、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルハイドロパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ(2−エチルヘキサノエート)、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、ジ−t−ブチルパーオキサイドなどの有機過酸化物、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、1,1’−アゾビス−シクロヘキサン−1−カルボニトリルなどのアゾビス化合物などを挙げることができる。これらは1種のみを用いてもよく、または2種またはそれ以上を併用してもよい。
重合開始剤として上記水溶性重合開始剤を用いることによって、水性媒体中における乳化重合が良好に進行する利点がある。より好ましい水溶性重合開始剤として、例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウムなどが挙げられる。
重合開始剤は、上記シリコーンオリゴマー(b1)、加水分解性シラン化合物(b2)およびラジカル重合性不飽和単量体(b3)の総量100質量部に対して0.02〜1質量部となる量で用いるのが好ましく、0.05〜0.5質量部となる量で用いるのがより好ましく、0.1〜0.3質量部となる量で用いるのがさらに好ましい。
上記重合開始剤と併せて、亜硫酸ナトリウム、塩化第一鉄、アスコルビン酸塩、ロンガリットなどの還元剤を併用してもよい。還元剤を併用することによって、乳化重合速度の調節することができ、また、乳化重合をより低温下において行うこともできる。
乳化重合工程は、例えば、反応前乳化混合物および重合開始剤を、それぞれ、水性媒体中に滴下することによって行うことができる。反応前乳化混合物および重合開始剤の滴下に要する時間は、反応スケールおよび反応容器などに依存して任意に選択することができ、例えば30分〜6時間の範囲で選択することができる。乳化重合工程は、例えば、50〜85℃の重合温度で行うことができる。重合温度は、60〜80℃であるのがより好ましい。乳化重合工程は、常圧条件下において行ってもよく、または単量体の蒸気圧などの物性に応じて高圧条件下において行ってもよい。
重合後のpH調整工程
上記重合方法いずれにおいても、得られた乳化重合物の温度が50℃以上である条件下において、塩基成分を加えて、乳化重合物のpHを8〜10に調整するのが好ましい。乳化重合物のpHを8〜10に調整することによって、乳化重合物の有する加水分解性基の加水分解が促進され、脱水・縮合反応が促進される利点がある。
上記重合方法いずれにおいても、得られた乳化重合物の温度が50℃以上である条件下において、塩基成分を加えて、乳化重合物のpHを8〜10に調整するのが好ましい。乳化重合物のpHを8〜10に調整することによって、乳化重合物の有する加水分解性基の加水分解が促進され、脱水・縮合反応が促進される利点がある。
塩基成分として、第一pH調整工程において挙げた塩基成分を用いることができる。塩基成分として、アンモニア、トリエチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルアミノエタノールなどを用いるのがより好ましい。またこれらの塩基成分は、水溶液の形態で用いてもよい。なお、第一pH調整工程において用いる塩基成分と、第二pH調整工程において用いる塩基成分とは、同一の種類のものであってもよく、異なる種類のものであってもよい。
塩基成分を加える温度は、得られた乳化重合物の温度が50℃以上であるのが好ましく、60〜85℃の範囲内であるのがより好ましく、70〜85℃の範囲内であるのがさらに好ましい。
塩基成分を加えて、乳化重合物のpHを8〜10に調整した後、必要に応じて、反応系解放または減圧などの手段により、アルコールの少なくとも一部を除去してもよい。除去されるアルコールとして、加水分解縮合反応によって副生したアルコールが挙げられる。副生したアルコールの少なくとも一部を取り除くことによって、保存安定性に優れた有機無機ハイブリッドポリマー分散体(B)を調製することができる。例えば減圧手段によってアルコールの少なくとも一部を取り除く場合は、減圧する前に、必要に応じて水性媒体を加えてもよい。
上記有機無機ハイブリッドポリマー分散体(B)の平均粒子径は、20〜300nmの範囲内であるのが好ましく、20〜200nmの範囲内であるのがより好ましい。上記平均粒子径を有する有機無機ハイブリッドポリマー分散体(B)は、上記製造方法によって好適に調製することができる。
本明細書において、有機無機ハイブリッドポリマー分散体(B)の平均粒子径は、動的光散乱法によって決定される平均粒子径であり、具体的には、電気泳動光散乱光度計ELSZシリーズ(大塚電子社製)などを使用して測定することができる。また、本明細書において、有機無機ハイブリッドポリマー分散体(B)の平均粒子径は、例えば製造例1−1にあるような溶剤置換工程前のエマルションを測定した平均粒子径を意味する。水分散媒として例えば、水の含有率が99.5質量%以上、水溶性有機溶媒の含有率が0.5質量%以下である、水性分散媒が挙げられる。具体的な測定方法として、例えば固形分量40%のエマルション0.1gを10gのイオン交換水で希釈して測定を行う方法が挙げられる。
クリヤー塗料組成物中に含まれる有機無機ハイブリッドポリマー分散体(B)の固形分量は、塗膜形成樹脂(A)の樹脂固形分100質量部に対して0.1〜8質量部の範囲内であるのが好ましく、0.5〜8質量部の範囲内であるのがより好ましい。有機無機ハイブリッドポリマー分散体(B)の固形分量が上記範囲内であることによって、クリヤー塗膜の耐擦傷性を良好に向上させることができる利点がある。
塗膜形成樹脂(A)
上記クリヤー塗料組成物は、塗膜形成樹脂(A)および上記有機無機ハイブリッドポリマー分散体(B)を含む。塗膜形成樹脂(A)として、例えば、自動車車体用クリヤー塗料組成物として通常用いられているものを用いることができる。塗膜形成樹脂(A)の1例として、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリカーボネートジオール樹脂からなる群から選択される少なくとも1種である基体樹脂と、アミノ樹脂およびイソシアネート樹脂からなる群から選択される少なくとも1種である硬化剤とを含む塗膜形成樹脂(A1)が挙げられる。塗膜形成樹脂(A)の他の1例として、カルボキシル基含有アクリル樹脂、カルボキシル基含有ポリエステル樹脂およびエポキシ基含有アクリル樹脂を含む塗膜形成樹脂(A2)が挙げられる。
上記クリヤー塗料組成物は、塗膜形成樹脂(A)および上記有機無機ハイブリッドポリマー分散体(B)を含む。塗膜形成樹脂(A)として、例えば、自動車車体用クリヤー塗料組成物として通常用いられているものを用いることができる。塗膜形成樹脂(A)の1例として、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリカーボネートジオール樹脂からなる群から選択される少なくとも1種である基体樹脂と、アミノ樹脂およびイソシアネート樹脂からなる群から選択される少なくとも1種である硬化剤とを含む塗膜形成樹脂(A1)が挙げられる。塗膜形成樹脂(A)の他の1例として、カルボキシル基含有アクリル樹脂、カルボキシル基含有ポリエステル樹脂およびエポキシ基含有アクリル樹脂を含む塗膜形成樹脂(A2)が挙げられる。
塗膜形成樹脂(A1)
上記塗膜形成樹脂(A1)は、上記基体樹脂と上記硬化剤とを含む態様である。この態様の1例として、基体樹脂を含む第1パッケージ(主剤)と、硬化剤を含む第2パッケージ(硬化剤)とからなる2液型クリヤー塗料組成物が挙げられる。
上記塗膜形成樹脂(A1)は、上記基体樹脂と上記硬化剤とを含む態様である。この態様の1例として、基体樹脂を含む第1パッケージ(主剤)と、硬化剤を含む第2パッケージ(硬化剤)とからなる2液型クリヤー塗料組成物が挙げられる。
基体樹脂は、硬化剤と反応する反応基を有する樹脂である。このような基体樹脂として、例えば、水酸基を有するアクリル樹脂、水酸基を有するポリエステル樹脂、水酸基を有するエポキシ樹脂、水酸基を有するウレタン樹脂、ポリカーボネートジオール樹脂などが挙げられる。基体樹脂として、1種を単独で用いてもよく、また2種以上を併用して用いてもよい。基体樹脂として、水酸基を有するアクリル樹脂および水酸基を有するポリエステル樹脂からなる群から選択される少なくとも1種を用いるのがより好ましい。これらの樹脂は耐候性および耐水性に優れ、優れた性能を有する塗膜を得ることができる利点がある。
水酸基を有する基体樹脂は、20〜180mgKOH/gの固形分水酸基価を有するのが好ましく、30〜160mgKOH/gの固形分水酸基価を有するのがより好ましい。
上記基体樹脂は、必要に応じて酸基を有してもよい。酸基を有する場合における基体樹脂の酸価は、2〜30mgKOH/gであるのが好ましく、3〜25mgKOH/gであるのがより好ましい。
また、上記基体樹脂の数平均分子量は、1000〜20000であるのが好ましく、2000〜15000であるのが更に好ましい。
また、上記基体樹脂の数平均分子量は、1000〜20000であるのが好ましく、2000〜15000であるのが更に好ましい。
本明細書において数平均分子量および重量平均分子量は、ポリスチレン標準サンプル基準を用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)で測定することができる。
上記基体樹脂は、必要に応じてさらに、ハーフエステル基含有共重合体を含んでもよい。この場合は、基体樹脂として、水酸基を有するアクリル樹脂および水酸基を有するポリエステル樹脂からなる群から選択される少なくとも1種と、ハーフエステル基含有共重合体とを用いるのがより好ましい。
ハーフエステル基含有共重合体は、ハーフエステル化された酸無水物基を有する重合性不飽和単量体と他の共重合性単量体との共重合体である。クリヤー塗料組成物の基体樹脂が、ハーフエステル基含有共重合体を含むことによって、優れた塗膜外観、例えば、平滑性、鮮映性および光輝性に優れ、その上、優れた耐傷付性および耐酸性などの優れた塗膜物性を有するクリヤー塗膜を得ることができる利点がある。
ハーフエステル化された酸無水物基を有する重合性不飽和単量体は、炭素数1以上8以下のモノアルコールによりハーフエステル化された酸無水物基を有する、重合性不飽和単量体である。重合性不飽和単量体がハーフエステル化された酸無水物基を有することにより、上記基体樹脂(例えば水酸基を有するアクリル樹脂および/または水酸基を有するポリエステル樹脂)と上記硬化剤との硬化反応に対する相互作用が得られ、硬化反応によって生じる歪を効果的に抑制でき、そしてこれにより、優れた塗膜外観を有し、かつ、優れた塗膜物性(例えば、耐酸性、耐傷付性)を有するクリヤー塗膜を形成することができる利点がある。
ハーフエステル化された酸無水物基を有する重合性不飽和単量体における、酸無水物基を有する重合性不飽和単量体は、特に限定されない。例えば、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、無水フタル酸、無水オキシジフタル酸、無水ナフタレンジカルボン酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸などが挙げられる。反応性及び塗膜の耐候性を更に向上できるといった観点から、特に無水マレイン酸及び無水イタコン酸の少なくとも1種を好適に用いることができる。
ハーフエステル化された酸無水物基を有する重合性不飽和単量体は、酸無水物基を有する重合性不飽和単量体単位に由来する酸無水物基に、モノアルコールを反応させてハーフエステル化することにより調製することができる。
上記モノアルコールは、炭素数1以上8以下のモノアルコールである。炭素数1以上8以下のモノアルコールは、1分子中に1個の水酸基を有する有機化合物であり、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノールなどのアルカノール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルなどのアルキレングリコールのモノアルキルエーテル類;ジメチルアミノエタノールなどのジアルキルアミノアルカノール類などが挙げられる。
上記モノアルコールは、炭素数1以上8以下のモノアルコールである。炭素数1以上8以下のモノアルコールは、1分子中に1個の水酸基を有する有機化合物であり、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノールなどのアルカノール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルなどのアルキレングリコールのモノアルキルエーテル類;ジメチルアミノエタノールなどのジアルキルアミノアルカノール類などが挙げられる。
ハーフエステル化に用いるモノアルコールは、例えば、炭素数1以上7以下であってもよく、好ましくは炭素数1以上6以下である。炭素数がこのような範囲内にあることにより、得られる塗膜が優れた塗膜外観を有し、かつ、優れた塗膜物性(例えば、耐酸性、耐傷付性)を有することができる。
炭素数1以上8以下のモノアルコールを用いてハーフエステル化を行うことによって、環境に対する大きな負荷を与えることなく、良好な塗膜物性を有する塗膜を形成することができることとなる利点がある。
ハーフエステル化により得られる酸無水物基の数などは特に限定されない。例えば、ハーフエステル化反応によって、ハーフエステル基含有共重合体中の酸無水物基の一部がハーフエステル化され、一分子中に平均して、0.5〜3.0個、好ましくは0.7〜1.5個の酸無水物基を有することができる。
また、一分子中に平均して、5〜30個、好ましくは6〜25個のハーフエステル基を有し、酸無水物基とハーフエステル基との合計数に対する酸無水物基数の割合が4〜20%、好ましくは5〜15%の範囲内であるハーフエステル基含有共重合体を調製してもよい。
また、一分子中に平均して、5〜30個、好ましくは6〜25個のハーフエステル基を有し、酸無水物基とハーフエステル基との合計数に対する酸無水物基数の割合が4〜20%、好ましくは5〜15%の範囲内であるハーフエステル基含有共重合体を調製してもよい。
ハーフエステル化反応は、適宜反応に不活性な有機溶媒中で、通常の条件下、例えば、60〜150℃の温度で、2〜7時間反応させることによって行うことができる。
他の共重合性単量体は、酸無水物基を有する重合性不飽和単量体と共重合可能な化合物であり、具体的には、例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸−tブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリルなどのアクリル酸もしくはメタクリル酸のC1〜C24アルキルエステル;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンなどのビニル芳香族化合物;エチレン、プロピレンなどのオレフィン類;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどの不飽和ニトリル類;アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルアクリルアミドなどの不飽和アミド類;酢酸ビニル、塩化ビニル、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジンなどのビニル化合物などが挙げられる。
ハーフエステル基含有共重合体を構成する、ハーフエステル化された酸無水物基を有する重合性不飽和単量体と、他の共重合性単量体との共重合比率は、ハーフエステル基含有共重合体の全酸価が、5.0mgKOH/g以上240mgKOH/g以下となる量の範囲で選択するのが好ましい。例えば、ハーフエステル化された酸無水物基を有する重合性不飽和単量体と、他の共重合性単量体の合計量を基準にして、ハーフエステル化された酸無水物基を有する重合性不飽和単量体は5〜50重量%、特に10〜40重量%、好ましくは15〜30重量%;他の共重合性単量体は50〜95重量%、特に60〜90重量%、好ましくは70〜85重量%の範囲内で共重合するのが好ましい。
上記ハーフエステル基含有共重合体は、全酸価が5.0mgKOH/g以上240mgKOH/g以下であるのが好ましい。また、上記ハーフエステル基含有共重合体は、数平均分子量が1000以上10500以下であるのが好ましい。
ハーフエステル基含有共重合体が含まれる場合における、ハーフエステル基含有共重合体の含有量は、クリヤー塗料組成物の樹脂固形分100質量部に対して、3質量部以上25質量部以下であるのが好ましく、3質量部以上20質量部以下であるのがより好ましい。
硬化剤は、アミノ樹脂およびイソシアネート樹脂からなる群から選択される少なくとも1種を含むのが好ましい。
アミノ樹脂として、メラミン樹脂が好適に用いられる。メラミン樹脂は、一般的に、メラミンとアルデヒドから合成される熱硬化性の樹脂を意味し、トリアジン核1分子中に3つの反応性官能基−NX1X2を有している。メラミン樹脂としては、反応性官能基として−N−(CH2OR)2[Rはアルキル基、以下同じ]を含む完全アルキル型;反応性官能基として−N−(CH2OR)(CH2OH)を含むメチロール基型;反応性官能基として−N−(CH2OR)(H)を含むイミノ基型;反応性官能基として、−N−(CH2OR)(CH2OH)と−N−(CH2OR)(H)とを含む、あるいは−N−(CH2OH)(H)を含むメチロール/イミノ基型の4種類を例示することができる。上記メラミン樹脂は特に限定されず、例えばアルキルエーテル化メラミン樹脂であってもよく、市販されているメラミン樹脂を含んでもよい。メラミン樹脂として、例えば、三井化学社から市販されている「サイメル303」、「サイメル254」、「ユーバン128」、「ユーバン225」、「ユーバン226」、「ユーバン325」、「ユーバン20N60」など、および、住友化学社から市販されている「スミマールシリーズ」などが挙げられる。メラミン樹脂は1種を単独で用いてもよく、また2種以上を混合して用いてもよい。
イソシアネート樹脂として、例えば、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族イソシアネート、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,2−シクロヘキサンジイソシアネートなどの脂肪族環式イソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、2,4−トリレンジイソシアネート(TDI)、2,6−トリレンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ノルボルナンジイソシアネートメチル等の脂環族イソシアネート、これらのビューレット体、ヌレート体等の多量体および混合物などが挙げられる。イソシアネート樹脂は1種を単独で用いてもよく、また2種以上を混合して用いてもよい。また、上記イソシアネート樹脂が有するイソシアネート基は、必要に応じて、一部の基または全ての基が、ブロック剤によってブロックされていてもよい。
2液型クリヤー塗料組成物において、主剤に含まれる基体樹脂の樹脂固形分および硬化剤の樹脂固形分質量比は、基体樹脂:硬化剤=50:50〜85:15の範囲内であるのが好ましく、基体樹脂:硬化剤=55:45〜80:20の範囲内であるのがより好ましい。基体樹脂および硬化剤の樹脂固形分質量比が上記範囲内であることによって、得られるクリヤー塗膜の耐候性および物理的強度が良好となる利点がある。
上記した2液型クリヤー塗料組成物は、さらに粘性制御剤を含んでもよい。粘性制御剤を含むことによって、塗装作業性を確保することができる。粘性制御剤は、一般にチクソトロピー性を示すものを使用でき、例えば水性ベース塗料組成物において既に記載したものなどを使用することができる。また必要により、硬化触媒、表面調整剤等を含んでもよい。更に、公知の紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤などを含んでもよい。さらに公知のレオロジーコントロール剤、その他の表面調整剤などを添加してもよいし、粘度調整などの目的でアルコール系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤、エステル系溶剤、ケトン系溶剤などの溶剤を用いることもできる。
2液型クリヤー塗料組成物における、二つのパッケージの混合時期については、使用直前に第1パッケージと第2パッケージを混合して、通常の塗装ガンで塗装してもよい。また、2液混合ガンでそれぞれの液をガンまで送液しガン先で混合する方法で塗装してもよい。
塗膜形成樹脂(A2)
塗膜形成樹脂(A)の他の1例として、カルボキシル基含有アクリル樹脂、カルボキシル基含有ポリエステル樹脂およびエポキシ基含有アクリル樹脂を含む塗膜形成樹脂(A2)が挙げられる。このような塗膜形成樹脂(A2)を含むクリヤー塗料組成物は、酸・エポキシ硬化系1液型クリヤー塗料組成物ということができる。
塗膜形成樹脂(A)の他の1例として、カルボキシル基含有アクリル樹脂、カルボキシル基含有ポリエステル樹脂およびエポキシ基含有アクリル樹脂を含む塗膜形成樹脂(A2)が挙げられる。このような塗膜形成樹脂(A2)を含むクリヤー塗料組成物は、酸・エポキシ硬化系1液型クリヤー塗料組成物ということができる。
カルボキシル基含有アクリル樹脂として、酸無水物基含有アクリル樹脂を用いるのが好ましい。酸無水物基含有アクリル樹脂は、1分子中に平均2個以上の酸無水物基を有することが好ましく、2〜15個の酸無水物基を有するのがより好ましい。
酸無水物基含有アクリル樹脂中の酸無水物基の量としては、メタノール等の一級アルコールにより全ての酸無水物基をハーフエステル化して開環させた状態で、一価のカルボン酸として酸価を測定した場合の酸価が5〜300mgKOH/g(固形分)となるように含有させることが更に好ましい。また、酸無水物基含有アクリル樹脂の数平均分子量は500〜8000であることが好ましい。
酸無水物基含有アクリル樹脂は、塗膜形成樹脂(A2)の樹脂固形分総量に対して10〜70質量%であるのが好ましく、15〜50質量%であるのがより好ましい。
カルボキシル基含有ポリエステル樹脂は、3個以上の水酸基を有するポリエステルポリオールと酸無水物基含有化合物とをハーフエステル化反応させて調製することができる。カルボキシル基含有ポリエステル樹脂は、樹脂固形分酸価が50〜350mgKOH/gであるのが好ましく、100〜300mgKOH/gであるのがより好ましい。また、数平均分子量は400〜3500であるのが好ましく、500〜2500であるのがより好ましい。
カルボキシル基含有ポリエステル樹脂は、樹脂固形分水酸基価が150mgKOH/g以下であるのが好ましく、5〜100mgKOH/gの範囲内であるのがより好ましい。
カルボキシル基含有ポリエステル樹脂は、塗膜形成樹脂(A2)の樹脂固形分総量に対して5〜70質量%であるのが好ましく、5〜50質量%であるのがより好ましい。
エポキシ基含有アクリル樹脂は、1分子中にエポキシ基を平均で2個以上有するものが好ましく、2〜10個有するものがより好ましい。
エポキシ基含有アクリル樹脂は、数平均分子量が500〜10000であるのが好ましく、1000〜8000であるのがより好ましい。また、エポキシ基含有アクリル樹脂のエポキシ当量は、50〜700であるのが好ましく、80〜600であるのがより好ましい。
エポキシ基含有アクリル樹脂は、水酸基価が5〜300mgKOH/gであるのが好ましく、10〜200mgKOH/gであるのがより好ましい。
エポキシ基含有アクリル樹脂は、塗膜形成樹脂(A2)の樹脂固形分総量に対して10〜80質量%であるのが好ましく、20〜70質量%であるのがより好ましい。
上記塗膜形成樹脂(A2)を含むクリヤー塗料組成物の硬化機構は、まず、加熱によりカルボキシル基含有アクリル樹脂(酸無水物基含有アクリル樹脂)中の酸無水物基が、カルボキシル基含有ポリエステル樹脂およびエポキシ基含有アクリル樹脂中に含有される水酸基と反応することにより架橋点を形成し、再度カルボキシル基を形成する。このカルボキシル基およびカルボキシル基含有ポリエステル樹脂に存在するカルボキシル基は、エポキシ基含有アクリル樹脂中に存在するエポキシ基と反応することにより架橋点を形成する。このように、3種類のポリマーが相互に反応することにより硬化が進行して高い架橋密度を提供することができる。
クリヤー塗料組成物の調製
クリヤー塗料組成物は、上記塗膜形成樹脂(A)および有機無機ハイブリッドポリマー分散体(B)を、各成分の種類に応じた混合方法によって混合することによって調製することができる。
クリヤー塗料組成物は、上記塗膜形成樹脂(A)および有機無機ハイブリッドポリマー分散体(B)を、各成分の種類に応じた混合方法によって混合することによって調製することができる。
例えば塗膜形成樹脂(A)が上記塗膜形成樹脂(A1)であり、クリヤー塗料組成物が2液型クリヤー塗料組成物である場合は、水酸基を有するアクリル樹脂および/または水酸基を有するポリエステル樹脂を含み、必要に応じてハーフエステル基含有共重合体を含む塗膜形成樹脂(A1)、そして、有機無機ハイブリッドポリマー分散体(B)を含む、第1パッケージ(主剤)と、硬化剤を含む第2パッケージ(硬化剤)とからなる2液型クリヤー塗料組成物を、第1パッケージに含まれる成分そして第2パッケージに含まれる成分を、それぞれ、当業者において通常用いられる方法により混合することによって、調製することができる。
また、例えば塗膜形成樹脂(A)が上記塗膜形成樹脂(A2)である場合は、各成分を、当業者において通常用いられる方法により混合することによって、調製することができる。
クリヤー塗料組成物の調製において、必要に応じて、粘性制御剤、硬化触媒、表面調整剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、有機溶媒などを用いてもよい。これらは、塗料分野において通常用いられるものを適宜選択して用いることができる。
クリヤー塗料組成物はさらに、樹脂粒子および無機粒子からなる群から選択される粒子状添加剤を含んでもよく、また、表面調整剤、粘性制御剤などの各種添加剤を含んでもよい。これらは1種のみを含んでもよく、2種またはそれ以上を含んでもよい。
樹脂粒子として、例えば、ポリメタクリル酸メチル粒子等のアクリル樹脂粒子、ポリスチレン粒子、ポリ(スチレン/メタクリル酸メチル)共重合粒子、ポリエステル粒子、ポリカーボネート粒子、ポリイミド粒子、ポリウレタン粒子、ナイロン粒子、ポリエチレン粒子、ポリプロピレン粒子、シリコーン粒子、ポリテトラフルオロエチレン粒子、ポリフッ化ビニリデン粒子、ポリ塩化ビニリデン粒子、ベンゾグアナミン・ホルマリン縮合物粒子、メラミン・ホルマリン縮合物粒子等が挙げられる。
無機粒子として、例えば、金属又は金属の酸化物、複合酸化物の微粒子を挙げることができる。金属としては、例えば、Si、Ti、Al、Zn、Zr、In、Sn、Sb等が挙げられる。具体的な無機粒子として、例えばシリカ、アルミナ、ジルコニア、チタニア等が挙げられる。
但しこれらの粒子状添加剤の種類および含有量は、クリヤー塗料組成物の透明性を著しく低下させることがない種類および量であることを条件とする。
無機粒子として、例えば、金属又は金属の酸化物、複合酸化物の微粒子を挙げることができる。金属としては、例えば、Si、Ti、Al、Zn、Zr、In、Sn、Sb等が挙げられる。具体的な無機粒子として、例えばシリカ、アルミナ、ジルコニア、チタニア等が挙げられる。
但しこれらの粒子状添加剤の種類および含有量は、クリヤー塗料組成物の透明性を著しく低下させることがない種類および量であることを条件とする。
クリヤー塗料組成物が粒子状添加剤をさらに含むことによって、得られる塗膜の耐擦傷性等の機械的強度をさらに向上させることができるなどの利点がある。また、クリヤー塗料組成物が、表面調整剤、粘性制御剤などの各種添加剤をさらに含むことによって、得られる塗膜の外観などをさらに向上させることができ、また、塗装作業性などをさらに向上させることができるなどの利点がある。
上記クリヤー塗料組成物において、塗膜形成樹脂(A)のSP値(SPA)および有機無機ハイブリッドポリマー分散体(B)のアクリル成分のSP値(SPB)の差△SPが1.5以下であるのが好ましく、1.2以下であるのがより好ましい。ここでSP値とは、溶解性パラメータ(solubility parameter、SP値と略記することもある。)であり、溶解性の尺度となるものである。SP値は数値が大きいほど極性が高く、数値が小さいほど極性が低いことを示す。
SPA値は次の方法によって実測することができる[参考文献:SUH、CLARKE、J.P.S.A−1、5、1671〜1681(1967)]。
測定温度:20℃
サンプル:樹脂0.5gを100mlビーカーに秤量し、良溶媒10mlを、ホールピペットを用いて加え、マグネティックスターラーにより溶解する。
溶媒:
良溶媒…ジオキサン、アセトン等
貧溶媒…n−ヘキサン、イオン交換水等
濁点測定:50mlビュレットを用いて貧溶媒を滴下し、濁りが生じた点を滴下量とする。
サンプル:樹脂0.5gを100mlビーカーに秤量し、良溶媒10mlを、ホールピペットを用いて加え、マグネティックスターラーにより溶解する。
溶媒:
良溶媒…ジオキサン、アセトン等
貧溶媒…n−ヘキサン、イオン交換水等
濁点測定:50mlビュレットを用いて貧溶媒を滴下し、濁りが生じた点を滴下量とする。
SP値δは次式によって与えられる。
δ=(Vml 1/2δml+Vmh 1/2δmh)/(Vml 1/2+Vmh 1/2)
Vm=V1V2/(φ1V2+φ2V1)
δm=φ1δ1+φ2δ2
Vm=V1V2/(φ1V2+φ2V1)
δm=φ1δ1+φ2δ2
Vi:溶媒の分子容(ml/mol)
φi:濁点における各溶媒の体積分率
δi:溶媒のSP値
ml:低SP貧溶媒混合系
mh:高SP貧溶媒混合系
φi:濁点における各溶媒の体積分率
δi:溶媒のSP値
ml:低SP貧溶媒混合系
mh:高SP貧溶媒混合系
上記有機無機ハイブリッドポリマー分散体(B)のSP値(SPB)は、用いたラジカル重合性単量体のホモポリマーを上記SP測定方法にて測定し、その値をラジカル重合性単量体のSP値とし、ラジカル重合性単量体の混合物の重量比から加重平均にて計算した値である。
上記有機無機ハイブリッドポリマー分散体(B)において、塗膜形成樹脂(A)のSP値(SPA)および有機無機ハイブリッドポリマー分散体(B)のSP値(SPB)の差△SPの値を1.5以下に設計するによって、クリヤー塗膜の透明性を確保しつつ、耐擦傷性を向上させることができる利点がある。
塗膜形成方法
上記クリヤー塗料組成物は、例えば下記工程により塗装することができる。
被塗物に、上記クリヤー塗料組成物を塗装して、未硬化のクリヤー塗膜を形成する、クリヤー塗装工程、および
上記工程で得られた未硬化のクリヤー塗膜を加熱硬化させる、硬化工程。
上記クリヤー塗料組成物は、塗膜透明性が高くかつ耐擦傷性に優れたクリヤー塗膜を形成することができることから、自動車車体塗装用クリヤー塗料組成物として好適に用いることができる。
上記クリヤー塗料組成物は、例えば下記工程により塗装することができる。
被塗物に、上記クリヤー塗料組成物を塗装して、未硬化のクリヤー塗膜を形成する、クリヤー塗装工程、および
上記工程で得られた未硬化のクリヤー塗膜を加熱硬化させる、硬化工程。
上記クリヤー塗料組成物は、塗膜透明性が高くかつ耐擦傷性に優れたクリヤー塗膜を形成することができることから、自動車車体塗装用クリヤー塗料組成物として好適に用いることができる。
上記塗装において用いることができる被塗物は、特に限定されず、例えば各種金属基材およびプラスチック基材などを挙げることができる。金属基材としては、例えば、鉄、鋼、銅、アルミニウム、スズ、亜鉛等およびこれらの金属を含む合金が挙げられる。具体的な成型物としては、例えば、乗用車、トラック、オートバイ、バス等の自動車車体およびその部品が挙げられる。これらの金属基材は、電着塗膜、必要に応じた中塗り塗膜、そしてベース塗膜を有しているのが好ましい。また、上記金属基材は、電着塗装する前に、予めリン酸塩、クロム酸塩等で化成処理するのがより好ましい。このような化成処理がなされた被塗物上に電着塗膜が形成されているのが好ましい。電着塗料組成物としてはカチオン型およびアニオン型の何れも使用することができるが、カチオン型電着塗料組成物を用いることにより防食性においてより優れた塗膜を形成することができるため好ましい。
プラスチック基材として、ポリプロピレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリアミド樹脂等が挙げられる。これらのプラスチック基材は成形物であってもよい。具体的な成型物としては、例えば、スポイラー、バンパー、ミラーカバー、グリル、ドアノブ等の自動車部品等が挙げられる。さらに、これらのプラスチック成型物は、塗装前に純水および/または中性洗剤により洗浄されたものが好ましい。これらの成型物は、静電塗装を可能にするためのプライマー塗装が施されていてもよい。
電着塗料組成物、中塗り塗料組成物等は特に限定されず、水性型、溶剤型、粉体型等、当技術分野で通常用いられる塗料組成物を適宜選択して用いることができる。
上記クリヤー塗装工程において、クリヤー塗料組成物を塗装する被塗物が、未硬化のベース塗膜を有する態様が好ましい。上記クリヤー塗料組成物は、未硬化のベース塗膜上にクリヤー塗料組成物をウェットオンウェット塗装して未硬化のクリヤー塗膜を形成し、その後に加熱硬化させる塗装方法において、好適に用いることができる。
上記ベース塗料組成物は特に限定されず、当技術分野で通常用いられる塗料組成物、例えば、メタリックベース塗料組成物、カラーベース塗料組成物等を用いることができる。ベース塗料組成物は、水性型の塗料組成物であってもよく、溶剤型の塗料組成物であってもよい。上記ベース塗料組成物の塗装方法は、例えば、自動車車体などに塗装する場合には、意匠性を高めるためにエアー静電スプレー塗装による多ステージ塗装、好ましくは2ステージで塗装する方法、あるいは、エアー静電スプレー塗装と、通称「μμ(マイクロマイクロ)ベル」、「μ(マイクロ)ベル」又は「メタベル」などと言われる回転霧化式の静電塗装機とを組み合わせた塗装方法であることが好ましい。
クリヤー塗料組成物の塗装は、塗料組成物の形態に応じた、当技術分野で通常用いられる方法によって塗装することができる。クリヤー塗料組成物を塗装する方法の具体例として、例えば、マイクロベルと呼ばれる回転霧化式の静電塗装機による塗装方法を挙げることができる。上記クリヤー塗料組成物を塗装することによって形成されるクリヤー塗膜の乾燥膜厚は10〜80μm程度であるのが好ましく、20〜60μm程度であることがより好ましい。乾燥膜厚が上記範囲内であることによって、下地の凹凸隠蔽性が良好となり、また塗装作業性を良好に確保することができる利点がある。
クリヤー塗料組成物の塗装によって得られた未硬化クリヤー塗膜を有する被塗物を、加熱することによって、未硬化塗膜が硬化することとなる。被塗物が未硬化のベース塗膜を有している場合は、加熱によって、未硬化のベース塗膜およびクリヤー塗膜が同時に硬化することとなる。加熱硬化温度は、塗料組成物の組成に応じて適宜選択することができる。加熱硬化条件として、例えば、80〜180℃に設定されていることが好ましく、120〜160℃に設定されていることが更に好ましい。加熱時間は加熱温度に応じて任意に設定することができ、例えば加熱温度120℃〜160℃である場合は、加熱時間は10〜40分であるのが好ましい。
上記クリヤー塗料組成物は、有機無機ハイブリッドポリマー分散体(B)を含むことを特徴とする。そして、有機無機ハイブリッドポリマー分散体(B)は、平均粒子径が20〜300nm程度に比較的大きい場合であっても、得られるクリヤー塗膜の透明性が高い塗膜を得ることができるといった利点がある。
クリヤー塗料組成物においては、例えば有機官能基が表面に導入されたシリカ微粒子などを用いることによって、塗膜の物理的強度を向上させる試みがなされることがあった。そしてこのようなシリカ微粒子として、平均粒子径が例えば20nm以下程度であるような微粒子が用いられていた。しかしながら平均粒子径が例えば20nm以下程度であるような上記微粒子は一般に高価である傾向がある。
原料コストを下げる1手段として、例えば、平均粒子径が例えば100nm程であるシリカ微粒子を用いる方法が考えられる。しかしながら、例えば平均粒子径が100nmを超えるようなシリカ微粒子を用いる場合は、クリヤー塗膜の透明性を確保することが困難となるといった技術的課題があった。具体的には、例えば平均粒子径が100nm程であるシリカ微粒子を用いると、クリヤー塗膜の透明性が悪化し、にごり・白濁が視認される状態となることが判明した。
クリヤー塗料組成物を例えば自動車車体に塗装する場合は、クリヤー塗膜の下層として形成されるベース塗膜の意匠性を妨げないようにするため、クリヤー塗膜の透明性が高いことが必要とされる。そのため、クリヤー塗膜においてにごり・白濁が視認される場合は、自動車車体用クリヤー塗料組成物として用いることは困難となる。
これに対して上記クリヤー塗料組成物は、平均粒子径が例えば100nmを超える程である有機無機ハイブリッドポリマー分散体(B)を用いる場合であっても、良好な透明性を有するクリヤー塗膜を形成することができることが、実験により判明した。上記有機無機ハイブリッドポリマー分散体(B)を用いる場合は、平均粒子径が100nmを超える程に大きい場合であっても良好な透明性が得られることとなる理由は、理論に拘束されるものではないが、上記有機無機ハイブリッドポリマー分散体(B)が芳香族基含有部を含むことによって、有機無機ハイブリッドポリマー分散体(B)が無機成分を含むにも関わらず、有機無機ハイブリッドポリマー分散体(B)の見かけの屈折率が、クリヤー塗料組成物に含まれる塗膜形成樹脂(A)の屈折率と近い値となることによって、良好な透明性が得られることとなるためと考えられる。
芳香族基含有部を有する有機無機ハイブリッドポリマー分散体(B)と、塗膜形成樹脂(A)とを含む上記クリヤー塗料組成物を用いることによって、透明性および耐擦傷性に優れるクリヤー塗膜を、より安価に形成することができる利点がある。
以下の実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。実施例中、「部」および「%」は、ことわりのない限り、質量基準による。
製造例1−1 有機無機ハイブリッドポリマー分散体(B−1)の製造
シリコーンオリゴマー(b1)として、メチルメトキシシリコーンオリゴマーである、KR−500(信越化学社製)8.51部および、加水分解性シラン化合物(b2)として、ジメチルジメトキシシラン15.0部、メチルトリメトキシシラン20部、フェニルトリメトキシシラン35.59部、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン0.9部、ラジカル重合性不飽和単量体(b3)として、メタクリル酸メチル2.81部、アクリル酸n−ブチル4.19部、およびメタクリル酸n−ブチル3.0部を撹拌混合後、乳化剤としてポリオキシアルキレンアルケンエーテル硫酸アンモニウム(ラテムルPD−104、花王社製)16.7部、水36.03部を添加し、ホモミキサーを用いて、室温で15分間撹拌し、コア部用反応前乳化混合物142.73部を得た(反応前乳化混合物調製工程)。
撹拌機、還流冷却器、滴下槽および温度計を取りつけた反応容器に、水57.22部、ポリオキシアルキレンアルケンエーテル硫酸アンモニウム(ラテムルPD−104、花王社製)3部を入れ、表中に記載された量の25%アンモニア水を加えて、pHを11.0に調整した(第一pH調整工程)。
第一pH調整工程で得られた、pH調整した水を含む反応容器の温度を80℃に上げてから、上記反応前乳化混合物142.73部と、過硫酸アンモニウムの2.6%水溶液6.43部を、別々の滴下層から同時に2時間かけて滴下した。滴下が終了してから反応容器中の温度を80℃で1時間維持した。
次に、25%アンモニア水を加え、反応場のpHを9.75に調整した後、84℃まで昇温し、5時間かけて縮合反応を進行させた。
さらに、得られたエマルション水溶液を40℃まで冷却し、水14部を添加した後、減圧条件下において副生したメタノールを留去した。
さらに、メタクリル酸メチル2.81部、アクリル酸n−ブチル4.19部、およびメタクリル酸n−ブチル3.0部を撹拌混合後、乳化剤としてポリオキシアルキレンアルケンエーテル硫酸アンモニウム(ラテムルPD−104、花王社製)1.86部、水4.0部を添加し、ホモミキサーを用いて、室温で15分撹拌し、シェル部用反応前乳化混合物を得た。
温度80℃に調整してから、上記シェル部用反応前乳化混合物16部と、過硫酸アンモニウムの1.5%水溶液2.67部を別々の滴下ロートから、同時に2時間かけて滴下した。滴下が終了してから反応容器中の温度を80℃で1時間維持した後、30℃まで冷却し、コアシェル型アクリルシリコーン樹脂エマルション186部を得た。得られたエマルションは、固形分39.3質量%、平均粒子径150nmであった。
撹拌機、温度計を取りつけた反応容器にエマルション186部と酢酸ブチル600部を添加した。減圧下で水と酢酸ブチルの混合液を414部留去し、有機無機ハイブリッドポリマー分散体(B−1)を得た。得られたポリマー分散体の含水率は250ppm、固形分は20.1質量%であった。アクリル単量体の配合から計算により求められる水酸基価、溶解性パラメータ(SP)を下記表1に示す。
シリコーンオリゴマー(b1)として、メチルメトキシシリコーンオリゴマーである、KR−500(信越化学社製)8.51部および、加水分解性シラン化合物(b2)として、ジメチルジメトキシシラン15.0部、メチルトリメトキシシラン20部、フェニルトリメトキシシラン35.59部、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン0.9部、ラジカル重合性不飽和単量体(b3)として、メタクリル酸メチル2.81部、アクリル酸n−ブチル4.19部、およびメタクリル酸n−ブチル3.0部を撹拌混合後、乳化剤としてポリオキシアルキレンアルケンエーテル硫酸アンモニウム(ラテムルPD−104、花王社製)16.7部、水36.03部を添加し、ホモミキサーを用いて、室温で15分間撹拌し、コア部用反応前乳化混合物142.73部を得た(反応前乳化混合物調製工程)。
撹拌機、還流冷却器、滴下槽および温度計を取りつけた反応容器に、水57.22部、ポリオキシアルキレンアルケンエーテル硫酸アンモニウム(ラテムルPD−104、花王社製)3部を入れ、表中に記載された量の25%アンモニア水を加えて、pHを11.0に調整した(第一pH調整工程)。
第一pH調整工程で得られた、pH調整した水を含む反応容器の温度を80℃に上げてから、上記反応前乳化混合物142.73部と、過硫酸アンモニウムの2.6%水溶液6.43部を、別々の滴下層から同時に2時間かけて滴下した。滴下が終了してから反応容器中の温度を80℃で1時間維持した。
次に、25%アンモニア水を加え、反応場のpHを9.75に調整した後、84℃まで昇温し、5時間かけて縮合反応を進行させた。
さらに、得られたエマルション水溶液を40℃まで冷却し、水14部を添加した後、減圧条件下において副生したメタノールを留去した。
さらに、メタクリル酸メチル2.81部、アクリル酸n−ブチル4.19部、およびメタクリル酸n−ブチル3.0部を撹拌混合後、乳化剤としてポリオキシアルキレンアルケンエーテル硫酸アンモニウム(ラテムルPD−104、花王社製)1.86部、水4.0部を添加し、ホモミキサーを用いて、室温で15分撹拌し、シェル部用反応前乳化混合物を得た。
温度80℃に調整してから、上記シェル部用反応前乳化混合物16部と、過硫酸アンモニウムの1.5%水溶液2.67部を別々の滴下ロートから、同時に2時間かけて滴下した。滴下が終了してから反応容器中の温度を80℃で1時間維持した後、30℃まで冷却し、コアシェル型アクリルシリコーン樹脂エマルション186部を得た。得られたエマルションは、固形分39.3質量%、平均粒子径150nmであった。
撹拌機、温度計を取りつけた反応容器にエマルション186部と酢酸ブチル600部を添加した。減圧下で水と酢酸ブチルの混合液を414部留去し、有機無機ハイブリッドポリマー分散体(B−1)を得た。得られたポリマー分散体の含水率は250ppm、固形分は20.1質量%であった。アクリル単量体の配合から計算により求められる水酸基価、溶解性パラメータ(SP)を下記表1に示す。
上記有機無機ハイブリッドポリマー分散体(B)の平均粒子径は、電気泳動光散乱光度計ELSZ(大塚電子社製)を用いて、水分散体を信号レベルが適正となるようイオン交換水で希釈して測定した。
製造例1−2〜1−7、1−9、1−10 有機無機ハイブリッドポリマー分散体(B−2)〜(B−7)、(B−9)、(B−10)の製造
各原料および配合量を下記表1に記載の通り変更したこと以外は、製造例1−1と同様の操作を行い、有機無機ハイブリッドポリマー分散体(B−2)〜(B−7)、(B−9)、(B−10)を得た。
各原料および配合量を下記表1に記載の通り変更したこと以外は、製造例1−1と同様の操作を行い、有機無機ハイブリッドポリマー分散体(B−2)〜(B−7)、(B−9)、(B−10)を得た。
製造例1−8 有機無機ハイブリッドポリマー分散体(B−8)の製造
シリコーンオリゴマー(b1)として、メチルメトキシシリコーンオリゴマーであるKR−500(信越化学社製)8.51部および、加水分解性シラン化合物(b2)として、ジメチルジメトキシシラン15.0部、メチルトリメトキシシラン20部、フェニルトリメトキシシラン35.59部、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン0.9部、ラジカル重合性不飽和単量体(b3)として、メタクリル酸メチル5.62部、アクリル酸n−ブチル8.38部、およびメタクリル酸n−ブチル6.00部を撹拌混合後、乳化剤としてポリオキシアルキレンアルケンエーテル硫酸アンモニウム(ラテムルPD−104、花王社製)18.56部、水36.03部を添加し、ホモミキサーを用いて、室温で15分間撹拌し、反応前乳化混合物154.58部を得た(反応前乳化混合物調製工程)。
撹拌機、還流冷却器、滴下槽および温度計を取りつけた反応容器に、水57.22部、ポリオキシアルキレンアルケンエーテル硫酸アンモニウム(ラテムルPD−104、花王社製)3部を入れ、表中に記載された量の25%アンモニア水を加えて、pHを11.0に調整した(第一pH調整工程)。
第一pH調整工程で得られた、pH調整した水を含む反応容器の温度を80℃に上げてから、上記反応前乳化混合物154.58部と、過硫酸アンモニウムの2.3%水溶液9.1部を、別々の滴下層から同時に2時間かけて滴下した。滴下が終了してから反応容器中の温度を80℃で1時間維持した。
次に、25%アンモニア水を加え、反応場のpHを9.75に調整した後、84℃まで昇温し、5時間かけて縮合反応を進行させた。30℃まで冷却し、単層型アクリルシリコーン樹脂エマルション181.95部を得た。得られたエマルションは、固形分40.1質量%、平均粒子径160nmであった。
撹拌機、温度計を取りつけた反応容器にエマルション181.95部と酢酸ブチル600部を添加した。減圧下で水と酢酸ブチルの混合液を418.96部留去し、有機無機ハイブリッドポリマー分散体(B−8)362.99部を得た。得られたポリマー分散体の含水率は180ppm、固形分は20.1質量%であった。
シリコーンオリゴマー(b1)として、メチルメトキシシリコーンオリゴマーであるKR−500(信越化学社製)8.51部および、加水分解性シラン化合物(b2)として、ジメチルジメトキシシラン15.0部、メチルトリメトキシシラン20部、フェニルトリメトキシシラン35.59部、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン0.9部、ラジカル重合性不飽和単量体(b3)として、メタクリル酸メチル5.62部、アクリル酸n−ブチル8.38部、およびメタクリル酸n−ブチル6.00部を撹拌混合後、乳化剤としてポリオキシアルキレンアルケンエーテル硫酸アンモニウム(ラテムルPD−104、花王社製)18.56部、水36.03部を添加し、ホモミキサーを用いて、室温で15分間撹拌し、反応前乳化混合物154.58部を得た(反応前乳化混合物調製工程)。
撹拌機、還流冷却器、滴下槽および温度計を取りつけた反応容器に、水57.22部、ポリオキシアルキレンアルケンエーテル硫酸アンモニウム(ラテムルPD−104、花王社製)3部を入れ、表中に記載された量の25%アンモニア水を加えて、pHを11.0に調整した(第一pH調整工程)。
第一pH調整工程で得られた、pH調整した水を含む反応容器の温度を80℃に上げてから、上記反応前乳化混合物154.58部と、過硫酸アンモニウムの2.3%水溶液9.1部を、別々の滴下層から同時に2時間かけて滴下した。滴下が終了してから反応容器中の温度を80℃で1時間維持した。
次に、25%アンモニア水を加え、反応場のpHを9.75に調整した後、84℃まで昇温し、5時間かけて縮合反応を進行させた。30℃まで冷却し、単層型アクリルシリコーン樹脂エマルション181.95部を得た。得られたエマルションは、固形分40.1質量%、平均粒子径160nmであった。
撹拌機、温度計を取りつけた反応容器にエマルション181.95部と酢酸ブチル600部を添加した。減圧下で水と酢酸ブチルの混合液を418.96部留去し、有機無機ハイブリッドポリマー分散体(B−8)362.99部を得た。得られたポリマー分散体の含水率は180ppm、固形分は20.1質量%であった。
製造例1−11 有機ポリマー分散体(B−11)の製造
ラジカル重合性不飽和単量体として、メタクリル酸メチル25.68部、スチレン24.68部、およびアクリル酸−2−エチルヘキシル19.72部、ジメタクリル酸エチレングリコール30.00部を撹拌混合後、乳化剤(D)としてポリオキシアルキレンアルケンエーテル硫酸アンモニウム(ラテムルPD−104、花王社製)8.56部、水40.03部を添加し、ホモミキサーを用いて、室温で15分間撹拌し、反応前乳化混合物148.59部を得た(反応前乳化混合物調製工程)。
撹拌機、還流冷却器、滴下槽および温度計を取りつけた反応容器に、水180.10部、ポリオキシアルキレンアルケンエーテル硫酸アンモニウム(ラテムルPD−104、花王社製)13部を入れ、反応容器の温度を80℃に上げてから、上記反応前乳化混合物148.59部と、過硫酸アンモニウムの2.3%水溶液9.1部を、別々の滴下層から同時に2時間かけて滴下した。滴下が終了してから反応容器中の温度を80℃で1時間維持した後、30℃まで冷却し、アクリルエマルション350.79を得た。得られたエマルションは、固形分30.1質量%、平均粒子径90nmであった。
撹拌機、温度計を取りつけた反応容器にエマルション350.79部と酢酸ブチル900部を添加した。減圧下で水と酢酸ブチルの混合液を716.59部留去した。得られた有機ポリマー分散体535.98部の含水率は340ppm、固形分は19.7質量%であった。
ラジカル重合性不飽和単量体として、メタクリル酸メチル25.68部、スチレン24.68部、およびアクリル酸−2−エチルヘキシル19.72部、ジメタクリル酸エチレングリコール30.00部を撹拌混合後、乳化剤(D)としてポリオキシアルキレンアルケンエーテル硫酸アンモニウム(ラテムルPD−104、花王社製)8.56部、水40.03部を添加し、ホモミキサーを用いて、室温で15分間撹拌し、反応前乳化混合物148.59部を得た(反応前乳化混合物調製工程)。
撹拌機、還流冷却器、滴下槽および温度計を取りつけた反応容器に、水180.10部、ポリオキシアルキレンアルケンエーテル硫酸アンモニウム(ラテムルPD−104、花王社製)13部を入れ、反応容器の温度を80℃に上げてから、上記反応前乳化混合物148.59部と、過硫酸アンモニウムの2.3%水溶液9.1部を、別々の滴下層から同時に2時間かけて滴下した。滴下が終了してから反応容器中の温度を80℃で1時間維持した後、30℃まで冷却し、アクリルエマルション350.79を得た。得られたエマルションは、固形分30.1質量%、平均粒子径90nmであった。
撹拌機、温度計を取りつけた反応容器にエマルション350.79部と酢酸ブチル900部を添加した。減圧下で水と酢酸ブチルの混合液を716.59部留去した。得られた有機ポリマー分散体535.98部の含水率は340ppm、固形分は19.7質量%であった。
製造例1−12 有機無機ハイブリッドポリマー分散体(B−12)の製造
各原料および配合量を下記表1に記載の通り変更したこと以外は、製造例1−1と同様の操作を行い、有機無機ハイブリッドポリマー分散体(B−12)を得た。
各原料および配合量を下記表1に記載の通り変更したこと以外は、製造例1−1と同様の操作を行い、有機無機ハイブリッドポリマー分散体(B−12)を得た。
製造例1−13 有機無機混合ポリマー分散体(B−13)の製造
各原料および配合量を下記表1に記載の通り変更したこと以外は、製造例1−1と同様の操作を行い、有機無機ハイブリッドポリマー分散体(B−13)を得た。
各原料および配合量を下記表1に記載の通り変更したこと以外は、製造例1−1と同様の操作を行い、有機無機ハイブリッドポリマー分散体(B−13)を得た。
上記表中の記号は、以下の原料を示す。
PD−104:ポリオキシアルキレンアルケンエーテル硫酸アンモニウム
nBA:アクリル酸n−ブチル
nBMA:メタクリル酸n−ブチル
MMA:メタクリル酸メチル
St:スチレン
EHA:アクリル酸−2−エチルヘキシル
HEMA:メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル
EGDM:ジメタクリル酸エチレングリコール
KR−500:メチルメトキシシリコーンオリゴマー
OFS−6030:γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
Z−6329:ジメチルジメトキシシラン
OFS−6366:メチルトリメトキシシラン
Z−6124:フェニルトリメトキシシラン
APS:ペルオキソ二硫酸アンモニウム
PD−104:ポリオキシアルキレンアルケンエーテル硫酸アンモニウム
nBA:アクリル酸n−ブチル
nBMA:メタクリル酸n−ブチル
MMA:メタクリル酸メチル
St:スチレン
EHA:アクリル酸−2−エチルヘキシル
HEMA:メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル
EGDM:ジメタクリル酸エチレングリコール
KR−500:メチルメトキシシリコーンオリゴマー
OFS−6030:γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
Z−6329:ジメチルジメトキシシラン
OFS−6366:メチルトリメトキシシラン
Z−6124:フェニルトリメトキシシラン
APS:ペルオキソ二硫酸アンモニウム
製造例2 ハーフエステル基含有共重合体の製造
撹拌装置、温度計、冷却管、窒素ガス導入口を備えた四つ口フラスコ3リットルに、「ソルベッソ100J」800部を仕込み、窒素ガス通気下で125℃に昇温した。125℃に達した後、窒素ガスの通気を止め、モノマー、溶剤及び重合開始剤(p−tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート)からなる組成の、下記表記載のモノマー混合物を、4時間かけて滴下した。
撹拌装置、温度計、冷却管、窒素ガス導入口を備えた四つ口フラスコ3リットルに、「ソルベッソ100J」800部を仕込み、窒素ガス通気下で125℃に昇温した。125℃に達した後、窒素ガスの通気を止め、モノマー、溶剤及び重合開始剤(p−tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート)からなる組成の、下記表記載のモノマー混合物を、4時間かけて滴下した。
次いで、125℃で窒素ガスを通気しながら30分間熟成させた後、更に、p−tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート10部及び「ソルベッソ100J」118部との混合物を1時間かけて滴下した。100℃まで冷却し、ノルマルブタノール105.5部を仕込んだ後に100℃で12時間、撹拌しながら保温した。その後、冷却し、ハーフエステル基含有共重合体の溶液(固形分は52.7質量%)を得た。ハーフエステル基含有共重合体の、数平均分子量は約2,800、固形分酸価は50mgKOH/gであった。
製造例3−1 水酸基含有アクリル樹脂(1)の製造
攪拌機、温度制御装置、還流冷却器を備えた容器に、酢酸ブチル30gを仕込み、120℃に昇温させた。次に下記組成の単量体混合物(スチレン20部、アクリル酸n−ブチル15.3部、メタクリル酸−n−ブチル27.9部、メタクリル酸−2−ヒドロキシプロピル36部、アクリル酸0.8部)、そして、カヤエステルO 12部および酢酸ブチル6部を3時間かけて同時に滴下させた後30分間放置し、カヤエステルO 0.5部、酢酸ブチル4部の溶液を30分間かけて滴下し、反応溶液を1時間攪拌し樹脂への変化率を上昇させた後、反応を終了させ、固形分70%、数平均分子量3800、水酸基価140mg/KOH、酸価6.2mg/KOH、SP値10.6である、水酸基含有アクリル樹脂(1)を得た。
攪拌機、温度制御装置、還流冷却器を備えた容器に、酢酸ブチル30gを仕込み、120℃に昇温させた。次に下記組成の単量体混合物(スチレン20部、アクリル酸n−ブチル15.3部、メタクリル酸−n−ブチル27.9部、メタクリル酸−2−ヒドロキシプロピル36部、アクリル酸0.8部)、そして、カヤエステルO 12部および酢酸ブチル6部を3時間かけて同時に滴下させた後30分間放置し、カヤエステルO 0.5部、酢酸ブチル4部の溶液を30分間かけて滴下し、反応溶液を1時間攪拌し樹脂への変化率を上昇させた後、反応を終了させ、固形分70%、数平均分子量3800、水酸基価140mg/KOH、酸価6.2mg/KOH、SP値10.6である、水酸基含有アクリル樹脂(1)を得た。
製造例3−2 水酸基含有アクリル樹脂(2)の製造
攪拌機、温度制御装置、還流冷却器を備えた容器に、酢酸ブチル60gを仕込み、120℃に昇温させた。次に下記組成の単量体混合物(スチレン20部、アクリル酸2−エチルヘキシル13.2部、メタクリル酸−2−エチルヘキシル26.4部、メタクリル酸ヒドロキシエチル39.4部、メタクリル酸1.0部)、そして、カヤエステルO 18部および酢酸ブチル6部を3時間かけて同時に滴下させた後30分間放置し、カヤエステルO 0.5部、酢酸ブチル4部の溶液を30分間かけて滴下し、反応溶液を1時間攪拌し樹脂への変化率を上昇させた後、反応を終了させ、固形分60.1%、数平均分子量2,000、水酸基価170mg/KOH、酸価6.2mg/KOH、SP値10.6である、水酸基含有アクリル樹脂(2)を得た。
攪拌機、温度制御装置、還流冷却器を備えた容器に、酢酸ブチル60gを仕込み、120℃に昇温させた。次に下記組成の単量体混合物(スチレン20部、アクリル酸2−エチルヘキシル13.2部、メタクリル酸−2−エチルヘキシル26.4部、メタクリル酸ヒドロキシエチル39.4部、メタクリル酸1.0部)、そして、カヤエステルO 18部および酢酸ブチル6部を3時間かけて同時に滴下させた後30分間放置し、カヤエステルO 0.5部、酢酸ブチル4部の溶液を30分間かけて滴下し、反応溶液を1時間攪拌し樹脂への変化率を上昇させた後、反応を終了させ、固形分60.1%、数平均分子量2,000、水酸基価170mg/KOH、酸価6.2mg/KOH、SP値10.6である、水酸基含有アクリル樹脂(2)を得た。
実施例1
クリヤー塗料組成物の調製
1Lの金属製容器に、製造例3−1の水酸基含有アクリル樹脂(1)を樹脂固形分で60.0部、製造例1−1の有機無機ハイブリッドポリマー分散体(B−1)を固形分で2部、チバガイギー社製紫外線吸収剤「チヌビン384」1.4部、チバガイギー社製光安定剤「チヌビン123」1.4部、アクリル系表面調整剤1.4部、メチルアミルケトン57.0部およびDBE(昭栄ケミカル社製)22.0部を順次添加し、ディスパーにて十分撹拌し、2液型クリヤー塗料組成物の主剤を得た。
クリヤー塗料組成物の調製
1Lの金属製容器に、製造例3−1の水酸基含有アクリル樹脂(1)を樹脂固形分で60.0部、製造例1−1の有機無機ハイブリッドポリマー分散体(B−1)を固形分で2部、チバガイギー社製紫外線吸収剤「チヌビン384」1.4部、チバガイギー社製光安定剤「チヌビン123」1.4部、アクリル系表面調整剤1.4部、メチルアミルケトン57.0部およびDBE(昭栄ケミカル社製)22.0部を順次添加し、ディスパーにて十分撹拌し、2液型クリヤー塗料組成物の主剤を得た。
別の金属製容器に、住友バイエルウレタン社製「ディスモジュールN−3300」(NCO有効成分22%)固形分で40.0部および2−エチルエトキシプロパノールを順次添加し、十分撹拌し、2液型クリヤー塗料組成物の硬化剤を得た。
塗膜形成
リン酸亜鉛処理した150×300×0.8mmのダル鋼板に、パワーニックス1010(日本ペイント・オートモーティブコーティングス社製カチオン電着塗料)及びオルガP−30(日本ペイント・オートモーティブコーティングス社製中塗り塗料)をそれぞれ乾燥膜厚20μm及び40μmとなるように塗装した試験板に、AR−3020ブラック(日本ペイント・オートモーティブコーティングス社製水性ベース塗料)を乾燥膜厚が15μmとなるようにエアースプレー塗装し、80℃で5分間乾燥させることにより未硬化ベース塗膜を形成した。
その上に、上記クリヤー塗料組成物を、酢酸ノルマルブチル/3−エトキシプロピオン酸エチル=1/2(質量比)からなるシンナーによってNo.4フォードカップで30秒/20℃となるようにそれぞれ希釈したクリヤー塗料組成物を、乾燥膜厚が40μmとなるようにエアースプレー塗装して未硬化クリヤー塗膜を形成し、7分間セッティング後、140℃で25分間焼き付け硬化させ、複層塗膜を形成した。
得られた各試験用塗膜について、後述の評価を行った。
リン酸亜鉛処理した150×300×0.8mmのダル鋼板に、パワーニックス1010(日本ペイント・オートモーティブコーティングス社製カチオン電着塗料)及びオルガP−30(日本ペイント・オートモーティブコーティングス社製中塗り塗料)をそれぞれ乾燥膜厚20μm及び40μmとなるように塗装した試験板に、AR−3020ブラック(日本ペイント・オートモーティブコーティングス社製水性ベース塗料)を乾燥膜厚が15μmとなるようにエアースプレー塗装し、80℃で5分間乾燥させることにより未硬化ベース塗膜を形成した。
その上に、上記クリヤー塗料組成物を、酢酸ノルマルブチル/3−エトキシプロピオン酸エチル=1/2(質量比)からなるシンナーによってNo.4フォードカップで30秒/20℃となるようにそれぞれ希釈したクリヤー塗料組成物を、乾燥膜厚が40μmとなるようにエアースプレー塗装して未硬化クリヤー塗膜を形成し、7分間セッティング後、140℃で25分間焼き付け硬化させ、複層塗膜を形成した。
得られた各試験用塗膜について、後述の評価を行った。
なお、上記クリヤー塗料組成物に含まれる塗膜形成樹脂(A)のSP値(SPA)は10.5であった。SPAの値は、塗膜形成樹脂(A)を構成する各樹脂成分を表3の比で混合して、混合物の状態で上述のSP値測定方法に従い測定した実測値である。
実施例2〜8
有機無機ハイブリッドポリマー分散体として、下記表に示されたものを用いたこと以外は、実施例1と同様にして2液型クリヤー塗料組成物を調製した。
得られたクリヤー塗料組成物を用いて、実施例1と同様の手順により、塗膜形成を行った。
有機無機ハイブリッドポリマー分散体として、下記表に示されたものを用いたこと以外は、実施例1と同様にして2液型クリヤー塗料組成物を調製した。
得られたクリヤー塗料組成物を用いて、実施例1と同様の手順により、塗膜形成を行った。
実施例9、10
有機無機ハイブリッドポリマー分散体(B−1)の量として、下記表に示された量に変更したこと以外は、実施例1と同様にして2液型クリヤー塗料組成物を調製した。
得られたクリヤー塗料組成物を用いて、実施例1と同様の手順により、塗膜形成を行った。
有機無機ハイブリッドポリマー分散体(B−1)の量として、下記表に示された量に変更したこと以外は、実施例1と同様にして2液型クリヤー塗料組成物を調製した。
得られたクリヤー塗料組成物を用いて、実施例1と同様の手順により、塗膜形成を行った。
実施例11
クリヤー塗料組成物の調製
1Lの金属製容器に、製造例3−1の水酸基含有アクリル樹脂(1)を固形分で55.0部、ポリエステルポリオールであるベッコライト WHF−348 (DIC社製)を固形分で5.0部、製造例1−1の有機無機ハイブリッドポリマー分散体(B−1)を固形分で2部、チバガイギー社製紫外線吸収剤「チヌビン384」1.4部、チバガイギー社製光安定剤「チヌビン123」1.4部、アクリル系表面調整剤1.4部、メチルアミルケトン57.0部およびDBE(昭栄ケミカル社製)22.0部を順次添加し、ディスパーにて十分撹拌し、2液型クリヤー塗料組成物の主剤を得た。
別の金属製容器に、住友バイエルウレタン社製「ディスモジュールN−3300」(NCO有効成分22%)固形分で60.0部および2−エチルエトキシプロパノールを順次添加し、十分撹拌し、2液型クリヤー塗料組成物の硬化剤を得た。
クリヤー塗料組成物の調製
1Lの金属製容器に、製造例3−1の水酸基含有アクリル樹脂(1)を固形分で55.0部、ポリエステルポリオールであるベッコライト WHF−348 (DIC社製)を固形分で5.0部、製造例1−1の有機無機ハイブリッドポリマー分散体(B−1)を固形分で2部、チバガイギー社製紫外線吸収剤「チヌビン384」1.4部、チバガイギー社製光安定剤「チヌビン123」1.4部、アクリル系表面調整剤1.4部、メチルアミルケトン57.0部およびDBE(昭栄ケミカル社製)22.0部を順次添加し、ディスパーにて十分撹拌し、2液型クリヤー塗料組成物の主剤を得た。
別の金属製容器に、住友バイエルウレタン社製「ディスモジュールN−3300」(NCO有効成分22%)固形分で60.0部および2−エチルエトキシプロパノールを順次添加し、十分撹拌し、2液型クリヤー塗料組成物の硬化剤を得た。
塗膜形成
得られたクリヤー塗料組成物を用いて、実施例1と同様の手順により、塗膜形成を行った。
得られたクリヤー塗料組成物を用いて、実施例1と同様の手順により、塗膜形成を行った。
実施例12
クリヤー塗料組成物の調製
1Lの金属製容器に、製造例3−1の水酸基含有アクリル樹脂(1)を樹脂固形分で55部、ポリカーボネートジオールである旭化成ケミカルズ社製ポリカーボネートジオールT−5650Eを固形分で5.0部、製造例1−1の有機無機ハイブリッドポリマー分散体(B−1)を固形分で2部、チバガイギー社製紫外線吸収剤「チヌビン384」1.4部、チバガイギー社製光安定剤「チヌビン123」1.4部、アクリル系表面調整剤1.4部、メチルアミルケトン57.0部およびDBE(昭栄ケミカル社製)22.0部を順次添加し、ディスパーにて十分撹拌し、2液型クリヤー塗料組成物の主剤を得た。
別の金属製容器に、住友バイエルウレタン社製「ディスモジュールN−3300」(NCO有効成分22%)を固形分で40.0部および2−エチルエトキシプロパノールを順次添加し、十分撹拌し、2液型クリヤー塗料組成物の硬化剤を得た。
クリヤー塗料組成物の調製
1Lの金属製容器に、製造例3−1の水酸基含有アクリル樹脂(1)を樹脂固形分で55部、ポリカーボネートジオールである旭化成ケミカルズ社製ポリカーボネートジオールT−5650Eを固形分で5.0部、製造例1−1の有機無機ハイブリッドポリマー分散体(B−1)を固形分で2部、チバガイギー社製紫外線吸収剤「チヌビン384」1.4部、チバガイギー社製光安定剤「チヌビン123」1.4部、アクリル系表面調整剤1.4部、メチルアミルケトン57.0部およびDBE(昭栄ケミカル社製)22.0部を順次添加し、ディスパーにて十分撹拌し、2液型クリヤー塗料組成物の主剤を得た。
別の金属製容器に、住友バイエルウレタン社製「ディスモジュールN−3300」(NCO有効成分22%)を固形分で40.0部および2−エチルエトキシプロパノールを順次添加し、十分撹拌し、2液型クリヤー塗料組成物の硬化剤を得た。
塗膜形成
得られたクリヤー塗料組成物を用いて、実施例1と同様の手順により、塗膜形成を行った。
得られたクリヤー塗料組成物を用いて、実施例1と同様の手順により、塗膜形成を行った。
実施例13
クリヤー塗料組成物の調製において、製造例3−1の水酸基含有アクリル樹脂(1)を樹脂固形分で65.0部、イソシアネートの代わりにメラミン樹脂(三井化学社製、ユーバン325)35部を用いたこと以外は、実施例1と同様にして2液型クリヤー塗料組成物を調製した。
得られたクリヤー塗料組成物を用いて、実施例1と同様の手順により、塗膜形成を行った。
クリヤー塗料組成物の調製において、製造例3−1の水酸基含有アクリル樹脂(1)を樹脂固形分で65.0部、イソシアネートの代わりにメラミン樹脂(三井化学社製、ユーバン325)35部を用いたこと以外は、実施例1と同様にして2液型クリヤー塗料組成物を調製した。
得られたクリヤー塗料組成物を用いて、実施例1と同様の手順により、塗膜形成を行った。
実施例14
クリヤー塗料組成物の調製
市販のクリヤー塗料組成物である「マックフロー O−1810クリヤー」(日本ペイント・オートモーティブコーティングス社製、酸・エポキシ硬化型アクリル樹脂系塗料組成物)に対して、製造例1−1の有機無機ハイブリッドポリマー分散体(B−1)を加えることにより、クリヤー塗料組成物を調製した。
クリヤー塗料組成物の樹脂固形分100質量部に対して、製造例1−1の有機無機ハイブリッドポリマー分散体(B−1)を固形分で2部加えて、クリヤー塗料組成物を調製した。
クリヤー塗料組成物の調製
市販のクリヤー塗料組成物である「マックフロー O−1810クリヤー」(日本ペイント・オートモーティブコーティングス社製、酸・エポキシ硬化型アクリル樹脂系塗料組成物)に対して、製造例1−1の有機無機ハイブリッドポリマー分散体(B−1)を加えることにより、クリヤー塗料組成物を調製した。
クリヤー塗料組成物の樹脂固形分100質量部に対して、製造例1−1の有機無機ハイブリッドポリマー分散体(B−1)を固形分で2部加えて、クリヤー塗料組成物を調製した。
塗膜形成
得られたクリヤー塗料組成物を用いて、実施例1と同様の手順により、塗膜形成を行った。
得られたクリヤー塗料組成物を用いて、実施例1と同様の手順により、塗膜形成を行った。
実施例15
クリヤー塗料組成物の調製において、製造例3−1の水酸基含有アクリル樹脂(1)を樹脂固形分で55.0部、および、製造例2で得られたハーフエステル基含有共重合体5部を混合したこと以外は、実施例1と同様にして、2液型クリヤー塗料組成物の主剤を調製した。
得られた2液型クリヤー塗料組成物を用いて、実施例1と同様にして塗装し、クリヤー塗膜を有する複層塗膜を得た。
クリヤー塗料組成物の調製において、製造例3−1の水酸基含有アクリル樹脂(1)を樹脂固形分で55.0部、および、製造例2で得られたハーフエステル基含有共重合体5部を混合したこと以外は、実施例1と同様にして、2液型クリヤー塗料組成物の主剤を調製した。
得られた2液型クリヤー塗料組成物を用いて、実施例1と同様にして塗装し、クリヤー塗膜を有する複層塗膜を得た。
実施例16
クリヤー塗料組成物の調製において、製造例3−2の水酸基含有アクリル樹脂(2)を樹脂固形分で60部用いたこと以外は、実施例1と同様にして、2液型クリヤー塗料組成物の主剤を調製した。
得られた2液型クリヤー塗料組成物を用いて、実施例1と同様にして塗装し、クリヤー塗膜を有する複層塗膜を得た。
クリヤー塗料組成物の調製において、製造例3−2の水酸基含有アクリル樹脂(2)を樹脂固形分で60部用いたこと以外は、実施例1と同様にして、2液型クリヤー塗料組成物の主剤を調製した。
得られた2液型クリヤー塗料組成物を用いて、実施例1と同様にして塗装し、クリヤー塗膜を有する複層塗膜を得た。
実施例17、18
有機無機ハイブリッドポリマー分散体として、下記表に示されたものを用いたこと以外は、実施例1と同様にして2液型クリヤー塗料組成物を調製した。
得られたクリヤー塗料組成物を用いて、実施例1と同様の手順により、塗膜形成を行った。
有機無機ハイブリッドポリマー分散体として、下記表に示されたものを用いたこと以外は、実施例1と同様にして2液型クリヤー塗料組成物を調製した。
得られたクリヤー塗料組成物を用いて、実施例1と同様の手順により、塗膜形成を行った。
実施例19
有機無機ハイブリッドポリマー分散体(B−1)の量として、下記表に示された量に変更したこと以外は、実施例1と同様にして2液型クリヤー塗料組成物を調製した。
得られたクリヤー塗料組成物を用いて、実施例1と同様の手順により、塗膜形成を行った。
有機無機ハイブリッドポリマー分散体(B−1)の量として、下記表に示された量に変更したこと以外は、実施例1と同様にして2液型クリヤー塗料組成物を調製した。
得られたクリヤー塗料組成物を用いて、実施例1と同様の手順により、塗膜形成を行った。
比較例1
有機無機ハイブリッドポリマー分散体の代わりに、有機ポリマー分散体(B−11)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして2液型クリヤー塗料組成物を調製した。
得られたクリヤー塗料組成物を用いて、実施例1と同様の手順により、塗膜形成を行った。
有機無機ハイブリッドポリマー分散体の代わりに、有機ポリマー分散体(B−11)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして2液型クリヤー塗料組成物を調製した。
得られたクリヤー塗料組成物を用いて、実施例1と同様の手順により、塗膜形成を行った。
比較例2
有機無機ハイブリッドポリマー分散体の代わりに、疎水性ヒュームドシリカ(アエロジル社製、R−805)2部を用いたこと以外は、実施例1と同様にして2液型クリヤー塗料組成物を調製した。
得られたクリヤー塗料組成物を用いて、実施例1と同様の手順により、塗膜形成を行った。
有機無機ハイブリッドポリマー分散体の代わりに、疎水性ヒュームドシリカ(アエロジル社製、R−805)2部を用いたこと以外は、実施例1と同様にして2液型クリヤー塗料組成物を調製した。
得られたクリヤー塗料組成物を用いて、実施例1と同様の手順により、塗膜形成を行った。
比較例3
有機無機ハイブリッドポリマー分散体として、下記表に示されたものを用いたこと以外は、実施例1と同様にして2液型クリヤー塗料組成物を調製した。
得られたクリヤー塗料組成物を用いて、実施例1と同様の手順により、塗膜形成を行った。
有機無機ハイブリッドポリマー分散体として、下記表に示されたものを用いたこと以外は、実施例1と同様にして2液型クリヤー塗料組成物を調製した。
得られたクリヤー塗料組成物を用いて、実施例1と同様の手順により、塗膜形成を行った。
比較例4
有機無機ハイブリッドポリマー分散体の代わりに、有機無機混合ポリマー分散体(B−13)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして2液型クリヤー塗料組成物を調製した。
得られたクリヤー塗料組成物を用いて、実施例1と同様の手順により、塗膜形成を行った。
有機無機ハイブリッドポリマー分散体の代わりに、有機無機混合ポリマー分散体(B−13)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして2液型クリヤー塗料組成物を調製した。
得られたクリヤー塗料組成物を用いて、実施例1と同様の手順により、塗膜形成を行った。
上記実施例および比較例で調製したクリヤー塗料組成物を用いて、下記評価を行った。評価結果を下記表に示す。
耐擦傷性の評価
得られた塗膜の耐傷付性の評価は、大栄科学精器製作所社製 平面摩耗試験機に治具先端が摩耗する物体の表面に対して水平である直径16mmの金属製円柱型治具を取り付け、治具先端にフェルトと摩耗紙(3M社製 281Q、WETORDRY PRODUCTION POLISHING PAPER 9μGRADE)を、治具先端、フェルト、摩耗紙の順で固定し、治具に固定した摩耗紙表面に合計で900gの荷重が加わるように荷重を加え、10cmのストローク長さで1分間に40往復する速度で得られた塗膜の表面を10往復摩耗した。
試験部位と未試験部位の塗膜表面に対して20°の角度の光沢をマイクロ−トリ−グロス(ビックケミー社製光沢測定器)で測定し、試験部位に対する未試験部位の商の百分率を摩耗試験による光沢保持率として、耐傷付性を評価した。
◎(耐傷付性が非常に良好):光沢保持率が80%以上
○(耐傷付性が良好):光沢保持率が70%以上、且つ80%未満
△(耐傷付性が概ね良好):光沢保持率が60%以上、且つ70%未満
×(耐傷付性が弱い):光沢保持率が60%未満
得られた塗膜の耐傷付性の評価は、大栄科学精器製作所社製 平面摩耗試験機に治具先端が摩耗する物体の表面に対して水平である直径16mmの金属製円柱型治具を取り付け、治具先端にフェルトと摩耗紙(3M社製 281Q、WETORDRY PRODUCTION POLISHING PAPER 9μGRADE)を、治具先端、フェルト、摩耗紙の順で固定し、治具に固定した摩耗紙表面に合計で900gの荷重が加わるように荷重を加え、10cmのストローク長さで1分間に40往復する速度で得られた塗膜の表面を10往復摩耗した。
試験部位と未試験部位の塗膜表面に対して20°の角度の光沢をマイクロ−トリ−グロス(ビックケミー社製光沢測定器)で測定し、試験部位に対する未試験部位の商の百分率を摩耗試験による光沢保持率として、耐傷付性を評価した。
◎(耐傷付性が非常に良好):光沢保持率が80%以上
○(耐傷付性が良好):光沢保持率が70%以上、且つ80%未満
△(耐傷付性が概ね良好):光沢保持率が60%以上、且つ70%未満
×(耐傷付性が弱い):光沢保持率が60%未満
白濁評価
CM512M3(コニカミノルタ社製変角測色計)を用い、得られる数値のうち、25°のL値(L25)を以下の判断基準により塗膜の白濁を評価した。
◎(白濁が認められない):L25の数値が 1.0以下であった。
○(白濁がわずかに認められる):L25の数値が 1.0超 1.3以下であった。
△(白濁がやや認められるが実用に問題ない):L25の数値が 1.3超 1.8以下であった。
×(強い白濁が認められる):L25の数値が 1.8を上回った。
CM512M3(コニカミノルタ社製変角測色計)を用い、得られる数値のうち、25°のL値(L25)を以下の判断基準により塗膜の白濁を評価した。
◎(白濁が認められない):L25の数値が 1.0以下であった。
○(白濁がわずかに認められる):L25の数値が 1.0超 1.3以下であった。
△(白濁がやや認められるが実用に問題ない):L25の数値が 1.3超 1.8以下であった。
×(強い白濁が認められる):L25の数値が 1.8を上回った。
塗膜平滑性(LW)評価
平滑性の評価は、ウエーブスキャンII(ビックケミー社製表面粗度測定器)を用い、得られる数値のうち、塗膜の平滑性の評価数値であるCFにて、以下の基準で評価した。
(平滑性の評価)
◎(極めて良好):CFの数値が70以上である
○(良好):CFの数値が65以上70未満である
△(概ね良好):CFの数値が60以上65未満である
×(不良):CFの数値が60を下回る
平滑性の評価は、ウエーブスキャンII(ビックケミー社製表面粗度測定器)を用い、得られる数値のうち、塗膜の平滑性の評価数値であるCFにて、以下の基準で評価した。
(平滑性の評価)
◎(極めて良好):CFの数値が70以上である
○(良好):CFの数値が65以上70未満である
△(概ね良好):CFの数値が60以上65未満である
×(不良):CFの数値が60を下回る
実施例のクリヤー塗料組成物を用いて調製した塗膜は何れも、良好な耐擦り傷性を有しており、白濁の程度が低く透明性に優れ、かつ、塗膜平滑性が高く優れた外観を有していた。
比較例1のクリヤー塗料組成物は、有機無機ハイブリッドポリマー分散体(B)の代わりに、有機ポリマー分散体(B−11)を用いた例である。この塗料組成物を用いて調製した塗膜は、耐擦り傷性が劣ることが確認された。
比較例2のクリヤー塗料組成物は、有機無機ハイブリッドポリマー分散体(B)の代わりに、無機粒子であるシリカ粒子を用いた例である。この塗料組成物を用いて調製した塗膜は、白濁が認められた。また、塗膜平滑性も劣ることが確認された。
比較例3のクリヤー塗料組成物は、芳香族基含有部を有しない有機無機ハイブリッドポリマー分散体(B−12)を用いた例である。この塗料組成物を用いて調製した塗膜は、白濁が認められた。
比較例4のクリヤー塗料組成物は、有機無機ハイブリッドポリマー分散体(B)の代わりに、有機無機混合ポリマー分散体(B−13)を用いた例である。この塗料組成物を用いて調製した塗膜は、耐擦り傷性が劣ることが確認された。
比較例1のクリヤー塗料組成物は、有機無機ハイブリッドポリマー分散体(B)の代わりに、有機ポリマー分散体(B−11)を用いた例である。この塗料組成物を用いて調製した塗膜は、耐擦り傷性が劣ることが確認された。
比較例2のクリヤー塗料組成物は、有機無機ハイブリッドポリマー分散体(B)の代わりに、無機粒子であるシリカ粒子を用いた例である。この塗料組成物を用いて調製した塗膜は、白濁が認められた。また、塗膜平滑性も劣ることが確認された。
比較例3のクリヤー塗料組成物は、芳香族基含有部を有しない有機無機ハイブリッドポリマー分散体(B−12)を用いた例である。この塗料組成物を用いて調製した塗膜は、白濁が認められた。
比較例4のクリヤー塗料組成物は、有機無機ハイブリッドポリマー分散体(B)の代わりに、有機無機混合ポリマー分散体(B−13)を用いた例である。この塗料組成物を用いて調製した塗膜は、耐擦り傷性が劣ることが確認された。
上記クリヤー塗料組成物を用いることによって、良好な耐擦傷性を有するクリヤー塗膜を形成することができる。上記クリヤー塗料組成物によって得られるクリヤー塗膜はまた、良好な透明性を有している。そのため、例えばベース塗膜およびクリヤー塗膜を有する複層塗膜の形成において、ベース塗膜が有する意匠性を損なうことなく、複層塗膜の耐擦傷性を向上させることができる利点がある。上記クリヤー塗料組成物は、例えば自動車車体塗装用クリヤー塗料組成物として好適に用いることができる。
Claims (13)
- 塗膜形成樹脂(A)および有機無機ハイブリッドポリマー分散体(B)を含む、クリヤー塗料組成物であって、
前記有機無機ハイブリッドポリマー分散体(B)は、芳香族基含有部を有し、
前記有機無機ハイブリッドポリマー分散体(B)は、ラジカル重合性加水分解性シラン化合物(b2’)を含む混合物の重合物の分散体である、
クリヤー塗料組成物。 - 前記有機無機ハイブリッドポリマー分散体(B)は、
シリコーンオリゴマー(b1)、
加水分解性シラン化合物(b2)、および
ラジカル重合性不飽和単量体(b3)
を含む混合物の重合物の分散体であり、
前記加水分解性シラン化合物(b2)は、前記ラジカル重合性加水分解性シラン化合物(b2’)を含み、
前記シリコーンオリゴマー(b1)、加水分解性シラン化合物(b2)およびラジカル重合性不飽和単量体(b3)の少なくとも1種が、芳香族基を有することを条件とする、
請求項1記載のクリヤー塗料組成物。 - 前記混合物中に含まれる、シリコーンオリゴマー(b1)および加水分解性シラン化合物(b2)の合計質量と、ラジカル重合性不飽和単量体(b3)の質量の質量比が、((b1)+(b2))/(b3)=30/70〜95/5の範囲内である、請求項2記載のクリヤー塗料組成物。
- 前記混合物において、
前記加水分解性シラン化合物(b2)は、ラジカル重合性加水分解性シラン化合物(b2’)、および、芳香族基を有する加水分解性シラン化合物(b2−1)を含むか、
前記ラジカル重合性不飽和単量体(b3)は、芳香族基を有するラジカル重合性不飽和単量体(b3−1)を含むか、
前記シリコーンオリゴマー(b1)は、芳香族基を有するシリコーンオリゴマー(b1−1)を含むか、または、
前記加水分解性シラン化合物(b2)は、ラジカル重合性加水分解性シラン化合物(b2’)、および、芳香族基を有する加水分解性シラン化合物(b2−1)を含み、かつ、前記ラジカル重合性不飽和単量体(b3)は、芳香族基を有するラジカル重合性不飽和単量体(b3−1)を含むか、
であり、
ただし、上記何れにおいても、前記混合物中に含まれる、芳香族基を有するシリコーンオリゴマー(b1−1)、芳香族基を有する加水分解性シラン化合物(b2−1)および芳香族基を有するラジカル重合性不飽和単量体(b3−1)の総量は、混合物100質量部に対して芳香族基の官能基質量が7〜30質量部の範囲内となる量であることを条件とする、
請求項2記載のクリヤー塗料組成物。 - 前記塗膜形成樹脂(A)は、
アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリカーボネートジオール樹脂からなる群から選択される少なくとも1種である基体樹脂と、アミノ樹脂およびイソシアネート樹脂からなる群から選択される少なくとも1種である硬化剤とを含む塗膜形成樹脂(A1)であるか、または、
カルボキシル基含有アクリル樹脂、カルボキシル基含有ポリエステル樹脂およびエポキシ基含有アクリル樹脂を含む塗膜形成樹脂(A2)である、
請求項1〜4いずれかに記載のクリヤー塗料組成物。 - 前記塗膜形成樹脂(A1)はさらに、ハーフエステル基含有共重合体を含む、請求項5記載のクリヤー塗料組成物。
- 前記クリヤー塗料組成物中に含まれる有機無機ハイブリッドポリマー分散体(B)の固形分量は、前記塗膜形成樹脂(A)の樹脂固形分100質量部に対して0.1〜8質量部の範囲内である、請求項1〜6いずれかに記載のクリヤー塗料組成物。
- 前記有機無機ハイブリッドポリマー分散体(B)の平均粒子径は、20〜300nmの範囲内である、請求項1〜7いずれかに記載のクリヤー塗料組成物。
- 前記塗膜形成樹脂(A)のSP値(SPA)および前記有機無機ハイブリッドポリマー分散体(B)のSP値(SPB)の差△SPが1.5以下である、請求項1〜8いずれかに記載のクリヤー塗料組成物。
- 前記クリヤー塗料組成物はさらに、樹脂粒子、無機粒子、表面調整剤、粘性制御剤からなる群から選択される少なくとも1種を含む、
請求項1〜9いずれかに記載のクリヤー塗料組成物。 - 自動車車体塗装用である、請求項1〜10いずれかに記載のクリヤー塗料組成物。
- 被塗物に、請求項1〜11いずれかに記載のクリヤー塗料組成物を塗装して、未硬化のクリヤー塗膜を形成する、クリヤー塗装工程、および
前記工程で得られた未硬化のクリヤー塗膜を加熱硬化させる、硬化工程、
を包含する塗膜形成方法。 - 前記クリヤー塗装工程において、クリヤー塗料組成物を塗装する被塗物が、未硬化のベース塗膜を有する、請求項12記載の塗膜形成方法。
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