JP2000289328A - カチオン性樹脂を含むインク組成物を用いたインクジェット記録方法 - Google Patents

カチオン性樹脂を含むインク組成物を用いたインクジェット記録方法

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JP2000289328A
JP2000289328A JP10589499A JP10589499A JP2000289328A JP 2000289328 A JP2000289328 A JP 2000289328A JP 10589499 A JP10589499 A JP 10589499A JP 10589499 A JP10589499 A JP 10589499A JP 2000289328 A JP2000289328 A JP 2000289328A
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Hiroko Hayashi
広 子 林
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インク受容層またはコート層を有する特殊記
録媒体において、良好な画像、とりわけ耐水性および耐
光性に優れ、さらに光沢性および発色性ならびに乾燥性
に優れた画像が実現できるインクジェット記録方法の提
供。 【解決手段】 下記の式(I)中の式(a)で表される
繰り返し単位(a)および式(b)で表される繰り返し
単位(b)を含んでなるカチオン系水溶性ポリマーを少
なくとも含んでなるインク組成物と、その表面近傍に一
価の金属の塩を含んでなる記録媒体とを用いることによ
り、良好な画像、とりわけ光沢性および発色性ならびに
乾燥性に優れた画像が実現できる。 【化1】 (上記式中、R1およびR2 は、同一でも異なっていて
もよく、C1-5 アルキル基を表し、R3は、水素原子ま
たはC1-5 アルキル基を表し、nは0、1、または2を
表す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の背景】発明の分野 本発明は、記録媒体にインク組成物とを付着させて印字
を行うインクジェット記録方法に関する。
【0002】背景技術 インクジェット記録方式ではインクを小滴として噴射
し、紙等の記録媒体に付着させることで記録を行ってい
る。この方式は比較的安価な装置で画像の高解像度化、
記録速度の高速化が可能である。しかもカラー化におい
て鮮明で高品位な記録画像を得やすいという特徴を有し
ている。近年、インクジェット記録における記録紙上で
の耐水性の向上が求められてきており、耐水性ある画像
を実現可能なインクジェット記録用水性インクとして、
水溶性のカチオン性樹脂とアニオン性染料との組合せが
種々検討されている。
【0003】インクにカチオン性樹脂を添加して耐水性
を与える方法として、特開昭62−119280号公報
には、ヒドロキシエチル化ポリエチレンイミンポリマー
と染料成分とからなるインクが開示されている。ポリエ
チレンイミンと直接、あるいは酸性、反応性染料との組
み合わせにおいて耐水性が発現している。
【0004】特開平2−255876号、特開平2−2
96878号、および特開平3−188174号各公報
には、分子量300以上の1級アミノ基を有するポリア
ミンと、アニオン染料と、尿素、チオ尿素等の安定性付
与剤とからなるインク組成物が開示されている。ここで
は、1級アミンとアニオン染料の組み合わせにおいて耐
水性を発現している。
【0005】特開平7−305011号公報には、塩基
性水溶性高分子、揮発性塩基を対イオンとするアニオン
染料、および揮発性塩基を対イオンとする緩衝剤からな
る水性インクが開示されている。揮発性塩基でインク中
の高分子の解離を抑制し、紙上では揮発性塩基を蒸発さ
せて高分子と染料間の造塩反応を進行させて、耐水性を
得ている。
【0006】アニオン性染料を含むインクにカチオン系
樹脂を添加して耐水性を与える上記手法にあっては、画
像の耐水性は記録媒体上で染料アニオンと樹脂カチオン
とが反応することにより発現すると考えられる。これは
水分が十分存在するインクの状態では各々溶解状態にあ
り、上記反応の平衡状態は大きく析出物が生じない方向
に偏るが、印刷後ある程度乾燥して水分が減少すると両
者が反応して析出物が生じる方向に大きく傾く。これに
より画像は耐水化する。
【0007】ところが、上記系のインクは、カチオン系
樹脂を添加していないインクと比較して、特にカラー写
真と同等以上の高品質な記録画像を要求される特殊記録
媒体(例えば、光沢紙、光沢フィルム等)への印字記録
においては、場合により十分な記録画像を得られない現
象、具体的には、光沢性の消失または減少、さらには発
色性の低下、インクの浸透性の低下が観察された。高品
質な画像を要求されるが故に特殊記録媒体を用いてい
る。にもかかわらず、光沢性が消失して画像品質が劣化
してしまうことは極めて不利である。
【0008】
【発明の概要】本発明者等は、今般、インクジェット記
録方法において、特定構造のカチオン性水溶性樹脂を含
んでなるインク組成物と、一価の金属の塩を含んでなる
記録媒体とを組み合わせて用いることにより、良好な画
像、とりわけ光沢性および発色性ならびに乾燥性に優れ
た画像が実現できる、との知見を得た。また、この組み
合わせによって耐水性および耐光性に優れた画像の実現
においても有利であるとの知見もまた得た。本発明はか
かる知見に基づくものである。
【0009】従って、本発明は、良好な画像、とりわけ
耐水性および耐光性に優れ、さらに光沢性および発色性
ならびに乾燥性に優れた画像が実現できるインクジェッ
ト記録方法の提供をその目的としている。
【0010】そして、本発明によるインクジェット記録
方法は、インク組成物の液滴を吐出し、該液滴を記録媒
体に付着させて印刷を行うインクジェット記録方法であ
って、水、アルカリ可溶性の着色剤、および下記の式
(I)中の式(a)で表される繰り返し単位(a)およ
び式(b)で表される繰り返し単位(b)を含んでなる
カチオン性水溶性ポリマーを少なくとも含んでなるイン
ク組成物を用い、かつその表面近傍に一価の金属の塩を
含んでなる記録媒体を用いることを特徴とする、インク
ジェット記録方法:
【0011】
【化2】 (上記式中、 R1およびR2 は、同一でも異なっていてもよく、C1-5
アルキル基を表し、 R3は、水素原子またはC1-5 アルキル基を表し、 nは0、1、または2を表す。)
【0012】
【発明の具体的説明】インクジェット記録方法 本発明によるインクジェット記録方法は、インク組成物
の液滴を吐出し、該液滴を記録媒体に付着させて印刷を
行うインクジェット記録方法を基本とする。そして、イ
ンク組成物として上記式(I)で表されるカチオン系水
溶性ポリマーを含んでなるインク組成物を用い、かつ記
録媒体としてその表面近傍に一価の金属の塩を含んでな
る記録媒体を用いることを特徴とする。
【0013】上記式(I)で表されるカチオン系水溶性
ポリマーは、インク組成物中では安定的に溶解してい
る。このインクを記録媒体上に付着させると、カチオン
性水溶性樹脂は着色剤と静電的な相互作用を生じ、一方
でこの樹脂は記録媒体とも相互作用を生じ、記録媒体上
に安定的に固定され得る。記録媒体への樹脂の固定化に
伴い、着色剤も樹脂と共に記録媒体に固定され、画像の
耐水性が付与されると考えられる。また、着色剤が記録
媒体に良好に固定される結果、にじみの少ない画像が実
現できると考えられる。
【0014】しかしながら、上記式(I)で表されるカ
チオン系水溶性ポリマーを含んでなるインク組成物をコ
ート紙などと呼ばれるインク受容層または光沢層をその
表面に有する記録媒体に印刷すると、記録媒体表面にお
いてインク組成物が直ちに不溶化して記録媒体内部に浸
透せず、表面に残る現象が観察された。このようなイン
ク組成物の残留は、画像の光沢を消失させ、色再現性お
よび乾燥性を悪化させる。本発明者らの得た知見によれ
ば、このような画像の劣化は、カチオン系水溶性ポリマ
ーを含んでなるインク組成物が記録媒体表面のpHの影
響を受けやすいものとなっていることに原因が有ると思
われる。すなわち、記録媒体の表面のpHが酸性側にあ
ると、インク組成物が記録媒体の表面と接触した直後
に、アルカリ可溶性の着色剤とカチオン系水溶性ポリマ
ーとが不溶化して析出し、インク組成物がそれ以上記録
媒体に浸透せず、記録媒体表面に残ってしまうことが原
因と思われる。
【0015】本発明にあっては、記録媒体の表面近傍に
一価の金属の塩を存在させる。この塩は、インク組成物
と接触したとき一種の緩衝剤として作用し、着色剤とカ
チオン系水溶性ポリマーとの反応を穏やかにし、上記し
たような耐水性および耐光性を十分保証しながら、過剰
な析出物の発生を防止する効果があるものと思われる。
上記はあくまで仮定であって、本発明は上記機構に限定
されるものではない。
【0016】インク組成物 本発明において用いられるインク組成物は、基本的に、
水と、アルカリ可溶性の着色剤と、カチオン性水溶性樹
脂とを少なくとも含んでなり、ここでカチオン性水溶性
樹脂とは、前記の式(I)で表される繰り返し単位を含
んでなるものである。
【0017】本発明に用いられる式(I)で表されるカ
チオン性水溶性樹脂において、R1およびR2 は、同一
でも異なっていてもよく、C1-5 アルキル基、好ましく
はC 1-3 アルキル基、より好ましくはメチル基、を表
す。またR3 は、水素原子もしくはC1-5 アルキル基、
好ましくはC1-3 アルキル基、より好ましくはメチル
基、を表す。最も好ましくはR1 、R2 、およびR3
同時にメチル基を表す場合である。
【0018】式(I)において、nは0、1、または2
を表すが、好ましくは1を表す場合である。
【0019】また、式(I)において、単位(a)と単
位(b)との存在比は、2:8〜7:3の範囲にあるこ
とが好ましい。このようなカチオン性水溶性樹脂を用い
ることにより、より高い次元でのインク保存安定性と高
アルカリ紙上における耐水性が得られる。また、この二
つの繰り返し単位の存在形態は、ブロックであっても、
ランダムであってもよい。
【0020】本発明の好ましい態様によれば、カチオン
性水溶性樹脂の重量平均分子量は250〜20,000
程度の範囲であるのが好ましく、より好ましくは400
〜10,000程度の範囲であり、最も好ましくは50
0〜3,000の範囲である。本発明の好ましい態様に
よれば、上記のカチオン性水溶性樹脂は反応液全量に対
して0.1〜20重量%の範囲であるのが好ましく、よ
り好ましくは0.5〜10重量%の範囲である。
【0021】本発明の好ましい態様によれば、本発明に
よるインク組成物に含まれるチオン性水溶性樹脂は、単
位(a)および単位(b)以外の構造単位を含んでなる
ことができる。このような第三の単位を含むことで、カ
チオン性水溶性樹脂の種々の特性を改善することができ
る。第三の単位を与えるモノマーとしては、プロピレ
ン、イソブチレン、スチレン、塩化ビニル、塩化ビニリ
デン、酢酸ビニル、アクリル酸またはアクリル酸エステ
ル(例えば、低級アルキルエステル)、メタクリル酸ま
たはメタクリル酸エステル(例えば、低級アルキルエス
テル)、アクロニトリル、メチルビニルエーテル、ビニ
ルピロリドン、または二酸化硫黄等が挙げられる。これ
らモノマーに由来する単位のカチオン性水溶性樹脂中の
存在量は特に限定されないが、式(I)で表される各々
の繰り返し単位のモル数の和との比で0.7以下が好ま
しく、より好ましくは0.3以下である。また、これら
単位のカチオン性水溶性樹脂中での存在は、ブロックで
あっても、ランダムであってもよい。
【0022】また、本発明の好ましい態様によれば、本
発明によるインク組成物は、上記カチオン性水溶性樹脂
以外の水溶性樹脂を含んでなることができる。そのよう
な水溶性樹脂としては、ノニオン性水溶性樹脂が好まし
く、例えば、ポリアクリルアミド、ポリヒドロキシエチ
ルメタクリレート等のポリメタクリル酸ヒドロキシエス
テル、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、
ポリエチレングリコール等が用いられる。これらの水溶
性樹脂の添加によってインク組成物をさらに安定化させ
ることができる。
【0023】本発明によるインク組成物に含まれるアル
カリ可溶性の着色剤は、染料、顔料のいずれであっても
よい。ここで、アルカリ可溶性とは、アルカリ性の媒体
に溶解することを意味し、分子中に含まれる水溶性基が
酸性または塩基性の解離性基、あるいは非解離性の官能
基、さらにそれらを複数種含むものであっても良い。ま
た、アルカリに溶解するのであれば酸性溶液に溶解する
着色剤であってもよい。
【0024】着色剤の存在量は適宜決定されてよいが、
例えばインク組成物全重量に対して0.5〜20重量%
の範囲で添加することが好ましい。この範囲にあること
で、充分な光学濃度の印刷画像が実現でき、またインク
ジェット記録方式に適当な粘度に調整しやすいからであ
る。
【0025】着色剤は、より好ましくは有機性の染料ま
たは有機性の顔料から選択される。これらは重量当たり
の発色濃度が高く、色彩が鮮やかなため適している。
【0026】染料は、水に溶解する有機性有色物質であ
り、カラーインデックスにおいて酸性染料、直接染料、
反応染料、可溶性建染染料、または食品用色素に分類さ
れているものが有用である。また、中性の水に不溶であ
ってもアルカリ水に可溶であれば、カラーインデックス
において油溶染料、塩基性染料に分類される着色剤を用
いることもできる。
【0027】顔料は、一般にカラーインデックスにおい
て顔料に分類されるものから選ばれてよい。顔料は一般
的に水に不溶の有機性有色物質とされるが、一部にはア
ルカリ可溶のものもあり、それらを利用することができ
る。
【0028】染料および顔料の例としては、黄色系とし
ては、C.I.アシッドイエロー1、3、11、17、
19、23、25、29、36、38、40、42、4
4、49、59、61、70、72、75、76、7
8、79、98、99、110、111、127、13
1、135、142、162、164、165、C.
I.ダイレクトイエロー1、8、11、12、24、2
6、27、33、39、44、50、55、58、8
5、86、87、88、89、98、110、132、
142、144、C.I.リアクティブイエロー1、
2、3、4、6、7、11、12、13、14、15、
16、17、18、22、23、24、25、26、2
7、37、42、C.I.フードイエロー3、4、C.
I.ソルベントイエロー15、19、21、30、10
9、C.I.ピグメントイエロー23等が挙げられる。
また、赤色系として、C.I.アシッドレッド1、6、
8、9、13、14、18、26、27、32、35、
37、42、51、52、57、75、77、80、8
2、85、87、88、89、92、94、97、10
6、111、114、115、117、118、11
9、129、130、131、133、134、13
8、143、145、154、155、158、16
8、180、183、184、186、194、19
8、209、211、215、219、249、25
2、254、262、265、274、282、28
9、303、317、320、321、322、C.
I.ダイレクトレッド1、2、4、9、11、13、1
7、20、23、24、28、31、33、37、3
9、44、46、62、63、75、79、80、8
1、83、84、89、95、99、113、197、
201、218、220、224、225、226、2
27、228、229、230、231、C.I.リア
クティブレッド1、2、3、4、5、6、7、8、1
1、12、13、15、16、17、19、20、2
1、22、23、24、28、29、31、32、3
3、34、35、36、37、38、39、40、4
1、42、43、45、46、49、50、58、5
9、63、64、C.I.ソルビライズレッド1、C.
I.フードレッド7、9、14、C.I.ピグメントレ
ッド41、48、54、57、57、58、63、6
8、81等が挙げられる。また、青色系として、C.
I.アシッドブルー1、7、9、15、22、23、2
5、27、29、40、41、43、45、54、5
9、60、62、72、74、78、80、82、8
3、90、92、93、100、102、103、10
4、112、113、117、120、126、12
7、129、130、131、138、140、14
2、143、151、154、158、161、16
6、167、168、170、171、182、18
3、184、187、192、199、203、20
4、205、229、234、236、249、C.
I.ダイレクトブルー1、2、6、15、22、25、
41、71、76、77、78、80、86、87、9
0、98、106、108、120、123、158、
160、163、165、168、192、193、1
94、195、196、199、200、201、20
2、203、207、225、226、236、23
7、246、248、249、C.I.リアクティブブ
ルー1、2、3、4、5、7、8、9、13、14、1
5、17、18、19、20、21、25、26、2
7、28、29、31、32、33、34、37、3
8、39、40、41、43、44、46、C.I.ソ
ルビライズバットブルー1、5、41、C.I.バット
ブルー29、C.I.フードブルー1、2、C.I.ベ
イシックブルー9、25、28、29、44、C.I.
ピグメントブルー1、17等が挙げられる。更に、黒色
系として、C.I.アシッドブラック1、2、7、2
4、26、29、31、48、50、51、52、5
8、60、62、63、64、67、72、76、7
7、94、107、108、109、110、112、
115、118、119、121、122、131、1
32、139、140、155、156、157、15
8、159、191、C.I.ダイレクトブラック1
7、19、22、32、35、38、51、56、6
2、71、74、75、77、94、105、106、
107、108、112、113、117、118、1
32、133、146、154、168、171、19
5、C.I.リアクティブブラック1、3、4、5、
6、8、9、10、12、13、14、18、C.I.
ソルビライズバットブラック1、C.I.フードブラッ
ク2等が挙げられる。これらの着色剤は単独、あるいは
複数種混合して用いることができる。
【0029】本発明によるインク組成物において、水は
主溶媒である。水は、イオン交換水、限外濾過水、逆浸
透水、蒸留水等の純水、または超純水を用いることがで
きる。また、紫外線照射、または過酸化水素添加などに
より滅菌した水を用いることにより、インク組成物を長
期保存する場合にカビやバクテリアの発生を防止するこ
とができるので好適である。
【0030】さらに本発明によるインク組成物は、塩基
性物質を含んでなることができる。塩基性物質として
は、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸
化リチウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸
化ストロンチウム、水酸化ラジウム、水酸化ベリリウ
ム、水酸化マグネシウム、アンモニア等の無機塩基、エ
チルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、プロ
ピルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミ
ン、tert−ブチルアミン、ジブチルアミン、ジイソ
ブチルアミン、イソプロピルアミン、sec−ブチルア
ミン、ペンチルアミン等のモノ−、ジ−あるいはトリ−
低級アルキルアミン類、3−エトキシプロピルアミン、
または3−メトキシプロピルアミン等の低級アルキル低
級ヒドロキシアルコキシアミン類、3−エトキシプロピ
ルアミン、または3−メトキシプロピルアミン等の低級
アルキル低級アルコキシアミン類、2−アミノエタノー
ル、2−(ジメチルアミノ)エタノール、2−(ジエチ
ルアミノ)エタノール、ジエタノールアミン、N−ブチ
ルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、アミノ
メチルプロパノール、またはトリイソプロパノールアミ
ン等のモノ−、ジ−あるいはトリ−低級ヒドロキシアル
キルアミン類、イミノビスプロピルアミン、3−ジエチ
ルアミノプロピルアミン、ジブチルアミノプロピルアミ
ン、メチルアミノプロピルアミン、ジメチルアミノプロ
パンジアミン、メチルイミノビスプロピルアミン等の有
機アミンを挙げることができる。これら塩基性物質は、
インク組成物中において、どのような組み合わせにおい
ても、カチオン性水溶性樹脂と着色剤を安定的に溶解さ
せ、それを保持する作用を示す。例えば、カチオン性水
溶性樹脂として酸付加塩物を用いた場合、アルカリ可溶
性の着色剤が溶解しない場合があるが、これら塩基性物
質を加えると、安定的に溶解できるようになる。
【0031】本発明によるインク組成物において、水溶
性有機溶剤は溶質を溶解する能力を持つ媒体を意味し、
蒸気圧が水より小さい水溶性の溶媒から選ばれるのが好
ましい。その例としては、エチレングリコール、プロピ
レングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、
2−ブテン−1,4−ジオール、2−メチル−2,4−
ペンタンジオール、グリセリン、1,2,6−ヘキサン
トリオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリ
コール等の多価アルコール類、アセトニルアセトン等の
ケトン類、γ−ブチロラクトン、ジアセチン、リン酸ト
リエチル等のエステル類、2−メトキシエタノール、2
−エトキシエタノール等の低級アルコキシ低級アルコー
ル類、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリル
アルコール、チオジグリコール等が挙げられる。また、
室温での形態が液体のもののみでなく、室温では固体で
あるが加熱溶融時に溶剤として機能するもの、水溶液あ
るいは他の溶剤と併用したときに溶剤として機能するも
のも含まれる。有機溶剤の蒸気圧が純水のそれよりも小
さいことにより、インクジェットヘッド先端でインクの
乾燥が進んでも、インク中の有機溶剤比率は低下するこ
とがなく溶解力は低下しないため、インクを安定に保持
することができるので好ましい。
【0032】水溶性有機溶剤の量は適宜決定されてよい
が、例えばインク全量に対して5〜50重量%の範囲で
添加されることがより好ましい。
【0033】さらに本発明の好ましい態様によれば、本
発明によるインク組成物は、次のような有機溶剤をさら
に含んでなることができる。すなわち、本発明によるイ
ンク組成物は、イミダゾール、メチルイミダゾール、ヒ
ドロキシイミダゾール、トリアゾール、ニコチンアミ
ド、ジメチルアミノピリジン、ε−カプロラクタム、
1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、乳酸アミ
ド、スルホラン、ジメチルスルホキシド、1,3−プロ
パンスルトン、カルバミン酸メチル、カルバミン酸エチ
ル、1−メチロール−5,5−ジメチルヒダントイン、
ヒドロキシエチルピペラジン、ピペラジン、エチレン尿
素、プロピレン尿素、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、
ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリジノ
ン、2−ピロリジノン、アセトアミド、ホルムアミド、
ジメチルホルムアミド、N−メチルホルムアミド、ジメ
チルアセトアミド等を含んでなることができる。これら
有機溶剤の添加によって、例えばインクを冷却した際に
も析出が生じることがなく、またそのような環境下でも
安定して印刷が実施できる。
【0034】本発明によるインク組成物には、さらに必
要に応じてインクジェット記録用インクに一般的に用い
られている助剤を添加することもできる。例えば、浸透
促進剤、粘度調整剤、表面張力調整剤、ヒドロトロピー
剤、保湿剤、pH調整剤、防カビ剤、キレート剤、防腐
剤、防錆剤等を添加することができる。また、インクを
帯電するインクジェット記録方式に使用する場合は、塩
化リチウム、塩化ナトリウム、塩化アンモニウム等の無
機塩類から選ばれる比抵抗調製剤を添加することができ
る。
【0035】浸透促進剤としては、エタノール、イソプ
ロパノール、ブタノール、ペンタノール等の低級アルコ
ール類、エチレングリコールモノブチルエーテル等のセ
ロソルブル類、ジエチレングリコールモノブチルエーテ
ル、トリエチレングリコールモノブチルエーテルグリコ
ールエーテル等のカルビトール類、界面活性剤等を挙げ
ることができる。
【0036】また、表面張力調整剤としては、ジエタノ
ールアミン、トリエタノールアミン、グリセリン、ジエ
チレングリコール等のアルコール類、ノニオン、カチオ
ン、アニオン、あるいは両性界面活性剤を挙げることが
できる。
【0037】また、ヒドロトロピー剤としては、尿素、
アルキル尿素、エチレン尿素、プロピレン尿素、チオ尿
素、グアニジン酸塩、ハロゲン化テトラアルキルアンモ
ニウム等が好ましい。
【0038】保湿剤としては、グリセリン、ジエチレン
グリコール等を水溶性有機溶剤と兼ねるものとして添加
することもできる。更に、マルチトール、ソルビトー
ル、グルコノラクトン、マルトース等の糖類を添加する
こともできる。
【0039】記録媒体 本発明に用いられる記録媒体は、基本的にインク受容層
および/またはコート層と基材とから構成される。
【0040】本発明にあっては、記録媒体の表面近傍、
すなわちインク受容層またはコート層の表面近傍に一価
の金属の塩を存在させる。一価の金属は、好ましくはア
ルカリ金属であり、特にナトリウムおよびカリウムが好
ましいものとして挙げられる。また、塩を構成するカウ
ンターアニオンとしては、ハロゲンイオン、特に塩素イ
オン、ヨウ素イオン、臭素イオン、チオ硫酸イオン、硫
酸イオンなどが挙げられる。従って、本発明において好
ましい塩の具体例としては、塩化カリウム、塩化ナトリ
ウム、チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸カリウム、硫酸ナ
トリウム、硫酸カリウムなどが挙げられる。
【0041】一価の金属の塩の存在量は、良好な画像品
質が得られる範囲で適宜決定されてよいが、記録媒体の
インク受容層中の含有量は5〜500mg/cm2程度
が好ましく、より好ましくは10〜200mg/cm2
程度である。
【0042】これら金属の塩は、後記するインク受容層
またはコート層の製造にあたり、インク受容層前駆体ま
たはコート層前駆体に添加されて、記録媒体とされるこ
とで添加されてよい。
【0043】インク受容層またはコート層は、いわゆる
水溶性樹脂から構成され、インク組成物を吸収、膨潤し
て画像を形成するもの、または微粒子を含んでなり、イ
ンク組成物中の着色剤を該微粒子自体が吸着し、または
微粒子と微粒子の空隙に保持し、画像を形成するものの
いずれであってもよい。さらに、本発明による記録媒体
においては、このインク受容層は透明であっても実質的
に不透明であってもよい。
【0044】本発明の好ましい態様によれば、インク受
容層が水溶性樹脂から構成される場合、好ましい水溶性
樹脂の例としては、ポリビニルアルコール、変性ポリビ
ニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、カルボ
キシメチルセルロースなどのセルロース系樹脂、ポリビ
ニルピロリドン、デンプン、カゼイン、ゼラチン、ポリ
アクリルアミド、スチレン−ブタジエン共重合ラテック
ス、カルボキシル変性スチレンブタジエン共重合ラテッ
クス、アクリルエマルジョンなどが挙げられる。
【0045】また、インク受容層が微粒子を含んでなる
ものである場合、インク受容層は、基本的に顔料および
結着剤を主成分として好ましくは形成される。ここで、
顔料としては、例えばシリカ、コロイダルシリカ、クレ
ー、マイカ、膨潤性雲母、タルク、カオリン、ケイソウ
土、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、ケイ酸アルミニウ
ム、合成ゼオライト、アルミナ、リトポン、サチンホワ
イト等の顔料及び、有機または無機の着色顔料が挙げら
れる。また、結着剤としては、例えば、アクリル系樹
脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、スチレン−
ブタジエン共重合樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン
共重合樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、水溶性ポリ
ビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、そ
の他のビニル系樹脂、アミド系樹脂、酸化澱粉、カゼイ
ン、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、
シリコーン系樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン
変性フェノール樹脂、アルキド樹脂、クマロン−インデ
ン樹脂等の水溶性樹脂および水性エマルジョン樹脂が挙
げられる。また、本発明の好ましい態様によれば、微粒
子を含んでなるインク受容層は、アルミナゾル、すなわ
ちアルミナ水和物、最も好ましくは擬ベーマイト、から
なる多孔質層として形成されてよい(例えば、特開平2
−276670号、特開平2−139275号、特開平
6−297831号)。
【0046】本発明におけるインク受容層の組成は、イ
ンク吸収性、インク乾燥性、記録画像の鮮明性などを考
慮して適宜決定されてよい。
【0047】本発明による記録媒体のインク受容層に
は、記録媒体の特性を改善する他の成分が添加されてよ
い。例えば、インク受容層の耐水性の向上、インクの滲
み防止機能を付与するためにメラミンホルムアルデヒド
樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、アクリルアミド系樹
脂、グリオキザール、炭酸ジルコニウムアンモニウム等
の耐水化剤を添加してもよい。更に、光安定化剤(例え
ば、ヒンダートアミン系光安定化剤)、酸化防止剤、ク
エンチャ剤などが添加されてもよい。また、インクジェ
ット記録用紙の生産性、記録特性、あるいは保存安定性
をより高めるための、分散剤、蛍光染料、pH調整剤、
消泡剤、湿潤剤、防腐剤などを加えてもよい。更に、本
発明による記録媒体に記録を行うインク組成物は、紫外
線吸収剤を含んでいてもよい。
【0048】本発明による記録媒体の基材としては、光
沢層または後記するインク受容層を支持でき、記録媒体
としての強度を有するものでれば特に限定されず、透明
性、不透明性いずれであってもい。不透明性基材として
は、布、木材、金属板、紙などが挙げられ、更に後記す
る透明性基材を不透明化処理したものを利用することも
できる。
【0049】本発明による記録媒体は、例えば次のよう
に製造することがでる。一価の金属の塩と、上記インク
受容層またはコート層の成分を適当な溶剤に溶解または
分散させて塗工液を調製し、この塗工液を基材に塗布す
ることにより製造されてよい。塗工液の塗布は、例えば
ロールコーティング法、ブレードコーティング法、エア
ナイフコーティング法、ロッドバーコーティング法、グ
ラビアコーティング法、コンマコーティング法、ダイコ
ーティング法などの方法を利用して実施することができ
る。また、一価の金属塩を含まない上記インク受容層ま
たはコート層の塗工液を調製し、インク受容層またはコ
ート層を上記方法より形成し、その後一価の金属塩の水
溶液を塗布し、乾燥させることによって得ることも可能
である。
【0050】
【実施例】以下本発明を以下の実施例によって詳細に説
明するが、本発明はこれらに限定されるれものではな
い。
【0051】なお、以下の実施例において、特に断らな
いかぎり%は重量%である。
【0052】合成例1:ポリアリルアミン(PAA)塩
酸塩の調製 モノアリルアミン57.1g(1モル)に36%塩酸1
01.4g(1モル)を加え、59%のモノアリルアミ
ン塩酸塩水溶液を得た。ロータリーエバポレーターで6
7%まで濃縮し、ここへ2,2’−アゾビス−(2−ア
ミジノプロパン)・2塩酸塩を0.01モル加え、50
℃にて24時間重合した。重合終了後、精製し、乾燥し
て、PAAの塩酸塩を得た。
【0053】合成例2:PAA塩酸塩の脱塩酸調製 合成例1で得たPAAの塩酸塩10gを超純水90gに
溶解し、あらかじめ水酸化ナトリウムでイオン交換した
イオン交換樹脂(IRA900:オルガノ製)を用い
て、酸部を除去した。得られた樹脂の重量平均分子量は
5,000であった。
【0054】例1:カチオン性水溶性樹脂1の調製 特願平9−352007号明細書に記載の材料と方法を
用いて、平均分子量が1,400、式(I)中のnが1
で、R1 、R2 およびR3 がいずれもメチル基、単位
(a):単位(b)=7:3である、カチオン性水溶性
樹脂1(塩酸塩タイプ)を得た。またこの樹脂の15%
水溶液を用いて、あらかじめ水酸化ナトリウムでイオン
交換したイオン交換樹脂(IRA900:オルガノ製)
で酸部を除去し、カチオン性水溶性樹脂1(フリータイ
プ)を得た。
【0055】例2:カチオン性水溶性樹脂2の調製 例1と同様にして、平均分子量が2,400、式(I)
中のnが1で、R1 、R2 およびR3 がいずれもメチル
基、単位(a):単位(b)=7:3である、カチオン
性水溶性樹脂2(塩酸塩タイプ)を得た。またこの樹脂
の15%水溶液を用いて、あらかじめ水酸化ナトリウム
でイオン交換したイオン交換樹脂(IRA900:オル
ガノ製)で酸部を除去し、カチオン性水溶性樹脂2(フ
リータイプ)を得た。
【0056】例3:カチオン性水溶性樹脂3の調製 例1と同様にして、平均分子量が2,200、式(I)
中のnが1で、R1 およびR2 がいずれもメチル基、R
3 が水素原子、単位(a):単位(b)=6:4であ
る、カチオン性水溶性樹脂3(塩酸塩タイプ)を得た。
またこの樹脂の15%水溶液を用いて、あらかじめ水酸
化ナトリウムでイオン交換したイオン交換樹脂(IRA
900:オルガノ製)で酸部を除去し、カチオン性水溶
性樹脂3(フリータイプ)を得た。
【0057】例4:カチオン性水溶性樹脂4の調製 例1と同様にして、平均分子量が1,700、式(I)
中のnが1で、R1 およびR2 がいずれもメチル基、R
3 が水素原子、単位(a):単位(b)=4:6であ
る、カチオン性水溶性樹脂4(塩酸塩タイプ)を得た。
またこの樹脂の15%水溶液を用いて、あらかじめ水酸
化ナトリウムでイオン交換したイオン交換樹脂(IRA
900:オルガノ製)で酸部を除去し、カチオン性水溶
性樹脂4(フリータイプ)を得た。
【0058】例5:カチオン性水溶性樹脂5の調製 例1と同様にして、平均分子量が1,400、式(I)
中のnが1で、R1 およびR2 がいずれもメチル基、R
3 が水素原子、単位(a):単位(b)=3:7であ
る、カチオン性水溶性樹脂5(塩酸塩タイプ)を得た。
またこの樹脂の15%水溶液を用いて、あらかじめ水酸
化ナトリウムでイオン交換したイオン交換樹脂(IRA
900:オルガノ製)で酸部を除去し、カチオン性水溶
性樹脂5(フリータイプ)を得た。
【0059】例6:カチオン性水溶性樹脂6の調製 例1と同様にして、平均分子量が300、式(I)中の
nが1で、R1 、R2、およびR3 がいずれもメチル
基、 単位(a):単位(b)=2:8である、カチオ
ン性水溶性樹脂6(塩酸塩タイプ)を得た。またこの樹
脂の15%水溶液を用いて、あらかじめ水酸化ナトリウ
ムでイオン交換したイオン交換樹脂(IRA900:オ
ルガノ製)で酸部を除去し、カチオン性水溶性樹脂6
(フリータイプ)を得た。
【0060】記録媒体の調製 記録媒体1 塩化カリウムをその表面近傍に含んでなる記録媒体を次
のようにして調製した。アルミニウムアルコキシドの加
水分解・解膠法により合成した、固形分18重量%のア
ルミナゾル100gと、ポリビニルアルコール6.2重
量%水溶液32gとを混合して塗工液とした。この塗工
液をポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ100
μm、白色)上に、乾燥後の塗工量が26g/m2とな
るようにバーコーターを用いて塗布し、乾燥して擬ベー
マイト層を形成した。さらに、一次粒径10〜20mm
のシリカゾルと、シラノール基を有するポリビニルアル
コール共重合体(株式会社クラレ製、商品名R−ポリマ
ーR−1130)とからなる固形分5重量%(共重合体
/SiO2=0.3)のシリカゲル塗工液を用意した。
この塗工液90gに、塩化カリウムの5重量%水溶液を
10g添加し、混合した。この混合液を、上記で得た疑
ベーマイト層上に、乾燥後の塗工量が1.5g/m2
なるように塗布し、乾燥し、さらに140℃で熱処理し
て記録媒体1を得た。
【0061】得られた記録媒体の塩化カリウムの存在量
は、15mg/cm2であり、表面のpHは5.8であ
った。
【0062】記録媒体2 チオ硫酸ナトリウムをその表面近傍に含んでなる記録媒
体を次のようにして調製した。記録媒体1で調製した疑
ベーマイト層上に、アルミニウムアルコキシドの加水分
解・解膠法により合成した、固形分18重量%のアルミ
ナゾル100gと、ポリビニルアルコール6.2重量%
水溶液60gと、チオ硫酸ナトリウム10重量%水溶液
60gとを混合して塗工液とした。この塗工液を、乾燥
後の塗工量が2g/m2となるように塗布し、乾燥し、
さらに140℃で熱処理して記録媒体2を得た。
【0063】得られた記録媒体の塩化カリウムの存在量
は、44mg/cm2であり、表面のpHは4.3であ
った。
【0064】記録媒体3 チオ硫酸カリウムをその表面近傍に含んでなる記録媒体
を次のようにして調製した。ウレタンアクリレートオリ
ゴマーの水性エマルジョン(東亞合成株式会社製、ネオ
タンUE、固形分50%)40部に、N−ビニルピロリ
ドン5部および平均粒径3.5μmの非結晶性シリカ
(水沢化学株式会社製、ミズカシル)75部を混合し、
さらにチオ硫酸カリウム5部を混合し、水を用いて溶質
濃度が60重量%の塗工液を調製した。この塗工液を坪
量150g/m2のポリエチレンラミネート紙の一面上
に、メイヤーバーを用いて、乾燥後の塗工量が35g/
2となるように塗布し、乾燥後、この塗布層上にPE
Tフィルム(表面あらさRa=0.02μm、厚さ70
μm、商品名:ルミラー、東レ株式会社製)を張り合わ
せた。さらに、PETフィルムの上から200kVの加
速電圧でフィルム下の吸収線量が3Mradになるよう
に電子線を照射して塗布層を硬化した。次いで、塗工層
からPETフィルムを剥離することにより、記録媒体3
を得た。
【0065】得られた記録媒体の塩化カリウムの存在量
は、165mg/cm2であり、表面のpHは6.8で
あった。
【0066】記録媒体4 塩化カリウムを添加しないこと以外は、記録媒体1と同
様にして記録媒体を得た。
【0067】記録媒体5 チオ硫酸ナトリウムを添加しないこと以外は、記録媒体
2と同様にして記録媒体を得た。
【0068】記録媒体6 チオ硫酸カリウムを水酸化カリウムに代えた以外は記録
媒体3と同様にして、表面pHが11の記録媒体を得
た。
【0069】インク組成物の調製 下記の表に記載の組成を有するインク組成物を調製し
た。
【0070】なお、表中において、カチオン性水溶性樹
脂は、上で調製したカチオン性樹脂2である。
【0071】また、次の略号を用いた。
【0072】TEGmBE:トリエチレングリコールモ
ノブチルエーテル DEGmBE:ジエチレングリコールモノブチルエーテ
ル TEA:トリエタノールアミン さらに、オルフィンE1010は信越化学工業社製アセ
チレングリコール系界面活性剤を、プロキセルXLはゼ
ネカ社製防錆剤である。
【0073】
【表1】 評価試験 評価1 :画像品質 インクジェットプリンタMJ−830C(セイコーエプ
ソン株式会社製)により、上記インクセットのインク組
成物を用いて、上記記録媒体に印刷を行った。印刷画像
は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック、グリー
ン、レッド、およびブルーの7色のベタ印字を含むグラ
デーションパターンと、ISOのポートレートとした。
得られた画像のベタ印刷部分の発色性および光沢感、な
らびにポートレートの画質を目視により下記の基準で評
価した。 評価A:発色性が高く、表面は記録媒体の本来の光沢を
保ち、画質も非常にきれいである。 評価B:発色性にやや劣り、表面は記録媒体の本来の光
沢を失っているが、画質は許容出来る品質である。 評価C:発色性に劣り、記録媒体の表面の光沢は明らか
に失われており、画質も劣る。
【0074】評価2:色間にじみ 評価1と同様のプリンタにより、イエロー、マゼンタ、
シアン、ブラック、グリーン、レッド、およびブルーの
7色の全てについて、それぞれ他の色と隣り合うパター
ンの印刷を行った。それぞれの境界での色間にじみを目
視により観察し、下記の基準で評価した。 評価A:色間にじみがない。 評価B:色間にじみがあるが、許容できる範囲である。 評価C:色間にじみにより、画像は実用に耐えない。
【0075】評価3:耐水性 評価1で得られた印刷物上に約1秒間水道水を流した。
その後、自然乾燥させた。目視により印刷物の状態を観
察し、その結果を次の基準で評価した。また、記録媒体
として、普通紙XeroxP、Reymat、およびX
erox4024にも評価1と同様の印刷を行い、同様
の評価を行った。 評価A:全く色落ちはなかった。 評価B:若干インクがにじみ出し、印刷部分の周りが溶
けだした色で染まった。 評価C:インクが流れ出し、印刷部分の痕跡がほとんど
残らなかった。
【0076】以上の結果は、下記の表に示される通りで
あった。
【0077】
【表2】

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】インク組成物の液滴を吐出し、該液滴を記
    録媒体に付着させて印刷を行うインクジェット記録方法
    であって、 水、アルカリ可溶性の着色剤、および下記の式(I)中
    の式(a)で表される繰り返し単位(a)および式
    (b)で表される繰り返し単位(b)を含んでなるカチ
    オン性水溶性ポリマーを少なくとも含んでなるインク組
    成物を用い、かつその表面近傍に一価の金属の塩を含ん
    でなる記録媒体を用いることを特徴とする、インクジェ
    ット記録方法: 【化1】 (上記式中、 R1およびR2 は、同一でも異なっていてもよく、C1-5
    アルキル基を表し、 R3は、水素原子またはC1-5 アルキル基を表し、 nは0、1、または2を表す。)
  2. 【請求項2】前記式(I)中の単位(a)と単位(b)
    との存在比が2:8〜7:3の範囲にある、請求項1に
    記載のインクジェット記録方法。
  3. 【請求項3】前記カチオン性水溶性樹脂の重量平均分子
    量が250〜20,000の範囲である、請求項1また
    は2に記載のインクジェット記録方法。
  4. 【請求項4】前記式(I)で表される繰り返し単位にお
    いて、R1およびR2が共にメチル基を表す、請求項1〜
    3のいずれか一項に記載のインクジェット記録方法。
  5. 【請求項5】前記式(I)で表される繰り返し単位にお
    いて、R3 がメチル基を表す、請求項1〜4のいずれか
    一項に記載のインクジェット記録方法。
  6. 【請求項6】前記式(I)で表される繰り返し単位にお
    いて、nが1を表する、請求項1〜5のいずれか一項に
    記載のインクジェット記録方法。
  7. 【請求項7】前記カチオン性水溶性樹脂において、前記
    単位(a)と単位(b)とが、それぞれブロックまたは
    ランダムに重合してなるものである、請求項1〜6のい
    ずれか一項に記載のインクジェット記録方法。
  8. 【請求項8】前記一価の金属がアルカリ金属である、請
    求項1〜7のいずれか一項に記載のインクジェット記録
    方法。
  9. 【請求項9】前記カチオン性水溶性樹脂が酸付加塩であ
    る、請求項1〜8のいずれか一項に記載のインクジェッ
    ト記録方法。
  10. 【請求項10】請求項1〜9のいずれか一項に記載の記
    録方法によって記録が行われた、記録物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2002072716A1 (fr) * 2001-03-06 2002-09-19 Fuji Xerox Co., Ltd. Composition d'encre d'enregistrement par jet d'encre

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