JP2002137535A - インクジェット用記録媒体、インクジェット用インク、インクジェット記録方法および記録物 - Google Patents

インクジェット用記録媒体、インクジェット用インク、インクジェット記録方法および記録物

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JP2002137535A
JP2002137535A JP2000333977A JP2000333977A JP2002137535A JP 2002137535 A JP2002137535 A JP 2002137535A JP 2000333977 A JP2000333977 A JP 2000333977A JP 2000333977 A JP2000333977 A JP 2000333977A JP 2002137535 A JP2002137535 A JP 2002137535A
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benzotriazole
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JP2000333977A
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Masahiro Hanmura
昌弘 半村
Hiroyuki Onishi
弘幸 大西
Kazuhiko Kitamura
和彦 北村
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Seiko Epson Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 画像の保存性、特に耐光性に優れ、かつファ
イル黄変がほとんど発生しない記録物を得ることのでき
るインクジェット用記録媒体、インクジェット用インク
およびインクジェット記録方法、並びに、画像の保存
性、特に耐光性に優れ、かつファイル黄変がほとんど発
生しない記録物を提供する。 【解決手段】 基材上にインク受容層が設けられたイン
クジェット用記録媒体であって、前記インク受容層中
に、ヒンダードアミン系化合物と特定のベンゾトリアゾ
ール系化合物とが含有されたことを特徴とするインクジ
ェット用記録媒体。少なくとも、着色剤と、ヒンダード
アミン系化合物と、特定のベンゾトリアゾール系化合物
とを含有するインクジェット用インク。上記インクジェ
ット用記録媒体および/または上記インクジェット用イ
ンクを使用するインクジェット記録方法、並びに、これ
を用いた記録物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット用
記録媒体、インクジェット用インク、インクジェット記
録方法および記録物に関し、画像の保存性、特に、耐光
性に優れ、かつファイル黄変がほとんど発生しない記録
物を得ることのできるインクジェット用記録媒体、イン
クジェット用インクおよびインクジェット記録方法、並
びに、画像の保存性、特に、耐光性に優れ、かつファイ
ル黄変がほとんど発生しない記録物に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方法は、周知のごと
く、インクの小滴を飛翔させ、紙等の記録媒体に付着さ
せて印刷を行う印刷方法である。この印刷方法は、安価
な装置で高解像度、高品位な画像を高速かつ簡便に印刷
することができ、特に、カラー印刷においては、近年、
写真に代わりうる画像形成方法として技術開発が行われ
ている。
【0003】インクジェット記録に使用されるインク
は、水、着色剤、必要に応じて、湿潤剤,界面活性剤,
防黴剤等の添加剤を含有するものが一般的である。そし
て、インクジェット用インクに用いられる着色剤として
は、色剤の彩度・色再現性等の画像品質の高さ、利用で
きる色剤の種類の豊富さ、水への溶解性、インクジェッ
ト記録装置の記録ヘッドに設けられるノズルの目詰まり
などの信頼性の点から水溶性染料が好適に使用されてい
る。しかしながら、染料は、耐光性が低く、そのため、
染料インクによって記録された記録物の画像も、同様に
耐光性が劣る。
【0004】特開昭61−146591号公報、特開平
11−170686号公報には、画像の耐光性を改善す
る目的で、インクジェット用インクまたはインクジェッ
ト用記録媒体のインク受容層中にヒンダードアミン系光
安定化剤(HALSという)を添加する試みが記載され
ている。しかしながら、HALSが添加されたインクジ
ェット用インクまたはHALSが添加されたインクジェ
ット用記録媒体を使用して得られた記録物を、クリアフ
ァイル(アルバムを含む)の中に一定時間保管すると、
記録物が黄変する(本明細書では、これをファイル黄変
という)ことがあるという問題があり、実用上使用不可
能であった。
【0005】
【課題が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
に鑑みて成されたものであって、その目的とするところ
は、画像の保存性、特に耐光性に優れ、かつファイル黄
変がほとんど発生しない記録物を得ることのできるイン
クジェット用記録媒体、インクジェット用インクおよび
インクジェット記録方法、並びに、画像の保存性、特に
耐光性に優れ、かつファイル黄変がほとんど発生しない
記録物を提供することにある。
【0006】
【課題が解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
の結果、クリアファイルの中に含有されている酸化防止
剤と記録物に含有されるヒンダードアミン系化合物との
反応がファイル黄変を引き起こしていると推定した。そ
して、その機構は定かではないが、上記反応を抑制でき
る特定物質を記録物に存在させることによって、画像の
保存性、特に耐光性を優れたものとしながら、ファイル
黄変を抑制できる記録物が得られることを見出し、本発
明を完成したものである。すなわち、本発明の技術的構
成および作用効果は以下の通りである。
【0007】請求項1に係るインクジェット用記録媒体
は、基材上にインク受容層が設けられたインクジェット
用記録媒体であって、前記インク受容層中に、ヒンダー
ドアミン系化合物と下記一般式(1)で示されるベンゾ
トリアゾール系化合物とが含有されたことを特徴として
いる。
【0008】
【化4】
【0009】上記構成のインクジェット用記録媒体を使
用して得られた記録物は、インク受容層中に、ヒンダー
ドアミン系化合物が含有されているので、画像の耐光性
は優れたものとなる。また、記録物をクリアファイルの
中に一定時間保管しても、一般式(1)で示されるベン
ゾトリアゾール系化合物が、クリアファイルに含有され
る酸化防止剤とヒンダードアミン系化合物との反応を抑
制するので、ファイル黄変の発生をほとんど防止でき
る。よって上記構成によれば、画像の保存性、特に耐光
性に優れ、かつファイル黄変がほとんど発生しない記録
物を得ることのできるインクジェット用記録媒体とする
ことができる。
【0010】請求項2に係るインクジェット用記録媒体
は、前記インク受容層の全重量に対する前記ヒンダード
アミン系化合物の添加量が0.01重量%〜3.0重量
%であることを特徴としている。ヒンダードアミン系化
合物の添加量が0.01重量%以上であるため、記録物
の画像の耐光性を確実に優れたものとでき、一方、3.
0重量%以下であるため、記録物がクリアファイルの中
に一定時間保管されても、クリアファイルに含有される
酸化防止剤とヒンダードアミン系化合物との反応を一般
式(1)で示されるベンゾトリアゾール系化合物が確実
に抑制でき、ファイル黄変の発生をより確実に防止でき
る。よって、特に、画像の耐光性に優れ、かつファイル
黄変がほとんど発生しない記録物を得ることのできるイ
ンクジェット用記録媒体とすることができる。
【0011】請求項3に係るインクジェット用記録媒体
は、前記インク受容層の全重量に対する前記ベンゾトリ
アゾール系化合物の添加量が0.1重量%〜5.0重量
%であることを特徴としている。ベンゾトリアゾール系
化合物の添加量が0.1重量%以上であるため、記録物
がクリアファイルの中に一定時間保管されても、ベンゾ
トリアゾール系化合物が、クリアファイルに含有される
酸化防止剤とヒンダードアミン系化合物との反応を確実
に抑制でき、ファイル黄変の発生をより確実に防止でき
る。また、ベンゾトリアゾール系化合物の添加量が5.
0重量%以下であるため、インクの記録媒体に対する吸
収性を確実に確保でき、画像の画質を劣化させることは
ない。
【0012】請求項4に係るインクジェット用インク
は、少なくとも、着色剤と、ヒンダードアミン系化合物
と、下記一般式(1)で示されるベンゾトリアゾール系
化合物とを含有している。
【0013】
【化5】
【0014】上記構成のインクジェット用インクを使用
して得られた記録物は、インクジェット用インク中に、
ヒンダードアミン系化合物が含有されているので、画像
の耐光性は優れたものとなる。また、記録物をクリアフ
ァイルの中に一定時間保管しても、ベンゾトリアゾール
系化合物が、クリアファイルに含有される酸化防止剤と
画像中のヒンダードアミン系化合物との反応を抑制でき
るので、ファイル黄変の発生をほとんど防止できる。よ
って上記構成によれば、画像の保存性、特に耐光性に優
れ、かつファイル黄変がほとんど発生しない記録物を得
ることのできるインクジェット用インクとすることがで
きる。
【0015】請求項5に係るインクジェット用インク
は、前記インクジェット用インクの全重量に対する前記
ヒンダードアミン系化合物の添加量が0.01重量%〜
2.0重量%であることを特徴としている。ヒンダード
アミン系化合物の添加量が0.01重量%以上であるた
め、記録物の画像の耐光性を確実に優れたものとでき、
一方、2.0重量%以下であるため、記録物がクリアフ
ァイルの中に一定時間保管されても、クリアファイルに
含有される酸化防止剤とヒンダードアミン系化合物との
反応を一般式(1)で示されるベンゾトリアゾール系化
合物が確実に抑制でき、ファイル黄変の発生をより確実
に防止できる。よって、特に、画像の耐光性に優れ、か
つファイル黄変がほとんど発生しない記録物を得ること
のできるインクジェット用インクとすることができる。
【0016】請求項6に係るインクジェット用インク
は、前記インクジェット用インクの全重量に対する前記
ベンゾトリアゾール系化合物の添加量が0.01重量%
〜3.0重量%であることを特徴としている。ベンゾト
リアゾール系化合物の添加量が0.1重量%以上である
ため、記録物がクリアファイルの中に一定時間保管され
ても、ベンゾトリアゾール系化合物が、クリアファイル
に含有される酸化防止剤とヒンダードアミン系化合物と
の反応を確実に抑制でき、ファイル黄変の発生をより確
実に防止できる。また、ベンゾトリアゾール系化合物の
添加量が3.0重量%以下であるため、記録ヘッドに設
けられるノズルの目詰まりを確実に防止でき、画像の画
質を劣化させることはない。
【0017】請求項7に係るインクジェット記録方法に
よれば、前記インクジェット用記録媒体および/または
前記インクジェット用インクを使用して記録するので、
得られた記録物の画像には、ヒンダードアミン系化合物
および上記一般式(1)で示されるベンゾトリアゾール
系化合物が含有される。よって、ヒンダードアミン系化
合物の存在によって、画像の耐光性は優れたものとな
り、また、記録物をクリアファイルの中に一定時間保管
しても、ベンゾトリアゾール系化合物が、クリアファイ
ルに含有される酸化防止剤と画像中のヒンダードアミン
系化合物との反応を抑制できるので、記録物のファイル
黄変をほとんど防止できる。以上により、画像の室内保
存性、特に耐光性に優れ、かつファイル黄変がほとんど
発生しない記録物を得ることのできるインクジェット記
録方法とすることができる。
【0018】請求項8に係るインクジェット記録方法
は、基材上にインク受容層が設けられたインクジェット
用記録媒体とインクジェット用インクとを使用して記録
するインクジェット記録方法であって、前記インク受容
層中に、下記一般式(1)で示されるベンゾトリアゾー
ル系化合物を含有させるとともに、前記インクジェット
用インクに、少なくとも着色剤とヒンダードアミン系化
合物とを含有させる。よって、ヒンダードアミン系化合
物の存在によって、画像の耐光性は優れたものとなり、
また、記録物をクリアファイルの中に一定時間保管して
も、ベンゾトリアゾール系化合物が、クリアファイルに
含有される酸化防止剤と画像中のヒンダードアミン系化
合物との反応を抑制できるので、記録物のファイル黄変
をほとんど防止できる。以上により、画像の室内保存
性、特に耐光性に優れ、かつファイル黄変がほとんど発
生しない記録物を得ることのできるインクジェット記録
方法とすることができる。
【0019】
【化6】
【0020】請求項9に係るインクジェット記録方法
は、前記インク受容層の全重量に対する前記ベンゾトリ
アゾール系化合物の添加量を0.1重量%〜5.0重量
%とすることを特徴としている。ベンゾトリアゾール系
化合物の添加量が0.1重量%以上であるため、記録物
がクリアファイルの中に一定時間保管されても、ベンゾ
トリアゾール系化合物が、クリアファイルに含有される
酸化防止剤とヒンダードアミン系化合物との反応を確実
に抑制でき、ファイル黄変の発生をより確実に防止でき
る。また、ベンゾトリアゾール系化合物の添加量が5.
0重量%以下であるため、インクの記録媒体に対する吸
収性を確実に確保でき、画像の画質を劣化させることは
ない。
【0021】請求項10に係るインクジェット記録方法
は、前記インクジェット用インクの全重量に対する前記
ヒンダードアミン系化合物の添加量を0.01重量%〜
2.0重量%とすることを特徴としている。ヒンダード
アミン系化合物の添加量が0.01重量%以上であるた
め、記録物の画像の耐光性を確実に優れたものとでき、
一方、2.0重量%以下であるため、記録物がクリアフ
ァイルの中に一定時間保管されても、クリアファイルに
含有される酸化防止剤とヒンダードアミン系化合物との
反応を一般式(1)で示されるベンゾトリアゾール化合
物が確実に抑制でき、ファイル黄変の発生をより確実に
防止できる。よって、特に、画像の耐光性に優れ、かつ
ファイル黄変がほとんど発生しない記録物を得ることの
できるインクジェット記録方法とすることができる。
【0022】請求項11に係る記録物は、前記インクジ
ェット記録方法によって画像記録された記録物であるの
で、得られた記録物の画像には、ヒンダードアミン系化
合物および上記一般式(1)で示されるベンゾトリアゾ
ール系化合物が含有される。よって、ヒンダードアミン
系化合物の存在によって画像の耐光性に優れた記録物と
することができ、かつ、記録物をクリアファイルの中に
一定時間保管しても、ベンゾトリアゾール系化合物が、
クリアファイルに含有される酸化防止剤と画像中のヒン
ダードアミン系化合物との反応を抑制できるので、ファ
イル黄変の発生しない記録物とすることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明に係るインクジェット用記
録媒体は、基材上にインク受容層が設けられたインクジ
ェット用記録媒体であり、インク受容層中には、ヒンダ
ードアミン系化合物と上記一般式(1)で示されるベン
ゾトリアゾール系化合物とが含有された構成となってい
る。以下、本発明に係るインクジェット用記録媒体を構
成する各構成成分について詳述する。
【0024】[インク受容層]インク受容層としては、
カラー画像や写真画像等を高画質に再現できるものとし
て、インク吸収顔料、インク定着剤およびバインダーか
ら少なくとも構成されるインク受容層が知られている
が、本発明の実施の形態に係るインクジェット用記録媒
体のインク受容層は、さらに、ヒンダードアミン系化合
物と上記一般式(1)で示されるベンゾトリアゾール系
化合物とを含有するものである。以下、インク受容層の
構成成分を説明する。
【0025】(1)ヒンダードアミン系化合物 本発明に係るインクジェット用記録媒体のインク受容層
に含有されるヒンダードアミン系化合物としては、公知
のHALSをいずれも好適に使用できるが、下記一般式
(I)に示されるヒンダードピロリジン骨格を有する化
合物、あるいは下記一般式(II)に示されるヒンダード
ピペリジン骨格を有する化合物が特に好ましい。
【0026】
【化7】
【0027】上記式中、R11,R12,R13,R14は、そ
れぞれ、独立して、炭素数1〜3のアルキル基を示し、
11,R12,R13,R14のいずれか2つの基は、互いに
結合して5〜6員環を形成してもよい。R11〜R14のア
ルキル基としては、特に、メチル基、エチル基が好まし
い。Xとしては、アルキル基、アルケニル基、アルキニ
ル基、アリール基、アシル基、スルホニル基、オキシラ
ジカル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオ
キシ基または水酸基が挙げられる。アルキル基として
は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル
基、t−ブチル基、n−オクチル基、ベンジル基、ヘキ
サデシル基等が、アルケニル基としては、アリル基、オ
レイル基等が、アルキニル基としては、エチニル基等
が、アリール基としては、フェニル基、ナフチル基等
が、アシル基としては、アセチル基、ベンソイル基等
が、スルホニル基としては、メタンスルホニル基、ベン
ゼンスルホニル基、トルエンスルホニル基等が、アルコ
キシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、i−プロピ
ルオキシ基、n−ブチルオキシ基、シクロヘキシルオキ
シ基、ベンジルオキシ基等が、アリールオキシ基として
は、フェノキシ基等が、アシルオキシ基としては、アセ
チルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等が挙げられる。
【0028】Yとしては、水素原子、水酸基、カルボキ
シル基、アミノ基、置換または非置換のアルコキシ基、
置換または非置換のアリールカルバモイル基、置換また
は非置換のアリールカルバモイルオキシ基、置換または
非置換のアリールウレイド基、置換または非置換のアリ
ールスルホアミノ基等が挙げられる。上記置換基として
は、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基、アミノ
基、スルホアミノ基およびその誘導体、ウレイド基およ
びその誘導体、スルファモイル基およびその誘導体等が
挙げられるが特に限定されない。前記アリールとして
は、フェニル基、ナフチル基等が好適に挙げられる。
【0029】以下に、本発明に係るインクジェット用記
録媒体のインク受容層中に好適に添加できるヒンダード
アミン系化合物の具体例を示す。
【0030】
【化8】
【0031】
【化9】
【0032】
【化10】
【0033】以上、ヒンダードアミン系化合物について
詳述したが、本発明に係るインクジェット用記録媒体
は、インク受容層中にこのようなヒンダードアミン系化
合物を含有するので、このようなインクジェット用記録
媒体を使用して得られる記録物の画像の耐光性を優れた
ものにできる。これらのヒンダードアミン系化合物の含
有量は、インク受容層の全乾燥重量に対して0.01重
量%〜3.0重量%が好ましく、より好ましくは0.0
3重量%〜2.0量%の範囲である。このように、ヒン
ダードアミン系化合物の添加量を0.01重量%以上と
することによって、記録物の画像の耐光性を確実に優れ
たものとでき、一方、3.0重量%以下とすることによ
って、記録物がクリアファイルの中に一定時間保管され
ても、クリアファイルに含有される酸化防止剤とヒンダ
ードアミン系化合物との反応をベンゾトリアゾール系化
合物が確実に抑制でき、ファイル黄変の発生をより確実
に防止できる。
【0034】(2)ベンゾトリアゾール系化合物 本発明に係るインクジェット用記録媒体のインク受容層
に含有されるベンゾトリアゾール系化合物は、下記一般
式(1)で示されるベンゾトリアゾール系化合物であ
り、無色透明である。
【0035】
【化11】
【0036】ここで、Zのアルカリ金属としては、リチ
ウム、ナトリウム、カリウムが挙げられ、Rのアルキル
基としては、メチル基、エチル基、プロピル基等を挙げ
ることができる。
【0037】ここで、下記一般式(X)で示されるベン
ゾトリアゾール系化合物が広く知られているが、このベ
ンゾトリアゾール系化合物は、紫外線吸収能を有し、有
色であることから、インク受容層に添加すると、インク
ジェット用記録媒体が着色して、画像の画質が低下する
傾向となる。加えて、下記一般式(X)で示されるベン
ゾトリアゾール系化合物は、一般式(1)で示されるベ
ンゾトリアゾール系化合物と比べてファイル黄変防止能
が小さい。よって、実用上不都合がなく、また、ファイ
ル黄変の発生がなく、耐光性を向上するという本発明の
目的を達成するには、一般式(1)で示されるベンゾト
リアゾール系化合物を使用することが必須である。
【0038】
【化12】
【0039】一般式(X)中、R21およびR22は、アル
キル基を示す。
【0040】以上のように、ベンゾトリアゾール系化合
物について詳述したが、本発明に係るインクジェット用
記録媒体は、インク受容層中に一般式(1)で示される
ベンゾトリアゾール系化合物を含有するので、このよう
なインクジェット用記録媒体を使用して得られる記録物
をクリアファイルの中に一定時間保管しても、ベンゾト
リアゾール系化合物が、クリアファイルに含有される酸
化防止剤とヒンダードアミン系化合物との反応を抑制す
ることによって、ファイル黄変の発生をほとんど防止で
きる。
【0041】一般式(1)で示されるベンゾトリアゾー
ル系化合物の添加量は、インク受容層の全乾燥重量に対
して0.1重量%〜5.0重量%が好ましく、より好ま
しくは0.5重量%〜3.0量%の範囲である。このよ
うに、ベンゾトリアゾール系化合物の添加量を0.1重
量%以上とすることによって、記録物がクリアファイル
の中に一定時間保管されても、ベンゾトリアゾール系化
合物が、クリアファイルに含有される酸化防止剤とヒン
ダードアミン系化合物との反応を確実に抑制でき、ファ
イル黄変の発生をより確実防止できる。また、ベンゾト
リアゾール系化合物の添加量を5.0重量%以下とする
ことによって、インクの記録媒体に対する吸収性を確実
に確保でき、画像の画質を優れたものにできる。ヒンダ
ードアミン系化合物とベンゾトリアゾール系化合物との
添加比率は、ヒンダードアミン系化合物に対し、ベンゾ
トリアゾール系化合物は1倍以上の添加量が好ましく、
より好ましくは5倍以上の添加量である。このように、
ベンゾトリアゾール系化合物の添加量をヒンダードアミ
ン系化合物の添加量の1倍以上とすることによって、記
録物がクリアファイルの中に一定時間保管されても、ベ
ンドトリアゾール系化合物が、クリアファイルに含有さ
れる酸化防止剤とヒンダートアミン系化合物との反応を
確実に抑制でき、ファイル黄変の発生を確実に防止でき
る。
【0042】(3)インク吸収顔料 インク吸収顔料としては、公知の白色顔料を1種以上用
いることができ、合成非晶質シリカ,コロイダルシリカ
等のシリカ、コロイダルアルミナ等のアルミナを例示で
きる。また、白色顔料としては、シリカ、アルミナの他
にも、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸
マグネシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫
酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸
亜鉛、チタンホワイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ
土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、擬ベーマイ
ト、水酸化アルミニウム、リトポン、ゼオライト、加水
ハロイサイト、水酸化マグネシウム等の白色無機顔料、
スチレン系プラスチックピグメント、アクリル系プラス
チックピグメント、ポリエチレン、メラミン樹脂、尿素
樹脂等の有機顔料などが挙げられる。これらのインク吸
収顔料の含有量は、インク受容層の全乾燥重量に対して
30重量%〜90重量%が好ましく、より好ましくは4
0重量%〜80重量%の範囲である。
【0043】(4)インク定着剤 インク定着剤としては、特にカチオン性化合物が好まし
く、1級〜3級アミンあるいは4級アンモニウム塩基を
有する低分子化合物、それらの基を有するオリゴマー、
またはそれらの基を有するポリマーが挙げられる。具体
的には、ジアリルジメチルアンモニウムクロライドポリ
マー,ジアリルジメチルアンモニウムクロライド−二酸
化イオウコポリマー,ジアリルジメチルアンモニウムク
ロライド−アクリルアミドコポリマーなどのジアリルメ
チルアンモニウム塩ポリマー、ジアリルアミン塩酸塩−
二酸化イオウコポリマー、ジアリルメチルアミン塩酸塩
コポリマー、ポリアリルアミン、ポリエチレンイミン、
ポリエチレンイミン4級アンモニウム塩化合物、(メ
タ)アクリル酸アルキルアンモニウム塩ポリマー、(メ
タ)アクリルアミドアルキルアンモニウム塩ポリマー、
4級アンモニウム塩を含むアイオネン、ポリアルキレン
アミンジシアンジアミドアンモニウム塩縮合物等を挙げ
ることができる。これらのインク定着剤の含有量は、イ
ンク受容層の全乾燥重量に対して1重量%〜30重量%
が好ましく、より好ましくは5重量%〜10重量%の範
囲である。
【0044】(5)バインダー バインダーとしては、酸化澱粉、エーテル化澱粉、リン
酸エステル化澱粉等の澱粉誘導体;カルボキシメチルセ
ルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース
誘導体;カゼイン、ゼラチン、大豆蛋白、ポリビニルア
ルコール又はその誘導体;ポリビニルピロリドン、無水
マレイン酸樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、メチ
ルメタクリレート−ブタジエン共重合体等の共役ジエン
系共重合体ラテックス;アクリル酸エステル及びメタク
リル酸エステルの重合体又は共重合体等のアクリル系重
合体などのアクリル系重合体ラテックス;エチレン酢酸
ビニル共重合体等のビニル系重合体ラテックス;あるい
はこれら各種重合体のカルボキシ基等の官能基含有単量
体による官能基変性重合体ラテックス;メラミン樹脂、
尿素樹脂等の熱硬化性樹脂などの水性接着剤;ポリメチ
ルメタクリレート等のアクリル酸エステル;メタクリル
酸エステルの重合体又は共重合体;ポリウレタン樹脂、
不飽和ポリエステル樹脂、塩化ビニル酢酸ビニルコポリ
マー、ポリビニルブチラール、アルキッド樹脂等の合成
樹脂系接着剤などを挙げることができる。これらのバイ
ンダーの含有量は、インク受容層の全乾燥重量に対して
10重量%〜60重量%が好ましく、より好ましくは3
0重量%〜50重量%の範囲である。
【0045】また、インク受容層には、更に必要に応じ
て、公知の染料固着剤(耐水化剤)、蛍光増白剤、界面
活性剤、消泡剤、pH調整剤、防黴剤、紫外線吸収剤お
よび酸化防止剤等の各種添加剤が含有されてもよい。
【0046】以上、インク受容層の構成成分を説明した
が、シリカまたはアルミナを構成成分として含有させ、
シリカおよびアルミナの粒径や、インク受容層の前記各
構成成分の含有量等を調整することによって、インク受
容層の空隙率を30%〜80%とするのが特に好まし
い。すなわち、空隙率を30%以上とすることによっ
て、特に、インクの記録媒体に対する吸収性を確実に確
保でき、画像の画質を優れたものにできる。また、80
%以下とすることによって、インク受容層に対して強度
を確実に付与できる。
【0047】[基材]本発明に係るインクジェット用記
録媒体の基材としては、紙又はプラスチック製のシート
状のものが使用され、光透過性のもの、あるいは光不透
過性のものをいずれも使用できる。このような基材とし
ては、従来公知の基材はいずれも使用でき、例えば、紙
としては、天然セルロース繊維を主体とした木材パルプ
もしくは非木材パルプのパルプ原料から成るものが挙げ
られ、プラスチック材料としては、ポリエステル系樹
脂、ジアセテート系樹脂、トリアセテート系樹脂、アク
リル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリ塩化ビニル
系樹脂、ポリイミド系樹脂、セロハン、セルロイド等が
挙げられる。
【0048】本発明に係るインクジェット記録媒体は、
上記各構成成分が水等の適当な溶媒に溶解または分散さ
れた塗工液を、ロールコーティング法,スプレーコーテ
ィング法,ロッドバーコーティング法,エアナイフコー
ティング法等の公知のコーティング方法により、上述し
た基材に塗工し、引き続き、乾燥させることによって好
適に得られる。塗工後の乾燥は、一般的な乾燥機を用い
て行なうことができ、一般的には100〜150℃の範
囲で行なわれる。
【0049】以上、本発明に係るインクジェット記録媒
体を詳述したが、このような構成によれば、前述したよ
うに、画像の保存性、特に耐光性に優れ、かつファイル
黄変がほとんど発生しない記録物を得ることのできるイ
ンクジェット用記録媒体とすることができる。
【0050】次に、本発明に係るインクジェット用イン
クについて詳述する。インクジェット用インクは、着色
剤、水および各種添加剤から構成されるのが一般的であ
るが、本発明に係るインクジェット用インクは、さら
に、ヒンダードアミン系化合物と、上記一般式で示され
るベンゾトリアゾール系化合物とを含有するものであ
り、“ヒンダードアミン系化合物”および“ベンゾトリ
アゾール系化合物”の具体例としては、前記本発明に係
るインクジェット用記録媒体の説明において例示したも
のを同様に挙げることができる。
【0051】インクジェット用インクの全重量に対する
ヒンダードアミン系化合物の添加量は、0.01重量%
〜2.0重量%であることが好ましい。ヒンダードアミ
ン系化合物の添加量が0.01重量%以上であることに
よって、記録物の画像の耐光性を確実に優れたものとで
き、一方、2.0重量%以下であることによって、記録
物がクリアファイルの中に一定時間保管されても、クリ
アファイルに含有される酸化防止剤とヒンダードアミン
系化合物との反応を一般式(1)で示されるベンゾトリ
アゾール化合物が確実に抑制でき、ファイル黄変の発生
をより確実に防止できる。
【0052】また、インクジェット用インクの全重量に
対するベンゾトリアゾール系化合物の添加量は、0.0
1重量%〜3.0重量%であることが好ましい。ベンゾ
トリアゾール系化合物の添加量が0.1重量%以上であ
ることによって、記録物がクリアファイルの中に一定時
間保管されても、ベンゾトリアゾール系化合物が、クリ
アファイルに含有される酸化防止剤とヒンダードアミン
系化合物との反応を確実に抑制でき、ファイル黄変の発
生をより確実に防止できる。また、ベンゾトリアゾール
系化合物の添加量が3.0重量%以下であることによっ
て、インクの記録媒体に対する吸収性を確実に確保で
き、画像の画質を劣化させることはない。ヒンダードア
ミン系化合物とベンゾトリアゾール系化合物との添加比
率は、ヒンダードアミン系化合物に対し、ベンゾトリア
ゾール系化合物は1倍以上の添加量が好ましく、より好
ましくは5倍以上の添加量である。このように、ベンゾ
トリアゾール系化合物の添加量をヒンダードアミン系化
合物の添加量の1倍以上とすることによって、記録物が
クリアファイルの中に一定時間保管されても、ベンドト
リアゾール系化合物が、クリアファイルに含有される酸
化防止剤とヒンダートアミン系化合物との反応を確実に
抑制でき、ファイル黄変の発生を確実に防止できる。
【0053】上記構成のインクジェット用インクを使用
して得られた記録物は、インクジェット用インク中に、
ヒンダードアミン系化合物が含有されているので、画像
の耐光性は優れたものとなる。そのため、着色剤として
は、前述したように、色剤の彩度・色再現性等の画像品
質の高さ、利用できる色剤の種類の豊富さ、水への溶解
性、前記目詰まりなどの信頼性の点から有利な水溶性染
料を積極的に使用できる。
【0054】上記水溶性染料としては、以下の各色染料
が挙げられるが、上記のように、ヒンダードアミン系化
合物によって画像の耐光性を優れたものとできるので、
特に、単独の使用では高い耐光性を得るのが困難な染料
を積極的に使用できる。
【0055】マゼンタインクに使用する染料の具体例と
しては、例えば、C.I.ダイレクトレッド2、4、
9、23、26、31、39、62、63、72、7
5、76、79、80、81、83、84、89、9
2、95、111、173、184、207、211、
212、214、218、221、223、224、2
25、226、227、232、233、240、24
1、242、243、247、C.I.アシッドレッド
35、42、52、57、62、80、82、111、
114、118、119、127、128、131、1
43、151、154、158、249、254、25
7、261、263、266、289、299、30
1、305、336、337、361、396、39
7、C.I.リアクティブレッド3、13、17、1
9、21、22、23、24、29、35、37、4
0、41、43、45、49、55、C.I.ベーシッ
クレッド12、13、14、15、18、22、23、
24、25、27、29、35、36、38、39、4
5、46等を挙げられることができる。
【0056】シアンインクに使用する染料としては、例
えば、C.I.ダイレクトブルー1、10、15、2
2、25、55、67、68、71、76、77、7
8、80、84、86、87、90、98、106、1
08、109、151、156、158、159、16
0、168、189、192、193、194、19
9、200、201、202、203、207、21
1、213、214、218、225、229、23
6、237、244、248、249、251、25
2、264、270、280、288、289、29
1、C.I.アシッドブルー9、25、40、41、6
2、72、76、78、80、82、92、106、1
12、113、120、127:1、129、138、
143、175、181、205、207、220、2
21、230、232、247、258、260、26
4、271、277、278、279、280、28
8、290、326等が挙げられる。
【0057】イエローインクに使用する染料としては、
例えば、C.I.ダイレクトイエロー8、9、11、1
2、27、28、29、33、35、39、41、4
4、50、53、58、59、68、86、87、9
3、95、96、98、100、106、108、10
9、110、130、132、142、144、16
1、163、C.I.アシッドイエロー17、19、2
3、25、39、40、42、44、49、50、6
1、64、76、79、110、127、135、14
3、151、159、169、174、190、19
5、196、197、199、218、219、22
2、227、C.I.リアクティブイエロー2、3、1
3、14、15、17、18、23、24、25、2
6、27、29、35、37、41、42、C.I.ベ
ーシックイエロー1、2、4、11、13、14、1
5、19、21、23、24、25、28、29、3
2、36、39、40等を挙げることができる。
【0058】ブラックインクに使用する染料としては、
例えば、C.I.ダイレクトブラック9、17、19、
22、32、51、56、62、69、77、80、9
1、94、97、108、112、113、114、1
17、118、121、122、125、132、14
6、154、166、168、173、199、C.
I.アシッドブラック7、24、29、48、52:
1、172、C.I.リアクティブブラック4、5、
8、14、21、23、26、31、32、34、C.
I.ベーシックブラック8等を挙げることができる。
【0059】本発明に係るインクジェット用インクは、
前記ヒンダードアミン系化合物、上記一般式(1)で示
されるベンゾトリアゾール系化合物、着色剤および水と
共に、水溶性有機溶媒および界面活性剤等の各種添加剤
を含有するのが好ましい。
【0060】水溶性有機溶媒は、その役割から、記録ヘ
ッドのノズルの目詰まりを防止する湿潤剤と、記録媒体
へのインクの浸透を助ける浸透剤とに大別される。湿潤
剤の好ましい例としては、ジエチレングリコール、ポリ
エチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチ
レングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリ
コール、トリエチレングリコール、1,2,6−ヘキサ
ントリオール、チオジグリコール、ヘキシレングリコー
ル、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロー
ルプロパン、尿素、2−ピロリドン、1,3−ジメチル
−2−イミダゾリジノン、イミダゾール、N−メチル−
2−ピロリドンなどが挙げられ、さらに、糖類を含むこ
ともでき、糖類の例としては、単糖類、二糖類オリゴ糖
類(三糖類、および四糖類を含む)および多糖類が挙げ
られ、好ましくはグルコース、マンノース、フルクトー
ス、リボース、キシロース、アラビノース、ガラクトー
ス、アルドン酸、グルシトール(ソルビット)、マルト
ース、セロビオース、ラクトース、スクロース、トレハ
ロース、マルトトリオースなどが挙げられる。ここで、
多糖類とは広義の糖を意味し、セルロースなど自然界に
広く存在する物質を含む意味に用いることとする。特に
好ましいのは、記録ヘッドの目詰まりを確実に防止でき
ることから、ジエチレングリコールおよびグリセリン等
の高沸点低揮発性有機溶媒である。ここで、高沸点低揮
発性有機溶媒とは、沸点が150℃〜300℃の範囲に
ある低蒸気圧(0.01mmHg以下)の有機溶媒をい
い、以下も同様とする。インク全重量に対する、これら
の湿潤剤の含有率は、長時間、画像の色相バランスを保
てるように、他色インクにおける湿潤剤の含有率を鑑み
て、適宜調整されるが、5重量%〜20重量%の範囲が
好ましい。
【0061】浸透剤としては、多価アルコールのアルキ
ルエーテル誘導体を好ましく挙げることができる。多価
アルコールのアルキルエーテル誘導体の具体例として
は、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、
トリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、お
よびプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテルか
ら選ばれた一種または二種以上の混合物を挙げることが
できる。トリエチレングリコールモノ−n−ブチルエー
テルおよびそれを含む混合物の利用が好ましい。特に好
ましいのは、浸透速度が速く、色感のブリードが発生せ
ずに印刷品質が良好であることから、ジエチレングリコ
ールモノ−n−ブチルエーテルおよびトリエチレングリ
コールモノ−n−ブチルエーテル等の高沸点低揮発性有
機溶媒である。これら多価アルコールのアルキルエーテ
ル誘導体の添加量は、製造されるインクジェット用イン
クに対して0.5〜20重量%程度が好ましく、より好
ましくは3〜15重量%の範囲である。
【0062】さらに、本発明に係るインクジェット用イ
ンクは、その他の水溶性有機溶媒として低沸点有機溶媒
を含有するのが好ましく、その好ましい例としては、メ
タノール、エタノール、n−プロピルアルコール、is
o−プロピルアルコール、n−ブタノール、sec−ブ
タノール、tert−ブタノール、iso−ブタノー
ル、ペンタノール等が挙げられる。特に一価のアルコー
ルが好ましい。
【0063】また、界面活性剤としては、アニオン性界
面活性剤(例えばドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウ
ム、ラウリル酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキ
ルエーテルサルフェートのアンモニウム塩など)、非イ
オン性界面活性剤(例えば、ポリオキシエチレンアルキ
ルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポ
リオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキ
シエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチ
レンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミ
ドなど)が挙げられ、これらは、単独または二種以上を
混合して用いられることができる。これらの界面活性剤
の添加量は、所望のインク物性に応じて決められるが、
染料1に対して0.06から3重量%の範囲が好まし
く、より好ましくは0.125から3重量%の範囲であ
る。
【0064】また、本発明に係るインクジェット用イン
クには、下記の一般式(III)で表されるアセチレング
リコールが添加されることも好ましく、インクの表面張
力の調節、記録媒体との濡れ性調節および記録媒体への
浸透性付与を確実に行うことができる。
【0065】
【化13】
【0066】前記一般式(III)において、A1、A2
3およびA4が表す炭素数1〜6のアルキル基は、好ま
しくは炭素数1〜4のアルキルであり、より好ましくは
メチル基である。また、nおよびmはそれらの和が0〜
30となる整数である。前記一般式(III)で表される
アセチレングリコール化合物の好ましい例としては、
2,4,7,9テトラメチル−5−デシン−4,7−ジ
オール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジ
オール、および3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−
オールが挙げられる。また、一般式(III)の化合物と
して市販品を利用することも可能であり、例えば日信化
学株式会社製のサーフィノール104,82,465,485また
はTGなどを用いることができる。これらアセレチレン
グリコール化合物の添加量は、インクの全重量に対して
0.01〜10重量%程度が好ましく、より好ましくは
0.1〜5重量%の範囲である。
【0067】また、本発明に係るインクジェット用イン
クには、pH調整剤を添加することができる。本発明に
係るインクジェット用インクのpHを5〜12の範囲に
調整するのが好ましく、より好ましくは、6〜10の範
囲である。pH調整剤としては、具体的には水酸化ナト
リウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリ
ウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウ
ム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸リチウ
ム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、シ
ュウ酸ナトリウム、シュウ酸カリウム、シュウ酸リチウ
ム、ホウ酸ナトリウム、四ホウ酸ナトリウム、フタル酸
水素カリウム、酒石酸水素カリウムなどのカリウム金属
類、アンモニア、メチルアミン、エチルアミン、ジエチ
ルアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩
酸塩、トリエタノールアミン、モルホリン、プロパノー
ルアミンなどのアミン類などが好ましい。
【0068】更に、本発明に係るインクジェット用イン
クは、必要に応じて酸化防止剤、紫外線吸収剤、防腐・
防黴剤等を含むこともできる。
【0069】以上、本発明に係るインクジェット用イン
クを詳述したが、上記構成によれば、画像の保存性、特
に耐光性に優れ、かつファイル黄変がほとんど発生しな
い記録物を得ることのできるインクジェット用インクと
することができる。
【0070】本発明に係るインクジェット記録方法は、
上記本発明に係るインクジェット用記録媒体および/ま
たは上記本発明に係るインクジェット用インクと、公知
のインクジェットプリンタとを使用して記録することに
よって好適に行うことができる。また、本発明に係る他
のインクジェット記録方法は、インク受容層中に上記一
般式(1)で示されるベンゾトリアゾール系化合物を含
有する記録媒体に対して、ヒンダードアミン系化合物を
含有するインクジェット用インクを、公知のインクジェ
ットプリンタによって記録することによって好適に行う
ことができる。この場合、一般式(1)で示されるベン
ゾトリアゾール系化合物およびヒンダードアミン系化合
物の具体例、好ましい含有量およびその技術的意義は、
前掲したものと同様であり、インク受容層を構成する他
の成分およびインクジェット用インクを構成する他の成
分についても前掲したものと同様である。
【0071】よって、本発明に係るインクジェット記録
方法により得られる本発明に係る記録物の画像には、ヒ
ンダードアミン系化合物および上記一般式(1)で示さ
れるベンゾトリアゾール系化合物が含有されるので、ヒ
ンダードアミン系化合物の存在によって、画像の耐光性
は優れたものとなり、また、記録物をクリアファイルの
中に一定時間保管しても、ベンゾトリアゾール系化合物
が、クリアファイルに含有される酸化防止剤と画像中の
ヒンダードアミン系化合物との反応を抑制できるので、
記録物のファイル黄変をほとんど防止できる。
【0072】
【実施例】以下に、実施例を用いて本発明を具体的に説
明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0073】(実施例1)基材を秤量100g/m2
上質紙とし、この上質紙に、以下のインク受容層成分と
水とを混合して得た塗工液(インク受容層成分の重量:
水の重量=1:4)を15g/m2の塗工量になるよう
に塗工した。塗工後、乾燥機(ダバイエスペック株式会
社製、PH−201オーブン)を用いて、130℃、2
分間の乾燥を行うことで、実施例1のインクジェット用
記録媒体を作製した。
【0074】 ・ヒンダードアミン系化合物:TINUVIN 144(チバ・スペシャルティ ・ケミカルズ株式会社の商品名) 0.1重量% ・ベンゾトリアゾール系化合物:SEETEC BT(シブロ化成株式会社の商 品名) 1.0重量% ・インク吸収顔料:シリカゲル P78D(水澤化学工業株式会社の商品名) 60重量% ・インク定着剤:ジアリルジメチルアンモニウムクロライド−二酸化イオウコポ リマー PAS−A(日東紡績株式会社の商品名) 8.9重量% ・バインダー:ポリビニルアルコール CM318(重合度1800)(クラレ 株式会社の商品名) 残部
【0075】(比較例1)インク受容層成分としてベン
ゾトリアゾール系化合物を使用しなかった以外は、実施
例1と同様の操作により、比較例1のインクジェット用
記録媒体を作成した。
【0076】(比較例2)インク受容層成分としてヒン
ダードアミン系化合物を使用しなかった以外は、実施例
1と同様の操作により、比較例2のインクジェット用記
録媒体を作成した。
【0077】上記実施例および比較例のインクジェット
用記録媒体の評価を、下記に示す方法により行った。結
果を表1に示す。 (1)画像形成 実施例1及び比較例1〜2のインクジェット用記録媒体
に、カラーインクカートリッジIC5CL05(セイコ
ーエプソン株式会社の商品名)とブラックインクカート
リッジIC1BK05(セイコーエプソン株式会社の商
品名)とを搭載したインクジェットプリンタPM−80
0C(セイコーエプソン株式会社の商品名)を使用して
高精細カラーデジタル標準画像データ(ISO/JIS-SCID)
の画像名称ポートレート(サンプル番号1、画像の識別
記号N1)を印刷することで記録物を作製した。
【0078】(2)耐光性試験 上記(1)で得られた記録物を用い、キセノンフェード
メーター(C135A)を用いて、100時間の加速試
験を行った。試験前後のポートレート画像の背景(グレ
ー色)とマゼンタ色の色差△Eを、JIS−Z8730
で規定された方法で測定した。 判断基準 色差が5未満 :A 色差が5〜10 :B 色差が10を超える :C
【0079】(3)ファイル黄変試験 上記(1)で得られた記録物を、クリアファイルCL−
A420(三菱鉛筆株式会社の商品名)の中に入れ、室
温下、70℃で30間放置し、放置後の記録物を目視観
察した。 判断基準 放置前の記録物の状態と比較して変化なし :A 放置前の記録物の状態と比較して記録物が全体に黄ばんだ:B
【0080】
【表1】
【0081】以上の結果より、ヒンダードアミン系化合
物と一般式(1)で示されるベンゾトリアゾール系化合
物とをインク受容層内に含有する実施例1のインクジェ
ット用記録媒体を用いて印刷された記録物は、耐光性に
優れ、かつファイル黄変もほとんど発生しなかった。一
方、インク受容層内に、ヒンダードアミン系化合物を含
有するものの、ベンゾトリアゾール系化合物を含有しな
い比較例1のインクジェット用記録媒体を用いて印刷さ
れた記録物は、耐光性には優れたものの、ファイル黄変
が発生した。また、インク受容層内に、一般式(1)で
示されるベンゾトリアゾール系化合物を含有するもの
の、ヒンダードアミン系化合物を含有しない比較例2の
インクジェット用記録媒体を用いて印刷された記録物
は、ファイル黄変は発生しなかったが、画像の耐光性は
良好なものとはならなかった。
【0082】(実施例2)下記組成を混合することによ
って、着色剤をマゼンタ染料とした実施例2のインクジ
ェット用インク(濃淡の2種類)を作製した。 (濃マゼンタインク) C.I.ダイレクトレッド227 6.0重量% ヒンダードアミン系化合物:TINUVIN 144(チバ・スペシャルティ ・ケミカルズ株式会社の商品名) 0.1重量% ベンゾトリアゾール系化合物:SEETEC BT(シブロ化成株式会社の商 品名) 1.0重量% ジエチレングリコール 5重量% グリセリン 10重量% トリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル 8重量% サーフィノール465 1重量% 水酸化カリウム 0.2重量% 純水 残部
【0083】(淡マゼンタインク)C.I.ダイレクト
レッド227の含有率を1.5重量%に代えた以外は、
上記(マゼンタインク)の組成と同様にした。
【0084】(比較例3)インクジェット用インクの成
分としてベンゾトリアゾール系化合物を使用しなかった
以外は、実施例2と同様の操作により、比較例3のイン
クジェット用インク(濃淡2種類)を作成した。
【0085】(比較例4)インクジェット用インクの成
分としてヒンダードアミン系化合物を使用しなかった以
外は、実施例2と同様の操作により、比較例4のインク
ジェット用インク(濃淡2種類)を作成した。
【0086】上記実施例および比較例のインクジェット
用インクの評価を、下記に示す方法により行った。結果
を表2に示す。 (4)画像形成 カラーインクカートリッジIC5CL05(セイコーエ
プソン株式会社の商品名)の濃淡2種類のマゼンタイン
クを上記実施例2および比較例3〜4の各インクジェッ
ト用インクに代えたインクカートリッジと、ブラックイ
ンクカートリッジIC1BK05(セイコーエプソン株
式会社の商品名)とを搭載したインクジェットプリンタ
PM−800C(セイコーエプソン株式会社の商品名)
を使用して、PM写真用紙(セイコーエプソン株式会社
の商品名)に高精細カラーデジタル標準画像データ(IS
O/JIS-SCID)の画像名称ポートレート(サンプル番号
1、画像の識別記号N1)を印刷することで記録物を作
製した。
【0087】(5)耐光性試験およびファイル黄変試験 耐光性試験およびファイル黄変試験は、それぞれ、前記
“(2)耐光性試験”および“(3)ファイル黄変試
験”で述べたものと同様に行ったが、ファイル黄変試験
の判断基準は以下の通りとする。 判断基準 放置前の記録物の状態と比較して変化なし :A 放置前の記録物の状態と比較してマゼンタ色およびその周辺部が黄ばんだ:B
【0088】
【表2】
【0089】以上の結果より、ヒンダードアミン系化合
物と上記一般式(1)で示されるベンゾトリアゾール系
化合物とを含有する実施例2のインクジェット用インク
を用いて印刷された記録物は、耐光性に優れ、かつファ
イル黄変もほとんど発生しなかった。一方、ヒンダード
アミン系化合物を含有するものの、ベンゾトリアゾール
系化合物を含有しない比較例3のインクジェット用イン
クを用いて印刷された記録物は、耐光性には優れたもの
の、ファイル黄変が発生した。また、インク受容層内
に、上記一般式(1)で示されるベンゾトリアゾール系
化合物を含有するものの、ヒンダードアミン系化合物を
含有しない比較例4のインクジェット用インクを用いて
印刷された記録物は、ファイル黄変は発生しなかった
が、画像の耐光性は良好なものとはならなかった。
【0090】以上の結果より、本発明に係るインクジェ
ット記録方法を使用することによって、すなわち、本発
明に係るインクジェット用記録媒体または本発明に係る
インクジェット用インクの少なくともいずれかを使用す
ることによって、耐光性に優れ、かつファイル黄変がほ
とんど発生しない記録物が得られることを確認した。
【0091】(実施例3)カラーインクカートリッジI
C5CL05(セイコーエプソン株式会社の商品名)の
濃淡2種類のマゼンタインクを上記比較例3のインクジ
ェット用インクに代えたインクカートリッジと、ブラッ
クインクカートリッジIC1BK05(セイコーエプソ
ン株式会社の商品名)とを搭載したインクジェットプリ
ンタPM−800C(セイコーエプソン株式会社の商品
名)を使用して、上記比較例2のインクジェット用記録
媒体に高精細カラーデジタル標準画像データ(ISO/JIS-
SCID)の画像名称ポートレート(サンプル番号1、画像
の識別記号N1)を印刷することで記録物を作製した。
【0092】実施例3のインクジェット記録方法に従っ
て得られた記録物に対して、前記“(2)耐光性試験”
および“(3)ファイル黄変試験”で述べたものと同様
の耐光性試験およびファイル黄変試験を行ったところ、
共に、“A”判定の結果が得られた。以上の結果より、
本発明に係る他のインクジェット記録方法を使用するこ
とによっても、すなわち、インク受容層中に上記一般式
(1)で示されるベンゾトリアゾール系化合物を含有す
る記録媒体に対して、ヒンダードアミン系化合物を含有
するインクジェット用インクを記録することによって
も、耐光性に優れ、かつファイル黄変がほとんど発生し
ない記録物が得られることを確認した。
【0093】
【発明の効果】請求項1に係るインクジェット用記録媒
体によれば、基材上にインク受容層が設けられたインク
ジェット用記録媒体であって、前記インク受容層中に、
ヒンダードアミン系化合物と上記一般式(1)で示され
るベンゾトリアゾール系化合物とが含有されるので、耐
光性に優れ、かつファイル黄変がほとんど発生しない記
録物を得ることのできるインクジェット用記録媒体を提
供できる。
【0094】請求項2に係るインクジェット用記録媒体
によれば、前記インク受容層の全重量に対する前記ヒン
ダードアミン系化合物の添加量が0.01重量%〜3.
0重量%であるので、記録物の画像の耐光性を確実に優
れたものとでき、かつ、記録物がクリアファイルの中に
一定時間保管されても、ファイル黄変の発生をより確実
防止できる。よって、特に、画像の耐光性に優れ、かつ
ファイル黄変がほとんど発生しない記録物を得ることの
できるインクジェット用記録媒体を提供できる。
【0095】請求項3に係るインクジェット用記録媒体
によれば、前記インク受容層の全重量に対する前記ベン
ゾトリアゾール系化合物の添加量が0.1重量%〜5.
0重量%であるので、記録物がクリアファイルの中に一
定時間保管されても、ファイル黄変の発生をより確実防
止でき、かつ、ベンゾトリアゾール系化合物の添加量が
5.0重量%以下であるため、インクの記録媒体に対す
る吸収性を確実に確保でき、画像の画質を劣化させるこ
とはない。よって、特に、ファイル黄変がほとんど発生
しない記録物を得ることのできるインクジェット用記録
媒体を提供できる。
【0096】請求項4に係るインクジェット用インクに
よれば、少なくとも、着色剤と、ヒンダードアミン系化
合物と、上記一般式(1)で示されるベンゾトリアゾー
ル系化合物とを含有しているので、耐光性に優れ、かつ
ファイル黄変がほとんど発生しない記録物を得ることの
できるインクジェット用インクを提供できる。
【0097】請求項5に係るインクジェット用インクに
よれば、前記インクジェット用インクの全重量に対する
前記ヒンダードアミン系化合物の添加量が0.01重量
%〜2.0重量%であるので、記録物の画像の耐光性を
確実に優れたものとでき、かつ、記録物がクリアファイ
ルの中に一定時間保管されても、ファイル黄変の発生を
より確実防止できる。よって、特に、画像の耐光性に優
れ、かつファイル黄変がほとんど発生しない記録物を得
ることのできるインクジェット用インクを提供できる。
【0098】請求項6に係るインクジェット用インクに
よれば、前記インクジェット用インクの全重量に対する
前記ベンゾトリアゾール系化合物の添加量が0.01重
量%〜3.0重量%であるので、記録物がクリアファイ
ルの中に一定時間保管されても、ファイル黄変の発生を
より確実防止でき、かつ、記録ヘッドに設けられるノズ
ルの目詰まりを確実に防止できるので、画像の画質を劣
化させることはない。よって、特に、ファイル黄変がほ
とんど発生しない記録物を得ることのできるインクジェ
ット用インクを提供できる。
【0099】請求項7に係るインクジェット記録方法に
よれば、前記インクジェット用記録媒体および/または
前記インクジェット用インクを使用して記録するので、
得られた記録物の画像には、ヒンダードアミン系化合物
および上記一般式(1)で示されるベンゾトリアゾール
系化合物が含有されるので、画像の保存性、特に耐光性
に優れ、かつファイル黄変がほとんど発生しない記録物
を得ることのできるインクジェット記録方法を提供でき
る。
【0100】請求項8に係るインクジェット記録方法に
よれば、基材上にインク受容層が設けられたインクジェ
ット用記録媒体とインクジェット用インクとを使用して
記録するインクジェット記録方法であって、前記インク
受容層中に、上記一般式(1)で示されるベンゾトリア
ゾール系化合物を含有させるとともに、前記インクジェ
ット用インクに、少なくとも着色剤とヒンダードアミン
系化合物とを含有させるので、画像の室内保存性、特に
耐光性に優れ、かつファイル黄変がほとんど発生しない
記録物を得ることのできるインクジェット記録方法を提
供できる。
【0101】請求項9に係るインクジェット記録方法に
よれば、前記インク受容層の全重量に対する前記ベンゾ
トリアゾール系化合物の添加量を0.1重量%〜5.0
重量%とすることを特徴としているので、特に、画像の
耐光性に優れ、かつファイル黄変がほとんど発生しない
記録物を得ることのできるインクジェット記録方法とす
ることができる。
【0102】請求項10に係るインクジェット記録方法
によれば、前記インクジェット用インクの全重量に対す
る前記ヒンダードアミン系化合物の添加量を0.01重
量%〜2.0重量%とするので、特に、画像の耐光性に
優れ、かつファイル黄変がほとんど発生しない記録物を
得ることのできるインクジェット記録方法を提供でき
る。
【0103】請求項11に係る記録物によれば、前記イ
ンクジェット記録方法によって画像記録された記録物で
あるので、得られた記録物の画像には、ヒンダードアミ
ン系化合物および上記一般式(1)で示されるベンゾト
リアゾール系化合物が含有される。よって、画像の保存
性、特に耐光性に優れ、かつファイル黄変の発生しない
記録物を提供できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 北村 和彦 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内 Fターム(参考) 2C056 FC01 FC06 2H086 BA15 BA31 BA38 BA41 BA59 BA62 4J039 BA29 BC07 BC12 BC16 BC19 BC20 BC33 BC36 BC37 BC47 BC50 BC52 BC54 BC65 BC68 BE03 BE04 BE05 BE06 CA03 EA15 EA16 EA17 EA19 EA34 EA35 GA24

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材上にインク受容層が設けられたイン
    クジェット用記録媒体であって、前記インク受容層中
    に、ヒンダードアミン系化合物と下記一般式(1)で示
    されるベンゾトリアゾール系化合物とが含有されたこと
    を特徴とするインクジェット用記録媒体。 【化1】
  2. 【請求項2】 前記インク受容層の全重量に対する前記
    ヒンダードアミン系化合物の添加量が0.01重量%〜
    3.0重量%であることを特徴とする請求項1に記載の
    インクジェット用記録媒体。
  3. 【請求項3】 前記インク受容層の全重量に対する前記
    ベンゾトリアゾール系化合物の添加量が0.1重量%〜
    5.0重量%であることを特徴とする請求項1または2
    に記載のインクジェット用記録媒体。
  4. 【請求項4】 少なくとも、着色剤と、ヒンダードアミ
    ン系化合物と、下記一般式(1)で示されるベンゾトリ
    アゾール系化合物とを含有するインクジェット用イン
    ク。 【化2】
  5. 【請求項5】 前記インクジェット用インクの全重量に
    対する前記ヒンダードアミン系化合物の添加量が0.0
    1重量%〜2.0重量%であることを特徴とする請求項
    4に記載のインクジェット用インク。
  6. 【請求項6】 前記インクジェット用インクの全重量に
    対する前記ベンゾトリアゾール系化合物の添加量が0.
    01重量%〜3.0重量%であることを特徴とする請求
    項4または5に記載のインクジェット用インク。
  7. 【請求項7】 請求項1〜3のいずれかに記載のインク
    ジェット用記録媒体および/または請求項4〜6に記載
    のインクジェット用インクを使用して記録するインクジ
    ェット記録方法。
  8. 【請求項8】 基材上にインク受容層が設けられたイン
    クジェット用記録媒体とインクジェット用インクとを使
    用して記録するインクジェット記録方法であって、前記
    インク受容層中に、下記一般式(1)で示されるベンゾ
    トリアゾール系化合物を含有させるとともに、前記イン
    クジェット用インクに、少なくとも着色剤とヒンダード
    アミン系化合物とを含有させるインクジェット記録方
    法。 【化3】
  9. 【請求項9】 前記インク受容層の全重量に対する前記
    ベンゾトリアゾール系化合物の添加量を0.1重量%〜
    5.0重量%とすることを特徴とする請求項8に記載の
    インクジェット記録方法。
  10. 【請求項10】 前記インクジェット用インクの全重量
    に対する前記ヒンダードアミン系化合物の添加量を0.
    01重量%〜2.0重量%とすることを特徴とする請求
    項8または9に記載のインクジェット記録方法。
  11. 【請求項11】 請求項7〜10のいずれかに記載のイ
    ンクジェット記録方法によって画像記録された記録物。
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