JP2020091997A - リチウムイオン二次電池 - Google Patents

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彰 坂脇
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Abstract

【課題】アルミニウムを主成分とするアルミニウム合金を、固体電解質を用いたリチウムイオン二次電池の負極集電体として用いる場合に、リチウムによるアルミニウム合金の腐食を抑制する。【解決手段】リチウムイオン二次電池100を構成する電池部1は、負極集電体層を兼ねる基板10と、負極活物質を含む負極層20と、無機固体電解質を含む固体電解質層30と、正極活物質を含む正極層40と、拡散防止層50と、正極集電体層60とを、この順に積層して形成される。基板10は、アルミニウム合金からなる基材11と、基材11に無電解めっきされたNiP(ニッケルリン)からなる被覆層12とを有しており、基板10の被覆層12側に積層される負極層20は、シリコンで構成される。【選択図】図4

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池に関する。
携帯電話やノート型パソコンなどの携帯電子機器の普及に伴い、高いエネルギー密度を有する、小型で軽量な二次電池の開発が強く望まれている。このような要求を満たす二次電池として、リチウムイオン二次電池が知られている。リチウムイオン二次電池は、正極活物質を含む正極と、負極活物質を含む負極と、リチウムイオン伝導性を示し且つ正極および負極の間に配置される電解質とを有している。
従来のリチウムイオン二次電池では、電解質として有機電解液等が用いられてきた。これに対し、電解質として無機材料からなる固体電解質(無機固体電解質)を用いるとともに、正極、固体電解質および負極をすべて薄膜で構成した、全固体型且つ薄膜積層型のリチウムイオン二次電池が提案されている(特許文献1参照)。
この特許文献1には、ガラス、半導体シリコン、セラミック、ステンレス、樹脂等からなる基板の上に、正極集電体層、正極活物質層、固体電解質層、負極活物質層および負極集電体層を順番に積層することで、リチウムイオン二次電池を形成することが記載されている。また、特許文献1には、基板の上に、負極集電体層、負極活物質層、固体電解質層、正極活物質層および正極集電体層を順番に積層することで、リチウムイオン二次電池を形成してもよいことも記載されている。そして、引用文献1には、負極活物質層にシリコン−マンガン合金、シリコン−コバルト合金、シリコン−ニッケル合金などを用い、負極集電体層にアルミニウムを用いることが記載されている。
特開2008−226728号公報
ここで、固体電解質を用いたリチウムイオン二次電池において、負極活物質としてリチウムと金属間化合物を形成する材料を用い、且つ、負極集電体としてアルミニウムを主成分とするアルミニウム合金を用いた場合、充電時にリチウムがアルミニウム合金にドープされてしまうおそれがある。そして、リチウムがアルミニウム合金にドープされると、アルミニウム合金の脆化を招くこととなってしまう。
上述したような全固体型且つ薄膜積層型のリチウムイオン二次電池では、コストの低減や軽量化を目的として、基板としてアルミニウム合金を用いることが検討されているが、この場合、リチウムのドープに伴って、基板そのものが脆化することになってしまう。
本発明は、アルミニウムを主成分とするアルミニウム合金を、固体電解質を用いたリチウムイオン二次電池の負極集電体として用いる場合に、リチウムによるアルミニウム合金の腐食を抑制することを目的とする。
本発明のリチウムイオン二次電池は、アルミニウムを主成分とする合金で構成される基材と、ニッケルおよびリンを含み且つ当該基材の表面にめっきされためっき層とを有する基板と、リチウムと金属間化合物を形成する負極活物質を含む負極層と、リチウム伝導性を示す無機固体電解質を含む固体電解質層と、正極活物質を含む正極層とを順に有している。
このようなリチウムイオン二次電池において、前記めっき層におけるリンの含有率が、10wt.%以上であることを特徴とすることができる。
また、前記めっき層は、非晶質構造を有することを特徴とすることができる。
また、前記めっき層の線膨張係数が、前記基材の線膨張係数よりも小さく、前記負極層の線膨張係数が、前記めっき層の線膨張係数よりも小さいことを特徴とすることができる。
また、前記負極層は、シリコンを主成分とすることを特徴とすることができる。
また、他の観点から捉えると、本発明のリチウムイオン二次電池は、アルミニウムを主成分とする合金で構成される基材と、非晶質構造を有する金属または合金で構成される非晶質金属層と、リチウムと金属間化合物を形成する負極活物質を含む負極層と、リチウム伝導性を示す無機固体電解質を含む固体電解質層と、正極活物質を含む正極層とを順に有している。
このようなリチウムイオン二次電池において、前記非晶質金属層は、ZrCuAlNiPdP、CuZr、FeZr、TiZr、CoZrNb、NiNb、NiTiNb、NiP、CuP、NiPCu、NiTi、CrTi、AlTi、FeSiB、AuSiのいずれかで構成されることを特徴とすることができる。
また、前記非晶質金属層は、非磁性体であることを特徴とすることができる。
また、前記負極層は、シリコンを主成分とすることを特徴とすることができる。
また、非晶質構造を有する金属または合金で構成され、前記正極層に積層される他の非晶質金属層と、電子伝導性を有する金属または合金で構成され、前記他の非晶質金属層に積層される正極集電体層とをさらに有することを特徴とすることができる。
また、前記他の非晶質金属層は、ZrCuAlNiPdP、CuZr、FeZr、TiZr、CoZrNb、NiNb、NiTiNb、NiP、CuP、NiPCu、NiTi、CrTi、AlTi、FeSiB、AuSiのいずれかで構成されることを特徴とすることができる。
本発明によれば、アルミニウムを主成分とするアルミニウム合金を、固体電解質を用いたリチウムイオン二次電池の負極集電体として用いる場合に、リチウムによるアルミニウム合金の腐食を抑制することができる。
実施の形態のリチウムイオン二次電池の全体構成を示す斜視図である。 リチウムイオン二次電池を構成する電池部の斜視図である。 (a)はリチウムイオン二次電池の正面図であり、(b)はその背面図である。 図3(a)、(b)のIV−IV断面図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、以下の説明で参照する図面における各部の大きさや厚さ等は、実際の寸法とは異なっている場合がある。
[リチウムイオン二次電池の構成]
図1は、本実施の形態のリチウムイオン二次電池100の全体構成を示す斜視図である。また、図2は、リチウムイオン二次電池100を構成する電池部1の斜視図である。さらに、図3(a)はリチウムイオン二次電池100の正面図であり、図3(b)はその背面図である。さらにまた、図4は、図3(a)、(b)のIV−IV断面図(リチウムイオン二次電池100の縦断面図)である。
本実施の形態のリチウムイオン二次電池100は、充放電可能な充電池すなわち二次電池として機能する電池部1と、絶縁性を有するとともに電池部1の要部を被覆する被覆部2とを備えている。
(電池部)
最初に、電池部1の構成について説明を行う。
本実施の形態の電池部1は、基板10と、基板10上に積層される負極層20と、負極層20上に積層される固体電解質層30とを備えている。ここで、固体電解質層30は、負極層20の周縁を覆うとともにその端部が基板10に直接積層されることで、基板10とともに負極層20を覆っている。また、この電池部1は、固体電解質層30上に積層される正極層40と、正極層40上に積層される拡散防止層50とを備えている。ここで、拡散防止層50は、正極層40の周縁を覆うとともにその端部が固体電解質層30に直接積層されることで、固体電解質層30とともに正極層40を覆っている。さらに、この電池部1は、拡散防止層50上に積層される正極集電体層60を備えている。
〔基板〕
基板10は、負極層20乃至正極集電体層60を、成膜プロセスによって積層するための土台となるものである。また、本実施の形態の基板10は、電子伝導性を有する導電性材料で構成されている。これにより、基板10は、負極層20への集電を行う負極集電体層として機能するようになっている。そして、この基板10は、金属板で構成された基材11と、基材11の一方の面を覆う被覆層12とを備えており、被覆層12側に、負極層20乃至正極集電体層60が積層されている。ここで、基板10を用いて電池部1を形成した際に、流れる電流による損失(渦電流損)を抑制するという観点からすれば、基板10を構成する基材11および被覆層12は、ともに非磁性体からなることが望ましい。
{基材}
基材11は、アルミニウムを主成分とする合金(アルミニウム合金)で構成される。このアルミニウム合金は、2000系〜8000系のいずれのものを用いてもよいし、これら以外の組成のものを用いてもかまわない。なお、純アルミニウムと称される1000系アルミニウムも、実際には、シリコンや鉄を不純物として含んでいることから、本実施の形態におけるアルミニウム合金の範疇に含まれる。
基材11および被覆層12を含む基板10の厚さは、例えば50μm以上1mm以下とすることができる。基板10の厚さが50μm未満であると、製造工程中のハンドリングが困難になる。一方、基板10の厚さが1mmを超えると、不必要な厚みとなるため無駄なコストアップ要因となる。
また、基材11の製造方法としては、通常は圧延法が用いられ、さらに研磨等が施される。
{被覆層}
めっき層あるいは非晶質金属層の一例としての被覆層12は、固体薄膜であって、負極層20に保持されたリチウムイオンの、基材11への拡散を抑制するためのものである。ここで、本実施の形態の被覆層12は、非晶質構造を有する金属または合金で構成することが望ましい。この場合、被覆層12は、構成材料が異なる非晶質層を、複数積層して構成することもできる。なお、ここでいう「非晶質構造」には、全体が非晶質構造を有しているものはもちろんのこと、非晶質構造中に微結晶が析出しているものも含まれる。また、本実施の形態の被覆層12は、リチウムと金属間化合物を形成しない金属または合金で構成することが望ましい。
ここで、被覆層12に用いることが可能な金属(合金)としては、ZrCuAlNiPdP、CuZr、FeZr、TiZr、CoZrNb、NiNb、NiTiNb、NiP、CuP、NiPCu、NiTi、CrTi、AlTi、FeSiB、AuSi等を挙げることができる。ただし、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、亜鉛(Zn)あるいはスズ(Sn)を含む合金については、負極層20を構成する負極活物質次第で、被覆層12として使用可能な場合とそうではない場合とが存在する。また、銅(Cu)、鉄(Fe)あるいはニッケル(Ni)を含む合金については、負極層20を構成する負極活物質がリチウム(Li)、炭素(C)あるいはシリコン(Si)である場合に、被覆層12として使用可能である。
そして、これらの中でも、耐腐食性の観点から、被覆層12を、ニッケルおよびリンを含むNiPで構成することが望ましい。また、被覆層12としてNiPを用いる場合、耐酸性を向上させるという観点からすれば、リンの含有率を10wt.%以上とすることが好ましい。なお、NiPにおけるリンの含有率を10wt.%以上とすることは、基材11に対し、後述する無電解めっきで被覆層12を形成する場合に、被覆層12が非晶質化しやすくなるという点でも有用である。
被覆層12の厚さは、例えば1μm〜50μmとすることができる。被覆層12の厚さが1μm未満であると、基材11の熱膨張を抑制する効果が不十分となる。一方、被覆層12の厚さが50μmを超えると、不必要な厚みとなるため無駄なコストアップ要因となる。
また、被覆層12の製造方法としては、各種PVD(物理蒸着)や各種CVD(化学蒸着)など、公知の成膜手法を用いてかまわないが、生産効率の観点からすれば、無電解めっき法を用いることが望ましい。
ここで、本実施の形態においては、被覆層12の線膨張係数が、基材11の線膨張係数よりも小さいことが望ましい。
また、本実施の形態においては、被覆層12のビッカース硬度が、基材11のビッカース硬度よりも大きいことが望ましい。
〔負極層〕
負極層20は、固体薄膜であって、充電時にはリチウムイオンを吸蔵するとともに放電時にはリチウムイオンを放出する負極活物質を含んでいる。特に、本実施の形態の負極層20は、充電時にリチウムと金属間化合物を形成する負極活物質を含んでいる。このような負極活物質としては、例えばシリコン、アルミニウム、銀、亜鉛、スズ等を挙げることができ、特に、シリコンを主成分とするものであることが望ましい。また、負極層20には、必要に応じて各種ドーパントを添加してもよい。
負極層20の厚さは、例えば10nm以上40μm以下とすることができる。負極層20の厚さが10nm未満であると、得られる電池部1の容量が小さくなりすぎ、実用的ではなくなる。一方、負極層20の厚さが40μmを超えると、層形成に時間がかかりすぎるようになってしまい、生産性が低下する。ただし、電池部1に要求される電池容量が大きい場合には、負極層20の厚さを40μm超としてもかまわない。
また、負極層20は、結晶構造を持つものであっても、結晶構造を持たないアモルファス(非晶質構造)であってもかまわないが、リチウムイオンの吸蔵および放出に伴う膨張および収縮がより等方的になるという点で、アモルファスであることが好ましい。
さらに、負極層20の製造方法としては、各種PVDや各種CVDなど、公知の成膜手法を用いてかまわないが、生産効率の観点からすれば、スパッタ法(スパッタリング)を用いることが望ましい。
ここで、本実施の形態においては、負極層20の線膨張係数が、基板10における被覆層12の線膨張係数よりも小さいことが望ましい。
〔固体電解質層〕
固体電解質層30は、固体薄膜であって、無機材料からなる固体電解質(無機固体電解質)を含んでいる。固体電解質層30を構成する無機固体電解質については、リチウムイオン伝導性を示すものであれば、特に限定されるものではなく、酸化物、窒化物、硫化物など、各種材料で構成されたものを用いることができる。
固体電解質層30の厚さは、例えば10nm以上10μm以下とすることができる。固体電解質層30の厚さが10nm未満であると、得られたリチウムイオン二次電池1において、正極層40と負極層20との間での短絡(リーク)が生じやすくなる。一方、固体電解質層30の厚さが10μmを超えると、リチウムイオンの移動距離が長くなり、充放電速度が遅くなる。
また、固体電解質層30は、結晶構造を持つものであっても、結晶構造を持たないアモルファスであってもかまわないが、熱による膨張および収縮がより等方的になるという点で、アモルファスであることが好ましい。
さらに、固体電解質層30の製造方法としては、各種PVDや各種CVDなど、公知の成膜手法を用いてかまわないが、生産効率の観点からすれば、スパッタ法を用いることが望ましい。
〔正極層〕
正極層40は、固体薄膜であって、充電時にはリチウムイオンを放出するとともに放電時にはリチウムイオンを吸蔵する正極活物質を含むものである。ここで、正極層40を構成する正極活物質としては、例えば、マンガン(Mn)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、鉄(Fe)、モリブデン(Mo)、バナジウム(V)から選ばれる一種以上の金属を含む、酸化物、硫化物あるいはリン酸化物など、各種材料で構成されたものを用いることができる。また、正極層40は、さらに固体電解質を含んだ合材正極であってもよい。
本実施の形態では、正極層40を、正極活物質と、無機材料からなる固体電解質(無機固体電解質)とを含む合材正極で構成している。より具体的に説明すると、本実施の形態の正極層40は、主として無機固体電解質を含む固体電解質領域と、主として正極活物質を含む正極領域とを有している。そして、正極層40内では、固体電解質領域を構成する無機固体電解質と、正極領域を構成する正極活物質とが、それぞれを維持した状態で混在している。その結果、正極層40では、一方がマトリックス(母材)となっており、他方がフィラー(粒子)となっている。ここで、正極層40においては、固体電解質領域をマトリックスとし、正極領域をフィラーとすることが望ましい。
正極層40の厚さは、例えば10nm以上40μm以下とすることができる。正極層40の厚さが10nm未満であると、得られるリチウムイオン二次電池100の容量が小さくなりすぎ、実用的ではなくなる。一方、正極層40の厚さが40μmを超えると、層形成に時間がかかりすぎるようになってしまい、生産性が低下する。ただし、リチウムイオン二次電池100に要求される電池容量が大きい場合には、正極層40の厚さを40μm超としてもかまわない。
さらに、正極層40の作製方法としては、各種PVDや各種CVDなど、公知の成膜手法を用いてかまわないが、生産効率の観点からすれば、スパッタ法を用いることが望ましい。
〔拡散防止層〕
他の非晶質金属層の一例としての拡散防止層50は、固体薄膜であって、正極層40に保持されたリチウムイオンの、電池部1の外部(例えば正極集電体層60)への拡散を抑制するためのものである。ここで、拡散防止層50としては、非晶質構造を有する、金属または合金で構成されたものを用いることができる。また、拡散防止層50は、リチウムと金属間化合物を形成しない金属または合金で構成されることが好ましい。なお、拡散防止層50は、上述した被覆層12と同様に、構成材料が異なる非晶質層を、複数積層して構成することもできる。また、「非晶質構造」には、上述した被覆層12と同様に、全体が非晶質構造を有しているものはもちろんのこと、非晶質構造中に微結晶が析出しているものも含まれる。
ここで、拡散防止層50に用いることが可能な金属(合金)としては、ZrCuAlNiPdP、CuZr、FeZr、TiZr、CoZrNb、NiNb、NiTiNb、NiP、CuP、NiPCu、NiTi、CrTi、AlTi、FeSiB、AuSi等を挙げることができる。
そして、これらの中でも、耐食性の観点から、拡散防止層50を、CoZrNbで構成することが好ましい。拡散防止層50を合金で形成する場合、非晶質構造になる組成比の範囲は、層を形成する条件に依存するため、好ましい組成比の範囲を規定することはできないが、層を形成する条件との組み合わせによって選定すればよい。
拡散防止層50の厚さは、例えば10nm以上40μm以下とすることができる。拡散防止層50の厚さが10nm未満であると、固体電解質層30側から正極層40を通過してきたリチウムを、拡散防止層50でせき止めにくくなる。一方、拡散防止層50の厚さが40μmを超えると、電池の内部抵抗が高くなり、高速での充放電には不利である。
さらに、拡散防止層50の製造方法としては、各種PVDや各種CVDなど、公知の成膜手法を用いてかまわないが、生産効率の観点からすれば、スパッタ法を用いることが望ましい。特に、拡散防止層50をスパッタ法で形成した場合、金属または合金が非晶質化しやすい。
〔正極集電体層〕
正極集電体層60は、固体薄膜であって、電子伝導性を有するものであれば、特に限定されるものではなく、例えば、各種金属や、各種金属の合金を含む導電性材料を用いることができる。ただし、拡散防止層50の腐食を抑制するという観点からすれば、化学的に安定した材料を用いることが好ましく、例えば、白金族元素(Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt)または金(Au)あるいはこれらの合金で構成することが好ましい。
正極集電体層60の厚さは、例えば5nm以上50μm以下とすることができる。正極集電体層60の厚さが5nm未満であると、耐腐食性および集電機能が低下し、実用的ではなくなる。一方、正極集電体層60の厚さが50μmを超えると、電池の内部抵抗が高くなり、高速での充放電には不利である。
また、正極集電体層60の製造方法としては、各種PVDや各種CVDなど、公知の成膜手法を用いてかまわないが、生産効率の観点からすれば、スパッタ法を用いることが望ましい。
(被覆部)
では、図1〜図4を参照しつつ被覆部2の構成について説明を行う。
本実施の形態の被覆部2は、固体薄膜であって、電池部1を保護するとともに、電池部1の内部絶縁と外部絶縁とを行うためのものである。
被覆部2は、正極集電体層60の上面および側面、拡散防止層50の側面、固体電解質層30の周縁側上面および側面、基板10(基材11および被覆層12)の側面を覆っている。ただし、正極集電体層60の上面におけるほぼ中央部には、被覆部2が存在しない開口部2aが設けられており、この部位には、正極集電体層60が露出する露出部61が設けられている。また、被覆部2は、基板10の下面を覆っておらず、この部位には、基板10(実際には基材11)が露出している。これにより、本実施の形態のリチウムイオン二次電池100では、正極集電体層60における露出部61が、外部との電気的な接続に用いられる正の電極として機能し、基板10の基材11が、外部との電気的な接続に用いられる負の電極として機能するようになっている。
被覆部2としては、絶縁性を有するものであれば、有機材料や無機材料など、各種材料を用いることができる。ただし、本実施の形態の電池部1は、充放電に伴って厚さ方向に伸縮する構造となっていることから、被覆部2として、柔軟性および伸縮性が無機材料よりも高い、有機材料(特に合成樹脂材料)を用いることが望ましい。また、被覆部2は、電池部1の外側に露出する各層(この例では、基板10、固体電解質層30、拡散防止層50および正極集電体層60)との密着性が高い材料を用いることが望ましい。さらに、リチウムイオン二次電池100の外側から電池部1の状態を観察しやすくするという観点からすれば、被覆部2は、可視領域の波長の光に対して透光性を有していることが望ましい。
そして、被覆部2として使用することのできる無機材料としては、例えば酸化シリコン(SiO)を挙げることができる。また、被覆部2として使用することのできる有機材料としては、合成樹脂材料を挙げることができ、特に、各種フォトレジスト材料や各種エンジニアリングプラスチック材料を用いることが望ましい。
被覆部2の厚さは、例えば100nm以上2mm以下とすることができる。被覆部2の厚さが100nm未満であると、ピンホール等が形成される可能性が高くなり、大気暴露に伴ってリチウムが酸化するおそれや、絶縁性を確保できなくなるおそれがある。一方、被覆部2の厚さが2mmを超えると、リチウムイオン二次電池100全体の薄型化が困難となり、また、層形成に時間がかかりすぎるようになってしまい、生産性が低下する。
また、被覆部2の作製方法としては、例えば無機材料を使用する場合には、各種PVDや各種CVD、あるいはゾルゲル法など、公知の成膜手法を採用することができる。一方、例えば有機材料を使用する場合には、ディップコート、スピンコートあるいは刷毛等による、液体状の原材料の塗布を行った後、加熱や露光等により硬化させる成膜手法を採用することができる。
[リチウムイオン二次電池の動作]
リチウムイオン二次電池100の電池部1を充電する場合、負極集電体層として機能する基板10(基材11)には直流電源の負極が、正極集電体層60(露出部61)には直流電源の正極が、それぞれ接続される。そして、正極層40で正極活物質を構成するリチウムイオンが、固体電解質層30を介して負極層20へと移動し、負極層20で負極活物質に収容される。
このとき、正極層40から負極層20側に移動してきたリチウムイオンの一部は、負極層20を通過して、被覆層12との境界部に到達する。ここで、本実施の形態の被覆層12は、非晶質構造を有する金属または合金(例えばNiP)で構成されており、多結晶構造を有する金属または合金で構成されている場合と比べて、粒界の数が著しく少なくなっている。このため、負極層20と被覆層12との境界部に到達したリチウムイオンは、被覆層12を介して、リチウムと金属間化合物を形成するアルミニウムを主成分とする基材11に入り込みにくくなることから、負極層20内に保持された状態を維持する。
また、充電したリチウムイオン二次電池100の電池部1を使用(放電)する場合、負極集電体層として機能する基板10(基材11)には直流負荷の負極が、正極集電体層60(露出部61)には直流負荷の正極が、それぞれ接続される。そして、負極層20で負極活物質に収容されるリチウムイオンが、固体電解質層30を介して正極層40へと移動し、正極層40で正極活物質を構成する。
このとき、負極層20から正極層40側に移動してきたリチウムイオンの一部は、正極層40を通過して、拡散防止層50との境界部に到達する。ここで、本実施の形態の拡散防止層50は、非晶質構造を有する金属または合金(例えばCoZrNb)で構成されており、多結晶構造を有する金属または合金で構成されている場合と比べて、粒界の数が著しく少なくなっている。このため、正極層40と拡散防止層50との境界部に到達したリチウムイオンは、拡散防止層50に入り込みにくくなることから、正極層40内に保持された状態を維持する。
なお、上述した充電動作および放電操作を行っている間、リチウムイオン二次電池100に設けられた被覆部2は、外部から電池部1を保護するとともに、電池部1の内部での短絡の発生を抑制している。
[リチウムイオン二次電池の構成例]
以下、本発明者が行った実験および評価について説明を行う。
表1は、実験および評価で使用した、電池部1の具体的な構成例を示している。
(基板)
基板10には、アルミニウム合金(表1には「Al合金」と記載)からなる基材11と、ニッケル・リン合金(NiP)からなる被覆層12とを積層したものを用いた。
基板10は、以下の手順によって製造した。まず、圧延法によって、アルミニウムを主成分とする合金板(アルミニウム合金板)を製造し、このアルミニウム合金板を切断することで基材11を得た。なお、ここでは、基材11として5000系アルミニウム合金を用いた。そして、基材11の一方の面に、無電解めっき(無電解ニッケルめっき法)によってNiPからなる被覆層12を形成し、基材11と被覆層12との積層体を得た。このとき、被覆層12におけるリンの含有率は、12wt.%程度とした。そして、この積層体における被覆層12に、一般的な機械研磨処理を施した後、CMP法等を用いた研磨処理を施すことで、基板10を得た。
また、基板10の大きさは12mm×12mmとし、基材11の厚さは0.8mm、被覆層12の厚さは20μmとした。
(負極層)
負極層20には、ドーパントとしてホウ素が添加されたシリコン(表1には「Si(B)」)を用いた。
負極層20は、スパッタによって形成した。
また、負極層20の大きさは10mm×10mmとし、その厚さは200nmとした。
(固体電解質層)
固体電解質層30には、リン酸リチウム(LiPO)を用いた。
固体電解質層30は、スパッタによって形成した。
また、固体電解質層30の大きさは12mm×12mmとし、その厚さは1000nmとした。
(正極層)
正極層40には、ニッケル酸リチウム(LiNiO)およびリン酸リチウム(LiPO)を用いた。すなわち、正極層40を、正極活物質(LiNiO)および固体電解質(LiPO)を含む合剤正極で構成した。正極層40におけるニッケル酸リチウム(LiNiO)とリン酸リチウム(LiPO)との比率は、重量比で、LiNiO:LiPO=80:20とした。
正極層40は、スパッタによって形成した。
また、正極層40の大きさは8mm×8mmとし、その厚さは800nmとした。
(拡散防止層)
拡散防止層50には、コバルト・ジルコニウム・ニオブ合金(CoZrNb)を用いた。拡散防止層50におけるコバルトとジルコニウムとニオブとの比率は、重量比で、Co:Zr:Nb=91:5:4(Co91ZrNb)とした。
拡散防止層50は、スパッタを用いて形成した。
また、拡散防止層50の大きさは10mm×10mmとし、その厚さは200nmとした。
(正極集電体層)
正極集電体層60には、白金(Pt)を用いた。
正極集電体層60は、スパッタによって形成した。
また、正極集電体層60の大きさは10mm×10mmとし、その厚さは60nmとした。
(被覆部)
表1には示していないが、被覆部2には、フォトレジスト材料として知られているS1813G(ローム・アンド・ハース社製)を用いた。被覆部2の厚さは1000nmとした。
被覆部2は、以下の手順によって製造した。まず、電池部1に対し、正極集電体層60の上方から、最終的に開口部2aとすべき領域の周囲に、環状にフォトレジスト材料を供給した。続いて、フォトレジスト材料が供給された電池部1をスピンコータにセットし、電池部1を回転させることで、電池部1の上面から側面にわたってフォトレジスト材料を塗布(スピンコート)した。それから、電池部1の外周面に塗布されたフォトレジスト材料を加熱(ベーク)した後に全面露光し、リチウムイオン二次電池100を得た。このとき、電池部1の上方では、正極集電体層60の上面のうちの中央部が、被覆部2で覆われることなく露出部61として外部に露出した。また、電池部1の下方では、基板10における基材11のうちの下面のほぼ全域が、被覆部2で覆われることなく外部に露出した。
(基板および被覆層の線膨張係数の関係)
表1に示す電池部1の場合、アルミニウム合金からなる基材11の線膨張係数は、20〜25(ppm/℃)程度である。これに対し、NiPからなる被覆層12の線膨張係数は、13〜15(ppm/℃)程度である。したがって、被覆層12の線膨張係数は、被覆層12に隣接する基材11の線膨張係数よりも小さいことになる。また、表1に示す電池部1の場合、シリコンからなる負極層20の線膨張係数は、3.9(ppm/℃)程度である。したがって、負極層20の線膨張係数は、負極層20に隣接する被覆層12の線膨張係数よりも小さいことになる。
基材11、被覆層12および負極層20の各線膨張係数が、上述した関係を有していることにより、基板10上に対する負極層20乃至正極集電体層60の成膜に際して、熱膨張および熱収縮に伴う基材11の変形を抑制することが可能になる。
[リチウムイオン二次電池の評価]
ここでは、表1に示す電池部1を含むリチウムイオン二次電池100を評価する尺度として、リチウムイオン二次電池100の結晶構造と、電気的特性とを用いた。
(結晶構造)
まず、結晶構造について説明を行う。本発明者は、表1に示す電池部1に対し、電子線回折パターンを測定することで、電池部1を構成する各層の結晶構造(結晶化、非晶質化)に関する評価を行った。
まず、基板10において、基材11を構成するアルミニウム合金は結晶化しており、被覆層12は非晶質化していた。
また、負極層20、固体電解質層30、正極層40および拡散防止層50は、それぞれ非晶質化していた。なお、正極層40については、結晶化している領域と非晶質化している領域とが混在しており、非晶質化している領域に対し、結晶化している領域が点在していた。
さらに、正極集電体層60は結晶化していた。
(電気的特性)
次に、電気的特性について説明を行う。ここでは、電気的特性の評価項目として、放電容量および容量維持率を用いた。なお、これら電気的特性の測定機器としては、北斗電工株式会社製 充放電装置HJ1020mSD8を用いた。また、ここでは、表1に示す電池部1を3つ(試料1〜試料3)用意し、それぞれについて評価を行った。
〔放電容量〕
放電容量は、電池部1が蓄えることのできる電荷の量すなわち容量(μAh)である。この場合、放電容量の値は大きいほどよいことになる。なお、ここでは、2つの電流値(0.08mA/1.3mA)にて放電容量の測定を行った。
〔容量維持率〕
容量維持率は、電池部1の、充電完了後の初期の容量に対する、予め定められた期間が経過した時点における容量の比を、百分率(%)で表したものである。この場合、容量維持率の値は高いほどよく、最高で100%となる。そして、ここでは、満充電後且つ24時間後の容量維持率の評価を行った。このとき、測定温度は25℃一定とした。
表2は、表1に示す電池部1(試料1〜試料3)における、電気的特性の評価結果を示している。
まず、電流値0.08mAにおける放電容量は、試料1では26(μAh)、試料2では27(μAh)、試料3では28(μAh)となった。
また、電流値1.3mAにおける放電容量は、試料1では2(μAh)、試料2では2(μAh)、試料3では4(μAh)となった。
さらに、容量維持率は、試料1では99.6%、試料2では99.9%、試料3では99.5%と、それぞれ高い数値を示した。
そして、電池部1に対して充放電を繰り返し行っても、基材11の劣化はみられなかった。これは、アルミニウム合金からなる基材11とシリコンからなる負極層20との間に、NiPからなる被覆層12を設けたことに起因するものと考えられる。
また、電池部1に対して充放電を繰り返し行っても、正極集電体層60の劣化はみられなかった。これは、白金からなる正極集電体層60と合材正極からなる正極層40との間に、CoZrNbからなる拡散防止層50を設けたことに起因するものと考えられる。
[その他]
なお、本実施の形態では、基材11の一方の面に被覆層12を形成してなる基板10を用いていたが、これに限られるものではなく、基材11の両方の面に被覆層12を形成してなる基板10を用いてもよい。この場合は、リチウムイオン二次電池100における背面側に、被覆層12が露出することになる。
また、本実施の形態では、基材11に被覆層12を形成してなる基板10を用い、基板10における被覆層12上に、負極層20乃至正極集電体層60を、スパッタにて順次積層する構成を採用していたが、これに限られるものではない。例えば、基材11に対し、被覆層12および負極層20乃至正極集電体層60を、スパッタにて順次積層する構成を採用してもかまわない。すなわち、基材11と被覆層12とを、別体で構成してもかまわない。
1…電池部、2…被覆部、2a…開口部、10…基板、11…基材、12…被覆層、20…負極層、30…固体電解質層、40…正極層、50…拡散防止層、60…正極集電体層、61…露出部、100…リチウムイオン二次電池

Claims (11)

  1. アルミニウムを主成分とする合金で構成される基材と、ニッケルおよびリンを含み且つ当該基材の表面にめっきされためっき層とを有する基板と、
    リチウムと金属間化合物を形成する負極活物質を含む負極層と、
    リチウム伝導性を示す無機固体電解質を含む固体電解質層と、
    正極活物質を含む正極層と
    を順に有するリチウムイオン二次電池。
  2. 前記めっき層におけるリンの含有率が、10wt.%以上であることを特徴とする請求項1記載のリチウムイオン二次電池。
  3. 前記めっき層は、非晶質構造を有することを特徴とする請求項1または2記載のリチウムイオン二次電池。
  4. 前記めっき層の線膨張係数が、前記基材の線膨張係数よりも小さく、
    前記負極層の線膨張係数が、前記めっき層の線膨張係数よりも小さいこと
    を特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のリチウムイオン二次電池。
  5. 前記負極層は、シリコンを主成分とすることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載のリチウムイオン二次電池。
  6. アルミニウムを主成分とする合金で構成される基材と、
    非晶質構造を有する金属または合金で構成される非晶質金属層と、
    リチウムと金属間化合物を形成する負極活物質を含む負極層と、
    リチウム伝導性を示す無機固体電解質を含む固体電解質層と、
    正極活物質を含む正極層と
    を順に有するリチウムイオン二次電池。
  7. 前記非晶質金属層は、ZrCuAlNiPdP、CuZr、FeZr、TiZr、CoZrNb、NiNb、NiTiNb、NiP、CuP、NiPCu、NiTi、CrTi、AlTi、FeSiB、AuSiのいずれかで構成されることを特徴とする請求項6記載のリチウムイオン二次電池。
  8. 前記非晶質金属層は、非磁性体であることを特徴とする請求項6記載のリチウムイオン二次電池。
  9. 前記負極層は、シリコンを主成分とすることを特徴とする請求項6乃至8のいずれか1項記載のリチウムイオン二次電池。
  10. 非晶質構造を有する金属または合金で構成され、前記正極層に積層される他の非晶質金属層と、
    電子伝導性を有する金属または合金で構成され、前記他の非晶質金属層に積層される正極集電体層と
    をさらに有することを特徴とする請求項6乃至9のいずれか1項記載のリチウムイオン二次電池。
  11. 前記他の非晶質金属層は、ZrCuAlNiPdP、CuZr、FeZr、TiZr、CoZrNb、NiNb、NiTiNb、NiP、CuP、NiPCu、NiTi、CrTi、AlTi、FeSiB、AuSiのいずれかで構成されることを特徴とする請求項10記載のリチウムイオン二次電池。
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