JP2023177127A - ゴム組成物、及びそれを用いた空気入りタイヤ - Google Patents

ゴム組成物、及びそれを用いた空気入りタイヤ Download PDF

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Abstract

【課題】転がり抵抗性能(低燃費性)、ウエットグリップ性能、及び破壊強度のバランスに優れたタイヤが得られる、ゴム組成物を提供する。【解決手段】ジエン系ゴム100質量部に対して、ガラス転移点が-70℃~0℃の重合体からなる微粒子を1~100質量部含有し、上記重合体が、少なくとも1種の単官能モノマーに由来する構成単位と、少なくとも1種の多官能モノマーに由来する構成単位を架橋点とする架橋構造と、チオエステル基とを有する、ゴム組成物とする。【選択図】なし

Description

本発明は、ゴム組成物、及びそれを用いた空気入りタイヤに関するものである。
タイヤに用いられるゴム組成物においては、湿潤路面におけるグリップ性能(ウエットグリップ性能)と低燃費性に寄与する転がり抵抗性能を高次元でバランスさせることが求められている。しかしながら、これらは背反特性であるため、同時に改良することは容易ではない。
このような問題に対して、特許文献1には、常温での硬度低下と低温での弾性率上昇と転がり抵抗性能の悪化を抑えながら、ウエットグリップ性能が向上するものとして、ジエン系ゴムからなるゴム成分100質量部に対し、所定のアルキル(メタ)アクリレート単位を構成単位として有しかつ反応性シリル基を持たない(メタ)アクリレート系重合体からなる、ガラス転移点が-70~0℃かつ平均粒径が10nm以上100nm未満の微粒子を、1~100質量部含有するゴム組成物が記載されている。
また、特許文献2には、破断特性及び転がり抵抗性能(低燃費性)の悪化を抑制しつつ、ウエットグリップ性能が向上するものとして、ジエン系ゴムからなるゴム成分100質量部に対して、所定のアルキル(メタ)アクリレート単位を構成単位として有する架橋されたポリマー粒子を1~100質量部含有し、上記ポリマー粒子のトルエン膨潤時粒径(M)とラテックス粒径(M)との比(M/M)が1.20~10.0であるタイヤ用ゴム組成物が記載されている。
特開2017-110069号公報 特開2019-112560号公報
しかしながら、特許文献1,2に記載のゴム組成物に配合された微粒子は、マトリックスゴムとの相互作用がないか、あったとしても弱く、破壊強度について改善の余地があった。
本発明は、以上の点に鑑み、転がり抵抗性能(低燃費性)、ウエットグリップ性能、及び破壊強度のバランスに優れた空気入りタイヤが得られる、ゴム組成物を提供することを目的とする。
本発明は以下に示される実施形態を含む。
[1] ジエン系ゴム100質量部に対して、ガラス転移点が-70℃~0℃の重合体からなる微粒子を1~100質量部含有し、上記重合体が、少なくとも1種の単官能モノマーに由来する構成単位と、少なくとも1種の多官能モノマーに由来する構成単位を架橋点とする架橋構造と、チオエステル基とを有する、ゴム組成物。
[2] 上記微粒子の平均粒子径は、10~100nmである、[1]に記載のゴム組成物。
[3] 上記微粒子は、式(1)で表されるアルキル(メタ)アクリレート単位を構成単位として含む重合体からなる、[1]又は[2]に記載のゴム組成物。
Figure 2023177127000001
式中、Rは水素原子又はメチル基であり、同一分子中のRは同一でも異なっていてもよく、Rは炭素数4~18のアルキル基であり、同一分子中のRは同一でも異なっていてもよい。
[4] 上記微粒子は、式(2)で表される構造を構成単位として含む重合体からなる、[1]~[3]のいずれか1項に記載のゴム組成物。
Figure 2023177127000002
式中、Rは水素原子又はメチル基であり、同一分子中のRは同一でも異なっていてもよく、Rは炭素数4~18の炭化水素基であり、同一分子中のRは同一でも異なっていてもよい。
[5] [1]~[4]のいずれか1項に記載のゴム組成物を用いて作製された、空気入りタイヤ。
本発明のゴム組成物によれば、転がり抵抗性能(低燃費性)、ウエットグリップ性能、及び破壊強度のバランスに優れた空気入りタイヤが得られる。
以下、本発明の実施に関連する事項について詳細に説明する。
本実施形態に係るゴム組成物は、ジエン系ゴム100質量部に対して、ガラス転移点が-70℃~0℃の重合体からなる微粒子を1~100質量部含有し、上記重合体が、少なくとも1種の単官能モノマーに由来する構成単位と、少なくとも1種の多官能モノマーに由来する構成単位を架橋点とする架橋構造と、チオエステル基とを有するものとする。
ジエン系ゴムとしては、例えば、天然ゴム(NR)、合成イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ニトリルゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム(IIR)、スチレン-イソプレン共重合体ゴム、ブタジエン-イソプレン共重合体ゴム、スチレン-イソプレン-ブタジエン共重合体ゴム等が挙げられ、これらはいずれか1種単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。これらの中でも、NR、BR及びSBRからなる群から選択された少なくとも1種であることが好ましい。
上記で列挙した各ジエン系ゴムの具体例には、その分子末端又は分子鎖中において、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アルコキシシリル基、及びエポキシ基からなる群から選択された少なくとも1種の官能基が導入されることで、当該官能基により変性された変性ジエン系ゴムも含まれる。変性ジエン系ゴムとしては、変性SBR及び/又は変性BRが好ましい。一実施形態において、ジエン系ゴムは、変性ジエン系ゴム単独でもよく、変性ジエン系ゴムと未変性のジエン系ゴムとのブレンドでもよい。一実施形態において、ジエン系ゴム100質量部中、変性SBRを30質量部以上含んでもよく、変性SBRを50~90質量部と未変性ジエン系ゴム(例えば、BR及び/又はNR)を50~10質量部含むものでもよい。
本実施形態に係る微粒子をなす重合体のガラス転移点(Tg)は、-70℃~0℃の範囲内であれば特に限定されないが、-60℃~-20℃であることが好ましく、より好ましくは-55℃~-25℃である。ガラス転移点の設定は、(メタ)アクリレート系重合体を構成するモノマー組成等により行うことができる。ガラス転移点が0℃以下である場合、低温性能の悪化をより効果的に抑えやすい。また、ガラス転移点が-70℃以上である場合、ウエットグリップ性能の改善効果を高めやすい。ここで、ガラス転移点(Tg)とは、JIS K7121に準拠して示差走査熱量測定(DSC)法により、昇温速度:20℃/分(測定温度範囲:-150℃~150℃)にて測定される値である。
上記微粒子をなす重合体は、少なくとも1種の単官能モノマーに由来する構成単位を有する重合体であれば特に限定されないが、一般式(1)で表されるアルキル(メタ)アクリレート単位を構成単位として有する(メタ)アクリレート系重合体であるものとすることができる。
Figure 2023177127000003
式中、Rは水素原子又はメチル基であり、同一分子中のRは同一でも異なっていてもよく、Rは炭素数4~18のアルキル基であり、同一分子中のRは同一でも異なっていてもよい。
ここで、(メタ)アクリレートとは、アクリレート及びメタクリレートのうちの一方又は両方を意味する。また、(メタ)アクリル酸は、アクリル酸及びメタクリル酸のうちの一方又は両方を意味する。
アルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、アクリル酸n-ブチル、アクリル酸n-ペンチル、アクリル酸n-ヘキシル、アクリル酸n-ヘプチル、アクリル酸n-オクチル、アクリル酸n-ノニル、アクリル酸n-デシル、アクリル酸n-ウンデシル、アクリル酸n-ドデシル、アクリル酸n-トリデシル、メタクリル酸n-ブチル、メタクリル酸n-ペンチル、メタクリル酸n-ヘキシル、メタクリル酸n-ヘプチル、メタクリル酸n-オクチル、メタクリル酸n-ノニル、メタクリル酸n-デシル、メタクリル酸n-ウンデシル、及びメタクリル酸n-ドデシル等の(メタ)アクリル酸n-アルキル;アクリル酸イソブチル、アクリル酸イソペンチル、アクリル酸イソヘキシル、アクリル酸イソヘプチル、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸イソノニル、アクリル酸イソデシル、アクリル酸イソウンデシル、アクリル酸イソドデシル、アクリル酸イソトリデシル、アクリル酸イソテトラデシル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸イソペンチル、メタクリル酸イソヘキシル、メタクリル酸イソヘプチル、メタクリル酸イソオクチル、メタクリル酸イソノニル、メタクリル酸イソデシル、メタクリル酸イソウンデシル、メタクリル酸イソドデシル、メタクリル酸イソトリデシル、及びメタクリル酸イソテトラデシル等の(メタ)アクリル酸イソアルキル;アクリル酸2-メチルブチル、アクリル酸2-エチルペンチル、アクリル酸2-メチルヘキシル、アクリル酸2-エチルヘキシル、アクリル酸2-エチルヘプチル、メタクリル酸2-メチルペンチル、メタクリル酸2-メチルヘキシル、メタクリル酸2-エチルヘキシル、及びメタクリル酸2-エチルヘプチルなどが挙げられる。これらはいずれか1種又は2種以上組み合わせて用いることができる。
ここで、イソアルキルとは、アルキル鎖端から2番目の炭素原子にメチル側鎖を有するアルキル基をいう。例えば、イソデシルとは、鎖端から2番目の炭素原子にメチル側鎖を持つ炭素数10のアルキル基をいい、8-メチルノニル基だけでなく、2,4,6-トリメチルヘプチル基も含まれる概念である。
本実施形態に係る微粒子をなす重合体は、多官能モノマーによって架橋された架橋構造を有するものである。すなわち、好ましい実施形態において、上記重合体は、式(1)で表される構成単位とともに、多官能ビニルモノマーに由来する構成単位を含み、該多官能ビニルモノマーに由来する構成単位を架橋点とする架橋構造を有する。
多官能ビニルモノマーとしては、フリーラジカル重合によって重合可能な少なくとも2個のビニル基を有する化合物が挙げられ、例えば、ジオールまたはトリオール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,12-ドデカンジオール、トリメチロールプロパンなど)のジ(メタ)アクリレートまたはトリ(メタ)アクリレート;メチレンビス-アクリルアミドなどのアルキレンジ(メタ)アクリルアミド;ジイソプロペニルベンゼン、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼンなどの少なくとも2個のビニル基を持つビニル芳香族化合物などが挙げられ、これらはいずれか1種又は2種以上組み合わせて用いることができる。
本実施形態に係る微粒子をなす重合体は、チオエステル基を有するものであり、一実施形態に係る微粒子は、一般式(2)で表される構造を構成単位として有する(メタ)アクリレート系重合体であることが好ましい。
Figure 2023177127000004
式中、Rは水素原子又はメチル基であり、同一分子中のRは同一でも異なっていてもよく、Rは炭素数4~18の炭化水素基であり、同一分子中のRは同一でも異なっていてもよい。Rとしては、メチル基、エチル基などのアルキル基であってもよく、フェニル基、ベンジル基などの芳香環を有するものであってもよい。
上記微粒子を構成する重合体の全構成単位(全繰り返し単位)に対する式(1)の構成単位の含有割合は、70~99質量%であることが好ましく、80~95質量%であることがより好ましい。多官能モノマーに由来する構成単位の含有割合は、0.1~10質量%であることが好ましく、0.5~5質量%であることがより好ましい。式(2)の構成単位の含有割合は、1~30質量%であることが好ましく、5~20質量%であることがより好ましい。
本実施形態に係るゴム組成物は、上記微粒子を含有することにより、優れた転がり抵抗性能(低燃費性)、ウエットグリップ性能、及び破壊強度が得られる。このメカニズムは定かではないが、微粒子のTgが0℃以下であることにより、高温域における損失係数tanδが減少し転がり抵抗性能が改善し、Tgが-70℃以上であることにより、低温域の損失係数tanδが向上しウエットグリップ性能が改善し、上記微粒子が有するチオエステル基が加硫時にマトリックスゴムと結合することで破壊強度が改善するものと推測できる。
本実施形態に係る重合体の平均粒子径は、特に限定されないが、10nm~100nmであることが好ましく、20nm~70nmであることがより好ましい。ここで、本明細書において、上記微粒子の平均粒子径とは、ラテックス中に分散するポリマー粒子の平均粒子径(ラテックス粒径(M))のことであり、キュムラント法により求めた値とする。具体的には、動的光散乱法(DLS)により測定される粒度分布における積算値50%での粒径(50%径:D50)であり、光子相関法(JIS Z8826準拠)により測定し(入射光と検出器との角度90°)、得られた自己相関関数からキュムラント法により求めた値である。
本実施形態に係る上記微粒子の製造方法は、特に限定されず、例えば、公知の乳化重合を利用して合成することができる。好ましい一例を挙げれば次の通りである。すなわち、アルキル(メタ)アクリレートとアリル(メタ)アクリレートを、架橋剤としての多官能モノマーとともに、乳化剤を溶解した水等の水性媒体に分散させ、得られたエマルションに水溶性のラジカル重合開始剤(例えば、過硫酸カリウムなどの過酸化物)を添加してラジカル重合させることで、ポリマー微粒子が生成される。次いで、チオエステル基を有する化合物を配合し、得られたポリマー微粒子のアリル基とチオエステル基とをエンチオール反応させることにより、水性媒体中にチオエステル基を有するアルキル(メタ)アクリレート系重合体からなるポリマー微粒子が生成される。その他のポリマー粒子の製造方法として、公知の懸濁重合や分散重合、沈殿重合、ミニエマルション重合、ソープフリー乳化重合(無乳化剤乳化重合)およびマイクロエマルション重合などの重合方法を利用することができる。
本実施形態に係るゴム組成物において、上記微粒子の配合量は、ジエン系ゴムからなるゴム成分100質量部に対して1~100質量部であり、好ましくは2~50質量部であり、より好ましくは3~30質量部である。
本実施形態に係るゴム組成物には、上記微粒子の他に、補強性充填剤、シランカップリング剤、オイル、亜鉛華、ステアリン酸、老化防止剤、ワックス、加硫剤、加硫促進剤など、ゴム組成物において一般に使用される各種添加剤を配合することができる。
補強性充填剤としては、例えば、湿式シリカ(含水ケイ酸)等のシリカやカーボンブラックが用いられる。好ましくは、転がり抵抗性能とウエットグリップ性能のバランスを向上するために、シリカ単独使用又はシリカとカーボンブラックの併用が好ましい。補強性充填剤の配合量は、特に限定されず、例えば、ゴム成分100質量部に対して20~150質量部でもよく、30~100質量部でもよい。シリカの配合量も特に限定されず、例えば、ゴム成分100質量部に対して20~150質量部でもよく、30~100質量部でもよい。
シリカを配合する場合、シランカップリング剤を併用することが好ましく、その場合、シランカップリング剤の配合量は、シリカ質量の2~20質量%であることが好ましく、より好ましくは4~15質量%である。
上記加硫剤としては、硫黄が好ましく用いられる。加硫剤の配合量は、特に限定するものではないが、ゴム成分100質量部に対して0.1~10質量部であることが好ましく、より好ましくは0.5~5質量部である。また、上記加硫促進剤としては、例えば、スルフェンアミド系、チウラム系、チアゾール系、及びグアニジン系などの各種加硫促進剤が挙げられ、いずれか1種単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。加硫促進剤の配合量は、特に限定するものではないが、ゴム成分100質量部に対して0.1~7質量部であることが好ましく、より好ましくは0.5~5質量部である。
本実施形態に係るゴム組成物は、通常用いられるバンバリーミキサーやニーダー、ロール等の混合機を用いて、常法に従い混練し作製することができる。すなわち、例えば、第一混合段階で、ジエン系ゴムに対し、上記微粒子とともに、加硫剤及び加硫促進剤を除く他の添加剤を添加混合し、次いで、得られた混合物に、最終混合段階で加硫剤及び加硫促進剤を添加混合してゴム組成物を調製することができる。
このようにして得られたゴム組成物は、乗用車用タイヤ、トラックやバスの大型タイヤなど、各種用途・各種サイズの空気入りタイヤのトレッド部、サイドウォール部などタイヤの各部位に適用することができる。すなわち、該ゴム組成物は、常法に従い、例えば、押出加工によって所定の形状に成形され、他の部品と組み合わせてグリーンタイヤを作製した後、例えば140℃~180℃でグリーンタイヤを加硫成形することにより、空気入りタイヤを製造することができる。これらの中でも、タイヤのトレッド用配合として用いることが特に好ましい。
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[平均粒子径の測定方法]
微粒子の平均粒子径は、動的光散乱法(DLS)により測定される粒度分布における積算値50%での粒径(50%径:D50)であり、下記合成例における凝固前のラテックス溶液を測定試料として用いて、大塚電子株式会社製のダイナミック光散乱光度計「DLS-8000」を用いた光子相関法(JIS Z8826準拠)により測定した(入射光と検出器との角度90°)。
[Tgの測定方法]
JIS K7121に準拠して示差走査熱量測定(DSC)法により、昇温速度:20℃/分にて測定した(測定温度範囲:-150℃~150℃)。
[合成例1:微粒子1の合成]
45.0gのメタクリル酸2,4,6-トリメチルヘプチル(メタクリル酸イソデシル)、1.84gのポリエチレングリコール#200ジアクリレート、2.86gのドデシル硫酸ナトリウム、150.0gの水を混合し、1時間撹拌させることによりモノマーを乳化させ、0.54gの過硫酸カリウムを添加した。添加後、20分間の窒素バブリングを実施し、溶液を70℃で1時間撹拌し、ラテックス溶液を得た。該ラテックス溶液を撹拌しているメタノール中に投入することにより、重合体を沈殿させた。その後、ろ過により液体を除去し、真空乾燥器で70℃、1.0×10Paの条件下で乾燥することにより固形成分としての微粒子1を得た。微粒子1の平均粒子径は45nm、Tgは-40℃であった。
[合成例2:微粒子2の合成]
45.0gのアクリル酸n-ブチル、1.84gのポリエチレングリコール#200ジアクリレート、2.86gのドデシル硫酸ナトリウム、150.0gの水を混合し、1時間撹拌させることによりモノマーを乳化させ、0.54gの過硫酸カリウムを添加した。添加後、20分間の窒素バブリングを実施し、溶液を70℃で1時間撹拌し、ラテックス溶液を得た。該ラテックス溶液を撹拌しているメタノール中に投入することにより、重合体を沈殿させた。その後、ろ過により液体を除去し、真空乾燥器で70℃、1.0×10Paの条件下で乾燥することにより固形成分としての微粒子2を得た。微粒子2の平均粒子径は60nm、Tgは-53℃であった。
[合成例3:微粒子3の合成]
45.0gのメタクリル酸2,4,6-トリメチルヘプチル(メタクリル酸イソデシル)、1.84gのポリエチレングリコール#200ジアクリレート、1.25gのアリルメタクリレート、2.86gのドデシル硫酸ナトリウム、150.0gの水を混合し、1時間撹拌させることによりモノマーを乳化させ、0.54gの過硫酸カリウムを添加した。添加後、20分間の窒素バブリングを実施し、溶液を70℃で2時間撹拌し、ラテックス溶液を得た。該ラテックス溶液に0.61gのチオ酢酸を添加、30分後に0.54gの過硫酸カリウムをさらに添加し、3時間撹拌した。該ラテックス溶液を撹拌しているメタノール中に投入することにより、重合体を沈殿させた。その後、ろ過により液体を除去し、真空乾燥器で70℃、1.0×10Paの条件下で乾燥することにより固形成分としての微粒子3を得た。微粒子3の平均粒子径は50nm、Tgは-31℃であった。
[合成例4:微粒子4の合成]
45.0gのメタクリル酸2,4,6-トリメチルヘプチル(メタクリル酸イソデシル)、1.84gのポリエチレングリコール#200ジアクリレート、1.25gのアリルメタクリレート、2.86gのドデシル硫酸ナトリウム、150.0gの水を混合し、1時間撹拌させることによりモノマーを乳化させ、0.54gの過硫酸カリウムを添加した。添加後、20分間の窒素バブリングを実施し、溶液を70℃で2時間撹拌し、ラテックス溶液を得た。該ラテックス溶液に1.10gのチオ安息香酸を添加し、30分後に0.54gの過硫酸カリウムをさらに添加し、3時間撹拌した。該ラテックス溶液を撹拌しているメタノール中に投入することにより、重合体を沈殿させた。その後、ろ過により液体を除去し、真空乾燥器で70℃、1.0×10Paの条件下で乾燥することにより固形成分としての微粒子4を得た。微粒子4の平均粒子径は64nm、Tgは-33℃であった。
[合成例5:微粒子5の合成]
45.0gのアクリル酸n-ブチル、1.84gのポリエチレングリコール#200ジアクリレート、1.25gのアリルメタクリレート、2.86gのドデシル硫酸ナトリウム、150.0gの水を混合し、1時間撹拌させることによりモノマーを乳化させ、0.54gの過硫酸カリウムを添加した。添加後、20分間の窒素バブリングを実施し、溶液を70℃で2時間撹拌し、ラテックス溶液を得た。該ラテックス溶液に0.61gのチオ酢酸を添加し、30分後に0.54gの過硫酸カリウムをさらに添加し、3時間撹拌した。該ラテックス溶液を撹拌しているメタノール中に投入することにより、重合体を沈殿させた。その後、ろ過により液体を除去し、真空乾燥器で70℃、1.0×10Paの条件下で乾燥することにより固形成分としての微粒子5を得た。微粒子5の平均粒子径は49nm、Tgは-47℃であった。
[合成例6:微粒子6の合成]
45.0gのアクリル酸n-ブチル、1.84gのポリエチレングリコール#200ジアクリレート、1.25gのアリルメタクリレート、2.86gのドデシル硫酸ナトリウム、150.0gの水を混合し、1時間撹拌させることによりモノマーを乳化させ、0.54gの過硫酸カリウムを添加した。添加後、20分間の窒素バブリングを実施し、溶液を70℃で2時間撹拌し、ラテックス溶液を得た。該ラテックス溶液に1.10gのチオ安息香酸を添加し、30分後に0.54gの過硫酸カリウムをさらに添加し、3時間撹拌した。該ラテックス溶液を撹拌しているメタノール中に投入することにより、重合体を沈殿させた。その後、ろ過により液体を除去し、真空乾燥器で70℃、1.0×10Paの条件下で乾燥することにより固形成分としての微粒子6を得た。微粒子6の平均粒子径は62nm、Tgは-46℃であった。
ラボミキサーを使用し、下記表1に示す配合(質量部)に従って、まず、第一混合段階で、ジエン系ゴム成分に対し硫黄及び加硫促進剤を除く他の配合剤を添加し混練した(排出温度=160℃)。次いで、得られた混練物に、最終混合段階で、硫黄と加硫促進剤を添加し混練して(排出温度=90℃)、ゴム組成物を調製した。表1中の各成分の詳細は、以下の通りである。
・変性SBR:JSR(株)製「HPR350」
・BR:宇部興産(株)製「BR150B」
・シリカ:東ソー・シリカ(株)製「ニップシールAQ」
・シランカップリング剤:ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、エボニックジャパン(株)製「Si69」
・微粒子1~6:上記合成例1~6でそれぞれ得られた微粒子
・亜鉛華:三井金属鉱業(株)製「亜鉛華1種」
・老化防止剤:大内新興化学工業(株)製「ノクラック6C」
・ステアリン酸:花王(株)製「ルナックS-20」
・硫黄:細井化学工業(株)製「ゴム用粉末硫黄150メッシュ」
・加硫促進剤:大内新興化学工業(株)製「ノクセラーCZ」
・2次加硫促進剤:大内新興化学工業(株)製「ノクセラーD」
得られた各ゴム組成物について、160℃×20分で加硫して所定形状の試験片を作製し、得られた試験片を用いて、動的粘弾性試験を行って0℃及び60℃でのtanδを測定し、また引張試験を行って、引張り強度及び破断時伸びを測定した。測定方法は次の通りである。
・0℃tanδ:UBM社製レオスペクトロメーターE4000を用いて、周波数10Hz、静歪み10%、動歪み2%、温度0℃の条件で損失係数tanδを測定し、比較例1の値を100とした指数で表示した。指数が大きいほど、tanδが大きく、ウエットグリップ性能に優れることを示す。
・60℃tanδ:温度を60℃に変え、その他は0℃tanδと同様にしてtanδを測定し、比較例1の値を100とした指数で表示した。指数が小さいほど、発熱しにくく、タイヤでの転がり抵抗が小さくて転がり抵抗性能(即ち、低燃費性)に優れることを示す。
・引張り強さ、破断時伸び:JIS K6251に準拠した引張試験(ダンベル状3号形)を行い、引張り強さ及び破断時伸びを測定し、比較例1の値を100とした指数で表示した。指数が大きいほど、破壊強度に優れることを示し、100未満であっても95以上であれば許容できるものとする。
Figure 2023177127000005
結果は、表1に示す通りであり、比較例1と実施例1~4との対比より、実施例1~4は、転がり抵抗性能(低燃費性)、ウエットグリップ性能、及び破壊強度のバランスに優れていた。
比較例2,3は、チオエステル基を有していない重合体からなる微粒子を配合した例であり、実施例1~4と比較して、破壊強度が劣っていた。
本発明のゴム組成物は、乗用車、ライトトラック・バス等の各種タイヤ用ゴム組成物に用いることができる。

Claims (5)

  1. ジエン系ゴム100質量部に対して、ガラス転移点が-70℃~0℃の重合体からなる微粒子を1~100質量部含有し、
    前記重合体が、少なくとも1種の単官能モノマーに由来する構成単位と、少なくとも1種の多官能モノマーに由来する構成単位を架橋点とする架橋構造と、チオエステル基とを有する、ゴム組成物。
  2. 前記微粒子の平均粒子径が、10~100nmである、請求項1に記載のゴム組成物。
  3. 前記微粒子が、式(1)で表されるアルキル(メタ)アクリレート単位を構成単位として含む重合体からなる、請求項1に記載のゴム組成物。
    Figure 2023177127000006
    式中、Rは水素原子又はメチル基であり、同一分子中のRは同一でも異なっていてもよく、Rは炭素数4~18のアルキル基であり、同一分子中のRは同一でも異なっていてもよい。
  4. 前記微粒子が、式(2)で表される構造を構成単位として含む重合体からなる、請求項1に記載のゴム組成物。
    Figure 2023177127000007
    式中、Rは水素原子又はメチル基であり、同一分子中のRは同一でも異なっていてもよく、Rは炭素数4~18の炭化水素基であり、同一分子中のRは同一でも異なっていてもよい。
  5. 請求項1~4のいずれか1項に記載のゴム組成物を用いて作製された、空気入りタイヤ。
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