JP2020099270A - 作業車 - Google Patents
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Abstract
【課題】防塵ケースに備えた防塵網の吸気面での吸気風速差を低減して塵埃の付着が抑制される作業車を構成する。【解決手段】エンジンEより機体外側に配置されたラジエータ35と、ラジエータ35より機体外側に配置され、防塵網45を有し塵埃の吸引を阻止する状態で外気の吸引を可能にする防塵ケースCと、防塵ケースCを通して外気を吸引してラジエータ35を冷却する冷却ファン34と、を備えている。防塵ケースCの内部で防塵網45よりも機体内側箇所において、吸引された外気の風速を調整する風速調整部材50を備え、防塵ケースCの内部に、風速調整部材50の外周部と防塵ケースCの内面部との間の外気の流れを遮断するカバー部材51a,52aを備えた。【選択図】図9
Description
本発明は、防塵ケースに備えた防塵網を介して外気を吸引しラジエータを冷却する作業車に関する。
上記構成の作業車として特許文献1には、コンバインの走行機体の外側部に防塵ケースとして第一防塵ケースが配置され、この防塵ケース(文献では第一吸気ケース)から吸引した外気をラジエータと冷却ファンとエンジンとに対して、この順序に供給する技術が記載されている。
この特許文献1では、防塵ケースの吸気部に防塵網(文献では第一防塵網)が形成され、この防塵ケースの内部にパンチングメタルで成る風量調整板が配置されている。
コンバインでの収穫作業では、収穫時にワラの小片等の塵埃が多く発生する。また、エンジンが稼動する際には防塵ケースの防塵網を通過するように外気が吸引されるため、塵埃が防塵網に付着し、外気の吸引量を低下させ、冷却性能の低下を招くことがあった。
つまり、防塵ケースの機体外方側に防塵網を備えた作業車では、冷却ファンに近い領域を外気が通過する際の風速が、冷却ファンから離間する領域より高まるため、防塵網において風速が高い領域に塵埃が付着する不都合に繋がるものであった。
このような不都合に解消するため、特許文献1に記載されるように防塵ケースの内部に風量調整板を配置することで防塵網を通過する際の外気の風速を平均化することも考えられる。
しかしながら、特許文献1に記載される風量調整板を防塵ケース内に配置しただけでは、風量調整板の外周を回り込むように通過する外気の風速まで抑制できず、風量調整板の外周を通過する外気の流れが防塵網の吸気面に影響するものであった。特に、コンバインにおいて収穫作業時の効率を高めるためにエンジンの駆動速度の増大を図った場合には、防塵ケースの内部に流れる外気の風速が高速化するため、防塵ケース内の風速の僅かな速度差が防塵網の吸気面に大きく影響し、塵埃が付着し易い領域が作り出されることも想像できた。
このような理由から、防塵ケースに備えた防塵網の吸気面での風速差を低減して塵埃の付着が抑制される作業車が求められる。
本発明に係る作業車の特徴構成は、エンジンと、前記エンジンに対して機体外側に配置され、前記エンジンの冷却水を冷却するラジエータと、前記ラジエータに対して機体外側に配置されるとともに防塵網を有し、塵埃の吸引を阻止する状態で外気の吸引を可能にする防塵ケースと、前記エンジンと前記ラジエータとの間に配置され、前記防塵ケースを通して外気を吸引して前記ラジエータを冷却する冷却ファンと、を備え、前記防塵ケースの内部における前記防塵網よりも機体内側箇所に、吸引された外気の風速を調整する風速調整部材を備え、前記防塵ケースの内部に、前記風速調整部材の外周部と前記防塵ケースの内面部との間の外気の流れを遮断するカバー部材を備えている点にある。
この特徴構成によると、冷却ファンの駆動回転に伴い防塵ケースの防塵網を介して外気が吸引され、ラジエータが冷却される。また、防塵網を通過した外気は風速調整部材に接触することにより風速が調整される。特に、風速調整部材の外周に備えたカバー部材が、風速調整部材と防塵ケースとの間での外気の流れを遮断するため、例えば、風速調整部材と防塵ケースとの間に外気が流れる現象を招くことがなく、風速調整部材での風速調整性能を低下させることもない。このように風速が調整されることにより、防塵網の吸気面を通過する際の風速の調整が可能となり、吸気面の各部を通過する外気の風速を平均化も可能となる。
従って、防塵ケースに備えた防塵網の吸気面での風速差を低減して塵埃の付着が抑制される作業車が構成された。
従って、防塵ケースに備えた防塵網の吸気面での風速差を低減して塵埃の付着が抑制される作業車が構成された。
他の構成として、前記風速調整部材が、前記防塵網と平行な状態で配置されるとともに複数の通気孔部を有する板状体によって構成されても良い。
これによると、板状体に複数の通気孔部を形成することによって風速調整部材を作り出すことが可能となり、風速調整部材の製造が容易となる。
他の構成として、前記カバー部材が、前記風速調整部材の外周部を前記防塵網の外周部に向けて折り曲げることで構成されても良い。
これによると、板状体で構成される風速調整部材の外周部を折り曲げることでカバー部材を構成することが可能となり、このカバー部材を防塵ケースの内面部に当接させることでカバー部材を機能させることが可能となる。
他の構成として、前記カバー部材は、前記風速調整部材の幅方向の側端部と前記防塵ケースの前記内面部との間に設けられ、前記風速調整部材の上端部と、前記内面部との間の空間が、前記防塵ケースの内部空間における前記風速調整部材よりも上側の上部空間に連通しても良い。
これによると、風速調整部材の上端部と、防塵網との間の空間を、風速調整部材の上方となる上部空間と連通させることにより、風速調整部材によって流れが制限された外気の一部を、防塵ケースの上部空間にオーバーフローさせる形態で流すことや、防塵ケースの上部空間で吸引された外気を風速調整部材に供給することも可能となり、風速調整部材での風速の調整を無理なく行える。
他の構成として、前記風速調整部材における下側部分に、複数の第一通気孔部が形成された第一連通領域が備えられ、前記風速調整部材における上側部分に、複数の第二通気孔部が形成された第二連通領域が形成され、前記上側部分における開口比率が、前記下側部分における開口比率より大きくても良い。
これによると、風速調整部材のうち複数の第二通気孔部が形成された上側部分の開口比率が、風速調整部材のうち複数の第一通気孔部が形成された下側部分の開口比率より大きいため、例えば、下側部分に向けて流れる外気の風速が、上側部分に向けて流れる外気の風速より高速である場合にも、速度差を小さくすることが可能となる。
他の構成として、前記第一連通領域は、外気を通さない複数の閉塞領域を挟んで複数の分割連通領域に分割されており、前記第二連通領域は、一つの領域によって構成されても良い。
これによると、閉塞領域では外気を通さないため、第1連通領域と第2連通領域との間での外気の風速差を和らげることが可能なり、例えば、この閉塞領域で外気の流れを乱すこともない。
他の構成として、前記冷却ファンの回転軸芯に沿う方向視で、前記冷却ファンは、前記第一連通領域と前記第二連通領域とに跨る位置に設けられても良い。
これによると、冷却ファンによって吸気が行われる場合に、第一連通領域と第二連通領域とを通過する状態で外気を吸引することになり、例えば、第一連通領域と第二連通領域との一方だけに多くの外気が流れる構成と比較して第一連通領域と第二連通領域とにおいて風速の低減を良好に行える。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
〔コンバインの基本構成〕
図1〜図3に本実施形態のコンバインの全体を示している。図1に左側面図、図2に右側面図、図3に平面図を示しており、これらの図において[F]の方向が走行機体1の前方向、[B]の方向が走行機体1の後方向、図3に示す[L]の方向が走行機体1の左方向、[R]の方向が走行機体1の右方向と定義する。
〔コンバインの基本構成〕
図1〜図3に本実施形態のコンバインの全体を示している。図1に左側面図、図2に右側面図、図3に平面図を示しており、これらの図において[F]の方向が走行機体1の前方向、[B]の方向が走行機体1の後方向、図3に示す[L]の方向が走行機体1の左方向、[R]の方向が走行機体1の右方向と定義する。
図1、図2に示すように、コンバインは、左右一対のクローラ走行装置2によって走行自在な走行機体1の前側に刈取部3を配置し、走行機体1の右前部に運転部Aを備え、走行機体1の左部に脱穀装置4を備え、この右側で運転部Aの後側に穀粒タンク5を備えている。更に、刈取部3からの収穫物を脱穀装置4に供給する刈取搬送装置6を運転部Aの左側に備えている。
刈取部3は、横向き姿勢の軸芯を中心に駆動回転される回転リール10と、植立穀稈の株元を切断するバリカン型の刈刃11と、刈取穀稈を機体横方向に送ることにより刈取搬送装置6の搬送始端部に送り込むオーガ12とを備えている。また、刈取搬送装置6には搬送時に発生する塵埃等を運転部Aと反対側に排出する排塵装置7を備えている。
図1に示すように刈取搬送装置6の基端部が走行機体1に対して横向き姿勢の揺動軸芯Pを中心に揺動自在に支持され、刈取搬送装置6と走行機体1の前部との間に刈取部3の刈取高さを調整する昇降シリンダ13を備えている。
脱穀装置4は、刈取穀稈が供給されることにより上部位置で扱処理を行い、この下側で選別処理を行い、選別処理により得られた穀粒を揚穀装置14(図2、図3を参照)により穀粒タンク5に供給する。
図2に示すように穀粒タンク5は、下部位置に複数のホッパー部5aを備え、このホッパー部5aの下部から穀粒を穀粒袋に回収するための袋詰部を備えている。
図1〜図3、図8に示すように運転部Aは、作業者が着座する運転座席15と、作業者が搭乗するフロアパネル16とを備え、運転座席15の前側に操縦レバー17を備え、運転座席15の側部に複数の制御レバー18を備えている。この運転部Aの上方にはキャノピー19を備えている。
このコンバインの収穫対象は、稲、麦、大豆などであり、収穫作業を行う場合には、刈取部3と刈取搬送装置6と脱穀装置4とを予め作動させておき、昇降シリンダ13の制御により刈取部3を収穫物の収穫が可能な高さに設定して走行機体1を前進させることになる。この走行機体1の前進により、収穫対象の植立穀稈の各々の穂先側が回転リール10の回転により後方に引き寄せられ、株元が刈刃11で切断される。
このように株元が切断された刈取穀稈は、オーガ12が横方向に搬送することで刈取搬送装置6の前方箇所に集められ、刈取搬送装置6によって脱穀装置4に供給される。そして、脱穀装置4では、供給された収穫物を処理することで穀粒が回収され、この穀粒が揚穀装置14で供給されることにより穀粒タンク5に穀粒が貯留される。
〔刈取搬送装置の保護部材〕
図2、図4に示すように、運転座席15の下側にエンジンEが配置され、このエンジンEからの駆動力が伝えられるミッションケース21が機体前部で、機体横方向の中央位置に配置されている。
図2、図4に示すように、運転座席15の下側にエンジンEが配置され、このエンジンEからの駆動力が伝えられるミッションケース21が機体前部で、機体横方向の中央位置に配置されている。
ミッションケース21は、左右方向に延びる車軸ケース21aを備えており、この車軸ケース21aの内部の駆動軸(図示せず)の駆動力が、左右各々のクローラ走行装置2の駆動スプロケット2aに伝えられる。ミッションケース21にはエンジンEから伝えられる駆動力を減速する減速装置と、左右の駆動軸に伝える駆動力を断続する操向クラッチを内蔵している。
前述した刈取搬送装置6の右側面には、エンジンEからの駆動力を刈取部3に伝えるためチェーンを有した伝動機構6Tを備えている。
収穫作業では、切れワラ等が多く発生し、車軸ケース21aの上面に積み重なるように成長することもある。切れワラ等が車軸ケース21aの上面で多く存在する状況で刈取部3を下降させた場合に切れワラ等が刈取搬送装置6の伝動機構6Tのチェーンに咬み込まれ、伝動機構6Tの伝動性能を低下させることや、伝動不能に陥ることもあった。
このような不都合を解消するため刈取搬送装置6の右側面で車軸ケース21aの上側には、伝動機構6Tを保護する保護部材6Rを備えている。つまり、刈取部3を下降させても切れワラ等が刈取搬送装置6の伝動機構6Tのチェーンに咬み込まないように構成されている。
〔バルブユニットの支持構造〕
操縦レバー17は、左右方向に操作することによりミッションケース21の左右の操向クラッチの一方を選択的に断続して走行機体1の操向、旋回を実現する。また、操縦レバー17を前後方向へ操作することにより昇降シリンダ13を制御して刈取部3の刈取高さの設定を実現する。
操縦レバー17は、左右方向に操作することによりミッションケース21の左右の操向クラッチの一方を選択的に断続して走行機体1の操向、旋回を実現する。また、操縦レバー17を前後方向へ操作することにより昇降シリンダ13を制御して刈取部3の刈取高さの設定を実現する。
このような制御を実現するため、図5〜図7に示すように、操縦レバー17の操作に連動してスプールが操作されるバルブユニット25が用いられている。つまり、フロアパネル16の下側のフレームプレート26の上面にブラケット27を固定し、このブラケット27に縦向き姿勢でステー28を支持し、このステー28の上端にバルブユニット25が支持されている。
ブラケット27は、アングル材が用いられ、アングル材の2面のうちの1面が機体右側に露出する姿勢で下端がフレームプレート26の上面に溶接固定されている。このブラケット27のうち機体右側に露出する面に対して、上下に並ぶように一対の貫通孔部27aが穿設されている。
また、ステー28は角パイプ材が用いられ、このステー28の内面には上下に並ぶように一対のナット部28aが形成されている。このような構成から、ステー28の外面をブラケット27の内面に接触させた状態で、ブラケット27の貫通孔部27aにボルト30を挿通し、ステー28のナット部28aに螺合させることによりブラケット27に対してステー28の下端が固定される。
この構造により、例えば、メンテナンス時にバルブユニット25を取り外す際にも、機体の右側の外方からボルト30を取り外す操作を行うことでステー28を上方に抜き出すことが可能となり、作業が容易に行える。
〔防塵ケース〕
図8、図9に示すように、機体フレーム1FにエンジンEが支持されると共に、エンジンEを基準に機体外方側に冷却ファン34と、ラジエータ35とが配置され、ラジエータ35より機体外方に防塵ケースCが配置されている。
図8、図9に示すように、機体フレーム1FにエンジンEが支持されると共に、エンジンEを基準に機体外方側に冷却ファン34と、ラジエータ35とが配置され、ラジエータ35より機体外方に防塵ケースCが配置されている。
エンジンEと、冷却ファン34と、ラジエータ35とはエンジンボンネット33に収容され、このエンジンボンネット33の上面に運転座席15が備えられている。尚、図9に示すように、ラジエータ35の機体外方側にはオイルクーラ36が備えられている。
エンジンボンネット33の上面で運転座席15の後方位置にエアクリーナ37を備え、このエアクリーナ37は、吸気管38を介してプレクリーナ39と連通している。これによりプレクリーナ39とエアクリーナ37とを介して吸引した清浄な外気がエンジンEの吸気系に供給される。
防塵ケースCは、エンジンボンネット33を基準に機体外方側に配置され、防塵ケースCの内部空間は、エンジンボンネット33の内部空間に連通している。防塵ケースCは、図9、図12に示すように機体外方に配置される外側壁41と、この外側壁41より機体内側でエンジンボンネット33の上面より高い位置に配置される内側壁42と、これら外側壁41と内側壁42との前部から上部に亘る領域に配置される中間壁43とを備えている。防塵ケースCは、図8に示すように前端位置に配置されたヒンジ44により縦向き姿勢の開閉軸芯Yを中心に揺動開閉自在に支持されている。
外側壁41は、下端が機体フレーム1Fと略均しい位置から、上端が運転座席15のシートバックの上端より高い位置に達するように縦長姿勢で形成されている。図8に示すようにこの外側壁41の機体外面側のうち、下側位置に第一開口41aが形成され、この上側に第二開口41bが形成され、これらの開口には防塵網45が設けられている。この実施形態では防塵網45としてパンチングメタルが用いられているが、例えば、金属や樹脂の網を用いることも可能である。
図10、図12に示すように内側壁42には内側開口42aが形成され、これに防塵網45が設けられている。
この防塵ケースCは、図9〜図12に示すように第一開口41aと第二開口41bとの防塵網45を通過する形態で吸引した外気の風速を調整する風速調整部材50を内部に備えている。風速調整部材50は、下部の第一板状体51(板状体の一例、下側部分の一例)と、上部の第二板状体52(板状体の一例、上側部分の一例)とを上下に隣接する位置関係で配置されている。また、第一板状体51と第二板状体52とは防塵網45と平行するように姿勢が設定されている。尚、第一板状体51と第二板状体52とは金属材で構成され、後述する複数の第一通気孔部51H(通気孔部の一例)と、複数の第二通気孔部52H(通気孔部の一例)はプレス加工により穿設される。
第一板状体51は、複数の第一通気孔部51Hが穿設された複数の第一連通領域51Fが形成されている。また、第二板状体52には、複数の第二通気孔部52Hが穿設された単一の第二連通領域52Fが形成されている。
この風速調整部材50では、第一通気孔部51Hの開口面積(開口径)と、第二通気孔部52Hの開口面積(開口径)とが等しく形成されている。また、図10、図11に示すように、第一板状体51に形成される第一連通領域51Fは、第二板状体52の4つの第二連通領域52Fの面積の総和より大きいため、第一板状体51の開口比率と比較して、第二板状体52開口比率が大きい値に設定される。
この風速調整部材50では、第一板状体51と第二板状体52とが連なる境界領域には外気の通過が抑制される閉塞領域50Nが形成されている。つまり、第一連通領域51Fと第二連通領域52Fとの間に連通孔が形成されない閉塞領域50Nが配置され、閉塞領域50Nが、複数の連通領域を複数の分割連通領域に分割する形態となる。また、図11に示すように、冷却ファン34の軸芯に沿う方向視において冷却ファン34は、第一連通領域51Fと第二連通領域52Fとに跨る領域に設けられている。
図10、図11に示すように、第一板状体51の第一連通領域51Fは、4つに分割され、分割された第一連通領域51Fの境界部分での外気の流れを阻止する第一閉塞領域51Nが形成されている。このように第一閉塞領域51Nにより4つの第一連通領域51Fの面積の総和が、単一の第二連通領域52Fより小さく設定される。
図9に示すように、外側壁41が下端側ほど機体内側に変位する傾斜姿勢に成形されている。このため、第一板状体51の下端が、外側壁41の下端側の内面部にゴムやスポンジ等のシール部材を介して接触し、この接触部位での外気の流れを遮断している。
図9〜図11に示すように第一板状体51の幅方向(機体前後方向)の両端部を機体外方に折り曲げることで第一折曲体51a(カバー部材の一例)を一体的に形成しており、この第一折曲体51aを、外側壁41の内面部に当接させ、第一板状体51の幅方向の外縁からラジエータ35の方向に外気が回り込む現象を抑制している。前述したように外側壁41は下端側ほど機体内側に変位する傾斜姿勢であるため、第一折曲体51aも下側ほど突出量が低減する斜め形状で形成されている。
また、第二板状体52の幅方向(機体前後方向)の両端部を機体外方に折り曲げることで第二折曲体52a(カバー部材の一例)を一体的に形成しており、この第二折曲体52aを、外側壁41の内面部に当接させ、第二板状体52の幅方向の外縁からラジエータ35の方向に外気が回り込む現象を抑制している。
図10、図11に示すように、第一折曲体51a(カバー部材)の突出端と第二折曲体52a(カバー部材)の突出端とが、外側壁41の内面に沿う姿勢に折曲げられている。これにより、例えば、図12に示すように、第二折曲体52aの突出端で折曲げられた部位と、外側壁41の内面との間にシール材Sを挟み込むことが可能となる。図面には示していないが、第一折曲体51aの突出端で折曲げられた部位と、外側壁41の内面との間にもシール材Sが挟み込むことが可能となる。
特に、第二板状体52の上端部と防塵網45との間の空間が、防塵ケースCのうち風速調整部材50より上方の上部空間と連通している。この上部空間は、風速調整部材50のうちラジエータ35の外面側の空間に連通するように構成されている。
防塵ケースCの内部において、第一板状体51の下端より下方位置に上方に突出する第一ブラケット53を備えている。この第一ブラケット53の突出端と第一板状体51の下端部分とがビス54で連結されている。尚、第一板状体51は、第二板状体52の下端に連結する状態で支持されている。これにより、一対の第一折曲体51aの突出端が、外側壁41の内面部に当接する状態を維持する状態で第一板状体51が防塵ケースCに支持されている。
防塵ケースCの内部において、第二板状体52の下端と上端と幅方向での両端の外方位置に、内方に突出する第二ブラケット55を備えている。この複数の第二ブラケット55の突出端と第二板状体52とがビス54により連結されることにより、一対の第二折曲体52aの突出端が、外側壁41の内面部に当接する状態を維持する状態で第二板状体52が防塵ケースCに支持されている。
〔防塵ケースでの外気の流れ〕
このように防塵ケースCが構成されるため、エンジンEが稼動し、冷却ファン34が駆動回転することに伴い防塵ケースCの防塵網45を通過して吸引される外気は風速調整部材50に接触して風速が調整される。前述したように風速調整部材50は、第一板状体51と第二板状体52とを防塵網45と平行する姿勢で配置したものであり、幅方向の両端部分に第一折曲体51aと第二折曲体52aとが形成されるため、各々の板状体の幅方向の外端から外気を吸引する不都合がない。
このように防塵ケースCが構成されるため、エンジンEが稼動し、冷却ファン34が駆動回転することに伴い防塵ケースCの防塵網45を通過して吸引される外気は風速調整部材50に接触して風速が調整される。前述したように風速調整部材50は、第一板状体51と第二板状体52とを防塵網45と平行する姿勢で配置したものであり、幅方向の両端部分に第一折曲体51aと第二折曲体52aとが形成されるため、各々の板状体の幅方向の外端から外気を吸引する不都合がない。
また、風速調整部材50を構成する下側の第一板状体51に対し第一通気孔部51Hを穿設し、第二板状体52に対し第二通気孔部52Hを穿設し、これらを上下に分離するように閉塞領域50Nを形成している。このため、冷却ファン34からの吸引力が比較的強く作用する第一連通領域51Fでの風速の上昇を抑制する状態で、この第一連通領域51Fに外気を通過させると共に、第二連通領域52Fでは風量を減ずることなく適正な風速で外気を通過させてラジエータ35に供給する。
更に、第二板状体52の上端と防塵網45との間の空間が、防塵ケースCのうち風速調整部材50より上方の上部空間と連通するため、風速調整部材50と防塵網45との間の空間からオーバーフローした外気を、上方空間を介してラジエータ35に供給することが可能となる。尚、防塵ケースCの上部空間に防塵網45を介して吸引した外気を風速調整部材50と防塵網45との間に供給することも可能となる。
尚、防塵ケースCの外側壁41の広い領域に防塵網45が形成されるものの、防塵網45の吸気面において局部的に速い風速で外気を吸引する領域が存在する場合には、その領域に切れワラ等の塵埃が吸着し、結果として防塵網45の特定の吸気面を通過する外気量を減じ、ラジエータ35の冷却を適正に行えない不都合を招くことになる。これに対し、本構成の防塵ケースCでは防塵網45の吸気面において局部的に風速が増大する不都合を招くことがなく、防塵網45を通過する外気の風速の平均化を図り、切れワラ等の塵埃の吸着を抑制して良好な冷却を継続させることを可能にするのである。
尚、防塵ケースCがヒンジ44により開閉自在に備えられているため、防塵ケースCを開放姿勢に設定することにより、内部の点検や保守を容易に行える。
〔別実施形態〕
本発明は、上記した実施形態以外に以下のように構成しても良い(実施形態と同じ機能を有するものには、実施形態と共通の番号、符号を付している)。
本発明は、上記した実施形態以外に以下のように構成しても良い(実施形態と同じ機能を有するものには、実施形態と共通の番号、符号を付している)。
(a)風速調整部材50に対し、防塵ケースCの内面に突出する姿勢となる板状体等の別部材を取り付けることでカバー部材を構成する。この構成では、例えば、カバー部材をゴム材のように柔軟に変形し得る材料で構成することにより、防塵ケースCの内面との密着性を高めることも可能となる。
(b)カバー部材として、風速調整部材50の下端部を、防塵ケースCの外側壁41の内面部に向けて突出するように形成する。実施形態では、外側壁41が下端側ほど機体内側に変位する傾斜姿勢に成形されているため、風速調整部材50(第一板状体51)の下端にカバー部材を形成しなくて済むものであったが、外側壁41が下端まで直線的な縦壁状に形成されるものでは、風速調整部材50の下端にカバー部材を備えることにより、外気が風速調整部材50の下端からラジエータ35の方向に流れる不都合を阻止する点で有効となる。
この別実施形態(b)の変形例として、風速調整部材50の上端部にカバー部材を、防塵ケースCの外側壁41の内面部に向けて突出するように形成する。このように構成することにより、風速調整部材50の上端から上方への外気の流れを阻止することが可能となる。つまり、風速調整部材50の全周にカバー部材を形成する構成も考えられ、防塵ケースCの形状に対応してカバー部材の突出量を設定することや、一部のカバー部材を用いない構成も考えられる。
(c)風速調整部材50を単一の板状体で構成する、あるいは、3つ以上の板状体で構成する。また、風速調整部材50は平坦に形成するものに限るものではなく、例えば、断面形状が波状になるように成形されたものであっても良い。
(d)第一板状体51の第一通気孔部51Hと、第二板状体52の第二通気孔部52Hとの開口面積(開口径)を一定値に設定した状態で、複数の第一通気孔部51Hのピッチとを異ならせることにより、第一板状体51の開放比率と、第二板状体52の開口比率を異ならせるように構成する。このように構成することにより、例えば、第一閉塞領域51Nを形成しないで済む。
この別実施形態(d)の変形例として、例えば、第一連通領域51Fを、3つ未満にすることや、4つ以上形成することが考えられる。特に、複数の第一連通領域51Fの配置や形状は任意に設定することが可能であり、このように構成することにより第一板状体51の開口比率の設定を容易に行える。更に、閉塞領域50Nや第一閉塞領域51Nを形成しない構成を採用することも考えられる。
(e)風速調整部材50に閉塞領域50Nを形成するため、連通孔を塞ぐように板状体にテープ状のシールを貼着することや、樹脂膜を形成する。このように閉塞領域50Nを形成するものでは、閉塞領域50Nの位置や、閉塞領域50Nが形成される領域のサイズの調整も容易となる。
(f)風速調整部材50において第一連通領域51Fと第二連通領域52Fとの間に閉塞領域50Nを形成しないように、風速調整部材50を構成する。この別実施形態(f)の構成では、第一連通領域51Fと第二連通領域52Fとが上下方向に隣接する位置関係となる。
(g)風速調整部材50を、所定の開口が形成された網状体で構成する。つまり、網状体を用いることにより、第一連通領域51Fの開口比率と比較して、第二連通領域52Fの開口比率が大きい値に設定することも可能となる。
本発明は、防塵ケースに備えた防塵網を介して外気を吸引しラジエータを冷却する作業車に利用できる。
34 冷却ファン
35 ラジエータ
45 防塵網
50 風速調整部材
50N 閉塞領域
51 第一板状体(板状体)
51a 第一折曲体(カバー部材)
51F 第一連通領域(連通領域)
51H 第一通気孔部(通気孔部)
52 第二板状体(板状体)
52a 第二折曲体(カバー部材)
52F 第二連通領域(連通領域)
52H 第二通気孔部(通気孔部)
C 防塵ケース
E エンジン
35 ラジエータ
45 防塵網
50 風速調整部材
50N 閉塞領域
51 第一板状体(板状体)
51a 第一折曲体(カバー部材)
51F 第一連通領域(連通領域)
51H 第一通気孔部(通気孔部)
52 第二板状体(板状体)
52a 第二折曲体(カバー部材)
52F 第二連通領域(連通領域)
52H 第二通気孔部(通気孔部)
C 防塵ケース
E エンジン
Claims (7)
- エンジンと、
前記エンジンに対して機体外側に配置され、前記エンジンの冷却水を冷却するラジエータと、
前記ラジエータに対して機体外側に配置されるとともに防塵網を有し、塵埃の吸引を阻止する状態で外気の吸引を可能にする防塵ケースと、
前記エンジンと前記ラジエータとの間に配置され、前記防塵ケースを通して外気を吸引して前記ラジエータを冷却する冷却ファンと、を備え、
前記防塵ケースの内部における前記防塵網よりも機体内側箇所に、吸引された外気の風速を調整する風速調整部材を備え、
前記防塵ケースの内部に、前記風速調整部材の外周部と前記防塵ケースの内面部との間の外気の流れを遮断するカバー部材を備えている作業車。 - 前記風速調整部材が、前記防塵網と平行な状態で配置されるとともに複数の通気孔部を有する板状体によって構成されている請求項1に記載の作業車。
- 前記カバー部材が、前記風速調整部材の外周部を前記防塵網の外周部に向けて折り曲げることで構成されている請求項2に記載の作業車。
- 前記カバー部材は、前記風速調整部材の幅方向の側端部と前記防塵ケースの前記内面部との間に設けられ、
前記風速調整部材の上端部と、前記内面部との間の空間が、前記防塵ケースの内部空間における前記風速調整部材よりも上側の上部空間に連通している請求項1又は2に記載の作業車。 - 前記風速調整部材における下側部分に、複数の第一通気孔部が形成された第一連通領域が備えられ、
前記風速調整部材における上側部分に、複数の第二通気孔部が形成された第二連通領域が形成され、
前記上側部分における開口比率が、前記下側部分における開口比率より大きい請求項1〜4のいずれか一項に記載の作業車。 - 前記第一連通領域は、外気を通さない複数の閉塞領域を挟んで複数の分割連通領域に分割されており、
前記第二連通領域は、一つの領域によって構成されている請求項5に記載の作業車。 - 前記冷却ファンの回転軸芯に沿う方向視で、前記冷却ファンは、前記第一連通領域と前記第二連通領域とに跨る位置に設けられている請求項5又は6に記載の作業車。
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-
2018
- 2018-12-21 JP JP2018240312A patent/JP2020099270A/ja active Pending
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