JP2011190404A - 架橋(メタ)アクリル系樹脂粒子及び光学シート - Google Patents
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Abstract
【解決手段】単官能(メタ)アクリレート及び一般式(1)
CH2=C(CH3)−COO−X−OCO−C(CH3)=CH2 (1)
(式中、Xは炭素数が4〜12の直鎖状の炭化水素基である。)
で表されるジメタクリレートの混合物を含むモノマー由来の樹脂を基材とする架橋(メタ)アクリル系樹脂粒子であり、前記混合物が前記単官能(メタ)アクリレート100重量部に対して前記一般式(1)で表されるジメタクリレートを10重量部以上含み、前記架橋(メタ)アクリル系樹脂粒子が80℃且つ湿度90%下で24時間保持後に0.5重量%以下の水分増加量を有することを特徴とする架橋(メタ)アクリル系樹脂粒子により上記課題を解決する。
【選択図】なし
Description
本発明は、光学シート内部に分散される樹脂粒子の耐水性に着目することにより、高温高湿環境下においても、透明度が悪化することのない光学シートを提供することをその課題とする。
CH2=C(CH3)−COO−X−OCO−C(CH3)=CH2 (1)
(式中、Xは炭素数が4〜12の直鎖状の炭化水素基である。)
で表されるジメタクリレートの混合物を含むモノマー由来の樹脂を基材とする架橋(メタ)アクリル系樹脂粒子であり、前記混合物が前記単官能(メタ)アクリレート100重量部に対して前記一般式(1)で表されるジメタクリレートを10重量部以上含み、前記架橋(メタ)アクリル系樹脂粒子が80℃且つ湿度90%下で24時間保持後に0.5重量%以下の水分増加量を有することを特徴とする架橋(メタ)アクリル系樹脂粒子が提供される。
CH2=C(CH3)−COO−X−OCO−C(CH3)=CH2 (1)
(式中、Xは炭素数が4〜12の直鎖状の炭化水素基である。)
で表されるジメタクリレートの混合物を含むモノマー由来の樹脂を基材とする。前記混合物は、前記単官能(メタ)アクリレート100重量部に対して前記一般式(1)で表されるジメタクリレートを10重量部以上含む。また、前記架橋(メタ)アクリル系樹脂粒子は、80℃且つ湿度90%下で24時間保持後に0.5重量%以下の水分増加量を有する。(メタ)アクリルとは、アクリル又はメタクリルを示す。
CH2=C(CH3)−COO−X−OCO−C(CH3)=CH2 (1)
(式中、Xは炭素数が4〜12の直鎖状の炭化水素基である。)
で表されるジメタクリレートが架橋剤として使用される。Xを構成する炭化水素基には、二重結合や三重結合が1つ以上含まれていてもよい。好ましいXは、飽和の炭化水素基である。即ち、Xが、−(CH2)n−(nは4〜12である)で表される基が好ましい。
CH2=C(CH3)−COO−X−OCO−C(CH3)=CH2 (1)
(式中、Xは炭素数が4〜12の直鎖状の炭化水素基である。)
で表されるジメタクリレートの混合物100重量部に対して20重量部以下が好ましい。20重量部を超えると、得られる樹脂粒子の屈折率が高くなる場合がある。樹脂粒子の屈折率が高くなると、この樹脂粒子を用いて得られる光学シートが優れた透明度を得られない場合がある。
なお、屈折率の測定方法については、実施例で述べる。
なお、平均粒子径及び変動係数(CV値)の測定方法については、実施例で述べる。
なお、ゲル分率の測定方法については、実施例で述べる。
シード粒子の製造方法は特に限定されないが、乳化重合、ソープフリー乳化重合あるいは懸濁重合等の方法を用いることができる。シード粒子の粒子径の均一性や製造方法の簡便さを考慮すると、乳化重合及びソープフリー乳化重合法が好ましい。
シード粒子の重量平均分子量を、重合開始剤の使用量の加減あるいは分子量調整剤の添加量の加減等により、調整してもよい。
分子量調整剤としては、α−メチルスチレンダイマー、n−オクチルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン等のメルカプタン類、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類を使用できる。
架橋(メタ)アクリル系樹脂粒子は、上記工程により得られたシード粒子1重量部に対して、単官能(メタ)アクリレート及び一般式(1)で表されるジメタクリレートを含むモノマー混合物10〜150重量部を重合させることにより得ることができる。
また、モノマー混合物中のモノマーの重合には、重合開始剤を使用できる。重合開始剤としては、特に限定されず公知の重合開始剤を使用できる。例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩類、ベンゾイルハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)等のアゾ系化合物類、過硫酸カリウム−チオ硫酸ナトリウム、過酸化水素−アスコルビン酸等のレドックス系開始剤等、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサネート、ベンゾイルパーオキシド、アゾイソビスブチロニトリルが挙げられる。
上記重合開始剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。重合開始剤の添加量は、モノマー混合物100重量部に対して0.1〜3重量部とできる。
アニオン性界面活性剤としては、例えば、オレイン酸ナトリウム、ヒマシ油カリ等の脂肪酸油、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム等のアルキル硫酸エステル塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、コハクスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩等が挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、例えば、ラウリルアミンアセテート、ステアリルアミンアセテート等のアルキルアミン塩、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド等の第四級アンモニウム塩等が挙げられる。
上記界面活性剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。界面活性剤の添加量は、水性媒体100重量部に対して0.0001〜1重量部とできる。
重合温度は、60〜90℃とでき、重合時間は、1〜20時間とできる。重合は、窒素雰囲気のような重合に対して不活性な不活性ガス雰囲気下で行ってもよい。
上記樹脂粒子を用いた光学シートの製造方法の一例を以下に述べるが、この方法のみに限定されるものではない。
(シード粒子の平均粒子径)
シード粒子の平均粒子径は、ベックマンコールター社製のLS230型により測定される。具体的にはシード粒子0.1gと0.1%ノニオン性界面活性剤溶液10mを投入し、ヤマト科学社製タッチミキサーTOUCHMIXER MT−31で2秒間混合する。この後、試験管を市販の超音波洗浄器であるヴェルボクリーア社製ULTRASONIC CLEARNER VS−150を用いて10分間分散させる。分散させたものをベックマンコールター社製のLS230型にて超音波を照射しながら測定する。そのときの光学モデルは、作成した粒子の屈折率にあわせて測定される。
樹脂粒子の平均粒子径の測定は、Coulter Electronics Limited発行のReference MANUAL FOR THE COULTER MULTISIZER(1987)に従って、280μ mアパチャーを用いてキャリブレーションを行う方法により行われる。測定には、精密粒度分布測定装置( ベックマンコールター社製: コールターマルチサイザーII)が用いられる。具体的には、樹脂粒子0.1gを0.1%ノニオン系界面活性剤溶液10ml中にタッチミキサー及び超音波を用いて予備分散させ、これを本体備え付けのISOTONII(ベックマンコールター社製:測定用電解液)を満たしたビーカー中に、緩く攪拌しながらスポイドで滴下して、本体画面の濃度計の示度を10%前後に合わせる。次にマルチサイザーII本体にアパチャーサイズ280μm、Currentを800、Gainを4、Polarityを+と入力してmanualで測定を行う。測定中は気泡が入らない程度にビーカー内を緩く攪拌しておき、樹脂粒子を10万個測定した点で測定を終了する。
変動係数(CV値)とは、標準偏差(σ)及び上記平均粒子径(x)から以下の式により算出された値である。
CV値(%)=(σ/x)×100
シード重合により得られる樹脂粒子の光学屈折率の測定は、ベッケ法により行う。具体的には以下のとおり行う。
スライドガラス上に樹脂粒子を載せ、屈折液(CARGILLE社製:カーギル標準屈折液)を滴下する。樹脂粒子と屈折液をよく混ぜ、下からナトリウムランプを照射する。上部から粒子の輪郭を観察し、輪郭が見えない場合、屈折液と樹脂粒子の屈折率が等しいとする。
トルエン100重量部に対し、樹脂粒子を3重量部分散させた後、遠心分離(10000rpmで5分間)し、上澄み液を除去し乾燥させた不溶分の重量を測定する。この不溶分の重量を、トルエンに分散させる前の重合体粒子重量で割ることで、ゲル分率を求める。
水へのなじみ具合及び高温高湿環境下での水分変化量について、次の方法で測定する。
(1)水100gに樹脂粒子1gを添加して観察する。耐水性がないものは、水となじみ沈降する。それに対し、耐水性のあるものは撥水して沈まない。
(2)温度20℃、湿度50%で24時間放置された樹脂粒子10gを、温度80℃、湿度90%のオーブン(恒温恒湿槽)に24時間入れ、オーブンに入れる前の樹脂粒子との水分含有量の差を測定する。
なお、樹脂粒子に含まれる水分量は、次の方法により測定する。
カールフィッシャー法を利用した電量滴定式水分測定装置を用いてI2+SO2+2H2O→2HI+H2SO4の反応をさせてサンプルの水分の電気分解に要した電気量(クーロン)を積算させることにより水分を測定する。まずサンプルを入れないでブランクを測定し、次いでサンプル0.3gを投入して、水分を自動計算させる。
水分増加量(%)=オーブンに入れ24時間経過後の樹脂粒子の水分量 − オーブンに入れる前の樹脂粒子の水分量
樹脂粒子を用いて得られる光学シートは、透明性及び光拡散性により評価される。具体的には、以下の方法による。
(1)透明性の評価
白地に黒ベタ印刷された白黒シートの上に、実施例及び比較例で得られた光学シートを載せ、光学シートの状態(透明あるいは白濁の程度)及び光学シートを透して白黒シートの白黒境界線の見え方を目視により判断して、次の4段階に分けて評価する。
◎:光学シートは透明であり、白黒境界線がはっきりと見える
○:光学シートはやや白く見え、白黒境界線がぼんやりと見える
△:光学シートが白濁しており、白黒境界線がにじんで見えにくい
×:光学シートがかなり白濁しており、白黒境界線が見えない
光源(20w蛍光等)の上に9ポイントの大きさの文字が印刷された文字シートをセットする。その文字シートから30mm離して光学シートをセットして、目視により光学シート越しに文字シートに印刷された文字が判読できるかどうかを判断して、次の3段階に分けて評価する。
◎:光学シート越しに文字の存在そのものを認識できないほど光拡散性がある
○:光学シート越しになんとか文字を識別できる程度の光拡散性がある
×:光学シート越しに問題なく文字を読むことができるほど光拡散性がない
上記の評価を、光学シート製造直後の状態と、温度80℃、湿度90%のオーブンに24時間入れた後の状態とに分けて比較する。
(1a)シード粒子1の製造
攪拌機、温度計及び還流コンデンサーを備えたセパラブルフラスコに、イオン交換水1300g、メタクリル酸メチル(MMA)320gに分子量調整剤としての1−オクタンチオール3gを溶解させたものを投入して、攪拌しながら窒素雰囲気下で70℃に昇温した。重合開始剤としての過硫酸アンモニウム1.6gをイオン交換水300gに溶解させたものを続けて投入して、70℃で12時間攪拌し、重合反応を行った。この重合反応により、平均粒子径0.5μm、ゲル分率(トルエン抽出法)0%のポリメチルメタクリレート粒子(以下、シード粒子1という)を含有する分散液が得られた。
攪拌機、温度計及び還流コンデンサーを備えたセパラブルフラスコに、イオン交換水1300g、メタクリル酸メチル320gに分子量調整剤としての1−オクタンチオール3gを溶解させたものを投入した。更に、シード粒子1の分散液160g加え、これを攪拌しながら窒素気流中で70℃に昇温した。重合開始剤としての過硫酸アンモニウム1.6gをイオン交換水300gに溶解させたものを続けて投入して、70℃で12時間攪拌し、重合反応を行った。この重合反応により、平均粒子径が1.1μm、ゲル分率0%のポリメチルメタクリレート粒子(以下、シード粒子2という)を含有する分散液が得られた。
メタクリル酸メチル640gと1,6ヘキサンジオールジメタクリレート160gとからなるビニル系モノマーに、t−ブチルペルオキシ2−エチルヘキサネート8gを溶解させてモノマー混合物を得た。このモノマー混合物とジオクチルスルホコハク酸ナトリウム(界面活性剤)8gが含まれたイオン交換水800gとを混合して、混合液を得た。得られた混合液を、T.KホモミキサーMark2.5型(特殊機化工業社製)に入れて、9000rpmで10分間処理して乳化液を得た。この乳化液にシード粒子2の分散液80gを加え、30℃で4時間攪拌した。攪拌後の分散液を光学顕微鏡で観察したところ、乳化液中のモノマーは完全に種粒子に吸収されていることが認められた。この攪拌後の分散液に、88%部分けん化ポリビニルアルコール4%水溶液2400g及び亜硝酸ナトリウム0.64gを加えた。その後、分散液中のモノマーを70℃で3時間重合させた。次いで、105℃で2.5時間攪拌して、有機過酸化物を分解させた。その後、濾過により固形分を得た。固形分を取り出し、真空乾燥機により60℃で12時間乾燥を行った結果、樹脂粒子を得た。
得られた樹脂粒子は、平均粒子径4.04μm、CV値8.9%、屈折率1.500、ゲル分率99.4%の単分散の樹脂粒子であった。この樹脂粒子1gを100ccの水に浮かべたところ、沈まなかった。また、この樹脂粒子10gを温度80℃、湿度90%のオーブンに24時間入れ、その後の水分含有量の変化量を測定したところ、オーブンに入れる前の状態に比べて0.43%増加した。
樹脂粒子10g、屈折率が1.491のジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)(日本化薬社製)45g、重合開始剤としてのビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(長瀬産業社製:イルガキュア819)2gをトルエンに分散させて、得られた混合液を遠心攪拌機により3分間攪拌した。攪拌後、混合液を3時間放置した後、再度遠心攪拌機により3分間攪拌した。攪拌後、混合液をPETフィルム上に100μmのコーターを用いて塗工することで塗膜を得た。塗膜を有するフィルムを70℃に保った乾燥機にて1時間乾燥させることで光学シートを得た。
得られた光学シートの透明性及び光拡散性を評価した。白黒シートに光学シートを載せ、その透明性を観察したところ、光学シートには白濁がなく透明であり、白黒境界線がはっきりと見えた(◎)。また、光学シート越しに文字シートに印刷された文字をなんとか識別できた(○)。
また、光学シートを温度80℃、湿度90%のオーブン(恒温恒湿槽)に24時間入れた後、透明性及び光拡散性について観察したところ、透明性及び光拡散性ともに変化がなかった。温度80℃、湿度90%のオーブン(恒温恒湿槽)に24時間入れた後の光学シートの透明性評価の写真を図1に示す。白黒境界線がはっきり見え、黒地が白濁していないことが分かる。結果を表1に示す。
(3b)樹脂粒子の製造
実施例1の樹脂粒子の製造方法(3a)において、1,6ヘキサンジオールジメタクリレートを1,9ノナンジオールジメタクリレートに変えたことを除き、実施例1と同様の操作を行った。
(4b)樹脂粒子の評価
得られた樹脂粒子は、平均粒子径4.07μm、CV値10.9%、屈折率1.500、ゲル分率99.3%の単分散の樹脂粒子であった。この樹脂粒子1gを100ccの水に浮かべたところ、沈まなかった。また、この樹脂粒子10gを温度80℃、湿度90%のオーブンに24時間入れ、その後の水分含有量の変化量を測定したところ、オーブンに入れる前の状態に比べて0.27%増加した。
実施例1と同様の方法で光学シートを得た。
(6b)光学シートの評価
実施例1と同様に、光学シートの透明性及び光拡散性を評価した。結果を表1に示す。
(3c)樹脂粒子の製造
実施例1の樹脂粒子の製造方法(3a)において、メタクリル酸メチルを480gとし、1,6ヘキサンジオールジメタクリレートを320gとしたことを除き、実施例1と同様の操作を行った。
(4c)樹脂粒子の評価
得られた樹脂粒子は、平均粒子径4.01μm、CV値11.3%、屈折率1.500、ゲル分率99.6%の単分散の樹脂粒子であった。この樹脂粒子1gを100ccの水に浮かべたところ、沈まなかった。また、この樹脂粒子10gを温度80℃、湿度90%のオーブンに24時間入れ、その後の水分含有量の変化量を測定したところ、オーブンに入れる前の状態に比べて0.33%増加した。
実施例1と同様の方法で光学シートを得た。
(6c)光学シートの評価
実施例1と同様に、光学シートの透明性及び光拡散性を評価した。結果を表1に示す。
(3d)樹脂粒子の製造
実施例1の樹脂粒子の製造方法(3a)において、ビニル系モノマーをメタクリル酸メチル400g、1,6ヘキサンジオールジメタクリレート320g、スチレン80gからなるビニル系モノマーにしたことを除き、実施例1と同様の操作を行った。
(4d)樹脂粒子の評価
得られた樹脂粒子は、平均粒子径3.96μm、CV値12.5%、屈折率1.510、ゲル分率99.4%の単分散の樹脂粒子であった。この樹脂粒子1gを100ccの水に浮かべたところ、沈まなかった。また、この樹脂粒子10gを温度80℃、湿度90%のオーブンに24時間入れ、その後の水分含有量の変化量を測定したところ、オーブンに入れる前の状態に比べて0.05%増加した。
実施例1と同様の方法で光学シートを得た。
(6d)光学シートの評価
実施例1と同様に、光学シートの透明性及び光拡散性を評価した。
白黒シートに光学シートを載せ、その透明性を観察したところ、光学シートはやや白く見え、白黒境界線がぼんやりと見えた(○)。また、光学シート越しに文字シートを観察したところ、文字の存在そのものを認識できなかった(◎)。
また、光学シートを温度80℃、湿度90%のオーブン(恒温恒湿槽)に24時間入れた後、透明性及び光拡散性について観察したところ、透明性及び光拡散性ともに変化がなかった。温度80℃、湿度90%のオーブン(恒温恒湿槽)に24時間入れた後の光学シートの透明性評価の写真を図2に示す。白黒境界線がぼんやり見えることが分かる。結果を表1に示す。
(3e)樹脂粒子の製造
実施例1の樹脂粒子の製造方法(3a)において、1,6ヘキサンジオールジメタクリレートをエチレングリコールジメタクリレートに変えたことを除き、実施例1と同様の操作を行った。
(4e)樹脂粒子の評価
得られた樹脂粒子は、平均粒子径4.05μm、CV値9.4%、屈折率1.496、ゲル分率99.5%の単分散の樹脂粒子であった。この樹脂粒子1gを100ccの水に浮かべたところ、ほとんどの樹脂粒子が沈降した。また、この樹脂粒子10gを温度80℃、湿度90%のオーブンに24時間入れ、その後の水分含有量の変化量を測定したところ、オーブンに入れる前の状態に比べて0.65%増加した。
実施例1と同様の方法で光学シートを得た。
(6e)光学シートの評価
実施例1と同様に、光学シートの透明性及び光拡散性を評価した。
白黒シートに光学シートを載せ、その透明性を観察したところ、光学シートには白濁がなく透明であり、白黒境界線がはっきりと見えた(◎)。また、光学シート越しに文字シートに印刷された文字をなんとか識別できた(○)。
また、光学シートを温度80℃、湿度90%のオーブン(恒温恒湿槽)に24時間入れた後、透明性及び光拡散性について観察した。透明性については、光学シートが白濁し、白黒境界線がにじんで見えづらくなった(△)。一方、光拡散性は向上した(◎)。温度80℃、湿度90%のオーブン(恒温恒湿槽)に24時間入れた後の光学シートの透明性評価の写真を図3に示す。白黒境界線がにじんで見え難いことが分かる。結果を表1に示す。
(3f)樹脂粒子の製造
実施例1の樹脂粒子の製造方法(3a)において、1,6ヘキサンジオールジメタクリレートをトリメチロールプロパントリメタクリレートに変えたことを除き、実施例1と同様の操作を行ったが、樹脂粒子を得ることができなかった。
(3g)樹脂粒子の製造
実施例1の樹脂粒子の製造方法(3a)において、ビニル系モノマーをメタクリル酸メチル320g、ベンジルメタクリレート240g、エチレングリコールジメタクリレート240gからなるビニル系モノマーにしたことを除き、実施例1と同様の操作を行った。
(4g)樹脂粒子の評価
得られた樹脂粒子は、平均粒子径4.03μm、CV値10.9%、屈折率1.518、ゲル分率99.3%の単分散の樹脂粒子であった。この樹脂粒子1gを100ccの水に浮かべたところ、沈まなかった。また、この樹脂粒子10gを温度80℃、湿度90%のオーブンに24時間入れ、その後の水分含有量の変化量を測定したところ、オーブンに入れる前の状態に比べて0.04%増加した。
実施例1と同様の方法で光学シートを得た。
(6g)光学シートの評価
実施例1と同様に、光学シートの透明性及び光拡散性を評価した。
白黒シートに光学シートを載せ、その透明性を観察したところ、光学シートが白濁しており、白黒境界線がにじんで見えづらかった(△)。光学シート越しに文字シートを観察したところ、文字の存在そのものを認識できなかった(◎)。
また、光学シートを温度80℃、湿度90%のオーブン(恒温恒湿槽)に24時間入れた後、透明性及び光拡散性について観察したところ、透明性及び光拡散性ともに変化がなかった。結果を表1に示す。
(3h)樹脂粒子の製造
実施例1の樹脂粒子の製造方法(3a)において、メタクリル酸メチルを760gとし、1,6ヘキサンジオールジメタクリレートを40gとしたことを除き、実施例1と同様の操作を行った。
(4h)樹脂粒子の評価
得られた樹脂粒子は、平均粒子径4.07μm、CV値10.9%、屈折率1.496、ゲル分率98.9%の単分散の樹脂粒子であった。この樹脂粒子1gを100ccの水に浮かべたところ、やや沈降が見られた。また、この樹脂粒子10gを温度80℃、湿度90%のオーブンに24時間入れ、その後の水分含有量の変化量を測定したところ、オーブンに入れる前の状態に比べて0.52%増加した。
実施例1と同様の方法で光学シートを得た。
(6h)光学シートの評価
実施例1と同様に、光学シートの透明性及び光拡散性を評価した。
白黒シートに光学シートを載せ、その透明性を観察したところ、光学シートには白濁がなく透明であり、白黒境界線がはっきりと見えた(◎)。また、光学シート越しに文字シートに印刷された文字をなんとか識別できた(○)。
また、光学シートを温度80℃、湿度90%のオーブン(恒温恒湿槽)に24時間入れた後、透明性及び光拡散性について観察した。透明性については、光学シートが白濁し、白黒境界線がにじんで見えづらくなった(△)。一方、光拡散性には変化がなかった(○)。温度80℃、湿度90%のオーブン(恒温恒湿槽)に24時間入れた後の光学シートの透明性評価の写真を図4に示す。白黒境界線がにじんで見え難いことが分かる。結果を表1に示す。
実施例1〜4及び比較例1〜4の結果について、表1にまとめて示す。
1.6HX:1,6ヘキサンジオールジメタクリレート
1.9ND:1,9ノナンジオールジメタクリレート
St:スチレン
EGDMA:エチレングリコールジメタクリレート
TMP:トリメチロールプロパントリメタクリレート
BZA:ベンジルメタクリレート
CH2=C(CH3)−COO−X−OCO−C(CH3)=CH2 (1)
(式中、Xは炭素数が4〜12の直鎖状の炭化水素基である。)
で表されるジメタクリレートが架橋剤として使用されたかったことによるものと考えられる。
比較例2の結果は、単官能ではなく多官能の(メタ)アクリレートを使用したことが原因だと考えられる。
比較例3の屈折率が高くなった原因は、(メタ)アクリル系樹脂成分の割合が少ないことによるものと考えられる。
比較例4の耐水性が劣る原因は、架橋剤の使用量が少ないことによるものと考えられる。
Claims (6)
- 単官能(メタ)アクリレート及び一般式(1)
CH2=C(CH3)−COO−X−OCO−C(CH3)=CH2 (1)
(式中、Xは炭素数が4〜12の直鎖状の炭化水素基である。)
で表されるジメタクリレートの混合物を含むモノマー由来の樹脂を基材とする架橋(メタ)アクリル系樹脂粒子であり、前記混合物が前記単官能(メタ)アクリレート100重量部に対して前記一般式(1)で表されるジメタクリレートを10重量部以上含み、前記架橋(メタ)アクリル系樹脂粒子が80℃且つ湿度90%下で24時間保持後に0.5重量%以下の水分増加量を有することを特徴とする架橋(メタ)アクリル系樹脂粒子。 - 前記単官能(メタ)アクリレートが、炭素数1〜3のメタクリレートである請求項1に記載の架橋(メタ)アクリル系樹脂粒子。
- 前記ジメタクリレートが、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、1,9−ノナンジオールジメタクリレートである請求項1又は2に記載の架橋(メタ)アクリル系樹脂粒子。
- 前記架橋(メタ)アクリル系樹脂粒子が、1.480〜1.515の範囲のベッケ法による光学屈折率を有する請求項1〜3のいずれか1つに記載の架橋(メタ)アクリル系樹脂粒子。
- 前記架橋(メタ)アクリル系樹脂粒子が、99%以上のゲル分率を有する請求項1〜4のいずれか1つに記載の架橋(メタ)アクリル系樹脂粒子。
- 基材フィルムとその上の光拡散層とを有し、前記光拡散層が、請求項1〜5のいずれか1つに記載の架橋(メタ)アクリル系樹脂粒子とそれを分散させたバインダー樹脂の層とから構成される光学シートであり、前記架橋(メタ)アクリル系樹脂粒子と前記バインダー樹脂との屈折率の差が0.05以下であることを特徴とする光学シート。
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