JP2020084095A - 水性インク用表面処理剤及び加飾物品の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】非浸透性基材に対して水性インクを用いて印刷する際に画像のひび割れを防止することを一課題とする。【解決手段】非浸透性基材に水性インクを用いて印刷する前に非浸透性基材を処理するための表面処理剤であって、ハロイサイトナノチューブ及び水を含む、水性インク用表面処理剤である。また、この水性インク用表面処理剤と、水性インクとを含む、水性インクセットである。【選択図】なし

Description

本発明は、水性インク用表面処理剤及び加飾物品の製造方法に関する。
金属基材、ガラス基材、プラスチック基材等の非浸透性基材は、その耐熱性、耐久性、加工性等の性質により、様々な建築資材や家具、日用品に用いられている。見た目や質感が重視される用途も多く、非浸透性基材に対して様々な加飾方法が検討されている。
非浸透性基材への加飾方法としては、表面を立体加工して凹凸形状等を付与する方法や、塗装、印刷により色や模様をつける方法、ファブリックで覆う方法等がある。よりユーザーのニーズに対応し表現の幅を広げるためには、オンデマンド印刷による加飾方法が適している。印刷インクとしては、揮発成分にVOC(揮発性有機化合物)成分が少ない水性インクを用いることで、環境への影響を低減して加飾物品を提供することができる。
非浸透性基材では、水性インクを用いると、基材上でインクが乾燥する前に、インクが基材からはじかれて、画像が定着しにくい問題がある。また、水性インクは、非浸透性基材に対して親和性が低くなりやすく、基材への定着性が低下する問題がある。さらに、水性インクを非浸透性基材に塗布後に、インクによる塗膜から水性媒体が揮発する過程で、塗膜にひびが入り、画像がひび割れた状態になる問題がある。
インクジェット印刷システムは、流動性の高い液体インクを微細なノズルから噴射し、基材に付着させて印刷を行う印刷システムであって、オンデマンド印刷に対応することができる。この印刷システムは、比較的安価な装置で、高解像度、高品位の画像を、高速かつ低騒音で印刷可能である。
インクジェットインクとしては、安価に高画質の印刷物が得られることから、水性タイプのインクが普及している。インクジェット用の水性インクは、基材上でインク中の水分が浸透または蒸発することで、基材上に画像が定着されるようになる。しかし、非浸透性基材に水性インクを塗布する場合には、上記した通りの問題がある。
非浸透性基材上に、多孔質層又はインクを凝集・増粘させる成分を含むインク受容層を形成し、その上から印刷することで、非浸透性基板を加飾する方法がある。
特許文献1には、樹脂層で被覆された金属板に、無機系粒子と樹脂を含む多孔質層が形成され、その上にインクジェット印刷によって模様や文字等を描画する方法が提案されている。
特許文献2には、インク受容層を担持するアルミニウム基板に、インクジェット記録方式により記録を行う方法において、インク受容層は、共重合体エマルジョンと、カチオン性化合物と、無機充填剤とを含む塗工液を用いて形成されることが提案されている。
また、浸透性基材又は非浸透性機材に前処理剤を付着させ、次いでインクジェット印刷することで、塗膜の定着性を改善する方法がある。
特許文献3には、水分散性ポリイソシアネートと、多価金属塩と、SP値が7.5(cal/cm1/2〜23.5(cal/cm1/2の溶剤とを含有する前処理剤、及び、ポリオールと、顔料分散体と、水とを含有する水性インクを有するインクジェット用インクセットが提案されている。
特開2000−37811号公報 特開2004−209774号公報 特開2010−214846号公報
特許文献1では、金属板に直接印刷する方法ではなく、金属板を樹脂層で被覆し、樹脂層上に多孔質層を形成し、その上からインクジェット印刷を行っている。特許文献1の実施例では、多孔質層の無機系粒子としてSiO粒子を用いて、30μm又は60μmの多孔質層を形成している。特許文献1では、多孔質層が無機系粒子を含むことで、インクを吸収するようにしている。
特許文献2では、アルミニウム基板にインク受容層を形成し、その上からインクジェット印刷を行っている。特許文献2の実施例では、インク受容層の無機充填剤として微粉末シリカ又は微粉末炭酸マグネシウムを用いている。特許文献2では、インク受容層が無機充填剤を含むことで、ブロッキングを防止するとともに、インク吸収性を向上するようにしている。
一般的な数μmオーダーの球状の無機粒子は、それ自体が水を保持する能力は低いが、特許文献1、2のように無機粒子を多く含む多孔質層を設けることで、空隙部分で水性インクを吸収することができる。しかし、インク吸収性を持たせる程度に多孔質層が無機粒子を多く含ませるため、多孔質層が厚くなって空隙が多くなり、塗膜の耐久性が低下する問題がある。
特許文献3には、前処理剤中の水分散性ポリイソシアネートと、水性インク中のポリオールとが、記録媒体上で架橋反応することで、強固な塗膜が形成され、印刷物の定着性を向上させることができると開示されている。しかし、非浸透性基材に対して前処理剤又は水性インクのなじみ性が十分ではなく、前処理剤又は水性インクが基材に定着する前に基材からはじかれる問題がある。また、定着したとしても、塗膜が基材から剥がれやすい問題がある。
特許文献3には、非浸透性基材を用いる場合では、非浸透性基材に前処理剤をより強固に付着させるために、事前に非浸透性基材にコロナ処理を行ってもよいと開示されている。非浸透性基材にコロナ処理を行うことで、非浸透性基材の表面に水酸基を導入し、その後に前処理剤を塗布することで、前処理剤中のポリイソシアネートが非浸透性基材上の水酸基と反応し、非浸透性基材と前処理剤との密着性を向上させると提案されている。しかし、コロナ処理は、工程数が増える問題があるため、より簡便で効果的な方法が望まれる。また、コロナ処理によって非浸透性基材に導入した水酸基は、長時間その状態が維持されないことから、コロナ処理は印刷直前に行う必要性があり生産性に問題がある。
本発明の一目的としては、非浸透性基材に対して水性インクを用いて印刷する際に画像のひび割れを防止することである。
本発明は、以下を要旨とする。
[1]非浸透性基材に水性インクを用いて印刷する前に非浸透性基材を処理するための表面処理剤であって、ハロイサイトナノチューブ及び水を含む、水性インク用表面処理剤。
[2]前記ハロイサイトナノチューブは、表面処理剤全量に対し、0.5質量%〜10質量%である、[1]に記載の水性インク用表面処理剤。
[3][1]又は[2]に記載の水性インク用表面処理剤と、水性インクとを含む、水性インクセット。
[4][3]に記載のインクセットを用いて、前記水性インク用表面処理剤を用いて非浸透性基材を処理すること、及び前記水性インクを用いて前記非浸透性基材に画像を形成することを含む、加飾物品の製造方法。
[5]非浸透性基材と、前記非浸透性基材の表面に形成され、ハロイサイトナノチューブを含む層とを有する、水性インク用非浸透性基材。
[6]前記ハロイサイトナノチューブを含む層の付着量は、0.1〜40g/mである、[5]に記載の水性インク用非浸透性基材。
[7]非浸透性基材と、前記非浸透性基材に形成されるインク画像層と、前記非浸透性基材と前記インク画像層との間に形成されるハロイサイトナノチューブを含む層とを含む、加飾物品。
本発明の一実施形態によれば、非浸透性基材に対して水性インクを用いて印刷する際に画像のひび割れを防止することができる。
以下、本発明を一実施形態を用いて説明する。以下の実施形態における例示が本発明を限定することはない。
一実施形態による水性インク用表面処理剤としては、非浸透性基材に水性インクを用いて印刷する前に非浸透性基材を処理するための表面処理剤であって、ハロイサイトナノチューブ及び水を含む、ことを特徴とする。
これによれば、非浸透性基材に対して水性インクを用いて印刷する際に画像のひび割れを防止することができる。また、この表面処理剤によって処理した非浸透性基材を用いて水性インクによって印刷をすることで、画像のひび割れを防止した加飾物品を提供することができる。また、水性インクを用いて印刷し、その後に加熱乾燥を行う場合にも、画像のひび割れを防止することができる。
これは、ハロイサイトナノチューブを含む表面処理剤によって非浸透性基材を処理しておくことで、水性インクによる画像と基材との密着性を向上させることができるからである。これによって、高画質で高耐久な加飾物品を提供することができる。
「表面処理剤」
一実施形態による表面処理剤は、非浸透性基材に好ましく用いることができる。表面処理剤によって処理された非浸透性基材に、水性インクを用いて印刷する際に、画像のひび割れを効果的に防止することができる。
非浸透性基材は、基材内部に液体が染み込んでいかない基材であり、具体的には、インク中の液体の大部分が基材上表面に留まる基材である。
非浸透性基材としては、例えば、アルミニウム、鉄、銅、チタン、錫、クロム、カドミウム、合金(例えばステンレス、スチール等)等の金属板等の金属基材;ホウケイ酸ガラス、石英ガラス、ソーダライムガラス等の板ガラス等のガラス基材;OHTシート、アクリル板、ポリエステルシート、ポリプロピレンシート等の樹脂基材;アルミナ、ジルコニア、ステアタイト、窒化ケイ素等の成形体等のセラミック基材等が挙げられる。
これらの基材は、メッキ層、金属酸化物層、樹脂層等が形成されていてもよく、又は、界面活性剤、コロナ処理等を用いて表面処理されていてもよい。なお、一実施形態による表面処理剤は、未処理の基材に対して処理してもその効果を発揮することができる。
なかでも金属基材、ガラス基材に好ましく用いることができる。
一実施形態による表面処理剤は、ハロイサイトナノチューブ及び水を含む。
ハロイサイトは、鉱物の一種であり、組成式AlSi(OH)・2HOで表される。
ハロイサイトナノチューブは、ハロイサイトの1枚面を巻いて筒状にした形状を有する。ハロイサイトナノチューブの筒状形状は、1枚面が1巻きした単層であってもよく、2巻き以上した2層以上の複数層であってもよい。
筒状のハロイサイトナノチューブの外表面は、シロキサン構造「−Si−O−Si−」であって、内表面はアルミノール構造「−Al−OH」となっている。このため、負に帯電している外表面と、正に帯電している内表面とで電荷のずれが生じる。
ハロイサイトナノチューブは、外表面がシロキサン構造であるため、非浸透性基材との親和性が良好であり、非浸透性基材との密着性を向上させることができる。さらに、表面処理剤を加熱乾燥する際にも、形成される表面処理層の熱収縮を抑制することができる。
また、ハロイサイトナノチューブは、内表面がアルミノール構造であるため、親水性が高く、水性インクとの親和性が良好である。そのため、表面処理剤によって処理された非浸透性基材は、インク保持性を有し、良好な画像を形成することができる。また、表面処理剤によって処理された表面処理層は、非浸透性基材とインク画像層とをつなぐ役割をすることで、非浸透性基材とインク画像層との密着性をより高めることができる。さらに、インク画像を加熱乾燥する際にも、インク画像の熱収縮を抑制することができ、画像のひび割れを防止することができる。
また、表面処理剤にハロイサイトナノチューブが含まれていても、表面処理剤に添加されるカチオン性物質、バインダー、界面活性剤等の添加剤の作用をともに発揮させることができる。
ハロイサイトナノチューブの外径は、50nm以上が好ましく、100nm以上がより好ましい。これによって、表面処理剤中で微粒子が凝集して分散性に影響することを防止することができ、また、非浸透性基材上で表面処理層が水性インクを保持する作用をより強めることができる。
ハロイサイトナノチューブの外径は、250nm以下が好ましく、220nm以下がより好ましい。これによって、表面処理剤中での分散安定性を高めることができ、また、非浸透性基材上で表面処理層の透明ないし半透明性を維持することができる。
また、ハロイサイトナノチューブの内径は、10nm以上が好ましく、15nm以上がより好ましい。これによって、内表面のアルミノール構造が露出されて、ハロイサイトナノチューブの親水性を高め、水性インクを保持する作用をより高めることができる。
ハロイサイトナノチューブの内径は、170nm以下が好ましく、150nm以下がより好ましい。内径の大きさを制御することで、外径の大きさを好ましい範囲とすることができ、また、内部の空洞が大きくならないようにしてハロイサイトナノチューブの強度を高めることができる。
ハロイサイトナノチューブの長手方向の長さは、0.2μm以上が好ましく、0.5μm以上がより好ましく、1μm以上がさらに好ましい。これによって、表面処理剤中で微粒子が凝集して分散性に影響することを防止することができ、また、非浸透性基材上で表面処理層が水性インクを保持する作用をより強めることができる。
ハロイサイトナノチューブの長手方向の長さは、20μm以下が好ましく、10μm以下がより好ましく、5μm以下がさらに好ましい。これによって、表面処理剤中での分散安定性を高めることができ、また、非浸透性基材上で表面処理層の透明ないし半透明性を維持することができる。
ハロイサイトナノチューブの外径、内径、長さは、電子顕微鏡像の画像解析によって求めることができる。具体的には、所定領域に観察される10個以上のハロイサイトナノチューブの外径等を測定し、その平均値から求めることができる。
ハロイサイトナノチューブの表面は、未処理の状態であってもよいが、酸又は塩基によって表面改質されていてもよい。ハロイサイトナノチューブが表面改質されていることで、粉末状態での取り扱いを改善することができ、また、水中での分散性を改善することができる。
ハロイサイトナノチューブの表面が酸性である場合は、表面処理剤全体をアルカリ性に調整することで、ハロイサイトナノチューブの水中での分散安定性を改善することができる。また、ハロイサイトナノチューブの表面が酸性である場合は、表面処理剤に後述するカチオン性物質を添加することで、ハロイサイトナノチューブの水中での分散安定性を改善することができる。
このようなハロイサイトナノチューブとしては、例えば、APPLIED MINERALS社製「DRAGONITE HP」、「DRAGONITE HP:KT」、「DRAGONITE HP−A」等を用いることができる。
上記したハロイサイトナノチューブは、単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
ハロイサイトナノチューブは、表面処理剤全量に対し、0.5質量%以上が好ましく、1質量%以上がより好ましく、3質量%以上がさらに好ましい。これによって、適量の表面処理剤を基材に塗布することで、基材上にハロイサイトナノチューブを適量に付着させることができ、印刷後の画像のひび割れを防止することができる。
ハロイサイトナノチューブは、表面処理剤全量に対し、10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましい。これによって、過剰なハロイサイトナノチューブが基材に付着することを防止することができる。また、表面処理剤中のハロイサイトナノチューブの分散安定性を良好にして、表面処理剤の貯蔵安定性を良好に維持することができる。一方で、表面処理剤へのハロイサイトナノチューブの配合量が多くなり、基材へのハロイサイトナノチューブの付着量が多くなると、基材の遮蔽性を高めることができる。基材の色味や表面形状を遮蔽する用途では、表面処理剤へのハロイサイトナノチューブの配合量をより多く配合してもよい。
ハロイサイトナノチューブは、表面処理剤に粉末状態で添加することができる。また、ハロイサイトナノチューブの粉末を水性溶媒中に分散させた分散液状態で表面処理剤に添加することもできる。この場合、表面処理剤中のハロイサイトナノチューブの量は、ハロイサイトナノチューブの固形分量である。
表面処理剤は、カチオン性物質をさらに含むことができる。表面処理剤にカチオン性物質が含まれることで、表面処理剤によって処理された基材に水性インクが塗布されると、表面処理剤中のカチオン性物質によって、水性インクの色材が基材上で凝集し、ドットの広がりを抑制して、画質をより改善することができる。
カチオン性物質としては、カチオン性樹脂、多価金属塩、又はこれらの組み合わせを用いることができる。
カチオン性樹脂としては、構成単位に塩基性基を有する樹脂、塩基性基が導入された樹脂、表面が塩基性に処理された樹脂等を用いることができる。例えば、カチオン性樹脂として、アミン、アンモニウム塩、ピリジニウム塩、イミダゾリジノン塩等のカチオンサイトを1個、又は2個以上有する樹脂を用いることができる。
より具体的には、カチオン性樹脂としては、ポリビニルアミン、ポリアリルアミン、アクリルアミドの共重合体等、又はこれらの誘導体を挙げることができる。また、カチオン性樹脂として、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂等の樹脂骨格に、塩基性基を導入した樹脂、又はこれらの樹脂表面を塩基性に処理した樹脂を用いることができる。また、カチオン性樹脂として、メタクリル酸ジメチルアミノエチル等の1〜3級アミン又は4級アンモニウム等のラジカル重合性モノマーを構成単量体として有するアクリル樹脂等を用いることができる。これらは、単独、又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
カチオン性樹脂は、表面処理剤中に水溶性カチオン樹脂、又はカチオン性樹脂粒子として配合することが好ましい。カチオン性樹脂粒子は、カチオン性樹脂エマルションとして表面処理剤に添加することができる。
カチオン性樹脂としては、例えば、ハイモ株式会社製「ハイマックスSC−103、SC−506」、明成化学工業株式会社製「PP−17」、第一工業製薬株式会社製「スーパーフレックス620、650」、DIC株式会社製「ハイドランCP7610、CP7050」、昭和電工株式会社製「ポリゾールAP−1370」等が挙げられる。
カチオン性樹脂を用いる場合、カチオン性樹脂(有効成分)は、表面処理剤全量に対し、1〜50質量%が好ましく、3〜20質量%がより好ましい。
カチオン性樹脂は、質量比で、ハロイサイトナノチューブ1に対し、0.1〜10が好ましく、0.3〜8がより好ましく、0.5〜5がさらに好ましい。
多価金属塩は、2価以上の多価金属イオンとアニオンから構成される。2価以上の多価金属イオンとしては、例えば、Ca2+、Mg2+、Cu2+、Ni2+、Zn2+、Ba2+、Al3+等が挙げられる。アニオンとしては、例えば、Cl、NO 、CHCOO、I、Br、ClO 、SO 2−等が挙げられる。塩として具体的には、硝酸カルシウム、硝酸マグネシウム、硝酸銅、酢酸カルシウム、酢酸マグネシウム、塩化カルシウム、硫酸バリウム、硫酸アルミニウム等が挙げられる。これらは、単独で、又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
多価金属塩を用いる場合、多価金属塩は、表面処理剤全量に対し、0.1〜10質量%が好ましい。
カチオン性樹脂及び多価金属塩を含むカチオン性物質の合計量は、表面処理剤全量に対し、1〜50質量%が好ましく、3〜20質量%がより好ましい。
表面処理剤は、pH調整剤をさらに含むことができる。
pH調整剤としては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム等の塩基;硫酸、硝酸、酢酸等の酸が挙げられる。
pH調整剤として塩基を添加して表面処理剤全体を中性付近に調節することで、水中でのハロイサイトナノチューブの分散安定性を改善することができる。この場合、pH調整剤を配合することで、表面処理剤のpHを6.00〜8.00とすることが好ましい。
pH調整剤は、表面処理剤全量に対し、0.01〜1質量%が好ましく、0.05〜0.5質量%がより好ましい。
表面処理剤は、バインダー樹脂をさらに含むことができる。
バインダー樹脂は、基材上にハロイサイトナノチューブ等の固形分をより強く定着させるために配合することができる。バインダー樹脂は、カチオン性樹脂、アニオン性樹脂、両性樹脂、ノニオン性樹脂のいずれでもあってよいが、表面処理剤及び水性インクのイオン性に影響を与えないようにカチオン性樹脂、両性樹脂、ノニオン性樹脂を好ましく用いることができる。上記したカチオン性物質としてのカチオン性樹脂を用いることで、バインダー樹脂の作用を得ることも可能である。
両性樹脂、ノニオン性樹脂としては、例えば、DIC株式会社製「ボンコート40−418EF(両性)」、第一工業製薬株式会社製「スーパーフレックス500M(ノニオン性)、E−2000(ノニオン性)」等が挙げられる。これらは、上記したカチオン性物質としてのカチオン性樹脂と併用可能であるため、好ましく用いることができる。
バインダー樹脂(有効成分)は、表面処理剤全量に対し、0.5〜20.0質量%が好ましい。
表面処理剤は、界面活性剤をさらに含むことができる。
界面活性剤は、表面処理剤中でハロイサイトナノチューブ等の固形分の分散安定性に寄与することができ、また、基材への表面処理剤の親和性を改善して基材上に表面処理剤をより均一に塗布するために配合することができる。界面活性剤としては、後述する水性インクに配合される界面活性剤と同様のものを用いることができる。
非浸透性基材の多くは、未処理の状態では基材表面が疎水性であるため、未処理の基材に水性インクを塗布すると、基材に対して水性インクの濡れ性が悪いため、基材上の印刷ドットが不均一になって、画質が低下することがある。これに対して、表面処理剤に界面活性剤を添加することで、基材と表面処理剤との濡れ性をより改善することができる。
界面活性剤(有効成分)は、表面処理剤全量に対し、0.1〜5質量%が好ましい。
表面処理剤の溶媒は主に水を含むことが好ましい。水は、イオン交換水、蒸留水等の純水、又は超純水を使用することが好ましい。
表面処理剤は、粘度調整と保湿効果の観点から、水溶性有機溶剤を含むことができる。水溶性有機溶剤は、水と相溶性を示すことが好ましい。このような水溶性有機溶剤としては、後述する水性インクに配合される水溶性有機溶剤と同様のものを用いることができる。
さらに表面処理剤には、上記の成分に加え、任意に、湿潤剤(保湿剤)、表面張力調整剤(浸透剤)、消泡剤、定着剤、酸化防止剤、防腐剤等を適宜含有させることができる。詳細については、後述する水性インクに配合される添加剤と同様である。
表面処理剤の作製方法としては、特に限定されず、各成分を混合して作製することができる。
例えば、ハロイサイトナノチューブを分散する作用を有する樹脂、pH調整剤等によって水中に分散させて分散液を作製し、その後に、希釈溶剤及び添加剤を添加して表面処理剤を作製することができる。
「水性インクセット」
一実施形態による水性インクセットは、上記した水性インク用表面処理剤と、水性インクとを含む。これによって、非浸透性基材を表面処理剤によって処理し、その後に水性インクを用いて印刷し加飾物品を得ることができる。得られる加飾物品は、非浸透性基材が表面処理剤によって処理されているため、水性インクによる印刷において画像のひび割れを防止することができる。
「水性インク」
一実施形態による水性インクは、色材及び水を含む。
インクは、色材として、顔料、染料、又はこれらの組み合わせを含むことができる。画像の耐候性及び印刷濃度の点から、色材として顔料を好ましく用いることができる。
顔料は、顔料分散体としてインクに好ましく配合することができる。
顔料分散体としては、顔料が溶媒中に分散可能なものであって、インク中で顔料が分散状態となるものであればよい。例えば、顔料を顔料分散剤で水中に分散させたもの、自己分散性顔料を水中に分散させたもの、顔料を樹脂で被覆したマイクロカプセル化顔料を水中で分散させたもの等を用いることができる。
顔料としては、例えば、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、多環式顔料、染付レーキ顔料等の有機顔料;カーボンブラック、金属酸化物等の無機顔料を用いることができる。アゾ顔料としては、溶性アゾレーキ顔料、不溶性アゾ顔料及び縮合アゾ顔料等が挙げられる。フタロシアニン顔料としては、銅フタロシアニン顔料等の金属フタロシアニン顔料、及び無金属フタロシアニン顔料等が挙げられる。多環式顔料としては、キナクリドン系顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、ジオキサジン系顔料、チオインジゴ系顔料、アンスラキノン系顔料、キノフタロン系顔料、金属錯体顔料、及びジケトピロロピロール(DPP)等が挙げられる。カーボンブラックとしては、ファーネスカーボンブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等が挙げられる。金属酸化物としては、酸化チタン、酸化亜鉛等が挙げられる。
これらの顔料の平均粒子径は50〜500nmであることが好ましく、50〜200nmであることがより好ましい。これらの顔料の平均粒子径は、発色性の観点から50nm以上であることが好ましく、吐出安定性の観点から500nm以下であることが好ましい。
インク中に顔料を安定に分散させるために、高分子分散剤や界面活性剤に代表される顔料分散剤を好ましく用いることができる。
高分子分散剤の市販品として、例えば、EVONIK社製のTEGOディスパースシリーズ「TEGOディスパース740W、750W、755W、757W、760W」、日本ルーブリゾール株式会社製のソルスパースシリーズ「ソルスパース20000、27000、41000、41090、43000、44000、46000」、ジョンソンポリマー社製のジョンクリルシリーズ「ジョンクリル57、60、62、63、71、501」、BYK製の「DISPERBYK−102、185、190、193、199」、第一工業製薬株式会社製のポリビニルピロリドン「K−30、K−90」等が挙げられる。
界面活性剤型分散剤には、水性インク中の顔料の分散安定性、及び表面処理剤からのイオン性の影響を考慮して、非イオン性界面活性剤を好ましく用いることができる。
界面活性剤型分散剤の市販品として、例えば、花王株式会社製デモールシリーズ「デモールEP、N、RN、NL、RNL、T−45」等のアニオン性界面活性剤;花王株式会社製エマルゲンシリーズ「エマルゲンA−60、A−90、A−500、B−40、L−40、420」等の非イオン性界面活性剤等が挙げられる。
これらの顔料分散剤は、単独で、又は複数種を組み合わせて用いることができる。
顔料分散剤を用いる場合では、顔料分散剤の添加量はその種類によって異なり特に限定はされない。例えば、顔料分散剤は、有効成分の質量比で、顔料1に対し、0.005〜0.5の範囲で添加することができる。
色材として自己分散性顔料を配合してもよい。自己分散性顔料は、化学的処理又は物理的処理により顔料の表面に親水性官能基が導入された顔料である。自己分散性顔料に導入させる親水性官能基としては、イオン性を有するものが好ましく、顔料表面をアニオン性又はカチオン性に帯電させることにより、静電反発力によって顔料粒子を水中に安定に分散させることができる。アニオン性官能基としては、スルホン酸基、カルボキシ基、カルボニル基、ヒドロキシ基、ホスホン酸基等が好ましい。カチオン性官能基としては、第4級アンモニウム基、第4級ホスホニウム基等が好ましい。
これらの親水性官能基は、顔料表面に直接結合させてもよいし、他の原子団を介して結合させてもよい。他の原子団としては、アルキレン基、フェニレン基、ナフチレン基等が挙げられるが、これらに限定されることはない。顔料表面の処理方法としては、ジアゾ化処理、スルホン化処理、次亜塩素酸処理、フミン酸処理、真空プラズマ処理等が挙げられる。
自己分散性顔料としては、例えば、キャボット社製CAB−O−JETシリーズ「CAB−O−JET200、300、250C、260M、270Y」、オリヱント化学工業株式会社製「BONJET BLACK CW−1、CW−2、CW−4」等を好ましく使用することができる。
色材として染料を配合してもよい。染料としては、印刷の技術分野で一般に用いられているものを使用でき、特に限定されない。具体的には、塩基性染料、酸性染料、直接染料、可溶性バット染料、酸性媒染染料、媒染染料、反応染料、バット染料、硫化染料等が挙げられる。これらのうち、水溶性のもの及び還元等により水溶性となるものを好ましく用いることができる。より具体的には、アゾ染料、ローダミン染料、メチン染料、アゾメチン染料、キサンテン染料、キノン染料、トリフェニルメタン染料、ジフェニルメタン染料、メチレンブルー等が挙げられる。
上記した色材は、単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
色材は、有効成分量で、インク全量に対し、0.1質量%〜25質量%が好ましく、1質量%〜20質量%がより好ましく、5質量%〜15質量%がさらに好ましい。
水性インクは、水溶性樹脂、水分散性樹脂粒子、又はこれらの組み合わせをさらに含んでもよい。これによって、非浸透性基材への色材の定着性をより改善することができる。
水溶性樹脂及び水分散性樹脂は、それぞれ、カチオン性樹脂、アニオン性樹脂、両性樹脂、ノニオン性樹脂のいずれであってもよい。水性インクに適する色材はカチオン性を示すものが多いことから、水中での色材の安定性を考慮して、アニオン性樹脂、両性樹脂、ノニオン性樹脂を好ましく用いることができ、より好ましくはアニオン性樹脂である。
水性インクの色材がアニオン性樹脂によって安定している構成において、表面処理剤にカチオン性物質が含まれることで、表面処理剤によって処理された基材に水性インクが塗布されると、表面処理剤中のカチオン性物質によって、水性インクの色材が基材上で凝集し、ドットの広がりを抑制して、画質をより改善することができる。
水溶性樹脂及び水分散性樹脂粒子は、それぞれ非浸透性基材上で透明の塗膜を形成する樹脂であることが好ましい。これによって、水性インクの発色への影響を低減することができる。
水溶性樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸中和物、アクリル酸/マレイン酸共重合体、アクリル酸/スルホン酸共重合体、スチレン/マレイン酸共重合体等が挙げられる。また、これらの樹脂にアニオン性の官能基を導入したアニオン性水溶性樹脂を用いることができる。これらは、単独で、又は複数種を組み合わせて用いることができる。
水分散性樹脂粒子としては、例えば、エチレン−塩化ビニル共重合樹脂、(メタ)アクリル樹脂、スチレン−無水マレイン酸共重合体樹脂、ウレタン樹脂、酢酸ビニル−(メタ)アクリル共重合体樹脂、酢酸ビニル−エチレン共重合体樹脂等が挙げられる。これらは、単独で、又は複数種を組み合わせて用いることができる。
水分散性樹脂粒子は、水中油(O/W)型の樹脂エマルションとして水性インクに添加することができる。
水分散性樹脂粒子としては、樹脂粒子表面がマイナスに帯電し、負電荷を帯びたアニオン性の樹脂粒子を用いることが好ましい。これは、水に溶解することなく粒子状に分散して水中油(O/W)型の樹脂エマルションを形成できるものである。自己乳化型樹脂のように、樹脂が有するアニオン性の官能基が樹脂粒子表面に存在するものでもよいし、樹脂粒子表面にアニオン性の分散剤を付着させる等の表面処理がされたものでもよい。アニオン性の官能基は、代表的にはカルボキシ基、スルホ基等であり、アニオン性の分散剤は、アニオン性界面活性剤等である。基材となる樹脂は、上記した通りである。
水分散性樹脂粒子としては、非浸透性基材との密着性、インク中の安定性等の観点から、ウレタン樹脂エマルション、(メタ)アクリル樹脂エマルション、(メタ)アクリル樹脂共重合体の樹脂エマルション、又はこれらの組み合わせを用いることが好ましい。
ウレタン樹脂の樹脂エマルションの市販品としては、例えば、第一工業製薬株式会社製の「スーパーフレックス460、420、470、460S」(カーボネート系ウレタン樹脂エマルション・いずれも商品名)、「スーパーフレックス150HS」(エステル・エーテル系ウレタン樹脂エマルション・商品名)、「スーパーフレックス740、840」(芳香族イソシアネート系エステル系ウレタン樹脂エマルション・いずれも商品名);DSM社の「NeoRez R−9660、R−2170」(脂肪族ポリエステル系ウレタン樹脂エマルション・いずれも商品名)、「NeoRez R−966、R−967、R−650」(脂肪族ポリエーテル系ウレタン樹脂エマルション・いずれも商品名)、「NeoRez R−986、R−9603」(脂肪族ポリカーボネート系ウレタン樹脂エマルション・いずれも商品名);三井化学社株式会社製の「タケラックWS−5100」(アニオン性ウレタン樹脂エマルション・いずれも商品名)等が挙げられる。
(メタ)アクリル樹脂エマルション、(メタ)アクリル樹脂共重合体の樹脂エマルションの市販品としては、例えば、日本合成化学工業株式会社製の「モビニール966A、6963、6960」(アクリル樹脂エマルション・いずれも商品名)、「モビニール6969D」(スチレン/アクリル樹脂エマルション・商品名);BASF社製の「ジョンクリル7100、PDX−7370、PDX−7341」(スチレン/アクリル樹脂エマルション・いずれも商品名);DIC株式会社製の「ボンコートEC−905EF、5400EF、CG−8400」(アクリル/スチレン系エマルション)等が挙げられる。
水溶性樹脂及び水分散性樹脂粒子の合計量(有効成分)は、質量比で、色材1に対し、0.5〜7が好ましい。
また、水溶性樹脂及び水分散性樹脂粒子の合計量(有効成分)は、水性インク全量に対し、1〜20質量%が好ましく、3〜10質量%がより好ましい。
水性インクは、バインダー樹脂をさらに含むことができる。
バインダー樹脂は、基材上に色材等の固形分をより強く定着させ、塗膜の強度を高めるために配合することができる。バインダー樹脂は、カチオン性樹脂、アニオン性樹脂、両性樹脂、ノニオン性樹脂のいずれでもあってよい。水性インクに適する色材はカチオン性を示すものが多いことから、水中での色材の安定性水性を考慮して、バインダー樹脂は、アニオン性樹脂、ノニオン性樹脂を好ましく用いることができる。上記した樹脂成分としての水溶性樹脂及び水分散性樹脂をそれぞれ用いることで、バインダー樹脂の作用を得ることも可能である。
バインダー樹脂(有効成分)は、表面処理剤全量に対し、1〜20質量%が好ましい。
表面処理剤は、界面活性剤をさらに含むことができる。
界面活性剤は、水性インク中で色材の安定性に寄与することができ、また、基材への水性インクの親和性を改善して基材上に水性インクをより均一に塗布するために配合することができる。また、水性インクをインクジェット印刷方法によって印刷する場合には、水性インクに界面活性剤を添加することで、インクジェットノズルからの吐出性を改善することができる。
界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤のいずれを用いてもよいが、インクの泡立ちを防止する観点から非イオン性界面活性剤が好ましい。また、低分子系界面活性剤、高分子系界面活性剤のいずれも用いてもよいが、高分子系界面活性剤が好ましい。
HLB値については、5〜20程度の界面活性剤であることが好ましい。
非イオン性界面活性剤としては、たとえば、グリセリン脂肪酸エステル、脂肪酸ソルビタンエステル等のエステル型のもの、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル等のエーテル型のもの、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等のエーテルエステル型のもの等が挙げられる。
非イオン性界面活性剤としては、アセチレングリコール系界面活性剤及びシリコーン系界面活性剤を好ましく用いることができる。
アセチレングリコール系界面活性剤の市販品として、例えば、アセチレングリコールである「サーフィノール104E、104H」、アセチレングリコールにエチレンオキサイドを付加した構造の「サーフィノール420、440、465、485」等(エアープロダクツアンドケミカルズ社)、アセチレングリコールの「オルフィンE−1004、E−1010、E−1020、PD−002W、PD−004、EXP.4001、EXP−4200、EXP−4123、EXP−4300」等(日信化学工業株式会社)、アセチレングリコールの「アセチレノールE00、E00P」、アセチレングリコールのエチレンオキサイドを付加した構造の「アセチレノールE40、E100」等(川研ファインケミカル株式会社)が挙げられる。
シリコーン系界面活性剤のなかでも、ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤、アルキル・アラルキル共変性シリコーン系界面活性剤、アクリルシリコーン系界面活性剤が好ましい。
シリコーン系界面活性剤の市販品としては、例えば、「シルフェイスSAGシリーズ」(日信化学工業株式会社)等が挙げられる。
また、その他の非イオン性界面活性剤として、花王株式会社製エマルゲンシリーズ「エマルゲン102KG、103、104P、105、106、108、120、147、150、220、350、404、420、705、707、709、1108、4085、2025G」等のポリオキシエチレンアルキルエーテル系界面活性剤等が挙げられる。
上記した界面活性剤は、単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
界面活性剤(有効成分)は、水性インク全量に対し、0.1〜10質量%が好ましく、0.5〜5質量%がより好ましいい。
インクの溶媒は主に水を含むことが好ましい。水は、イオン交換水、蒸留水等の純水、又は超純水を使用することが好ましい。なお、上記した顔料分散体に溶媒として水が含まれる場合は、顔料分散体中の水はインク中の水の一部に換算して、インクを作製する。
インクは、水溶性有機溶剤を含むことができる。水溶性有機溶剤は、水と相溶性を示すことが好ましい。水溶性有機溶剤としては、室温で液体であり、水に溶解又は混和可能な有機化合物を使用することができ、1気圧20℃において同容量の水と均一に混合する水溶性有機溶剤を用いることが好ましい。
水溶性有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、イソプロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブタノール、2−メチル−2−プロパノール等の低級アルコール類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ペンタエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール等のグリコール類;グリセリン;アセチン類(モノアセチン、ジアセチン);トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコールモノエチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジエチルエーテル等のグリコール類の誘導体;トリエタノールアミン、1−メチル−2−ピロリドン、β−チオジグリコール、スルホラン等を用いることができる。
これらの水溶性有機溶剤は単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
水溶性有機溶剤は、粘度調整と保湿効果の観点から、インク中に1質量%〜80質量%で含ませることができ、10質量%〜60質量%であることがより好ましい。
その他、インクには、上記の成分に加え、任意に、湿潤剤(保湿剤)、表面張力調整剤(浸透剤)、消泡剤、定着剤、pH調整剤、酸化防止剤、防腐剤等を適宜含有させることができる。
インクの粘度は、吐出ヘッドのノズル径や吐出環境等によってその適性範囲は異なるが、一般に、23℃において1〜30mPa・sであることが好ましく、5〜15mPa・sであることがより好ましく、インクジェット印刷装置用として適している。
インクの作製方法は、特に限定されないが、各成分を適宜混合することで所望のインクを得ることができる。例えば、色材に顔料分散体を用いる場合は、水に適宜水溶性有機溶剤や添加剤を添加した溶液に顔料分散体を混合することで得ることができる。また、得られた組成物をフィルター等によってろ過してもよい。
「非浸透性基材」
一実施形態による水性インク用非浸透性基材は、非浸透性基材と、非浸透性基材の表面に形成され、ハロイサイトナノチューブを含む層とを有する。
ハロイサイトナノチューブを含む層は、ハロイサイトナノチューブ及び水を含む表面処理剤を用いて形成することができる。例えば、非浸透性基材に、上記した表面処理剤を塗布し、揮発分を除去することで形成することができる。
非浸透性基材への表面処理剤の塗布方法は、特に限定されず、例えば、刷毛、ローラー、バーコーター、エアナイフコーター、スプレー等を使用して非浸透性基材表面に一様に塗布することによって行ってもよいし、又は、インクジェット印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷等の印刷方法によって画像領域に印刷することで行ってもよい。その塗布領域は、非浸透性基材全面でもよいし、画像領域のみに選択的に塗布されてもよい。あるいは、ベタ画像部分など、単位面積当たりある一定以上のインクが塗布される箇所にのみ表面処理剤を塗布することもできる。
基材の大面積に対し均一に表面処理剤を塗布する場合は、スプレーでの塗布が好ましい。また、基材の印刷する画像領域に合わせて表面処理剤を塗布する場合は、インクジェット印刷での塗布が好ましい。
表面処理剤は乾燥速度が速いため、特に乾燥工程を設ける必要はなく、続いて印刷工程を行なうことができる。必要に応じで、印刷工程前に25℃〜120℃の温度で加熱して乾燥させてもよい。加熱時間は、表面処理剤中の揮発分の種類や量等に応じて、1分〜120分が好ましく、10分〜60分がより好ましい。また、表面処理剤に樹脂成分が含まれる場合は、表面処理剤を塗布後に加熱処理をすることで、非浸透性基材上で樹脂が溶融又は軟化してハロイサイトナノチューブを非浸透性基材により強く定着させることができる。
非浸透性基材への表面処理剤のWET塗工量は、塗工領域全面に対して、0.5〜200g/mが好ましく、1〜50g/mがより好ましい。
非浸透性基材に前処理剤を塗工し揮発分を除去することで、ハロイサイトナノチューブを含む層を形成することができる。このハロイサイトナノチューブを含む層は、ハロイサイトナノチューブを含み、さらに任意成分としてカチオン性物質等の不揮発分を含むことができる。
非浸透性基材において、ハロイサイトナノチューブを含む層の付着量は、付着領域全面に対して、固形分量で、0.1g/m以上が好ましく、0.5g/m以上がより好ましく、1g/m以上がさらに好ましい。これによって、ハロイサイトナノチューブが基材に適度に付着され、水性インクとの密着性をより改善することができる。
非浸透性基材において、ハロイサイトナノチューブを含む層の付着量は、付着領域全面に対して、固形分量で、40g/m以下が好ましく、20g/m以下がより好ましく、10g/m以下がさらに好ましい。この範囲で、水性インクとの密着性を改善しながら、ハロイサイトナノチューブを含む層の乾燥膜厚を薄くして、全体的な定着性をより改善することができる。また、ハロイサイトナノチューブを含む層の付着量を少なくすることで、ハロイサイトナノチューブを含む層自体を透明ないし半透明として基材の質感を維持することができる。
また、非浸透性基材へのハロイサイトナノチューブの乾燥後の付着量は、付着領域全面に対して、固形分量で、0.01〜10g/mが好ましく、0.05〜5g/mがより好ましく、0.1〜3g/mがさらに好ましい。
また、非浸透性基材において、ハロイサイトナノチューブを含む層の乾燥膜厚は0.1μm以上が好ましく、0.5μm以上が好ましく、1.0μm以上が好ましい。
非浸透性基材において、ハロイサイトナノチューブを含む層の乾燥膜厚は、20μm以下が好ましく、10μm以下がさらに好ましい。
この範囲で、水性インクとの密着性を改善しながら、ハロイサイトナノチューブを含む層を薄くして、全体的な定着性をより改善することができる。また、ハロイサイトナノチューブを含む層の乾燥膜厚が10μm以下であることで、ハロイサイトナノチューブを含む層自体を透明ないし半透明として基材の質感を維持することができる。
「加飾物品の製造方法」
一実施形態による加飾物品の製造方法は、上記したインクセットを用いて非浸透性基材に加飾することを特徴とする。
例えば、加飾物品の製造方法は、水性インク用表面処理剤を用いて非浸透性基材を処理し、水性インクを用いて非浸透性基材に画像を形成することを含むことができる。
一実施形態によるインクセットには、表面処理剤にハロイサイトナノチューブが含まれることから、非浸透性基材に対して水性インクを用いて印刷する際に、画像のひび割れを防止することができ、画像のひび割れの少ない加飾物品を提供することができる。
表面処理剤によって処理された非浸透性基材は、上記した通りに用意することができる。
次いで、水性インクの非浸透性基材への印刷方法は、特に限定されず、インクジェット印刷方法、オフセット印刷方法、スクリーン印刷方法、グラビア印刷方法、フレキソ印刷方法等のいずれでもよい。なかでも、基材に非接触で、オンデマンドで簡便かつ自在に画像形成をすることができるため、インクジェット印刷方法が好ましい。水性インクは、インクジェット印刷方法に適したインクジェットインクであることが好ましい。
インクジェット印刷装置は、ピエゾ方式、静電方式、サーマル方式など、いずれの方式のものであってもよく、デジタル信号に基づいてインクジェットヘッドからインクを吐出させ、吐出されたインク液滴を基材に付着させるようにする。
得られた加飾物品は、揮発分の除去のために熱処理を行うことが好ましい。熱処理温度は、25℃〜120℃が好ましい。熱処理時間は、水性インクの揮発分の種類や量、塗膜厚さ等に応じて、1分〜48時間が好ましく、10分〜12時間がより好ましい。
また、水性インク中に樹脂成分が含まれる場合は、得られた加飾物品を熱処理することで、水性インク中の樹脂成分が溶融又は軟化して均一な樹脂膜を形成し、インク画像層の強度をより高めることができる。
「加飾物品」
一実施形態による加飾物品としては、非浸透性基材と、非浸透性基材に形成されるインク画像層と、非浸透性基材とインク画像層との間に形成されるハロイサイトナノチューブを含む層とを含むことを特徴とする。
例えば、非浸透性基材を水性表面処理剤を用いて処理し、次いで、非浸透性基材に水性インクを用いてインク画像を形成することで、加飾物品を得ることができる。
インク画像層は、その一部がハロイサイトナノチューブを含む層に入り込んでいてもよい。
非浸透性基材は、上記した通りである。
ハロイサイトナノチューブを含む層は、上記した通り、水性インク用表面処理剤を用いて形成することができる。
インク画像層は、上記した通り、水性インクによって好ましくはインクジェット印刷方法を用いて形成することができる。
また、加飾物品のインク画像層の上に、透明性樹脂等によって保護層をさらに形成してもよい。
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。本発明は以下の実施例に限定されない。以下の説明において、特に説明のない箇所では、「%」は「質量%」を示す。
<表面処理剤の作製>
まず、表面処理剤にハロイサイトナノチューブを均一に配合するために、ハロイサイトナノチューブの分散液を作製した。ハロイサイトナノチューブの分散液の処方を表1に示す。
表1に示す分散液の処方にしたがって、各成分をそれぞれの割合でプレミックスし、得られた混合物に、直径0.5mmのジルコニアビーズを加え、ビーズミルで分散した。
分散後、ジルコニアビーズをメッシュで分離し、分散液1〜10を得た。分散液1〜10は、いずれもハロイサイトナノチューブ分が15.0質量%であった。また、分散液1〜10の不揮発分を表中に示す。
なお、ハロイサイトナノチューブの平均外径は、表1の分散液を界面活性剤(日信化学工業株式会社製「シルフェイスSAG008」)の5%水溶液で10倍に希釈し、それをPETフィルムに塗布し、乾燥膜をSEMで倍率20000倍で観察し、撮影した画像上に観察される任意の20個の粒子の外径を測定し、その平均値から求めた。
次に、上記して得られたハロイサイトナノチューブの分散液に各成分を添加して表面処理剤を作製した。表面処理剤の処方を表2及び表3に示す。
各表に示す表面処理剤の処方にしたがって、各分散液に各成分をそれぞれの割合で添加し混合し、その混合液を120メッシュのスクリーンでろ過し、得られたろ液を表面処理剤1〜14とした。
用いた成分は以下の通りである。各成分に揮発分が含まれる場合は以下に有効成分を示し、各表に示す配合割合には揮発分が含まれる。また、各表で共通する成分には同じものを用いた。
ハロイサイトナノチューブA:APPLIED MINERALS社製、天然ナノチューブ鉱産物「DRAGONITE HP」、平均外径176nm。
ハロイサイトナノチューブB:APPLIED MINERALS社製、天然ナノチューブ鉱産物「DRAGONITE HP:KT」、平均外径111nm。
ハロイサイトナノチューブC:APPLIED MINERALS社製、天然ナノチューブ鉱産物「DRAGONITE HP−A」、平均外径216nm。
ハイマックスSC−103:カチオン性水溶性樹脂、アクリルアミド・ジメチルジアリルアンモニウムクロリド共重合物、ハイモ株式会社製、有効成分30.0%。
ハイマックスSC−506:カチオン性水溶性樹脂、アルキルアミン・エピクロロヒドリン重縮合物の四級塩、ハイモ株式会社製、有効成分60.0%。
ポリゾールAP−1370:カチオン性アクリル樹脂エマルション、昭和電工株式会社製、有効成分46.5%。
ジエタノールアミン:pH調整剤、富士フイルム和光純薬株式会社製。
ジエチレングリコール:水溶性有機溶剤、富士フイルム和光純薬株式会社製。
PP−17:カチオン性複合樹脂エマルション、明成化学工業株式会社製、有効成分26.0%。
ボンコート40−418EF:両性アクリル樹脂エマルション、DIC株式会社製、有効成分55.0%。
CaCl:多価金属塩、富士フイルム和光純薬株式会社製。
シリコーン系界面活性剤:日信化学工業株式会社製「シルフェイスSAG008」、有効成分100.0%。
<水性インクの作製>
自己分散性顔料分散体(オリヱント化学工業株式会社製「BONJET BLACK CW−4」、有効成分13.0%)26.9質量%、アニオン性ウレタン樹脂エマルション(三井化学社株式会社製「タケラックWS−5100」、有効成分30.0%)11.7質量%、水溶性有機溶剤(富士フイルム和光純薬株式会社製、1.3−プロパンジオール)20.0質量%、アセチレングリコール系界面活性剤(日信化学工業株式会社製「オルフィンE1010」)1.0質量%、残部をイオン交換水として、各成分を混合し、その後、孔径3μmのメンブレンフィルターで濾過し、水性ブラックインクを得た。
次に、自己分散性顔料分散体としてキャボット社製「CAB−O−JET 250C」(有効成分10.0%)、「CAB−O−JET 260M」(有効成分10.0%)、「CAB−O−JET 270Y」(有効成分10.0%)をそれぞれ35.0質量%用いた以外は同様にして、シアン、マゼンタ、イエローの各水性インクを得た。
Figure 2020084095
Figure 2020084095
Figure 2020084095
<加飾物品の作製>
表4に、各実施例及び比較例で用いた表面処理剤、そのWET塗工量、ハロイサイトナノチューブを含む層の付着量、及び基材の種類を示す。
基材には、10cm×10cmにカットした無塗装のアルミニウム板、又は無塗装のスチール板を用いた。前処理の前に、基材の表面をエタノールで拭き取り脱脂した。
基材に対して、表面処理剤を表4に示すWET塗工量となるように、日本ワグナー・スプレーテック株式会社製のハンディスプレーを用いて塗布した。塗布後の基材を120℃のオーブンで10分間加熱乾燥した。ハロイサイトナノチューブを含む層は、WET塗工量から揮発成分を除去して求めた。
次いで、前処理した基材に対して、上記した水性インクを用いて印刷を行った。詳しくは、水性インクをインクジェットプリンタ(マスターマインド社製「商品名MMP8130」)のインクジェットヘッドに導入し、基材に対してフルカラーの写真画像を印刷した。印刷後の基材を、120℃のオーブンで10分間加熱乾燥し、加飾物品を得た。
<評価方法>
得られた加飾物品について以下の評価を行った。結果を表4に併せて示す。
(画像のひび割れ)
印刷後に加熱乾燥した加飾物品の表面を目視及びズーム顕微鏡で観察し、画像にひび割れが生じているかを以下の基準で評価した。
AA:画像のひび割れが無い。
A:画像の一部に、顕微鏡で見ると観察される程度のひび割れがある。
B:画像の一部に、目視で観察される程度のひび割れがある。
C:画像の全面に、ひび割れが確認される。
(画質)
印刷後に加熱乾燥した加飾物品の表面を、目視及びズーム顕微鏡で観察し、ドットの合一及び写真画像の先鋭さを以下の基準で評価した。
AA:印刷ドットの合一が観察されず、写真画像をよく再現できている。
A:印刷ドットの合一がたまに観察されるが、写真画像を再現できている。
B:印刷ドットの合一が観察される頻度は高いが、写真画像を概ね再現できている。
C:印刷ドットが全体的に合一しており、写真画像を再現できていない。
Figure 2020084095
表4に示す通り、各実施例では、加飾物品のひび割れを防止することができ、また、加飾物品の画質も良好であった。
実施例1〜8は、表面処理剤中のハロイサイトナノチューブの種類、添加剤の種類を変更した例であり、いずれも良好な結果であった。
実施例9は、表面処理剤11中のハロイサイトナノチューブ量が5.3質量%と多く、さらに両性アクリル樹脂エマルションを添加した表面処理剤11を用いた例であり、良好な結果であった。
実施例10は、両性アクリル樹脂エマルションを添加し、さらに水の一部をジエチレングリコールに置換した表面処理剤12を用いた例であり、良好な結果であった。
実施例11、12から、スチール板に対しても良好な結果が得られることがわかる。
実施例13では、表面処理剤5中のハロイサイトナノチューブ量が1.5質量%と少ない例であるが、良好な結果であった。
実施例14では、表面処理剤10中のハロイサイトナノチューブ量が0.8質量%と少なく、さらに表面処理剤のWET塗工量が10g/mと少ない例であるが、画像のひび割れを十分に防止でき、画質も良好であった。
実施例15では、実施例14において表面処理剤のWET塗工量を5g/mとさらに少なくした例であるが、画像のひび割れを十分に防止でき、画質も良好であった。
比較例1では、前処理をしないで基材に印刷を行っており、画像のひび割れが発生し、画質が低下した。
比較例2では、表面処理剤13にハロイサイトナノチューブが含まれない例であり、表面処理剤13にカチオン性アクリル樹脂エマルション及び多価金属塩が含まれるものの、画像のひび割れが発生した。
比較例3では、表面処理剤14にハロイサイトナノチューブが含まれない例であり、表面処理剤14に両性アクリル樹脂エマルションが含まれるものの、画像のひび割れが発生し、画質が低下した。

Claims (7)

  1. 非浸透性基材に水性インクを用いて印刷する前に非浸透性基材を処理するための表面処理剤であって、ハロイサイトナノチューブ及び水を含む、水性インク用表面処理剤。
  2. 前記ハロイサイトナノチューブは、表面処理剤全量に対し、0.5質量%〜10質量%である、請求項1に記載の水性インク用表面処理剤。
  3. 請求項1又は2に記載の水性インク用表面処理剤と、水性インクとを含む、水性インクセット。
  4. 請求項3に記載のインクセットを用いて、前記水性インク用表面処理剤を用いて非浸透性基材を処理すること、及び前記水性インクを用いて前記非浸透性基材に画像を形成することを含む、加飾物品の製造方法。
  5. 非浸透性基材と、前記非浸透性基材の表面に形成され、ハロイサイトナノチューブを含む層とを有する、水性インク用非浸透性基材。
  6. 前記ハロイサイトナノチューブを含む層の付着量は、0.1〜40g/mである、請求項5に記載の水性インク用非浸透性基材。
  7. 非浸透性基材と、前記非浸透性基材に形成されるインク画像層と、前記非浸透性基材と前記インク画像層との間に形成されるハロイサイトナノチューブを含む層とを含む、加飾物品。
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