JP2020100006A - 記録方法、インクセット、及び、印刷装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】印刷処理において過凝集の発生を抑制する。【解決手段】アニオン性の第1処理液を媒体に塗布する第1塗布工程と、媒体に塗布された第1処理液を乾燥させる第1乾燥工程と、第1乾燥工程の後に、カチオン性の第2処理液を媒体に塗布する第2塗布工程と、媒体に塗布された第2処理液を乾燥させる第2乾燥工程と、を備え、第2乾燥工程の処理時間は、第1乾燥工程の処理時間よりも長い、ことを特徴とする記録方法。【選択図】図2
Description
本発明は、記録方法、インクセット、及び、印刷装置に関する。
インクを媒体に付着させて媒体に画像を形成する印刷処理において、インクが媒体に付着した後、インク中の水分が乾燥するまでの間に、インク中の色材が拡散することによるインクの滲みが発生し、印刷画質が低下することがある。このようなインクの滲みによる印刷画質の低下を防止するために、インクを媒体に付着させる前に、インク中の色材を収縮させるための定着液を媒体に塗布することで、滲みの発生を防止する技術が知られている。例えば、特許文献1には、アニオン性のインクを媒体に付着させる前に、カチオン性の定着液を媒体に塗布することで、インクの滲みの発生を防止させる技術が記載されている。
しかし、従来の技術では、インクが媒体に付着した後、インク中の水分が乾燥するまでの間に、インク中の色材及び樹脂が定着液と反応して収縮することに起因して、媒体に形成すべき画像も収縮してしまう、過凝集と呼ばれる現象が発生する場合が存在した。
以上の課題を解決するために、本発明に係る記録方法は、アニオン性の第1処理液を媒体に塗布する第1塗布工程と、前記媒体に塗布された前記第1処理液を乾燥させる第1乾燥工程と、前記第1乾燥工程の後に、カチオン性の第2処理液を前記媒体に塗布する第2塗布工程と、前記媒体に塗布された前記第2処理液を乾燥させる第2乾燥工程と、を備え、前記第2乾燥工程の処理時間は、前記第1乾燥工程の処理時間よりも長い、ことを特徴とする。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。ただし、各図において、各部の寸法及び縮尺は、実際のものと適宜に異ならせてある。また、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。
<<A.実施形態>>
<<1.インクジェットプリンターの概要>>
本実施形態では、インクを吐出して記録媒体Pに画像を形成するインクジェットプリンター1を例示して、印刷装置を説明する。なお、本実施形態において、記録媒体Pとは「媒体」の一例である。
<<1.インクジェットプリンターの概要>>
本実施形態では、インクを吐出して記録媒体Pに画像を形成するインクジェットプリンター1を例示して、印刷装置を説明する。なお、本実施形態において、記録媒体Pとは「媒体」の一例である。
以下、図1及び図2を参照しつつ、本実施形態に係るインクジェットプリンター1の構成について説明する。図1は、インクジェットプリンター1の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。図2は、インクジェットプリンター1の断面構造の概要の一例を示す説明図である。
図1に例示するように、インクジェットプリンター1には、パーソナルコンピューターまたはデジタルカメラ等のホストコンピューターから、インクジェットプリンター1が形成すべき画像を示す印刷データImgが供給される。インクジェットプリンター1は、ホストコンピューターから供給される印刷データImgの示す画像を記録媒体Pに形成する印刷処理を実行する。
図1に例示するように、インクジェットプリンター1には、パーソナルコンピューターまたはデジタルカメラ等のホストコンピューターから、インクジェットプリンター1が形成すべき画像を示す印刷データImgが供給される。インクジェットプリンター1は、ホストコンピューターから供給される印刷データImgの示す画像を記録媒体Pに形成する印刷処理を実行する。
インクジェットプリンター1は、図1に例示するように、インクジェットプリンター1の各部を制御する制御ユニット10と、記録媒体Pにインクを付着させて記録媒体Pに画像を形成する印刷処理を実行する印刷ユニット50と、記録媒体Pに対して前処理液Qqを塗布する前処理液塗布処理を実行する前処理液塗布ユニット60と、記録媒体Pに対して反応液Qrを塗布する反応液塗布処理を実行する反応液塗布ユニット70と、印刷処理において記録媒体Pに塗布されたインクを乾燥させるインク乾燥処理を実行するインク乾燥ユニット81と、前処理液塗布処理において記録媒体Pに塗布された前処理液Qqを乾燥させる前処理液乾燥処理を実行する前処理液乾燥ユニット82と、反応液塗布処理において記録媒体Pに塗布された反応液Qrを乾燥させる反応液乾燥処理を実行する反応液乾燥ユニット83と、を備える。なお、以下では、印刷処理に先立って行われる処理である、前処理液塗布処理、前処理液乾燥処理、反応液塗布処理、及び、反応液乾燥処理を、事前処理と称する場合がある。また、以下では、印刷処理及び事前処理を、画像形成処理と称する場合がある。
また、インクジェットプリンター1は、図1に例示するように、画像形成処理が実行される際に記録媒体Pを印刷ユニット50に搬送する媒体搬送ユニット30と、画像形成処理が実行される際に記録媒体Pを媒体搬送ユニット30に供給する媒体供給ユニット20と、印刷処理が実行され画像が形成された記録媒体Pを受領する媒体受領ユニット40と、を備える。
また、インクジェットプリンター1は、図1に例示するように、画像形成処理が実行される際に記録媒体Pを印刷ユニット50に搬送する媒体搬送ユニット30と、画像形成処理が実行される際に記録媒体Pを媒体搬送ユニット30に供給する媒体供給ユニット20と、印刷処理が実行され画像が形成された記録媒体Pを受領する媒体受領ユニット40と、を備える。
本実施形態では、図2に示すように、インクジェットプリンター1が、記録媒体Pを+Y方向に搬送しつつ、画像形成処理を実行する場合を、一例として想定する。以下では、インクジェットプリンター1が画像形成処理を実行する際に、インクジェットプリンター1が記録媒体Pを搬送する経路を、搬送経路と称する。なお、本実施形態では、搬送経路が、+Y方向に進む直線状の経路である場合を一例として想定するが、搬送経路は、曲線状の経路であってもよいし、折線状の経路であってもよい。
また、本実施形態では、図2に示すように、記録媒体Pが、長尺状の巻取り可能な媒体である場合を、一例として想定する。より具体的には、本実施形態では、搬送経路の進行方向における記録媒体Pの長さが、搬送経路の経路長よりも長い場合を想定する。但し、記録媒体Pは例えば板紙のような長方形状のシートでもよいし、または、プラスチックの基板、セラミックの基板、若しくは、ガラスの基板でもよい。
また、本実施形態では、図2に示すように、記録媒体Pが、長尺状の巻取り可能な媒体である場合を、一例として想定する。より具体的には、本実施形態では、搬送経路の進行方向における記録媒体Pの長さが、搬送経路の経路長よりも長い場合を想定する。但し、記録媒体Pは例えば板紙のような長方形状のシートでもよいし、または、プラスチックの基板、セラミックの基板、若しくは、ガラスの基板でもよい。
制御ユニット10は、例えば、CPUを含んで構成され、インクジェットプリンター1の各部を制御する。なお、制御ユニット10は、CPUの代わりに、または、CPUに加えて、FPGA等のプログラマブルロジックデバイス、または、アナログ回路等を備えていてもよい。
媒体搬送ユニット30は、記録媒体Pに対する画像形成処理が実行される場合に、記録媒体Pを速度Mvで+Y方向に搬送する。具体的には、媒体搬送ユニット30は、制御ユニット10による制御に基づいて回転駆動する搬送ローラー31、32、及び、33を備える。そして、制御ユニット10は、記録媒体Pに対する画像形成処理が実行される場合に、記録媒体Pが速度Mvで+Y方向に移動するように、搬送ローラー31、32、及び、33を回転駆動する。なお、本実施形態において、速度Mvは、30m/分以上、300m/分以下であることが好ましく、50m/分以上、200m/分以下であることがより好ましい。
媒体供給ユニット20は、記録媒体Pをロール状に巻き取った状態で収納する。そして、媒体供給ユニット20は、記録媒体Pに対する画像形成処理が実行される場合に、記録媒体Pを媒体搬送ユニット30に供給する。具体的には、媒体供給ユニット20は、記録媒体Pに対する画像形成処理が実行される場合に、制御ユニット10による制御に基づいて回転駆動し、記録媒体Pを媒体搬送ユニット30に供給する。
但し、媒体供給ユニット20は、本実施形態のような態様に限定されるものではない。例えば、媒体供給ユニット20は、+Y方向に交差する+X方向に延在するX軸周りに回転自在であって、搬送ローラー31、32、及び、33の回転駆動に応じて、ロール状に巻き取った状態で収納している記録媒体Pが引き出される構成であってもよい。また、媒体供給ユニット20は、記録媒体Pが板紙の場合において、記録媒体Pを1枚ずつ媒体搬送ユニット30に供給する形態であってもよい。また、媒体供給ユニット20は、記録媒体Pから静電気を除去するための静電気除去ユニットを備えてもよいし、記録媒体Pの濡れ性を制御するためにコロナ処理ユニットを備えてもよい。
但し、媒体供給ユニット20は、本実施形態のような態様に限定されるものではない。例えば、媒体供給ユニット20は、+Y方向に交差する+X方向に延在するX軸周りに回転自在であって、搬送ローラー31、32、及び、33の回転駆動に応じて、ロール状に巻き取った状態で収納している記録媒体Pが引き出される構成であってもよい。また、媒体供給ユニット20は、記録媒体Pが板紙の場合において、記録媒体Pを1枚ずつ媒体搬送ユニット30に供給する形態であってもよい。また、媒体供給ユニット20は、記録媒体Pから静電気を除去するための静電気除去ユニットを備えてもよいし、記録媒体Pの濡れ性を制御するためにコロナ処理ユニットを備えてもよい。
媒体受領ユニット40は、媒体搬送ユニット30から受領した記録媒体Pを、ロール状に巻き取った状態で収納する。具体的には、媒体受領ユニット40は、記録媒体Pに対する印刷処理が実行される場合に、制御ユニット10による制御に基づいて回転駆動し、記録媒体Pを媒体搬送ユニット30から受領する。なお、記録媒体Pに形成された画像が記録媒体Pのうち画像の形成を予定していない場所等に付着する「裏移り」、及び、ロール状に巻き取られた記録媒体P同士が張り付く「ブロッキング」、といった不都合の発生を防止するため、インクジェットプリンター1には、媒体受領ユニット40の周辺の湿度を制御する湿度制御手段が設けられていてもよい。具体的には、インクジェットプリンター1は、例えば、媒体受領ユニット40を覆う外装と、当該外装の内部の湿度を制御する湿度制御手段と、を備えてもよい。
印刷ユニット50は、搬送経路に沿って設けられたプラテン53と、プラテン53上を搬送されている記録媒体Pに対してカラーインクを吐出するカラーインク吐出ヘッド51と、プラテン53上を搬送されている記録媒体Pに対してホワイトインクを吐出するホワイトインク吐出ヘッド52と、を備える。
本実施形態では、カラーインク吐出ヘッド51から吐出されるカラーインクが、シアンインク、マゼンタインク、イエローインク、及び、ブラックインクの、4色のインクを含む場合を、一例として想定する。そして、本実施形態において、カラーインク吐出ヘッド51は、シアンインクを吐出する複数のシアン吐出部D-Cが+X方向に並ぶように配置されたシアンノズル列NL-Cと、マゼンタインクを吐出する複数のマゼンタ吐出部D-Mが+X方向に並ぶように配置されたマゼンタノズル列NL-Mと、イエローインクを吐出する複数のイエロー吐出部D-Yが+X方向に並ぶように配置されたイエローノズル列NL-Yと、ブラックインクを吐出する複数のブラック吐出部D-Kが+X方向に並ぶように配置されたブラックノズル列NL-Kと、を備える。
また、本実施形態において、ホワイトインク吐出ヘッド52は、ホワイトインクを吐出する複数のホワイト吐出部D-W1が+X方向に並ぶように配置されたホワイトノズル列NL-W1と、ホワイトインクを吐出する複数のホワイト吐出部D-W2がホワイトノズル列NL-W1よりも+Y側において+X方向に並ぶように配置されたホワイトノズル列NL-W2と、を備える。このように、本実施形態では、ホワイトインクに対応するノズル列の列数を、各色のカラーインクに対応するノズル列の列数の2倍にすることで、隠蔽性が必要な白の濃度を確保することができる。なお、本実施形態では、記録媒体Pに対して、先にカラーインク、後からホワイトインクを印刷し、完成した画像を、記録媒体Pの裏面、すなわち、記録媒体Pのうちインクが付着する面とは反対側の面より観察することを予定した構成である「裏刷り」を想定する。但し、当該構成は一例であり、用途によっては、記録媒体Pに対して、カラーインクよりも前にホワイトインクを印刷する「表刷り」を採用してもよいし、記録媒体Pに対して、ホワイトインク無しでカラーインクのみを印刷する態様を採用してもよい。
本実施形態では、カラーインク吐出ヘッド51から吐出されるカラーインクが、シアンインク、マゼンタインク、イエローインク、及び、ブラックインクの、4色のインクを含む場合を、一例として想定する。そして、本実施形態において、カラーインク吐出ヘッド51は、シアンインクを吐出する複数のシアン吐出部D-Cが+X方向に並ぶように配置されたシアンノズル列NL-Cと、マゼンタインクを吐出する複数のマゼンタ吐出部D-Mが+X方向に並ぶように配置されたマゼンタノズル列NL-Mと、イエローインクを吐出する複数のイエロー吐出部D-Yが+X方向に並ぶように配置されたイエローノズル列NL-Yと、ブラックインクを吐出する複数のブラック吐出部D-Kが+X方向に並ぶように配置されたブラックノズル列NL-Kと、を備える。
また、本実施形態において、ホワイトインク吐出ヘッド52は、ホワイトインクを吐出する複数のホワイト吐出部D-W1が+X方向に並ぶように配置されたホワイトノズル列NL-W1と、ホワイトインクを吐出する複数のホワイト吐出部D-W2がホワイトノズル列NL-W1よりも+Y側において+X方向に並ぶように配置されたホワイトノズル列NL-W2と、を備える。このように、本実施形態では、ホワイトインクに対応するノズル列の列数を、各色のカラーインクに対応するノズル列の列数の2倍にすることで、隠蔽性が必要な白の濃度を確保することができる。なお、本実施形態では、記録媒体Pに対して、先にカラーインク、後からホワイトインクを印刷し、完成した画像を、記録媒体Pの裏面、すなわち、記録媒体Pのうちインクが付着する面とは反対側の面より観察することを予定した構成である「裏刷り」を想定する。但し、当該構成は一例であり、用途によっては、記録媒体Pに対して、カラーインクよりも前にホワイトインクを印刷する「表刷り」を採用してもよいし、記録媒体Pに対して、ホワイトインク無しでカラーインクのみを印刷する態様を採用してもよい。
以下では、シアン吐出部D-C、マゼンタ吐出部D-M、イエロー吐出部D-Y、ブラック吐出部D-K、ホワイト吐出部D-W1、及び、ホワイト吐出部D-W2を、インク吐出部D-INと総称する場合がある。また、以下では、シアンノズル列NL-C、マゼンタノズル列NL-M、イエローノズル列NL-Y、ブラックノズル列NL-K、ホワイトノズル列NL-W1、及び、ホワイトノズル列NL-W2を、インクノズル列NL-INと総称する場合がある。
印刷ユニット50は、記録媒体Pに対する印刷処理が実行される場合、制御ユニット10による制御に基づいて、記録媒体Pに対して印刷データImgの示す画像が形成されるように、インク吐出部D-INからインクを吐出させる。なお、本実施形態では、各インクノズル列NL-INの+X方向の幅が、記録媒体Pの+X方向の幅以上となるように、各インクノズル列NL-INが設けられている場合を想定する。このため、本実施形態に係るインクジェットプリンター1は、各色のカラーインクを、+Y方向に搬送される記録媒体Pの全体に吐出することができる。
印刷ユニット50は、記録媒体Pに対する印刷処理が実行される場合、制御ユニット10による制御に基づいて、記録媒体Pに対して印刷データImgの示す画像が形成されるように、インク吐出部D-INからインクを吐出させる。なお、本実施形態では、各インクノズル列NL-INの+X方向の幅が、記録媒体Pの+X方向の幅以上となるように、各インクノズル列NL-INが設けられている場合を想定する。このため、本実施形態に係るインクジェットプリンター1は、各色のカラーインクを、+Y方向に搬送される記録媒体Pの全体に吐出することができる。
図2に示すように、印刷ユニット50と媒体受領ユニット40の間には、インク乾燥ユニット81が設けられる。
インク乾燥ユニット81は、搬送経路に沿って搬送される記録媒体Pを支える支持部812と、支持部812上を搬送されている記録媒体Pに対して風Waを当てる送風部811と、を備える。送風部811は、インク乾燥処理において、制御ユニット10による制御に基づいて、支持部812上を搬送されている記録媒体Pに対して、温度Taで風速Vaの風Waを吹き付けることで、記録媒体Pに付着したインクを乾燥させる。
なお、本実施形態では、インク乾燥ユニット81は、温度Taの風Waを記録媒体Pに吹きかけることで、記録媒体Pに付着したインクを乾燥させているが、インク乾燥ユニット81は、このような態様に限定されるものではない。例えば、インク乾燥ユニット81は、図示省略した赤外線ヒーターを備え、当該赤外線ヒーターによる輻射熱により、記録媒体Pの表面の温度を温度Taとすることで、記録媒体Pに付着したインクを乾燥させてもよい。また、例えば、インク乾燥ユニット81は、図示省略したマイクロ波照射器を備え、当該マイクロ波照射器から照射されるマイクロ波により、記録媒体Pに付着したインクを乾燥させてもよい。また、インク乾燥ユニット81は、送風部811、赤外線ヒーター、及び、マイクロ波照射機の、一部または前部を組み合わせて、記録媒体Pに付着したインクを乾燥させてもよい。
インク乾燥ユニット81は、搬送経路に沿って搬送される記録媒体Pを支える支持部812と、支持部812上を搬送されている記録媒体Pに対して風Waを当てる送風部811と、を備える。送風部811は、インク乾燥処理において、制御ユニット10による制御に基づいて、支持部812上を搬送されている記録媒体Pに対して、温度Taで風速Vaの風Waを吹き付けることで、記録媒体Pに付着したインクを乾燥させる。
なお、本実施形態では、インク乾燥ユニット81は、温度Taの風Waを記録媒体Pに吹きかけることで、記録媒体Pに付着したインクを乾燥させているが、インク乾燥ユニット81は、このような態様に限定されるものではない。例えば、インク乾燥ユニット81は、図示省略した赤外線ヒーターを備え、当該赤外線ヒーターによる輻射熱により、記録媒体Pの表面の温度を温度Taとすることで、記録媒体Pに付着したインクを乾燥させてもよい。また、例えば、インク乾燥ユニット81は、図示省略したマイクロ波照射器を備え、当該マイクロ波照射器から照射されるマイクロ波により、記録媒体Pに付着したインクを乾燥させてもよい。また、インク乾燥ユニット81は、送風部811、赤外線ヒーター、及び、マイクロ波照射機の、一部または前部を組み合わせて、記録媒体Pに付着したインクを乾燥させてもよい。
図2に示すように、印刷ユニット50と媒体供給ユニット20の間には、前処理液塗布ユニット60が設けられる。
前処理液塗布ユニット60は、搬送経路に沿って設けられたプラテン62と、プラテン62上を搬送されている記録媒体Pに対して前処理液Qqを吐出する前処理液吐出ヘッド61と、を備える。前処理液吐出ヘッド61は、前処理液Qqを吐出する複数の前処理液吐出部D-Qが+X方向に並ぶように配置された、前処理液ノズル列NL-Qを備える。前処理液吐出ヘッド61は、記録媒体Pに対する画像形成処理が実行される場合、制御ユニット10による制御に基づいて、記録媒体Pに対して、前処理液Qqが塗布されるように、各前処理液吐出部D-Qから前処理液Qqを吐出する。
前処理液塗布ユニット60は、搬送経路に沿って設けられたプラテン62と、プラテン62上を搬送されている記録媒体Pに対して前処理液Qqを吐出する前処理液吐出ヘッド61と、を備える。前処理液吐出ヘッド61は、前処理液Qqを吐出する複数の前処理液吐出部D-Qが+X方向に並ぶように配置された、前処理液ノズル列NL-Qを備える。前処理液吐出ヘッド61は、記録媒体Pに対する画像形成処理が実行される場合、制御ユニット10による制御に基づいて、記録媒体Pに対して、前処理液Qqが塗布されるように、各前処理液吐出部D-Qから前処理液Qqを吐出する。
図2に示すように、前処理液塗布ユニット60の+Y側には、前処理液乾燥ユニット82が設けられる。
前処理液乾燥ユニット82は、搬送経路に沿って搬送される記録媒体Pを支える支持部822と、支持部822上を搬送されている記録媒体Pに対して風Wbを当てる送風部821と、を備える。送風部821は、前処理液乾燥処理において、制御ユニット10による制御に基づいて、支持部822上を搬送されている記録媒体Pに対して、温度Tbで風速Vbの風Wbを吹き付けることで、記録媒体Pに付着した前処理液Qqを乾燥させる。
なお、本実施形態では、前処理液乾燥ユニット82は、温度Tbの風Wbを記録媒体Pに吹きかけることで、記録媒体Pに付着した前処理液Qqを乾燥させているが、前処理液乾燥ユニット82は、このような態様に限定されるものではない。例えば、前処理液乾燥ユニット82は、赤外線ヒーターによる輻射熱、または、マイクロ波照射器から照射されるマイクロ波により、記録媒体Pの表面の温度を温度Tbとすることで、記録媒体Pに付着した前処理液Qqを乾燥させてもよい。また、これらの方式を組み合わせて用いてもよい。
前処理液乾燥ユニット82は、搬送経路に沿って搬送される記録媒体Pを支える支持部822と、支持部822上を搬送されている記録媒体Pに対して風Wbを当てる送風部821と、を備える。送風部821は、前処理液乾燥処理において、制御ユニット10による制御に基づいて、支持部822上を搬送されている記録媒体Pに対して、温度Tbで風速Vbの風Wbを吹き付けることで、記録媒体Pに付着した前処理液Qqを乾燥させる。
なお、本実施形態では、前処理液乾燥ユニット82は、温度Tbの風Wbを記録媒体Pに吹きかけることで、記録媒体Pに付着した前処理液Qqを乾燥させているが、前処理液乾燥ユニット82は、このような態様に限定されるものではない。例えば、前処理液乾燥ユニット82は、赤外線ヒーターによる輻射熱、または、マイクロ波照射器から照射されるマイクロ波により、記録媒体Pの表面の温度を温度Tbとすることで、記録媒体Pに付着した前処理液Qqを乾燥させてもよい。また、これらの方式を組み合わせて用いてもよい。
図2に示すように、前処理液乾燥ユニット82の+Y側には、反応液塗布ユニット70が設けられる。
反応液塗布ユニット70は、搬送経路に沿って設けられたプラテン72と、プラテン72上を搬送されている記録媒体Pに対して反応液Qrを吐出する反応液吐出ヘッド71と、を備える。反応液吐出ヘッド71は、反応液Qrを吐出する複数の反応液吐出部D-Rが+X方向に並ぶように配置された、反応液ノズル列NL-Rを備える。反応液吐出ヘッド71は、記録媒体Pに対する画像形成処理が実行される場合、制御ユニット10による制御に基づいて、記録媒体Pに対して、反応液Qrが塗布されるように、反応液吐出部D-Rから反応液Qrを吐出する。
反応液塗布ユニット70は、搬送経路に沿って設けられたプラテン72と、プラテン72上を搬送されている記録媒体Pに対して反応液Qrを吐出する反応液吐出ヘッド71と、を備える。反応液吐出ヘッド71は、反応液Qrを吐出する複数の反応液吐出部D-Rが+X方向に並ぶように配置された、反応液ノズル列NL-Rを備える。反応液吐出ヘッド71は、記録媒体Pに対する画像形成処理が実行される場合、制御ユニット10による制御に基づいて、記録媒体Pに対して、反応液Qrが塗布されるように、反応液吐出部D-Rから反応液Qrを吐出する。
図2に示すように、反応液塗布ユニット70の+Y側であって、印刷ユニット50の−Y側には、反応液乾燥ユニット83が設けられる。
反応液乾燥ユニット83は、搬送経路に沿って搬送される記録媒体Pを支える支持部832と、支持部832上を搬送されている記録媒体Pに対して風Wcを当てる送風部831と、を備える。送風部831は、反応液乾燥処理において、制御ユニット10による制御に基づいて、支持部832上を搬送されている記録媒体Pに対して、温度Tcで風速Vcの風Wcを吹き付けることで、記録媒体Pに付着した反応液Qrを乾燥させる。
なお、本実施形態では、反応液乾燥ユニット83は、温度Tcの風Wcを記録媒体Pに吹きかけることで、記録媒体Pに付着した反応液Qrを乾燥させているが、反応液乾燥ユニット83は、このような態様に限定されるものではない。例えば、反応液乾燥ユニット83は、赤外線ヒーターによる輻射熱、または、マイクロ波照射器から照射されるマイクロ波により、記録媒体Pの表面の温度を温度Tcとすることで、記録媒体Pに付着した反応液Qrを乾燥させてもよい。また、これらの方式を組み合わせて用いてもよい。
反応液乾燥ユニット83は、搬送経路に沿って搬送される記録媒体Pを支える支持部832と、支持部832上を搬送されている記録媒体Pに対して風Wcを当てる送風部831と、を備える。送風部831は、反応液乾燥処理において、制御ユニット10による制御に基づいて、支持部832上を搬送されている記録媒体Pに対して、温度Tcで風速Vcの風Wcを吹き付けることで、記録媒体Pに付着した反応液Qrを乾燥させる。
なお、本実施形態では、反応液乾燥ユニット83は、温度Tcの風Wcを記録媒体Pに吹きかけることで、記録媒体Pに付着した反応液Qrを乾燥させているが、反応液乾燥ユニット83は、このような態様に限定されるものではない。例えば、反応液乾燥ユニット83は、赤外線ヒーターによる輻射熱、または、マイクロ波照射器から照射されるマイクロ波により、記録媒体Pの表面の温度を温度Tcとすることで、記録媒体Pに付着した反応液Qrを乾燥させてもよい。また、これらの方式を組み合わせて用いてもよい。
以下では、前処理液吐出部D-Q及び反応液吐出部D-Rを、処理液吐出部D-SHと総称する場合がある。そして、以下では、インク吐出部D-IN及び処理液吐出部D-SHを、吐出部Dと総称する場合がある。本実施形態において、吐出部Dは、インクジェット方式によりインク等の液体を吐出する。また、以下では、前処理液ノズル列NL-Q及び反応液ノズル列NL-Rを、処理液ノズル列NL-SHと総称する場合がある。そして、以下では、インクノズル列NL-IN及び処理液ノズル列NL-SHを、ノズル列NLと総称する場合がある。
上述のとおり、本実施形態では、ノズル列NLが+X方向に延在する場合を想定している。但し、本実施形態に係る態様は一例であり、ノズル列NLは、+Y方向に交差する方向において、記録媒体Pよりも広い範囲に延在していればよい。すなわち、本実施形態において、カラーインク吐出ヘッド51、ホワイトインク吐出ヘッド52、前処理液吐出ヘッド61、及び、反応液吐出ヘッド71は、所謂、ライン型のインクジェットヘッドである。カラーインク吐出ヘッド51、ホワイトインク吐出ヘッド52、前処理液吐出ヘッド61、及び、反応液吐出ヘッド71に、ライン型のインクジェットヘッドを採用することで、印刷速度が50m/分〜300m/分といった、高速印刷が可能となる。なお、高速印刷が要求されない用途等では、吐出ヘッドを記録媒体Pの搬送方向と直行する方向、例えば、図2における+X方向と、+X方向とは反対の−X方向とに往復動させながら画像を形成する、いわゆるシリアル型あるいはマルチパス型の構成としてもよい。
上述のとおり、本実施形態では、ノズル列NLが+X方向に延在する場合を想定している。但し、本実施形態に係る態様は一例であり、ノズル列NLは、+Y方向に交差する方向において、記録媒体Pよりも広い範囲に延在していればよい。すなわち、本実施形態において、カラーインク吐出ヘッド51、ホワイトインク吐出ヘッド52、前処理液吐出ヘッド61、及び、反応液吐出ヘッド71は、所謂、ライン型のインクジェットヘッドである。カラーインク吐出ヘッド51、ホワイトインク吐出ヘッド52、前処理液吐出ヘッド61、及び、反応液吐出ヘッド71に、ライン型のインクジェットヘッドを採用することで、印刷速度が50m/分〜300m/分といった、高速印刷が可能となる。なお、高速印刷が要求されない用途等では、吐出ヘッドを記録媒体Pの搬送方向と直行する方向、例えば、図2における+X方向と、+X方向とは反対の−X方向とに往復動させながら画像を形成する、いわゆるシリアル型あるいはマルチパス型の構成としてもよい。
なお、本実施形態において、インクジェットプリンター1は、以下の蒸発速度要件が充足されるように、画像形成処理を実行する。ここで、蒸発速度要件とは、以下に示す条件α1及び条件α2が成立することである。
<条件α1>
反応液乾燥処理における反応液Qrの溶媒の蒸発速度が、前処理液乾燥処理における前処理液Qqの溶媒の蒸発速度よりも遅い。
<条件α2>
反応液乾燥処理における反応液Qrの溶媒の蒸発速度が、インク乾燥処理におけるインクの溶媒の蒸発速度よりも遅い。
<条件α1>
反応液乾燥処理における反応液Qrの溶媒の蒸発速度が、前処理液乾燥処理における前処理液Qqの溶媒の蒸発速度よりも遅い。
<条件α2>
反応液乾燥処理における反応液Qrの溶媒の蒸発速度が、インク乾燥処理におけるインクの溶媒の蒸発速度よりも遅い。
そして、本実施形態に係るインクジェットプリンター1は、蒸発速度要件を充足するために、以下に示す条件β1〜β6が充足されるように、画像形成処理を実行する。
<条件β1>
反応液乾燥処理の処理時間が、前処理液乾燥処理の処理時間よりも長い。
<条件β2>
反応液乾燥処理における風Wcの風速Vcが、前処理液乾燥処理における風Wbの風速Vbよりも遅い。
<条件β3>
反応液乾燥処理における風Wcの温度Tcが、前処理液乾燥処理における風Wbの温度Tbよりも低い。
<条件β4>
反応液乾燥処理の処理時間が、インク乾燥処理の処理時間よりも長い。
<条件β5>
反応液乾燥処理における風Wcの風速Vcが、インク乾燥処理における風Waの風速Vaよりも遅い。
<条件β6>
反応液乾燥処理における風Wcの温度Tcが、インク乾燥処理における風Waの温度Taよりも低い。
<条件β1>
反応液乾燥処理の処理時間が、前処理液乾燥処理の処理時間よりも長い。
<条件β2>
反応液乾燥処理における風Wcの風速Vcが、前処理液乾燥処理における風Wbの風速Vbよりも遅い。
<条件β3>
反応液乾燥処理における風Wcの温度Tcが、前処理液乾燥処理における風Wbの温度Tbよりも低い。
<条件β4>
反応液乾燥処理の処理時間が、インク乾燥処理の処理時間よりも長い。
<条件β5>
反応液乾燥処理における風Wcの風速Vcが、インク乾燥処理における風Waの風速Vaよりも遅い。
<条件β6>
反応液乾燥処理における風Wcの温度Tcが、インク乾燥処理における風Waの温度Taよりも低い。
なお、本実施形態では、記録媒体Pが+Y方向に速度Mvで搬送されるため、条件β1は、以下の条件β1aと表現することもでき、条件β4は、以下の条件β4aと表現することもできる。
<条件β1a>
反応液乾燥ユニット83の+Y方向の長さLcが、前処理液乾燥ユニット82の+Y方向の長さLbよりも長い。
<条件β4a>
反応液乾燥ユニット83の+Y方向の長さLcが、インク乾燥ユニット81の+Y方向の長さLaよりも長い。
<条件β1a>
反応液乾燥ユニット83の+Y方向の長さLcが、前処理液乾燥ユニット82の+Y方向の長さLbよりも長い。
<条件β4a>
反応液乾燥ユニット83の+Y方向の長さLcが、インク乾燥ユニット81の+Y方向の長さLaよりも長い。
<<2.画像形成処理の概要>>
以下、図3乃至図10を参照しつつ、本実施形態に係る画像形成処理の概要について説明する。
以下、図3乃至図10を参照しつつ、本実施形態に係る画像形成処理の概要について説明する。
図3は、画像形成処理のうち前処理液塗布処理が実行される場合における記録媒体Pの様子を示す図である。上述のとおり、インクジェットプリンター1は、画像形成処理の中で、まず、前処理液塗布ユニット60により、記録媒体Pに対して前処理液Qqを塗布する前処理液塗布処理を実行する。ここで、画像形成処理における全工程のうち、前処理液塗布処理が実行される工程は、「第1塗布工程」の一例である。また、第1塗布工程を実行する前処理液塗布ユニット60は、「第1塗布ユニット」の一例である。
本実施形態では、記録媒体Pとして、ポリエリレンテレフタレートフィルム、二軸延伸ポリプロピレンフィルム、または、二軸延伸ナイロンフィルム等の、透明性を有する樹脂フィルムを採用する。
また、本実施形態では、前処理液Qqとして、アニオン性の溶液を採用する。具体的には、本実施形態では、例えば、前処理液Qqとして、アニオン性の水溶性樹脂と、水と、有機溶剤とを含む溶液を採用する。より具体的には、本実施形態では、アニオン性の水溶性樹脂として、カルボキシル基、または、スルホン基等の、親水性アニオン基を有する樹脂を採用する。例えば、アニオン性の水溶性樹脂として、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、ビニル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、または、ポリエステル系樹脂等を採用してもよい。以下では、アニオン性の水溶性樹脂として、スチレン−アクリル系樹脂を採用する場合を例示して説明する。
なお、前処理液Qqに含まれる有機溶剤としては、例えば、グリコールエーテル類溶剤、1,2−アルキルジオール類溶剤、もしくは、直鎖炭化水素ジオール類溶剤、または、これらの一部または全部を混合した溶剤を採用してもよい。また、前処理液Qqには、上述した成分の他に、PH調整剤、界面活性剤、及び、キレート剤の一部または全部を付加してもよい。
また、本実施形態では、前処理液Qqとして、アニオン性の溶液を採用する。具体的には、本実施形態では、例えば、前処理液Qqとして、アニオン性の水溶性樹脂と、水と、有機溶剤とを含む溶液を採用する。より具体的には、本実施形態では、アニオン性の水溶性樹脂として、カルボキシル基、または、スルホン基等の、親水性アニオン基を有する樹脂を採用する。例えば、アニオン性の水溶性樹脂として、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、ビニル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、または、ポリエステル系樹脂等を採用してもよい。以下では、アニオン性の水溶性樹脂として、スチレン−アクリル系樹脂を採用する場合を例示して説明する。
なお、前処理液Qqに含まれる有機溶剤としては、例えば、グリコールエーテル類溶剤、1,2−アルキルジオール類溶剤、もしくは、直鎖炭化水素ジオール類溶剤、または、これらの一部または全部を混合した溶剤を採用してもよい。また、前処理液Qqには、上述した成分の他に、PH調整剤、界面活性剤、及び、キレート剤の一部または全部を付加してもよい。
図4は、画像形成処理のうち前処理液乾燥処理が実行される場合における記録媒体Pの様子を示す図である。上述のとおり、インクジェットプリンター1は、画像形成処理の中で、前処理液塗布処理の次に、前処理液乾燥ユニット82により、記録媒体Pに塗布された前処理液Qqを乾燥させる前処理液乾燥処理を実行する。前処理液乾燥処理では、前処理液Qqが乾燥して、前処理液Qqに含まれるアニオン性の水溶性樹脂が、記録媒体Pに膜化して定着した定着層Q0が形成される。前処理液乾燥処理は、インクジェットプリンター1のコストの低減、及び、インクジェットプリンター1のサイズの低減のために、記録媒体Pが熱などで変形しない範囲でなるべく速やかに行うことが好ましい。ここで、画像形成処理における全工程のうち、前処理液乾燥処理が実行される工程は、「第1乾燥工程」の一例である。また、第1乾燥工程を実行する前処理液乾燥ユニット82は、「第1乾燥ユニット」の一例である。
図5は、画像形成処理のうち反応液塗布処理が実行される場合における記録媒体Pの様子を示す図である。上述のとおり、インクジェットプリンター1は、画像形成処理の中で、前処理液乾燥処理の次に、反応液塗布ユニット70により、記録媒体Pに対して反応液Qrを塗布する反応液塗布処理を実行する。ここで、画像形成処理における全工程のうち、反応液塗布処理が実行される工程は、「第2塗布工程」の一例である。また、第2塗布工程を実行する反応液塗布ユニット70は、「第2塗布ユニット」の一例である。
本実施形態では、反応液Qrとして、カチオン性の溶液を採用する。具体的には、本実施形態では、例えば、反応液Qrとして、多価金属塩と、水と、有機溶剤とを含む溶液を採用する。より具体的には、本実施形態では、例えば、多価金属塩として、カルシウム塩を採用する。例えば、多価金属塩として、塩化カルシウム、または、酢酸カルシウム等を採用してもよい。本実施形態では、多価金属塩としてカルシウム塩を採用するため、例えば、多価金属塩としてマグネシウム塩を採用する態様と比較して、前処理液Qq及び反応液Qrの反応性を高くすることができ、印刷速度を高めることができる。また、本実施形態では、多価金属塩としてカルシウム塩を採用するため、例えば、多価金属塩としてバリウム塩を採用する態様と比較して、記録媒体Pが、食品包装または衣類等の人体に触れる可能性のある用途に用いられる場合であっても、反応液Qrに含まれる成分が人体に悪影響を及ぼすことを抑制することができる。以下では、多価金属塩として、塩化カルシウムを採用する場合を例示して説明する。塩化カルシウムは例えば乳酸カルシウムなどに比べて水への溶解度が高く、よりカルシウムイオン濃度の高い溶液を作成することができる。なお、塩化カルシウムの潮解性が問題になるような用途においては、やや水溶性は劣るものの潮解性がなく人体への安全性も同等である酢酸カルシウムを用いてもよい。
なお、反応液Qrに含まれる有機溶剤としては、例えば、グリコールエーテル類溶剤、1,2−アルキルジオール類溶剤、もしくは、直鎖炭化水素ジオール類溶剤、または、これらの一部または全部を混合した溶剤を採用してもよい。また、反応液Qrには、上述した成分の他に、PH調整剤、界面活性剤、及び、キレート剤の一部または全部を付加してもよい。
なお、反応液Qrに含まれる有機溶剤としては、例えば、グリコールエーテル類溶剤、1,2−アルキルジオール類溶剤、もしくは、直鎖炭化水素ジオール類溶剤、または、これらの一部または全部を混合した溶剤を採用してもよい。また、反応液Qrには、上述した成分の他に、PH調整剤、界面活性剤、及び、キレート剤の一部または全部を付加してもよい。
図6及び図7は、画像形成処理のうち、反応液乾燥処理が実行される場合における記録媒体Pの様子を示す図である。上述のとおり、インクジェットプリンター1は、画像形成処理の中で、反応液塗布処理の次に、反応液乾燥ユニット83により、記録媒体Pに塗布された反応液Qrを乾燥させる反応液乾燥処理を実行する。なお、本実施形態では、説明の便宜上、記録媒体Pが反応液乾燥ユニット83に搬送されたタイミングに反応液乾燥処理が開始される場合を想定するが、反応液乾燥処理は、記録媒体Pに反応液Qrが着弾したタイミングから開始されるものと看做してもよい。
図6に示すように、反応液乾燥処理が開始されると、定着層Q0に含まれる水溶性樹脂のアニオン基が、反応液Qrの塩化カルシウムと結合し、水溶性樹脂が凝集した凝集層Q1が形成される。この反応は比較的緩やかに進むため、十分な厚みのある凝集層Q1を得るためには反応液乾燥処理での乾燥速度を遅くなるように制御することが必要である。また、図7に示すように、反応液乾燥処理が進むと、反応液Qrに含まれる塩化カルシウムのうち、定着層Q0に含まれる水溶性樹脂と反応せずに残った余剰な塩化カルシウムが析出した析出層Q2が形成される。このように、反応液乾燥処理において、記録媒体Pには、定着層Q0、凝集層Q1、及び、析出層Q2の3層からなるアンカー層が形成される。
ここで、画像形成処理における全工程のうち、反応液乾燥処理が実行される工程は、「第2乾燥工程」の一例である。また、第2乾燥工程を実行する反応液乾燥ユニット83は、「第2乾燥ユニット」の一例である。
図6に示すように、反応液乾燥処理が開始されると、定着層Q0に含まれる水溶性樹脂のアニオン基が、反応液Qrの塩化カルシウムと結合し、水溶性樹脂が凝集した凝集層Q1が形成される。この反応は比較的緩やかに進むため、十分な厚みのある凝集層Q1を得るためには反応液乾燥処理での乾燥速度を遅くなるように制御することが必要である。また、図7に示すように、反応液乾燥処理が進むと、反応液Qrに含まれる塩化カルシウムのうち、定着層Q0に含まれる水溶性樹脂と反応せずに残った余剰な塩化カルシウムが析出した析出層Q2が形成される。このように、反応液乾燥処理において、記録媒体Pには、定着層Q0、凝集層Q1、及び、析出層Q2の3層からなるアンカー層が形成される。
ここで、画像形成処理における全工程のうち、反応液乾燥処理が実行される工程は、「第2乾燥工程」の一例である。また、第2乾燥工程を実行する反応液乾燥ユニット83は、「第2乾燥ユニット」の一例である。
図8乃至図10は、画像形成処理のうち印刷処理が実行される場合における記録媒体Pの様子を示す図である。上述のとおり、インクジェットプリンター1は、画像形成処理の中で、反応液乾燥処理の次に、印刷ユニット50により、記録媒体Pに対してインクを付着させる印刷処理を実行する。ここで、画像形成処理における全工程のうち、印刷処理が実行される工程は、「インク吐出工程」の一例である。また、インク吐出工程を実行する印刷ユニット50は、「インク吐出ユニット」の一例である。
本実施形態では、インクとして、アニオン性のインクを採用する。具体的には、本実施形態では、例えば、インクとして、アニオン性の色材と、アニオン性の水溶性樹脂と、水と、有機溶剤とを含む溶液を採用する。ここで、インクに用いられる水溶性樹脂は、前処理液Qq及び反応液Qrに用いられる水溶性樹脂と同様のものであってもよい。また、アニオン性の色材は、例えば、染料または顔料等である。また、インクには、上述した成分の他に、PH調整剤、界面活性剤、及び、キレート剤の一部または全部を付加してもよい。
以下では、説明の便宜上、印刷処理において記録媒体Pに付着したインクを、「インクIK」と表現し、インクIKに含まれる色材及び水溶性樹脂を、単に「色材SK」と表現する。
本実施形態では、インクとして、アニオン性のインクを採用する。具体的には、本実施形態では、例えば、インクとして、アニオン性の色材と、アニオン性の水溶性樹脂と、水と、有機溶剤とを含む溶液を採用する。ここで、インクに用いられる水溶性樹脂は、前処理液Qq及び反応液Qrに用いられる水溶性樹脂と同様のものであってもよい。また、アニオン性の色材は、例えば、染料または顔料等である。また、インクには、上述した成分の他に、PH調整剤、界面活性剤、及び、キレート剤の一部または全部を付加してもよい。
以下では、説明の便宜上、印刷処理において記録媒体Pに付着したインクを、「インクIK」と表現し、インクIKに含まれる色材及び水溶性樹脂を、単に「色材SK」と表現する。
図8は、記録媒体PにインクIKが着弾した瞬間における記録媒体Pの様子を示す図である。図8に示すように、インクIK内には、色材SKが分散している。
図9は、図8の後における記録媒体Pの様子を示す図である。図9に示すように、析出層Q2に含まれる塩化カルシウムは、インクIKに含まれる水分に溶融する。以下では、説明の便宜上、析出層Q2を構成する塩化カルシウムがインクIKに溶融した溶液を「溶融溶液IKq」と表現する場合がある。そして、析出層Q2の塩化カルシウムがインクIKに溶融して溶融溶液IKqが生成された場合、溶融溶液IKqに含まれるカルシウムと、溶融溶液IKqに含まれる色材SKの有するアニオン基とが反応し、溶融溶液IKq内において、色材SKが凝集する。
図10は、図9の後における記録媒体Pの様子を示す図である。凝集層Q1に含まれる水溶性樹脂に反応したカルシウムは、溶融溶液IKqに含まれる色材SKの有するアニオン基と結合する。このため、図10に示すように、溶融溶液IKq内において凝集した色材SKは、凝集層Q1に固定される。これにより、本実施形態によれば、溶融溶液IKqに含まれる色材SKが、図9に示す状態から更に収縮する現象である「過凝集」の発生を防止することができる。
なお、図9及び図10では、説明の便宜上、色材SKの凝集が発生した後、色材SKが凝集層Q1に固定されるように説明したが、実際にはこの凝集と固定は並行して進む現象であってもよい。
図9は、図8の後における記録媒体Pの様子を示す図である。図9に示すように、析出層Q2に含まれる塩化カルシウムは、インクIKに含まれる水分に溶融する。以下では、説明の便宜上、析出層Q2を構成する塩化カルシウムがインクIKに溶融した溶液を「溶融溶液IKq」と表現する場合がある。そして、析出層Q2の塩化カルシウムがインクIKに溶融して溶融溶液IKqが生成された場合、溶融溶液IKqに含まれるカルシウムと、溶融溶液IKqに含まれる色材SKの有するアニオン基とが反応し、溶融溶液IKq内において、色材SKが凝集する。
図10は、図9の後における記録媒体Pの様子を示す図である。凝集層Q1に含まれる水溶性樹脂に反応したカルシウムは、溶融溶液IKqに含まれる色材SKの有するアニオン基と結合する。このため、図10に示すように、溶融溶液IKq内において凝集した色材SKは、凝集層Q1に固定される。これにより、本実施形態によれば、溶融溶液IKqに含まれる色材SKが、図9に示す状態から更に収縮する現象である「過凝集」の発生を防止することができる。
なお、図9及び図10では、説明の便宜上、色材SKの凝集が発生した後、色材SKが凝集層Q1に固定されるように説明したが、実際にはこの凝集と固定は並行して進む現象であってもよい。
<<3.従来例>>
以下、本実施形態に係る画像形成処理が前処理液塗布処理を含むことの意義を明確化するために、図11乃至図14を参照しつつ、画像形成処理が前処理液塗布処理を含まず、記録媒体Pに対して前処理液Qqが塗布されない態様である「従来例」について説明する。
以下、本実施形態に係る画像形成処理が前処理液塗布処理を含むことの意義を明確化するために、図11乃至図14を参照しつつ、画像形成処理が前処理液塗布処理を含まず、記録媒体Pに対して前処理液Qqが塗布されない態様である「従来例」について説明する。
従来例では、画像形成処理において、まず、図11に示すように、記録媒体Pに対して、前処理液Qqを塗布することなく反応液Qrを塗布する。図示しないが、この後、当該反応液Qrを乾燥させることで、反応液Qr内の塩化カルシウムが析出した析出層Q2が形成される。
次に、従来例では、図12に示すように、記録媒体Pに対してインクIKを付着させる。
次に、従来例では、図13に示すように、析出層Q2に含まれる塩化カルシウムがインクIKに溶融して溶融溶液IKqが生成され、溶融溶液IKq内において、色材SKが凝集する。しかし、従来例に係る画像形成処理では、凝集層Q1が存在しないため、溶融溶液IKq内において凝集した色材SKは、溶融溶液IKq内を自由に移動することができる。
このため、従来例では、その後、図14に示すように、溶融溶液IKq内において凝集した色材SKが更に収縮する過凝集が発生する。これにより、従来例では、記録媒体Pに形成した画像のパターンが歪み、印刷データImgの示す画像を記録媒体P上に正確に形成することができない。なお、反応液Qrに含まれる多価金属塩を反応性の低いマグネシウム塩などに置換するなどすれば過凝集を抑制することもできるが、凝集速度が低下するため、印刷速度をあげると滲みやコーヒーステイン現象などの過凝集以外の画質課題が顕在化する。
次に、従来例では、図12に示すように、記録媒体Pに対してインクIKを付着させる。
次に、従来例では、図13に示すように、析出層Q2に含まれる塩化カルシウムがインクIKに溶融して溶融溶液IKqが生成され、溶融溶液IKq内において、色材SKが凝集する。しかし、従来例に係る画像形成処理では、凝集層Q1が存在しないため、溶融溶液IKq内において凝集した色材SKは、溶融溶液IKq内を自由に移動することができる。
このため、従来例では、その後、図14に示すように、溶融溶液IKq内において凝集した色材SKが更に収縮する過凝集が発生する。これにより、従来例では、記録媒体Pに形成した画像のパターンが歪み、印刷データImgの示す画像を記録媒体P上に正確に形成することができない。なお、反応液Qrに含まれる多価金属塩を反応性の低いマグネシウム塩などに置換するなどすれば過凝集を抑制することもできるが、凝集速度が低下するため、印刷速度をあげると滲みやコーヒーステイン現象などの過凝集以外の画質課題が顕在化する。
これに対して、本実施形態では、事前処理において、記録媒体Pに対して前処理液Qqを塗布し、前処理液Qqを乾燥させることで生成した定着層Q0と反応液Qrとを反応させることで、記録媒体P上に、定着層Q0、凝集層Q1、及び、析出層Q2からなるアンカー層を形成する。このため、本実施形態では、溶融溶液IKq内の色材SKを、凝集層Q1及び定着層Q0を介して記録媒体Pに固定することが可能となる。すなわち、本実施形態では、溶融溶液IKq内において凝集した色材SKが、溶融溶液IKq内を自由に移動することを抑制し、過凝集の発生を防止することが可能となる。これにより、本実施形態によれば、塩化カルシウムなどの高い反応性を持つ多価金属塩を用いる場合において、印刷速度と印刷画質とを両立できる。
<<4.参考例>>
以下、本実施形態に係る画像形成処理が蒸発速度要件を充足することの意義を明確化するために、図15乃至図18を参照しつつ、画像形成処理が蒸発速度要件を充足しない態様である「参考例」について説明する。なお、参考例に係る画像形成処理のうち、前処理液塗布処理、前処理液乾燥処理、及び、反応液塗布処理は、図3乃至図5に示す実施形態に係る画像形成処理と同様であるため、説明を省略する。
以下、本実施形態に係る画像形成処理が蒸発速度要件を充足することの意義を明確化するために、図15乃至図18を参照しつつ、画像形成処理が蒸発速度要件を充足しない態様である「参考例」について説明する。なお、参考例に係る画像形成処理のうち、前処理液塗布処理、前処理液乾燥処理、及び、反応液塗布処理は、図3乃至図5に示す実施形態に係る画像形成処理と同様であるため、説明を省略する。
参考例では、反応液乾燥処理において、反応液乾燥処理における反応液Qrの溶媒の蒸発速度を、実施形態より速くしている。具体的には、参考例では、反応液乾燥処理における反応液Qrの溶媒の蒸発速度を、前処理液乾燥処理における前処理液Qqの溶媒の蒸発速度、及び、インク乾燥処理におけるインクの溶媒の蒸発速度と同等またはそれ以上に速くすることで、定着層Q0及び反応液Qrが反応する前に、反応液Qrを乾燥させる。このため、参考例では、反応液乾燥処理において、図15に示すように、存在しないと看做すことが可能な程度しか凝集層Q1が形成されず、定着層Q0上に、直接、析出層Q2が形成される。
その後、参考例では、図16に示すように、記録媒体Pに対してインクIKを付着させる。
次に、参考例では、図17に示すように、析出層Q2に含まれる塩化カルシウムがインクIKに溶融して溶融溶液IKqが生成され、溶融溶液IKq内において、色材SKが凝集する。しかし、参考例では、凝集層Q1が形成されないため、溶融溶液IKq内において凝集した色材SKは、溶融溶液IKq内を自由に移動することができる。
このため、参考例では、その後、図18に示すように、溶融溶液IKq内において凝集した色材SKが更に収縮する過凝集が発生する。これにより、参考例では、インクジェットプリンターのコスト及びサイズに関しては本実施形態より有利となるものの、記録媒体Pに形成した画像のパターンが歪み、印刷データImgの示す画像を記録媒体P上に正確に形成することができない。なお、参考例においても、反応液Qrに含まれる多価金属塩を反応性の低いマグネシウム塩などに置換するなどすれば、過凝集を抑制することもできるが、凝集速度が低下するため、高速印刷においては、滲みやコーヒーステイン現象などの過凝集以外の画質課題が顕在化する。
その後、参考例では、図16に示すように、記録媒体Pに対してインクIKを付着させる。
次に、参考例では、図17に示すように、析出層Q2に含まれる塩化カルシウムがインクIKに溶融して溶融溶液IKqが生成され、溶融溶液IKq内において、色材SKが凝集する。しかし、参考例では、凝集層Q1が形成されないため、溶融溶液IKq内において凝集した色材SKは、溶融溶液IKq内を自由に移動することができる。
このため、参考例では、その後、図18に示すように、溶融溶液IKq内において凝集した色材SKが更に収縮する過凝集が発生する。これにより、参考例では、インクジェットプリンターのコスト及びサイズに関しては本実施形態より有利となるものの、記録媒体Pに形成した画像のパターンが歪み、印刷データImgの示す画像を記録媒体P上に正確に形成することができない。なお、参考例においても、反応液Qrに含まれる多価金属塩を反応性の低いマグネシウム塩などに置換するなどすれば、過凝集を抑制することもできるが、凝集速度が低下するため、高速印刷においては、滲みやコーヒーステイン現象などの過凝集以外の画質課題が顕在化する。
これに対して、本実施形態では、蒸発速度要件を満たすように反応液乾燥処理を実行することで、定着層Q0及び反応液Qrを反応させ、定着層Q0上に凝集層Q1を形成させる。このため、本実施形態では、溶融溶液IKq内において凝集した色材SKが、溶融溶液IKq内を自由に移動することを抑制し、過凝集の発生を防止することが可能となる。これにより、本実施形態によれば、塩化カルシウムなどの高い反応性を持つ多価金属塩を用いる場合であっても、印刷速度と印刷画質を両立できる。
<<5.実施例>>
以下、本実施形態に係る実施例について説明するが、本実施形態は以下に説明する実施例に限定されるものではない。
以下、本実施形態に係る実施例について説明するが、本実施形態は以下に説明する実施例に限定されるものではない。
実施例では、記録媒体Pとして、フタムラ化学株式会社製のポリエリレンテレフタレートフィルムであるFE2001を採用した。
また、実施例では、前処理液Qqを、表1に示すように、スチレン−アクリル系樹脂が8質量%となり、直鎖炭化水素ジオール類溶剤が13質量%となり、1,2−アルキルジオール類溶剤を3質量%となり、界面活性剤が2質量%となるように構成した。また、前処理液Qqの全質量が、100質量%となるように、純水を添加した。そして、前処理液塗布工程において、1平方インチあたり2mgの塗布量となるように、記録媒体Pに対して、前処理液Qqを塗布した。
また、実施例では、反応液Qrを、表1に示すように、直鎖炭化水素ジオール類溶剤が15質量%となり、1,2−アルキルジオール類溶剤を3質量%となり、界面活性剤が2質量%となり、塩化カルシウムが3質量%となるように構成した。また、反応液Qrの全質量が、100質量%となるように、純水を添加した。そして、反応液塗布工程において、1平方インチあたり3mgの塗布量となるように、記録媒体Pに対して、反応液Qrを塗布した。
また、実施例では、インクを、表2に示すように、各種顔料と、スチレン−アクリル系樹脂と、直鎖炭化水素ジオール類溶剤と、1,2−アルキルジオール類溶剤と、界面活性剤と、純水とを用いて構成した。
また、実施例では、前処理液Qqを、表1に示すように、スチレン−アクリル系樹脂が8質量%となり、直鎖炭化水素ジオール類溶剤が13質量%となり、1,2−アルキルジオール類溶剤を3質量%となり、界面活性剤が2質量%となるように構成した。また、前処理液Qqの全質量が、100質量%となるように、純水を添加した。そして、前処理液塗布工程において、1平方インチあたり2mgの塗布量となるように、記録媒体Pに対して、前処理液Qqを塗布した。
また、実施例では、反応液Qrを、表1に示すように、直鎖炭化水素ジオール類溶剤が15質量%となり、1,2−アルキルジオール類溶剤を3質量%となり、界面活性剤が2質量%となり、塩化カルシウムが3質量%となるように構成した。また、反応液Qrの全質量が、100質量%となるように、純水を添加した。そして、反応液塗布工程において、1平方インチあたり3mgの塗布量となるように、記録媒体Pに対して、反応液Qrを塗布した。
また、実施例では、インクを、表2に示すように、各種顔料と、スチレン−アクリル系樹脂と、直鎖炭化水素ジオール類溶剤と、1,2−アルキルジオール類溶剤と、界面活性剤と、純水とを用いて構成した。
また、実施例では、媒体搬送ユニット30による記録媒体Pの搬送速度Mvを50m/分とした。また、実施例では、インク乾燥処理において、風Waの温度Taを80℃とし、風Waの風速Vaを10m/秒とし、インク乾燥ユニット81の長さLaを2.5mとして、記録媒体Pに付着したインクを風Waにより3秒乾燥させた。また、実施例では、前処理液乾燥処理において、風Wbの温度Tbを75℃とし、風Wbの風速Vbを10m/秒とし、前処理液乾燥ユニット82の長さLbを2.5mとして、記録媒体Pに塗布された前処理液Qqを風Wbにより3秒乾燥させた。また、実施例では、反応液乾燥処理において、風Wcの温度Tcを60℃とし、風Wcの風速Vcを0m/秒とし、反応液乾燥ユニット83の長さLcを25mとして、記録媒体Pに塗布された反応液Qrを無風で30秒乾燥させた。
実施例では、以上の条件の下で、記録媒体Pに対して画像形成処理を実行したところ、過凝集の発生が抑制され、印刷データImgの示す画像が正確に形成されることを確認した。例えば、実施例において、印刷データImgが白色の背景に黒色の正方形を含む画像を示す場合に、記録媒体Pに対して、図19で示すような、印刷データImgの示す画像が正確に形成されることを、実験により確認した。
なお、実施例において、従来例のように、前処理液塗布処理を含めずに、記録媒体Pに対して同じく搬送速度Mvを50m/分で画像形成処理を実行したところ、過凝集が発生し、印刷データImgの示す画像が正確に形成されないことを確認した。例えば、従来例において、印刷データImgが白色の背景に黒色の正方形を含む画像を示す場合に、記録媒体Pに対して、図20で示すような、印刷データImgの示す画像が正確に形成されないことを、実験により確認した。
なお、実施例において、従来例のように、前処理液塗布処理を含めずに、記録媒体Pに対して同じく搬送速度Mvを50m/分で画像形成処理を実行したところ、過凝集が発生し、印刷データImgの示す画像が正確に形成されないことを確認した。例えば、従来例において、印刷データImgが白色の背景に黒色の正方形を含む画像を示す場合に、記録媒体Pに対して、図20で示すような、印刷データImgの示す画像が正確に形成されないことを、実験により確認した。
<<6.実施形態の結論>>
以上のように、本実施形態に係る記録方法は、アニオン性の前処理液Qqを記録媒体Pに塗布する第1塗布工程と、記録媒体Pに塗布された前処理液Qqを乾燥させる第1乾燥工程と、第1乾燥工程の後に、カチオン性の反応液Qrを記録媒体Pに塗布する第2塗布工程と、記録媒体Pに塗布された反応液Qrを乾燥させる第2乾燥工程と、を備え、第2乾燥工程の処理時間は、第1乾燥工程の処理時間よりも長い、ことを特徴とする。
従来のように、アニオン性の前処理液Qqを記録媒体Pに塗布せずに、カチオン性の反応液Qrを記録媒体Pに塗布する場合において、反応液Qrが記録媒体Pに塗布された後に、アニオン性のインクを記録媒体Pに付着させると、インク中の色材及び樹脂が、反応液Qr中のカチオン性の成分と反応し、インクが乾燥する前にインク中の色材及び樹脂が収縮する。インク中の色材及び樹脂が収縮する場合、インクにより表される画像が収縮し、印刷画質が低下する、所謂、過凝集と呼ばれる現象が発生することがある。高速印刷のために反応液Qrに反応性の高い多価金属塩を用いる場合に、過凝集の発生は顕著になっていく。
これに対して、本実施形態によれば、アニオン性の前処理液Qqを記録媒体Pに塗布して乾燥させた後に、カチオン性の反応液Qrを記録媒体Pに塗布するため、例えば、前処理液Qqが乾燥して記録媒体Pに密着した状態で固定された定着層Q0の一部が、反応液Qr中のカチオン性の成分と反応して凝縮し、凝集層Q1が形成される。そして、本実施形態によれば、反応液Qrを乾燥させる際に、反応液Qr中のカチオン性の成分のうち、定着層Q0と反応せずに残った成分が析出し、析出層Q2が形成される。このため、本実施形態によれば、第2乾燥工程の後に、アニオン性のインクを記録媒体Pに付着させる場合に、インク中の色材及び樹脂が析出層Q2と反応して収縮すると共に、インク中の色材及び樹脂が凝集層Q1に固定される。これにより、本実施形態によれば、印刷速度を速くするために反応性の高いカルシウム塩などを含んだ反応液Qrを用いても、記録媒体P上でのインク中の色材及び樹脂の移動及び拡散が制限され、過凝集の発生を防止することが可能となり、印刷速度の高速化と高品位な画質との両立が可能となる。
更に、本実施形態によれば、第2乾燥工程の処理時間が第1乾燥工程の処理時間よりも長いため、例えば、第2乾燥工程の処理時間が第1乾燥工程の処理時間以下である態様と比較して、前処理液Qqが乾燥した定着層Q0と反応液Qrのカチオン性の成分とをより確実に反応させることができる。このため、本実施形態によれば、例えば、第2乾燥工程の処理時間が第1乾燥工程の処理時間以下である態様と比較して、凝集層Q1をより確実に形成させることができる。すなわち、本実施形態によれば、例えば、第2乾燥工程の後にアニオン性のインクを記録媒体Pに付着させる場合に、第2乾燥工程の処理時間が第1乾燥工程の処理時間以下である態様と比較して、インク中の色材及び樹脂を、凝集層Q1及び定着層Q0を介して、より確実に記録媒体Pに固定することができる。これにより、本実施形態によれば、例えば、第2乾燥工程の処理時間が第1乾燥工程の処理時間以下である態様と比較して、記録媒体P上でのインク中の色材及び樹脂の移動及び拡散をより厳格に制限することが可能となり、過凝集の発生をより確実に防止することが可能となる。
なお、本実施形態において、第1乾燥工程の処理時間は、第2乾燥工程の処理時間よりも短い。すなわち、本実施形態では、第2乾燥工程の処理時間が第1乾燥工程の処理時間以下である態様と比較して、前処理液乾燥ユニット82の大きさを小さく抑えることが可能となる。このため、本実施形態においては、過凝集の発生の抑制と、インクジェットプリンター1のサイズ及びコストの抑制と、の両立が可能となる。
以上のように、本実施形態に係る記録方法は、アニオン性の前処理液Qqを記録媒体Pに塗布する第1塗布工程と、記録媒体Pに塗布された前処理液Qqを乾燥させる第1乾燥工程と、第1乾燥工程の後に、カチオン性の反応液Qrを記録媒体Pに塗布する第2塗布工程と、記録媒体Pに塗布された反応液Qrを乾燥させる第2乾燥工程と、を備え、第2乾燥工程の処理時間は、第1乾燥工程の処理時間よりも長い、ことを特徴とする。
従来のように、アニオン性の前処理液Qqを記録媒体Pに塗布せずに、カチオン性の反応液Qrを記録媒体Pに塗布する場合において、反応液Qrが記録媒体Pに塗布された後に、アニオン性のインクを記録媒体Pに付着させると、インク中の色材及び樹脂が、反応液Qr中のカチオン性の成分と反応し、インクが乾燥する前にインク中の色材及び樹脂が収縮する。インク中の色材及び樹脂が収縮する場合、インクにより表される画像が収縮し、印刷画質が低下する、所謂、過凝集と呼ばれる現象が発生することがある。高速印刷のために反応液Qrに反応性の高い多価金属塩を用いる場合に、過凝集の発生は顕著になっていく。
これに対して、本実施形態によれば、アニオン性の前処理液Qqを記録媒体Pに塗布して乾燥させた後に、カチオン性の反応液Qrを記録媒体Pに塗布するため、例えば、前処理液Qqが乾燥して記録媒体Pに密着した状態で固定された定着層Q0の一部が、反応液Qr中のカチオン性の成分と反応して凝縮し、凝集層Q1が形成される。そして、本実施形態によれば、反応液Qrを乾燥させる際に、反応液Qr中のカチオン性の成分のうち、定着層Q0と反応せずに残った成分が析出し、析出層Q2が形成される。このため、本実施形態によれば、第2乾燥工程の後に、アニオン性のインクを記録媒体Pに付着させる場合に、インク中の色材及び樹脂が析出層Q2と反応して収縮すると共に、インク中の色材及び樹脂が凝集層Q1に固定される。これにより、本実施形態によれば、印刷速度を速くするために反応性の高いカルシウム塩などを含んだ反応液Qrを用いても、記録媒体P上でのインク中の色材及び樹脂の移動及び拡散が制限され、過凝集の発生を防止することが可能となり、印刷速度の高速化と高品位な画質との両立が可能となる。
更に、本実施形態によれば、第2乾燥工程の処理時間が第1乾燥工程の処理時間よりも長いため、例えば、第2乾燥工程の処理時間が第1乾燥工程の処理時間以下である態様と比較して、前処理液Qqが乾燥した定着層Q0と反応液Qrのカチオン性の成分とをより確実に反応させることができる。このため、本実施形態によれば、例えば、第2乾燥工程の処理時間が第1乾燥工程の処理時間以下である態様と比較して、凝集層Q1をより確実に形成させることができる。すなわち、本実施形態によれば、例えば、第2乾燥工程の後にアニオン性のインクを記録媒体Pに付着させる場合に、第2乾燥工程の処理時間が第1乾燥工程の処理時間以下である態様と比較して、インク中の色材及び樹脂を、凝集層Q1及び定着層Q0を介して、より確実に記録媒体Pに固定することができる。これにより、本実施形態によれば、例えば、第2乾燥工程の処理時間が第1乾燥工程の処理時間以下である態様と比較して、記録媒体P上でのインク中の色材及び樹脂の移動及び拡散をより厳格に制限することが可能となり、過凝集の発生をより確実に防止することが可能となる。
なお、本実施形態において、第1乾燥工程の処理時間は、第2乾燥工程の処理時間よりも短い。すなわち、本実施形態では、第2乾燥工程の処理時間が第1乾燥工程の処理時間以下である態様と比較して、前処理液乾燥ユニット82の大きさを小さく抑えることが可能となる。このため、本実施形態においては、過凝集の発生の抑制と、インクジェットプリンター1のサイズ及びコストの抑制と、の両立が可能となる。
また、本実施形態に係る記録方法は、第2乾燥工程において、記録媒体Pに接する風Wcの風速Vcは、第1乾燥工程において、記録媒体Pに接する風Wbの風速Vbよりも遅い、ことを特徴とする。
すなわち、本実施形態によれば、第1乾燥工程において前処理液Qqを乾燥させるための風Wbの風速Vbと比較して、第2乾燥工程において反応液Qrを乾燥させるための風Wcの風速Vcを遅くしている。このため、本実施形態によれば、例えば、風Wcの風速Vcが風Wbの風速Vbよりも速い態様と比較して、前処理液Qqが乾燥した定着層Q0と反応液Qr中のカチオン性の成分との反応時間を、長く確保することができ、前処理液Qqが乾燥した定着層Q0と反応液Qr中のカチオン性の成分との反応を促進させることができる。このため、本実施形態によれば、例えば、風Wcの風速Vcが風Wbの風速Vbよりも速い態様と比較して、凝集層Q1をより確実に形成させることができ、記録媒体P上でのインク中の色材及び樹脂の移動及び拡散をより厳格に制限することが可能となる。
また、本実施形態では、第2乾燥工程の処理時間が第1乾燥工程の処理時間以下である態様と比較して、前処理液乾燥ユニット82の大きさを小さく抑えることが可能となるため、過凝集の発生の抑制と、インクジェットプリンター1のサイズ及びコストの抑制と、の両立が可能となる。
すなわち、本実施形態によれば、第1乾燥工程において前処理液Qqを乾燥させるための風Wbの風速Vbと比較して、第2乾燥工程において反応液Qrを乾燥させるための風Wcの風速Vcを遅くしている。このため、本実施形態によれば、例えば、風Wcの風速Vcが風Wbの風速Vbよりも速い態様と比較して、前処理液Qqが乾燥した定着層Q0と反応液Qr中のカチオン性の成分との反応時間を、長く確保することができ、前処理液Qqが乾燥した定着層Q0と反応液Qr中のカチオン性の成分との反応を促進させることができる。このため、本実施形態によれば、例えば、風Wcの風速Vcが風Wbの風速Vbよりも速い態様と比較して、凝集層Q1をより確実に形成させることができ、記録媒体P上でのインク中の色材及び樹脂の移動及び拡散をより厳格に制限することが可能となる。
また、本実施形態では、第2乾燥工程の処理時間が第1乾燥工程の処理時間以下である態様と比較して、前処理液乾燥ユニット82の大きさを小さく抑えることが可能となるため、過凝集の発生の抑制と、インクジェットプリンター1のサイズ及びコストの抑制と、の両立が可能となる。
また、本実施形態に係る記録方法において、第2乾燥工程は、無風状態の空間において行われる、ことを特徴とする。
すなわち、本実施形態によれば、第2乾燥工程を無風状態の空間で行うため、例えば、第2乾燥工程において反応液Qrに風を当てる態様と比較して、前処理液Qqが乾燥した定着層Q0と反応液Qr中のカチオン性の成分との反応時間を、長く確保することができ、前処理液Qqが乾燥した定着層Q0と反応液Qr中のカチオン性の成分との反応を促進させることができる。このため、本実施形態によれば、例えば、第2乾燥工程において反応液Qrに風を当てる態様と比較して、凝集層Q1をより確実に形成させることができ、記録媒体P上でのインク中の色材及び樹脂の移動及び拡散をより厳格に制限することが可能となる。
また、本実施形態では、第2乾燥工程の処理時間が第1乾燥工程の処理時間以下である態様と比較して、前処理液乾燥ユニット82の大きさを小さく抑えることが可能となるため、過凝集の発生の抑制と、インクジェットプリンター1のサイズ及びコストの抑制と、の両立が可能となる。
すなわち、本実施形態によれば、第2乾燥工程を無風状態の空間で行うため、例えば、第2乾燥工程において反応液Qrに風を当てる態様と比較して、前処理液Qqが乾燥した定着層Q0と反応液Qr中のカチオン性の成分との反応時間を、長く確保することができ、前処理液Qqが乾燥した定着層Q0と反応液Qr中のカチオン性の成分との反応を促進させることができる。このため、本実施形態によれば、例えば、第2乾燥工程において反応液Qrに風を当てる態様と比較して、凝集層Q1をより確実に形成させることができ、記録媒体P上でのインク中の色材及び樹脂の移動及び拡散をより厳格に制限することが可能となる。
また、本実施形態では、第2乾燥工程の処理時間が第1乾燥工程の処理時間以下である態様と比較して、前処理液乾燥ユニット82の大きさを小さく抑えることが可能となるため、過凝集の発生の抑制と、インクジェットプリンター1のサイズ及びコストの抑制と、の両立が可能となる。
また、本実施形態に係る記録方法において、第2乾燥工程における記録媒体Pの表面温度は、第1乾燥工程における記録媒体Pの表面温度よりも低い、ことを特徴とする。
すなわち、本実施形態によれば、第2乾燥工程における記録媒体Pの表面温度を、第1乾燥工程における記録媒体Pの表面温度よりも低くしている。このため、本実施形態によれば、例えば、第2乾燥工程における記録媒体Pの表面温度が第1乾燥工程における記録媒体Pの表面温度以上となる態様と比較して、前処理液Qqが乾燥した定着層Q0と反応液Qr中のカチオン性の成分との反応時間を、長く確保することができ、前処理液Qqが乾燥した定着層Q0と反応液Qr中のカチオン性の成分との反応を促進させることができる。このため、本実施形態によれば、例えば、第2乾燥工程における記録媒体Pの表面温度が第1乾燥工程における記録媒体Pの表面温度以上となる態様と比較して、凝集層Q1をより確実に形成させることができ、記録媒体P上でのインク中の色材及び樹脂の移動及び拡散をより厳格に制限することが可能となる。
また、本実施形態では、第2乾燥工程の処理時間が第1乾燥工程の処理時間以下である態様と比較して、前処理液乾燥ユニット82の大きさを小さく抑えることが可能となるため、過凝集の発生の抑制と、インクジェットプリンター1のサイズ及びコストの抑制と、の両立が可能となる。
なお、本実施形態は、第1乾燥工程が、温度Tbの雰囲気下で行われ、第2乾燥工程が、温度Tcの雰囲気下で行われ、温度Tcは、温度Tbよりも低い、ことを特徴とする記録方法としても把握することができる。
すなわち、本実施形態によれば、第2乾燥工程における記録媒体Pの表面温度を、第1乾燥工程における記録媒体Pの表面温度よりも低くしている。このため、本実施形態によれば、例えば、第2乾燥工程における記録媒体Pの表面温度が第1乾燥工程における記録媒体Pの表面温度以上となる態様と比較して、前処理液Qqが乾燥した定着層Q0と反応液Qr中のカチオン性の成分との反応時間を、長く確保することができ、前処理液Qqが乾燥した定着層Q0と反応液Qr中のカチオン性の成分との反応を促進させることができる。このため、本実施形態によれば、例えば、第2乾燥工程における記録媒体Pの表面温度が第1乾燥工程における記録媒体Pの表面温度以上となる態様と比較して、凝集層Q1をより確実に形成させることができ、記録媒体P上でのインク中の色材及び樹脂の移動及び拡散をより厳格に制限することが可能となる。
また、本実施形態では、第2乾燥工程の処理時間が第1乾燥工程の処理時間以下である態様と比較して、前処理液乾燥ユニット82の大きさを小さく抑えることが可能となるため、過凝集の発生の抑制と、インクジェットプリンター1のサイズ及びコストの抑制と、の両立が可能となる。
なお、本実施形態は、第1乾燥工程が、温度Tbの雰囲気下で行われ、第2乾燥工程が、温度Tcの雰囲気下で行われ、温度Tcは、温度Tbよりも低い、ことを特徴とする記録方法としても把握することができる。
また、本実施形態に係る記録方法は、第2乾燥工程の後に、アニオン性のインクを記録媒体Pに付着させるインク吐出工程を備える、ことを特徴とする。
すなわち、本実施形態によれば、第2乾燥工程の後に、アニオン性のインクを記録媒体Pに塗布する場合に、インク中の色材及び樹脂が凝集層Q1に固定されるため、過凝集の発生を防止することが可能となる。
すなわち、本実施形態によれば、第2乾燥工程の後に、アニオン性のインクを記録媒体Pに塗布する場合に、インク中の色材及び樹脂が凝集層Q1に固定されるため、過凝集の発生を防止することが可能となる。
また、本実施形態に係る記録方法において、前処理液Qqは、水溶性の樹脂、水、及び、有機溶剤を含む、ことを特徴とする。
すなわち、本実施形態によれば、水溶性の樹脂を含む前処理液Qqを記録媒体Pに塗布した後に、カチオン性の反応液Qrを記録媒体Pに塗布するため、前処理液Qq中の樹脂が、反応液Qr中のカチオン性の成分と反応して凝集層Q1が形成される。このため、本実施形態によれば、第2乾燥工程の後に、アニオン性のインクを記録媒体Pに塗布する場合に、インク中の色材及び樹脂が、凝集層Q1に固定され、過凝集の発生を防止することが可能となる。
すなわち、本実施形態によれば、水溶性の樹脂を含む前処理液Qqを記録媒体Pに塗布した後に、カチオン性の反応液Qrを記録媒体Pに塗布するため、前処理液Qq中の樹脂が、反応液Qr中のカチオン性の成分と反応して凝集層Q1が形成される。このため、本実施形態によれば、第2乾燥工程の後に、アニオン性のインクを記録媒体Pに塗布する場合に、インク中の色材及び樹脂が、凝集層Q1に固定され、過凝集の発生を防止することが可能となる。
また、本実施形態に係る記録方法において、反応液Qrは、多価金属塩、水、及び、有機溶剤を含む、ことを特徴とする。
すなわち、本実施形態によれば、アニオン性の前処理液Qqを記録媒体Pに塗布した後に、多価金属塩を含む反応液Qrを記録媒体Pに塗布するため、前処理液Qq中のアニオン性の成分が、反応液Qr中の多価金属塩と反応して凝集層Q1が形成される。このため、本実施形態によれば、第2乾燥工程の後に、アニオン性のインクを記録媒体Pに塗布する場合に、インク中の色材及び樹脂が、凝集層Q1に固定され、過凝集の発生を防止することが可能となる。
すなわち、本実施形態によれば、アニオン性の前処理液Qqを記録媒体Pに塗布した後に、多価金属塩を含む反応液Qrを記録媒体Pに塗布するため、前処理液Qq中のアニオン性の成分が、反応液Qr中の多価金属塩と反応して凝集層Q1が形成される。このため、本実施形態によれば、第2乾燥工程の後に、アニオン性のインクを記録媒体Pに塗布する場合に、インク中の色材及び樹脂が、凝集層Q1に固定され、過凝集の発生を防止することが可能となる。
また、本実施形態に係る記録方法において、多価金属塩は、塩化カルシウムである、ことを特徴とする。
すなわち、本実施形態によれば、多価金属塩として人体への影響が少ない塩化カルシウムを採用するため、記録媒体Pが、食品包装または衣類等の人体に触れる可能性のある態様で用いられる場合においても、記録媒体Pが人体に悪影響を及ぼすことを抑制することができる。また、本実施形態によれば、多価金属塩として、水溶性が高く高濃度化が容易な塩化カルシウムを採用するため、カルシウムの反応性の高さとあいまって高い印刷速度と高画質を両立することができる。
すなわち、本実施形態によれば、多価金属塩として人体への影響が少ない塩化カルシウムを採用するため、記録媒体Pが、食品包装または衣類等の人体に触れる可能性のある態様で用いられる場合においても、記録媒体Pが人体に悪影響を及ぼすことを抑制することができる。また、本実施形態によれば、多価金属塩として、水溶性が高く高濃度化が容易な塩化カルシウムを採用するため、カルシウムの反応性の高さとあいまって高い印刷速度と高画質を両立することができる。
また、本実施形態に係る記録方法において、多価金属塩は、酢酸カルシウムである、ことを特徴とする。
すなわち、本実施形態によれば、多価金属塩として人体への影響が少ない酢酸カルシウムを採用するため、記録媒体Pが、食品包装または衣類等の人体に触れる可能性のある態様で用いられる場合においても、記録媒体Pが人体に悪影響を及ぼすことを抑制することができる。また、本実施形態によれば、多価金属塩として、乳酸カルシウムと比較して水溶性が高く高濃度化が容易な酢酸カルシウムを採用するため、多価金属塩として、乳酸カルシウムを採用する場合と比較して高い印刷速度と高画質を両立することができる。また、本実施形態によれば、多価金属塩として、潮解性を有さない酢酸カルシウムを採用するため、例えば、多価金属塩が記録媒体P上に残留する場合であっても、多価金属塩が潮解することを防止し、裏移り及びブロッキングなどの不都合の発生を抑止することが可能となる。
すなわち、本実施形態によれば、多価金属塩として人体への影響が少ない酢酸カルシウムを採用するため、記録媒体Pが、食品包装または衣類等の人体に触れる可能性のある態様で用いられる場合においても、記録媒体Pが人体に悪影響を及ぼすことを抑制することができる。また、本実施形態によれば、多価金属塩として、乳酸カルシウムと比較して水溶性が高く高濃度化が容易な酢酸カルシウムを採用するため、多価金属塩として、乳酸カルシウムを採用する場合と比較して高い印刷速度と高画質を両立することができる。また、本実施形態によれば、多価金属塩として、潮解性を有さない酢酸カルシウムを採用するため、例えば、多価金属塩が記録媒体P上に残留する場合であっても、多価金属塩が潮解することを防止し、裏移り及びブロッキングなどの不都合の発生を抑止することが可能となる。
また、本実施形態に係る記録方法は、第2乾燥工程において、記録媒体P上に設けられ、樹脂を含む定着層Q0と、定着層Q0上に設けられ、樹脂及び多価金属塩が反応した凝集層Q1と、凝集層Q1上に設けられ、多価金属塩を含む析出層Q2と、が形成される、ことを特徴とする。
すなわち、本実施形態によれば、第2乾燥工程において、記録媒体P上に定着層Q0と凝集層Q1と析出層Q2とが形成されるため、第2乾燥工程の後に、アニオン性のインクを記録媒体Pに付着させる場合に、インク中の色材及び樹脂が析出層Q2と反応して収縮すると共に、インク中の色材及び樹脂が凝集層Q1及び定着層Q0を介して記録媒体Pに固定される。これにより、本実施形態によれば、印刷速度を速くするために反応性の高いカルシウム塩などを含んだ反応液Qrを用いても、記録媒体P上でのインク中の色材及び樹脂の移動及び拡散が制限され、過凝集の発生を防止することが可能となり、印刷速度の高速化と高品位な画質との両立が可能となる。
なお、本実施形態は、第2乾燥工程において、多価金属塩を含む析出層Q2と、記録媒体P及び析出層Q2の間に設けられ、樹脂及び多価金属塩が反応した凝集層Q1と、記録媒体P及び凝集層Q1の間に設けられ、樹脂を含む定着層Q0と、が形成される、ことを特徴とする記録方法としても把握することができる。
すなわち、本実施形態によれば、第2乾燥工程において、記録媒体P上に定着層Q0と凝集層Q1と析出層Q2とが形成されるため、第2乾燥工程の後に、アニオン性のインクを記録媒体Pに付着させる場合に、インク中の色材及び樹脂が析出層Q2と反応して収縮すると共に、インク中の色材及び樹脂が凝集層Q1及び定着層Q0を介して記録媒体Pに固定される。これにより、本実施形態によれば、印刷速度を速くするために反応性の高いカルシウム塩などを含んだ反応液Qrを用いても、記録媒体P上でのインク中の色材及び樹脂の移動及び拡散が制限され、過凝集の発生を防止することが可能となり、印刷速度の高速化と高品位な画質との両立が可能となる。
なお、本実施形態は、第2乾燥工程において、多価金属塩を含む析出層Q2と、記録媒体P及び析出層Q2の間に設けられ、樹脂及び多価金属塩が反応した凝集層Q1と、記録媒体P及び凝集層Q1の間に設けられ、樹脂を含む定着層Q0と、が形成される、ことを特徴とする記録方法としても把握することができる。
<<B.変形例>>
以上の各形態は多様に変形され得る。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様は、相互に矛盾しない範囲内で適宜に併合され得る。なお、以下に例示する変形例において作用や機能が実施形態と同等である要素については、以上の説明で参照した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
以上の各形態は多様に変形され得る。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様は、相互に矛盾しない範囲内で適宜に併合され得る。なお、以下に例示する変形例において作用や機能が実施形態と同等である要素については、以上の説明で参照した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
<<変形例1>>
上述した実施形態では、前処理液吐出ヘッド61を用いて、インクジェット方式により前処理液Qqを吐出する態様を例示したが、本発明なこのような態様に限定されるものではない。前処理液吐出ヘッド61の代わりに、ローラーコーターにより、記録媒体Pに対して前処理液Qqを塗布してもよいし、スプレーコーター、スリットコーターなど、既知のあらゆる塗布手段を用いても構わない。反応液Qrの塗布、及び、インクの付着についても同様であるが、接触式の塗布方法を用いる場合は反応により凝集した樹脂が塗布手段に付着するため、クリーニング機構をあわせて備える必要がある。
上述した実施形態では、前処理液吐出ヘッド61を用いて、インクジェット方式により前処理液Qqを吐出する態様を例示したが、本発明なこのような態様に限定されるものではない。前処理液吐出ヘッド61の代わりに、ローラーコーターにより、記録媒体Pに対して前処理液Qqを塗布してもよいし、スプレーコーター、スリットコーターなど、既知のあらゆる塗布手段を用いても構わない。反応液Qrの塗布、及び、インクの付着についても同様であるが、接触式の塗布方法を用いる場合は反応により凝集した樹脂が塗布手段に付着するため、クリーニング機構をあわせて備える必要がある。
<<変形例2>>
上述した実施形態及び変形例1では、印刷ユニット50において記録媒体Pに対して吐出されるインクが、カラーインク及びホワイトインクを含む場合を例示したが、本発明なこのような態様に限定されるものではない。印刷ユニット50において記録媒体Pに対して吐出されるインクには、例えば、メタリックインクが含まれていてもよい。また、表面の光沢性を制御するためのクリアインクなどを備えていてもよいし、蛍光色などのいわゆる特色インクを備えていてもよい。また逆に、ブラックインクのみを備えて白黒専用の印刷機として構成してもよい。
上述した実施形態及び変形例1では、印刷ユニット50において記録媒体Pに対して吐出されるインクが、カラーインク及びホワイトインクを含む場合を例示したが、本発明なこのような態様に限定されるものではない。印刷ユニット50において記録媒体Pに対して吐出されるインクには、例えば、メタリックインクが含まれていてもよい。また、表面の光沢性を制御するためのクリアインクなどを備えていてもよいし、蛍光色などのいわゆる特色インクを備えていてもよい。また逆に、ブラックインクのみを備えて白黒専用の印刷機として構成してもよい。
<<変形例3>>
上述した実施形態並びに変形例1及び変形例2では、条件α1及び条件α2の双方が成立することを蒸発速度要件とするが、本発明なこのような態様に限定されるものではない。蒸発速度要件は、条件α1及び条件α2の一方が成立することであってもよい。また、蒸発速度要件は、条件β1〜β6のうち、1以上の条件が成立することであってもよい。
上述した実施形態並びに変形例1及び変形例2では、条件α1及び条件α2の双方が成立することを蒸発速度要件とするが、本発明なこのような態様に限定されるものではない。蒸発速度要件は、条件α1及び条件α2の一方が成立することであってもよい。また、蒸発速度要件は、条件β1〜β6のうち、1以上の条件が成立することであってもよい。
1…インクジェットプリンター、10…制御ユニット、20…媒体供給ユニット、30…媒体搬送ユニット、40…媒体受領ユニット、50…印刷ユニット、51…カラーインク吐出ヘッド、52…ホワイトインク吐出ヘッド、60…前処理液塗布ユニット、61…前処理液吐出ヘッド、70…反応液塗布ユニット、71…反応液吐出ヘッド、81…インク乾燥ユニット、82…前処理液乾燥ユニット、83…反応液乾燥ユニット。
Claims (12)
- アニオン性の第1処理液を媒体に塗布する第1塗布工程と、
前記媒体に塗布された前記第1処理液を乾燥させる第1乾燥工程と、
前記第1乾燥工程の後に、
カチオン性の第2処理液を前記媒体に塗布する第2塗布工程と、
前記媒体に塗布された前記第2処理液を乾燥させる第2乾燥工程と、
を備え、
前記第2乾燥工程の処理時間は、
前記第1乾燥工程の処理時間よりも長い、
ことを特徴とする記録方法。 - 前記第2乾燥工程において、前記媒体に接する気体の速度は、
前記第1乾燥工程において、前記媒体に接する気体の速度よりも遅い、
ことを特徴とする、請求項1に記載の記録方法。 - 前記第2乾燥工程は、無風状態の空間において行われる、
ことを特徴とする、請求項1または2に記載の記録方法。 - 前記第2乾燥工程における前記媒体の表面温度は、
前記第1乾燥工程における前記媒体の表面温度よりも低い、
ことを特徴とする、請求項1乃至3のうち何れか1項に記載の記録方法。 - 前記第2乾燥工程の後に、
アニオン性のインクを前記媒体に付着させるインク吐出工程を備える、
ことを特徴とする、請求項1乃至4のうち何れか1項に記載の記録方法。 - 前記第1処理液は、水溶性の樹脂、水、及び、有機溶剤を含む、
ことを特徴とする、請求項1乃至5のうち何れか1項に記載の記録方法。 - 前記第2処理液は、多価金属塩、水、及び、有機溶剤を含む、
ことを特徴とする、請求項6に記載の記録方法。 - 前記多価金属塩は、塩化カルシウムである、
ことを特徴とする、請求項7に記載の記録方法。 - 前記多価金属塩は、酢酸カルシウムである、
ことを特徴とする、請求項7に記載の記録方法。 - 前記第2乾燥工程において、
前記媒体上に設けられ、前記樹脂を含む定着層と、
前記定着層上に設けられ、前記樹脂及び前記多価金属塩が反応した凝集層と、
前記凝集層上に設けられ、前記多価金属塩を含む析出層と、
が形成される、
ことを特徴とする、請求項7乃至9のうち何れか1項に記載の記録方法。 - アニオン性の第1処理液と、
カチオン性の第2処理液と、
を含むインクセットであって、
前記第1処理液を媒体に塗布する第1塗布工程と、
前記媒体に塗布された前記第1処理液を乾燥させる第1乾燥工程と、
前記第1乾燥工程の後に、
前記第2処理液を前記媒体に塗布する第2塗布工程と、
前記媒体に塗布された前記第2処理液を乾燥させる第2乾燥工程と、
を備え、
前記第2乾燥工程の処理時間は、
前記第1乾燥工程の処理時間よりも長い、
ことを特徴とする記録方法に用いるためのインクセット。 - アニオン性の第1処理液を媒体に塗布する第1塗布ユニットと、
前記媒体に塗布された前記第1処理液を乾燥させる第1乾燥ユニットと、
前記媒体に塗布された前記第1処理液が乾燥した後に、
カチオン性の第2処理液を前記媒体に塗布する第2塗布ユニットと、
前記媒体に塗布された前記第2処理液を乾燥させる第2乾燥ユニットと、
を備え、
前記第2乾燥ユニットにおいて乾燥にかかる時間は、
前記第1乾燥ユニットにおいて乾燥にかかる時間よりも長い、
ことを特徴とする印刷装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2018237840A JP2020100006A (ja) | 2018-12-20 | 2018-12-20 | 記録方法、インクセット、及び、印刷装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2018237840A JP2020100006A (ja) | 2018-12-20 | 2018-12-20 | 記録方法、インクセット、及び、印刷装置 |
Publications (1)
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JP2020100006A true JP2020100006A (ja) | 2020-07-02 |
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ID=71140617
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2018237840A Pending JP2020100006A (ja) | 2018-12-20 | 2018-12-20 | 記録方法、インクセット、及び、印刷装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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-
2018
- 2018-12-20 JP JP2018237840A patent/JP2020100006A/ja active Pending
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