JP2020104895A - ヒンジキャップ - Google Patents

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Abstract

【課題】 ヒンジキャップをセットする閉蓋時に、移行部の係合壁と蓋体の係合筒との嵌合力を弱くしても、開封時に移行部の係合壁と蓋体の係合筒との嵌合力を向上させることができるヒンジキャップを提供する。【解決手段】 ヒンジキャップであって、キャップ本体Bは、容器Aの口部1を封鎖する壁部11から立設された注出筒12と、注出筒12に連設された移行部Eとを備え、蓋体Dは、頂壁40と、頂壁40の下面から垂設された係合筒42とを備え、移行部Eは、破断可能な弱化部13を介して注出筒12と連結された環状底壁30と、環状底壁30から立設され、係合筒42と嵌合部を形成可能な係合壁31と、環状底壁30から反転可能な薄膜部33を介して連結された栓体34とを備え、栓体34は、蓋体Dが閉蓋された状態で、係合筒42に挿入されることを特徴とする。【選択図】 図3

Description

本発明は、容器の口部に装着されるヒンジキャップに関し、とくに最初の開蓋時に弱化部を破断して蓋体に移行する移行部を有するヒンジキャップに関するものである。
従来、容器に装着されるキャップ本体と、ヒンジを介してキャップ本体に連設される蓋体とを備えるヒンジキャップにおいて、容器の密閉性を確保するために、キャップ本体の隔壁の開口予定部にプルリングなどを形成した除去部を設けていた。
しかし、除去部を開口するために、蓋体を開けた後、プルリングなどを引っ張って除去部を除去する抜栓作業が必要となり、手間がかかるともに、力の弱い利用者にとっては抜栓に苦労するという問題があった。
そこで、開口予定部である除去部をなくした場合には、内容液がヒンジキャップ内に入り込み易くなるなど密封性に問題が生ずるため、プルリングを省略し、除去部に立設された係合壁を蓋体から垂設された垂下片に係合させて、蓋体の開蓋とともに、係合壁ごと引っ張り上げて弱化部を破断して抜栓するヒンジキャップが従来から知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、特許文献1記載のヒンジキャップでは、蓋体が開蓋した状態で成形されるため、ヒンジを支点として閉蓋して係合壁を垂下片に係合する必要があり、その際、垂下片が係合壁に斜め方向から部分的に当接されて、弱化部に局所的な負荷がかかってしまい、弱化部が破断してしまう可能性があるため、底壁とヒンジで連設される蓋体とからなる蓋部と、分離片を有する基部とを別体とすることで、分離片を蓋体の筒壁に掛止する際に弱化部に均等に負荷がかかるようにして弱化部の破断を防止することも知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開平10−338253号公報 特開2015−34012号公報
しかしながら、上記特許文献2記載のヒンジキャップでは、蓋部と基部とを別体で成形しなければならないという問題があり、さらに、分離片を蓋体の筒壁に掛合する際に、弱化部に過大な負荷を掛けることなく確実に掛合することにより、開封時に、分離片と蓋体の筒壁の掛合状態を強固に維持しなければならないという問題があった。
本発明は、上記問題を解決することを課題とし、ヒンジキャップをセットする閉蓋時に、移行部の係合壁と蓋体の係合筒との嵌合力を弱くしても、開封時に移行部の係合壁と蓋体の係合筒との嵌合力を向上させることができるヒンジキャップを提供することを目的とする。
本発明は、上記の課題を解決するため、ヒンジキャップとして、容器の口部に装着されるキャップ本体と、ヒンジを介してキャップ本体に連設された蓋体とからなるヒンジキャップであって、キャップ本体は、容器の口部を封鎖する壁部から立設された注出筒と、注出筒に連設された移行部とを備え、蓋体は、頂壁と、頂壁の下面から垂設された係合筒とを備え、移行部は、破断可能な弱化部を介して注出筒と連結された環状底壁と、環状底壁から立設され、係合筒と嵌合部を形成可能な係合壁と、環状底壁から反転可能な薄膜部を介して連結された栓体とを備え、栓体は、蓋体が閉蓋された状態で、係合筒に挿入されることを特徴とする構成を採用する。
ヒンジキャップの具体的実施形態として、係合壁は、内周に形成された係合突条を有し、係合筒は、外周に形成された係合突起を有し、栓体は、薄膜部を介して環状底壁と連結された底部と、底部から立設され、係合筒に挿入される筒部とを有することを特徴とする構成、また、筒部は、先端部に形成された挿入案内部を有することを特徴とする構成、また、筒部は、外周上部に形成された縮径段部を有することを特徴とする構成を採用する。
さらなるヒンジキャップの具体的実施形態として、係合筒は、内周下部に形成された拡径薄肉部を有することを特徴とする構成、また、係合筒は、内周上部に形成された変形防止用のリブを有することを特徴とする構成、また、係合筒と係合壁の嵌合部は、閉蓋時に隙間が形成されることを特徴とする構成を採用する。
本発明のヒンジキャップは、上記構成を採用することにより、ヒンジキャップをセットする閉蓋時は、移行部の係合壁と蓋体の係合筒との嵌合部に隙間があっても、隙間がなくても、移行部の栓体を蓋体の係合筒に挿入し、嵌合部の隙間を解消することにより、移行部の係合壁と蓋体の係合筒との嵌合力を向上させ、開封時に、蓋体の係合筒から移行部の係合壁が脱落するのを防止できる。
また、本発明のヒンジキャップは、開口予定の移行部に弱化部が設けられているので、プルリングによる抜栓と同程度の密閉性が確保され、熱充填可能な容器に使用できる。
本発明の第1実施例のヒンジキャップを容器に装着した状態を示す側面断面図である。 本発明の第1実施例のヒンジキャップの開蓋状態を示す説明図で、(a)は上面図であり、(b)は側面断面図である。 図1の要部拡大説明図である。 本発明の第2実施例のヒンジキャップの要部拡大説明図である。 本発明の第3実施例のヒンジキャップの要部拡大説明図である。
本発明の実施形態に係るヒンジキャップについて、実施例に示した図面を参照して説明する。
なお、以下の説明において、図1でみて、左方向を「正面」とし、右方向を「背面」とし、上方向を「上」とし、下方向を「下」とする。
図1において、Aは容器、Bは容器Aに装着されるキャップ本体、Cはヒンジ、DはヒンジCを介してキャップ本体Bに開閉可能に取り付けられた蓋体である。
容器Aは、上部に口部1を有し、口部1の外周面には、嵌合突条2が設けられている。
キャップ本体Bは、図1および図2に示すように、容器Aの口部1に装着される装着部10と、装着部10の内縁上端から内方に延設され、容器Aの口部1を封鎖する壁部としての基壁11と、基壁11から立設された注出筒12とを備えている。
注出筒12は、本実施例では、中心から正面側寄りに設けられている。
また、注出筒12内には、開口予定部として、弱化部13を介して移行部Eが連設されている。
装着部10は、周縁に係止突条15が設けられ、蓋体Dと係合する環状の蓋係合部16と、蓋係合部16の内周側から垂設される内筒17と、蓋係合部16の外周側から垂設される外周壁部18とから構成されている。
外周壁部18は、内周下部には容器Aの嵌合突条2と係合する係合突部19が設けられている。
外周壁部18のヒンジCの左右いずれかの近傍には、図2に示すように、外周面に平面視で略V字状の外周切り込み部23が下端部に薄肉底壁24を残して上方から切り込まれている。
係合突部19の外周切り込み部23に対応する位置には、図示しないが、内周切り込み部が縦方向に刻設され、縦方向引き裂きラインが形成される。
外周切り込み部23のヒンジC側では、端面23aの内周側の上部の薄肉部を隔てた位置を起点として円周方向に延びるように、スリット溝25が上方から凹設され、本実施例では、端面23aを始点として、約345°にわたって延び、その先にはスリット溝25が存在しない外周壁部18と蓋係合部16が一体に連結した終端連結部28が設けられている。
また、縦方向引き裂きラインに隣接するスリット溝25の起点を引き裂き開始点として、スリット溝25の底面26の内周側には、外周壁部18と蓋係合部16間を連結する薄肉の連結部27が設けられ、周方向引き裂きラインが円弧状に延びるように形成され、終点の破断不能な終端連結部28まで引き裂き可能となっている。
移行部Eは、図1〜3に示すように、弱化部13を介して注出筒12の下部内周と連結された環状底壁30と、環状底壁30の内縁から立設された係合壁31と、環状底壁30の内縁上部から反転可能な薄膜部33を介して連結された栓体34とを備え、環状底壁30には、内縁下端部から上方に拡径されたアンダーカット部35が設けられ、係合壁31の内周上部には、係合突条32が設けられている。
なお、本実施例では、薄膜部33は、断面がテーパ状となっているが、反転可能な形状であれば、構造は問わない。例えば、断面が蛇腹状、階段状などであってもよい。
また、弱化部13と薄膜部33の肉厚は、薄膜部33の方が弱化部13と同等か、より厚い方が好ましい。
栓体34は、円盤状の底部36と、底部36の周縁部から立設され、外周先端部にテーパ状に縮径された挿入案内部38が形成された筒部37とを有している。
なお、本実施例では、筒部37は、内部が空洞になっているが、必要に応じて、中実としてもよい。
栓体34は、蓋体DをキャップBに対して閉蓋してセットする際に、筒部37を挿入案内部38から押し込み、薄膜部33を反転させることにより、後述する係合筒42の内周に挿入するようになっている。
蓋体Dは、図1および図2に示すように、ヒンジCを介してキャップ本体Bの外周壁部18の外周上端に、回動自在に取着されており、キャップ本体Bの上面を覆う頂壁40と、頂壁40の周縁部から垂設された側周壁41とを備えている。
頂壁40は、下面から係合筒42と、係合筒42の外側にシール筒43とが垂設され、係合筒42は、先端部が移行部Eの係合壁31内に挿入され、係合壁31と嵌合部を形成するように、また、シール筒43は、外周がキャップ本体Bの注出筒12の内周に当接するようになっている。
さらに、頂壁40の下面には、シール筒43の外側に凹溝46が周設されている。
係合筒42の外周下部には係合突起44が設けられ、図3に示すように、閉蓋状態でキャップ本体Bに対してセットする際に、係合筒42は、係合突起44が係合壁31の内周上部の係合突条32と嵌合するとともに、内周に栓体34の筒部37が挿入される。
これにより、最初の開蓋時に移行部Eは、蓋体Dとともに持ち上げられ、弱化部13を破断して、移行部Eが蓋体Dに移行するようになっている。
本実施例では、係合筒42は、注出筒12と同様に、中心から正面側寄りに設けられている。
また、係合筒42の係合突起44と係合壁31の係合突条32との係合位置は、なるべく蓋体Dの頂壁40から離れた位置に設けられることによって、図2で示す開蓋状態のヒンジキャップを、ヒンジCを支点にして蓋体Dを回動して閉蓋する際に、ほぼ垂直方向からの係合が可能となり、斜め方向で部分的に当接することによる局所的な負荷を避けることができ、弱化部13の破断を防止することができる。
本実施例では、係合筒42の内周上部は、補強用のリブ45を設けることにより、係合筒42の上部が変形しないようにしているが、係合筒42に必要な強度が確保されていれば、リブ45は省略しても構わない。
側周壁41の下端部は、内周側に、キャップ本体Bの蓋係合部16と嵌合する係合凹部47が設けられ、係合凹部47の内側には、蓋係合部16の係止突条15と係合して閉蓋状態を維持する係止突部48が周設されている。
側周壁41の正面側(ヒンジCと反対側)の外周には、周方向に円弧状の指掛け部49が設けられている。
なお、本実施例のヒンジキャップは、使用前の不正開封を防止するために、図示していないが、キャップ本体Bと蓋体Dとの間にシュリンクラベルや封緘部材等が設けられている。
次に、本実施例の使用態様と作用効果について説明する。
本実施例のヒンジキャップは、金型を用いた射出成形によって一体成形で製造される。
例えば、移行部Eの上面側は、周囲の金型と中央の金型とで成形され、まず、周囲の金型から離型され、次いで中央の金型が離型され、その際、移行部Eの係合壁31の係合突条32がアンダーカットとなって上方に引っ張られるが、下面側の金型には、環状底壁30の下面内周にアンダーカット部35が形成されるように金型が形成されているので、移行部Eが上方に引っ張られるのを防ぎ、弱化部13の破断を防止することができる。
一体成形で製造された本実施例のヒンジキャップは、図2に示すように、開蓋した状態で得られ、蓋体DをヒンジCを介して回動して図1に示す閉蓋状態にセットされる。
その際、蓋体Dのシール筒43の下端部が注出筒12の上部に、また、係合筒42の係合突起44の下部が係合壁31の係合突条32の上部に当接するが、さらに上方からの負荷がかかって係合突起44と係合突条32とが係合する。このとき、移行部Eが下方に動いて弱化部13が破断しないように、移行部Eの環状底壁30と栓体34に押さえを設けておくことが好ましい。
また、シール筒43は、注出筒12に当接してシール部を形成する。
さらに、キャップ本体Bの蓋係合部16は、蓋体Dの係合凹部47と嵌合して、本実施例のヒンジキャップは閉蓋状態となる。
ヒンジキャップが閉蓋状態になった後、栓体34の下方から治具等で栓体34を上方に押し込んで、図3の2点鎖線で示すように、薄膜部33を反転させ、筒部37を挿入案内部38から係合筒42内に挿入すると、係合筒42内周に栓体34の筒部37外周が嵌合される。このとき、係合筒42内のリブ45は、栓体34の差し込み過ぎを防止するストッパーとしての機能も果たす。
これにより、移行部Eの係合壁31と蓋体Dの係合筒42との嵌合部の嵌合力を向上させることができる。
次に、閉蓋されたヒンジキャップは、内容液が充填された容器Aの口部1に打栓して装着される。
その際に、キャップ本体Bの内筒17の外周下部が容器Aの口部1内周上部に挿入されるとともに、外周壁部18内周と口部1外周が係合し、装着部10が口部1を挟持して装着される。
なお、本実施例では、装着部10は、内筒17の外周と外周壁部18の内周とによって容器Aの口部1を狭持するものとしたが、容器Aの口部1の外周に雄ねじを形成するとともに、外周壁部18の内周に雌ねじを形成することによって螺着するものであっても構わない。
本実施例のヒンジキャップは、頂壁40の下面には、シール筒43の外側に凹溝46が周設され、頂壁40の変形を緩和できるので、内容液が容器Aに熱充填された場合に、蓋体D内の空気が熱膨張しても圧力変化を吸収することができる。また、閉蓋した状態で、上方からの押圧力が加えられ、係合筒42によって移行部Eの環状底壁30の上部を押し込んで移行部Eを下降させてしまうことを防ぐことができ、弱化部13の破断を防止することができる。
さらに、本実施例のヒンジキャップは、キャップ本体Bの蓋係合部16と、蓋体Dの係止突部38による通常の係止に加えて、係合壁31と係合筒42とが強固に嵌合していることにより、蓋体D内の圧力が高まっても、凹溝46の効果と相まって、蓋体Dが開いてしまうことがない。
本発明のヒンジキャップを最初に使用する際には、蓋体Dを開蓋することによって、キャップ本体Bの注出筒12と移行部Eとの間の弱化部13を破断して抜栓することができる。
まず、蓋体Dの指掛け部49に手指を掛け、指掛け部49を持ち上げると、係合筒42の係合突起44と移行部Eの係合壁31の係合突条32とによる嵌合部が栓体34の挿入によって強く嵌合されているので、蓋体Dとともに移行部Eが持ち上げられ、それによって弱化部13が破断して、そのまま移行部Eが蓋体Dに移行する。
さらに、蓋体Dを持ち上げることにより、係合筒42とともに、シール筒43が持ち上げられて開蓋状態となり、注出筒12内の移行部Eの部分が開口部となって、容器A内の内容液の注出が可能となる。
また、内容液の使用後に、蓋体Dをキャップ本体Bに再び閉蓋することで、蓋体Dのシール筒43と注出筒12とでシール部が形成され、容器A内を再度密封することができ、繰り返し蓋体Dを開閉して使用することができる。
本実施例のヒンジキャップは、容器A内の内容液を全部使用した後、容器Aから分別して廃棄することができる。
その際には、ヒンジキャップを開蓋し、蓋体Dを指で把持して外方に引っ張ると、外周壁部18のヒンジCとの連設部位が引っ張られて変形し、外周切り込み部23に沿って縦方向引き裂きラインが破断され、さらに蓋体Dを引っ張ると、周方向引き裂きラインを形成する連結部27が破断を始める。
連結部27の破断が進行すると、蓋体Dがキャップ本体Bから離れていく。
その後、スリット溝25の終端部まで連結部27の切断が完了し、さらに蓋体Dを引っ張ると、蓋係合部16と外周壁部18とに一体に連結した終端連結部28が外側に引っ張られ、キャップ本体Bと容器Aとの嵌合が外され、ヒンジキャップと容器Aとを分別廃棄することができる。
次に、第1実施例の栓体34の構成を変更した第2実施例について、図4を参照して説明する。
以下、第1実施例と同一の構成部分には同一の符号を付し、栓体34における変更部分に新たな符号を付し、相違点を中心に説明する。
図4において、Bはキャップ本体、DはヒンジC(図示せず)を介してキャップ本体Bに開閉可能に取り付けられた蓋体、Eaはキャップ本体Bの開口予定部に設けられた移行部である。
移行部Eaは、弱化部13を介して注出筒12の下部内周と連結された環状底壁30と、環状底壁30の内縁から立設された係合壁31と、環状底壁30の内縁上部から反転可能な薄膜部33を介して連結された栓体51とを備え、環状底壁30には、内縁下端部から上方に拡径されたアンダーカット部35が設けられ、係合壁31の内周上部には、係合突条32が設けられている。
栓体51は、円盤状の底部52と、底部52の周縁部から立設され、外周先端部にテーパ状に縮径された挿入案内部54が形成され、挿入案内部54から連続する外周上部に縮径段部55が形成された筒部53とを有している。
栓体51は、蓋体Dをキャップ本体Bに対して閉蓋してセットする際に、筒部53を挿入案内部54から縮径段部55の順で押し込み、薄膜部33を反転させることにより、後述する係合筒42の内周に挿入するようになっている。
蓋体Dは、キャップ本体Bの上面を覆う頂壁40と、頂壁40の下面から係合筒42と、係合筒42の外側にシール筒43とが垂設され、係合筒42は、先端部が移行部Eaの係合壁31内に挿入され、係合壁31と嵌合部を形成するように、また、シール筒43は、外周がキャップ本体Bの注出筒12の内周に当接するようになっている。
係合筒42の外周下部には係合突起44が設けられ、閉蓋状態でキャップ本体Bに対してセットする際に、係合筒42は、係合突起44が係合壁31の内周上部の係合突条32と嵌合部を形成するが、図4に示すように、係合突起44と係合突条32との間に隙間sが形成されるとともに、内周に栓体51の筒部53が挿入される。
また、係合筒42の内周上部は、補強用のリブ45を設けることにより、係合筒42の上部が変形しないようにしている。
これにより、最初の開蓋時に移行部Eaは、蓋体Dとともに持ち上げられ、弱化部13を破断して、移行部Eaが蓋体Dに移行するようになっている。
次に、本実施例の使用態様と作用効果について説明する。
本実施例のヒンジキャップは、第1実施例と同様に、開蓋した状態で一体成形することにより得られ、蓋体DをヒンジC(図示せず)を介して回動して図4に示す閉蓋状態にセットされる。
本実施例では、係合筒42の係合突起44と係合壁31の係合突条32との嵌合部に隙間sが存在するので、閉蓋によるセット時の抵抗を軽減することができ、セット時に弱化部13が不用意に破断するのを防止できる。
また、シール筒43は、注出筒12に当接してシール部を形成する。
ヒンジキャップが閉蓋状態になった後、栓体51の下方から治具等で栓体51を上方に押し込んで、図4の2点鎖線で示すように、薄膜部33を反転させ、筒部53を挿入案内部54から縮径段部55の順に係合筒42内に挿入すると、栓体51の筒部53外周は、係合筒42の内周下部を押し広げ、それまで嵌合部に存在した隙間sを解消し、係合筒42の係合突起44と係合壁31の係合突条32とを嵌合させることができる。
本実施例のヒンジキャップは、筒部53には、挿入案内部54から連続する外周上部に縮径段部55が形成されているので、栓体51は、実施例1と比べて、係合筒42内に無理なく挿入することができる。
これにより、移行部Eaの係合壁31と蓋体Dの係合筒42との嵌合力を向上させることができる。
その他の作用効果は、実施例1と同じである。
次に、第1実施例の栓体34と係合筒42の構成を変更した第3実施例について、図5を参照して説明する。
以下、第1実施例と同一の構成部分には同一の符号を付し、栓体34と係合筒42における変更部分に新たな符号を付し、相違点を中心に説明する。
図5において、Bはキャップ本体、DaはヒンジC(図示せず)を介してキャップ本体Bに開閉可能に取り付けられた蓋体、Eaはキャップ本体Bの開口予定部に設けられた移行部である。
移行部Eaは、弱化部13を介して注出筒12の下部内周と連結された環状底壁30と、環状底壁30の内縁から立設された係合壁31と、環状底壁30の内縁上部から反転可能な薄膜部33を介して連結された栓体51とを備え、環状底壁30には、内縁下端部から上方に拡径されたアンダーカット部35が設けられ、係合壁31の内周上部には、係合突条32が設けられている。
栓体51は、円盤状の底部52と、底部52の周縁部から立設され、外周先端部にテーパ状に縮径された挿入案内部54が形成され、挿入案内部54から連続する外周上部に縮径段部55が形成された筒部53とを有している。
栓体51は、蓋体Daをキャップ本体Bに対して閉蓋してセットする際に、筒部53を挿入案内部54から縮径段部55の順で押し込み、薄膜部33を反転させることにより、後述する係合筒61の内周に挿入するようになっている。
蓋体Daは、キャップ本体Bの上面を覆う頂壁40と、頂壁40の下面から係合筒61と、係合筒61の外側にシール筒43とが垂設され、係合筒61は、先端部が移行部Eaの係合壁31内に挿入され、係合壁31と嵌合部を形成するように、また、シール筒43は、外周がキャップ本体Bの注出筒12の内周に当接するようになっている。
係合筒61は、外周下部に係合突起62が設けられ、内周下部に拡径薄肉部64が形成されている。閉蓋状態でキャップ本体Bに対してセットする際に、係合筒61は、係合突起62が係合壁31の内周上部の係合突条32と嵌合部を形成するが、図5に示すように、係合突起62と係合突条32との間に隙間sが形成されるとともに、内周に栓体51の筒部53が挿入される。
また、係合筒61の内周上部は、補強用のリブ63を設けることにより、係合筒61の上部が変形しないようにしている。
これにより、最初の開蓋時に移行部Eaは、蓋体Daとともに持ち上げられ、弱化部13を破断して、移行部Eaが蓋体Daに移行するようになっている。
次に、本実施例の使用態様と作用効果について説明する。
本実施例のヒンジキャップは、第1実施例と同様に、開蓋した状態で一体成形することにより得られ、蓋体DaをヒンジC(図示せず)を介して回動して図5に示す閉蓋状態にセットされる。
本実施例では、第2実施例と同様に、係合筒61の係合突起62と係合壁31の係合突条32との嵌合部に隙間sが存在するので、閉蓋によるセット時の抵抗を軽減することができ、セット時に弱化部13が破断するのを防止できる。
また、シール筒43は、注出筒12に当接してシール部を形成する。
ヒンジキャップが閉蓋状態になった後、栓体51の下方から治具等で栓体51を上方に押し込んで、図5の2点鎖線で示すように、薄膜部33を反転させ、筒部53を挿入案内部54から縮径段部55の順に係合筒61内に挿入すると、栓体51の筒部53外周は、係合筒61の拡径薄肉部64を押し広げ、それまで嵌合部に存在した隙間sを解消し、係合筒61の係合突起62と係合壁31の係合突条32とを嵌合されることができる。
本実施例のヒンジキャップは、筒部53には、挿入案内部54から連続する外周上部に縮径段部55が形成されるとともに、係合筒61の内周下部に拡径薄肉部64が形成されているので、栓体51は、実施例2と比べて、係合筒61内に無理なく挿入することができる。
これにより、移行部Eaの係合壁31と蓋体Daの係合筒61との嵌合力を向上させることができる。
その他の作用効果は、実施例1および2と同じである。
本発明のヒンジキャップは、ヒンジキャップをセットする閉蓋時は、移行部の係合壁と蓋体の係合筒との嵌合部に隙間があっても、隙間がなくても、移行部の栓体を蓋体の係合筒に挿入し、嵌合部の隙間を解消することにより、移行部の係合壁と蓋体の係合筒との嵌合力を向上させ、開封時に、蓋体の係合筒から移行部の係合壁が脱落するのを防止できるとともに、開蓋によって弱化部が破断され、容易に抜栓することができ、開口予定の弱化部を有するため密閉性に優れ、熱充填可能であり、気密性の必要な内容液を収納する容器用のヒンジキャップとして広い範囲に応用できる。
A 容器
B キャップ本体
C ヒンジ
D、Da 蓋体
E、Ea 移行部
s 隙間
1 口部
2 嵌合突条
10 装着部
11 基壁(壁部)
12 注出筒
13 弱化部
15 係止突条
16 蓋係合部
17 内筒
18 外周壁部
19 係合突部
23 外周切り込み部
23a 端面
24 薄肉底壁
25 スリット溝
26 底面
27 連結部
28 終端連結部
30 環状底壁
31 係合壁
32 係合突条
33 薄膜部
34、51 栓体
35 アンダーカット部
36、52 底部
37、53 筒部
38、54 挿入案内部
40 頂壁
41 側周壁
42、61 係合筒
43 シール筒
44、62 係合突起
45、63 リブ
46 凹溝
47 係合凹部
48 係止突部
49 指掛け部
55 縮径段部
64 拡径薄肉部

Claims (7)

  1. 容器の口部に装着されるキャップ本体と、ヒンジを介してキャップ本体に連設された蓋体とからなるヒンジキャップであって、
    キャップ本体は、容器の口部を封鎖する壁部から立設された注出筒と、注出筒に連設された移行部とを備え、
    蓋体は、頂壁と、頂壁の下面から垂設された係合筒とを備え、
    移行部は、破断可能な弱化部を介して注出筒と連結された環状底壁と、環状底壁から立設され、係合筒と嵌合部を形成可能な係合壁と、環状底壁から反転可能な薄膜部を介して連結された栓体とを備え、
    栓体は、蓋体が閉蓋された状態で、係合筒に挿入されることを特徴とするヒンジキャップ。
  2. 係合壁は、内周に形成された係合突条を有し、
    係合筒は、外周に形成された係合突起を有し、
    栓体は、薄膜部を介して環状底壁と連結された底部と、底部から立設され、係合筒に挿入される筒部とを有することを特徴とする請求項1に記載のヒンジキャップ。
  3. 筒部は、先端部に形成された挿入案内部を有することを特徴とする請求項2に記載のヒンジキャップ。
  4. 筒部は、外周上部に形成された縮径段部を有することを特徴とする請求項2または3に記載のヒンジキャップ。
  5. 係合筒は、内周下部に形成された拡径薄肉部を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のヒンジキャップ
  6. 係合筒は、内周上部に形成された変形防止用のリブを有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のヒンジキャップ。
  7. 係合筒と係合壁の嵌合部は、閉蓋時に隙間が形成されることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のヒンジキャップ。
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