JPH0216598Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、操縦席の配置側に穂先側が位置する
よう走行車台に載置された脱穀装置と、この走行
車台に対して昇降自在の刈取移送装置とを設けた
コンバインに係るものである。

〔従来技術〕 一般に、この種のコンバインにおいては、走行
車台の一側に設置された操縦席の側方に脱穀装置
の供給口が設けられ、刈取移送装置で刈り取られ
て搬送された穀稈は、刈取移送装置に設けられた
穂先カバー上に穂先を保持され、操縦席側に穂先
側が位置するような水平姿勢で、入口漏斗から供
給口に送り込まれるものであるが、この入口漏斗
は脱穀装置に一体的に設けられ、この入口漏斗上
に刈取移送装置の終端部に設けられた垂れゴムが
連続するように設けられ、穀稈の穂先を供給口に
案内するよう設けられている。

〔考案が解決しようとする課題〕

従来のコンバインにおいては、この垂れゴムと
入口漏斗との内端部分、すなわち、脱穀装置と刈
取移送装置と操縦席との間からわら屑が侵入し下
方の刈取駆動プーリ等に堆積し、あるいは脱穀装
置から飛び出す籾が通過して地上に落下する等の
欠点があつた。

本考案はこの間隙部を被覆する可撓性のカバー
体を操縦席側に配置のクラツチカバーに設けるこ
とにより、刈取駆動プーリ等にわら屑等の堆積を
防ぎ、また籾の損失を防止しようとするものであ
る。

〔課題を解決するための手段〕 本考案の技術的手段は、走行車台１上に穀稈入
口漏斗１８を前側にして脱穀装置１３を搭載し、
該脱穀装置１３の前方には刈取部２１と搬送部２
３とからなる刈取移送装置１９を上下昇降自由に
取付けて設け、該刈取移送装置１９の後部と前記
脱穀装置１３の前部との側方に操縦席３を設け、
該操縦席３と前記入口漏斗１８との間の下方には
刈取クラツチと脱穀クラツチとを設け、この刈取
クラツチ及び脱穀クラツチの上方で、入口漏斗１
８と操縦席３との間にクラツチカバー１１を設
け、該クラツチカバー１１に外側端縁を連結した
可撓性のカバー体３５を前記入口漏斗１８に重合
させて設け、前記刈取移送装置１９の終端部分に
移送穀稈の穂先部分を入口漏斗１８方向に案内す
る穂先カバー２９を設け、該穂先カバー２９に取
付けた垂れゴム３３を前記カバー３５の上面に重
合させてなるコンバインである。

〔実施例〕

以下、図面により本考案の１実施例について詳
細な説明を行なう。

図においては、１はコンバインの走行車台、３
は走行車台１の一側に設けられた操縦席、５，７
はそれぞれ操縦席３の内側方に並設された刈取ク
ラツチレバー、脱穀クラツチレバー、９，１１は
それぞれ刈取クラツチレバー５、脱穀クラツチレ
バー７を案内する長孔を備えたクラツチカバーで
ある。１３は走行車台１に操縦席３と反対側に架
装された脱穀装置で、内部に扱胴（図示せず）が
回転自在に設けられている。１５は脱穀装置１３
の供給口で、板状の飛散防止ゴム１７が供給口１
５を覆つて懸吊されている。この供給口１５の下
縁部には、入口漏斗１８が設けられている。１９
は脱穀装置１３の前方に、走行車台１に対し昇降
自在に装着された刈取装置で、次のように構成さ
れている。すなわち、２１は刈取部で、地上の穀
稈を刈り取つて搬送部２３により搬送し、搬送途
中において案内杆２５により案内されて垂直姿勢
から穂先側を内側方にする水平姿勢に変更し、株
元部をフイードチエン２７に引きつがれ、穂先側
は穂先カバー２９の上面を案内され、更に穂先カ
バー２９の末端部に位置する入口漏斗１８から脱
穀装置１３の供給口１５に送り込まれる。３３は
穂先カバー２９の末端に固着された板状の垂れゴ
ムで、入口漏斗１８上に連続され、穀稈の穂先を
案内するものである。３５は操縦席３と脱穀装置
１３と刈取移送装置１９との間に生ずる間隙部を
被覆するカバー体で、ゴム板等の可撓性材料より
なり、上端をクラツチカバー１１の内端縁に固着
して懸吊され、入口漏斗１８の上面と垂れゴム３
３の下面との間に接して設けられている。なお、
３７は刈取部を駆動するための刈取駆動プーリ３
９の上方を覆う刈取プーリカバーである。

以上の実施例において、刈取部２１によつて刈
取られた穀稈は、搬送部２３により搬送する途中
で姿勢を水平に変更し、株元部はフイードチエン
２７に引きつがれて搬送され、穂先側は穂先カバ
ー２９、垂れゴム３３、入口漏斗１８に案内さ
れ、飛散防止ゴム１７を押しのけて供給口１５か
ら脱穀装置１３内に入り、内部の扱胴（図示せ
ず）により脱穀されるものである。脱穀装置１３
の供給口１５から吹き返されるわら屑・籾は飛散
防止ゴム１７により遮断され、一部は間隙を通つ
て飛び出すが、カバー体３５に遮断されると共に
供給口１５へ案内されて扱室内に還元されるた
め、わら屑が下方の刈取駆特プーリ３９等に堆積
することがなく、また籾を損失することを防ぐこ
とができるものである。カバー体は可撓性である
ので刈取移送装置の脱穀装置１３及び操縦席３に
対する関係位置等に若干ずれがあつても間隙部を
完全に遮蔽できるものである。

〔作用効果〕

以上のように本考案は、走行車台１に搭載する
脱穀装置１３前側の穀稈入口漏斗１８の穂先側上
側に、この入口漏斗１８と外側方の操縦席３部と
の間を覆うカバー１１部に外側端縁を連結させた
可撓性のカバー体３５を重合させると共に、該脱
穀装置１３の前方において昇降自在に設けられる
刈取移送装置１９終端部で穂先側部を案内する穂
先カバー２９側に取付けた垂れゴム３３を、該カ
バー体３５上面に重合させてなるコンバインであ
るから、脱穀装置１３前側の入口漏斗１８とこの
穂先側のカバー１１との間や、更にこれらと入口
漏斗１８前側の穂先カバー２９との間が、走行車
台１の振動や、刈取移送装置１９の昇降移動等に
よつて、間隙部を生じようとしても、入口漏斗１
８上側において各々相対的に移動自在に重合せる
可撓性のカバー体３５や垂れゴム３３等が設けら
れて、その間隙部を常時密着する状態に閉鎖する
ものであるから、下方部はもとよりカバー１１側
下方への穀粒の飛散等を少くすることができ、又
該カバー体３５の可撓性や垂れゴム３３によつ
て、これらの取付部材であるカバー１１、穂先カ
バー３５や、入口漏斗１８相互間に無理な抵抗を
与えないものである。

なお、本考案は前述の実施例に限定されるもの
ではなく、他の態様においても実施しうるもので
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の１実施例の平面図、第２図は
要部の斜視説明図である。 図面の主要な部分を表わす符号の説明、１……
走行車台、１３……脱穀装置、１９……刈取移送
装置、３５……カバー体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 走行車台１上に穀稈入口漏斗１８を前側にして
   脱穀装置１３を搭載し、該脱穀装置１３の前方に
   は刈取部２１と搬送部２３とからなる刈取移送装
   置１９を上下昇降自由に取付けて設け、該刈取移
   送装置１９の後部と前記脱穀装置１３の前部との
   側方に操縦席３を設け、該操縦席３と前記入口漏
   斗１８との間の下方には刈取クラツチと脱穀クラ
   ツチとを設け、この刈取クラツチ及び脱穀クラツ
   チの上方で、入口漏斗１８と操縦席３との間にク
   ラツチカバー１１を設け、該クラツチカバー１１
   に外側端縁を連結した可撓性のカバー体３５を前
   記入口漏斗１８に重合させて設け、前記刈取移送
   装置１９の終端部分に移送穀稈の穂先部分を入口
   漏斗１８方向に案内する穂先カバー２９を設け、
   該穂先カバー２９に取付けた垂れゴム３３を前記
   カバー３５の上面に重合させてなるコンバイン。