JP2002144697A - インクジェット記録方法およびこれを用いた記録物 - Google Patents

インクジェット記録方法およびこれを用いた記録物

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JP2002144697A
JP2002144697A JP2000346644A JP2000346644A JP2002144697A JP 2002144697 A JP2002144697 A JP 2002144697A JP 2000346644 A JP2000346644 A JP 2000346644A JP 2000346644 A JP2000346644 A JP 2000346644A JP 2002144697 A JP2002144697 A JP 2002144697A
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Masahiro Hanmura
昌弘 半村
Hiroyuki Onishi
弘幸 大西
Hiroko Hayashi
広子 林
Yoshiharu Kanetani
美春 金谷
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Seiko Epson Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 マゼンタ画像およびシアン画像の耐光性と耐
ガス性とに優れた記録物を得ることのできるインクジェ
ット記録方法、並びに、マゼンタ画像およびシアン画像
の耐光性と耐ガス性とに優れた記録物を提供する。 【解決手段】 ジシアンジアミド・ジエチレントリアミ
ン重縮合物が少なくとも表面に含有されたインク受容層
を有するインクジェット用記録媒体に対して、特定のマ
ゼンタ染料を含有するマゼンタインクと銅フタロシアニ
ン染料を含有するシアンインクとをインクジェット記録
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録方法およびこれを用いた記録物に関し、特に、マゼン
タ画像およびシアン画像の耐光性と耐ガス性とに優れた
記録物を得ることのできるインクジェット記録方法、並
びに、これを用いた記録物に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方法は、周知のごと
く、インクの小滴を飛翔させ、紙等の記録媒体に付着さ
せて印刷を行う印刷方法である。この印刷方法は、安価
な装置で高解像度、高品位な画像を高速かつ簡便に印刷
することができ、特に、カラー印刷においては、近年、
写真に代わりうる画像形成方法として技術開発が行われ
ている。
【0003】インクジェット記録に使用されるインクの
着色剤としては、色剤の彩度・色再現性等の画像品質の
高さ、使用できる色剤の種類の豊富さ、水への溶解性、
インクジェットプリンタに搭載される記録ヘッドを目詰
まりさせにくいという特性等の点から、水溶性染料が広
く使用されている。
【0004】一方、インクジェット記録をするための記
録媒体としては、カチオンポリマー等のインク定着剤
と、白色顔料粒子等のインク吸収顔料と、バインダーと
を有するインク受容層が基材に設けられた構成のインク
ジェット用記録媒体が知られており、このような記録媒
体と前述の水溶性染料とを組み合わせるなどして、画像
の高画質化および高耐侯性化が図られている。耐侯性の
向上を目的とした技術としては、前記カチオンポリマー
として、ポリアルキレンポリアミンジシアンジアミドア
ンモニウム塩を使用する技術(特開昭60−49990
号公報参照)や、マゼンタ染料として、特定構造を有す
るアントラピリドン化合物を使用する技術(特開200
0−109464号公報参照)などが提案されている。
【0005】しかしながら、シアン染料は耐ガス(特
に、O3、NOX、SOX等の酸化性ガス)性が低く、一
方、マゼンタ染料は耐ガス性を有するものの、耐光性が
低いことから、従来の技術によっても、前述した染料と
しての利点を有するマゼンタ染料およびシアン染料を使
用して得られた記録物であって、かつマゼンタ画像およ
びシアン画像の耐光性と耐ガス性とに優れた記録物が得
られていないのが実状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記問題点
に鑑みてなされたものであって、その目的とするところ
は、マゼンタ画像およびシアン画像の耐光性と耐ガス性
とに優れた記録物を得ることのできるインクジェット記
録方法、並びに、マゼンタ画像およびシアン画像の耐光
性と耐ガス性とに優れた記録物を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討の
結果、インクジェット用記録媒体のインク受容層の構成
成分であるインク定着剤を特定の化合物とし、かつマゼ
ンタ染料およびシアン染料を特定の染料とすることによ
って、驚くべきことに、マゼンタ画像およびシアン画像
の耐光性と耐ガス性とに優れた記録物が得られることを
見出し、本発明を完成したものである。すなわち、本発
明は以下の通りである。
【0008】請求項1に係るインクジェット記録方法
は、ジシアンジアミド・ジエチレントリアミン重縮合物
が少なくとも表面に含有されたインク受容層を有するイ
ンクジェット用記録媒体に対して、下記一般式(1)で
示されるマゼンタ染料を含有するマゼンタインクと銅フ
タロシアニン染料を含有するシアンインクとをインクジ
ェット記録することを特徴としている。
【0009】
【化2】
【0010】前記構成のインクジェット用記録媒体を使
用して得られた記録物は、インク受容層中にジシアンジ
アミド・ジエチレントリアミン重縮合物が含有されてい
るので、その機構は定かではないが、シアン画像を形成
する銅フタロシアニン染料がガス(特に、酸化性ガス)
により劣化するのを防止できるとともに、マゼンタ画像
を形成するマゼンタ染料が前記一般式(1)で示される
場合、マゼンタ画像の耐光性は良好なものとなる。よっ
て、前記構成の記録媒体とマゼンタインクとシアンイン
クとを併用することより、マゼンタ画像およびシアン画
像の耐光性と耐ガス性とに優れた記録物を得ることがで
きる。
【0011】また、請求項2に係る記録物は、前記イン
クジェット記録方法により記録されるので、マゼンタ画
像およびシアン画像の耐光性と耐ガス性とに優れた記録
物とすることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明に係るインクジェット記録
方法は、インク定着剤としてジシアンジアミド・ジエチ
レントリアミン重縮合物が少なくとも表面に含有された
インク受容層を有するインクジェット用記録媒体に対し
て、前記一般式(1)で示されるマゼンタ染料を含有す
るマゼンタインクと銅フタロシアニン染料を含有するシ
アンインクとをインクジェット記録する方法である。す
なわち、本発明に係るインクジェット記録方法に使用さ
れるインクジェット用記録媒体は、インク受容層を有
し、インク受容層の少なくとも表面には、インク定着剤
としてジシアンジアミド・ジエチレントリアミン重縮合
物が含有された構成となっている。
【0013】ジシアンジアミド・ジエチレントリアミン
重縮合物としては、公知のものをいずれも使用できる
が、下記式(P−1)で表される化合物を好適に例示で
きる。
【0014】
【化3】
【0015】このようなジシアンジアミド・ジエチレン
トリアミン重縮合物の含有量は、インク受容層の全乾燥
重量に対して2重量%〜10重量%が好ましく、より好
ましくは3重量%〜8重量%の範囲である。
【0016】インク受容層を構成する他の成分として
は、インク吸収顔料およびバインダーが挙げられる。イ
ンク吸収顔料としては、公知の白色顔料を1種以上用い
ることができ、合成非晶質シリカ,コロイダルシリカ等
のシリカ、コロイダルアルミナ等のアルミナを例示でき
る。また、白色顔料としては、シリカ、アルミナの他に
も、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マ
グネシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸
バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜
鉛、チタンホワイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、
珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、擬ベーマイト、水
酸化アルミニウム、リトポン、ゼオライト、加水ハロイ
サイト、水酸化マグネシウム等の白色無機顔料、スチレ
ン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチック
ピグメント、ポリエチレン、メラミン樹脂、尿素樹脂等
の有機顔料などが挙げられる。これらのインク吸収顔料
の含有量は、インク受容層の全乾燥重量に対して30重
量%〜90重量%が好ましく、より好ましくは40重量
%〜80重量%の範囲である。
【0017】バインダーとしては、酸化澱粉、エーテル
化澱粉、リン酸エステル化澱粉等の澱粉誘導体;カルボ
キシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等
のセルロース誘導体;カゼイン、ゼラチン、大豆蛋白、
ポリビニルアルコール又はその誘導体;ポリビニルピロ
リドン、無水マレイン酸樹脂、スチレン−ブタジエン共
重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体等
の共役ジエン系共重合体ラテックス;アクリル酸エステ
ル及びメタクリル酸エステルの重合体又は共重合体等の
アクリル系重合体などのアクリル系重合体ラテックス;
エチレン酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体ラテッ
クス;あるいはこれら各種重合体のカルボキシ基等の官
能基含有単量体による官能基変性重合体ラテックス;メ
ラミン樹脂、尿素樹脂等の熱硬化性樹脂などの水性接着
剤;ポリメチルメタクリレート等のアクリル酸エステ
ル;メタクリル酸エステルの重合体又は共重合体;ポリ
ウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、塩化ビニル酢
酸ビニルコポリマー、ポリビニルブチラール、アルキッ
ド樹脂等の合成樹脂系接着剤などを挙げることができ
る。これらのバインダーの含有量は、インク受容層の全
乾燥重量に対して10重量%〜60重量%が好ましく、
より好ましくは30重量%〜50重量%の範囲である。
【0018】また、インク受容層には、必要に応じて、
前述のジシアンジアミド・ジエチレントリアミン重縮合
物以外のインク定着剤が含有されてもよく、1級〜3級
アミンあるいは4級アンモニウム塩基を有する低分子化
合物、それらの基を有するオリゴマー、またはそれらの
基を有するポリマーが挙げられる。具体的には、ジアリ
ルジメチルアンモニウムクロライドポリマー,ジアリル
ジメチルアンモニウムクロライド−二酸化イオウコポリ
マー,ジアリルジメチルアンモニウムクロライド−アク
リルアミドコポリマーなどのジアリルメチルアンモニウ
ム塩ポリマー、ジアリルアミン塩酸塩−二酸化イオウコ
ポリマー、ジアリルメチルアミン塩酸塩コポリマー、ポ
リアリルアミン、ポリエチレンイミン、ポリエチレンイ
ミン4級アンモニウム塩化合物、(メタ)アクリル酸ア
ルキルアンモニウム塩ポリマー、(メタ)アクリルアミ
ドアルキルアンモニウム塩ポリマー、4級アンモニウム
塩を含むアイオネン等を挙げることができる。
【0019】さらに、インク受容層には、必要に応じ
て、公知の染料固着剤(耐水化剤)、蛍光増白剤、界面
活性剤、消泡剤、pH調整剤、防黴剤、紫外線吸収剤お
よび酸化防止剤等の各種添加剤が含有されてもよい。
【0020】以上の成分から構成されるインク受容層
は、基材に設けられるのが好ましく、基材は、紙又はプ
ラスチック製のシート状のもの、光透過性のもの、ある
いは光不透過性のものをいずれも使用できる。このよう
な基材としては、公知の基材はいずれも使用でき、例え
ば、紙としては、天然セルロース繊維を主体とした木材
パルプもしくは非木材パルプのパルプ原料から成るもの
が挙げられ、プラスチック材料としては、ポリエステル
系樹脂、ジアセテート系樹脂、トリアセテート系樹脂、
アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリ塩化ビ
ニル系樹脂、ポリイミド系樹脂、セロハン、セルロイド
等が挙げられる。
【0021】インクジェット用記録媒体は、前記各構成
成分が水等の適当な溶媒に溶解または分散された塗工液
を、ロールコーティング法,スプレーコーティング法,
ロッドバーコーティング法,エアナイフコーティング法
等の公知のコーティング方法により、上述した基材に塗
工し、引き続き、乾燥させることによって好適に得られ
る。塗工後の乾燥は、一般的な乾燥機を用いて行なうこ
とができ、一般的には100〜150℃の範囲で行なわ
れる。
【0022】次に、本発明に係るインクジェット記録方
法に使用されるマゼンタインクおよびシアンインクにつ
いて詳述する。本発明に係るインクジェット記録方法に
使用されるマゼンタインクおよびシアンインクは、着色
剤、水および各種添加剤から好ましく構成される。マゼ
ンタインクは、着色剤として、少なくとも前記一般式
(1)で示されるマゼンタ染料を含有しており、具体的
には、C.I.アシッドレッド(Acid Red)80,8
2,83および以下の(M−1)〜(M−12)で示さ
れるマゼンタ染料を例示できる。
【0023】
【化4】
【0024】
【化5】
【0025】
【化6】
【0026】
【化7】
【0027】シアンインクは、着色剤として、少なくと
も銅フタロシアニン染料を含有しており、このような銅
フタロシアニン染料としては、C.I. Direct Blue 9、8
6、87、199等を挙げることができる。
【0028】マゼンタインクおよびシアンインクに添加
できる添加剤としては、水溶性有機溶媒および界面活性
剤等が挙げられる。水溶性有機溶媒は、その役割から、
記録ヘッドのノズルの目詰まりを防止する湿潤剤と、イ
ンクジェット用記録媒体へのインクの浸透を助ける浸透
剤とに大別される。湿潤剤の好ましい例としては、ジエ
チレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロ
ピレングリコール、エチレングリコール、プロピレング
リコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコー
ル、ヘキシレングリコール、グリセリン、トリメチロー
ルエタン、トリメチロールプロパン、尿素、2−ピロリ
ドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、イミ
ダゾール、N−メチル−2−ピロリドンなどが挙げら
れ、さらに、糖類を含むこともでき、糖類の例として
は、単糖類、二糖類オリゴ糖類(三糖類、および四糖類
を含む)および多糖類が挙げられ、好ましくはグルコー
ス、マンノース、フルクトース、リボース、キシロー
ス、アラビノース、ガラクトース、アルドン酸、グルシ
トール(ソルビット)、マルトース、セロビオース、ラ
クトース、スクロース、トレハロース、マルトトリオー
スなどが挙げられる。ここで、多糖類とは広義の糖を意
味し、セルロースなど自然界に広く存在する物質を含む
意味に用いることとする。特に好ましいのは、記録ヘッ
ドの目詰まりを確実に防止できることから、ジエチレン
グリコールおよびグリセリン等の高沸点低揮発性有機溶
媒である。ここで、高沸点低揮発性有機溶媒とは、沸点
が150℃〜300℃の範囲にある低蒸気圧(0.01
mmHg以下)の有機溶媒をいい、以下も同様とする。
マゼンタインク全重量およびシアンインク全重量に対す
る、これらの湿潤剤の含有率は、長時間、画像の色相バ
ランスを保てるように、他色インクにおける湿潤剤の含
有率を鑑みて、適宜調整されるが、5重量%〜20重量
%の範囲が好ましい。
【0029】浸透剤としては、多価アルコールのアルキ
ルエーテル誘導体を好ましく挙げることができる。多価
アルコールのアルキルエーテル誘導体の具体例として
は、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、
トリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、お
よびプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテルか
ら選ばれた一種または二種以上の混合物を挙げることが
できる。トリエチレングリコールモノ−n−ブチルエー
テルおよびそれを含む混合物の利用が好ましい。特に好
ましいのは、浸透速度が速く、色感のブリードが発生せ
ずに印刷品質が良好であることから、ジエチレングリコ
ールモノ−n−ブチルエーテルおよびトリエチレングリ
コールモノ−n−ブチルエーテル等の高沸点低揮発性有
機溶媒である。これら多価アルコールのアルキルエーテ
ル誘導体の添加量は、製造されるインクジェット用イン
クに対して0.5〜20重量%程度が好ましく、より好
ましくは3〜15重量%の範囲である。
【0030】さらに、本発明に係るインクジェット用イ
ンクは、その他の水溶性有機溶媒として低沸点有機溶媒
を含有するのが好ましく、その好ましい例としては、メ
タノール、エタノール、n−プロピルアルコール、is
o−プロピルアルコール、n−ブタノール、sec−ブ
タノール、tert−ブタノール、iso−ブタノー
ル、ペンタノール等が挙げられる。特に一価のアルコー
ルが好ましい。
【0031】また、界面活性剤としては、アニオン性界
面活性剤(例えばドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウ
ム、ラウリル酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキ
ルエーテルサルフェートのアンモニウム塩など)、非イ
オン性界面活性剤(例えば、ポリオキシエチレンアルキ
ルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポ
リオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキ
シエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチ
レンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミ
ドなど)が挙げられ、これらは、単独または二種以上を
混合して用いられることができる。これらの界面活性剤
の添加量は、所望のインク物性に応じて決められるが、
染料1に対して0.06から3重量%の範囲が好まし
く、より好ましくは0.125から3重量%の範囲であ
る。
【0032】また、本発明に係るインクジェット用イン
クには、下記の一般式(2)で表されるアセチレングリ
コールが添加されることも好ましく、インクの表面張力
の調節、インクジェット用記録媒体との濡れ性調節およ
びインクジェット用記録媒体への浸透性付与を確実に行
うことができる。
【0033】
【化8】
【0034】前記一般式(2)において、A1、A2、A
3およびA4が表す炭素数1〜6のアルキル基は、好まし
くは炭素数1〜4のアルキルであり、より好ましくはメ
チル基である。また、nおよびmはそれらの和が0〜3
0となる整数である。前記一般式(2)で表されるアセ
チレングリコール化合物の好ましい例としては、2,
4,7,9テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオー
ル、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオー
ル、および3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オー
ルが挙げられる。また、一般式(2)の化合物として市
販品を利用することも可能であり、例えば日信化学株式
会社製のサーフィノール104,82,465,485またはTG
などを用いることができる。これらアセレチレングリコ
ール化合物の添加量は、インクの全重量に対して0.0
1〜10重量%程度が好ましく、より好ましくは0.1
〜5重量%の範囲である。
【0035】また、本発明に係るインクジェット用イン
クには、pH調整剤を添加することができる。本発明に
係るインクジェット用インクのpHを5〜12の範囲に
調整するのが好ましく、より好ましくは、6〜10の範
囲である。pH調整剤としては、具体的には水酸化ナト
リウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリ
ウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウ
ム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸リチウ
ム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、シ
ュウ酸ナトリウム、シュウ酸カリウム、シュウ酸リチウ
ム、ホウ酸ナトリウム、四ホウ酸ナトリウム、フタル酸
水素カリウム、酒石酸水素カリウムなどのカリウム金属
類、アンモニア、メチルアミン、エチルアミン、ジエチ
ルアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩
酸塩、トリエタノールアミン、モルホリン、プロパノー
ルアミンなどのアミン類などが好ましい。
【0036】更に、本発明に係るインクジェット用イン
クは、必要に応じて酸化防止剤、紫外線吸収剤、防腐・
防黴剤等を含むこともできる。
【0037】以上、本発明に係るインクジェット記録方
法に使用されるインクジェット用記録媒体、マゼンタイ
ンクおよびシアンインクについて詳述したが、本発明に
係るインクジェット記録方法は、公知のインクジェット
プリンタを使用して、前述のインクジェット用記録媒体
に対して前述のマゼンタインクおよびシアンインクをイ
ンクジェット記録することによって好適に行うことがで
き、これにより、記録物のマゼンタ画像およびシアン画
像の耐光性と耐ガス性とを優れたものにすることができ
る。
【0038】
【実施例】以下に、実施例を用いて本発明を説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。
【0039】(インクジェット用記録媒体の作製)基材
を秤量100g/m2の上質紙とし、この上質紙に、下
記組成の塗工液を15g/m2の塗工量になるように塗
工した。塗工後、乾燥機(ダバイエスペック株式会社
製、PH−201オーブン)を用いて、130℃、2分
間の乾燥を行うことで、実施例1と比較例1〜5に使用
するインクジェット用記録媒体を作製した。
【0040】 ・インク定着剤:カチオンポリマー(種類および重量部は表1参照) ・インク吸収顔料:シリカ“ファインシールX37B”(株式会社トクヤマの商 品名) 60重量 部 ・バインダー:ポリビニルアルコール“ゴーセナールT−330”(日本合成化 学株式会社の商品名) 30重量 部 ・水 500重量部
【0041】(マゼンタインク)下記組成を混合するこ
とによって、実施例1と比較例1〜5に使用するマゼン
タインクを調製した。 マゼンタ染料(種類および重量部は表1参照) 浸透剤:トリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル 10重量部 湿潤剤:ジエチレングリコール 10重量部 湿潤剤:グリセリン 10重量部 pH調整剤:トリエタノールアミン 1.0重量部 界面活性剤:オルフィンE1010(日信化学株式会社の商品名) 1.0重量部 防腐剤:プロキセルXL−2(Aveciaの商品名) 0.3重量部 イオン交換水 100重量部
【0042】(シアンインク)マゼンタ染料を表1に示
すシアン染料に代え、表1に示す重量部とした以外は、
前記(マゼンタインク)と同様の組成とすることで、実
施例1と比較例1〜5に使用するシアンインクを調製し
た。
【0043】
【表1】
【0044】(1)記録物の作製(実施例1,比較例1
〜5) 表1に従って作製されたインクジェット用記録媒体、マ
ゼンタインクおよびシアンインク、並びに市販のインク
ジェットプリンタMJ−930C(セイコーエプソン株
式会社の商品名)を使用してマゼンタ色およびシアン色
のグラデーションパターンを印刷することにより、記録
物を作製した。
【0045】(2)耐光性試験1(キセノンランプ加速
試験) 前記“(1)記録物の作製”で得た記録物に対して、キ
セノンウエザオメータ(ATLAS社製、Ci−500
0)を使用し、ブラックパネル温度35℃、相対湿度6
0%、340nm紫外線照射強度0.18W/m2で、
60KJ/m2の暴露試験を行った。次いで、分光光度
計(グレタグマクベス社製、GRETAG SPM5
0)を用いて、暴露試験前のマゼンタ濃度1.0付近及
びシアン濃度1.0付近における光学濃度と、暴露試験
後の同位置における光学濃度とから残存率(%)を求
め、耐光性を下記に示す評価基準により評価した。 A:光学濃度の残存率が90%を超える B:光学濃度の残存率が70%を超え、90%未満であ
る C:光学濃度の残存率が70%未満である
【0046】(3)耐光性試験2(蛍光灯加速試験) 前記“(1)記録物の作製”で得た記録物に対して、蛍
光灯加速試験器(ATLAS社製、HPUV)を使用
し、約6W/m2(300nm〜400nmの紫外線波
長域)で100時間、白色蛍光等のみの照射により暴露
試験を行った。次いで、耐光性試験1と同様に耐光性の
評価を行った。
【0047】(4)耐ガス性試験 耐ガス性試験を、酸化性ガスの一つであるオゾンを用
い、オゾン暴露試験で代用する。前記“(1)記録物の
作製”で得た記録物に対して、簡易型のガス発生器を使
用することより、約10ppm濃度のオゾンガス存在
下、10時間の暴露試験を行った。次いで、分光光度計
(グレタグマクベス社製、GRETAG SPM50)
を用いて、シアン濃度1.0付近における光学濃度と、
暴露試験後の同位置における光学濃度とから残存率
(%)を求め、耐ガス性を前記耐光性と同様の評価基準
により評価した。
【0048】耐光性試験1、耐光性試験2および耐ガス
性試験の評価結果を表2に示す。
【0049】
【表2】
【0050】表2に示すように、ジシアンジアミド・ジ
エチレントリアミン重縮合物がインク受容層に含有され
たインクジェット用記録媒体に対して、前記一般式
(1)で示されるマゼンタ染料を含有するマゼンタイン
クと銅フタロシアニン染料を含有するシアンインクとを
インクジェット記録することにより得られた記録物にお
いては、マゼンタ画像とシアン画像の耐光性およびシア
ン画像の耐ガス性を優れたものにできた(実施例1)。
【0051】一方、銅フタロシアニン染料に当てはまら
ないシアン染料をインクジェット記録することにより得
られた記録物においては、シアン画像において十分な耐
光性を得ることはできなかった(比較例1)。
【0052】また、前記一般式(1)に当てはまらない
マゼンタ染料をインクジェット記録することにより得ら
れた記録物においては、マゼンタ画像において十分な耐
光性を得ることはできなかった(比較例2および比較例
3)。
【0053】さらに、インクジェット用記録媒体のイン
ク定着剤をジシアンジアミド・ジエチレントリアミン重
縮合物としなかった記録物においては、シアン画像にお
いて十分な耐ガス性を得ることはできなかった(比較例
4および比較例5)。
【0054】以上の結果より、ジシアンジアミド・ジエ
チレントリアミン重縮合物がインク受容層に含有された
インクジェット用記録媒体と、前記一般式(1)で示さ
れるマゼンタ染料を含有するマゼンタインクと、銅フタ
ロシアニン染料を含有するシアンインクとを組み合わせ
た場合(実施例1)に限り、得られた記録物において、
マゼンタ画像とシアン画像の耐光性およびシアン画像の
耐ガス性の全てを優れたものにすることができた。
【0055】
【発明の効果】請求項1に係るインクジェット記録方法
によれば、ジシアンジアミド・ジエチレントリアミン重
縮合物が少なくとも表面に含有されたインク受容層を有
するインクジェット用記録媒体に対して、前記一般式
(1)で示されるマゼンタ染料を含有するマゼンタイン
クと銅フタロシアニン染料を含有するシアンインクとを
インクジェット記録するので、マゼンタ画像およびシア
ン画像の耐光性と耐ガス性とに優れた記録物を得ること
のできるインクジェット記録方法を提供できる。
【0056】また、請求項2に係る記録物によれば、前
記インクジェット記録方法により記録されるので、マゼ
ンタ画像およびシアン画像の耐光性と耐ガス性とに優れ
た記録物を提供できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 林 広子 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内 (72)発明者 金谷 美春 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内 Fターム(参考) 2C056 EA13 FC02 FC06 2H086 BA02 BA15 BA34 BA56 4J039 BA29 BC05 BC07 BC11 BC13 BC19 BC33 BC44 BC50 BC52 BC53 BC54 BC60 BC69 BC74 BC77 BE01 BE02 BE12 BE22 BE33 CA06 EA15 EA16 EA35 EA40 EA41 GA24

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジシアンジアミド・ジエチレントリアミ
    ン重縮合物が少なくとも表面に含有されたインク受容層
    を有するインクジェット用記録媒体に対して、下記一般
    式(1)で示されるマゼンタ染料を含有するマゼンタイ
    ンクと銅フタロシアニン染料を含有するシアンインクと
    をインクジェット記録するインクジェット記録方法。 【化1】
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のインクジェット記録方
    法により記録された記録物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2020084095A (ja) * 2018-11-29 2020-06-04 理想科学工業株式会社 水性インク用表面処理剤及び加飾物品の製造方法
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