JP2020084145A - ゴム組成物及び空気入りタイヤ - Google Patents

ゴム組成物及び空気入りタイヤ Download PDF

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Abstract

【課題】転がり抵抗性能とウェットグリップ性能のバランスに優れるゴム組成物を提供する。【解決手段】実施形態に係るゴム組成物は、ジエン系ゴム100質量部に対し、ガラス転移点が−70〜0℃である微粒子1〜100質量部を含むものである。前記微粒子は、少なくとも1種の多官能ビニルモノマーによって架橋された架橋構造を有する重合体からなり、前記架橋構造は、前記多官能ビニルモノマーの官能基間が置換基を有してもよい2〜4価の脂肪族炭化水素基で連結され、かつ、2つの前記官能基を繋ぐ直鎖状部分の炭素数が7〜20である。【選択図】なし

Description

本発明は、ゴム組成物、及びそれを用いた空気入りタイヤに関するものである。
例えばタイヤに用いられるゴム組成物においては、湿潤路面におけるグリップ性能(ウェットグリップ性能)と低燃費性に寄与する転がり抵抗性能を高次元でバランスさせることが求められている。しかし、これらは背反特性であるため、同時に改良することは容易ではない。
特許文献1には、低温性能及び転がり抵抗性能の悪化を抑えながら、ウェットグリップ性能を向上することを目的として、重量平均分子量が5000〜100万でありかつガラス転移点が−70〜0℃である(メタ)アクリレート系重合体をゴム組成物に配合することが開示されている。しかしながら、多官能ビニルモノマーにより架橋された微粒子状の(メタ)アクリレート系重合体を配合することは開示されていない。
特許文献2には、常温での硬度低下と低温での弾性率上昇と転がり抵抗性能の悪化を抑えながら、ウェットグリップ性能を向上することを目的として、ガラス転移点が−70〜0℃かつ平均粒径が10nm以上100nm未満である(メタ)アクリレート系重合体からなる微粒子をゴム組成物に配合することが開示されている。しかしながら、微粒子を構成する架橋構造については検討されておらず、転がり抵抗性能及びウェットグリップ性能において改善の余地がある。
国際公開第2015/155965号 特開2017−110069号公報
本発明の実施形態は、例えばタイヤ用途に用いたときの転がり抵抗性能とウェットグリップ性能のバランスに優れるゴム組成物を提供することを目的とする。
実施形態に係るゴム組成物は、ジエン系ゴム100質量部に対し、ガラス転移点が−70〜0℃である微粒子1〜100質量部を含み、前記微粒子は、少なくとも1種の多官能ビニルモノマーによって架橋された架橋構造を有する重合体からなり、前記架橋構造は、前記多官能ビニルモノマーの官能基間が置換基を有してもよい2〜4価の脂肪族炭化水素基で連結され、かつ、2つの前記官能基を繋ぐ直鎖状部分の炭素数が7〜20であるものである。
実施形態に係る空気入りタイヤは、該ゴム組成物を用いて作製されたものである。
実施形態によれば、例えばタイヤ用途に用いたときの転がり抵抗性能とウェットグリップ性能のバランスに優れるゴム組成物を提供することができる。
本実施形態に係るゴム組成物は、(A)ジエン系ゴムに、(B)特定の微粒子を配合してなるものである。
(A)ジエン系ゴム
ゴム成分としてのジエン系ゴムとしては、例えば、天然ゴム(NR)、合成イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ニトリルゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム(IIR)、スチレン−イソプレン共重合体ゴム、ブタジエン−イソプレン共重合体ゴム、スチレン−イソプレン−ブタジエン共重合体ゴム等が挙げられ、これらはいずれか1種単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。これらの中でも、ジエン系ゴムは、NR、BR及びSBRからなる群から選択された少なくとも1種であることが好ましい。
上記で列挙した各ジエン系ゴムの具体例には、その分子末端又は分子鎖中において、アミノ基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、エポキシ基、シリル基、及びカルボキシ基からなる群から選択された少なくとも1種の官能基が導入されることで、当該官能基により変性された変性ジエン系ゴムも含まれる。ジエン系ゴムが変性ジエン系ゴムを含むことにより、充填剤としてシリカを用いたときに、その分散性を向上することができる。変性ジエン系ゴムとしては、変性SBRを用いることが好ましい。そのため、一実施形態に係るジエン系ゴムは、アミノ基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、エポキシ基、シリル基及びカルボキシ基からなる群から選択される少なくとも1種の官能基を有するスチレンブタジエンゴムを含むことである。
一実施形態において、ジエン系ゴムは、変性SBR単独でもよく、変性SBRと未変性のジエン系ゴムとのブレンドでもよい。例えば、ジエン系ゴム100質量部中、変性SBRを30質量部以上含んでもよく、50質量部以上含んでもよい。また、ジエン系ゴム100質量部は、変性SBR50〜90質量部と、未変性ジエン系ゴム(例えば、BR及び/又はNR)50〜10質量部含むものでもよく、また、変性SBR60〜90質量部と、未変性ジエン系ゴム40〜10質量部含むものでもよい。
(B)微粒子
微粒子としては、ガラス転移点(Tg)が−70〜0℃の範囲内にあるものが用いられる。ガラス転移点が−70℃以上であることにより、ウェットグリップ性能の改善効果を高めることができる。ガラス転移点が0℃以下であることにより、転がり抵抗性能の悪化を抑えることができる。ガラス転移点の設定は、重合体を構成するモノマー組成等により行うことができる。微粒子のガラス転移点は、−50〜0℃であることが好ましく、より好ましくは−40〜−5℃であり、−40〜−20℃でもよい。
微粒子を構成する重合体としては、ガラス転移点(Tg)が上記範囲内であれば特に限定されず、種々のビニル重合体が挙げられる。そのため、一実施形態に係る微粒子は、単官能ビニルモノマーに由来する構成単位を持つビニル重合体からなる。ここで、単官能ビニルモノマーとは、分子内にビニル基を1つ有する重合性モノマーである。ビニル基とは、狭義のビニル基(HC=CH−)だけでなく、ビニリデン基(HC=CX−)やビニレン基(−HC=CH−)も含む広義のビニル基を意味する。
微粒子を構成する重合体は、好ましくは、1種以上の(メタ)アクリレート単位を含む(メタ)アクリレート系重合体であり、すなわち、1種又は2種以上の(メタ)アクリレートを含むモノマーを重合してなる重合体である。ここで、(メタ)アクリレートとは、アクリレート及びメタクリレートのうちの一方又は両方を意味する。また、(メタ)アクリル酸は、アクリル酸及びメタクリル酸のうちの一方又は両方を意味する。
(メタ)アクリレート系重合体としては、下記一般式(1)で表されるアルキル(メタ)アクリレート単位を構成単位(繰り返し単位とも称される。)として有するものが好ましく用いられる。すなわち、微粒子は、一般式(1)で表される構成単位を有する(メタ)アクリレート系重合体からなることが好ましい。
Figure 2020084145
式(1)中、Rは、水素原子又はメチル基であり、同一分子中に存在するRは同一でも異なってもよい。Rは、炭素数4〜18のアルキル基であり、同一分子中に存在するRは同一でも異なってもよい。Rのアルキル基は直鎖でも分岐していてもよい。Rは、炭素数6〜16のアルキル基であることが好ましく、より好ましくは炭素数8〜15のアルキル基である。
上記(メタ)アクリレート系重合体を構成するアルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸n−ペンチル、アクリル酸n−ヘキシル、アクリル酸n−ヘプチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸n−ノニル、アクリル酸n−デシル、アクリル酸n−ウンデシル、アクリル酸n−ドデシル、アクリル酸n−トリデシル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸n−ペンチル、メタクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸n−ヘプチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸n−ノニル、メタクリル酸n−デシル、メタクリル酸n−ウンデシル、及びメタクリル酸n−ドデシル等の(メタ)アクリル酸n−アルキル; アクリル酸イソブチル、アクリル酸イソペンチル、アクリル酸イソヘキシル、アクリル酸イソヘプチル、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸イソノニル、アクリル酸イソデシル、アクリル酸イソウンデシル、アクリル酸イソドデシル、アクリル酸イソトリデシル、アクリル酸イソテトラデシル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸イソペンチル、メタクリル酸イソヘキシル、メタクリル酸イソヘプチル、メタクリル酸イソオクチル、メタクリル酸イソノニル、メタクリル酸イソデシル、メタクリル酸イソウンデシル、メタクリル酸イソドデシル、メタクリル酸イソトリデシル、及びメタクリル酸イソテトラデシル等の(メタ)アクリル酸イソアルキル; アクリル酸2−メチルブチル、アクリル酸2−エチルペンチル、アクリル酸2−メチルヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸2−エチルヘプチル、メタクリル酸2−メチルペンチル、メタクリル酸2−メチルヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、及びメタクリル酸2−エチルヘプチルなどが挙げられる。これらはいずれか1種又は2種以上組み合わせて用いることができる。
ここで、イソアルキルとは、アルキル鎖端から2番目の炭素原子にメチル側鎖を有するアルキル基をいう。例えば、イソデシルとは、鎖端から2番目の炭素原子にメチル側鎖を持つ炭素数10のアルキル基をいい、8−メチルノニル基だけでなく、2,4,6−トリメチルヘプチル基も含まれる概念である。
一実施形態として、(メタ)アクリレート系重合体は、式(1)で表される構成単位として下記一般式(2)で表される構成単位を有する重合体であることが好ましい。
Figure 2020084145
式(2)中、Rは、水素原子又はメチル基であり(好ましくはメチル基)、同一分子中のRは同一でも異なってもよい。Zは、炭素数1〜15のアルキレン基(即ち、アルカンジイル基)であり、同一分子中のZは同一でも異なってもよい。Zは直鎖でも分岐していてもよい。このような構成単位を生じる(メタ)アクリレートとしては、上記の(メタ)アクリル酸イソアルキルが挙げられる。式(2)中のZは、炭素数5〜12(より好ましくは6〜10)のアルキレン基であることが好ましい。
上記微粒子は、少なくとも1種の多官能ビニルモノマーによって架橋された架橋構造を有する重合体からなる。詳細には、微粒子は、上記単官能ビニルモノマーに由来する構成単位とともに、多官能ビニルモノマーに由来する構成単位を含み、該多官能ビニルモノマーに由来する構成単位を架橋点とする架橋構造を有する。ここで、多官能ビニルモノマーとは、分子内にビニル基を2以上有する重合性モノマーである。
本実施形態では、多官能ビニルモノマーによる架橋構造を長くした点に特徴がある。詳細には、上記架橋構造は、多官能ビニルモノマーの官能基間が置換基を有してもよい2〜4価の脂肪族炭化水素基で連結され、かつ、2つの前記官能基を繋ぐ直鎖状部分の炭素数が7〜20である。すなわち、架橋構造は、多官能ビニルモノマーの末端のビニル基を含む官能基間に、それらを連結する基として、置換基を有してもよい2〜4価の脂肪族炭化水素基を有する。ここで、架橋構造における上記多官能ビニルモノマーの末端のビニル基を含む官能基とは、例えば、多官能ビニルモノマーがジ、トリ又はテトラ(メタ)アクリレート化合物の場合の(メタ)アクリレート基や、多官能ビニルモノマーがジビニル化合物の場合のビニル基である。但し、重合体中では多官能ビニルモノマーは単官能ビニルモノマーと共重合されることにより末端のビニル基が単結合になっているため、架橋構造における上記官能基とは、官能基に由来する基ともいえる。そして、上記脂肪族炭化水素基における分岐鎖部分を除く直鎖状部分の炭素数が7〜20であり、より好ましくは8〜18であり、更に好ましくは8〜15であり、9〜12でもよい。このように架橋構造を長くことにより、微粒子内部の運動性が向上し、高Tgとなる部分が減少するため、転がり抵抗性能とウェットグリップ性能のバランスを更に向上させることができると考えられる。
脂肪族炭化水素基としては、例えば、2価の脂肪族炭化水素基として、直鎖又は分岐のアルキレン基(即ち、アルカンジイル基)でもよく、直鎖又は分岐のアルケンジイル基でもよい。また、飽和又は不飽和の3価の脂肪族炭化水素基でもよく、飽和又は不飽和の4価の脂肪族炭化水素基でもよい。脂肪族炭化水素基が有してもよい置換基としては、炭化水素基以外のヘテロ原子を含む基、例えばヒドロキシ基、カルボキシ基、オキソ基、エポキシ基、シアノ基、アミノ基、ニトロ基、オキシム基、チオール基、フロロ基、クロロ基、ブロモ基などが挙げられ、主鎖となる脂肪族炭化水素に側鎖として結合される。
このような長い架橋構造を形成する多官能ビニルモノマーとしては、例えば、1,7−ヘプタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,11−ウンデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,12−ドデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,13−トリデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,14−テトラデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,15−ペンタデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,16−ヘキサデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,17−ヘプタデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,18−オクタデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,19−ノナデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,20−イコサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,7−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,8−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−ウンデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,11−ドデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,12−トリデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,13−テトラデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,14−ペンタデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,15−ヘキサデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,16−ヘプタデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,17−オクタデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,18−ノナデカンデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,19−イコサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,20−ヘンイコサンジオールジ(メタ)アクリレートなどのアルカンジオールジ(メタ)アクリレート; 4−エチル−4−(3−ヒドロキシプロピル)−1,7−ヘプタンジオールトリ(メタ)アクリレート、5−エチル−5−(4−ヒドロキシブチル)−1,9−ノナンジオールトリ(メタ)アクリレート、6−エチル−6−(5−ヒドロキシペンチル)−1,11−ウンデカンジオールトリ(メタ)アクリレート、7−エチル−7−(6−ヒドロキシヘキシル)−1,13−トリデカンジオールトリ(メタ)アクリレート、8−エチル−8−(7−ヒドロキシペンチル)−1,15−ペンタデカンジオールトリ(メタ)アクリレート、9−エチル−9−(8−ヒドロキシオクチル)−1,17−ヘプタデカンジオールトリ(メタ)アクリレート、10−エチル−10−(9−ヒドロキシノニル)−1,19−ノナデカンジオールトリ(メタ)アクリレートなどのアルカンジオールトリ(メタ)アクリレート; 4,4−ビス(ヒドロキシプロピル)−1,7−ヘプタンジオール、5,5−ビス(ヒドロキシブチル)−1,9−ノナンジオール、6,6−ビス(ヒドロキシペンチル)−1,11−ウンデカンジオール、7,7−ビス(ヒドロキシヘキシル)−1,13−トリデカンジオール、8,8−ビス(ヒドロキシヘプチル)−1,15−ペンタデカンジオール、9,9−ビス(ヒドロキシオクチル)−1,17−ヘプタデカンジオール、10,10−ビス(ヒドロキシノニル)−1,19−ノナデカンジオールなどのアルカンジオールテトラ(メタ)アクリレート; 1,10−ウンデカジエン、1,11−ドデカジエン、1,12−トリデカジエン、1,13−テトラデカジエン、1,14−ペンタデカジエン、1,15−ヘキサデカジエン、1,16−ヘプタデカジエン、1,17−オクタデカジエン、1,18−ノナデカジエン、1,19−イコサジエンなどのジビニル化合物が挙げられ、これらはいずれか1種単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
これらの中でも、多官能ビニルモノマーとしては、アルカンジオールジ(メタ)アクリレートであってそのアルキレン基の炭素数が7〜20であるものを用いることが好ましい。多官能ビニルモノマーとして、より好ましくは、n−アルカンジオールジ(メタ)アクリレートを用いることであり、そのアルキレン基の炭素数は7〜20である。アルキレン基の炭素数は、より好ましくは8〜18であり、更に好ましくは8〜15であり、9〜12でもよい。
ここで、多官能ビニルモノマーとしてn−アルカンジオールジ(メタ)アクリレートを用いた場合の多官能ビニルモノマーに由来する構成単位は、下記式(3)に示す通りである。
Figure 2020084145
式(3)中、Rは、水素原子又はメチル基であり(好ましくはメチル基)、同一分子中のRは同一でも異なってもよい。Rは、炭素数7〜20の直鎖のアルキレン基である。この場合、架橋構造は、官能基である2つの(メタ)アクリレート基間が2価の脂肪族炭化水素基(即ち、直鎖のアルキレン基であるR)で連結され、2つの(メタ)アクリレート基を繋ぐ直鎖状部分(即ち、R)の炭素数が7〜20である。
また、3価の(メタ)アクリレートを用いた場合の一例として、4−ヒドロキシ−4−(3−ヒドロキシプロピル)−1,7−ヘプタンジオールトリ(メタ)アクリレートを用いた場合の多官能ビニルモノマーに由来する構成単位を下記式(4)に示す。
Figure 2020084145
式(4)中、Rは、水素原子又はメチル基であり(好ましくはメチル基)、同一分子中のRは同一でも異なってもよい。この場合、架橋構造は、官能基である3つの(メタ)アクリレート基間が3価の脂肪族炭化水素基(ヒドロキシ基を置換基として有する分岐状デカントリイル基)で連結され、各2つの(メタ)アクリレート基を繋ぐ直鎖状部分(n−ヘプタンジイル基)の炭素数がいずれも7である。
多官能ビニルモノマーによる架橋構造の含有量は、特に限定されず、例えば微粒子を構成する重合体の全構成単位に対する多官能ビニルモノマーに由来する構成単位のモル比が0.1〜20モル%でもよく、0.5〜15モル%でもよく、1〜10モル%でもよく、2〜5モル%でもよい。
一実施形態において、微粒子を構成する重合体が上記(メタ)アクリレート系重合体である場合、当該(メタ)アクリレート系重合体を構成する全構成単位に対する式(1)の構成単位のモル比は80〜99.9モル%でもよく、85〜99.5モル%でもよく、90〜99モル%でもよく、95〜98モル%でもよい。多官能ビニルモノマーに由来する構成単位のモル比は、0.1〜20モル%でもよく、0.5〜15モル%でもよく、1〜10モル%でもよく、2〜5モル%でもよい。なお、該(メタ)アクリレート系重合体は、他のビニル系化合物に基づく構成単位を含んでもよい。
微粒子の平均粒径は、特に限定されず、例えば、10nm以上100nm未満もよく、20〜90nmでもよく、30〜80nmでもよい。
微粒子の製造方法は、特に限定されず、例えば、公知の乳化重合を利用して合成することができる。好ましい一例を挙げれば次の通りである。すなわち、アルキル(メタ)アクリレート等の単官能ビニルモノマーを、架橋剤としての多官能ビニルモノマーとともに、乳化剤を溶解した水等の水性媒体に分散させ、得られたエマルションに水溶性のラジカル重合開始剤(例えば、過硫酸カリウムなどの過酸化物)を添加してラジカル重合させることにより、水性媒体中にビニル重合体からなる微粒子が生成されるので、該水性媒体と分離することで微粒子が得られる。その他の微粒子の製造方法として、公知の懸濁重合や分散重合、沈殿重合、ミニエマルション重合、ソープフリー乳化重合(無乳化剤乳化重合)およびマイクロエマルション重合などの重合方法を利用することができる。
微粒子の配合量は、特に限定されず、用途に応じて適宜に設定することができる。微粒子の配合量は、ジエン系ゴム100質量部に対して1〜100質量部であることが好ましく、より好ましくは2〜50質量部であり、更に好ましくは3〜30質量部であり、5〜20質量部でもよい。
(C)その他の配合剤
本実施形態に係るゴム組成物には、上記の成分の他に、補強性充填剤、シランカップリング剤、オイル、亜鉛華、ステアリン酸、老化防止剤、ワックス、加硫剤、加硫促進剤など、ゴム組成物において一般に使用される各種添加剤を配合することができる。
補強性充填剤としては、湿式シリカ(含水ケイ酸)等のシリカやカーボンブラックが好ましく用いられる。より好ましくは、転がり抵抗性能とウェットグリップ性能のバランスを向上するために、シリカを用いることであり、シリカ単独又はシリカとカーボンブラックの併用が好ましい。補強性充填剤の配合量は、特に限定されず、例えば、ジエン系ゴム100質量部に対して20〜150質量部でもよく、30〜100質量部でもよい。シリカの配合量も特に限定されず、例えば、ジエン系ゴム100質量部に対して20〜150質量部でもよく、30〜100質量部でもよい。
シリカを配合する場合、シランカップリング剤を併用することが好ましく、その場合、シランカップリング剤の配合量は、シリカ質量の2〜20質量%であることが好ましく、より好ましくは4〜15質量%である。
加硫剤としては、硫黄が好ましく用いられる。加硫剤の配合量は、特に限定するものではないが、ジエン系ゴム100質量部に対して0.1〜10質量部であることが好ましく、より好ましくは0.5〜5質量部である。また、加硫促進剤としては、例えば、スルフェンアミド系、チウラム系、チアゾール系、及びグアニジン系などの各種加硫促進剤が挙げられ、いずれか1種単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。加硫促進剤の配合量は、特に限定するものではないが、ジエン系ゴム100質量部に対して0.1〜7質量部であることが好ましく、より好ましくは0.5〜5質量部である。
本実施形態に係るゴム組成物は、通常に用いられるバンバリーミキサーやニーダー、ロール等の混合機を用いて、常法に従い混練し作製することができる。すなわち、例えば、第一混合段階で、ジエン系ゴムに対し、上記微粒子とともに、加硫剤及び加硫促進剤を除く他の添加剤を添加混合し、次いで、得られた混合物に、最終混合段階で加硫剤及び加硫促進剤を添加混合してゴム組成物を調製することができる。
このようにして得られたゴム組成物は、タイヤ用、防振ゴム用、コンベアベルト用などの各種ゴム部材に用いることができる。好ましくは、タイヤ用であり、乗用車用タイヤ、トラックやバスの重荷重用タイヤなど各種用途、各種サイズの空気入りタイヤが挙げられる。タイヤの適用部位としては、トレッド部、サイドウォール部などタイヤの各部位が挙げられる。空気入りタイヤは、常法に従い、該ゴム組成物を押出加工等によって所定の形状に成形し、他の部品と組み合わせてグリーンタイヤを作製した後、例えば140〜180℃でグリーンタイヤを加硫成形することにより、製造することができる。これらの中でも、タイヤのトレッド用配合として用いることが特に好ましい。すなわち、好ましい実施形態に係る空気入りタイヤは、上記ゴム組成物からなるトレッドを備えることである。
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[平均粒径の測定方法]
微粒子の平均粒径は、動的光散乱法(DLS)により測定される粒度分布における積算値50%での粒径(50%径:D50)であり、下記合成例における凝固前のラテックス溶液を測定試料として用いて、大塚電子株式会社製のダイナミック光散乱光度計「DLS-8000」を用いた光子相関法(JIS Z8826準拠)により測定した(入射光と検出器との角度90°)。
[Tgの測定方法]
微粒子のTgは、JIS K7121に準拠して示差走査熱量測定(DSC)法により、昇温速度:20℃/分にて測定した(測定温度範囲:−150℃〜150℃)。
[合成例1:微粒子1]
45.0gのメタクリル酸2,4,6−トリメチルヘプチル(メタクリル酸イソデシル)、5.73gのドデシル硫酸ナトリウム、90.0gの水および10.0gのエタノールを混合し、1時間撹拌させることによりモノマーを乳化させ、0.54gの過硫酸カリウムを添加した後、1時間の窒素バブリングを実施し、溶液を70℃で8時間撹拌し、ラテックス溶液を得た。該ラテックス溶液を撹拌しているメタノール中に投入することにより、微粒子を沈殿させ、ろ過により液体を除去し、真空乾燥器で70℃、1.0×10Paの条件下で乾燥することにより固形成分としての微粒子1を得た。微粒子1の平均粒子径は50nm、Tgは−36℃であった。
[合成例2:微粒子2]
45.0gのメタクリル酸イソデシル、0.04gのエチレングリコールジメタクリレート、5.73gのドデシル硫酸ナトリウム、90.0gの水および10.0gのエタノールを混合し、1時間撹拌させることによりモノマーを乳化させ、0.54gの過硫酸カリウムを添加した後、1時間の窒素バブリングを実施し、溶液を70℃で8時間撹拌し、ラテックス溶液を得た。該ラテックス溶液を撹拌しているメタノール中に投入することにより、微粒子を沈殿させ、ろ過により液体を除去し、真空乾燥器で70℃、1.0×10Paの条件下で乾燥することにより固形成分としての微粒子2を得た。微粒子2の平均粒子径は61nm、Tgは−40℃であった。
[合成例3:微粒子3]
微粒子2の合成に用いたエチレングリコールジメタクリレートの質量を0.20gに変更すること以外は、合成例2と同様の手法により微粒子3を得た。微粒子3の平均粒子径は59nm、Tgは−39℃であった。
[合成例4:微粒子4]
微粒子2の合成に用いたエチレングリコールジメタクリレートの質量を1.18gに変更すること以外は、合成例2と同様の手法により微粒子4を得た。微粒子4の平均粒子径は58nm、Tgは−35℃であった。
[合成例5:微粒子5]
微粒子2の合成に用いたエチレングリコールジメタクリレートの代わりに1.52gの1,6−ヘキサンジオールジメタクリレートを用いること以外は、合成例2と同様の手法により微粒子5を得た。微粒子5の平均粒子径は59nm、Tgは−37℃であった。
[合成例6:微粒子6]
微粒子2の合成に用いたエチレングリコールジメタクリレートの代わりに1.77gの1,9−ノナンジオールジメタクリレートを用いること以外は、合成例2と同様の手法により微粒子6を得た。微粒子6の平均粒子径は57nm、Tgは−34℃であった。
微粒子6について、13C−NMRにより、重合体の化学構造を分析したところ、メタクリル酸イソデシル由来の構成単位が97モル%、1,9−ノナンジオールジメタクリレート由来の構成単位が3.0モル%であった。
[合成例7:微粒子7]
微粒子2の合成に用いたエチレングリコールジメタクリレートの代わりに2.02gの1,12−ドデカンジオールジメタクリレートを用いること以外は、合成例2と同様の手法により微粒子7を得た。微粒子7の平均粒子径は52nm、Tgは−36℃であった。
微粒子7について、13C−NMRにより、重合体の化学構造を分析したところ、メタクリル酸イソデシル由来の構成単位が97モル%、1,12−ドデカンジオールジメタクリレート由来の構成単位が3.0モル%であった。
[合成例8:微粒子8]
微粒子1の合成に用いたメタクリル酸イソデシルの代わりに同じ質量の2−エチルヘキシルメタクリレートを用いること以外は、合成例1と同様の手法により微粒子8を得た。微粒子8の平均粒子径は68nm、Tgは−7℃であった。
[合成例9:微粒子9]
微粒子4の合成に用いたメタクリル酸イソデシルの代わりに同じ質量の2−エチルヘキシルメタクリレートを用い、エチレングリコールジメタクリレートの質量を1.35gに変更すること以外は、合成例4と同様の手法により微粒子9を得た。微粒子9の平均粒子径は64nm、Tgは−8℃であった。
[合成例10:微粒子10]
微粒子5の合成に用いたメタクリル酸イソデシルの代わりに同じ質量の2−エチルヘキシルメタクリレートを用い、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレートの質量を1.73gに変更すること以外は、合成例5と同様の手法により微粒子10を得た。微粒子10の平均粒子径は57nm、Tgは−9℃であった。
[合成例11:微粒子11]
微粒子6の合成に用いたメタクリル酸イソデシルの代わりに同じ質量の2−エチルヘキシルメタクリレートを用い、1,9−ノナンジオールジメタクリレートの質量を2.02gに変更すること以外は、合成例6と同様の手法により微粒子11を得た。微粒子11の平均粒子径は65nm、Tgは−6℃であった。
微粒子11について、13C−NMRにより、重合体の化学構造を分析したところ、2−エチルヘキシルメタクリレート由来の構成単位が97モル%、1,9−ノナンジオールジメタクリレート由来の構成単位が3.0モル%であった。
[合成例12:微粒子12]
微粒子7の合成に用いたメタクリル酸イソデシルの代わりに同じ質量の2−エチルヘキシルメタクリレートを用い、1,12−ドデカンジオールジメタクリレートの質量を2.30gに変更すること以外は、合成例7と同様の手法により微粒子12を得た。微粒子12の平均粒子径は54nm、Tgは−6℃であった。
微粒子12について、13C−NMRにより、重合体の化学構造を分析したところ、2−エチルヘキシルメタクリレート由来の構成単位が97モル%、1,12−ドデカンジオールジメタクリレート由来の構成単位が3.0モル%であった。
[第1実施例:ゴム組成物の評価]
ラボミキサーを使用し、下記表1に示す配合(質量部)に従って、まず、第一混合段階で、硫黄及び加硫促進剤を除く他の配合剤をジエン系ゴムに添加し混練した(排出温度=160℃)。次いで、得られた混練物に、最終混合段階で、硫黄と加硫促進剤を添加し混練して(排出温度=90℃)、ゴム組成物を調製した。
表1中の各成分の詳細は、以下の通りである。なお、表1中の「架橋構造:アルキレン基」は微粒子の架橋構造を構成するアルキレン基の炭素数を示すものであり、「架橋構造:モル比mol%」は該架橋構造に由来する構成単位のモル比を示すものである。
・変性SBR:アルコキシ基及びアミノ基末端変性溶液重合SBR、JSR(株)製「HPR350」
・BR:宇部興産(株)製の「ウベポールBR150B」
・シリカ:東ソー・シリカ(株)製「ニップシールAQ」
・シランカップリング剤:ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、エボニック社製「Si69」
・亜鉛華:三井金属鉱業(株)製「亜鉛華1種」
・老化防止剤:大内新興化学工業(株)製「ノクラック6C」
・ステアリン酸:花王(株)製「ルナックS−20」
・硫黄:細井化学工業(株)製「ゴム用粉末硫黄150メッシュ」
・加硫促進剤:大内新興化学工業(株)製「ノクセラーCZ」
・2次加硫促進剤:大内新興化学工業(株)製「ノクセラーD」
・微粒子1〜7:上記合成例1〜7で合成したもの
得られた各ゴム組成物について、160℃×20分で加硫して所定形状の試験片を作製し、得られた試験片を用いて、動的粘弾性試験を行って0℃及び60℃でのtanδを測定した。測定方法は次の通りである。
・0℃tanδ:UBM社製レオスペクトロメーターE4000を用いて、周波数10Hz、静歪み10%、動歪み2%、温度0℃の条件で損失係数tanδを測定し、比較例1の値を100とした指数で表示した。指数が大きいほど、tanδが大きく、ウェットグリップ性能に優れることを示す。
・60℃tanδ:温度を60℃に変え、その他は0℃tanδと同様にしてtanδ測定し、比較例1の値を100とした指数で表示した。指数が小さいほど、発熱しにくく、タイヤでの転がり抵抗が小さくて転がり抵抗性能(即ち、低燃費性)に優れることを示す。
Figure 2020084145
結果は表1に示す通りである。コントロールである比較例1に対し、微粒子1を添加した比較例2では、当該微粒子1のガラス転移点が−70〜0℃の範囲内であるためウェットグリップ性能の向上はみられたが、架橋されていない微粒子であったため、転がり抵抗性能がやや悪化しており、ウェットグリップ性能と転がり抵抗性能の両立が不十分であった。比較例5では、架橋された微粒子4を配合したことにより、比較例2に対してウェットグリップ性能と転がり抵抗性能の両立効果が改善されたが、架橋構造を構成するアルキレン基の炭素数が2と短いため、改善効果が不十分であった。アルキレン基の炭素数が6の微粒子5を配合した比較例6でも、改善効果は不十分であった。
微粒子内部の運動性を向上させる(即ち、高Tgとなる部分を減らす)ために、微粒子の架橋剤量を減らして架橋密度を低下させることが考えられる。しかしながら、比較例3,4に示されるように、架橋剤量を減らしてもウェットグリップ性能と転がり抵抗性能の両立効果はそれほど大きくは改善されなかった。これは、架橋密度が低下することでゴムマトリックスと微粒子との相溶性が増加したためと考えられる。
これに対し、架橋構造を構成するアルキレン基の炭素数が長い微粒子6,7を配合した実施例1,2であると、比較例1に対して転がり抵抗性能の悪化を抑えながら、ウェットグリップ性能を顕著に改善することができ、ウェットグリップ性能と転がり抵抗性能の両立効果に優れていた。
[第2実施例:ゴム組成物の評価]
下記表2に示す配合(質量部)に従い、第1実施例と同様にしてゴム組成物を調製した。表2中の各成分の詳細は、第1実施例と同じである。但し、微粒子8〜12は、上記合成例8〜12で合成したものを用いた。
得られた各ゴム組成物について、第1実施例と同様にして、0℃及び60℃でのtanδを測定した。但し、評価は、比較例7の値を100とした指数で表示した。
Figure 2020084145
結果は表2に示す通りである。第2実施例は微粒子のガラス転移点が−70〜0℃の範囲内で比較的高い場合である。この場合も、第1実施例と同様、架橋されていない微粒子8を用いた比較例7に対し、架橋された微粒子9,10を用いた比較例8,9では、ウェットグリップ性能と転がり抵抗性能の両立効果が改善されたが、架橋構造を構成するアルキレン基の炭素数が2又は6と短いため、改善効果が不十分であった。これに対し、架橋構造を構成するアルキレン基の炭素数が長い微粒子11,12を配合した実施例3,4であると、比較例7に対して転がり抵抗性能の悪化を抑えながら、ウェットグリップ性能の改善効果を高めることができ、ウェットグリップ性能と転がり抵抗性能の両立効果に優れていた。

Claims (4)

  1. ジエン系ゴム100質量部に対し、
    ガラス転移点が−70〜0℃である微粒子1〜100質量部を含み、
    前記微粒子は、少なくとも1種の多官能ビニルモノマーによって架橋された架橋構造を有する重合体からなり、前記架橋構造は、前記多官能ビニルモノマーの官能基間が置換基を有してもよい2〜4価の脂肪族炭化水素基で連結され、かつ、2つの前記官能基を繋ぐ直鎖状部分の炭素数が7〜20である、
    ゴム組成物。
  2. 前記多官能ビニルモノマーがアルカンジオールジ(メタ)アクリレートであり、前記アルカンジオールジ(メタ)アクリレートのアルキレン基の炭素数が7〜20である、請求項1に記載のゴム組成物。
  3. 前記微粒子は、下記一般式(1)で表される構成単位を有する(メタ)アクリレート系重合体からなる、請求項1又は2に記載のゴム組成物。
    Figure 2020084145
    (式中、Rは水素原子又はメチル基であり、同一分子中のRは同一でも異なっていてもよく、Rは炭素数4〜18のアルキル基であり、同一分子中のRは同一でも異なっていてもよい。)
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のゴム組成物を用いて作製された空気入りタイヤ。
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