JP2003336025A - アクリル系のホットメルト型粘着剤樹脂組成物及びそれを用いる粘着シート - Google Patents

アクリル系のホットメルト型粘着剤樹脂組成物及びそれを用いる粘着シート

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JP2003336025A
JP2003336025A JP2002148157A JP2002148157A JP2003336025A JP 2003336025 A JP2003336025 A JP 2003336025A JP 2002148157 A JP2002148157 A JP 2002148157A JP 2002148157 A JP2002148157 A JP 2002148157A JP 2003336025 A JP2003336025 A JP 2003336025A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来から課題とされていた粘着性能の操作性
を向上させ、塗膜の形成性及び塗膜の外観性を損なわ
ず、しかも低廉なUV硬化性のアクリルホットメルト型
粘着剤組成物及びそのホットメルト型粘着テープを提供
することである。 【解決手段】 主構成成分の粘着性ポリマー質(A)
と、UVカチオン開始剤(B)と、シリコーン化合物
(C)とを含有し、粘着性ポリマー質(A)がヒドロキ
シル基を含有するMw5〜60万のアクリルベースポリ
マー(a)と、エポキシ基を含有するMw0.5〜3万
の(メタ)アクリル系低分子量体のUVカチオン重合性
化合物(b)と粘着付与樹脂(c)とを含有するシリコ
ーン化合物(C)が、粘着性ポリマー質(A)のUV照
射下に硬化促進剤及び/又は相溶化促進剤として作用す
るアクリル系ホットメルト型粘着剤組成物である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、UV硬化性のアク
リルホットメルト型粘着剤樹脂組成物に関し、より詳細
には、特定の相溶化成分を介在させることで、従来から
課題にされていた粘着性能及びその操作性を向上させ、
塗工粘着層の塗膜形成性及び塗膜外観の低下を防止さ
せ、しかも、従来に比べて低廉なUV硬化性のアクリル
ホットメルト型粘着剤樹脂組成物及びそれを用いるUV
硬化のホットメルト型粘着シートに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、アクリル系重合体が溶剤型、
熱硬化性の無溶剤型或いは懸濁型(エマルジョン)から
なる接着剤、粘着剤、コート剤、被膜形成剤及び透明シ
ート材として広範にさまざまな分野に利用されている。
このような広範に各種の用途に用いられている中で、粘
着剤(又は接着剤)は、製本、包袋、繊維加工、木工製
品、自動車、エレクトロニクス等の分野において、従来
からホットメルト型の粘着剤が使用され、紙、繊維、木
材、ガラス、セラミックス、プラスチックス、金属及び
これらを組合わせた部材の接着又は接合に使用されてい
る。その接合に際しては、通常、100〜200℃程度
の加工温度で粘着剤を加熱溶融させ、被着体に塗布(塗
工)させ、貼り合わせ、冷却・固化させて被着体同士を
接合させる。また、その接合形態も、用途によっては完
全に接着させる接合であったり、再剥離のできる接合で
あったり接合形態も多岐に及んで使用されている。
【0003】また、近年に至っては、そのホットメルト
型粘着剤のUV硬化型が多く提案されている。例えば、
特開昭56−14574号公報には、アクリル酸エステ
ルと、エポキシ基を有するアクリルグリシジルエーテ
ル、ビニルシクロヘキセンジオキサイド、グリシジル
(メタ)アクリレート等のビニル性不飽和化合物のMw
20,000〜30,000程度のエポキシ基を有する
アクリル系共重合体に、紫外線、電子線等の活性光によ
りルイス酸を放出する触媒である2,4−ジクロロベンゼ
ンジアゾニウムテトラクロロフェレート、パラニトロベ
ンゼン−ジクロロベンゼンジアゾニウムテトラクロロフ
ェレート等(UVカチオン開始剤に相当する)を含有さ
せてなるUV硬化性のホットメルト型粘着剤組成物又は
その組成物を用いた粘着テープが記載されている。
【0004】また、特開平8−60127号公報には、
(メタ)アクリル酸アルキルエステルとシクロヘキサン
エポキシド基を有するビニルモノマーとのMw1〜30
万のアクリル共重合体を主成分に、ビニルモノマーのエ
ポキシド基とカチオン重合性であるOH基を有するエチ
レングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレ
ングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリオー
ルを含有し、UVカチオン開始剤が介在するUV硬化性
ホットメルト型アクリル系の粘着性組成物が記載されて
いる。
【0005】更には、特開平11−158451号公報
には、(メタ)アクリル酸アルキルエステルとビニルモ
ノマーとのアクリル共重合体と、分子量が53〜約10
万であるモノマー、オリゴマー、ポリマーのUVカチオ
ン重合性化合物としてのエポキシ基を有する脂肪族、脂
環式及び芳香族の何れかのエポキシド化合物を含有する
UV硬化性ホットメルト型アクリル系の接着性組成物が
記載されている。また、この公報の提案においては、必
要に応じて、アルキレングリコール、ポリヒドロキシア
ルカン、ポリオキシアルキレンポリオール等のヒドロキ
シル基を有する化合物や、粘着付与樹脂として周知であ
るホットメルト型樹脂や、密着性向上のためにシランカ
ップリング剤を添加させることができると記載されてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以上のような状況にあ
って、上述した公報に記載されている如く、従来からU
V硬化性ホットメルト型のアクリル系粘着剤樹脂組成物
が多く提案されている。これらの公報にも記載されてい
る如く、UVカチオン硬化系の特色として速硬性を発揮
させるものの、このような硬化性の高い系においては、
従来からこれらの粘着樹脂組成物の成分構成において
は、例えば、加熱下に溶融するベースポリマーとUVカ
チオン重合性化合物及び/又はUVカチオン開始剤との
相溶性が悪かったり、その結果、硬化させた粘着剤層で
ある塗膜の形成性に支障を来せたり又は塗膜の外観にク
スミや発泡等を発生させたりして、実使用上から粘着剤
としての使用を困難にさせる傾向にあった。
【0007】また、上述されている公報にも提案されて
いる如く、粘着剤を構成させる成分として、従来から粘
着特性に係わってエポキシ基含有の成分の作用効果がよ
く知られている。その粘着剤成分としての重合体又は粘
着硬化体において、特にシクロヘキサンモノエポキシド
基を有する成分においては、従来から粘着性能の操作性
を著しく低下させて、実使用における粘着加工作業のハ
ンドリング性を著しく低下させる傾向にあった。
【0008】そこで、本発明の目的は、数種の配合成分
からなる粘着剤樹脂組成物において、これらの成分の相
溶化を向上させる目的で特定の相溶化成分を介在させる
ことで、従来から課題にされていた粘着性能及びその操
作性を向上させ、塗工粘着層である塗膜の形成性及び塗
膜の外観等の低下が防止され、しかも、従来に比べて低
廉な粘着剤であることを特徴とするUV硬化性のアクリ
ル系ホットメルト型の粘着剤樹脂組成物を提供すること
である。
【0009】
【課題を解決するための手段】以上から本発明者は、上
述した課題を解消させるために鋭意検討した結果、例え
ば、ホットメルト型の粘着剤を用いて粘着シートを作製
するに際して、加温下に塗工及びUV照射硬化時の操作
性に着目して粘着剤樹脂組成物を調製させたところ、従
来から課題とされていた粘着剤塗膜の外観及び塗膜形成
性に優れた粘着剤を見出すことができて、本発明を完成
させるに至った。
【0010】すなわち、本発明によるUV照射又は電子
線照射下に重合硬化させてなるアクリル系のホットメル
ト型粘着剤組成物は、その主成分である粘着性ポリマー
質(A)と、UVカチオン開始剤(B)と、シリコーン
化合物(C)とを含有している。しかも、本発明によれ
ば、主成分としてホットメルト型粘着剤樹脂組成物に含
有する粘着性ポリマー質(A)として、ヒドロキシル基
を導入されたMw50,000〜600,000の範囲
にあるアクリル系ベースポリマー(a)と、エポキシ基
を導入されたMw5、000〜30,000の範囲にあ
る(メタ)アクリル系低分子量体からなるUVカチオン
重合性化合物(b)と、粘着付与樹脂(c)とを構成成
分として含有されていることを特徴とするUV硬化性の
アクリル系ホットメルト型粘着剤樹脂組成物を提供す
る。
【0011】また、本発明によれば、このような粘着剤
組成物を加熱溶融下に塗工させて、UV照射等下に硬化
させてなる粘着剤層が形成されていることを特徴とする
UV硬化性のアクリル系ホットメルト型粘着シートを提
供する。
【0012】(作用)以上から、加熱溶融下に塗工され
て、UV照射等下に硬化する粘着性塗膜を形成する本発
明のアクリル系ホットメルト型粘着剤樹脂組成物中に
は、主成分として粘着性ポリマー質(A)が含有されて
いる。この粘着剤組成物中に含有する粘着性ポリマー質
(A)は[ヒドロキシル基が導入されたアクリル系ベー
スポリマー(a)−エポキシ基が導入された(メタ)ア
クリル系低分子量体からなるUVカチオン重合性化合物
(b)−粘着付与樹脂(c)]とを主成分として配合構
成されている。このように配合構成されている内の本発
明で用いている粘着付与樹脂(c)は、格別に特定する
粘着付与樹脂ではなく、従来から周知である粘着付与樹
脂が配合されている。しかしながら、その及ぼす作用
は、後述する実施例に示す事実からも明らかなように単
に粘着力を付与向上させるに止まらず、粘着性能を維持
させて、しかも、粘着剤として実使用可能な塗膜の形成
性及び塗膜の外観性を付与させている。これらの作用
は、粘着性ポリマー質(A)の他の配合成分である[特
定のアクリル系ベースポリマー(a)−特定のUVカチ
オン重合性化合物(b)]との相互作用として発揮され
ているものと理解される。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に、本発明によるUV照射下
又は電子線照射下に重合硬化させてなるアクリル系ホッ
トメルト型の粘着剤樹脂組成物及びその組成物を用いて
なる粘着シートの実施の形態について説明する。
【0014】既に上述した如く、本発明によるアクリル
系のホットメルト型粘着剤樹脂組成物中の主成分である
粘着性ポリマー質(A)は、ヒドロキシル基を導入され
たMw50,000〜600,000の範囲にある特定
のアクリル系ベースポリマー(a)と、エポキシ基を導
入されたMw5、000〜30,000の(メタ)アク
リル系低分子量体からなる特定のUVカチオン重合性化
合物(b)と、従来から周知である粘着付与樹脂(c)
とを含有しさせて構成されている。この粘着付与樹脂
(c)が、単に粘着力を付与向上させる成分として作用
を発揮されるに止まらず、粘着剤として実使用可能な塗
膜の形成性を発揮させ、しかも、塗膜の外観性を付与さ
せる成分として作用する特定成分であることが本発明に
おける第1の特徴である。その作用は粘着性ポリマー質
(A)の構成成分として粘着付与樹脂(c)の有無に係
わって、後述する実施例1〜15の事実として表3に示
す粘着力及び比較参照例として粘着付与樹脂(c)を削
除させた配合に係わる比較例1〜18の事実として表4
に示す塗膜形成性及びその外観特性を比較参照すること
からよく理解される。
【0015】また、本発明において、粘着剤樹脂組成物
の主成分として含有されている粘着性ポリマー質(A)
の上述する如く発揮される作用効果に対しては、UVカ
チオン開始剤(B)の介在下に添加されているシリコー
ン化合物(C)が、加熱溶融下において粘着性ポリマー
質(A)を構成する[ヒドロキシル基が導入されたアク
リル系ベースポリマー(a)と、エポキシ基が導入され
た(メタ)アクリル系低分子量体からなるUVカチオン
重合性化合物(b)と、粘着付与樹脂(c)と]の各成
分間の相溶性を促進させる相溶性促進剤として含有され
ている。しかも、この溶融下に相溶化された粘着剤樹脂
組成物層にUV又は電子線の照射させて効果的に硬化さ
せる硬化促進剤としても含有されていることが本発明に
おける第2の特徴である。その作用は、粘着性ポリマー
質(A)の構成成分に対するシリコーン化合物(C)の
係わりとして、後述する実施例1〜15の事実として表
3に示す粘着特性(粘着力、保持力、熱安定性)に比較
参照例として粘着付与樹脂(c)を削除した比較例1〜
14の事実及びUVカチオン重合性化合物(b)を削除
した比較例14〜18として表5に示す粘着特性及び塗
膜形成性又はその外観特性を比較参照することからよく
理解される。
【0016】そこで、本発明において、ヒドロキシル基
を導入されたMw50,000〜600,000の範囲
にある特定するアクリル系ベースポリマー(a)として
は、例えば、ヒドロキシ基含有重合性化合物類と他のア
クリル系不飽和重合性モノマーの少なくとも1種以上と
の共重合物又は必要に応じてヒドロキシ基含有重合性化
合物類の単独重合物として適宜使用することができる。
本発明において、このヒドロキシ基含有重合性化合物類
として、例えば、アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、
メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル、アクリル酸−2
−ヒドロキシプロピル、アクリル酸又はメタクリル酸と
ポリプロピレングリコール又はポリエチレングリコール
とのモノエステル、ラクトン類と(メタ)アクリル酸−
2−ヒドロキシエチルとの付加物等が挙げられる。ま
た、この特定するアクリル系ベースポリマー(a)は、
好ましくはMw50,000〜600,000の範囲に
あり、更に好ましくはMw60,000〜500,00
0の範囲にあるヒドロキシル基が導入されたアクリル系
ベースポリマー(a)である。
【0017】そこで、本発明において、他のアクリル系
不飽和重合性モノマーとして、例えば、アクリル酸アル
キルエステル類、アクリル酸アニールエステル類、アク
リル酸アルコキシアルキル類、アクリル酸又はメタアク
リル酸及びそのアルカリ金属塩、メタアクリル酸アルキ
ルエステル類、メタアクリル酸アリールエステル類、メ
タクリル酸アルコキシアルキル類、(ポリ)アルキレン
グリコールのジアクリル酸エステル類、(ポリ)アルキ
レングリコールのジメタアクリル酸エステル類、多価ア
クリル酸エステル類、スチレン系単量体、ハロゲン化ビ
ニル化合物、脂環式アルコールのメタクリル酸エステル
類、オキサゾリン基含有重合性化合物、アジリジン基含
有重合性化合物、不飽和カルボン酸又はその部分エステ
ル化合物及びその無水物、反応性ハロゲン含有ビニル単
量体、アミド基含有ビニル単量体、有機ケイ素基含有ビ
ニル化合物単量体等が挙げられる。
【0018】また、本発明においては、これらのモノマ
ーの種類から特に限定することなく適宜好適に選択使用
することができるが、本発明においては、原料として比
較的に低廉で、透明性に優れ、しかも、モノマー種が多
く、強度等の特性を所望する値にコントロールし易い等
の観点から、好ましくは、アクリル酸アルキルエステル
類や、メタクリル酸アルキルエステル類の単独又はこれ
らの(メタ)アクリル酸アルキルエステル類を主成分に
して、他のモノマー類の少なくとも1種を適宜好適に組
合わせて使用することができる。また、(メタ)アクリ
ル酸アルキルエステル類に他のモノマー類を組合わせて
使用する場合、その配合割合は、用途、発現させる特性
にもよるが、(メタ)アクリル酸アルキルエステル類の
100重量部に対して、他のモノマー類の少なくとも1
種を0.1〜99重量部の範囲で適宜添加することがで
きる。
【0019】そこで、これらのモノマー類の具体例とし
て、アクリル酸アルキルエステル類としては、アクリル
酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、ア
クリル酸ブチル、アクリル酸ペンチル、アクリル酸ヘキ
シル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸オ
クチル、アクリル酸ノニル、アクリル酸デシル、アクリ
ル酸ドデシル等が挙げられる。アクリル酸アリールエス
テル類としては、アクリル酸フェニル、アクリル酸ベン
ジル等が挙げられる。アクリル酸アルコキシエステル類
としては、アクリル酸メトキシエチル、アクリル酸エト
キシエチル、アクリル酸プロポキシエチル、アクリル酸
ブトキシエチル、アクリル酸エトキシプロピル等が挙げ
られる。メタクリル酸アルキルエステル類としては、メ
タクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸
プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ペンチ
ル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸−2−エチル
ヘキシル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ノニ
ル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸ドデシル等が挙
げられる。メタクリル酸アリールエステル類としては、
メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル等が挙げ
られる。メタクリル酸アルコキシアルキル類としては、
メタクリル酸メトキシエチル、メタクリル酸エトキシエ
チル、メタクリル酸プロポキシエチル、メタクリル酸ブ
トキシエチル、メタクリル酸エトキシプロピル等が挙げ
られる。多価アクリル酸エステル類としては、トリメチ
ロールプロパントリメタクリル酸エステル等が挙げられ
る。多価メタクリル酸エステルとしては、トリメチロー
ルプロパントリメタクリル酸エステル等が挙げられる。
ニトリル系としては、アクリルニトリル、メタクリロニ
トリル等が挙げられる。ビニル化合物としては、酢酸ビ
ニル、プロピオン酸ビニル、n−酪酸ビニル、イソ酪酸
ビニル、ピバリン酸ビニル、カプロン酸ビニル、パーサ
ティック酸ビニル、ラウリル酸ビニル、ステアリン酸ビ
ニル、安息香酸ビニル、p−t−ブチル安息香酸ビニ
ル、サリチル酸ビニル、塩化ビニリデン、クロロヘキサ
ンカルボン酸ビニル、アクリル酸−2−クロロエチル、
メタクリル酸−2−クロロエチル等が挙げられる。アク
リル酸シクロヘキシル等の脂環式アルコールのアクリル
酸エステルや、メタクリル酸シクロエキシル等の脂環式
アルコールのメタクリル酸エステル等が挙げられる。オ
キサゾリン基含有重合性化合物類としては、2−ビニル
−2−オキサゾリン、2−ビニル−5−メチル−2−オ
キサゾリン、2−ビニル−2−オキサゾリン、2−ビニ
ル−5−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロピニ
ル−2−オキサゾリン等が挙げられる。アジリジン基含
有重合性化合物類としては、アクリロイルアジリジン、
メタクリロイルアジリジン、アクリル酸−2−アジリジ
ニルエチル、メタアクリル酸−2−アジリジニルエチル
等が挙げられる。フッ素ビニル単量体類としては、フッ
素置換メタクリル酸アルキルエステル、フッ素置換アク
リル酸アルキルエステル等が挙げられる。不飽和カルボ
ン酸類としては、アクリル酸、メタアクリル酸、テトラ
ヒドロフタル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン
酸、イソクロトン酸、ノルボルネンジカルボン酸、ビシ
クロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−5,6−ジカル
ボン酸等が挙げられ、また、これらの誘導体として、無
水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、ビ
シクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−5,6−ジカ
ルボン酸無水物、メタクリル酸アミノエチルおよびメタ
クリル酸アミノプロピル等が挙げられる。アミド基含有
ビニル単量体類としては、メタクリルアミド、N−メチ
ロールメタクリルアミド、N−メトキシエチルメタクリ
ルアミド、N−ブトキシメチルメタクリルアミド等が挙
げられる。アミノ基含有エチレン性不飽和化合物類とし
ては、(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アク
リル酸プロピルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルア
ミノエチル、(メタ)アクリル酸アミノプロピル、メタ
クリル酸フェニルアミノエチル、メタクリル酸シクロヘ
キシルアミノエチルなどのアクリル酸またはメタクリル
酸のアルキルエステル系誘導体類、N−ビニルジエチル
アミン、N−アセチルビニルアミンなどのビニルアミン
系誘導体類、アリルアミン、メタクリルアミン、N−メ
チルアクリルアミン、N,N−ジメチルアクリルアミ
ド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミドな
どのアリルアミン系誘導体、アクリルアミド、N−メチ
ルアクリルアミドなどのアクリルアミド系誘導体、p−
アミノスチレンなどのアミノスチレン類、6−アミノヘ
キシルコハク酸イミド、2−アミノエチルコハク酸イミ
ド等が挙げられる。
【0020】また、これらのモノマー(A)類は、反応
条件にもよるが、気体、液体又は固体であっても特に限
定されないが、その取り扱い性等から、好ましくは、常
温で液体であることが好適であり、また、これらの単独
又は何れか複数を組合わせて適宜使用することができる
が、既に上述した如く、本発明においては、アクリル酸
アルキルエステル類又はこれらを主成分に、上述した他
の重合性不飽和結合を有するモノマー類の単独又は複数
を組み合わせて、適宜好適に使用することができる。本
発明では、これらの中でも、好ましくは、例えば、ラジ
カル重合の容易さの観点からメタクリル酸アルキルエス
テル類のMMA、EMA、n−BMA、アクリル酸アル
キルエステル類のBA、2−EHA等を単独又はその複
数を組合わせて使用することができる。
【0021】そこで、ヒドロキシ基含有重合性化合物類
の単独重合物又は他のアクリル系不飽和重合性モノマー
との共重合物を適宜使用して得られる本発明で使用する
特定するアクリル系ベースポリマー(a)としては、ア
クリル系ベースポリマー(a)中に、好ましくは、ヒド
ロキシル基がJIS K0070法に準拠させて得られ
る水酸基価で表して12〜36mgKOH/gの範囲
で、更に好ましくは、水酸基価が13〜34mgKOH
/gの範囲にあれば適宜好適に本発明で特定するアクリ
ル系ベースポリマー(a)として使用することができ
る。この水酸基価が下限値の12mgKOH/g未満で
は、粘着剤性能上の凝集力が不足し、一方、上限の36
mgKOH/gを超える量では、その含有量の増加の割
に格別の効果が発現されない。また、ヒドロキシル基を
導入されたアクリル系ベースポリマー(a)の分子量
は、好ましくは、Mwとして50,000〜600,0
00の範囲で、更に好ましくは、Mw60,000〜5
00,000の範囲にあることが好適である。この分子
量Mwが下限値の50,000未満では、粘着剤性能上
の凝集力が不足であり、一方、上限のMw600,00
0を超えると所定の加熱温度下におけるホット溶融化の
溶融粘度が高くなり、塗工性を著しく損なわれて好まし
くない。
【0022】また、エポキシ基含有重合性化合物類とし
ては、アリルグリシジルエステル、(メタ)アクリル酸
グリシジルエステル、(メタ)アクリル酸−2−エチル
グリシジルエステル、2−メチルアリルグリシジルエー
テル、スチレン−p−グリシジルエステル、グリシジル
(メタ)アクリル酸グリシジル、p−スチレンカルボン
酸のアルキルグリシジルエステル、3,4−エポキシ−
1−ブテン、3,4−エポキシ−3−メチル−1−ブテ
ン、3,4−エポキシ−1−ペンテン、3,4−エポキ
シ−3−メチル−1−ペンテン、5,6−エポキシ−1
−ヘキセン等を挙げることができる。
【0023】特に、本発明においては、UVカチオン硬
化系の特徴である速硬化性の観点から、従来から周知で
ある、ホットメルト型粘着剤に有効使されているエポキ
シ基を有するモノマーが、好ましくは、シクロヘキサン
モノエポキシ基を有するビニルモノマーであることが好
適である。このようなモノマーとして、例えば、3,4
−エポキシシクロヘキシルエチレン、3,4−エポキシ
シクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、ビニルシ
クロヘキセンモノオキシド、ビニルシクロヘキセンジオ
キサイド等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用
いることができる。このエポキシ基が、UVカチオン重
合性化合物(b)100g中に、好ましくは、2〜8g
の範囲で、更に好ましくは、4〜8gの範囲であること
が適宜好適である。このエポキシ基量が、下限値の2g
未満では、粘着性能上の凝集力が不足する傾向にあり、
一方、上限値の8gを超えるとその含有量の増加割合の
程に効果がなく、単にコスト的に不利になるだけで好ま
しくない。また、本発明において、上述するエポキシ基
量をエポキシ価度で示すと、UVカチオン重合性化合物
(b)中に、JIS K7236法に準拠させて得られ
るエポキシ価度で表して0.011〜0.044eq/
100gの範囲で含有させている。
【0024】また、本発明において、このアクリル系ベ
ースポリマー(a)の100重量部当たり、UVカチオ
ン重合性化合物(b)が5〜35重量部の範囲で適宜好
適に用いられる。このUVカチオン重合性化合物(b)
が下限値の5重量部未満では、粘着性能上の凝集力が不
足する傾向にあり好ましくなく、一方、上限値の35重
量部を超えると凝集力が不足し、また、ホットメルト型
粘着剤の加熱溶融時に粘度上昇の傾向から好ましくな
く、また、本発明において、粘着付与樹脂(c)が5〜
60重量部であって、粘着付与樹脂(c)が下限値の5
重量部未満では、粘着性能上の粘着力の不足及び塗膜形
成性を悪化(又は低下)させる傾向から好ましくなく、
一方、上限値の60重量部を超えると凝集力不足、ホッ
トメルト型粘着剤の過熱時に粘度上昇の傾向にあること
から好ましくない。更には、このシリコーン化合物
(C)が0.05〜0.3重量部の範囲にあって、シリ
コーン化合物(C)が下限値の0.05重量部未満で
は、UV照射時に硬化不足の傾向から好ましくなく、一
方、上限値の0.3重量部を超えるとUV照射時に硬化
不足の傾向から好ましくない。
【0025】そこで、このようなシリコーン化合物
(C)(又はシラン化合物)としては、例えば、アルコ
キシシラン、アシロキシシラン、シランカップリング
剤、シリル化剤等のシラン化合物を挙げることができ
る。例えば、アルコキシシランとしては、Si(OMe)
4 ,MeSi(OMe)3 ,MeSi(OMe),M
Si(OMe) ,CSi(OMe)3 ,n−C3
7Si(OMe)3 ,n−C6 13Si(OMe)3 ,n
−C1021Si(OMe)3 ,CH=CHSi(OM
e)3,C65Si(OMe)3 ,(C65)Si(OMe)
;特に、通常に知られているシランカップリング剤
として、NHCHCHNHCHCHCH
eSi(OMe)3 ,NHCHCHNHCHCH
CHSiMe(OMe),HSCHCHCH
Si(OMe)3 ,CNHCHCHCH
i(OMe)3 ,CH=(CH)CCOOCHCH
CHSi(OMe)3 ;また、Si(OEt)4 ,Me
Si(OEt)3 ,MeSi(OEt),MeSiO
Et等が挙げられ、また、アシロキシシランとしては、
MeSi(OCOCH),CSi(OM
e)3 ,CH=CHSi(OCOCH) 等が挙げら
れ、更には、シリル化剤としては、MeSiCl,
(MeSi)NH,(MeSiNH)C=O,
CH3CONHSiMe等を挙げることができる。
また、シランカップリング剤について更に説明すれば、
通常、Rn−Si(OR4−nとして表される式中
において、Rはアルキル基、アミノアルキル基、アルケ
ニル基で、Rは、アルキル基またはアルコキシアルキ
ル基であり、nは1〜3の整数である。本発明におい
て、特に、メチルトリメトキシシラン、ビニルトリメト
キシシラン、また、R、Rが共にアルキル基のテトラ
エチルシリケート、テトライソプロピルシリケート、テ
トラブチルシリケート等であるものが好適に使用され
る。
【0026】また、UVカチオン開始剤(B)として
は、UVカチオン重合性化合物(B)の重合を開始させ
るカチオンを、光の照射で生成させるものであれば特に
限定されることなく用いられる。例えば、芳香族ヨード
ニウム塩、芳香族スルホニウム塩、芳香族鉄錯塩等を挙
げることができ、本発明において、その配合量は、重量
基準で表して、UVカチオン開始剤(B):シリコーン
化合物(C)=1:0.05〜1:5の範囲にあれば好
適である。この両者に係わって、この配合割合から外れ
ると、特に、UV照射時の硬化不足、塗膜発泡、クスミ
等の実使用上での取り扱い性の低下や、塗膜外観不良の
発生等から好ましくない。
【0027】また、本発明によるアクリル系のホットメ
ルト型粘着剤組成物には、必要に応じて、このような粘
着剤の用途として、粘着シート、被覆形成剤、コート
剤、積層フィルム等の接着及び接合に用いる用途にもよ
るが、必要に応じて、粘着剤の粘着性特性等を損なわせ
ぬ範囲内で、それ自体公知の配合剤、例えば、可塑剤、
滑剤、硬化促進剤、増感剤、被膜形成助剤、剥離剤、充
填剤、消泡剤、増粘剤、耐熱性付与剤、難燃性付与材
剤、帯電防止剤、導電性付与剤、紫外線吸収剤、防曇
剤、抗菌・防カビ剤、染料、顔料、無機・有機の球状微
粒子又は繊維等を適宜配合させることができる。
【0028】そこで、本発明によるUV照射下又は電子
線照射下に重合硬化させて粘着剤として用いられるアク
リル系のホットメルト型粘着剤組成物の製造方法につい
て以下に説明をする。
【0029】この本発明によるアクリル系のホットメル
ト型粘着剤組成物は、既に上述した如く、主成分である
粘着性ポリマー質(A)と、UVカチオン開始剤(B)
と、シリコーン化合物(C)とを含有する粘着剤組成物
である。また、本発明においては、この粘着剤組成物中
に構成成分として含有されている粘着性ポリマー質
(A)は、少なくとも、ヒドロキシル基が導入されたM
wが50,000〜600,000の範囲にあるアクリ
ル系ベースポリマー(a)と、エポキシ基が導入された
(メタ)アクリル系低分子量体のMwが5,000〜3
0,000の範囲にあるUVカチオン重合性化合物
(b)と、粘着付与樹脂(c)とを構成成分として粘着
剤組成物中に含有されていることが特徴である。
【0030】そこで、本発明においては、順序は特に限
定する必要はないが、粘着性ポリマー質(A)を構成す
るアクリル系ベースポリマー(a)と、UVカチオン重
合性化合物(b)とのそれぞれを予め調製する。
【0031】アクリル系ベースポリマー(a)を調製さ
せる重合方法としては、塊状重合や、乳化及び懸濁重合
等のエマルジョン重合等に特に限定されないが、窒素パ
ージ下にある密閉型反応装置に、上述した他のアクリル
系不飽和重合性モノマーの単独モノマー又はその2種以
上の混合モノマーの90〜96重量部と、上述したヒド
ロキシ基含有重合性モノマーの少なくとも1種の4〜1
0重量部と、所定量の重合開始剤とを添加させて、塊状
重合させて重量平均分子量(Mw)が5万〜60万の範
囲にあるアクリル系ベースポリマー(a)を調製した。
そのアクリル系ベースポリマー(a)中のヒドロキシル
基が水酸基価として12〜36mgKOH/gの範囲で
あった。次いで、(メタ)アクリル系低分子量体である
UVカチオン重合性化合物(b)を調製する重合方法と
しては、同じく窒素パージ下にある密閉型反応装置に、
上述した他のアクリル系不飽和重合性モノマーの単独モ
ノマー又はその2種以上の混合モノマーの92〜96重
量部と、上述したエポキシ基がシクロヘキサンモノエポ
キシ基含有重合性モノマーの少なくと1種の3〜10重
量部と、所定量のNDM等の分子量調整するための連鎖
移動剤とを添加させてシロップ状組成物を調製した。次
いで、この調製したシロップ状物の100重量部に、所
定量の過酸化物系開始剤等を添加・混合させた後、11
0〜135℃×1〜2hrで静置させて、塊状重合(又
はシロップ状組成物を固形化させて)させて重量平均分
子量(Mw)が0.5万〜3万の範囲にある(メタ)ア
クリル系低分子量体であるUVカチオン重合性化合物
(b)を調製した。このようにして得られたUVカチオ
ン重合性化合物(b)のエポキシ価が0.011〜0.
044eq/100gの範囲にあった。
【0032】次いで、このように予め調製させたアクリ
ル系ベースポリマー(a)とUVカチオン重合性化合物
(b)とを用いて、アクリル系ベースポリマー(a)の
100重量部と、UVカチオン重合性化合物(b)の5
〜35重量部と、従来から粘着付与樹脂として周知であ
るロジン系、テルペン系、芳香族系、アクリル系等から
選ばれる少なくとも1種の粘着付与樹脂(c)の5〜6
0重量部とを、混合させて粘着性ポリマー質(A)を調
製した。これらの混合方法としては特に限定する必要が
なく、従来から公知の混合方法で適宜に調製することが
できる。その混合・混練装置としては、例えば、バンバ
リーミキサー、各種のニーダー、一軸又は二軸押出型混
練機等を挙げることができる。次いで、同様の混合装置
を用いて、この粘着性ポリマー質(A)に、上述したシ
リコーン化合物(C)を、この粘着性ポリマー質(A)
の構成成分であるアクリル系ベースポリマー(a)の1
00重量部当り、0.05〜0.3重量部の範囲になる
ように添加することができる。更には、UVカチオン開
始剤(B)を、既に上述したUVカチオン開始剤
(B):シリコーン化合物(C)=1:0.05〜1:
5の範囲になるように添加・混合(又は混練)すること
で本発明によるアクリル系ホットメルト型粘着剤樹脂組
成物が調製される。
【0033】以上のように調製される本発明によるUV
又は電子線の照射下に硬化するアクリル系のホットメル
ト型粘着剤組成物を粘着剤に用いて粘着シートを作製す
る方法について以下に説明する。
【0034】この樹脂組成物を加熱溶融させて基材上
(被着体)に塗布させる方法については特に限定されな
い。通常、ホットメルトアプリケーターや、ホットメル
トコーター等により加熱溶融した粘着剤樹脂組成物を被
着体に塗布する方法、また、溶融した粘着剤樹脂組成物
中に被着体を浸漬する方法、また、ホットメルトエアガ
ーンで溶融した粘着剤樹脂組成物を被着体に噴霧する方
法、また、押出機により溶融した粘着剤樹脂組成物と挟
持する被着体を押出す方法等が挙げられる。本発明によ
るアクリル系のホットメルト型粘着剤樹脂組成物は、こ
れらの何れの方法にも適宜好適に対処することができ
る。また、粘着剤組成物の塗布装置への供給としては、
ペールアンローダー、カートリッジディスペーサー等を
用いて、例えば、ホットメルトアプリケーターにアクリ
ル系のホットメルト型粘着剤組成物を供給させるか、ペ
レット、ブロック、ステック、ビレット等の形態で塗布
装置に供給することができる。また、加熱溶融・塗布
後、UV等の光照射下に重合硬化させる光としては、配
合されているカチオン開始剤の種類や、その配合量にも
よるが、通常、好ましくは、紫外線(UV)照射が用い
られ、200〜600nmの波長を含む光で、蛍光ラン
プ、高圧水銀灯等の通常用いられている光源が好適に使
用される。
【0035】また、本発明によるアクリル系のホットメ
ルト型粘着剤組成物が塗布(適応)できる被着体として
は、特に限定することなく適応され、例えば、鉄、銅、
アルミニウム、ステンレス等の金属及び合金、各種のプ
ラスチック(シート、フィルム、成形物、積層体)、ガ
ラス、コンクリート、セラミックス等の無機材、木材、
紙、布(織布、不織布)等のセルロース系材、皮革等が
挙げられる。
【0036】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明するが、本
発明は、これらの実施例にいささかも限定されるもので
はない。
【0037】<各種性能評価>粘着力 :対SUS、23℃/65%RH雰囲気下、18
0°剥離のN/m保持力 :対SUS、荷重1kgの鉛直方向、測定時間1
hr No;ズレ無し、↓;落下、なお、粘着力及び保持力
は、測定用試料作成後(UV照射後)の6時間経過後に
測定をする。熱安定性 :120〜160℃温度雰囲気下にPSA試料
を静置させて1hr毎に粘度、状態を観察する。塗膜形成性 :測定用試料を指で擦り、基材からの粘着剤
塗布面の剥がれ程度を目視観察及び指触感触を評価す
る。ゲル分率 :測定用試料を酢酸エチルに浸漬させ、1昼夜
放置後の不溶分を重量%で表示する。分子量: GPC法により求めた重量平均分子量(Mw)
で、GPCには、カラムに東ソー(株)製のGMH−H
T、GMH−HTLを用い、溶媒にはオルソジクロロベ
ンゼンを用いた。水酸基価 :試料1gをアセチル化させた時、水酸基と結
合した酢酸を中和するに要する水酸化カリウム(KO
H)のmg数(mg・KOH/g)で表す。その測定法
は、JIS K0070の無水酢酸法に準拠させて、試
料にアセチル化試薬・無水酢酸−ピリジン溶液を加えて
溶解させ、アセチル化反応をさせ、放冷後、水、トルエ
ンを加えて調整した滴定試料液を、KOHエタノール溶
液で電位差滴定で水酸基価を求める。エポキシ価 :試料100g中に含まれるエポキシ基のグ
ラム当量数(eq/100g)で示す。その測定法は、
JIS K7236法に準拠させて、試料に酢酸、クロ
ロホルムを加えて溶解し、次いで、臭化テトラエチルア
ンモニウム−酢酸溶液を加え混合後、0.1N過塩素酸
−酢酸溶液で電位差滴定を行い、エポキシ当量を求め、
エポキシ価=100/エポキシ当量の式から算出する。
【0038】本発明に用いるアクリル系ベースポリマー
(a)を調製法1〜4によって調製して、それぞれアク
リル系ベースポリマー(a)の〜として用いた。調製法1: コンデンサー、窒素ガス導入管、温度計、
撹拌装置を備えた容量2lの丸底フラスコに、2-エチ
ルヘキシルアクリレート(以下、2EHAと記す)の6
4.4重量部、ノルマルブチルアクリレート(以下、n
BAと記す)の64.4重量部と、2ヒドロキシエチル
アクリレート(以下、2HEAと記す)の11.2重量
部と、n-ドデシルメルカプタン(以下、nDMPと記
す)の0.3重量部とを加え、窒素パージ後、塊状重合
を行い、Mw18万のアクリル系のベースポリマー
(a)を得た。調製法2: 調製法1において、nDMPを0.15重
量部にした以外は、ベースポリマー(a)と同様にし
て、Mw35万のアクリル系のベースポリマー(a)
を得た。調製法3: 調製法2において、2EHAを67.2重
量部、nBAを67.2重量部、2HEAを5.6重量
部とした以外は、ベースポリマー(a)と同様にし
て、Mw35万のアクリル系のベースポリマー(a)
を得た。調製法4: 調製法1において、2HEAの替わりに、
脂環式エポキシ基であるシクロヘキサンモノエポキシ基
を有するアクリル系モノマーであるダイセル化学工業
(株)製のCYCLOMER A200の11.2重量部とした以外
は、ベースポリマー(a)と同様にしてMw18万の
アクリル系のベースポリマー(a)を得た。
【0039】次いで、本発明に用いる(メタ)アクリル
系低分子量体であるUVカチオン重合性化合物(b)を
調製法5〜9によって調製して、それぞれUVカチオン
重合性化合物(b)の〜として用いた。調製法5: 調製法1で用いた同様の反応装置を用い
て、イソブチルメタクリレートの110.4重量部と、
CYCLOMER A200の9.6重量部と、NDMの4重量部と
からなるシロップ状組成物を得た。このシロップ状組成
物100重量部に日本油脂(株)製の過酸化物系開始剤で
あるパークミルNDの0.5重量部とパーヘキシルOの
0.5重量部とを混合させた後、120℃×1.5hr
で静置させてMw1万の(メタ)アクリル系低分子量体
(b)を得た。調製法6: イソブチルメタクリレートの115.2重
量部、CYCLOMER A200の4.8重量部とした以外は、調
製法5と同様にしてMw1万の(メタ)アクリル系低分
子量体(b)を得た。調製法7: 調製法5において、NDMを2重量部とし
た以外は、調製法5と同様にしてMw3万の(メタ)ア
クリル系低分子量体(b)を得た。調製法8: 調製法5において、CYCLOMER A200の替わ
りにグリシジルメタクリレートの11.2重量部とした
以外は、調製法5と同様にしてMw1万の(メタ)アク
リル系低分子量体(b)を得た。調製法9: 調製法5において、イソブチルメタクリレ
ートの替わりに、2EHAの110.4重量部とした以
外は、調製法5と同様にしてMw1万の(メタ)アクリ
ル系低分子量体(b)を得た。
【0040】(実施例1〜15)本発明によるUV硬化
性のアクリル系ホットメルト型粘着剤組成物を調製する
ため、まず、調製法1〜3で得られたアクリル系ベース
ポリマー(a)の〜のそれぞれと、調製法5〜7、
9で得られたシクロヘキサンモノエポキシ基を導入した
(メタ)アクリル系低分子量体であるUVカチオン重合
性化合物(b)のそれぞれ〜、と、粘着付与樹脂
(c)である荒川化学(株)製の製品名ペンセルの製品番
号D135及びKE311とを用いて、表1に示す配合でプレミ
ックスさせた15種の粘着性ポリマー質(A)なる試料
をそれぞれ調製した。次いで、それぞれの試料に、表1
に示すようにダウ・ケミカル(株)製の製品名CYRACUREの
製品番号UVI6990なるUVカチオン開始剤(B)と、日
本ユニカー(株)製の製品名NUC-SILICONEの製品番号L760
4なるシリコーン化合物(C)とを配合させて、表1に
示す組成からなる本発明によるアクリル系ホットメルト
型粘着剤組成物を調製し、それぞれ実施例1〜15なる
試料番号として表1に示した。次いで、調製した実施例
1〜15のアクリル系ホットメルト型粘着剤組成物のそ
れぞれについて、PETフィルム基材上に厚さ25μm
になるように加熱溶融・塗布させた後、その塗工面に水
銀ランプ(照射強度:220mW/cm)を積算光量
50mJ/cmで照射させて、試験用粘着シートを作
製して粘着剤としての各種の性能及び特性を評価した。
【0041】次いで、本発明のアクリル系ホットメルト
型粘着剤組成物に係わる特徴である主構成成分である粘
着性ポリマー質(A)に対して、この粘着性ポリマー質
(A)の構成成分に係る粘着力、保持力及び熱安定性に
ついての結果を表3に示した。また、特に本発明のアク
リル系ホットメルト型粘着剤組成物の特徴であるシリコ
ーン化合物の添加効果として、粘着力及びゲル分率の経
時的特性についての結果を表4に示した。
【0042】(比較例1〜18)実施例1〜15として
調製した本発明によるアクリル系ホットメルト型粘着剤
組成物の特徴を明確にさせるために、表2に示す配合か
らなるアクリル系樹脂組成物を調製し、それぞれ比較例
1〜18なる試料番号として表2に示した。まず、粘着
性ポリマー質(A)として、調製法1及び4で得られた
アクリル系ベースポリマー(a)の、と、調製法
5、7及び8で得られたシクロヘキサンモノエポキシ基
を導入した(メタ)アクリル系低分子量体であるUVカ
チオン重合性化合物(b)の、、と、ダウ・ケミ
カル(株)製の2官能−脂肪族脂環式エポキシ樹脂の製品
名CYRACUREの製品番号UVR6110及びダイセル化学工業
(株)製の4官能−脂肪族脂環式エポキシ樹脂の製品名エ
ポリードの製品番号GT400とを用いた以外は、実施例と
同様の粘着付与樹脂(c)及びUVカチオン開始剤
(B)、更にはシリコーン化合物(C)とを用いて表2
に示す配合からなるアクリル系樹脂組成物の試料番号比
較例1〜18をそれぞれ調製した。
【0043】そこで、本発明によるアクリル系ホットメ
ルト型粘着剤組成物の作用効果としての特徴を明確にす
るために、比較例1〜18なるアクリル系樹脂組成物を
実施例と同様にしてUV硬化のホットメルト型粘着剤と
して用いて、その粘着力、保持力及び熱安定性、粘着力
及びゲル分率の経時的特性等を実施例と同様に評価し
て、その結果をそれぞれ表5〜7に示した。特に、表5
からは、本発明によるアクリル系ホットメルト型粘着剤
組成物の主構成成分である粘着性ポリマー質(A)を構
成する粘着付与樹脂(c)の係わりを、より明確にさせ
ることができる。また、表6からは、粘着性ポリマー質
(A)を構成する(メタ)アクリル系低分子量体のUV
カチオン重合性化合物(b)に係わって、更には、表7
からは、特にアクリル系ベースポリマー(a)として脂
環式エポキシ基を導入されたベースポリマーに係わって
のそれぞれの結果を示した。
【0044】なお、表1〜表7中の〜は、それぞれ
アクリル系ベースポリマー(a)を示し、〜は、そ
れぞれ(メタ)アクリル系低分子量体のUVカチオン重
合性化合物(b)を示し、また、物性数値以外の数字は
各成分の配合重量部数を示し、更には(a)、(b)及
び(c)は、それぞれアクリル系ベースポリマー、UV
カチオン重合性化合物及び粘着付与樹脂を示す。また、
表中のUVI6990はUVカチオン開始剤(B)を、L7604は
シリコーン化合物(C)を、D135及びKE311はそれぞれ
粘着付与樹脂(c)を示す。また、UVR6110は脂肪族脂
環式エポキシ樹脂(2官能)を、GT400は脂肪族脂環式
エポキシ樹脂(4官能)を示し、表5におけるイ)、
ロ)の表示はそれぞれUVR6110、GT400を示す。
【0045】<表1及び表3>表1及び表3に表示する
実施例1〜15の配合及び評価結果を参照すると、本発
明によるUV硬化性であるアクリル系ホットメルト型粘
着剤組成物の第1の特徴は、表1に示す配合から明らか
なように、粘着性ポリマー質(A)が[アクリル系ベー
スポリマー(a)と(メタ)アクリル系低分子量体であ
るUVカチオン重合性化合物(b)と粘着付与樹脂
(c)]とを組合わせの主成分として構成されている粘
着剤組成物である。しかも、これらの(a)及び(b)
に係わっては、上記の調製法1〜3、5、6及び9に基
づき得られた所定の官能基量、重量平均分子量(Mw)
を有し、また、所定の配合量で組合わせ調製されてい
る。このように調製された実施例1〜15の本発明の粘
着剤組成物は、表3に示した粘着力、保持力、熱安定性
の評価から明らかなように粘着力、保持力及び熱安定性
に係わって、何れも優れた粘着剤性能を発揮するUV硬
化性のアクリル系ホットメルト型粘着剤組成物であるこ
とが分かる。なお、本発明においては、表3及び表5に
示す粘着剤の諸性能(粘着力、保持力、熱安定性)は、
ホットメルト、UV硬化後の初期における粘着剤組成物
を評価試料とした。
【0046】<表1及び表4>また、特に表1に示す実
施例11〜13における配合のように、本発明によるU
V硬化性のアクリル系ホットメルト型粘着剤組成物にお
いて、シリコーン化合物(C)の配合量を0.01〜
0.3重量部数の範囲でシフトさせて、シリコーン化合
物(C)配合の作用及びその効果を、表4にUV照射時
の粘着力及びゲル分率の経時挙動として示した。
【0047】表4から明らかなように、シリコーン化合
物(C)のL7604の添加部数と共に、粘着力の発現性及
びゲル分率の達成度において、初期〜7日経過後におい
て全く経時異存性なく発現されている。以上から、本発
明によるUV硬化性のアクリル系ホットメルト型粘着剤
組成物は、UV照射下の初期に充分に硬化されて粘着剤
としての性能が発揮されることがよく理解される。従っ
て従来のカチオン硬化系を利用した場合に、起こす傾向
にあった硬化の経時依存性を完全に解消させられること
から、本発明による粘着剤組成物がUV硬化性のホット
メルト型の粘着剤として粘着性能の操作性及びそれを用
いてなる例えば粘着シート等の生産性に優れていること
が理解される。
【0048】<表2及び表5>そこで、表2及び表5に
表示する比較例1〜18の配合及び評価結果とを対比参
照することで、実施例1〜15なる本発明による粘着剤
組成物の粘着剤性能を更に明確にさせることができる。
【0049】表2及び表5に表示する比較例1〜18に
おいては、比較例1〜13の樹脂組成物(試料)は、上
記の調製法1、4、5、7及び8によって得られた
(a)及び(b)を用いて、特に粘着性ポリマー質
(A)における粘着付与樹脂(c)を除いて調製されて
いる。表5には、これらの試料を用いて実施例と同様に
して試験用シートを調製して、粘着力、保持力及び熱安
定性を評価した結果が示されている。その結果、実施例
の表1と比較例の表2とを比較すると、顕著な相違点
は、比較例において実施例の粘着性ポリマー質(A)か
ら、構成する主成分の粘着付与樹脂(c)を除いたもの
である。その結果、表5から明らかなように、当然の結
果として著しく粘着力を低下させることがよく理解され
る。しかるに、その塗膜形成性及び塗膜外観を比較評価
すると、実施例においては全く無かった糸引き、塗膜脆
さ、硬化不足、クスミ等が観察されて粘着剤として実使
用するには程遠い樹脂組成物となる。
【0050】また、本発明における粘着性ポリマー質
(A)を構成する(a)、(b)及び(c)において、
特に、この(c)成分は、特に特定される成分でない従
来から公知の粘着付与樹脂を用いることができる。上記
に示す結果から明らかなように、粘着性ポリマー質
(A)の係わりにおいて、単なる粘着付与樹脂としての
作用だけではなく、本発明においては、塗膜形成性及び
塗膜外観等に現れる格段に顕著な作用を粘着性ポリマー
質(A)の[アクリル系ベースポリマー(a)−(メ
タ)アクリル系低分子量体であるUVカチオン重合性化
合物(b)−粘着付与樹脂(c)]の組合わせ組成にお
いて発揮させていると理解される。
【0051】また、このような塗膜形成性及び塗膜外観
において顕著な作用を発揮させるには、更にはUVカチ
オン開始剤(B)及びシリコーン化合物(C)との組合
わせ組成において、表1に示す如くのUVカチオン開始
剤(B)及びシリコーン化合物(C)が介在する系にお
ける粘着剤組成物である。
【0052】すなわち、表5には、表2に示す比較例1
4〜18おいて、粘着性ポリマー質(A)として粘着付
与樹脂(c)を添加させて、UVカチオン重合性化合物
(b)を除いた樹脂組成物を調製した試料を用いて、同
様に試験用シートを調製して、粘着力、保持力及び熱安
定性を評価した結果が示されている。その結果、粘着力
は充分に付与され、塗膜外観等を向上されるものの、例
えば、保持力又は熱安定性の観点において、未だ粘着剤
として実使用するには程遠い樹脂組成物である。従っ
て、本発明のアクリル系ホットメルト型粘着剤組成物に
あって、特に粘着性ポリマー質(A)の[アクリル系ベ
ースポリマー(a)−(メタ)アクリル系低分子量体で
あるUVカチオン重合性化合物(b)−粘着付与樹脂
(c)]から粘着付与樹脂(c)を除くと、アクリル系
ベースポリマー(a)及びUVカチオン重合性化合物
(b)の添加量、官能基量、分子量等を広範に変化させ
ても、特に実使用可能な塗膜形成性に改善させることが
極めて困難である。
【0053】また、比較例10〜13に示す如く、上記
調製法5〜9によるUVカチオン重合性化合物(b)で
あるエポキシ基を導入した(メタ)アクリル系低分子量
体に替えて、市販の脂肪族脂環式エポキシ樹脂のUVR611
0なる脂肪族脂環式エポキシ樹脂(2官能)及びGT400な
る脂肪族脂環式エポキシ樹脂(4官能)を置き替えて
も、塗膜外観は、塗膜の脆さに加えて、著しくクスミや
発泡を発生させてしまう。
【0054】<表2及び表6>また、比較例8及び9に
示す如く、上記調製法5〜9による脂環式エポキシ基に
替えてグリシジル基を導入させてなる(メタ)アクリル
系低分子量体であるUVカチオン重合性化合部を使用し
た結果、表7に示す粘着力及びゲル分率に現れているよ
うに、初期硬化性が著しく劣化し、粘着性能及び硬化性
の経時依存性が現れて粘着性能の操作性が低下する。ま
た、シリコーン化合物の添加量を増やしても、脂環式エ
ポキシ基を導入させた(メタ)アクリル系低分子量体で
あるUVカチオン重合性化合部(b)の配合した場合の
ような粘着性能及び硬化性の経時依存性のない粘着性能
及び硬化性を改善することができなかった。
【0055】<表2及び表7>また、比較例14と17
とを比較すると、本発明における粘着性ポリマー質
(A)の[アクリル系ベースポリマー(a)−(メタ)
アクリル系低分子量体であるUVカチオン重合性化合物
(b)−粘着付与樹脂(c)]からUVカチオン重合性
化合物(b)と粘着付与樹脂(c)を除き、アクリル系
ベースポリマー(a)の替わりに、予め脂環式エポキシ
基を導入させたアクリル系ベースポリマーを用いた場合
には、この変性アクリル系ベースポリマーに粘着付与樹
脂(c)を組合わせた比較例17から明らかなように、
粘着付与樹脂(c)の添加による粘着性が評価されるも
のの、加熱時に増粘ゲル化する迄の時間が著しく短くな
りホットメルト型粘着剤として実使用するには程遠いも
のである。
【0056】
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
【表6】
【表7】
【0057】
【発明の効果】以上から、本発明によるアクリル系ホッ
トメルト型粘着剤樹脂組成物は、粘着剤樹脂組成物中に
主成分として含有する粘着性ポリマー質(A)が[ヒド
ロキシル基が導入されたアクリル系ベースポリマー
(a)−エポキシ基が導入された(メタ)アクリル系低
分子量体からなるUVカチオン重合性化合物(b)−粘
着付与樹脂(c)]を主配合成分として構成されている
ことを特徴としている。
【0058】このような配合構成に用いている粘着付与
樹脂(c)は、格別に特定する粘着付与樹脂ではない
が、その及ぼす作用は、単に粘着力を付与向上さて粘着
性能を維持させるに止まらず、粘着性ポリマー質(A)
の他の配合成分である[特定のアクリル系ベースポリマ
ー(a)−特定のUVカチオン重合性化合物(b)]と
の相互作用として、実使用可能な塗膜の形成性及び塗膜
の外観性を付与させている。
【0059】また、粘着性ポリマー質(A)の上述する
如く発揮される作用効果に対しては、UVカチオン開始
剤(B)の介在下に添加されているシリコーン化合物
(C)が、加熱溶融下において粘着性ポリマー質(A)
を構成する[ヒドロキシル基が導入されたアクリル系ベ
ースポリマー(a)と、エポキシ基が導入された(メ
タ)アクリル系低分子量体からなるUVカチオン重合性
化合物(b)と、粘着付与樹脂(c)と]の各成分間の
相溶性を促進させる相溶性促進剤として効果を発揮さ
せ、この溶融下に相溶化された粘着剤樹脂組成物層にU
V又は電子線を照射させて硬化を効果的に促進させる効
果を発揮させる。
【0060】このような作用効果を発揮させる本発明の
アクリル系ホットメルト型粘着剤樹脂組成物は、特に、
粘着性ポリマー質(A)の構成各成分に対するシリコー
ン化合物(C)の係わりにおいて、特に、粘着付与樹脂
(c)との関係で、実使用可能な粘着特性(粘着力、保
持力、熱安定性)を、UVカチオン重合性化合物(b)
との関係で実使用可能な粘着特性、塗膜形成性及びその
外観特性を発揮させるUV硬化性のアクリル系ホットメ
ルト型粘着剤を提供できる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】UV照射又は電子線照射下に重合硬化させ
    てなるアクリル系のホットメルト型粘着剤樹脂組成物に
    おいて、 前記粘着剤樹脂組成物は、主成分の粘着性ポリマー質
    (A)と、UVカチオン開始剤(B)と、シリコーン化
    合物(C)とを含有し、 前記粘着性ポリマー質(A)を構成する成分として、ヒ
    ドロキシル基が導入されたMwが50,000〜60
    0,000の範囲にあるアクリル系ベースポリマー
    (a)と、エポキシ基が導入された(メタ)アクリル系
    低分子量体のMwが5,000〜30,000の範囲に
    あるUVカチオン重合性化合物(b)と、粘着付与樹脂
    (c)とが含有されていることを特徴とするアクリル系
    ホットメルト型粘着剤樹脂組成物。
  2. 【請求項2】前記UVカチオン開始剤(B)の介在下に
    添加される前記シリコーン化合物(C)が、前記粘着性
    ポリマー質(A)の相溶化促進剤で、且つUV又は電子
    線の照射時における硬化促進剤として含有されているこ
    とを特徴とする請求項1に記載のアクリル系ホットメル
    ト型粘着剤樹脂組成物。
  3. 【請求項3】前記ヒドロキシル基がJIS K0070
    法に準拠させて得られる水酸基価で表して12〜35m
    gKOH/gの範囲にあることを特徴とする請求項1又
    は2に記載のアクリル系ホットメルト型粘着剤樹脂組成
    物。
  4. 【請求項4】前記エポキシ基がシクロヘキサンモノエポ
    キシ基であって、前記シクロヘキサンモノエポキシ基が
    JIS K7236法に準拠させて得られるエポキシ価
    で表して0.011〜0.044eq/100gの範囲
    にあることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の
    アクリル系ホットメルト型粘着剤樹脂組成物。
  5. 【請求項5】前記アクリル系ベースポリマー(a)の1
    00重量部当たり、前記UVカチオン重合性化合物
    (b)が5〜35重量部の範囲で、前記粘着付与樹脂
    (c)が5〜60重量部の範囲で、且つ前記シリコーン
    化合物(C)が0.05〜0.3重量部の範囲にあるこ
    とを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のアクリル
    系ホットメルト型粘着剤樹脂組成物。
  6. 【請求項6】重量基準で表して、前記UVカチオン開始
    剤(B):前記シリコーン化合物(C)=1:0.05
    〜1:5の範囲にあることを特徴とする請求項1〜5の
    何れかに記載のアクリル系ホットメルト型粘着剤樹脂組
    成物。
  7. 【請求項7】請求項1〜6の何れかに記載するアクリル
    系ホットメルト型粘着剤樹脂組成物を用いて、加熱下に
    基材面に塗工させ、次いでUV又は電子線の照射下に硬
    化させてなる粘着剤層を設けていることを特徴とするア
    クリル系ホットメルト型粘着シート。
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