JP2020099283A - 収穫機 - Google Patents

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裕一 甲斐
翔馬 出口
Shoma Deguchi
翔馬 出口
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Junichi Maruyama
純一 丸山
励治 伊藤
Reiji Ito
励治 伊藤
耕輝 磯▲崎▼
Koki Isozaki
耕輝 磯▲崎▼
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Abstract

【課題】穀粒タンクの貯留容量をできるだけ多くするようにしながら、排気管から排出される排ガスの温度低減を促進させるようにすることが望まれていた。【解決手段】脱穀装置7と、穀粒タンク9と、エンジンの排ガスを流動案内して排気口から外部に排出する排気管76とが備えられ、穀粒タンク9は、脱穀装置7側の側部の上部に脱穀装置7側に向けて張り出す張り出し部30が形成され、且つ、張り出し部30の下方にタンク内方側へ凹入する凹入空間31が形成され、排気管76は、脱穀装置7と穀粒タンク9との間を通り、機体前部から後上方に向かって延ばされ凹入空間31の上部は脱穀装置7の上方に向けて開放されており、排気管76は、凹入空間31を通されており、接続部のうち少なくともいずれかの特定接続部89が凹入空間31の上部に配置されている。【選択図】図4

Description

本発明は、例えばコンバイン等の収穫機に関し、詳しくは、機体前部側にエンジンが備えられ、エンジンの排気を排気管を通して機体外方に排出させるよう構成されている収穫機に関する。
従来では、収穫機の一例として、機体前部の運転部の下方にエンジンが配備されたコンバインにおいて、次のように構成されたものがあった。すなわち、機体に左右方向に並ぶ状態で備えられた脱穀装置と穀粒タンクとの間を通して排気管が備えられ、穀粒タンクには、脱穀装置側の側部の上部に脱穀装置側に向けて張り出す張り出し部が形成され、張り出し部の下方にはタンク内方側へ凹入する凹入空間が形成されている。排気管は、凹入空間を通された状態で後上がり姿勢で設けられ、エジェクタ作用による外気を吸引する接続部が形成されている。そして、穀粒タンクの張り出し部の下方に形成される凹入空間は、脱穀装置の上端部よりも低い位置に設けられていた(例えば、特許文献1参照)。
特開2017−38576号公報
上記従来構成では、穀粒タンクの貯留容量をできるだけ多くするようにしながら、排気管が挿通するための空間として凹入空間が形成されている。その凹入空間は、脱穀装置の上端部よりも低い位置であるために、排気管が、穀粒タンクの凹入空間と脱穀装置とによって挟まれた狭い空間を通されることになる。その結果、排ガスの流動に伴って接続部から外気を吸入する場合であっても、接続部の周囲は狭い空間であり、充分な外気の取り入れが行えず、排ガスの温度低減が充分に行えないおそれがあった。
そこで、穀粒タンクの貯留容量をできるだけ多くするようにしながら、排気管から排出される排ガスの温度低減を促進させるようにすることが望まれていた。
本発明に係る収穫機の特徴構成は、刈取られた穀稈を脱穀処理する脱穀装置と、前記脱穀装置と左右方向に並ぶ状態で設けられ、脱穀処理で得られた穀粒を貯留する穀粒タンクと、前記穀粒タンクよりも前側に位置するエンジンと、一端側の入口部から導入される前記エンジンの排ガスを流動案内して他端側の排気口から外部に排出する排気管とが備えられ、前記穀粒タンクは、前記脱穀装置側の側部の上部に前記脱穀装置側に向けて張り出す張り出し部が形成され、且つ、前記張り出し部の下方にタンク内方側へ凹入する凹入空間が形成され、前記排気管は、前記脱穀装置と前記穀粒タンクとの間を通り、機体前部から後上方に向かって延ばされ、前記排気管は、複数の分割管を接続して構成され、且つ、複数の前記分割管同士が接続される接続部に空気導入用の隙間が形成され、前記凹入空間の上部は前記脱穀装置の上方に向けて開放されており、前記排気管は、前記凹入空間を通されており、前記接続部のうち少なくともいずれかの特定接続部が前記凹入空間の上部に配置されている点にある。
本発明によれば、穀粒タンクは、脱穀装置側の側部の上部に張り出し部が形成されているので、脱穀装置の上方の空き領域を利用して、穀粒貯留量の増大を図ることができる。排気管は、分離管同士が接続される接続部に隙間が形成され、排ガスの流動に伴って隙間から外気を導入して高温の排ガスの温度を低減させることができる。排気管は、穀粒タンクの張り出し部の下方に形成された凹入空間を有効に利用して通されている。そして、接続部のうちのいずれかの接続部(特定接続部)が凹入空間の上部に配置されるので、穀粒タンク側の領域のおいて大きく開放された空間において、外気と効率よく吸引して導入させることによって排ガスの温度を一層低減させることが可能となる。
従って、穀粒タンクの貯留容量をできるだけ多くするようにしながら、排気管から排出される排ガスの温度低減を促進させるようにすることが可能となった。
本発明においては、前記特定接続部は、前記脱穀装置の上端部よりも上側に位置していると好適である。
本構成によれば、特定接続部は、穀粒タンク側の領域だけでなく、脱穀装置側の領域も大きく開放された状態となり、排気管から排出される排ガスの温度低減をより一層促進させることが可能となる。
本発明においては、前記張り出し部は、前記排気管の左右方向中央部よりも前記脱穀装置側に向けて張り出していると好適である。
本構成によれば、張り出し部によって排気管の上方を覆うことにより、排気管の上にワラ屑等の塵埃が降りかかるのを防止することができる。
本発明においては、前記張り出し部は、前記穀粒タンクの前部に備えられ、前記排気管は、前後方向で前記穀粒タンクの前端部に対応する位置において、前記脱穀装置の上端部よりも高い位置まで延ばされていると好適である。
本構成によれば、排気管は、穀粒タンクにおける前後方向の広い範囲に亘って脱穀装置の上端部よりも高い位置まで延ばされているので、前後方向の長い領域で脱穀装置側の領域が開放された状態となっている。その結果、接続部のみならず、排気管の管路部分についても、開放された空間の温度の低い外気によって温度を低減させることが期待できる。
本発明においては、前記脱穀装置と前記穀粒タンクとの間に、前記脱穀装置にて得られた穀粒を前記穀粒タンクの搬入口に向けて上方に搬送する揚穀装置が備えられ、前記穀粒タンクの前記脱穀装置側の側面に、前記揚穀装置が入り込む縦長の凹入部が形成され、前記張り出し部は、前記穀粒タンクのうち前記凹入部よりも前側に位置する箇所にのみ備えられ、前記排気管は、前記穀粒タンクの後端部に対応する位置まで延ばされていると好適である。
本構成によれば、張り出し部は、揚穀装置が入り込む凹入部より前側に備えられるので、揚穀装置の設置に邪魔になることなく、貯留量の増大を図れる。排気管は、穀粒タンクの後端部に対応する位置まで延ばされているので、排ガスの流動経路を長くとることができ、しかも、張り出し部よりも後側には張り出し部が備えられていないので、排気管の上方も広く開放されており、排ガスをできるだけ温度低下させた状態で排出させることができる。
本発明においては、前記排気管のうち前記特定接続部よりも前部側に位置する前部側分割管の後上がり傾斜角度は、後部側に位置する後部側分割管の後上がり傾斜角度よりも大に設定されていると好適である。
本構成によれば、前部側分割管は、後部側分割管より後上がり傾斜角度が大であるから、ワラ屑等が上側に堆積するおそれが少ないものになる。又、排気流動方向上手側において、排ガスをできるだけ早く高い位置にまで流動させることで、特定接続部において低温の外気を吸入し易いものにできる。しかも、後部側分割管の後上がり傾斜角度が小に設定されているので、上方への無駄な突出を抑制できる。
本発明においては、前記脱穀装置の前方に運転部が備えられ、前記運転部の下方に前記エンジンを収容する原動部が備えられ、前記原動部に、前記エンジンの排ガスを浄化処理する排ガス処理装置が備えられ、前記排気管は、前記排ガス処理装置からの排ガスを流動案内して排気すると好適である。
本構成によれば、排気管は、排ガス処理装置によって浄化処理された排ガスを流動案内して機外に排出するので、機外に排出される排ガスが浄化処理されたものになり、大気の汚染をできるだけ軽減することができる。
本発明においては、前記排ガス処理装置が前記凹入空間の前方に備えられ、前記排気管における複数の前記分割管のうち最上流側の分割管は、前記排ガス処理装置からの排ガスを上方に向けて案内したのち、後上がり傾斜姿勢の下流側の分割管に向けて案内すると好適である。
本構成によれば、最上流側の分割管は、排気浄化装置の排気口からの排気を、上方側の高い位置まで一気に導いたのち、下流側の分割管を通して後方外方に向けて排気を円滑に排出することができる。
コンバインの全体側面図である。 コンバインの全体平面図である。 排気管配設部の平面図である。 排気管配設部の正面図である。 排気管配設部の側面図である。 脱穀装置の天板の開閉状態を示す正面図である。 脱穀装置の天板の開閉状態を示す斜視図である。 テンションローラの支持構造を示す斜視図である。 排気管の接続部付近の縦断側面図である。 扱深さ調節部の取り付け構造を示す説明図である。
本発明を実施するための形態について図面に基づいて説明する。なお、以下の説明では、矢印Fの方向を「機体前側」(図1及び図2参照)、矢印Bの方向を「機体後側」(図1及び図2参照)、矢印Lの方向を「機体左側」(図2参照)、矢印Rの方向を「機体右側」(図2参照)とする。
〔コンバインの全体構成〕
図1及び図2には、自脱型コンバインを示している。本コンバインには、機体フレーム1と、左右一対のクローラ走行装置2とを備えた走行機体の前方に、植立穀稈を刈り取る収穫部としての刈取部3が設けられている。刈取部3の後側であって走行機体の前部における右側には、運転者が搭乗する運転部4が設けられている。運転部4の下方には、エンジン5を収容する原動部6が設けられている。刈取部3の後方には、刈取穀稈を脱穀処理する脱穀装置7が設けられている。刈取部3と脱穀装置7とに亘って、刈取部3からの刈取穀稈を脱穀装置7に向けて搬送する作物搬送装置としての穀稈搬送装置8が設けられている。脱穀処理後の穀粒を貯留する穀粒タンク9が脱穀装置7と左右方向に並ぶ状態で設けられている。
刈取部3には、刈り取り対象の複数の植付け条に位置する植立穀稈を分草する複数の分草具10、刈り取り対象の植立穀稈を引起す複数の引起し装置11、引起された植立穀稈の株元を切断して刈り取るバリカン形の刈取装置12等が備えられている。
穀稈搬送装置8は、刈取穀稈の株元を挟持しながら搬送する株元挟持搬送機構13と、刈取穀稈の穂先側箇所を係止搬送する穂先係止搬送機構14と、刈取穀稈の穂先部を載置した状態で案内する穂先案内板15とを備え、縦姿勢の刈取穀稈を徐々に横倒れ姿勢になるように刈取穀稈を搬送する。株元挟持搬送機構13は搬送終端部から脱穀装置7のフィードチェーン16に刈取穀稈の株元側を受け渡すように構成されている。
周知の構成であるから詳述はしないが、穀稈搬送装置8は、例えば、電動モータ等を用いて、後部側の横軸芯周りで前部側を揺動させて、刈取部3からの刈取穀稈の受け渡し位置を上下方向に変更可能に構成されている。受け渡し位置を変更することで、脱穀装置7に対する刈取穀稈の入り込み量(扱深さ)を変更調節することができる。
〔脱穀装置〕
脱穀装置7は、穀稈搬送装置8により搬送されてきた刈取穀稈の株元をフィードチェーン16により挟持して搬送するように構成され、内部空間の上部側に、扱胴と受網(図示せず)とを有し、刈取穀稈の穂先側を扱き処理する扱室が形成されている。扱室の下部には、受網から漏下する扱き処理物を、穀粒、枝付き籾等の二番物、および、排ワラ屑等に選別する選別部(図示せず)が備えられている。
脱穀装置7における穀粒タンク9側の右側壁の横外側方に、スクリューコンベアからなる揚穀装置17が備えられている。選別部にて選別された穀粒は、選別部の下部に設けられた一番物回収スクリューにより脱穀装置7の穀粒タンク9側の横側外方に排出され、揚穀装置17へ送り出される。そして穀粒は、揚穀装置17により上方に搬送され、穀粒タンク9内に貯留される。
図7に示すように、脱穀装置7の天板18は、穀粒タンク9側とは反対側(左側)に位置する第一天板19と、穀粒タンク9側(右側)に位置する第二天板20とに分割されている。図6に示すように、扱室の前側板21は、第二天板20に対応する固定側板部22と、第一天板19に対応する可動側板部23とに分割されている。図示はしていないが、扱室の後側板も同様に固定側板部と可動側板部とに分割されている。前側板21の可動側板部23、後側板の可動側板部、第一天板19等は、扱胴やフィードチェーン16に対する挟持レール等と共に、一体的に横軸芯X1周りで揺動可能に設けられている。これらを揺動することで、扱室内の清掃や点検等が行えるように構成されている。
第一天板19を揺動させるときに、第二天板20が干渉しないように、第二天板20も右側端部の前後軸芯X2周りで揺動可能に構成されている。そして、第二天板20を揺動開放させている状態(図6,7参照)で、姿勢保持するためのロック具24が備えられている。ロック具24は、図7に示すように、棒体の両側端部を折り曲げた形状となっている。ロック具24の一端部を脱穀フレーム25に固定のブラケット26にて支持し、ロック具24の他端部を開放状態にある第二天板20の遊端部に形成された係止孔27に係止して位置保持する。第二天板20を閉めるときは、ロック具24の他端部の係止を解除して、脱穀フレーム25側に形成された係止凹部28に係止して横倒れした非作用姿勢で保持する。
〔穀粒タンク〕
図2,3,4に示すように、穀粒タンク9の前部側における脱穀装置7側の上部箇所に脱穀装置7側へ張り出す張り出し部30が形成され、且つ、張り出し部30の下方にタンク内方側へ凹入する凹入空間31が形成されている。このように張り出し部30を設けることで、脱穀装置7の上方の空き空間を有効に利用して、穀粒貯留容量を増加させることができる。図3に示すように、張り出し部30の後部側箇所30aは、後部側ほど張り出し量が少なくなるように平面視で傾斜状に形成されている。このようにすることで、後述する穀粒排出装置33の横搬送部35が干渉しないようにしている。凹入空間31の上部は脱穀装置7の上方に向けて開放されている。
図3,5に示すように、穀粒タンク9における脱穀装置7側(左側)の側面における揚穀装置17が対応する位置には、揚穀装置17が入り込む縦長の凹入部32が形成されている。張り出し部30は、穀粒タンク9のうち凹入部32よりも前側に位置する箇所にのみ備えられている。穀粒タンク9の左側の側面における凹入空間31に対応する前側面9aと、凹入部32よりも後側に位置する後側面9bとは、前後方向に沿って略同一平面となるように形成されている。
図1,2に示すように、穀粒タンク9内の穀粒を外部に排出する穀粒排出装置33が設けられている。穀粒排出装置33には、穀粒タンク9内の穀粒を上方に向けて搬送するスクリューコンベア式の縦搬送部34と、縦搬送部34からの穀粒を機体外側に向けて搬送するスクリューコンベア式の横搬送部35と、が備えられている。穀粒排出装置33は、電動モータ36により上下軸心(縦搬送部34の軸心)Z1周りで旋回操作可能に構成されている。又、横搬送部35は、油圧シリンダ37により縦搬送部34側の端部における横軸芯X1周りで上下揺動操作可能に構成されている。穀粒タンク9の底部には、貯留している穀粒を縦搬送部34の始端部に向けて送り出す底スクリュー38が備えられている。
〔穀粒排出クラッチ〕
図1に示すように、エンジン5からの動力を穀粒排出装置33に伝達するクラッチ入り状態と動力伝達を遮断するクラッチ切り状態とに切り換え可能なベルトテンション式の穀粒排出クラッチ39が、穀粒タンク9の前下部と原動部6の下部とに亘って備えられている。穀粒排出クラッチ39は、エンジン5の出力軸に5aに取り付けられた出力プーリ40と、底スクリュー38の前端に連動連係された伝動機構41に取り付けられた入力プーリ42と、両プーリ40,42にわたって巻回された伝動ベルト43と、伝動ベルト43に緊張力を付与して伝動状態にするクラッチ入り状態と、緊張力を解除して伝動を遮断するクラッチ切り状態とに切り換え可能なテンション機構44とを備えている。
図8に示すように、テンション機構44は、伝動ベルト43に押圧作用するテンションプーリ45と、テンションプーリ45を上下揺動可能に支持するテンションアーム46と、操作ワイヤ47を介してテンションアーム46を操作する操作機構(図示せず)とを備えている。図示しないが、操作機構は、電動モータとギア機構等を用いて操作ワイヤ47を引き操作してクラッチ入り状態に切り換え、操作ワイヤ47を緩めることでクラッチ切り状態に切り換えることができる。
テンションアーム46は支持部材48によって回動可能に支持されている。支持部材48は、底板49と平面視略U字状の支点保持部50とが一体的に連結されている。そして、支持部材48は、機体フレーム1に溶接固定された台座51の上面に底板49がボルト連結されて固定されている。台座51は、左右両側に離間した状態で左右一対備えられ、正面視逆L字状に形成されている。支持部材48は左右の台座51にボルト固定される。台座51の下方側の空間を利用して、油圧配管や各種の配線等が通されている。このようにして配管を保護するようにしている。尚、配管を設置するときは、支持部材48が取り付けられていない状態で、左右一対の台座51の間の隙間を通して挿入させることができる。
〔運転部〕
図2に示すように、運転部4は、穀粒タンク9の前方において、穀稈搬送装置8の横隣(右隣)に設けられている。運転部4には、運転座席55と、フロントパネル56と、サイドパネル57と、が備えられている。運転座席55の後方には、エンジン用のエアクリーナ58及びエンジン用のプレクリーナ59が設けられている。エアクリーナ58は、その右端部ほど前側に位置するように、平面視で斜めに配置されている。
フロントパネル56には、操縦操作レバー60や情報表示部61等が設けられている。操縦操作レバー60は、機体の操向操作や刈取部3の昇降操作等を行うものである。情報表示部61は、エンジン5の負荷状態等の種々の情報が表示される。
サイドパネル57は、運転座席55に対して機体左右方向で穀稈搬送装置が位置する側である左側に設けられている。サイドパネル57には、主変速レバー62、副変速レバー63、クラッチレバー64、穀粒排出操作部65等が設けられている。主変速レバー62は、静油圧式無段変速装置(HST)からなる主変速装置を変速するものである。副変速レバー63は、ミッションケース内に備えられたギア式の副変速装置を変速するものである。
図10に示すように、主変速レバー62の握り部62Aの近傍には、穀稈搬送装置8における扱深さを変更するための扱深さ調節部66が備えられている。この扱深さ調節部66は、3位置切り換え式のトグルスイッチ67と、そのトグルスイッチ67を支持する側面視略L字形の支持ブラケット68とを備えている。トグルスイッチ67は支持ブラケット68の一端部に取り付けられている。
主変速レバー62のレバー軸部69の上端部に他の部分よりも小径の小径ネジ部70が形成され、支持ブラケット68の他端部を小径ネジ部70に外嵌装着して、レバー軸部69の段差分とナット72とで締め付けて、支持ブラケット68が主変速レバー62に固定される。その後、主変速レバー62の握り部62Aが装着され、トグルスイッチ67の外方側を覆うハウジングが装着される。このような扱深さ調節部66の取り付け作業は、主変速レバー62をサイドパネル57に対して下方側から挿通させて取り付けた後に行われる。この構成によれば、サイドパネル57に形成されるレバーガイド孔を必要以上に大型にすることなく、組み付けを良好に行える。
〔排ガス処理装置〕
図1に示すように、原動部6には、エンジン5の他、エンジン5の排ガスを浄化処理する排ガス処理装置75等が収容されている。図示はしないが、原動部6には、エンジン冷却用のラジエータやファン等が備えられる。
排ガス処理装置75は、エンジン5の排気をDPF(ディーゼルパティキュレートフィルタ)によって浄化処理するものである。図2,3,5に示すように、排ガス処理装置75は、脱穀装置7と穀粒タンク9との間の前方において、運転部4の下方に設けられている。説明を加えると、排ガス処理装置75は、原動部6における穀稈搬送装置8側に寄った位置であり、穀粒タンク9に形成された凹入空間31の前方に備えられている。排ガス処理装置75は、その長手方向が機体前後方向に沿う姿勢で、サイドパネル57の後部の下方でエンジン5の上方に設けられている。排ガス処理装置75の外周上部には、排気口75aが設けられている。
〔排気管〕
図1から図5に示すように、排ガス処理装置75による浄化処理後の排ガスを排出する排気管76が設けられている。排気管76は、脱穀装置7と穀粒タンク9との間を通り、機体前部から後上方に向かって、穀粒タンク9の後端部に対応する位置まで延ばされている。排気管76は、一端側の入口部77から導入されるエンジン5の排ガスを流動案内して他端側の排気口78から外部に排出する構成となっている。排気管76は、前後方向で穀粒タンク9の前端部に対応する位置において、脱穀装置7の上端部Tよりも高い位置まで延ばされている。
排気管76の上側は排気管カバー79によって覆われている。排気管カバー79は、排気管76の前部から後端にわたって備えられている。排気管カバー79は、正面視で略山形状に形成されており、上部の左右両側部は横外方側ほど下方に位置する斜め姿勢に形成され、塵埃が堆積しないように構成されている。排気管カバー79の横側部は上下方向に延びる縦面状に形成されている。
排気管76は、複数の分割管を接続して構成され、且つ、複数の分割管同士が接続される接続部に空気導入用の隙間が形成されている。すなわち、図5に示すように、排気管76は、最上流側の分割管としての第一分割管80、第一分割管80の下流側に接続される下流側の分割管としての第二分割管81、第二分割管81の下流側に接続される第三分割管82という3つの分割管に、排気流れ方向に分割されている。排気管76は、第一分割管80、第二分割管81及び第三分割管82の順に、径が大きくなるように構成されている。
第一分割管80は、排ガス処理装置75の排気口75aにボルト固定されている。第一分割管80は、排ガス処理装置75の外周上部から機体左右方向で穀粒タンク9側(右側)の斜め上方(右斜め上方)に向かって延び出てから後側に曲がっている。第一分割管80には、排ガス処理装置75の排気口75aから穀粒タンク9側(右側)の斜め上方に向かって延び出る上方向き延出部80aと、上方向き延出部80aの上端部から後方に向かって延び出る後向き延出部80bと、が備えられている。第一分割管80における曲げ部、すなわち、上方向き延出部80aと後向き延出部80bとの接続部はサイドパネル57よりも上側に位置している。
第二分割管81の前端部には、前端ほど径が大きくなる拡径部81aが形成されている。第一分割管80の後端部と第二分割管81の前端部とが隙間をあけて重なり合う状態で接続されている。第二分割管81は、後端部における一部の領域を除く多くの領域が真っすぐ延びる直管状に構成されている。第二分割管81は後上がり傾斜姿勢に設けられている。第二分割管81の後端部は脱穀装置7の上端部Tよりも上側に位置するように延ばされている。
図4に示すように、第二分割管81の前端部は、第二分割管81に溶接固定された取付板83が、脱穀装置7の右側壁7Aにボルト連結された支持ブラケット84に対してボルト連結されて支持されている。図9に示すように、第二分割管81の後端部は、前端部と同様に、第二分割管81に溶接固定された取付板85が、脱穀装置7の右側壁7Aにボルト連結された支持ブラケット86に対してボルト連結されて支持されている。第二分割管81の後端部における第三分割管82に対応する箇所は、水平面に対する傾斜角度が小さくなるように、下側に折れ曲る折れ曲り部81bが形成されている。
第三分割管82は、直管によって構成されている。第二分割管81の後端部と第三分割管82の前端部とが隙間Sをあけて重なり合う状態で接続されている。第三分割管82は後上がり傾斜姿勢に設けられている。図1に示すように、第三分割管82は、前端部から後端部にわたる全領域において、脱穀装置7の上端部Tよりも上側に位置するように延ばされている。図9に示すように、第三分割管82も、第二分割管81と同様に、前後両側において、第三分割管82に溶接固定された取付板87が、脱穀装置7の右側壁7Aにボルト連結された支持ブラケット88に対してボルト連結されて支持されている。図1に示すように、第二分割管81の後上がり傾斜角度α1は、第三分割管82の後上がり傾斜角度よりも大に設定されている。
第二分割管81の後端部と第三分割管82の前端部との接続部89が特定接続部に対応している。第二分割管81が特定接続部89よりも前部側に位置する前部側分割管に対応しており、第三分割管82が特定接続部89よりも後部側に位置する後部側分割管に対応している。
図4,5に示すように、排気管76は、穀粒タンク9に形成された凹入空間31を通されている。張り出し部30の直下方位置、すなわち、凹入空間31の上部は脱穀装置7の上方に向けて開放されている。そして、第二分割管81の後端部と第三分割管82の前端部との接続部89(特定接続部)が凹入空間31の上部に配置されている。
従って、第二分割管81の後端部と第三分割管82の前端部は、上方が張り出し部30によって覆われている。図4に示すように、張り出し部30は、排気管76の左右方向の右側端部から左右方向中間位置よりも少し左側寄りの位置まで張り出している。図3に示すように、平面視において、第二分割管81の後端部と第三分割管82の前端部との接続部89の多くの領域が張り出し部30によって覆われている。この構成により、接続部89に対して塵埃や雨水等が降りかかることを張り出し部30によって抑制することができる。
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態では、第二分割管81の後上がり傾斜角度α1が、第三分割管82の後上がり傾斜角度α2よりも大に設定されたが、この構成に代えて、第二分割管81の後上がり傾斜角度α1と、第三分割管82の後上がり傾斜角度α2とを同じ角度に設定してもよく、又、第二分割管81の後上がり傾斜角度α1が、第三分割管82の後上がり傾斜角度α2より小に設定してもよい。
(2)上記実施形態では、特定接続部89が、脱穀装置7の上端部Tよりも上側に位置する構成としたが、この構成に代えて、特定接続部89が、脱穀装置7の上端部よりも下側に位置する構成としてもよい。
(3)上記実施形態では、特定接続部89が、第二分割管81と第三分割管82との間での1つの接続部だけが対応する構成としたが、この構成に代えて、分割管が4個以上に分割され、複数の接続部のうちの2個以上の接続部が特定接続部として備えられる構成としてもよい。
(4)上記実施形態では、張り出し部30が、穀粒タンク9のうち揚穀装置17に対応する凹入部32よりも前側に位置する箇所にのみ備えられる構成としたが、この構成に代えて、張り出し部30が凹入部32よりも前側箇所から凹入部32よりも後側箇所にわたって備えられる構成でもよく、穀粒タンク9の後端部まで延ばされる構成としてもよい。
(5)上記実施形態では、排気管76が排ガス処理装置75にて浄化処理された排ガスを流動案内する構成としたが、この構成に代えて、エンジンのマフラーから排出される排ガスをそのまま流動案内する構成としてもよい。
本発明は、自脱型のコンバインの他、普通型のコンバイン、あるいは、トウモロコシ収穫機等の収穫機に適用できる。
4 運転部
5 エンジン
6 原動部
7 脱穀装置
9 穀粒タンク
30 張り出し部
31 凹入空間
32 凹入部
75 排ガス処理装置
76 排気管
80 最上流型の分割管
81 前部側分割管
82 後部側分割管
89 特定接続部

Claims (8)

  1. 刈取られた穀稈を脱穀処理する脱穀装置と、
    前記脱穀装置と左右方向に並ぶ状態で設けられ、脱穀処理で得られた穀粒を貯留する穀粒タンクと、
    前記穀粒タンクよりも前側に位置するエンジンと、
    一端側の入口部から導入される前記エンジンの排ガスを流動案内して他端側の排気口から外部に排出する排気管とが備えられ、
    前記穀粒タンクは、前記脱穀装置側の側部の上部に前記脱穀装置側に向けて張り出す張り出し部が形成され、且つ、前記張り出し部の下方にタンク内方側へ凹入する凹入空間が形成され、
    前記排気管は、前記脱穀装置と前記穀粒タンクとの間を通り、機体前部から後上方に向かって延ばされ、
    前記排気管は、複数の分割管を接続して構成され、且つ、複数の前記分割管同士が接続される接続部に空気導入用の隙間が形成され、
    前記凹入空間の上部は前記脱穀装置の上方に向けて開放されており、
    前記排気管は、前記凹入空間を通されており、前記接続部のうち少なくともいずれかの特定接続部が前記凹入空間の上部に配置されている収穫機。
  2. 前記特定接続部は、前記脱穀装置の上端部よりも上側に位置している請求項1に記載の収穫機。
  3. 前記張り出し部は、前記排気管の左右方向中央部よりも前記脱穀装置側に向けて張り出している請求項1又は2に記載の収穫機。
  4. 前記張り出し部は、前記穀粒タンクの前部に備えられ、
    前記排気管は、前後方向で前記穀粒タンクの前端部に対応する位置において、前記脱穀装置の上端部よりも高い位置まで延ばされている請求項1から3のいずれか1項に記載の収穫機。
  5. 前記脱穀装置と前記穀粒タンクとの間に、前記脱穀装置にて得られた穀粒を前記穀粒タンクの搬入口に向けて上方に搬送する揚穀装置が備えられ、
    前記穀粒タンクの前記脱穀装置側の側面に、前記揚穀装置が入り込む縦長の凹入部が形成され、
    前記張り出し部は、前記穀粒タンクのうち前記凹入部よりも前側に位置する箇所にのみ備えられ、
    前記排気管は、前記穀粒タンクの後端部に対応する位置まで延ばされている請求項1から4のいずれか1項に記載の収穫機。
  6. 前記排気管のうち前記特定接続部よりも前部側に位置する前部側分割管の後上がり傾斜角度は、後部側に位置する後部側分割管の後上がり傾斜角度よりも大に設定されている請求項1から5のいずれか1項に記載の収穫機。
  7. 前記脱穀装置の前方に運転部が備えられ、
    前記運転部の下方に前記エンジンを収容する原動部が備えられ、
    前記原動部に、前記エンジンの排ガスを浄化処理する排ガス処理装置が備えられ、
    前記排気管は、前記排ガス処理装置からの排ガスを流動案内して排気する請求項1から6のいずれか1項に記載の収穫機。
  8. 前記排ガス処理装置が前記凹入空間の前方に備えられ、
    前記排気管における複数の前記分割管のうち最上流側の分割管は、前記排ガス処理装置からの排ガスを上方に向けて案内したのち、後上がり傾斜姿勢の下流側の分割管に向けて案内する請求項7に記載の収穫機。
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