JP2020105267A - 硬化性接着剤、並びにその接着剤を含む層を備える、接着テープ、積層体及び積層ミラーボタン - Google Patents
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Abstract
【課題】耐界面破壊性に優れる硬化性接着剤を提供する。【解決手段】本開示の一実施態様の硬化性接着剤は、(メタ)アクリレートポリマー、硬化性オキセタン化合物、ポリマーフィラー、及び硬化性オキセタン化合物用光開始剤を含む。【選択図】なし
Description
本開示は、硬化性接着剤、並びにその接着剤を含む層を備える、接着テープ、積層体及び積層ミラーボタンに関する。
近年、硬化性の接着剤が、例えば、歯科用途、自動車用途などの種々の用途に幅広く利用されている。
特許文献1(特表2002−516830号公報)には、(a)陽イオン的に活性な官能基と、(b)遊離基的に活性な官能基と、(c)約40℃未満の反応温度で、有限誘導期T1後に前記遊離基的に活性な官能基の遊離基重合を開始し、有限誘導期T3(T3はT1より大きい)後に前記陽イオン的に活性な官能基の陽イオン重合を開始することができる光開始系と、を含み、この光開始系が、(i)遊離基的に活性な官能基の遊離基重合及び陽イオン的に活性な官能基の陽イオン重合を開始することができる種のソースと、(ii)陽イオン重合改質剤と、を含み、この改質剤の存在しない条件下、有限誘導期T2(T2はT3より小さい)の終わりに同じ照射条件で、陽イオン的に活性な官能基の陽イオン重合が開始される、光重合可能な歯科用組成物が開示されている。
特許文献2(特開2004−051738号公報)には、(A)常温で液状のエポキシ樹脂、(B)光カチオン重合開始剤、及び(C)(メタ)アクリル酸エステル、ジエン系単量体及びこれらと他の重合性単量体混合物の中から選ばれた少なくとも1種の単量体単位を含有する重合体を含有する、無溶剤型光硬化性組成物が開示されている。
硬化性接着剤は、一般に、ある物品間に適用した後に硬化させて物品同士を接合するものである。例えば近年、自動車のルームミラーをフロントガラスに取り付ける際に、ルームミラーを固定するためのミラーボタンが使用されている。このミラーボタンは、アルミニウム製のベース基材と硬化性接着剤層とを備えており、係るミラーボタンをフロントガラスに適用した後に、熱等によって硬化させて貼り合わせている。
しかしながら、従来の硬化性接着剤は、このようなベース基材又はガラスなどの界面において剥離してしまう場合があり、耐界面破壊性に優れる硬化性接着剤、特に、作業性、異種材料に対する接着性等の観点から光硬化性接着剤が望まれていた。
本開示は、耐界面破壊性に優れる硬化性接着剤を提供する。
本開示の一実施態様によれば、(メタ)アクリレートポリマー、硬化性オキセタン化合物、ポリマーフィラー、及び硬化性オキセタン化合物用光開始剤を含む硬化性接着剤が提供される。
本開示の別の実施態様によれば、係る硬化性接着剤を含む層、及び剥離ライナーを備える、接着テープが提供される。
本開示のさらに別の実施態様によれば、基材、及び係る硬化性接着剤を含む層を備える、積層体が提供される。
本開示のさらに別の実施態様によれば、ミラーボタン、及び係る硬化性接着剤を含む層を備える、積層ミラーボタンが提供される。
本開示によれば、耐界面破壊性に優れる硬化性接着剤を提供することができる。
上述の記載は、本発明の全ての実施態様及び本発明に関する全ての利点を開示したものとみなしてはならない。
本開示の第1の実施形態における硬化性接着剤は、(メタ)アクリレートポリマー、硬化性オキセタン化合物、ポリマーフィラー、及び硬化性オキセタン化合物用光開始剤を含む硬化性接着剤を含む。係る硬化性接着剤は、基材及び/又は被着体に適用して硬化させた後の界面破壊を低減又は防止することができる。
第1の実施形態における硬化性接着剤は、硬化性オキセタン化合物を、(メタ)アクリレートポリマー100質量部当たり、約30〜約300質量部含有させることができる。このような範囲で硬化性オキセタン化合物が含まれていると、硬化後の接着剤層は、十分な接着力を有しながら界面破壊よりも凝集破壊を呈し易くなり、その結果、耐界面破壊性をより向上させることができる。
第1の実施形態における硬化性接着剤は、ポリマーフィラーを、約10〜約80体積%含むことができる。このような範囲でポリマーフィラーが含まれていると、硬化後の接着剤層は、十分な接着力を有しながら界面破壊よりも凝集破壊を呈し易くなり、その結果、耐界面破壊性をより向上させることができる。
第1の実施形態における硬化性接着剤の(メタ)アクリレートポリマーは、(メタ)アクリレートモノマー及びカルボン酸を含む材料から得られる重合体であってもよい。このような材料から得られた(メタ)アクリレートポリマーを含む硬化性接着剤は、硬化後に、基材及び/又は被着体に対する接着力をより向上させることができる。
第1の実施形態における硬化性接着剤の(メタ)アクリレートポリマー形成材料におけるカルボン酸の含有量としては、(メタ)アクリレートモノマー及びカルボン酸の総量100質量%当たり、約3〜約20質量%とすることができる。このような材料から得られた(メタ)アクリレートポリマーを含む硬化性接着剤は、硬化後に、基材及び/又は被着体に対する接着力をより向上させることができる。
第1の実施形態における硬化性接着剤の(メタ)アクリレートポリマーの(メタ)アクリレートモノマーとしては、ホモポリマーのガラス転移温度が約0℃以下となるアルキル(メタ)アクリレートモノマーと、ホモポリマーのガラス転移温度が約50℃以上となるアルキル(メタ)アクリレートモノマーとを使用することができる。このようなモノマーを使用すると、接着性、耐界面破壊性、凝集破壊性をより向上させることができる。
第1の実施形態における硬化性接着剤は、成形補助ポリマーを更に含むことができる。このような成形補助ポリマーを配合することによって、硬化性接着剤のテープ等の形態への成形加工性を向上させることができる。
本開示の第2の実施形態における接着テープは、第1の実施形態の硬化性接着剤を含む層及び剥離ライナーを用いて形成することができる。係る接着テープは、耐界面破壊性に優れている。
本開示の第3の実施形態における積層体は、第1の実施形態の硬化性接着剤を含む層及び基材を用いて形成することができる。係る積層体は、耐界面破壊性に優れている。
本開示の第4の実施形態における積層ミラーボタンは、ミラーボタン、及び第1の実施形態の硬化性接着剤を含む層を用いて形成することができる。係る積層ミラーボタンは、耐界面破壊性に優れている。
以下、本発明の代表的な実施態様を例示する目的でより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施態様に限定されない。
本開示において「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート又はメタクリレートを意味し、「(メタ)アクリル」とは、アクリル又はメタクリルを意味する。
本開示において「硬化」には、一般的に「架橋」と呼ばれる概念も包含することができる。
本開示において「界面破壊」とは、硬化させた接着剤層と、接着剤層を適用した基材又は被着体との界面における剥離を意味する。界面破壊は、接着剤層が、基材又は被着体の界面から完全に剥がれていることに限らず、例えば、接着剤層を適用した面積のうち、約70%以上、約80%以上、又は約90%以上が、基材又は被着体の界面から剥がれていることを意味することができる。
本開示において「凝集破壊」とは、接着剤層の層内で破壊が生じる現象を意味する。凝集破壊は、接着剤層の全ての層内で破壊していることに限らず、例えば、接着剤層を適用した面積のうち、約70%以上、約80%以上、又は約90%以上が、接着剤層の層内で破壊していることを意味することができる。見た目には、基材側と被着体側とに接着剤層が分かれて剥がれるものが典型だが、その割合は半々である必要はなく、一方の側に多く、他方の側に少な目に分かれて剥がれる状態(いわゆる糊残りが多い状態)も含み得る。
また、界面破壊と凝集破壊とが併発する場合もあり得る。接着剤層を適用した面積のうち約70%以上、約80%以上、又は約90%以上が、接着剤層の層内で破壊している場合は、凝集破壊とみなすことができる。それ以外は、界面破壊とみなしてもよい。
本開示において「アルキル」という用語は、直鎖状又は分岐状の脂肪族炭化水素基を意味する。本開示において「分岐状」という用語は、直鎖状のアルキル鎖に、1個又は複数のアルキル基、例えば、メチル、エチル又はプロピルなどが付いているものを意味する。アルキル基は、非置換でもよく、また、1個又は複数の、ハロ原子、シクロアルキル、又はシクロアルケニル基などによって置換されていてもよい。
本開示において「シクロアルキル」という用語は、非芳香族の単環式又は多環式の環状システムを意味し、例えば約3〜約12個の炭素原子を含む。シクロアルキル環の例としては、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルなどが挙げられる。このシクロアルキル基は、1個又は複数の、ハロ原子、メチレン、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アラルキル、ヘテロアラルキル、アリール又はヘテロアリールなどで置換されていてもよい。本開示において「ヘテロ」という用語は、1個又は複数の炭素原子と置換した酸素、窒素、又は硫黄のことを意味する。
本開示において「シクロアルケニル」という用語は、炭素−炭素二重結合を有する、非芳香族の単環式又は多環式の環状システムを意味し、例えば約3〜約10個の炭素原子を含む。このシクロアルケニル基は、非置換でもよく、また、1個又は複数の、ハロ原子、メチレン、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アラルキル、ヘテロアラルキル、アリール、又はヘテロアリール基などで置換されていてもよい。
本開示において「アリール」という用語は、芳香族炭素環式ラジカルを意味する。アリール基の例を挙げれば、場合によっては同一であっても異なっていてもよいが、1個又は複数のアリール基置換基によって置換された、フェニル又はナフチルがある。ここで「アリール基置換基」としては、水素、アルキル、シクロアルキル、場合によっては置換されたアリール、場合によっては置換されたヘテロアリール、アラルキル、アラルケニル、アラルキニル、ヘテロアラルキル、ヘテロアラルケニル、ヘテロアラルキニル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アラルコキシ、カルボキシ、アシル、アロイル、ハロ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、アラルコキシカルボニル、アシルアミノ、アロイルアミノ、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、その他公知の基などが挙げられる。
上に挙げた化学基の説明は当分野では公知のものであって、これらの記述は、一般に認められている意味を変更しようとするものではない。
以下、硬化性接着剤(単に「接着剤」という場合がある。)の各成分についてさらに説明する。
本開示の接着剤は、(メタ)アクリレートポリマーを含む。この(メタ)アクリレートポリマーは、例えば、単官能モノマーと、任意に多官能(メタ)アクリレートとを含むモノマー成分を部分重合してなる部分重合体(「プレポリマー」という場合もある。)をさらに重合させて得ることができる。或いは、後述する成形補助ポリマーを使用する場合には、部分重合体の状態を経由せずに、単官能モノマーと、任意に多官能(メタ)アクリレートとを重合させて(メタ)アクリレートポリマーを得ることができる。
単官能モノマーとしては、例えば、アルキル基の炭素原子数が1〜18のアルキル(メタ)アクリレート(場合により「C1〜18アルキル(メタ)アクリレート」と称する。)、並びに、ビニルカルボニル基及び極性基を有する不飽和モノマー(場合により「極性不飽和モノマー」と称する。)などを挙げることができる。単官能モノマーは、単独で又は二種以上組み合わせて使用することができる。
アルキル基の炭素原子数が1〜18のアルキル(メタ)アクリレートとは、例えば、アルキル(メタ)アクリレートを、アクリル酸とアルキルアルコールのエステルとして見た場合に、当該アルキルアルコールの炭素原子数が1〜18であることを意味する。すなわち、アルキル(メタ)アクリレートをCH2=CH−COO−R1と表した場合、R1が、炭素原子数1〜18のアルキル基であることを意味する。
アルキル(メタ)アクリレートのアルキル基の炭素原子数は、4以上であることが好ましく、12以下であることが好ましい。このようなアルキル(メタ)アクリレートを単官能モノマーとして有すると、接着剤の接着力又は付着力が向上する。
アルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、n−ペンチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−ヘプチル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、n−デシル(メタ)アクリレート、n−ウンデシル(メタ)アクリレート、n−ドデシル(メタ)アクリレート、n−トリデシル(メタ)アクリレート、n−テトラデシル(メタ)アクリレート、n−ペンタデシル(メタ)アクリレート、n−ヘキサデシル(メタ)アクリレート、n−ヘプタデシル(メタ)アクリレート、n−オクタデシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、3,3,5−トリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。中でも、接着性、耐界面破壊性、凝集破壊性等の観点から、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレートが好ましく、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレートがより好ましい。
特に、接着性、耐界面破壊性、凝集破壊性等の観点から、ホモポリマーのガラス転移温度(Tg)が氷点下(約0℃)以下となる低Tgアルキル(メタ)アクリレートモノマーと、ホモポリマーのTgが約50℃以上となる高Tgアルキル(メタ)アクリレートとを組み合わせて用いることが好ましい。
低Tgアルキル(メタ)アクリレートモノマーとしては、例えば、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは単独で又は複数組み合わせて使用することができる。
高Tgアルキル(メタ)アクリレートモノマーとしては、例えば、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは単独で又は複数組み合わせて使用することができる。
極性不飽和モノマーは、ビニルカルボニル基及び極性基を有する。
極性基としては、例えば、水酸基、カルボキシル基、カルバモイル基、アミノ基、エポキシ基、ニトリル基等が挙げられ、これらのうち、水酸基、カルボキシル基、アミノ基が好ましい。
ビニルカルボニル基は、CH2=CH−C(=O)−で表される基をいう。ビニルカルボニル基と極性基とは直接結合していてもよいし、アルキレン基等の連結基を介して結合していてもよい。
極性不飽和モノマーとしては、例えば、
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート等の水酸基含有不飽和モノマー;
アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸等のカルボキシル基含有不飽和モノマー(単に「カルボン酸」という場合がある。);
アクリルアミド等のカルバモイル基含有不飽和モノマー;
N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート等のアミノ基含有モノマー;
グリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基含有不飽和モノマー;
などが挙げられる。
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート等の水酸基含有不飽和モノマー;
アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸等のカルボキシル基含有不飽和モノマー(単に「カルボン酸」という場合がある。);
アクリルアミド等のカルバモイル基含有不飽和モノマー;
N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート等のアミノ基含有モノマー;
グリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基含有不飽和モノマー;
などが挙げられる。
接着性、特に低温環境下での接着性の観点から、カルボン酸が好ましく、具体的には、アクリル酸がより好ましい。
任意成分である多官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
多官能(メタ)アクリレートを使用する場合には、モノマー成分における多官能(メタ)アクリレートの含有量は、例えば、単官能モノマー100gに対して、約0.05mmol以上又は約0.1mmol以上とすることができ、約2.0mmol以下とすることができる。
部分重合体(プレポリマー)は、モノマー成分を部分重合してなるものであり、「モノマー成分の部分重合体(プレポリマー)」ということもできる。
ここで部分重合体とは、モノマー成分の少なくとも一部が重合してなる組成物であって、係る組成物中に、単官能モノマー又は多官能(メタ)アクリレートに由来する未反応のエチレン性不飽和結合(C=C)が存在しているものをいう。
部分重合体の25℃における粘度は、例えば、約500mPa・s以上にすることができ、約10000mPa・s以下、約8000mPa・s以下又は約5000mPa・s以下にすることができる。部分重合体の粘度範囲がこのような範囲であると、例えば、接着テープを形成する際に、剥離ライナー等へ液だれせずに厚みをもたせて塗工することができる。ここで規定する粘度とは、東京計器株式会社(日本国東京都港区)により製造されたB型粘度計(BH型)を用いて測定される値であり、測定は、#5又は#6ローターを用いて25℃で実施し(回転数:20rpm)、測定開始後1分の値を測定値とする。
部分重合体の粘度は、部分重合の進行度合いによって変化し、部分重合が進行するほど部分重合体の粘度は高くなる傾向にある。そのため、部分重合体の粘度は、部分重合に用いる重合開始剤の量、部分重合の反応時間等を適宜調整することで、容易に所望の範囲に調整することができる。
部分重合体は、未反応のモノマー成分と、該モノマー成分の重合体である固形分と、を含有するということもできる。ここで、部分重合体中の固形分量は、例えば、部分重合体の総量基準で約1質量%以上又は約2質量%以上とすることができ、約10質量%以下又は約7質量%以下とすることができる。
部分重合体中の固形分量は、部分重合体から未反応のモノマー成分を除去した残りの固形分の量を測定することで求めることができ、例えば、部分重合体を約120℃のオーブンで約2時間乾燥させた後の質量を固形分量とすることができる。
部分重合体は、例えば、モノマー成分に光重合開始剤を配合して光照射して、モノマー成分を光重合することによって得ることができる。
光重合開始剤としては、例えば、アゾビスインブチロニトリル等のアゾ系化合物;
ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾイソエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、α−メチルベンゾイン、α−フェニルベンゾイン等のベンゾイン類;
アントラキノン、メチルアントラキノン、クロルアントラキノン等のアントラキノン類;
p−メトキシベンゼンジアゾニウム、ヘキサフルオロフォスフェート、ジフェニルアイオドニウム、トリフェニルスルフォニウム等のオニウム塩;等が挙げられる。
ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾイソエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、α−メチルベンゾイン、α−フェニルベンゾイン等のベンゾイン類;
アントラキノン、メチルアントラキノン、クロルアントラキノン等のアントラキノン類;
p−メトキシベンゼンジアゾニウム、ヘキサフルオロフォスフェート、ジフェニルアイオドニウム、トリフェニルスルフォニウム等のオニウム塩;等が挙げられる。
光重合開始剤としては、例えば、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(ベンジルジメチルケタール)等のベンジルジアルキルケタール類;
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒロドキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン等のα−ヒドロキシアルキルフェノン類;
2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン等のα−アミノアルキルフェノン類;
2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド等のアシルフォスフィンオキサイド類;
ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム等のチタノセン類;
1.2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)]、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(0−アセチルオキシム)等のオキシムエステル類;等も挙げられる。
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒロドキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン等のα−ヒドロキシアルキルフェノン類;
2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン等のα−アミノアルキルフェノン類;
2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド等のアシルフォスフィンオキサイド類;
ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム等のチタノセン類;
1.2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)]、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(0−アセチルオキシム)等のオキシムエステル類;等も挙げられる。
部分重合体の調製で使用する光重合開始剤の含有量は、部分重合体100質量部に対して約0.01質量部以上又は約0.05質量部以上とすることができ、約1.0質量部以下又は約0.5質量部以下とすることができる。
光照射は、例えば、紫外線、電子線、X線等による照射などを採用することができる。例えば、光重合開始剤を配合したモノマー成分に、照射強度約0.05mW/cm2以上又は約0.1mW/cm2以上、約10mW/cm2以下又は約5mW/cm2以下、照射時間約5秒以上又は約10秒以上、約300秒以下又は約240秒以下の条件で紫外線照射して、部分重合体を得ることができる。
(メタ)アクリレートポリマーを形成する際に、成形補助ポリマーを使用してもよい。成形補助ポリマーを使用することによって、部分重合体の状態を経由させなくても、粘度を増加させることができる。その結果、未反応のモノマー成分を使用したとしても、例えば、接着テープを形成する際に、剥離ライナー等へ液だれせずに厚みをもたせて塗工することができる。
成形補助ポリマーとしては、上述したモノマー成分と相溶し、モノマー成分を含む系に対して増粘化させ得るものであればいかなるものでもよく、特に制限はない。例えば、ポリビニルブチラール(PVB)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、フェノキシ樹脂などを挙げることができる。成形補助ポリマーは、単独で又は二種以上組み合わせて使用することができる。
成形補助ポリマーの含有量は、所望の粘度が得られるように適宜調整すればよく、特に制限されないが、例えば、(メタ)アクリレートポリマー100質量部当たり、約5質量部以上、約7質量部以上、又は約10質量部以上と規定することができ、約30質量部以下、約25質量部以下、又は約20質量部以下と規定することができる。
(メタ)アクリレートポリマーは、上述した部分重合体をさらに重合させて得ることができる。或いは、成形補助ポリマーを使用する場合には、部分重合体の状態を経由せずに、単官能モノマーと、任意に多官能(メタ)アクリレートとを重合させて得ることができる。
(メタ)アクリレートポリマーの重合における光重合開始剤は、上述した光重合開始剤を使用することができる。部分重合体を使用する場合には、部分重合体の製造に用いた光重合開始剤の未反応物であってもよく、部分重合体の製造後に新たに添加されたものであってもよいが、生産性等を考慮すると、後者がより好ましい。
(メタ)アクリレートポリマーの重合において使用する光重合開始剤は、後述する硬化性オキセタン化合物用光開始剤と相違するものが好ましい。特に、係る光重合開始剤は、硬化性オキセタン化合物用光開始剤の光吸収波長(励起波長)よりも、約20nm以上、約30nm以上、又は約40nm以上大きい光吸収波長を有していることが好ましい。このような光重合開始剤を使用することによって、(メタ)アクリレートポリマーの重合と、硬化性オキセタン化合物の重合を二段階で実施することができる。
(メタ)アクリレートポリマーの調製で使用する光重合開始剤の含有量は、(メタ)アクリレートポリマー100質量部に対して約0.01質量部以上又は約0.05質量部以上とすることができ、約1.0質量部以下又は約0.5質量部以下とすることができる。
(メタ)アクリレートポリマーの調製においてカルボン酸(カルボキシル基含有不飽和モノマー)を使用する場合には、カルボン酸は、(メタ)アクリレートモノマー及びカルボン酸の総量100質量%当たり、約3.0質量%以上、約4.0質量%以上、又は約5.0質量%以上含まれていることが好ましく、約20.0質量%以下、約15.0質量%以下、又は約10.0質量%以下含まれていることが好ましい。このような範囲でカルボン酸が含まれていると、硬化性接着剤の接着性、特に、低温環境下での接着性を向上させることができる。
ここで、「(メタ)アクリレートモノマー」とは、(メタ)アクリレートポリマーのモノマー成分のうち、カルボン酸以外の(メタ)アクリレート系のモノマー成分を意図することができる。「低温環境」とは、例えば、冬場の環境を意図することができ、具体的には、例えば、約0℃以下、約−5℃以下、又は約−10℃以下の環境を意図することができる。低温環境における温度の下限値については特に制限はないが、例えば、約−50℃以上、約−45℃以上、又は約−40℃以上と規定することができる。
本開示の接着剤において使用される硬化性オキセタン化合物としては、光(例えば、紫外線、電子線、X線等)の照射により硬化し得るオキセタン化合物であればいかなるものでもよい。
特に限定されないが、分子内に1以上のオキセタン環を有する公知の化合物が挙げられ、例えば、3,3−ビス(ビニルオキシメチル)オキセタン、3−エチル−3−(ヒドロキシメチル)オキセタン、3−エチル−3−(2−エチルヘキシルオキシメチル)オキセタン、3−エチル−3−[(フェノキシ)メチル]オキセタン、3−エチル−3−(ヘキシルオキシメチル)オキセタン、3−エチル−3−(クロロメチル)オキセタン、3,3−ビス(クロロメチル)オキセタン、1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、ビス{[1−エチル(3−オキセタニル)]メチル}エーテル、4,4'−ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシメチル]ビシクロヘキシル、1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシメチル]シクロヘキサン、1,4−ビス{〔(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ〕メチル}ベンゼン、3−エチル−3−{〔(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ〕メチル)}オキセタン、キシリレンビスオキセタン、3−エチル−3−{[3−(トリエトキシシリル)プロポキシ]メチル}オキセタン、オキセタニルシルセスキオキサン、フェノールノボラックオキセタン等が挙げられる。中でも、耐界面破壊性、凝集破壊性等の観点から、3−エチル−3−{〔(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ〕メチル)}オキセタン及びキシリレンビスオキセタンが好ましい。これらのオキセタン化合物は、単独で又は二種以上組み合わせて使用することができる。
硬化性オキセタン化合物の含有量は、要する耐界面破壊性、凝集破壊性等に応じて適宜調整すればよく、次のものに限定されないが、例えば、(メタ)アクリレートポリマー100質量部当たり、約30質量部以上、約35質量部以上、又は約40質量部以上とすることができ、約300質量部以下、約250質量部以下、又は約200質量部以下とすることができる。
本開示の接着剤において使用される硬化性オキセタン化合物用光開始剤としては、光(例えば、紫外線、電子線、X線等)の照射によりカチオン又はルイス酸を発生し、オキセタン化合物の重合を開始させるものであればいかなるものでもよく、特に限定されない。
例えば、スルホニウム塩光開始剤、ヨードニウム塩光開始剤及びジアゾニウム塩光開始剤等が挙げられる。これらは単独で又は二種以上組み合わせて使用することができる。
スルホニウム塩光開始剤の例としては、例えば、トリフェニルスルホニウム ヘキサフルオロホスフェート、トリフェニルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジフェニル−4−(フェニルチオ)フェニルスルホニウム ヘキサフルオロホスフェート、ジフェニル−4−(フェニルチオ)フェニルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、4,4’−ビス〔ジフェニルスルホニオ〕ジフェニルスルフィド ビスヘキサフルオロホスフェート、4,4’−ビス〔ジ(β−ヒドロキシエトキシ)フェニルスルホニオ〕ジフェニルスルフィド ビスヘキサフルオロアンチモネート、4,4’−ビス〔ジ(β−ヒドロキシエトキシ)フェニルスルホニオ〕ジフェニルスルフィド ビスヘキサフルオロホスフェート、7−〔ジ(p−トルイル)スルホニオ〕−2−イソプロピルチオキサントン ヘキサフルオロアンチモネート、7−〔ジ(p−トルイル)スルホニオ〕−2−イソプロピルチオキサントン テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4−フェニルカルボニル−4’−ジフェニルスルホニオ−ジフェニルスルフィド ヘキサフルオロホスフェート、4−(p−tert−ブチルフェニルカルボニル)−4’−ジフェニルスルホニオ−ジフェニルスルフィド ヘキサフルオロアンチモネート、4−(p−tert−ブチルフェニルカルボニル)−4’−ジ(p−トルイル)スルホニオ−ジフェニルスルフィド テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等のトリアリールスルホニウム塩が挙げられる。
ヨードニウム塩光開始剤の例としては、例えば、ジフェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジ(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム ヘキサフルオロホスフェート、ジ(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム ヘキサフルオロアンチモネート、トリルクミルヨードニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、(4−メチルフェニル)[4−(2−メチルプロピル)フェニル]−ヘキサフロオロホスフェート、ジ(4−ノニルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジ(4−アルキルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート等のジアリールヨードニウム塩が挙げられる。
ジアゾニウム塩光開始剤の例としては、例えば、ベンゼンジアゾニウム ヘキサフルオロアンチモネート、ベンゼンジアゾニウム ヘキサフルオロホスフェート等が挙げられる。
これらの光開始剤の中でも、相溶性、硬化性等の観点から、スルホニウム塩光開始剤が好ましく、トリフェニルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネートがより好ましい。
硬化性オキセタン化合物用光開始剤の含有量は、要する硬化性等に応じて適宜調整すればよく、次のものに限定されないが、例えば、硬化性オキセタン化合物100質量部当たり、約1.0質量部以上、約1.5質量部以上、又は約2.0質量部以上とすることができ、約15質量部以下、約10質量部以下、又は約5.0質量部以下とすることができる。
係る光開始剤の含有量は、一般に、硬化性オキセタン化合物の硬化速度に寄与する。したがって、硬化を遅延させたい場合、例えば、光照射した接着テープを被着体に貼り合わせてしばらくたってから硬化を完了させて接合させたい場合には、光開始剤の含有量は、約1.0〜約10質量部の範囲とすることが好ましい。このような範囲で光開始剤を配合させると、光照射してから硬化が完全に完了するまでの時間を、5分〜1日程度の範囲で適宜遅延させることができる。
硬化を早めたい場合、例えば、接着テープをガラス等の透明な被着体に貼り合わせた後に、被着体側から光を照射して瞬間的に硬化接合させたい場合には、光開始剤の含有量は、約1.5〜約15質量部の範囲とすることが好ましい。
硬化性オキセタン化合物の硬化速度は、光の照射量を適宜調整することで制御することもできる。
本開示の接着剤において使用されるポリマーフィラーとしては、硬化後の接着剤に対し、凝集破壊性を付与し得るものであればいかなるものでもよく、中実又は中空であってもよい。係るポリマーフィラーは、単独で又は二種以上組み合わせて使用することができる。
特に限定されないが、硬化後の接着剤のマトリックス樹脂、特に、(メタ)アクリレートポリマーと接着しづらいポリマーフィラーを挙げることができ、例えば、ポリエチレンフィラー等の脂肪族系ポリマーフィラー、アクリロニトリルを構成成分として含むアクリロニトリル系ポリマーフィラーなどを挙げることができる。
ポリマーフィラーの含有量は、接着強度及び凝集破壊性等を考慮して適宜調整すればよく、次のものに限定されないが、例えば、(メタ)アクリレートポリマー100質量部当たり、約0.3質量部以上、約0.4質量部以上、又は約0.5質量部以上とすることができ、約45質量部以下、約40質量部以下、又は約35質量部以下とすることができる。
或いは、ポリマーフィラーは、接着剤中に、約10体積%以上、約15体積%以上、又は約20体積%以上配合することができ、約80体積%以下、約70体積%以下、又は約60体積%以下配合することができる。
ポリマーフィラーの大きさ(平均粒子径)は、接着強度及び凝集破壊性等を考慮して適宜選択すればよく、次のものに限定されないが、約5マイクロメートル以上、約7マイクロメートル以上、又は約9マイクロメートル以上と規定することができる。上限値については特に限定されないが、耐脱落性等の観点から、約200マイクロメートル以下、約180マイクロメートル以下、又は約160マイクロメートル以下と規定することができる。係る大きさのポリマーフィラーは、硬化後の接着剤を凝集破壊させやすい。ポリマーフィラーの大きさ(平均粒子径)は、例えば、レーザー回折・散乱法などによって求めることができる。
本開示の硬化性接着剤は、本発明の効果に影響を及ぼさない範囲で、任意成分として、離型剤、ポリマーフィラー以外の充填剤、導電剤、熱伝導性付与剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、熱安定剤、分散剤、可塑剤、滑剤、界面活性剤、レベリング剤、シランカップリング剤、触媒、顔料、染料などを含むことができる。シランカップリング剤を配合した場合には、耐湿熱性等の性能を向上させることができる。
ここで、接着剤のマトリックス樹脂成分と接着しやすいシリカ等の無機系及びPMMA等の充填剤は、係るマトリックス樹脂成分と架橋点を形成しやすい傾向にあるため、硬化後の接着剤の凝集破壊性を低下させ、その結果、界面破壊を生じさせやすい傾向にある。したがって、このような充填剤は、約10体積%以下、約8体積%以下、又は約5体積%以下の割合で配合してもよいが、配合しないことがより好ましい。
本開示の硬化性接着剤は、特定の成分、特に、硬化性オキセタン化合物及びポリマーフィラーを含んでいることから、係る接着剤の硬化物(単に「硬化物」という場合がある。)は、十分な接着力を提供することができることに加え、界面破壊よりも凝集破壊を呈しやすい性能を提供することができる。
界面破壊は、硬化させた接着剤層と、それを適用した基材又は被着体との界面における剥離を意味する。したがって、界面破壊しやすい接着剤は、基材又は被着体の適用面の状態(例えば、汚れ等)に依存しやすいため、基材又は被着体適用面の管理が必要となり、生産性を低下させるおそれがある。また、界面破壊しやすい接着剤は、応力が集中すると一気にはがれる傾向にあるため、応力のかかる場所及びそのかかり方によって、界面での接着力が左右されるといえる。一方、本開示の接着剤は、界面破壊よりも凝集破壊が優先することから、界面破壊しやすい接着剤に比べ、界面での接着力は十分に保たれているといえ、界面での接着力が、応力のかかる場所及びそのかかり方によって変動する傾向が少ないといえる。
本開示の接着剤の硬化物は、十分な接着力を提供することができる。接着力は、例えば、後述する実施例において記載される引き剥がし強さ試験で評価することができる。係る引き剥がし強さ試験における接着剤の破壊モードに関しては、「凝集破壊」を達成することができる。
引き剥がし強さとしては、例えば、接着面積約4.8cm2あたりで、−30℃では、約0.20kN以上、約0.22kN以上、又は約0.24kN以上と規定することができ;25℃では、約0.30kN以上、約0.32kN以上、又は約0.34kN以上と規定することができ;80℃では、約0.18kN以上、約0.20kN以上、又は約0.22kN以上と規定することができる。引き剥がし強さの上限値については特に制限はないが、例えば、接着面積約4.8cm2あたりで、−30℃では、約10kN以下、約8kN以下、又は約6kN以下と規定することができ;25℃では、約20kN以下、約16kN以下、又は約12kN以下と規定することができ;80℃では、約10kN以下、約8kN以下、又は約6kN以下と規定することができる。
ここで、仮に、引き剥がし強さが同一の値であったとしても、接着剤の破壊モードが、「凝集破壊」である方が、「界面破壊」であるものに比べて界面での接着力に優れているといえる。
本開示の硬化性接着剤は、種々の用途に使用することができる。特に光硬化性の接着剤は、接着工程において加熱が必須ではないため作業性に優れ、また、異種材料接着の場合にも、熱膨張係数の差による収縮での歪みを抑制できる等の利点を有している。本開示の硬化性接着剤は、次のものに限定されないが、例えば、硬化性接着剤層及び剥離ライナーを備える接着テープ;硬化性接着剤層、基材、及び任意に剥離ライナーを備える積層体;硬化性接着剤又は先の接着テープと、紫外線照射ライトとを備えるキットなどの用途に使用することができる。より具体的には、例えば、車両、船舶、航空機等の各種乗物分野、各種製造装置の分野、ロボット分野、建築分野、医療分野等に使用することができる。本開示の硬化性接着剤は、約−30℃という低温領域においても十分な性能を呈することができるため、低温環境下で使用されるような用途に用いることもできる。
剥離ライナーは、硬化性接着剤層の少なくとも片面に適用することができる。剥離ライナーとしては、例えば、紙;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、酢酸セルロースなどのプラスチック材料;このようなプラスチック材料で被覆された紙などを挙げることができる。これらの剥離ライナーは、シリコーンなどにより剥離処理した表面を有してもよい。剥離ライナーの厚さは、例えば、約5マイクロメートル以上、約15マイクロメートル以上又は約25マイクロメートル以上とすることができ、約500マイクロメートル以下、約300マイクロメートル以下又は約200マイクロメートル以下とすることができる。
基材とは、剥離ライナーとは異なり剥がすことを意図しない部材であって、以下に示す被着体に対し、接着剤層を介して貼り合わされる部材である。係る基材の材料としては、特に制限はなく、次のものに限定されないが、例えば、ミラーボタンに使用されるようなアルミニウム等の金属又は金属合金;PET等の樹脂材料;ゴム材料;ガラス、セラミックス、コンクリート等の無機材料;木質材料などを挙げることができる。
基材の形状も特に制限はなく、例えば、フィルム又は板のような平坦形状;曲面形状;各種三次元形状などであってもよい。
硬化性接着剤層及び基材を備える積層体を適用する被着体については特に制限はない。係る被着体の材料としては、次のものに限定されないが、例えば、アルミニウム等の金属又は金属合金;PET等の樹脂材料;ゴム材料;ガラス、セラミックス、コンクリート等の無機材料;木質材料などを挙げることができる。
被着体の形状も特に制限はなく、例えば、フィルム又は板のような平坦形状;曲面形状;各種三次元形状などであってもよい。
硬化性接着剤層の厚さは、要する接着力及び凝集破壊性等を考慮して適宜選択すればよく、次のものに限定されないが、例えば、約40マイクロメートル以上、約70マイクロメートル以上、又は約100マイクロメートル以上とすることができ、約4mm以下、約3mm以下、又は約2mm以下とすることができる。
本開示の硬化性接着剤の製造方法は、特に限定されるものではない。一例として、以下に、本開示の硬化性接着剤を使用した接着テープの製造方法について記載する。
例えば、(メタ)アクリレートモノマー、及びこのモノマー用の光開始剤を混合した材料に光照射して部分的に予備重合させた(プレポリマー化した)溶液を調製し、或いは、(メタ)アクリレートモノマー、このモノマー用の光開始剤、及び上述した成形補助ポリマーを混合して混合物を調製する。これらのいずれかと、硬化性オキセタン化合物と、硬化性オキセタン化合物用光開始剤と、ポリマーフィラーと、任意にカルボン酸とを混合してスラリーを調製する。
得られたスラリーを、剥離ライナー上にコーティング法等の公知の方法を用いて適用し、必要に応じて、スラリー層上に剥離ライナーを更に適用する。次いで、(メタ)アクリレートモノマー用の光開始剤のみに反応する特定波長の光(紫外線等)をスラリー層に対して照射し、(メタ)アクリレートモノマー及び任意のカルボン酸を重合させ、本開示の硬化性接着剤を備える接着テープを得ることができる。
本開示の接着テープの使用方法は、特に限定されるものではない。一例として、以下に、遅延硬化型の接着テープの使用方法について記載する。
例えば、接着テープの両面に剥離ライナーが適用されている場合、片方の剥離ライナーを除去し、露出した硬化性接着剤層を上述した基材(例えばミラーボタン)に適用して積層体(例えば積層ミラーボタン)を調製する。ここで、剥離ライナーが除去しづらい場合には、接着テープを冷却してもよい。
次いで、係る積層体の剥離ライナー上から、或いは、剥離ライナーを除去して露出させた硬化性接着剤層に対し、硬化性オキセタン化合物用光開始剤が反応する光(紫外線等)を照射して硬化性オキセタン化合物の重合反応を開始させる。次いで、係る重合反応が完了する前に硬化性接着剤層を上述した被着体(例えばガラス)に貼り合わせる。
本開示の硬化性接着剤は遅延硬化させることができるため、基材及び被着体が不透明な材料であったとしても、光照射後に基材及び被着体に対して十分な接着力を提供することができる。
以下の実施例において、本開示の具体的な実施態様を例示するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本実施例で使用した商品などを以下の表1に示す。
表1に示す材料を表2に示す配合割合で適宜混合した後、紫外線を照射し、増粘化させて(メタ)アクリレート部分重合体(M1、M2)を調製した。ここで、表2中の値は、全て質量部を意味する。
表1に示す材料及び表2に示す(メタ)アクリレート部分重合体(M1、M2)を、表3〜5に示す配合割合で適宜混合してスラリーを調製した。約0.5〜約0.6mmのギャップ間隔を有するハンドコーターを使用して、シリコーンで剥離処理された第1の剥離PETライナー上に、各スラリーをコーティングしながら、係るコーティング層上に第2の剥離PETライナーをさらに適用し、積層体Aを調製した。次いで、積層体Aに対し、ピーク発光波長405nmのLEDライトを用いて紫外線を照射強度3mW/cm2で10分間照射し、(メタ)アクリレートポリマーのみを重合させて接着テープを調製した。ここで、表3〜6中のフィラー成分における数値は質量部及び体積分率(体積%)を意味し、それ以外の各成分における数値は、全て質量部を意味する。表中の(メタ)アクリレート成分では、(メタ)アクリレートポリマーを構成する成分の総量が100質量部となるように示されている。また、例えば、実施例1におけるM1及び1.6HXA、実施例9におけるIBXA、BA、MAA及び1.6HXAが、(メタ)アクリレートポリマーを構成する成分であり、実施例9におけるB76は、(メタ)アクリレートポリマーを構成するモノマーではない。
<評価試験>
硬化性接着剤層を備える接着テープの接着力及び破壊モードを、以下の方法を用いて評価した。その結果を表3〜6に示す。
硬化性接着剤層を備える接着テープの接着力及び破壊モードを、以下の方法を用いて評価した。その結果を表3〜6に示す。
(試験片の調製方法)
約25mm×約30mmの接着面を有するアルミニウム製のミラーボタン及び約100mm×約100mm×約5mmの強化ガラスを用意し、ミラーボタン及び強化ガラスの接着面をイソプロピルアルコールで洗浄した。接着テープを約25mm×約30mmの大きさにカットし、第1の剥離PETライナーを、必要に応じて冷却しながら除去し、接着テープの硬化性接着剤層をミラーボタンの接着面に押圧して適用した。第2の剥離PETライナーを、必要に応じて冷却しながら除去し、露出した硬化性接着剤層に、ピーク発光波長365nmのLEDライト(UVX365;マイクロ・スクェア株式会社)でUV−A放射線を約5.5秒照射した。ここで、このUV−A照射量は、Power Puck II放射計(EIT社製)で測定した結果、約7.5J/cm2であった。露光した硬化性接着剤層を強化ガラスに押圧して適用した後、室温で24時間以上放置して硬化を完了させ、試験片を調製した。
約25mm×約30mmの接着面を有するアルミニウム製のミラーボタン及び約100mm×約100mm×約5mmの強化ガラスを用意し、ミラーボタン及び強化ガラスの接着面をイソプロピルアルコールで洗浄した。接着テープを約25mm×約30mmの大きさにカットし、第1の剥離PETライナーを、必要に応じて冷却しながら除去し、接着テープの硬化性接着剤層をミラーボタンの接着面に押圧して適用した。第2の剥離PETライナーを、必要に応じて冷却しながら除去し、露出した硬化性接着剤層に、ピーク発光波長365nmのLEDライト(UVX365;マイクロ・スクェア株式会社)でUV−A放射線を約5.5秒照射した。ここで、このUV−A照射量は、Power Puck II放射計(EIT社製)で測定した結果、約7.5J/cm2であった。露光した硬化性接着剤層を強化ガラスに押圧して適用した後、室温で24時間以上放置して硬化を完了させ、試験片を調製した。
(接着力:引き剥がし強さ)
図1に示す冶具100を使用し、ミラーボタン103の長軸方向の先端部分の片方からミラーボタンを引き剥がすような力(図1(a)の上向き矢印)を、50mm/分の速度でミラーボタン103に適用して引き剥がし強さを測定した。その結果を表3〜6に示す。試験は、約−30℃、約25℃及び約80℃の雰囲気下で各々測定した。ここで、表中の「CF」とは、接着層が凝集破壊したことを意味し、「AF(AL)」とは、接着層がアルミニウム製のミラーボタンから界面破壊したことを意味し、「AF(GL)」とは、接着層が強化ガラス101から界面破壊したことを意味している。
図1に示す冶具100を使用し、ミラーボタン103の長軸方向の先端部分の片方からミラーボタンを引き剥がすような力(図1(a)の上向き矢印)を、50mm/分の速度でミラーボタン103に適用して引き剥がし強さを測定した。その結果を表3〜6に示す。試験は、約−30℃、約25℃及び約80℃の雰囲気下で各々測定した。ここで、表中の「CF」とは、接着層が凝集破壊したことを意味し、「AF(AL)」とは、接着層がアルミニウム製のミラーボタンから界面破壊したことを意味し、「AF(GL)」とは、接着層が強化ガラス101から界面破壊したことを意味している。
本発明の基本的な原理から逸脱することなく、上記の実施態様及び実施例が様々に変更可能であることは当業者に明らかである。また、本発明の様々な改良及び変更が本発明の趣旨及び範囲から逸脱せずに実施できることは当業者には明らかである。
100 冶具
101 強化ガラス
103 ミラーボタン
101 強化ガラス
103 ミラーボタン
Claims (10)
- (メタ)アクリレートポリマー、
硬化性オキセタン化合物、
ポリマーフィラー、及び
硬化性オキセタン化合物用光開始剤を含む、硬化性接着剤。 - 前記硬化性オキセタン化合物が、前記(メタ)アクリレートポリマー100質量部当たり、30〜300質量部含まれている、請求項1に記載の接着剤。
- 前記ポリマーフィラーが、10〜80体積%含まれている、請求項1又は2に記載の接着剤。
- 前記(メタ)アクリレートポリマーが、(メタ)アクリレートモノマー及びカルボン酸を含む材料から得られる重合体である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の接着剤。
- 前記カルボン酸は、(メタ)アクリレートモノマー及びカルボン酸の総量100質量%当たり、3〜20質量%含まれている、請求項4に記載の接着剤。
- 前記(メタ)アクリレートモノマーは、ホモポリマーのガラス転移温度が0℃以下となるアルキル(メタ)アクリレートモノマーと、ホモポリマーのガラス転移温度が50℃以上となるアルキル(メタ)アクリレートモノマーとを含む、請求項4又は5に記載の接着剤。
- 成形補助ポリマーを更に含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の接着剤。
- 請求項1〜7のいずれか一項に記載の接着剤を含む層、及び剥離ライナーを備える、接着テープ。
- 基材、及び請求項1〜7のいずれか一項に記載の接着剤を含む層を備える、積層体。
- ミラーボタン、及び請求項1〜7のいずれか一項に記載の接着剤を含む層を備える、積層ミラーボタン。
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