JP2020086255A - 画像形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の課題は、特に、金属光沢感を持つ粉体粒子の場合に、より高い金属光沢感(具体的には、メタリックミラー感)を表現することができ、粉体も十分な付着力で樹脂画像層に付着し、離脱し難い画像形成方法を提供することである。【解決手段】本発明の画像形成方法は、記録媒体上に形成された樹脂画像層に、粉体粒子を供給して固着する画像形成方法であって、前記樹脂画像層の表面及び内部に固着された前記粉体粒子の全個数のうちの80%以上の粉体粒子のそれぞれが、少なくとも各粉体粒子の一部分を前記樹脂画像層から露出するように固着することを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、樹脂画像層に粉体粒子を固着する画像形成方法に関し、特に、金属光沢感を持つ粉体粒子の場合に、より高い金属光沢感(具体的には、メタリックミラー感)を表現することができ、粉体粒子が離脱し難い画像形成方法に関する。
近年、オンデマンド印刷市場において、加飾印刷、高付加価値印刷の需要が高まっている。中でも、メタリック印刷に関する要望は特に大きく、多種多様な検討が行われてきた。ここで、メタリック印刷とは金属光沢を有する画像の印刷をいう。
その方法の一つとして、トナー画像を利用して、金属箔や樹脂箔を転写する方法が検討されてきた。例えば、特許文献1では、トナー画像を形成し、トナー部にのみ転写箔を接着する方法が提案されている。この方法では、画像の一部のみに箔を転写する場合、残りの転写箔はすべて無駄になるという問題があった。
一方で、トナー中に光輝性顔料を添加したメタリックトナーに関しても検討が行われてきた。例えば、特許文献2では、光輝性顔料をトナーに含有させることで、必要な部分にのみメタリック画像を形成する方法が提案されている。しかし、この方法では、要求されるメタリック感には到達していない。
そこで、メタリック感の高い画像を必要な部分に無駄なく形成することを目的として粉体粒子を画像表面に接着しメタリック感をもたせる技術が提案されている。例えば、特許文献3では、トナー画像を加熱することによってトナーを軟化させることで接着力(粘着力)を生じさせ、その接着力を用いて粉体粒子を接着、固定しメタリック感を表現することが提案されている。
しかしながら、この方法は、粉体粒子の接着力に問題があり、擦過等により粉体粒子が離脱しやすく、メタリック感の低下を起こしてしまうという問題があった。
特開平01−200985号公報 特開2014−157249号公報 特開2013−178452号公報
本発明は、上記問題・状況に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、特に、金属光沢感を持つ粉体粒子の場合に、より高い金属光沢感(具体的には、メタリックミラー感)を表現することができ、粉体粒子が十分な付着力で樹脂画像層に付着し、離脱し難い画像形成方法を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく、上記問題の原因等について検討する過程において、樹脂画像層の表面及び内部に固着された粉体粒子の全個数のうちの露出割合を特定以上とし、かつ、各粉体粒子の一部分を樹脂画像層から露出するように固着することで、金属光沢感を持つ粉体粒子の場合に、より高い金属光沢感(具体的には、メタリックミラー感)を表現することができ、粉体粒子が離脱し難い画像形成方法を提供することができることを見いだし本発明に至った。
すなわち、本発明に係る上記課題は、以下の手段により解決される。
1.記録媒体上に形成された樹脂画像層に、粉体粒子を供給して固着する画像形成方法であって、
前記樹脂画像層の表面及び内部に固着された前記粉体粒子の全個数のうちの80%以上の粉体粒子のそれぞれが、少なくとも各粉体粒子の一部分を前記樹脂画像層から露出するように固着することを特徴とする画像形成方法。
2.前記樹脂画像層が、静電荷像現像用トナーを用いて形成されたトナー画像層であることを特徴とする第1項に記載の画像形成方法。
3.前記各粉体粒子の前記樹脂画像層からの平均露出量が、10〜50%の範囲内であることを特徴とする第1項又は第2項に記載の画像形成方法。
4.前記粉体粒子が、扁平状であることを特徴とする第1項から第3項までのいずれか一項に記載の画像形成方法。
5.前記粉体粒子の平均長径が5〜500μmの範囲内であり、かつ、平均厚さが0.2〜5μmの範囲内であることを特徴とする第4項に記載の画像形成方法。
6.前記粉体粒子が、少なくとも金属又は金属酸化物を含有することを特徴とする第1項から第5項までのいずれか一項に記載の画像形成方法。
7.前記樹脂画像層の前記粉体粒子による被覆率が、30〜80%の範囲内であることを特徴とする第1項から第6項までのいずれか一項に記載の画像形成方法。
本発明の上記手段により、金属光沢感を持つ粉体粒子の場合に、より高い金属光沢感(具体的には、メタリックミラー感(乱反射の少ない金属光沢感))を表現することができ、粉体粒子が十分な付着力で樹脂画像層に付着し、離脱し難い画像形成方法を提供することができる。
なお、本発明の手段によれば、粉体粒子が露出していることにより、金属光沢を帯びていない粉体粒子を使用した場合では、粉体粒子の持つ色が損なわれない。また、粉体粒子の表面形状を加工して干渉色を持たせた粉体粒子の場合などでも、加飾性を損なわない効果を得ることができる。
本発明の効果の発現機構又は作用機構については、明確にはなっていないが、以下のように推察している。
一般的に、粉体粒子の粒径が大きくなるほど、光を反射する面積が大きくなり、高いメタリックミラー感を得ることができることから、粉体粒子を樹脂画像層で完全に覆わずに、樹脂画像層から一部分を露出させることで粉体粒子における光の反射量を減少させずにメタリックミラー感を維持することができる。また、粉体粒子と樹脂画像層との接触面積量(埋没量)を大きくすることで樹脂画像層からの粉体粒子の離脱を防止することができる。
すなわち、例えば、図8(a)に示すように、粉体粒子(101)と樹脂画像層(102)との埋没量が小さいと、粉体粒子(101)が離脱しやすく、また、図8(b)に示すように、粉体粒子(101)が樹脂画像層(102)で完全に覆われてしまい、埋没量が大きいと、メタリックミラー感が低下してしまう。
そこで、本発明では、前記樹脂画像層の表面及び内部に固着された前記粉体粒子の全個数のうちの80%以上の粉体粒子のそれぞれが、少なくとも各粉体粒子の一部分を前記樹脂画像層から露出するように固着することによって、金属光沢感を持つ粉体粒子の場合に、樹脂画像層から露出した粉体粒子により高い金属光沢感(具体的には、メタリックミラー感(乱反射の少ない金属光沢感))を表現することができ、かつ、各粉体粒子の一部分を樹脂画像層に埋没させることによって樹脂画像層からの離脱を防止することができる。
本発明の画像形成方法を説明するための模式図 本発明の画像形成方法を説明するための走査型電子顕微鏡で観察撮影した写真 本発明に係る粉体粒子の露出量の算出方法を説明するための模式図 本発明に係る粉体粒子の露出を説明するための模式図 本発明に係る粉体粒子の露出を説明するための模式図 本発明の画像形成方法を説明するための模式図 本発明に係る粉体粒子の長径、短径及び厚さを説明するための模式図 従来の粉体粒子の固着状態を説明するための模式図
本発明の画像形成方法は、記録媒体上に形成された樹脂画像層に、粉体粒子を供給して固着する画像形成方法であって、前記樹脂画像層の表面及び内部に固着された前記粉体粒子の全個数のうちの80%以上の粉体粒子のそれぞれが、少なくとも各粉体粒子の一部分を前記樹脂画像層から露出するように固着することを特徴とする。
この特徴は、下記各実施形態に共通又は対応する技術的特徴である。
本発明の実施態様としては、前記樹脂画像層が、静電荷像現像用トナーを用いて形成されたトナー画像層であることが、本発明の効果を顕著に発揮することができる点で好ましい。
各粉体粒子の前記樹脂画像層からの平均露出量が、10〜50%の範囲内であることが、高いメタリックミラー感を維持しつつ、樹脂画像層からの粉体粒子の離脱を防止できる点で好ましい。
前記粉体粒子が、扁平状であることが、粉体粒子の配向を制御することにより所望の加飾画像を得ることができる点で好ましい。
前記粉体粒子の平均長径が5〜500μmの範囲内であり、かつ、平均厚さが0.2〜5μmの範囲内であることが好ましい。平均長径を前記範囲内とすることで、高いメタリックミラー感を発現することができ、画像を擦った時に粉体粒子が離脱することもない。また、平均厚さを前記範囲内とすることで、樹脂画像層の表面に固着した粉体粒子の前記長径及び短径方向を含む粉体粒子の平面方向が、前記樹脂画像層の表面方向に実質的に沿う粉体粒子の良好な配向状態が十分に形成され、また、画像を擦った時に粉体粒子が離脱することもない。
前記粉体粒子が、少なくとも金属又は金属酸化物を含有することが、高いメタリックミラー感を発現することができる点で好ましい。
以下、本発明とその構成要素及び本発明を実施するための形態・態様について説明をする。なお、本願において、「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用する。
[本発明の画像形成方法の概要]
本発明の画像形成方法は、記録媒体上に形成された樹脂画像層に、粉体粒子を供給して固着する画像形成方法であって、前記樹脂画像層の表面及び内部に固着された前記粉体粒子の全個数のうちの80%以上の粉体粒子のそれぞれが、少なくとも各粉体粒子の一部分を前記樹脂画像層から露出するように固着することを特徴とする。
特に、本発明に係る樹脂画像層の断面を走査型電子顕微鏡で観察撮影した写真において、前記80%以上の粉体粒子が集まって形成される領域が1層状になるように固着されていることが好ましい。すなわち、図1(a)〜(c)に示すように、前記樹脂画像層(102)の表面を含む第1層(S1)に前記80%以上の粉体粒子(101)が固着され、当該第1層(101)が樹脂画像層(102)の表面に対して略平行で1層構造であることが好ましい。また、20%未満の粉体粒子(101)は、樹脂画像層(102)の内部に固着され、かつ、第1層(S1)の内部及び樹脂画像層(102)の内部において、各粉体粒子間の距離がおおよそ均一に分散された状態で観察される固着状態になっていることが好ましい。このような固着状態によって、より高いメタリックミラー感が得られる点で好ましい。また、樹脂画像層の表面の乱れを防止でき、画像品質を向上させることができる。
また、図2は、本発明に係る樹脂画像層の断面を実際に走査型電子顕微鏡で倍率を2000倍として観察撮影した写真である。図2において、符号(103)は記録媒体である紙、符号(103a)は紙のコート層、符号(103b)は紙の繊維層、符号(104)は包埋樹脂層を表す。
なお、2つの粉体粒子が重なって見える部分については、粉体粒子と粉体粒子との間の隙間が粉体粒子の厚さ未満となっているときは1層とする。ただし、3層以上となっている場合は、1層とはしない。
また、本発明において「樹脂画像層から露出する」とは、走査電子顕微鏡で観察した画像(二次元画像)において、粉体粒子の表面のみ露出している場合と、粉体粒子の表面及び側面が露出している場合とがある。これらの場合において、下記に示す方法で露出量を算出し、算出した露出量が0%より大きい場合に「樹脂画像層から露出する」とする。また、露出量が0%である場合に「樹脂画像層から露出していない」とする。
<粉体粒子の露出量の算出>
(断面観察方法)
樹脂画像層の表面に粉体粒子が固着された粉体加飾画像を切り出して包埋樹脂で固め包埋した後、切削サンプルを切削し、イオンミリング加工装置により切削面をイオンミリング加工して、断面観察用のサンプルを作製する。
観察用サンプルを例えば、超高分解能電界放出形走査電子顕微鏡(S−4800、日立ハイテクノロジーズ社製)により、1視野内に樹脂画像層に付着した粉体粒子が10個見える倍率で観察する。観察した画像を株式会社ニレコ製LUSEX−APにて二値化処理を行い、下記方法により各粉体粒子の露出量を算出する。
(露出量)
露出量=(断面画像における樹脂画像層から露出している粉体粒子の周長)/(断面画像における粉体粒子の全周長)×100
露出している粉体粒子の周長(露出周長):樹脂画像層から露出している部分の外周長さ
粉体粒子の全周長:粉体粒子の全周を実際に計測した長さ
前記露出周長とは、例えば、図3における粉体粒子(101A)の場合、破線部分の長さ(露出している上面+側面の長さMA)である。また、粉体粒子(101B)の場合、破線部分の長さ(露出している上面+側面の長さMB)、粉体粒子(101C)の場合、破線部分の長さ(露出している上面+側面の長さMC)である。
前記全周長とは、例えば、図3における粉体(101A)の場合、破線部分の長さ(MA)と実線部分の長さ(mA)の和(MA+mA)である。また、粉体粒子(101B)の場合、破線部分の長さ(MB)と実線部分の長さ(mB)の和(MB+mB)である。粉体粒子(101C)の場合、破線部分の長さ(MC)と実線部分の長さ(mC)の和(MC+mC)である。
<粉体粒子の全個数のうちの露出割合の算出>
前記断面観察方法において、1視野内における粉体粒子の全個数と、前記露出量が0%より大きい粉体粒子の個数をカウントして、粉体粒子の全個数のうちの露出割合を算出する。これを任意の10視野において算出し、その平均値を採用する。なお、直径が3μm以上の粉体粒子についてカウントするものとした。
露出割合=(樹脂画像層から露出している粉体粒子の個数)/(断面画像における粉体粒子の全個数)×100
本発明では、上記の方法で算出した前記露出量が0%より大きければ、露出しているとし、例えば、図4に示すように、粉体粒子(101)の一部分が樹脂画像層(102)で覆われている場合も露出した粒子とする。
特に、図5に示すように、粉体粒子(101)の上面の一面のみ完全露出し、反対面(下面)と厚さ方向の面は、樹脂画像層(102)内に完全埋没した状態が好ましい。
また、前記樹脂画像層の表面に固着された各粉体粒子の前記樹脂画像層からの平均露出量(3μm以上の各粉体粒子の露出量の平均値)が、10〜50%の範囲内であることが、高いメタリックミラー感を維持しつつ、樹脂画像層からの粉体粒子の離脱を防止できる点で好ましい。
前記樹脂画像層に固着された前記粉体粒子の全個数のうちの80%以上の粉体粒子のそれぞれが、少なくとも各粉体粒子の一部分を前記樹脂画像層から露出するように固着するためには、後述するように、樹脂画像層に対して加熱する加熱手段と、加熱により溶融又は軟化する樹脂画像層上に粉体粒子を供給する粉体供給手段と、粉体粒子が供給された樹脂画像層を摺擦して固着する摺擦・固着手段と、を備え、樹脂画像層に対する加熱温度や粉体粒子の供給量、摺擦速度や摺擦時間等の条件を制御することが好ましい。
<被覆率>
前記樹脂画像層の前記粉体粒子による被覆率は、30〜80%の範囲内であることが好ましい。この範囲内であると、メタリック感は均一な鏡面光沢ではなく、キラリとした光輝感を持つものとすることができる。
前記被覆率とは、加飾領域(粉体粒子を付着させたい領域)に対する粉体粒子による被覆率をいう。
具体的に、被覆率は、キーエンス製デジタルマイクロスコープVHX−6000を用いて倍率100倍で写真を任意の10視野について撮影し、株式会社ニレコ製LUSEX−APにて二値化処理を行い、下記式により10視野における各被覆率を求め、これらの平均を採用する。
被覆率=(樹脂画像層の表面から露出した粉体粒子の上から見た際の面積)/(樹脂画像層の表面の面積)×100
なお、粉体粒子によって被覆されている箇所と、被覆されていない箇所は均一に分散していることが好ましい。
[画像形成方法]
以下、本発明の画像形成方法の構成について説明する。
<記録媒体>
本発明に係る記録媒体としては、特に制限されず、例えば、薄紙から厚紙までの普通紙、上質紙、アート紙又はコート紙などの塗工された印刷用紙、市販されている和紙やはがき用紙等の紙類;ポリプロピレン(PP)フィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、トリアセチルセルロース(TAC)フィルム等の樹脂製フィルム;布などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。また、記録媒体の色は特に限定されず、種々の色の記録媒体を使用することができる。
<樹脂画像層>
樹脂画像層は、表面に粉体粒子を固着できるものであれば特に限定されず、例えば、加熱により軟化又は可塑化する樹脂を含有することが好ましい。また、樹脂画像層が、静電荷像現像用トナー用いて形成されたトナー画像層であることが本発明の効果を顕著に発現できる点で好ましい。
このような樹脂として、例えば、熱可塑性樹脂や熱溶融性樹脂が挙げられる。また、熱可塑性樹脂以外に、着色剤、分散剤、界面活性剤、可塑剤、離型剤、酸化防止剤等の他の成分を含有してもよい。
熱可塑性樹脂は、熱可塑性を有する公知の樹脂を用いることができ、特に制限されない。また、熱溶融性樹脂は、熱溶融性を有する公知の樹脂を用いることができ、特に制限されない。
熱可塑性樹脂又は熱溶融性樹脂の例としては、例えば、(メタ)アクリル樹脂、スチレン樹脂、スチレン・アクリル樹脂、オレフィン樹脂(環状オレフィン樹脂を含む)、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ハロゲン含有樹脂(ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、フッ素樹脂など)、ポリスルホン樹脂(ポリエーテルスルホン、ポリスルホンなど)、セルロース誘導体(セルロースエステル類、セルロースカーバメート類、セルロースエーテル類など)、シリコーン樹脂(ポリジメチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサンなど)、ポリビニルエステル樹脂(ポリ酢酸ビニルなど)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリビニルアルコール樹脂及びこれらの誘導体樹脂、ゴム又はエラストマー(ポリブタジエン、ポリイソプレンなどのジエンゴム、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリルゴム、ウレタンゴムなど)などが挙げられる。上記熱可塑性樹脂及び熱溶融性樹脂は、単独でも又は2種以上組み合わせても使用することができる。なお、本明細書中、「(メタ)アクリル」とは、「アクリル及び/又はメタクリル」を示すものである。
熱可塑性樹脂及び熱溶融性樹脂は、共重合体であってもよい。熱可塑性樹脂が共重合体である場合の共重合体の形態は、ブロック共重合体、ランダム共重合体、グラフト共重合体、交互共重合体のいずれでもよい。
また、熱可塑性樹脂及び熱溶融性樹脂としては、合成品を用いてもよいし市販品を用いてもよい。これらの熱可塑性樹脂及び熱溶融性樹脂を合成するための重合方法は特に制限されず、公知の方法を用いることができる。例えば、高圧ラジカル重合法、中低圧重合法、溶液重合法、スラリー重合法、塊状重合法、乳化重合法、気相重合法等を挙げることができる。また、重合時に使用するラジカル重合開始剤や触媒も特に制限はなく、例えば、アゾ系又はジアゾ系重合開始剤、過酸化物系重合開始剤といったラジカル重合開始剤;過酸化物触媒、チーグラー−ナッタ触媒、メタロセン触媒といった重合触媒;等を用いることができる。
樹脂画像層の表面状態を制御しやすいという観点から、熱可塑性樹脂及び熱溶融性樹脂は、上述の樹脂の中でも、(メタ)アクリル樹脂、スチレン樹脂、スチレン・アクリル樹脂及びポリエステル樹脂からなる群から選択される少なくとも1種を含んでいると好ましく、スチレン・アクリル樹脂及びポリエステル樹脂からなる群より選択される少なくとも1種を含むことがより好ましい。
本発明でいうスチレン・アクリル樹脂とは、少なくともスチレン単量体と(メタ)アクリル酸エステル単量体とを用いて、重合を行うことにより形成されるものである。ここで、スチレン単量体とは、CH=CH−Cの構造式で表されるスチレンの他、スチレン構造中に公知の側鎖や官能基を有する構造のものも含まれる。
また、(メタ)アクリル酸エステル単量体とは、エステル結合を有する官能基を側鎖に有するものである。具体的には、CH=CHCOOR(Rはアルキル基)で表されるアクリル酸エステル単量体の他、CH=C(CH)COOR(Rはアルキル基)で表されるメタクリル酸エステル単量体などのビニル系エステルが含まれる。
また、スチレン・アクリル樹脂には、上述したスチレン単量体及び(メタ)アクリル酸エステル単量体のみで形成された共重合体の他に、一般のビニル単量体(オレフィン類、ビニルエステル類、ビニルエーテル類、ビニルケトン類、N−ビニル化合物類など)をさらに用いて形成される共重合体も含まれる。
さらに、スチレン・アクリル樹脂には、スチレン単量体、(メタ)アクリル酸エステル単量体及びその他の一般のビニル単量体の他、多官能性ビニル単量体や、側鎖にイオン性解離基(カルボキシ基、スルホン酸基、リン酸基など)を有するビニル単量体を用いて形成される共重合体も含まれる。かようなビニル単量体の例としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸などがある。
ポリエステル樹脂は、2価以上のカルボン酸(多価カルボン酸成分)と、2価以上のアルコール(多価アルコール成分)との重縮合反応によって得られる公知のポリエステル樹脂である。なお、ポリエステル樹脂は、非晶性であってもよいし結晶性であってもよい。
多価カルボン酸成分及び多価アルコール成分の価数としては、好ましくはそれぞれ2〜3であり、特に好ましくはそれぞれ2であるため、特に好ましい形態として価数がそれぞれ2である場合(すなわち、ジカルボン酸成分、ジオール成分)について説明する。
ジカルボン酸成分としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸(ドデカン二酸)、1,11−ウンデカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,13−トリデカンジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸、1,16−ヘキサデカンジカルボン酸、1,18−オクタデカンジカルボン酸などの飽和脂肪族ジカルボン酸;メチレンコハク酸、フマル酸、マレイン酸、3−ヘキセンジオイック酸、3−オクテンジオイック酸、ドデセニルコハク酸などの不飽和脂肪族ジカルボン酸;フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、t−ブチルイソフタル酸、テトラクロロフタル酸、クロロフタル酸、ニトロフタル酸、p−フェニレン二酢酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4′−ビフェニルジカルボン酸、アントラセンジカルボン酸などの不飽和芳香族ジカルボン酸;などが挙げられ、また、これらの低級アルキルエステルや酸無水物を用いることもできる。ジカルボン酸成分は、単独でも又は2種以上混合して用いてもよい。
その他、トリメリット酸、ピロメリット酸などの3価以上の多価カルボン酸、及び上記のカルボン酸化合物の無水物、又は炭素数1〜3のアルキルエステルなども用いることができる。
ジオール成分としては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,20−エイコサンジオール、ネオペンチルグリコールなどの飽和脂肪族ジオール;2−ブテン−1,4−ジオール、3−ブテン−1,4−ジオール、2−ブチン−1,4−ジオール、3−ブチン−1,4−ジオール、9−オクタデセン−7,12−ジオールなどの不飽和脂肪族ジオール;ビスフェノールA、ビスフェノールFなどのビスフェノール類、及びこれらのエチレンオキサイド付加物、プロピレンオキサイド付加物などのビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物などの芳香族ジオールが挙げられ、また、これらの誘導体を用いることもできる。ジオール成分は、単独でも又は2種以上混合して用いてもよい。
ポリエステル樹脂の製造方法は特に制限されず、例えば公知のエステル化触媒を利用して、上記多価カルボン酸成分及び多価アルコール成分を重縮合する(エステル化する)方法が挙げられる。
樹脂画像層に含有される前記樹脂の重量平均分子量は特に制限されないが、好ましくは2000〜1000000であり、より好ましくは5000〜100000であり、特に好ましくは10000〜50000の範囲内である。
(重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn))
測定対象となる樹脂を、濃度1mg/mLとなるようにテトラヒドロフラン(THF)に溶解させ、次いで、ポアサイズ0.2μmのメンブレンフィルターを用いて濾過し、得られた溶液をGPC測定用のサンプルとして用いた。GPC測定条件は、下記に示すGPC分析条件を採用し、サンプル中に含まれる樹脂の重量平均分子量又は数平均分子量を測定した。
〈GPC測定条件〉
GPC装置として「HLC−8120GPC、SC−8020(東ソー株式会社製)」を用い、カラムとして「TSKgel、SuperHM−H(東ソー株式会社製6.0mmID×15cm)」を2本用い、溶離液としてテトラヒドロフラン(THF)を用いた。分析は、流速0.6mL/min、サンプル注入量10μL、測定温度40℃、RI検出器を用いて行った。また、検量線は東ソー社製「polystylene標準試料TSK standard」:「A−500」、「F−1」、「F−10」、「F−80」、「F−380」、「A−2500」、「F−4」、「F−40」、「F−128」、「F−700」の10サンプルから作製した。なお、試料解析におけるデータ収集間隔は300msとした。
樹脂画像層中における樹脂の含有量は特に制限されないが、樹脂画像層の表面を軟化させ、樹脂画像層の表面状態を制御しやすくするという観点から、樹脂画像層の総質量に対して、0質量%より多く95質量%以下の範囲であると好ましく、0質量%より多く50質量%以下の範囲であるとより好ましく、5〜50質量%の範囲であるとさらに好ましく、10〜50質量%の範囲であると特に好ましい。
一方、樹脂画像層が樹脂とともに他の成分(例えば、着色剤、離型剤等)を含む場合、当該他の成分の含有量は特に制限されないが、樹脂画像層の表面を溶融又は軟化させ、樹脂画像層の表面状態を制御しやすくするという観点から、樹脂画像層の総質量に対して3〜40質量%であると好ましく、5〜20質量%の範囲内であるとより好ましい。
上記他の成分としての着色剤は、特に制限されず、公知の染料及び顔料を用いることができる。このような着色剤としては、カーボンブラック、磁性体、鉄・チタン複合酸化物ブラックなど;C.I.ソルベントイエロー19、同44などの染料;C.I.ピグメントイエロー14、同17などの顔料;C.I.ソルベントレッド1、同49などの染料;C.I.ピグメントレッド5、同122などの顔料;C.I.ソルベントブルー25、同36などの染料;C.I.ピグメントブルー1、同7などの顔料が挙げられるが、これらに制限されない。
また、上記他の成分としての離型剤は、特に制限されず、公知の離型剤を用いることができる。かような離型剤としては、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなどのポリオレフィンワックス;マイクロクリスタリンワックスなどの分枝鎖状炭化水素ワックス;パラフィンワックス、サゾールワックスなどの長鎖炭化水素系ワックス;ジステアリルケトンなどのジアルキルケトン系ワックス;カルナウバワックス、モンタンワックス、ベヘン酸ベヘニル、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1、18−オクタデカンジオールジステアレート、トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエートなどのエステル系ワックス;エチレンジアミンベヘニルアミド、トリメリット酸トリステアリルアミドなどのアミド系ワックス等が挙げられるが、これらに制限されない。
樹脂画像層の厚さは特に制限されないが、例えば、1〜100μmの範囲内であると好ましく、1〜50μmの範囲内であるとより好ましい。樹脂画像層の厚さが上記範囲であると、粉体粒子の配向をより制御しやすくなり、質感の調節が容易となる。
<粉体粒子>
本発明の画像形成方法において、粉体粒子は、加飾の目的や、所期の質感に応じて適宜選択することができる。ここで、粉体粒子の集合体を粉体といい、粉体とは、最終的な画像においても粉体としての状態で残存する物質をいう。
(粉体粒子の詳細)
樹脂画像層上に供給される粉体粒子の形状、大きさは特に制限されず、所期の質感を達成するために適切な形状及び大きさを選択することが好ましい。
粉体粒子は、形状の観点から、球形(球形粉体粒子)又は非球形(非球形粉体粒子)に大別される。
ここで、「球形粉体粒子」とは、その断面形状又は投影形状の平均円形度が0.970以上である粉体粒子をいう(上限:1.000)。なお、当該平均円形度は、「Wadellの式」にしたがい求めることができるが、例えば、以下のフロー式粒子像分析装置「FPIA−3000」(Sysmex社製)を用いて測定した値であってもよい。具体的には、粉体を界面活性剤水溶液に湿潤させ、超音波分散を1分間行い、分散した後、「FPIA−3000」を用い、測定条件HPF(高倍率撮像)モードにて、HPF検出数4000個の適正濃度で測定を行う。円形度は下記式で計算される。
円形度=(粒子像と同じ投影面積を持つ円の周囲長)/(粒子投影像の周囲長)
また平均円形度は、各粒子の円形度を足し合わせ、測定した全粒子数で割った算術平均値である。
したがって、「非球形粉体粒子」は、球形粉体粒子以外の粉体粒子であり、その断面形状又は投影形状の平均円形度が0.970未満である粉体粒子をいう。
中でも、粉体粒子の配向を制御することにより所期の質感(特に、ミラー調)を達成するという観点から、粉体粒子の形状は、非球形であることが好ましい。すなわち、粉体粒子が非球形粉体粒子を含むことが好ましい。さらに同様の観点から、上記非球形粉体粒子は、扁平状粉体粒子(すなわち、扁平な形状を有する粉体粒子)を含むとより好ましい。
ここで、「扁平状」又は「扁平な形状」とは、例えば、図6(a)、(b)に示すように、当該粉体粒子(101)における最大長さを長径L、当該長径Lに交差する方向における最大長さを短径l、上記長径Lに直交する方向の最少長さを厚さt、とするときに、厚さtに対する短径lの比率(l/t)が5以上である形状であることをいう。「扁平状」及び「扁平な形状」の用語には、例えば、フレーク状、鱗片状、板状、薄片状等と称される形状が包含される。
前記非球形粉体粒子は、非球形粉体粒子の配向した付着による外観効果を十分に発現させる観点から、平均長径Lが3〜600μmの範囲内であることが好ましく、5〜500μmの範囲内であることがより好ましい。前記平均長径を3μm以上とすることにより、反射面積が十分となり、良好な高いメタリックミラー感を発現することができる。一方、前記平均長径を600μm以下とすることにより、画像をこすった時に樹脂画像層からの粉体粒子の離脱を防止することができる。
また、前記非球形粉体粒子は、平均厚さtが0.1〜10μmの範囲内であることが好ましく、0.2〜5μmの範囲内であることがより好ましい。前記平均厚さを0.1μm以上とすることにより、前記樹脂画像層の表面に付着した非球形粉体の前記長径方向及び前記短径方向を含む非球形粉体の平面方向が前記樹脂画像層の表面方向に実質的に沿う非球形粉体の良好な配向状態が十分に形成される。一方、前記平均厚さを10μm以下とすることにより、画像をこすった時に樹脂画像層からの粉体粒子の離脱を防止することができる。
前記粉体粒子の平均厚さは、任意に100個の粉体粒子について測定した厚さの平均値であり、前記粉体粒子の平均長径は、任意に100個の粉体粒子について測定した長径の平均値である。また、個々の粉体粒子の厚さ、粒径(長径、短径を含む)は、粉体粒子を両面テープ上に振りかけて固着させ、その表面をマイクロスコープVHX−6000を用いて粉体粒子の形状が確認できる倍率で観察し、観察した画像を株式会社ニレコ製LUSEX−APにて二値化処理を行い、任意に100個の粉体粒子について長径L、短径l、厚さtを測定し、その平均値を採用することにする。
粉体粒子の材料は、特に限定されず、例えば、樹脂、ガラス、金属、金属酸化物等の種々の材料を用いることができる。中でも、粉体粒子は、金属又は金属酸化物を含むことが好ましい。金属又は金属酸化物を含んでいると、十分な光沢を有する画像において、高いメタリックミラー感を発現させることができる。
また、粉体粒子を構成する材料は、1種単独であってもよいし、2種以上であってもよい。粉体粒子が2種以上の材料を含む場合は、均一に分散されている形態であってもよいし、一方の材料に他の材料が積層されてなる(被覆されてなる)形態であってもよい。このような形態として、例えば、樹脂やガラス等からなる基材(コア)に対して金属及又は金属酸化物からなる被膜(シェル)が積層した形態;金属又は金属酸化物からなる基材(コア)に対して樹脂やガラス等からなる被膜(シェル)が積層した形態;などが挙げられるが、これらに限定されない。
粉体粒子は、合成品であってもよいし市販品であってもよい。非球形粉体の例としては、メタシャイン(登録商標)(日本板硝子株式会社)、サンシャインベビー クロムパウダー、オーロラパウダー、パールパウダー(以上株式会社GGコーポレーション)、ICEGEL ミラーメタルパウダー(株式会社TAT)、ピカエース(登録商標) MCシャインダスト、エフェクトC(株式会社クラチ)、プリジェル(登録商標) マジックパウダー、ミラーシリーズ(有限会社プリアンファ)、Bonnail(登録商標)シャインパウダー(株式会社ケイズプランイング)、エルジーneo(登録商標)(尾池工業株式会社)等が挙げられる。また、球形粉体の例としては、高精度ユニビーズ(登録商標)(ユニチカ株式会社)、ファインスフィア(登録商標)(日本電気硝子製)等が挙げられる。
なお、樹脂画像層上に供給される粉体粒子は、1種のみであってもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
本発明の画像形成方法は、記録媒体上に形成された樹脂画像層に、粉体粒子を供給する工程(粉体供給工程)と、摺擦・固着する工程(摺擦・固着工程)とを有する。
(粉体供給工程)
(1)粉体供給工程は、記録媒体上にあらかじめ粉体粒子を供給する場合や、前記記録媒体上に形成された樹脂画像層上に粉体粒子を供給する場合のどちらでも適宜選択される。
粉体粒子の供給方法は特に制限されず、粉体供給工程において用いられる粉体供給手段としては、粉体の性状に応じて公知の装置を用いることができる。例えば、特開2013−178452号公報(上記特許文献3)に記載された粉末供給手段を、本発明に係る粉体供給手段として用いることができる。また、本発明の一形態に係る粉体供給手段は、図7に示すような、粉体粒子101を収容する粉体収容部(11)及び粉体供給ローラー(12)を備えた粉体供給装置(10)であってもよい。
粉体粒子の供給方法のさらに具体的な例として、粉体粒子が絶縁性粉体である場合には、正又は負に帯電させた絶縁性粉体粒子を、粉体収容部(11)から導電性の粉体供給ローラー(導電性ローラー)(12)へ供給し、当該導電性ローラーによって担持搬送される上記絶縁性粉体粒子を樹脂画像層上に供給する方法が挙げられる。すなわち、粉体粒子が絶縁性粉体粒子である場合には、粉体収容部(11)及び導電性の粉体供給ローラー(導電性ローラー)(12)を有する粉体供給装置(粉体供給手段)(10)を用いることが好ましい。
また、粉体粒子の供給方法の他の具体的な例として、粉体粒子が磁性粉体粒子である場合には、磁性粉体粒子を、粉体収容部(11)から磁性を有する粉体供給ローラー(マグネットローラー)(12)へ供給し、当該マグネットローラーによって担持搬送される磁性粉体樹脂画像層上に供給する方法が挙げられる。すなわち、粉体粒子が磁性粉体である場合には、粉体収容部(11)及び磁性を有する粉体供給ローラー(マグネットローラー)(12)を有する粉体供給装置(粉体供給手段)(10)を用いることが好ましい。
樹脂画像層に対して供給される粉体粒子の量は、特に制限されず、所期の質感を表現できる量であれば特に制限されない。
粉体粒子は、樹脂画像層上にのみ選択的に供給されてもよいし、樹脂画像層上のみならず、樹脂画像層が形成されていない部分も含む記録媒体表面の全体に対して供給されてもよい。
また、粉体供給工程の前又は後、若しくは粉体供給時に樹脂画像層を加熱することが好ましい。加熱により、樹脂画像層を溶融又は軟化させ、樹脂画像層の表面及び内部に固着された粉体粒子の全個数のうちの80%以上の粉体粒子のそれぞれが、少なくとも各粉体粒子の一部分を前記樹脂画像層から露出するように表面に固着させることができる。
具体的には、図7に示すように、加熱ローラー(13)、ヒーター(ホットプレート)(14)及び後述する摺擦・固着工程で用いる加圧ローラー(15)等を用いることが好ましい。
加熱ローラーは、樹脂画像層の溶融・軟化手段として、樹脂画像層が形成された記録媒体を搬送しつつ、樹脂画像層を加熱溶融する。加熱ローラーは、記録媒体の搬送方向と垂直な方向に回転軸を有し、対向する補助ローラー(不図示)とともに記録媒体を挟持して搬送する。加熱ローラーは、ヒーターを内蔵しており、記録媒体上の樹脂画像層を加熱溶融して、樹脂画像層に粘着性を持たせる。なお、加熱ローラーは断熱部材により覆われていることが好ましい。
ヒーターは、樹脂画像層が加熱溶融されている記録媒体を加熱する。ヒーターは、加熱ローラーと粉体供給ローラーとの間に設けられ、記録媒体の裏面を加熱する。記録媒体の裏面が加熱されることにより、記録媒体上の樹脂画像層の温度低下が防止され、樹脂画像層の粘着性が維持される。
加熱ローラーやヒーターによる樹脂画像層の加熱温度は、70〜200℃の範囲内であることが、高いメタリックミラー感を保ちつつ、粉体粒子が十分な付着力で樹脂画像層に付着し離脱を防止できる点で好ましい。
なお、ここでは、加熱手段として、接触式の加熱ローラーやヒーター等を挙げたが、これらに限定されるものではなく、非接触式の加熱手段を用いてもよい。非接触式の加熱手段としては、ドライヤー、赤外線ランプ、可視光線ランプ、紫外線ランプ及び温風式オーブン等が挙げられる。
(摺擦・固着工程)
本発明の画像形成方法は、上記粉体供給工程に加え、さらに、粉体粒子が供給された樹脂画像層を摺擦して、樹脂画像層に粉体粒子を固着する摺擦・固着工程を含むことが、樹脂画像層の表面及び内部に、粉体粒子の全個数のうちの80%以上の粉体のそれぞれが、その一部分を樹脂画像層から露出するように固着でき、本発明のミラー調の質感を発現でき、かつ、粉体粒子の離脱を防止できる点で好ましい。
摺擦・固着工程は、粉体粒子が付着した状態にある樹脂画像層を、粉体粒子の上から摺擦して粉体粒子を固着する工程であり、前記粉体供給工程の後に行われる。ここで、「摺擦」とは、摺擦手段(摺擦部材)が記録媒体上の樹脂画像層の表面に接触しながら、当該表面に沿って、上記樹脂画像層に対して相対的に移動することをいう。すなわち、樹脂画像層に対して押圧した状態で、それと同時に押圧している力に対して垂直方向(樹脂画像層の表面に対しては平行方向)に力を加えることをいう。
このように粉体粒子が付着した状態にある樹脂画像層を、粉体粒子の上から摺擦することにより、樹脂画像層の表面に対して粉体粒子の配向を揃えることができる。より具体的には、摺擦することにより、樹脂画像層表面に対する粉体粒子の角度が揃いやすくなるため、乱反射の少ないミラー調の質感を容易に形成することができる。特に、粉体が扁平状粉体である場合、扁平な面が樹脂画像層表面に沿うように配向を整えられるため、乱反射の少ないミラー調の質感の形成がより容易となる。
したがって、本発明の画像形成方法は、粉体供給工程の後に、粉体粒子が供給された樹脂画像層を摺擦する摺擦・固着工程をさらに含むことが好ましい。
また、上記「摺擦」は、樹脂画像層(粉体粒子が付着した樹脂画像層)の押圧を伴うことが好ましい。すなわち、摺擦・固着工程では、粉体粒子が供給された樹脂画像層を摺擦するとともに、押圧することを含むことが好ましい。樹脂画像層を押圧することにより、粉体粒子の一部が樹脂画像層の内部に押し込まれるため、樹脂画像層に対する粉体粒子の接着を強くすることができる。よって、最終的に形成される光沢画像の強度を向上させられることに加え、形成される光沢画像におけるミラー調の所期の外観を明瞭にすることができる。ここで、「押圧」とは、樹脂画像層の表面に対して交差する方向(例えば垂直方向)に樹脂画像層の表面を押すことをいう。
摺擦・固着工程は、粉体粒子が付着した樹脂画像層を、摺擦手段を用いて摺擦することにより行う。具体的には、摺擦・固着工程は、粉体粒子が付着した樹脂画像層に対し、摺擦手段としての摺擦部材を接触させ、摺擦部材を樹脂画像層に対して摺擦部材を相対的に移動させることにより行う。このとき、摺擦部材を移動させる方向は特に制限されず、一方向のみであってもよいし、往復運動させてもよいし、さらに多数の方向であってもよい。ただし、粉体粒子の配向を制御しやすく、乱反射の少ないミラー調の質感を形成するためには、摺動部材の移動方向は、一方向のみであることが好ましい。
上記のように、ミラー調の質感を発現させる目的から、摺擦条件を制御することが好ましい。この時、摺擦条件とは、摺擦時間、摺擦速度(樹脂画像層表面に対する摺擦部材の摺擦部分の相対速度)、押圧力などが含まれる。また、以下で説明するように、摺擦部材として回転部材を用いる場合には、摺擦条件として、摺擦時間や回転速度を制御することが好ましい。
摺擦・固着工程において、摺擦部材による摺擦時間は、2〜20秒の範囲内であることが、高いメタリックミラー感を保ちつつ、粉体粒子が十分な付着力で樹脂画像層に付着して離脱を防止することができる点で好ましい。
また、摺擦・固着工程において、樹脂画像層表面に対する摺擦部材の摺擦部分の相対的な速度は、特に制限されないが、5〜500mm/秒の範囲であることが好ましい。5mm/秒以上であると、樹脂画像層の表面に対して粉体の配向を十分に添わせることができる。また、500mm/秒以下であると樹脂画像層に対し、十分に粉体粒子を付着させることができ、最終的に形成される光沢画像におけるミラー調の所期の外観を明瞭にすることができる。
また、摺擦・固着工程において、樹脂画像層の表面に対する摺擦部材の摺擦部分の接触幅は、特に制限されないが、樹脂画像層の表面に付着する粉体の所期の配向性及び記録媒体の搬送性という観点から、1〜200mmの範囲であることが好ましい。1mm以上であると、摺擦部分が樹脂画像層の表面に沿って移動する際に粉体の向きのばらつきを抑制でき、樹脂画像層に付着する粉体粒子の配向を十分に制御することができる。また、200mm以下であると、安定して容易に記録媒体の搬送を行うことができる。なお、「接触幅」とは、樹脂画像層に対する摺擦部材の摺擦部分の移動方向の長さをいう。
また、摺擦とともに押圧を行う場合、押圧力は、特に制限されないが、樹脂画像層の表面に対して1〜30kPaの範囲であることが好ましい。1kPa以上であると、樹脂画像層に対する粉体粒子の付着強度を十分に得ることができる。また、30kPa以下であると、記録媒体上に形成された樹脂画像層を安定して保持することができる。
摺擦・固着工程において用いられる摺擦手段としては特に制限されず、公知の装置を用いることができる。図7に示されるように、本発明の一形態に係る摺擦手段としての摺擦部材(15)は、記録媒体(103)の搬送方向に対して、粉体供給装置(粉体供給手段)(10)の後に備えることが好ましい。これらの装置の配設順序は、各工程が行われる順序に応じて、適宜決定される。
摺擦手段に備えられる摺擦部材としては、例えば、図7に示すような回転部材であってもよいし、往復運動する部材や、固定されている部材のような非回転部材であってもよい。
より具体的には、摺擦部材は、樹脂画像層の表面に供給された粉体が樹脂画像層の内部に完全に埋没してしまわないように、樹脂画像層の表面と平行に近い水平方向からの力を加えて摺擦し固着可能な部材が好ましく、水平な表面を有する樹脂画像層の表面に接して水平方向に、当該表面に対して相対的に移動可能な部材であってもよいし、樹脂画像層の表面に接する回転自在なローラー(回転ローラー)や回転ブラシ(電動歯ブラシのような形態のもの)、ポリッシャー等であってもよい。なお、図7では、軸周りに回転可能な回転ブラシ(15)を例示している。
摺擦部材として回転部材(特に、回転ブラシや回転ローラー)を用いる場合、その回転速度は特に制限されない。
上記摺擦部材は、樹脂画像層を押圧しながら、その表面が上記樹脂画像層の表面に対して相対的に移動自在に構成される回転ローラー、回転ブラシ又はポリッシャーとすることが好ましい。
摺擦部材によって押圧を行う場合、例えば、搬送されている記録媒体(樹脂画像層が形成された記録媒体)を、固定された摺擦部材で押圧することによって押圧を行ってもよい。又は、上記押圧は、記録媒体の搬送方向と同じ方向に回転し、かつ記録媒体の搬送速度よりも遅い速度で回転するローラーで摺擦することによって押圧を行ってもよいし、又は、記録媒体の搬送方向とは逆の方向に回転するローラーで摺擦することによって行ってもよいし、又は、記録媒体の搬送方向に対してその回転軸が斜めとなる向きに配置された回転自在なローラーで摺擦することによって押圧を行ってもよいし、又は、樹脂画像層の表面上を往復運動する部材で摺擦することによって押圧を行ってもよい。
よって、摺擦部材は、樹脂画像層の表面を押圧しながら記録媒体に対して相対的に異なる方向へ移動自在に構成されていることが好ましい。
また、上記摺擦部材は、柔軟性を有することが好ましい。摺擦部材の柔軟性は、例えば、摺擦時に、樹脂画像層の表面の形状に追従可能な程度に摺擦部材の表面が変形する程度の柔らかさであることが好ましい。すなわち、摺擦部材は、変形追従性を有していることが好ましい。このような柔軟性を有する摺擦部材としては、例えば、スポンジ、回転ブラシ等が挙げられるがこれらに制限されない。
本発明の画像形成方法は、上記粉体供給工程及び摺擦・固着工程に加え、例えば、樹脂画像層形成工程、粉末除去工程、追い刷り印刷工程等、その他の工程を含んでいてもよい。
(樹脂画像層形成工程)
本発明の画像形成方法は、粉体供給工程の前に、樹脂画像層形成工程をさらに含んでいてもよい。
樹脂画像層形成工程では、記録媒体上に樹脂画像層を形成する。記録媒体上に樹脂画像層を形成する方法については、特に制限されない。例えば、加熱により軟化する化合物、樹脂及び任意で含まれる他の成分(例えば、着色剤等)を適当な溶媒に溶解させて得た溶液を、記録媒体の表面に塗布し、乾燥することにより形成することができる。この場合、樹脂画像層の塗布は、一般的に用いられるグラビア塗布、ロール塗布、ブレード塗布、エクストルージョン塗布、ディップ塗布、スピンコート等の方法により行うことができる。
また、上記樹脂画像層は、インクジェット方式や、電子写真方式といった印刷方式で記録媒体上に印刷された画像であってもよい。インクジェット方式及び電子写真方式による画像の形成は、それぞれ公知の画像形成装置によって行うことができる。
本発明の効果をより得られやすいという観点から、樹脂画像層は、電子写真方式によって形成された画像であることが好ましい。電子写真方式では、感光体表面の静電潜像パターンへトナー粒子を付着させてトナー画像を形成し、当該トナー画像を紙などの記録媒体に転写する。ここで、トナー画像を形成するトナー粒子は、一般に、結着樹脂としての熱可塑性樹脂を含む。よって、電子写真方式で形成された画像(トナー画像)は、加熱にて軟化又は溶融しやすいことから、本発明の効果をより顕著に発揮することができると考えられる。
さらに、本発明の画像形成方法において、上記樹脂画像層は、記録媒体上に定着される前の画像(未定着画像)であってもよいし、定着された画像(定着画像)であってもよい。
樹脂画像層の表面に粉体を付着しやすく、十分に光沢性を有する画像を形成しやすいという観点から、樹脂画像層は、記録媒体上に定着された定着画像であることが好ましい。すなわち、本発明の画像形成方法は、粉体供給工程の前に、定着画像形成工程をさらに含んでいることが好ましい。
定着画像形成工程は、公知の定着画像形成装置、特には、電子写真方式を利用した画像形成装置によって行うことができる。定着画像形成方法の一例として、トナー画像が転写された記録媒体に、定着手段にて熱及び圧力を加え、記録媒体上のトナー画像を記録媒体上に定着させる方法が採用されうる。
(粉体除去工程)
本発明の画像形成方法は、粉体供給工程又は摺擦・固着工程の後に、粉体除去工程をさらに含んでいてもよい。粉体除去工程では、樹脂画像層に付着しなかった粉体粒子を記録媒体上から除去する。このとき、記録媒体上から除去された粉体粒子を回収して再利用してもよい。すなわち、本発明の画像形成方法は、粉体供給工程又は摺擦・固着工程の後、樹脂画像層に付着しなかった粉体粒子を記録媒体上から回収する、粉体回収工程をさらに含んでいてもよい。このように、加飾に用いられなかった余分な粉体粒子を回収することは、経済性の観点及び環境負荷の軽減の観点から好ましい。
粉体粒子の除去又は回収方法は特に制限されず、公知の方法により行うことができる。例えば、刷毛やブラシ等の部材で掻きとる方法、粘着テープ等の粘着部材で除去する方法、粉体粒子を吸引又は吸着することができる集粉器等の公知の器械で吸引する方法等が挙げられる。このように、粉体粒子の除去又は回収工程を行うための粉体除去手段(部材)又は粉体回収手段(部材)としては、上述のように、刷毛やブラシ等の部材、粉体粒子に対して粘着性を有する粘着部材、粉体粒子を吸引する吸引部材を有する集粉器等を用いることができる。また、粉体粒子が磁性粉末である場合には、マグネット部材を有する集粉器を用いてもよい。
(追い刷り印刷工程)
本発明の画像形成方法は、粉体供給工程及び加熱工程の後、又は必要に応じて行われる摺擦・固着工程及び/又は粉体除去工程の後に、追い刷り印刷工程をさらに含んでいてもよい。追い刷り印刷工程では、粉体粒子の付着した樹脂画像層(すなわち、すでに加飾の施された光沢画像)を有する記録媒体上に、さらに画像を形成する。追い刷り印刷方法については、特に制限されず、公知の手法を用いることができ、例えば、インクジェット方式や、電子写真方式といった印刷方式を用いることができる。また、追い刷り印刷工程を行うための追い刷り印刷手段としては、公知の装置を用いることができる。印刷物の付加価値をさらに向上させるという観点からは、追い刷り印刷工程をさらに行うことが好ましい。
(定着工程)
本発明の画像形成方法は、粉体供給工程又は摺擦・固着工程、粉体除去工程及び/又は追い刷り印刷工程の後に、必要であれば定着工程を設けることも好ましい。
当該定着工程は特に制限されるものではなく、公知の定着画像形成装置、特には、電子写真方式を利用した画像形成装置によって行うことができる。定着画像形成方法の一例として、トナー画像が転写された記録媒体に、定着手段にて熱及び圧力を加え、記録媒体上のトナー画像を記録媒体上に定着させる方法が採用されうる。
さらには、当該定着工程は光照射によって定着させることも好ましい。その照射条件は適宜調整されうるものである。
[画像形成装置]
本発明の画像形成方法を行うための画像形成装置は、記録媒体上に形成され、加熱により溶融又は軟化する樹脂画像層上に粉体粒子を供給する粉体供給手段と、上記樹脂画像層に対して加熱する加熱手段と、粉体粒子が供給された樹脂画像層(粉体粒子が付着した樹脂画像層)を摺擦して固着する摺擦手段とを有していることが好ましい。さらに、必要に応じて、樹脂画像層に付着しなかった粉体粒子を記録媒体上から除去する粉体除去手段(好ましくは、粉体回収手段)、及び粉体粒子の付着した樹脂画像層(すなわち、すでに加飾の施された光沢画像)を有する記録媒体上に、さらに画像を形成する画像形成手段(追い刷り印刷手段)及び前記画像を定着する手段をさらに有していることが好ましい。
これら摺擦手段、粉体除去手段(好ましくは粉体回収手段)、画像形成手段(追い刷り印刷手段)及び定着手段は、単独で、又は2種以上を組み合わせて画像形成装置に備えられうる。なかでも、画像形成装置が上記画像形成手段(追い刷り印刷手段)をさらに有していると、高い付加価値を有する画像の生産性を高めるという観点から好ましい。
なお、上記の粉体供給手段、加熱手段、摺擦手段、粉体除去手段(粉体回収手段)、画像形成手段(追い刷り印刷手段)及び定着手段等の具体的な説明は、上記各工程に係る説明に記載のとおりである。
また、上記の画像形成装置は、前述した定着画像形成装置が設けられている筐体と同じ筐体内に設けられていてもよいし、定着画像形成装置が設けられている筐体の外部に設けられていてもよい。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」又は「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」又は「質量%」を表す。
[トナーの作製]
<黒色用分散液の調製>
n−ドデシル硫酸ナトリウム11.5質量部をイオン交換水160質量部に投入し、溶解、撹拌して界面活性剤水溶液を調製した。この界面活性剤水溶液中に、着色剤(カーボンブラック:モーガルL)15質量部を徐々に添加し、「クリアミックスWモーションCLM−0.8」(エムテクニック株式会社製、「クリアミックス」は同社の登録商標)を用いて分散処理を行った。こうして、黒色着色剤の微粒子が分散した液(黒色用分散液)を調製した。
黒色用分散液中の黒色着色剤の微粒子の粒径は、体積基準のメディアン径で220nmであった。なお、体積基準のメディアン径は、「MICROTRAC UPA−150」(HONEYWELL社製)を用い、下記測定条件下で測定して求めた。
サンプル屈折率:1.59
サンプル比重:1.05(球状粒子換算)
溶媒屈折率:1.33
溶媒粘度:0.797(30℃)、1.002(20℃)
0点調整:測定セルにイオン交換水を投入し調整した。
<コア用樹脂粒子の作製>
下記に示す第1段重合、第2段重合及び第3段重合を経て多層構造を有するコア用樹脂粒子を作製した。
(a)第1段重合
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応容器にポリオキシエチレン−2−ドデシルエーテル硫酸ナトリウム4質量部をイオン交換水3040質量部に溶解させた界面活性剤水溶液1を仕込み、窒素気流下230rpmの撹拌速度で撹拌しながら、当該溶液の温度を80℃に昇温させた。
上記界面活性剤水溶液1中に、過硫酸カリウム10質量部をイオン交換水400質量部に溶解させた重合開始剤溶液1を添加し、得られた混合液の温度を75℃に昇温させた後、下記の成分を下記の量で含有する単量体混合液1を1時間かけて上記混合液に滴下した。
スチレン:532質量部
n−ブチルアクリレート:200質量部
メタクリル酸:68質量部
n−オクチルメルカプタン:16.4質量部
上記単量体混合液1を滴下後、得られた反応液を75℃にて2時間にわたり加熱、撹拌することにより重合(第1段重合)を行い、樹脂粒子A1を作製した。
(b)第2段重合
撹拌装置を取り付けたフラスコ内に、下記の成分を下記の量で含有する単量体混合液2を投入し、離型剤としてパラフィンワックス「HNP−57」(日本精蝋株式会社製)93.8質量部を添加し、90℃に加温して溶解させた。
スチレン:101.1質量部
n−ブチルアクリレート:62.2質量部
メタクリル酸:12.3質量部
n−オクチルメルカプタン:1.75質量部
一方、ポリオキシエチレン−2−ドデシルエーテル硫酸ナトリウム3質量部をイオン交換水1560質量部に溶解させた界面活性剤水溶液2を調製し、98℃に加熱した。この界面活性剤水溶液2中に樹脂粒子A1を32.8質量部添加し、さらに、上記単量体混合液2を添加した後、循環経路を有する機械式分散機「クレアミックス」(エムテクニック株式会社製)で8時間混合分散した。この混合分散により分散粒子径が340nmの乳化粒子を含有する乳化粒子分散液1を調製した。
次いで、この乳化粒子分散液1に、過硫酸カリウム6質量部をイオン交換水200質量部に溶解させた重合開始剤溶液2を添加し、得られた混合液を98℃にて12時間にわたり加熱撹拌を行うことで重合(第2段重合)を行い、樹脂粒子A2を作製し、また、当該樹脂粒子A2を含有する分散液を得た。
(c)第3段重合
上記樹脂粒子A2を含有する分散液に、過硫酸カリウム5.45質量部をイオン交換水220質量部に溶解させた重合開始剤溶液3を添加し、得られた分散液に、80℃の温度条件下で、下記の成分を下記の量で含有する単量体混合液3を1時間かけて滴下した。
スチレン:293.8質量部
n−ブチルアクリレート:154.1質量部
n−オクチルメルカプタン:7.08質量部
滴下終了後、2時間にわたり加熱撹拌を行って重合(第3段重合)を行い、重合終了後、28℃に冷却してコア用樹脂粒子を作製した。
<シェル用樹脂粒子の作製>
コア用樹脂粒子の作製における第1段重合で使用された単量体混合液1を、下記の成分を下記の量で含有する単量体混合液4に変更した以外は同様にして、重合反応及び反応後の処理を行ってシェル用樹脂粒子を作製した。
スチレン:624質量部
2−エチルヘキシルアクリレート:120質量部
メタクリル酸:56質量部
n−オクチルメルカプタン:16.4質量部
[ブラックトナー粒子の作製]
(a)コア部の作製
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応容器に、下記の成分を下記の量で投入、撹拌した。得られた混合液の温度を30℃に調整後、5モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液を当該混合液に添加して、そのpHを8〜11に調整した。
コア用樹脂粒子:420.7質量部
イオン交換水:900質量部
黒色用分散液:300質量部
次いで、塩化マグネシウム・6水和物2質量部をイオン交換水1000質量部に溶解した水溶液を撹拌の下で30℃にて10分間かけて上記混合液に添加した。3分間放置後に混合液の昇温を開始し、上記混合液を60分間かけて65℃まで昇温させ、上記混合液中の粒子の会合を行った。この状態で「マルチサイザ3」(コールター社製)を用いて会合粒子の粒子径測定を行い、会合粒子の体積基準メディアン径が5.8μmになった時に、塩化ナトリウム40.2質量部をイオン交換水1000質量部に溶解させた水溶液を上記混合液に添加して粒子の会合を停止させた。
会合停止後、さらに、熟成処理として液温を70℃にして1時間にわたり加熱撹拌を行うことにより会合粒子の融着を継続させてコア部を作製した。コア部の平均円形度を「FPIA2100」(シスメック株式会社製、「FPIA」は同社の登録商標)で測定したところ、0.912だった。
(b)シェルの作製
次に、上記混合液を65℃にして、シェル用樹脂粒子50質量部を当該混合液に添加し、さらに、塩化マグネシウム・6水和物2質量部をイオン交換水1000質量部に溶解した水溶液を10分間かけて上記混合液に添加した。その後、上記混合液を70℃まで昇温させて1時間にわたり撹拌を行った。この様にして、コア部の表面にシェル用樹脂粒子を融着させた後、75℃で20分間熟成処理を行ってシェルを形成させた。
その後、塩化ナトリウム40.2質量部をイオン交換水1000質量部に溶解した水溶液を添加してシェルの形成を停止した。さらに、8℃/分の速度で30℃まで冷却した。生成した粒子をろ過し、45℃のイオン交換水で繰り返し洗浄した後、40℃の温風で乾燥することにより、コア部の表面を覆うシェルを有するブラックトナー母体粒子を作製した。
(c)外添剤添加工程
ブラックトナー母体粒子に下記外添剤を添加して、「ヘンシェルミキサ」(日本コークス工業株式会社製)にて外添処理を行い、ブラックトナー粒子を作製した。
ヘキサメチルシラザン処理したシリカ微粒子:0.6質量部
n−オクチルシラン処理した二酸化チタン微粒子:0.8質量部
なお、ヘンシェルミキサによる外添処理は、撹拌羽根の周速35m/秒、処理温度35℃、処理時間15分の条件の下で行った。また、上記外添剤の上記シリカ微粒子の粒径は、体積基準のメディアン径で12nmであり、上記二酸化チタン微粒子の粒径は、体積基準のメディアン径で20nmであった。
[ブラック現像剤の作製]
ブラックトナー粒子に、メチルメタクリレートとシクロヘキシルメタクリレートとの共重合体でその表面が被覆されている、体積平均粒子径40μmのフェライトキャリア粒子をトナー濃度が6質量%となる量で混合し、ブラック現像剤を作製した。
<実施例1>
王子製紙製PODグロスコート(坪量128g/m)を記録媒体として、「AccurioPressC2060」(コニカミノルタ株式会社製、「AccurioPress」は同社の登録商標)の改造機にブラック現像剤を収容し、当該改造機を用いて2cm×2cmの正方形のパッチ画像を記録媒体上に形成し、記録媒体上に当該パッチ画像を有するトナー画像(樹脂製画像)を出力した。
90℃に加熱したホットプレートの上に上記樹脂画像を、上記パッチ画像を上に向けて置き、当該パッチ画像上に、日本板硝子株式会社製メタシャイン2025PS(平均長径25μm、平均厚さ2μm)を0.042g散布し、上記樹脂製画像のパッチ画像の表面を回転ブラシで粉体粒子をなめすように10秒間摺擦して粉体粒子を固着し、余分な粉体粒子を除去した。
上記のように作成した粉体加飾画像を断面観察したところ、粉体粒子が1層となるように付着されており、少なくとも一部が露出している粉体粒子の露出割合が90%であり、少なくとも一部が露出している粉体粒子の平均露出量は38%、被覆率は54%であった。
<実施例2>
実施例1のホットプレート温度を120℃、回転ブラシでの摺擦時間を10秒として粉体加飾画像を作成し断面観察をしたところ、粉体粒子が1層となるように付着されており、少なくとも一部が露出している粉体粒子の露出割合が85%であり、少なくとも一部が露出している粉体粒子の平均露出量は10%、被覆率は31%であった。
<実施例3>
実施例1のホットプレート温度を85℃、回転ブラシでの摺擦時間を10秒として粉体加飾画像を作成し断面観察をしたところ、粉体粒子が1層となるように付着されており、少なくとも一部が露出している粉体粒子の露出割合が90%であり、少なくとも一部が露出している粉体粒子の平均露出量は50%、被覆率は78%であった。
<実施例4>
実施例1のホットプレート温度を85℃、画像パッチ上に粉体粒子として特許第562564号公報の段落[0037]に記載の方法と同じ方法で製造された平均長径が5.0μm、平均厚さ0.5μmの粉体粒子を0.012g散布し、回転ブラシでの摺擦時間を10秒として粉体加飾画像を作成し断面観察をしたところ、粉体粒子が1層となるように付着されており、少なくとも一部が露出している粉体粒子の露出割合が95%であり、少なくとも一部が露出している粉体粒子の平均露出量は42%、被覆率は68%であった。
<実施例5>
実施例1のホットプレート温度を100℃、画像パッチ上に日本板硝子株式会社製メタシャイン5480PSを篩分けして平均長径が500μmとなるようにしたものを0.068g散布し、回転ブラシでの摺擦時間を10秒として粉体加飾画像を作成し断面観察をしたところ、粉体粒子が1層となるように付着されており、少なくとも一部が露出している粉体粒子の露出割合が90%であり、少なくとも一部が露出している粉体粒子の平均露出量は45%、被覆率は34%であった。
<実施例6>
実施例1のホットプレート温度を100℃、画像パッチ上に日本板硝子株式会社製メタシャイ5090PS(平均長径90μm、平均厚さ5.0μm)を0.068g散布し、回転ブラシでの摺擦時間を10秒として粉体加飾画像を作成し断面観察をしたところ、粉体粒子が1層となるように付着されており、少なくとも一部が露出している粉体粒子の露出割合が92%であり、少なくとも一部が露出している粉体粒子の平均露出量は47%、被覆率は39%であった。
<実施例7>
実施例1のホットプレート温度を85℃、画像パッチ上に粉体粒子として特許第562564号公報の段落[0037]に記載の方法と同じ方法で製造された平均粒径が13μm、平均厚さ0.2μmの粉体粒子を0.012g散布し、回転ブラシでの摺擦時間を10秒として粉体加飾画像を作成し断面観察をしたところ、粉体が1層となるように付着されており、少なくとも一部が露出している粉体の割合が95%であり、少なくとも一部が露出している粉体粒子の平均露出量は49%、被覆率は78%であった。
<実施例8>
実施例1のホットプレート温度を90℃、当該パッチ画像上に、日本板硝子株式会社製メタシャイン2025PS(平均長径25μm、平均厚さ2μm)を0.066g散布し、回転ブラシでの摺擦時間を10秒として粉体加飾画像を作成し断面観察をしたところ、粉体粒子が1層となるように付着されており、少なくとも一部が露出している粉体の露出割合が95%であり、少なくとも一部が露出している粉体粒子の平均露出量は48%、被覆率は80%であった。
<実施例9>
実施例1のホットプレート温度を90℃、当該パッチ画像上に、日本板硝子株式会社製メタシャイン2025PS(平均長径25μm、平均厚さ2μm)を0.0084g散布し、回転ブラシでの摺擦時間を10秒として粉体加飾画像を作成し断面観察をしたところ、粉体粒子が1層となるように付着されており、少なくとも一部が露出している粉体粒子の露出割合が80%であり、少なくとも一部が露出している粉体粒子の平均露出量は15%、被覆率は30%であった。
<実施例10>
実施例1のホットプレート温度を150℃、回転ブラシでの摺擦時間を10秒として粉体加飾画像を作成し断面観察をしたところ、粉体粒子が2層となるように付着されており、少なくとも一部が露出している粉体粒子の露出割合が85%であり、少なくとも一部が露出している粉体粒子の平均露出量は39%、被覆率は59%であった。
<実施例11>
実施例1のホットプレート温度を120℃、回転ブラシでの摺擦時間を15秒として粉体加飾画像を作成し断面観察をしたところ、粉体粒子が1層となるように付着されており、少なくとも一部が露出している粉体粒子の露出割合が90%であり、少なくとも一部が露出している粉体粒子の平均露出量は8%、被覆率は32%であった。
<実施例12>
実施例1のホットプレート温度を90℃、回転ブラシでの摺擦時間を5秒として粉体加飾画像を作成し断面観察をしたところ、粉体粒子が1層となるように付着されており、少なくとも一部が露出している粉体粒子の露出割合が90%であり、少なくとも一部が露出している粉体粒子の平均露出量は55%、被覆率は75%であった。
<実施例13>
実施例1のホットプレート温度を85℃、画像パッチ上に粉体として特許第562564号公報の段落[0037]に記載の方法と同じ方法で製造された平均長径が3.0μm、平均厚さ0.3μmの粉体粒子を0.012g散布し、回転ブラシでの摺擦時間を10秒として粉体加飾画像を作成し断面観察をしたところ、粉体粒子が1層となるように付着されており、少なくとも一部が露出している粉体粒子の露出割合が90%であり、少なくとも一部が露出している粉体粒子の平均露出量は21%、被覆率は69%であった。
<実施例14>
実施例1のホットプレート温度を100℃、画像パッチ上に日本板硝子株式会社製メタシャイン5480PSを篩分けして平均長径が510μmとなるようにしたものを0.068g散布し、回転ブラシでの摺擦時間を10秒として粉体加飾画像を作成し断面観察をしたところ、粉体粒子が1層となるように付着されており、少なくとも一部が露出している粉体粒子の露出割合が90%であり、少なくとも一部が露出している粉体粒子の平均露出量は49%、被覆率は36%であった。
<実施例15>
実施例1のホットプレート温度を85℃、画像パッチ上に粉体粒子として特許第562564号公報の段落[0037]に記載の方法と同じ方法で製造された平均長径が15μm、平均厚さ5μmの非扁平粉体粒子を0.012g散布し、回転ブラシでの摺擦時間を10秒として粉体加飾画像を作成し断面観察をしたところ、粉体粒子が1層となるように付着されており、少なくとも一部が露出している粉体粒子の露出割合が91%であり、少なくとも一部が露出している粉体粒子の平均露出量は41%、被覆率は44%であった。
<実施例16>
実施例1のホットプレート温度を85℃、画像パッチ上に粉体粒子として特許第562564号公報の段落[0037]に記載の方法と同じ方法で製造された平均長径が90μm、平均厚さ5.5μmの粉体粒子を0.036g散布し、回転ブラシでの摺擦時間を10秒として粉体加飾画像を作成し断面観察をしたところ、粉体粒子が1層となるように付着されており、少なくとも一部が露出している粉体粒子の露出割合が92%であり、少なくとも一部が露出している粉体粒子の平均露出量は45%、被覆率は40%であった。
<実施例17>
実施例1のホットプレート温度を85℃、画像パッチ上に粉体粒子として特許第562564号公報の段落[0037]に記載の方法と同じ方法で製造された平均長径が12μm、平均厚さ0.12μmの粉体粒子を0.012g散布し、回転ブラシでの摺擦時間を10秒として粉体加飾画像を作成し断面観察をしたところ、粉体粒子が1層となるように付着されており、少なくとも一部が露出している粉体粒子の露出割合が93%であり、少なくとも一部が露出している粉体粒子の平均露出量は51%、被覆率は76%であった。
<実施例18>
実施例1のホットプレート温度を90℃、当該パッチ画像上に、日本板硝子株式会社製メタシャイン2025PS(平均長径25μm、平均厚さ2μm)を0.090g散布し、回転ブラシでの摺擦時間を10秒として粉体加飾画像を作成し断面観察をしたところ、粉体粒子が1層となるように付着されており、少なくとも一部が露出している粉体粒子の露出割合が98%であり、少なくとも一部が露出している粉体粒子の平均露出量は49%、被覆率は82%であった。
<実施例19>
実施例1のホットプレート温度を90℃、当該パッチ画像上に、日本板硝子株式会社製メタシャイン2025PS(平均長径25μm、平均厚さ2μm)を0.005g散布し、回転ブラシでの摺擦時間を10秒として粉体加飾画像を作成し断面観察をしたところ、粉体粒子が1層となるように付着されており、少なくとも一部が露出している粉体粒子の露出割合が81%であり、少なくとも一部が露出している粉体粒子の平均露出量は39%、被覆率は28%であった。
<比較例1>
実施例1のホットプレート温度を90℃、回転ブラシでの摺擦時間を10秒行い、その後200℃のホットプレート上でPIシートを介して30秒加熱押圧し、冷却後剥離することで粉体加飾画像を作成した。作成した粉体加飾画像の断面観察をしたところ、粉体粒子が1層となるように付着されているが、トナー画像内に完全に埋没され、少なくとも一部が露出している粉体粒子の露出割合が0%であり、少なくとも一部が露出している粉体粒子の平均露出量は0%であった。
<比較例2>
実施例1のホットプレート温度を85℃、回転ブラシでの摺擦時間を5秒として粉体加飾画像を作成し断面観察をしたところ、粉体粒子が1層となるように付着されており、少なくとも一部が露出している粉体粒子の露出割合が78%であり、少なくとも一部が露出している粉体粒子の平均露出量は40%、被覆率は35%であった。
<粉体粒子の露出量の算出>
(断面観察方法)
樹脂画像層の表面に粉体粒子が固着された粉体加飾画像を切り出して包埋樹脂で固め包埋した後、切削サンプルを切削し、イオンミリング加工装置により切削面をイオンミリング加工して、断面観察用のサンプルを作製した。
観察用サンプルを例えば、超高分解能電界放出形走査電子顕微鏡(S−4800、日立ハイテクノロジーズ社製)により、1視野内に樹脂画像層に付着した粉体粒子が10個見える倍率で観察した。観察した画像を株式会社ニレコ製LUSEX−APにて二値化処理を行い、下記方法により各粉体粒子の露出量を算出した。そして、算出した各露出量の平均値を粉体粒子の平均露出量とし、下記表に示した。
(露出量)
露出量=(断面画像における樹脂画像層から露出している粉体粒子の周長)/(断面画像における粉体粒子の全周長)×100
露出している粉体粒子の周長(露出長):樹脂画像層から露出している部分の外周長さ
粉体粒子の全周長:粉体粒子の全周を実際に計測した長さ
<粉体粒子の全個数のうちの露出割合の算出>
前記断面観察方法において、1視野内における粉体粒子の全個数と、前記露出量が0%より大きい粉体粒子の個数をカウントして、粉体粒子の全個数のうちの露出割合を算出した。これを任意の10視野において算出し、その平均値を採用し、下記表に示した。なお、直径が3μm以上の粉体粒子についてカウントするものとした。
露出割合=(樹脂画像層から露出している粉体粒子の個数)/(断面画像における粉体粒子の全個数)×100
<粉体粒子の平均長径、平均厚さ及び形状>
粉体粒子を両面テープ上に振りかけて固着させ、その表面をマイクロスコープVHX−6000を用いて粉体粒子の形状が確認できる倍率で観察し、観察した画像を株式会社ニレコ製LUSEX−APにて二値化処理を行い、任意に100個の粉体粒子について長径L、短径l、厚さtを測定し、その平均値を算出した。
なお、粉体粒子における最大長さを長径L、当該長径Lに直交する方向における最大長さを短径l、上記長径Lに直交する方向の最少長さを厚さtとした。
さらに、厚さtに対する短径lの比率(l/t)が5以上である形状の場合には、扁平状とし、5未満の場合には非扁平状とした。
なお、非扁平状の粉体粒子を用いた実施例15においても、平均長径を測定した。
<被覆率>
被覆率は、キーエンス製デジタルマイクロスコープVHX−6000を用いて倍率100倍で写真を任意の10視野について撮影し、株式会社ニレコ製LUSEX−APにて二値化処理を行い、下記式により10視野における各被覆率を求め、さらに平均値を算出した。
被覆率=(樹脂画像層の表面から露出した粉体粒子の上から見た際の面積)/(樹脂画像層の表面の面積)×100
[評価]
<メタリックミラー感>
前記のように粉体加飾画像を形成したのち、ゴニオメーター装置(変角分光反射率測定器)(村上色彩研究所製、ゴニオフォトメーターGP−5)で測定し(校正版としてミスミSUS板金パネルSFY−MTA/L110/X80を使用、データ補正の校正の設定は、値20.0/角度ピークと設定し、パネルメータを300となるように調整、 入射角45°、あおり角0°として、受光角0〜90°の範囲を測定)、反射光量の積分値を算出して以下の基準で評価した。なお、ゴニオフォトメーターの反射光量積分値とミラー感の官能評価に相関がある。
○:反射光量積分値が400以上で十分なメタリックミラー感を示し、肉眼においても良好なメタリックミラー感を有している。
△:反射光量積分値が200以上400未満であり、肉眼においても違和感のないメタリックミラー感を有している。
×:反射光量積分値が200未満でメタリックミラー感が不充分であり、肉眼においても下地画像が不均一感やムラとなって確認することができる。
<離脱性>
5cm×10cmの大きさに形成し、粉体加飾を施したベタパッチ画像にテープを貼り付けた後、手でそのテープを剥がす。テープを剥がしたときの画像の状態を肉眼及び倍率10倍のルーペで観察して以下の基準で評価した。
なお、テープには「スコッチメンディングテープ MP−18(住友スリーエム(株)製)」を使用した。
○:ルーペ観察で確認可能な粉体粒子の離脱を起こしたものはなかった。
△:ルーペ観察で確認可能な粉体粒子が離脱したものがあるが、肉眼では離脱によって生じる不均一感やムラが確認できないレベルと判断した。
×:肉眼で離脱を確認できるものがあった。
Figure 2020086255
上記結果に示されるように、本発明の画像形成方法により形成したトナー画像は、比較例の画像形成方法により形成したトナー画像に比べて、高いメタリックミラー感を保ちつつ、粉体粒子も離脱しにくいことが認められる。
10 粉体供給装置(粉体供給手段)
11 粉体収容部
12 粉体供給ローラー
13 加熱ローラー
14 ヒーター
15 摺擦部材(摺擦手段)
101 粉体粒子
102 樹脂画像層
103 記録媒体

Claims (7)

  1. 記録媒体上に形成された樹脂画像層に、粉体粒子を供給して固着する画像形成方法であって、
    前記樹脂画像層の表面及び内部に固着された前記粉体粒子の全個数のうちの80%以上の粉体粒子のそれぞれが、少なくとも各粉体粒子の一部分を前記樹脂画像層から露出するように固着することを特徴とする画像形成方法。
  2. 前記樹脂画像層が、静電荷像現像用トナーを用いて形成されたトナー画像層であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
  3. 前記各粉体粒子の前記樹脂画像層からの平均露出量が、10〜50%の範囲内であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像形成方法。
  4. 前記粉体粒子が、扁平状であることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の画像形成方法。
  5. 前記粉体粒子の平均長径が5〜500μmの範囲内であり、かつ、平均厚さが0.2〜5μmの範囲内であることを特徴とする請求項4に記載の画像形成方法。
  6. 前記粉体粒子が、少なくとも金属又は金属酸化物を含有することを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の画像形成方法。
  7. 前記樹脂画像層の前記粉体粒子による被覆率が、30〜80%の範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の画像形成方法。
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